説明

アルツハイマー病を治療するためのβ−セクレターゼ阻害剤として有用なイミダゾリジノン化合物

本発明は、β−セクレターゼ酵素の阻害剤であり、β−セクレターゼ酵素が関与する疾患(例えば、アルツハイマー病)の治療において有用であるイミダゾリジノン化合物に関する。本発明はまた、前記化合物を含む医薬組成物、並びに前記した化合物及び組成物のβ−セクレターゼ酵素が関与する疾患の治療における使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、β−セクレターゼ酵素の阻害剤として有用であり、β−セクレターゼ酵素が関与する疾患(例えば、アルツハイマー病)の治療において有用である化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病は、アミロイドが細胞外プラーク及び細胞内神経原線維濃縮体の形態で脳中に沈着していることを特徴とする。アミロイド蓄積速度は脳からの形成、集合及び排出の速度の組合せである。通常、アミロイドプラークの主成分は、非常に大きなサイズのタンパク質分解産物である4kDアミロイドタンパク質(βA4;Aβ、β−タンパク質及びβAPとも称されている)であると認められている。アミロイド前駆体タンパク質(APPまたはAβPP)は大きな外部ドメイン、膜貫通領域及び短い細胞質テールを有する受容体様構造を有している。AβドメインはAPPの細胞外ドメイン及び貫膜ドメインの両方の部分を含み、よってその放出はNH末端及びCOOH末端を生成するための2つの別々のタンパク質分解事象の存在を暗示している。膜からAPPを放出させ、APPの可溶性COOH切断形態(APP)を生成させる少なくとも2つの分泌メカニズムが存在する。膜からAPP及びその断片を放出させるプロテアーゼは“セクレターゼ”と称されている。多くのAPPは、α−APPを放出させるためにAβタンパク質内で切断し、無傷のAβの放出を妨げる推定上α−セクレターゼにより放出される。APPの小部分は、APPのNH−末端近くで切断し、全Aβドメインを含むCOOH末端断片(CTF)を産生するβ−セクレターゼ(“β−セクレターゼ”)により放出される。
【0003】
よって、β−セクレターゼまたはβ−部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素(“BACE”)の活性により、APPが切断され、Aβが産生され、脳中にβ−アミロイドプラークが蓄積される。これはアルツハイマー病の特徴である(R.N.Rosenberg,Arch.Neurol.,vol.59,Sep 2002,p.1367−1368;H.Fukumotoら,Arch.Neurol.,vol.59,Sep 2002,p.1381−1389;J.T.Huseら,J.Biol.Chem.,vol.277,No.18,2002年3月3日発行,p.16278−16284;K.C.Chen and W.J.Howe,Biochem.Biophys.Res. Commn.,vol.292,p.702−708,2002参照)。従って、β−セクレターゼまたはBACEを阻害し得る治療薬はアルツハイマー病の治療のために有用であり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の化合物は、β−セクレターゼまたはBACEの活性を阻害し、よって不溶性Aβの形成を防止し、Aβの産生を阻止することによりアルツハイマー病を治療するために有用である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、β−セクレターゼ酵素の阻害剤として有用である一般式(I):
【0006】
【化11】

で表される新規なイミダゾリジノン化合物、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー及びその医薬的に許容され得る塩に関する。
【0007】
本発明はまた、有効量の式(I)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る担体を含む医薬組成物に関する。本発明はまた、β−セクレターゼ酵素が関与する疾患(例えば、アルツハイマー病)の哺乳動物の治療方法及び前記疾患の治療における本発明の化合物及び医薬組成物の使用に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
1つの実施態様において、本発明は、一般式(I):
【0009】
【化12】

[式中、
、R、R及びRは独立して
(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、
(3)−C2−10アルケニル、
(4)−C2−10アルキニル、
(5)−C6−10アリール、または
(6)ヘテロアリール
からなる群から選択され、前記したアルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールは場合により1個以上の
(a)ハロ、
(b)−C1−10アルキル(ここで、アルキルは場合により1個以上のフルオロで置換されている。)、
(c)−C3−12シクロアルキル、
(d)−OH、
(e)−CN、
(f)−O−C1−10アルキル(ここで、アルキルは場合により1個以上のフルオロで置換されている。)、
(g)−C6−10アリール、または
(h)ヘテロアリール
で置換されており、前記したアリール及びヘテロアリールは場合により1個以上の(i)ハロ、(ii)−OH、(iii)−CN、(iv)−Q−C1−10アルキル(ここで、アルキルは場合により1個以上のフルオロで置換されている。)、(v)−C1−10アルキル(ここで、アルキルは場合により1個以上のフルオロで置換されている。)、または(vi)−C3−12シクロアルキルで置換されており、Qは(A)−O−、(B)−SO−、(C)−NH−からなる群から選択され、或いは
及びRは一緒に連結して、環炭素原子の1〜3個がO、S、NH、−C(=O)−またはSOで置換されていてもよい3〜7炭素環式環構造を形成し、前記炭素環式環は場合により1個以上の(a)−C1−10アルキル、(b)−C2−10アルケニル、(c)−C2−10アルキニル、及び(d)−C6−10アリールで置換されており;
Xは
1)−(Q−R
{式中、

(a)−CH−、及び
(b)−O−
からなる群から選択され;

(a)水素、
(b)−C1−10アルキル、
(c)−C2−10アルケニル、
(d)−C2−10アルキニル、及び
(e)−C6−10アリール
からなる群から選択され、前記したアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは場合により1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−C1−10アルキル(ここで、アルキルは場合により1個以上のフルオロで置換されている。)、
(iii)−C3−12シクロアルキル、
(iv)−OH、
(v)−CN、
(vi)−O−C1−10アルキル(ここで、アルキルは場合により1個以上のフルオロで置換されている。)、または
(vii)−C6−10アリール
で置換されている。};
2)
【0010】
【化13】

3)
【0011】
【化14】

{式中、Rは、
(a)(R−SO)N(R)−
(式中、R
(i)−C1−10アルキル、
(ii)−C2−10アルケニル、
(iii)−C2−10アルキニル、
(iv)−C3−8シクロアルキル、または
(v)−C6−10アリール
からなる群から選択され、前記したアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及びアリールは場合により1個以上の
(A)ハロ、
(B)−OH、
(C)−CN、
(D)−O−C1−10アルキル、
(E)−C1−10アルキル、
(F)−C2−10アルケニル、
(G)−C2−10アルキニル、
(H)−C3−8シクロアルキル、
(I)−C6−10アリール、または
(J)ヘテロアリール
で置換されており、前記したアリール及びヘテロアリールは場合により1個以上の(I)ハロ、(II)−OH、(III)−CN、(IV)−O−C1−10アルキル、(V)−C3−8シクロアルキル、(VI)−C1−10アルキル、(VII)−C2−10アルケニル、または(VIII)−C2−10アルキニルで置換されており;

(i)水素、
(ii)−C1−10アルキル、
(iii)−C2−10アルケニル、
(iv)−C2−10アルキニル、または
(v)−C6−10アリール
からなる群から選択され、前記したアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは場合により1個以上の
(A)ハロ、
(B)−OH、
(C)−CN、
(D)−O−C1−10アルキル、
(E)−C3−8シクロアルキル、
(F)−C6−10アリール、または
(G)ヘテロアリール
で置換されており、前記したシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは場合により1個以上の(I)ハロ、(II)−OH、(III)−CN、(IV)−O−C1−10アルキル、(V)−C3−8シクロアルキル、または(VI)−C6−10アリールで置換されている。)、
(b)
【0012】
【化15】

(c)
【0013】
【化16】

及び
(d)水素
からなる群から選択され;

【0014】
【化17】

(式中、
10は未置換であるかまたは1個以上のハロゲンで置換されているC1−10アルキルであり;
11a、R11b及びR11cは独立して
(i)水素、
(ii)ハロ、
(iii)−C1−10アルキル、
(iv)−OH、
(v)−CN、
(vi)−C3−12シクロアルキル、及び
(vii)−O−C1−10アルキル
からなる群から選択され;
12及びR13は独立して
(i)水素、
(ii)−C1−10アルキル、
(iii)−C2−10アルケニル、
(iv)−C2−10アルキニル、及び
(v)−C1−10アルキル−C3−12シクロアルキル
からなる群から選択され、前記したアルキル、アルケニル、アルキニル及びシクロアルキルは場合により1個以上の
(A)ハロ、
(B)−OH、
(C)−CN、
(D)−C1−10アルキル、
(E)−O−C1−10アルキル、
(F)−C3−8シクロアルキル、
(G)−NR(ここで、R及びRは(i)水素及び(ii)−C1−10アルキルからなる群から選択され、またはR及びRはこれらが結合している窒素原子と一緒に連結して、1個の窒素を有する4〜6員炭素環式環を形成する。)、または
(H)−C6−10アリール
で置換されており、或いは
12及びR13はこれらが結合している窒素原子と一緒に連結して、1個の窒素を有する4〜6員炭素環式環を形成し、前記炭素環式環は場合により1個以上の
(1)−C1−10アルキル(ここで、アルキルは場合により1個以上の(i)ハロゲン、(ii)ヒドロキシまたは(iii)−C1−6アルコキシで置換されている。)、
(2)−C3−12シクロアルキル、
(3)(CH−フェニル(ここで、フェニルは未置換であるかまたは1個以上のハロゲンで置換されている。)、
(4)C2−10アルケニル、
(5)C2−10アルキニル、
(6)−CN
で置換されており、前記したアルキル、アルケニルまたはアルキニルR12及びR13基は場合により1個以上の(a)ハロ、(b)−OH、(c)−CN、(d)−O−C1−10アルキルまたは(e)−C3−12シクロアルキルで置換されており、前記したシクロアルキル及びフェニルR12及びR13基は場合により1個以上の(a)ハロ、(b)−C1−10アルキル、(c)OH、(d)−CN、(e)−C3−12シクロアルキルまたは(f)−O−C1−10アルキルで置換されており;
14
(i)水素、
(ii)−C1−10アルキル、
(iii)ハロ、
(iv)−C3−12シクロアルキル、
(v)−C6−10アリール、及び
(vi)ヘテロアリール
からなる群から選択され、前記したアリール及びヘテロアリールは場合により1個以上の
(A)ハロ、
(B)−OH、
(C)−CN、
(D)−O−C1−10アルキル、
(E)−C3−8シクロアルキルまたは
(F)−C1−10アルキル
で置換されている。)
からなる群から選択される。};
4)
【0015】
【化18】

