説明

その場でのH2O2生成を伴う酸化方法およびそのためのポリマーカプセル化した触媒

酸化反応に有用な触媒が開示されている。この触媒は、チタンゼオライト、遷移金属およびポリマーを含み、チタンゼオライトまたは遷移金属のうちの少なくとも一方がポリマーの薄膜中にカプセル化されている。この触媒は、調製および使用が容易であり、回収および再使用が容易であり、また、プロピレンのエポキシ化を含めた、さまざまな重要な酸化方法において良好な変換をもたらす。本発明は、水素、酸素、および触媒の存在下に有機化合物を酸化することを含み、遷移金属がその場で過酸化水素の形成を触媒する方法を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チタンゼオライトによって触媒され、過酸化水素がその場で生成される酸化方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
チタンゼオライト、すなわちケイ酸塩の骨格中にチタン原子を組み入れた合成モレキュラーシーブは、さまざまな貴重な有機酸化反応を触媒する。アレーンの水酸化、アルカンの酸化、オレフィンのエポキシ化、チオエーテルの酸化、バイヤービリガー酸化反応、およびその他の重要な変換のための、チタンゼオライト、特にTS−1の多用途性はよく知られている。概説については、ピー・クマールらSynlett.(1995)289頁を参照されたい。酸化の化学にとってその価値が明白であるにもかかわらず、チタンゼオライトが、酸化反応の触媒としての使用の前にポリマー中にカプセル化されたことはなかった。
【0003】
多くのチタンゼオライトの触媒による酸化にとって、過酸化水素は選り抜きの酸化剤である。活性酸素含有量が高く、唯一の副産物が水であるゆえに、使用しやすい過酸化水素は「清潔な化学工業」に寄与する潜在的可能性がある(Pure Appl.Chem.72(2000)1289頁を参照)。しかし、主要な障害はコストである。過酸化水素は比較的高価であるので、科学者らは、通常パラジウムなどの白金族の遷移金属の存在下に、それを分子状の水素と酸素から「その場で(in satu)」発生させる方法を研究し続けている。その場で生成する過酸化水素は、チタンゼオライトと一緒にプロピレンのエポキシ化ならびにアルカンのアルコールおよびケトンへの酸化(Sci.Tech.Catal.(1994)31頁)を参照)、ならびにベンゼンのヒドロキシル化(J.Chem.Soc.,Chem.Commun.(1992)1446頁)のために使用されている。おそらく、それは過酸化水素を利用するさまざまな酸化方法に適用できる。チタンゼオライトおよびその場で生成する過酸化水素によるプロピレンのエポキシ化のさらなる例については、米国特許第5,973,171号、第6,005,123号、第6,063,942号、第6,310,224号および第6,498,259号を参照されたい。
【0004】
最近、小林修教授は「マイクロカプセル化」と呼ばれる技法に基づく新しい種類の触媒を概説した。(Chem.Commun.(2003)449頁およびその引用文献;Angew.Chem.,Int.Ed.40巻(2001)3469頁;J.Am.Chem.Soc.120巻(1998)2985頁を参照)。ポリマーによるカプセル化は、薬物の味をマスクし、薬物に保存安定性を与え、薬物による胃の炎症を抑え、薬物を標的に送達し、または薬物の放出を制御するために長年製薬業界おいて使用されているが、触媒に対してのこの技法の利点は、最近認識されつつある。小林は、金属をポリスチレン薄膜の中に包むと、高効率の触媒を作製することができることを実証した。マイクロカプセル化した遷移金属触媒とそれを製造する方法は、前に引用したChem.Commun.の論文に記載されている。このような方法は、エーテル化、オレフィンのジヒドロキシル化、アリル系置換、鈴木カップリング、および他の有機的な変換に使用されている。
【0005】
要するに、マイクロカプセル化した遷移金属の価値は、少なくとも1種の酸化反応(オレフィンのジヒドロキシル化)を含めて、多くの有機反応について実証されている。しかし、チタンゼオライトおよび遷移金属の組合せで、これらのうちの少なくとも一方がポリマーの中にカプセル化されているものを触媒として使用する酸化反応は、まだ探究されていない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、酸化反応に有用な触媒である。この触媒は、チタンゼオライト、遷移金属、およびポリマーを含み、チタンゼオライトまたは遷移金属のうちの少なくとも一方がポリマーの薄膜内にカプセル化されている。この触媒は、調製および使用が容易であり、回収および再使用が容易であり、またさまざまの重要な酸化方法において良好な転化率をもたらす。したがって、本発明は、水素、酸素および触媒の存在下に有機化合物を酸化することを含む方法であって、遷移金属がその場で過酸化水素の生成を触媒する方法を含む。
【0007】
