説明

LTB4拮抗薬とCOX−2阻害薬又は組み合せCOX1/2阻害薬を含む医薬組成物

本発明は、ヒドロキシ基とベンズアミジン基を有するLTB4拮抗薬、或いはその互変異性体、薬理的許容塩、又は溶媒和物、特に式(I)の化合物(式中のRとAは請求項に定義したもの)、或いは互変異性体、薬理的許容塩、又は溶媒和物である(1)と、少なくとも1つのシクロオキシゲナーゼ-2阻害薬又はCOX1/2組み合せ阻害薬、或いは薬理的許容塩、又は溶媒和物である(2)と、薬理的許容キャリア又は賦形剤と、任意成分として1つ以上の他の治療成分と、を含む医薬調合物に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、確実な経口有効性があり、ヒドロキシ基とベンズアミジン基を有するLTB4拮抗薬、或いはその互変異性体、薬理的許容塩、溶媒和物、又は生理的機能性誘導体である(1)と、少なくとも1つのシクロオキシゲナーゼ-2阻害薬、或いはその薬理的許容塩、溶媒和物、又は生理的機能性誘導体である(2)と、薬理的許容キャリア又は賦形剤と、任意成分として1つ以上の他の治療成分と、を含む医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
US patent US 6,172,096は、シクロオキシゲナーゼ-2阻害薬とロイコトリエンB4(LTB4)受容体拮抗薬を投与することにより、レシピエントに移植された細胞又は臓器の急性又は慢性拒否反応を軽減する方法と、自己免疫疾患、急性又は遅性型の過敏症反応、アレルギー疾患、肉芽腫、髄膜炎、及び敗血性ショックを処置する方法を開示している。
【0003】
ヒドロキシ基とベンズアミジン基を有するLTB4拮抗薬は、薬理的に有益な特性を有する化合物である。このようなLTB4拮抗薬は、例えば、関節炎、喘息、慢性的な肺の閉塞性換気障害疾患、乾癬、潰瘍性大腸炎、アルツハイマー病、ショック、再潅流損傷/虚血、嚢胞性線維症、アテローム性動脈硬化症、及び多発性硬化症の処置においてきわだった治療利益を与えることができる。
【0004】
このような化合物は、例えば、国際特許出願、WO96/02497、WO97/21670、WO98/11062、WO98/11119、WO01/25186、及びPCT/EP01/00262に開示されている。しかしながら、これらの先行技術引例はどれも、シクロオキシゲナーゼ-2阻害薬と、ヒドロキシ基とベンズアミジン基を有するLTB4拮抗薬との組み合せ物が、特にリウマチ関節炎の処置に対して相乗効果を示すことを指摘していない。
【0005】
アラキドン酸は、局所的に塗布することで、皮膚の炎症を引き起こすことが実証されている(Carter et al, 5-Lipoxygenase inhibitory activity of zileuton. J Pharmacol Exp Ther 256, 929-937(1990))。この炎症は好中球が豊富なので、好中球指標酵素であるミエロペルオキシダーゼ(MPO)を細胞浸潤の定量的指標に用いることができる。マウスの耳は、アラキドン酸のような種々の薬品によって引き起こされる皮膚の炎症モデルに用いるのに、特に適している。アラキドン酸は、いくつかの炎症伝達物質である、プロスタグランジンとLTB4に代謝されることが知られている。従って、LTB4拮抗薬もNSAIDもそれ単独ではこの種の炎症を十分に打ち消すとは考えられない。そのため、このモデルはNSAID-LTB4拮抗薬組み合せ物の有効性を検証するのに有用であると思われる。
【0006】
ここで、驚くべきことに、シクロオキシゲナーゼ-2阻害薬と、好ましくはフェノール性ヒドロキシ基であるヒドロキシ基とベンズアミジン基を有するLTB4拮抗薬とを含む医薬調合物が、特にリウマチ関節炎の処置に相乗効果を示すことが分かった。
【発明の開示】
【0007】
本発明は、ヒドロキシ基とベンズアミジン基を有するLTB4拮抗薬、好ましくは式(I)の化合物、
【化1】

(式中、Rは水素原子又は式-CO2-R'基を表し、R'は、C1-6アルキル、任意に置換されていてもよいフェニル基、又は任意に置換されていてもよいベンジル基を表し、任意の置換基は、ハロゲン原子、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、シアノ、ニトロ、C1-6ハロアルキル、及びC1-6ハロアルコキシ基から選ばれ、Aは式(A1)及び(A2)から選択される基である)
【化2】