{式中、
YはRまたはハロゲンであり;
15及びR16は独立して、
(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、
(3)−C2−10アルケニル、
(4)−C2−10アルキニル、及び
(5)−C1−10アルキレン−C3−12シクロアルキル
からなる群から選択され、前記したアルキル、シクロアルキル、アルケニルまたはアルキニルは未置換であるかまたは1個以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C1−10アルキル、
(e)−C3−12シクロアルキル、
(f)−O−C1−10アルキル、
(g)ヘテロアリール(ここで、ヘテロアリールは未置換であるかまたはハロゲンで置換され得る。)、
(h)フェニル、または
(i)−NR(ここで、R及びRは(i)水素及び(ii)−C1−10アルキルであるか、またはR及びRはこれらが結合している窒素原子と一緒に連結して、1個の窒素を有する4〜6員炭素環式環を形成する。)
で置換されており、或いは
15及びR16はこれらが結合している窒素原子と一緒に連結して、1個の窒素を有する4〜6員炭素環式環を形成し、前記炭素環式環は未置換であるかまたは1個以上の
(a)−C1−10アルキル、
(b)−C3−12シクロアルキル、
(c)−(CH−フェニル、
(d)−C2−10アルケニル、または
(e)−C2−10アルキニル
で置換されており、前記したアルキル、アルケニル及びアルキニルは未置換であるかまたは1個以上の(i)ハロ、(ii)−OH、(iii)−CN、(iv)−O−C1−10アルキル、または(v)−C3−12シクロアルキルで置換されており、前記したシクロアルキル及びフェニルは未置換であるかまたは1個以上の(i)ハロ、(ii)−C1−10アルキル、(iii)−OH、(iv)−CN、(v)−C3−12シクロアルキル、または(vi)−O−C1−10アルキルで置換されている。}
からなる群から選択され;
mは0、1、2、3または4であり;
nは0または1であり;
pは1、2、3または4である。]
で表される新規なイミダゾリジノン化合物並びにその医薬的に許容され得る塩及びその個々のエナンチオマー及びジアステレオマーに関する。
【0016】
本発明はまた、有効量の式(I)を有する化合物を投与することによるβ−セクレターゼ酵素が関与する疾患(例えば、アルツハイマー病)の哺乳動物の治療方法に関する。
【0017】
本発明はまた、有効量の式(I)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る担体を含む医薬組成物に関する。
【0018】
本発明はまた、式(I)を有する化合物を医薬用担体または希釈剤と組み合わせることを含むヒト及び動物においてβ−セクレターゼ酵素活性を阻害するため及びアルツハイマー病を治療するための薬剤の製造方法に関する。
【0019】
1つの実施態様において、本発明は、RがC1−10アルキルからなる群から選択され、前記アルキルは場合により1個以上の
(a)ハロ、
(b)−C1−10アルキル、
(c)−O−C1−10アルキル、
(d)−C6−10アリール、または
(e)ヘテロアリール
で置換されており、前記したアリール及びヘテロアリールは場合により1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−Q−C1−10アルキル(ここで、アルキルは場合により1個以上のフルオロで置換されている。)、または
(v)−C1−10アルキル(ここで、アルキルは場合により1個以上のフルオロで置換されている。)
で置換されており、Qは(A)−O−または(B)−SO−からなる群から選択される、式(I)を有する化合物に関する。
【0020】
別の実施態様において、本発明は、Rが水素であり、Rはいずれも未置換であるかまたは置換されているC1−10アルキルまたはC6−10アリールである、式(I)を有する化合物に関する。
【0021】
別の実施態様において、本発明は、R及びRが各々C1−10アルキルである、式(I)を有する化合物に関する。好ましくは、R及びRの両方がメチルである。
【0022】
別の実施態様において、本発明は、R及びRが一緒に連結して、環炭素原子の1〜3個がO、S、NH、−C(=O)−またはSOで置換されていてもよい3〜7炭素環式環構造を形成し、前記炭素環式環は場合によりC1−10アルキルで置換されている、式(I)を有する化合物に関する。R/R3〜7炭素環式環の例には
【0023】
【化19】

が含まれる。
【0024】
別の実施態様において、本発明は、R
(1)−C1−10アルキル、
(2)フェニル、
(3)ヘテロアリール
からなる群から選択され、前記したアルキル、フェニルまたはヘテロアリールは場合により1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−Q−C1−10アルキル、
(v)−C1−10アルキル、または
(vi)−C3−12シクロアルキル
で置換されている、式(I)を有する化合物に関する。
【0025】
本発明で使用するのに好ましいヘテロアリール基にはピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、テトラゾリル、フラニル、イミダゾリル、トリアジニル、ピラニル、チアゾリル、チエニル、チオフェニル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、インジニル及びベンゾオキサゾリルが含まれる。
【0026】
好ましくは、Rは未置換であるかまたは置換されているフェニルである。
【0027】
1つの実施態様において、Xは
【0028】
【化20】

である。
【0029】
この実施態様において、R15は好ましくは場合によりハロゲンまたは−O−C1−6アルキルで置換されている−C1−6アルキルであり、R16は好ましくは−C1−10アルキル−C3−12シクロアルキル(ここで、アルキル及びシクロアルキルは場合により上に定義されているように置換されている。)である。例えば、Xは
【0030】
【化21】

であり得る。
【0031】
式(I)を有する化合物の属の範囲には、式(II):
【0032】
【化22】

(式中、X、R、R、R、R及びRは上に定義されている通りである。)
を有する化合物の亜属、並びにその医薬的に許容され得る塩及びその個々のエナンチオマー及びジアステレオマーがある。
【0033】
式(II)を有する化合物の亜属において、Qは好ましくは−O−であり、Rは好ましくはC1−10アルキルであり、前記アルキルは場合により1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−C1−10アルキル(好ましくは、tert−ブチル)、または
(vii)−C6−10アリール(好ましくは、フェニル)
で置換されている。
【0034】
式(II)を有する化合物の亜属において、Rは好ましくはC1−10アルキルであり、前記アルキルは場合により1個以上の
(a)ハロ、
(b)−C1−10アルキル、
(c)−O−C1−10アルキル、
(d)−C6−10アリール、または
(e)ヘテロアリール
で置換されており、前記したアリールまたはヘテロアリールは場合により1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−Q−C1−10アルキル(ここで、アルキルは場合により1個以上のフルオロで置換されている。)、または
(v)−C1−10アルキル(ここで、アルキルは場合により1個以上のフルオロで置換されている。)
で置換されており、Qは(A)−O−または(B)−SO−からなる群から選択される。
【0035】
式(II)を有する化合物の亜属において、1つの実施態様ではRは水素であり、Rはいずれも未置換であるかまたは置換されているC1−10アルキルまたはC6−10アリールであり、或いはR及びRは各々C1−10アルキルである。
【0036】
式(II)を有する化合物の亜属の別の実施態様において、R及びRは一緒に連結して、環炭素原子の1〜3個がO、S、NH、−C(=O)−または−SO−で置換されていてもよい3〜7炭素環式環構造を形成し、前記炭素環式環は場合によりC1−10アルキルで置換されている。
【0037】
式(II)を有する化合物の亜属の別の実施態様において、Rは場合により置換されている
(1)−C1−10アルキル、
(2)フェニル、及び
(3)ヘテロアリール
からなる群から選択される。
【0038】
好ましくは、Rは未置換であるかまたは置換されているフェニルである。
【0039】
式(I)を有する化合物の別の亜属において、本発明は式(III):
【0040】
【化23】

