説明

N−[(4,5−ジフェニルピリミジン−2−イル)メチル]アミン誘導体、その調製及びそれらの治療上の使用

本発明は、式(I)


(式中、Xは、(a)基を表し、Rは置換されていない又は置換されたC−C12アルキル、置換されていない又は置換された非芳香族C−C12炭素環式基、置換されていない又は置換されたC−Cシクロアルキルメチル、置換されていない又は置換されたフェニル、置換されていない又は置換されたベンジル、置換されていない又は置換されたフェネチル、ベンズヒドリル、ベンズヒドリルメチル、置換されていない又は置換された1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニル、芳香族複素環式基を表し、Rは、水素原子又はC−Cアルキルを表し、Rは、水素原子又はC−Cアルキルを表し、Rは、置換されていない又は置換されたフェニルを表し、Rは、置換されていない又は置換されたフェニルを表し、Rが、水素原子又はC−Cアルキルを表し、nが、0、1又は2を表し、Alkが、置換されていない又は置換されたC−Cアルキルを表し、但し、R及びRは、C−Cアルコキシによって置換されたフェニルを同時には表さない。)
の化合物に関する。本発明は、上述の化合物を調製するための方法及びそれらの治療上の使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N−[(4,5−ジフェニルピリミジン−2−イル)メチル]アミンの置換型誘導体、それらの調製及び治療におけるそれらの適用に関する。
【背景技術】
【0002】
CB1カンナビノイド受容体に対して親和性を有するジフェニルピラゾール誘導体は、特に、米国特許第5,624,941号、欧州特許第0,576,357号、欧州特許第0,656,354号、欧州特許第1,150,961号に記載されてきた。
【0003】
カンナビノイド受容体に対するリガンドとしての4,5−ジアリールピリミジンの誘導体は、国際出願WO2004/110453において又は国際出願WO2004/029204に記載されている。
【0004】
抗血栓性、血管拡張性及び抗炎症性活性を有する4,5−ビス[(C1−C6)アルコキシフェニル]ピリミジンの誘導体は、国際出願WO92/02513に記載されている。
【発明の開示】
【0005】
中枢及び/又は末梢レベルで局在化した、CBカンナビノイド受容体アンタゴニスト特性を有するN−[(4,5−ジフェニルピリミジン−2−イル)メチル]アミンの置換された新規誘導体が、ここに発見された。
【0006】
本発明は、式(I):
【0007】
【化5】

に対応する化合物に関する。
【0008】
(式中、
−Xは、基
【0009】
【化6】

を表し;
−Rは、
・置換されていないか、又はフッ素原子、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキルチオ、フェノキシ、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ジフルオロメチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基から独立に選択される置換基で1回若しくはそれ以上置換された(C−C12)−アルキル;
・置換されていないか、又は(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、フッ素原子、ヒドロキシル、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、(C−C)−アルキルチオから独立に選択される置換基で1回若しくはそれ以上置換された、非芳香族(C−C12)炭素環式基;
・置換されていないか、又は炭素環上で、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、フッ素原子、ヒドロキシル、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基から独立に選択される置換基で1回若しくはそれ以上置換された(C−C)−シクロアルキルメチル;
・置換されていないか、又はハロゲン原子、ヒドロキシル、Alk基、OAlk基、メチレンジオキシ、(C−C)−アルキルアミノ、ジ−(C−C)−アルキルアミノ、シアノ、ニトロ、S(O)Alk基、OS(O)Alk基、(C−C)−アルキルカルボニル基から;又は、置換されていないか、若しくは(C−C)−アルキルで1回若しくはそれ以上置換された、フェニル、フェノキシ、ピロリル、イミダゾリル、ピリジル若しくはピラゾリル基から独立に選択される置換基で1回又はそれ以上置換された、フェニル;
・置換されていないか、又はフェニル上で、ハロゲン原子、Alk基、ヒドロキシル、OAlk基、メチレンジオキシ、S(O)Alk基、OS(O)Alk基から独立に選択される置換基で1回若しくはそれ以上置換された、及び置換されていないか、又は、アルファ位で、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキルから選択される1若しくは2個の類似若しくは非類似の基によって置換された、ベンジル;
・置換されていないか、又はフェニル上で、ハロゲン原子、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基から独立に選択される置換基で1回若しくはそれ以上置換されたフェネチル;
・ベンズヒドリル;ベンズヒドリルメチル;
・置換されていないか、又は(C−C)−アルキルで1回若しくはそれ以上置換された1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニル;
・ピロリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、オキサゾリル、ピリジル、インドリルから選択され、置換されていないか、又はハロゲン原子若しくは(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、シアノ、ニトロ、(C−C)−アルキルチオから独立に選択される置換基で1回若しくはそれ以上置換された、芳香族複素環式基;
を表し;
−Rは、水素原子又は(C−C)−アルキルを表し;
−Rは、水素原子又は(C−C)−アルキルを表し、
−Rは、置換されていないか、又はハロゲン原子、Alk基、OAlk基、S(O)Alk基又はOS(O)Alk基から独立に選択される置換基で1回若しくはそれ以上置換されたフェニルを表し;
−Rは、置換されていないか、又はハロゲン原子、Alk基、OAlk基、S(O)Alk基若しくはOS(O)Alk基から独立に選択される置換基で1回若しくはそれ以上置換されたフェニルを表し;
−Rは、水素原子又は(C−C)−アルキルを表し;
−nは、0、1又は2を表し;
−Alkは、置換されていないか、又はフッ素原子で1回若しくはそれ以上置換された(C−C)−アルキルを表し;
但し、R及びRは、(C−C)−アルコキシで置換されたフェニルを同時には表さない。)
に関する。
【0010】
式(I)の化合物は、1つ又はそれ以上の不斉炭素原子を含有できる。それゆえ、前記化合物は、鏡像異性体又はジアステレオ異性体の形態であり得る。これらの鏡像異性体、ジアステレオ異性体及びこれらの混合物(ラセミ混合物を含む。)は、本発明の一部を形成する。
【0011】
式(I)の化合物は、水和物又は溶媒和物の形態、すなわち、1つ又はそれ以上の水分子との又は溶媒との会合又は組み合わせの形態であり得る。このような水和物及び溶媒和物も本発明の一部を形成する。
【0012】
「ハロゲン原子」とは、臭素、塩素、フッ素又はヨウ素の原子を意味する。
【0013】
(C−C)−アルキル又は、それぞれ(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル若しくは(C−C12)−アルキルという用語とは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル基等の、1ないし3個の炭素原子を有し、又は、それぞれ1ないし4個の炭素原子、1ないし5個の炭素原子若しくは1ないし12個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。
【0014】
(C−C)−アルコキシとは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ基等の、1ないし4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルコキシ基を意味する。
【0015】
(C−C)−シクロアルキルとは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロヘプチル基等の、3ないし7個の炭素原子を有する環状アルキル基を意味する。
【0016】
非芳香族C−C12炭素環式基には、単環式又は多環式の、縮合された基、架橋された基又はスピロ基が含まれる。単環式基には、シクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルが含まれる。二環式又は三環式の、縮合された基、架橋された基又はスピロ基には、例えば、ノルボルニル、ボルニル、イソボルニル、ノルアダマンチル、アダマンチル、スパイロ[5.5]ウンデシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル基が含まれる。
【0017】
本発明の目的である式(I)の化合物のうち、本発明者らは、特に、
−Xが、基
【0018】
【化7】