或いはその互変異性体、薬理的許容塩、溶媒和物、又は生理的機能性誘導体である(1)と、
少なくとも1つのシクロオキシゲナーゼ-2阻害薬又は組み合せCOX1/COX2阻害薬、或いはその薬理的許容塩、溶媒和物、又は生理的機能性誘導体である(2)と、
薬理的許容キャリア又は賦形剤と、任意成分として1つ以上の他の治療成分と、を含む医薬組成物に関する。
好ましくは、RはH又は-CO2-C2H5を表す。
【0008】
本発明のもう1つの側面は、慢性関節リウマチ、脊椎関節症、痛風関節炎、変形性関節症、全身性エリテマトーデス、及び若年性関節炎を含む関節炎、喘息、枯草熱、アトピー性皮膚炎、鼻炎、気管支炎、COPD、及び嚢胞性線維症、乾癬、強皮症、ベヒテレフ病、サルコイドーシス、腫瘍転移、クローン疾患、潰瘍性大腸炎、IBD、多発性硬化症、動脈硬化症、動脈炎、心筋梗塞、脳卒中、冠状動脈性心臓病から成る群から選択される疾病又は疾患の予防又は処置の方法であって、ヒドロキシ基とベンズアミジン基をもつLTB4拮抗薬、好ましくは式(I)の化合物である(1)と、シクロオキシゲナーゼ-2阻害薬又は組み合せCOX1/COX2阻害薬である(2)との、効果的な量を、必要とする患者に対して組み合せした状態で投与するか、或いは単独的又は単独的且つ逐次的に、逐次的な投与は時間を空けずに又は時間を空けてする方法である。
【0009】
さらに、本発明は、ヒドロキシ基とベンズアミジン基を有するLTB4拮抗薬、好ましくは式(I)の化合物である(1)と、シクロオキシゲナーゼ-2阻害薬である(2)とを組み合せした状態であるか、或いは単独的又は単独的且つ逐次的に、逐次的な投与は時間を空けずに又は時間を空けてすることを使用して、慢性関節リウマチ、脊椎関節症、痛風関節炎、変形性関節症、全身性エリテマトーデス、及び若年性関節炎を含む関節炎、喘息、枯草熱、アトピー性皮膚炎、鼻炎、気管支炎、COPD、及び嚢胞性線維症から成る群から選択される疾病又は疾患の予防又は処置のための薬剤を製造することに関する。
【0010】
最後に、本発明は、少なくとも2つに分離できるユニットの調剤形状(A)及び(B)を含む医薬キットに関する。
(A)ヒドロキシ基とベンズアミジン基を有するLTB4拮抗薬、好ましくは式(I)の化合物、その互変異性体、又は薬理的許容塩である(1)と、任意成分として薬理的許容キャリアと、を有する組成物を含むもの、
(B)1つ以上のシクロオキシゲナーゼ-2阻害薬又は組み合せCOX1/2阻害薬である(2)と、任意成分として薬理的許容キャリアと、を有する組成物を含むもの
【0011】
“ヒドロキシ基とベンズアミジン基を有するLTB4拮抗薬”という用語は、選択的にロイコトリエンB4受容体とその対応する生成物を抑制する化合物を含む。それらは好ましくは、5つまで、好ましくは3つ又は4つのフェニレン基からなる“棒状”構造で、それらは互いに、単結合、直鎖、又は分枝のC1-4アルキレンジイル、-O-C1-4-アルキレンジイル、C1-4-アルキレンジイル-O-、及び-O-C1-4-アルキレンジイル-O-から選択される結合基によって結合されている。上記フェニレン基の1つ、好ましくは末端の1つは、アミジン基(-C(=NH)-NH2)を有しており、イミノ基の水素原子は、化合物の生体利用効率を高め且つ生理的条件下で開裂するキャッピング基で置換されていてもよい。好ましくは、他のフェニレン基の1つ、最も好ましくは他の末端の1つが、フェノール性ヒドロキシ基を有する。
“キャッピング基”という用語は、好ましくは式-CO2R'の基を意味し、R'は上記の意味を有する。
【0012】
“C1-6アルキル”という用語は、炭素原子1〜6個を有する直鎖及び分枝アルキル基、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、2-ブチル、n-ペンチル及びn-ヘキシルを包含する。
【0013】
好ましい医薬組成物は、その有効成分が本質的に、式(I)の化合物、特に式(IA)
【化3】

である(1)と、1つのシクロオキシゲナーゼ-2阻害薬又は組み合せCOX1/COX2阻害薬である。
“シクロオキシゲナーゼ-2阻害薬”という用語は、選択的にシクロオキシゲナーゼ2をシクロオキシゲナーゼ1よりも抑制するか、又は組み合せされたシクロオキシゲナーゼ1及びシクロオキシゲナーゼ2阻害薬である化合物を含む。
【0014】
好ましい形態は、シクロオキシゲナーゼ-2阻害薬又は組み合せCOX1/COX2阻害薬が、セレコキシブ、デュポンダップ697、エトドラック、エトリコキシブ、フロスリド、メロキシカム、ニメスリド、パレコキシブ、ロフェコキシブ、タイショウ NS-398、及びバルデコキシブ、特に下記の式のメロキシカム又はその薬理的許容塩から成る群から選ばれる。
【化4】

