説明

アプリケータおよびワックス分散物を含む製品

本発明はクレンジングおよびその他の用途のための製品に関係しており、この製品は、一定のパフ(プーフ)、パッド、スポンジ、発泡体、ミット、手袋、綿棒、コットン・ボールまたはバー等のような一定のアプリケータを含み、この製品には一定のワックス分散物および一定の水性の相が供給されている。本発明はさらに上記のような製品の製造方法および使用方法に関係している。

【発明の詳細な説明】
【発明の内容の開示】
【0001】
発明の分野
本発明はクレンジングおよびその他の用途のための製品に関係しており、これらの製品は一定のパフ(プーフ)、パッド、スポンジ、コットン・ボール、綿棒、ブラシ、手袋、ミットまたはバーを含む、これらの製品には一定のワックス分散物が供給されている。本発明はさらにこれらの製品の製造および使用方法に関係している。
【0002】
発明の背景
種々の有用品を一定の表面に配給するための複数のアプリケータが開発されており、これらのアプリケータは、例えば、弾性または非弾性であるか再使用可能か廃棄可能である等のように、材料の選択によりよく分かるような、多様な性質を有している。これらのアプリケータは種々のクリーム、ペースト、ゲル、液体、粉末等の形態で一定の表面に種々の成分を供給するために用いられている。特に、これらのアプリケータは美顔用、皮膚科学用等の種々の製品を含む皮膚に局所的な調剤を供給するために用いられている。これらのアプリケータは一定の別の製品と共に用いられており、あるいは、一定量の製品により含浸または被覆されている。
【0003】
特定の種類のアプリケータはワイパーであり、これらは成人および乳幼児のための多様な適用性が見られる重要な製品の種類になりつつある。これらの例は顔または身体のクレンジング用ワイパー、スキン・トリートメント用のワイパーおよびスキン・コンディショニング用のワイパーを含む。
【0004】
最近の数十年間にわたり、いわゆる「ウェット・ワイパー(wet wipes)」が上記のような用途に特に適している製品として有用になりつつある。これらの製品は一般的に一定の適当なローションにより不織状の生地により作成した種々のワイパーを含浸することにより製造されている。
【0005】
上記のワイパーの領域における開発はそのワイパー自体、ならびに、ワイパーの材料およびこれに適用または供給するローションに集中している。さらに、ワイパーの基本的な浄化用の特性に加えてスキンケアの有益性を提供するローションが開発されている。
【0006】
しかしながら、この種の製品は依然として改善の余地を残している。第1に、上記ローションのわずかな部分のみが使用中にワイパーから放出される。従って、大量の比較的に効果なローションが皮膚に配給されずにその消費者に全く恩恵を与えておらず、その製品が使用後に廃棄される場合にむだになっている。このことはまた高価であるが比較的に有効な種々の成分の使用を妨げている。第2に、配合の観点から、クレンジングにおいて有効な種々の成分は通常においてスキンケア用の物質に対して相溶性を有していないので、単一のローションにおけるクレンジングの特性とスキンケアの利点との最適化には明らかな矛盾が存在する。
【0007】
クレンジングにおける別の重要な因子は多数のよごれが水に対する相溶性を有しており、それゆえ、種々の水性配合物により容易に除去されるが、その他のよごれは脂質に対する相溶性を有しており、それゆえ、種々の脂質または油性の配合物により適当に除去されると言う事実である。従って、種々のよごれの完全で有効な除去は一定のワイパーの中またはその上における水性および油性の成分の存在を必要とする。
【0008】
上記のことは特に乳児または幼児のために用いる製品において言える。この場合に、不適当な浄化は個人的な不快感を生じるだけでなく、おむつかぶれやその他の感染に関連する種々の兆候も生じる。すなわち、おむつかぶれを防ぐ最も有効な方法は皮膚を完全に浄化して病因として認識されている種々の微生物を除去することであることが示されている。また、上記のような微生物の発生源はおむつの装着中に乳児の皮膚に残る可能性のある便の付着物である場合が多い。しかしながら、便の付着物は水溶性および油溶性の両方の物質により構成されているので、おむつの領域からの便の付着物の完全な除去は水性および油性の両方の物質を必要とする。
【0009】
また、米国特許第4,987,632号は汚れた種々の表面の浄化において使用するための一定の実質的に指触乾燥状態のワイパー用物品を開示しており、この場合に、湿ったバリアがそのシートの表面を被覆している。また、PCT国際公開第WO99/13861号および米国特許第6,153,208号は実質的に乾燥状態の個人浄化用物品を開示しており、この場合に、その支持体は多数の層を有している。さらに、米国特許第6,280,757号は乾燥状態であって特定の寸法および頻度の孔を有する一定の支持体を有している浄化用の物品に関係している。
【0010】
本発明による製品は一定のワックス分散物を含む一定のアプリケータにより構成されていて、有効な浄化用の用具およびスキンケア成分の効率的なアプリケータになることが分かっている。
【0011】
発明の概要
本発明は一定のワックス分散物が供給されており、種々の成分を種々の表面、特に皮膚に対して伝達するための、一定の多孔質または吸収性のシート以外の、一定のアプリケータを含む製品に関係している。
【0012】
特に、上記のアプリケータは一定の表面、特に使用者の皮膚に種々の成分を伝達することができる任意の三次元の支持体または基材である。
【0013】
上記のような支持体の例は種々のパフ、パッド、スポンジ、バー、ブラシ、コットン・ボール、手袋、ミット、またはコットンを先端に付けた綿棒である。
【0014】
上記のアプリケータは一定の脂質および一定の水性の相を保持および/または吸収できるように構成されている種々の材料により作成されている。それゆえ、これらのアプリケータが作成されている材料は本質的に多孔質または吸収性であると言える。また、これらの材料は特に高分子であり、天然物または非天然物の両方であり得る。
【0015】
好ましくは、上記ワックス分散物は上記アプリケータの一面または幾つかの面の表面または表面部分に存在している。
【0016】
本発明は特に一定のワックス分散物が供給されている一定の多孔質または吸収性のシート以外の、一定のアプリケータを含む種々の製品に関係しており、この場合に、そのワックス分散物は
(a)適当なワックス成分を含む一定のワックス相を含み、このワックス相が周囲温度よりも高く、特に25℃に等しいかこれよりも高い一定の融点または溶融範囲を有しており、さらに
(b)一定の水性の相を含む。
【0017】
特定の実施形態において、上記分散物の全重量に対して、上記(a)において述べられているワックス相は1乃至75(重量/重量)%の一定の量で存在しており、上記水性の相は25乃至99(重量/重量)%の一定の量で存在している。さらに具体的な実施形態において、上記ワックス分散物はさらに一定の適当な乳化剤を含む。
【0018】
さらに別の態様において、本発明は上記のような種々の製品を提供しており、この場合に、その分散物中のワックス相は好ましい実施形態I,IIまたはIIIにおいて以下に記載されているワックス相である。
【0019】
特に、本発明は一定のワックス分散物が供給されている一定のアプリケータを含む製品に関係しており、この場合に、そのワックス分散物は種々の脂肪、ワックス、脂肪アルコール、脂肪酸、ジアルキル(ジアルキレン)エーテル、ジアルキル(ジアルキレン)カルボネート、ジカルボン酸およびヒドロキシ脂肪アルコール、およびこれらの成分の任意の混合物から選択される種々の成分を含有しているワックス粒子を含む。
【0020】
さらに特に、本発明は上述したような種々の製品に関係しており、この場合に、そのワックス粒子は0.5乃至100μmの範囲内である一定の平均粒度を有している。
【0021】
好ましい実施形態は本明細書において特定されているような種々の製品であり、この場合に、上記ワックス分散物は、例えば、1,000mPasまたはそれ以上の粘度等のような、一定の高い粘度を有している。
【0022】
さらに特に、本発明は一定のワックス分散物が供給されている一定のアプリケータを含む種々の製品に関係しており、この場合に、そのワックス分散物中の粒子は0.5乃至100μmの範囲内である一定の粒度を有していて、このワックス分散物は
(a)25℃かそれ以上の一定の融点を有していて、種々のジアルキル(ジアルキレン)エーテル、ジアルキル(ジアルキレン)カーボネート、ジカルボン酸またはヒドロキシ脂肪アルコールまたはこれらの物質の任意の混合物を含み少なくとも1種類の乳化剤を含む一定のワックス相、および
(b)一定の水性の相を含む。
【0023】
一例の好ましい実施形態において、上記ワックス分散物は
(a)25℃かそれ以上の一定の融点を有していて、種々のジアルキル(ジアルキレン)エーテル、ジアルキル(ジアルキレン)カーボネート、ジカルボン酸またはヒドロキシ脂肪アルコールまたはこれらの物質の任意の混合物を含み少なくとも1種類の乳化剤を含む1乃至75(重量/重量)%の一定のワックス相、および
(b)完全な組成物の全重量に対して、25乃至99(重量/重量)%の一定の水性の相を含む。
【0024】
さらに、好ましいワックス分散物は5乃至30重量%の上記ワックス相を含み、特に好ましいワックス分散物は10乃至25重量%のワックス相を当該ワックス分散物の全重量に対して含有している。
【0025】
本発明の製品は一定のアプリケータに、微細に分散されている組成物として、一定のワックス分散物を供給することにより作成できる。これらは一定の常温処理において供給することができ、このことは一定の溶融物として供給された後に冷却される種々のワックスを使用する場合よりも好都合である。これらはまた、例えば、25重量%のみの含水量を伴う低含水量の濃縮物として、あるいは、例えば、1重量%のみの一定の濃度を有する高度に希釈した配合物として供給することも可能である。
【0026】
本発明の特定の実施形態は種々のジアルキル(ジアルキレン)エーテル、ジアルキル(ジアルキレン)カーボネート、ジカルボン酸またはヒドロキシ脂肪アルコールおよびこれらの任意の混合物から選択されるワックス成分の一定の組み合わせ物を含有しているワックス粒子を含む一定のワックス分散物を伴う種々の製品である。これらの特定のワックス分散物はすぐれた種々の感覚上の特性、良好なケア特性を有していて、それぞれの「重さ」の少ない脂性の少ない乾燥した皮膚感触を特徴としている。
【0027】
さらに別の態様において、本発明は一定のワックス分散物および一定の付加的な水性の相が供給されている一定のアプリケータを含む種々の製品に関連している。これらのワックス分散物および付加的な水性の相は連続的にまたは同時に上記アプリケータに供給できる。
【0028】
本発明はさらに一定のワックス分散物が供給されている一定のアプリケータを含む製品であって、これらが乾燥されている製品に関係している。
【0029】
さらに別の態様において、本発明は一定のワックス分散物が供給されている一定のアプリケータを含む製品であり、さらに、これらが乾燥されているために乾燥状態であるか実質的に乾燥している製品に関連している。さらに別の態様において、本発明は一定のワックス分散物および一定の付加的な水性の相が供給されている一定のアプリケータを含む製品であり、これらが乾燥されているために乾燥状態であるか実質的に乾燥している製品に関連している。この場合に、乾燥状態とは、含水量が極めて低く、すなわち、1%よりも低い状況を意味し、実質的に乾燥しているとは、その製品が制限された量の水、例えば、その製品の全重量の10%以下、好ましくは8%以下、さらに好ましくは5%以下、さらに好ましくは2%以下の水を含有していることを意味する。
【0030】
一例の実施形態において、本発明は一定の付加的な水性の相が供給されている一定のアプリケータを含む一定の製品であり、さらに、その供給後に乾燥されていて、これに続いて一定のワックス分散物が供給されている製品に関係している。また、望まれる場合に、このようにして得られた製品をさらに乾燥することも可能である。
【0031】
特定の実施形態は一定の付加的な水性の相が供給されていて、一定のワックス分散物が供給されている一定のアプリケータを含む一定の製品であり、さらに、その供給後に乾燥されている製品に関係している。また、別の実施形態は一定のワックス分散物が供給されている一定のアプリケータを含むものとして本明細書において定められている一定の製品であり、さらに、その供給後に乾燥されていて、さらにその後に一定の付加的な水性の相が供給されており、望まれる場合に、その後にその得られた製品が乾燥されている製品に関係している。
【0032】
さらに別の態様において、本明細書において記載されているような一定の製品を製造する一定の方法が提供されており、この方法は上記アプリケータに本明細書において記載されているような種々のジアルキル(ジアルキレン)エーテル、ジアルキル(ジアルキレン)カーボネート、ジカルボン酸またはヒドロキシ脂肪アルコールおよびこれらの任意の混合物から選択される種々のワックス成分の一定の組み合わせ物を含有するワックス粒子を有する特定のワックス分散物を供給する処理を含む。一例の好ましい製造方法において、そのアプリケータは一定のワックス分散物により被覆されている。また、別の製造方法において、上記アプリケータは一定のワックス分散物により噴霧または含浸されている。
【0033】
また、別の態様において、本明細書において記載されているような一定の製品を製造する一定の方法が提供されており、この方法は上記アプリケータに一定のワックス分散物および一定の付加的な水性の相を連続的にまたは同時に供給する処理を含む。さらに、一例の好ましい製造方法において、上記アプリケータは一定のワックス分散物により最初に塗布された後に、一定の付加的な水性の相により噴霧または含浸される。
【0034】
さらに別の態様において、特に個人用のケア用途における、一定のクレンジング用または浄化用の用具としての本発明の製品の使用方法が提供されている。
【0035】
さらに別の態様において、本発明は種々の活性物質の一定のアプリケータとしての本明細書において記載されている一定の製品の使用方法に関係している。
【0036】
さらに別の態様において、本発明は一定の組み合わされたクレンザーおよび種々の活性物質のアプリケータとしての本明細書において記載されている一定の製品の使用方法を提供している。
【0037】
発明の詳細な説明
本発明によるアプリケータは弾性または非弾性にすることができる。このアプリケータは一定のアプリケータとして使用することができ、あるいは、一定の適当なハンドルを有することができる。さらに、このアプリケータは皮膚を含む平坦な表面に対する適用に適している任意の三次元の形態を採ることができる。また、これらのアプリケータは異なる寸法を有することができ、種々の形態、例えば、平坦またはそれ以外、幾何学的形状またはそれ以外、円筒形、楕円形、ボール状等のような丸形、あるいは、正方形または三角形等の角度の付いた形状を採ることができ、これらはまた立方体または棒状の形状を含み、丸みを付けたエッジ部分を有しており、あるいは、これらの形状の種々の組み合わせでもよい。さらに、このようなアプリケータの外面部の1個以上は異なる特性を有する異なる材料により作成できる。例えば、一面を柔らかくして、他の面を粗くすることができる。この後者は磨耗性にすることができ、擦りまたはもみ洗いのために使用できる。
【0038】
上記のアプリケータは硬質、軟質、半軟質、弾性または非弾性、しぼり可能またはしぼり不可能とすることができる。
【0039】
一例の実施形態は種々のパフ(プーフ)、パッド、ブラシ、手袋、ミット、綿棒またはコットン・ボールである。
【0040】
また、別の種類の実施形態は種々のスポンジを含む。これらのスポンジは種々の発泡体またはフエルト等のようなスポンジを含み、合成および/または天然の種々の材料により構成されている。
【0041】
さらに別の実施態様は種々のバーまたは棒材である。
【0042】
使用の都合のために、上記アプリケータは一定の適当なハンドルを有することができる。このようなアプリケータの実施態様は一定のパッド、パフまたはスポンジを有し、これらは好ましくは弾性であり指で把持する部分を有している。これらのアプリケータの一例は一定の概ねT字形の形態を有するアプリケータである。さらに、このようなアプリケータの例は一定の小形の直立したハンドル要素を伴う弾性なディスク製品を含む。
【0043】
上記のアプリケータは一定の脂質および一定の水性の相を保持、吸着または吸収できる種々の材料により作成できる。好ましくは、このアプリケータの材料は本質的に多孔質または吸収性であるように構成できる。さらに、この後者の特性はそのアプリケータの材料の化学的構造またはこれらの物理的な構成またはその両方によると言える。このような特定の物理的な構成の例は多孔質の構造または細胞状のまたは微細細胞状の構造である。
【0044】
上記アプリケータはこのアプリケータに沿って異なる様式で配列できる一定の材料または異なる種々の材料により作成できる。さらに、異なるまたは等しい大きさの1種類以上の材料の小さな部分をこれと同一のまたは異なる材料の一定の基材の中に組み込むことができる。あるいは、上記のアプリケータは幾つかの層の積層体または複数の同心円状の層等のような多層型にすることができ、あるいは、一定の種類の材料により作成できる。また、このアプリケータの各部分は、異なる材料により作成されているか否かに限らず、接着、縫合、ステッチまたは任意の他の当業界において知られている技法により一体に連結できる。
【0045】
一群の実施形態において、上記アプリケータは一定のコアを含み、このコアは一定の層状の材料の中に部分的にまたは完全に包まれている。この場合に、この包装材料はそのコアの中に用いられている材料と同一であっても異なっていてもよい。
【0046】
上記アプリケータを作成している材料は特に高分子であり、天然物および非天然物の両方によるものとすることができる。さらに、架橋可能であるかそうでない1種類以上の高分子材料が存在可能である。さらに、随意的に、種々の結合剤、充填剤、色素等のような別の非高分子材料が付加的に存在可能である。
【0047】
上記の材料は多少不活性にすることができ、あるいは、分解可能であり、特にこれらは生体分解可能である。また、これらの材料は洗い流すことができる。なお、本明細書において用いられているように、「洗い流し可能(flushable)」とは、その材料が2回のトイレの洗い流しにおいて配水管の少なくとも3メートルの中を通過することを意味する。
【0048】
上記アプリケータを構成している高分子材料の例はポリエチレン、ポリプロピレン、PET、ポリアミド、ポリビニル・アルコール、ポリウレタン等のような非天然物の種々のポリマー、およびセルロース、木材パルプ等のような天然物または天然物誘導型の種々のポリマー、およびこれら合成および天然の種々の繊維または材料の混合物である。
【0049】
上記アプリケータが一定のパフ(プーフ)の形態である場合に、その製品はスポンジ状または樹脂発泡体状の材料により構成でき、随意的に一定の適当な単層または多層型の材料の中に包装されており、この材料は一定の密閉されたまたは穴あけした材料の層またはフィルムにより作成できる。また、別の実施形態において、上記パフはそのパフのコアの中に一体に結合または接着できる1個以上の材料の層により作成されている。
【0050】
また、上記アプリケータが一定のバー(棒材)の形態である場合には、その製品は固体の状態の蝋質の材料により構成でき、随意的に他の種々の成分と混合されている。好ましくは、このような実施形態は一定の適当な層状の包装材料の中に包装されており、この材料は上記の水性の相またはワックス分散物を保持することができると共に、その別の相が上記コアの中の貯蔵物として上記バーの内側に保持されている。
【0051】
上記バーは穴あけすることができ、特定の種々の成分を保持できる小さなキャビティを有していて、上記水性の相も含み、それゆえ、この水性の相はそのバーの中に含まれている。
【0052】
種々のバーの形態のアプリケータはそのバーが、例えば、身体の熱によるか任意の他の外部因子により使用中に徐々に分解または溶解するように設計できる。特に、このバーは、例えば、身体の熱等により、使用中に分解または溶解する一定の固体の材料により構成できる。
【0053】
層状の材料を用いる場合に、これらの材料はそれ自体で単層状または多層状、あるいは織り状または不織状にすることができる。また、これらは種類または数種類の材料により作成できる。特に好ましい層状の材料は繊維またはフィラメントの性質の一定のウェブ構造を有する不織状の材料であり、この場合に、その繊維またはフィラメントは不規則にまたはある程度の配向性を伴って分布しており、この前者は乾式または特定の湿式の方法により得ることができ、後者は湿式またはカーディングの方法において得ることができる。また、これらの繊維またはフィラメントは、例えば、木材パルプ、ウール・コットン、リネン等の天然物、あるいは、例えば、種々のポリビニル、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド等の合成物とすることができる。
【0054】
上記の2種類の異なる不織材料は使用している原材料に基づいて区別できる。
【0055】
第1の種類の層状材料は紙製である。これらの層状の材料のための原材料は種々の植物細胞の供給源(パルプ)からのセルロース製の繊維またはフィラメントによりほとんど主に作成されている。この層状材料の高い湿潤時の強度または丈夫さが望まれる場合には、例えば、いわゆる「湿潤強度樹脂(wet strength resins)」等のような種々の結合材料が添加できる。また、柔らかさも種々の添加物により高めることができる。また、第2の用法において、上記ウェブは、例えば、綿、ウール、リネン等のようなステープル・ファイバーにより主に作成されている。
【0056】
通常において、本発明のアプリケータにおいて使用するための不織材料は種々のセルロース繊維、合成繊維またはこれら両方の合成物により作成されている。例えば、ポリエステル、ポリエチレンおよびポリプロピレンが合成繊維の調製において適当なポリマーとして知られている。また、これらの製品において、結合剤がその不織状の生地の丈夫さを高めるために使用できる。
【0057】
また、強度を高めたウェブがいわゆるスパンレースまたはハイドロ−エンタングルメント技法を用いることにより得ることができる。この技法においては、種々の結合材料を使用せずに一定の許容可能な強度または丈夫さが得られるようにそれぞれの線維が一体に撚り合わされている。この後者の技法の利点は不織材料における優れた柔らかさである。
【0058】
別の不織材料はパルプおよびステープル・ファイバーの一定の混合物により作成されていて、種々の結合材料、特に上記の材料を伴って、あるいは、これらの結合材料を伴わずに利用可能である。なお、この後者の場合には、その不織材料は上記のスパンレースまたはハイドロ−エンタングルメント法により作成されていることが好ましい。
【0059】
本発明の好ましい実施形態において、上記層状材料は少量の結合材料を伴ってセルロース・パルプにより作成されている。このキャリヤ材料中の結合剤の量は5乃至20%(重量/重量)の範囲内である。
【0060】
また、特に好ましい実施形態において、その不織状の生地は上記のウォーター・エンタングルメント(water entanglement)法により調製されていて、結合材料を含まない。
【0061】
上記不織状の層状材料を作成する原材料の選択はその製造方法に依存している。一般的に、上記ハイドロ−エンタングルメント法による不織状の層状材料の製造において、セルロース繊維および合成繊維の種々の混合物により作成されているものが用いられている。このような不織状の生地の中の合成繊維の相対的な量は0乃至100%であり、好ましくは10乃至70%、さらに好ましくは30乃至50%の範囲内である(全ての%値は重量/重量の比率である)。
【0062】
アプリケータおよびワックス分散物
本発明によれば、上記アプリケータは一定のワックス分散物に接触している。さらに、一部の実施形態において、そのアプリケータは別の相に接触しており、この相は一定の高分子の相とすることができる。
【0063】
