説明

X線検査方法、システムおよび装置

【課題】 蓄積した検査データを識別子情報の判読の難易に関わらず確実に抽出することができるX線検査方法、システムおよび装置を提供する。
【解決手段】 被検査物Wの各部X線透過量に基づいてその被検査物の状態を判定するとともにX線画像を作成するX線検査方法であって、外観識別可能でX線画像上に識別可能に写し出される識別子情報を各被検査物Wに付加する識別情報付加工程と、識別子情報が付加された各被検査物WにX線を照射し、被検査物の各部X線透過量を検出する検出工程と、被検査物Wの各部X線透過量に基づいて被検査物W中における異物の有無を判定する状態判定工程と、被検査物Wの各部X線透過量に基づいて識別子情報の表示内容を含むX線画像を生成するX線画像生成工程とを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送中の被検査物に向けてX線を照射し、その被検査物のX線透過量に基づいて被検査物中の異物若しくは欠品検査対象の構成要素の有無、又は被検査物の異常(例えば割れ、部分欠落、変形、変質等)の有無を判定するといった検査を実行するX線検査方法、システムおよび装置、特に、検査済み製品の検査データを、蓄積し抽出できるようにしたX線検査方法、システムおよび装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のX線検査のシステムや方法においては、被検査物を搬送しながら被検査物の全体にX線を透過させることで、被検査物の各部のX線吸収量の相違を把握して被検査物の状態検査、例えば被検査物への異物混入の有無を判定する等の状態検査を実行するものが知られており、被検査物の相対位置毎のX線透過量に対応する濃度のX線画像を表示するものが多い。
【0003】
また、近時、消費者保護のため流通商品の品質向上がより一層希求されており、例えばHACCP(Hazard Analysis Critical Control Point;危害分析重要管理点)に適合した食品衛生管理体制の強化が高度に要求されるとともに、各製品についてのトレーサビリティの確保が要求されている。
【0004】
このような要求に対し、従来のX線検査方法やシステムでは、例えば、X線画像をX線検査装置外の蓄積メモリに蓄積できるようにし、後日の問合せに際し、被検査物製品のバーコード情報を基にその製品のX線画像を抽出して、製品検査時の検査データとするようにしている(例えば、特許文献1参照)。
この場合、検査対象の製品の包装材にバーコードを予め付加し、X線異物検査の際にそのバーコードを光学的に読み取って識別情報とし、X線画像の検査データを蓄積していた。
【0005】
【特許文献1】特開2002−28821号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のX線検査システムおよびそのX線検査方法にあっては、被検査物の識別子情報としてバーコードを使用し、そのバーコードの光学的読み取り情報を基に、検査データの管理を行なっていたため、外光や包装材の変形によってバーコードが判読し難くなり、特にバーコードを包装袋に印字したりした場合に、異物検査を正常に終了したにも拘わらず、バーコードの誤読や読み取り不能によって製品が選別排出されてしまい、製造歩留まりが低下してしまうという問題があった。
【0007】
また、製品が最終消費者やエンドユーザに渡った段階でバーコード(これに併記された番号を含む)の印字品質が悪くなっていると、バーコードの誤読や読み取り不能という事態が生じ、その検査済み製品に対応する検査データの遡及が途絶えることもあった。
【0008】
本発明は、このような従来のX線検査装置の問題点に鑑みてなされたものであり、蓄積した検査データを確実に抽出することができるX線検査方法を実現し、トレーサビリティに優れたX線検査システムおよびX線検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的達成のため、(1)被検査物の各部X線透過量に基づいて該被検査物の状態を検査するとともに、前記X線透過量に対応する濃度のX線画像を作成するX線検査方法であって、外観識別可能で前記X線画像上に識別可能に写し出される識別子情報を各被検査物に付加する識別情報付加工程と、前記識別子情報が付加された各被検査物にX線を照射し、該被検査物の各部X線透過量を検出する検出工程と、前記被検査物の各部X線透過量に基づいて前記被検査物の状態を判定する状態判定工程と、前記被検査物の各部X線透過量に基づいて前記識別子情報の表示内容を含むX線画像を生成するX線画像生成工程とを含むことを特徴とするものである。
【0010】
この構成により、外観識別すなわち目視可能な識別子情報が各被検査物に付加され、この識別子情報がX線画像上に識別子として表示される。したがって、被検査物の検査データを構成するX線画像が同一条件下で同時にX線で撮像された識別子情報と一体不可分の関係になり、その検査済み製品に対応する検査データの遡及が途絶えることを確実に防止可能となる。
なお、外観識別すなわち目視可能な識別子情報を付加するには、X線透過の観点から見て識別子情報部分と他の部分とで厚さが異なるようにすればよく、実際の厚さ(形状)が異なるものでも、X線透過率が異なるだけのものでもよい。
【0011】