1つの例では、ポリマーカプセル化したパラジウム触媒およびそれに混合されたチタンゼオライトの存在下に、プロピレンが水素および酸素と反応して、酸化プロピレンを生成する。驚くべきことに、ポリマーによるパラジウムのカプセル化は、触媒がその場で過酸化水素を生成することに殆ど、または全くマイナスの影響を与えない。さらに、チタンゼオライトのカプセル化のためにホスフィン−官能基化されたポリマーを使用すると、プロパンの形成(プロピレンの水素化による)の予期しなかった価値ある削減が達成され、したがって酸化プロピレンに対する選択性が高まる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の触媒は、チタンゼオライトを含む。チタンゼオライトは、骨格にチタン原子が組み込まれている、結晶性合成ケイ酸塩またはアルミノケイ酸塩として特徴づけられる。使用されるチタンゼオライトの選択は、多くの要素、特にそれが触媒する有機反応のタイプおよび反応物質の正体に左右される。例えば、オレフィンのエポキシ化において、ゼオライトの選択は、エポキシ化されるオレフィンのサイズおよび形状に左右される。オレフィンが、例えばエチレン、プロピレン、または1−ブテンのように低級オレフィンの場合、例えばチタンケイ酸塩のような比較的小さな細孔のチタンゼオライトを使用することが好ましい。オレフィンがプロピレンの場合、TS−1が特に好ましい。例えばシクロヘキセンのような嵩張ったオレフィンについては、ゼオライトベータと同形の構造を有する、例えばチタンゼオライトのようなより大きな細孔のチタンゼオライトが好ましい。
【0009】
特に好ましいチタンゼオライトには、一般にチタンシリカライトと呼ばれているモレキュラーシーブの種類、特にTS−1(ZSM−5と類似するトポロジーを有する)、TS−2(ZSM−11と類似するトポロジーを有する)、およびTS−3が含まれる。また、ゼオライトベータ、モルデナイト、ZSM−48、ZSM−12、およびMCM−41と同形の骨格構造を有するチタンゼオライトも適当である。好ましいチタンゼオライトは、少量のホウ素、鉄、アルミニウムなどが存在してもよいが、格子骨格にチタン、ケイ素、および酸素以外の元素を全く含まない。例えばTS−1のようなチタンケイ酸塩が最も好ましい。TS−1は、あらゆる公知の方法によって製造することができる。例えば米国特許第4,410,501号およびJ.Chem.Soc.Chem.Commun.(1995)155頁を参照されたい。
【0010】
触媒は、遷移金属を含む。適当な遷移金属は、第7〜11族にある。例えば、その最初の例には、MnからCuまでの遷移金属が含まれる。好ましい遷移金属は、Re、Au、および第8〜10族の金属である。特に好ましいものは、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Ag、およびAuである。過酸化水素を作るために水素ガスと酸素ガスとの反応を触媒することができる限り、遷移金属は、あらゆる適当な形態で存在することができる。例えば、それは、遊離金属(例えば、PtまたはPd金属)として、金属の混合物(例えば、Pd−Au、Pd−Ptなど)として存在し得るか、または、1種以上の金属と他の配位子を組み入れた錯体(例えばPtCl2、Pd(NH34Cl2、トリス(ベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、またはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0))の一部であり得る。遷移金属または遷移金属錯体は、ポリマー中にカプセル化される前に、シリカ、アルミナ、炭素、ゼオライト(例えば、チタンシリカライト)、粘土、例えば架橋されているポリスチレンのような有機ポリマー、またはその他の支持体上に担持させることができる。使用に適した遷移金属供給源の他の例には、Pd/C、Pt/C、Pd/シリカ、Pd/アルミナ、Pd/シリカライト、Pd/Y−ゼオライト、Pd/カオリン、Pd/ZSM−5、TS−1上のPd、TS−1上のPt、TS−1上のPd−Pt、PdCl2、PtCl2、Pd(NH32Cl2、PdBr2、Pd(NO32、パラジウム(II)アセテート、テトラキス(アセトニトリル)パラジウム(II)ビス(テトラフルオロボレート)、テトラキス(アセトニトリル)パラジウム(II)ビス(ヘキサフルオロホスフェート)、HAuCl4、Au23、RhCl3、IrCl3などが含まれる。
【0011】
チタンゼオライトまたは遷移金属の少なくとも一方をポリマーでカプセル化する。「カプセル化」とは、チタンゼオライト、遷移金属、またはその両方がポリマー中に組み込まれ、ポリマー薄膜層によって囲まれることを意味する。したがって、カプセル化は、ポリマー被膜の中にゼオライト、遷移金属、またはその両方の捕捉を含む。ポリマーでカプセル化されている触媒と相互作用するために、反応物質はポリマー被覆に浸透しなければならない。
【0012】
