説明

αグルコシダーゼ阻害剤を含有する化粧用組成物及び使用方法

少なくとも一つのαグルコシダーゼ阻害剤を含有する組成物、並びに皮膚などの角質表面への加齢や日光による損傷の悪影響を、少なくとも一つのαグルコシダーゼ阻害剤を含有する組成物で処置することによって緩和する方法、並びに皮膚を処置するためのレジメン及びキット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加齢若しくは日光による損傷の悪影響を緩和するために、又は処置及び美容目的で、角質表面に適用する化粧用組成物の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
αグルコシダーゼは、二糖類及び多糖類のα-1,4-グリコシド結合を加水分解して、その後エネルギーとして使用できるグルコースなどの単糖類を形成する体内に存在する酵素である。グルコース及び他の単糖類は、生命にとって必要であるが、丁度適当な量で存在しない場合には、望ましくない作用を引き起こすおそれもある。例えば、グルコースのような単糖類は皮膚表面上で遊離アミノ基と反応して、反応のカスケードを開始する特定の中間体を形成し、それらが最終的にはコラーゲンなどの皮膚のタンパク質の不可逆的架橋をもたらすことが以前から知られている。コラーゲンの架橋は次に、加齢に伴う皮膚の皺及び老化に寄与する。反応カスケード中に生じる代謝産物は、後期糖化最終生成物(AGE)と呼ばれることが多い。AGEは、皮膚の加齢に役割を担うことが示されている化合物の不均一で複雑な混合物である。さらに、糖尿病の個体は、糖尿病ではない個体と比較して架橋が増大した皮膚タンパク質を有することが示されており、このことは、恐らく彼らの皮膚及び身体組織内におけるグルコースの存在の増大によって、彼らの皮膚内にAGEが形成されるからである。この理由により、何らかによってAGEの形成に寄与する成分が阻害されると、皮膚タンパク質の架橋の発生及びそれによって生じる皮膚への負の作用に正の効果がもたらされることになる。皮膚におけるAGEの形成を阻害するひとつの方法は、皮膚表面上の炭水化物、二糖類及び1,4多糖類が、それらの構成成分である糖類に容易に代謝されないように、α-グルコシダーゼを阻害する成分で皮膚を処置することである。これにより、皮膚表面上のAGEの形成に寄与するかかる単糖類が少なくなることを保証する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願1830131
【特許文献2】フランス公開特許2851469
【特許文献3】特開2004−168770。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって本発明の一目的は、少なくとも一つのα-グルコシダーゼ阻害剤を含有する、皮膚又は爪若しくは毛髪などの他の角質表面を処置するための化粧用組成物を提供することである。
【0005】
本発明のさらなる目的は、単糖類、及び/又はグルコース若しくはスクロース若しくはその両方などの単純な糖類に変化することができる他の複雑な糖を実質的に含まず、少なくとも一つのα-グルコシダーゼ阻害剤を含有する、皮膚を処置するための組成物を提供することである。
【0006】
本発明のさらなる目的は、少なくとも一つのα-グルコシダーゼ阻害剤を含有する化粧用組成物を皮膚に適用するステップを含む、皮膚への加齢若しくは日光による損傷の悪影響を緩和する、又は皮膚を改善するために化粧的に処置する方法を提供することである。
【0007】
本発明のさらなる目的は、洗浄剤、化粧水及び洗い流さないタイプの(leave-on)皮膚処置組成物から選択される少なくとも二つの物質で皮膚を処置することからなる皮膚処置レジメン又は手法を提供することであり、この手法で使用される物質の少なくとも一つは、少なくとも一つのα-グルコシダーゼ阻害剤を含有し、好ましくはこれらの物質の少なくとも一つは、単糖類、又は加水分解に供されて単純な糖若しくは単糖が形成され得る少なくとも一つのα-1,4-グリコシド結合を含有する二糖類若しくは多糖類を実質的に含まない。
【0008】
本発明のさらなる目的は、洗浄剤、化粧水及び少なくとも一つの洗い流さないタイプの皮膚処置組成物から選択される少なくとも二つの物質からなる、皮膚を処置するためのキットを提供することであり、これらの物質の一つ又は複数、好ましくは全ては、単糖類、又は加水分解により単糖類を形成し得る多糖類を含まず、かつキットの諸成分の少なくとも一つの物質は、少なくとも一つのα-グルコシダーゼ阻害剤を含有する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、少なくとも一つのα-グルコシダーゼ阻害剤で角質表面を処置するための化粧用組成物を包含する。
【0010】
本発明はさらに、少なくとも一つのα-グルコシダーゼ阻害剤を含む組成物を角質表面に適用するステップを含む、皮膚などの角質表面への加齢又は日光による損傷の悪影響を緩和する方法を包含する。
【0011】
本発明はさらに、洗浄剤、化粧水又は洗い流さないタイプの皮膚処置組成物から選択される少なくとも二つの物質で皮膚を処置するステップを含む、皮膚を処置するためのレジメン又は手法を包含し、このレジメンで使用される物質の少なくとも一つは、少なくとも一つのα-グルコシダーゼ阻害剤を含有し、好ましくはレジメンの物質の少なくとも一つ、好ましくは全ては、単糖類、又はα-グルコシダーゼに曝露されると加水分解して単純な糖類を形成し得る1,4-α-グリコシド結合を含有する二糖類若しくは多糖類を実質的に含まない。
【0012】
本発明はさらに、(i)洗浄剤を入れた容器、(ii)化粧水を入れた容器、及び(iii)洗い流さないタイプの皮膚処置組成物を入れた容器のうちの少なくとも二つを含む、皮膚を処置するためのキットを含む。
【発明を実施するための形態】
【0013】
I. 定義
A.「アルファグルコシダーゼ」又は「α-グルコシダーゼ」という用語は、二糖類及び/又は多糖類の1,4-α-グリコシド結合を加水分解して、グルコースのような単純な糖又は単糖を形成する酵素を意味する。
【0014】
B.「アルファグルコシダーゼ阻害剤」又は「α-グルコシダーゼ阻害剤」という用語は、化合物、分子、抽出物又はポリマーが、以下の反応に基づくα-グルコシダーゼアッセイにおいて、α-グルコシダーゼ阻害活性を示すことを意味する。
【化1】

