説明

アクチュエータ

アクチュエータ(1)は、2個のモータ(5,13)と、出力部材と、ハーモニックギアとを備え、このハーモニックギアは、楕円波動ジェネレータと、この波動発生器に対して軸受(19)により連結し、波動ジェネレータの楕円形状と一致するように撓む可撓スプライン素子(18)と、可撓スプライン素子を包囲しかつ噛合する円形スプライン素子(11)と、を有する。ハーモニックギア素子の一方を出力部材に連結して、他方のハーモニックギア素子のそれぞれを、2個のモータのうち一方に連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共通出力部材を駆動する2個のモータを有するアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のアクチュエータは特許文献1(米国特許出願公開第2005/0229729号)に記載されている。これらモータを、遊星歯車減速機を介して出力部材に連結する。もし一方のモータが故障した場合、出力部材を他方のモータのみによって駆動する。このアクチュエータを使用して、航空機の着陸装置を格納状態にロックする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0229729号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1態様は、
2個のモータと、
出力部材と、および
ハーモニックギアと
を備え、このハーモニックギアは、
楕円波動ジェネレータコンポーネントと、
この波動ジェネレータコンポーネントに対して軸受により連結し、また前記波動ジェネレータコンポーネントの楕円形状に適合するように撓む可撓スプラインコンポーネントと、および
この可撓スプラインコンポーネントを包囲し、またそれと噛合する円形スプラインコンポーネントと、
を有するものとした、該アクチュエータにおいて、
前記ハーモニックギアにおけるの1個のコンポーネントを前記出力部材連結し、また前記ハーモニックギアにおける他のコンポーネントそれぞれを、それぞれに対応するモータに連結した、
アクチュエータを提供する。
【発明の効果】
【0005】
アクチュエータは、通常、多数の障害条件の下で作動し続けすることができ、障害条件としては、モータのうち一方のモータ障害、一方のモータと出力部材との間における駆動経路の故障、ハーモニックギアの故障がある。ハーモニックギアは、遊星歯車と比較して様々な利点があり、例えば低重量との兼ね合いでの高ギア比、コンパクトなサイズ、とくに軸線方向の小形サイズ、低バックラッシュ、低慣性モーメントの利点がある。
【0006】
ハーモニックギアにおけるコンポーネントのいずれも出力部材に連結することができるが、以下に記載する好適な実施形態においては、可撓スプラインコンポーネントを出力部材に連結する。
【0007】
アクチュエータは、さらに2個のブレーキを備え、各ブレーキは、ハーモニックギアにおけるコンポーネントの各個に制動力を加えるように構成することができ、この制動力は、コンポーネントを係合させる、そのハーモニックギアコンポーネントに関連する駆動経路における素子を係合させて加える。これにより、一方のモータが動力を供給し(または減衰力を発生するよう短絡する)、かつ他方のモータをブレーキによりロックするモードで、アクチュエータを作動させることができる。
【0008】
一般的に、アクチュエータは、さらに、2個のギアを備え、各ギアは、それぞれ対応するハーモニックギアにおける対応コンポーネントを有する対応モータに連結する。
【0009】
一般的に、前記出力部材と前記モータのうち第1モータとの間におけるギア比を、前記出力部材と前記モータのうち第2モータとの間におけるギア比と異なるものとする。このことにより、異なるモータを使用でき、このことにより、これらモータが同時に故障する可能性が少なくなる。
【0010】
本発明の第2の態様は、本発明の第1態様によるアクチュエータを作動させる方法を提供し、この方法はモータを同時に駆動するステップを有する。
【0011】
モータは、出力部材に対して逆方向および/または同方向にパワーを供給する。モータを同時に駆動させる状態でアクチュエータを作動させるとともに、;アクチュエータは、
・モータのうち少なくとも一方を、ハーモニックギアおける対応コンポーネントにより逆駆動する他のモード、
・モータのうち一方を短絡させて、減衰力を発生するさらに他のモード、および/または、
・ハーモニックギアにおける少なくとも1個のコンポーネントをロックするさらにまた別のモードで、作動させることができる。
【0012】