【0015】
“組み合せ治療”(又は“共治療”)という用語は、シクロオキシゲナーゼ-2阻害薬とロイコトリエンB4受容体拮抗薬の使用を定義する際の、それぞれの薬品を逐次的方法で、薬剤の組み合せの有益な効果を与えるような療法において投与することを含むものであることを意味する。こという用語はまた、これらの薬品を実質的同時な手法である、一定比率でそれらの薬品を有する1つのカプセルや、それぞれの薬品を複数、別々のカプセルに入れるようにして、共に投与することを含むものであることも意味する。
【0016】
“治療的効果”という用語は、厳格に改良の目的を達成する組み合せ治療において使用するそれぞれの薬品の量と、それぞれの試薬単独による処置よりも病気発生の頻度を緩和し、その一方で不都合な副作用が概して伴う既存の治療を避けることを意味する
【0017】
式(I)の有効成分が、生理的許容酸添加塩の形成において、本発明による調合物中にあってもよい。本発明による生理的許容酸添加塩とは、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルフォン酸、酢酸、フマル酸、琥珀酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、及びマレイン酸の塩から選択される薬理的許容塩を意味する。上記の酸の組み合せ物を用いて塩を調製してもよい。本発明における好ましい式(I)の塩は、塩化水素酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、フマル酸塩、及びメタンスルフォン酸塩の中から選択される。塩化水素酸塩、臭化水素酸塩及びフマル酸塩の中から選択される塩が特に好ましい。有効成分は任意成分として水和物形状とすることができる。好ましくは、本発明においては、式(I)の化合物を遊離塩基形状及び無水和物形状で錠剤に加える。
【0018】
本発明による医薬調合物は概して、口内、血管内、腹膜内、皮下、筋内、又は局所的投与、特に経口投与が適当である。
【0019】
好ましくは、本発明は、式(I)の化合物と、シクロオキシゲナーゼ-2阻害薬又は組み合せCOX1/COX2阻害薬とを含む錠剤に関し、それは少なくとも1つの薬理的許容賦形剤と、任意成分として少なくとも1つの湿性剤とを含む。
【0020】
上記及び下記に用いられる“湿性剤”という用語は、水や他の液体の表面張力を下げることで、本発明による錠剤の表面を貫通でき、それらを通して浸して空気を追い出すことによって、それらを湿らすことのできる賦形剤を表わす。湿性剤に用いられる物質は通常、境界面活性を有する界面活性剤である。これらの界面活性剤は両親媒性(二機能性)化合物で、その分子に少なくとも1つの疎水部と親水部を有する。疎水基は通常、炭素原子が8〜22個の炭化水素鎖で、可能であれば直鎖である。特殊な界面活性剤は、(ジメチル)−シロキサン鎖や過フッ化水素鎖も、分子の疎水部として有することができる。親水基は、負や正に帯電(水和可能)、又は中立極性の先端基のどちらでもよい。界面活性剤の中では、陰イオン界面活性剤、特に長鎖アルキルスルフェート、とりわけナトリウムラウリルスルフェート及びアルキルベンゼンスルフォネートが好ましい。
【0021】
本発明の範囲において、ラクトース又はマンノース、特に細粒ラクトースのような炭水化物又はマンニトール、ソルビトール又はキシリトール特にマンニトールのような糖アルコールが、賦形剤として特に重要である。これらの賦形剤は、本発明による調合物において特に有効であることが証明されている。そのため、好ましい見方としては、本発明は少なくとも1つの式(I)の化合物を含む錠剤に関し、その錠剤は、有効成分と湿性剤に加えて、ラクトース、特に細粒ラクトース、さらに好ましくはラクトース1水和物又はマンニトールを賦形剤として有する。
【0022】
本発明による錠剤は、結合剤として作用することのできる化合物も含んでよい。
上記及び下記に用いられる“結合剤”という用語は、成分と成分を結合するのに適当な賦形剤を示す。本発明による好ましい結合剤は、粉末セルロース、微小質セルロース、ソルビトール、スターチ、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、ビニルピロリドンと他のビニル誘導体の共重合体(コポビドン)、セルロース誘導体、特にメチルヒドロキシプロピルセルロース、例えばMethocel A 15LV、及びこれらの化合物の組み合せ物の中から選択される。好ましい結合剤は粉末セルロース、特に微小質セルロース、及び/又はコポビドンである。最も好ましいのは、微小質セルロースと、ビニルピロリドン及びビニルアセテートが約3:2(m/m)の比であるビニルピロリドンとビニルアセテートの共重合体である、すなわちコポビドンVA64との組み合せ物である。概して本発明による錠剤は、微小質セルロースとコポビドンVA64の質量比が20:1〜1:1、好ましくは15:1〜2:1、特に約10:1〜3:1である。この特に好ましい微小質セルロースとコポビドンの組み合せ結合剤によって、錠剤は式(I)の化合物の高生体利用効率を得ることとなる。
【0023】
本発明による錠剤は、錠剤分解物質を上記成分に加えて含んでいてもよい。本発明の範囲内において、これらの錠剤分解物質は任意成分として分解剤としても理解してもよい。本発明によるこれらは、好ましくはナトリウムスターチグリコレート、架橋ポリビニルピロリドン(クロスポビドン)、クロスカルメロースナトリウム塩(架橋されたセルロースカルボキシメチルエーテルのナトリウム塩)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、乾燥トウモロコシスターチ、及びそれらの組み合せ物の中から選択される。本発明の範囲内において、特に好まれるのは、ナトリウムスターチグリコレート、クロスポビドン、及び、好ましくは、クロスポビドン又はクロスカルメロースのナトリウム塩を用いることである。
【0024】
本発明による錠剤は、流動剤や流動調節剤、及び潤滑剤も添加成分として含んでよい。本発明の範囲内において、これらは例えば、二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸、ナトリウムステアリルフマレート、マグネシウムステアレート、及びグリセロールトリベヘネートを含む。本発明においては、マグネシウムステアレートが好んで用いられる。
【0025】
さらに、本発明による錠剤は、1つ以上の合成又は天然の薬学的許容染料又は着色料を含んでよく、好ましくはインジゴカルミンである。上記の着色料が用いられるのであれば、本発明による錠剤の全質量におけるその質量は0.01〜0.5wt.%である。
【0026】
有効成分(1)と(2)は、概して、組み合せすることによって相乗効果を示すような比で適用される。ここで用いられる“相乗効果”という用語は、それぞれの有効成分単独の効果を相加して期待される状態よりも高い効果を意味する。
【0027】
従って、本発明による医薬調合物は、概して、(1)と(2)を、好ましくは(1)と(2)の質量比である、相乗的効果量として、50:1〜1:300の範囲、好ましくは8:1〜1:80、特に1:1〜1:40、最も好ましいのは1:5〜1:30であることを示している。
【0028】
本発明による医薬調合物は好ましくは、1回の投与量で1〜10000mg、好ましくは5〜1000mgの組み合せ有効成分(1)及び(2)を含んで投与される。最も好ましい形態は、約10mgのメロキシカムと、300mgまでの式(IA)を含む調合物である。
【0029】
以下の例は、本発明によるいくつかの調合物を説明するのに役立つ。それらは、記述される例によってのみ可能な手順であるようにされているが、本発明をそれらの内容に限定しない。







