説明

アルツハイマー病を検出するための手順および方法

本出願は、哺乳動物、特に、ヒトにおいてアルツハイマー病を検出するために使用できる方法および組成物に関する。アルツハイマー病を検出するための手順および方法これは、特に、アルツハイマー病の血清マーカーおよび診断手順におけるその使用法について記載している。これは、その調製物と共にこれらの手順を適用するために使用可能なツールおよび/またはキット(試薬、プローブ、プライマー、抗体、チップ、細胞など)、ならびに、その使用法にも関する。本発明は、哺乳動物において、初期工程の疾患を含むアルツハイマー病の存在または進行を検出するために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、哺乳動物、特に、ヒトにおいてアルツハイマー病を検出するために使用できる方法および組成物に関する。それは、特に、アルツハイマー病の血清マーカーおよび診断手順におけるその使用について記載している。それは、その調製物と共にこれらの手順を適用するために使用可能なツールおよび/またはキット(試薬、プローブ、プライマー、抗体、チップ、細胞など)、ならびに、その使用にも関する。本発明は、初期工程の疾患を含む、哺乳動物におけるアルツハイマー病の存在または進行を検出するために使用することができる。
【0002】
アルツハイマー病は、痴呆の主要な原因であり、ならびに、最も一般的な神経変性疾患である。この疾患は、性質が進行性であり、記憶喪失、ならびに、言語スキル、方向性、および判断力の減衰を特徴とする。症状の性質は、高齢者の生理的障害と混同されることが多く、それらの重症度およびそれらが出現する年齢は個人によって異なる。これは、疾患の初期工程において診断を確定する際の困難の一因になっている。
【0003】
この疾患を患う患者の脳の検査によって、記憶の重要な中枢である海馬内、ならびに、推論、言語、および記憶に関与する大脳皮質内のニューロンの喪失が明らかになる。コリン作動性ニューロンは、特にこの減少による影響を受ける。
【0004】
アルツハイマー病を患う患者の脳において観察される別の主な異常は、細胞内および細胞外でのタンパク質凝集体の蓄積である。細胞内での神経原線維タウタンパク質の濃縮体は、痴呆の程度と十分な相関関係を示すと思われる。アミロイドβペプチドの細胞内および細胞外での凝集によって形成される老人斑は、ニューロンおよびグリア細胞の変性部位を特徴付けている。
【0005】
一方で、凝集のこれらの部位が、認知機能の低下に特徴的なシナプス減少部位に対応しないことを指摘することは注目に値する。
【0006】
遺伝形式に関して着手された遺伝子研究によって、4つの遺伝子:App(アミロイド前駆体タンパク質)、プレセニリン1および2(PS1およびPS2)、およびアポリポタンパク質E(apoE)が疾患の発生に関連していることが示された。これらの各遺伝子の突然変異または多型は、アミロイドβペプチド産生の増加を招くが、シナプスおよびニューロンの喪失を支配する機序は依然として理解不十分なままである。この点に関して、いくつかの仮説および様々な現象が関与する機序が、このように共存すると思われる:
1)ニューロンおよびグリア細胞が関与する純粋に大脳での現象:
− 酸化ストレス、これは、特にアミロイドβペプチドによって誘導され、コレステロール代謝によってモジュレーションされうる;
− カルシウム流入および興奮毒性の変化;
2)炎症性および免疫反応性の現象;
3)性ホルモンの変化;
4)甲状腺機能低下症およびインスリンシグナル調節の欠損。
【0007】
従って、アルツハイマー病は、ホメオスタシスを調節する様々な統合システムにおける変化によって特徴付けられ、免疫系が関与する炎症反応および内分泌調節の修正のいずれも招く特定ニューロンでの発病を伴う。後者は、次に、他のニューロンの活性および生存、ならびに、免疫機能に影響を及ぼし、これらのカスケード反応は、アルツハイマー病の進行において、神経変性のみならずホルモン調節および免疫応答における役割も明確に示している。
【0008】
現在、この病理、特に、疾患の進行の様々な病期を診断可能にする、アルツハイマー病の強固かつ特異的なサインはない。有効な診断検査、特に早期検査の可用性によって、患者は疾患の発症時に介護を受けることが可能になり、これによって、より効果的かつ適当な処置から、特に、至適条件下でのタクリン、ドネペジル、およびリバスティグミンなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害因子によって、利益を得ることができるようになる。
【0009】
本発明はこの必要に応える。本発明では、特にアルツハイマー病の血清マーカーの同定について記載しており、この疾患の存在、病期、リスクの効果的かつ予測診断の開発を可能にしている。本発明は、このように、アルツハイマー病を患う患者の血液中における、特に選択的スプライシングに起因する、特異的にまたは選択的に発現される分子のサインの同定について記載している。特に予想外の方法では、本出願では、アルツハイマー病を患う患者の血液細胞中における、食作用および/または酸化ストレスに関与する生物時計および分子シグナル経路の調節不全の存在を明らかにする。本発明は、このように、被験体の血液中において、概日リズムに従って調節される遺伝子および食作用または酸化ストレスの調節に関与する遺伝子の中から選択される1つ以上の遺伝子の発現を測定することに基づいて、アルツハイマー病の進行を診断、予測、および/またはモニターリングするためのツールおよび方法を初めて提供することができる。このような遺伝子の発現における調節不全の存在によって、アルツハイマー病のリスクや素因を確定する、または、被験体におけるこの病理の存在を確認することができる。