【0015】
ここでα-グルコシダーゼ活性は、p-ニトロフェノールの放出によって測定され、実施例1でさらに示す通りである。
【0016】
C.「加齢又は日光による損傷の悪影響の緩和」という用語は、線、皺、弛緩、加齢による染み、不均一な着色又は皮膚の色合い、染み、乾燥、黄色若しくは褐色変、日焼け、セルライト又はへこんだ皮膚などの加齢又は日光による損傷を受けた皮膚に見られる皮膚の状態の外観を改善することを意味する。
【0017】
D.「液体」という用語は、室温(25℃)で注ぐことができる組成物を意味する。
【0018】
E.「不揮発性」という用語は、成分が、20℃で水銀約2mm未満の蒸気圧を有することを意味する。
【0019】
F. %という用語は、別段の指定がない限り、組成物全体に対する重量パーセントを意味する。
【0020】
G.「レジメン」という用語は、段階的に、好ましくは多数の物質を用いて行う、角質表面の処置方法を意味する。例えば、皮膚処置レジメンは、皮膚洗浄剤を使用し、その後化粧水を適用し、次いで皮膚用美容液、クリーム又はローションを適用するステップを含むことができる。或いは皮膚処置レジメンは、洗浄剤を使用し、その後皮膚用美容液、クリーム又はローション等を使用するステップを含むことができる。
【0021】
H.「半固体」という用語は、せん断を適用する際に変形する組成物を意味する。
【0022】
I.「固体」という用語は、室温でそれ自体を支持できる組成物を意味し、スティック、ケーキ、プレス物などの成型又はプレス形態であることができる。
【0023】
J.「実質的に含まない」という用語は、言及されている特定の成分が、United States Food and Drug Laws、21 C.F.R.、第I章、Part 701に準拠して物質の成分表示に記載されることを要するのに十分な量では存在しないことを意味する。
【0024】
K.「揮発性」という用語は、成分が、20℃で少なくとも水銀約2mmの蒸気圧を有することを意味する。
【0025】
II. αグルコシダーゼ阻害剤
本発明の組成物は、組成物全体の重量に対して好ましくは約0.0001〜75重量%、好ましくは約0.005〜70%重量、より好ましくは約0.01〜50重量%の範囲の少なくとも一つのαグルコシダーゼ阻害剤を含む。適切なαグルコシダーゼ阻害剤は、化合物、植物抽出物、ポリマー等であり得る。
【0026】
A. 植物抽出物
野菜、花、樹木、果実などの植物由来の幾つかの抽出物は、αグルコシダーゼ阻害活性を示す。かかる植物抽出物の例には、サラキア(Salacia)、コンナルス(Connarus)、ドネッラ(Donella)、サピウム(Sapium)、キサントピュッルム(Xanthophyllum)、ディモカルプス(Dimocarpus)、エリトロキシロン(Erythroxylon)、ディソピュロス(Diospyros)、カレヤ(Careya)、セメカルプス(Semecarpus)、カロフィルム(Calophyllum)、ソレア(Shorea)、ドゥアバンガ(Duabanga)、クラトキシロン(Cratoxylon)、アルキデンドロン(Archidendron)、ナウクレア(Nauclea)、エウパトリウム(Eupatorium)、ヒビスクス(Hibiscus)、ヘリクテレス(Helicteres)、ミッレティア(Milletia)、ブルケア(Brucea)、ミッレッティア(Millettia)、セスバニア(Sesbania)、バーリントン(Barrington)、グリュキュッリザ(Glycyrrhiza)、ルメクス(Rumex)、ミュルトゥス(Myrtus)、タラクサクム(Taraxacum)、ビスクム(Viscum)、ガノデルマ(Ganoderma)、ピヌス(Pinus)、ペナレス(Penares)、オリガヌム(Origanum)、グリフォラ(Grifola)、サングジー(Sangzhi)、ロベリア(Lobelia)、ウムビリカリア(Umbilicaria)、シジギウム(Syzygium)、コムメリナ(Commelina)、サラキア(Salacia)、エウコムミア(Eucommia)、アンギュロカリュクス(Angylocalyx)、アラクニオデス(Arachniodes)属等に由来するものが含まれる。
【0027】
より具体的には、サラキアレティクラタ(Salacia reticulata(サラレティン(Salaretin)))、コンナルスコキネンシス(Connarus cochinensis)、サピウムディスコロル(Sapium discolor)、キサントピュッルムアンナメンセ(Xanthophyllum annamense)、ディモカルプスロンガン(Dimocarpus longan)、エリトロキシロンカンボディアヌム(Erythroxylon cambodianum)、ディオスピュロスマラバリカ(Diospyros malabarica)、カレヤアルボレア(Careya arborea)、セメカルプスコキンキネンシス(Semecarpus cochinchinensis)、カロピュッルムカラバ(Calophyllum calaba)、ソレアグイソ(Shorea guiso)、ドゥアバンガソンネラティオイデス(Duabanga sonneratioides)、クラトキシロンフォルモスム(Cratoxylon formosum)、アルキデンドロントゥルギドゥム(Archidendron Turgidum)、ナウクレアオッフィキナリス(Nauclea officinalis)、エウパトリウムオドラトゥム(Eupatorium odoratum)、ヒビスクスメスニュイ(Hibiscus mesnyi)、ミッレティアディプテラ(Milletia diptera)、ミッレティアコンラウイ(Milletia conraui)、アスコピュッルムノドスム(Ascophyllum nodosum)、ブルケアヤバニカ(Brucea javanica)、マンギフェラインディキア(Mangifera indicia)、セスバニアグランディフロラ(Sesbania grandiflora)、グリキュッリザウラレンシス(Glycyrrhiza uralensis)、ルメクスブケパロポルス(Rumex bucephalophorus)、ムルテクスコムムニス(Murtex communis)、タラクサクムオッフィキナレ(Taraxacum officinale)、ビスクムアルブム(Viscum album)、ガノデルマ ルキドゥム(Ganoderma lucidum)、ピヌスデンシフロラ(Pinus densiflora)、ペナルススクルゼイ(Penarus schulzei)、オリガヌムマヨラナ(Origanum majorana)、グリフォラフロンドサ(Grifola frondosa)、サングジー(Sangzhi)(ラムルスモリ(Ramulus mori))、ロベリアキネンシス(Lobelia chinensis)、トウキ(Touchi)、シジギウムアロマティクム(Syzygium aromaticum)、コムメリナコムムニス(Commelina communis)、サラキアレティクラタ(Salacia reticulata)、エウコムミアウルモイデス(Eucommia ulmoides)、アンギュロカリュクスボウティクエアヌス(Angylocalyx boutiqueanus)、アラクニオデススタンディシイ(Arachniodes standishii)などの植物、又はそれらの混合物が適している。
【0028】
B. 化合物
αグルコシダーゼ阻害剤として、以下に記載のものを含む様々な種類の化合物も適しているが、それらに限定するものではない。
【0029】
1. 置換アラビニトール
アラビニトールの特定の誘導体、好ましくはジデオキシ誘導体は、適切なα-グルコシダーゼ阻害剤であり得る。より好ましいのは、イミノ置換基を有するジデオキシアラビニトール誘導体である。最も好ましいのは、1,4-ジデオキシ-1,4-イミノ-D-アラビニトール(DAB-1とも呼ばれる)。
【0030】
2. ピペリジン
特定のピペリジン誘導体もまた、ヒドロキシC1〜4アルキル及び/又はヒドロキシ基で置換されているものを含め、適している。好ましくはかかるピペリジン誘導体は、メチル及び/又はエチルヒドロキシアルキル及びヒドロキシ基の両方で置換されており、それには(2R,3R,4R,5S)-1-(2-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-3,4,5-トリオールであるミグリトールが含まれる。
【0031】
3. シクロヘキセン
特定のシクロヘキセン誘導体、例えばアミノ、ヒドロキシアルキル又はヒドロキシル基で置換されているものも適している。より好ましくは、シクロヘキセン誘導体は、ヒドロキシメチル又はヒドロキシエチル置換基及びアミノ置換基で置換されている。最も好ましいのは、(1S,2S,3R,6S)-6-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)-4-シクロヘキセン-1,2,3-トリオールである、バリエナミン(valienamine)と呼ばれるシクロヘキセン誘導体である。
【0032】
米国特許第4,116,984号に示されるシクロヘキセン誘導体も適しており、参照によってその全体を本明細書に組み込いれる。かかる化合物としては、それに限定されるものではないがコンデュラミン(conduramine)、エピスタミン(epistamine)、ストレプタミン等が挙げられる。
【0033】
適切なシクロヘキセン誘導体には、(1S,2S,3R,4S,5S)-5-(1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルアミノ)-1-(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン-1,2,3,4-テトロールであるボグリボースも含まれる。
【0034】
4. 他の化合物
アカルボース、又は(2R,3R,4S,5R,6R)-5-[(2R,3R,4S,5R,6R)-5-[(2R,3R,4S,5R,6R)-3,4-ジヒドロキシ-6-メチル-5-[[(1S,4S,5S,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)-1-シクロヘキサ-2-エニル]アミノ]オキサン-2-イル]オキシ-3,4-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-2-イル]オキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-2,3,4-トリオールも適している。
【0035】
スルホンアミド置換カルコン(芳香族ケトン)も、α-グルコシダーゼ阻害剤としての使用に適し得る。かかるカルコンは、一つ又は複数のスルホンアミド基で置換されている。
【0036】
別の適切な材料は、6-O-カフェオイルソホロース(caffeoylsophorose)などのカフェオイルソホロース及びその誘導体である。
【0037】
適切な材料の他の例には、4-メトキシ-トランス-トランス-ケイ皮酸、バイカレイン、グリコシル尿素、オレアン酸(oleanic acid)、4,5,6,7-テトラクロロ-N-シクロヘプチルフタルイミド、アシル化アントシアニン、ルテオリン(luteolin)、アメントフラボン(amentoflavone)、ジアドゼイン(diadzein)、ブロモコンデュリトール(bromoconduritol)、テトラクロロフタルイミド又はそれらの混合物が含まれる。
【0038】
III. 他の成分
アルファグルコシダーゼ阻害剤の適切なビヒクルになり得る化粧上許容される組成物は、無水とすることも水性とすることもできる。水性の場合、該組成物は、エマルション形態、例えば油中水若しくは水中油エマルション形態、又は水性ゲルであり得る。エマルション形態で存在する場合、組成物全体の重量に対して約0.01〜99重量%、好ましくは約0.5〜95重量%、より好ましくは約1〜90重量%の水が存在し、組成物全体の重量に対して約0.01〜98重量%、好ましくは約0.1〜95重量%、より好ましくは約0.5〜90重量%の油が存在する。組成物は、本明細書に記載のものを含め様々な他の成分を含有することができるがそれに限定されるものではない。
【0039】
A. 揮発性油
1. 揮発性シリコーン
適切な揮発性油は、一般に25℃で約0.5〜5センチストークの範囲の粘度を有し、それには直鎖シリコーン、環状シリコーン、分岐シリコーン、パラフィン系炭化水素又はそれらの混合物が含まれる。
【0040】
環状シリコーンは、一般式
【化2】

【0041】
(式中n=3〜6)のものである。
【0042】
本発明の直鎖揮発性シリコーンは、一般式
【化3】

【0043】
(式中、n=0、1、2、3、4又は5、好ましくは0、1、2、3又は4)のものである。
【0044】
分岐揮発性シリコーンは一般に、式
【化4】

【0045】
(式中、RはC1-4アルキル、好ましくはメチルである)のものである。
【0046】
直鎖及び環状揮発性シリコーンは、Dow Corning Corporation社及びGeneral Electric社を含む様々な市販の供給者から入手可能である。Dow Corning社の揮発性シリコーンは、商標Dow Corning 244、245、344及び200 Fluidsとして販売されている。これらの流体は、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等を含む。ヘキサメチルジシロキサン(粘度0.65センチストーク(略してcst))、オクタメチルトリシロキサン(1.0cst)、デカメチルテトラシロキサン(1.5cst)、ドデカメチルペンタシロキサン(2cst)及びそれらの混合物などの直鎖揮発性シリコーンも適している。
【0047】
適切な分岐揮発性シリコーンには、メチルトリメチコン、エチルトリメチコン、プロピルトリメチコン、ブチルトリメチコン等が含まれる。メチルトリメチコンは、Shin-Etsu Silicones社から購入することができ、商標TMF1.5を有し、25℃で1.5センチストークの粘度を有する。
【0048】
2. 揮発性パラフィン系炭化水素
揮発性油として、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の炭素原子、より好ましくは8〜16個の炭素原子を有する様々な直鎖又は分岐鎖パラフィン系炭化水素も適当である。適切な炭化水素には、米国特許第3,439,088号及び同第3,818,105号に開示のように、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、トリデカン及びC8〜20イソパラフィンが含まれ、これらの文献はどちらも参照によってその全体をあらゆる目的で本明細書に組み込むものとする。
【0049】
好ましい揮発性パラフィン系炭化水素は、70〜225、好ましくは160〜190の分子量及び30〜320℃、好ましくは60〜260℃の範囲の沸点、25℃で約10cst未満の粘度を有する。かかるパラフィン系炭化水素は、EXXON社から商標ISOPARSで、及びPermethyl Corporation社から入手可能である。適切なC12イソパラフィンは、Permethyl Corporationによって商標Permethyl 99Aで製造されている。(商標名Permethyl Rの)イソヘキサデカンなどの市販の様々なC16イソパラフィンも適している。
【0050】
B. 不揮発性油
様々な不揮発性油も、本発明の化粧用組成物における使用に適している。不揮発性油は一般に、25℃で約5〜10センチストークを超える粘度を有し、25℃で粘度が最大約1,000,000センチポアズの範囲を取り得る。好ましくは、不揮発性油は液体である。不揮発性油のさらなる例には、それに限定されるものではないが、以下が含まれる。すなわち、
1. エステル
適切なエステルは、モノ、ジ及びトリエステルである。組成物は、その群から選択される一つ若しくは複数のエステル又はそれらの混合物を含むことができる。
【0051】
(a) モノエステル
モノエステルは、式R-COOHを有するモノカルボン酸(式中、Rは、2〜45個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐鎖の飽和若しくは不飽和アルキル、又はフェニルである)と、式R-OHを有するアルコール(式中、Rは、2〜30個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐鎖の飽和若しくは不飽和アルキル、又はフェニルである)の反応によって形成されるエステルと定義される。アルコール及び酸の両方は、一つ又は複数のヒドロキシ基で置換されていてもよい。酸又はアルコールのいずれか一方又は両方は、「脂肪」酸又はアルコールであってよく、約6〜30個の炭素原子、より好ましくは12、14、16、18又は22個の炭素原子を、直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和形態で有することができる。本発明の組成物において使用できるモノエステル油の例には、ラウリン酸ヘキシル、イソステアリン酸ブチル、イソステアリン酸ヘキサデシル、パルミチン酸セチル、ネオペンタン酸イソステアリル、ヘプタン酸ステアリル、イソノナン酸イソステアリル、乳酸ステアリル、オクタン酸ステアリル、ステアリン酸ステアリル、イソノナン酸イソノニル等が含まれる。
【0052】
(b) ジエステル
適切なジエステルは、ジカルボン酸と脂肪族若しくは芳香族アルコール、又は少なくとも二つの置換ヒドロキシ基を有する脂肪族若しくは芳香族アルコールとモノカルボン酸との反応生成物である。ジカルボン酸は、2〜30個の炭素原子を含有することができ、直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和形態であり得る。ジカルボン酸は、一つ又は複数のヒドロキシル基で置換されていてもよい。脂肪族又は芳香族アルコールはまた、2〜30個の炭素原子を含有することができ、直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和形態であり得る。好ましくは、酸又はアルコールの一つ又は複数は、脂肪酸又は脂肪アルコールであり、即ち12〜22個の炭素原子を含有する。ジカルボン酸は、αヒドロキシ酸であり得る。エステルは、二量体又は三量体の形態とすることができる。本発明の組成物において使用できるジエステル油の例には、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、セバシン酸ジブチル、ダイマージリノール酸ジセテアリル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジイソセチル、アジピン酸ジイソノニル、ダイマージリノール酸ジイソステアリル、フマル酸ジイソステアリル、リンゴ酸ジイソステアリル、リンゴ酸ジオクチル等が含まれる。
【0053】
(c) トリエステル
適切なトリエステルは、トリカルボン酸と脂肪族又は芳香族アルコールの反応生成物、或いは三つ以上の置換ヒドロキシ基を有する脂肪族又は芳香族アルコールとモノカルボン酸との反応生成物を含む。前述のモノ及びジエステルと同様に、酸及びアルコールは、2〜30個の炭素原子を含有し、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖であってよく、一つ又は複数のヒドロキシル基で置換され得る。好ましくは、酸又はアルコールの一つ又は複数は、12〜22個の炭素原子を含有する脂肪酸又はアルコールである。トリエステルの例には、アラキドン酸、クエン酸又はベヘン酸のエステル、例えばトリアラキジン、クエン酸トリブチル、クエン酸トリイソステアリル、クエン酸トリC12〜13アルキル、トリカプリリン、クエン酸トリカプリリル、ベヘン酸トリデシル、クエン酸トリオクチルドデシル、ベヘン酸トリデシル;又はトリデシルココエート、イソノナン酸トリデシルなどが含まれる。
【0054】
組成物における使用に適したエステルは、C.T.F.A. Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook、第8版、2000年の1670〜1676頁にさらに記載され、参照によってその全内容を本明細書に組み込むものとする。
【0055】
2. 炭化水素油
一つ又は複数の不揮発性炭化水素油を組成物に組み込むことが望ましい。適切な不揮発性炭化水素油には、パラフィン系炭化水素及びオレフィン、好ましくは約20個を超える炭素原子を有するものが含まれる。かかる炭化水素油の例には、C24〜28オレフィン、C30〜45オレフィン、C20〜40イソパラフィン、水素化ポリイソブテン、ポリイソブテン、ポリデセン、水素化ポリデセン、鉱油、ペンタヒドロスクアレン、スクアレン、スクアラン及びそれらの混合物が含まれる。好ましい一実施形態では、かかる炭化水素は、約300〜1000ダルトンの範囲の分子量を有する。
【0056】
3. 脂肪酸のグリセリルエステル
合成の又は天然に生じる脂肪酸のグリセリルエステル、即ちトリグリセリドも、組成物における使用に適している。植物及び動物源の両方を使用することができる。かかる油の例には、ヒマシ油、ラノリン油、C10〜18トリグリセリド、カプリル/カプリン/トリグリセリド、甘扁桃油、杏仁油、ゴマ油、アマナズナ油、タマヌ種子油、ココナツ油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻仁油、インク油、オリーブ油、ヤシ油、イリペバター、菜種油、大豆油、グレープシード油、ヒマワリ種子油、クルミ油等が含まれる。
【0057】
改変されている天然脂肪又は油である脂肪酸モノ、ジ及びトリグリセリドなどの合成又は半合成グリセリルエステル、例えばグリセリンなどのポリオールのモノ、ジ又はトリエステルも適している。一例では、脂肪(C12〜22)カルボン酸は、一つ又は複数の繰返しグリセリル基、ステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、イソステアリン酸ポリグリセリル-3、イソステアリン酸ポリグリセリル-4、リシノール酸ポリグリセリル-6、ジオレイン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、テトライソステアリン酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、ジステアリン酸ジグリセリル、リノール酸グリセリル、ミリスチン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、PEGヒマシ油、オレイン酸PEGグリセリル、ステアリン酸PEGグリセリル、牛脂脂肪酸PEGグリセリル等と反応する。
【0058】
4. 不揮発性シリコーン
水溶性及び水不溶性両方の不揮発性シリコーン油も、組成物における使用に適している。かかるシリコーンは、好ましくは25℃で約10〜800,000cst、好ましくは20〜200,000cstの範囲の粘度を有する。適切な水不溶性シリコーンには、アモジメチコンなどのアミン官能性シリコーン;ビスフェニルヘキサメチコン、トリメチルシロキシフェニルジメチコン、フェニルトリメチコン又はポリフェニルメチルシロキサンなどのフェニル置換シリコーン;ジメチコン、セチルジメチコンなどのC2〜30アルキル基で置換されたジメチコンが含まれる。
【0059】
不揮発性シリコーンは、以下の一般式を有しうる。
【化5】