航空機は、ランディングギアを展開もしくは操舵するために、またはフラップもしくは補助翼などの空力制御面を展開するために、このようなアクチュエータを組み込むことができる。
【0013】
本発明の別の態様は、一個またはそれ以上の車輪と、本発明の第1態様によるアクチュエータであって、その出力部材を車輪に連結し、この出力部材の動きにより車輪を操縦する構成とした、航空機ランディングギアを提供する。
本発明の実施形態を、以下に、添付図面につき説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ハーモニックギアクチュエータの断面図である。
【図2】ランディングギア操舵機構の横断面図である。
【図3】ランディングギア操舵機構の縦断面図である。
【図4】操舵機構のための電子制御システムの線図的説明図である。
【図5】270VのDCバスで駆動したときの2個の駆動経路における、最大定格トルク出力を示すグラフである。
【図6】非常時の28VのDCバスで駆動したときの2個の駆動経路における、最大定格トルク出力を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、アクチュエータ1を示す。アクチュエータ1はハウジング2を備え、また高速駆動経路および高トルク駆動経路を備え、これら経路は、それぞれ共通の出力部材に連結する。高速駆動経路は、ブレーキ4と、電動モータ5と、互いに連動する5個の歯車6〜10よりなる歯車セットを有する高減速比変速装置と、および円形スプライン11とを備える。高トルク駆動経路は、ブレーキ12と、電動モータ13と、3個の歯車14〜16を有する高トルク変速装置と、および波動ジェネレータ17とを備える。
【0016】
高速駆動経路および高トルク駆動経路は並列的に動作し、また双方の経路を可撓性スプライン18に連結し、この可撓性スプライン18は、ハウジングから突出してアクチュエータの出力部材として作用するシャフトを有する。2個の駆動経路を駆動して同一の機械的動力を伝達するとき、高速駆動経路におけるモータ5は、高トルク駆動経路におけるモータ13よりも相当高速で回転する。例えば高速駆動経路のギア比は1600:1とすることができ、高トルク駆動経路のギア比は53:1とすることができる。言い換えれば、出力部材は、高速モータ5の1600回転毎、および高トルクモータ13の53回転毎に、1回転する。
【0017】
図1からは明らかではないが、波動ジェネレータ17は輪郭が楕円形である。可撓スプライン18は波動ジェネレータを包囲し、またこの波動ジェネレータに対して接触面(インタフェース)軸受19により連結する。可撓スプライン18は、波動ジェネレータ17の楕円形状に適合するよう可撓性材料から形成する。可撓スプライン18は、環状の円形スプライン11の内周縁における歯と噛合する多数の歯を外周縁に有する。可撓スプライン18は円形スプラインより歯が2個少ない。したがって、波動ジェネレータ17が時計方向に一回転する毎に、可撓スプラインは2個の歯ずつ反時計方向回転し、したがって、高ギア比Rを生ずる。ギア比Rは円形スプライン11の1/2が担持する歯数により決定される。このギア比Rは、一般的に30〜160の間における値である。
【0018】
従来のハーモニックギアにおいて、円形スプラインは固定されている。これとは対照的に、アクチュエータ1において、円形スプライン11は、代わりに、高速駆動経路の一部を形成する。アクチュエータ1を試作設計する例として、一般的に選択すると考えられるコンポーネント(構成部材)を、以下の表1に示す。
【表1】


注:上記推定に基づくアクチュエータの総重量は28kgである。
【0019】
アクチュエータ1は、航空機の多数の箇所に、または航空機でない用途に実装することができる。例えば、アクチュエータを補助翼などの翼の制御面に使用することができる。図2〜6につき以下に説明する実施形態においては、アクチュエータ1を、操舵トルクをノーズランディングギアのレッグピニオンに加えるのに使用する。
【0020】
図2および3を参照すると、ノーズランディングギアのレッグピニオン20を、航空機機首(図示せず)から下方に突出する支柱内21内に、回転可能に収容する。
【0021】
可撓スプラインから突出する出力軸上のかさ歯車22は、ピニオン20上のかさ歯車23に噛合する。したがって、可撓スプライン18が回転すると、ピニオン20がその軸線の周りに回転し、ノーズランディングギアの車輪を操舵する。かさ歯車22,23は、最終減速比2:1を生ずる。
【0022】
