説明

RFIDインレット

【課題】TFT回路によるアンテナ特性の劣化を抑制できるRFIDインレットを提供する。
【解決手段】RFIDインレット10であって、基板2と、基板2の表面に形成された平面スパイラル状のアンテナパターン3と、基板2の表面に形成され、アンテナパターン3に接続されたTFT回路4とを備え、TFT回路4は、基板2の法線方向から見て、アンテナパターン3の最内周よりも内側に位置する内側空間領域30と重複しない領域に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFID(Radio Frequency IDentification)インレットに関し、特にTFTを使用したICを用いるRFIDインレットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、RFIDタグや非接触式ICカードのインレット(RFIDインレット)を構成する回路としては、例えば特許文献1にも記載されているように、半導体基板を用いて作製されたICチップが用いられてきた。しかし、近年では、アンテナ基板上にTFT(Thin Film Transistor)を使ってICを形成する方法も検討されるようになってきている。TFTを用いたICをTFT回路と呼ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−140904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、TFT回路をインレット内の回路として用いると、アンテナパターンのアンテナとしての特性が劣化するという問題が発生する場合がある。これは、回路に含まれる導電体により磁界が乱されるためであり、磁界の乱れ自体はICチップを用いる場合にも発生するが、TFT回路はサイズが大きいために磁界の乱れが大きく、アンテナ特性に無視できない劣化が生じてしまう。
【0005】
したがって、本発明の目的は、TFT回路によるアンテナ特性の劣化を抑制できるRFIDインレットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明によるRFIDインレットは、基板と、前記基板の表面に形成された平面スパイラル状のアンテナパターンと、前記基板の表面に形成され、前記アンテナパターンに接続されたTFT回路とを備え、前記TFT回路は、前記基板の法線方向から見て、前記アンテナパターンの最内周よりも内側に位置する内側空間領域と重複しない領域に設けられることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、磁界分布が最も強くなるアンテナパターンの内側空間領域において磁界の乱れが発生しなくなるため、TFT回路によるアンテナ特性の劣化を抑制できる。
【0008】
上記RFIDインレットにおいて、前記TFT回路は、前記基板表面のうち、前記基板の法線方向から見て前記アンテナパターンの形成領域と重複する領域に設けられることとしてもよい。基板の法線方向から見てアンテナパターンの形成領域は比較的磁界分布が弱くなる領域であるから、このRFIDインレットによれば、磁界の乱れがより抑制され、TFT回路によるアンテナ特性の劣化をより効果的に抑制できる。
【0009】
上記RFIDインレットにおいて、前記TFT回路は、前記アンテナパターンのうち、同一方向に電流が流れる隣接した2つの部分の間の領域に設けられることとしてもよい。同一方向に電流が流れる隣接した2つの部分の間の領域は磁界分布が最も弱くなる領域であるから、このRFIDインレットによれば、磁界の乱れがさらに抑制され、TFT回路によるアンテナ特性の劣化をさらに効果的に抑制できる。
【0010】
また、上記RFIDインレットにおいて、前記アンテナパターンは、相対的に磁界分布の弱い弱磁界部と、相対的に磁界分布の強い強磁界部とを有し、前記TFT回路は、相対的に集積度の高い高集積部と、相対的に集積度の低い低集積部とを有し、前記高集積部は前記弱磁界部近傍に設けられ、前記低集積部は前記強磁界部近傍に設けられることとしてもよい。さらに、前記アンテナパターンは1又は複数の直線部と1又は複数の角部とを有し、前記弱磁界部は前記1又は複数の直線部により構成され、前記強磁界部は前記1又は複数の角部により構成されることとしてもよい。
【0011】
また、上記RFIDインレットにおいて、前記TFT回路は、前記アンテナパターンのうち、同一方向に電流が流れる隣接した2つの部分の間に対応する領域に設けられることとしてもよい。
【0012】