【0030】

≪例1≫
成分
(01)化合物(IA)、jet-ground
(02)メロキシカム
(03)微小質セルロース
(04)マンニトール
(05)クロスカルメロースナトリウム
(06)ナトリウムラウリルスルフェート
(07)インジゴカルミン(11〜14%)
(08)マグネシウムステアレート

成分(01)、(02)、(06)、(07)及び若干の(04)の予組み合せ物を、強いミキサーで直接圧縮して製造する。その予組み合せ物をふるいにかけ、成分(03)、(05)及び残りの(04)と強力なミキサーで組み合せする。その組み合せ物を再びふるいにかけたのち、成分(08)を加える。
【0031】
≪例2≫
2.1 動物
雌の白マウス(Han:NMRI)をinterfaunaから入手し、体重が約20〜25gのものを用いた。その動物らには標準的なペレット食品(Altromin 8013)を与え、水道水を自由に利用可能とした。その動物らを12時間の昼/夜サイクルで特定の気候にできる部屋に収容し、集団で保った。
【0032】
2.2 化学物質
式(IA)の化合物:
US 6,417,382に記述されているように、カルバミン酸[[4−[[3−[[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−フェノキシ]メチル]フェニル]メトキシ]フェニル]イミノメチル]−エチルエステルを調製した。
メロキシカムはBoehringer Ingelheim Pharma KGによって用意した。
アラキドン酸はSigma(A9798)から購入し、1:10でアセトンに溶解させた。
【0033】
2.3 調査設計
式(IA)の化合物とメロキシカムを、アラキドン酸チャレンジの30分前に経口投与(0.2ml/10g bw)した。メロキシカムは2度与え、1回目の投与はチャレンジの16時間前、2回目の投与は30分前にした。毎日同時のコントロールを用意した。そして1グループ当たりの動物の数を7匹とした。本研究の化合物を1%メチルセルロース(Tylose MH300, Fluka, CH-9470 Buchs)中に懸濁した。実験は5つのグループで行った。詳細を表1に記す。全てのグループは、1匹のコントロール、2匹のメロキシカム投与、2匹の(IA)投与、及び1匹の2つの化合物の組み合せ物投与を含む。
表1