触媒を作製する際の使用に適したポリマーは、1種以上の重合性モノマーの、フリーラジカル重合、イオン性重合、または配位重合によって製造されるホモポリマーまたはランダムおよびブロックコポリマーである。一般に、ポリマーは、付加重合または縮合重合によって製造される天然または合成のポリマーである。この例には、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリウレア、ポリアクリル酸、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、フッ素化ポリマー、多糖類、ポリペプチド、ポリヌクレオチドなど、およびこれらの混合物が含まれる。特に好ましいものは、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリアクリル酸、およびポリウレアである。ポリマーは、バルク重合法、溶液重合法、懸濁または乳化重合法によって生成することができる。ポリマーは、炭化水素でもよく、または例えばヒドロキシル、アミン、ホスフィン、ホスフィン酸化物、アルシン、硫黄、硫黄酸化物、フルオロアルキル、アルコキシ、シラン、シロキシ、カルボキシなどの官能基を組み入れることもできる。
【0013】
ポリマー中に遷移金属およびチタンゼオライトをカプセル化するのに適した方法が多くある。これらの技法の幾つかは、味をマスクし、保存安定性を与え、または標的に薬物を送達するために医薬品をカプセル化するのに使用されており、他のものは固形殺虫剤粒子をカプセル化するために使用されている。好適な技法は、例えばスプレー乾燥、スプレー冷却、スプレー塗装、相分離およびコアセルベーション、射出処理被覆、流動化浸漬塗装、ドライオンドライ塗装、溶融押出、蒸着、インサイチュ界面重合を含めたインサイチュ重合などを包含する。これら等のマイクロカプセル化の技法は、Microcapsules and Nanoparticles in Medicine and Pharmacy,M.Donbrow,Ed.,1〜14頁の序章およびその引用文献、ならびにG.Beestman.“Microencapsulation of Solid Particles,”Controlled−Release Delivery Systems for Pesticides(1999),H.Scher,Ed.,31〜54頁に記載されている。米国特許第6,156,245号も参照されたい。
【0014】
相分離/コアセルベーションによるポリマーカプセル化は、1つの好ましい技法である。好適な手法は、小林らによって例示されている(ポリマーカプセル化剤としてのポリスチレンについては、Chem.Commun.(2003)449頁およびこの中に引用されている参考文献;Angew.Chem.,Int.Ed.40(2001)3469頁;J.Am.Chem.,Soc.120(1998)2985頁を参照)。Zairo Gijutsu 3(1985)29頁およびJ.Appl.Polym.Sci.89(2003)1966も参照)。
【0015】
特に好都合なコアセルベーション手法、すなわち小林の方法の変形法においては、ポリスチレンを、温シクロヘキサンに溶解する。遷移金属、チタンゼオライトまたは両方を溶解させるか、または混合物中に懸濁させる。0℃までゆっくりと冷却すると、相分離およびカプセル形成が起こる。マイクロカプセルを硬化させるためにヘキサンを加え、マイクロカプセルはその後単離して、洗浄し、そして乾燥させる。
【0016】
インサイチュ重合は、もう1つの好ましい技法である。遷移金属、チタンゼオライト、または両方を、モノマー、開始剤、およびその他の成分を含む反応媒体中に溶解させるか、または懸濁させ、そして重合を進行させて、ポリマーでカプセル化された触媒を生成する。モノマーは、親水性(例えばN,N−ジメチルアクリルアミド)、疎水性(例えばスチレン)またはこれらの組合せであってもよい。好適な技法は、バルク重合、乳化重合、懸濁重合、および界面重合である。
【0017】
1つの界面法は、ポリウレアでカプセル化された遷移金属の調製について、Leyらによって例示されている(Chem.Commun.(2002)1132頁および1134頁;およびChem.Commun.(2003)678頁)。この例において、重合性モノマーおよび遷移金属供給源を含む有機相を、乳化剤および/または安定剤を含む水相に懸濁させる。重合が起こり、界面においてマイクロカプセルの壁が形成される。マイクロカプセルを生成するインサイチュ重合のもう1つの例については、Adv.Powder Technol.13(2002)265頁を参照されたい。
【0018】
もう1つのインサイチュ重合の例において、溶解または懸濁されている遷移金属供給源またはチタンゼオライトの存在下で、スチレンまたはスチレンと他のエチレン性モノマーとの混合物を、よく知られた技法によって水性懸濁体中において重合させる。生成したポリマービーズは、カプセル化されている遷移金属、チタンゼオライトまたは両方を組み入れていて、本発明の方法による酸化触媒として使用に好適である。