システムの電気的インタフェースを図4に示す。この電気的インタフェースを、名目上は270Vで動作する2個の高電圧DCバス30,31により、駆動する。電気的操舵制御装置32,33の対は、DCバス30,31に接続し、また三相機器である電動モータ5,13を駆動するのに必要な電力ブリッジ装置を収容する。各操舵制御装置32,33は、操舵輪34およびラダーペダル35からの入力を受信する。各操舵制御は、さらに、ブレーキ4,12およびモータ5,13に接続した制御ラインを有する。パワーアップの際には、すべてのコンポーネントを1個のチャネル、すなわち操舵制御装置32または操舵制御装置33によってのみ制御する。代案として、各操舵制御装置32,33は、1個のブレーキおよび1個のモータのみに作用するようにすることができる。この場合、ブレーキ制御ライン40,41およびモータ制御ライン42,43を取り外すことにより、ランディングギアにおける一層の軽量化を行うことができる。
【0023】
アクチュエータ1の動作挙動を以下に表2で説明する。表2において、2個の駆動経路内に供給されるパワーの意味に以下のキーワードを付与する。
開:駆動経路が開回路であり、逆駆動が自由である。
ロック:駆動経路を機械的にロックする。
差込み:駆動経路内部のモータがその位相にわたり短絡し、回転速度にほぼ正比例する割合で運動に対抗する機械的減衰力を発生する。
l:加わるトルク/速度が正方向である。
−l:加わるトルク/速度が負方向である。
【表2】

このように、通常作動中、アクチュエータは、表2に示した作動モード間で任意の一個に切り替えることができ、この切替えは、種々の状態の間でモータに対して選択的にブレーキおよび/または切替えを加えることによって行う。故障やパワー異常が生じた場合に、アクチュエータは等価の障害モードで作動する。
【0024】
非アクティブ/非アクティブモード
このモードにおいて、アクチュエータの出力は完全に逆駆動可能である。双方のDCバスが故障した、または供給ケーブルが切断したときに、等価障害モードにする。システムは、このモードでは逆駆動可能である。地上で航空機をけん引するときにこのモードを使用することができる。
【0025】
非アクティブ/ブレーキ(ブレーキ/非アクティブ)モード
これら2つのモードにおいて、アクチュエータの出力は完全に逆駆動可能である。ブレーキをかけた経路内に機械的故障が起こったときに、等価障害モードにする。非アクティブのフリーな経路内には慣性減衰が発生する。
【0026】
差込み/ブレーキ(ブレーキ/差込み)モード
これらの2つのモードにおいて、フリーなモータが短絡して、速度の関数としての減衰力を与える。各モータには、これらモードにおいて再発生したパワーを吸収するパワー抵抗器(図示せず)などのシンクを設けることができる。これらモードのどちらか一方を使用して、航空機の着陸に際して、いわゆる「異常振動減衰(shimmy damping)」を行うことができる。等価障害モードにおいて、機械的故障がブレーキをかけた経路内に起こる。他の差込み/差込みモード(表2には示さず)もまた、異常振動減衰の代替モードとして使用することができる。
【0027】
高速モード
このモードにおいて、ハーモニックギアを1:1の変速装置として使用し、言い換えれば円形スプラインと波動ジェネレータが一緒に回転する。力干渉の危険性はない。等価障害モードはハーモニックギア内部の故障である。この等価障害モードにおいて、システムは2個の入力モータから直接トルクを伝達する能力を維持する。しかし、この等価障害モードにおいて、2個の変速装置は互いを回転し合うことを余儀なくして、変速装置間のねじれに関する不一致が、力干渉および熱的および電気的負荷を生ずることになる。
【0028】
高トルクモード
このモードにおいて、2つの駆動経路に供給されるパワーの符号は反対であり、異なるギア比を使用する。等価障害モードは存在しない。
【0029】
高速経路ブレーキモード
このモードにおいて、完全に異なるギア比を使用する。アクチュエータは減少した速度で作動すべきであるが、賢明なギア比の選択により、アクチュエータは100%の出力トルク利用可能性を維持しなくてはならない。等価障害モードにおいて、高速経路内に故障が存在する。
【0030】
高トルク経路ブレーキモード
このモードにおいて、完全に異なるギア比を使用する。アクチュエータは減少した速度で作動すべきであるが、賢明なギア比の選択により、アクチュエータは100%の出力トルク利用可能性を維持しなくてはならない。等価障害モードにおいて、高トルク経路内に故障が存在する。
【0031】
ブレーキ/ブレーキモード
記載した実施形態において、適度なサイズのブレーキはシステムを逆駆動できないようにするのを確実にするのに十分である。
【0032】
高速コンポーネント(すなわちモータ5、変速装置(ギアボックス)6〜10およびブレーキ4)は、全負荷トルクを支持できなければならず、なぜならそれらは高トルク経路と並列に連結しているからである。このことは、高速コンポーネントを分解点検することを、高負荷で作動しているとき高トルクコンポーネントが妨害する。