【0010】
本発明の1つの目的は、このように、哺乳動物からの生物学的サンプル、好ましくは、血液サンプル(デリバティブ)における、概日リズムに従って調節される遺伝子群および食作用または酸化ストレスの調節に関与する遺伝子から選択される1つ以上の遺伝子またはRNAにおける変化の存在、この哺乳動物でのアルツハイマー病の発症の存在またはリスクの兆候であるこのような変化の存在の決定を含む、哺乳動物においてアルツハイマー病の発症の存在またはリスクをインビトロまたはエクソビボで検出するための方法にある。
【0011】
本発明の別の目的は、概日リズムに従って調節される遺伝子および食作用または酸化ストレスの調節に関与する遺伝子から選択される1つの遺伝子、または、好ましくは、数個の遺伝子の発現を処置中に測定すること、および、このようにして測定した発現を処置の前工程で測定した発現と比較することの工程を含む、アルツハイマー病の処置の有効性を評価するまたはモニターリングする方法に関する。
【0012】
本発明の別の目的は、アルツハイマー病を処置するための改良方法に関し、改良には、被験体において、処置前、処置後および/または処置中に、概日リズムに従って調節される遺伝子および食作用または酸化ストレスの調節に関与する遺伝子から選択される1つの遺伝子、または、好ましくは、数個の遺伝子の発現を処置中に測定することが含まれる。このような発現を測定することで、病理の進行に従って処置を適応させることが可能になる。処置は、典型的には、タクリン、ドネペジルおよびリバスティグミンなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤を使用した処置である。
【0013】
本発明の別の目的は、上で定義した(少なくとも)1つの遺伝子の発現の調節不全を伴う患者におけるアルツハイマー病を処置するための薬物を調製するための、タクリン、ドネペジルおよびリバスティグミンのようなアセチルコリンエステラーゼ阻害剤の使用に関する。
【0014】
本発明との関連で、遺伝子またはRNAにおける変化は、(i)発現における任意の変化、すなわち、発現レベルの調節不全(例えば、転写または翻訳);例えば、特定のスプライシング型の出現または様々なスプライシング型の(相対的な)量またはそれらの間の比率における変化をもたらす、スプライシングの調節不全;ならびに、(ii)産生されるタンパク質の構造における任意の変化(切断、伸長、または突然変異型の出現または消失)を意味する。
【0015】
以下のテキストに記載する通り、本出願では、アルツハイマー病を患う患者の血液における概日リズムに関与するシグナルカスケードおよび食作用または酸化ストレスの調節に関与する分子のスプライシングにおける調節不全の同定について記載している。ヌクレオチドプライマー、ヌクレオチドプローブまたは特異抗体などの、血液中においてこれらの遺伝子の発現を測定する任意の分子または技術は、懸濁状態または固定型でよく、以下のテキストに詳述される通り、本発明の枠組み内において実施できる。
【0016】
このように、本出願の別の目的は、上で定義した、1つの遺伝子、または好ましくは、数個の遺伝子またはRNAに相補的および/または特異的な配列を含む固定化核酸である基質を含む産物に関する。好ましくは、産物には、上で定義した、少なくとも5、10、20、30、40、50、60またはそれを超える遺伝子またはRNAに相補的および/または特異的な配列を含む異なる核酸が含まれる。
【0017】
本出願の別の目的は、上で定義した、遺伝子またはRNAによってコードされるポリペプチドの少なくとも1つのリガンドが固定化された基質を含む産物に関する。好ましくは、産物には、上で言及したポリペプチドから選択される異なるポリペプチドの少なくとも5、10、20、30、40、50、60またはそれを超えるリガンドが含まれる。
【0018】
本出願の別の目的は、上で定義したような1つ以上の遺伝子またはRNAに相補的および/または特異的な配列を含む、少なくとも1つの核酸、好ましくは、数個の核酸、および/または、上で定義した1つ以上のポリペプチドの1つのリガンド、好ましくは数個のリガンドを含む、区画または容器を含むキットに関する。好ましくは、産物には、上で言及した核酸およびリガンドから選択される、少なくとも5、10、20、30、40、50、60またはそれを超える異なる核酸および/またはリガンドが含まれる。キットには、ハイブリダイゼーションまたは免疫反応用の試薬、ならびに、必要に応じて、コントロールおよび/または使用説明書も含まれる。
【0019】
本発明の別の目的は、哺乳動物の被験体、好ましくは、ヒト被験体においてアルツハイマー病を検出するための、上で定義した産物またはキットの使用に関する。
【0020】
アルツハイマー病の血清マーカー