【0019】
もう1つの好ましい方式においては、ポリマーは、フッ素化モノマーの繰り返し単位を組み入れている。特に好ましいものは、フッ素化アルコールをアクリルエステル前駆体と反応させることによって作られたフッ素化モノマーである。これらおよびその他の好適なフッ素化モノマーは、従前より知られている(Chem.Commun.(2002)788頁;Tetrahedron 58(2002)3889頁、Org.Letters 2(2000)393頁、Polym.Degrad.Stab.67(2000)461頁;およびChem.Commun.(2000)839頁を参照)。例えば、トリフルオロエチルメタアクリレート(メタアクリロイルクロライドとトリフルオロエタノールから)とスチレンとの重合は、フッ素化コポリマーを与える。ポリマーによるカプセル化は、その場あるいはその後に、相分離/コアセルベーションによって実行することができる。
【0020】
本発明のポリマーでカプセル化されている触媒は、その場で過酸化水素が生成される多種多様の酸化を促進させるのに有益である。したがって、本発明は、水素、酸素、および前記の本発明のポリマーでカプセル化されている触媒の存在下に有機化合物を酸化することを含む方法を包含する。好適な酸化方法には、アレーンのフェノールへのヒドロキシル化またはフェノールのカテコールへのヒドロキシル化(Angew.Chem.,Int.Ed.,42(2003)4937頁;J.Chem.Soc.Chem.Commun.(1992)1446頁;およびAppl.Catal.A 221(2001)63頁)を参照)、アルカンの例えばアルコールおよびケトンのような酸化生成物への酸化(Sci.Tech.Catal.(1994)31頁)、オレフィンのエポキシ化(Appl.Catal.A 221(2001)63頁;Sci.Tech.Catal.(1994)31頁)、チオエーテルの酸化(Synlett.(1995)289頁)シクロヘキサノンのアンモ酸化(Appl.Catal.A 221(2001)63、359頁)バイヤー−ビリガー酸化反応(Catal.Letters 40(1996)47頁)、およびその他の重要な変換が含まれる。一般的な概説については、Synlett.(1995)289頁を参照されたい。
【0021】
場合によっては、酸化方法は、溶剤の存在下に実施される。溶剤の選択は、酸化方法のタイプ、反応物質および生成物の溶解度、反応条件、装置のタイプ、およびその他の要素を含めた多くの因子に左右される。好適な溶剤には、例えば、水、アルコール、水/アルコール混合物、酸化炭化水素(エステル、ケトン、エーテル、または同様のもの)、脂肪族および芳香族炭化水素、液体または超臨界の二酸化炭素、アミド、スルホキシドなどが、ならびにこれらの混合物が含まれる。好ましい溶媒は、水、アルコール、二酸化炭素、およびこれらの混合物である。
【0022】
1つの好ましいその場での酸化方法において、有機化合物はオレフィンであり、酸化生成物はエポキシドである。特に好ましい方法において、オレフィンはプロピレンであり、エポキシドは酸化プロピレンである(後記の実施例1〜11および表1を参照)。チタンゼオライトおよびその場で生成された過酸化水素を用いてプロピレンから酸化プロピレンを製造する技法は、従前より知られている;例えば米国特許第5,973,171号、第6,005,123号、第6,063,942号、第6,310,224号、第6,403,815号および第6,498,259号を参照されたい。
【0023】
もう1つの好ましい酸化方法においては、有機化合物がチオエーテルであり、酸化生成物がスルホキシド、スルホン、またはこれらの混合物である。チオエーテルの酸化は、燃料流体中の硫化物含有不純物を、燃料からもっと容易に除去される、より極性の成分に変換するのに有用である。後記の実施例15は、この方法を例示する。
【0024】
アルカンのアルコール、ケトン、またはその他の酸化生成物への酸化は、本発明のもう1つの好ましい酸化方法である。この方法は、酸化生成物が、官能基化されていない炭化水素と比較して通常高価なので有用である。実施例16は、ポリマーでカプセル化されているTS−1上担持パラジウムの存在下にペンタンがどのように酸化され、C5ケトンとアルコールとの混合物を与えるかを示す。
【0025】
その他の有機化合物もまた本発明の過酸化水素およびポリマーでカプセル化された触媒を使用して効果的に酸化することができる。したがって、本発明はアレーンのフェノールへの酸化、フェノールのカテコールへの酸化、ケトンのエステルまたはラクトンへの酸化、オキシムを製造するためのアンモニアまたはアミンの存在下でのアルデヒドまたはケトンのアンモ酸化(例えばシクロヘキサノンのシクロヘキサノンオキシムへの変換)およびチタンケイ酸塩が触媒として作用する、公知の他の酸化を包含する(Synlett(1995)289頁を参照)。
【0026】
