説明

Si結合SiCセラミックスの焼成方法

【課題】匣鉢内に蓋や囲い等を設置することなく、仮焼及び本焼成の両者に対応可能なSi結合SiCセラミックスの焼成方法を提供する。
【解決手段】溝6が、匣鉢2における対向する一対の枠板5にのみ形成されており、少なくとも本焼成において、それぞれの匣鉢2の溝形成枠板5aと、隣接する匣鉢2の溝形成枠板5aとが向かい合い、それぞれの溝形成枠板5aが焼成炉8の幅方向と平行となるよう配置された、複数の匣鉢2の積載された耐火容器を、互いに接しない程度の間隔を保持しつつ、連続的に焼成炉8へと導入し、焼成を行う、Si結合SiCセラミックスの焼成方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関やボイラー等における触媒用担体、又は排ガス中の微粒子を捕集するフィルタとして用いられるハニカム構造体等に好適なSi結合SiCセラミックスの焼成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭化珪素粒子が金属珪素によって結合されたSi結合SiC材料(Si−SiC)は、耐熱性、耐熱衝撃性、耐酸化性に優れた特性を持ち、内燃機関やボイラー等における触媒作用を利用する触媒用担体、又は排ガス中の微粒子、特にディーゼル微粒子を捕集するフィルタとして用いられるハニカム構造体の代表的な構成材料として知られている。
【0003】
このようなSi結合SiCセラミックスの一般的な製造方法としては、金属珪素粉末及び有機バインダに対し、適宜、炭化珪素粉末原料等を添加し、それを混合及び必要に応じて混練して得られた坏土を所定の形状に成形し、こうして得られた成形体を、匣鉢内に設置し、仮焼して成形体中の有機バインダ等を除去した後、本焼成するという方法が知られている。
【0004】
上記の製造方法において、成形体を設置する匣鉢は、仮焼時(バインダ除去時)には、内部の通気性を良くし有機物分解を促進するために、開口構造とすることが望ましく、一方で、本焼成時には、匣鉢内部を一定の不活性雰囲気に保つために、開口の少ない構造とすることが望ましい。即ち、本来であれば、両者にはそれぞれ相反する構造の匣鉢が適合するものであるが、仮焼及び本焼成を一続きの工程で行う場合には、製造工程の便宜上、単一又は複数の溝を有する同一の匣鉢を用いて行われる。
【0005】
この時、匣鉢に形成された溝は、仮焼時に成形体から除去された有機バインダ等の燃焼ガスを匣鉢の外部に逃がすために効果的であるが、炉内をAr雰囲気等の不活性雰囲気に調整して行われる本焼成においては、このような溝が有ると、成形体中の金属珪素に由来する蒸気成分が溝を通じて移動することにより、匣鉢内の雰囲気が変化し、匣鉢内の設置位置によっては、成形体が雰囲気変動の影響を受けるという問題が発生する。
【0006】
このような品質上の問題を解決するために、匣鉢の溝と被焼成物(製品)である成形体との間に、溝を閉塞しない程度に、匣鉢と同材又は異材、若しくは被焼成物と同材のものからなる蓋や囲いを設ける、又は、最も外側(匣鉢の内周面寄りの位置)に設置する被焼成物を前記のような囲いとして利用し、当該被焼成物は製品として扱わない等の対策が取られてきた。しかしながらこのような蓋や囲いを設けるという対策方法には、製品以外の部材を匣鉢内に設置することによる製品の積載量の低減を招き、生産効率が低下するほか、該部材のために余分な資材を用いなければならず、製品の収率が悪化する等、新たな問題がある。
【0007】
また、この方法においては、匣鉢内の雰囲気は一定に保持されるものの、Ar雰囲気等の酸素が希薄な本焼成時の炉内雰囲気下では、成形体等に含まれるSiCやSiがSiOとなって匣鉢の外部に飛散し、また同時に成形体等に含まれるNaOやKOといったアルカリ分も匣鉢の外部に飛散するため、これらのSiOやアルカリ分が、炉内の低温度部でガラス相として凝集し、当該低温度部の炉内壁を構成している耐火レンガの補修頻度を増加させるという問題がある。
【0008】
例えば特許文献1には、上記炉内壁劣化の問題を解決するために、SiOとAlとを主成分とするセラミックス固体を匣鉢内に設置し焼成を行う含Si非酸化物セラミックス体の製造方法が開示されており、飛散するSiOやアルカリ分をセラミックス固体に吸着させることによって、炉の寿命を長くすることに成功しているが、製品の生産効率や収率については、依然として問題を残したままであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−254237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、溝が形成された匣鉢内に成形体を設置して、仮焼及び本焼成を行うSi結合SiCセラミックスの焼成方法において、匣鉢内に蓋や囲い等の部材を設置することなく、仮焼及び本焼成の両者に対応可能で、製品の生産効率や収率を向上するとともに、炉の補修頻度を低減させることの可能なSi結合SiCセラミックスの焼成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明によれば、以下のSi結合SiCセラミックスの焼成方法が提供される。