を表し;
−Rが、
・(C−C)−アルキル;
・置換されていない、又は(C−C)−アルキルで1回若しくはそれ以上置換された非芳香族(C−C12)炭素環式基;
・置換されていないか、又は炭素環上において、(C−C)−アルキルで、1回若しくはそれ以上置換された(C−C)−シクロアルキルメチル;
・置換されていないか、又はハロゲン原子、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキルアミノ、ジ−(C−C)−アルキルアミノ、シアノ、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、S(O)Alk基、(C−C)−アルキルカルボニル基から、又はフェニル、フェノキシ、ピロリル、イミダゾリル、ピリジル若しくはピラゾリル基(該基は、置換されていないか、又は(C−C)−アルキルで、1回若しくはそれ以上置換されている。)から独立に選択される置換基で単置換、二置換若しくは三置換されたフェニル;
・置換されていないか、又はフェニル上において、ハロゲン原子、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、トリフルオロメチル基から独立に選択される置換基で単置換若しくは二置換されたベンジル;
・ベンズヒドリル、ベンズヒドリルメチル;
・置換されていないか、又はハロゲン原子若しくは(C−C)−アルキルから独立に選択される置換基で1回若しくはそれ以上置換された、ピロリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、インドリルから選択される芳香族複素環式基
を表し;
−Rが、水素原子又は(C−C)−アルキルを表し;
−Rが、水素原子又は(C−C)−アルキルを表し;
−Rが、置換されていないか、又は、ハロゲン原子、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、トリフルオロメチル基若しくはS(O)Alk基から独立に選択される置換基で単置換、二置換若しくは三置換されたフェニルを表し;
−Rが、置換されていないか、又は、ハロゲン原子、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、トリフルオロメチル基若しくはS(O)Alk基から独立に選択される置換基で単置換、二置換若しくは三置換されたフェニルを表し;
−Rが、水素原子又は(C−C)−アルキルを表し;
−nが、0、1又は2を表し;
−Alkが、(C−C)−アルキルを表し;
−但、しR及びRが、(C−C)−アルコキシで置換されたフェニルを同時には表さない、式(I)の化合物を挙げることができる。
【0019】
本発明の目的である式(I)の化合物のうち、
−X−が−CO−基を表し、置換基RないしRが式(I)の化合物に関して定義されるとおりである、式(IA)の化合物;
−X−が−SO−基を表し、置換基RないしRが式(I)の化合物に関して定義されるとおりである、式(IB)の化合物;
−X−が−CON(R)−基を表し、置換基RないしRが式(I)の化合物に関して定義されるとおりである、式(IC)の化合物
との間で区別がなされる。
【0020】
本発明の目的である式(I)の化合物のうち、化合物の第一の群は、
−Xが、式(I)の化合物に関して定義されるとおりであり;
−Rが、
・(C−C)−アルキル;
・(C−C)−シクロアルキル、ノルボルニル;
・置換されていないか、又はハロゲン原子、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、ジ−(C−C)−アルキルアミノ、ニトロ、トリフルオロメチル基、ジフルオロメトキシ基、フェニル、フェノキシ、ピロリルから独立に選択される置換基で単置換若しくは二置換されたフェニル;
・置換されていないか、又はトリフルオロメチル基で置換された、ベンジル;
・ベンズヒドリルメチル;
・置換されていないか、又はハロゲン原子若しくは(C−C)−アルキルから独立に選択される置換基で1回若しくは2回置換された、ピラゾリル、フリル、チエニル、インドリルから選択される芳香族複素環式基
を表し、
−及び/又はRが、水素原子を表し;
−及び/又はRが、水素原子又はメチルを表し;
−及び/又はRが、ハロゲン原子又は(C−C)−アルコキシで置換されたフェニルを表し;
−及び/又はRが、ハロゲン原子で単置換又は二置換されたフェニルを表し;
−及び/又はRが、水素原子を表す、
化合物及びそれらの水和物又はそれらの溶媒和物を含む。
【0021】
この最後に挙げた群の化合物のうち、本発明者らは、
−Xが、式(I)の化合物に関して定義されるとおりであり;
−Rが、
・1−エチルプロピル、1−プロピルブチル;
・シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、2−ノルボルニル;
・フェニル、4−ブロモフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、4−tert−ブチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、3−メトキシフェニル、4−(ジエチルアミノ)フェニル、3−(トリフルオロメチル)フェニル、4−(トリフルオロメチル)フェニル、2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル、2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル、2−ブロモ−4−(トリフルオロメチル)フェニル、2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル、4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル、2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル、4−(ジフルオロメトキシ)フェニル、ビフェニル−2−イル、3−フェノキシフェニル、4−フェノキシフェニル、4−(1H−ピロル−1−イル)フェニル;
・3−(トリフルオロメチル)ベンジル;
・ベンズヒドリルメチル;
・2−チエニル、5−クロロ−2−チエニル、5−ブロモ−2−フリル、3−tert−ブチル−1−エチル−1H−ピラゾール−5−イル、1H−インドール−2−イル、1−メチル−1H−インドール−2−イル
を表し;
−Rが、水素原子を表し;
−Rが、水素原子又はメチルを表し;
−Rが、4−ブロモフェニル、4−クロロフェニル、4−メトキシフェニルを表し;
−Rが、2,4−ジクロロフェニルを表し;
−Rが、水素原子を表す;
式(I)の化合物及びそれらの水和物又はそれらの溶媒和物を挙げることができる。
【0022】
最後に記載された群の化合物のうち、本発明者らは、
−Xが、−CO−、又は−SO−基を表し;
−Rが、
・3−(トリフルオロメチル)フェニル、4−(トリフルオロメチル)フェニル、2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル、3−フェノキシフェニル、4−(1H−ピロル−1−イル)フェニル;
・ベンズヒドリルメチル
を表し、
−Rが、水素原子を表し;
−Rが、水素原子又はメチルを表し;
−Rが、4−ブロモフェニル又は4−メトキシフェニルを表し;
−Rが、2,4−ジクロロフェニルを表す;
式(I)の化合物及びそれらの水和物又はそれらの溶媒和物を挙げることができる。
【0023】
本発明の目的である式(I)の化合物のうち、本発明者らは、以下の化合物、すなわち
−N−[[5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)ピリミジン−2−イル]メチル]−3−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド;
−N−[[5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)ピリミジン−2−イル]メチル]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド;
−N−[[4−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)ピリミジン−2−イル]メチル]−4−(1H−ピロル−1−イル)ベンズアミド;
−N−[[5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)ピリミジン−2−イル]メチル]−3,3−ジフェニルプロパンアミド;
−N−[[5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチルピリミジン−2−イル]メチル]−3,3−ジフェニルプロパンアミド;
−N−[[5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチルピリミジン−2−イル]メチル]−3−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド;
−N−[[5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチルピリミジン−2−イル]メチル]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド;
−N−[[5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチルピリミジン−2−イル]メチル]−2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド;
N−[[5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチルピリミジン−2−イル]メチル]−3−フェノキシベンゼンスルホンアミド;
及びそれらの水和物又はそれらの溶媒和物を特に挙げることができる。
【0024】
本明細書の以下の記載において、「脱離基」とは、加水分解性結合の開裂によって分子から容易に切断されて、電子対させる基を意味する。従って、この基は、例えば、置換反応において、別の基によって容易に置換できる。このような脱離基は、例えば、ハロゲン又は、メタンスルナート、ベンゼンスルホナート、p−トルエンスルホナート、トリフらート、アセタート等の活性化されたヒドロキシ基である。脱離基の例及びそれらの調製のための参考文献は、「Advances in Organic Chemistry」,J.March,3rd edition,Wiley Interscience,1985,p.310−316に記載されている。
【0025】
本発明によれば、式(I)の化合物は、式:
【0026】
【化8】

(式中、R、R、R及びRは、式(I)の化合物に関して定義されるとおりである。)
の化合物が、
−X−が−CO−基を表す式(I)の化合物を調製することが必要な場合には、式:
HOOC−R(III)
(式中、Rは、式(I)の化合物に関して定義されるとおりである。)
の酸若しくは前記酸の機能的誘導体で処理される、
又は、−X−が−SO−基を表す式(I)の化合物を調製することが必要な場合には、
式:
Hal−SO−R(IV)
(式中、Rは、式(I)の化合物に関して定義されるとおりであり、及びHalは、ハロゲン原子、好ましくは塩素を表す。)
のハロゲン化スルホニルで処理される、
又は、−X−が−CON(R)−基を表す式(I)の化合物を調製することが必要な場合には、式:
HalCOOAr(V)
(式中、Halはハロゲン原子を表し、及びArは、フェニル又は4−ニトロフェニルを表す。)
のハロフォルマートで、処理されて、式:
【0027】
【化9】