(式中、X、R、R、R、R、R、R及びRは上に定義されている通りである。)
を有する化合物、並びにその医薬的に許容され得る塩及びその個々のエナンチオマー及びジアステレオマーに関する。
【0041】
式(III)を有する化合物の亜属において、Rが(R−SO)N(R)−であることが好ましい。
【0042】
式(III)を有する化合物の亜属において、Rは好ましくはC1−10アルキルであり、前記アルキルは場合により1個以上の
(a)ハロ、
(b)−C1−10アルキル、
(c)−O−C1−10アルキル、
(d)−C6−10アリール、または
(e)ヘテロアリール
で置換されており、前記したアリールまたはヘテロアリールは場合により1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−Q−C1−10アルキル(ここで、アルキルは場合により1個以上のフルオロで置換されている。)、または
(v)−C1−10アルキル(ここで、アルキルは場合により1個以上のフルオロで置換されている。)
で置換されており、Qは(A)−O−または(B)−SO−からなる群から選択される。
【0043】
式(III)を有する化合物の亜属において、1つの実施態様ではRは水素であり、Rはいずれも未置換であるかまたは置換されているC1−10アルキルまたはC6−10アリールであり、或いはR及びRは各々C1−10アルキルである。
【0044】
式(III)を有する化合物の亜属の別の実施態様において、R及びRは一緒に連結して、環炭素原子の1〜3個がO、S、NH、−C(=O)−またはSOで置換されていてもよい3〜7炭素環式環構造を形成し、前記炭素環式環は場合によりC1−10アルキルで置換されている。
【0045】
式(III)を有する化合物の亜属の別の実施態様において、Rは場合により置換されている
(1)−C1−10アルキル、
(2)フェニル、及び
(3)ヘテロアリール
からなる群から選択される。
【0046】
好ましくは、Rは未置換であるかまたは置換されているフェニルである。
【0047】
本明細書中でそれ自体または別の置換基の一部として使用されている用語「アルキル」は、指定数の炭素原子を有する飽和の直鎖状または分岐状炭化水素基を意味する(例えば、C1−10アルキル基は1〜10個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。)。本発明で使用するのに好ましいアルキル基は1〜6個の炭素原子を有するC1−6アルキル基である。アルキル基の例にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等が含まれる。
【0048】
本明細書中でそれ自体または別の置換基の一部として使用されている用語「アルキレン」は、指定数の炭素原子を有する飽和の直鎖状または分岐状二価炭化水素基を意味する。(例えば、“−Cアルキレン−C6−10アリール”中の)用語Cアルキレンはアルキレン基が存在しないことを意味する。
【0049】
本明細書中でそれ自体または別の置換基の一部として使用されている用語「アルコキシ」は基−O−アルキルを意味し、前記アルキルは指定数の炭素原子を有する上に定義されているものである(例えば、C1−10アルコキシ基は1〜10個の炭素原子を有するアルコキシ基を意味する。)。本発明で使用するのに好ましいアルコキシ基は1〜6個の炭素原子を有するC1−6アルコキシ基である。好ましいアルコキシ基の例にはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、sec−ブトキシ及びペントキシが含まれる。特に好ましいアルコキシ基はC1−3アルコキシである。
【0050】
本明細書中でそれ自体または別の置換基の一部として使用されている用語「アルケニル」は、1つの炭素−炭素二重結合及び指定数の炭素原子を有する直鎖状または分岐状炭化水素基を意味する(例えば、C2−10アルケニル基は2〜10個の炭素原子を有するアルケニル基を意味する。)。本発明で使用するのに好ましいアルケニル基は2〜6個の炭素原子を有するC2−6アルケニル基である。アルケニル基の例にはエテニル及びプロペニルが含まれる。
【0051】
本明細書中でそれ自体または別の置換基の一部として使用されている用語「アルキニル」は、1つの炭素−炭素三重結合及び指定数の炭素原子を有する直鎖状または分岐状炭化水素基を意味する(例えば、C2−10アルキニル基は2〜10個の炭素原子を有するアルキニル基を意味する。)。本発明で使用するのに好ましいアルキニル基は2〜6個の炭素原子を有するC2−6アルキニル基である。アルキニル基の例にはエチニル及びプロピニルが含まれる。
【0052】
本明細書中でそれ自体または別の置換基の一部として使用されている用語「シクロアルキル」は、指定数の炭素原子を有する飽和環状炭化水素基を意味する(例えば、C3−12シクロアルキル基は3〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味する。)。本明細書中で使用されている用語「シクロアルキル」には単環式、二環式及び三環式飽和炭素環、並びに架橋及び縮合環炭素環(例えば、スピロ縮合環系)が含まれる。
【0053】
本発明で使用するのに好ましいシクロアルキル基は3〜8個の炭素原子を有する単環式C3−8シクロアルキル基である。単環式シクロアルキル基の例にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が含まれる。架橋シクロアルキル基の例にはアダマンチル及びノルボルニルが含まれる。縮合シクロアルキル基の例にはデカヒドロナフタレンが含まれる。
【0054】
本明細書中でそれ自体または別の置換基の一部として使用されている用語「炭素環式」は、上に定義したシクロアルキル基または非芳香族ヘテロ環式基を意味する。それ自体または別の置換基の一部としての非芳香族ヘテロ環式基は、環炭素原子の1個以上がヘテロ原子(例えば、N、SまたはO)で置換されている上に定義したシクロアルキル基を意味する。本発明で使用するのに適当な非芳香族ヘテロ環式基にはピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、アゼチジニル、テトラヒドロピラニル及びイミダゾリジニルが含まれる。好ましい非芳香族ヘテロ環式基はピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル、モルホリニル及びアゼチジニルである。
【0055】
本明細書中で定義されている非芳香族ヘテロ環式基が置換されている場合、置換基はヘテロ環式基の環炭素原子または置換が可能な原子価を有している環ヘテロ原子(すなわち、窒素、酸素または硫黄)に結合し得る。好ましくは、置換基は環炭素原子に結合している。また、非芳香族ヘテロ環式基が置換基として記載されている場合には、結合点はヘテロ環式基の環炭素原子または置換が可能な原子価を有している環ヘテロ原子(すなわち、窒素、酸素または硫黄)に存在し得る。好ましくは、結合ポイントは環炭素原子である。
【0056】
本明細書中でそれ自体または別の置換基の一部として使用されている用語「アリール」は、指定数の炭素原子を有する芳香族または環状基を意味する(例えば、C6−10アリールは6〜10個の炭素原子を有するアリール基を意味する。)。用語「アリール」には多環系及び単環系が含まれる。本発明で使用するのに好ましいアリール基はフェニル及びナフチルである。
【0057】
用語「ハロ」または「ハロゲン」にはフルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードが含まれる。
【0058】
本明細書中でそれ自体または別の置換基の一部として使用されている用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1個の環ヘテロ原子(O、NまたはS)を有する芳香族環状基を意味する。用語「ヘテロアリール」には多環系及び単環系が含まれる。好ましいヘテロアリール基は5〜12個の環原子を有する。本発明で使用するためのヘテロアリール基の例にはフリル、ピラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、チエニル、ベンゾチオフェニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、テトラゾリル、インダゾリル、ナフチリジニル、トリアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソオキサゾリル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル及びジヒドロインドリルが含まれる。
【0059】
本明細書中で定義されているヘテロアリール基が置換されている場合、置換基はヘテロアリール基の環炭素原子または置換が可能な原子価を有している環ヘテロ原子(すなわち、窒素、酸素または硫黄)に結合し得る。好ましくは、置換基は環炭素原子に結合している。またヘテロアリール基が本明細書中で置換基として定義されている場合、結合ポイントはヘテロアリール基の環炭素原子または置換が可能な原子価を有している環ヘテロ原子(すなわち、窒素、酸素または硫黄)に存在し得る。好ましくは、環炭素原子で結合している。
【0060】
本発明化合物は少なくとも1つの不斉中心を有する。分子上の各種置換基の種類に応じて追加の不斉中心が存在し得る。不斉中心を有する化合物により、エナンチオマー(光学異性体)及び/またはジアステレオマー(立体配置異性体)が生じ、混合物形態及び純粋もくは部分的に精製された化合物としての考えられるエナンチオマー及びジアステレオマーのすべてが本発明の範囲に含まれる。本発明はこれらの化合物のすべての異性体を包含すると意味する。
【0061】
本明細書中に記載されている化合物は1つ以上の二重結合を含み得、よってシス/トランス異性体及び他の配座異性体が生じ得る。本発明は前記した存在し得る異性体のすべて及び該異性体の混合物を含む。
【0062】
式(I)〜(III)は特定の位置に明確な立体化学なしに上に示されている。本発明は式(I)〜(III)を有するすべての立体異性体及びその医薬的に許容され得る塩を包含する。式(I)を有する化合物の炭素原子の3個はキラルである。化合物はラセミ化合物及び立体化学的に純粋なジアステレオマーを含むように本明細書中に記載されている。結果として、式(I)を有する化合物はラセミ化合物として、または以下の8つのジアステレオマー(IA)〜(IH)の1つとして存在し得る。
【0063】
【化24】



【0064】
(S)、(R)、(S)ジアステレオマーが好ましい。立体化学描写(RまたはS)はより高い優先原子のパス(例えば、−NC=Oは−NHCRRよりも高い)に沿ってCahn−Ingold−Prelogシステム(Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,1982,21,567)に従って帰属された。
【0065】
エナンチオマー的またはジアステレオマー的に豊富な化合物の独立合成またはそのクロマトグラフ分離は、本明細書中に記載されている方法を適切に改変することにより当業界で公知のように実施され得る。絶対立体化学は結晶性生成物、または所要により公知の絶対配置を有する不斉中心を含む試薬を用いて誘導体化した結晶性中間体のX線結晶学により決定され得る。
【0066】
所望により、化合物のラセミ混合物は個々のエナンチオマーまたはジアステレオマーが単離されるように分離され得る。分離は当業界で公知の方法により、例えば化合物のラセミ混合物をエナンチオマー的に純粋な化合物にカップリングしてジアステレオマー混合物を形成した後、標準の方法(例えば、分別結晶またはクロマトグラフィー)により個々のジアステレオマーに分離することにより実施され得る。カップリング反応はしばしばエナンチオマー的に純粋な酸または塩基を用いる塩の形成である。次いで、ジアステレオマー誘導体は付加されているキラル残基を開裂することにより純粋なエナンチオマーに変換され得る。化合物のラセミ混合物はキラル固定相を用いるクロマトグラフィー方法によっても直接分離され得る。この方法は当業界で公知である。
【0067】
或いは、化合物のエナンチオマーまたはジアステレオマーは、公知の絶対配置を有する光学的に純粋な材料または試薬を用いて当業界で公知の方法により立体選択的合成により得ることができる。
【0068】
本明細書中で特許請求されている化合物は以下の一般的方法に従って製造され得る。
【0069】
【化25】