【0034】
2.4 実験手順
マウスをエーテルで軽く麻酔をし、1mgのアラキドン酸(10μl)を左耳の両側に投与した。右耳は何の処置もしないままにし、アセトン単独はいかなる応答も引き起こさなかった。その動物を6時間後にエーテルで殺し、バイオプシー(直径8mm)で両耳に穴をあけ、左耳と右耳を比較して好中球の増加量を評価する。組織サンプルを、1ml0.5%のHTAB(ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド;Sigma H-5882; 0.05Mフォスフェート緩衝液に溶解、pH6.0)に、組織ホモジェナイザー(IKA-Ultraturrax T5; Janke & Kunkel, Staufen/Breisgau)を用い、15秒間30000RPMで均質化した。遠心分離(1600G、5分)ののち、その表面を、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)処理まで凝固させた。好中球指標酵素のMPOに対する表面を測定することは、好中球蓄積に対する定量的指標となった。
MPOを、450nmの分光光度法によって、動的測定に適しているBradley(1982)の方法のマイクロプレート版とマイクロプレートリーダー(Vmax; Molecular Devices, Palo Alto)を用いて測定し、1分当たりの平均視覚密度として表した。
【0035】
2.5 統計的評価
それぞれに対して、応答ミエロペルオキシターゼ活性(MPO)を1分間における視覚的密度(oD/min)において計測した。
これらの結果に基づいて、統計的分析を行った。
・コントロールグループの比較
・コントロールと処置とをそれぞれのグループ別々に比較
・高い投与量と低い投与量との両方の処置をそれぞれのグループ別々に比較
・組み合せ処置と高い投与量とをそれぞれのグループ別々に比較
・組み合せ処置と他の処置とをグループ5において比較
比較にあたって、非母数統計量方法であるKruskal-Wallis-One-Way-ANOVA及びWilcoxon-Two-Sample-Test(2sided)を用いた。最初から最後までの比較の間、p-値を調整するBonferroni-Holmも計算した。
計算及び統計的分析は、SASソフトウェアプログラム(SAS institute Inc., Cary, North Carolina)8.2版のNPAR1WAY手順によって行った。(IA)とメロキシカムは共に、マウスの耳の炎症を引き起こしたアラキドン酸を抑制した。統計的分析の詳細を表2〜4に示す。
表2 処置とコントロールの違い



















表3
高い/低い処置及び高い処置と組み合せとの比較


表4
組み合せと他とのグループ5における比較

【0036】
アラキドン酸がマウスの耳に炎症を引き起こすテストは、そこに好中球が巻き込まれる(導入とも見れる)病理的プロセスを示している。それは特に、好中球活性を引き起こすアラキドン酸カスケードの化学的誘引部の解明に役立つ。この結果は、(IA)とメロキシカムは経口的効果があり、結果的にこの炎症の重要部を標的とすることができることを示している。
【0037】
両化合物の組み合せに関して、素晴らしい付加的効果(相乗効果)が証明されたに違いない2つの特徴がある。
i) 組み合せによる最大到達可能な効果は、1つの化合物の最大到達可能な効果よりも大きいに違いない。
ii) 組み合せによる効果は、1つの化合物の投与量応答曲線から期待され得る効果よりも大きいであろう。
第1の特徴は、1つの化合物の最大投与量を超えて用い、さらにそれらと組み合せ物の最大到達可能な効果を比較することによって実験的に検証される。これは、その調査中の化合物が、自身の100%の抑制を引き起こす場合、難しいものと思われる。そのため、アラキドン酸がマウスの耳の炎症を引き起こすモデルが選ばれた。なぜなら、NSAIDsとLTB4拮抗薬は、非常に浅い投与量応答曲線を示し、100%の抑制効果を示す可能性はほとんどないからである。グループ5の本実験が示すように、最大限を超えたメロキシカム(16及び32mg/kg p.o.)及び(IA)(0.8及び1.6mg/kg p.o.)の投与量は、最大抑制効果がそれぞれ37%及び66%に達し、それに対して組み合せ物(メロキシカム16mg/kg p.o.、(IA)0.8mg/kg p.o.)は最大抑制が96%に達した。この違いは、統計的に重要であって、結果的に特徴i)による素晴らしい付加的効果を証明する。
【0038】
第2の特徴は、1つの化合物の投与量を2倍にし、さらに1つの化合物の高い投与量の効果と、1つの化合物の低い投与量の組み合せ効果とを比較することで検証でき得る。グループ1において、全ての投与量はどの効果に到達するのにも低すぎて、結果的にこの実験の結果は相乗効果の仮説を受け入れるのにも拒絶するのにも用いることができない。同様のことがグループ3における実験にも適用される。組み合せ物が高い抑制を達成したとはいえ、1つの化合物の最も高い投与量によって到達する抑制は統計的に重要ではない。なぜなら、1つの化合物単独ですでに高い抑制値を引き起こしたからである。しかしながら、グループ2,4及び5で行われた実験は、組み合せ物が、特徴i)による素晴らしい相加的効果を与えることによる1つの化合物のより高い投与量よりも、非常に効果的であることを、明らかに示している。
【0039】
結論は、非ステロイド抗炎症薬のメロキシカムとLTB4拮抗薬(IA)との組み合せ物が、マウスの耳の炎症を引き起こすアラキドン酸を、素晴らしい相加的な方法における経口投与をしたのちに、強く抑制するということである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシ基とベンズアミジン基を有するLTB4拮抗薬、或いはその互変異性体、薬理的許容塩、溶媒和物、又は生理的機能性誘導体である(1)と、少なくとも1つのシクロオキシゲナーゼ-2阻害薬又は組み合せCOX1/COX2阻害薬、或いはその薬理的許容塩、溶媒和物、又は生理的機能性誘導体である(2)と、薬理的許容キャリア又は賦形剤と、任意成分として1つ以上の他の治療成分と、を含む医薬組成物。
【請求項2】
前記LTB4拮抗薬が、式(I)の化合物、
【化1】

