説明

N−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物及びこれを用いた化粧料及び洗浄料

【課題】従来のN−長鎖アシル酸性アミノ酸アルカリ塩やN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステルと同性能であって、且つ、従来に比べ低凝固点であるN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物を提供する。
【解決方法】N−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物は、炭素数8〜22のアシル基を有するN−長鎖アシル酸性アミノ酸と、炭素数の平均が18となる分岐鎖高級アルコールの混合物とをエステル化反応させて得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物及びこれを用いた化粧料及び洗浄料に関する。
【背景技術】
【0002】
N−長鎖アシル酸性アミノ酸アルカリ塩は、水溶性界面活性剤として用いられ、低毒性で皮膚刺激性が少なく、生分解性が良好であることが知られている。しかしながら、このN−長鎖アシル酸性アミノ酸アルカリ塩は、油脂や鉱物油等の油類に溶解しにくいという面がある。
【0003】
そこで、N−長鎖アシル酸性アミノ酸アルカリ塩の好ましい特性をそのまま保持しつつ、油類への溶解性を向上させるため、N−長鎖アシル酸性アミノ酸塩をN−長鎖アシル酸性アミノ酸のジエステルに変換したものが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭51−23395号公報
【特許文献2】特公昭56−12609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステルは、低温時(例えば5℃以下)に液状から部分凝固が発生したり、結晶が析出したり、また、極低温時(例えば0℃以下)には液状から凝固して固体に変化してしまったりすることから、製品性能は変化しないものの、温度変化による外観変化が生じる場合があった。
【0006】
また、例えば、極低温で凝固してしまったN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステルを原料として用い化粧料や洗浄料を製造する場合、均一分散・混合及び製造効率を考慮して、N−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステルを液状態に変えるために溶解工程を追加する必要が生じる場合もある。
【0007】
本発明の課題は、従来のN−長鎖アシル酸性アミノ酸アルカリ塩やN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステルと同性能であって、且つ、従来に比べ低凝固点であるN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のアシル酸性アミノ酸ジエステル化合物及びこれを用いた化粧料及び洗浄料は、以下の特徴を有する。
【0009】
(1)炭素数8〜22のアシル基を有するN−長鎖アシル酸性アミノ酸と、炭素数の平均が18となる分岐鎖高級アルコールの混合物とをエステル化反応させて得られるN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物である。
【0010】
(2)前記炭素数の平均が18となる分岐鎖高級アルコールの混合物が、炭素数16の分岐鎖高級アルコールと炭素数20の分岐鎖高級アルコールとの混合物である上記(1)に記載のN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物である。
【0011】
(3)前記炭素数の平均が18となる分岐鎖高級アルコールの混合物が、炭素数18の分岐鎖高級アルコールの1種、または分岐鎖の位置が異なる炭素数18の分岐鎖高級アルコールの2種以上からなる混合物である上記(1)に記載のN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物である。
【0012】
(4)前記炭素数の平均が18となる分岐鎖高級アルコールの混合物が、さらに炭素数18の分岐鎖高級アルコールの1種以上を含む上記(2)に記載のN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物である。
【0013】
(5)上記(1)から(4)のいずれか1つに記載のN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物を含む化粧料である。
【0014】
(6)上記(1)から(4)のいずれか1つに記載のN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物を含む洗浄料である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、従来のN−長鎖アシル酸性アミノ酸アルカリ塩やN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステルと同性能であって、且つ、従来に比べ低凝固点であるN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物を提供することができる。
【0016】
また、本発明によれば、従来に比べ低凝固点を有する化粧料、洗浄料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】
本実施の形態におけるN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物は、炭素数8〜22のアシル基を有するN−長鎖アシル酸性アミノ酸と、炭素数の平均が18となる分岐鎖高級アルコールの混合物とをエステル化反応させて得られる。
【0019】
本実施の形態に用いられる炭素数8〜22のN−長鎖アシル酸性アミノ酸の該アシル基はこの範囲内の鎖長の異なるものの混合物であってもよい。また、N−長鎖アシル酸性アミノ酸の種類としては、N−長鎖アシル酸性グルタミン酸、N−長鎖アシル酸性アスパラギン酸等が挙げられ、中でもN−長鎖アシル酸性グルタミン酸が好ましい。これらの酸性アミノ酸成分は、D体、L体及びDL体のいずれも使用することができる。
【化1】