上記のワックス分散物は上記アプリケータの全体に、すなわち、連続的に供給することができ、あるいは、当該アプリケータの各部分に、すなわち、不連続に供給することもできる。また、2種類以上のワックス分散物を供給する場合には、これらの内の1種類を連続的に供給して、別の物を不連続に供給できる。また、これら1種類以上のワックス分散物を上記アプリケータの表面またはその内部に供給できる。例えば、表面に供給される場合に、これらの1種類または両方のワックス分散物はそのアプリケータの一面または幾つかの面に存在することができ、あるいは、1種類のワックス分散物を一方の面に存在させて、別のワックス分散物を他方の面に存在させることができる。
【0064】
1種類以上のワックス分散物を不連続に供給する場合には、これらは特定の領域またはその中に存在させることができ、特に、一定のアプリケータにおける1個以上の領域またはその中に存在させることができる。この場合に、これらのワックス分散物は1個以上の形態または形状で存在できる。例えば、これらは複数の点またはスポット、線またはストライプ、正方形、長方形、円形等のような幾何学的な形状、文字、テキスト、ロゴ、図形等のようなシンボル、または商標、または任意のその他の類似の形態、またはこれらの一定の組み合わせ物として存在できる。さらに、これらの形態または形状は上記アプリケータの全体に存在していてもよく、あるいは、例えば、一定の角部または中央の領域等のような、1個以上の領域内に群集していてもよい。
【0065】
一例の実施形態において、1種類のワックス分散物が上記アプリケータの全面またはその表面の一部分のみを被覆している種々のストライプ、点またはその他の形態でそのアプリケータの一面または幾つかの面に供給されている。また、別の実施形態においては、1種類以上の別のワックス分散物が添加できる。
【0066】
上記の処理は第2の工程において、好ましくは上記第1のワックス分散物の供給後に、行なうことができ、あるいは、一工程の操作において同時に行なうこともできる。
【0067】
上記アプリケータの異なる部分が異なるワックス分散物を含むことができる。例えば、このアプリケータはその一面において1種類のワックス分散物を含み、別の面において別のワックス分散物を含むことができる。
【0068】
あるいは、上記アプリケータは一体に連結している2個以上の部分により構成することができ、それぞれの部分が一定の異なるワックス分散物により処理されている。このことにより、例えば、一定の部分において別の部分とは異なる特性を有する一定のアプリケータを得ることができる。
【0069】
上記のアプリケータが一定のパフ、パッド、ミット、手袋、またはスポンジの形態である場合に、これらは一定のワックス分散物により被覆することができ、あるいは、そのパフは当該アプリケータの内側の部分に付着している一定のワックス分散物を有することができる。この内側の部分に付着している場合に、そのワックス分散物は均質に分散することができ、すなわち、このワックス分散物はその内面全体にわたり多少の程度に同量にあるいは不均質に分布する。
【0070】
上記アプリケータが一定のバーまたはスポンジの形態である場合に、このアプリケータは一定のワックス分散物が供給できる材料の一定のシートの中に包装できる。さらに、このバーまたはスポンジの材料はそれ自体で同一または異なるワックス分散物を含有できる。このアプリケータの内側の部分におけるワックス分散物は蒸着することができ、あるいは、そのアプリケータを一定のワックス分散物により含浸させることも可能である。あるいは、このバーまたはスポンジは種々のペレット、ビーズ、カプセル、または上記ワックス分散物を含む他の類似物を含むことができ、これらは使用中に溶解する。このようなペレット、ビーズまたはその類似物は、例えば、一定の水溶性または水分解性のポリマー等のような、使用中に溶解する一定の適当な材料により作成されている。また、別の実施形態は織り状または不織状または穴あき状のフィルム材料により作成されている袋であり、これらは種々のビーズ、ペレット、カプセル、または上記ワックス分散物を含む他の類似物を含む。
【0071】
また、上記アプリケータが一定のバーの形態である場合に、このアプリケータは穴あき状であり、一定のワックス分散物を収容できる複数のキャビティを有することができる。
【0072】
また、上記アプリケータが一定のスポンジの形態である場合に、このアプリケータは一定の生体分解性の材料等のような一定の分解性の材料により作成できる。例えば、このアプリケータは溶解性のセルロースにより作成することができ、このセルロースはその製造過程において一定の液体の状態を保つ場合に一定のワックス分散物と共に混合できる。
【0073】
また、別の実施形態において、一定のワックス分散物および一定の付加的な水性の相が連続的にまたは同時に供給されている一定のアプリケータが提供されている。この付加的な水性の相は別の種々の成分、特に、上記において述べられている成分を含有している水または一定の水性の配合物とすることができる。
【0074】
上記のような特定の種類の実施形態において、そのアプリケータは最初に一定の付加的な水性の相に接触した後に一定のワックス分散物に接触する。
【0075】
また、別の種類の実施形態において、上記アプリケータは一定のワックス分散物に接触した後に一定の付加的な水性の相に接触する。
【0076】
上記の付加的な水性の相は上記アプリケータの材料の製造中を含むその最終製品の製造過程における種々の段階において供給することも可能である。
【0077】
一定の付加的な水性の相および一定のワックス分散物の両方を含む実施形態において、そのワックス分散物ならびに水性の相を上述したように供給することができ、すなわち、これらのワックス分散物または付加的な水性の相のいずれか、あるいはその両方を同等の様式でまたは異なって供給でき、特定の領域内において特定の形状で、一面または幾つかの面において、一定のアプリケータの表面または内部に連続的にまたは不連続的に供給できる。
【0078】
また、上記アプリケータの異なる部分が異なるワックス分散物および水性の相を含むこともできる。例えば、上記アプリケータはその一面において一定のワックス分散物を含み、別の面において一定の水性の相を含むことができる。
【0079】
上記アプリケータが一体に連結している1個以上の部分により構成されている場合に、それぞれの部分は一定の異なる相により処理することができ、すなわち、一定の部分を一定のワックス分散物により処理して別の部分を一定の水性の相により処理することができる。このことにより、例えば、一定の部分がクレンジング用の能力を有していて別の部分がケア用の能力を有する一定のアプリケータを得ることができる。
【0080】
上記アプリケータが一定のバーまたはスポンジの形態である場合に、そのアプリケータは一定のワックス分散物が供給できる材料の一定のシートの中に包装できる。上記において述べたように、このバーまたはスポンジの材料自体が同一のまたは異なるワックス分散物を含有できる。さらに、この種のアプリケータはその表面の層または内部に存在できる一定の水性の相を含むこともできる。
【0081】
さらに別の態様において、本発明は乾燥状態の、または実質的に乾燥している、または含水量の制限されている製品を提供している。このような製品は低含水量の一定のワックス分散物を供給することまたは一定の適当な乾燥工程の適用により得ることができる。この場合に、低含水量のワックス分散物は20%(そのワックス分散物の全重量に対する重量/重量の比率値)よりも少ない、または10%よりも少ない水を含有できる。この場合に、以下のような多数の変更例が可能である。
(a)上記アプリケータが本発明の一定のワックス分散物により処理された後に乾燥されている。
(b)上記アプリケータが一定の付加的な水性の相により処理されて、一定のワックス分散物により処理された後に乾燥されている。
(c)上記アプリケータが一定の付加的な水性の相により処理されて、乾燥され、さらに一定のワックス分散物により処理された後に、随意的に乾燥されており、この後者の乾燥工程は低含水量の一定のワックス分散物が供給される場合に排除できる。
(d)上記アプリケータが一定のワックス分散物、一定の付加的な相により処理されて乾燥されている。
(e)上記アプリケータが一定のワックス分散物により処理されて、乾燥され、その後に一定の付加的な水性の相により処理されてその全体が随意的に乾燥されている。
【0082】
好ましくは、上記の製品は付加的な水性の相を供給した後に乾燥される。この付加的な水性の相は最終製品の製造における種々の時点において供給可能であるので、上記の乾燥工程もまたその製造過程における種々の時点において行なうことができる。さらに、この製品は一定のワックス分散物の供給後に乾燥することも可能である。
【0083】
各乾燥工程において、乾燥処理は一定の異なる程度まで、すなわち、部分的に乾燥するか完全に乾燥するまで、行なうことができる。
【0084】
さらに可能な変更例は多数の付加的な水性の相および/または分散物が供給された後に一定の適当な乾燥工程または多数の乾燥工程が行なわれる例である。
【0085】
また、多数の付加的な水性の相および多数のワックス分散物を供給して幾つかの乾燥工程を導入する可能性も含まれる。また、それぞれの工程において、一定の相を一定のアプリケータの一部分のみに供給すること、あるいはそのアプリケータの一面、または幾つかの面に供給することが可能である。この場合に、これらの相の供給のあらゆる組み合わせが本発明の範囲に含まれると考えられる。
【0086】
従って、特定の群の実施形態において、本発明は乾燥状態のまたは実質的に乾燥している種々の製品に関連している。なお、この「乾燥状態の(dry)」とは、その含水量が極めて低い、すなわち、1%以下であることを意味する。また、本明細書において用いられているように、用語の「実質的に乾燥している(essentially dry)」とは、その製品が制限されている量の水、すなわちその製品の全重量の10%以下、好ましくは8%以下、さらに好ましくは5以下、さらに好ましくは2%以下の水を含有していることを意味する。さらに、一般的に、上記の「実質的に乾燥している」とは、製造後において、水または水性のローションがそのアプリケータに全く供給されないことを意味する。さらに、本明細書において用いられているように、a%とは、一定のアプリケータの内部または上部に組み込まれている全ての材料についての当該アプリケータの全重量に対する重量/重量(w/w)の比率値である。
【0087】
ワックス分散物
本発明による製品は一定のワックス分散物を含み、このワックス分散物はワックス粒子の一定の水性分散物により構成されている。この後者はさらに「ワックス相(wax phase)」として本明細書において呼ばれている一定のワックス材料により構成されており、「水性の相(aqueous phase)」として本明細書において呼ばれている一定の水性媒体中に分散されている。それゆえ、本発明の製品は一定の脂質および一定の水性の相を含む2相システムを担持している。
【0088】
本明細書において用いられているように、用語の「ワックス(wax)」は以下の特性、すなわち、固体乃至半固体状(クリーム状)、粗い結晶乃至微細結晶または非晶質、透明乃至不透明の範囲にわたる一定の稠度、比較的に低い融点を有すること、それぞれの液化点よりもわずかに高い温度において比較的に低粘度であること、油溶性であること、および周囲温度よりも高い一定の融点または溶融範囲、特に20℃乃至25度以上、を有すること、を示すあらゆる天然または合成の種々の成分または成分の混合物を意味する。種々のワックスが合成ならびに天然の1種類以上の成分により構成でき、原理的に、これらの混合物を含む一定の蝋質の稠度を有する任意の油溶性の材料により構成できる。また、種々のワックスはそのワックスの全体の組成物の融点または溶融範囲が周囲温度よりも高く、特に20℃乃至25度よりも高ければ、一定の低融点または液体の成分を伴う種々の量の成分も含むことができる。
【0089】
上記ワックス相は特に、具体的に25℃よりも高い、例えば、25乃至100℃の範囲内、特に30乃至75℃の範囲内、さらに特に35乃至50℃の範囲内、あるいは30乃至45℃、または35乃至45℃、好ましくは32乃至40℃または37乃至42℃の範囲内の室温よりも高い温度の一定の融点または溶融範囲を有している。さらに好ましくは、この溶融温度または溶融範囲は人間の体温よりも高い。最も好ましくは、この溶融温度または溶融範囲は人間の体温に近いか同等である。
【0090】
多くの場合に、本発明の製品の使用において、上記ワックス分散物中のワックス相および水性の相は一定の形態の相互作用を受け、この相互作用はその製品の種々の有益な特性に寄与する可能性がある。この場合に、上記ワックス相の融点または溶融範囲の選択はその相互作用において重要であると考えられるが、このワックス相または水性の相またはこれらの両方に対する特定の種々の成分の添加も上記の特性に寄与する可能性がある。多数のこのような付加的な成分が以下においてさらに詳細に説明されている。
【0091】
本発明の一部の実施形態において、上記ワックス分散物中のワックス相は一定の比較的に高い融点または溶融範囲を有することができる。この融点または溶融範囲は例えば体温よりも高くすることができ、例えば、40℃よりも高く、あるいは45℃よりも高い。このような製品の適用時において、上記ワックス分散物における2個の相の間の比較的に強い相互作用が必要になる可能性があり、その相互作用を促進するために比較的に高い温度における適用が必要になる。この後者の場合において、その消費者は、例えば、その製品を最初に熱水に接触させてからそれを適用することを要求される。また、前者の場合には、その水性の相は当該水性の相のワックス相に対する比較的に強い相互作用を助長するために種々の物質を含む可能性がある。
【0092】
本明細書において用いられているように、用語の「溶融範囲(melting range)」とは、一定の物質または組成物がその固体の稠度を失う温度から始まりその物質が完全に液体になる温度までの一定の温度範囲を意味する。また、一定の溶融範囲は一定の温度範囲に重なっている場合にその一定の温度範囲の中に含まれると見なされ、あるいは、その範囲が特定の温度よりも高い場合にその特定の温度よりも高いと見なす必要がある。
【0093】
本明細書において用いられているように、「周囲温度(ambient temperature)」または「室温(room temperature)」とは、約20乃至25℃の範囲内にある一定の温度を意味する。
【0094】
上記ワックス相はさらに少量の水を含むことができるが、このワックス相の含水量は一般的に低い。本発明の好ましい実施形態において、そのワックス相は10重量%以下の水を含有しており、この含水量は特に6重量%よりも低く、さらに特にこの含水量は3重量%よりも低い。さらに、好ましい実施形態において、そのワックス相は無水である。なお、本明細書において用いられているように、この「無水(water free)」とは、上記の相が水を全く加えられていない低含水量の材料により構成されていることを意味する。
【0095】
上記ワックス分散物中のワックス相は別の状態に変化することができ、例えば、その保管中または消費者による使用時に、そのワックス相が半固体または液体になる。このような状態の変化は温度または圧力等のような種々の物理的な要因により誘発する可能性があるが、特定の化学成分等のような種々の化学的な要因または一定の光化学反応により誘発する可能性もある。
【0096】
特定の実施形態において、多数のワックス分散物、すなわち、異なる組成の幾つかの相により作成されているワックス分散物が上記アプリケータに供給できる。例えば、一定の種類のワックス分散物を上記アプリケータの一面に供給して、別の種類を別の面に供給できる。この場合に、これらのワックス分散物のそれぞれは以下において述べられている1種類以上の成分、すなわち、種々の活性成分、色素、乳化剤、および以下に述べられている別の種々の成分を含むことができ、あるいは、含まなくてもよい。種々の色素の場合には、多数の着色パタンが存在でき、例えば、それぞれのワックス分散物は異なる色を有することができ、あるいは、無色にすることもできる。
【0097】
さらに別の特定の実施形態において、上記ワックス分散物は2個以上の異なるワックス相により構成でき、異なるワックス相により構成されているワックス粒子を含むことができる。さらに、これらのワックス粒子の大きさ、組成および特性は異なっていてもよく、考慮されている種々の特性の機能および最終製品の用法において選択できる。
【0098】
上記ワックス分散物は一定の水性の相をさらに含む。この水性の相は水、および随意的に、別の成分、例えば、ワックス分散物に一定の安定化作用を及ぼす種々の成分を含有している。すなわち、この水性の相は水溶性の種々の活性物質、水溶性で分散性またはゲル化性の種々のポリマー、保湿剤等を含有できる。さらに、各ワックス分散物中の水性の相は「付加的な水性の相(additional aqueous phases)」における可能な成分として以下に述べられている種々の成分のいずれかを含有できる。
【0099】
さらに、上記ワックス分散物は濃縮物、すなわち、低含水量にすることができ、あるいは、水により希釈することも可能である。このワックス分散物が濃縮物である場合に、それぞれの粘度は通常において高くなり、これらの分散物はさらにクリーム状またはペースト状の稠度を有するようになる。さらに、比較的に高い粘度を有するワックス分散物は特定量の適当な増粘剤を添加することにより得ることもできる。このような比較的に高い粘度のワックス分散物は種々のワックス分散物を上記アプリケータに供給するための特定の技法において好ましくなる可能性がある。
【0100】
好ましい実施形態は高粘度の一定のワックス分散物を有する製品であり、例えば、そのワックス分散物は1000mPas以上、または5000mPas以上、または10,000mPas以上、または20,000Pas以上の一定の粘度を有している。なお、極めて高い粘度の分散物を使用することは可能であるが、実用的な理由により、好ましいワックス分散物の粘度は100,000mPasを超えない。さらに、特定の有用な範囲は10,000乃至100,000mPas、好ましくは20,000乃至50,000mPasである。
【0101】
上記ワックス分散物中のワックス粒子は好ましくは一定の安定な分散物を確実にするために十分に小さい粒度を有している。一般に、これらの粒子の平均の大きさは約0.5乃至約100μmの範囲内である。本発明において特に重要なことは平均粒度が1乃至50μm、特に5乃至30μmの範囲内であるワックス分散物である。
【0102】
上記ワックス分散物は上記アプリケータの異なる面においてそれぞれ異なって供給できる。例えば、一方の面を完全に被覆することができ、他方の面においてそのワックス分散物は、例えば、ストライプ等のような一定のパタンで供給できる。
【0103】
ワックス相
上記ワックス相は「ワックス(waxes)」として指定されている1種類以上の成分を含み、これらは上記において概説されているような蝋質の稠度の材料である。また、これらのワックスは一定の固体乃至半固体(クリーム状)の稠度、結晶または非結晶、あるいはそれぞれの液化点よりもわずかに高い比較的に小さな粘度を有する種々の材料である。また、これらのワックスは1種類以上の成分、合成物ならびに天然物により構成でき、原理的にこれらの種々の混合物を含む一定の蝋質の稠度を有する任意の油溶性の材料により構成できるか含むことができる。
【0104】
使用可能なワックスは合成または天然の種々のワックスならびにその他の一定の蝋質の稠度を有する油溶性の材料とすることができる。また、上記ワックスは天然物または合成物を出発源とする種々の脂肪(種々のモノ−、ジ−およびトリグリセリドおよび脂肪酸アルキルエステルを含む)等のような種々の材料およびこれらと種々のオイルとの混合物も含む。これらはさらに種々の高級アルカノール(特に、脂肪アルコール)、高級アルカンジオール(特に、ヒドロキシ脂肪アルコール)、高級カルボン酸(特に、脂肪酸)および置換脂肪酸(特に、ヒドロキシ置換脂肪酸、例えば、12−ヒドロキシステアリン酸)、ジアルキル(またはジアルキレン)カーボネート、ジカルボン酸および種々の誘導体(特に、ジカルボン酸のC16−C40−ジアルキルエステル、例えば、C16−C40−アルキル・ステアレート、C18−C38−アルキルヒドロキシステアリル・ステアレートまたはC20−C40−アルキル・エルケート)およびヒドロキシ脂肪アルコール、および類似の蝋質成分等のような別の種々の蝋質の成分を含む。
【0105】
上記ワックス相はいずれも、そのワックス相を形成する全体の組成物が一定の蝋質の稠度を有する限りにおいて、液体である同族の種々の成分を含有できる。例えば、全体の組成物が一定の蝋質の稠度を有し、特に、上記において特定されている融点または溶融範囲を有する程度の量において、種々の蝋質の脂肪が種々のオイルを含有でき、種々の蝋質の脂肪アルコールが種々の液体の脂肪アルコール等を含有できる。
【0106】
ワックス成分
天然ワックスはプルセリン(purcelline)、シア・バター、ココア・バター、木蝋、アフリカハネガヤ蝋、コルク・ワックス、グアルマ・ワックス、ライス・シュート・ワックス、オーリキュリー・ワックス、モンタン蝋、ヒマワリ蝋、セレシン・ワックス、サトウキビ蝋、カルナウバ・ワックス、キャンデリラ・ワックス、ラノリン、オレンジ・ワックス、レモン・ワックス、グレープフルーツ・ワックスおよびベイベリー・ワックス等のような果実由来型ワックス等の植物起源の種々のワックス、および蜜蝋、羊毛蝋、スペルマテシ(spermateci)およびベア・ファット、セラック・ワックス等のような動物起源のワックスを含む。さらに、天然ワックスはセレシンおよびオゾケライトのワックス等のような鉱物ワックスも含む。これらの天然ワックスの中で好ましいものは植物起源のワックスである。一方、合成ワックスはパラフィン、ワセリン、ペトロラクタム、マイクロ・ワックス等のような石油を基材とする種々のワックスを含む。さらに、合成ワックスはポリアルキレンおよびポリエチレングリコールの種々のワックス、例えば、ポリエチレン・ワックス、「ハロワックス(Halowax)」等のような塩素化ナフタレンを基材とするワックス、合成炭化水素ワックス等であり、これらの混合物を含む。さらに、これらのワックスは、例えば、種々のモンタン−エステル・ワックス、サソール・ワックスおよび水素添加ジョジョバ・ワックス等のような種々の化学的に変性したワックス、特に、硬化または水素添加したワックスである。
【0107】
さらに、別のワックス成分が種々の芳香族カルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸およびヒドロキシカルボン酸(例えば、12−ヒドロキシステアリン酸)および飽和および/または不飽和の直鎖状または分枝状のアルコールの種々のエステル、さらに種々の長鎖ヒドロキシカルボン酸のラクチドから選択できる。これらの例は種々の二量体酸のC20−C40−ジアルキルエステル、C18−C38−アルキルヒドロキシステアロイルステアレートまたはC20−C40−アルキルエルケートである。また、ミリスチル・ラクテートが皮膚に対するその良好な親和性のためにスキン・ケア用のワイパーにおける使用において特に魅力的である。さらに別の有用な成分として、種々のシリコーン・ワックスを挙げることができる。
【0108】
さらに、使用可能なワックス成分はC30−C50−アルキルの蜜蝋、トリ−C16−C40−アルキル・シトレート、例えば、トリステアリル・シトレート、トリイソステアリル・シトレート、トリラウリル・シトレート、エチレングリコール・ジ脂肪酸エステル、特に、エチレングリコール・ジ−C12−C30−脂肪酸エステル、例えば、エチレングリコール・ジパルミテート、エチレングリコール・ジステアレート、エチレングリコール・ジ(12−ヒドロキシステアレート)である。
【0109】
好ましい実施形態において、上記ワックス相は「ワックス」として本明細書において指定されている種々の成分のいずれかおよびその他の成分を含み、このその他の成分はC12−C24−脂肪アルコール、グリセリンおよびC12−C24−脂肪酸のモノ−、ジ−またはトリ−エステル、エチレン・グリコールおよびC12−C24−脂肪酸のモノ−またはジ−エステル、またはこれらの成分の任意の混合物から選択できる。
【0110】
特に、上記ワックス相中のワックスの全体の量は、当該ワックス相を形成している成分の全体の量の重量/重量において、少なくとも50%(例えば、50乃至99.9%、または50乃至99%)、好ましくは少なくとも70%(例えば、70乃至99.9%、または70乃至99%)、さらに好ましくは少なくとも90%(例えば、90乃至99.9%、または90乃至99%)である。