(式中、Rは水素原子又は式-CO2-R'の基を表し、R'は、C1-6アルキル、任意に置換されていてもよいフェニル基、又は任意に置換されていてもよいベンジル基を表し、前記任意の置換基は、ハロゲン原子、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、シアノ、ニトロ、C1-6ハロアルキル、及びC1-6ハロアルコキシ基から選択され、またAは式(A1)及び(A2)から選択される基である)
【化2】

或いはその互変異性体、薬理的許容塩、溶媒和物、又は生理的機能性誘導体の(1)である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
式(IA)の化合物である
【化3】

(1)と、セレコキシブ、デュポンダップ697、エトドラック、エトリコキシブ、フロスリド、メロキシカム、ニメスリド、パレコキシブ、ロフェコキシブ、タイショウ NS-398、及びバルデコキシブから成る群から選択される1つのシクロオキシゲナーゼ-2阻害薬又は組み合せCOX1/COX2阻害薬、或いはその薬理的許容塩、溶媒和物、又は生理的機能性誘導体である(2)と、薬理的許容キャリア又は賦形剤と、から本質的に成る、請求項1又は2記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記式(IA)の化合物である(1)と、下式のメロキシカム、
【化4】

或いはその薬理的許容塩である(2)と、薬理的許容キャリア又は賦形剤と、を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
口内、血管内、腹膜内、皮下、筋内、又は局所的投与に適している、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記(1)及び(2)の質量比が、50:1〜1:300、好ましくは8:1〜1:80の範囲である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
1回の投与量が、1〜10000mg、好ましくは10〜2000mgの前記組み合せ有効成分(1)及び(2)を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記薬理的許容キャリア又は賦形剤が、炭水化物である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
慢性関節リウマチ、脊椎関節症、痛風関節炎、変形性関節症、全身性エリテマトーデス、及び若年性関節炎を含む関節炎、喘息、枯草熱、アトピー性皮膚炎、鼻炎、気管支炎、COPD、及び嚢胞性線維症、乾癬、強皮症、ベヒテレフ病、サルコイドーシス、腫瘍転移、クローン疾患、潰瘍性大腸炎、IBD、多発性硬化症、動脈硬化症、動脈炎、心筋梗塞、脳卒中、冠状動脈性心臓病から成る群から選択される疾病又は疾患の予防又は処置の方法であって、ヒドロキシ基とベンズアミジン基をもつLTB4拮抗薬、或いは互変異性体、薬理的許容塩、溶媒和物、又は生理的機能性誘導体である(1)と、シクロオキシゲナーゼ-2阻害薬又は組み合せCOX1/COX2阻害薬である(2)との、効果的な量を、組み合せた状態でこれを必要とする患者に対して投与するか、或いは単独的又は単独的且つ逐次的に、逐次的な投与は時間を空けずに又は時間を空けてすることを含む、方法。
【請求項10】
慢性関節リウマチ、アトピー性皮膚炎、及び冠状動脈性心臓病の予防又は処置のための、請求項9記載の方法。
【請求項11】
ヒドロキシ基とベンズアミジン基を有するLTB4拮抗薬、或いはその互変異性体、薬理的許容塩、溶媒和物、又は生理的機能性誘導体である(1)と、シクロオキシゲナーゼ-2阻害薬又は組み合せCOX1/COX2阻害薬である(2)とを組み合せした状態であるか、或いは単独的又は単独的且つ逐次的に、逐次的な投与は時間を空けずに又は時間を空けてすることを、慢性関節リウマチ、脊椎関節症、痛風関節炎、変形性関節症、全身性エリテマトーデス、及び若年性関節炎を含む関節炎、喘息、気管支炎、COPD、及び嚢胞性線維症から成る群から選択される疾病又は疾患の予防又は処置のための薬剤の製造への使用。
【請求項12】
慢性関節リウマチ、アトピー性皮膚炎、及び冠状動脈性心臓病の予防又は処置のための薬剤の製造のための、請求項11記載の使用。
【請求項13】
下記の少なくとも2つの分離した単位投与形態(A)及び(B)を含む医薬キット。
(A)ヒドロキシ基とベンズアミジン基を有するLTB4拮抗薬、又は互変異性体、薬理的許容塩、溶媒和物、又は生理的機能性誘導体である(1)と、任意成分として薬理的許容キャリアと、を有する組成物を含むもの、
(B)1つ以上のシクロオキシゲナーゼ-2阻害薬又は組み合せCOX1/2阻害薬と、任意成分として薬理的許容キャリアと、を有する組成物を含むもの。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシ基とベンズアミジン基を有するLTB4拮抗薬、或いはその互変異性体、薬理的許容塩、溶媒和物、又は生理的機能性誘導体である(1)と、少なくとも1つのシクロオキシゲナーゼ-2阻害薬又は組み合せCOX1/COX2阻害薬、或いはその薬理的許容塩、溶媒和物、又は生理的機能性誘導体である(2)と、薬理的許容キャリア又は賦形剤と、任意成分として1つ以上の他の治療成分と、を含む医薬組成物。
【請求項2】
前記LTB4拮抗薬が、式(I)の化合物、
【化1】