チタンゼオライトおよび遷移金属のポリマーでのカプセル化は、多くの利益を提供する。第1に、ポリマーでのカプセル化は、チタンゼオライトおよび遷移金属の回収を容易にする。粉末形態で使用される場合、チタンゼオライトまたは細分化された金属は、好ましくないことにフィルターを詰まらせ、反応系中に移行する可能性がある。これは、触媒をペレットに変えることによって、または触媒をスプレー乾燥することによって粒子のサイズを大きくすることで改善されることもあるが、そのような技法は、費用がかかる。ポリマーでのカプセル化によって、通常の濾過方法によって粒子を回収するのが容易になる(後記の実施例17、比較例18、および表2を参照)。さらに、回収されたポリマーでカプセル化されたチタンゼオライトおよび遷移金属は、さらなる処理をすることなく、多くの場合使用することができる。
【0027】
驚くべきことに、パラジウムまたはチタンケイ酸塩上のパラジウムのポリマーでのカプセル化は、触媒がその場で過酸化水素を生成できることに殆ど、または全くマイナスの影響を与えない。プロピレンのエポキシ化は、円滑に進行し、酸化プロピレンの良好な収率を与える(後記の実施例1〜7および比較例12〜14、表1を参照)。ホスフィン−官能基化されたポリマーが、チタンゼオライトのカプセル化に使用される場合、プロパン形成において予期しないそして価値ある減少が観察された(実施例8〜11および表1を参照)。実施例11に示されるように、ホスフィン−官能基化は、この方法において高い比率でH2を使用することを可能にし、これがプロパン形成を比較的低いレベルに保持しながらPOE収率の上昇をもたらす(実施例10と対比)。
【0028】
要するに、ポリマーでカプセル化された遷移金属およびチタンゼオライトは、製造し、使用するのが容易であり、これらは回収するのも、再使用するのも容易であり、通常チタンゼオライトが触媒として作用し、その場で生成される過酸化水素を酸化剤として使用するさまざまの酸化方法において良好な結果を与える。
【実施例】
【0029】
以下の実施例は、本発明を単に例示するものである。当業者であれば、多くの変形が本発明の趣旨および特許請求の範囲内にあることを理解するであろう。
【0030】
ポリマーでカプセル化された触媒の調製
【0031】
実施例A
ポリスチレンでカプセル化された(TS−1上のPd)の調製
超音波浴を使用して50℃でシクロヘキサン(60g)中にポリスチレンビーズ(3.0g)を溶解させる。この温かい溶液のサンプル(10.5g)をチタンケイ酸塩上の粉末化パラジウム(2.0g、比較例Hに記載されているように製造されたTS−1上の0.15重量%Pd)と合わせ、1時間、50℃で混合する。この混合物を0℃に冷却すると、コアセルベーションが起こる。カプセルを硬化させるためにヘキサン(20g)を加える。液体部分を注ぎ出し、そして固体をヘキサン(80g)に再懸濁させる。この混合物を約1分間均質化し、液体部分を注ぎ出す。固体を真空下に40℃で約1時間乾燥させる。その後、この固体をメタノール(80℃)で洗滌し、真空下に一晩乾燥させる。収量:2.19g、Pd:0.08重量%、Ti:1.7重量%。生成物は、約80重量%のTS−1を含む。
【0032】
実施例B
ポリスチレンでカプセル化されたPdの調製
40℃でシクロヘキサン(20mL)中にポリスチレンビーズ(1.0g)を溶解させる。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(アルドリッチ製、0.2g)を加えると、透明な溶液が生ずる。この混合物を0℃に冷却すると、コアセルベーションが起こる。カプセルを硬化させるためにヘキサン(50mL)を加える。液体部分を注ぎ出し、そして固体を真空下に40℃で乾燥させる。使用する前に乾燥固体を粉末に磨砕する。Pd:0.96重量%、P:1.19重量%、モル比P/Pd:4.26。
【0033】
実施例C
ポリスチレンでカプセル化されたPdの調製
1リットルのガラス製反応器にポリスチレンビーズ(10.0g)を仕込み、続いてシクロヘキサン(190g)を仕込む。この反応器をヘリウムで4回パージさせる。ポリマーを溶解させるためにこの混合物を1〜2時間かけて40〜50℃に加熱する。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(シクロヘキサン約10g中に1.0gが懸濁されている)を注射器によって加え、この混合物が室温まで冷えるように2時間混合を継続し、そして一晩冷却する。この凍った混合物にヘキサン(400mL)を加え、数分間均質化させ、液体部を注ぎ出す。この操作をさらにヘキサン(200mL)で繰り返し、回収された固体を真空下に40℃で1〜2時間乾燥させる。乾燥された固体をガラス製反応器に戻す。反応器にヘリウムをパージさせ、メタノール(135g)を加える。室温で1〜2時間混合後にこの混合物をヘリウムの下で一晩放置する。
【0034】
この混合物を窒素下で加圧濾過し、固体をメタノール(3×75mL)で洗滌する。40℃で1〜2時間真空乾燥後に、ポリマーでカプセル化されたパラジウム錯体を回収する。収量:8.60g;Pd:0.92重量%;P:0.77重量%;P/Pd:2.9。