(但し、式中、Rは、アシル化反応に用いた炭素数8〜22の脂肪酸残基である。)
【0020】
ここで、「炭素数の平均が18となる分岐鎖高級アルコールの混合物」とは、炭素数の異なる分岐鎖高級アルコールを好適な質量比で混合したものをいう。例えば、炭素数14,16,18,20,22のそれぞれの分岐鎖高級アルコールの混合物としてもよい。炭素数14の分岐鎖高級アルコールとしては、例えば、2−テトラデシルアルコール(イソミリスチルアルコール)などが挙げられ、炭素数22の分岐鎖高級アルコールとしては、例えば、2−ベへニルアルコール(イソドコサノール)などが挙げられる。また、炭素数16,18,20の分岐鎖高級アルコールについては後述する。
【0021】
また、本実施の形態に用いられる炭素数の平均が18となる分岐鎖高級アルコールの混合物は、炭素数16の分岐鎖高級アルコールと炭素数20の分岐鎖高級アルコールとの混合物である。炭素数16の分岐鎖高級アルコールとしては、例えば、2−ヘキシルデシルアルコール(イソパルミチルアルコール)などが挙げられ、炭素数20の分岐鎖高級アルコールとしては、例えば、2−オクチルドデシルアルコール(イソエイコサノール)などが挙げられる。
【0022】
本実施の形態において、炭素数16の分岐鎖高級アルコールと炭素数20の分岐鎖高級アルコールとの混合物として、例えば、以下に示す2−ヘキシルデシルアルコールと、2−オクチルドデシルアルコールの1:1質量比の混合物が好ましい。
【化2】


【化3】

【0023】
また、本実施の形態に用いられる他の炭素数の平均が18となる分岐鎖高級アルコールの混合物は、炭素数18の分岐鎖高級アルコールの1種、または分岐鎖の位置が異なる炭素数18の分岐鎖高級アルコールの2種以上からなる混合物である。炭素数18の分岐鎖高級アルコールとしては、例えば、イソステアリルアルコールと称される2−ヘキシルドデシルアルコールや2−オクチルデシルアルコールなどが挙げられる。
【0024】
後者の分岐鎖の位置が異なる炭素数18の分岐鎖高級アルコールの2種類の混合物としては、例えば、2−ヘキシルドデシルアルコールと2−オクチルデシルアルコールとの1:1質量比の混合物が好ましい。
【化4】


【化5】

【0025】
本実施の形態に用いられる他の炭素数の平均が18となる分岐鎖高級アルコールの混合物として、上述した炭素数16の分岐鎖高級アルコールと炭素数20の分岐鎖高級アルコールとの混合物に、さらに、上述した炭素数18の分岐鎖高級アルコールの1種以上を混合してもよい。
【0026】
N−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物のエステル部分に、炭素数の平均が18となる分岐鎖高級アルコールの混合物を用いることで、1種の炭素数18の分岐鎖高級アルコールを用いた場合に比べ、N−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物の凝固点温度を下げることができ、低温流動安定性が得られる。
【0027】
本実施の形態におけるN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物として、例えば、以下の構造のものが好ましい。式中、Rは、上述した炭素数の平均が18となる分岐鎖高級アルコールの混合物由来の分岐鎖高級アルコール残基である。
【化6】