【0060】
式中、R及びR'は、それぞれ独立に、C1〜30直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルキル、フェニル又はアリール、トリアルキルシロキシであり、x及びyは、それぞれ独立に0〜1,000,000であり、但し、x又はyの少なくとも一方は存在し、Aは、アルキルシロキシ末端キャップ単位である。好ましいのは、Aがメチルシロキシ末端キャップ単位、特にトリメチルシロキシであり、R及びR'が、それぞれ独立に、C1〜30直鎖又は分岐鎖のアルキル、フェニル又はトリメチルシロキシ、より好ましくはC1〜22アルキル、フェニル又はトリメチルシロキシ、最も好ましくはメチル、フェニル又はトリメチルシロキシであり、得られるシリコーンが、ジメチコン、フェニルジメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルトリメチコン又はトリメチルシロキシフェニルジメチコンであるものである。他の例には、少なくとも一つのRが脂肪アルキルであり(C12、C14、C16、C18、C20又はC22)、他のRがメチルであり、Aがトリメチルシロキシ末端キャップ単位である、セチルジメチコンなどのアルキルジメチコンが含まれるが、但し、かかるアルキルジメチコンは、室温で注ぐことができる液体である。フェニルトリメチコンは、Dow Corning Corporation社から商標556 Fluidで購入することができる。トリメチルシロキシフェニルジメチコンは、Wacker-Chemie社から商標PDM-1000で購入することができる。液体シリコーンワックスとも呼ばれるセチルジメチコンは、Dow Corning社からFluid 2502として、又はDeGussa Care & Surface Specialties社から商標Abil Wax 9801若しくは9814で購入することができる。
【0061】
C. 界面活性剤
本発明の組成物は、一つ又は複数の界面活性剤を含有することができる。界面活性剤は、シリコーン又は有機界面活性剤とすることができる。
【0062】
1. シリコーン界面活性剤
適切なシリコーン界面活性剤には、両親媒特性を有し、例えば親水性基及び親油性基の両方を含有するポリオルガノシロキサンポリマーが含まれる。これらのシリコーン界面活性剤は、室温で液体又は固体であることができ、これには、本明細書に示したものが含まれるがそれに限定されるものではない。
【0063】
(a) ジメチコンコポリオール又はアルキルジメチコンコポリオール
使用できる一種のシリコーン界面活性剤は、一般に、ジメチコンコポリオール又はアルキルジメチコンコポリオールと呼ばれるものである。この界面活性剤は、約2〜18の範囲の親水性/親油性バランス(HLB)を有する油中水又は水中油界面活性剤のいずれかである。好ましくは、シリコーン界面活性剤は、約2〜12、好ましくは約2〜10、最も好ましくは約4〜6の範囲のHLBを有する非イオン性界面活性剤である。「親水性基」という用語は、オルガノシロキサンポリマー主鎖上で置換されている場合に、ポリマーの置換部分に親水特性を付与する基を意味する。親水性を付与することになる基の例は、ヒドロキシポリエチレンオキシ、ヒドロキシル、カルボキシレート及びそれらの混合物である。「親油性基」という用語は、オルガノシロキサンポリマー主鎖上で置換されている場合に、ポリマーの置換部分に親油性を付与する有機性の基を意味する。親油性を付与する有機基の例は、C1〜40直鎖又は分岐鎖のアルキル、フルオロ、アリール、アリールオキシ、C1〜40ヒドロカルビルアシル、ヒドロキシポリプロピレンオキシ又はそれらの混合物である。
【0064】
ある種類の適切なシリコーン界面活性剤は、一般式
【化6】