(式中、Rは水素原子又は式-CO2-R'の基を表し、R'は、C1-6アルキル、任意に置換されていてもよいフェニル基、又は任意に置換されていてもよいベンジル基を表し、前記任意の置換基は、ハロゲン原子、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、シアノ、ニトロ、C1-6ハロアルキル、及びC1-6ハロアルコキシ基から選択され、またAは式(A1)及び(A2)から選択される基である)










【化2】

或いはその互変異性体、薬理的許容塩、溶媒和物、又は生理的機能性誘導体の(1)である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
式(IA)の化合物である
【化3】

(1)と、セレコキシブ、デュポンダップ697、エトドラック、エトリコキシブ、フロスリド、メロキシカム、ニメスリド、パレコキシブ、ロフェコキシブ、タイショウ NS-398、及びバルデコキシブから成る群から選択される1つのシクロオキシゲナーゼ-2阻害薬又は組み合せCOX1/COX2阻害薬、或いはその薬理的許容塩、溶媒和物、又は生理的機能性誘導体である(2)と、薬理的許容キャリア又は賦形剤と、から本質的に成る、請求項1又は2記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記式(IA)の化合物である(1)と、下式のメロキシカム、
【化4】

或いはその薬理的許容塩である(2)と、薬理的許容キャリア又は賦形剤と、を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
口内、血管内、腹膜内、皮下、筋内、又は局所的投与に適している、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記(1)及び(2)の質量比が、50:1〜1:300、好ましくは8:1〜1:80の範囲である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
1回の投与量が、1〜10000mg、好ましくは10〜2000mgの前記組み合せ有効成分(1)及び(2)を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記薬理的許容キャリア又は賦形剤が、炭水化物である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
ヒドロキシ基とベンズアミジン基を有するLTB4拮抗薬、或いはその互変異性体、薬理的許容塩、溶媒和物、又は生理的機能性誘導体である(1)と、シクロオキシゲナーゼ-2阻害薬又は組み合せCOX1/COX2阻害薬である(2)とを組み合せした状態であるか、或いは単独的又は単独的且つ逐次的に、逐次的な投与は時間を空けずに又は時間を空けてすることを、慢性関節リウマチ、脊椎関節症、痛風関節炎、変形性関節症、全身性エリテマトーデス、及び若年性関節炎を含む関節炎、喘息、気管支炎、COPD、及び嚢胞性線維症から成る群から選択される疾病又は疾患の予防又は処置のための薬剤の製造への使用。
【請求項10】
慢性関節リウマチ、アトピー性皮膚炎、及び冠状動脈性心臓病の予防又は処置のための薬剤の製造のための、請求項11記載の使用。
【請求項11】
下記の少なくとも2つの分離した単位投与形態(A)及び(B)を含む医薬キット。
(A)ヒドロキシ基とベンズアミジン基を有するLTB4拮抗薬、又は互変異性体、薬理的許容塩、溶媒和物、又は生理的機能性誘導体である(1)と、任意成分として薬理的許容キャリアと、を有する組成物を含むもの、
(B)1つ以上のシクロオキシゲナーゼ-2阻害薬又は組み合せCOX1/2阻害薬と、任意成分として薬理的許容キャリアと、を有する組成物を含むもの。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシ基とベンズアミジン基を有するLTB4拮抗薬、或いはその互変異性体、薬理的許容塩、溶媒和物、又は生理的機能性誘導体(1)と、少なくとも1つのシクロオキシゲナーゼ-2阻害薬又は組み合せCOX1/COX2阻害薬、或いはその薬理的許容塩、溶媒和物、又は生理的機能性誘導体(2)と、薬理的許容キャリア又は賦形剤と、任意成分として1つ以上の他の治療成分と、を含む医薬組成物。
【請求項2】
前記LTB4拮抗薬が、式(I)の化合物、
【化1】