(但し、式中、Rは、アシル化反応に用いた炭素数8〜22の脂肪酸残基であり、R’及びR”は、エステル化反応に用いた分岐鎖高級アルコール残基である。)
【0028】
本実施の形態におけるN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物は、上述した炭素数8〜22のアシル基を有するN−長鎖アシル酸性アミノ酸と、炭素数の平均が18となる分岐鎖高級アルコールの混合物とをエステル化反応させることにより得られるが、エステル化反応方法として、例えば、加熱(常圧又は減圧)脱水縮合反応、エステル交換反応、共沸脱水縮合反応が用いられるが、反応条件、生成物の収率、純度の点から、共沸脱水縮合反応が好ましい。
【0029】
化粧料及び洗浄料への本実施の形態におけN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物の配合量は、特に限定されないが、0.1%質量%〜50質量%程度が望ましく、より好ましくは0.5質量%〜30質量%である。
【0030】
本実施の形態に用いられるN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物は、これを一種以上、クレンジングオイル、洗顔フォーム、クレンジングクリーム、クレンジングジェル、マッサージクリーム、コールドクリーム、エモリエントクリーム、モイスチャークリーム、ハンドクリーム、エモリエント乳液、モイスチャー乳液、ハンド乳液、化粧水、パック、ファンデーション、口紅、プレスパウダー、アイシャドー、チック、ヘアリキッド、セットローション、パーマネントウェーブ液、ヘアクリーム、ヘアローション、ヘアムース、ヘアワックス、ヘアジェル、シャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ボディシャンプー、固形洗剤、液体洗剤、制汗剤、アフターシェイビングクリーム、日焼け止めクリーム、日焼け止めオイル、育毛剤、養毛剤、浴用剤、外用医薬組成物等の化粧料や洗浄料の調整に際して非イオン界面活性剤として用いることができる。化粧料及び洗浄料の剤形には特別の制限がなく、乳化系、可溶化系、溶液系、粉末分散系、水−油二層系、水−油−粉末三層系等、どのような剤形であっても構わない。
【0031】
本実施の形態の化粧料及び洗浄料には、油相原料として、飽和または不飽和脂肪酸及びこれから得られる高級アルコール類、スクワラン、ヒマシ油及びその誘導体、ミツロウ、液状及び精製ラノリンを含むラノリン類及びその誘導体、コレステロール及びその誘導体、マカデミアナッツ油、ホホバ油、カルナウバロウ、ゴマ油、カカオ油、パーム油、ミンク油、モクロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ等の動植物由来の油相原料、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、流動パラフィン、ワセリン、セレシン等石油及び鉱物由来の油相原料をはじめ、メチルポリシロキサン、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性ポリシロキサン、脂肪族アルコール変性ポリシロキサン、アミノ酸変性ポリシロキサンなどのシリコーンポリマー等のシリコーン類、樹脂酸、エステル、ケトン類、油性成分として通常用いられるものであれば、本発明のダイマー酸エステル、ダイマージオールエステル及びポリオキシアルキレンダイマー酸エステル、ポリオキシアルキレンダイマージオールエステルの非イオン界面活性剤としての効果を損なわない範囲において任意に併用することができる。
【0032】
また、本実施の形態の化粧料及び洗浄料には、本実施の形態で用いるN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物又はその非イオン界面活性剤組成物の効果を阻害しない範囲で、他の界面活性剤として、N−長鎖アシル酸性アミノ酸塩やN−アシル中性アミノ酸塩などのN−長鎖アシルアミノ酸塩;N−長鎖脂肪酸アシル−N−メチルタウリン塩、アルキルサルフェート及びアルキレンオキシド付加物、脂肪酸アミドエーテルサルフェート、脂肪酸の金属塩及び弱塩基、スルホコハク酸系界面活性剤、アルキルフォスフェート及びそのアルキレンオキシド付加物、アルキルエーテルカルボン酸等のアニオン界面活性剤;高級アルコール及びそのアルキレンオキシド付加物などのエーテル型非イオン界面活性剤;グリセリンエステル及びそのアルキレンオキシド付加物、ソルビタンエステル及びそのアルキレンオキシド付加物などのエーテルエステル型非イオン界面活性剤;脂肪酸エステル、グリセリンエステル、脂肪酸ポリグリセリンエステル、N−長鎖アシルペプチドポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖脂肪酸エステルなどのエステル型非イオン界面活性剤;アルキルグルコシド類、硬化ヒマシ油ピログルタミン酸ジエステル及びそのアルキレンオキシド付加物、並びに脂肪酸アルカノールアミドなどの含窒素型等の非イオン界面活性剤;アルキルアンモニウムクロライド、ジアルキルアンモニウムクロライドなどの脂肪族アミン塩、それらの四級アンモニウム塩、ベンザルコニム塩などの芳香族四級アンモニウム塩、脂肪酸アシルアルギニンエステル等のカチオン界面活性剤;並びにカルボキシベタインなどのベタイン界面活性剤;アミノカルボン酸型界面活性剤;イミダゾリン型界面活性剤等の両性界面活性剤;等の各種界面活性剤をも、本発明のダイマー酸エステル、ダイマージオールエステル及びポリオキシアルキレンダイマー酸エステル、ポリオキシアルキレンダイマージオールエステル又はその非イオン界面活性剤組成物に加えて配合することができる。
【0033】
更にまた、本実施の形態の化粧料及び洗浄料は、水相成分として、グリシン、アラニン、セリン、スレオニン、アルギニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、ロイシン、バリンなどのアミノ酸類;グリセリン、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール;ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸を含むポリアミノ酸及びその塩、ポリエチレングリコール、アラビアゴム類、アルギン酸塩、キサンタンガム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩、キチン、キトサン、水溶性キチン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジウム、ポリビニルピロリドン誘導体四級アンモニウム、カチオン化プロテイン、コラーゲン分解物及びその誘導体、アシル化タンパク、ポリグリセリン、アミノ酸ポリグリセリンエステルなどの水溶性高分子;マンニトールなどの糖アルコール及びそのアルキレンオキシド付加物;並びにエタノール、プロパノールなどの低級アルコール等を配合することができる。
【0034】
更に、本実施の形態の化粧料及び洗浄料に配合される添加物及び薬剤としては、通常化粧料及び洗浄料に配合されるもの全般をあげることができる。例えば、パラベン誘導体などの防腐剤、香料、色素、パール化剤、酸化防止剤、殺菌剤、抗炎症剤、鎮痛剤、抗真菌剤、角質軟化剥離剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、育毛剤、美白剤、発汗防止剤、汗防臭剤、ビタミン剤、pH調整剤、ホルモン剤、粘度調整剤、生薬などの薬剤等を配合することができる。