【0012】
[1] 金属珪素及び有機バインダを含む原料に炭化珪素粉末を添加して得られた坏土を所定の形状に成形し、得られた成形体を溝が形成された匣鉢内に設置し、複数の匣鉢の積載された耐火容器を複数個並列させた状態で焼成炉へ導入し、仮焼して前記成形体中の有機物を除去した後、不活性ガス雰囲気中で前記成形体を本焼成する、Si結合SiCセラミックスの焼成方法であって、前記溝は、前記匣鉢の側面を構成する、対向する一対の枠板にのみ形成されており、前記仮焼と前記本焼成のうち、少なくとも前記本焼成において、それぞれの匣鉢の前記溝の形成された枠板である溝形成枠板と、前記それぞれの匣鉢と前記焼成炉の奥行方向に隣接する匣鉢の前記溝形成枠板とが向かい合い、それぞれの前記溝形成枠板が、前記焼成炉の幅方向と平行となるよう、前記複数の匣鉢が配置されており、前記複数の匣鉢の積載された前記耐火容器を、互いに接しない程度の間隔を保持しつつ、複数個並列させた状態で前記焼成炉へと導入し焼成を行う、Si結合SiCセラミックスの焼成方法。
【0013】
[2] 前記不活性ガス雰囲気はAr雰囲気である前記[1]に記載のSi結合SiCセラミックスの焼成方法。
【0014】
[3] 前記成形体は、前記溝形成枠板が対向する方向と、前記成形体の長手方向とが一致するよう位置決めされて設置される前記[1]又は[2]に記載のSi結合SiCセラミックスの焼成方法。
【0015】
[4] 前記溝は、前記枠板の上端部及び下端部に、左右対称に切り欠きを設けることによって形成された前記[1]〜[3]の何れかに記載のSi結合SiCセラミックスの焼成方法。
【0016】
[5] 前記枠板の前記上端部及び前記下端部のそれぞれにおける左右一組の溝は、前記匣鉢の内側から外側に向かって斜めに開いていくように形成された前記[4]に記載のSi結合SiCセラミックスの焼成方法。
【0017】
[6] 4面の前記枠板からなり、前記匣鉢の側面全体を構成する部材である枠部材の、内表面積に占める前記溝の開口面積の割合である前記匣鉢の開口率は、1〜15%の範囲内である前記[1]〜[5]の何れかに記載のSi結合SiCセラミックスの焼成方法。
【0018】
[7] 前記仮焼において、それぞれの前記匣鉢の、前記溝の形成されていない前記枠板である密閉枠板と、前記それぞれの匣鉢と前記焼成炉の奥行方向に隣接する匣鉢の前記密閉枠板とが向かい合い、それぞれの前記匣鉢の前記溝形成枠板が、前記焼成炉の幅方向と直交するよう、前記複数の匣鉢が配置されており、前記複数の匣鉢の積載された前記耐火容器を、互いに接しない程度の間隔を保持しつつ、複数個並列させた状態で前記焼成炉へと導入し焼成を行う、前記[1]〜[6]の何れかに記載のSi結合SiCセラミックスの焼成方法。
【0019】
[8] 前記Si結合SiCセラミックスはハニカム構造体である前記[1]〜[7]の何れかに記載のSi結合SiCセラミックスの焼成方法。
【0020】
[9] 前記Si結合SiCセラミックスは、隣接するセルが互いに反対となる端部において目封止された目封止ハニカム構造体である前記[1]〜[8]の何れかに記載のSi結合SiCセラミックスの焼成方法。
【0021】
[10] 前記仮焼及び前記本焼成は、炉内の温度分布の制御された連続式のトンネル炉を使用して行われる前記[1]〜[9]の何れかに記載のSi結合SiCセラミックスの焼成方法。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、溝が形成された匣鉢内に成形体を設置して、仮焼及び本焼成を行う含Si結合SiCセラミックスの焼成において、従来の焼成方法に比べ製品の収率及び生産効率を向上させることができる。また、匣鉢の外部にSiOやアルカリ分が飛散するのを抑え、それらが飛散して炉内の低温度部でガラス相として凝集することに起因する耐火レンガの劣化を抑制することでき、その結果、炉の補修頻度を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1A】本発明の焼成方法において用いられる匣鉢の本焼成時及び/又は仮焼時における配置の一実施形態を、上方から見た模式的平面図である。