【0111】
さらに、特定の実施形態において、上記ワックス分散物中のワックスの全体の量は0.1乃至45%、好ましくは5乃至30%、さらに好ましくは10乃至25%の範囲内であり、これらの%値は全て上記ワックス分散物の全重量に対する重量/重量の%値である。
【0112】
本発明の特定の態様において、本明細書において特定されている種々の製品が提供されており、この場合に、そのワックス相は本明細書において述べられているワックスおよびこれらの混合物を含む物から選択される1種類以上のワックスにより実質的に構成されている。さらに、これらのワックスは、例えば、上記または以下において述べられている量等の、種々の量において存在できる。
【0113】
脂肪およびオイル
上記ワックス相は種々の脂肪および特定量のオイルを含むことができる。存在している場合に、これらのオイルの量は常にそのワックス相が一定の分散物を形成するために十分に固体であり、特に、上記において概説されている融点または溶融範囲を有するような量である。上記ワックス相において使用可能な脂肪またはオイルは天然の脂肪またはオイル、あるいは、特に植物を起源とする、天然の脂肪またはオイルの種々の誘導物を含む。これらの例はアーモンド油、ダイズ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、コーン・オイル、カーネル油、カノーラ油、ルリヂサ油、マツヨイグサ油、グレープシード・オイル、小麦麦芽油、アボカド油、ジョジョバ油、ゴマ油、クルミ油、アマニ油、ヤシ油、オリーブ油、マカデミア油、ヒマシ油、菜種油、ピーナッツ油、ココナッツ油、およびカブ種油、および、特にこれらの硬化した誘導体である。さらに、上記の後者は種々の脂肪またはオイルの水素添加により得られる。好ましい材料は、例えば、硬化したピーナッツ油、ダイズ油、カブ種油、綿実油、ヒマワリ油、カーネル油、アマニ油、アーモンド油、コーン・オイル、オリーブ油、ゴマ油、ココア・バター、シア・バターおよびココナッツ油、および、特に硬化したヒマシ油またはヤシ油等の植物起源の硬化したオイルまたは脂肪である。
【0114】
上記ワックス相はさらに上記の天然オイルから単離した種々の脂肪成分、すなわち、純粋なトリグリセリドまたはこれらの混合物を含有することができ、あるいは後者の成分は化学的な合成により調製されている。これらのいわゆるトリグリセリド(または、トリアシル・グリセリド)は種々のグリセリンの脂肪酸または脂肪酸の混合物とのエステルである。さらに、この後者はまた種々のオイルまたは脂肪、またはこれらのフラクションの加水分解、あるいは、加水分解後の脂肪酸の混合物を分留することにより得られる。
【0115】
上記トリグリセリド中の脂肪酸は飽和または不飽和の状態、直鎖または分枝の状態、置換型または無置換型のいずれでもよい。好ましいトリグリセリドは10乃至60個、特に12乃至36個、さらに特に12乃至24個、好ましくは16乃至20個の炭素原子を有する飽和または不飽和状態のいずれかの脂肪酸から誘導されている上記のようなグリセリン・エステルである。また、好ましい上記のような脂肪酸は、例えば、パルミチン酸、パルミン酸(palmic)、オレイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、またはこれらの混合物である。さらに、上記のトリグリセリドの内で、飽和脂肪酸から誘導されているものが特に重要である。
【0116】
上記のトリグリセリドの内で好ましいものは35乃至50℃、好ましくは35乃至45℃、さらに好ましくは37乃至42℃の範囲内である温度で液化するものである。さらに好ましいものは飽和状態または不飽和状態で無置換型の脂肪酸残基を含むトリグリセリドである。これらは種々の混合エステル、すなわち、グリセリンと異なる種々の脂肪酸とのトリ−エステルとすることができる。混合可能である適当なトリグリセリドは硬化したヒマシ油、グリセリンおよび商号をクチナHR(Cutina HR)(商標)として市場において入手可能な一定の製品である一定のヒドロキシステアリン酸によるトリエステルである。さらに、上記のトリグリセリドはステアリンとしても呼ばれているグリセリン・トリステアレート、グリセリン・トリベヘネート、グリセリン・トリパルミテート、グリセリン・トリラウレート、グリセリン・トリオレエート、グリセリン・トリミリステートである。
【0117】
上記ワックス相はまた、随意的に、本明細書において記載されている種々の脂肪およびオイル、特にトリグリセリドとの混合物としてのモノ−またはジ−グリセリドも含むことができる。これらのワックス相において用いるためのモノ−またはジ−グリセリドは飽和または不飽和状態の、線形または分枝状で、置換型または無置換型の脂肪酸または脂肪酸混合物から誘導されている。また、この場合に、上記ワックス相の融点または溶融範囲は好ましくは上述した通りであり、特に周囲温度よりも高く、さらに特に25℃よりも高く、さらに特に32℃乃至40℃の範囲内である。特定のモノ−またはジ−グリセリドはモノ−またはジ−C12−C24脂肪酸グリセリドであり、具体的にはモノ−またはジ−C16−C20脂肪酸グリセリドの、例えば、グリセリル・モノステアレート、グリセリル・ジステアレート等である。これらのモノ−、ジ−および、随意的に、トリ−グリセリドの混合物は種々の脂肪酸のフラクションから誘導できる。さらに、上記ワックス相の一成分として使用するためのこのような混合物の例はC12−C18のモノ−、ジ−およびトリ−グリセリドである。
【0118】
本発明の特定の実施形態において、上記ワックス相はモノ−、ジ−およびトリ−グリセリドの混合物を含む。さらに、これらのグリセリドの混合物の例はC12−C18のモノ−、ジ−およびトリ−グリセリドまたはステアリン酸のモノ−、ジ−およびトリ−グリセリドの混合物である。この場合に、種々の混合エステルならびにモノ−、ジ−およびトリ−グリセリドの混合物はそれぞれの結晶化に対する低い傾向およびワックス相を作成する配合物の稠度を改善する能力により特に重要である。
【0119】
上記のワックス相は種々の脂肪酸のアルキル・エステルも含むことができ、この場合に、後者におけるアルキル基は1乃至30個の炭素原子、好ましくは12乃至24個の炭素原子を有している。特に、上記アルキル・エステルにおける脂肪酸はC12−C30の脂肪酸、さらに特にC12−C20の脂肪酸である。さらに、上記エステルにおけるアルキル基は好ましくは脂肪アルコールならびにこれらの種々の混合物から由来しており、これらは、例えば、種々の脂肪またはオイルから誘導した種々のメチル・エステルの人為的な混合物の高圧水素添加により得られる。
【0120】
好ましいものはC16−C24の脂肪酸のアルキル・エステル、さらに好ましくはC16−C18の脂肪酸およびC1 −C30の脂肪アルコール、好ましくはC8 −C24の脂肪アルコール、さらに好ましくはC12−C20の脂肪アルコールのアルキル・エステルである。さらに、これらの例はC16−C40のアルキル・ステアレート、特にC20−C40のアルキル・ステアレートである。
【0121】
上記において特に重要であるものは、例えば、ステアリル・ステアレート、パルミチル・ステアレート、ステアリル・ベヘネート、セチル・ステアレート、セチル・ベヘネート、セチル・パルミテート、セテアリル・ベヘネート、ベヘニル・ベヘネート、ステアリル・ヘプタノエート、ステアリル・オクタノエート、ミリスチル・ミリステート、ミリスチル・パルミテート、ミリスチル・ステアレート、ミリスチル・イソステアレート、ミリスチル・オレエート、セチル・イソステアレート、セチル・オレエート、ステアリル・イソステアレート、ステアリル・オレエート、イソステアリル・ミリステート、イソステアリル・パルミテート、イソステアリル・ステアレート、イソステアリル・イソステアレート、イソステアリル・オレエート、イソステアリル・ベヘネート、イソステアリル・オレエート、オレイル・ミリステート、オレイル・パルミテート、オレイル・ステアレート、オレイル・イソステアレート、オレイル・オレエート、オレイル・ベヘネート、オレイル・エルケート、ベヘニル・イソステアレート、ベヘニル・オレエート、エルシル・イソステアレートである。
【0122】
さらに重要なものは線形のC6 −C22の脂肪酸と分枝状アルコール、特に2−エチルヘキサノールとのエステル、分枝状のC6 −C22の脂肪酸と線形アルコールとのエステル、C18−C38アルキルヒドロキシカルボン酸と線形または分枝状のC6 −C22の脂肪アルコールとのエステル、線形および/または分枝状の脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレン・グリコール、ダイマージオールまたはトリマージオール)および/またはゲルベ・アルコール(Guerbet alcohol)とのエステル、ならびに、C6 −C22の脂肪アルコールおよび/またはゲルベ・アルコールと芳香族カルボン酸、特に安息香酸とのエステル、C2 −C12のジカルボン酸と線形または分枝状のC1 −C22のアルコール(例えば、ジオクチル・マレエート)または2乃至6個の水酸基を有するC2 −C10のポリオールとのエステルである。
【0123】
上記ワックス相はさらに別のオイル成分を含むことができ、これらは周囲温度において液体であり、特に20℃乃至25℃で液体である種々の脂質成分である。さらに、これらの成分は以下においてさらに詳細に記載されているオイル成分のいずれかである。
【0124】
上記のオイル成分は「種々のオイルおよび脂肪」として上記において述べられているオイルのいずれか、特に周囲温度において液体であり、特に20℃乃至25℃で液体であるオイルのいずれかとすることができる。さらに、特に重要であるものは周囲温度において液体であり、特に25℃で液体である上述したモノ−、ジ−およびトリ−グリセリドである。これらのオイル成分はさらに25℃において液体であるそれぞれの記載部分において説明されている種々の脂肪酸および脂肪アルコールとすることができる。
【0125】
上記ワックス相は種々の量の脂肪およびオイルを含むことができる。特定の実施形態において、上記脂肪の特にグリセリドは、そのワックス相の全体の量に対して、60%まで(例えば、0.1乃至60%)、別の実施形態においては70%まで(例えば、0.1乃至70%)、または80%まで(例えば、0.1乃至80%)(重量/重量)の一定の量で存在している。また、例えば、上記ワックス相が蝋質の稠度の別の成分を含有している場合の別の実施形態においては、そのグリセリド混合物は、そのワックス分散物の全重量に対して、0.1乃至45(重量/重量)%の範囲内の量で、好ましくは0.1乃至15(重量/重量)%、最も好ましくは1乃至12(重量/重量)%の量で存在できる。
【0126】
また、別の実施形態において、特に上記ワックス相がジアルキル(ジアルキレン)型のエーテルまたはカーボネート、ジカルボン酸またはヒドロキシ脂肪アルコールも含有している場合に、その脂肪エステル・グリセリドの量は、そのワックス相の全体の量に対して、50%まで(例えば、0.1乃至50%)、さらに好ましくは40%まで(例えば、0.1乃至40%)(重量/重量)、あるいは、前段において述べられているさらに低い範囲内である。
【0127】
上記ワックス相中の脂肪またはオイルの、あるいは、これらの脂肪およびオイルおよび/またはオイル成分の全体の量は、そのワックス相を形成している諸成分の全体の量の重量/重量の%値において、特に少なくとも90%(例えば、0.1乃至90%)、さらに特に少なくとも70%(例えば、0.1乃至90%)、または少なくとも50%(例えば、0.1乃至50%)である。
【0128】
本発明の特定の態様において、本明細書において特定されているような種々の製品が提供されており、この場合に、そのワックス相は、特に本明細書において特定されている種類の、種々の脂肪またはオイル、または脂肪およびオイルの混合物および/またはオイル成分により実質的に構成されている。これらの脂肪、オイルおよびオイル成分は、例えば、上記および以下において述べられている量等の、種々の量で存在できる。
【0129】
本発明のさらに特定の態様において、本明細書において特定されているような種々の製品が提供されており、この場合に、そのワックス相はグリセリンからのモノ−、ジ−またはトリ−エステルから選択される1種類以上の脂肪酸グリセリド、またはこれらの一定の混合物により実質的に構成されている。これらのグリセリドは、例えば、上記および以下において述べられている量等の、種々の量で存在できる。
【0130】
脂肪アルコール
上記ワックス相はまた種々の脂肪アルコールも含有できる。使用可能な脂肪アルコールは、例えば、C12−C15の脂肪アルコール、特にC12−C24の脂肪アルコールであり、これらは、例えば、ミリスチル・アルコール、1−ペンタデカノール、セチルアルコール、1−ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、1−ノナデカノール、アラキジルアルコール、1−ヘンエイコサノール、ベヘニルアルコール、ブラシジルアルコール、リゴノセリルアルコール、セリルアルコールまたはミリシルアルコール、ならびにゲルベ・アルコール等のような天然の脂肪、オイルまたはワックスから誘導されている。さらに、本発明における使用において好ましいものは飽和した直鎖状または分枝状の脂肪アルコールである。しかしながら、不飽和の直鎖状または分枝状のアルコールも種々の飽和アルコールとの混合物において随意的に使用できる。好ましくは、これらのアルコールはその混合物の融点が上述した範囲であり、特に32乃至42℃の範囲内になるように選択される。
【0131】
また、例えば、アーモンド油、ダイズ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、コーン・オイル、カノーラ油、ルリヂサ油、マツヨイグサ油、グレープシード・オイル、小麦麦芽油、アボカド油、ジョジョバ油、ゴマ油、クルミ油、アマニ油、ヤシ油、オリーブ油、ヒマシ油、マカデミア油、菜種油、ピーナッツ油、ココナッツ油、およびカブ種油等のような天然の脂肪またはオイルから誘導した対応する脂肪酸のフラクションの還元により得られる脂肪アルコールのフラクションを含む種々の脂肪アルコールの混合物も明らかに使用できる。
【0132】
また、例えば、チーグラー合成法により得られる偶数の炭素原子の線形脂肪アルコール(アルフォール(Alfole)(登録商標))またはオキソ合成法により得られる部分的に分枝状のアルコール(ドバノール(Dobanole)(登録商標))等のような合成アルコールも使用可能である。
【0133】
本発明による好ましい実施形態において、上記ワックス相は少なくとも1種類の脂肪アルコール、さらに好ましくは少なくとも1種類のC14−C18の脂肪アルコールを含有している。同様に好ましいものは少なくとも1種類のC14−C18のゲルベ・アルコールを含むワックス相である。
【0134】
上記ワックス相中の脂肪アルコールの全体の量は変更可能であり、そのワックス相の望まれる特性により決まる。多くの場合において、組成物中に比較的に多量の脂肪アルコールを含むことが望ましく、特に、これらのアルコールは、そのワックス相を形成している諸成分の全体の量の重量/重量の%値において、50%(例えば、50乃至99.9%、または50乃至90%)、好ましくは少なくとも70%(例えば、70乃至99.9%、または70乃至90%)、さらに好ましくは少なくとも90%(例えば、90乃至99.9%、または90乃至99%)の一定の量で存在する。また、別の場合に、比較的に少量が望まれ、この場合のワックス相中に存在する脂肪アルコールの全体の量は0.1乃至50%、特に1乃至40%、好ましくは1乃至30%(重量/重量)、さらに好ましくは1乃至20%(重量/重量)、さらに好ましくは1乃至10%(重量/重量)の範囲内である。
【0135】
一例の実施形態において、上記ワックス分散物中の脂肪アルコールの全体の量は、当該ワックス分散物の全重量に対する重量/重量の%値において、0.1乃至45%、好ましくは1乃至25%、さらに好ましくは5乃至20%の範囲内である。
【0136】
本発明の特定の態様において、本明細書において特定されているような種々の製品が提供されており、この場合に、そのワックス相は1種類以上の脂肪アルコール、特に本特許明細書において特定されているもの、およびこれらの種々の混合物により実質的に構成されている。この場合に、これらの脂肪アルコールは種々の量、例えば、上記または以下において述べられている量で存在できる。
【0137】
脂肪酸
上記ワックス相はまたC14−C40の脂肪酸、およびこれらの混合物も含有できる。さらに、重要なものはC16−C30の脂肪酸である。これらは、例えば、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、エルカ酸、エラエオステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸、ラウリン酸、ならびに、種々の置換型脂肪酸、例えば、12−ヒドロキシステアリン酸等のようなヒドロキシ置換型脂肪酸、およびこれらの脂肪酸の種々のアミドまたはモノエタノールアミドを含む。
【0138】
上記ワックス相中に存在しているC14−C40の脂肪酸の全体の量は、そのワックス相の全重量に対して、0.1乃至30%の範囲内、または1乃至30%(重量/重量)の範囲内、好ましくは1乃至20%(重量/重量)、さらに好ましくは1乃至10%(重量/重量)の範囲内である。
【0139】
さらに、一例の実施形態において、上記ワックス分散物中の脂肪酸の全体の量は、当該ワックス分散物の全重量に対する重量/重量の%値において、0.1乃至45%、好ましくは1乃至25%、さらに好ましくは5乃至20%の範囲内である。
【0140】
本発明の特定の態様において、本明細書において特定されているような種々の製品が提供されており、この場合に、そのワックス相は1種類以上の脂肪酸、特に本特許明細書において特定されているもの、およびこれらの混合物により実質的に構成されている。この場合に、これらの脂肪酸は異なる量、例えば、上記または以下において述べられている種々の量で存在できる。
【0141】
ジアルキル(またはジアルキレン)のエーテルまたはカーボネート、ジカルボン酸またはヒドロキシ脂肪アルコール
上記ワックス相はまた種々のジアルキル(ジアルキレン)エーテル、ジアルキル(ジアルキレン)カーボネート、ジカルボン酸またはヒドロキシ脂肪アルコール、またはこれらの混合物も含有することができ、これらのエーテル、カーボネート、酸またはアルコールは特に以下において記載されているものである。
【0142】
本発明の特定の態様において、本明細書において特定されているような種々の製品が提供されており、この場合に、そのワックス相は1種類以上のジアルキル(ジアルキレン)のエーテルまたはカーボネート、カルボン酸またはヒドロキシ脂肪アルコール、およびこれらの混合物により実質的に構成されている。この場合に、これらのジアルキル(ジアルキレン)のエーテルまたはカーボネート、ジカルボン酸またはヒドロキシ脂肪アルコールは種々の量、例えば、上記または以下において記載されている種々の量で存在できる。
【0143】
上記のジアルキル(ジアルキレン)のエーテルまたはカーボネート、ジカルボン酸またはヒドロキシ脂肪アルコール、およびこれらの混合物の上記ワックス相の組成物への添加はこれらのワックス相の種々の特性を最適化することを可能にしており、その製品、ならびに、その製品の適用後の皮膚は脂ぎった感覚および乾燥した皮膚の感覚が少なく、優れたスキンケアのための特性を有する。
【0144】
ジアルキル(またはジアルキレン)エーテル
ジアルキル(ジアルキレン)エーテルは合成または非合成であり、直鎖状または分枝状で飽和状または不飽和状である。好ましいものは蝋質の飽和したC16−C30のジアルキルエーテルであり、特にC16−C24のジアルキルエーテルである。さらに好ましいものはC16−C20のジアルキルエーテル、特に好ましいものはジステアリルエーテルおよびジベヘニルエーテルである。さらに、上記ワックス相の完全な組成物が所望の融点を有すると言う条件下において、例えば、ジ−n−オクチルエーテル、ジ−(2−エチルヘキシル)−エーテル、ラウリルメチルエーテルまたはオクチルブチルエーテル、ジドデシルエーテル等のような比較的に短鎖のジアルキルエーテルも使用可能である。
【0145】
上記のエーテルは種々の既知の方法に従って一定の酸触媒の存在下に上記の適当な脂肪アルコールから得ることができる。典型的な例はカプロン・アルコール、カプリル・アルコール、2−エチルヘキシル・アルコール、カプリン・アルコール、ラウリル・アルコール、ミリスチル・アルコール、セチル・アルコール、パルモレイル・アルコール、ステアリル・アルコール、イソステアリル・アルコール、エライジル・アルコール、ペトロセリニル・アルコール、リノリル・アルコール、リノレニル・アルコール、オレイル・アルコール、リシナス・アルコール、エラエオステアリル・アルコール、アラキジル・アルコール、ガドレイル・アルコール、ベヘニル・アルコール、エルシル・アルコールおよびブラシジル・アルコール、ゲルベ・アルコール、ならびにこれらの混合物のエステル化により得られる生成物であり、これらは、例えば、種々の脂肪またはオイルから誘導されるメチル・エステルの人為的な混合物の高圧水素添加により得ることができる。この場合に、特に重要なものは25℃において固体であるジアルキル(ジアルキレン)のエーテルである。
【0146】
ジアルキル(またはジアルキレン)カーボネート
ジアルキル(ジアルキレン)カーボネートは合成または非合成であり、直鎖状または分枝状で飽和状または不飽和状である。好ましいジアルキル(ジアルキレン)カーボネートは蝋質で、直鎖状または分枝状で飽和または不飽和状のC14−C30のジアルキル(ジアルキレン)カーボネートである。さらに好ましいものはC16−C24のジアルキル・カーボネートであり、さらにこれらの内で飽和状で線形のC16−C22のジアルキル・カーボネートが好ましい。さらに、特に好ましいものはジステアリル・カーボネートである。また、完全な組成物が所望の融点を有すると言う条件下において、例えば、ジヘキシル、ジオクチル、ジ−(2−エチルヘキシル)またはジオレイルのそれぞれのカーボネート等のような種々の液体のジアルキル(ジアルキレン)カーボネートも使用可能である。
【0147】
上記のジアルキル(ジアルキレン)カーボネートは当業界において既知の種々の方法に従って対応する種々のヒドロキシ化合物と共にジメチル型またはジエチル型のカーボネートの再エステル化により得ることができる。これらのジアルキル(ジアルキレン)カーボネートの典型的な例はカプロン・アルコール、カプリル・アルコール、2−エチルヘキシル・アルコール、カプリン・アルコール、ラウリル・アルコール、ミリスチル・アルコール、セチル・アルコール、パルモレイル・アルコール、ステアリル・アルコール、イソステアリル・アルコール、エライジル・アルコール、ペトロセリニル・アルコール、リノリル・アルコール、リノレニル・アルコール、オレイル・アルコール、リシナス・アルコール、エラエオステアリル・アルコール、アラキジル・アルコール、ガドレイル・アルコール、ベヘニル・アルコール、エルシル・アルコールおよびブラシジル・アルコール、ゲルベ・アルコール、ならびにこれらの混合物を伴うジメチル型および/またはジエチル型のカーボネートの再エステル化の生成物であり、これらは種々の脂肪またはオイルまたは脂肪のフラクションから誘導されるメチル・エステルの水素添加により得ることができる。この場合に、特に重要なものは25℃において固体であるジアルキル(ジアルキレン)のカーボネートである。
【0148】
ジカルボン酸
使用可能なジカルボン酸は、例えば、C9 −C34のジカルボン酸である。これらは、例えば、オクタデカン二酸、テトラトリデカン二酸等を含む。特に重要なものはアゼライン酸であり、これらはC9 のジカルボン酸である。
【0149】
ヒドロキシ脂肪酸
上記ワックス相の組成物中において使用するためのヒドロキシ脂肪アルコールは飽和状または不飽和状であり、直鎖状または分枝状である。好ましいものはC12−C30のヒドロキシ脂肪アルコールであり、これらのアルコールにおけるヒドロキシ置換基の位置はその合成経路および使用した開始材料により決まる。例えば、1,10−デカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール、12−ヒドロキシステアリル・アルコールまたはヒドロキシ−ゲルベ・アルコールが含まれる。さらに、好ましいものは25℃において固体である上記のようなヒドロキシ脂肪アルコールであるが、完全な組成物が所望の融点を有する限りにおいて、これらの液体の類似物も使用できる。特に好ましいものは12−ヒドロキシステアリル・アルコールである。