【0035】
上記の成分を適宜配合して作成される化粧料及び洗浄料に配合すべき、上述のN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物またはこれを一種以上有効成分として含有する非イオン界面活性剤の使用量は、製品形態により異なるが、通常0.01〜100質量%(本発明の非イオン界面活性剤は、例えば、メイク落としとして、他の成分を加えることなく、そのまま使用することができる)の範囲であり、好ましくは0.1〜50質量%である。
【実施例】
【0036】
本発明の一実施例を以下に挙げて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中において特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を表す。
【0037】
実施例1:N−ラウロイルグルタミン酸2−ヘキシルデシルアルコールジエステル化合物と、N−ラウロイルグルタミン酸2−オクチルドデシルアルコールジエステル化合物との混合物の合成;
ヘキシルデシルアルコール「リソノール16SP」(高級アルコール工業株式会社製)278g、及びオクチルドデシルアルコール「リソノール20SP」(高級アルコール工業株式会社製)343gを窒素封入下50〜60℃まで昇温し、N−ラウロイル−L−グルタミン酸「アミソフト LA−D」(味の素株式会社製)を379g添加する。触媒としてp−トルエンスルフォン酸を5g加え、130℃まで1〜2時間かけて昇温し、4〜5時間、酸価3.5に至るまで反応を行い冷却する。その後、50〜60℃、窒素封入下で3%−水酸化ナトリウム水溶液を酸価中和量の135%添加して1時間攪拌し、脱酸する。更に、窒素封入下でイオン交換水を150g添加して、60〜70℃に昇温しながら1時間攪拌して水洗いを行った後、減圧脱水、濾過を行い、目的のラウロイルグルタミン酸ジエステル化合物830g(収率83%)を得た。
【0038】
この生成物の分析の結果、酸価0.09、水酸基価7.92、ケン化価133.76の化合物であった。
【0039】
上記化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、N−ラウロイルグルタミン酸2−ヘキシルデシルアルコールジエステル化合物とN−ラウロイルグルタミン酸2−オクチルドデシルアルコールジエステルの混合物は、波長1739.87cm−1(エステル)及び1653.07cm−1(アミド)に特性吸収が認められた。
【0040】
実施例2:N−ラウロイルグルタミン酸2−ヘキシルドデシルアルコールジエステル化合物と、N−ラウロイルグルタミン酸2−オクチルデシルアルコールジエステル化合物との混合物の合成;
イソステアリルアルコール「リソノール18SP」(高級アルコール工業株式会社製)620gを窒素封入下50〜60℃まで昇温し、N−ラウロイル−L−グルタミン酸「アミソフト LA−D」(味の素株式会社製)を380g添加する。触媒としてp−トルエンスルフォン酸を5g加え、130℃まで1〜2時間かけて昇温し、4〜5時間、酸価3.5に至るまで反応を行い冷却する。その後、50〜60℃、窒素封入下で3%−水酸化ナトリウム水溶液を酸価中和量の135%添加して1時間攪拌し、脱酸する。更に、窒素封入下でイオン交換水を150g添加して、60〜70℃に昇温しながら1時間攪拌して水洗いを行った後、減圧脱水、濾過を行い、目的のラウロイルグルタミン酸ジエステル化合物830g(収率83%)を得た。
【0041】
この生成物の分析の結果、酸価0.07、水酸基価9.49、ケン化価132.12の化合物であった。
【0042】
上記化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、N−ラウロイルグルタミン酸2−ヘキシルドデシルアルコールジエステル化合物とN−ラウロイルグルタミン酸2−オクチルデシルアルコールジエステルの混合物は、波長1739.87cm−1(エステル)及び1654.03cm−1(アミド)に特性吸収が認められた。
【0043】
実施例3:N−ラウロイルグルタミン酸2−ヘキシルデシルアルコールジエステル化合物と、N−ラウロイルグルタミン酸イソステアリルアルコールジエステル化合物と、N−ラウロイルグルタミン酸2−オクチルドデシルアルコールジエステル化合物との混合物の合成;
ヘキシルデシルアルコール「リソノール16SP」(高級アルコール工業株式会社製)139g、イソステアリルアルコール「リソノール18SP」(高級アルコール工業株式会社製)311g及びオクチルドデシルアルコール「リソノール20SP」(高級アルコール工業株式会社製)171gを窒素封入下50〜60℃まで昇温し、N−ラウロイル−L−グルタミン酸「アミソフト LA−D」(味の素株式会社製)を379g添加する。触媒としてp−トルエンスルフォン酸を5g加え、130℃まで1〜2時間かけて昇温し、4〜5時間、酸価3.5に至るまで反応を行い冷却する。その後、50〜60℃、窒素封入下で3%−水酸化ナトリウム水溶液を酸価中和量の135%添加して1時間攪拌し、脱酸する。更に、窒素封入下でイオン交換水を150g添加して、60〜70℃に昇温しながら1時間攪拌して水洗いを行った後、減圧脱水、濾過を行い、目的のラウロイルグルタミン酸ジエステル化合物830g(収率83%)を得た。
【0044】
この生成物の分析の結果、酸価0.03、水酸基価7.85、ケン化価129.26の化合物であった。
【0045】
上記化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、N−ラウロイルグルタミン酸2−ヘキシルデシルアルコールジエステル化合物とN−ラウロイルグルタミン酸イソステアリルアルコール及び、N−ラウロイルグルタミン酸2−オクチルドデシルアルコールジエステルの混合物は、波長1739.87cm−1(エステル)及び1654.03cm−1(アミド)に特性吸収が認められた。
【0046】
実施例4:N−ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸2−ヘキシルデシルアルコールジエステル化合物とN−ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸2−オクチルドデシルアルコールジエステル化合物との混合物の合成;
ヘキシルデシルアルコール「リソノール16SP」(高級アルコール工業株式会社製)277g、及びオクチルドデシルアルコール「リソノール20SP」(高級アルコール工業株式会社製)340gを窒素封入下50〜60℃まで昇温し、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸「アミソフト CA」(味の素株式会社製)を383g添加する。触媒としてp−トルエンスルフォン酸を5g加え、130℃まで1〜2時間かけて昇温し、4〜5時間、酸価3.5に至るまで反応を行い冷却する。その後、50〜60℃、窒素封入下で3%−水酸化ナトリウム水溶液を酸価中和量の135%添加して1時間攪拌し、脱酸する。更に、窒素封入下でイオン交換水を150g添加して、60〜70℃に昇温しながら1時間攪拌して水洗いを行った後、減圧脱水、濾過を行い、目的のヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸ジエステル化合物830g(収率83%)を得た。