【図1B】本発明の焼成方法において用いられる匣鉢の仮焼時における配置の一実施形態を、上方から見た模式的平面図である。
【図2】本発明の焼成方法において用いられる匣鉢の一実施形態が複数個積み重ねられた様子を示す模式的斜視図である。
【図3】本発明の焼成方法において用いられる焼成炉の構造の一実施形態を、上方から見た模式的平面図である。
【図4】本発明の焼成方法において用いられる匣鉢の一実施形態に、成形体が設置された様子を上方から見た模式的平面図である。
【図5】本発明の焼成方法において用いられる匣鉢の枠部材の一実施形態を斜め上方から見た模式的斜視図である。
【図6】本発明の焼成方法において用いられる匣鉢の一実施形態を、溝の形成された側面方向から見た模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、適宜変更、修正、改良を加え得るものである。
【0025】
前記のとおり、本発明の焼成方法は、金属珪素及び有機バインダを含む原料に炭化珪素粉末を添加して得られた坏土を所定の形状に成形し、得られた成形体を溝が形成された匣鉢内に設置し、複数の匣鉢の積載された耐火容器を複数個並列させた状態で焼成炉へ導入し、仮焼して成形体中の有機物を除去した後、不活性ガス雰囲気中で成形体を本焼成することにより、Si結合SiCセラミックスを焼成する方法であって、その特徴的な構成としては、溝が、匣鉢の側面を構成する、対向する一対の枠板にのみ形成されており、仮焼と本焼成とのうち、少なくとも本焼成において、それぞれの匣鉢の溝の形成された枠板である溝形成枠板と、それぞれの匣鉢と焼成炉の奥行方向に隣接する匣鉢の溝形成枠板とが向かい合い、それぞれの溝形成枠板が、焼成炉の幅方向と平行となるよう、複数の匣鉢が配置されており、複数の匣鉢の積載された耐火容器を、互いに接しない程度の間隔を保持しつつ、複数個並列させた状態で焼成炉へと導入し、匣鉢を配置して焼成を行うものである。
【0026】
本発明に使用される原料は、金属珪素及び有機バインダを含むものであり、更に炭化珪素粉末を添加することによって、Si結合SiCセラミックスの原料とすることができる。また、得ようとするセラミックスの材質や特性等に応じて、適宜、造孔剤、アルカリ土類金属等を添加してもよい。添加する炭化珪素粉末の平均粒径は、特に限定されるものではないが、本発明の焼成方法によって最終的に得られるSi結合SiCセラミックスの平均細孔径の2〜4倍程度とすることが好ましい。
【0027】
また、原料中に含まれる金属珪素は、本焼成中に溶融して炭化珪素粒子の表面を濡らし、炭化珪素粒子同士を結合する役割を担う。この場合、原料中の金属珪素の適切な量は炭化珪素粉末原料の粒径や粒子形状によっても変化するが、例えば炭化珪素粉末と金属珪素との合計量に対して5〜50質量%とすることが好ましい。また、この時の金属珪素の平均粒径は、例えば炭化珪素粉末原料の平均粒径の50%以下とすることが好ましい。
【0028】
有機バインダは成形体の成形を容易にするために加えられる。有機バインダの量としては、他の原料の合計量に対し、例えば外配で2質量%以上添加するのが好ましい。ただし、30質量%を越える添加は、仮焼後に過剰な高気孔率を招き、強度不足に至らしめるため好ましくない。使用する有機バインダの種類は、特に限定されるものではないが、具体的にはヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。
【0029】
また、本発明の焼成方法により得られるSi結合SiCセラミックスを、排ガス中の微粒子を捕集するフィルタとして使用しようとする場合には、気孔率を高める目的で、坏土の調合時に造孔剤を添加するが、その造孔剤の添加量は、例えば他の原料の合計量に対し、外配で30質量%以下とすることが好ましい。使用する造孔剤の種類は、特に限定されるものではないが、具体的にはグラファイト、発泡樹脂、発泡済みの発泡樹脂、小麦粉、澱粉、フェノール樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレン、ポリメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート等を挙げることができる。造孔剤は、1種のみを用いてもよいし、必要に応じて2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0030】