また、本発明のX線検査方法では、(2)前記状態判定工程において、前記被検査物の所定の判定領域内を透過した各部X線透過量に基づいて前記被検査物の状態を判定する一方、前記X線画像生成工程において、前記被検査物の所定の判定領域外を透過した各部X線透過量に基づいて前記X線画像のうち前記識別子情報の表示内容部分を生成するのがより好ましい。
【0012】
この構成により、通常のX線検査では判定領域外でマスクされるような領域を利用して、被検査物の検査データに何ら影響することのない識別子情報の画像を生成することが可能となる。
【0013】
本発明のX線検査方法においては、好ましくは、(3)前記識別情報付加工程において、前記被検査物の包装材又は包装容器に前記識別子情報を付加するのが好ましい。被検査物の検査前の製造工程に何ら影響を与えることなく識別子情報を容易に付加することができ、しかも、その識別子情報が最終消費者等により目視確認可能になる。
【0014】
また、本発明のX線検査方法においては、好ましくは、(4)前記識別情報付加工程において、前記識別子情報を前記被検査物の他の部分とはX線透過率の異なる形態で付加するのがよい。これにより、識別子情報をX線画像上に容易に識別可能に写し出すことが可能となる。なお、ここにいうX線透過率の異なる形態とは、識別子情報を形成する材料がその周囲にある被検査物の他の部分とはX線透過率が異なるか、識別子情報がその周囲にある被検査物の他の部分とはX線透過方向の厚さが異なることでX線透過率の差異を生じる形状を意味する。
【0015】
また、(5)前記識別情報付加工程において、前記被検査物又はその包装容器に凹凸により識別情報を表示するよう前記識別子情報を形成してもよい。この場合、被検査物又は包装容器の素材の凹凸形状によりX線透過量に差が生じ、識別子情報がX線画像に写し出されることになる。
【0016】
あるいは、(6)前記識別情報付加工程において、前記被検査物又はその包装容器に前記識別子情報を穿設することもできる。この構成でも、被検査物又は包装容器の素材に穿設された孔、スリット等によりX線透過量に差が生じ、識別子情報がX線画像に写し出されることになる。
【0017】
本発明のX線検査方法においては、さらに、(7)前記識別子情報の表示内容を含むX線画像に、それぞれ、時間と共に変化する検査時刻情報に対応するファイル名を付けるのが望ましい。
【0018】
このようにすると、画像ファイル中にはX線画像と識別子情報が一体化され、更にその画像ファイルは、被検査物の識別子情報と時刻情報との対応関係を把握しておくだけで、被検査物に固有な識別情報から容易に特定でき、検査データの後日における抽出と遡及照合を確実化することができる。
【0019】
本発明は、また、(8)被検査物の各部X線透過量に基づいて該被検査物の状態を検査するとともに、前記X線透過量に対応する濃度のX線画像を作成するX線検査システムであって、外観識別可能で前記X線画像上に識別可能に写し出される識別子情報を各被検査物に付加する識別情報付加装置と、前記被検査物にX線を照射し該被検査物の各部X線透過量を検出して前記被検査物の状態を判定するとともに、前記識別子情報の表示内容を含むX線画像を生成するX線検査装置とを備えたことを特徴とするものである。
【0020】
この構成により、外観識別すなわち目視可能な識別子情報が各被検査物に付加され、この識別子情報がX線画像上に識別子として表示される。したがって、同一条件下で同時にX線で撮像された被検査物のX線画像と識別子情報を一体として同時に参照することが可能となり、例えば画像作成段階やデータ処理において被検査物のX線画像部分と識別子情報との不一致が発生することがなく、検査済み製品に対応する検査データの遡及が途絶えることを確実に防止することが可能となる。
【0021】
本発明のX線検査システムでは、(9)前記X線検査装置が、前記被検査物の所定の判定領域内を透過した各部X線透過量に基づいて前記被検査物の状態を判定する一方、前記被検査物の所定の判定領域外を透過した各部X線透過量に基づいて、前記X線画像のうち前記識別子情報の表示内容部分を生成するのがよい。
【0022】
この構成により、通常のX線検査では判定領域外でマスクされるような領域を利用して、被検査物の検査データに何ら影響することのない識別子情報の画像を生成することが可能となる。
【0023】
本発明は、あるいはまた、(10)被検査物の各部X線透過量に基づいて該被検査物の状態を検査するとともに、前記X線透過量に対応する濃度のX線画像を作成するX線検査装置であって、外観識別可能で前記X線画像上に識別可能に写し出される識別子情報が付加された被検査物にX線を照射するX線照射手段と、該被検査物の各部X線透過量を検出するX線検出手段と、前記被検査物の各部X線透過量に基づいて前記被検査物の状態を判定する状態判定手段と、前記被検査物のX線画像である第1のX線画像を生成するとともに、前記識別子情報の表示内容を示す第2のX線画像を第1のX線画像と一体に生成するX線画像生成手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0024】