本発明は、ヒト患者においてアルツハイマー病に特徴的な血清中での生物学的事象を明らかにして、そして特性付けすることにある。これらの事象はバイオマーカーを構成し、患者でのその検出によって、好ましくは併用で、初期工程でさえ、このような疾患を発症するリスク、このような疾患の存在、またはこの疾患の進行工程を決定することが可能になる。さらに、本発明のマーカーは処置の有効性を測定する、および/または候補薬物を選択するためにも使用できる。本発明のマーカーの併用によって、アルツハイマー病を他の神経変性病理から区別することができるようになる。
【0021】
同定した生物学的事象は、典型的には、遺伝子発現の調節における修正に対応する。それは、遺伝子またはRNAもしくは特定型の遺伝子またはRNAの発現の部分的または完全な抑制、遺伝子もしくは特定型の遺伝子またはRNAの発現上昇、スプライシング型遺伝子の出現または消失、などの問題でありうる。
【0022】
本発明との関連で、「概日リズムに従って調節される遺伝子」という表現は、その発現が内部の生物時計によって調節される任意の遺伝子を意味する。
それは、特に、その発現または活性が時間的リズム、例えば、24時間周期に従って調節される任意のRNAまたは任意のタンパク質に関する。ヒトでは、概日リズムは、視床下部内に位置する「生物時計」(視交叉上核)によって制御される。それは、次に、体温リズムまたはホルモン合成を制御する生物時計などの、他の生物時計を制御する。本発明の実施のための、概日リズムに従って調節される遺伝子を例証する実施例として、表1で言及する遺伝子のすべてを特に引用することができる。
【0023】
このように、本発明の特定の目的は、この哺乳動物でのアルツハイマー病の発症の存在またはリスクの兆候であるこのような変化の存在を用いて、哺乳動物からの生物学的サンプル、好ましくは、血液サンプル(デリバティブ)における、表1に示す1つ以上の遺伝子、または対応するRNAにおける変化、特に、このような遺伝子またはRNAのスプライシングにおける変化の存在の決定を含む、哺乳動物におけるアルツハイマー病の発症の存在またはリスクをインビトロまたはエクソビボで検出するための方法である。
【0024】
特定の態様では、本発明の方法には、哺乳動物からの生物学的サンプル、好ましくは、血液サンプル(デリバティブ)における、BMAL1またはCLOCK遺伝子、または対応するRNAにおける変化、特に、このような遺伝子またはRNAのスプライシングにおける変化の存在の決定が少なくとも含まれる。
【0025】
本発明との関連で、「食作用または酸化ストレスの調節に関与する遺伝子」という表現は、その発現産物が血液細胞における食作用または酸化ストレスの機序に関与する任意の遺伝子を意味する。食作用は、特定の生細胞が特定の異物を飲み込み、消化する機序である。本発明との関連でこのような遺伝子を例証する実施例として、表2で言及する遺伝子のすべてを特に引用することができる。
【0026】
このように、本発明の別の特定の目的は、哺乳動物からの生物学的サンプル、好ましくは、血液サンプル(デリバティブ)において、表2に示す1つ以上の遺伝子、または対応するRNAにおける変化、特に、このような遺伝子またはRNAのスプライシングにおける変化の存在の決定を含み、この哺乳動物でのアルツハイマー病の発症の存在またはリスクの兆候であるこのような変化の存在によって、哺乳動物におけるアルツハイマー病の発症の存在またはリスクを(インビトロまたはエクソビボで)検出するための方法にある。
【0027】
特定の態様では、本発明の方法には、哺乳動物からの生物学的サンプル、好ましくは、血液サンプル(デリバティブ)における、L−プラスチンまたはカルネキシン遺伝子または対応するRNAにおける変化、特に、このような遺伝子またはRNAのスプライシングにおける変化の存在の決定が少なくとも含まれる。
【0028】
好ましくは、本発明は、上で言及した遺伝子から選択される数個の遺伝子における組み合わせ検出にある。「組み合わせ検出」という用語は、数個の遺伝子における変化を決定して、評価することを意味し、この決定は同時または非同時に実施する。このように、本発明の特定の態様には、概日リズムによって調節される少なくとも1つの遺伝子および食作用または酸化ストレスの調節に関与する少なくとも1つの遺伝子における変化の組み合わせ検出が関与する。
【0029】
本発明は、このように、サンプル中において、
a)表1または2に示す遺伝子または対応するRNA、または少なくとも15、好ましくは、少なくとも16、17、18、19、20、25、または30の連続塩基を有するその異なる断片、
b)a)の配列と相補的な配列を有する核酸、
c)a)またはb)の核酸の機能的アナログ、または、
d)a)からc)の核酸によってコードされるポリペプチド
から有利に選択される1つ以上の標的分子を検出することにある。標的分子は、遺伝子またはRNAまたは対応するタンパク質の完全配列またはその断片、すなわち、配列が前記の遺伝子またはRNAまたは前記のタンパク質に特異的な断片であり、および/または、それは検出する生物学的事象を代表する可変ドメイン(スプライシング、欠失、多型など)を含む。
【0030】
「機能的アナログ」という用語は、別の哺乳動物の種由来のアナログを意味する。実際に、表1および2に記載する遺伝子はヒトの遺伝子であり、そしてこれらの配列は、ヒト患者においてアルツハイマー病を検出するために有効であり、そして適したマーカーを構成する。それにもかかわらず、本発明の方法を他の哺乳動物の種に適用するために、検討している種において特徴となるこれらの配列の機能アナログを使用することが一般的に好ましい。これらのアナログは、特に、出願において提供する配列および対応する遺伝子の名前を考慮すると、当業者に公知の任意の技術によって同定できる。