また、上記RFIDインレットにおいて、前記TFT回路と前記アンテナパターンとは、互いに前記基板の反対面に形成されることとしてもよいし、前記基板の同一面に形成されることとしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、TFT回路によるRFIDインレットのアンテナ特性の劣化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態によるRFIDインレットの構成を示す図である。(a)はRFIDインレットの上面透視図であり、(b)は(a)のA−A’線断面図であり、(c)はRFIDインレットの下面透視図である。
【図2】本発明の実施の形態によるRFIDインレットの構成を示す図であり、(a)〜(c)はそれぞれ図1の(a)〜(c)に対応している。
【図3】図1(a)のB−B’線断面の模式図である。
【図4】本発明の実施の形態の変形例によるRFIDインレットの下面透視図である。
【図5】本発明の実施の形態の他の変形例によるRFIDインレットの下面透視図である。
【図6】本発明の実施の形態の他の変形例によるRFIDインレットの構成を示す図である。(a)はRFIDインレットの上面透視図であり、(b)は(a)のC−C’線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態によるRFIDインレット10の構成を示す図である。図1(a)はRFIDインレット10の上面透視図であり、図1(b)は図1(a)のA−A’線断面図であり、図1(c)はRFIDインレット10の下面透視図である。なお、図1(b)は、断面に現れる構成を分かりやすく示すために、図面縦方向に大幅に引き伸ばして描いている。また、図1(a)及び図1(c)は断面図ではないが、分かりやすくするためにTFT回路及びアンテナパターンにハッチングを施している。後掲する各図でも同様である。
【0017】
図1(a)乃至図1(c)に示すように、RFIDインレット10は、基板2と、基板2のおもて面2aに設けられたアンテナパターン3と、基板2のうら面2bに設けられたTFT回路4と、これらを封止する保護層5とを有している。
【0018】
基板2は、各種のプラスチックフィルム等によって構成される平板状の材料である。具体的には、基板2の材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PET−G(テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体)、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリスチレン系、ABS樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、アクリル系、耐水紙などの単独フィルム若しくはこれらの複合フィルムを用いることができる。基板2の厚みは規格によって決められており、具体的には1μm〜100μm程度である。また、本実施の形態では、縦幅45mmと横幅75mmの基板2を用いているが、基板2の大きさはこれに限られるものではない。
【0019】
アンテナパターン3とTFT回路4は所謂パッシブタグを構成する。すなわち、アンテナパターン3は、図1(a)に示すように平面スパイラル状の導体パターンであり、その両端はそれぞれスルーホール導体3hを介してTFT回路4の両端に接続されている。TFT回路4は、主として基板2の表面に形成され、トランジスタ、ダイオードなどの能動素子と、キャパシタ、抵抗などの受動素子と、これら素子を相互接続する配線とを含んで構成される。そして、これらの素子や配線によって、整流回路、メモリ、通信回路などが構成される。以下、アンテナパターン3とTFT回路4によって構成されるパッシブタグの動作について、簡単に説明する。
【0020】
まず、リーダ(不図示)が、読み出し命令を含むデータによって変調した電波(変調波)を送出し、その後、無変調の電波(無変調波)を所定時間にわたって送出する。TFT回路4の整流回路は、アンテナパターン3を介してこれらの電波を受信し、整流して直流化する。通信回路は、この直流を電源として動作するものであり、まず変調波を解釈し、解釈結果に応じてメモリ内からデータを読み出す。そして、読み出したデータによって無変調波の反射波を変調する。リーダはこの反射波を受信することで、TFT回路4内のメモリに記憶されているデータを取得する。
【0021】