この構成により、外観識別すなわち目視可能な識別子情報が付加された各被検査物の識別子情報がX線画像上に識別子として表示されることになる。したがって、被検査物の検査データを構成するX線画像が同一条件下で同時にX線で撮像された識別子情報と一体不可分の関係になり、その検査済み製品に対応する検査データの遡及が途絶えることを確実に防止可能となる。しかも、同一条件下で同時にX線で撮像された被検査物および識別子情報の一体不可分のX線画像をそのまま表示すれば、被検査物のX線画像と識別子情報を同時に参照することが可能である。
【0025】
本発明のX線検査装置においては、さらに、(11)前記第1のX線画像および第2のX線画像と、前記第1のX線画像に対応する被検査物についての前記状態判定手段の判定に関連する付随情報とを、同一画面に表示する表示手段を設けるのが望ましい。
【0026】
これにより、X線画像と共に検査値情報等の付随情報を参照することができ、詳細な検査データをX線画像と同時に把握することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、外観識別すなわち目視可能な識別子情報を各被検査物に付加して、この識別子情報をX線画像上に識別子として写し出すようにしているので、被検査物のX線画像を同一条件下で同時にX線で撮像された識別子情報と一体不可分として、その被検査物の検査データを識別子情報から確実に抽出可能とし、その遡及が途絶えることを確実に防止することができる。その結果、蓄積した検査データを確実に抽出することができるX線検査方法を実現し、トレーサビリティに優れたX線検査システムおよびX線検査装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を用いながら説明する。
[第1の実施の形態]
図1〜図5は、本発明のX線検査システムおよびX線検査装置に係る第1の実施の形態を示す図である。
まず、その構成について説明する。
【0029】
図1および図2に示すように、本実施形態のX線検査システム1は、X線検査装置10を備えており、このX線検査装置10は被検査物Wを搬送する無端の搬送ベルト11を具備している。被検査物Wは、例えば金属系の塗膜部やラベル部を有する包装材若しくは包装容器に包まれた特定の製品である。また、搬送ベルト11は、図示しない搬送駆動モータにより所定速度で駆動され、被検査物WをX線検査装置10内である所定の検査領域を通して上流側から下流側へと搬送するようになっている。
【0030】
一方、搬送ベルト11の上流側(図1の左方側)又はその上流側の搬送ベルトの近傍には、被検査物Wに刻印する刻印機5が配置されている。この刻印機5は、例えば被検査物W毎に目視可能な識別子情報としてのシリアル番号又はそれに対応する被検査物W毎の複数の識別情報を所定条件で変化させながら順次付加する識別情報付加手段であり、そのための動作プログラムを内蔵している。
【0031】
刻印機5による刻印は、例えば被検査物Wに付される金属膜を有するラベルや包装材に対し当該金属膜を局部的に圧壊するような処理を施すのものである。この刻印により被検査物Wに付加される目視可能な識別子情報は、シリアル番号等の被検査物Wに固有な情報で、被検査物Wに部分的にその周囲の部分とはX線透過率が有意の差(X線画像に写し出される程度に有意な差)を生じるように形成される。
【0032】
この識別子情報は、あるいは、文字や記号等の他、バーコードのような一次元コード情報、又は二次元コードのように特定のパターン領域内に被検査物に固有のパターンを有する識別子でもよい。また、ここにいう識別子情報は、これを他の部分とはX線吸収率の異なる塗料等、例えば他の包装材部分よりX線吸収率の高い(X線が透過し難い)金属系の塗料等で刻印したものであってもよい。識別子情報は、あるいは、金属膜やラベルに貫通孔やスリット等を所定の形状やパターンで穿設して特定形状の高X線透過率のパターンや文字等を形成したものでもよいし、被検査物Wや包装材の一部を構成する肉厚素材中に顕著な凹凸を付けてX線透過率の有効な差を生じさせる凹凸形状をなすものであってもよく、さらに、これらの手法の組み合わせで形成されるものでも構わない。
【0033】
図2に示すように、刻印機5より下流側の検査領域内には、被検査物Wが検査領域内に進入したときその被検査物Wを検知する例えば投受光器からなる進入検知センサ13と、被検査物Wに向けて図1中では下向きにX線を照射するX線源14(X線照射手段)と、搬送ベルト11の上走面部より下方側に配置されて被検査物Wの各部X線透過量を測定するX線ラインセンサ15が設けられている。さらに、検査領域より下流側には、搬送ベルト11上の被検査物Wを選択的に搬送路外に分配・排出することが可能な選別機17が設置されている。
【0034】
このX線源14は、例えば陰極フィラメントからの熱電子をその陰極と陽極の間の高電圧により陽極ターゲットに衝突させてX線を発生させるX線管であり、X線を下方のX線ラインセンサ15に向けて不図示のスリットにより略三角形のスクリーン状にして照射するようになっている。
【0035】
X線ラインセンサ15は、例えば複数のX線検出素子を搬送ベルト11の幅方向に並設し所定解像度でのX線検出を行なうように構成され、画像処理可能な所定ビット数の検出信号を出力するようになっている。
【0036】