【0065】
を有し、式中p及びqは、0〜40であり(この範囲は間の全ての数及び2、3、4、13、14、15、16、17、18などの部分範囲を含む)、PEは(-C2H4O)a-(-C3H6O)b-Hであり(aは0〜25であり、bは0〜25であり、但しa及びb両方が同時に0になることはできない)、x、y及びzはそれぞれ独立に、0〜100万の範囲である(但しこれらは全て同時に0になることはできない)。好ましい一実施形態では、x、y、z、a及びbは、ポリマーの分子量が約5,000〜約500,000、より好ましくは約10,000〜100,000の範囲であり、最も好ましくは約50,000となるような数であり、このポリマーは、一般にジメチコンコポリオールと呼ばれる。
【0066】
ある種類のシリコーン界面活性剤では、pは長鎖アルキルがセチル又はラウリルとなるものであり、この界面活性剤は一般に、それぞれセチルジメチコンコポリオール又はラウリルジメチコンコポリオールと呼ばれる。
【0067】
いくつかの事例では、反復エチレンオキシドまたはプロピレンオキシド単位の数も特定されており、その例としてはPEG-15/PPG-10ジメチコンとも呼ばれるジメチコンコポリオールが挙げられるが、これはシロキサン主鎖上に15のエチレングリコール単位と10のプロピレングリコール単位を有するジメチコンをいう。先の一般構造のメチル基の一つ又は複数を、より長い鎖のアルキル(例えばエチル、プロピル、ブチル等)又はメチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、ブチルエーテルなどのエーテルで置換することも可能である。
【0068】
シリコーン界面活性剤の例は、CTFA名シクロテトラシロキサン(及び)シクロペンタシロキサン(及び)PEG/PPG-18ジメチコンを有する、Dow Corning社から商標Dow Corning 3225C Formulation Aidで販売されているもの、又はCTFA名シクロペンタシロキサン(及び)PEG/PPG-18/18ジメチコンを有する5225C Formulation Aid、又はCTFA名PEG/PPG-18/18ジメチコンを有するDow Coming 190 Surfactant、又はDow Corning 193 Fluid、CTFA名ラウリルPEG/PPG-18/18メチコンを有するDow Corning 5200、又はGoldschmidt社から販売されているCTFA名セチルPEG/PPG-14/14ジメチコンを有するAbil EM 90、又はGoldschmidt社から販売されているCTFA名ビス-セチルPEG/PPG-14/14ジメチコンを有するAbil EM 97、又はCTFA名セチルPEG/PPG-10/1ジメチコンを有する、イソステアリン酸ポリグリセリル-4及びラウリン酸ヘキシルも含有する混合物としてのAbil WE 09、又はShin-Etsu Silicones社から販売されているCTFA名PEG-11メチルエーテルジメチコンを有するKF-6011、Shin-Etsu Silicones社から販売されているCTFA名PEG/PPG-20/22ブチルエーテルジメチコンを有するKF-6012、又はShin-Etsu Silicones社から販売されているCTFA名PEG-9ジメチコンを有するKF-6013、又はShin-Etsu Silicones社から販売されているCTFA名PEG-3ジメチコンを有するKF-6015、又はShin-Etsu Silicones社から販売されているCTFA名PEG-9メチルエーテルジメチコンを有するKF-6016、又はShin-Etsu Silicones社から販売されているCTFA名PEG-10ジメチコンを有するKF-6017、又はShin-Etsu Silicones社から販売されているCTFA名ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを有するKF-6038である。
【0069】
(b) 架橋シリコーン界面活性剤
乳化エラストマーと呼ばれる様々な種類の架橋シリコーン界面活性剤も適している。これらは一般に、「シリコーンエラストマー」の章に従い、シリコーンエラストマーがポリオキシアルキレン化基などの少なくとも一つの親水性部分を含有することを除き、先に示す通りに調製される。一般にこれらのポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマーは、ケイ素に結合した少なくとも一つの水素を含むジオルガノポリシロキサン及び少なくとも二つのエチレン性不飽和基を含むポリオキシアルキレンの架橋付加反応によって得ることができる架橋オルガノポリシロキサンである。少なくとも一つの実施形態では、ポリオキシアルキレン化架橋オルガノポリシロキサンは、例えば、その内容が参照によって組み込まれる米国特許第5,236,986号及び米国特許第5,412,004号、米国特許第5,837,793号及び米国特許第5,811,487号に記載の通り、任意選択で白金触媒の存在下、それぞれケイ素に結合している少なくとも二つの水素を含むジオルガノポリシロキサン及び少なくとも二つのエチレン性不飽和基を含むポリオキシアルキレンの架橋付加反応によって得られる。
【0070】
本発明の少なくとも一つの実施形態で使用できるポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマーには、Shin-Etsu Silicones社から、名称KSG-21、KSG-20、KSG-30、KSG-31、KSG-32、KSG-33;ジメチコンに分散させたジメチコン/PEG-10/15クロスポリマーであるKSG-210;PEG-15ラウリルジメチコンクロスポリマーであるKSG-310;イソドデカンに分散させたPEG-15ラウリルジメチコンクロスポリマーであるKSG-320;KSG-330(トリエチルヘキサノインに分散させたPEG-15ラウリルジメチコンクロスポリマー);PEG-10ラウリルジメチコンクロスポリマー及びPEG-15ラウリルジメチコンクロスポリマーの混合物であるKSG-340で販売されているものが含まれる。
【0071】
PCT/国際公開第2004/024798号(参照によってその全体を本明細書に組込む)に開示のポリグリセリロール化シリコーンエラストマーなども適している。かかるエラストマーには、ジメチコンに分散させたジメチコン/ポリグリセリン-3クロスポリマーであるKSG-710などのShin-Etsu社のKSGシリーズ、又はShin-Etsu商標KSG-810、KSG-820、KSG-830若しくはKSG-840で販売されている、イソドデカン、ジメチコン、トリエチルヘキサノインなどの様々な溶媒に分散させたラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3クロスポリマーが含まれる。Dow Corning社によって商標9010及びDC9011で販売されているシリコーンも適している。
【0072】
ある好ましい架橋シリコーンエラストマー乳化剤は、ジメチコン/PEG-10/15クロスポリマーである。
【0073】
2. 有機界面活性剤
組成物は、非イオン性有機界面活性剤などの一つ又は複数の追加の界面活性剤を含有することができる。適切な非イオン性界面活性剤には、アルコールとアルキレンオキシド、通常はエチレン若しくはプロピレンオキシドとの反応によって形成されるアルコキシ化アルコール、又はエーテルが含まれる。好ましくはアルコールは、6〜30個の炭素原子を有する脂肪アルコールのいずれかである。かかる成分の例には、ステアリルアルコールとエチレンオキシドの反応によって形成され、エチレンオキシドの単位数が2〜100の範囲であるステアレス2〜100;ベヘニルアルコールとエチレンオキシドの反応によって形成されるべへネス5〜30(エチレンオキシドの反復単位数は5〜30である);セチル及びステアリルアルコールの混合物とエチレンオキシドの反応によって形成されるセテアレス2〜100(分子中のエチレンオキシドの反復単位数は2〜100である);セチルアルコールとエチレンオキシドの反応によって形成されるセテス1〜45(エチレンオキシドの反復単位数は1〜45である)等が含まれる。
【0074】
他のアルコキシ化アルコールは、脂肪酸及び一価、二価又は多価アルコールとアルキレンオキシドの反応によって形成される。例えば、C6〜30脂肪カルボン酸及びグルコースと多価アルコールの反応生成物は、ガラクトース、メチルグルコースなどの単糖類とアルコキシ化アルコールとのそれである。その例には、オレイン酸PEGグリセリル、ステアリン酸PEGグリセリルなどのグリセリル脂肪酸エステルと反応したポリマー系アルキレングリコール、又はジポリヒドロキシステアリン酸PEGなどのPEGポリヒドロキシアルカノエートが含まれ、ここでエチレングリコールの反復単位数は、3〜1000の範囲である。
【0075】
カルボン酸とアルキレンオキシド又はポリマー系エーテルの反応によって形成される非イオン性界面活性剤も適当である。得られた生成物は、一般式として、式中、RCOがカルボン酸エステル基であり、Xが水素又は低級アルキルであり、nが重合化アルコキシ基の数であるもので表される。ジエステルの場合、二つのRCO-基は同じである必要はない。好ましくは、RはC6〜30直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルキルであり、nは1〜100である。
【0076】
モノマー、ホモポリマー又はブローックコポリマー系エーテルも、非イオン性界面活性剤として適している。一般にかかるエーテルは、モノマー系アルキレンオキシド、一般にエチレン又はプロピレンオキシドの重合によって形成される。かかるポリマー系エーテルは次の一般式を有し、式中、RはH又は低級アルキルであり、nはモノマーの繰返し単位数であり、1〜500の範囲である。
【0077】
他の適切な非イオン性界面活性剤には、アルコキシ化ソルビタン及びアルコキシ化ソルビタン誘導体が含まれる。例えば、ソルビタンのアルコキシル化、特にエトキシル化は、ポリアルコキシ化ソルビタン誘導体をもたらす。ポリアルコキシ化ソルビタンのエステル化は、ポリソルベートなどのソルビタンエステルをもたらす。例えば、ポリアルキルオキシル化ソルビタンは、C6〜30、好ましくはC12〜22脂肪酸でエステル化することができる。かかる成分の例には、ポリソルベート20〜85、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ステアリン酸ソルビタン等が含まれる。
【0078】
幾つかの種類の両性、双性又はカチオン性界面活性剤も、組成物において使用することができる。かかる界面活性剤の説明は、米国特許第5,843,193号に記載されており参照によってその全体を本明細書に組込む。
【0079】
D. 油相構造化剤
必要に応じて、組成物は、エマルションの油相内に一つ又は複数の油相構造化剤を含有することができる。「油相構造化剤」という用語は、油相の粘度を強める又は構成する、油相に溶ける又は分散することができる成分又は成分の組合せを意味する。構造化剤は、粘度が増大した液体組成物、半固体、又はある場合には自立できる固体組成物を提供するのに十分な量で存在することができる。構造化剤自体は、液体、半固体又は固体の形態で存在することができる。提案される構造化剤の範囲は、組成物全体の重量に対して約0.01〜70重量%、好ましくは約0.05〜50重量%、より好ましくは約0.1〜35重量%である。適切な油相構造化剤には、シリコーン系又は有機系のものが含まれる。これらは、合成、天然又はその両方の組合せのポリマー又は非ポリマーとすることができる。
【0080】
1. シリコーン構造化剤
様々な油相構造化剤は、化粧用組成物に組み込まれた場合に、油相の粘度を増大することができるような粘度をシリコーンに与える重合度を有する、シリコーンエラストマー、シリコーンゴム、シリコーンワックス、直鎖シリコーンなどのシリコーン系とすることができる。シリコーン構造化剤の例には、それに限定されるものではないが、以下のものが含まれる。
【0081】
(a) シリコーンエラストマー
本発明の組成物における使用に適したシリコーンエラストマーには、白金金属触媒の存在下で、SiH含有ジオルガノシロキサンと末端不飽和オレフィン基を有するオルガノポリシロキサン又はα-ωジエン炭化水素とを反応させて付加反応硬化させることによって形成するものが含まれる。かかるエラストマーは、有機スズ化合物の存在下で、ヒドロキシル末端ジオルガノポリシロキサンとSiH含有ジオルガノポリシロキサン又はαωジエンとの脱水素反応を介して、オルガノポリシロキサン組成物を縮合硬化させる、或いは有機スズ化合物又はチタン酸エステルの存在下で、ヒドロキシル末端ジオルガノポリシロキサンと加水分解可能なオルガノシロキサンの縮合反応を使用して、オルガノポリシロキサン組成物を縮合硬化させる、或いはオルガノ過酸化物触媒の存在下で熱硬化するオルガノポリシロキサン組成物を過酸化物硬化させるなどの他の反応方法によって形成することもできる。
【0082】
適切なある種のエラストマーは、各分子内に少なくとも二つの低級アルケニル基又はα-ωジエンを有するオルガノポリシロキサン;及び各分子内に少なくとも二つのケイ素結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサン;及び白金系触媒を用いる付加反応硬化によって調製される。ビニルなどの低級アルケニル基は、分子内の任意の位置に存在することができるが、一方又は両方の分子末端上に末端不飽和オレフィン基があることが好ましい。この成分の分子構造は、直鎖、分岐直鎖、環式又は網状であり得る。これらのオルガノポリシロキサンは、メチルビニルシロキサン、メチルビニルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端ジメチルポリシロキサン、ジメチルビニルシロキシ末端ジメチルシロキサン-メチルフェニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端ジメチルシロキサン-ジフェニルシロキサン-メチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ末端ジメチルシロキサン-メチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ末端ジメチルシロキサン-メチルフェニルシロキサン-メチルビニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端メチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)ポリシロキサン及びジメチルビニルシロキシ末端ジメチルシロキサン-メチル(3,3,-トリフルオロプロピル)シロキサンコポリマー、デカジエン、オクタジエン、ヘプタジエン、ヘキサジエン、ペンタジエン又はテトラジエン又はトリジエンによって例示される。
【0083】
硬化は、本明細書に列挙した触媒を使用する触媒反応下で、ジメチルメチル水素シロキサンのケイ素結合した水素原子とシロキサン又はα-ωジエンを付加反応させることによって進行する。高度に架橋した構造を形成するためには、メチル水素シロキサンは、架橋剤としての作用を最適化するために、各分子内に少なくとも二つのケイ素結合水素原子を含有しなければならない。
【0084】
ケイ素に結合した水素原子及びアルケニル基の付加反応において使用される触媒は、場合によりアルコール又はケトンに溶解させ任意選択で寝かせた溶液中の塩化白金酸、塩化白金酸-オレフィン錯体、塩化白金酸-アルケニルシロキサン錯体、塩化白金酸-ジケトン錯体、白金黒、並びに担体支持型白金によって具体的に例示される。
【0085】
本発明の組成物における使用に適したシリコーンエラストマーの例は、粉末形態とすることができ、或いは揮発性若しくは不揮発性シリコーンなどの溶媒、又はパラフィン系炭化水素若しくはエステルなどのシリコーン相溶性ビヒクルに、分散又は可溶化されたものとすることができる。シリコーンエラストマー粉末の例には、Shin-Etsu社のKSP-100、KSP-101、KSP-102、KSP-103、KSP-104、KSP-105などのビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマー、フルオロ-シリコーンエラストマーであるShin-Etsu社のKSP-200などのフルオロアルキル基を含有するハイブリッドシリコーン粉末、並びにフェニル置換シリコーンエラストマーであるShin-Etsu社のKSP-300などのフェニル基を含有するハイブリッドシリコーン粉末、並びにDow ComingのDC 9506が含まれる。シリコーン相溶性ビヒクルに分散させたシリコーンエラストマー粉末の例には、Dow Corning Corporation社の商標9040若しくは9041、GE Siliconesの商標SFE 839、又はShin-Etsu Silicones社の商標KSG-15、16、18を含む、様々な供給者から供給されているジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーが含まれる。KSG-15はCTFA名シクロペンタシロキサン/ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーを有する。KSG-18はINCI名フェニルトリメチコン/ジメチコン/フェニルビニルジメチコンクロスポリマーを有する。シリコーンエラストマーは、商標GransilでGrant Industries社から購入することもできる。Shin Etsu社によって商標KSG-31、KSG-32、KSG-41、KSG-42、KSG-43及びKSG-44で供給されているラウリルジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーなどの、長鎖アルキル置換基を有するシリコーンエラストマーも適している。本発明に有用な架橋オルガノポリシロキサンエラストマー及びそれらの生成方法は、1990年11月13日に特許されたSakutaらの米国特許第4,970,252号、1998年6月2日に特許されたKilgourらの米国特許第5,760,116号、1997年8月5日に特許されたSchulz, Jr.らの米国特許第5,654,362号、及びPola Kasei Kogyo KKに譲渡された日本特許出願特開61-18708にさらに記載されており、参照によってそれぞれその全体を本明細書に組込む。
【0086】
(b) シリコーンゴム
一つ又は複数のシリコーンゴムも、油相構造化剤として使用するのに適している。「ゴム」という用語は、ゴムのような質感を有するシリコーンを提供するのに十分な重合度を有するシリコーンポリマーを意味する。特定の場合、ゴムを形成するシリコーンポリマーは、架橋されていてもよい。シリコーンゴムは一般に、25℃で約500,000〜1億cst、好ましくは約600,000〜2000万、より好ましくは約600,000〜1200万cstの範囲の粘度を有する。本明細書で言及した全ての範囲は、全ての部分範囲、例えば550,000;925,000;350万を含む。
【0087】
組成物に使用されるシリコーンゴムには、それに限定されるものではないが、一般式
【化7】