(R、R、R及びRは、式(I)の化合物に関して定義されるとおりである。)
の中間体を取得し、次いで、該中間体を、式:
HN(R)R(VII)
(式中、R及びRは、式(I)の化合物に関して定義されるとおりである。)
のアミンと反応させることを特徴とする方法に従って調製することが可能である。
【0028】
式(II)の化合物が、式(III)の酸自体で処理される場合には、これは、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド又はヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム又はヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウム又はテトラフルオロホウ酸2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム等の、ペプチド化学反応において使用されるカップリング剤の存在下で、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン又は4−ジメチルアミノピリジン等の塩基の存在下で、ジクロロメタン、ジクロロエタン、N,N−ジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフラン等の溶媒中で、−10℃と溶媒の還流温度との間の温度で実施される。
【0029】
酸(III)の機能的誘導体として、酸塩化物、無水物、混合された無水物、アルキルが直鎖又は分岐鎖であるC−C−アルキルエステル、p−ニトロフェニルエステル等の活性化されたエステルを使用することが可能である。
【0030】
従って、本発明に記載の方法において、式(III)の酸に対する塩化チオニル又は塩化オキサリルの反応によって得られる酸塩化物を、式(II)の化合物と、塩素化された溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム)、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン)又はアミド(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)等の溶媒中で、不活性雰囲気中、0℃と室温との間の温度で、トリエチルアミン、N−メチルモルフォリン又はピリジン等の第三級アミンの存在下で反応させることも可能である。
【0031】
変法は、トリエチルアミン等の塩基の存在下で、クロロギ酸エチルと式(III)の酸との反応によって、式(III)の酸の混合された無水物を調製すること、及びジクロロメタン等の溶媒中で、不活性大気中で、室温で、トリエチルアミン等の塩基の存在下で、式(III)の酸の混合された無水物を式(II)の化合物と反応させることを含む。
【0032】
式(II)の化合物が、式(IV)のハロゲン化スルホニルで処理される場合には、これは、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミン等の塩基の存在下で、ジクロロメタン又はテトラヒドロフラン等の溶媒中、室温と溶媒の還流温度との間の温度で実施される。
【0033】
式(II)の化合物が、式(V)のハロフォルマートで処理される場合には、これは、トリエチルアミン等の塩基の存在下で、ジクロロメタン等の溶媒中、0℃と室温との間の温度で実施される。次に、このようにして得られた式(VI)の中間体を、ジクロロメタン等の溶媒中、トリエチルアミン等の塩基の存在下で、0℃と溶媒の還流温度との間の温度で、式(VII)のアミンと反応させる。
【0034】
前記方法の変法によると、−X−が−CON(R)−基(R=H)を表す式(I)の化合物は、ジクロロメタン等の溶媒中、室温と溶媒の還流温度との間の温度で、式(II)の化合物を、式R−N=C=O(VIII)のイソシアナートと反応させることによって調製できる。
【0035】
前記方法の別の変法によると、−X−がCON(R)−基を表す式(I)の化合物は、トリエチルアミン等の塩基の存在下で、ジクロロメタン等の溶媒中、0℃と室温との間の温度で、式(II)の化合物を、式ClCON(R)R(IX)の化合物と反応させることによって調製できる。
【0036】
前記方法の別の変法によると、Rが(C−C)−アルキルを表す式(I)の化合物は、水素化ナトリウム等の塩基の存在下で、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中、室温と溶媒の還流温度との間の温度で、R=Hの式(I)の化合物を、ハロゲン化(C−C)−アルキルと反応させることによって調製できる。
【0037】
このようにして得られた式(I)の化合物は、その後、反応混合物から分離することが可能であり、慣用法、例えば、結晶化又はクロマトグラフィーによって精製できる。
【0038】
式(II)の化合物は、式:
【0039】
【化10】

(式中、R、R及びRは、式(I)の化合物に関して定義されるとおりであり、Yは上で定義されている脱離基、好ましくはハロゲン原子又はメタンスルホナート、ベンゼンスルホナート、p−トルエンスルホナート又はトリフラート基等の活性化されたヒドロキシ基を表す。)
の化合物を、式:
N−R(XI)
(式中、Rが、式(I)の化合物に関して定義されるとおりである。)
の化合物と反応させることによって調製される。前記反応は、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジクロロメタン、トルエン又はプロパン−2−オール等の溶媒中、塩基の存在下又は不存在下で実施される。塩基が使用される場合、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン又はN−メチルモルフォリン等の有機塩基から選択される。反応は、0℃と溶媒の還流温度との間の温度で実施される。
【0040】
変法によると、R=Hである式(II)の化合物は、ヨウ化ナトリウム等のハロゲン化アルカリ金属の存在下で、エタノール等の溶媒中、室温と溶媒の還流温度との間の温度で、Y=Clである式(X)の化合物を、1,3,5,7−テトラアザトリシクロ[3.3.13,7]デカン(又はヘキサメチレンテトラアミン)と反応させた後、塩酸等の強酸によって加水分解することによっても調製できる。
【0041】
別の変法によると、R=Hである式(II)の化合物は、式:
【0042】
【化11】

(式中、R、R及びRは、式(I)の化合物に関して定義されるとおりである。)
の化合物を還元することによっても調製できる。還元は、テトラヒドロフラン等の溶媒中のボラン等の還元剤によって、室温と溶媒の還流温度との間の温度で実施された後、酸加水分解が実施される。
【0043】
最後に、別の変法によると、R=Hである式(II)の化合物は、式:
【0044】
【化12】

(式中、R、R及びRは、式(I)の化合物に関して定義されるとおりである。)
の化合物を、メタノール等の溶媒中、室温と溶媒の還流温度との間の温度で、ヒドラジン水和物と反応させることによっても調製できる。
【0045】
式(III)の化合物は公知である。
【0046】
式(IV)の化合物は、市販されているか、又は文献中に記載されているか、又はJ.Org.Chem.USSR, 1970, 6, 2454−2458、J.Am.Chem.Soc., 1952, 74, 2008、J.Med.Chem., 1977, 20(10)1235−1239、欧州特許第0,469,984号、WO95/18105等の文献に記載されている方法によって調製できる。
【0047】
例えば、式(IV)の化合物は、対応するスルホン酸又はその塩、例えばそれらのナトリウム塩若しくはカリウム塩のハロゲン化によって調製できる。反応は、オキシ塩化リン、塩化チオニル、三塩化リン、三臭化リン又は五塩化リン等のハロゲン化剤の存在下、溶媒なしで、又はハロゲン化炭化水素若しくはN,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中で、−10℃と200℃との間の温度で実施される。
【0048】
式(V)、(VII)、(VIII)及び(IX)の化合物は公知であるか、又は公知の方法によって調製される。
【0049】
式(X)の化合物は、式:
【0050】
【化13】

(式中、R、R及びRは、式(I)の化合物に関して定義されるとおりである。)
の化合物から、以前に記載された古典的な方法によって調製される。
【0051】
従って、例えば、式(X)化合物に関して、Yがハロゲン原子を表す場合には、ジクロロメタン等の溶媒中、0℃と室温との間の温度で、式(XIII)の化合物は、PCl、PBr、HBr又はBBr等のハロゲン化剤で処理される。
【0052】
式(X)の化合物において、Yが、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩又はトリフルオロメタンスルホン酸塩を表す場合、式(XIII)の化合物を、式W−SO−Cl(式中、Wは、メチル、フェニル、p−トリル又はトリフルオロメチルを表す。)の塩化スルホニルと反応させる。本反応は、トリエチルアミン、ピリジン又はN,N−ジイソプロピルエチルアミン等の塩基の存在下で、ジクロロメタン又はトルエン等の溶媒中、−20℃と溶媒の還流温度との間の温度で実施される。
【0053】
=Hである式(X)の化合物は、式:
【0054】
【化14】

(式中、R及びRは、式(I)の化合物に関して定義されるとおりである。)
の化合物を、メチル化ナトリウム等の塩基の存在下で、エタノール又はメタノール等の溶媒中、0℃と室温との間の温度で、塩酸クロロアセトアミジンと反応させることによっても調製できる。
【0055】
式(XI)の化合物は公知である。
【0056】
式(XII)の化合物は、化合物(II)の化合物(III)との反応についてすでに記載した方法に従って、式:
【0057】
【化15】

(式中、R、R及びRは、式(I)の化合物に関して定義されるとおりである。)
の酸又は前記酸の機能的誘導体を、アンモニアと反応させることによって調製される。
【0058】
式(XIII)の化合物は、WO2004/110453に記載の方法によって、以下の反応スキームに説明されるとおり調製される。
【0059】
【化16】

【0060】
式(XIII)の化合物は、式:
【0061】
【化17】

(式中、R、R及びRは、式(I)の化合物に関して定義されるとおりであり、Zは(C−C)−アルコキシを表す。)
の化合物を還元することによっても調製できる。
【0062】
前記反応は、水素化ホウ素ナトリウム又は水素化アルミニウム及び水素化リチウム等の還元剤の存在下で、テトラヒドロフラン等の溶媒中、−20℃と室温との間の温度で実施される。
【0063】
式(XIV)化合物は、式:
【0064】
【化18】

(式中、R及びRは、式(I)の化合物に関して定義されるとおりである。)
の化合物を、テトラヒドロフラン等の溶媒中、室温と溶媒の還流温度との間の温度で、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタルと反応させることによって調製される。
【0065】
式(XV)の化合物は、WO2004/110453に記載の方法によって調製される。
【0066】
=Hである式(XV)の化合物は、式:
【0067】
【化19】