(式中、Rは水素原子又は式-CO2-R'の基を表し、R'は、C1-6アルキル、任意に置換されていてもよいフェニル基、又は任意に置換されていてもよいベンジル基を表し、前記任意の置換基は、ハロゲン原子、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、シアノ、ニトロ、C1-6ハロアルキル、及びC1-6ハロアルコキシ基から選択され、またAは式(A1)及び(A2)から選択される基である)











【化2】

或いはその互変異性体、薬理的許容塩、溶媒和物、又は生理的機能性誘導体(1)である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
式(IA)の化合物(1)と、
【化3】

セレコキシブ、デュポンダップ697、エトドラック、エトリコキシブ、フロスリド、メロキシカム、ニメスリド、パレコキシブ、ロフェコキシブ、タイショウ NS-398、及びバルデコキシブから成る群から選択される1つのシクロオキシゲナーゼ-2阻害薬又は組み合せCOX1/COX2阻害薬、或いはその薬理的許容塩、溶媒和物、又は生理的機能性誘導体(2)と、薬理的許容キャリア又は賦形剤と、から本質的に成る、請求項1又は2記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記式(IA)の化合物(1)と、下式のメロキシカム、
【化4】

或いはその薬理的許容塩(2)と、薬理的許容キャリア又は賦形剤と、を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
口内、血管内、腹膜内、皮下、筋内、又は局所的投与に適している、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記(1)及び(2)の質量比が、50:1〜1:300、好ましくは8:1〜1:80の範囲である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
1回の投与量が、1〜10000mg、好ましくは10〜2000mgの前記組み合せ有効成分(1)及び(2)を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記薬理的許容キャリア又は賦形剤が、炭水化物である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
慢性関節リウマチ、脊椎関節症、痛風関節炎、変形性関節症、全身性エリテマトーデス、及び若年性関節炎を含む関節炎、喘息、枯草熱、アトピー性皮膚炎、鼻炎、気管支炎、COPD、嚢胞性線維症、乾癬、強皮症、ベヒテレフ病、サルコイドーシス、腫瘍転移、クローン疾患、潰瘍性大腸炎、IBD、多発性硬化症、動脈硬化症、動脈炎、心筋梗塞、脳卒中、及び冠状動脈性心臓病から成る群から選択される疾病又は疾患の予防又は処置のための医薬組成物であって、ヒドロキシ基とベンズアミジン基をもつLTB4拮抗薬、或いはその互変異性体、薬理的許容塩、溶媒和物、又は生理的機能性誘導体(1)と、シクロオキシゲナーゼ-2阻害薬又は組み合せCOX1/COX2阻害薬(2)とを組み合せた形態で含む、組成物。
【請求項10】
前記疾病又は疾患が、慢性関節リウマチ、アトピー性皮膚炎、又は冠状動脈性心臓病である、請求項9記載の医薬組成物。
【請求項11】
ヒドロキシ基とベンズアミジン基を有するLTB4拮抗薬、或いはその互変異性体、薬理的許容塩、溶媒和物、又は生理的機能性誘導体(1)と、シクロオキシゲナーゼ-2阻害薬又は組み合せCOX1/COX2阻害薬(2)とを組み合せた状態で、慢性関節リウマチ、脊椎関節症、痛風関節炎、変形性関節症、全身性エリテマトーデス、及び若年性関節炎を含む関節炎、喘息、気管支炎、COPD、及び嚢胞性線維症から成る群から選択される疾病又は疾患の予防又は処置のための薬剤の製造への使用。
【請求項12】
慢性関節リウマチ、アトピー性皮膚炎、及び冠状動脈性心臓病の予防又は処置のための薬剤の製造のための、請求項11記載の使用。
【請求項13】
下記の少なくとも2つの分離した単位投与形態(A)及び(B)を含む医薬キット。
(A)ヒドロキシ基とベンズアミジン基を有するLTB4拮抗薬、又は互変異性体、薬理的許容塩、溶媒和物、又は生理的機能性誘導体(1)と、任意成分として薬理的許容キャリアと、を有する組成物を含むもの、
(B)1つ以上のシクロオキシゲナーゼ-2阻害薬又は組み合せCOX1/2阻害薬と、任意成分として薬理的許容キャリアと、を有する組成物を含むもの。

【公表番号】特表2006−508992(P2006−508992A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−554378(P2004−554378)
【出願日】平成15年11月18日(2003.11.18)
【国際出願番号】PCT/EP2003/012874
【国際公開番号】WO2004/047824
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(503137975)ベーリンガー インゲルハイム ファルマ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト (129)
【Fターム(参考)】