【0088】
のものが含まれ、式中、R1〜R9はそれぞれ独立に、1〜30個の炭素原子を有するアルキル、アリール又はアラルキルであり、XはOH又はC1〜30アルキル又はビニルであり、x、y又はzは0であってよく、但しx、y又はzの二つより多くが同時に0であることはなく、さらにx、y及びzは、シリコーンゴムが25℃で少なくとも約500,000cst、最大約1億センチストークの範囲の粘度を有するような数である。好ましいのは、Rがメチル又はOHであるものである。
【0089】
かかるシリコーンゴムは、Wacker-Chemie社又はDow Corning社等を含む様々なシリコーン製造者から、純粋な形態で購入することができる。かかるシリコーンゴムには、Wacker-Belsil社から商標CM3092、Wacker-Belsil 1000又はWacker-Belsil DM 3096で販売されているものが含まれる。ジメチコノールとも呼ばれる、XがOHであるシリコーンゴムは、Dow Corning Corporation社から商標1401で入手可能である。揮発性又は不揮発性シリコーンなどのシリコーンゴムは、シリコーン相溶性ビヒクル中の溶液又は分散液の形態で購入することもできる。かかる混合物の一例は、Barnet Silicones社からINCI名ジメチコンを有する商標HL-88で購入することができる。
【0090】
(c) シリコーンワックス
別の種類の油相構造化剤には、室温で半固体又は固体の、アルキルシリコーンワックスと一般に呼ばれるシリコーンワックスが含まれる。「アルキルシリコーンワックス」という用語は、シロキサンに半固体又は固体の性質を付与する、置換長鎖アルキル(C16〜30など)を有するポリジメチルシロキサンを意味する。かかるシリコーンワックスの例には、DeGussa Care & Surface Specialties社から商標Abil Wax 9800又はDow Corning社から商標2503で購入できるステアリルジメチコンが含まれる。別の例は、Gransil Industries社から商標Gransil A-18で購入できるビス-ステアリルジメチコン、又はベヘニルジメチコン、ベヘノキシジメチコンである。
【0091】
2. ポリアミド又はシリコーンポリアミド
ポリアミド又はシリコーンポリアミドなどの様々な種類のポリマー化合物も、油相構造化剤として適している。
【0092】
シリコーンポリアミドという用語は、本明細書でさらに説明するシリコーンモノマー及びアミド基を含有するモノマーからなるポリマーを意味する。シリコーンポリアミドは、好ましくは一般式
【化8】

【0093】
の部分を含み、式中、Xは、約1〜30個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキレンであり、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、一つ又は複数のヒドロキシル又はハロゲン基で置換されていてもよいC1〜30直鎖又は分岐鎖のアルキル;一つ又は複数のC1〜30アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシル又はアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル;或いは一般式
【化9】

【0094】
を有するシロキサン鎖であり、Yは、
(a) 約1〜40個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐アルキレンであって、(i)一般式R1CONR1を有する一つ若しくは複数のアミド基、又は(ii)C5〜6環式環、又は(iii)一つ若しくは複数のC1〜10アルキル基で置換されていてもよいフェニレン、又は(iv)ヒドロキシ、又は(v)C3〜8シクロアルカン、又は(vi)一つ若しくは複数のヒドロキシル基で置換されていてもよいC1〜20アルキル、又は(vii)C1〜10アルキルアミンで置換されていてもよいもの;或いは
(b) TR5R6R7(式中、R5、R6及びR7はそれぞれ独立に、C1〜10直鎖又は分岐アルキレンであり、TはCR8であり、R8は水素、三価の原子N、P若しくはAl、又は一つ若しくは複数のヒドロキシル若しくはハロゲン基で置換されていもよいC1〜30直鎖若しくは分岐鎖のアルキル;一つ若しくは複数のC1〜30アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシル若しくはアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル;又は一般式
【化10】

【0095】
を有するシロキサン鎖である)である。
【0096】
好ましいのは、R1、R2、R3及びR4がC1〜10、好ましくはメチルであり、X及びYが直鎖又は分岐アルキレンであるものである。好ましいのは、一般式
【化11】

【0097】
を有するシリコーンポリアミドであり、式中、a及びbはそれぞれ独立に、約60〜120℃の範囲の融点及び約40,000〜500,000ダルトンの範囲の分子量を有するシリコーンポリアミドポリマーを提供するのに十分な数である。本発明の組成物に使用できるある種類のシリコーンポリアミドは、Dow Corning Corporation社から商標Dow Corning 2-8178ゲル化剤で購入することができ、これはCTFA名ナイロン-611/ジメチコンコポリマーを有しており、PPG-3ミリスチルエーテルを含有する組成物として販売されている。
【0098】
Arizona Chemical社から商標Uniclear及びSylvaclearで購入されるポリアミドも適している。かかるポリアミドは、エステル末端化又はアミド末端化されていてもよい。エステル末端化ポリアミドの例には、それに限定されるものではないが、一般式
【化12】

【0099】
を有するものが含まれ、式中、nは、エステル基の数が、エステル及びアミド基の総数の約10%〜50%の範囲になるようなアミド単位の数を示し、各R1は独立に、少なくとも4個の炭素原子を含有するアルキル又はアルケニル基であり、各R2は独立に、C4〜42炭化水素基であり、但しR2基の少なくとも50%は、C30〜42炭化水素であり、各R3は独立に、少なくとも2個の炭素原子、水素原子及び場合によっては一つ又は複数の酸素又は窒素原子を含有する有機基であり、各R4は独立に、水素原子、C1〜10アルキル基又はR3若しくは別のR4との直接結合であり、それによりR3とR4の両方が結合する窒素原子は、R4-N-R3によって表される複素環構造の一部を形成し、このとき基R4の少なくとも50%は水素原子を表す。
【0100】
油相ゲル化剤として使用できるエステル及びアミド末端ポリアミドの一般例には、Arizona Chemicalから、共にCTFA名エチレンジアミン/水素化ダイマージリノール酸コポリマー/ビス-ジ-C14〜18アルキルアミドを有する商標Sylvaclear A200V又はA2614Vで販売されているもの;Sylvaclear AF1900V;CTFA名ビス-ステアリルエチレンジアミン/ネオペンチルグリコール/ステアリル水素化ダイマージリノール酸コポリマーを有するSylvaclear C75V;CTFA名Polyamide-3を有するSylvaclear PA1200V;Sylvaclear PE400V;Sylvaclear WF1500V;又はINCI名エチレンジアミン/ステアリルダイマージリノール酸コポリマーを有するUniclear 100VGなどのUniclear;又はエチレンジアミン/ステアリルダイマージトール油脂肪酸(ditallate)コポリマーが含まれる。適切なポリアミドの他の例には、Henkel社から商標Versamid(Versamid 930、744、1655など)又はOlin Mathieson Chemical Corp.社から商標Onamid S若しくはOnamid Cで販売されているものが含まれる。
【0101】
3. 天然又は合成有機ワックス
動物、植物又は鉱物ワックスなどの一つ又は複数の天然又は合成ワックスも、油相構造化剤として適し得る。好ましくはかかるワックスは、約60〜150℃、より好ましくは約65〜100℃などの高い溶融点を有する。かかるワックスの例には、ポリエチレン若しくは合成ワックスなどの、Fischer-Tropsch合成によって製造されたワックス;又は様々な植物ワックス、例えばヤマモモ、キャンデリラ、オゾケライト、アカシア、蜜蝋、セレシン、セチルエステル、花ワックス、柑橘ワックス、カルナバワックス、ホホバワックス、木蝋、ポリエチレン、微結晶、米ぬか、ラノリンワックス、ミンク、モンタン、ヤマモモ、オーリクリー、オゾケライト、パーム核ワックス、パラフィン、アボカドワックス、リンゴワックス、セラックワックス、サルビアワックス、粕ワックス、ブドウワックス、及びPEG6〜20蜜蝋若しくはPEG-12カルナバワックスなどのそれらのポリアルキレングリコール誘導体など;又はヒドロキシステアリン酸(例えば、12-ヒドロキシステアリン酸)、トリステアリン、トリベヘニンなどの、それらのエステルを含む脂肪酸若しくは脂肪アルコールが含まれる。
【0102】
4. モンモリロナイト鉱物
組成物に使用できるある種の構造化剤は、ヘクトライト、ベントナイト及びそれらの四級化誘導体などの天然又は合成モンモリロナイト鉱物を含み、これらは鉱物を、ステアラルコニウムベントナイト、ヘクトライト、Quaternium-18ヘクトライトなどの四級化ヘクトライト、アタパルジャイト、プロピレンカーボネートなどのカーボネート、ベントンなどの四級化アンモニウム化合物と反応させることによって得られる。
【0103】
5. シリカ及びケイ酸塩
組成物の油相に使用できる別の種類の構造化剤は、シリカ、ケイ酸塩、又はシリカシリレート及びそれらのアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属誘導体である。これらのシリカ及びケイ酸塩は一般に、微粒子形態で存在し、それにはシリカ、シリル化シリカ、ケイ酸マグネシウムアルミニウム等が含まれる。
【0104】
E. 保湿剤
組成物に、一つ又は複数の保湿剤を含めることも望ましい。存在する場合、かかる保湿剤は、組成物全体の重量の約0.001〜25重量%、好ましくは約0.005〜20重量%、より好ましくは約0.1〜15重量%の範囲を取り得る。適切な保湿剤の例には、モノマー又はポリマー形態のグリコール、例えば4〜200個のエチレンオキシドの繰返し単位を有するポリエチレングリコールであるPEG4〜200などのポリエチレン及びポリプロピレングリコールなど、並びにプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコールなどのC1〜6アルキレングリコールが含まれる。適当な糖類も、適当な保湿剤であり、その幾つかは多価アルコールでもある。好ましくは、本発明の組成物に使用される保湿剤は、C1〜6、好ましくはC2〜4アルキレングリコール、最も具体的にはブチレングリコールである。
【0105】
F. 水相構造化剤
本発明の組成物が水相を含有する場合、該組成物中に一つ又は複数の水相構造化剤を含めることが望ましいことがある。かかる薬剤は、一般に、水相を濃くする又はその粘度を増大させる。存在する場合、提案される範囲は、組成物全体の重量の約0.01〜30重量%、好ましくは約0.1〜20重量%、より好ましくは約0.5〜15重量%である。かかる薬剤の例には、様々なアクリル酸系増粘剤、天然又は合成ゴム等が含まれる。
【0106】
1. アクリル酸ポリマー
例えば、モノマーA及びB(Aはアクリル酸、メタクリル酸及びそれらの混合物からなる群から選択され、Bはアクリル酸C1〜22アルキル、メタクリル酸C1〜22アルキル及びそれらの混合物からなる群から選択される)からなるアクリルポリマー増粘剤が適している。一実施形態では、Aのモノマーは、一つ又は複数のアクリル酸又はメタクリル酸を含み、Bのモノマーは、アクリル酸C1〜10アルキル、最も好ましくはアクリル酸C1〜4アルキル、メタクリル酸C1〜10アルキル、最も好ましくはメタクリル酸C1〜4アルキル、及びそれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、Bのモノマーは、アクリル酸又はメタクリル酸メチル又はエチルの一つ又は複数である。アクリルコポリマーは、ポリマーの重量の約10〜60重量%、好ましくは20〜50重量%、より好ましくは25〜45重量%の範囲の固体含量と、残りの水を有する水溶液として供給され得る。アクリルコポリマーの組成物は、Aのモノマーを約0.1〜99部及びBのモノマーを約0.1〜99部含有することができる。アクリルポリマー溶液には、Seppic, Inc.社から商標Capigelで販売されているものが含まれる。
【0107】
A、B及びCモノマーのコポリマーであるアクリルポリマー増粘剤であって、A及びBが先に定義の通りであり、Cが一般式
【化13】