【0150】
上記ワックス相の全重量に対する当該ワックス相中に存在する1種類以上のジアルキル・エーテル、ジアルキル・カーボネート、ジカルボン酸およびヒドロキシ・アルコールの全体の量は0.1乃至30%の範囲内、または1乃至30%(重量/重量)の範囲内、好ましくは1乃至20%(重量/重量)、さらに好ましくは1乃至10%(重量/重量)の範囲内である。
【0151】
一例の実施形態において、上記のジアルキル・エーテル、ジアルキル・カーボネート、ジカルボン酸およびヒドロキシ・アルコールの全体の量は、そのワックス分散物の全重量に対する重量/重量の%値において、0.1乃至30%、好ましくは0.5乃至20%、さらに好ましくは0.5乃至10%の範囲内である。
【0152】
オイル成分
上記ワックス相は1種類以上のオイル成分も含むことができる。この後者は水に対して混合性が無く周囲温度、特に20℃乃至25℃において液体である成分または成分の混合物である。さらに、これらは、例えば、液体の種々のグリセリド、炭化水素、シリコーン・オイル、エステル・オイル等だけでなく、液体の種々のジアルキル(ジアルキレン)エーテル、ジアルキル(ジアルキレン)カーボネート、ジカルボン酸およびヒドロキシ脂肪アルコール、ならびにこれらの混合物等のような、上記のワックスとして述べられている種々の成分の任意の液体の類似物とすることができる。さらに、上記ワックス相の全体の組成物中におけるこれらのオイル成分の全体の量は好ましくはそのワックス相が室温において固体であるか、あるいは、そのワックス相が上記において特定されているような一定の融点または溶融範囲を有するような量である。特定の実施形態において、上記ワックス相中のオイル成分の量はその完全な組成物の融点が25℃よりも高くなるように限定されている。
【0153】
上記のオイル成分は一般的に、上記ワックス分散物の全重量に対して、40%よりも少ない(例えば、0.1乃至40%)(重量/重量)、特に30重量%よりも少ない(例えば、0.1乃至30%)、特に20%よりも少ない(例えば、0.1乃至20%)、さらに特に0.1乃至15%、さらに特に0.5乃至10%(重量/重量)の量で存在し、好ましくは、2乃至10%の範囲内、または0.5乃至5(重量/重量)%の範囲内で存在する。
【0154】
上記のオイル成分は液体のモノ−、ジ−またはトリ−グリセリド、またはこれらの混合物とすることができ、特に液体で天然物または合成物を起源とするグリセリドの種類の上記の種々のオイルのいずれかとすることができる。特に重要なものはC6 −C24の脂肪酸、特にC6 −C18の脂肪酸、さらに特にC8 −C18の脂肪酸から誘導したグリセリドである。さらに、このようなグリセリドの例は種々のココ・グリセリド、すなわち、C8 −C18の脂肪酸による主にジ−およびトリ−グリセリドの一定の混合物である。
【0155】
さらに、添加可能な別のオイル成分は6乃至18個、特に8乃至10個の炭素原子を有する脂肪アルコールを基材としている液体のゲルベ・アルコールである。
【0156】
さらに、上記ワックス相中において使用可能な別のオイル成分は種々のシリコーン・オイル、鉱油およびパラフィン・オイルおよび合成オイルを含み、これらは脂肪族または芳香族のいずれかであり、さらにこれらの混合物も含む。このようなオイルの例はスクアラン、スクアレン、イソヘキサデカン、イソエイコサン、ポリデカン、およびジアルキルシクロヘキサンの群の各要素である。
【0157】
上記ワックス相はさらに、例えば、種々の環状シリコーン、ジアルキル型またはアルキルアリール型のシロキサン、例えば、シクロメチコーン、ジメチル・シロキサンおよびメチルフェニル・ポリシロキサン等のようなシリコーン・オイル、ならびにこれらのアルコキシル化および四級塩化した類似体を含有できる。適当な不揮発性のシリコーン・オイルは、例えば、種々のポリアルキルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサンおよびポリエーテルシロキサンのコポリマーである。
【0158】
さらに別のオイル成分はエステル類、特に上記の「オイルおよび脂肪」の段において記載されている種々の液体エステルの任意のものである。特に重要なものはそれぞれ線形の飽和または不飽和のC6 −C22の脂肪酸と線形または分枝状で飽和または不飽和のC6 −C22の脂肪アルコールとによる種々の液体のエステル、および分枝状のC6 −C13のカルボン酸と線形または分枝状で飽和または不飽和のC6 −C22の脂肪アルコールとによる種々のエステルである。さらに、このようなエステル類のオイル成分の例は以下の、すなわち、デシル・オレエート、ココ・カプリレート/カプレート(商号をセチオール(Cetiol)(登録商標)SNとして入手可能)、ヘキシル・ラウレート、ミリスチル・イソステアレート、ミリスチル・オレエート、セチル・イソステアレート、セチル・オレエート、ステアリル・イソステアレート、イソステアリル・ミリステート、イソステアリル・パルミテート、イソステアリル・ステアレート、イソステアリル・イソステアレート、イソステアリル・オレエート、イソステアリル・オレエート、オレイル・ミリステート、オレイル・イソステアレート、オレイル・オレエート、オレイル・エルケート、ベヘニル・イソステアレート、エルシル・イソステアレート、エルシル・オレエート等である。また、さらに別の成分は線形のC6 −C22の脂肪酸と分枝状のアルコール、特に2−エチルヘキサノールとによる種々のエステル、分枝状のC6 −C22の脂肪酸と線形のアルコールとによる種々のエステル、C18−C38のアルキルヒドロキシカルボン酸と線形または分枝状のC6 −C22の脂肪アルコールとによる種々のエステル、線形および/または分枝状の脂肪酸と多官能性アルコール(例えば、プロピレン・グリコール、ダイマージオール、トリマージオール)および/またはゲルベ・アルコールとによる種々のエステル、およびC6 −C22の脂肪アルコールおよび/またはゲルベ・アルコールと芳香族カルボン酸、特に安息香酸とによる種々のエステル、およびC2 −C12のジカルボン酸と1乃至22個の炭素原子を有する線形または分枝状のアルコールとによる種々のエステル(例えば、ジオクチル・マレエート)である。
【0159】
さらに、別のオイル成分は天然物または合成物の起源の20℃において液体であり、脂肪族または芳香族のいずれかである、例えば、スクアラン、スクアレン、パラフィン・オイル、イソヘキサデカン、イソエイコサンまたはポリデカンならびにジアルキルシクロヘキサン等のような任意の炭化水素である。
【0160】
さらに別の成分
上記ワックス相は蝋質の性質またはその他の性質を有することのできるさらに別の成分も含有できる。これらの別の成分の使用は上記の感覚上の種々の特性、ならびに、特にワイパー材料に供給後の組成物の安定性、さらに特に上記水性の相に対する接触時のワックス粒子の安定化、および所望の放出プロファイルに対する適合性に影響することを可能にする。さらに、任意の他の成分も上記の稠度、感覚および外観に影響を及ぼすために添加できる。これらの成分は一般に水中において不溶性であるか溶解性に乏しい。また、水溶性の成分も、一般的に一定の可溶化用または乳化用の物質および一定の水との組み合わせにおいて混合できる。
【0161】
上記のさらに別の成分の例は種々の過度脂肪化剤、増粘剤、ポリマー、活性成分、粉末または粉末化成分、皮膜形成剤、UVフィルター剤、酸化防止剤、水親和剤、保存剤、駆虫剤、自己日焼剤、可溶化剤、芳香油、色素等である。
【0162】
また、上記のさらに別の成分は、上記ワックス分散物の全体の重量に対して、0.1乃至45重量%、好ましくは5乃至30重量%、さらに好ましくは10乃至25重量%の範囲の合計の量でその分散物中に存在できる。
【0163】
上記ワックス相はさらに、例えば、C12−C24の脂肪酸またはC12−C24のヒドロキシ脂肪酸の少量のアルカリ金属またはアルカリ土類金属ならびにアルミニウムの塩、好ましくはカルシウム、マグネシウム、アルミニウム、および特に亜鉛のステアリン酸塩等のようなコンシステンシー(稠度調整)剤も含有できる。
【0164】
上記ワックス相はさらに崩壊剤を含有することができ、これらの崩壊剤はワックス相の物理的な完全性の崩壊を生じる物質である。
【0165】
適当な崩壊剤は、自己間の相互作用または2種類の物質の間の相互作用のいずれかにより、物理的または化学的な相互作用を受けやすい物質である。このことにより、ワックス相に対して一定の物理的または化学的な相互作用が生じる。一例の崩壊剤は、例えば、分解または2種類の成分の間の化学的な反応による一定のガスを放出する物質である。このような崩壊剤の一例はナトリウムまたはカリウムおよび一定の適当な有機酸、例えば、クエン酸等のような一定の炭酸水素塩および一定の酸の固体の混合物である。この場合に、水に接触することにより、すなわち、上記水性の相に接触することにより、崩壊剤が作用して二酸化炭素を発生し、この二酸化炭素がワックス相を物理的に変化する。このような物理的な変化は、例えば、ワックス粒子をアプリケータ上に均質に分布させる。このことは水性の相とワックス粒子との間のあらゆる相互作用に影響を及ぼし、この相互作用はさらに各相の中の、例えば、活性物質等の種々の物質の皮膚に対する伝達に一定の積極的な作用を及ぼす可能性がある。また、一定の崩壊剤を使用する別の理由は上記ワックス分散物の変化した視覚的な態様が得られることである。
【0166】
上記ワックス相はさらにアプリケータ材料への供給中または供給後において一定の重合反応の影響を生じやすい成分を含有することができる。このような成分の例は種々のオリゴマーであり、これらはアプリケータへの供給中または供給後においてそれぞれのモノマーまたは別のオリゴマーと共に重合化し続ける。また、別の例は網状化または共重合を生じる物質である。また、一定時間の期間にわたり重合化を妨げる物質も存在できる。あるいは、例えば、熱、光または圧力等のような外部の要因の影響下において重合化を加速する物質も存在できる。
【0167】
上記のワックス分散物はそのワックス相または水性の相またはこれらの両方の中に色素を含有でき、これらの色素はその製品の使用時に温度または圧力の一定の変化により色を変える。このことは消費者に対して一定の良好な使用感を与えると共にその製品がそのワックス相を皮膚に配給していること、あるいは、いて値のワックス相が種々の活性成分を含有している場合に、これらが皮膚に配給されていると言う信頼感を与える。
【0168】
上記ワックス相はさらに色素前駆体、すなわち、種々の物理的または化学的な要因の影響により染色する物質を含有できる。特定の実施形態において、上記ワックス相は水性の相の中に存在している特定の物質と反応して一定の色素を形成する色素前駆体を含有できる。同様に、これらの色素前駆体は水性の相の中に存在していてワックス相の中に含まれている特定の薬品との相互作用により色素に変化することができる。
【0169】
上記ワックス分散物はまた種々のビーズまたはカプセルに配合できる。特に、これらのビーズは高分子のビーズであり、この場合に、ワックス分散物は何らかの形態でその中に保持されている。上記用語の「ビーズ(beads)」または「高分子(の)ビーズ(polymeric beads)」は一定の単体のまたは高分子の基材またはカプセルの中にワックス分散物を包容、被覆または収容している別々の自由に流動する粉末、ビーズまたはカプセルの任意の形態を含むことを意味する。これらの用語はまた多孔質ビーズまたは「マイクロスポンジ」および「マイクロカプセル」を含むことも意味し、この後者は比較的に小さな寸法のビーズである。これらのビーズはそのビーズの内部を保護してその中に保持されているワックス分散物の放出を制御する一定の適当な被覆材料により被覆できる。また、例えば、十分な量の増粘剤の添加により、上記ワックス分散物が十分に粘性である場合に、上記ビーズ自体の被膜が一定のワックス分散物を収容できる。この後者の場合に、その被膜は一定の不活性なコアまたはワックス分散物および/またはその他の種々の成分を収容している一定のコアの上に塗布される。
【0170】
上記ビーズの中におけるワックス分散物の配合はそのワックス分散物の構造の完全性に影響する可能性のある外部の種々の因子からそのワックス分散物を保護するために行なうことができる。しかしながら、この処理は制御されたワックス分散物の放出を可能にするために主として行なわれる。
【0171】
上記カプセルまたはビーズの寸法は上記分散物を収容するために十分な大きさであるように選択され、例えば、ミリ単位または0.1mmの範囲等の比較的に大きな寸法が好ましいと考えられる。この種のカプセルまたはビーズは寒天、グリコール酸ポリマー、および水、鉱油、グリセリン等のようなその他の成分を含む種々の材料により作成できる。さらに、これらは種々の保存剤、色素等のような別の成分も含有できる。
【0172】
別の種類のビーズまたはマイクロカプセルはマイクロスポンジである。これらは一定の大きな内部表面を有する約300μm(平均直径)までの大きさである。また、これらは特定の種々のモノマーの重合により得られる。さらに、ワックス分散物の材料はその重合化の処理中またはその後にその中に保持できる。
【0173】
上記のカプセルまたはビーズは1種類以上の適当な崩壊剤、特に本明細書において記載されている物質を随意的に収容できる。これにより、適当な外部の因子との接触時に、これらの崩壊剤がそのカプセルを開口させてその中に保持されているワックス分散物の放出を可能にする。
【0174】
上記のビーズまたはカプセルからのワックス分散物の放出は上記被膜の崩壊またはその基材により生じることができる。また、このことは、例えば、上記アプリケータ製品を皮膚または一定の表面に対して擦ることによる等の、その製品の使用時における圧力、ひずみまたは剪断力等のような物理的な因子の結果により生じることができる。また、上記ワックス分散物の放出は上記ビーズまたはその被膜の半透過性または多孔質の性質によるか、そのワックス分散物を抽出させるか、そのビーズまたはその被膜を溶解または崩壊する液体媒体に対する接触等のような外部因子によるか、温度の作用により生じることができる。上記カプセルはまた特定の薬品の影響、特にそのカプセルの中に含まれている種々の崩壊剤により、崩壊することも可能である。この後者の特定の実施形態は適当量の炭酸水素塩および一定の有機酸を収容しているカプセルであり、これらの物質は水に対する接触時、例えば、上記アプリケータ製品の使用時におけるその水性の相に対する接触時に、そのカプセルを崩壊させる。
【0175】
上記のビーズまたはカプセルは、例えば、乳化重合による等のような、当該技術分野において一般に知られている方法に従って作成できる。
【0176】
上記のビーズまたはカプセルは上記アプリケータの任意の部分に供給できるが、好ましくは、これらはそのアプリケータの表面または上面部に集中している。このことは上記ワックス分散物の皮膚に対する、あるいは、その製品が適用される表面に対する最大の伝達を可能にする。
【0177】
上記のビーズまたはカプセルはダスティング、シフティング、噴霧等の方法により乾燥した形態で上記アプリケータに供給できる。さらに、これらは適当な液体またはペーストの形態で印刷またはロール塗布することも可能である。また、これらは適当な液体と混合することもでき、この液体は上記ビーズ、または水、または一定の水性の相に対して不活性な一定の溶媒とすることができ、上記アプリケータに噴霧できる。
【0178】
好ましい組成物
本発明の好ましい実施形態において、そのワックス相は以下においてI,IIまたはIIIとして記載されている組成物を有している。
【0179】
好ましい実施形態において、上記ワックス相の組成物は25℃以上、好ましくは30乃至45℃の範囲内、さらに好ましくは32乃至40℃の範囲内の一定の融点または溶融範囲を有している。
【0180】
上記ワックス相の好ましい組成物の含水量は低く、例えば、10%以下、好ましくは6%以下、さらに好ましくは3%以下である。特に、好ましい組成物は無水である。
【0181】
本発明の一例の好ましい実施形態Iにおいて、上記ワックス相は1種類以上の脂肪酸のモノ−、ジ−またはトリ−グリセリド、またはモノ−、ジ−またはトリグリセリドを含有している天然オイルならびにこれらの天然オイルの水素添加した誘導体を含有している。これらのグリセリドの中の脂肪酸は合成物であるか種々の天然オイルおよびその水素添加した誘導体から誘導できる。これらの脂肪酸は12乃至24個、好ましくは16乃至20個の炭素原子を含む。
【0182】
一定の水素添加した天然オイルの特定の例は水素添加したヒマシ油である。
【0183】
好ましい実施形態I
好ましい実施形態Iにおいて、そのワックス相は1種類以上のモノ−、ジ−またはトリ−グリセリド、特に一定のC12-24 の脂肪酸のモノ−、ジ−またはトリ−グリセリド、さらに特に一定のC16-20 の脂肪酸のモノ−、ジ−またはトリ−グリセリドを含有している。さらに特に好ましい実施形態Iにおいて、そのワックス相は1種類以上のトリグリセリド、特にC12-24 の脂肪酸のトリグリセリド、さらに特にC16-20 の脂肪酸のトリグリセリドを含有している。さらに、これらのトリグリセリドの特定の例はグリセリル・ステアレート、グリセリル・オレエート、グリセリル・ラウレート、グリセリル・ミリステート、ココグリセリド、水素添加パーム・グリセリドである。
【0184】
特に、上記の好ましい実施形態Iのワックス相におけるモノ−、ジ−またはトリ−グリセリドの全体の量は、そのワックス相を形成している諸成分の全体の量に対する重量/重量の比率において、少なくとも50%(例えば、50乃至99.9%、または50乃至99%)、好ましくは少なくとも70%(例えば、70乃至99.9%、または70乃至99%)、さらに好ましくは少なくとも90%(例えば、90乃至99.9%、または90乃至99%)である。さらに好ましくは、上記の好ましい実施形態Iのワックス相におけるトリグリセリドの全体の量が、そのワックス相を形成している諸成分の全体の量に対する重量/重量の比率において、少なくとも50%(例えば、50乃至99.9%、または50乃至99%)、好ましくは少なくとも70%(例えば、70乃至99.9%、または70乃至99%)、さらに好ましくは少なくとも90%(例えば、90乃至99.9%、または90乃至99%)である。
【0185】
さらに、特定の実施形態Iにおいて、上記のモノ−、ジ−またはトリ−グリセリドの全体の量は、上記分散物の全重量に対する重量/重量の比率において、0.1乃至45%、好ましくは0.1乃至15%、さらに好ましくは0.1乃至12%の範囲内である。
【0186】
好ましい実施形態II
一例の好ましい実施形態IIにおいて、そのワックス相はC12−C50の脂肪アルコール、特にC12−C24の脂肪アルコールを含有しており、これらは天然の種々の脂肪、オイルまたはワックスから誘導されており、例えば、ミリスチル・アルコール、1−ペンタデカノール、セチル・アルコール、1−ヘプタデカノール、ステアリル・アルコール、ラウリル・アルコール、オレイル・アルコール、パルミチル・アルコール、セテアリル・アルコール、1−ノナデカノール、アラキジル・アルコール、1−ヘンエイコサノール、ベヘニル・アルコール、ブラシジル・アルコール、リグノセリル・アルコール、セリル・アルコールまたはミリシル・アルコールならびにゲルベ・アルコール等を含む。
【0187】
本発明の使用において特に重要なものはC14−C18の脂肪アルコールならびにC16−C18のゲルベ・アルコールである。
【0188】
上記のワックス相中に存在している1種類以上のC12−C50の脂肪アルコールの全体の量は、そのワックス相の全重量に対して、0.1乃至30%の範囲内または1乃至30%(重量/重量)の範囲内、好ましくは1乃至20%(重量/重量)、さらに好ましくは1乃至10%(重量/重量)の範囲内である。
【0189】
一例の特定の実施形態IIにおいて、上記1種類以上のC12−C50の脂肪アルコールの全体の量は、そのワックス相の全重量に対する重量/重量の比率において、0.1乃至45%の範囲内、好ましくは1乃至25%、さらに好ましくは5乃至20%の範囲内である。
【0190】
好ましい実施形態III
さらに、一例の好ましい実施形態IIIにおいて、そのワックス相は種々のジアルキル(ジアルキレン)エーテル、ジアルキル(ジアルキレン)カーボネート、ジカルボン酸またはヒドロキシ脂肪アルコールまたはこれらの種々の混合物から選択される少なくとも1種類のオイルまたはワックスの成分を含む一定の蝋質の組成物であり、その全体の組成物は一定の蝋質の稠度を有している。この好ましい実施形態におけるワックス相は、その必要とされる特性に応じて、さらに別の蝋質の脂質およびオイルを含有できる。しかしながら、そのワックス相の融点が周囲温度よりも高く、特に20℃乃至25℃であることが不可欠である。
【0191】
特に好ましい実施形態IIIにおいて、そのワックス相は一定の蝋質の組成物であり、この組成物は
(a)種々のジアルキル(ジアルキレン)エーテル、ジアルキル(ジアルキレン)カーボネート、ジカルボン酸またはヒドロキシ脂肪アルコールまたはこれらの種々の混合物、および
(b)一定の活性成分を含有している。
【0192】
上記の好ましい実施形態IIIのワックス相において使用するための特定のジアルキル(ジアルキレン)エーテル、ジアルキル(ジアルキレン)カーボネート、ジカルボン酸またはヒドロキシ脂肪アルコールは上記において述べられているものである。
【0193】
上記の好ましいまたは特に好ましいワックス組成物は好ましくは25℃以上において液化し、さらに/または、10%以下、好ましくは6%以下、さらに好ましくは3%以下の一定の含水量を有している。特に、上記の好ましいまたはさらに好ましい蝋質の組成物は無水であり、上記水性の相により分解しない物質である。なお、本明細書において用いられているように、無水とは、一般に上記の相が水の添加されていない低い含水量の種々の材料により構成されていることを意味する。
【0194】
上記の好ましい組成物IIIを有するワックス相は一般に当該ワックス相に関して本明細書において記載されている物質と同一のさらに別の成分を含有することができ、特に、別の蝋質の脂質成分またはオイルを含有できる。
【0195】
上記の好ましい組成物IIIを有するワックス相は種々のジアルキル(ジアルキレン)エーテル、ジアルキル(ジアルキレン)カーボネート、ジカルボン酸またはヒドロキシ脂肪アルコールも含有できるが、これらの量はそのワックス相の全体の組成物の融点または溶融範囲が25℃を超えて、さらに好ましくは、上記において述べられている温度範囲内になる量である。
【0196】
上記の好ましいワックス組成物、特に、上記の好ましいワックス組成物I,IIおよびIIIはさらに別の成分、特に、例えば、20%よりも低い濃度等のような、一定の蝋質の稠度を有する任意の成分を含有できる。
【0197】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明のワックス分散物中のワックス相は上記の好ましい実施形態I,IIまたはIIIの組成を有しており、35乃至50℃、特に35乃至45℃、さらに特に37乃至42℃の範囲内である一定の融点を有している。これらはそのワックス相が、上記アプリケータに適用された場合に、微細に分散された状態に維持されて、体温において適用される時にのみ液体になることを可能にするための好ましいと考えられる条件である。また、このようなワックス分散物により処理されているアプリケータは保管中に特に安定であり、各相の混合が回避できる。
【0198】
特に好ましい実施形態において、本発明の製品は一定のワックス分散物を有しており、このワックス分散物は
(a)1乃至50重量%のワックス相を含み、このワックス相は
(a1)C14乃至C30のジアルキル・エーテル、C14乃至C30のジアルキル・カーボネート、C4 乃至C34のジカルボン酸またはC12乃至C30のヒドロキシ脂肪アルコールまたはこれらの任意の混合物から選択される0.1乃至30重量%の少なくとも1種類のオイルまたはワックスの成分、
(a2)0.1乃至10%(重量/重量)の少なくとも1種類のオイル、
(a3)0.1乃至10%(重量/重量)の少なくとも1種類の非イオン性の乳化剤、