【0047】
この生成物の分析の結果、酸価0.02、水酸基価9.61、ケン化価133.1の化合物であった。
【0048】
上記化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、N−ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸2−ヘキシルデシルアルコールジエステル化合物とN−ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸2−オクチルドデシルアルコールジエステルの混合物は、波長1739.87cm−1(エステル)及び1954.03cm−1(アミド)に特性吸収が認められた。
【0049】
実施例5:N−ステアロイルグルタミン酸2−ヘキシルデシルアルコールジエステル化合物とN−ステアロイルグルタミン酸2−オクチルドデシルアルコールジエステル化合物との混合物の合成;
ヘキシルデシルアルコール「リソノール16SP」(高級アルコール工業株式会社製)250g、及びオクチルドデシルアルコール「リソノール20SP」(高級アルコール工業株式会社製)307gを窒素封入下50〜60℃まで昇温し、N−ステアロイル−L−グルタミン酸「アミソフト HA−P」(味の素株式会社製)を443g添加する。触媒としてp−トルエンスルフォン酸を5g加え、130℃まで1〜2時間かけて昇温し、4〜5時間、酸価3.5に至るまで反応を行い冷却する。その後、50〜60℃、窒素封入下で3%−水酸化ナトリウム水溶液を酸価中和量の135%添加して1時間攪拌し、脱酸する。更に、窒素封入下でイオン交換水を150g添加して、60〜70℃に昇温しながら1時間攪拌して水洗いを行った後、減圧脱水、濾過を行い、目的のステアロイルグルタミン酸ジエステルの化合物830g(収率83%)を得た。
【0050】
この生成物の分析の結果、酸価0.04、水酸基価123.1、ケン化価9.17の化合物であった。
【0051】
上記化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、N−ステアロイルグルタミン酸2−ヘキシルデシルアルコールジエステル化合物とN−ステアロイルグルタミン酸2−オクチルドデシルアルコールジエステルの混合物は、波長1739.87cm−1(エステル)及び1654.03cm−1(アミド)に特性吸収が認められた。
【0052】
比較例1:N−ラウロイルグルタミン酸2−ヘキシルデシルアルコールジエステル化合物の合成;
ヘキシルデシルアルコール「リソノール16SP」(高級アルコール工業株式会社製)595gを窒素封入下50〜60℃まで昇温し、N−ラウロイル−L−グルタミン酸「アミソフト LA−D」(味の素株式会社製)を405g添加する。触媒としてp−トルエンスルフォン酸を5g加え、130℃まで1〜2時間かけて昇温し、4〜5時間、酸価5.6に至るまで反応を行い冷却する。その後、50〜60℃、窒素封入下で3%−水酸化ナトリウム水溶液を酸価中和量の135%添加して1時間攪拌し、脱酸する。更に、窒素封入下でイオン交換水を150g添加して、60〜70℃に昇温しながら1時間攪拌して水洗いを行った後、減圧脱水、濾過を行い、目的のラウロイルグルタミン酸ジエステル化合物830g(収率83%)を得た。
【0053】
この生成物の分析の結果、酸価0.18、水酸基価9.31、ケン化価142.61の化合物であった。
【0054】
上記化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、N−ラウロイルグルタミン酸2−ヘキシルデシルアルコールジエステル化合物は、波長1738.90cm−1(エステル)及び1652.10cm−1(アミド)に特性吸収が認められた。
【0055】
比較例2:N−ラウロイルグルタミン酸2−オクチルドデシルアルコールジエステル化合物の合成;
オクチルドデシルアルコール「リソノール20SP」(高級アルコール工業株式会社製)644gを窒素封入下50〜60℃まで昇温し、N−ラウロイル−L−グルタミン酸「アミソフト LA−D」(味の素株式会社製)を356g添加する。触媒としてp−トルエンスルフォン酸を5g加え、130℃まで1〜2時間かけて昇温し、4〜5時間、酸価5.1に至るまで反応を行い冷却する。その後、50〜60℃、窒素封入下で3%−水酸化ナトリウム水溶液を酸価中和量の135%添加して1時間攪拌し、脱酸する。更に、窒素封入下でイオン交換水を150g添加して、60〜70℃に昇温しながら1時間攪拌して水洗いを行った後、減圧脱水、濾過を行い、目的のラウロイルグルタミン酸ジエステル化合物870g(収率87%)を得た。
【0056】
この生成物の分析の結果、酸価0.17、水酸基価8.23、ケン化価122.11の化合物であった。
【0057】
上記化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、N−ラウロイルグルタミン酸2−オクチルドデシルアルコールジエステル化合物は、波長1738.90cm−1(エステル)及び1654.03cm−1(アミド)に特性吸収が認められた。
【0058】
比較例3:N−ラウロイルグルタミン酸イソステアリルアルコールジエステル化合物と、N−ラウロイルグルタミン酸2−オクチルドデシルアルコールジエステル化合物の合成;
イソステアリルアルコール「リソノール18SP」(高級アルコール工業株式会社製)301g及び、オクチルドデシルアルコール「リソノール20SP」(高級アルコール工業株式会社製)332gを窒素封入下50〜60℃まで昇温し、N−ラウロイル−L−グルタミン酸「アミソフト LA−D」(味の素株式会社製)を367g添加する。触媒としてp−トルエンスルフォン酸を5g加え、130℃まで1〜2時間かけて昇温し、4〜5時間、酸価3.5に至るまで反応を行い冷却する。その後、50〜60℃、窒素封入下で3%−水酸化ナトリウム水溶液を酸価中和量の135%添加して1時間攪拌し、脱酸する。更に、窒素封入下でイオン交換水を150g添加して、60〜70℃に昇温しながら1時間攪拌して水洗いを行った後、減圧脱水、濾過を行い、目的のラウロイルグルタミン酸ジエステル化合物830g(収率83%)を得た。
【0059】
この生成物の分析の結果、酸価0.07、水酸基価10.74、ケン化価126.96の化合物であった。
【0060】
上記化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、N−ラウロイルグルタミン酸2−ヘキシルデシルアルコールジエステル化合物は、波長1739.87cm−1(エステル)及び1653.07cm−1(アミド)に特性吸収が認められた。
【0061】
[低温特性試験]
上記実施例1〜5及び比較例1〜3のN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物のサンプルを100gずつ、中栓付き100g瓶容器に入れ、これらをそれぞれ、5℃、−5℃、−10℃、−20℃の恒温室に入れ、一定の時間毎に、性状を目視にて観察した。表1に示す評価は、次の通りである。
CL:透明液体
CLH:透明高粘度液体
WS:白色固体
LS:結晶析出
【0062】
【表1】