アルカリ土類金属は、焼成時における金属珪素の濡れ性向上のため、坏土の調合時に添加することができる。アルカリ土類金属の添加量は、例えば他の原料の合計量に対し、外配で5質量%以下とすることが好ましい。使用するアルカリ土類金属の種類は、特に限定されるものではないが、具体的にはカルシウム、ストロンチウム等を挙げることができる。
【0031】
以上説明した原料を常法により混合し、更に必要に応じて混練して得られた坏土を、押出成形法等により所望の形状に成形する。次いで、得られた成形体を、ガスの流通のための溝が形成されている匣鉢内に設置し、仮焼して成形体中の有機物を除去する。なお、本発明において、「仮焼」とは、成形体中の有機物(有機バインダ、造孔剤等)を燃焼させて除去する操作を意味し、「脱脂」あるいは「脱バインダ」と称する場合もある。一般に、有機バインダの燃焼温度は100〜300℃程度、造孔剤の燃焼温度は200〜400℃程度であるので、仮焼温度は最高で400〜500℃程度とすればよい。
【0032】
仮焼により有機バインダ等を除去した後、本焼成を行う。なお、本発明において、「本焼成」とは、仮焼後の成形体(仮焼体)中の成形原料を焼結させて緻密化し、所定の強度を確保するための操作を意味する。適切な焼成条件(温度・時間)は、成形原料の種類により異なるが、本発明における本焼成時の焼成温度としては、1400〜1600℃で焼成することが好ましく、1400〜1500℃で焼成することが更に好ましい。金属珪素の融点は1410℃であるので、焼成温度が1400℃未満であると、炭化珪素粒子が金属珪素で結合された組織が得られず、目的の焼結体が製造できないことがあり、1600℃を超えると、金属珪素が蒸発飛散してしまうことがある。
【0033】
本焼成における焼成時間は1〜10時間程度とすることが好ましく、また、この本焼成は、炉内を不活性雰囲気として行う。本発明のSi結合SiCセラミックスの焼成方法においては、本焼成はAr雰囲気下で行うことが好ましい。
【0034】
これら仮焼及び本焼成は、成形体を、ガスの流通のための溝が形成された匣鉢内に設置し、その匣鉢を耐熱容器に複数個積載して焼成炉内に搬入して加熱することにより行う。この時溝は、匣鉢の側面を構成する、対向する一対の枠板にのみ形成されており、仮焼と本焼成とのうち、少なくとも本焼成において、それぞれの匣鉢の溝形成枠板と、焼成炉の奥行方向に隣接する匣鉢の溝形成枠板とが向かい合うよう、耐熱容器を複数個並列させて焼成を行う。即ち、複数の匣鉢は、溝形成枠板が焼成炉の幅方向に平行となるよう配置されている。尚、本発明において、「枠板」とは、匣鉢の4側面を構成する、それぞれの四角形の板部材を意味し、「枠部材」とは、4面の枠板からなり、匣鉢の側面全体を構成する部材を意味する。また、「溝形成枠板」とは、匣鉢の4側面のうち、溝の形成された互いに対向する枠板を意味し、「密閉枠板」とは、匣鉢の4側面のうち、溝の形成されていない互いに対向する枠板を意味する。更に、本発明において「焼成炉の奥行方向」とは、焼成炉における匣鉢の導入方向を意味し、特に連続式のトンネル炉においては、炉の入口と出口とを結ぶ方向であり、匣鉢が炉の入口から出口に向かって搬送される際の搬送方向を意味する。また、「焼成炉の幅方向」とは、焼成炉の奥行方向と直行する方向を意味するものとする。
【0035】
図1Aは、本発明の焼成方法において用いられる匣鉢の本焼成時及び/又は仮焼時における配置の一実施形態を、上方から見た模式的平面図であり、図2は、本発明の焼成方法において用いられる匣鉢の一実施形態が複数個積み重ねられた様子を示す模式的斜視図である。図1Aは、トンネル炉における一実施形態を示すものであるが、トンネル炉においては、匣鉢2を積載した耐火容器は次々と連続して炉内を流れて行くため、流れ方向(焼成炉の奥行方向)の前後において匣鉢2同士が隣り合うこととなり、隣り合う側の枠板5には溝6を設け、隣り合わない側の枠板5は密閉とする。即ち、本発明の焼成方法においては、少なくとも本焼成時には、例えば図1Aに示す様に、匣鉢2の開口部が炉内壁7に向くことのないよう、溝6の形成された溝形成枠板5aは、互いに隣接する匣鉢2に対して向けられる。
【0036】
酸化を促進するために匣鉢2内に良好な通気性の求められる仮焼時と異なり、本焼成時には、匣鉢2内の雰囲気を一定に保つ必要がある。即ち、本来であれば、本焼成時には仮焼時とは相反する構造の匣鉢2を用いることが望ましいのであるが、上記のような匣鉢2の配置を採用することによって、溝6を有する匣鉢2を採用しつつも、従来、匣鉢2内の開口部付近に設置されていた蓋や囲い等の部材を用いることなく、匣鉢2内の雰囲気を一定に保つことができ、最終製品の品質の安定や、収率の向上が可能となる。