【0035】
実施例D
ポリスチレンでカプセル化された(TS−1上のPd)の調製
1リットルのガラス製反応器においてシクロヘキサン(140g)中にポリスチレンビーズ(7.0g)を45〜50℃で1〜2時間かけて溶解させる。シクロヘキサン(約8g)中に懸濁されたテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(928mg)を加える。TS−1(14.0g、550℃で焼成)を加え、45〜50℃で混合を継続する。この混合物を室温にゆっくりと冷やし、冷たいヘキサン(約400mL)を加える。完全に混合した後、液状部分を注ぎ出す。固体を追加のヘキサンで洗滌後、均質化して、濾過する。回収された固体を40℃で真空下に乾燥して、細かな粉末に粉砕する。収量:20.2g;Pd:0.31重量%;Ti:0.88重量%、P:0.24重量%;モル比P/Pd:2.66。
【0036】
実施例E
ポリスチレンでカプセル化された(TS−1上のPd)の調製
1リットルのガラス製反応器においてシクロヘキサン(140g)中にポリスチレンビーズ(7.0g)を45〜50℃で1〜2時間かけて溶解させる。シクロヘキサン(約8g)中に懸濁されたテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(463mg)をヘリウム下に保持されている反応器に加える。シクロヘキサン(10g)中に懸濁されているTS−1(14.0g)を加え、45〜50℃で2時間混合を継続する。この混合物を室温にゆっくりと冷やし、一晩冷却する。
【0037】
冷たいヘキサン(200g)を加え、液状部分を注ぎ出す。追加のヘキサン(200g)を加え、均質化して、液体を注ぎ出す。回収された固体を40℃で真空下に乾燥して、細かな粉末に粉砕する。
【0038】
その粉末をメタノール(347g)中に再懸濁させ、窒素下で1〜2時間攪拌する。この混合物を濾過し、固体を再び真空下に乾燥させる。収量:20.4g;Pd:0.16重量%;P:0.063重量%;Ti:1.41重量%;モル比P/Pd:1.35。
【0039】
実施例F
Ph2P−官能基化されたポリマーでカプセル化された(TS−1上のPd)の調製
1リットルのガラス製反応器においてテトラヒドロフラン(70g)中にp−スチルジフェニルホスフィン(20g、0.070モル)、スチレン(25g、0.24モル)およびN,N−ジメチルアクリルアミド(19.8g、0.20モル)を溶解する。テトラヒドロフラン(2.5g)中のアゾビスイソブチロニトリル(AIBN、0.6g)の溶液を注入する。攪拌された混合物に窒素を十分にパージさせた後、これを80℃に5.5時間加熱する。反応器を冷却し、内容物を除去する。揮発分を除去すると、目的のホスフィン−官能基化された三元ポリマーが得られる。Tg=107℃;最大分子量=23,000;Mn=13,570;Mw=22,890;Mw/Mn=2.40。
【0040】
三元ポリマーのサンプル(2.0g)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(69mg)をテトラヒドロフラン(16g)中に溶解させる。この溶液にTS−1(4.2g)を混ぜ入れ、そして真空下に45℃に加熱することによって揮発分を除去する。収量:6.12g;Pd:0.09重量%;P:1.5重量%;N:1.1重量%。
【0041】
実施例G
Ph2P−官能基化されたポリマーでカプセル化された(TS−1上のPd)の調製
1リットルのガラス製反応器においてトルエン(100mL)中にp−スチルジフェニルホスフィン(16g)を溶解する。4−t−ブチルスチレン(60g)を加え、この混合物に窒素ガスをパージさせる。トルエン(4g)のアゾビスイソブチロニトリル(AIBN、0.5g)の溶液を注入し、攪拌された混合物を85℃に約4.5時間加熱する。反応器を冷却し、内容物を除去する。コポリマー溶液の収量:156g、固形分重量%:43.0。
【0042】
コポリマー/トルエン溶液のサンプル(4.66g、コポリマー約2.0g)にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(132mg)を合わせ、この混合物を40℃で30分間加熱すると、透明な深黄色溶液が得られる。この溶液にTS−1(6.0g)を混ぜ入れ、そして真空下に45℃に加熱することによって揮発分を除去する。回収された触媒は、暗黄色の粉末である。収量:7.89g;Pd:0.14重量%;Ti:1.6重量%;Si:31重量%。
【0043】
比較例H
TS−1上のPd0.2重量%の調製
TS−1(500g、550℃において空気中で焼成;Ti2.1重量%)を脱イオン化水(700mL)中でスラリー化する。テトラアミン−パラジウム(II)塩化物(脱イオン化水35g中の2.5g)を20分かけて混合しながら加える。スラリーを含む丸底フラスコを水浴(30℃)中で2時間、約30rpmで回転させる。スラリーを加圧濾過する;ケーキを脱イオン化水(400mL)中に再スラリー化し、そして再濾過する。洗滌工程を4回繰り返す。固体を一晩空気乾燥し、その後、恒量になるまで50℃で24時間真空下に乾燥する。Pd:0.15重量%;Ti:2.2重量%;Cl:<20ppm。