【0063】
以下、配合実施例により、本発明のN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物または、これを一種以上有効成分として非イオン界面活性剤組成物の効果を評価した結果を具体的に示す。
【0064】
実施例6:エマルションタイプUVケーキ;
下記表2に示す組成のエマルションタイプUVベースケーキを次の様にして調整した。すなわち、成分1を85℃、成分2を80℃まで加温し、成分1を攪拌しながら成分2を徐々に加入した。次に成分3を添加し、固まる前に充填した。このエマルションタイプUVケーキは、安定性の良い、艶感及び伸びの良い優れた官能を示し、また、化粧下地、機能性、ケーキ型ファンデーション等幅広く応用することができる。
【0065】
【表2】

【0066】
実施例7:エマルションケーキファンデーション;
下記表3に示す組成のエマルションケーキファンデーションを次の様にして調整した。すなわち、成分1を85℃、成分2を80℃まで加温し、成分1を攪拌しながら成分2を徐々に加入した。次に成分3を添加し、固まる前に充填した。このエマルションケーキファンデーションは、なめらかな感触で、自然な艶のある高品質な外観を示した。
【0067】
【表3】

【0068】
実施例8:モイスチャークリーム;
下記表4に示す組成のモイスチャークリームを次の様にして調整した。すなわち、成分1を75℃、成分2を80℃まで加温し、均一に溶解した後、成分1を攪拌しながら成分2を加入した。このモイスチャークリームは、安定性に優れ、肌に潤いと弾力性を付与する官能を示した。
【0069】
【表4】