【0037】
Ar雰囲気等の酸素が希薄な不活性雰囲気下で本焼成を行うと、成形体1中のSiCやSiがSiOとなって成形体1から飛散し、また同時にNaOやKOといったアルカリ分も成形体1から蒸発飛散する。従来、匣鉢2の外部に飛散したSiOやアルカリ分が、炉内の低温度部でガラス相として凝集し、当該低温度部の炉内壁を構成している耐火レンガの補修頻度を増加させるという問題があったが、本発明のような匣鉢2の構造及び配置を採用することによって、上記問題の発生を抑制させ、炉の補修頻度を低減させることができる。
【0038】
一方、図1Aに示す匣鉢2の構造及び配置においては、従来のものの様に、匣鉢2内に蓋や囲い等を設置しないため、仮焼時に採用した場合にも、酸化促進に十分な通気性を確保することができ、バインダを滞りなく分解することができる。即ち、上記の匣鉢2の構造及び配置は、仮焼及び本焼成の両者に対応することが可能であり、匣鉢2内に蓋や囲い等を設置する必要がないため、製品の収率及び生産効率を高めることができる。
【0039】
図3は本発明の焼成方法において用いられる焼成炉の構造の一実施形態を、上方から見た模式的平面図である。通常、セラミックス製品の焼成の際には、図3に示す様に、バインダ等の有機物除去のための仮焼工程と、基材焼結のための本焼成工程とを、連続して行うことが多いが、従来の焼成方法においては、有機物焼成炉8aから基材焼成炉8bへと続く匣鉢2の搬送過程において、溝6を覆う目的で設置された蓋や囲い等の部材が、成形体1に向かって倒れかかり、最終製品に不良を生じさせるといった問題が発生することがあった。本発明の焼成方法によれば、そのような問題を発生させること無く、仮焼及び本焼成を一連の工程にて行うことが可能である。
【0040】
図1Aに示すような、溝形成枠板5aが焼成炉8の幅方向に平行に揃えられた匣鉢2の配置は、仮焼にも本焼成にも対応可能であるが、例えば、大型の成形体1を焼成する、成形体1の積載量を増加する、有機物分解時間を短縮する等、仮焼時の有機物分解能をより向上させたい場合には、図1Bに示す様に、仮焼時のみ、溝形成枠板5aが焼成炉の幅方向と直交するよう、匣鉢2を配置することが好ましい。尚、図1Bは本発明の焼成方法において用いられる匣鉢の仮焼時における配置の一実施形態を、上方から見た模式的平面図である。この様な匣鉢2の配置とすることにより、匣鉢2内の通気性がより向上し、バインダ等の有機物分解を促進することができる。また、この時、匣鉢2を積載した耐火容器の搬送方法としては、仮焼時と本焼成時とで、耐火容器の方向を90度転換させる搬送方法を採用するとよい。
【0041】
図4は、本発明の焼成方法において用いられる匣鉢の一実施形態に成形体が設置された様子を上方から見た模式的平面図であり、図5は、本発明の焼成方法において用いられる匣鉢の枠部材の一実施形態を斜め上方から見た模式的斜視図である。また、図6は、本発明の焼成方法において用いられる匣鉢の一実施形態を、溝の形成された側面方向から見た模式的平面図である。
【0042】
本発明の焼成方法において用いられる匣鉢2は、少なくとも、側面を構成する枠部材9を有し、更に、例えば図6に示す様に、底面を構成する敷板3、天井面を構成する蓋板4を有していてもよい。対抗する一対の枠板5には、図4及び図5に示す様に、溝6が形成され、溝形成枠板5aを構成している。即ち、溝6は、4面の枠板5のうち、対抗する一対である2面の枠板5にのみ形成されている。また、残りの2面の枠板5には溝6は形成されておらず、密閉枠板5bを構成している。ここで枠部材9は、匣鉢2の4側面のそれぞれを構成する各枠板5が一体的に形成されてなるものである。また、敷板3は、使用上及び製造上の都合に応じて、枠部材9と一体的に形成されていてもよく、また、枠部材9と着脱可能な設計とされていてもよい。蓋板3に関しては、枠部材9と着脱可能な設計とすることが好ましい。
【0043】
匣鉢2の内部には、複数個の成形体1が一定の間隔を置いて設置されているが、この時、成形体1は、図4に示すように、溝形成枠板5aが対向する方向と、成形体1の長手方向とが一致するよう位置決めされて設置されることが好ましい。上記の様に、成形体1の設置方向を溝形成方向と揃えることにより、各成形体1の周囲の雰囲気が均等になり、成形体1ごとの気孔率のばらつきが緩和され、品質が安定し、製品の収率が向上する。尚、本発明において「成形体1の長手方向」とは、被焼成物である成形体1の最も長さの大きい方の方向を意味するが、特に、成形体1がハニカム構造を有する場合には、ハニカム構造体におけるセルの貫通方向を指す。