(式中、R及びRは、式(I)の化合物に関して定義されるとおりである。)
の化合物を、二酸化セレン等の酸化剤の存在下で、ピリジン等の溶媒中、室温と溶媒の還流温度との間の温度で酸化することによって調製できる。
【0068】
式(XVI)の化合物は、古典的な方法に従って、式(XV)の化合物のエステル化の反応によって調製される。
【0069】
式(XVII)の化合物は、例えばナトリウム塩等のヘキサメチルジシラザンのアルカリ金属塩の存在下、テトラヒドロフラン等の溶媒中、−70℃と0℃との間の温度で、式R−CH−COOH(XIX)の化合物を、式R−COOMe(XX)の化合物と反応させることによって調製される。
【0070】
式(XVIII)の化合物は、式(XIV)の化合物を、メチル化ナトリウム等の塩基の存在下で、エタノール又はメタノール等の溶媒中、室温と溶媒の還流温度との間の温度で塩酸アセトアミジンと反応させることによって調製される。
【0071】
式(XIX)及び(XX)化合物は、公知であるか又は、公知の方法によって調製される。
【0072】
式(XXI)の化合物は、式(XIII)の化合物を、トリフェニルホスフィン及び二カルボン酸ジエチルアゾの存在下で、テトラヒドロフラン等の溶媒中、−20℃と室温との間の温度で、フタルイミドと反応させることによって調製される。
【0073】
式(XXII)及び(XXIII)の化合物は、公知であるか、又は公知の方法によって調製される。
【0074】
以下の実施例は、本発明に記載の幾つかの化合物の調製を記載する。これらの実施例は、本発明を限定するものではなく、本発明を説明することを目的としたものに過ぎない。実施例の化合物の数字は、本発明に係る幾つかの化合物の化学構造及び物理的特性を示す以下の表Xに付与されるもの表す。
【0075】
(実施例)
次の略語が、調製及び実施例において使用される。
【0076】
エーテル:ジエチルエーテル
イソエーテル:ジイソプロピルエーテル
DMSO:ジメチルスルホキシド
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
THF:テトラヒドロフラン
PyBOP:ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウム
TBTU:テトラヒドロホウ酸2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム
DCM:ジクロロメタン
AcOEt:酢酸エチル
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
TFA:トリフルオロ酢酸
2N塩酸エーテル:ジエチルエーテル中の2N塩酸の溶液
m.p.:融点
RT:室温
b.p.:沸点
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
シリカH:Merck(Darmstadt)によって市販のシリカゲル60H
緩衝溶液pH=2:水1L中のKHSO16.66g及びKSO32.32gの溶液
【0077】
水素イオン核磁気共鳴(H−NMR)スペクトルを、DMSO−d中にて、200MHzで記録する。化学シフトδは、100万分率(ppm)で表す。スペクトルを解釈するために、次の略語を使用する。s:一重項、d:二重項、t:三重項、q:四重項、m:大量の、mt:多重項、bs:広範な一重項、dd:二重項の二重項。
【0078】
方法1:
使用されるカラム:2.1×50mmの対称性C18、3.5μm、30℃、流速0.4mL/分。
【0079】
溶出剤は、次の組成を有する。
【0080】
溶媒A:pH3.15の、水中のトリフルオロ酢酸(TFA)0.005%
溶媒B:アセトニトリル中のTFA0.005%
【0081】
【表1】

【0082】
紫外線検出はλ=210nmで実施し、分析される化合物のプロトン化から得られたイオンを観察するために、正のESI化学イオン化モードで質量を検出する。
【0083】
方法2:
使用されるカラム:2.1×30mmのXTerra MS C18、3.5μm、30℃、流速0.8mL/分。
【0084】
溶出剤は、次の組成を有する。
【0085】
溶媒A:水中の0.025%TFA
溶媒B:アセトニトリル中の0.025%TFA
【0086】
【表2】

【0087】
210nmと400nmの間のダイオードアレイ検出器で紫外線検出を実施し、正のESI化学イオン化モードにおいて質量を検出する。
【0088】
調製
1.式(XVII)の化合物の調製
調製1.1
2−(4−ブロモフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)エタノン
【0089】
【化20】

【0090】
窒素大気中で、THF中のヘキサメチルジシラザンのナトリウム塩の2M溶液436mLを−60℃に冷却し、次に、THF400mLを添加し、THF100mL中の4−ブロモフェニル酢酸75gの溶液を滴下して、−70℃で1時間30分撹拌する。次に、メチル−2,4−ジクロロ安息香酸67.9gを滴下して添加し、30分間撹拌した後、温度を5℃まで上昇させる。反応混合物を、氷と2N HCl1Lとの混合物へ注ぎ、エーテルで抽出し、有機相を飽和NaHCO溶液で洗浄した後、水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させて200mLの容積にし、ペンタンを添加し、形成する結晶性生成物を乾燥させる。予期した化合物80gを得る。
【0091】
調製1.1に記載の手法に従って、以下の表Iに示される式(XVII)の化合物を調製する。
【0092】
【表3】

【0093】
2.式(XIV)の化合物の調製
調製2.1
2−(4−ブロモフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−3−(ジメチルアミノ)プロップ−2−エン−1−オン
【0094】
【化21】

【0095】
THF100mL中の、調製1.1からの化合物30gとN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタル31.2gとの混合物を、還流下で3時間加熱する。反応混合物を真空下で濃縮し、残留物をイソエーテル中に採取し、撹拌し、形成する結晶性生成物を乾燥させた後、ペンタンで洗浄する。予期した化合物32.98gを得る。
【0096】
調製2.1に記載の手法に従って、以下の表IIに示される式(XIV)の化合物を調製する。
【0097】
【表4】

【0098】
3.式(X)の化合物の調製
調製3.1
5−(4−ブロモフェニル)−2−(クロロメチル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)ピリミジン
【0099】
【化22】

【0100】
100mLのエタノール中の、調製2.1からの化合物17.6と塩酸クロロアセトアミジン8.5gとの混合物を、室温で10分間撹拌した後、メタノール中のMeONaの30%溶液12.5mLを添加し、室温で2時間撹拌する。次に、塩酸クロロアセトアミジン8.5gを添加し、室温で10分間撹拌した後、メタノール中のMeONaの30%溶液12.5mLを添加し、室温で一晩撹拌する。水/氷混合物500mL中へ、反応混合物を注ぎ、エーテルで抽出し、有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させる。残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけ、ヘプタンで溶出した後、(99:1(v/v))から(80:20(v/v))までのヘプタン/AcOEt混合物の勾配で溶出する。予期した化合物11.9gを得る。
【0101】
調製3.1に記載の手法に従って、以下の表IIIに示される式(X)の化合物を調製する。
【0102】
【表5】

【0103】
4.式(II)の化合物の調製
調製4.1
塩酸1−[5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)ピリミジン−2−イル]メタンアミン
【0104】
【化23】

【0105】
エタノール220mL中の、調製3.1からの化合物11g、ヘキサメチレンテトラアミン4.35g及びヨウ化ナトリウム4.03gの混合物を、室温で一晩撹拌した後、50℃で5時間加熱する。次に、濃HCl溶液27mLを添加し、80℃で5時間加熱する。真空下で濃縮した後、残留物を水2L中に採取し、水性相をエーテルで2回洗浄し、濃NaOH溶液を添加することによって水性相をアルカリ化し、エーテルで抽出し、飽和NaCl溶液で有機相を洗浄し、MgSO上で乾燥させ、ろ過し、2N塩酸エーテルを添加することによってろ液をpH=1に酸性化し、形成する沈殿物を乾燥させた後、エーテルで洗浄する。予期した化合物7.8gを得る。
【0106】
調製4.1に記載の手法に従って、以下の表IVに示される式(II)の化合物を調製する。
【0107】
【表6】

【0108】
5.式(XXIV)の化合物の調製
調製5.1
3−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エン−2−オン
【0109】
【化24】

【0110】
ベンゼン300mL中の、1−(4−ブロモフェニル)アセトン15.9g、2,4−ジクロロベンズアルデヒド13g及びピペリジン0.5gの混合物を還流下で18時間加熱し、ディーンスターク(Dean Stark)によって形成する水を除去する。ピペリジン0.3gを添加し、さらに24時間還流する。反応混合物を真空下で濃縮し、予期した化合物27gを油の形態で得る。
【0111】
調製5.1に記載の手法に従って、以下の表Vに示される式(XXIV)の化合物を調製する。
【0112】
【表7】

【0113】
6.式(XXV)の化合物の調製
調製6.1
5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(メトキシメチル)−6−メチルピリミジン
【0114】
【化25】

【0115】
第三級酪酸カリウム23gを、DMSO300mL中の、調製5.1からの化合物37g及び2−メトキシエタンイミドアミド25gの混合物へ添加し、80℃で2時間加熱した後、120℃で一晩加熱した。溶媒を真空下で150mLの容積に濃縮し、反応混合物を氷水2Lへ注ぎ、エーテルで抽出し、有機相を水で洗浄した後、飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させる。残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけ、ヘプタンで溶出した後、ヘプタン/AcOEt混合物の(50:50(v/v))までの勾配で溶出する。予期した化合物6.4gを泡の形態で得る。
【0116】
調製6.1に記載の手法に従って、以下の表VIに示される式(XXV)の化合物を調製する。
【0117】
【表8】

【0118】
7.式(XIII)の化合物の調製
調製7.1
[5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチルピリミジン−2−イル]メタノール
【0119】
【化26】

【0120】
DCM160mL中の調製6.1からの化合物6.4gの溶液を−78℃に冷却し、DCM中の三臭化ホウ素の1M溶液24mLを滴下して添加し、撹拌し、温度を0℃に上昇させた後、1時間撹拌する。反応混合物を−78℃に冷却し、メタノール65mLを滴下して添加し、撹拌し、温度を室温に上昇させ、2時間撹拌し続ける。反応混合物を真空下で濃縮し、残留物をメタノール中に取り、溶媒を真空下で蒸発させる。残留物をメタノール200mLで採取し、濃HCl16mLを添加し、真空下で濃縮する。残留物をAcOEtで抽出し、有機相を水で洗浄した後、飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させる。予期した化合物6.1gを得る。
【0121】
調製7.1に記載の手法に従って、以下の表VIIに示される式(XIII)の化合物を調製する。
【0122】
【表9】