【0031】
特定の態様では、方法には、a)からc)の少なくとも1つの核酸の存在の決定が含まれる。
【0032】
さらに特定の態様では、方法を使用して、ヒト被験体においてアルツハイマー病を検出し、そして、a)またはb)の少なくとも1つの核酸の存在の決定が含まれる。
【0033】
遺伝子における変化を検出する方法
先に示した通り、遺伝子またはRNAにおける変化は、本発明との関連で、(i)発現における任意の変化、すなわち、発現レベルの調節不全(例えば、転写または翻訳);例えば、特定のスプライシング型の出現または様々なスプライシング型の(相対的な)量またはそれらの間の比率における変化をもたらす、スプライシングの調節不全;ならびに、(ii)産生されるタンパク質の構造における任意の変化(切断、伸長、または突然変異型の出現または消失)を意味する。
【0034】
例えば、ノーザンブロット、選択的ハイブリダイゼーション、オリゴヌクレオチドプローブで覆われた基質の使用、例えば、RT−PCR、定量的PCRまたはライゲーションPCRなどの核酸の増幅など、サンプル中の核酸種の検出を可能にする様々な技術が、本発明において使用可能である。これらの方法には、サンプル中の核酸標的を選択的または特異的に検出可能な核酸プローブ(例えば、オリゴヌクレオチド)の使用が含まれうる。PCR、LCR、転写媒介性増幅(TMA)、鎖置換増幅(SDA)、NASBA、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO)の使用、対立遺伝子特異的増幅、サザンブロット、一本鎖高次構造多型分析(SSCA)、インサイチューハイブリダイゼーション(例えば、FISH)、ゲル移動、ヘテロデュプレックス分析など、当業者に公知の様々な方法に従って増幅は実施できる。必要に応じて、検出された核酸の量は、基準値、例えば、アルツハイマー病を患わない患者において観察される中央値または平均値、もしくはコントロール試料中において並行して測定された値と比較することができる。このように、発現レベルにおけるばらつきを明らかにすることができる。
【0035】
好適な態様では、方法には、選択的ハイブリダイゼーションまたは選択的増幅によるa)からc)の核酸の有無または(相対的な)量の検出が含まれる。
【0036】
選択的ハイブリダイゼーションは、典型的には、好ましくは、少なくとも1つの表面が平坦または平坦ではなく、核酸プローブの固定化を可能にする、固形または半固形基質などの基質上に固定化させた核酸プローブを使用して実施できる。このような基質としては、例えば、ストリップ、ビーズ、メンブレン、フィルター、カラム、プレートなどが挙げられる。それらは適合する任意の物質、特に、ガラス、シリカ、プラスチック、ファイバー、金属、ポリマーなどで作ることができる。核酸プローブは、上のa)からc)で定義した標的分子に特異的な配列を含む、任意の核酸(DNA、RNA、PNAなど)、好ましくは一本鎖でありうる。プローブには、典型的に、5から400の塩基、好ましくは8から200、より好ましくは100未満、さらに好ましくは75、60、50、40、またはさらには30未満の塩基が含まれる。プローブは、古典的な合成技術による本発明の標的分子の配列に基づいて産生される合成オリゴヌクレオチドでありうる。このようなオリゴヌクレオチドには、典型的に、10から50の塩基、好ましくは20から40、例えば、約25の塩基が含まれる。特に有利な態様では、いくつかの異なるオリゴヌクレオチド(またはプローブ)を使用して、同じ標的分子を検出する。それは同じ標的分子の異なる部位に特異的なオリゴヌクレオチドの問題でありうる、もしくは同じ部位に異なって集中している。プローブ対も使用され、これらの一方は標的分子と完全に一致し、他方は不一致であり、これによってバックグラウンドノイズの推定が可能になる。プローブは、エクソンまたはイントロンの部位、もしくはエクソン−エクソン、エクソン−イントロン、またはイントロン−イントロンの接合部を含む部位とハイブリダイズするように設計できる。このように、プローブによって、遺伝子の様々なスプライシング型を明らかにして、そして区別することが可能になる。
【0037】
プローブは、当業者に公知の方法に従って、事前に合成して、次に基質上に沈着させるか、もしくはインサイチューで基質上に直接合成させることができる。プローブは、遺伝子技術、例えば、増幅、組み換え、ライゲーションなどによって産生させることもできる。
【0038】
このように定義したプローブは、本出願の別の目的、ならびに、被験体においてアルツハイマー病を検出するためのその使用(主にインビトロ)を構成する。
【0039】