(a4)0.1乃至40%(重量/重量)の少なくとも1種類のさらに別の蝋質の成分を含み、この場合の重量/重量は上記ワックス分散物の全重量に対する比率であり、さらに上記ワックス分散物は
(b)50乃至99%(重量/重量)の一定の水性の相を含み、この場合の重量/重量は上記ワックス分散物の全重量に対する比率である。
【0199】
ポリマー
本発明の別の実施形態において、上記ワックス分散物は少なくとも1種類のポリマーを好ましくはその水性の相の中に含有している。これらのポリマーの存在は本発明のワックス分散物の中における微細なワックス粒子を形成する能力の改善を補助する。これらのポリマーは通常において、そのワックス分散物の全重量に対して、0.01乃至5(重量/重量)%、特に0.05乃至3、さらに特に0.1乃至2(重量/重量)%の範囲の量で存在している。
【0200】
使用可能なアニオン性、両性イオン性、両性および非イオン性のポリマーは、例えば、ビニルアセテート/クロトン酸のコポリマー、ビニルピロリドン/ビニルアクリレートのコポリマー、ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボルニルアクリレートのコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸のコポリマーおよびこれらのエステル、無架橋型または種々のポリオールと架橋しているポリアクリル酸、塩化アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム/アクリレートのコポリマー、オクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート/ターシャリー・ブチルアミノエチルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレートのコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/ビニルアセテートのコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニル・カプロラクタムのターポリマーならびに随意的に誘導したセルロース・エーテルおよび種々のシリコーンである。
【0201】
特に重要なものは多糖類であり、特に、キサンタン・ガム、グアー−グアー、アガー−アガー、アルギネートおよびチロース、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリレート(例えば、ノビオン社(Noveon)のカルボポル(Carbopole)(登録商標)または3V/シグマ社(3V/Sigma)のシンタレン(Synthelene)(登録商標))、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールおよび種々の脂肪酸の高分子量ポリエチレン・グリコールのモノ−およびジ−エステルである。
【0202】
適当なカチオン性のポリマーは、例えば、カチオン性の種々のセルロース誘導体、例えば、四級塩化ヒドロキシエチル・セルロース(アマーコール社(Amerchol)により商号をポリマーJR400(Polymer JR400)(登録商標)として市販されている)、カチオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩およびアクリルアミドのコポリマー、四級塩化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールのポリマー(例えば、BASF社のルビクォート(Luviquat)(登録商標))、ポリグリコールおよびアミンの濃縮生成物、例えば、ラウリルジモニウム・ヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(ラメクォート(Lamequat)(登録商標)L/グリューナウ社(Grunau))等のような四級塩化コラーゲン・ポリペプチド、四級塩化小麦ポリペプチド、ポリエチレン・イミン、カチオン性シリコーン・ポリマー、例えば、アモジメチコーン、アジピン酸およびジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンのコポリマー(カルタレチン(Cartaretine)(登録商標)/サンドズ社(Sandoz))、アクリル酸および塩化ジメチルジアリルアンモニウムのコポリマー(メルクォート(Merquat)(登録商標)550/ケムビロン社(Chemviron))、ポリアミノポリアミド、例えば、微小結晶の形態で随意的に分散している四級塩化キトサン等のようなカチオン性キチン誘導体、例えば、ビス−ジメチルアミノ−1,3−プロパン等のビス−ジアルキルアミンにより、例えば、ジブロモブタン等のジハロゲンアルキレンから誘導した濃縮生成物、例えば、セラニーズ社(Celanese)のジャガー(Jaguar)(登録商標)CBS、ジャガー(Jaguar)(登録商標)C−17、ジャガー(Jaguar)(登録商標)C−16等のようなカチオン性グアー・ガム、例えば、ミラノール社(Miranol)のミラポール(Mirapol)(登録商標)A−15、ミラポール(Mirapol)(登録商標)AD−1、ミラポール(Mirapol)(登録商標)AZ−1等のような四級塩化アンモニウム塩のポリマーである。
【0203】
好ましいものは水溶性または水膨潤性のポリマー、特に、非イオン性およびアニオン性のポリマーである。さらに、特に好ましいものはポリアクリレート、多糖類、ポリアクリルアミド、またはこれらのポリマーの任意の混合物から選択されるポリマーである。
【0204】
乳化剤
本発明の微粒子のワックス分散物の安定性は適当な乳化剤を添加することにより高められる。これらは特にイオン性および非イオン性の乳化剤であり、この後者はさらに好ましい。これらの乳化剤はW/O型(好ましくはワックス相中において用いられる)またはO/W型(好ましくは水性の相中において用いられる)のいずれにすることもできる。このような乳化剤の添加は親水性の種々の成分または物質、さらに少量の水をワックス相に混合することを可能にし、逆に、親油性の種々の成分または物質を水性の相に混合することも可能にする。
【0205】
好ましいものは非イオン性の乳化剤であり、この物質は一般的に良好な皮膚に対する適合性および穏やかさを有していて、環境に対してやさしい。これらはさらに微細な粒子状の分散物の安定性を高める。特に重要なものはW/O型およびO/W型の乳化剤の組み合わせ物であり、これらは高められた安定性および改善された感覚上の特性の種々の分散物を生じる。
【0206】
さらに、上記ワックス分散物はこれらの乳化剤を、そのワックス分散物の全重量に対して、0.1乃至10(重量/重量)%、特に0.5乃至7(重量/重量)%、さらに特に1乃至5(重量/重量)%の量で含有している。
【0207】
非イオン性の乳化剤
以下のそれぞれは適当な非イオン性の乳化剤である。
(1)12乃至40個の炭素原子を有する脂肪酸およびアルキル基において8乃至15個の炭素原子を有するアルキルフェノールに対する2乃至50モルのエチレン・オキシドおよび/または1乃至20モルのプロピレン・オキシドの付加生成物。
(2)グリセリンに対する1乃至50モルのエチレン・オキシドの付加生成物のC12-18 の脂肪酸のモノ−およびジ−エステル。
(3)グリセリンのモノ−およびジ−エステルに対するエチレン・オキシドの付加生成物、および6乃至22個の炭素原子を有する飽和および不飽和の脂肪酸のソルビタンのモノ−およびジ−エステルおよびこれらのエチレン・オキシドの付加生成物。
(4)アルキル基において8乃至22個の炭素原子を有するアルキル置換のモノ−およびオリゴ−グリコシドおよびこれらのエトキシル化した類似体。
(5)ヒマシ油および/または硬化ヒマシ油に対する7乃至60モルのエチレン・オキシドの付加生成物。
(6)例えば、ポリオール・ポリー12−ヒドロキシステアレート、ポリグリセリン・ポリシリノーレエート、ポリグリセリン・ジイソステアレートまたはポリグリセリン・ジマレエート等のようなポリオール、特にポリグリセリンのエステルであり、これらの物質の種類の幾つかの成分の混合物も適用可能である。
(7)ヒマシ油および/または硬化ヒマシ油に対する2乃至15モルのエチレン・オキシドの付加生成物。
(8)線形、分枝鎖状、不飽和または飽和のC6 -22 の脂肪酸、リシノール酸ならびに12−ヒドロキシステアリン酸およびグリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスライト、ジペンタエリスライト、糖アルコール(例えば、ソルビトール)、アルキルグルコシド(例えば、メチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)ならびにポリグルコシド(例えば、セルロース)から誘導した部分エステル、またはグリセリル・ステアレート/シトレートおひょびグリセリル・ステアレート/ラクテート等のような混合エステル。
(9)ポリシロキサン−ポリアルキル−ポリエステルのコポリマーおよびこれらのそれぞれの誘導体。
(10)ペンタエリスライト、脂肪酸、クエン酸および脂肪アルコールによる混合エステルおよび/または6乃至22個の炭素原子を有する脂肪酸およびメチルグルコースおよびポリオールの混合エステル、それぞれのグリセリンまたはポリグリセリン。
(11)ポリアルキレン・グリコール
【0208】
上記のエチレン・オキシドおよび/またはプロピレン・オキシドおよび種々の脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノールの付加生成物、種々の脂肪酸またはヒマシ油のグリセリンのモノ−およびジ−エステルならびにソルビタンのモノ−およびジ−エステルは既知であり、市場において入手可能な製品である。通常においてこれらは種々の類似体の混合物であり、これらのアルコキシル化の平均の程度は付加反応を行なうエチレン・オキシドおよび/またはプロピレン・オキシドおよび基体または支持体の開始量の比率に対応している。さらに、このアルコキシル化の程度に応じて、これらの製品はW/O型またはO/W型の乳化剤のいずれかになる。また、グリセリンに対するエチレン・オキシドの付加生成物のC12-18 の脂肪酸のモノ−およびジ−エステルが美顔用の用途における脂肪補充用の物質として知られている。
【0209】
特に重要なものは上記のリストにおけるグループ(4)の非イオン性の乳化剤である。このアルキルオリゴグルコシドのグループ、特に、C8 −C22のアルキルモノ−およびオリゴグルコシドによる非イオン性の乳化剤はそれぞれの良好な皮膚の適合性により魅力がある。また、一定のアルキル基に連結している糖骨格を有するアルキル・モノグルコシドならびに約8個までのオリゴマー化の程度を有するアルキルオリゴグルコシド、またはこれらの混合物も適宜に使用できる。これらの一例は商号をプランタケア(Plantacare)(登録商標)として市場において入手可能である1乃至2個のオリゴマー化の程度を有する一定のC8 −C16のアルキルグルコシドである。さらに適当な非イオン性の乳化剤はアシルグルカミドである。
【0210】
特に有用でおだやかな乳化剤はポリオールポリ−12−ヒドロキシステアレートおよびこれらの別の成分との混合物であり、これらの別の成分はコグニス・ドイチュランド社(Cognis Deutschland GmbH)から商号を「デヒムルス(Dehymuls)(登録商標)PGPH」(W/O型乳化剤)または「ユームルジン(Eumulgin)(登録商標)VL75」(ココ−グルコシドとの1:1(重量/重量)の混合物、O/W型乳化剤)またはデヒムルス(Dehymuls)(登録商標)SBL(W/O型乳化剤)として入手可能である。この場合に、これらの乳化剤におけるポリオール成分は少なくとも2個、特に3乃至12個、さらに特に3乃至8個のヒドロキシル基、および2乃至12個の炭素原子を有する材料から誘導できる。
【0211】
親油性のW/O型の乳化剤は原理的に1乃至8の範囲内の一定のHLB値を有する乳化剤であり、この値は、例えば、キルク−オスマー(Kirk-Othmer),「エンサイクロペディア・オブ・ケミカル・テクノロジー(Encyclopedia of Chemical Technology)」,第3版,1979年,第8巻,p.913において記載されている。このエトキシル化生成物のHLB値は以下の式、すなわち、HLB=(100−L):5により計算され、この場合に、Lは親油基、すなわち、エチレン・オキシド付加体中の脂肪族アルキル基または脂肪族アシル基のパーセント値(重量%単位)である。
【0212】
特に魅力的なW/O型の乳化剤は種々のポリオールの部分エステル、特に、種々のポリオール、特にC3-6 のポリオールの脂肪酸のモノ−、ジ−、トリ−、またはセスキ−エステルであり、例えば、グリセリル・モノエステル、ペンタエリスライトの部分エステルまたは炭水化物のエステル、特に、ソルビタンのモノ−、ジ−、トリ−またはセスキ−脂肪エステル、特に、ソルビタンのステアレート、オレエート、エルケート、リシノーレエート、ヒドロキシステアレート、イソステアレート、タートレート、シトレート、およびマレエート等を含む。同様に重要なものはこれらのソルビタン・エステルに対する、特に1乃至30モル、さらに5乃至10モルのエチレン・オキシドの付加生成物である。
【0213】
上記ワックス相の中に水溶性の種々の活性成分および/または少量の水を含有させることが望ましい場合に、上記非イオン性のO/W型乳化剤(HLB値:8乃至18)のグループから選択した一定の乳化剤および/または可溶化剤を添加することが有利になると考えられる。これらは、例えば、O/W型乳化剤の場合に10乃至20個のエチレン・オキシド単位の対応する高度なエトキシル化を有していて、いわゆる可溶化剤に対応する20乃至40個のエチレン・オキシド単位を有する上記において既に述べられているエチレン・オキシドの付加体とすることができる。このようなO/W型の乳化剤として特に魅力的なものはセテアレス−12(Ceteareth-12)およびPEG−20・ステアレートである。また、特に魅力的な可溶化剤はユームルジン(Eumulgin)(登録商標)HRE40(INCI:PEG−40水素添加ヒマシ油)、ユームルジン(Eumulgin)(登録商標)HRE60(INCI:PEG60水素添加ヒマシ油)、ユームルジン(Eumulgin)(登録商標)L(INCI:PPG−1−PEG−9ラウリルグリコール・エーテル)およびユームルジン(Eumulgin)(登録商標)SML20(INCI:ポリソルベート−20)である。
【0214】
アルキル・オリゴグリコシドのグループの非イオン性の乳化剤は特に皮膚の適合性があり、それゆえ、O/W型の乳化剤として好ましい。C8 −C22のアルキル・モノ−およびオリゴヌクレオシドはこれらの調製および使用が当該技術分野において記載されている。この場合に、これらのオリゴグリコシドは約8までの重合化の程度を有するオリゴマーのグリコシドを含むことを意味する。さらに、この重合化の程度は特定範囲のオリゴグリコシドにより構成されている上記の製品に対応して使用する一定の統計的な平均値である。この一例は商号をプランタケア(Plantacare)(登録商標)として販売されている製品であり、この製品は1および2のオリゴマー化の平均の程度を有するオリゴグルコシドの残基にグリコシドの形態で結合しているC8 −C16のアルキル基を有している。
【0215】
別の非イオン性の乳化剤はアシル・グルカミドである。好ましいものはアルキル・ポリグルコシドおよび脂肪アルコールの1:1の混合物である商号をエマルゲード(Emulgade)(登録商標)PL68/50(コグニス・ドイチュランド社(Cognis Deutschland GmbH))として販売されている製品、および商号をユームルジン(Eumulgin)(登録商標)VL75として販売されているラウリル・グルコシド、ポリグリセリル−2−ジポリヒドロキシステアレート、グリセリンおよび水の一定の混合物である。
【0216】
ワックス分散物中の一方または両方の相における付加的な成分
本発明のワックス分散物はその分散した粒子を担持するワックス相または水性の相の中またはこれらの両方の中に存在できるさらに別の成分を含有できる。これらの例は活性な成分、加湿剤、制汗剤、UV吸収剤等である。
【0217】
活性成分
上記ワックス分散物は皮膚に供給するための種々の活性な成分を含有できる。この場合に、このワックス分散物中のワックス相は油溶性または疎水性の活性成分を含有していることが好ましく、水性の相は水溶性または親水性の活性成分を含有していることが好ましい。しかしながら、適当な乳化剤を使用することにより、油溶性または親油性の活性成分を水性の相の中に混合することができるようになり、逆に、水溶性または親水性の物質がワックス分散物のワックス相の中に混合できるようになる。
【0218】
上記の活性成分は親水性または親油性のいずれでもよく、適当なキャリヤと共に混合するかその中に組み込むことができる。これらは種々の活性成分を配合するために知られている任意の皮膚に対して許容可能な不活性な物質を含む。これらのキャリヤは微細にまたは比較的に粗く分割した粉末にすることができ、あるいは、粒状でもよい。また、これらは種々のデンプン、糖類、結合剤、潤滑剤、希釈剤、充填剤、崩壊剤、粗砕剤、およびこれらに類似の成分を含むことができる。この場合に、これらのキャリヤ材料の性質はその中に配合する活性成分および望まれる配合物の種類により決まる。
【0219】
種々の活性成分を組み込むための特定のキャリヤは内部に活性成分を特定の形態で保持するビーズである。これらの用語の「ビーズ(beads)」または「高分子のビーズ(polymeric beads)」は任意の形態の分離している自由流動性の粉末、ビーズまたはカプセルを含むことを意味し、これらは一定のモノ−またはポリマーの基材またはカプセルの中に一定の活性成分を包容、被覆または収容する。これらの用語はまた多孔質のビーズまたは「マイクロスポンジ」および「マイクロカプセル」を含むことも意味し、後者は比較的に小さい寸法のビーズである。これらのビーズは適当な被覆材料により被覆することができ、この材料はそのビーズの内部を保護してその中に保持されている活性成分の放出を制御する。さらに、このビーズの被膜自体も活性成分を含むことができ、この場合に、その被膜は一定の不活性なコアの上に置かれている。
【0220】
上記ビーズの中の活性な成分の配合は種々の環境の因子からその活性成分を保護するために行なうことができるが、主としてその活性成分の制御された放出を可能にするために行なわれる。
【0221】
特定の種類のビーズは小形のビーズまたはカプセルであり、マイクロメートルの範囲内の平均の直径を有しているが、この平均の直径は200nm程度に小さくすることも可能である。
【0222】
この種のカプセルはリポソームを基材として、例えば、レシチン、ホスファチジル・エタノールアミン、ホスファチジル・セリン、ホスファチジン酸等のような種々のリン脂質により作成できる。また、この種のカプセルはデンプン、セルロース、多孔質ゼラチン等により作成することも可能である。
【0223】
上記のカプセルまたはビーズはまたmm(ミリメートル)または0.1mmの範囲内の平均寸法を有する比較的に大きな寸法にすることも可能である。この種のカプセルまたはビーズは寒天、グリコール酸ポリマー、および水、鉱油、グリセリン等のような別の成分により作成できる。これらはさらに種々の保存剤、色素等のような別の成分も含有できる。
【0224】
別の種類のビーズまたはマイクロカプセルはマイクロスポンジである。これらは一定の大きな内部表面を有する約5乃至約300μm(平均直径)の寸法を有する材料である。また、これらは特定のモノマーの重合化により得られる。さらに、一定の活性成分がその重合化の処理中またはその後にその内部に保持できる。これらのマイクロスポンジを基材とするキャリヤは内部に保持した活性成分を保護して制御された放出のために使用できる。
【0225】
上記のカプセルは特に本明細書において記載されている1種類以上の崩壊剤を随意的に含有できる。適当な外部因子と接触すると、この崩壊剤はカプセルを開口させてその中に保持されている活性成分の放出を可能にする。
【0226】
これらのカプセルは上記のワックス粒子、または好ましくは水性の相またはこれらの両方の中に組み込むことができる。これらはまた上記の脂質および水性の相の導入の前に上記アプリケータに供給することもできる。さらに、これらは上記アプリケータ自体の製造処理中に導入することも可能である。
【0227】
上記のビーズまたはカプセルからの活性物質の放出はその被膜または基材の崩壊により生じることができる。さらに、このことは圧力、ひずみ等のような種々の物理的な因子によるか、アプリケータ製品を皮膚または一定の表面に対して擦る等によるその製品の使用時の剪断力により生じることができる。さらに、上記活性成分の放出は上記ビーズまたはその被膜の半透過性または多孔質の性質によるかその活性成分を抽出させる液体媒体との接触等の外部要因によるか、そのビーズまたはその被膜の溶解または崩壊によるか温度の作用により生じることができる。上記のカプセルはまた特定の薬品の影響、特にそのカプセルの中に組み込まれている崩壊剤により崩壊することもできる。この後者の特定の実施形態は適当量の炭酸水素塩および一定の有機酸を含有しているカプセルであり、これらは水に接触すると、例えば、上記水性の相に接触すると、そのアプリケータ製品の使用時に、カプセルを崩壊させる。
【0228】
上記のビーズまたはカプセルは、例えば、エマルジョンの重合化等のような、当該技術分野において一般に知られている方法に従って作成できる。
【0229】
上記のビーズまたはカプセルは上記アプリケータの任意の部分に供給できるが、これらがそのアプリケータの表面または上面部に集中していることが好ましい。このことはその製品が適用される皮膚または表面に対する活性成分の最大の伝達を可能にする。
【0230】
上記のビーズまたはカプセルはダスティング、シフティング、噴霧等の方法により乾燥した形態で上記アプリケータに供給できる。さらに、これらは適当な液体またはペーストの形態で印刷またはロール塗布することも可能である。また、これらは適当な液体と混合することもでき、この液体は上記ビーズ、または水、または一定の水性の相に対して不活性な一定の溶媒とすることができ、上記アプリケータに噴霧できる。
【0231】
本発明の製品において使用するための親油性または親水性とすることのできる活性物質の例は、例えば、明白化剤、自己日焼剤等のような暗色化剤、抗アクネ剤、照り調整剤、抗菌剤、抗炎症剤、抗真菌剤、抗寄生虫剤、外部麻酔薬、サンスクリーン剤、光保護薬、酸化防止薬、角質溶解剤、洗浄剤/界面活性剤、加湿剤、栄養素、ビタミン、エネルギー増加剤、制汗剤、収れん薬、消臭薬、除毛剤、引き締め剤、抗べんち薬、および毛髪、爪および/または皮膚のコンディショニングのための種々の薬物等のような皮膚、毛髪、または爪に一定の美顔用また治療用の作用を与える種々の化合物を含む。
【0232】
さらに、上記活性物質の例は種々のヒドロキシ酸、ベンゾイル・ペルオキシド、サルファー・レゾルシノール、アスコルビン酸、D−パンテノール、ヒドロキノン、オクチル・メトキシシンナメート、二酸化チタン、オクチル・サリチレート、ホモサレート、アボベンゾン、ポリフェノール、カロチノイド、遊離ラジカル・スカベンジャー、スピン・トラップ、レチノールおよびレチニル・パルミテート等のようなレチノイド、セラミド、ポリ不飽和脂肪酸、必須脂肪酸、酵素、酵素抑制因子、鉱物、エストロゲン等のようなホルモン、ヒドロコルチゾン等のようなステロイド、2−ジメチルアミノエタノール、塩化銅等のような銅塩、Cu:Gly−His−Lys等のような銅を含有しているペプチド、コエンザイムQ10、PCT国際公開第WO00/15188号において記載されている物質等のようなペプチド、リポ酸、プロリンおよびチロシン等のようなアミノ酸、ビタミン、ラクトビオニック酸、アセチル−コエンザイムA、ナイアシン、リボフラビン、チアミン、リボース、NADHおよびFADH2等のような電子伝達因子、およびアロエおよびダイズ等のような他の植物抽出物、およびこれらの誘導体および混合物である。特に重要なものは刺激を受けた、赤みの付いた損傷している炎症反応を示している皮膚を治療するために使用できる活性物質である。さらに、このような物質の例は種々の亜鉛の化合物またはイオウである。さらに、上記ビタミンの例はビタミンA、ビタミンB3、ビタミンB5、およびビタミンB12等のようなビタミンB、ビタミンC、ビタミンK,およびビタミンEおよびこれらの種々の誘導体を含むがこれらに限定されない。