【0044】
比較例J
TS−1上のPd0.11重量%の調製
TS−1粉末(8.49g、0.2ミクロン、Ti1.6重量%、550℃において空気中で焼成)を脱イオン化水(12g)中でスラリー化する。テトラアミン−パラジウム(II)硝酸塩(さらに脱イオン化水1.0gで希釈されている、Pd5.37重量%を含む水溶液0.178g)を1分かけて混合しながら加える。スラリーをロータリーエバポレーターに投入し、30℃で10分間スラリーを混合する。5%の水酸化アンモニウム水溶液でpHを7.4に調整する。スラリーをさらに30分間回転させ、再びそのpHを7.4に調整する。スラリーを濾過する。フィルターケーキを脱イオン化水(15g)に再スラリー化させ、濾過することによって3回洗滌する。固体は、その後一晩空気乾燥し、そして真空オーブン中において50℃で6時間乾燥する。Pd:0.11重量%;Ti:1.5重量%。
【0045】
乾燥された固体を23℃から110℃に10℃/分で加熱し、110℃で2時間保持し、その後、300℃に2℃/分で加熱し、300℃で4時間保持することによって空気中でオーブン焼成する。その後、焼成した固体を石英管へ移し、50℃に加熱し、窒素(100cm3/分)中で4時間、水素5容量%で処理する。水素処理後、窒素を固体中に1時間通過させ、その後23℃に冷却する。
【0046】
実施例1〜11および比較例12〜14
プロピレンのエポキシ化−一般的方法
最初に脱イオン化水(900g)中にアンモニウム2水素リン酸塩(NH42PO4、11.5g)を溶解させ、30%アンモニウム水溶液をpH=6になるまで加えることによって緩衝溶液(0.1M、pH=6)を調製する。その後、溶液の容量を脱イオン化水で正確に1000mLになるまで増やす。
【0047】
300mLのステンレススチール反応器に表1に示される触媒(表に示されるように時折TS−1と混合した触媒A〜H)、緩衝溶液の一部(13g)およびメタノール(100g)を仕込む。反応器中で300psigを与えるように、反応器に水素(2%)、酸素(4%)、プロピレン(5%)、メタン(0.5%)および窒素(88.5%)を仕込む。供給ガスを1.60L/分(23℃、1気圧で)で連続的に通しながら、反応器中において圧力を最低300psigに維持する。実験中、反応器中の溶剤レベルを一定に維持するために酸素、窒素およびプロピレン供給を、メタノール(1.5L)を含む2Lのステンレススチール製の「サチュレーター」容器を通過させる。攪拌された反応混合物を60℃に加熱し、ガス状流出物をオンラインのガスクロマトクラフィによって1時間毎に分析する。試験(18時間)の終わりに液体をGCによって分析する。結果は表1に出ている。
【0048】
実施例15
2−メチルチオフェンのその場での酸化
100mLのParr反応器にポリスチレンでカプセル化された、TS−1上担持Pd(触媒A、100mg)、メタノール(18g)、脱イオン化水(2.0g)および2−メチルチオフェン(43mg)を仕込む。反応器を閉じて、窒素で加圧し、1気圧で排気する。その後、反応器を水素で(100psigに)加圧し、続いて窒素中の酸素(4%)の混合物で合計1292psigになるように加圧する。反応器を60℃に加熱し、1時間反応させる。反応混合物を23℃に冷却し、液体クロマトグラフィによって分析する。分析は2−メチルチオフェンの2−メチルチオフェンオキシド(スルホキシド)を含む酸化生成物への変換が25%であることを示している。
【0049】
実施例16
ペンタンのインサイチュ酸化
100mLのParr反応器にポリスチレンでカプセル化されたTS−1上のPd(触媒A、200mg)、t−ブチルアルコール(20g)、およびn−ペンタン(200mg)を仕込む。反応器を閉じて、窒素で加圧し、1気圧で排気する。その後、反応器を水素で(100psigに)加圧し、続いて窒素中の酸素(4%)の混合物で合計1292psigになるように加圧する。反応器を60℃に加熱し、2時間反応させる。反応混合物を23℃に冷却し、ガスクロマトグラフィによって分析する。分析はn−ペンタンの2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ペンタノールおよび3−ペンタノールを含む酸化生成物への変換が4%であることが示している。
【0050】
【表1】

【0051】
実施例17および比較例18
濾過性の比較
ポリスチレンでカプセル化されたPd/TS−1の濾過性をPd/TS−1粉末と比較する。固形分1重量%を含むメタノール/水(容量で8:2、50mL)中の触媒EまたはHの混合物を調製する。この混合物を2μmフィルターに通して320psigで濾過し、20mLおよび40mLのサンプルを集めるのに要する時間を記録する。結果は、表2に出ている。