ハイブリダイゼーションは、当業者には公知の、ならびに、当業者によって調整される古典的条件下で実施できる(Sambrook, Fritsch, Maniatis (1989) Molecular Cloning, Cold Spring Harbor Laboratory Press)。特に、ハイブリダイゼーションは、求められた感受性のレベル、利用可能な物質の量などに従って、高、中、または低ストリンジェンシーな条件下で実施することができる。例えば、適当なハイブリダイゼーション条件は、2時間から18時間にわたる55℃から63℃の温度が挙げられる。高密度基質に順応させた他のハイブリダイゼーション条件は、例えば、45℃から55℃のハイブリダイゼーション温度である。ハイブリダイゼーション後、様々な洗浄を実施して、ハイブリダイズしなかった分子を除去することができ、典型的には、0.1Xから10X SSCおよび0.5−0.01% SDSを含むバッファーなど、SDSを含むSSCバッファー中である。SSPE、MES、NaCl、またはEDTAを含む他の洗浄バッファーを使用することもできる。
【0040】
典型的な実施では、核酸(もしくはチップまたは基質)は、65℃で30分間にわたり、典型的には、100μg/mLサケ精子DNAを含むハイブリダイゼーションバッファー(Rapid Hybrid Buffer, Amersham)中でプレハイブリダイズさせる。次にサンプル核酸を入れて、65℃で2時間から18時間にわたり(典型的には、基質またはチップに適用される)プローブと接触させる。好ましくは、サンプル核酸は、事前に公知の任意の標識(放射能、酵素、蛍光、発光性など)によって標識する。基質を次に65℃で30分間にわたり0.1% SDSを含む5X SSCのバッファーで、次に、0.1% SDSを含む0.2X SSCのバッファーで洗浄する。ハイブリダイゼーション・プロファイルを古典的な技術、例えば、適当な機器(例えば、InstantImager, Packard Instruments)によって基質上の標識を測定することで解析する。ハイブリダイゼーション条件は、当然ながら、ハイブリダイゼーション温度および/またはバッファーの塩濃度を変更することによって、ならびに、ホルムアミドまたは一本鎖DNAなどの補助剤を添加することによって、当業者によって調節されうる。
【0041】
本発明の特定の目的は、このように、哺乳動物においてアルツハイマー病の発症の存在またはリスクを検出するため、ならびに、アルツハイマー病の処置の有効性を評価するための方法にあり、哺乳動物の血液サンプルからの核酸と過去にハイブリダイゼーション・プロファイルを得るために同定された標的分子に対する一連の特異的プローブの相補配列間でハイブリダイゼーションを可能にする条件下で接触させて静置することが含まれ、ハイブリダイゼーション・プロファイルはこの哺乳動物におけるアルツハイマー病の発症の存在またはリスク、もしくは処置の有効性に特徴的である。
【0042】
選択的増幅は、好ましくは、サンプル中の核酸標的のすべてまたはその内の1つの一部分を、このような1つの標的が存在する場合に増幅可能にするプライマーまたはプライマー組を使用して実施される。プライマーは、上で定義した標的配列またはサンプルの核酸内において標的配列の両側を挟む部位に特異的でありうる。プライマーには、典型的に、有利には5から50の塩基、好ましくは5から30の塩基の長さの一本鎖核酸が含まれる。このようなプライマーは、本出願の別の目的、ならびに、被験体においてアルツハイマー病を検出するための(主にインビトロでの)その使用を構成する。プローブは、エクソンまたはイントロンの部位、もしくはエクソン−エクソン、エクソン−イントロン、またはイントロン−イントロンの接合部を含む部位とハイブリダイズするように設計できる。このように、プローブによって、遺伝子の様々なスプライシング型を明らかにして、そして区別することが可能になる。
【0043】
この点において、本発明の別の目的は、哺乳動物においてアルツハイマー病の発症の存在またはリスクを検出するため、および、アルツハイマー病の処置の有効性を評価するために、1つの遺伝子、好ましくは、表1および2で言及する数個の遺伝子、または対応するRNAのすべてまたは一部を増幅を可能にするヌクレオチド・プライマーまたは一連のヌクレオチド・プライマーの使用にある。
【0044】
ポリペプチド内の変化を検出する。
別の態様では、方法には、先に定義した遺伝子がコードするポリペプチドの存在または(相対的な)量の測定が含まれる。サンプル中のポリペプチドを明らかにすること、または分析することは、特に、特異的リガンド、例えば、抗体または断片または抗体誘導体によって当業者には公知の技術によって実施できる。好ましくは、リガンドは、ポリペプチドの特異抗体、またはこのような抗体の断片(例えば、Fab、Fab’、CDRなど)、またはこのような抗体の誘導体(例えば単鎖抗体、ScFv)である。リガンドは、典型的に、ストリップ、ビーズ、カラム、プレートなどの基質上に固定化させる。サンプル中の標的ポリペプチドの存在または量は、標的とリガンドの複合体を明らかにすること、例えば、標識リガンドを使用すること、二次標識検出リガンドを使用すること、などによって検出できる。使用することができ、そして周知の免疫技術としては、ELISA、RIAなどが挙げられる。必要に応じて、検出された核酸の量は、基準値、例えば、アルツハイマー病を患わない患者において観察される中央値または平均値またはコントロール試料中において並行して測定された値と比較することができる。このように、発現レベルにおけるばらつきを明らかにすることができる。
【0045】