【0123】
8.式(XXI)の化合物の調製
調製8.1
2−[[5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチルピリミジン−2−イル]メチル]−1H−イソインドール−1,3−(2H)−ジオン
【0124】
【化27】

【0125】
THF120mL中の、調製7.1の化合物6.1g、フタルイミド2.33g及びトリフェニルホスフィン4.15gの混合物を−10℃に冷却し、ジエチルアゾジカルボナート2.75gを滴下して添加し、撹拌し、温度を室温に上昇させた後、室温で5時間撹拌する。反応混合物を真空下で濃縮し、残留物をAcOEtで抽出し、有機相を緩衝溶液pH=2、水で洗浄した後、飽和NaHCO溶液、飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させる。残留物をエーテル中に取り、撹拌し、形成する結晶性生成物を乾燥させる。予期した化合物3.8gを得る。
【0126】
調製8.1に記載の手法に従って、以下の表VIIIに示される式(XXI)の化合物を調製する。
【0127】
【表10】

【0128】
9.式(II)の化合物の調製
調製9.1
塩酸1−[5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチルピリミジン−2−イル]メタンアミン
【0129】
【化28】

【0130】
メタノール70mL中の調製8.1からの化合物3.8gと水和ヒドラジン0.7mLとの混合物を還流下で2時間30分加熱する。反応混合物を真空下で濃縮し、残留物をエーテルで抽出し、有機相を1N NaOH溶液、飽和NaHCO溶液、飽和NaCl溶液で洗浄した後、MgSO上で乾燥させ、2N塩酸エーテルを添加することによってpH=1に酸性化し、撹拌し、形成する結晶性生成物を乾燥させる。予期した化合物2.9gを得る。
【0131】
調製9.1に記載の手法に従って、以下の表IXに示される式(II)の化合物を調製する。
【0132】
【表11】

【実施例1】
【0133】
化合物番号1
N−[[5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)ピリミジン−2−イル]メチル]−2−プロピルペンタンアミド
DCM10mL中の調製4.1からの化合物0.5g、2−プロピルペンタン酸0.17g、トリエチルアミン0.55mL及びPyBOP0.7gの混合物を室温で一晩撹拌する。真空下で濃縮し、AcOEtで抽出し、有機相を1N HCl溶液、水で洗浄した後、飽和NaHCO溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させる。残留物をエタノール95中に取り、形成する結晶性生成物を乾燥させた後、ペンタンで洗浄する。予期した化合物0.285gを得る。
【0134】
MH=534、tr=11.75(方法1)
【実施例2】
【0135】
化合物番号5
N−[5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)ピリミジン−2−イル]メチル−3−クロロベンゼンスルホンアミド
DCM10mL中の、調製4.1からの化合物0.5g、塩化3−クロロベンゼンスルホニル0.25g及びトリエチルアミン0.39mLの混合物を室温で2時間撹拌する。反応混合物を1N HCl溶液、水で洗浄した後、飽和NaHCO溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させる。残留物をエタノール中に取り、形成する結晶性生成物を乾燥させる。予期した化合物0.44gを得る。
【0136】
MH=582、tr=11.44(方法1)
【実施例3】
【0137】
化合物番号13
N−[[5−(4−クロロフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)ピリミジン−2−イル]メチル]シクロヘプタンカルボキサミド
DCM10mL中の、調製4.2からの化合物0.5g、シクロヘプタンカルボン酸0.18g、トリエチルアミン0.52mL及びPyBOP0.77gの混合物を室温で1時間撹拌する。反応混合物を1N HCl溶液、水及び飽和NaHCO溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させる。残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけ、ヘプタンで溶出した後、(99:1(v/v))から(50:50(v/v))までのヘプタン/AcOEt混合物の勾配で溶出する。予期した化合物0.39gを得る。
【0138】
MH=488、tr=11.34(方法1)
【実施例4】
【0139】
化合物番号33
N−[[5−(4−クロロフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)ピリミジン−2−イル]メチル]−N’−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]尿素
DCM5mL中の、調製4.2からの化合物(遊離塩基)0.5gとイソシアン酸3−(トリフルオロメチル)フェニル0.24gの混合物を、室温で一晩撹拌する。真空下で濃縮し、残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけ、ヘプタンで溶出した後、(99:1(v/v))から(50:50(v/v))までのヘプタン/AcOEt混合物の勾配で溶出する。得られた生成物をペンタン中に取り、形成する沈殿物を乾燥させる。予期した化合物0.51gを得る。
【0140】
MH=551、tr=11.54(方法1)
【実施例5】
【0141】
化合物番号40
N−[[4−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)ピリミジン−2−イル]メチル]−4−フェノキシベンズアミド
DCM10mL中の、調製4.3からの化合物0.4g、4−フェノキシ安息香酸0.22g、トリエチルアミン0.4mL及びPyBOP0.63gの混合物を室温で一晩撹拌する。真空下で濃縮し、残留物をエーテルで抽出し、有機相を水、1N HCl溶液、水で洗浄した後、飽和NaHCO溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、残留物溶液が5mLになるまで溶媒を真空下で蒸発させる。残留物溶液を撹拌し、形成する結晶性生成物を乾燥させる。エタノール中での結晶化の後、予期した化合物0.32gを得る。
【0142】
MH=556、tr=11.19(方法1)
【実施例6】
【0143】
化合物番号55
N−[[5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチルピリミジン−2−イル]メチル]−3,3−ジフェニルプロパンアミド
DCM10mL中の、調製9.1からの化合物0.4g、3,3−ジフェニルプロパン酸0.2g、トリエチルアミン0.3mL及びPyBOP0.55gの混合物を室温で一晩撹拌する。真空下で濃縮し、残留物をエーテルで抽出し、有機相を水、1N HCl溶液、水で洗浄した後、飽和NaHCO溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させる。残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけ、ヘプタンで溶出した後、(50:50(v/v))に至るヘプタン/AcOEt混合物の勾配で溶出する。エタノール中での結晶化の後、予期した化合物0.3gを得る。
【0144】
MH=630、tr=11.98(方法1)
【実施例7】
【0145】
化合物番号56
N−[[5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチルピリミジン−2−イル]メチル]−3−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド
塩化3−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル0.24gを、DCM10mL中の、調製9.1からの化合物0.4gとトリエチルアミン0.3mLとの混合物へ添加し、室温で15分間撹拌する。反応混合物を1N HCl溶液、水で洗浄した後、飽和NaHCO溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させる。残留物をエタノール中に取り、撹拌し、形成する結晶性生成物を乾燥させ、エタノールで洗浄した後、ペンタンで洗浄する。予期した化合物0.37gを得る。
【0146】
MH=630、tr=11.96(方法1)
【実施例8】
【0147】
化合物番号60
4−tert−ブチル−N−[[5−(4−クロロフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチルピリミジン−2−イル]メチル]ベンズアミド
DCM10mL中の、調製9.2からの化合物0.4g、4−tert−ブチル安息香酸0.18g、トリエチルアミン0.4mL及びPyBOP0.6gの混合物を室温で一晩撹拌する。反応混合物を真空下で濃縮し、残留物をエーテルで抽出し、有機相を水、1N HCl溶液、水で洗浄した後、飽和NaHCO溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させる。残留物をエーテルの最小量中に取り、イソエーテルを添加し、撹拌し、形成する結晶性生成物を乾燥させた後、イソエーテルで洗浄する。予期した化合物0.35gを得る。
【0148】
MH=538、tr=12.27(方法1)
次の表は、本発明に記載の化合物の幾つかの例の化学構造及び物理的特性を示す。
【0149】
【表12】