【0070】
スキーム1では、アミノ酸誘導体化されたアルデヒド1−1をウィッティヒ反応にかけると、オレフィン1−2が生ずる。これをキラルリガンドの存在下で四酸化オスミウムを用いてジヒドロキシル化すると、1−3のエナンチオマーが生じ得る。選択的にノシル化した後、アジド置換すると、1−4が生ずる。これは酸1−5に加水分解され得る。この酸を各種アミンにカップリングさせると、アミド1−6が生ずる。これを還元し、環化すると、本発明化合物1−8が得られる。
【0071】
【化26】

【0072】
別の方法をスキーム2に例示する。スキーム1からの中間体1−6のカルバメートを除去し、他のアシル基2−1で置換する。水素化し、環化すると、化合物2−3が得られる。
【0073】
【化27】

【0074】
或いは、イミダゾリジノン環はまずスキーム3に示すように形成され得る。適切に構成されたグリシンアミド3−3をアルデヒドまたはケトンを用いて環化すると、R”にある基に応じて3−4または3−5が生ずる。次いで、3−5の遊離NHをそのCbzカルバミン酸として保護し、LDAと反応させた後アルデヒド3−7と反応させると、付加物3−8が生ずる。ベンジル基及びCbz基を除去すると、アミン3−9が生ずる。これを各種アシル基とカップリングさせると、本発明化合物3−10が得られ得る。
【0075】
本発明の別の化合物は、共通出願人による係属中の国際特許出願である2005年7月21日公開のWO 2005/065195(例えば、スキーム3〜7参照)、2005年6月9日公開のWO 2005/051914(例えば、スキーム4、4A、5、6及び8〜10参照)、2005年11月3日に公開されたWO 2005/103043(例えば、スキーム7参照)及び2005年11月3日に公開されたWO 2005/103020(例えば、スキーム7〜13参照);並びに共通出願人による係属中の2005年1月19日に出願の米国仮出願60/644,925(例えば、スキーム2.1、2.2参照)に開示されているスキーム及び中間体を参照して当業者により製造され得る。
【0076】
本発明化合物の具体的実施態様及びその製造方法は本明細書中の実施例1〜49に記載されている。
【0077】
用語「実質的に純粋な」は、単離された物質が当業界で公知の分析技術により検定して少なくとも90%の純度、好ましくは95%の純度、より好ましくは99%の純度を有していることを意味する。
【0078】
用語「医薬的に許容され得る塩」は、無機または有機塩基及び無機または有機酸を含めた医薬的に許容され得る非毒性塩基または酸から製造される塩を指す。本発明化合物は、遊離塩基の形態の化合物中に存在する酸官能基の数に応じて一塩、二塩または三塩であり得る。遊離塩基及び無機塩基から誘導される塩にはアルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第1鉄、第2鉄、リチウム、マグネシウム、第1マンガン、第2マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛等が含まれる。アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩及びナトリウム塩が特に好ましい。固体形態の塩は2つ以上の結晶構造で存在し得、水和物の形態でも存在し得る。医薬的に許容され得る有機非毒性塩基から誘導される塩には第1級、第2級及び第3級アミン、天然に存在する置換アミンを含めた置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂(例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等)の塩が含まれる。本発明化合物が塩基性の場合、塩は無機酸及び有機酸を含めた医薬的に許容され得る非毒性酸から製造され得る。前記酸には酢酸、トリフルオロ酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等が含まれる。クエン酸、臭化水素酸、塩酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸及び酒石酸が特に好ましい。
【0079】
本発明は、有効量の本明細書中に開示されている本発明化合物を投与することを含む本発明化合物のβ−セクレターゼ酵素活性またはβ−部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素(“BACE”)活性の阻害を要する患者または被験者(例えば、哺乳動物)におけるβ−セクレターゼ酵素活性またはβ−部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素(“BACE”)活性の阻害剤としての使用に関する。用語「β−セクレターゼ酵素」、「β−部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素」及び「BACE」は本明細書中で互換可能に使用されている。ヒトに加えて、各種の他の哺乳動物が本発明の方法に従って治療され得る。
【0080】
本発明化合物は、アルツハイマー病を治療、回復、コントロールまたはそのリスクを低減する際に使用される。例えば、化合物は、アルツハイマー型認知症を予防するため、及びアルツハイマー型の初期、中期または後期認知症を治療するために使用され得る。本発明化合物は、アミロイド前駆体タンパク質(APPとも称される)の異常切断により媒介される疾患及びβ−セクレターゼを阻害することにより治療または予防され得る他の状態を治療、回復、コントロールまたはそのリスクを低減する際において有用である。前記状態には軽度の認知障害、トリソミー21(ダウン症候群)、脳アミロイド血管障害、変性認知症、オランダ型のアミロイドーシスを有する遺伝性脳出血(HCHWA−D)、クロイツフェルト・ヤコブ病、プリオン障害、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上麻痺、頭部外傷、卒中、膵炎、封入体麻痺、他の末梢アミロイドーシス、糖尿病及びアテローム性動脈硬化症が含まれる。
【0081】
本発明化合物が投与される被験者または患者は通常β−セクレターゼ酵素活性を阻害したい男性または女性のヒトであるが、β−セクレターゼ酵素活性の阻害または上記した疾患の治療が望まれている他の哺乳動物(例えば、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウシ、ウマ、ヒツジ、家兎、サル、チンパンジシー、或いは他の類人猿または霊長類)も含まれ得る。
【0082】
本発明化合物は、該化合物が有用である疾患または状態の治療において1つ以上の他の薬物と一緒に使用され、この場合薬物の併用はいずれかの薬物単独に比してより安全であるかまたはより有効である。加えて、本発明化合物は、本発明化合物の副作用または毒性を治療、予防、コントロール、回復またはそのリスクを低減させる他の薬物の1つ以上と一緒に使用され得る。前記した他の薬物はその薬物に対して普通に使用されているルート及び量で、本発明化合物と同時または順次投与され得る。従って、本発明の医薬組成物には、本発明化合物に加えて1つ以上の他の活性成分を含むものが含まれる。配合剤は、単位投与形態の配合剤の一部として、または1つ以上の追加薬物を治療レジメンの一部として別々の剤形で投与するキットまたは治療プロトコルとして投与され得る。
【0083】
単位投与またはキット形態の本発明化合物と他の薬物の配合剤の例には抗アルツハイマー病薬、例えば他のβ−セクレターゼ阻害剤またはγ−セクレターゼ阻害剤;グリシン輸送阻害剤、タウリン酸化阻害剤;Aβオリゴマー形成のブロッカー;p25/CDK5阻害剤;HMG−CoAレダクターゼ阻害剤;PPARガンマアゴニスト、例えばピオグリタゾン及びロシグリタゾン;NK1/NK3受容体アンタゴニスト;イブプロフェンを含めたNSAID;ビタミンE;抗アミロイドヒト化モノクローナル抗体を含めた抗アミロイド抗体;COX−2阻害剤;抗炎症性化合物、例えば(R)−フルルビプロフェン;CB−1受容体アンタゴニストまたはCB−1受容体逆アゴニスト;抗生物質、例えばドキシシクリン及びリファンピン;N−メチル−D−アスパルテート(NMDA)受容体アンタゴニスト、例えばメマンチン及びネラメキサン;NR2Bアンタゴニスト;アンドロゲン受容体モジュレーター;アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、例えばガランタミン、リバスチグミン、ドネペジル及びタクリン;mGluR5モジュレーター;成長ホルモン分泌促進物質、例えばイブタモレン、メシル酸イブタモレン及びカプロモレリン;ヒスタミンHアンタゴニスト;AMPAアゴニスト;PDE IV阻害剤;GABA逆アゴニスト;GABAα5受容体リガンド;GABA受容体リガンド;カリウムチャネルブロッカー;ニューロンニコチン酸アゴニスト;P−450阻害剤、例えばリトナビル;或いは本発明化合物の有効性、安全性、便利さを高めるかまたは本発明化合物の望ましくない副作用または毒性を減ずる受容体または酵素に影響を及ぼす他の薬物との配合剤が含まれる。配合剤の上記リストは例示にすぎず、決して限定するものと意図されない。
【0084】
本明細書中で使用されている用語「組成物」は、所定の量または比率で特定成分を含む製品及び特定量の特定成分の組合せから直接または間接的に生ずる製品を包含すると意図される。医薬組成物に関連してこの用語は、1つ以上の活性成分及び不活性成分からなる任意の担体を含む製品;及び2つ以上の成分の組合せ、複合体化または集合から、1つ以上の成分の解離から、または1つ以上の成分の他のタイプの反応または相互作用から直接または間接的に生ずる製品を包含すると意図される。
【0085】
通常、医薬組成物は活性成分を液体担体及び/または微細な固体担体と均一及び均密に混合した後、必要ならば生成物を所望製剤に成形することにより製造される。本発明化合物である活性成分は、疾患のプロセスまたは状態に対して所望の効果を生じさせるのに十分な量で医薬組成物中に含まれている。従って、本発明の医薬組成物は、本発明化合物を医薬的に許容され得る担体と混合することにより製造される組成物を包含する。
【0086】
担体は、投与、例えば経口または(静脈内を含めた)非経口のために所望する製剤の形態に応じて広範囲の各種形態をとり得る。よって、本発明の医薬組成物は経口投与に適したばらばらの単位、例えば各々が所定量の活性成分を含有するカプセル剤、カシェ剤または錠剤として提供され得る。更に、組成物は散剤、顆粒剤、溶液剤、または水性液体中懸濁液剤、非水性液剤、水中油型エマルジョン剤または油中水型エマルジョン剤として提供され得る。上記した一般的な剤形に加えて、本発明化合物またはその医薬的に許容され得る塩は制御放出手段及び/またはデリバリーデバイスによっても投与され得る。
【0087】
経口投与用医薬組成物は医薬組成物を製造するために当業界で公知の方法に従って製造され得、該組成物は医薬的に上品で口にあう製剤を提供するために甘味料、着香料、着色料及び保存料からなる群から選択される1つ以上の物質を含み得る。錠剤は、活性成分を錠剤の製造に適した非毒性の医薬的に許容され得る賦形剤と混合して含み得る。賦形剤の例は、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;顆粒化及び崩壊剤、例えばトウモロコシデンプンまたはアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチンまたはアカシア;及び滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであり得る。錠剤にコーティングを被せていなくても、胃腸管での崩壊及び吸収を遅らせて、長期間にわたり持続作用を与えるためにコーティングを公知技術により被せてもよい。
【0088】
本発明化合物を含有する錠剤は、場合により1つ以上の補助成分または佐剤と一緒に圧縮または成形することにより製造され得る。圧縮錠は、適当な機械において自由流動形態(例えば、粉末または顆粒状)の活性成分を場合により結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、界面活性または分散剤と混合して圧縮することにより製造され得る。成形錠は、適当な機械において不活性液体希釈剤で湿らせた粉末状化合物の混合物を成形することにより製造され得る。各錠剤が約0.1〜約500mgの活性成分を含有していることが好ましく、各カシェ剤またはカプセル剤が約0.1〜約500mgの活性成分を含有していることが好ましい。