標的ポリペプチドの特異抗体は、従来の技術、特に、ヒト以外の動物を免疫原(またはその免疫原性断片)で免疫すること、および、(ポリクローナル)抗体または(モノクローナル抗体を産生するための)産生細胞を回収することによって産生することができる。ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体、ScFv断片およびヒトまたはヒト化抗体を産生するための技術は、例えば、Harlow et al., Antibodies: A Laboratory Manual, CSH Press, 1988; Ward et al., Nature 341 (1989) 544; Bird et al., Science 242 (1988) 423;国際公開広報第94/02602号;米国特許第5,223,409号;米国特許第5,877,293号;国際公開広報第93/01288号に記載されている。免疫原は、適当な宿主内における上で定義した核酸標的の合成または発現によって産生させることができる。モノクローナルまたはポリクローナルを問わず、このような抗体、および、同じ抗原特異性を有するその誘導体も、本出願の目的、および、癌を検出するためのその使用を構成する。
【0046】
タンパク質の発現および/または構造の変更は、アルツハイマー病を患う患者の血液中における特定のサインを検出するために、より一般的にはプロテオーム解析という名称に分類される、質量分析を含む当業者に公知の技術を使用して検出することもできる。
【0047】
方法の実施
本発明の方法は、試験する哺乳動物からの任意の生体サンプル、特に核酸またはポリペプチドを含む任意のサンプルに適用できる。有利には、血液、血漿、血小板、唾液、尿、便などのサンプルを用いることができ、より一般的には、任意の組織、器官、または有利には、核酸またはポリペプチドを含む生体液である。
【0048】
好適で特に有利な態様では、サンプルは、血液から得られるサンプル、例えば血液、血清、または血漿のサンプルである。本発明は、実際に、アルツハイマー病の血液マーカーの同定から得られ、そのため、組織生検なしに、血液サンプルのみからこの病理の検出が可能になる。
【0049】
サンプルは、任意の公知の技術、例えば、採血、非侵襲性の技術、サンプルのコレクションまたはバンクなどによって得ることができる。サンプルは、例えば、溶菌(機械的、化学的、酵素など)、精製、遠心、分離など、前処理することによって、標的分子の可触を容易にすることもできる。サンプルは、標的分子の存在の決定を容易にするために標識(蛍光、放射能、発光、化学、酵素標識など)することもできる。
【0050】
好適な態様では、生体サンプルは、全血、すなわち、分離ステップを経た生体サンプルであり、任意に希釈することができる。
【0051】
好ましくは、方法には、上で定義した、5、10、20、30、40、50、または60の標的分子の有無または量に関する組み合わせ決定が含まれる。
【0052】
本出願における別の特定の目的は、ヒト被験体においてアルツハイマー病の発症の存在、進行、またはリスクを検出するための方法に関し、被験体からの生体サンプルを、1つの遺伝子、または好ましくは、上で定義した数個の遺伝子またはRNAの相補的および/または特異的配列を含む固定化核酸である基質を含む産物と接触させて静置させること、および、ハイブリダイゼーション・プロファイルの決定が含まれ、プロファイルは前記のヒト被験体におけるアルツハイマー病の発症の存在、病期、またはリスクを示唆する。好ましくは、産物には、上で言及した少なくとも5、10、20、30、40、50、60またはそれを超える異なる遺伝子に相補的および/または特異的な配列を含む異なる核酸が含まれる。
【0053】
本出願の別の目的は、1つの遺伝子、または好ましくは、上で定義した数個の遺伝子またはRNAの相補的および/または特異的配列を含む固定化核酸である基質を含む産物に関する。好ましくは、産物には、上で定義した少なくとも5、10、20、30、40、50、60またはそれを超える異なる遺伝子に相補的および/または特異的な配列を含む異なる核酸が含まれる。
【0054】
本出願の別の目的は、上で定義した、遺伝子またはRNAによってコードされるポリペプチドの少なくとも1つのリガンドが固定化された基質を含む産物に関する。好ましくは、産物には、上で言及したポリペプチドから選択される異なるポリペプチドの少なくとも5、10、20、30、40、50、60またはそれを超えるリガンドが含まれる。
【0055】
基質は、少なくとも1つの表面が平坦または平坦ではなく(すなわち、二次元または三次元)、核酸プローブの固定化を可能にする、任意の固形または半固形基質である。このような基質としては、例えば、ストリップ、ビーズ、メンブレン、フィルター、カラム、プレートなどが挙げられる。それらは適合する任意の物質、特に、ガラス、シリカ、プラスチック、ファイバー、金属、ポリマー、ポリスチレン、テフロンなどで作ることができる。試薬は、公知の技術により基質の表面上に固定化させるか、または、核酸の場合、インサイチューで基質上に直接合成させることができる。固定化技術としては、受動的吸着(Inouye et al., J. Clin.Microbiol.28 (1990) 1469)および共有結合が挙げられる。技術は、例えば、国際公開広報第90/03382号および国際公開広報第099/46403号に記載されている。基質上に固定させた試薬は、可変的で適応可能な密度に応じて、事前に確立された計画に従って配置させて、形成する複合体の検出および同定を容易にすることができる。