【0233】
上記美顔用の活性物質は一般的に上記ワックス分散物の約0.001乃至約10重量%、例えば、約0.01乃至約10%、さらに約0.1%乃至約5%の一定の量でその分散物中に存在する。
【0234】
上記抗菌剤の典型的な例は2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニル・エーテル、クロロヘキシジン(1,6−ジ−(4−クロロフェニル−ビグアニド)ヘキサン)またはTCC(3,4,4’−トリクロロカルバニリド)等のようなグラム陽性バクテリアに対して活性な物質である。さらに多くの消臭剤およびエーテルのオイルが抗菌活性を有している。また、グリセリン・モノラウレート、グリセリン・ステアレート、グリセリン・オレエートならびにグリセリン・ジオレエートは抗菌活性を有することが知られており、それぞれの穏やかさおよび副作用の無いことにより乳児において適用される製品における使用において特に魅力的である。この抗菌剤の量は変更可能であるが、通常において上記ワックス分散物の全体の量に対して約0.1乃至2(重量/重量)%の範囲内である。
【0235】
さらに別の成分
上記ワックス分散物は種々の加湿剤、過度脂肪化剤、増粘剤、粉末、生体活性物質、消臭剤、皮膜形成剤、UVサンスクリーン・フィルター、酸化防止剤、屈水性誘発物質、保存剤、虫駆除剤、自己日焼剤、可溶化剤、香料、色素、顔料等のような成分を含有できる。
【0236】
好ましい酸化防止剤はカロチノイド、カロチン(例えば、α−カロチン、β−カロチン、リコピン)およびこれらの誘導体、α−ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴさん)、EDTA、ビタミンCおよび誘導体(例えば、アスコルビル・パルミテート、Mg−アスコルビル・ホスフェート、アスコルビル・アセテート)、トコフェロールおよび誘導体(例えば、ビタミンE・アセテート)、ブチルヒドロキシ・トルオールおよびブチルヒドロキシ・アニソールである。
【0237】
上記生体活性物質は、例えば、トコフェロール、トコフェロール・アセテート、トコフェロール・パルミテート、アスコルビン酸、デオキシリボ核酸、レチノール、ビスアボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、α−ヒドロキシカルボン酸、アミノ酸、セラミド、プソイドセラミド、エッセンシャル・オイル、種々の抽出物およびビタミン複合体である。
【0238】
加湿剤
上記ワックス分散物は、そのワックス相または水性の相のいずれかにおいて、さらに1種類以上の加湿剤を含有できる。これらは感覚上の特性を改善して皮膚の水和状態を調整するために添加されている。さらに、これらの物質は上記アプリケータの中の組成物または当該アプリケータの中への組成物の浸透性を改善できる。
【0239】
種々の加湿剤は一般的に上記ワックス分散物の全体の量に対して1乃至20(重量/重量)%、好ましくは5乃至15(重量/重量)%、さらに好ましくは5乃至10(重量/重量)%の量で存在している。
【0240】
適当な加湿剤は、例えば、種々のアミノ酸、ピロリドン、カルボン酸、乳酸およびその塩、ラクチトール、尿素および尿素誘導体、尿酸、グルコサミン、クレアチニン、コラーゲンの加水分解生成物、キトサンまたはキトサンの塩/誘導体、および特にポリオールおよびポリオールの誘導体(例えば、エチレン・グリコール、プロピレン・グリコール、ブチレン・グリコール、ペンチレン・グリコール、へキシレン・グリコール、エリスライト、1,2,6−ヘキサントリオール、PEG−4、PEG−6、PEG−7、PEG−8、PEG−9、PEG−10、PEG−12、PEG−14、PEG−16、PEG−18、PEG−20、PEG−135、PEG−150等のようなポリエチレン・グリコール、糖および糖の誘導体(例えば、フルクトース、グルコース、マルトース、マルチトール、マンナイト、イノサイト、ソルバイト、ソルビチル・シランジオール、スクロース、トレハロース、キシロース、キシリット、グルクロン酸およびその塩)、エトキシル化ソルビトール(ソルベス−6、ソルベス−20、ソルベス−30、ソルベス−40)、蜂蜜および水素添加した蜂蜜、水素添加したデンプンの加水分解物、ならびに水素添加した小麦タンパク質、加水分解した乳タンパク質、レシチン、ピタントリオール、ヒアルロン酸およびこれらの塩の混合物、およびPEG−20−アセテートのコポリマーである。さらに、特に好ましい加湿剤はグリセリン、ジグリセリンおよびトリグリセリンである。
【0241】
本発明による製品は制汗剤または消臭剤として使用でき、特に、これらの用途において使用するためのワイパーまたはティシューとして使用できる。これらの用途のための製品において、上記のワックス分散物、または存在する場合の、上記の水性の相は消臭性および/または制汗性の特性を有する種々の活性物質を含有している。この目的のために使用できる活性物質は、例えば、アルミニウム・クロロハイドレート、アルミニウム−ジルコニウム−クロロハイドレートならびに亜鉛の塩等のような制汗剤である。
【0242】
本発明による製品はまたサンスクリーン剤の用途においても使用可能であり、この場合に、サンスクリーン・ワイパーの形態を採る。これらの製品において、そのワックス粒子および/または水性の相は1個以上のサンスクリーン・フィルターを含み、これらは、例えば、紫外線を吸収してその吸収したエネルギーを長波長の放射線、すなわち、熱エネルギーとして放出することのできる種々の有機物質である。
【0243】
上記可溶性の物質とは別に、不溶性のサンスクリーン用の顔料、すなわち、微細に分散している種々の金属酸化物または金属の塩も使用できる。
【0244】
ワックス分散物の調製
上記ワックス分散物はそのワックス相の融点または溶融範囲(通常において約40乃至90℃)よりも高い一定の温度において一定の水性の相中にそのワックス成分を含む一定の予備エマルジョン体を調製してその予備エマルジョン体を上述した温度において上記高分子の成分を含む一定の冷温の水性の相(通常において1乃至30℃の範囲内の温度)の中に導入することにより得ることができる。なお、この冷温の水性の相の温度は好ましくは25℃よりも低いか等しく、特に5乃至25℃の一定の温度であることが好ましい。上記の「比較的に暖かい」予備エマルジョン体の添加中に、冷温の水性の相の温度を維持してその温度がワックス相の融点温度または溶融範囲に到達しないようにする必要があり、継続した冷却が必要になる。また、上記のワックス成分は上述したワックス成分の中のいずれかから選択できる。
【0245】
上記の高分子成分は好ましくは水溶性または水膨潤性である。種々のポリマーを使用することにより、極めて細かな粒子の安定なワックス分散物が得られ、この分散物は長期間にわたり分離しない。好ましくは、上記の予備エマルジョン体は一定のポリマーも含有する。適当なポリマーが上記において説明されている。好ましい処理の実施において、上記ポリマーは種々のポリカーボネート、多糖類、ポリアクリルアミドまたはこれらのポリマーの任意の混合物の群から選択される。
【0246】
上記高温の予備エマルジョン体を冷温の水性の相の中に導入する処理は既知の種々の方法を適用することにより行なうことができる。微細に分散した粒子を得るために、上記の予備エマルジョン体を水性の相に加える前に少なくとも1回だけ均質にすることが好ましい。さらに好ましい実施形態において、この予備エマルジョン体は上記水性の相に添加する前に、好ましくは50℃以下の温度まで、一定の熱交換器を用いて冷却される。さらに好ましくは、この予備エマルジョン体は上記水性の相の中に一定のノズルを通して圧力下に噴霧される。この特定の圧力条件の設定はその使用する装置により決まる。
【0247】
上記処理のさらに好ましい実施において、上記水性の相はジアルキル(ジアルキレン)エーテル、ジアルキル(ジアルキレン)カーボネート、ジカルボン酸またはヒドロキシ脂肪アルコールまたはこれらの任意の混合物の群から選択される一定のオイルまたはワックス成分および少なくとも1種類の乳化剤を含有している。特定のこれらの成分が本明細書において既に記載されている。
【0248】
好ましくは、上記開始材料のそれぞれの量は(a)1乃至75(重量/重量)%の一定のワックス相および(b)25乃至99(重量/重量)%の一定の水性の相を含有するワックス分散物が得られるように選択されており、この場合に、上記の重量/重量はそのワックス分散物の全体の重量に対する比率である。
【0249】
ワックス分散物の供給
上記ワックス分散物は種々の方法で上記アプリケータに供給できる。好ましくは、上記ワックス分散物は上記アプリケータの表面または表面部分において一面または幾つかの面に供給される。
【0250】
また、上記ワックス分散物は上記アプリケータに均一または不均一に供給でき、この不均一とは、そのワックス分散物の量の分布が一定のアプリケータの領域の上において変化していて、そのアプリケータの一部の領域が比較的に多量または少量のワックス分散物を有することができることを意味している。好ましくは、このワックス分散物は一定のアプリケータの領域に均一に供給されている。
【0251】
また、上記ワックス分散物は一定のアプリケータの一面または幾つかの面に連続的にまたは不連続的に供給することができ、あるいは、一定の生地の一面または幾つかの面における完全な被覆物として供給することも可能である。
【0252】
上記ワックス分散物は好ましくは上記アプリケータの一面または幾つかの面に不連続なパタンで供給されている。この目的のために、そのワックス分散物は一定のアプリケータの特定の種々の領域に所定の制御された様式で供給される。一定の不連続なパタンは上記ワックス分散物がそのワックス分散物の存在していないアプリケータの幾つかの領域により分離されている異なる領域に供給されているパタンである。この場合のワックス分散物は一定のアプリケータの定められた各部分または各領域に供給されていて、これらは多様な形態を採ることができる。また、このワックス分散物は特に上述したように供給できる。このワックス分散物が供給できる特定の形態は、上記の脂質および水性の相の供給の場合にさらに一般的に記載されている種々のパタンを含み、例えば、種々のストライプ、ドットまたはスポット、幾何学的な形態、規則的または不規則な形状、例えば、円形、楕円形、正方形、長方形等、ロゴ、テキスト、文字、またはその他の任意の不連続なパタンである。
【0253】
不連続なパタンはまた上記ワックス分散物の比較的に大きな実質的に網状の構造も含む。一定の好ましい実施形態において、上記ワックス分散物は分離しているストライプとして存在しており、これらは不連続的に、すなわち、中断した状態で配置することができるが、好ましくはそのアプリケータの表面全体にわたり連続している。これらのストライプはまた分離しているセグメントの一定のパタンも形成することができ、これらのセグメントは集合的に一定のストライプを構成し、あるいは、一定の正弦波状または波状等のパタン等のような一定の反復したパタンを有することもできる。さらに、波状のストライプが選択される場合に、これらのストライプが同相になっていて、平行性が維持されて、各ストライプが隣接しているストライプに対して均等に分離している。
【0254】
これらのストライプは好ましくは製造の容易さのために縦方向(機械方向)に配向されている。
【0255】
別の実施形態において、2種類以上のワックス分散物が上記アプリケータの一面または幾つかの面に供給できる。例えば、1種類のワックス分散物を一定のアプリケータの一面の全面またはその表面の一部分に供給して、別のワックス分散物を上記の他のワックス分散物と同一または異なるパタンにより別の面の全体または部分に供給できる。さらに、特定のこのような実施形態は同一または異なる色を有する、例えば、平行なストライプまたはその他のパタンにおいて、2種類の異なるワックス分散物を有する形態である。
【0256】
特定の実施形態において、一定のアプリケータの表面の半分よりも少ない、一面または好ましくは幾つかの面が、上記ワックス分散物により担持または被覆されている。一例の好ましい実施形態において、このワックス分散物は幾つかの面の表面に存在していて、そのアプリケータの50%よりも少ない部分を被覆しており、特に、その表面の35%以下または25%以下の部分を被覆している。特に好ましい実施形態において、上記ワックス分散物はストライプとして存在しており、特に、一定のアプリケータの面に対して平行に延在していて、その表面の半分以下、特に25%以下の部分を被覆している平行なストライプとして存在している。さらに、別の特に好ましい実施形態において、上記ワックス分散物はドットとして存在しており、一定のアプリケータの全面に均等に広がっていて、その表面の50%よりも少ない部分を被覆している。
【0257】
さらに、多少規則的に形成されているドットを有する実施形態も存在でき、別の実施形態は円形の形状のドットを有していて、別のものは楕円形を有しており、さらに別のものは、例えば、規則的に形付けられているドットおよび円形等のような、種々の円形および楕円形の組み合わせ等の混合したパタンを有している。
【0258】
ストライプの場合に、これらの幅は好ましくは1乃至10mmであり、さらに好ましくは3乃至7mmである。また、ドットの場合には、丸形が好ましくは、例えば、円形または楕円形であり、1乃至10mm、さらに好ましくは3乃至7mmの一定の平均の直径を有している。一例の製品において異なる幅のストライプが存在でき、また、他の製品において異なる寸法のドットが存在でいる。さらに、後者の実施形態の一例は特定の寸法の円形および異なる寸法の楕円形、または異なる寸法の円形を伴う一定のアプリケータである。
【0259】
上記ワックス分散物は無色または着色することができ、単色型または多色型にできる。さらに、多色型のパタンは異なって染色されている幾つかのワックス分散物を供給することにより得られる。一定の着色したワックス分散物はそのアプリケータが一定の活性成分を含有している特別な材料により被覆されていると言う事実を使用者に対して警告するか、その製品を美学的に魅力のあるものにすることができる。
【0260】
別の実施形態において、上記アプリケータ自体がその幾つかの面または一面においてその完全な表面または幾つかの部分のみにおいて着色されている。さらに、その色がそのアプリケータの幾つかの部分のみにおいて存在している場合に、そのアプリケータはそのワックス分散物が採る可能性のあるパタンに関連して記載されている形状および形態を採ることが好ましい。また、別の実施形態において、上記ワックス分散物が供給される表面の各部分の間の隙間のみが着色されていて、ワックス分散物の各領域は無着色の状態になっている。この結果、このワックス分散物の各パタンは無着色のパタンとして見えるようになる。
【0261】
上記アプリケータを着色するための好ましいパタンはストライプであり、特に、縦方向に配向されているストライプである。このような実施形態の例は着色した各ストライプまたはこれらの着色したストライプの間の領域がワックス分散物により被覆されている実施形態である。この前者の場合に、そのワックス分散物のストライプは着色されており、後者の場合には無着色である。
【0262】
さらに、上記ワックス分散物はそれ自体を着色または無着色にすることができ、多数の異なる方法でその着色したアプリケータに供給できる。
【0263】
一定の完全に着色した表面を有するアプリケータの場合において、そのワックス分散物はその全表面に供給することができ、これにより、一定の異なるまたは変化した色にすることができ、例えば、そのワックス分散物が白色または不透明である場合にさらに淡い色になる。このワックス分散物はまた特定のパタンで供給することもでき、これにより、多色型の製品を得ることができ、あるいは、そのワックス分散物が白色または不透明である場合には、単色型のパタンが得られる。また、この場合に、その好ましいパタンはストライプである。
【0264】
さらに別の実施形態において、上記アプリケータは特定のパタンで着色されていて、ワックス分散物はこれらのパタンまたはこれらのパタンの一部に供給されている。この場合においても、そのワックス分散物は着色型または無着色型、すなわち、不透明か透明のいずれにすることもできる。さらに、このワックス分散物が白色か不透明である場合に、その厚さはそのアプリケータの下層部分の色が見えて、その消費者に特定の成分を含有している一定のワックス分散物が存在していると言う印象を与えるように選択できる。
【0265】
上記ワックス分散物は一般的に約3乃至約200g/cm2 、好ましくは約3乃至約40g/cm2 、さらに好ましくは約10乃至約20g/cm2 の一定の量で上記アプリケータの一面または好ましくは幾つかの面に供給されている。あるいは、このワックス分散物は支持体の1グラム当たりに約0.06g乃至0.8g、好ましくは乾燥状態の支持体の1グラム当たりに約0.20g乃至0.40gの一定の量で供給されている。
【0266】
上記ワックス分散物は一定の液体または半液体を一定のアプリケータの上またはその中に接触または含浸させるために使用できる任意の方法によりそのアプリケータに供給できる。また、このワックス分散物は上記アプリケータをそのワックス分散物の中に浸すことにより供給できる。さらに、この後者が半固体の場合に、これを水または一定の水性の相により希釈することによりさらに液状にすることができ、これらの希釈剤はその後に蒸散またはエバポレーションすることができる。
【0267】
上記ワックス分散物はまた一定の液体材料を一定のアプリケータの表面上に塗布することを可能にする任意の方法により供給できる。なお、本明細書において用いられているように、用語の「塗布(coating)」は印刷、被覆、オーバーレイ、仕上げ処理、噴霧、押出処理、積層または一定のアプリケータの表面に上記の相を供給するその他の任意の方法を意味する。
【0268】
特定の塗布技法は押出処理であり、この場合に、上記アプリケータが一定のチューブを横切っている間にそのアプリケータに接触しているチューブの中を通して組成物が押し出される。一定の好ましい技法はワックス分散物を押し出す一定のスリット・ブレード、すなわち、切除した領域を有する一定のブレードを随意的に備えている一定のヘッド部分に上記アプリケータを接触させる処理を含む。この技法により、例えば、ストライプ等のようなパタンが上記供給用のヘッド部分の中に挿入されるブレードの設計により定められる。さらに、その切除部分が各ストライプの幅を定める。また、別の供給技法は一定のカレンダー・ロール等のような回転している表面に上記組成物を噴霧または滴下した後にその組成物を一定の支持体の表面に転写する処理を含む。
【0269】
さらに別の技法は従来の種々の印刷技法に基づいており、これらの技法は、例えば、スクリーン印刷、ローラー印刷およびグラビア印刷を含む。一般に、印刷処理は一定の回転面に複数の隆起部が(例えば、彫刻、型押または他の類似の技法により)設けられ、これらの隆起部が、例えば、その回転面が液化した相のワックス分散物を伴う一定の槽の中を移動することにより、そのワックス分散物に接触し、これにより一定のアプリケータ上に印刷される種々の技法を含む。なお、上記のスロット塗布技法は、例えば、ストライプ等のような縦方向にパタンを好ましく形成するが、ローラー印刷、スクリーン印刷または「フレキソ塗布(Flexo coat)」印刷は一定の横方向のパタンを得るために使用できる。
【0270】
上記ワックス分散物を供給するための別の技法は一定のスクリーン印刷法を使用することによる方法であり、この場合に、そのワックス分散物は一定の回転ロール中に導入されてこのロールを被覆している一定の金属スクリーンを通して押し出される。このことにより、そのスクリーンの設計に応じて、種々のストライプ、ドット、正方形、円形等、またはロゴよびテキスト等のような所定のパタンが一定のアプリケータの上に形成できる。
【0271】
上記アプリケータの上にワックス分散物を供給するためのさらに別の技法はローラー−ボール転写による方法であり、この方法は一定のアプリケータに直接的に接触する一定のボールをワックス分散物に接触させてそのワックス分散物を一定の回転ムーブメントを介してそのアプリケータに転写する処理を含む。さらに、このアプリケータにおけるワックス分散物の所望のパタンに応じて、幾つかの上記のようなローラー・ボール型のアプリケータを互いに隣接して、あるいは、連続して取り付けることが可能である。さらに、これらは同一または異なるワックス分散物を含むことができる。
【0272】
上記ワックス分散物は高圧塗布処理により供給することも可能である。この方法の一例の実施形態において、ワックス分散物は高圧下に適当なノズルを通して押し出しにより供給される。さらに、特別に形付けたノズルを用いて特定のパタンを形成できる。例えば、種々の円形、星形、正方形、またはその他の幾何学的な形状または不規則な形状のパタンを形成するノズルが存在する。
【0273】
上記ワックス分散物はまた上記の供給技法の一定の組み合わせにより供給することも可能である。
【0274】
上記ワックス分散物は着色または無着色の水との混合状態で供給できる。このワックス分散物の添加水またはその水性の相中の水はその供給後に部分的にまたは完全に除去して半湿潤状態、乾燥状態、または実質的に乾燥状態の一定の製品を形成することができる。この水は蒸散またはエバポレーションにより除去することができ、この処理は、例えば、単純に水が蒸発することを可能にすること、上記アプリケータを1個以上の加熱したロールの上に通過させて強制的に水を蒸発させること、加熱または無加熱の乾燥した空気を供給すること、または減圧にすること等の多様な手段により達成できる。
【0275】
また、水が着色している場合の実施において、その水をそのアプリケータの中に拡散させた後にこれをエバポレーションしてそのアプリケータを着色した状態にすることが可能である。なお、この実施例において適用されているワックス分散物は無着色型にすることができ、この場合に、そのワックス粒子は白色または比較的に明るい領域として見えるようになる。あるいは、上記ワックス分散物は着色型にすることができ、この分散物は一定の多色型の製品を形成できる。また、別の実施例において、上記方法のワックス分散物は着色型であり、無着色の水を用いることにより、そのワックス分散物の領域が着色していてその他の領域が無着色である製品を得ることができる。
【0276】
上記のようにして得られた製品はその後に着色型または無着色型のいずれでもよい一定の水性の相により処理することができ、これにより、さらに多くの色の組み合わせを生じることができる。
【0277】
上記ワックス分散物は上述したようなビーズとして供給することも可能である。このワックス分散物はまた複数のドットの中に保持することができ、これらのドットはワックス分散物を収容している高分子またはその他の材料の小さな気泡である。この場合に、上記ワックス分散物の粘性を高めることが有利であると考えられる。この場合に、これらのドットは、例えば、これらのドットが供給されている一定のロールに上記アプリケータを接触させるかこれに類似の技法により、種々のストライプまたは別のパタンを供給するための方法に類似している種々の方法によりアプリケータ上に導入できる。
【0278】
上記ワックス分散物は上記の場合においてその物理的な位置により上記アプリケータの表面に存在するように供給されることが好ましく、これにより、このワックス分散物は使用中に皮膚の上に広がって速やかに利用可能になる。この結果、このワックス分散物が使用中に皮膚に移動する効果、種々の活性成分の利用可能性それゆえ効力が単一の連続的に供給されている相の中に活性物質が単純に組み込まれている場合の製品に比べて高くなる。
【0279】
付加的な水性の相
本発明の製品は、1個以上のワックス分散物とは別に、1個以上の付加的な水性の相を含むことができる。これらの付加的な水性の相は種々のワイパーを含浸するために用いられている当業界において既知の種々の水性の配合物の任意のものとすることができる。また、水の他に、これらの水性の相は種々の界面活性剤、乳化剤、稠度因子、コンディショナー、加湿剤、増粘剤、保存剤、消臭剤、皮膜形成剤、サンスクリーン・フィルター、酸化防止剤、屈水性誘発物質、活性成分、特に皮膚科学的に活性な成分、芳香剤等も含有できる。本明細書において記載されているこれらの活性な成分は、例えば、抗炎症薬、抗菌薬、抗真菌薬、生体活性物質および類似の物質を含む。さらに、局所的な供給に適している活性成分が特に好ましい。
【0280】