【0089】
経口投与用組成物は、活性成分が不活性固体希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリン)と混合されてなる硬ゼラチンカプセル剤として、または活性成分が水または油性媒体(例えば、落花生油、流動パラフィンまたはオリーブ油)と混合されてなる軟ゼラチンカプセル剤としても提供され得る。
【0090】
他の医薬組成物には、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合して活性物質を含有している水性懸濁液剤が含まれる。加えて、油性懸濁液剤は、活性成分を植物油(例えば、アラキス油、オリーブ油、ゴマ油または落花生油)または鉱油(例えば、流動パラフィン)中に懸濁させることにより製剤化され得る。油性懸濁液剤は各種賦形剤をも含み得る。本発明の医薬組成物は、賦形剤(例えば、甘味料及び着香料)をも含んでいてもよい水中油型エマルション剤の形態をもとり得る。
【0091】
医薬組成物は、滅菌注射用水性または油性懸濁液の形態、または前記した滅菌注射用溶液剤または分散液剤を即時調合するための滅菌散剤の形態であり得る。いずれの場合も、最終注射形態は滅菌でなければならず、容易に注射し得るように十分に流動性でなければならない。医薬組成物は製造及び貯蔵の条件下で安定でなければならない。好ましくは、医薬組成物は微生物(例えば、細菌及び真菌)の汚染作用から保護されなければならない。
【0092】
本発明の医薬組成物は、エアゾール剤、クリーム剤、軟膏剤、ローション剤、ダスティングパウダー等のような局所使用に適した形態であり得る。更に、組成物は経皮デバイスで使用するのに適した形態であり得る。これらの製剤は慣用の加工方法により製造され得る。例えば、クリーム剤または軟膏剤は、所望のコンシステンシーを有するクリーム剤または軟膏剤を作成すべく親水性材料及び水を約5〜約10重量%の化合物と混合することにより製造される。
【0093】
本発明の医薬組成物は、担体が固体である直腸内投与に適した形態でもあり得る。混合物が単位投与座剤を形成することが好ましい。適当な担体にはカカオ脂及び当業界で一般的に使用されている他の材料が含まれる。
【0094】
「医薬的に許容され得る」とは、担体、希釈剤または賦形剤が製剤の他の成分と相容性でなければならず、そのレシピエントにとって有害であってはならないことを意味する。
【0095】
用語「化合物の投与」または「化合物を投与する」は、治療を要する個人に対して本発明化合物を治療上有用な形態及び治療上有用な量でその個人の身体に導入され得る形態で与えられることを意味すると理解されるべきであり、前記形態には経口剤形、例えば錠剤、カプセル剤、シロップ剤、懸濁液剤等;注射剤形、例えばIV、IMまたはIP等;経皮剤形、例えばクリー剤、ゼリー剤、散剤またはパッチ剤;バッカル内剤形:吸入用粉末、スプレー、懸濁液等;直腸内座剤が含まれる。
【0096】
用語「有効量」または「治療有効量」は、研究者、獣医師、医師または他の臨床家が求めている組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を引き出す本発明化合物の量を意味する。
【0097】
本明細書中で使用されている用語「治療」または「治療する」は本発明化合物の投与を意味し、(1)疾患の症状または症候を経験または示している動物において疾患を抑制すること(すなわち、症状及び/または症候の更なる発生を阻止する)、或いは(2)疾患の症状または症候を経験または示している動物において疾患を回復させること(すなわち、症状及び/または症候を後退させる)が含まれる。用語「コントロールする」は、コントロールしようとする状態を予防、治療、根絶、回復、或いはその重症度を低減させることを含む。
【0098】
本発明化合物を含む組成物は有利には単位投与形態で提供され得、製薬業界で公知の方法により製造され得る。用語「単位投与形態」は、患者または患者に対して薬物を投与する人が全用量が収容されている1つの容器またはパッケージを開けるだけですみ、2つ以上の容器またはパッケージから成分を一緒に混合する必要がないようにすべての活性及び不活性成分が適当なシステム中で組み合わされている単一用量を意味するとされる。単位投与形態の典型的な例は、経口投与用錠剤またはカプセル剤、注射用単一投与バイアルまたは直腸内投与用座剤である。この単位投与形態のリストは決して限定するものと意図されず、単位投与形態の典型的な例を表しているにすぎない。
【0099】
本発明化合物を含む組成物が活性または不活性成分、担体、希釈剤等であり得る2つ以上の成分が患者または薬物を患者に対して投与する人が実際の投与形態を調製するための説明書と一緒に含まれているキットとして提供され得ることが有利であり得る。前記キットにすべての必要な物質及び成分が収容されていても、或いは前記キットに患者または薬物を患者に対して投与する人が独立して入手しなければならない物質または成分を使用または作成するための説明書が添付されていてもよい。
【0100】
アルツハイマー病または本発明化合物が適応される他の疾患を治療、回復、コントロールまたはそのリスクを低減させる場合、通常本発明化合物を動物の体重1kgあたり約0.1〜約100mgの1日用量で投与するとき満足な結果が得られる。前記1日用量を1日1回、1日2〜6回に分割して、または持続放出形態で投与することが好ましい。総1日用量は約1.0〜約2000mg、好ましくは約0.1〜約20mg/kg体重である。70kgの成人の場合の総1日用量は通常約7〜約1,400mgである。この投与レジメンは最適の治療応答を与えるように調節され得る。化合物は1日1〜4回、好ましくは1日1〜2回のレジメンで投与され得る。
【0101】
1つの剤形を得るために担体材料と組み合わされ得る活性成分の量は治療対象の宿主及び具体的投与モードに応じて異なる。例えば、ヒトに対して経口投与するために意図されている製剤が適当な有利な量の担体材料とコンパウンドして約0.005mg〜約2.5gの活性物質を含んでいることが有利であり得る。単位剤形は、通常約0.005〜約1000mg、典型的には0.005mg、0.01mg、0.05mg、0.25mg、1mg、5mg、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mgまたは1000mgの活性成分を含有しており、これを1日1〜3回で投与される。
【0102】
しかしながら、特定患者に対する具体的用量レベル及び投与頻度は変更可能であり、使用する具体的化合物の活性、該化合物の代謝安定性及び作用時間、年齢、体重、全身健康状態、性別、食事、投与モード及び時間、排泄率、薬物の組合せ、特定状態の重症度及び治療を受ける宿主を含めた各種要因に依存すると理解される。
【0103】
本発明化合物のβ−セクレターゼ酵素活性の阻害剤としての有用性は当業界で公知の方法により立証され得る。酵素阻害は以下のように調べられる。
【0104】
ECLアッセイ:均一終点電気化学ルミネッセンス(ECL)アッセイをビオチニル化BACE基質を用いて使用する。基質のKmは100μM以上であり、基質の溶解性に限界があるために決定できない。典型的な反応物は、100μ1の全反応容量で約0.1mMの酵素、0.25μMの基質及び緩衝液(50mM NaOAc(pH4.5)、0.1mg/ml BSA、0.2% CHAPS、15mM EDTA及び1mM デフェロキサミン)を含む。反応を30分間進めた後、25μlの1M トリスHCl(pH8.0)を添加することにより反応を停止させる。生じた酵素生成物を、生成物のC末端残渣を特異的に認識するルテニル化抗体を添加することによりアッセイする。ストレプトアビジン被覆磁気ビーズを溶液に添加し、サンプルをM−384(メリーランド州ゲイサーズバーグに所在のIgen Inc.)分析にかける。これらの条件下で、基質の10%未満がBACE 1によりプロセッシングされる。これらの研究で使用した酵素は、バキュロウイルス発現系において産生させた可溶性(貫膜ドメイン及び細胞質延長部を除く)ヒトタンパク質である。化合物の阻害力価を測定するために、100μMから始めて3倍連続希釈で12濃度の阻害剤を調製する。阻害剤をDMSO中に含む溶液を反応混合物中に含める(最終DMSO濃度は10%である)。すべての実験を室温で上記した標準の反応条件を用いて実施する。化合物のIC50を測定するために、4つのパラメーター式をカーブフィッティングのために使用する。解離定数の再現誤差は典型的には2倍未満である。
【0105】
HPLCアッセイ:均一終点HPLCアッセイを、BACE 1により切断されてクマリンで結合されているN末端断片を放出させる基質(クマリン−CO−REVNFEVEFR)と一緒に使用する。基質のKは100μM以上であり、基質の溶解性に限界があるために決定できない。典型的な反応物は、100μ1の全反応容量で約2nMの酵素、1.0μMの基質及び緩衝液(50mM NaOAc(pH4.5)、0.1mg/ml BSA、0.2% CHAPS、15mM EDTA及び1mM デフェロキサミン)を含む。反応を30分間進め、25μLの1M トリスHCl(pH8.0)を添加することにより反応を停止させる。生じた反応混合物をHPLCに充填し、生成物を5分直接勾配で基質から分離させる。これらの条件下で、基質の10%未満がBACE 1によりプロセッシングされる。これらの研究で使用した酵素は、バキュロウイルス発現系において産生させた可溶性(貫膜ドメイン及び細胞質延長部を除く)ヒトタンパク質である。化合物の阻害力価を測定するために、12濃度の阻害剤を調製し、濃度範囲はECLにより予想される力価に依存する。阻害剤をDMSO中に含む溶液を反応混合物中に含める(最終DMSO濃度は10%である)。すべての実験を室温で上記した標準の反応条件を用いて実施する。化合物のIC50を測定するために、4つのパラメーター式をカーブフィッティングのために使用する。解離定数の再現誤差は典型的には2倍未満である。
【0106】
特に、下記実施例の化合物は上記ECLアッセイにおいてβ−セクレターゼ酵素を阻害する活性を有し、通常IC50は約1nM〜100μMである。この結果から、β−セクレターゼ酵素活性の阻害剤として使用する際の化合物の固有活性が示される。
【0107】
本発明化合物を製造するための幾つかの方法を本明細書中のスキーム及び実施例において説明する。出発物質は当業界で公知であるかまたは本明細書中に示されている手順に従って作成される。以下の実施例は、本発明がより深く理解されるように提示されている。これらの実施例は例示にすぎず、本発明を限定するものと決して解釈されるべきでない。
【0108】
以下の略語を明細書中を通じて使用する:
Me:メチル、
Et:エチル、
t−Bu:tert−ブチル、
Ar:アリール
Ph:フェニル、
Bn:ベンジル、
Ac:アセチル、
EDC:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド、
BOP:ベンゾトリアゾル−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、
HOAT:1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール、
THF:テトラヒドロフラン、
DMSO:ジメチルスルホキシド、
EDTA:エチレンジアミン四酢酸、
Boc:tert−ブチルオキシカルボニル、
CHAPS:3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホネート、
BSA:ウシ血清アルブミン、
TFA:トリフルオロ酢酸、
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、
rt:室温、
HPLC:高速液体クロマトグラフィー、
HRMS:高分解能質量分析
LDA:リチウムジイソプロピルアミド、
EDC:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、
CBz:ベンジルオキシカルボニル。
【実施例1】
【0109】
(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−2−イソプロピル−1−(1−メチルブチル)−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]エチルカルバミン酸tert−ブチル
【0110】
【化28】