【0044】
匣鉢2に設置可能な成形体1の個数は、成形体1のサイズ及び形状によって異なるが、本発明の焼成方法においては、従来の焼成方法の様に匣鉢2の内側に蓋や囲い等を設ける必要が無いため、設置可能な成形体1の数が増加し、従来よりも生産効率を大幅に向上させることができる。
【0045】
枠板5における溝6の形成位置は、匣鉢2内をガスが均一に流通するような構造をとる限り、特に限定されるものではないが、例えば、図5及び図6に示すように、それぞれの枠板5の上端部及び下端部に、左右対称に切り欠きを設けることによって溝6を形成すると、匣鉢2内の均一なガス流れが実現されるため好ましい。本発明において「枠板5の上端部」とは、枠板5において蓋板4と接する側の端部を意味し、また「枠板5の下端部」とは、枠板5において敷板4と接する側の端部を意味する。
【0046】
溝6の形状も、溝6の形成位置と同様、匣鉢2内をガスが均一に流通するような構造をとる限り、特に限定されるものではないが、図4に示すように、枠板5の上端部及び下端部のそれぞれにおける左右一組の溝が、匣鉢2の内側から外側に向かって斜めに開いていくように形成すると、ガスの流通がより容易となるため好ましい。
【0047】
また、枠部材9の内表面積に占める溝6の開口面積の割合である匣鉢2の開口率は、1〜15%の範囲内であることが好ましい。また、2〜6%の範囲内であることが更に好ましく、2〜4%であることが最も好ましい。匣鉢2の開口率が15%を超えると、匣鉢内部の成形体1が雰囲気変動の影響を受け易くなるため好ましくなく、1%未満であると、仮焼時における匣鉢内部の通気性を阻害することになるため好ましくない。匣鉢2の開口率が上記の範囲内にあると、仮焼時の匣鉢内部の通気性が阻害されることがないため、良好なバインダ除去性を実現することができ、且つ、本焼成時においても、匣鉢内部における炉内酸素の影響を抑えることができるため好ましい。
【0048】
本発明の焼成方法により得られるSi結合SiCセラミックスの形状及びサイズは特に限定されるものではなく、その用途等に応じ様々なものを製造できる。例えば、内燃機関、ボイラー等の排ガス中の微粒子を捕集するフィルタや、排ガス浄化用触媒の触媒担体等として用いる場合には、それらの一般的な形状であるハニカム形状の構造体(ハニカム構造体)とすることが好ましい。
【0049】
また、本発明の焼成方法により得られるSi結合SiCセラミックスは、特に、隣接するセルが互いに反対となる端部において目封止された目封止ハニカム構造体、即ち、ハニカム構造体の両端面に市松模様状を呈する様に目封止部の形成された目封止ハニカム構造体であることが好ましい。通常、上記の様な目封止部を有するハニカム構造体を焼成する場合には、目封止部の影響により、ハニカム構造体のセル内外の通気性が抑制され、仮焼時のバインダ除去性が低下する傾向にあるが、本発明の焼成方法を採用することによって、匣鉢内部の通気性が良好に保たれ、目封止部ハニカム構造体におけるセル内外の通気性の低下が緩和されるため、良好なバインダ除去性が発揮される。即ち、目封止ハニカム構造体の焼成においては、本願発明をより一層効果的に実施することが可能である。
【0050】
また、本発明の焼成方法の効果を最大限に発揮させるには、焼成するハニカム構造体は、図4に示す様に、溝6の形成された1つの溝形成枠板5a付近から対向する溝形成枠板5a付近まで伸びる長尺のものであることが好ましく、セルの貫通方向が溝形成枠板5aが対向する方向と一致するよう複数個平行に設置されることが好ましい。
【0051】
仮焼や本焼成に使用する炉の形式は特に限定されるものではないが、本発明は、特に、炉内の温度分布の制御された連続式のトンネル炉を使用して仮焼及び本焼成を行う場合に有効である。通常、連続炉においては、炉の入口側から、予熱帯、焼成帯、冷却帯の3つのゾーンによって構成されており、焼成帯にて最高温度に達するよう、それぞれのゾーンにおける温度が制御されている。耐火容器上に積載された被焼成物(製品)は、入口から一定の速度で炉内に導入され、トンネル空間を通過し、出口から排出された時点で、焼成工程が終了する。
【0052】
Ar雰囲気等の酸素が希薄な不活性雰囲気下で本焼成を行うと、成形体1からSiOやアルカリ分が蒸発飛散し、匣鉢2の外部に飛散したSiOやアルカリ分が、炉内の低温度部でガラス相として凝集し、炉内壁を構成している耐火レンガの補修頻度の増加を招くという問題があるが、特に連続炉においては、炉内の温度分布が固定されており、低温度部の位置が決まっているため、匣鉢2の外部に飛散したSiOやアルカリ分は、選択的に当該低温度部に凝集し、局所的に耐火レンガ上に堆積してしまう。本発明の焼成方法においては、溝形成枠板5aは、匣鉢2の開口部が炉内壁に向かうことのないよう、互いに隣接する匣鉢2に対して向けられるため、SiOやアルカリ分の匣鉢2の外部への飛散が防止され、炉の補修頻度を低減させることができる。