前記刻印機5、搬送ベルト11、進入検知センサ13、X線源14、X線ラインセンサ15および選別機17は、制御ユニット20によってそれぞれの動作を制御されるようになっており、制御ユニット20は、被検査物Wの状態の検査、例えば被検査物W中における異物(例えば、被検査物中の他の部分とはX線吸収率が異なる金属等)の混入の有無を判定する検査を実行するとともに、その検査結果に応じて異物有りと判定した被検査物Wの排出動作を選別機17に実行させるようになっている。なお、異物混入の検出でなく欠品検出の場合は、異物でなく被検査物中の他の部分とはX線吸収率が異なる特定の構成要素の有無を検出することになり、被検査物の割れや部分欠落、変形、変質等の異常を検知する場合は被検査物中の他の部分とはX線吸収率が異なるその割れや部分欠落等を検出することになる。
【0037】
この制御ユニット20は、例えばCPU、ROM、RAMおよびI/Oインターフェースを有するコンピュータ構成と、補助記憶装置、画像処理プロセッサ、タイマー、ビデオメモリ等とを含んで構成されており、ROM等に格納された制御プログラム等に従って、CPUがRAM等との間でデータを授受しながら所定の演算処理を実行することで、搬送やX線検出系の制御、並びに後述する画像の生成や蓄積情報ファイルの作成等の機能を実現できるようになっている。
【0038】
そして、この制御ユニット20により制御され、搬送ベルト11上の被検査物Wが検査領域を通過するとき、X線源14がその検査領域内で搬送ベルト11の幅(幅員)方向全体に及ぶ範囲でX線を照射し、X線ラインセンサ15が搬送方向所定位置で被検査物WのX線透過量を検出する。また、搬送方向について、X線ラインセンサ15の素子列ライン上でのX線量のサンプリングピッチに対応するサンプリングピッチで被検査物WのX線透過量が順次サンプリングされるように、搬送ベルト11の搬送速度が設定されており、X線ラインセンサ15の複数の検出素子からのX線透過量検出信号を被検査物Wの搬送方向全域について濃度データとして蓄積記憶することで、X線画像の元データが取得できるようになっている。
【0039】
図3に示すように、制御ユニット20は、時刻情報生成部21aを内蔵し進入検知センサ13により被検査物Wが検知される度にこれをトリガーとして所定のタイミングで搬送や異物判定、画像生成等の処理を実行させる搬送・検出制御回路21と、X線ラインセンサ15からのX線透過量のライン検出信号を順次蓄積して被検査物W全体についてのX線透過量データを記憶保持することができる透過量データメモリ22と、透過量データメモリ22の記憶データを基に被検査物W中における異物の有無を判定する状態判定部23(状態判定手段)と、状態判定部23による状態判定の条件やその判定結果等の付随情報(検査値情報)を生成する付随情報生成部24(付随情報生成手段)と、透過量データメモリ22の記憶データを基にX線透過量に対応する濃度分布を有するX線画像を生成するX線画像生成部25とを備えており、更に、X線画像生成部25で作成されたX線画像、状態判定部23での判定結果および付随情報生成部24で生成された検査値情報等を基に、前記X線画像に検査値情報を付加した所定形式の蓄積情報ファイルを検査時刻に対応するファイル名で作成する蓄積情報ファイル作成部26を具備している。
【0040】
ここで、状態判定部23は、例えば対数変換や微分処理を行なって物質によるX線吸収量の急峻な変化を抽出し、異物を判定する判定プログラムを含んでいる。また、X線画像生成部25は、例えば画像処理プロセッサを有している。また、X線画像生成部25および蓄積情報ファイル作成部26は、被検査物WのX線画像である第1のX線画像を生成するとともに、被検査物Wと同時に撮像され識別子情報の表示内容を示す第2のX線画像を第1のX線画像と一体不可分に生成するX線画像生成手段となっており、本実施形態においては、識別子情報を参照し易くする画像処理を行なうプログラムおよびメモリで構成されている。なお、搬送・検出制御回路21の時刻情報生成部21aは、時刻(例えば、2005年12月13日14時15分16秒のように秒までの時刻)を特定する情報を制御ユニット20内の他の機能部に出力することができる。
【0041】
制御ユニット20は、また、X線画像生成部25で作成されたX線画像、状態判定部23での判定結果および付随情報生成部24で生成された検査値情報をそれぞれ表示出力することができる表示部27と、蓄積情報ファイル作成部26で作成された蓄積情報ファイルを時刻情報を指定した読み出しができるようにメモリ又はハードディスク等に一時的に記憶するとともに、外部からの要求に応じて所定形式のデータ通信ポート(図示していない)から出力することができる蓄積情報出力部28とを含んで構成されている。
【0042】
X線検査装置10には、さらに、検査データを蓄積可能な記録装置40が付設されている。この記録装置40は、蓄積情報出力部28から所定時間毎に蓄積情報ファイルを入力し蓄積する情報入力蓄積部41と、被検査物Wの固有識別情報に基づいて前記時刻情報を特定する検査時特定部42と、その時刻情報に基づいて取り込み済みの複数の蓄積情報ファイルから特定された検査時刻に対応するX線画像群を抽出するX線画像抽出部46と、取り込み済みの複数の蓄積情報ファイルから特定された検査時刻に対応する付随情報を抽出する付随情報抽出部47とを具備しており、外部のコンピュータ50から検査時特定部42に被検査物Wの固有識別情報を指定した抽出指令を送ることで、X線画像抽出部46および付随情報抽出部47を介し、情報入力蓄積部41内の蓄積情報から被検査物Wの固有識別情報に対応する蓄積情報ファイル若しくはそれを含む所定時間毎の蓄積情報ファイル群が抽出されるようになっている。