【0150】
化合物番号8:H−NMR:DMSO−d(200MHz):δ(ppm):4.45:d:2H;7.05:d:2H;7.27ないし8.13:m:9H;8.67ないし8.85:m:2H。
【0151】
化合物番号9:H−NMR:DMSO−d(200MHz):δ(ppm):4.45:s:2H;7.06:d:2H;7.39:d:1H;7.45ないし7.63:m:4H;7.81:d:2H;7.93:d:2H;8.73:s:1H;8.77:s:1H。
【0152】
化合物番号17:H−NMR:DMSO−d(250MHz):δ(ppm):4.77:d:2H;7.21:d:2H;7.40:d:2H;7.44ないし7.54:m:3H;7.87:d:2H;8.11:d:2H;8.92:s:1H;9.41:t:1H。
【0153】
式(I)の化合物は、M.Rinaldi−Carmona et al.(FEBS Letters, 1994, 350, 240−244)によって記載されている実験条件において、CBカンナビノイド受容体に対して、インビトロで非常に優れた親和性を有する(5.10−7M以下のIC50)。
【0154】
M.Bouaboula et al.,J.Biol.Chem., 1995, 270, 13973−13980、M.Rinaldi−Carmona et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther., 1996, 278, 871−878及びBouaboula et al.,J.Biol.Chem., 1997, 272, 22330−22339に記載されているアデニル酸シクラーゼ阻害のモデルで得られる結果によって、式(I)の化合物の拮抗性特徴が示された。
【0155】
Rinaldi−Carmona et al.,FEBS Letters 1994, 350, 240−244及びM.Rinaldi−Carmona et al.,Life Sciences 1995, 56, 1941−1947に記載されているように、静脈内注射後の[3H]−CP55940の生体外結合の検査によって、脳における式(I)の化合物とCB受容体との相互作用がマウスにおいて測定される。
【0156】
M.Rinaldi−Carmona et al.,JPET 2004, 310, 905−914に記載されているように、経口投与後の消化管通過に対するCP55940の阻害効果の逆転の検査によって、末梢における式(I)の化合物とCB受容体との相互作用がマウスにおいて測定される。
【0157】
式(I)の化合物の毒性は、薬物療法としての前記化合物の使用と両立する。
【0158】
従って、その態様の別のものによると、本発明は、式(I)の化合物、あるいは、式(I)の化合物の溶媒和物又は水和物を含有するヒト医学又は獣医学用の医薬品に関する。
【0159】
従って、本発明の化合物は、ヒトにおける、又は動物、特にイヌ、ネコ、ウマ、ウシ及びヒツジなどの(これらに限定されない。)哺乳動物におけるCBカンナビノイド受容体が関与する疾病の治療又は予防において、ヒトにおいて又は動物において使用できる。
【0160】
例えば、これらに限定するものではないが、式(I)の化合物は、向精神性製剤として、特に、不安、鬱、気分障害、不眠症、妄想性障害、強迫性障害、一般的な精神病、統合失調症、多動児における注意欠陥多動障害(ADHD)を含む精神医学的障害の治療のために、及び向精神薬の使用と関連した疾患の治療のために、特に、アルコール依存症及びニコチン依存症を含む薬物乱用及び/又は依存の場合に使用できる。
【0161】
本発明の式(I)の化合物は、片頭痛、ストレス、心身由来の疾病、パニック発作、癲癇、運動障害、特にジスキネジア又はパーキンソン病、振戦及びジストニアの治療のための製剤として使用できる。
【0162】
本発明の式(I)の化合物は、記憶障害、認知障害の治療における、特に老年認知症、アルツハイマー病の治療における、及び注意又は覚醒障害の治療における製剤としても使用できる。さらに、式(I)の化合物は、虚血、頭部傷害の治療において、及び舞踏病、ハンチントン舞踏病、トウレット症候群を含む急性又は慢性の神経変性疾患の治療において神経保護剤として使用できる。
【0163】
本発明に記載の式(I)の化合物は、疼痛、すなわち神経因性疼痛、急性末梢疼痛、炎症由来の慢性疼痛、抗癌治療によって誘発される疼痛の治療における医薬品として使用できる。
【0164】
本発明の式(I)の化合物は、食欲障害、(糖、炭水化物、薬物、アルコール又は全ての食欲増進物質に対する)依存症及び又は摂食障害の治療及び予防における、特に肥満又は多食症の治療及び予防のための、及びII型糖尿病又はインスリン非依存性糖尿病の治療のための、及び高脂質血症及びメタボリック症候群の治療のための、ヒト医学又は獣医学における医薬品として使用できる。従って、本発明に記載の式(I)の化合物は、肥満及び肥満と関連した危険、特に心臓血管系の危険の治療及び予防において使用できる。
【0165】
さらに、本発明に記載の式(I)の化合物は、胃腸疾患、下痢、潰瘍、嘔吐、膀胱及び尿路疾患、慢性硬変症、線維症、脂肪肝、脂肪性肝炎等の肝臓疾患、並びに内分泌由来の疾患、心臓血管系疾患、低血圧及び粥状硬化症、出血性ショック、敗血症性ショック、喘息、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、レイノー症候群、緑内障、生殖性疾患、流産、早産、炎症性現象、免疫系疾患、特に関節リウマチ、反応性関節炎、脱髄を生じる疾患、多発性硬化症等の自己免疫及び神経炎症疾患、脳炎、脳血管障害等のウィルス性疾患の治療及び予防における製剤として、並びに抗癌化学療法のための、ギラン・バレー症候群の治療のための、及び骨疾患及び骨粗鬆症の治療のための医薬品として使用できる。
【0166】
本発明によれば、式(I)の化合物は、極めて具体的には、精神病性疾患、特に統合失調症、多動児における注意欠陥多動障害(ADHD)の治療のために、食欲及び肥満の疾患の治療のために、記憶及び認知障害の治療のために、アルコール依存症、ニコチン依存症の治療のために、すなわち、飲酒及び喫煙を断絶するために、急性又は慢性の神経退行性疾患の治療のために使用できる。
【0167】
より具体的には、本発明の式(I)の化合物は、食欲の疾患、代謝性疾患、消化管疾患、炎症性現象、免疫系疾患、精神病性疾患、アルコール依存症及びニコチン依存症の治療及び予防に使用できる。
【0168】
その態様のうちの1つによれば、本発明は、上述の疾患及び疾病の治療のための、式(I)の化合物及びその溶媒和物又は水和物の使用に関する。
【0169】
その態様の別のものによれば、本発明は、本発明に記載の化合物を有効成分として含有する医薬組成物に関する。これらの医薬組成物は、本発明に記載の少なくとも1つの化合物、該化合物の溶媒和物又は水和物、の効果的な用量及び少なくとも1つの医薬として許容される賦形剤を含有する。
【0170】
該賦形剤は、薬学的形態及び投与の望ましい方法に依存して、当業者に公知の通常の賦形剤から選択される。
【0171】
本発明に記載の医薬組成物は、式(I)の化合物とともに、上述の疾患及び疾病の治療に使用できる1つ又はそれ以上の他の有効成分を含有できる。
【0172】
従って、本発明は、以下の治療クラスのうちの1つから選択される1つ又はそれ以上の有効成分と組み合わせた、本発明の式(I)の化合物を含有する医薬組成物にも関する。
【0173】
CBカンナビノイド受容体の別のアンタゴニスト、
CBカンナビノイド受容体の修飾因子
単独の又は利尿薬と組み合わせた、ATアンギオテンシンII受容体のアンタゴニスト
単独の又は利尿剤若しくはカルシウムアンタゴニストと組み合わせた、変換酵素の阻害剤
カルシウムアンタゴニスト
利尿剤
単独の又は利用剤若しくはカルシウムアンタゴニストと組み合わせた、ベータ遮断薬
抗高脂質血症薬または抗高コレステロール血症薬
抗糖尿病薬
別の抗肥満薬又は代謝性疾患に作用する薬物
ニコチン性アゴニスト、部分的ニコチン性アゴニスト
抗欝薬、統合失調症治療薬、抗不安薬
抗癌剤又は抗増殖薬
オピオイドアンタゴニスト
及び
記憶改善薬
アルコール依存症又は離脱症状の治療における使用のための薬物
骨粗鬆症を治療するのに使用できる薬物
非ステロイド性又はステロイド性抗炎症薬
抗感染薬
鎮痛薬
抗喘息薬
である。
【0174】
「ATアンギオテンシンII受容体のアンタゴニスト」とは、カンデサルタン、シレキセチル、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタンカリウム、オルメサルタンメドキソミル、テルミサルタン、バルサルタン等の化合物を意味し、これらの化合物の各々はそれ自体、ヒドロクロロチアジド等の利尿薬と組み合わせることができる。
【0175】
「変換酵素の阻害剤」とは、アラセプリル、ベナゼプリル、カプトプリル、シラザプリル、エナラプリル、エナラプリラート、フォシノプリル、イミダプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、スピラプリル、テモカプリル、トランドラプリル、ゾフェノプリル等の化合物を意味し、これらの化合物の各々はそれ自体、ヒドロクロロチアジド又はインダパミド等の利尿薬と、又はアムロジピン、ジルチアゼム、フェロジピン又はベラパミル等のカルシウムアンタゴニストと組み合わせることができる。