【実施例】
【0053】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0054】
(実施例1)
平均粒径が5μmの金属珪素粉末20質量部に、平均粒径が40μmの炭化珪素粉末80質量部、外配として炭酸ストロンチウム1質量部、有機バインダとしてのメチルセルロース5質量部、造孔剤としての発泡樹脂5質量部を添加して、適量の水を加えて混練し、土練することによって成形用の坏土を得た。これを押出成形機によって、セル密度300セル/平方インチ(約46.5セル/cm)、隔壁厚さ12mil(約305μm)のハニカム状に押出成形し、熱風乾燥及びマイクロ波乾燥を組み合わせた乾燥方法により乾燥して、外径40mm角、長さ300mmのハニカム状の成形体を得た。得られた成形体を、対向する一対の枠板にのみ溝の形成された、内表面積650cmの枠部材を有する内容積5408cmの匣鉢に、溝形成枠板が対向する方向と成形体の長手方向とが一致するよう、7個設置した。この時、成形体の積載率は50%であり、匣鉢の開口率は11%であった。また、仮焼時、本焼成時共に、溝の開口部を覆う蓋等は設置しなかった。成形体の設置された上記の匣鉢を耐火容器に10個積載し、溝の開口部がトンネル炉の奥行方向を向くよう、一定の速度で炉内へと搬送し、仮焼及び本焼成を行い、Si結合SiCセラミックス(多孔質のハニカム構造体)を得た。この時、炉内の風速は1.5m/secであった。尚、表1に示す以外の条件として、仮焼は、炉内最高温度が450℃となるよう8時間加熱することにより行い、本焼成は、常圧、Ar雰囲気中、炉内最高温度が1430℃となるよう15時間加熱することにより行った。
【0055】
(実施例2、比較例1〜5)
各焼成条件をそれぞれ表1の通りとしたほかは、実施例1と同様にして、実施例2及び比較例1〜5のSi結合SiCセラミックスを得た。
【0056】
(評価)
上記実施例1,2、及び比較例1〜5について、本焼成後に、仮焼時のバインダ除去性、及び本焼成時の炉内酸素の影響等を調べ、結果を表1に示した。ここで、仮焼時のバインダ除去性については、残炭素による製品変色の有無、及び製品の発熱程度を調べることによって判定した。即ち、製品変色が見られず、温度測定の結果、製品の発熱ピークが、製品の外周周辺の雰囲気温度よりも50℃以上高い時は、バインダ除去性が良好であると判定され、一方、製品変色が見られ、製品の発熱ピークが、製品の外周周辺の雰囲気温度を0℃以上50℃未満の範囲で上回る時は、バインダ除去性が十分でないと判定された。また、本焼成時の炉内酸素の影響については、炉内微量酸素による酸化変色の有無を調べることによって判定し、製品に酸化変色が見られなかった時は、炉内酸素の影響無し、酸化変色が見られた時は、炉内酸素の影響有りと判定された。
【0057】
尚、表1に示す焼成条件のうち、「成形体積載率」とは、匣鉢内容積に占める被焼成体(成形体)体積の割合を求めた値であり、「匣鉢開口率」とは、匣鉢の枠部材の内表面積に占める溝開口面積の割合を求めた値である。ここで、枠部材の内表面積とは、溝が形成されていない状態での枠部材の内表面積を指す。すべての実施例及び比較例において、同一サイズの匣鉢を用いたため、「成形体積載率」及び「匣鉢開口率」は、それぞれ、「成形体積載量」、「溝開口面積」に直接依存している。また、「風速」とは、仮焼炉の炉内循環風速の設定値である。比較例において用いた溝開口部を覆うための蓋としてはセラミックス製品の加工品を採用した。
【0058】
【表1】

【0059】
表1に示すとおり、対向する一対の枠板にのみ溝の形成された匣鉢を、溝開口部がトンネル炉の奥行方向を向くよう配置した実施例1及び2の焼成方法については、通気性制御のために溝脇に蓋部材を設置しなくとも、仮焼及び本焼成の両者において、良好な結果を示した。一方、比較例2〜4の結果からは、溝の開口部が少なくともトンネル炉の幅方向を向いている場合には、蓋部材を設置しないと、本焼成時に、炉内酸素の影響を受けてしまうことが分かった。また、比較例1及び2の結果から、溝脇に通気性制御のための蓋部材を設置した場合には、良好な最終製品を得るためには、成形体の積載率を低く抑えなくてはならないことが分かった。更に、比較例1及び比較例5の結果からは、炉内風速が少しでも上がると、蓋部材が、成形体に向かって倒れかかったり、匣鉢が振動することによって、成形体に損傷を生じさせることがあることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、内燃機関やボイラー等における触媒用担体、又は排ガス中の微粒子を捕集するフィルタとして用いられるハニカム構造体等に好適なSi結合SiCセラミックスの焼成において、従来の方法よりも、生産効率、収率等を高めた焼成方法として、好適に利用することができるものである。