【0111】
ステップ1:(2E,4S)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−5−フェニルペンタ−2−エン酸エチル
(S)−(−)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−フェニルプロパナール(6.87g,27.56ミリモル)及び(カルボエトキシメチレン)トリフェニルホスフィン(9.60g,27.56ミリモル)をトルエン(150mL)中に含む溶液を撹拌し、80℃に70分間加熱した。生成物をシリカゲルで5〜25% EtOAc/ヘキサンの勾配溶離を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより単離した。適切なフラクションを収集し、濃縮して、化合物を白色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.33−7.22(m,3H),7.19−7.17(m,2H),6.92(dd,J=4.8,15.6Hz,1H),5.86(dd,J=1.6,15.6Hz,1H),4.62(br s,1H),4.52(br s,1H),4.19(q,J=7.2,14.0Hz,2H),2.95−2.90(m,2H),1.40(s,9H),1.30−1.25(m,3H);ES MS[M−100(BOCのロス)+1]=220。
【0112】
ステップ2:(2R,3S,4S)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,3−ジヒドロキシ−5−フェニルペンタン酸エチル
メタンスルホンアミド(3.27g,34.41ミリモル)、カリウムフェリシアニド(III)(33.99g,103.23ミリモル)、オスミウム酸(IV)カリウム二水和物(127mg,0.34ミリモル)及び炭酸カリウム(14.27g,103.23ミリモル)をtert−ブタノール(150mL)及び水(75mL)中に含む混合物にヒドロキニン2,5−ジフェニル−4,6−ピリミジンジイルジエーテル(606mg,0.69ミリモル)を水(75mL)中に含む音波処理した溶液を添加した。混合物を固体の(2E,4S)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−5−フェニルペンタ−2−エン酸エチル(11.00g,34.41ミリモル)で処理し、室温で一晩撹拌した。反応物を0℃まで冷却し、亜硫酸ナトリウム(50g)で処理した。0℃で30分間、室温で1.5時間撹拌した後、混合物をEtOAc(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、生成物を黄色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.32−7.23(m,5H),4.81(d,J=9.2Hz,1H),4.35(s,1H),4.31−4.24(m,2H),4.02−3.94(m,2H),3.79(br s,1H),3.09−3.04(m,1H),2.95−2.90(m,1H),2.66(br s,1H),1.37(s,9H),1.32−1.21(m,3H);ES MS(2M+23)=729。
【0113】
ステップ3:(2R,3S,4S)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−O−[(4−ニトロフェニル)スルホニル]−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンタン酸エチル
(2R,3S,4S)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,3−ジヒドロキシ−5−フェニルペンタン酸エチル(6.69g,18.94ミリモル)をCHCl(300mL)中に含む溶液をトリエチルアミン(3.43mL,24.62ミリモル)及び4−ニトロベンゼンスルホニルクロリド(4.62g,20.84ミリモル)で処理し、室温で一晩撹拌した。反応混合物をCHCl(200mL)で希釈し、水性1N HCl溶液(150mL)及びブライン(150mL)で洗浄した。有機抽出物をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。生じた残渣をシリカゲルで10〜50% EtOAc/ヘキサン、20〜50% EtOAc/ヘキサン及び0〜30% EtOAc/ヘキサンの勾配溶離を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより3回精製した。適切なフラクションを収集し、濃縮して、化合物を黄色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.30(dd,J=2.4,9.2Hz,2H),8.20(d,J=8.4Hz,2H),7.33−7.19(m,5H),5.28(s,1H),4.67(d,J=8.0Hz,2H),4.21−4.09(m,3H),3.92−3.85(m,1H),3.00(d,J=6.0Hz,2H),1.38(s,9H),1.28−1.21(m,3H);ES MS(M+23)=561。
【0114】
ステップ4:(2S,3S,4S)−2−アジド−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンタン酸エチル
ナトリウムアジド(2.33g,35.89ミリモル)をDMF(50mL)中に含む懸濁液を50℃に20分間加熱した。混合物を(2R,3S,4S)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−O−[(4−ニトロフェニル)スルホニル]−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンタン酸エチル(1.93g,3.59ミリモル)をDMF(5mL)中に含む溶液で処理し、撹拌し、50℃に一晩加熱した。反応物をEtOAc(80mL)で希釈し、水(40mL)及びブライン(40mL)で洗浄した。有機抽出物をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。生じた残渣をシリカゲルで毎回0〜60% EtOAc/ヘキサンの勾配溶離を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより2回精製した。適切なフラクションを収集し、濃縮して、化合物を黄色残渣として得た。H NMR(400MHz,CDOD)δ 7.32−7.27(m,2H),7.24−7.21(m,3H),4.71(d,J=7.2Hz,1H),4.29(q,J=7.2,14.4Hz,2H),4.08−3.94(m,4H),2.99(dd,J=4.0,14.0Hz,1H),2.90−2.85(m,1H),1.51−1.31(m,12H);ES MS(M+23)=401。
【0115】
ステップ5:(2S,3S,4S)−2−アジド−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンタン酸
(2S,35,4S)−2−アジド−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンタン酸エチル(22mg,0.058ミリモル)を50% MeOH/THF(800μL)中に含む溶液に水性1N LiOH(70μL,0.070ミリモル)を添加した。反応物を室温で一晩撹拌し、真空中で濃縮した。生じた残渣をEtOAc(30mL)中に懸濁し、水性10% KHSO溶液(15mL)及びブライン(15mL)で洗浄し、有機抽出物をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルで10%(10% AcOH/MeOH)/CHClの無勾配溶離を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、適切なフラクションを収集し、濃縮して、化合物を黄色残渣として得た。H NMR(400MHz,CDOD)δ 7.23−7.15(m,5H),4.23−3.87(m,3H),3.21−3.08(m,1H),2.66−2.57(m,1H),1.29(s,9H);ES MS(M+23)=373。
【0116】
ステップ6:(2S,3S,4S)−2−アジド−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−ヒドロキシ−N−(1−メチルブチル)−5−フェニルペンタンアミドアミド
(2S,3S,4S)−2−アジド−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンタン酸(54mg,0.154ミリモル)、2−アミルアミン(18μL,0.154ミリモル)、トリエチルアミン(26μL,0.185ミリモル)、HOAT(25mg,0.185ミリモル)及びEDC(41mg,0.216ミリモル)をDMF(1mL)中に含む溶液を室温で一撹拌した。溶液をEtOAc(30mL)で希釈し、飽和NaHCO溶液(30mL)及びブライン(30mL)で洗浄した。有機抽出物をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。生じた残渣をDMF中に懸濁し、濾過し、C−18カラムで95〜5% HO(0.1% TFA)/CHCN(0.1% TFA)の勾配溶離を用いる逆相クロマトグラフィーにより精製した。適切なフラクションを収集し、濃縮すると、生成物が生じた。これを再びEtOAc(60mL)中に溶解し、飽和NaHCO溶液(30mL)及びブライン(30mL)で洗浄した。有機抽出物をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、生成物を白色固体として得た。H NMR(400MHz,CDOD)δ 7.25−7.15(m,5H),3.95−3.93(m,3H),3.81−3.78(m,1H),3.08−3.04(m,1H),2.67−2.61(m,1H),1.49−1.37(m,4H),1.30−1.20(m,9H),1.18−1.15(m,3H),0.96−0.92(m,3H);ES MS(M+1)=420。
【0117】
ステップ7:(2S,3R,4S)−2−アミノ−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−ヒドロキシ−N−(1−メチルブチル)−5−フェニルペンタンアミド
予め脱ガスし、窒素をパージしたMeOH(4mL)中に(2S,3S,4S)−2−アジド−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−ヒドロキシ−N−(1−メチルブチル)−5−フェニルペンタンアミド(55mg,0.131ミリモル)を含む溶液に少量の炭素担持10% Pdを添加した。混合物に再び窒素を流し、水素バルーン雰囲気下で一晩撹拌した。反応物を濾過し、生じた濾液を真空中で濃縮して、生成物を黄色固体として得た。H NMR(400MHz,CDOD)δ 7.25−7.23(m,4H),7.17−7.15(m,1H),3.91−3.86(m,2H),3.66−3.59(m,1H),3.32−3.30(m,1H),3.21−3.17(m,1H),2.59−2.52(m,1H),1.52−1.33(m,4H),1.29(s,9H),1.26−1.12(m,3H),0.95−0.91(m,3H);ES MS(M+1)=394。
【0118】
ステップ8:(1S,2S)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−2−イソプロピル−1−(1−メチルブチル)−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]エチルカルバミン酸tert−ブチル
(2S,3R,4S)−2−アミノ−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−ヒドロキシ−N−(1−メチルブチル)−5−フェニルペンタンアミド(46mg,0.117ミリモル)をMeOH(500mL)中に含む溶液にイソブチルアルデヒド(100mL)、少量のp−トルエンスルホン酸及びNaSO(10mg)を添加した。混合物に蓋を被せ、65℃に一晩加熱した。反応物を濾過し、生じた濾液をC−18カラムで95〜5% HO(0.1% TFA)/CHCN(0.1% TFA)の勾配溶離を用いる逆相クロマトグラフィーにより精製した。適切なフラクションを収集し、濃縮して、先に溶離するジアステレオマー生成物及び後から溶離するジアステレオマー生成物をトリフルオロ酢酸塩として別々に得た。先に溶離するジアステレオマー:H NMR(400MHz,CDOD)δ 7.29−7.25(m,4H),7.19−7.18(m,1H),4.23(br s,1H),4.05−3.88(m,2H),3.75−3.63(m,1H),3.15−3.05(m,1H),2.80−2.74(m,1H),2.33−2.27(m,1H),1.98−1.89(m,1H),1.76−1.70(m,1H),1.60−1.51(m,1H),1.48−1.24(m,11H),1.22−1.20(m,2H),1.13−1.08(m,4H),0.99−0.87(m,6H);HRMS(FT−ICR)C2541+H=448.3195、計算値=448.3170。後から溶離するジアステレオマー:H NMR(400MHz,CDOD)δ 7.28−7.25(m,4H),7.19−7.18(m,1H),4.26−4.24(m,1H),4.08−3.99(m,2H),3.77−3.70(m,1H),3.10−3.07(m,1H),2.83−2.77(m,1H),2.38−2.37(m,1H),1.85−1.77(m,2H),1.62−1.56(m,1H),1.42−1.27(m,11H),1.24(m,3H),1.11(t,J=5.6Hz,3H),1.02(d,J=6.8Hz,3H),0.99−0.93(m,3H);HRMS(FT−ICR)C2541+H=448.3168、計算値=448.3170。
【実施例2】
【0119】
(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−1−イソペンチル−2−イソプロピル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]エチルカルバミン酸tert−ブチル
【0120】
【化29】