【0176】
「カルシウムアンタゴニスト」とは、アムロジピン、アラニジピン、ベニジピン、ベプリジル、シルニジピン、ジルチアゼム、エフォニジピン、塩酸エタノール、ファスジル、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、レルカニジピン、塩酸塩、マニジピン、塩酸ミベフラジル、ニカルジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレジピン、テロジリン、ベラパミル等の化合物を意味する。
【0177】
「ベータ遮断薬」とは、アセブトロール、アルプレノロール、アモスラロール、アロチノロール、アテノロール、ベフノロール、ベタキソロール、ベバントロール、ビソプロロール、ボピンドロール、ブクモロール、ブフェトロール、ブニトロロール、ブトフィロロール、カラゾロール、カルテオロール、カルベジロール、クロラノロール、エパノロール、エスモロール、インデノロール、ラベタロール、ランジオロール、レボブノロール、レボモプロロール、メピンドロール、メチプラノロール、メトプロロール、ナドロール、ネビボロール、ニフェナロール、ニプラジロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロプラノロール、サルメテロール、ソタロール、タリノロール、テルタロール、チリソロール、チモロール、キサモテロール、キシベノロール等の化合物を意味する。
【0178】
「抗高脂質血症薬又は抗高コレステロール血症薬」とは、アルフィブラート、ベクロブラート、ベザフィブラート、シプロフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート、エトフィブラート、フェノフィブラート等のフィブラート系薬剤、アトルバスタチン、フルバスタチンナトリウム、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シムバスタチン等のスタチン(HMG−CoA還元酵素阻害剤)、又はアシピモックス、ニコチン酸アルミニウム、アザコステロール、コレスチラミン、デキストロチロキシン、メグルトール、ニセリトロール、ニコクロナート、ニコチン酸、ベータ−シトステロール、チアデノール等の化合物から選択される化合物を意味する。
【0179】
「抗糖尿病薬」とは、次のクラス、すなわち、スルホニル尿素、ビグアニジン、アルファグルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジンジオン、アカルボース等のメチグリニド、アセトヘキサミド、カルブタミド、クロルプロパミド、グリベンクラミド、グリボルヌリド、グリクラジド、グリメピリド、グリピジド、グリキドン、グリソキセピド、グリブゾール、グリミジン、メタヘキサミド、メトフォルミン、ミグリトール、ナテグリニド、ピオグリタゾン、レパグリニド、ロシグリタゾン、トラザミド、トルブタミド、トログリタゾン、フォリオース、並びにインスリン及びインスリンアナログのうちの1つに属する化合物を意味する。
【0180】
「他の抗肥満薬又は代謝性疾患に作用する薬物」とは、アムフェプラモン、ベンフルオレックス、ベンズフェタミン、インダノレックス、マジンドール、メフェノレックス、メタムフェタミン、D−ノルシュードエフェドリン、シブトラミン、リパーゼ阻害剤(オーリスタットセチリスタット)、PPARアゴニスト(ペルオキシソーム増殖剤により活性化される受容体アゴニスト)、ドーパミンアゴニスト、レプチン受容体アゴニスト、セロトニン再取り込み阻害剤、ベータ−3アゴニスト、CCK−Aアゴニスト、NPY阻害剤、MC4受容体アゴニスト、MCH(メラニン凝集ホルモン)受容体アンタゴニスト、オレキシンアンタゴニスト、ホスホジエステラーゼ阻害剤、11βHSD(11−β−ヒドロキシステロイド脱水素酵素)、DPP−IV(ジペプチジルペプチダーゼIV)阻害剤、ヒスタミンH3のアンタゴニスト、CNTF(繊毛様神経栄養因子)誘導体、GHS(成長ホルモン分泌促進物質)受容体アゴニスト、グレリン修飾因子、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(DGAT)の阻害剤、ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤、甲状腺ホルモンアゴニスト、グルココルチコイド受容体アンタゴニスト、ステアロイル−CoA−デサチュラーゼ(SCD)の阻害剤、リン酸塩、グルコース、脂肪酸、ジカルボン酸塩の輸送体の修飾因子、5HTアンタゴニスト、5HTアンタゴニスト、ボンベシンアゴニスト等の化合物を意味する。
【0181】
「オピオイドアンタゴニスト」とは、ナルトレキソン、ナロキソン又はナルメフェン等の化合物を意味する。
【0182】
「アルコール依存症及び離脱症状の治療における使用のための薬物」とは、アカンプロセート、ベンゾジアゼピン、ベータ遮断薬、クロニジン、カルバマゼピンを意味する。
【0183】
「骨粗鬆症の治療において使用するための薬物」とは、例えば、エチドロナート、クロドロナート、チルドロナート、リセドロナート等のビスホスホナートを意味する。
【0184】
本発明によれば、抗高脂質血症、抗高コレステロール血症、抗糖尿病性又は抗肥満性特性を有する他の化合物を組み合わせることも可能である。より具体的には、次のクラス、すなわち、PTP1B(タンパク質チロシンホスファーゼ−1B)の阻害剤、VPAC−2受容体アゴニスト、GLK修飾因子、レチノイド修飾因子、グリコーゲンホスホリラーゼ(HGLPa)の阻害剤、グルカゴンアンタゴニスト、グルコース−6−リン酸塩阻害剤、ピルビン酸脱水素酵素キナーゼ(PKD)の活性化因子、RXR、FXR、LXRの修飾因子、SGLT(ナトリウム依存性グルコース輸送体)の阻害剤、CETP(コレステロールエステル輸送タンパク質)の阻害剤、スクアレンエポキシダーゼ合成酵素の阻害剤、トリグリセリド合成の阻害剤、LDL(低密度リポタンパク質)受容体の誘導因子、IBATの阻害剤、FBPase(フルクトース−1,6−二リン酸分解酵素)の阻害剤、CART(コカイン−アンフェタミンにより制御される転写)の修飾因子、MC4(メラノコルチン4)修飾因子、オレキシン受容体アンタゴニストのうちの1つに属する化合物を組み合わせることが可能である。
【0185】
本発明の別の態様によると、式(I)の化合物又はその溶媒和物若しくは水和物のうちの1つ及び組み合わされた他の有効成分は、同時に、個別に又は時間的に分散して投与できる。
【0186】
「同時使用」とは、ある単一の剤形に含有される本発明に係る組成物の化合物の投与を意味する。
【0187】
「個別使用」とは、個別の剤形に各々含有される本発明の組成物の、2つの化合物の同時投与を意味する。
【0188】
「時間的に分散された使用」とは、ある剤形に含有される本発明の組成物の第一の化合物の後に、別個の剤形に含有される本発明に係る組成物の第二化合物を連続投与することを意味する。この場合、本発明に係る組成物の第一化合物の投与と、本発明に係る同一組成物の第二化合物の投与との間で経過する時間は、一般的には24時間を超過しない。
【0189】
経口、舌下、皮下的、筋肉内、静脈内、局所的、局所性、気管内、鼻内、経皮的又は直腸の投与のための本発明の医薬組成物、上述の式(I)の有効成分、又は必要に応じて使用されるその溶媒和物若しくは水和物は、従来の医薬賦形剤と混合されて、投与の単位形態で、上述の疾患又は疾病の予防又は治療のために動物及びヒトへ投与できる。
【0190】
投与の適切な単位形態は、錠剤、軟質又は硬質カプセル、粉末、顆粒及び経口用溶液又は懸濁液等の経口経路による形態、舌下、頬内、気管内、眼内、鼻内又は吸入投与のための形態、局所的、経皮的、皮下的、筋肉内又は静脈内投与のための形態、直腸投与のための形態、及びインプラントを含む。局所的適用のため、本発明に記載の化合物は、クリーム、ジェル、軟膏又はローションにおいて使用できる。
【0191】
一例として、錠剤の形態にある本発明に記載の化合物の投与の単位形態は、次の構成要素、すなわち
本発明に記載の化合物:50.0mg
マンニトール:223.75mg
クロスカルメロースナトリウム:6.0mg
トウモロコシデンプン:15.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:2.25mg
ステアリン酸マグネシウム:3.0mg
を含有できる。
【0192】
経口経路によって、1日当たり投与される有効成分の用量は、1回又はそれ以上の用量において、0.01ないし100mg/kg、好ましくは0.02ないし50mg/kgに到達できる。
【0193】
より多量の又はより少量の用量が適切な特別な場合があり得、このような用量は、なおも本発明の範囲内に属する。通常の慣行に従い、各患者に対して適した用量は、投与の方法及び該患者の体重及び反応に応じて、医師によって決定される。
【0194】
その態様の別のものによると、本発明は、患者へ、本発明に記載の化合物又は水和物若しくは溶媒和物の効果的な用量を投与することを含む、上述の病理の治療の方法にも関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