【0043】
ここで、情報入力蓄積部41は、大容量ハードディスク又は/及びディスクアレイ装置等の公知のストレージデバイスを有するとともに、そのデバイスにそれぞれX線画像および付随情報を含む蓄積情報ファイル群をそれらの検査時刻を特定する時刻情報と共に蓄積記憶する蓄積処理プログラムを有している。なお、情報入力蓄積部41は、詳細を図示しないが、更にDVD等のリムーバブルなディスク状記録媒体あるいは他の記憶媒体に蓄積情報を書き込んで蓄積記録することができるディスクドライブを有している。
【0044】
検査時特定部42は、検査時期特定プログラムおよびテーブルメモリを含み、被検査物Wの固有識別情報に基づいてその検査時刻情報を特定するためのデータルックアップテーブル(以下、時刻情報テーブルという)を予めの入力により記憶保持するメモリと検査時特定プログラムを有している。そして、被検査物Wの固有識別情報が指定入力されたとき、X線画像抽出部46および付随情報抽出部47に対し指定入力に対応する検査時刻の情報および抽出指令を出力する。
【0045】
X線画像抽出部46および付随情報抽出部47は、検査時特定部42で特定された検査時刻の情報に対応するX線画像および付随情報を抽出する。そして、抽出されたX線画像および付随情報は、それぞれ検査順に、コンピュータ50に取り込まれ、例えばそのディスプレイ51により画面表示されることになる。
【0046】
また、記録装置40は、検査時刻情報に基づいて、複数の被検査物Wについての検査画像を一定時間毎の検査データ群としてグループ化し、そのグループ化した複数の被検査物Wの検査画像を、シリアル番号等の固有識別情報に対応する検査時刻情報に基づいてグループ間で識別し、対応するグループの複数のX線画像および付随情報を参照しながら特定のシリアル番号等の固有識別情報を持つ被検査物Wの画像を目視選別して抽出することができるようになっている。
【0047】
図5(a)に模式的に示すように、被検査物Wは、X線透過量による状態判定に寄与するX線透過領域(以下、これを判定領域という)Waと、判定領域Wa外のマスク領域(例えば被検査物が存在しないか包装材や容器のみの部分に該当する等の理由で状態判定には使用されない領域)Wbとを有しており、各蓄積情報ファイルに含まれる画像は、例えば図5(b)に示すように、被検査物Wの画像部分(同図中のW)と識別子情報SC(被検査物の画像部分に対し相対的に拡大されてもよいし、拡大しなくともよい)を同一画面に配置したものとなり、さらに付随情報から得られる検査値情報Pmを画像若しくは文字形式で同一画面上に表示するものとなる。この検査値情報は、例えば画素数(又は画素ピッチ)、異物判定に用いた閾値、異物有無の判定結果を表わす判定値(OK/NG)、検査時にX検査画像と共に画面表示された測定値等のすべて又はいずれかを付加したものである。
【0048】
なお、図1に示すように、コンピュータ50にはキーボード52が装備されており、コンピュータ50はこのキーボード52の操作に基づいて記録装置40にアクセスし、記録装置40内の蓄積情報ファイルを、被検査物Wのシリアル番号(一部ワイルドカード(任意の文字を意味する記号)を含んでもよい)、あるいは検査期間や被検査物Wの品種等を指定して、抽出させ、そのデータを取り込むプログラムを内蔵している。また、その抽出情報には、その中に含まれるシリアル番号とその刻印時刻とを対応付けた時刻情報テーブルが添付され、上述した検索コードによる検索がコンピュータ50側で実行可能となっている。勿論、抽出された情報ファイルにそのようなシリアル番号および時刻情報を画像ファイル名等の形で入れ込んでおいてもよい。
【0049】
次に、上述の構成を有するX線検出システムの動作とこれによって実施される本発明のX線検査方法の一実施形態について説明する。
【0050】
図5は、本実施形態における検査データ(X線画像および付随情報)の蓄積および検索の手順を示すフローチャートであり、同図(a)は検査結果の蓄積記録を行なうための処理手順を、同図(b)は蓄積記録された情報から特定の識別子情報を持つ検査データを抽出する際の手順を、それぞれ示している。
【0051】
図5(a)に示す蓄積記録の処理においては、まず、搬送ベルト11の上流側において、被検査物Wに外観識別可能でX線画像上に識別可能に写し出されるシリアル番号等の識別子情報が刻印され(ステップS11;識別情報付加工程)、次いで、この刻印を行なった時刻の情報と関連付けて、刻印済みの最新の識別子情報が検査時特定部42の刻印時刻情報テーブルに書き込まれる(ステップS12)。
【0052】
次いで、被検査物Wが検査領域に達するまでの搬送時間だけ待機し(ステップS13)、進入検知センサ13により被検査物Wの検査領域への進入が確認されると(ステップS14)、X線源14からのX線照射により被検査物Wを透過したX線のX線ラインセンサ15による検知が開始され(検出工程)、所定期間におけるX線ラインセンサ15によるそのX線透過量の検知情報に基づいて、状態判定部23での異物混入判定が実行される(状態判定工程)。また、これと共に、X線画像生成部25によって識別子情報を可視画像として含むX線画像Pxの生成(X線画像生成工程)と、付随情報生成部24による付随情報の生成が実行される(ステップS15)。すなわち、被検査物W毎の検査が実行される。