【0056】
一態様では、本発明の産物には、上で定義する1つ以上の遺伝子RNAに特異的な5から100塩基の長さの複数の合成オリゴヌクレオチドが含まれる。
【0057】
本発明の産物には、典型的に、結果を調整および/または標準化することを可能にする制御分子が含まれる。
【0058】
本出願の別の目的は、上で定義したような1つ以上の遺伝子またはRNAに相補的および/または特異的な配列を含む、少なくとも1つの核酸、好ましくは、数個の核酸、および/または、上で定義した1つ以上のポリペプチドの1つのリガンド、好ましくは数個のリガンドを含む、区画または容器を含むキットに関する。好ましくは、産物には、上で言及した核酸およびリガンドから選択される、少なくとも5、10、20、30、40、50、60またはそれを超える異なる核酸および/またはリガンドが含まれる。キットには、ハイブリダイゼーションまたは免疫反応用の試薬、および、必要に応じて、コントロールおよび/または使用説明書も含まれる。
【0059】
本発明の別の目的は、哺乳動物の被験体、好ましくは、ヒト被験体においてアルツハイマー病を検出するための、上で定義した産物またはキットの使用に関する。
【0060】
本発明の他の局面および利点は、以下の実施例を考慮して現れ、これらは具体例であり、限定はしない。
【0061】
実施例1:概日リズムに関連するアルツハイマー病の血清マーカーの同定
遺伝分析が、一方では、様々な進行程度のアルツハイマー病を患う患者の血液から抽出したRNAを使用して、そして、他方では、病気の被験体と同じの平均年齢の健康なコントロール被験体の血液から調製したRNAを使用して実施した。
【0062】
このようにして得たサインについて、生物技術によって解析し、アルツハイマー病における調節不全現象の分子的基礎の同定を可能にした。
【0063】
BMAL1をコードするmRNAおよびGenBank配列AB000816のヌクレオチド128から247に対応するmRNAに由来するサインをこのようにして同定した。BMAL1は、CLOCK遺伝子と同様に、転写調節因子を含む塩基性ヘリックス・ループ・ヘリックス(bHLH)−PASドメインのファミリーの転写制御因子をコードする。BMAL1およびCLOCKの産物は、生物時計を調節すること、ならびに、日周期リズムを調節することに関与する転写複合体を形成する。従って、本発明では、初めて、アルツハイマー病を患う患者の血液細胞における概日リズムの調節不全について記載する。哺乳動物の概日系には、中枢性および末梢性の発振器が関与する。階層的な優位性が、中枢神経系の概日系と末梢組織の概日系の間に示されている。このように、中枢システムによって末梢の同調が保証される。この中枢性の生物時計を制御する脳の部位はアルツハイマー病において変化しており、本発明では初めて生物時計の調節不全の血液細胞レベルでの影響について記録している。下表1には概日リズムに従って制御される遺伝子のリストを与えており、これらは本発明に関連する標的を構成する。
【0064】
【表1】



【0065】
実施例2:食作用の現象に関与するアルツハイマー病の血清マーカーの同定。
一方ではアルツハイマー病を患う患者から、および、他方ではコントロール患者から抽出したRNAのデータ解析によって、食作用の現象に関与する遺伝子のスプライシングにおける変化も実証された。この現象は、酸化ストレスを制御するシグナルカスケードによって調節され、マクロファージおよび先天性免疫の現象へのそれらの寄与を示している。
【0066】
マクロファージの食作用特性の低減が、アルツハイマー病を患う特定の患者において報告されている。しかし、この現象を説明するための分子的基礎は同定されていない。
【0067】
本発明者が実施したデータ解析によって、L−プラスチンおよびカルネキシンのRNAに対応する配列を同定することが可能になった。特に、L−プラスチンについて同定した配列はGenBank配列NM_002298のヌクレオチド3249−3487に対応しており、カルネキシンについて同定した配列はGenBank配列NM_001746のヌクレオチド3764−4007に対応している。
【0068】
カルネキシンが、アルツハイマー病およびアミロイド−ベータ斑の産生に関与するタンパク質であるプレセニリン1(PS1)と相互作用することは、当業者に公知である。カルネキシンはCD14受容体とも相互作用して、そして食作用の現象に関与する。
【0069】
食作用の現象に関与するL−プラスチンは、特に、内在化に続発する酸化ストレスの活性化に関与する。
【0070】
従って、本発明では、初めて、アルツハイマー病で患う患者のマクロファージが示す食作用の欠損の分子的発生源に関する情報を提供する。
【0071】
下表2には食作用および酸化ストレスの機序に関与する遺伝子のリストを与えており、これらは、本発明に関連する標的を構成する。
【0072】
【表2】










【特許請求の範囲】
【請求項1】
この哺乳動物でのアルツハイマー病の発症の存在またはリスクの兆候であるこのような変化の存在を用いて、哺乳動物からの生物学的サンプル、好ましくは、血液サンプル(デリバティブ)における、概日リズムに従って調節される遺伝子および食作用または酸化ストレスの調節に関与する遺伝子の中から選択される1つ以上の遺伝子またはRNAにおける変化の存在の決定を含む、哺乳動物におけるアルツハイマー病の発症の存在またはリスクをインビトロまたはエクソビボで検出するための方法。