【0033】
図1に示したアクチュエータ1は可撓スプライン18を出力部材として使用する。高速経路(円形スプライン11を含む)をロックするときのギア比は、したがって−Rである。同様に、高トルク経路(波動ジェネレータ17を含む)をロックするときのギア比はR/R+1である。
【0034】
アクチュエータが逆駆動される(可撓スプライン18が入力部材となる場合)場合、ギア比は、円形スプライン11がロックされているときに−1/Rであり、波動ジェネレータ17がロックされているときに(R+1)/Rである。
【0035】
代替の変速装置(図示せず)において、可撓スプライン18をロックするためにブレーキを設けることができる。このことは、2つのさらなる可能性をもたらす。すなわち、
・円形スプライン11が入力、また波動ジェネレータ17が出力であるとき、ギア比を1/R+1とする、また
・波動ジェネレータ17が入力、また円形スプライン11が出力であるとき、ギア比をR+1とする。
【0036】
ブレーキ4,12は、各モータ5,13が故障時に、これらモータをブレーキにより駆動するような大きさとする。
【0037】
双方の変速装置は逆駆動可能であることに留意されたい。
【0038】
逆モードおよび障害モードにおいて、アクチュエータはある用途内で全トルク能力を提供すべきであるが、しばしば達成可能な速度の減少も許容すべきである。
【0039】
2個のアクチュエータの負荷経路における定格負荷能力を図5に示す。(図5は、出力における、他の2:1のかさ歯車減速比に先立つ能力を示す。)供給電圧に基づいて、モータ速度は人工的に制限しなければならず、これは、変速装置およびブレーキコンポーネントが許容角速度に対して物理的上限を有するためである。
【0040】
ハーモニックギアは差動装置として作用し、したがって高速経路の能力がカバーする全負荷および速度は、二つの負荷経路からの入力の組み合わせにより効率的に達成されることに留意されたい。
【0041】
28Vの非常用バス44を設け、高電圧DCバス30,31の双方に障害を生じた場合にアクチュエータ1を作動させるようにする。この非常用バスの作動中、大幅に低下した性能を容認しなければならないことが想定される。図6は、最小28Vでの作動中の速度能力に対する負荷経路の負荷を示す。システムは、0.9deg/sに速度で最大トルク状態、および4deg/sの無負荷最大速度を達成することができる。減衰およびフリーキャスターモードは依然として完全に利用可能である。
【0042】
通常の操舵条件下では、2個のモータを、高速モードおよび高トルクモードの両極端ケース間におけるある時点で、制御則に基づいて同時に駆動する。制御則は、通常条件下において、規定最適性能限界内で作動する。例えば、各モータによる電力入力の制御により、モータ電流または供給電流を最小化するようにシステムを制御することができる。
【0043】
ブレーキ4,12を双安定装置に交換することができる。
【0044】
また、減衰、すなわち、高速モータ5を制動する、高トルクモータ13を短絡または差込みする機会もあり、これにより、高速モータ5に大きな機械的利点をもたらす。予備推定では、80kNms/radの減衰率を発生するであろうことが示されている(磁気的スリップが0であると仮定して)。このことは、減衰要件の大部分に対して十分過ぎると考えられる。
【0045】
軽量で障害耐性がある電気−機械的アクチュエータのコンセプトは、一般的に以下の設計上の利点を有することがわかった。
1.極めて高いパワー−重量比。
2.完全に機械的冗長性と故障許容性。
3.休止状態になる障害モードが存在しない。
4.異なる初期駆動経路(モータおよび変速装置は異なるタイプとすることができ、しかし、必ず異なるサイズとする)。
5.通常条件下では力干渉を生じないアクチュエータ。
6.ブレーキ質量のオーバーヘッドが極めて低い。
7.連続的に変化する超広範囲なトルク/速度特性。
8.逆駆動条件による損傷が減少する。
9.通常状態における自由な逆駆動可能性(この機能のための追加コンポーネントを加えることなく可能である)。
10.第1障害後の設計に内在する痕跡を追跡できない。
11.3重および4重アーキテクチャの範囲での電気的システム冗長性。
12.支持する航空機アーキテクチャ融通性の範囲。
13.極めて高い減衰能力。
14.広範囲の作動電圧での作動
【0046】
本発明を一つ以上の好適な実施形態につき説明したが、当然のことながら添付の特許請求の範囲に定義した本発明の範囲から逸脱することなく、様々な改変および変更をすることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータであって、