【0108】
(式中、Zは-(CH2)mであり、mは1〜10、nは2〜3、oは2〜200であり、RはC10〜30直鎖又は分岐鎖のアルキルである)を有するものも適している。先の二級増粘剤の例は、A及びBが先に定義の通りであり、CがCOであり、n、o及びRが先に定義の通りであるコポリマーである。かかる二級増粘剤の例には、Rohm & Haas社から商標Acrysol ICS-1で販売されているアクリル酸/メタクリル酸ステアレス-20コポリマーが含まれる。
【0109】
少なくとも一つの親水性単位及び脂肪鎖を含有する少なくとも一つのアリルエーテル単位を含有するアクリル酸系アニオン性両親媒性ポリマーも適している。親水性単位が、エチレン性不飽和アニオン性モノマー、より具体的にはアクリル酸、メタクリル酸又はそれらの混合物などのビニルカルボン酸を含有し、アリルエーテル単位が、式
CH2=CR'CH2OBnR
(式中、R'は、H又はCH3を示し、Bはエチレンオキシ基を示し、nは0又は1〜100の範囲の整数であり、Rは、8〜30個の炭素原子、好ましくは10〜24個、さらにより具体的には12〜18個の炭素原子を含有する、アルキル、アリールアルキル、アリール、アルキルアリール及びシクロアルキル基から選択される炭化水素基を示す)のモノマーに相当する脂肪鎖を含有するものが好ましい。この場合、より好ましいのは、R'がHを示し、nが10に等しく、Rがステアリル(C18)基を示すものである。この種類のアニオン性両親媒性ポリマーは、米国特許第4,677,152号及び同第4,702,844号において記載され、調製されており、参照によって共にその全体を本明細書に組込む。これらのアニオン性両親媒性ポリマーの中でも、アクリル酸及び/又はメタクリル酸20〜60重量%、メタクリル酸低級アルキル5〜60重量%、先に言及した脂肪鎖を含有するアリルエーテル2〜50重量%、並びに周知の共重合可能なポリエチレン性不飽和モノマー、例えばフタル酸ジアリル、(メタ)アクリル酸アリル、ジビニルベンゼン、ジメタクリル酸(ポリ)エチレングリコール及びメチレンビスアクリルアミドである架橋剤0〜1重量%から形成されるポリマーがある。かかるポリマーの市販の一例は、メタクリル酸、アクリル酸エチル、ステアリルアルコール又はステアレス-10のポリエチレングリコール(10EO単位を有する)エーテルの架橋ターポリマー、特にAllied Colloids社から名称SALCARE SC80及びSALCARE SC90で販売されているものであり、これらは、メタクリル酸、アクリル酸エチル及びステアレス-10アリルエーテル(40/50/10)の架橋ターポリマー30%を含有する水性エマルションである。
【0110】
メタクリル酸、メタクリル酸メチル、イソシアン酸メチルスチレンイソプロピル及びベヘン酸PEG-40モノマーのコポリマーであるポリアクリル酸-3;アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム、アクリル酸ナトリウム、アクリルアミド及びビニルピロリドンモノマーのコポリマーであるポリアクリル酸-10;又はアクリロイルジメチルアクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ブチル及びアクリルアミドモノマーのコポリマーであるポリアクリル酸-11などのアクリル酸コポリマーも適している。
【0111】
一つ又は複数のアクリル基が、置換長鎖アルキル(6〜40、10〜30個など)基を有することができる架橋アクリル酸系ポリマー、例えばアクリル酸/アクリル酸C10〜30アルキルクロスポリマーも適しており、これは、アクリル酸C10〜30アルキルと、アクリル酸、メタクリル酸又はスクロースのアリルエーテル若しくはペンタエリスリトールのアリルエーテルで架橋したそれらの単純エステルの一つの一つ又は複数のモノマーとのコポリマーである。かかるポリマーは一般に、商標Carbopol又はPemulenで市販されている。
【0112】
水相増粘剤として特に適しているのは、アクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム/VPコポリマーであるAristoflex AVCなどの、Clariant社から商標Aristoflexで販売されているアクリル酸系ポリマー増粘剤;カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、トリラウレス-4及びセスキイソステアリン酸ポリグリセリル-2を含有する混合物中に分散しているAVCに存在するポリマーと同じものであるAristoflex AVL;又はアクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム/メタクリル酸べへネス-25クロスポリマーであるAristoflex HMB等である。
【0113】
2. 高分子量PEG又はポリグリセリン
重合度が1,000〜200,000の範囲である様々なポリエチレングリコール(PEG)誘導体も、水相増粘剤として適している。かかる成分は、1000単位の重合度に従って「PEG」の表示で示され、例えばPEG-45Mは45,000個のエチレンオキシドの繰返し単位を有するPEGを意味する。適切なPEG誘導体の例には、PEG2M、5M、7M、9M、14M、20M、23M、25M、45M、65M、90M、115M、160M、180M等が含まれる。
【0114】
繰返し部分の数が15〜200、好ましくは約20〜100の範囲であるグリセリンの繰返し部分であるポリグリセリンも適している。適切なポリグリセリンの例には、CFTA名ポリグリセリン-20、ポリグリセリン-40を有するもの等が含まれる。
【0115】
G. 追加の植物抽出物
組成物には、α-グルコシダーゼ阻害活性を有する植物抽出物に加えて、一つ又は複数の植物抽出物を追加することが望ましい。その場合、提案される範囲は、組成物全体の重量の約0.0001〜10重量%、好ましくは約0.0005〜8重量%、より好ましくは約0.001〜5重量%である。適切な植物抽出物としては、植物(ハーブ、根、花、実、種)からの抽出物、例えば花、実、野菜などのもの、酵母発酵抽出物、パディナパボニカ(padina pavonica)抽出物、テルムステルモフィルス(thermus thermophilus)発酵抽出物、カメリナサティバ(camelina sativa)種子油、ボスウェッリアセッラタ(boswellia serrata)抽出物、オリーブ抽出物、アラビドプシスタリアナ(arabidopsis thaliana)抽出物、アカキアデアルバタ(acacia dealbata)抽出物、アケルサッカリヌム(acer saccharinum)(サトウカエデ)、アキドフィルス(acidophilus)、アコルス(acorus)、アエスクルス(aesculus)、アガリクス、アガベ(agave)、アグリモニア(agrimonia)、藻類、アロエ、柑橘類、アブラナ属、シナモン、オレンジ、リンゴ、ブルーベリー、クランベリー、モモ、ナシ、レモン、ライム、マメ、海藻、カフェイン、緑茶、カモミール、ウィロウバーク(willowbark)、桑の実、ケシ等などのものが挙げられる。さらなる具体的な例には、それに限定されるものではないが、グリキュッリザグラブラ(Glycyrrhiza Glabra)、サリクスニグラ(Salix Nigra)、マクロキュスティスピリフェラ(Macrocystis Pyrifera)、ピュルスマルス(Pyrus Malus)、サクシフラガサルメントサ(Saxifraga Sarmentosa)、ビティスビニフェラ(Vitis Vinifera)、モルスニグラ(Morus Nigra)、スクテッラリアバイカレンシス(Scutellaria Baicalensis)、アンテミスノビリス(Anthemis Nobilis)、サルビアスクラレア(Salvia Sclarea)、ロスマリヌスオフィキアナリス(Rosmarinus Officianalis)、キトゥルスメディカリモヌム(Citrus Medica Limonum)、パナクスギンセング(Panax Ginseng)及びそれらの混合物が含まれる。
【0116】
H. 日焼け止め剤
本発明の組成物には、一つ又は複数の日焼け止め剤を追加することも望ましい。かかる日焼け止め剤には、化学的なUVA若しくはUVB日焼け止め剤又は微粒子形態の物質的日焼け止め剤が含まれる。
【0117】
1. UVA日焼け止め化学薬品
所望により、組成物は、一つ又は複数のUVA日焼け止め剤を含むことができる。「UVA日焼け止め剤」という用語は、約320〜400nmの波長範囲のUV放射線を遮断する化合物を意味する。好ましいUVA日焼け止め剤は、一般式
【化14】

【0118】
を有するジベンゾイルメタン化合物であり、式中、R1はH、OR及びNRRであり、各Rは独立に、H、C1〜20直鎖又は分岐鎖のアルキルであり、R2はH又はOHであり、R3はH、C1〜20直鎖又は分岐鎖のアルキルである。
【0119】
好ましいのは、R1がORであり、RがC1〜20直鎖又は分岐アルキル、好ましくはメチルであり、R2がHであり、R3がC1〜20直鎖又は分岐鎖のアルキル、より好ましくはブチルであるものである。
【0120】
この一般式の適切なUVA日焼け止め化合物の例には、4-メチルジベンゾイルメタン、2-メチルジベンゾイルメタン、4-イソプロピルジベンゾイルメタン、4-tert-ブチルジベンゾイルメタン、2,4-ジメチルジベンゾイルメタン、2,5-ジメチルジベンゾイルメタン、4,4'ジイソプロピルベンゾイルメタン、4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン、4,4'-ジイソプロピルベンゾイルメタン、2-メチル-5-イソプロピル-4'-メトキシジベンゾイルメタン、2-メチル-5-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン等が含まれる。特に好ましいのは、アボベンゾンとも呼ばれる4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタンである。アボベンゾンは、Givaudan-Roure社から商標Parsol 1789及びMerck & Co.社から商標Eusolex 9020で市販されている。
【0121】
組成物は、UVA日焼け止め剤の組成物を約0.001〜20重量%、好ましくは0.005〜5重量%、より好ましくは約0.005〜3重量%含有することができる。本発明の好ましい実施形態では、UVA日焼け止め剤はアボベンゾンであり、それは組成物全体の重量に対して約3重量%を超えずに存在する。
【0122】
2. UVB日焼け止め化学薬品
「UVB日焼け止め剤」という用語は、約290〜320nmの波長範囲のUV放射線を遮断する化合物を意味する。米国特許第3,215,724号(参照によってその全体を本明細書に組込む)に記載のように、α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリル酸エステルを含む様々なUVB日焼け止め化学薬品が存在する。α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリル酸エステルのある特定の例はオクトクリレンであり、これはアクリル酸2-エチルヘキシル2-シアノ-3,3-ジフェニルである。幾つかの場合、組成物は、組成物全体の重量に対して約110重量%以下のオクトクリレンを含有することができる。適切な量の範囲は、約0.001〜10重量%である。オクトクリレンは、BASF社から商標Uvinul N-539で購入することができる。
【0123】
他の適切な日焼け止め剤には、米国特許第3,781,417号(参照によってその全体を本明細書に組込む)に記載のように、ベンジリデンカンファー誘導体が含まれる。かかるベンジリデンカンファー誘導体は、一般式
【化15】

【0124】
を有し、式中、Rはp-トリル又はスチリル、好ましくはスチリルである。特に好ましいのは4-メチルベンジリデンカンファーであり、これはMerck社から商標Eusolex 6300で販売されている脂溶性のUVB日焼け止め化合物である。
【0125】
一般式
【化16】