【0053】
このとき、状態判定工程において、被検査物Wの所定の判定領域内を透過した各部X線透過量に基づいて、被検査物W中における異物の有無を判定する。また、X線画像生成工程において、被検査物Wの所定の判定領域外を透過した各部X線透過量に基づいて、X線画像Pxのうち識別子情報の表示内容部分SCを生成する。
識別情報付加工程においては、前記金属膜を含むラベル付きの包装材又は包装容器に識別子情報を付加するが、被検査物W又はその包装容器に、X線透過量の有意な差を生じさせる程度の凹凸からなる識別情報を形成してもよい。あるいは、被検査物W又はその包装容器等に孔やスリットからなる識別子情報を穿設することもできる。また、識別子情報の表示内容を含むX線画像、すなわち、各蓄積情報ファイルには、時間と共に変化する検査時刻情報に対応するファイル名を付与する。
【0054】
次いで、X線画像生成部25からのX線画像Pxおよび付随情報生成部24からの付随情報を基に、蓄積情報ファイル作成部26により、例えばJPEG形式のX線画像Pxの画像ファイルと付随情報を含むデータファイルとからなる蓄積情報ファイルが被検査物Wの検査毎に作成され(ステップS16)、蓄積情報出力部28に一旦記憶された後に、順次、記録装置40側に出力される(ステップS17)。
【0055】
一方、この間、刻印機5により被検査物Wにシリアル番号が刻印される度に上述した一連の処理が順次並行して実行され、被検査物W毎の検査データが記録装置40の情報入力蓄積部41に順次蓄積されていくことになる(ステップS11〜S17)。
この状態においては、記録装置40に蓄積された被検査物W毎の検査データ(X線画像および付随情報)は、シリアル番号等の識別子情報が刻印された時刻の情報に対応付けて記録保存されている。
【0056】
本実施形態においては、上述のようにして、記録装置40には被検査物W毎の検査毎に、被検査物WのX線画像と被検査物Wの識別子情報とが画像ファイル中に可視情報として一体化された蓄積情報に加工され、蓄積されていくので、バーコード読み取り情報のみを基準とする従来のX線検査システムやその方法とは違って、バーコードの誤読によって蓄積情報の遡及が途絶えてしまうといった恐れは生じない。
【0057】
また、コンピュータ50から記録装置40にアクセスし、記録装置40内の蓄積情報を適宜コンピュータ50に出力させることができ、しかも、そのデータはDVD等のリムーバブルなディスク状記録媒体あるいは公知の各種のストレージデバイスに容易に記録保存することができる。
【0058】
したがって、製品の検査時の状態について後日問合せがあったような場合には、比較的新しいものであれば記録装置40内の蓄積情報から、古いものであれば、他の記憶媒体に記録保存された蓄積情報の中から、容易に検索し、抽出することができる。
【0059】
すなわち、図5(b)に概略手順を示すように、問合せのあった製品のシリアル番号等の識別子情報を入力すると(ステップS21)、抽出情報に付随する刻印時刻情報テーブルを参照することで、大量に製造された被検査物Wであっても、その中から特定の被検査物Wの検査データを含むある時間帯の蓄積情報ファイル群が読み出され(ステップS22)、表示部27に例えば同時にあるいはスクロール可能に表示される(ステップS23)。そして、その抽出情報の画像群を参照し、特定の識別子情報を持つ製品を表示画像群の中から目視選択し、あるいは更に看過された外観上の不具合を持つ製品を目視で探し出すことができる(ステップS24)。
【0060】
ところで、被検査物Wが製品として最終消費者やエンドユーザまで渡る間に、その製品が輸送その他の取り扱い中に傷付く等してしまい、被検査物Wの目視可能なシリアル番号が多少読み取り難くなる場合が生じ得る。
本実施形態においては、このような場合でも、判読可能な識別子情報を基に、判読不能な部分は例えばワイルドカードにして検索入力を行い(ステップS21)、被検査物Wの検査データを含む蓋然性の高い時間帯の蓄積情報ファイル群を読み出し(ステップS22)、抽出画像群を表示させて(ステップS23)、その可視情報を基に被検査物Wを特定することで(ステップS24)、その検査データを確実に抽出することが可能となる。
【0061】
また、各被検査物Wの判定閾値やX線画像の画素数、判定結果(OK/NG)等の検査値情報が、識別子情報を含むX線画像と共に、表示されるので、より詳細な検査データが抽出できる。なお、蓄積情報ファイル作成部26で、識別子情報を含むX線画像と共に検査値情報をディジタル合成等によって単一画像ファイルに結合するようにしてもよいことはいうまでもない。
【0062】
以上説明したように、本実施形態においては、外観識別すなわち目視可能な識別子情報が各被検査物Wに付加され、この識別子情報がX線画像上に識別子として表示されることから、被検査物Wの検査データを構成するX線画像が同一条件下で同時にX線で撮像された識別子情報と一体不可分の関係になり、その検査済み製品に対応する検査データの遡及が途絶えることを確実に防止することが可能となる。しかも、X線画像と共に検査値情報を参照するようにすれば、詳細な検査データをX線画像と同時に参照することができる。
【0063】