2個のモータと、
出力部材と、および
ハーモニックギアと
を備え、このハーモニックギアは、
楕円波動ジェネレータコンポーネントと、
この波動ジェネレータコンポーネントに対して軸受により連結し、また前記波動ジェネレータコンポーネントの楕円形状に適合するように撓む可撓スプラインコンポーネントと、および
この可撓スプラインコンポーネントを包囲し、またそれと噛合する円形スプラインコンポーネントと、
を有するものとした、該アクチュエータにおいて、
前記ハーモニックギアにおける1個のコンポーネントを前記出力部材連結し、また前記ハーモニックギアにおける他のコンポーネントそれぞれを、それぞれに対応するモータに連結した、アクチュエータ。
【請求項2】
請求項1に記載のアクチュエータにおいて、前記可撓スプラインコンポーネントを前記出力部材に連結したアクチュエータ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のアクチュエータにおいて、さらに、2個のブレーキを備え、各ブレーキは、前記ハーモニックギアにおけるコンポーネントの各個に制動力を加えるよう構成した、アクチュエータ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、さらに、2個のギアを備え、各ギアは、それぞれ対応するハーモニックギアにおける対応コンポーネントを有する対応モータに連結した、アクチュエータ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、前記出力部材と前記モータのうち第1モータとの間におけるギア比を、前記出力部材と前記モータのうち第2モータとの間におけるギア比と異なるものとした、アクチュエータ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のアクチュエータを作動させる方法において、モータを同時に駆動するステップを有する、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、さらに、前記出力部材に対して逆方向にパワーを供給するようモータを駆動するステップを有する方法。
【請求項8】
請求項6または7に記載の方法において、
前記モータを同時に駆動するモードでアクチュエータを作動させるステップと、
モータのうち少なくとも一方を、前記ハーモニックギアにおける対応コンポーネントにより逆駆動する他のモードで、アクチュエータを作動させるステップと、を有する方法。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法において、
前記モータを同時に駆動するモードで前記アクチュエータを作動させるステップと、
前記モータのうち一方を短絡させて、減衰力を発生するさらに他のモードでアクチュエータを作動させるステップと、を有する方法。
【請求項10】
請求項6〜9のいずれか一項に記載の方法において、
前記モータを同時に駆動するモードでアクチュエータを作動させるステップと、
前記ハーモニックギアにおける少なくとも1個のコンポーネントをロックするさらにまた別のモードでアクチュエータを作動させるステップと、を有する方法。
【請求項11】
請求項6〜10のいずれか一項に記載の方法において、前記出力部材を航空機のコンポーネントに連結する、方法。
【請求項12】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のアクチュエータを備える航空機。
【請求項13】
航空機ランディングギアであって、1個またはそれ以上の車輪と、請求項1〜5のいずれか一項記載のアクチュエータであって、その出力部材を車輪に連結し、この出力部材の動きにより前記車輪を操舵する構成とした、航空機ランディングギア。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−504485(P2010−504485A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528795(P2009−528795)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【国際出願番号】PCT/GB2007/050532
【国際公開番号】WO2008/038037
【国際公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(302053010)エアバス・ユ―ケ―・リミテッド (54)
【Fターム(参考)】