保護層5は、樹脂素材によって構成される。具体的な材料としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。保護層5を形成する際には、基板2の上側と下側からフィルム状の材料を貼り付け、熱プレス成形によって、基板2、アンテナパターン3、及びTFT回路4に密着させる。これにより、保護層5による封止が完成する。保護層5の厚みは片側(基板2の一方側)のみで1μm〜100μm程度であり、したがって、RFIDインレット10全体としての厚みは3μm〜300μm程度となっている。
【0022】
次に、アンテナパターン3とTFT回路4との位置関係について説明する。
【0023】
図2(a)乃至図2(c)には、アンテナパターン3との位置関係により分類される基板2のおもて面2aの3つの領域、すなわち内側空間領域30、外側空間領域31、及びアンテナパターン形成領域32が示されている。
【0024】
内側空間領域30は、アンテナパターン3の最内周よりさらに内側の、導体パターンが配置されない領域である。外側空間領域31は、アンテナパターン3の最外周よりさらに外側の、導体パターンが配置されない領域である。アンテナパターン形成領域32は、基板2のおもて面2aのうち、アンテナパターン3が形成される領域である。なお、アンテナパターン形成領域32には、アンテナパターン3を形成する導体パターン間の隙間領域も含まれる。言い換えれば、アンテナパターン形成領域32は、アンテナパターン形成領域32を構成する導体パターンのうち最外周の導体パターンと最内周の導体パターンで囲まれる領域となっている。また、各領域はアンテナパターン3の縁に沿って厳密に分けられなければならないわけではなく、多少の誤差(例えばアンテナパターン3の導体幅の10%程度)は許容される。
【0025】
TFT回路4は、図2(b)及び図2(c)に示すように、基板2のうら面2bのうち、基板2の法線方向(図2(a)及び図2(c)の奥行き方向。図2(b)の上下方向。)から見て、内側空間領域30及び外側空間領域31と重複せず、かつアンテナパターン形成領域32と重複する領域に設けられている。
【0026】
このように、アンテナパターン形成領域32と基板2の法線方向から見て重複する領域のみにTFT回路4を設けることで、RFIDインレット10では、TFT回路4によるアンテナ特性の劣化が抑制されている。すなわち、平面スパイラル形状のアンテナパターン3を用いる場合、磁界分布が相対的に特に強くなるのは内側空間領域30(及びその上下の空間。以下同じ。)であることから、この内側空間領域30と基板2の法線方向から見て重複する領域を避けてTFT回路4を配置することにより、TFT回路4による磁界の乱れが相当程度抑制される。また、外側空間領域31でも、アンテナパターン形成領域32に比べれば磁界分布が強く、この外側空間領域31と基板2の法線方向から見て重複する領域を避けてTFT回路4を配置することにより、TFT回路4による磁界の乱れが相当程度抑制される。一方、アンテナパターン形成領域32では磁界分布が相対的に弱くなっているため、このアンテナパターン形成領域32と基板2の法線方向から見て重複する領域にTFT回路4を設けることで、全体としてTFT回路4による磁界の乱れが相当程度抑制されることになる。したがって、RFIDインレット10では、TFT回路4によるアンテナ特性の劣化が抑制されている。
【0027】
さらに、図1(c)には、基板2のおもて面2aにおけるアンテナパターン3の位置を破線で示しているが、この破線とTFT回路4の位置関係から明らかなように、TFT回路4は、アンテナパターン形成領域32に対応する領域でも特に、アンテナパターン3のうち同一方向に電流が流れる隣接した2つの部分の間に対応する領域(おもて面2a内の、アンテナパターン3のうち同一方向に電流が流れる隣接した2つの部分の間に位置する領域と、基板2の法線方向に見て重複する領域)に設けられている。つまり、例えば図1(a)及び図1(c)に示したアンテナパターン3の部分3X及び3Yは、互いに隣接しており、かつアンテナパターン3に電流が流れるとき同じ方向に電流が流れる。TFT回路4は、このような2つの部分の間に対応する領域に設けられている。このような領域にTFT回路4を設けることで、TFT回路4による磁界の乱れがさらに抑制される。以下、詳しく説明する。
【0028】
図3は、図1(a)のB−B’線断面の模式図である。同図に示すように、例えばアンテナパターン3の部分3X,3Yに紙面こちら側に向かって電流が流れるとき、それぞれが生ずる磁界は、紙面に向って見て反時計周りとなる。したがって、部分3X,3Yの間の領域ではそれぞれが生ずる磁界が打ち消し合い、アンテナパターン形成領域32に対応する領域の中でも特に磁界分布が弱い領域となっている。図1(c)の例では、このような領域にTFT回路4を設けているので、TFT回路4による磁界の乱れがより効果的に抑制されている。