また、通常のX線検査では判定領域外でマスクされるような領域を利用して、被検査物の検査データに何ら影響することのない識別子情報の画像を生成することができ、その識別子情報が最終消費者等により目視確認可能になる。
【0064】
さらに、識別子情報の表示内容を含むX線画像に、それぞれ、時間と共に変化する検査時刻情報に対応するファイル名を付けるようにすれば、画像ファイル中にはX線画像と識別子情報が一体化され、更にその画像ファイルは、被検査物の識別子情報と時刻情報との対応関係を把握しておくだけで、被検査物に固有な識別情報から容易に特定でき、検査データの後日における抽出と遡及照合を確実化することができる。
【0065】
また、被検査物又は包装容器の素材に凹凸形状を付けたり、孔やスリット等を穿設したりするようにしても、X線透過量に有意な差を生じさせて、識別子情報をX線画像に写し出すようにすることができる。
【0066】
[第2の実施の形態]
【0067】
図6は、本発明のX線検査装置およびX線検査システムに係る第2の実施の形態を示す図である。
【0068】
なお、本実施形態のX線検査システムは、上述の実施形態のX線検査システムとは制御ユニット20の蓄積情報ファイル作成部26の処理内容が異なるとともに、記録装置40の蓄積情報抽出部の構成が異なるものであり、その他の主要な構成および動作は上述の実施形態と同様である。したがって、相違点についてのみ詳述する。
【0069】
本実施形態では、図6に示すように、制御ユニット20の蓄積情報ファイル作成部26が、X線画像生成部25で識別子情報が一体化された被検査物WのX線画像に、更に付随情報を結合した画像を例えばディジタル合成処理によって作成する。
なお、識別子情報のみを一体化したX線画像(第1のX線画像および第2のX線画像)に対して検査値情報等の付随情報を合成せずに、付随情報のみを独立した画像ファイルとすることもできる。その場合には、付随情報生成部24で第2の画像ファイルを生成するようにして、蓄積情報ファイル作成部26は、同一検査における2つの画像ファイルを関連付けるためのファイル名の調整程度を行なう。
【0070】
蓄積情報ファイル作成部26で作成される検査毎の画像ファイルは、記録装置40の情報入力蓄積部41に順次蓄積され、コンピュータ50からの被検査物Wの固有識別情報指定による抽出指令に応じて、蓄積情報抽出部28を介して抽出されることになる。すなわち、固有識別情報に応じ、検査時特定部42でその指定された固有識別情報に対応する検査時刻の情報が特定され、この検査時刻帯における蓄積情報ファイル群が抽出される。
【0071】
本実施形態においても、外観識別可能な識別子情報が各被検査物Wに付加され、この識別子情報がX線画像上に識別子として表示されることから、被検査物Wの検査データを構成するX線画像が同一条件下で同時にX線で撮像された識別子情報と一体不可分の関係になり、その検査済み製品に対応する検査データの遡及が途絶えることを確実に防止することができ、上述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
以上説明したように、本発明は、本発明によれば、外観識別可能な識別子情報を各被検査物に付加し、この識別子情報をX線画像上にも識別子として写し出すようにしているので、被検査物のX線画像を同一条件下で同時にX線で撮像された識別子情報と一体不可分として、その被検査物の検査データを識別子情報から確実に抽出可能とし、その遡及が途絶えることを確実に防止することができ、その結果、蓄積した検査データを確実に抽出することができるX線検査方法を実現し、トレーサビリティに優れたX線検査システムおよびX線検査装置を提供することができるという効果を奏するものであり、搬送中の被検査物に向けてX線を照射し、その被検査物のX線透過量に基づいて被検査物の状態を検査するX線検査方法、システムおよび装置、特に、検査済み製品の検査データを、後日、蓄積情報から特定し抽出できるようにしたX線検査方法、X線検査システムおよびX線検査装置全般に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るX線検査システムの概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るX線検査システムの概略正面構成図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るX線検査システムの制御系のブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るX線検査システムにおける蓄積情報を説明する図であり、(a)はその被検査物の模式図、(b)は識別子情報を一部に含むX線画像の説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るX線検査システムにおける情報の蓄積記録および検索読出し処理手順を示すフローチャートで、(a)はその蓄積記録の処理手順を、(b)はその蓄積情報からの検索読出しの処理手順を、それぞれ示しており、本発明のX線検査方法の一実施形態を説明するものである。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るX線検査システムを示すその制御系のブロック図である。
【符号の説明】
【0074】
1 X線検査システム
5 刻印機(識別子情報付加手段、識別子情報付加装置)