上記の付加的な水性の相は好ましくは親水性である適当な色素を含有できる。一例の実施形態において、そのワックス分散物は、例えば、水性の相のみを有する領域を残しているストライプの形態で、一定の相として不連続的に供給されており、上記の各領域は着色されている。このことは上記ワックス分散物も着色している場合に、例えば、着色した線または多色型のパタン等のような、着色したパタンを有する種々のアプリケータの製造を可能にする。
【0281】
上記の付加的な水性の相はさらに親油性の色素を含有することができ、この色素は上記ワックス分散物に接触するとその相の中に移動してその相を着色する。
【0282】
さらに、上記の付加的な水性の相は1種類以上の保存剤も含有できる。
【0283】
また、上記の付加的な水性の相に適している界面活性剤は以下の物質を含む。
例えば、ナトリウム・ラウリル・サルフェート、アンモニウム・ラウリル・サルフェート、ナトリウム・セテアリル・サルフェート等のようなアルキル硫酸塩、
例えば、ナトリウム・ラウリル・スルホアセテート等のようなアルキル・スルホ酢酸塩、
例えば、ナトリウム・ラウレス・サルフェート、ナトリウム・トリデセス・サルフェート、ナトリウム・オレス・サルフェート、アンモニウム・ラウレス・サルフェート等のようなアルキル・エーテル硫酸塩、
例えば、二ナトリウム・ラウレス・スルホスクシネート等のようなアルキル・エーテル・スルホコハク酸塩、
例えば、デシル・グルコシド、ラウリル・グルコシド等のようなアルキル・グリコシド、
アルキル・イソチオン酸塩、
例えば、コカミドプロピル・ベタイン、ナトリウム・ココアムホアセテート、ナトリウム・ラウロアムホアセテート、二ナトリウム・ラウロアムホジアセテート、二ナトリウム・ココアムホジアセテート、ナトリウム・ラウロアムホプロピオネート、二ナトリウム・ラウロアムホジプロピオネート等の両性界面活性剤、これらの両性界面活性剤のカリウムまたはアンモニウムの塩、カプリル/カプラミドプロピル・ベタイン、ウンデシレンアミドプロピル・ベタイン、ラウラミドプロピル・ベタインおよび脂肪アルコール・ポリグリコール・エーテル。
【0284】
適当なコンディショナーは、例えば、アルキルアミド・アンモニウム・ラクテート、塩化セトリモニウムおよびジステアロイルエチル・ヒドロキシエチルモニウム・メトサフルフェートおよびセテアリル・アルコール、セチル・ジメチコーン、セチル・リシノレエート、ジメチコーン、ラウレス−23、ラウレス−4、ポリデセン、レチニル・パルミテート、モノオレエートおよびココグルコシドおよびこれらの種々の混合物から選択される物質(特に、これら2種類の成分の一定の混合物であるコグニス社(Cognis)の「ラメソフト(Lamesoft)(登録商標)」、四級塩化タンパク質加水分解産物、セルロールおよびデンプンの四級塩化した誘導体、アクリル酸またはメタクリル酸またはこれらの塩の四級塩化したコポリマー、四級塩化したシリコーン誘導体、シリコーン・オイル、シクロメチコーン、およびこれらの類似物質およびこれらの種々の混合物である。
【0285】
適当な増粘剤は、例えば、アクリレート/ステアレス−20・メタクリレート・コポリマー、カーボマー、カルボキシメチル・デンプン、セラ・アルバ、ジメチコーン/ビニル・ジメチコーンのクロスポリマー、プロピレン・グリコール・アルギネート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル・メチルセルロース、シリカ、シリカ・ジメチル・シリレート、キサンタン・ガム、水素添加ブチレン/エチレン/スチレン・コポリマーである。
【0286】
上記の付加的な水性の相はさらにキトサンおよびその誘導体、ポリアクリル酸の誘導体、ポリビニル・ピロリドンおよびその誘導体等のような皮膜形成物質を含有できる。
【0287】
さらに、上記の付加的な水性の相はpH感応性の成分、すなわち、pHの変化により特性を変える種々の成分を含有できる。なお、このpHの変化は上記アプリケータを皮膚に接触させる時に生じる可能性があり、この時にpHが通常において約pH7であるその製品のpH値から約pH5.5の皮膚のpH値まで変化する。これらのpH感応性の物質は、例えば、特定の種々の乳化剤、安定化剤、界面活性剤、粘度調整剤、キレート化剤等を含む。
【0288】
一例の実施形態において、乳化能力を変化し、好ましくは、乳化能力を高めると言う意味で上記pH範囲においてpH感応性である一定の適当な乳化剤が選択され、これにより、一定の皮膚に接触する時に一定の乳化反応が生じて上記ワックス分散物内の水性の相とワックス相との間に一定の相互作用が生じ、さらに、存在する場合に、上記ワックス分散物内の一定の付加的な水性の相とワックス相との間に一定の相互作用が生じる。
【0289】
上記製品の皮膚に対する適用時に生じるpHの変化はまた種々の活性成分、特に、例えば、一定のpH依存性の溶解度を有する活性物質等のような、pH感応性である活性物質からの放出を促進することもできる。
【0290】
付加的な水性の相の供給
上記の付加的な水性の相は噴霧、滴下、浸漬およびその他の類似の技法等のような水性の種々の液体ローションを供給するための当業界において一般に知られている方法を用いて上記アプリケータに供給できる。このような付加的な水性の相の一例の好ましい供給方法は一定の適当なノズルによる噴霧処理によるか、例えば、複数の穴またはスリットを有する一定の孔あけ処理したチューブによる等のような滴下処理による方法である。また、浸漬技法は一定の付加的な水性の相を保持している槽の中を通して上記アプリケータを移動した後に押圧により吸収されている液体の量を調整することにより行なうことができる。
【0291】
上記の付加的な水性の相は表面または表面部分において、あるいは、好ましくは上記アプリケータの全体において連続的にまたは不連続に均一にはたま不均一に上記ワックス分散物において説明されているような種々の方法で供給できる。随意的に、上記アプリケータの一部分を乾燥した状態、すなわち、上記の脂質および付加的な水性の相を有していない状態に保ち、他の一部のみがその脂質または付加的な水性の相を有することができる。また、この付加的な水性の相は上記アプリケータの幾つかの面または一面のみにおいて供給できる。
【0292】
上記の付加的な水性の相は、例えば、支持体の1グラム当たりに約0.1g乃至約10gの一定の量で供給することができ、さらに一般的に支持体の1グラム当たりに約1.0g乃至約10g、好ましくは支持体の1グラム当たりに約2.0g乃至約5g、さらに好ましくは乾燥状態の支持体の1グラム当たりに約2g乃至約4.5g、最も好ましくは支持体の1グラム当たりに約3.7g乃至約3.8gの一定の量で供給される。あるいは、この付加的な水性の相は17.2×21cmの寸法のワイパー当たりに約4乃至約8g、最も好ましくはこのワイパー当たりに約6gの一定の量で供給されている。あるいは、この付加的な水性の相は上記アプリケータの一面、または好ましくはさらに多くの面において、約3乃至約200g/m2 、好ましくは約3乃至約40g/cm2 、さらに好ましくは約10乃至約20g/m2 の一定の量で供給されている。
【0293】
また、上記ワックス分散物により被覆されていないアプリケータの領域(または面)のみに上記の付加的な水性の相を供給することも有利になる可能性がある。
【0294】
上記の製品が一定のクレンジング用の物品として用いられる多くの場合において、上記の付加的な水性の相をクレンザーまたは浄化剤として設計することが有用である。浄化することが最も困難である汚れは水に不溶性であるか皮膚にしっかり付着している。それゆえ、上記の付加的な水性の相はこの相がその水に不溶性の物質を取り込めるように配合されている。
【0295】
さらに別の相
本発明の別の実施形態において、さらに別の層が上記アプリケータに供給されており、この層は高分子材料により作成されていて、以下において高分子層として呼ばれている。この高分子層は好ましくは固体であり、周囲温度よりも高い一定の融点または溶融範囲を有している。さらに、1種類以上の高分子層を上記アプリケータに供給できる。この用語の「高分子層(polymeric layer)」は、以下において用いられている時はいつでも、1個以上の高分子層を意味している。
【0296】
上記の高分子層はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、一定のシリコーン、およびこれらの種々の混合物等のような一定の適当なポリマーにより作成されている。さらに、この高分子層は種々の充填剤または色素等のような別の材料を含有できる。この後者の場合において、上記高分子層により被覆されているアプリケータの領域は着色した領域として生じる。さらに、幾つかの高分子層が適用される場合に、異なる色を有する層が使用可能になり、それゆえ、異なる着色パタンが得られる。
【0297】
上記高分子層は上記ワックス相の供給について説明されている方法と同様に上記アプリケータに供給できる。例えば、この高分子層はアプリケータの一面または幾つかの面に供給することができ、これらは連続的に、すなわち、アプリケータの全面において供給可能であり、あるいは、例えば、種々のストライプ、スポットまたはその他の図形等のような種々のパタンにおいて、不連続に供給することも可能である。さらに、この高分子層が全面を被覆しない場合において、そのワックス相がその高分子層により被覆されているアプリケータの各領域およびその他の領域の両方を被覆することができる。
【0298】
上記ワックス分散層は上記高分子の層の上に供給されて一定の二重の層を形成できる。この高分子の層はワックス相により完全に被覆されている必要はなく、一部を無被覆の状態のままにすることができる。
【0299】
上記高分子の層はまた上記ワックス分散物により被覆されていない領域に供給することもできる。例えば、このワックス分散物を一定の不連続な様式の一定の層として供給して、高分子の層をワックス分散物の無いスポットの部分に供給できる。一例の特定の実施形態において、上記ワックス分散物はストライプとして供給されて、高分子の層がこれらのストライプの間の領域の中に配置されることにより、ワックス分散物と高分子の層の交互のストライプの一定のパタンが形成されている。このことは、例えば、上記アプリケータの一面において行ない、上記水性の相を別の面において行なうことができる。
【0300】
上記高分子の相を半固体にしてこのような層を有する一定の製品の適用時に崩壊することができる。このような半固体の高分子の相は一定の蝋質でクリーム状のまたは類似の稠度を有する種々のポリマーにより作成される。この場合に、その高分子の相は一定の外側の被膜として上記アプリケータの上に供給してその一面または幾つかの面を被覆し、その種々の部分または全面を被覆することも可能である。また、この高分子の相は上記ワックス分散層の種々の部分または全体を被覆することも可能である。
【0301】
上記高分子の層を被覆しているワックス分散物は着色していても無着色でもよい。前者の場合に、その高分子の相は無着色か白色であるが、着色していてもよい。この場合に、ワックス分散物は無着色であり、その高分子の相が着色していることが好ましいが、白色または無着色にすることもできる。
【0302】
上記高分子の相はその上に塗布されているワックス分散物の使用者の皮膚に対する転移を改善または助長するために供給できる。一定の着色した高分子の層または着色したワックス分散物またはこれらの両方を使用することにより、上記アプリケータを用いてそのワックス分散物が皮膚に転移する時に一定の外観、消失またはそれぞれの色の変化が生じる。
【0303】
上記高分子の層は一定の高分子の層を伴うアプリケータ状の種々の材料を被覆するための当業界において知られている種々の方法を用いて上記アプリケータに供給される。例えば、この高分子の層はスクリーン印刷、グラビア印刷、ローラー印刷、型押、噴霧、滴下、浸漬等の種々の技法により供給できる。
【0304】
本発明の一部の実施形態において、上記の製品はその水性の相に対して異なる安定性を有する2種類以上のワックス分散物を含有できる。このことは一つの相が他の相よりも速く水性の相に対して相互作用することを可能にする。従って、このことは活性成分の漸進的な放出または一連の2種類以上の活性成分の放出が望まれる種々の製品において有用である。
【0305】
製造
本発明はさらに本明細書において特定されているような一定の製品を調製するための一定の方法に関係しており、この方法は一定のアプリケータを一定のワックス分散物に接触させて、必要であれば、さらに別のワックス分散物に接触させる処理を含み、そのワックス分散物または別のワックス分散物は本明細書において記載されている分散物である。
【0306】
また、別の態様において、本発明は本明細書において特定されている一定の製品を調製するための一定の方法に関係しており、この方法は一定のアプリケータを一定の分散物および一定の付加的な水性の相に接触させる処理を含み、これらの両方は本明細書において記載されているものであり、必要であれば、さらに別のワックス分散物および/またはさらに別の付加的な水性の相に接触させる処理も含む。また、別の態様において、本発明は一定のアプリケータをワックス分散物および水性の相に対して同時にまたは連続的に接触させる処理を含む方法に関係している。
【0307】
さらに、特定の実施例において、上記方法は上記アプリケータを一定のワックス分散物に接触させた後に一定の付加的な水性の相に接触させる処理を含む。
【0308】
本発明はさらに本明細書において特定されている一定の製品を調製するための一定の方法に関係しており、この方法は一定のアプリケータを本明細書において記載されているような一定のワックス分散物および一定の付加的な水性の相に接触させてその製品を乾燥する処理を含む。また、この方法は上記アプリケータを上記のワックス分散物および付加的な水性の相に対して同時にまたは連続的に接触させて、一定の乾燥工程を行なう処理を含む。
【0309】
この乾燥工程は上記方法の間の任意の時間において適用することができるが、上記の付加的な水性の相の供給後に行なう必要がある。さらに、この乾燥は、例えば、熱風または熱空気の供給によるか、アプリケータを一定のオーブンの中または一定の加熱または加温した輸送ロールの上において移動することによる従来の種々の方法により行なうことができる。
【0310】
一定のワックス分散物が乾燥処理の前に供給されている場合において、上記空気の温度はそのワックス分散物が溶融しない程度である必要がある。従って、周囲温度の空気の供給がこのような場合に薦められる。
【0311】
特定の実施例において、上記方法は一定のアプリケータを一定のワックス分散物に接触させた後に一定の水性の相に接触させる処理を含み、その後に、そのようにして得た製品を乾燥する。
【0312】
別の特定の実施例において、上記方法は一定のアプリケータを一定の付加的な水性の相に接触させた後に、その処理したアプリケータを乾燥し、その後に、その乾燥したアプリケータを一定のワックス分散物に接触させる処理を含む。
【0313】
別の特定の実施例において、上記方法は一定のアプリケータを一定の付加的な水性の相に接触させた後に、一定の分散物に接触させ、その後に、そのアプリケータを乾燥する処理を含む。
【0314】
上記のワックス分散物および付加的な水性の相は上記アプリケータの製造プロセス中の任意の時点においてそのアプリケータに供給することができる。好ましくは、上記のワックス分散物および/または付加的な水性の相は上記アプリケータの製造プロセスの仕上げ後にそのアプリケータに供給できる。
【0315】
異なる被膜および/または含浸物を伴うアプリケータを一定の包装の中に組み込むことができる。例えば、増量または減量したワックス相を伴う一包みのアプリケータが存在し得る。あるいは、着色または無着色のアプリケータを交互に置くことも可能である。
【0316】
上記のようにして得られたアプリケータはそれぞれ別々に包装するか、例えば、10乃至30個の所定の数で、例えば、一定のプラスチックのラップ、箱等のような適当なパッケージの中に包装することができる。
【0317】
また、異なる被膜および/または含浸物を伴うアプリケータを一定の包装の中に組み込むことができる。例えば、増量または減量したワックス分散物を伴う一連のアプリケータが存在し得る。あるいは、着色または無着色のアプリケータを交互に置くことも可能である。
【0318】
供給および特性
本発明による製品は上記ワックス分散物の中に存在していて、特にそのワックス分散物のワックス粒子の中に組み込まれている何らかの活性成分の、使用中における皮膚上への、最適な放出を好都合に生じる。
【0319】
種々の活性成分の最適な放出が一定のワックス分散物を使用することにより達成でき、この場合に、そのワックス粒子は体温に等しいかわずかに高い一定の融点または溶融範囲を有する一定のワックス相により構成されている。理論に束縛されることなく、このことは上記ワックス粒子の比較的に速い溶融を生じて活性材料の皮膚に対する比較的に速い効率的な伝達および放出を生じる。
【0320】
種々の活性成分の最適な放出はまた種々のアプリケータの使用中に皮膚における局所的な乳化の過程を生じるために一定の適当な乳化剤を組み込むことにより助長される。好ましくは、この乳化剤はワックス分散物の水性の相の中に存在しているが、付加的な水性の相が存在する場合には、この相も乳化剤を含有できる。上記の局所的な乳化は温度により生じることができ、これにより、ワックス粒子を溶融することができ、あるいは、この乳化はアプリケータの使用中に加えられる圧力により生じることもあり、あるいは、上記の両方により生じることもあり、後者が通常の場合と言える。さらに、圧力の作用による局所的な乳化の場合には、その乳化の過程は、例えば、アプリケータを皮膚の上に擦りつけるか軽くたたく等により、そのアプリケータの適用時に使用者により加えられる(制限された)圧力により進行する。すなわち、このことは上記2個の相を接触させて一定のエマルジョン(乳状物)を局所的に形成する。
【0321】
上記の局所的な乳化の過程において、乳化剤を伴わない一定の制限された量の相が乳化剤を有する層の中に組み込まれている。一定の好ましい実施形態において、その分散物における水性の相は少量の乳化剤を含有しており、例えば、この乳化剤は約0.5乃至約5%、特に約1乃至約3%の一定の量で存在できる。この場合に、そのワックス粒子内のワックス相の一部は上記水性の相に局所的に乳化する。
【0322】
好ましい実施例において、上記ワックス分散物は一定のアプリケータの全面には存在していないが、このワックス分散物の中に含まれている諸成分の良好な放出は、特に、上記の局所的な乳化の過程が実際に行なわれる時に達成される。
【0323】
種々の活性成分の最適な放出は上記の両方の可能性を利用することにより達成することもできる。
【0324】
本発明による製品は、例えば、乳児クレンジング用、顔面または身体のクレンジング用、スキン・例えば、皮膚の加湿または皮膚の老化作用の処理等のようなトリートメント用またはスキン・コンディショニング用、駆虫用、パウダー・アプリケータ、制汗手段として使用するためのアプリケータ、ピーリング用、アフター・サン・トリートメント用、サンスクリーン、女性衛生用、おむつかぶれ用を含む個人用ケア製品としての広範囲な用途において乳幼児または成人用とすることができ、特に後者は活性物質として酸化亜鉛等を含有していることが好ましい。
【0325】
本発明の製品は最終製品として使用することを主として目的としている。この場合に、消費者はこれらの製品を水または一定の水性のローションにより処理するように説明され、このような材料は別に販売できる。また、低含水量の製品の例はいわゆる「ドライ・アプリケータ」であり、これらは一定の湿った皮膚における使用を目的としている。この種のアプリケータの用途の例はシャワー中にまたは入浴後の使用である。このようなドライ・アプリケータはまた、例えば、別に提供されている水または一定の水性のローションによりその製品自体を湿らせた後に使用することも推奨できる。
【0326】
また、約5%乃至約10%の比較的に高い含水量を有する製品の例はいわゆる「中間ドライ・アプリケータ」である。
【0327】
本発明の製品はまたクレンジング用の用具として使用することもできる。これらは一定の水性の相のみを有する製品に比較してさらに有効なクレンザーであることが分かっている。このことは、例えば、これらが水性および脂質のよごれの両方を除去することにおいて有効である事実による。
【0328】
本発明の製品はまた種々の活性物質または皮膚に対して有益な特性を有するその他の成分(すなわち、いわゆる「リーブ−オン(leave-on)」成分)、特に、本明細書において記載されている活性成分のアプリケータとして使用することも可能であり、あるいはこれらは1個の製品における組み合わせ型のクレンザーおよび種々の活性物質のアプリケータとして有用である。さらに、上記の製品は皮膚に対して皮膚保護用の種々の成分を効果的に放出することによりその皮膚の比較的に良好で長い持続性の保護を提供できる。
【0329】
本発明の製品は皮膚に対する種々の活性成分のすぐれた伝達性を有しており、それゆえ、多数の活性物質、特に、これまでにその利用可能な製品の低い伝達率のために供給できなかった比較的に高価な活性物質に対応する一定のビヒクルとしてできる。本発明の製品はさらに皮膚の上における活性物質の比較的に均等な分布および比較的に良好な皮膚の浸透性等のような別の消費者の利点を提供している。
【0330】
上記の両方の態様はいずれも一定の比較的に大きな程度で存在できる。すなわち、上記の製品は主にクレンジング用のためと考えられるが、皮膚に対する特定の有益な成分または活性物質の伝達能力も有しており、あるいは、逆に、上記の製品はその主な利点がクレンジングではなく種々のリーブ−オン製品の供給のさらに良好で便利な携帯である場合の種々の用途に対応して設計できる。それゆえ、本発明の製品は2種類の重要な消費者の要求、すなわち、クレンジングおよびケアに対して最適化される可能性を与えている。
【0331】
本発明の製品の別の利点はこれらが上記ワックス分散物の存在による上記アプリケータの材料の柔らかい感触を提供していることである。さらに、これらの製品はそのアプリケータの皮膚における比較的に少ない摩擦(比較的に柔らかな皮膚の感触)のために比較的に穏やかなクレンジング性を提供している。
【0332】
なお、本明細書において用いられているように、柔らかさとは消費者が上記の製品を保持して、これを皮膚の上において擦り、あるいは、手によりもみくしゃにする時に感じる触感を意味する。
【0333】
本発明の製品はさらに2種類以上の非相溶性の成分を1個の製品の中に組み込むか供給して、その使用者がその1個の同一の製品により非相溶性の物質を適用することを可能にするための可能性を提供している。特に、水溶性および油溶性の種々の成分を有する一定の製品、例えば、水溶性および油溶性である種々の活性成分を有する一定のアプリケータを有することが可能である。
【0334】
さらに、上記ワックス分散物が表面において存在している上記の製品の別の利点はこの場合の製品がそのアプリケータの表面における有用な成分の存在による一定の皮膚の上における改善された活性物質の伝達を可能にすることである。すなわち、これらは有用な種々の成分が一定の典型的なO/W型のエマルジョンの内部の相の中に存在している場合の製品よりも優れた利点を提供する。
【0335】
また、上記の本発明による製品はほとんど無臭であり(種々の香料が添加されていない限りにおいて)、環境にやさしく、生物学的に分解可能であると言う付加的な利点を有している。
【0336】
上記のような有益な特性により、本発明の製品は美顔用および個人ケア用の多様な用途において使用可能であるだけでなく、硬質の種々の表面のクリーニング(家庭用)等のような別のクリーニングまたはクレンジングの用途においても使用できる。
【0337】
実施例
実施例1乃至11
1000kgミキサー中におけるワックス分散物の製造方法