【0121】
ステップ1:(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−1−イソペンチル−2−イソプロピル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]エチルカルバミン酸tert−ブチル
標記化合物を、ステップ6において2−アミルアミンの代わりにイソペンチルアミンを使用した以外は実施例1に記載されている手順に類似の一連の手順を用いて製造した。最終精製により、先に溶離するジアステレオマー及び後から溶離するジアステレオマーをトリフルオロ酢酸塩として別々に得た。先に溶離するジアステレオマー:HRMS(FT−ICR)C2541+H=448.3170、計算値=448.3170。後から溶離するジアステレオマー:HRMS(FT−ICR)C2541+H=448.3179、計算値=448.3170。
【実施例3】
【0122】
(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−{(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]イミダゾリジン−4−イル}エチルカルバミン酸tert−ブチル
【0123】
【化30】

【0124】
ステップ1:(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−{(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]イミダゾリジン−4−イル}エチルカルバミン酸tert−ブチル
標記化合物を、ステップ6において2−アミルアミンの代わりに3−(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを使用し、ステップ7においてMeOHの代わりにMeOH/EtOAcを使用した以外は実施例1に記載されている手順に類似の一連の手順を用いて製造した。最終精製により、先に溶離するジアステレオマー及び後から溶離するジアステレオマーをトリフルオロ酢酸塩として別々に得た。先に溶離するジアステレオマー:HRMS(FT−ICR)C2836+H=536.2732、計算値=536.2731。後から溶離するジアステレオマー:HRMS(FT−ICR)C2836+H=536.2775、計算値=536.2731。
【実施例4】
【0125】
(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−(2−フェニルエチル)イミダゾリジン−4−イル]エチルカルバミン酸tert−ブチル
【0126】
【化31】

【0127】
ステップ1:(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−(2−フェニルエチル)イミダゾリジン−4−イル]エチルカルバミン酸tert−ブチル
標記化合物を、ステップ6において2−アミルアミンの代わりにフェネチルアミンを使用し、ステップ7においてMeOHの代わりにMeOH/EtOAcを使用した以外は実施例1に記載されている手順に類似の一連の手順を用いて製造した。最終精製により、先に溶離するジアステレオマー及び後から溶離するジアステレオマーをトリフルオロ酢酸塩として別々に得た。先に溶離するジアステレオマー:HRMS(FT−ICR)C2839+H=482.2976、計算値=482.3013。後から溶離するジアステレオマー:HRMS(FT−ICR)C2839+H=482.3022、計算値=482.3013。
【実施例5】
【0128】
{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−ペンチルイミダゾリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸tert−ブチル
【0129】
【化32】

【0130】
ステップ1:{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−ペンチルイミダゾリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸tert−ブチル
標記化合物を、ステップ6において2−アミルアミンの代わりにアミルアミンを使用し、ステップ7においてMeOHの代わりにMeOH/EtOAcを使用した以外は実施例1に記載されている手順に類似の一連の手順を用いて製造した。最終精製により、先に溶離するジアステレオマー及び後から溶離するジアステレオマーをトリフルオロ酢酸塩として別々に得た。先に溶離するジアステレオマー:ES MS(M+1)=448。後から溶離するジアステレオマー:ES MS(M+1)=448。
【実施例6】
【0131】
[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−1−[2−(1−メチルエトキシ)エチル]−2−(1−メチルエチル)−5−オキソ−4−イミダゾリジニル]−1−(フェニルメチル)エチル]−,1,1−ジメチルエチルエステルカルバミン酸
【0132】
【化33】

【0133】
ステップ1:[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−1−[2−(1−メチルエトキシ)エチル]−2−(1−メチルエチル)−5−オキソ−4−イミダゾリジニル]−1−(フェニルメチル)エチル]−,1,1−ジメチルエチルエステルカルバミン酸
標記化合物を、ステップ6において2−アミルアミンの代わりに2−アミノエチルイソプロピルエーテルを使用し、ステップ7においてMeOHの代わりにMeOH/EtOAcを使用した以外は実施例1に記載されている手順に類似の一連の手順を用いて製造した。最終精製により、1つのジアステレオマーをトリフルオロ酢酸塩として得た。ES MS (M+1)=464。
【実施例7】
【0134】
{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−2−イソプロピル−1−(2−メトキシエチル)−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸tert−ブチル
【0135】
【化34】