10 X線検査装置
11 搬送ベルト(搬送手段)
13 進入検知センサ
14 X線源(X線照射手段)
15 X線ラインセンサ(X線検出手段)
20 制御ユニット
23 状態判定部(状態判定手段)
24 付随情報生成部(付随情報生成手段)
25 X線画像生成部(X線画像生成手段、検査値画像作成手段)
26 蓄積情報ファイル作成部(X線画像生成手段、検査値画像作成手段)
27 表示部(表示手段)
28 蓄積情報出力部
40 記録装置
41 情報入力蓄積部
42 検査時特定部
46 X線画像抽出部
47 付随情報抽出部
50 コンピュータ
Px X線画像
Wa 判定領域
Wb マスク領域(非判定領域、判定領域外の部分)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査物(W)の各部X線透過量に基づいて該被検査物の状態を検査するとともに、前記X線透過量に対応する濃度のX線画像(Px)を作成するX線検査方法であって、
外観識別可能で前記X線画像上に識別可能に写し出される識別子情報を各被検査物に付加する識別情報付加工程と、
前記識別子情報が付加された各被検査物にX線を照射し、該被検査物の各部X線透過量を検出する検出工程と、
前記被検査物の各部X線透過量に基づいて前記被検査物の状態を判定する状態判定工程と、
前記被検査物の各部X線透過量に基づいて前記識別子情報の表示内容を含むX線画像を生成するX線画像生成工程と、を含むことを特徴とするX線検査方法。
【請求項2】
前記状態判定工程において、前記被検査物の所定の判定領域内を透過した各部X線透過量に基づいて前記被検査物の状態を判定する一方、
前記X線画像生成工程において、前記被検査物の所定の判定領域外を透過した各部X線透過量に基づいて前記X線画像のうち前記識別子情報の表示内容部分を生成することを特徴とする請求項1に記載のX線検査方法。
【請求項3】
前記識別情報付加工程において、前記被検査物の包装材又は包装容器に前記識別子情報を付加することを特徴とする請求項1又は2に記載のX線検査方法。
【請求項4】
前記識別情報付加工程において、前記識別子情報を前記被検査物の他の部分とはX線透過率の異なる形態で付加することを特徴とする請求項1又は2に記載のX線検査方法。
【請求項5】
前記識別情報付加工程において、前記被検査物又はその包装容器に凹凸により識別情報を表示するよう前記識別子情報を形成することを特徴とする請求項4に記載のX線検査方法。
【請求項6】
前記識別情報付加工程において、前記被検査物又はその包装容器に前記識別子情報を穿設することを特徴とする請求項4に記載のX線検査方法。
【請求項7】
前記識別子情報の表示内容を含むX線画像に、それぞれ、時間と共に変化する検査時刻情報に対応するファイル名を付けることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載のX線検査方法。
【請求項8】
被検査物の各部X線透過量に基づいて該被検査物の状態を検査するとともに、前記X線透過量に対応する濃度のX線画像を作成するX線検査システムであって、
外観識別可能で前記X線画像上に識別可能に写し出される識別子情報を各被検査物に付加する識別情報付加装置(5)と、
前記被検査物にX線を照射し該被検査物の各部X線透過量を検出して前記被検査物の状態を判定するとともに、前記識別子情報の表示内容を含むX線画像を生成するX線検査装置(10)と、を備えたことを特徴とするX線検査システム。
【請求項9】
前記X線検査装置が、前記被検査物の所定の判定領域内を透過した各部X線透過量に基づいて前記被検査物の状態を判定する一方、前記被検査物の所定の判定領域外を透過した各部X線透過量に基づいて、前記X線画像のうち前記識別子情報の表示内容部分(SC)を生成することを特徴とする請求項8に記載のX線検査システム。
【請求項10】
被検査物の各部X線透過量に基づいて該被検査物の状態を検査するとともに、前記X線透過量に対応する濃度のX線画像を作成するX線検査装置であって、
外観識別可能で前記X線画像上に識別可能に写し出される識別子情報が付加された被検査物にX線を照射するX線照射手段(14)と、
該被検査物の各部X線透過量を検出するX線検出手段(15)と、
前記被検査物の各部X線透過量に基づいて前記被検査物の状態を判定する状態判定手段(23)と、
前記被検査物のX線画像である第1のX線画像を生成するとともに、前記識別子情報の表示内容を示す第2のX線画像を第1のX線画像と一体に生成するX線画像生成手段(25、26)と、を備えたことを特徴とするX線検査装置。
【請求項11】
前記第1のX線画像および第2のX線画像と、前記第1のX線画像に対応する被検査物についての前記状態判定手段の判定に関連する付随情報とを、同一画面に表示する表示手段を設けたことを特徴とする請求項10に記載のX線検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−234423(P2006−234423A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−45906(P2005−45906)
【出願日】平成17年2月22日(2005.2.22)
【出願人】(302046001)アンリツ産機システム株式会社 (238)
【Fターム(参考)】