【0070】
実施例9:ファンデーションクリーム;
下記表5に示す組成のファンデーションクリームを次の様にして調整した。すなわち、成分1を70℃、成分2を75℃まで加温し、均一に溶解した後、成分1を攪拌しながら成分2を加入した。このファンデーションクリームは、なめらかな感触で、艶のあるしあがりを付与する官能を示した。
【0071】
【表5】

【0072】
実施例10:エモリエントミルキーローション;
下記表6に示す組成のエモリエントミルキーローションを次の様にして調整した。すなわち、成分1を室温にてよく攪拌して分散させる。次に、成分2を室温にて、均一に溶解した後、成分1を攪拌しながら成分2を徐々に加入した。このエモリエントミルキーローションは、肌にみずみずしさ、潤いを付与する官能を示した。
【0073】
【表6】

【0074】
実施例11:エモリエントクリーム;
下記表7に示す組成のエモリエントクリームを次の様にして調整した。すなわち、成分1、成分2を60℃まで加温し、均一に溶解した後、成分1を攪拌しながら成分2を徐々に加入した。このエモリエントクリームは、安定性に優れ、肌に潤いを付与する官能を示した。
【0075】
【表7】

【0076】
実施例12:エモリエントエッセンス;
下記表8に示す組成のエモリエントエッセンスを次の様にして調整した。すなわち、成分1、成分2を80℃まで加温し、均一に溶解した後、成分1を攪拌しながら成分2を徐々に加入した。次に成分3を添加し、攪拌した。このエモリエントエッセンスは、透明感があり、肌をみずみずしく、滑らかな感触を付与する官能を示した。
【0077】
【表8】

【0078】
実施例13:サンスクリーンローション;
下記表9に示す組成のサンスクリーンローションを次の様にして調整した。すなわち、成分1を室温にて混合し、成分2、成分3を室温にて均一に溶解した後、成分1を攪拌しながら成分2、成分3を加入した。このサンスクリーンローションは、汗などによるくずれを抑え、なじみに優れた官能を示した。
【0079】
【表9】

【0080】
実施例14:ヘアスタイリングワックス;
下記表10に示す組成のヘアスタイリングワックスを次の様にして調整した。すなわち、成分1を80℃、成分2を70℃まで加温し、均一に溶解した後、成分2を攪拌しながら成分1を徐々に加入した。その後、40℃まで冷却し、成分3を添加した。このヘアスタイリングワックスは、セット力に優れ、また、毛髪のダメージをケアし、しっとりとする官能を示した。
【0081】
【表10】