【0126】
を有するケイ皮酸誘導体も適しており、式中、R及びR1は、それぞれ独立に、C1〜20直鎖又は分岐鎖のアルキルである。好ましいのは、Rがメチルであり、R1が分岐鎖C1〜10、好ましくはC8アルキルであるものである。好ましい化合物は、オクトキシネート(Octoxinate)とも呼ばれるケイ皮酸エチルヘキシルメトキシ又はケイ皮酸オクチルメトキシである。化合物は、Givaudan Corporation社から商標Parsol MCX又はBASF社から商標Uvinul MC 80で購入することができる。かかるケイ皮酸メトキシのモノ、ジ及びトリエタノールアミン誘導体、例えばケイ皮酸ジエタノールアミンメトキシも適している。先の化合物の芳香族エーテル誘導体であるシノキサート(Cinoxate)も許容される。存在する場合、シノキサートは、組成物全体の重量の約3重量%以下とすべきである。
【0127】
UVB日焼け止め剤として適しているものには、一般式として、式中、R〜R9がそれぞれ独立に、H、OH、NaO3S、SO3H、SO3Na、Cl、R''、OR''であり、R''がC1〜20直鎖又は分岐鎖のアルキルである様々なベンゾフェノン誘導体もある。かかる化合物の例としては、ベンゾフェノン1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11及び12が挙げられる。特に好ましいのは、ベンゾフェノン誘導体がベンゾフェノン3(オキシベンゾンとも呼ばれる)、ベンゾフェノン4(スルイソベンゾンとも呼ばれる)、ベンゾフェノン5(スルイソベンゾンナトリウム)等であるものである。最も好ましいのはベンゾフェノン3である。
【0128】
一般式
【化17】

【0129】
を有する幾つかのサリチル酸メンチル誘導体も適しており、式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、H、OH、NH2又はC1〜20直鎖又は分岐鎖のアルキルである。特に好ましいのは、R1、R2及びR3がメチルであり、R4がヒドロキシ又はNH2であるものであり、この化合物は、サリチル酸ホモメンチル(ホモサレートともいう)又はアントラニル酸メンチルという名称を有する化合物である。ホモサレートは、Merck社から商標Eusolex HMSで市販されており、アントラニル酸メンチルは、Haarmann & Reimer社から商標Heliopanで市販されている。存在する場合、ホモサレートは、組成物全体の重量の約15重量%以下とすべきである。
【0130】
一般式
【化18】

【0131】
を有するものを含む様々なアミノ安息香酸誘導体は、適切なUVB吸収剤であり、式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、H、C1〜20直鎖又は分岐鎖のアルキルであり、これは一つ又は複数のヒドロキシ基で置換されていてもよい。特に好ましいのは、R1がH又はC1〜8直鎖若しくは分岐アルキルであり、R2及びR3がH又はC1〜8直鎖若しくは分岐鎖のアルキルであるものである。特に好ましいのは、PABA、エチルヘキシルジメチルPABA(パディメートO)、エチルジヒドロキシプロピルPABA等である。存在する場合、パディメートOは、組成物全体の重量の約8重量%以下とすべきである。
【0132】
サリチル酸誘導体も、許容されるUVB吸収剤である。かかる化合物は、一般式において、Rが直鎖又は分岐鎖のアルキルであるものとして表され、これにはモノ、ジ又はトリエタノールアミンから形成される先の化合物の誘導体が含まれる。特に好ましいのは、サリチル酸オクチル、TEA-サリチル酸、DEA-サリチル酸及びそれらの混合物である。
【0133】
一般に、存在するUVB日焼け止め化学薬品の量は、組成物全体の重量の約0.001〜45重量%、好ましくは0.005〜40重量%、より好ましくは約0.01〜35重量%の範囲であり得る。
【0134】
所望により、本発明の組成物は、約1〜50、好ましくは約2〜45、最も好ましくは約5〜30の範囲の幾つかのSPF(日焼け防止係数)値を有するように配合することができる。SPF値の算出は、当業者に周知である。好ましくは、特許請求の範囲に記載の組成物は4を超えるSPF値を有する。
【0135】
I. 粒状物質
本発明の組成物は、顔料の形態の粒状物質、不活性な微粒子又はそれらの混合物を含有することができる。存在する場合、提案される範囲は、組成物全体の重量の約0.1〜75重量%、好ましくは約0.5〜70重量%、より好ましくは約0.1〜65重量%である。組成物が顔料及び粉末の混合物を含み得る場合、適切な範囲は、組成物全体の重量に対して約0.01〜75重量%の顔料及び0.1〜75重量%の粉末を含む。
【0136】
1. 粉末
粒状物質は、着色された又は着色されていない(例えば白)非顔料粉末とすることができる。適切な非顔料粉末には、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、フュームドシリカ、球状シリカ、ポリメタクリル酸メチル、微粉化テフロン、窒化ホウ素、アクリル酸コポリマー、ケイ酸アルミニウム、オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム、ベントナイト、ケイ酸カルシウム、セルロース、白亜、トウモロコシデンプン、珪藻土、フラー土、グリセリルデンプン、ヘクトライト、水素化シリカ、カオリン、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、三ケイ酸マグネシウム、マルトデキストリン、モンモリロナイト、微結晶セルロース、米デンプン、シリカ、タルク、雲母、二酸化チタン、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ロジン酸亜鉛、アルミナ、アタパルジャイト、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、デキストラン、カオリン、ナイロン、シリル化シリカ、絹粉末、絹雲母、大豆粉、酸化スズ、水酸化チタン、リン酸三マグネシウム、クルミ殻粉末又はそれらの混合物が含まれる。先に列挙した粉末は、レシチン、アミノ酸、鉱油、シリコーン又は様々な他の薬剤の単独又は組合せで表面処理することができ、これらは粉末表面を被覆し、粒子をより親油性の性質にする。
【0137】
2. 顔料
粒状物質は、様々な有機及び/又は無機顔料を含むことができる。有機顔料は一般に、D&C及びFD&Cブルー、ブラウン、グリーン、オレンジ、レッド、イエロー等として示されるアゾ、インジゴイド、トリフェニルメタン、アントロキノン及びキサンチン染料を含む様々な芳香性の種類である。有機顔料は一般に、レーキと呼ばれる認定された染料添加物の不溶性金属塩からなる。無機顔料には、酸化鉄、ウルトラマリン、クロム、水酸化クロム染料及びそれらの混合物が含まれる。レッド、ブルー、イエロー、ブラウン、ブラック及びそれらの混合物の酸化鉄が適している。
【0138】
J. 保存剤
組成物は、組成物全体の重量に対して0.001〜8重量%、好ましくは0.01〜6重量%、より好ましくは0.05〜5重量%の保存剤を含有することができる。様々な保存剤が適当であり、これには安息香酸、ベンジルアルコール、ベンジルヘミホルマール、ベンジルパラベン、5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、ブチルパラベン、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、ジアゾリジニル尿素、安息香酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、カプリリルグリコール、ビグアニド誘導体、フェノキシエタノール、カプタン、二酢酸クロルヘキシジン、二グルコン酸クロルヘキシジン、クロルヘキシジン二塩酸塩、クロロアセトアミド、クロロブタノール、p-クロロ-m-クレゾール、クロロフェン、クロロチモール、クロロキシレノール、m-クレゾール、o-クレゾール、DEDMヒダントイン、ジラウリン酸DEDMヒダントイン、デヒドロ酢酸、ジアゾリジニル尿素、ジイセチオン酸ジブロモプロパミジン、DMDMヒダントインなどが含まれる。好ましい一実施形態では、組成物はパラベンを含まない。
【0139】
K. ビタミン及び抗酸化剤
本発明の組成物は、ビタミン及び/又は補酵素、並びに抗酸化剤を含有することができる。その場合、組成物全体の重量の0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜8重量%、より好ましくは0.05〜5重量%が提案される。適切なビタミンには、アスコルビン酸及びその誘導体、チアミン、リボフラビン、ピリドキシンなどのビタミンB、並びにチアミンピロリン酸、フラビンアデニンジヌクレオチド、葉酸、リン酸ピリドキサール、テトラヒドロ葉酸などの補酵素が含まれる。ビタミンA及びその誘導体も適している。その例は、ビタミンAパルミチン酸エステル、酢酸エステル、又はその他のエステル、並びにβカロテンの形態のビタミンAである。ビタミンE、及びビタミンE酢酸エステル、ニコチン酸エステル、又はその他のエステルなどのビタミンEの誘導体も適している。さらに、ビタミンD及びKが適している。
【0140】
適切な抗酸化剤は、損傷を防止又は遅延するのに役立つ成分である。本発明の組成物における使用に適した抗酸化剤の例は、亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、没食子酸プロピル、塩酸システイン、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール等である。
【0141】
本発明の一実施形態では、組成物は、実質的にグルコースを含まない。本発明の別の実施形態では、組成物は実質的に、アルドトリオース(グリセルアルデヒド)又はケトトリオース(ジヒドロキシアセトン)などのトリオース;アルドテトロース(エリトロース又はトレオース)又はケトテトロース(エリトロース)などのテトロース;アルドペントース(アラビノース、リキソース、リボース又はキシロース)又はケトペントース(リブロース又はキシルロース)などのペントース;アルドヘキソース(アロース、アルトロース、ガラクトース、グルコース、グロース、イドース、マンノース又はタロース)又はケトヘキソース(フルクトース、プシコース、ソルボース、タガトース)などのヘキソース;ケトヘプトース(マンノヘプツロース、セドヘプツロース)などのヘプトース;オクトース(オクオトロース、2-ケト-3-デオキシ-マンノ-オクトネート);或いはノノース(シアロース(sialose))などの単糖類を含まない。
【0142】
本発明の別の実施形態では、組成物は、グルコース若しくは他の単糖類、又は加水分解して単糖類を形成することができる1,4-αグリコシド結合を含有する二糖類若しくは多糖類を実質的に含まない。
【0143】
組成物が、1,4-αグリコシド結合を含有する二糖類を実質的に含まない実施形態では、かかる二糖類は、スクロース、ラクトース、トレハロース、セロビオース、マンノビオース又はマルトースである。
【0144】
組成物が、1,4-αグリコシド結合によって結合する糖類を含有する多糖類を実質的に含まない実施形態では、多糖類は、キサンタンガム、ジェランガム、デキストリン、デキストラン、セルロース等である。
【0145】
IV. 化粧用組成物
本発明の化粧用組成物は、皮膚用クリーム若しくはローション、又はファンデーション、メーキャップ、マスカラ、口紅、頬紅、アイシャドウなどの着色化粧用組成物は様々な形態であることができる。エマルション形態の場合、αグルコシダーゼ阻害剤は、誘導体の種類に応じて、エマルションの水相又は油相に存在しうる。例えば、幾つかのαグルコシダーゼ阻害剤は、親水性及び水溶性であることができ、一般にエマルションの水相に存在する。幾つかの他のαグルコシダーゼ阻害剤は、親油性であることができ、本発明の組成物がエマルション形態である場合には、エマルションの油相に存在する可能性がより高い。
【0146】
一般的な皮膚用クリーム又はローションは、約5〜98%の水、1〜85%の油及び約0.1〜20%の一つ又は複数の界面活性剤を含む。好ましくは、界面活性剤は非イオン性であり、シリコーン又は有機非イオン性界面活性剤の形態とすることができる。
【0147】
ファンデーション、頬紅、アイシャドウなどの一般的な着色化粧用組成物は、好ましくは、顔料、又は顔料及び粉末の組合せである約0.1〜65%の微粒子に加えて、約5〜98%の水、1〜85%の油及び約0.1〜20%の一つ又は複数の界面活性剤を含有することになる。
【0148】
一般的なマスカラ組成物は、一般に、アクリルコポリマーの水分散液、ポリウレタンの水分散液、又はシリコーン樹脂などのフィルムを形成する天然又は合成ポリマーに加えて、約5〜98%の水、1〜85%の油及び約0.1〜20%の界面活性剤を含有する。
【0149】
適切な口紅は一般に、約0.1〜95%の油、約0.1〜80%の構造化剤、好ましくは油相構造化剤、並びに約0.1〜50%の微粒子、好ましくは顔料及び粉末の混合物を含む。
【0150】
一般的な化粧水組成物は、一般に、約0.1〜99%の水、約0.1〜80%の保湿剤、及び場合によってα又はβヒドロキシ酸、植物などの他の成分、並びに特定の範囲の本明細書に示した他の成分からなる。化粧水は、クレンジング後に使用されることが最も多く、クレンジング後に皮膚を清潔にするためのコットンパッドで塗布される。
【0151】
典型的なクレンジング組成物は、一般に、約0.1〜99%の水、約0.1〜85%の界面活性剤、好ましくは発泡性又はクレンジング用界面活性剤、及び場合によっては保湿剤、植物などの他のコンディショニング成分を含む。典型的なクレンジング用界面活性剤は、本明細書に示したアニオン性、両性又は双性界面活性剤である。
【0152】
美容液も適しており、一般に、水及び水相増粘剤、植物などの成分を含有する水性ゲル又は水溶液の形態である。成分の適切な範囲は、水が約0.1〜90%、好ましくは約0.5〜85%、より好ましくは約5〜85%及び水相増粘剤が約0.001〜50%であり、補助成分の量は本明細書に示した通りであり、同じ一般的なパーセンテージ範囲である。
【0153】
V. 方法及びレジメン
本発明の組成物は、レジメン又は手法において適用することができる。例えば、本発明の組成物は、美容液、クリーム又はローションなどの洗浄剤、化粧水又は洗い流さないタイプの皮膚処置組成物の形態とすることができる。その場合、αグルコシダーゼ阻害剤を、異なる成分のいずれか一つ、二つ又は三つ全てに組み込むことができる。使用者が皮膚を洗浄し、洗浄剤をすすぐ場合、αグルコシダーゼ阻害剤の残留物が皮膚上に残るように、αグルコシダーゼ阻害剤を洗浄剤に入れることができる。或いは、αグルコシダーゼ阻害剤は、レジメンの一部である化粧水組成物に組み込むことができる。その場合、化粧水をコットンパッド又は類似物で皮膚に塗布すると、αグルコシダーゼ阻害剤が皮膚表面上に残ることになる。αグルコシダーゼ阻害剤は、レジメンの皮膚用クリーム又はローション部分に入れることも可能である。その場合、αグルコシダーゼ阻害剤は、皮膚用クリーム又はローションの形態で適用されると皮膚上に残ることになる。
【0154】
レジメンの様々な物質を、キット形態に入れることもできる。キットは、洗浄剤、化粧水及び洗い流さないタイプの皮膚処置組成物を含有することができる。或いはキットは、洗浄剤、化粧水及び洗い流さないタイプの皮膚処置組成物から選択される物質の二つのみを含有することもできる。
【0155】
好ましい一実施形態では、レジメン又はキットの物質の一つ又は複数は、α-グルコシダーゼ阻害剤を含有し、キットの物質の一つ又は複数はまた、グルコース、単糖類、又はαグルコシダーゼ阻害剤に曝露される際に単純な糖類に加水分解されうる1,4-αグリコシド結合を含有する二糖類若しくは多糖類を実質的に含まない。
【0156】
αグルコシダーゼ阻害剤を含有する組成物は、角質表面、好ましくは皮膚に、一日一回から五回適用することができる。好ましくは、組成物は、一日二回から三回適用される。皮膚は、朝に日中用クリームで処理され、夜に夜間用クリームで再度処理されることが最も多い。クレンジング及び化粧水物質を、処置方法に組み込むこともできる。
【0157】
(実施例)
本発明を、例示目的のみで示す以下の実施例に関連してさらに説明する。
【実施例1】
【0158】
本発明の方法、組成物及びキットで使用できる様々な植物抽出物のαグルコシダーゼ阻害活性は以下の通りである。
【表1】