【0029】
また、TFT回路4では、その内部構造についても、磁界の乱れを抑制するための工夫を施している。すなわち、図1(c)に示すように、TFT回路4は、相対的に集積度の高い高集積部4aと、相対的に集積度の低い低集積部4bとから構成されている。高集積部4aは、主としてトランジスタ、ダイオード、キャパシタ、抵抗などの回路素子を含んで構成される。一方、低集積部4bは、主としてこれらの回路素子を相互に接続するための配線から構成される。低集積部4bは、アンテナパターン3の各角部3aの近傍に設けられている。一方、高集積部4aは、アンテナパターン3の各角部3a以外の部分(直線部)の近傍に設けられている。
【0030】
一般に、アンテナパターン3の角部3a(アンテナパターン3に曲線状の部分がある場合には曲線部を含む。)は相対的に磁界分布が強い強磁界部であり、角部3a以外の部分(直線部)は相対的に磁界分布が弱い弱磁界部となっている。一方、相対的に集積度の高い高集積部4aは、相対的に集積度の低い低集積部4bに比べて、磁界を乱す効果が大きい。したがって、上記のように高集積部4aを直線部の近傍に設け、低集積部4bを角部3aの近傍に設けることで、TFT回路4による磁界の乱れがさらに効果的に抑制されている。
【0031】
なお、図1(c)の例では、基板2の法線方向から見てアンテナパターン形成領域32と重複する領域の一部にのみTFT回路4を配置したが、TFT回路4が必要とする面積によっては、アンテナパターン形成領域32の面積ぎりぎりまでTFT回路4を設けてもよいのは勿論である。また、TFT回路4の面積がアンテナパターン形成領域32の面積より大きい場合や、アンテナパターン形成領域32の面積より小さい場合であっても形状の問題によりアンテナパターン形成領域32の対応領域にうまく収められない場合には、アンテナパターン形成領域32の対応領域からはみ出してもよい。ただし、この場合、内側空間領域30よりも外側空間領域31にはみ出すようにする。
【0032】
つまり、アンテナパターン形成領域32の面積をSant、TFT回路4の面積をSicとし、さらにTFT回路4の設置領域のうち、基板2の法線方向から見てアンテナパターン形成領域32と重複している領域の面積をSic−lap、外側空間領域31と重複している領域の面積をSic−out、内側空間領域30と重複している領域の面積をSic−inとすると、Sic<Santである場合には、Sic=Sic−lap、Sic−in=Sic−out=0とする。また、Sic>Santである場合には、Sic−out=Sic−Sant、Sic−in=0とする。
【0033】
図4は、Sic>Santである場合の例におけるRFIDインレット10の下面透視図である。同図の例は極端な例であり、Sic−outが外側空間領域31の面積と等しくなっている。しかし一方でSic−in=0としていることから、TFT回路4による磁界の乱れが抑制される。したがって、TFT回路4によるアンテナ特性の劣化が抑制されている。
【0034】
図5は、Sic<Santであるものの、形状の問題によりアンテナパターン形成領域32の対応領域に収まらないTFT回路4を有するRFIDインレット10の下面透視図である。同図の例では、アンテナパターン形成領域32の4辺に高集積部4aを配置し、その間を低集積部4bで接続している。各高集積部4aの幅はアンテナパターン形成領域32から外側空間領域31側へ少しはみ出している。このような例においても、Sic−in=0であることから、TFT回路4による磁界の乱れが抑制される。したがって、TFT回路4によるアンテナ特性の劣化が抑制されている。また、低集積部4bを角部3aの対応領域に配置し、高集積部4aを角部3aの対応領域以外の領域に配置したことから、さらに効果的にアンテナ特性の劣化が抑制されている
【0035】
以上説明したように、本実施の形態によるRFIDインレット10によれば、TFT回路4によるRFIDインレット10のアンテナ特性の劣化を抑制できる。
【0036】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明が、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
【0037】
例えば、上記実施の形態ではアンテナパターン3とTFT回路4とを基板2の異なる面に形成したが、これらを同じ面に形成することとしてもよい。