ジステアリル・カーボネート(20kg)、ジステアリル・エーテル(20kg)、ラウリル・アルコールC12(50kg)、ミリスチル・アルコール14(20kg)、セチル・アルコール(20kg)、ステアリル・アルコール(10kg)、パラフィナム・ペルリキダムDAB(20kg)、乳化剤のセテアレス−20の一部(3.0kg)、ポリグリセリル−2・ジポリヒドロキシ・ステアレート(1.0kg)、ポリマーのポリアクリル−アミドC13−C14・イソパラフィン・ラウレス−7の一部(1.0kg)および蒸留水の一部(430.0kg)をヒート・ジャケット付きの容器I(3m3 )の中で混合した。この後者を使用したワックスのそれぞれの融点よりも高い温度(この場合に約80乃至90℃)まで加熱し、一定の均質な予備エマルジョン体が得られるまで完全に攪拌した(プロペラ攪拌器、200rpm)。次に、この予備エマルジョン体を容器Iから出して、約30分間にわたりサプラトン(Supraton)(登録商標)ホモゲナイザー(バッカウ−ウルフ社(Backau-Wolf)の中において約2バールの一定の圧力で一定のギア・ポンプにより循環させた後に一定のループを介してその予備エマルジョン体を上記の容器Iにポンプにより戻した。この30分の均質化の工程の後に、この予備エマルジョン体を一定のプレート型熱交換器(W.シュミット社(W. Schmidt GmbH)の中を通してポンプ送給し、この装置は一定の冷却水の循環により冷却されていた(約7℃)。このことにより、上記の均質化した予備エマルジョン体は約50℃に冷却できた。次に、この予備エマルジョン体を2バールの圧力において空気の混入を防ぐために液体の表面下に置かれている一定のノズルを介して冷温の容器IIの中に移した。
【0338】
さらに、残りの蒸留水(396.0kg)、残りの溶解していない非イオン性の乳化剤のセテアレス−20(1.0kg)およびポリマーのポリアクリルアミドC13−C14のイソパラフィン・ラウレス−7(3.0kg)を上記の容器II(1m3 )の中に導入し、この混合物を5℃に冷却した。なお、この予備エマルジョン体の添加は当該予備エマルジョン体の添加中における効率的な攪拌および25℃以下の温度に維持した容器IIの冷却の下に行なわれている。次に、このワックス分散物を保存するためにフェノキシエタノール(5.0kg)を攪拌しながら加えた。
【0339】
上記のワックス分散物の粘度はブルックフィールドRVFにより測定し、スピンドル(5,10rpm)を30,000Pas(23℃)にした。その後、粒度の決定をフラウンホーファー屈折(マスターサイザー(Mastersizer)2000、マルベルン・インストルメンツ社(Malvern Instruments Ltd.))により行ない、10μmのd(0.5)および30マイクロメートルのd(0.9)の範囲の一定の粒度を有していた。すなわち、50%の分散した物質が10μmよりも小さい粒度の分布を有していて、90%が30μmよりも小さい粒度の分布を有していた。
【0340】
以下のそれぞれの実施例における量は重量/重量(w/w)%で与えられている。なお、市場において入手可能な物質の場合に、この重量/重量%は種々の溶媒およびその他の成分を含む販売されている状態のままの物質の重量に基づいている。以下の表は上記の技法に従って作成したそれぞれの分散物の実施例を記載している。
【0341】
実施例のリスト1乃至11:ワックス分散物
【表1−1】


【表1−2】


【表1−3】


【表1−4】

【0342】
実施例12:水性の相
相12−A
水 96.336%
ポリソルベート20 0.600%
PEG−75・ラノリン 0.100%
香料 0.150%
PEG−40水素添加ひまし油 0.400%
プロピレン・グリコール 1.120%
フェノキシエタノール 0.800%
EDTA四ナトリウム 0.078%
カモミレ・レクチタ 0.070%
エトキシジグリコール 0.171%
ブチレン・グリコール 0.035%
グルコース 0.016%
ヨードプロピニル・ブチルカルバメート 0.010%
PEG−4・ラウレート 0.090%
クエン酸 0.020%
相12−B
水 98.252%
フェノキシエタノール 0.800%
ヨードプロピニル・ブチルカルバメート 0.010%
PEG−4・ラウレート 0.090%
香料 0.150%
EDTA四ナトリウム 0.078%
クエン酸 0.020%
ポリソルベート20 0.600%
相12−C
水 97.250%
グリセリン 1.000%
フェノキシエタノール 0.800%
ヨードプロピニル・ブチルカルバメート 0.010%
PEG−4・ラウレート 0.090%
香料 0.150%
EDTA四ナトリウム 0.078%
クエン酸 0.020%
ポリソルベート20 0.600%
相12−D
水 96.332%
グリセリン 1.000%
フェノキシエタノール 0.800%
ポリソルベート20 0.600%
PPG−15 ステアリル・エーテル 0.400%
PEG−7グリセリル・ココエート 0.100%
プロピレン・グリコール 0.350%
ヨードプロピニル・ブチルカルバメート 0.010%
PEG−4・ラウレート 0.090%
カモミレ・レクチタ 0.070%
香料 0.150%
EDTA四ナトリウム 0.078%
クエン酸 0.020%
相12−E
水 97.33%
フェノキシエタノール 0.800%
ポリソルベート20 0.600%
ソルベス−30 0.400%
プロピレン・グリコール 0.350%
ジメチコーン・コポリオール 0.100%
ヨードプロピニル・ブチルカルバメート 0.010%
PEG−4・ラウレート 0.090%
カモミレ・レクチタ 0.070%
香料 0.150%
EDTA四ナトリウム 0.078%
クエン酸 0.020%
相12−F
水 97.332%
フェノキシエタノール 0.800%
PEG−80・ソルビタン・ラウレート 0.600%
プロピレン・グリコール 0.350%
ソルベス−30 0.400%
オクチルデカノール 0.100%
ヨードプロピニル・ブチルカルバメート 0.010%
PEG−4・ラウレート 0.090%
カモミレ・レクチタ 0.070%
香料 0.150%
EDTA四ナトリウム 0.078%
クエン酸 0.020%
相12−G
水 97.332%
フェノキシエタノール 0.800%
ポリソルベート−20 0.600%
PGG−15・ステアリル・エーテル 0.400%
プロピレン・グリコール 0.350%
デシル・オレエート 0.100%
ヨードプロピニル・ブチルカルバメート 0.010%
PEG−4・ラウレート 0.090%
カモミレ・レクチタ 0.070%
香料 0.150%
EDTA四ナトリウム 0.078%
クエン酸 0.020%
相12−H
ナトリウム・ミレス・サルフェート 10.00%
ラウリル・グルコシド 15.00%
コカミドプロピル・ベタイン 10.00%
水 64.50%
香料 0.50%
相12−I
ナトリウム・ラウレス・サルフェート 20.00%
デシル・グルコシド 5.00%
コカミドプロピル・ベタイン 8.00%
ラウレス−2 2.50%
ポリソルベート−20 1.00%
水 63.00%
香料 0.50%
相12−J
ナトリウム・ミレス・サルフェート 15.00%
ラウリル・グルコシド 10.00%
ラウレス−2 1.50%
水 73.00%
香料 0.50%
相12−K
エマルゲード(登録商標)CM 20.00%
ポリソルベート20 0.80%
ココ−グルコシド 2.50%
フェノキシエタノール 1.00%
塩化セチルピリジニウム 0.10%
EDTA四ナトリウム 0.20%
水 75.22%
クエン酸 0.08%
香料 0.10%
相12−L
エマルゲード(登録商標)SE−PF 1.66%
セテアレス−12 0.94%
ラメソフト(登録商標)PO65 0.25%
パラフィナム・リクイダム 3.00%
塩化セチルピリジニウム 0.05%
ポリソルベート−20 1.00%
クエン酸 0.03%
EDTA四ナトリウム 0.20%
ニパガード(登録商標)IPF 0.10%
水 92.66%
香料 0.11%
相12−M
プロピレン・グリコール 0.98%
PEG−40水素添加ヒマシ油 0.4%
ブチルパラベン 0.075%
メチルパラベン 0.155%
プロピルパラベン 0.1%
フェノキシエタノール 0.7%
ポリソルベート−20 3.25%
クエン酸 0.05%
EDTA四ナトリウム 0.2%
ニパガード(登録商標)IPF 0.098%
水 93.94%
香料 0.15%
【0343】
実施例13
異なる材料により作成した2個の部品から成るドライ・スポンジを一体に接着した。この場合に、一方の部品は液体セルロースにより作成されている。乾燥後に、このスポンジ材料は37mmの厚さを有する一定の層を形成した。このスポンジは70g/m2 の表面重量を有しており、10g/m2 の一定の水性の相により含浸されており、この水性の相は上記実施例のリスト12において記載されているようにそれぞれ調製されている。その後、この材料を135×90×37mmのブロックに切断した。また、この製品の外側の部分は135×90×5mmの寸法のポリウレタンにより作成されている。さらに、これらの両方の部品を一体に接着した後に、上記実施例のリスト1乃至11において記載されている一定のワックス分散物をそのポリウレタンの面の上に5g/物品の割合で供給した。その後、この製品を単一の包みの中に包装して水分を遮断した。
【0344】
実施例14
液体セルロースによりドライ・スポンジを作成して135×90×37mmのブロックに切断した。次に、このセルロース材料を上記実施例のリスト1乃至11に記載されている一定のワックス分散物の中に浸漬した。このワックス分散物は湿潤後および使用中にそのスポンジを絞る間に放出される。
【0345】
実施例15
ドライ・スポンジを上記実施例14において記載されているように作成して一定のワックス分散物により処理した。その後、この製品を乾燥空気を吹き付けることにより乾燥した。
【0346】
上記実施例において記載されているように製造した製品を上記実施例のリスト12において記載されている一定の水性配合物により噴霧した。その後、このように製造した各製品を一定のフィルム・パッケージの中に包装した。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定のワックス分散物が供給されている、一定の多孔質または吸収性のシート以外の、一定のアプリケータを含む製品。
【請求項2】
前記ワックス分散物が
(a)適当なワックス成分を含有している一定のワックス相を含み、このワックス相が周囲温度よりも高い、特に25℃に等しいかこれよりも高い一定の融点または溶融範囲を有しており、さらに
(b)一定の水性の相を含む請求項1に記載の製品。
【請求項3】
前記分散物の全体の重量に対して、前記(a)において記載されているワックス相が1乃至75(重量/重量)%の一定の量で存在していて、前記水性の相が25乃至99(重量/重量)%の一定の量で存在している請求項2に記載の製品。
【請求項4】
前記ワックス分散物がさらに一定の適当な乳化剤を含む請求項3に記載の製品。
【請求項5】
前記ワックス分散物が種々の脂肪、ワックス、脂肪アルコール、脂肪酸、ジアルキル(またはジアルキレン)エーテル、ジアルキル(またはジアルキレン)カーボネート、ジカルボン酸、およびヒドロキシ脂肪アルコール、およびこれらの成分の任意の混合物を含有している一定のワックス相を含むワックス粒子を含む請求項1乃至4に記載の製品。
【請求項6】
前記ワックス相が種々のモノ−、ジーまたはトリ−グリセリド、脂肪アルコール、脂肪酸またはこれらの成分の任意の組み合わせ物を含有している請求項1乃至5のいずれかに記載の製品。
【請求項7】
前記ワックス相が種々のジアルキル(またはジアルキレン)エーテルまたはジアルキル(またはジアルキレン)カーボネート、ジカルボン酸またはヒドロキシ脂肪アルコール、またはこれらの任意の組み合わせ物を含有している請求項1乃至5のいずれかに記載の製品。
【請求項8】
前記ワックス粒子が一定の平均の粒度を有しており、この粒度が0.5乃至100μmの範囲内、特に1乃至50μmの範囲内、さらに特に1乃至50μmの範囲内である請求項1乃至18に記載の製品。
【請求項9】
前記ワックス分散物が
(a)25℃に等しいかこれよりも高い一定の融点を有していて、ジアルキル(またはジアルキレン)エーテル、ジアルキル(またはジアルキレン)カーボネート、ジカルボン酸またはヒドロキシ脂肪アルコールまたはこれらの物質の任意の混合物から選択される少なくとも1種類のオイルまたはワックス成分を含有していて少なくとも1種類の乳化剤を含有している一定のワックス相、および
(b)一定の水性の相を含む請求項1に記載の製品。
【請求項10】
前記ワックス分散物が、その完全な組成物の全体の重量に対して、
(a)25℃よりも高い一定の融点を有していて、ジアルキル(またはジアルキレン)エーテル、ジアルキル(またはジアルキレン)カーボネート、ジカルボン酸またはヒドロキシ脂肪アルコールまたはこれらの物質の任意の混合物から選択される少なくとも1種類のオイルまたはワックス成分を含有していて少なくとも1種類の乳化剤を含有している1乃至75(重量/重量)%の一定のワックス相、および
(b)25乃至99(重量/重量)%の一定の水性の相を含む請求項9に記載の製品。
【請求項11】
前記ワックス分散物が、
(a)1乃至50重量%の一定のワックス相を含み、このワックス相が
(a1)C14乃至C30のジアルキル・エーテル、C14乃至C30のジアルキル・カーボネート、C4 乃至C34のジカルボン酸またはC12乃至C30のヒドロキシ脂肪アルコールまたはこれらの任意の混合物から選択される0.1乃至30重量%の少なくとも1種類のオイルまたはワックス成分、
(a2)0.1乃至10%(重量/重量)の少なくとも1種類のオイル、
(a3)0.1乃至10%(重量/重量)の少なくとも1種類の非イオン性の乳化剤、
(a4)0.1乃至40%(重量/重量)の少なくとも1種類のさらに別の蝋質の脂質成分を含み、この場合の重量/重量は前記ワックス分散物の全重量に対する比率であり、さらに
(b)50乃至99%(重量/重量)の一定の水性の相を含み、この場合の重量/重量は前記ワックス分散物の全重量に対する比率である請求項1に記載の製品。
【請求項12】
前記ワックス分散物が当該ワックス分散物の全重量に対して5乃至30重量%の一定のワックス相を含み、特に前記ワックス分散物が10乃至25重量%の一定のワックス相を含む請求項1乃至11に記載の製品。
【請求項13】
前記ワックス分散物が付加的に0.01乃至5%(当該分散物の全重量に対する重量/重量の比率)の一定のポリマーを含む請求項1乃至12に記載の製品。
【請求項14】
前記ポリマーが種々のポリアクリレート、多糖類、ポリアクリルアミドまたはこれらのポリマーの任意の混合物の群から選択される請求項13に記載の製品。
【請求項15】
前記アプリケータに一定の付加的な水性の相が供給されている請求項1乃至14に記載の製品。
【請求項16】
前記製品が後に乾燥されている請求項1乃至15に記載の製品。
【請求項17】
前記アプリケータに一定の付加的な水性の相が供給された後に、その製品が乾燥され、その後にその製品に一定のワックス分散物が供給される請求項15に記載の製品。
【請求項18】
前記アプリケータに一定の付加的な水性の相および一定のワックス分散物が供給された後に、その製品が乾燥される請求項15に記載の製品。
【請求項19】
前記アプリケータに一定の付加的な水性の相が供給された後に、一定のワックス分散物が供給され、その後に、その製品が乾燥される請求項15に記載の製品。
【請求項20】
前記アプリケータに一定のワックス分散物が供給された後に、一定の付加的な水性の相が供給され、その後に、その製品が乾燥される請求項15に記載の製品。
【請求項21】
前記付加的な水性の相または前記ワックス分散物またはこれらの両方が1種類以上の活性物質を含む請求項1乃至20のいずれかに記載の製品。
【請求項22】
前記1種類以上の活性物質が、例えば、種々の抗菌薬および抗真菌薬である抗菌物質、抗炎症剤、抗刺激薬、抗かゆみ薬、制汗薬、老化防止剤、抗刺痛薬、興奮抑制薬、鎮静剤である請求項21に記載の製品。
【請求項23】
前記製品が一定のパフ(プーフ)、パッド、スポンジ、発泡体、手袋、ミット、ブラシ、綿棒、コットン・ボールまたはバーである請求項1乃至22のいずれかに記載の製品。
【請求項24】
請求項1乃至23のいずれかに記載されている一定の製品を製造する方法において、この方法が前記アプリケータに一定のワックス分散物を供給する処理を含む方法。
【請求項25】
請求項14に記載されている一定の製品を製造する方法において、この方法が前記アプリケータに一定のワックス分散物および一定の付加的な水性の相を連続的にまたは同時に供給する処理を含む方法。
【請求項26】
請求項15乃至16のいずれかに記載されている一定の製品を製造する方法において、この方法が前記アプリケータに一定のワックス分散物を供給する処理および一定の乾燥工程を含む方法。
【請求項27】
請求項17乃至20のいずれかに記載されている一定の製品を製造する方法において、この方法が前記アプリケータに一定のワックス分散物および一定の付加的な水性の相を連続的にまたは同時に供給する処理、および一定の乾燥工程を含む方法。
【請求項28】
前記付加的な水性の相が噴霧、滴下、浸漬または一定の槽の中における搬送により供給され、前記ワックス相が噴霧、接触、印刷または直接的な接触方法により供給されていて、この直接的な接触方法の場合に、前記アプリケータとスリット・ノズルを有する一定の供給用ヘッド部分との間に一定の直接的な接触状態が存在する請求項17乃至請求項20のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
種々の活性物質の一定のアプリケータとして、または一定のクレンザーとして、または一定の組み合わされたクレンザーおよび活性物質のアプリケータとしての請求項1乃至21のいずれかに記載の一定の製品の使用方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定のパフ(プーフ)、パッド、スポンジ、発泡体、手袋、ミット、ブラシ、綿棒、コットン・ボールおよびバーから成る群から選択される一定のアプリケータを含む製品において、この製品が一定の多孔質または吸収性のシート以外の一定のアプリケータを含み、このアプリケータが一定のワックス分散物に接触しており、このワックス分散物が
(a)25℃よりも高い一定の融点を有する1乃至75(重量/重量)%の一定のワックス相を含み、このワックス相が種々のジアルキル(またはジアルキレン)エーテル、ジアルキル(またはジアルキレン)カーボネート、ジカルボン酸およびヒドロキシ脂肪アルコール、およびこれらの成分の任意の混合物から選択される少なくとも1種類のオイルまたはワックス成分を含有しており、この場合に、前記ワックス相の中に存在しているジアルキル(またはジアルキレン)エーテル、ジアルキル(またはジアルキレン)カーボネート、ジカルボン酸およびヒドロキシ脂肪アルコールの全体の量が、当該ワックス相の全重量に対して、0.1乃至30(重量/重量)%の範囲内であり、この場合に、そのワックス粒子が一定の平均の粒度を有していて、その平均の粒度が0.5乃至100μm、特に1乃至50μm、さらに特に1乃至50μmの範囲内であり、さらに
(b)前記分散物の全重量に対して、25乃至99(重量/重量)%の一定の水性の相を含む製品。
【請求項2】
前記ワックス分散物がさらに0.01乃至5%(当該分散物の全重量に対する重量/重量の比率)の一定のポリマーを含有している請求項1に記載の製品。
【請求項3】
前記ポリマーが種々のポリアクリレート、多糖類、ポリアクリルアミドまたはこれらのポリマーの任意の混合物の群から選択される請求項2に記載の製品。
【請求項4】
前記ワックス相が種々の脂肪、ワックス、脂肪アルコール、脂肪酸、およびこれらの成分の任意の混合物から選択される請求項1乃至3のいずれかに記載の製品。
【請求項5】
前記ワックス分散物がさらに一定の適当な乳化剤を含有している請求項1乃至4のいずれかに記載の製品。
【請求項6】
前記ワックス分散物が、
(a)1乃至50重量%の一定のワックス相を含み、このワックス相が
(a1)C14乃至C30のジアルキル・エーテル、C14乃至C30のジアルキル・カーボネート、C4 乃至C34のジカルボン酸またはC12乃至C30のヒドロキシ脂肪アルコールまたはこれらの任意の混合物から選択される0.1乃至30重量%の少なくとも1種類のオイルまたはワックス成分、
(a2)0.1乃至10%(重量/重量)の少なくとも1種類のオイル、
(a3)0.1乃至10%(重量/重量)の少なくとも1種類の非イオン性の乳化剤、
(a4)0.1乃至40%(重量/重量)の少なくとも1種類のさらに別の蝋質の脂質成分を含み、この場合の重量/重量は前記ワックス分散物の全重量に対する比率であり、さらに
(b)50乃至99%(重量/重量)の一定の水性の相を含み、この場合の重量/重量は前記ワックス分散物の全重量に対する比率である請求項5に記載の製品。
【請求項7】
前記ワックス分散物が当該ワックス分散物の全重量に対して5乃至30重量%の一定のワックス相、特に10乃至25重量%の一定のワックス相を含む請求項1乃至6のいずれかに記載の製品。
【請求項8】
前記ワックス相が種々のモノ−、ジーまたはトリ−グリセリド、脂肪アルコール、脂肪酸またはこれらの成分の任意の組み合わせ物を含有している請求項1乃至7のいずれかに記載の製品。
【請求項9】
前記付加的な水性の相または前記ワックス分散物またはこれらの両方が1種類以上の活性物質を含む請求項1乃至8のいずれかに記載の製品。
【請求項10】
前記1種類以上の活性物質が、例えば、種々の抗菌薬および抗真菌薬である抗菌物質、抗炎症剤、抗刺激薬、抗かゆみ薬、制汗薬、老化防止剤、抗刺痛薬、興奮抑制薬、鎮静剤である請求項9に記載の製品。
【請求項11】
前記アプリケータが一定の付加的な水性の相により処理されている請求項1乃至10のいずれかに記載の製品。
【請求項12】
前記アプリケータが前記付加的な水性の相により処理された後に、その製品が乾燥され、その後にその製品に前記ワックス分散物が供給される請求項11に記載の製品。
【請求項13】
前記アプリケータが前記付加的な水性の相および前記ワックス分散物により同時に処理された後に、その製品が乾燥される請求項11に記載の製品。
【請求項14】
前記アプリケータが前記付加的な水性の相により処理された後に、前記ワックス分散物が供給され、その後に、その製品が乾燥される請求項11に記載の製品。
【請求項15】
前記アプリケータが前記ワックス分散物に接触した後に、前記付加的な水性の相により処理され、その後に、その製品が乾燥される請求項11に記載の製品。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれかに記載の一定の製品を製造する方法において、前記アプリケータを前記ワックス分散物に接触させる処理を含む方法。
【請求項17】
さらに、前記ワックス分散物に接触させる処理の後かこれと同時に前記アプリケータを前記付加的な水性の相により処理することを含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
さらに、一定の乾燥工程を含む請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記付加的な水性の相が噴霧、滴下、浸漬または一定の槽の中における搬送により供給され、前記ワックス相が噴霧、接触、印刷または直接的な接触方法により供給されていて、この直接的な接触方法の場合に、前記アプリケータとスリット・ノズルを有する一定の供給用ヘッド部分との間に一定の直接的な接触状態が存在する請求項16乃至請求項18の内の1個に記載の方法。
【請求項20】
種々の活性物質の一定のアプリケータとして、または一定のクレンザーとして、または一定の組み合わされたクレンザーおよび活性物質のアプリケータとしての請求項1乃至15のいずれかに記載の一定の製品の使用方法。

【公表番号】特表2006−521410(P2006−521410A)
【公表日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515741(P2006−515741)
【出願日】平成16年1月8日(2004.1.8)
【国際出願番号】PCT/EP2004/000981
【国際公開番号】WO2005/074864
【国際公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(597046982)ジョンソン・アンド・ジョンソン・ゲーエムベーハー (13)
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Gmbh
【住所又は居所原語表記】Kaiserswerther Strasse 270,D−40474 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】