【0159】
材料を、以下の通りαグルコシダーゼ阻害活性について試験した。
材料:標準の実験装置、UV透過性底部を備えた96ウェルハーフエリアプレート(Costar、3679)、8チャンネルマルチピペット(20〜200μl)及び分光光度計、Spectra Max Plus(Molecular Devices)。
試薬
(a) 蒸留水
(b) リン酸二水素カリウム
(c) ジメチルスルホキシド(Acros、12779)
(d) α-グルコシダーゼ-サッカロマイセスセレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)組換え型(最小でも125U/mgタンパク質)(Sigma、G0660)
(e) p-ニトロフェノール-α-D-グルコピラノシド(Sigma、N1377)
(f) 塩酸アウストラリン(Australine)、カスタノスペルムムアウストゥラレ(castanospermum australe)(Calbiochem、#189422)(参照阻害剤)
溶液の調製
- pH6.8の142mMリン酸カリウム緩衝液
- pH6.8の14.2mMリン酸カリウム緩衝液
- 14.2mMリン酸カリウム(基質溶液)中1.5mM p-ニトロフェニル-α-D-グルコシド(各ウェルにつき基質20μLが必要とされることに留意されたい)
- 水中のα-グルコシダーゼ5mU/mL(1単位は、pH6.8、37℃で1分当たりp-ニトロフェニル-α-D-グルコシドから1.0μモルのD-グルコースを遊離させる)(各ウェルにつき酵素溶液(GLU3)20μLが必要とされることに留意されたい)
- 142mMリン酸カリウム中1.3mMアウストラリンHCl(参照阻害剤)(この原液を使用すると、ウェル中のアウストラリンの最終濃度は0.8mMとなり、これはウェル中約50%の阻害を生じるはずである。各ウェルにつき参照阻害剤60μLが必要とされる)
サンプルの調製
試験サンプルの原液を、142mMリン酸カリウム緩衝液を使用して調製する(試験サンプルの可溶性は、DMSO/リン酸カリウム混合物を使用して改善することができる)。DMSOの最終濃度は、サンプル原液中1.66%のDMSOに相当する1%v/vを超えるべきではない。
手順
各ウェルに、基質溶液20μL及び潜在的阻害剤の溶液60μLをピペットで入れる。室温(25℃)で5分間平衡化する。
8チャンネルマルチピペットで、酵素20μLをピペットで取り、十分に混合する。基質及びグルコシダーゼの最終濃度は、それぞれ0.3mM及び1mU/mLである。吸収度を、200nMで測定した。
算出
潜在的阻害剤の各濃度について、吸収度対時間データの最初の傾斜である最初の反応速度を算出する。
最初の反応速度を、潜在的阻害剤の濃度の関数としてプロットする。IC50値は、最初の速度を50%減少させる阻害剤の濃度に相当する。
【実施例2】
【0160】
本発明の組成物を以下の通り調製した。
【表2】



【0161】
各組成物は、油及び水相を別個に組み合わせることによって調製し、十分に混合して乳化させた。
【0162】
本発明を、好ましい実施形態に関して記載してきたが、これは本発明の範囲を説明した特定の形態に限定するものではなく、むしろかかる代替、改変及び等価形態を、特許請求の範囲によって規定される本発明の趣旨及び範囲内に含まれ得るものとして包含することを企図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのαグルコシダーゼ阻害剤を含むエマルション化粧用組成物。
【請求項2】
水中油エマルションである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
グルコースを実質的に含まない、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
(i)単糖類、(ii)1,4-αグリコシド結合を含有する二糖類、(iii)1,4-αグリコシド結合を含む多糖類、及び(iv)それらの混合物から選択される成分を実質的に含まない、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
少なくとも一つの水相構造化剤、少なくとも一つの保湿剤、少なくとも一つの油をさらに含む水及び油エマルションであり、前記αグルコシダーゼ阻害剤が植物抽出物であり、単糖類を実質的に含まない請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
少なくとも一つの油、少なくとも一つの油相構造化剤、及び少なくとも一つのαグルコシダーゼ阻害剤を含む、無水化粧用組成物。
【請求項7】
前記少なくとも一つの油が、シリコーン油又は有機油である、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記油相構造化剤がシリコーンである、請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
口紅又はリップグロスである、請求項6に記載の組成物。
【請求項10】
微粒子をさらに含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項11】
少なくとも一つのαグルコシダーゼ阻害剤を含む組成物を角質表面に適用するステップを含む、角質表面に対する加齢又は日光による損傷の悪影響を緩和し、又はかかる表面を改善するために処置する方法。
【請求項12】
前記角質表面が皮膚である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
処置を受ける前記加齢又は日光による損傷の悪影響に、線、皺、弛緩、加齢による染み、不均一な着色若しくは皮膚の色合い、染み、乾燥、黄色若しくは褐色変、セルライト若しくはへこんだ皮膚、又は日焼けが含まれる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記組成物が一日一回から三回適用される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記組成物が、洗い流さないタイプの皮膚用クリーム又はローションの形態で適用される、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
洗浄剤、化粧水又は洗い流さないタイプの皮膚処置組成物から選択される少なくとも二つの物質を含み、前記物質の少なくとも一つがαグルコシダーゼ阻害剤を含む、皮膚を処置するためのレジメン。
【請求項17】
洗浄剤、化粧水及び洗い流さないタイプの皮膚処置組成物を含む、請求項16に記載のレジメン。
【請求項18】
前記洗浄剤、化粧水又は洗い流さないタイプの皮膚処置組成物の少なくとも一つが、αグルコシダーゼ阻害剤を含有する、請求項17に記載のレジメン。
【請求項19】
美容液、皮膚用クリーム又は皮膚用ローションの形態の洗浄剤、化粧水及び洗い流さないタイプの皮膚処置組成物を含み、前記物質の一つ又は複数が、(i)単糖類、(ii)1,4-αグリコシド結合を含有する二糖類、(iii)1,4-αグリコシド結合を含む多糖類、及び(iv)それらの混合物を実質的に含まない、請求項16に記載のレジメン。
【請求項20】
前記αグルコシダーゼ阻害剤が、植物抽出物の形態である、請求項16に記載のレジメン。
【請求項21】
洗浄剤を入れた容器、化粧水を入れた容器及び洗い流さないタイプの皮膚処置組成物を入れた容器の少なくとも二つを含む、皮膚を処置するためのキット。
【請求項22】
洗浄剤を入れた容器、化粧水を入れた容器及び洗い流さないタイプの皮膚処置組成物を入れた容器を含む、請求項21に記載のキット。
【請求項23】
前記洗浄剤、化粧水又は洗い流さないタイプの皮膚処置組成物の一つが、少なくとも一つのαグルコシダーゼ阻害剤を含む、請求項22に記載のキット。
【請求項24】
前記洗浄剤、化粧水及び洗い流さないタイプの皮膚処置組成物が、単糖類を実質的に含まない、請求項22に記載のキット。
【請求項25】
前記皮膚処置組成物がαグルコシダーゼ阻害剤を含有し、前記洗浄剤、化粧水及び皮膚処置組成物が、(i)単糖類、(ii)1,4-αグリコシド結合を含有する二糖類、(iii)1,4-αグリコシド結合を含む多糖類、及び(iv)それらの混合物を実質的に含まない、請求項22に記載のキット。

【公表番号】特表2010−539174(P2010−539174A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524900(P2010−524900)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/071484
【国際公開番号】WO2009/038875
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(598100128)イーエルシー マネージメント エルエルシー (112)
【Fターム(参考)】