【符号の説明】
【0061】
1:成形体、2:匣鉢、3:敷板、4:蓋板、5:枠板、5a:溝形成枠板、5b:密閉枠板、6:溝、7:炉内壁、8:焼成炉、8a:有機物焼成炉、8b:基材焼成炉、9:枠部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属珪素及び有機バインダを含む原料に炭化珪素粉末を添加して得られた坏土を所定の形状に成形し、得られた成形体を溝が形成された匣鉢内に設置し、複数の匣鉢の積載された耐火容器を複数個並列させた状態で焼成炉へ導入し、仮焼して前記成形体中の有機物を除去した後、不活性ガス雰囲気中で前記成形体を本焼成する、Si結合SiCセラミックスの焼成方法であって、
前記溝は、前記匣鉢の側面を構成する、対向する一対の枠板にのみ形成されており、
前記仮焼と前記本焼成のうち、少なくとも前記本焼成において、それぞれの匣鉢の前記溝の形成された枠板である溝形成枠板と、前記それぞれの匣鉢と前記焼成炉の奥行方向に隣接する匣鉢の前記溝形成枠板とが向かい合い、それぞれの前記溝形成枠板が、前記焼成炉の幅方向と平行となるよう、前記複数の匣鉢が配置されており、
前記複数の匣鉢の積載された前記耐火容器を、互いに接しない程度の間隔を保持しつつ、複数個並列させた状態で前記焼成炉へと導入し焼成を行う、Si結合SiCセラミックスの焼成方法。
【請求項2】
前記不活性ガス雰囲気はAr雰囲気である請求項1に記載のSi結合SiCセラミックスの焼成方法。
【請求項3】
前記成形体は、前記溝形成枠板が対向する方向と、前記成形体の長手方向とが一致するよう位置決めされて設置される請求項1又は2に記載のSi結合SiCセラミックスの焼成方法。
【請求項4】
前記溝は、前記枠板の上端部及び下端部に、左右対称に切り欠きを設けることによって形成された請求項1〜3の何れか一項に記載のSi結合SiCセラミックスの焼成方法。
【請求項5】
前記枠板の前記上端部及び前記下端部のそれぞれにおける左右一組の溝は、前記匣鉢の内側から外側に向かって斜めに開いていくように形成された請求項4に記載のSi結合SiCセラミックスの焼成方法。
【請求項6】
4面の前記枠板からなり、前記匣鉢の側面全体を構成する部材である枠部材の、内表面積に占める前記溝の開口面積の割合である前記匣鉢の開口率は、1〜15%の範囲内である請求項1〜5の何れか一項に記載のSi結合SiCセラミックスの焼成方法。
【請求項7】
前記仮焼において、それぞれの前記匣鉢の、前記溝の形成されていない前記枠板である密閉枠板と、前記それぞれの匣鉢と前記焼成炉の奥行方向に隣接する匣鉢の前記密閉枠板とが向かい合い、それぞれの前記匣鉢の前記溝形成枠板が、前記焼成炉の幅方向と直交するよう、前記複数の匣鉢が配置されており、
前記複数の匣鉢の積載された前記耐火容器を、互いに接しない程度の間隔を保持しつつ、複数個並列させた状態で前記焼成炉へと導入し焼成を行う、請求項1〜6の何れか一項に記載のSi結合SiCセラミックスの焼成方法。
【請求項8】
前記Si結合SiCセラミックスはハニカム構造体である請求項1〜7の何れか一項に記載のSi結合SiCセラミックスの焼成方法。
【請求項9】
前記Si結合SiCセラミックスは、隣接するセルが互いに反対となる端部において目封止された目封止ハニカム構造体である請求項1〜8の何れか一項に記載のSi結合SiCセラミックスの焼成方法。
【請求項10】
前記仮焼及び前記本焼成は、炉内の温度分布の制御された連続式のトンネル炉を使用して行われる請求項1〜9の何れか一項に記載のSi結合SiCセラミックスの焼成方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−228966(P2010−228966A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−78198(P2009−78198)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000004064)日本碍子株式会社 (2,325)
【Fターム(参考)】