【0038】
図6は、基板2のおもて面2aにアンテナパターン3とTFT回路4の両方を形成したRFIDインレット10を示す図である。図6(a)は本変形例によるRFIDインレット10の上面透視図であり、図6(b)は図6(a)のC−C’線断面図である。TFT回路4の面積がそれほど大きくなく、アンテナパターン3を形成する導体パターン間の隙間領域に収まる程度の面積である場合には、同図に示すように、基板2のおもて面2aにおいて、アンテナパターン3とTFT回路4とを並べて配置することが可能である。この場合にも、図1などに示したRFIDインレット10と同様に、アンテナ特性の劣化が抑制される。一方、図1などに示したRFIDインレット10と比べると、アンテナパターン3とTFT回路4とを接続するためのスルーホール導体が不要になるので、製造工程が簡略化され、低コスト化されている。
【0039】
また、図6の例では、さらに基板2の法線方向からの圧力に強くなるという効果も奏される。すなわち、図6(b)に示すように、アンテナパターン3は一般にTFT回路4より厚い。したがって、基板2の法線方向から圧力がかかった場合、より厚いアンテナパターン3に圧力が集中し、TFT回路4へのダメージを和らげることが可能となっている。なお、このような圧力がかかる場合の具体的な例としては、紙の中に抄き込まれて用いられるRFIDインレット10の例が挙げられる。紙を製造するための抄紙工程では、RFIDインレット10が抄き込まれた状態の紙をローラーで押しつぶす処理(カレンダ処理)が行われるが、図6に示したRFIDインレット10の構造は、このカレンダ処理において印加される圧力に対して比較的強い構造となっている。
【符号の説明】
【0040】
2 基板
2a おもて面
2b うら面
3 アンテナパターン
3a 角部
3h スルーホール導体
4 TFT回路
4a 高集積部
4b 低集積部
5 保護層
10 RFIDインレット
30 内側空間領域
31 外側空間領域
32 アンテナパターン形成領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の表面に形成された平面スパイラル状のアンテナパターンと、
前記基板の表面に形成され、前記アンテナパターンに接続されたTFT回路とを備え、
前記TFT回路は、前記基板の法線方向から見て、前記アンテナパターンの最内周よりも内側に位置する内側空間領域と重複しない領域に設けられることを特徴とするRFIDインレット。
【請求項2】
前記TFT回路は、前記基板表面のうち、前記基板の法線方向から見て前記アンテナパターンの形成領域と重複する領域に設けられることを特徴とする請求項1に記載のRFIDインレット。
【請求項3】
前記アンテナパターンは、相対的に磁界分布の弱い弱磁界部と、相対的に磁界分布の強い強磁界部とを有し、
前記TFT回路は、相対的に集積度の高い高集積部と、相対的に集積度の低い低集積部とを有し、
前記高集積部は前記弱磁界部近傍に設けられ、
前記低集積部は前記強磁界部近傍に設けられることを特徴とする請求項2に記載のRFIDインレット。
【請求項4】
前記アンテナパターンは1又は複数の直線部と1又は複数の角部とを有し、
前記弱磁界部は前記1又は複数の直線部により構成され、
前記強磁界部は前記1又は複数の角部により構成されることを特徴とする請求項3に記載のRFIDインレット。
【請求項5】
前記TFT回路は、前記アンテナパターンのうち、同一方向に電流が流れる隣接した2つの部分の間に対応する領域に設けられることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載のRFIDインレット。
【請求項6】
前記TFT回路と前記アンテナパターンとは、互いに前記基板の反対面に形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のRFIDインレット。
【請求項7】
前記TFT回路と前記アンテナパターンとは、前記基板の同一面に形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のRFIDインレット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−48793(P2011−48793A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198958(P2009−198958)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】