【0052】
この結果は、Pd/TS−1粉末(比較例18)はフィルターをふさぐ傾向があり、長々とした濾過になる。ポリマーでのカプセル化は、反応混合物から容易に回収されるチタンゼオライト上担持Pd酸化触媒を製造する、容易で安価な方法を提供する。
【0053】
【表2】

【0054】
前述の実施例は、例示としてのみしか意味がない。次の特許請求の範囲が本発明を画定する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チタンゼオライト、遷移金属およびポリマーを含み、チタンゼオライトまたは遷移金属のうちの少なくとも一方がポリマー中にカプセル化されている触媒。
【請求項2】
チタンゼオライトがTS−1である請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
遷移金属がPd、Pt、Ru、Rh、Re、Auおよびこれらの混合物からなる群から選択される請求項1に記載の触媒。
【請求項4】
遷移金属がPdである請求項1に記載の触媒。
【請求項5】
ポリマーがポリスチレン、ポリオレフィン、ポリウレア、ポリアクリル酸、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、フッ素化ポリマー、多糖類、ポリペプチド、ポリヌクレオチドおよびこれらの混合物からなる群から選択される請求項1に記載の触媒。
【請求項6】
ポリマーがポリスチレンである請求項5に記載の触媒。
【請求項7】
ポリマーがリン−官能基化ポリスチレンである請求項1に記載の触媒。
【請求項8】
ポリマーでカプセル化されているPd/TS−1を含む請求項1に記載の触媒。
【請求項9】
TS−1と、ポリマーでカプセル化されているPdとの混合物を含む請求項1に記載の触媒。
【請求項10】
ポリマーでカプセル化されているTS−1と、担持されているPdまたは担持されているPd錯体との混合物を含む請求項1に記載の触媒。
【請求項11】
水素、酸素、および請求項1に記載の触媒の存在下に有機化合物を酸化することを含む方法。
【請求項12】
有機化合物がプロピレンであり、酸化生成物が酸化プロピレンである請求項11に記載の方法。
【請求項13】
遷移金属がPdであり、チタンゼオライトがTS−1である請求項11に記載の方法。
【請求項14】
ポリマーがポリスチレン、ポリオレフィン、ポリウレア、ポリアクリル酸、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、フッ素化ポリマー、多糖類、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、およびこれらの混合物からなる群から選択される請求項11に記載の方法。
【請求項15】
触媒がポリマーでカプセル化されているPd/TS−1である請求項11に記載の方法。
【請求項16】
触媒がTS−1と、ポリマーでカプセル化されているPdとの混合物を含む請求項11に記載の方法。
【請求項17】
触媒がポリマーでカプセル化されているTS−1と、担持されているPdまたは担持されているPd錯体との混合物を含む請求項11に記載の方法。
【請求項18】
水、アルコール、二酸化炭素、およびこれらの混合物からなる群から選択される溶媒の存在下に実施する請求項11に記載の方法。
【請求項19】
有機化合物がアレーンであり、酸化生成物がフェノールである請求項11に記載の方法。
【請求項20】
有機化合物がフェノールであり、酸化生成物がカテコールである請求項11に記載の方法。
【請求項21】
有機化合物がケトンであり、酸化生成物がエステルまたはラクトンである請求項11に記載の方法。
【請求項22】
有機化合物がアルデヒドまたはケトンであり、前記の方法がアンモニアまたはアミンの存在下に実施し、酸化生成物がオキシムである請求項11に記載の方法。
【請求項23】
有機化合物がアルカンであり、酸化生成物がアルコール、ケトン、またはこれらの混合物である請求項11に記載の方法。
【請求項24】
有機化合物がチオエーテルであり、酸化生成物がスルホン、スルホキシド、またはこれらの混合物である請求項11に記載の方法。

【公表番号】特表2007−528296(P2007−528296A)
【公表日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502810(P2007−502810)
【出願日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【国際出願番号】PCT/US2005/003205
【国際公開番号】WO2005/092502
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(505341095)ライオンデル ケミカル テクノロジー、 エル.ピー. (61)
【氏名又は名称原語表記】LYONDELL CHEMICAL TECHNOLOGY, L.P.
【Fターム(参考)】