に対応する化合物及びこれらの水和物又はこれらの溶媒和物。
(式中、
−Xは、基
【化2】

を表し;
−Rは、
・置換されていないか、又はフッ素原子、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキルチオ、フェノキシ、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ジフルオロメチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基から独立に選択される置換基で1回若しくはそれ以上置換された(C−C12)−アルキル;
・置換されていないか、又は(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、フッ素原子、ヒドロキシル、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、(C−C)−アルキルチオから独立に選択される置換基で1回若しくはそれ以上置換された、非芳香族(C−C12)炭素環式基;
・置換されていないか、又は炭素環上で、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、フッ素原子、ヒドロキシル、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基から独立に選択される置換基で1回若しくはそれ以上置換された(C−C)−シクロアルキルメチル;
・置換されていないか、又はハロゲン原子、ヒドロキシル、Alk基、OAlk基、メチレンジオキシ、(C−C)−アルキルアミノ、ジ−(C−C)−アルキルアミノ、シアノ、ニトロ、S(O)Alk基、OS(O)Alk基、(C−C)−アルキルカルボニル基から;又は、置換されていないか、若しくは(C−C)−アルキルで1回若しくはそれ以上置換された、フェニル、フェノキシ、ピロリル、イミダゾリル、ピリジル若しくはピラゾリル基から独立に選択される置換基で1回又はそれ以上置換された、フェニル;
・置換されていないか、又はフェニル上で、ハロゲン原子、Alk基、ヒドロキシル、OAlk基、メチレンジオキシ、S(O)Alk基、OS(O)Alk基から独立に選択される置換基で1回若しくはそれ以上置換された、及び置換されていないか、又は、アルファ位で、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキルから選択される1若しくは2個の類似若しくは非類似の基によって置換された、ベンジル;
・置換されていないか、又はフェニル上で、ハロゲン原子、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基から独立に選択される置換基で1回若しくはそれ以上置換されたフェネチル;
・ベンズヒドリル;ベンズヒドリルメチル;
・置換されていないか、又は(C−C)−アルキルで1回若しくはそれ以上置換された1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニル;
・ピロリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、オキサゾリル、ピリジル、インドリルから選択され、置換されていないか、又はハロゲン原子若しくは(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、シアノ、ニトロ、(C−C)−アルキルチオから独立に選択される置換基で1回若しくはそれ以上置換された、芳香族複素環式基;
を表し;
−Rは、水素原子又は(C−C)−アルキルを表し;
−Rは、水素原子又は(C−C)−アルキルを表し、
−Rは、置換されていないか、又はハロゲン原子、Alk基、OAlk基、S(O)Alk基又はOS(O)Alk基から独立に選択される置換基で1回若しくはそれ以上置換されたフェニルを表し;
−Rは、置換されていないか、又はハロゲン原子、Alk基、OAlk基、S(O)Alk基若しくはOS(O)Alk基から独立に選択される置換基で1回若しくはそれ以上置換されたフェニルを表し;
−Rは、水素原子又は(C−C)−アルキルを表し;
−nは、0、1又は2を表し;
−Alkは、置換されていないか、又はフッ素原子で1回若しくはそれ以上置換された(C−C)−アルキルを表し;
但し、R及びRは、(C−C)−アルコキシで置換されたフェニルを同時には表さない。)
【請求項2】
−X−が、−CO−基を表し、及び置換基RないしRが、請求項1の式(I)の化合物に関して定義されるとおりである式(IA)の、請求項1に記載の化合物及びその水和物又はその溶媒和物。
【請求項3】
−X−が、−SO−基を表し、及び置換基RないしRが、請求項1の式(I)の化合物に関して定義されるとおりである式(IB)の、請求項1に記載の化合物及びその水和物又はその溶媒和物。
【請求項4】
−X−が、−CON(R)−基を表し、及び置換基RないしRが、請求項1の式(I)の化合物に関して定義されるとおりである式(IC)の、請求項1に記載の化合物及びその水和物又はその溶媒和物。
【請求項5】
−Xが、−CO−基、−SO−基、−CON(R)−基を表し;
−Rが、
・1−エチルプロピル、1−プロピルブチル
・シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、2−ノルボルニル;
・フェニル、4−ブロモフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、4−tert−ブチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、3−メトキシフェニル、4−(ジエチルアミノ)フェニル、3−(トリフルオロメチル)フェニル、4−(トリフルオロメチル)フェニル、2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル、2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル、2−ブロモ−4−(トリフルオロメチル)フェニル、2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル、4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル、2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル、4−(ジフルオロメトキシ)フェニル、ビフェニル−2−イル、3−フェノキシフェニル、4−フェノキシフェニル、4−(1H−ピロル−1−イル)フェニル;
・3−(トリフルオロメチル)ベンジル;
・ベンズヒドリルメチル;
・2−チエニル、5−クロロ−2−チエニル、5−ブロモ−2−フリル、3−tert−ブチル−1−エチル−1H−ピラゾール−5−イル、1H−インドール−2−イル、1−メチル−1H−インドール−2−イル
を表し;
−Rが、水素原子を表し;
−Rが、水素原子又はメチルを表し;
−Rが、4−ブロモフェニル、4−クロロフェニル、4−メトキシフェニルを表し;
−Rが、2,4−ジクロロフェニルを表し;
−Rが、水素原子を表す、
請求項1に記載の式(I)の化合物及びそれらの水和物又はそれらの溶媒和物。
【請求項6】
Xが、−CO−又は−SO−基を表し;
−Rが、
・3−(トリフルオロメチル)フェニル、4−(トリフルオロメチル)フェニル、2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル、3−フェノキシフェニル、4−(1H−ピロル−1−イル)フェニル;
・ベンズヒドリルメチル
を表し;
−Rが、水素原子を表し;
−Rが、水素原子又はメチルを表し;
−Rが、4−ブロモフェニル又は4−メトキシフェニルを表し;
−Rが、2,4−ジクロロフェニルを表す;
請求項1に記載の式(I)の化合物及びそれらの水和物又はそれらの溶媒和物。
【請求項7】
N−[[5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)ピリミジン−2−イル]メチル]−3−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド;
N−[[5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)ピリミジン−2−イル]メチル]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド;
N−[[4−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)ピリミジン−2−イル]メチル]−4−(1H−ピロル−1−イル)ベンズアミド;
N−[[5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)ピリミジン−2−イル]メチル]−3,3−ジフェニルプロパンアミド;
N−[[5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチルピリミジン−2−イル]メチル]−3,3−ジフェニルプロパンアミド;
N−[[5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチルピリミジン−2−イル]メチル]−3−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド;
N−[[5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチルピリミジン−2−イル]メチル]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド;
N−[[5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチルピリミジン−2−イル]メチル]−2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド;
N−[[5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチルピリミジン−2−イル]メチル]−3−フェノキシベンゼンスルホンアミド
から選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物及びそれらの水和物またはそれらの溶媒和物。
【請求項8】
請求項1に記載の式(I)の化合物の調製方法であり、
式:
【化3】

(式中、R、R、R及びRは、請求項1の式(I)の化合物に関して定義されるとおりである。)
の化合物が、
−X−が−CO−基を表す式(I)の化合物を調製することが必要な場合には、式:
HOOC−R(III)
(式中、Rは、請求項1の式(I)の化合物に関して定義されるとおりである。)
の酸若しくは前記酸の機能的誘導体で処理される、
又は、−X−が−SO−基を表す式(I)の化合物を調製することが必要な場合には、
式:
Hal−SO−R(IV)
(式中、Rは、請求項1の式(I)の化合物に関して定義されるとおりであり、及びHalは、ハロゲン原子、好ましくは塩素を表す。)
のハロゲン化スルホニルで処理される、
又は、−X−が−CON(R)−基を表す式(I)の化合物を調製することが必要な場合には、式:
HalCOOAr(V)
(式中、Halはハロゲン原子を表し、及びArは、フェニル又は4−ニトロフェニルを表す。)
のハロフォルマートで、処理されて、式:
【化4】

(R、R、R及びRは、請求項1の式(I)の化合物に関して定義されるとおりである。)
の中間体を取得し、次いで、該中間体を、式:
HN(R)R(VII)
(式中、R及びRは、請求項1の式(I)の化合物に関して定義されるとおりである。)
のアミンと反応させる
ことを特徴とする、調製方法。
【請求項9】
請求項1ないし7の何れか一項に記載の式(I)の化合物、または式(I)の化合物の水和物若しくは溶媒和物を含むことを特徴とする、医薬品。
【請求項10】
請求項1ないし7の何れか一項に記載の式(I)の化合物、又は前記化合物の水和物若しくは溶媒和物と、及び少なくとも1つの医薬として許容される賦形剤とを含むことを特徴とする、医薬組成物。
【請求項11】
食欲障害、代謝性障害、胃腸障害、炎症性現象、免疫系疾患、精神病性障害、アルコール依存症及びニコチン依存症の治療及び予防を目的とする医薬品の調製のための、請求項1ないし7の何れか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項12】
疾患が、精神障害、薬物依存及び離脱、認知障害、注意及び覚醒状態の障害、並びに急性及び慢性神経変性疾患であることを特徴とする、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
疾患が、代謝の障害、欲求の障害、食欲の障害、肥満、II型糖尿病、メタボリック症候群及び脂質代謝異常であることを特徴とする、請求項11に記載の使用。
【請求項14】
疾患が、疼痛、神経因性疼痛及び抗癌治療によって誘発される疼痛であることを特徴とする、請求項11に記載の使用。
【請求項15】
疾患が、胃腸障害、嘔吐、下痢、潰瘍及び肝臓疾患であることを特徴とする、請求項11に記載の使用。
【請求項16】
疾患が、免疫系疾患、関節リウマチ、脱髄、多発性硬化症及び炎症性疾患であることを特徴とする、請求項11に記載の使用。
【請求項17】
疾患が、アルツハイマー病、パーキンソン病、統合失調症、認知障害、糖尿病、肥満、メタボリック症候群及びたばこ離脱であることを特徴とする、請求項11に記載の使用。

【公表番号】特表2009−500381(P2009−500381A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519965(P2008−519965)
【出願日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際出願番号】PCT/FR2006/001621
【国際公開番号】WO2007/006928
【国際公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】