【0082】
実施例15:パールヘアシャンプー;
下記表11に示す組成のパールヘアシャンプーを次の様にして調整した。すなわち、成分1を70℃、成分2を75℃まで加温し、均一に溶解した後、成分2を攪拌しながら成分1を加入した。このパールヘアシャンプーは、毛髪にしっとり感、艶を付与し、なめらかな指通りに優れた官能を示した。
【0083】
【表11】

【0084】
実施例16:ヘアコンディショナー;
下記表12に示す組成のヘアコンディショナーを次の様にして調整した。すなわち、成分1を75℃、成分2を80℃に加温し、均一に溶解した後、成分2を攪拌しながら成分1を加入した。このヘアコンディショナーは、毛髪の水分を保ち、艶及びしっとり感を付与し、滑らかな指どおりに優れた官能を示した。
【0085】
【表12】

【0086】
実施例17:ボディシャンプー;
下記表13に示す組成のボディシャンプーを次の様にして調整した。すなわち、成分1、成分2を70℃まで加温し、均一に溶解した後、成分2を攪拌しながら成分1を加入した。このボディシャンプーは、泡立ちに優れ、肌をしっとりとする官能を示した。
【0087】
【表13】

【0088】
実施例18:クレンジングジェル;
下記表14に示す組成のクレンジングジェルを次の様にして調整した。すなわち、成分1、成分2を70℃まで加温し、均一に溶解した後、成分2を攪拌しながら成分1を徐々に加入した。このクレンジングジェルは、ファンデーション、メイクアップ等となじみが良く、優れたクレンジング性能を示した。
【0089】
【表14】

【0090】
実施例19:クレンジンオイル;
下記表15に示す組成のクレンジングオイルを次の様にして調整した。すなわち、成分1、成分2を70℃まで加温し、均一に溶解した後、成分2を攪拌しながら成分1を徐々に加入した。このクレンジングオイルは、濡れた手でも使える2Wayタイプであり、また、ファンデーション、メイクアップ等となじみが良く、優れたクレンジング性能を示した。
【0091】
【表15】

【0092】
実施例20:クレンジングクリーム;
下記表16に示す組成のクレンジングクリームを次の様にして調整した。すなわち、成分1を80℃、成分2を70℃まで加温し、均一に溶解した後、成分1を攪拌しながら成分2を徐々に加入した。このクレンジングクリームは、ファンデーション、メイクアップ等となじみが良く、優れたクレンジング性能を有し、また、洗浄後にしっとりとした感触を付与する官能を示した。
【0093】
【表16】

【0094】
実施例21:バスオイル
下記表17に示す組成のバスオイルを次の様にして調整した。すなわち、成分1、成分2を室温にて、均一に溶解した後、成分1を攪拌しながら成分2を加入した。このバスオイルは、水中での分散性に優れ、乳白性の強い浴槽環境を提供する。また、入浴後の肌にしっとりとした感触を付与する官能を示した。
【0095】
【表17】

【0096】
本発明の活用例として化粧料、洗浄料の適用がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素数8〜22のアシル基を有するN−長鎖アシル酸性アミノ酸と、炭素数の平均が18となる分岐鎖高級アルコールの混合物とをエステル化反応させて得られることを特徴とするN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物。
【請求項2】
前記炭素数の平均が18となる分岐鎖高級アルコールの混合物が、炭素数16の分岐鎖高級アルコールと炭素数20の分岐鎖高級アルコールとの混合物であることを特徴とする請求項1に記載のN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物。
【請求項3】
前記炭素数の平均が18となる分岐鎖高級アルコールの混合物が、炭素数18の分岐鎖高級アルコールの1種、または分岐鎖の位置が異なる炭素数18の分岐鎖高級アルコールの2種以上からなる混合物であることを特徴とする請求項1に記載のN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物。
【請求項4】
前記炭素数の平均が18となる分岐鎖高級アルコールの混合物が、さらに炭素数18の分岐鎖高級アルコールの1種以上を含むことを特徴とする請求項2に記載のN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物を含むことを特徴とする化粧料。
【請求項6】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のN−長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステル化合物を含むことを特徴とする洗浄料。

【公開番号】特開2011−178733(P2011−178733A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45862(P2010−45862)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(591236367)日本エマルジョン株式会社 (7)
【Fターム(参考)】