【請求項2】
概日リズムに従って調節される遺伝子および食作用または酸化ストレスの調節に関与する遺伝子の中から選択される1つの遺伝子、または、好ましくは、数個の遺伝子の発現を処置中に測定すること、および、このように測定した発現を処置の前の工程で測定した発現と比較することの工程を含む、アルツハイマー病の処置の有効性を評価するかまたはモニターリングする方法。
【請求項3】
遺伝子またはRNAにおける変化が、発現、スプライシングおよび/または産生されたタンパク質の構造における変化であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
哺乳動物からの生物学的サンプル、好ましくは、血液サンプル(デリバティブ)における、表1に示す1つ以上の遺伝子、または対応するRNAにおける変化、特に、1つのこの遺伝子またはRNAのスプライシングにおける変化の存在の決定を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
哺乳動物からの生物学的サンプル、好ましくは、血液サンプル(デリバティブ)における、BMAL1またはCLOCK遺伝子、または対応するRNAにおける変化、特に、1つのこの遺伝子またはRNAのスプライシングにおける変化の存在の決定を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
哺乳動物からの生物学的サンプル、好ましくは、血液サンプル(デリバティブ)における、表2に示す1つ以上の遺伝子、または対応するRNAにおける変化、特に、1つのこの遺伝子またはRNAのスプライシングにおける変化の存在の決定を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
哺乳動物からの生物学的サンプル、好ましくは、血液サンプル(デリバティブ)における、L−プラスチンまたはカルネキシン遺伝子、または対応するRNAにおける変化、特に、1つのこの遺伝子またはRNAのスプライシングにおける変化の存在の決定を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
a)表1および2に示す遺伝子または対応するRNA、または少なくとも15、好ましくは、少なくとも16、17、18、19、20、25または30の連続塩基を有するその特有の断片、
b)a)に記載の配列と相補的な配列を有する核酸、
c)a)またはb)に記載の核酸の機能的アナログ、または、
d)a)からc)に記載の核酸によってコードされるポリペプチド
の中から選択される1つ以上の標的分子の存在の決定を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
変化の存在が、選択的ハイブリダイゼーション、選択的増幅、または特異的リガンドとの結合によって決定される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
請求項4から7のいずれか一項において定義されるような、少なくとも5、10、20、30、40、50、60またはそれを超える遺伝子またはRNAに相補的および/または特異的な配列を含む固定化された核酸である基質を含む産物。
【請求項11】
請求項4から7のいずれか一項において定義されるような遺伝子またはRNAによってコードされる少なくとも5、10、20、30、40、50、60またはそれを超える異なるポリペプチドリガンドを固定させた基質を含む産物。
【請求項12】
請求項10または11において定義した核酸またはリガンドの中から選択される少なくとも5、10、20、30、40、50、60またはそれを超える異なる核酸および/またはリガンドを含む、区画または容器を含むキット。
【請求項13】
哺乳動物の被験体、好ましくは、ヒトの被験体におけるアルツハイマー病を検出するための、請求項10から12のいずれか一項に記載の産物またはキットの使用。
【請求項14】
概日リズムに従って調節される遺伝子および食作用または酸化ストレスの調節に関与する遺伝子の中から選択される遺伝子の発現の調節不全を伴う患者におけるアルツハイマー病を処置するための薬物を調製するための、タクリン、ドネペジルまたはリバスティグミンなどのアセチルコリンエステラーゼインヒビターの使用。

【公表番号】特表2009−537133(P2009−537133A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510510(P2009−510510)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【国際出願番号】PCT/FR2007/051263
【国際公開番号】WO2007/132120
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(599022270)エグゾニ・テラピューティック・ソシエテ・アノニム (12)
【氏名又は名称原語表記】EXONHIT THERAPEUTICS SA
【Fターム(参考)】