【0136】
ステップ1:{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−2−イソプロピル−1−(2−メトキシエチル)−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸tert−ブチル
標記化合物を、ステップ6において2−アミルアミンの代わりに2−メトキシエチルアミンを使用し、ステップ7においてMeOHの代わりにMeOH/EtOAcを使用した以外は実施例1に記載されている手順に類似の一連の手順を用いて製造した。最終精製により、1つのジアステレオマーをトリフルオロ酢酸塩として得た。ES MS(M+1)=436。
【実施例8】
【0137】
((1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−{(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]イミダゾリジン−4−イル}エチル)カルバミン酸tert−ブチル
【0138】
【化35】

【0139】
ステップ1:((1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−{(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]イミダゾリジン−4−イル}エチル)カルバミン酸tert−ブチル
標記化合物を、ステップ6において2−アミルアミンの代わりに2−(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを使用し、ステップ7においてMeOHの代わりにMeOH/EtOAcを使用した以外は実施例1に記載されている手順に類似の一連の手順を用いて製造した。最終精製により、先に溶離するジアステレオマー及び後から溶離するジアステレオマーをトリフルオロ酢酸塩として別々に得た。先に溶離するジアステレオマー:ES MS(M+1)=536。後から溶離するジアステレオマー:ES MS(M+1)=536。
【実施例9】
【0140】
((1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−{(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−[(1S)−1−フェニルエチル]イミダゾリジン−4−イル}エチル)カルバミン酸tert−ブチル
【0141】
【化36】

【0142】
ステップ1:((1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−{(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−[(1S)−1−フェニルエチル]イミダゾリジン−4−イル}エチル)カルバミン酸tert−ブチル
標記化合物を、ステップ6において2−アミルアミンの代わりに(S)−(−)−α−メチルベンジルアミンを使用し、ステップ7においてMeOHの代わりにMeOH/EtOAcを使用した以外は実施例1に記載されている手順に類似の一連の手順を用いて製造した。最終精製により、1つのジアステレオマーをトリフルオロ酢酸塩として得た。ES MS(M+1)=482。
【実施例10】
【0143】
{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−(ピリジン−2−イルメチル)イミダゾリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸tert−ブチル
【0144】
【化37】

【0145】
ステップ1:{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−(ピリジン−2−イルメチル)イミダゾリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸tert−ブチル
標記化合物を、ステップ6において2−アミルアミンの代わりに2−(アミノメチル)ピリジンを使用し、ステップ7においてMeOHの代わりにMeOH/EtOAcを使用した以外は実施例1に記載されている手順に類似の一連の手順を用いて製造した。最終精製により、1つのジアステレオマーをトリフルオロ酢酸塩として得た。ES MS(M+1)=469。
【実施例11】
【0146】
{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−(ピリジン−3−イルメチル)イミダゾリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸tert−ブチル
【0147】
【化38】

【0148】
ステップ1:{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−(ピリジン−3−イルメチル)イミダゾリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸tert−ブチル
標記化合物を、ステップ6において2−アミルアミンの代わりに3−(アミノメチル)ピリジンを使用し、ステップ7においてMeOHの代わりにMeOH/EtOAcを使用した以外は実施例1に記載されている手順に類似の一連の手順を用いて製造した。最終精製により、1つのジアステレオマーをトリフルオロ酢酸塩として得た。ES MS(M+1)=469。
【実施例12】
【0149】
{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−(ピリジン−4−イルメチル)イミダゾリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸tert−ブチル
【0150】
【化39】

【0151】
ステップ1:{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−(ピリジン−4−イルメチル)イミダゾリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸tert−ブチル
標記化合物を、ステップ6において2−アミルアミンの代わりに4−(アミノメチル)ピリジンを使用し、ステップ7においてMeOHの代わりにMeOH/EtOAcを使用した以外は実施例1に記載されている手順に類似の一連の手順を用いて製造した。最終精製により、1つのジアステレオマーをトリフルオロ酢酸塩として得た。ES MS(M+1)=469。
【実施例13】
【0152】
((1S,2R)−1−ベンジル−2−{(4S)−1−[(1R)−1,5−ジメチルヘキシル]−2−イソプロピル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル}−2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル
【0153】
【化40】

【0154】
ステップ1:((1S,2R)−1−ベンジル−2−{(4S)−1−[(1R)−1,5−ジメチルヘキシル]−2−イソプロピル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル}−2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル
標記化合物を、ステップ6において2−アミルアミンの代わりに(R)−2−アミノ−6−メチルヘプタンを使用し、ステップ7においてMeOHの代わりにMeOH/EtOAcを使用した以外は実施例1に記載されている手順に類似の一連の手順を用いて製造した。ステップ8において、70℃に一晩加熱した後反応物を追加のイソブチルアルデヒド(50μL)で処理し、70℃に更に一晩加熱した。最終精製により、1つのジアステレオマーをトリフルオロ酢酸塩として得た。ES MS(M+1)=476。
【実施例14】
【0155】
((1S,2R)−1−ベンジル−2−{(4S)−1−[(1S)−1,5−ジメチルヘキシル]−2−イソプロピル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル}−2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル
【0156】
【化41】

【0157】
ステップ1:((1S,2R)−1−ベンジル−2−{(4S)−1−[(1S)−1,5−ジメチルヘキシル]−2−イソプロピル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル}−2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル
標記化合物を、ステップ6において2−アミルアミンの代わりに(S)−2−アミノ−6−メチルヘプタンを使用した以外は実施例1に記載されている手順に類似の一連の手順を用いて製造した。ステップ8において、70℃に一晩加熱した後反応物を追加のイソブチルアルデヒド(50μL)で処理し、70℃に更に一晩加熱した。最終精製により、先に溶離するジアステレオマー及び後から溶離するジアステレオマーをトリフルオロ酢酸塩として別々に得た。先に溶離するジアステレオマー:ES MS(M+1)=490。後から溶離するジアステレオマー:ES MS(M+1)=490。
【実施例15】
【0158】
((1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−{(4S)−2−イソプロピル−1−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−5−オキソイミダゾリジン−4−イル}エチル)カルバミン酸tert−ブチル
【0159】
【化42】

【0160】
ステップ1:((1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−{(4S)−2−イソプロピル−1−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−5−オキソイミダゾリジン−4−イル}エチル)カルバミン酸tert−ブチル
標記化合物を、ステップ6において2−アミルアミンの代わりに4−メチルスルホニルベンジルアミン塩酸塩を使用し、ステップ8において反応物を70℃に一晩加熱した以外は実施例1に記載されている手順に類似の一連の手順を用いて製造した。最終精製により、1つのジアステレオマーをトリフルオロ酢酸塩として得た。ES MS(M+1)=546。
【実施例16】
【0161】
((1S,2R)−2−{(4S)−1−[2−(1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)エチル]−2−イソプロピル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル}−1−ベンジル−2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル
【0162】
【化43】

【0163】
ステップ1:((1S,2R)−2−{(4S)−1−[2−(1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)エチル]−2−イソプロピル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル}−1−ベンジル−2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル
標記化合物を、ステップ6において2−アミルアミンの代わりに3,4−メチレンジオキシフェネチルアミン塩酸塩を使用し、ステップ8において反応物を70℃に一晩加熱した以外は実施例1に記載されている手順に類似の一連の手順を用いて製造した。最終精製により、先に溶離するジアステレオマー及び後から溶離するジアステレオマーをトリフルオロ酢酸塩として別々に得た。先に溶離するジアステレオマー:ES MS(M+1)=526。後から溶離するジアステレオマー:ES MS(M+1)=526。
【実施例17】
【0164】
{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−(1−プロピルブチル)イミダゾリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸tert−ブチル
【0165】
【化44】

【0166】
ステップ1:{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−(1−プロピルブチル)イミダゾリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸tert−ブチル
標記化合物を、ステップ6において2−アミルアミンの代わりに4−アミノヘプタンを使用し、ステップ8において反応物を70℃に一晩加熱した以外は実施例1に記載されている手順に類似の一連の手順を用いて製造した。最終精製により、先に溶離するジアステレオマー及び後から溶離するジアステレオマーをトリフルオロ酢酸塩として別々に得た。先に溶離するジアステレオマー:ES MS(M+1)476。後から溶離するジアステレオマー:ES MS(M+1)=476。
【実施例18】
【0167】
{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(4S)−1−(3−フルオロベンジル)−2−イソプロピル−5−オキソイミダゾシリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸tert−ブチル
【0168】
【化45】

【0169】
ステップ1:{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(4S)−1−(3−フルオロベンジル)−2−イソプロピル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸tert−ブチル
標記化合物を、ステップ6において2−アミルアミンの代わりに3−フルオロベンジルアミンを使用し、ステップ7においてMeOHの代わりにMeOH/EtOAcを使用した以外は実施例1に記載されている手順に類似の一連の手順を用いて製造した。ステップ8において反応物を70℃に一晩加熱した。最終精製により、1つのジアステレオマーをトリフルオロ酢酸塩として得た。ES MS(M+1)=486。
【実施例19】
【0170】
{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(4S)−1−(4−フルオロベンジル)−2−イソプロピル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸tert−ブチル
【0171】
【化46】

【0172】
ステップ1:{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(4S)−1−(4−フルオロベンジル)−2−イソプロピル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸tert−ブチル
標記化合物を、ステップ6において2−アミルアミンの代わりに4−フルオロベンジルアミンを使用し、ステップ7においてMeOHの代わりにMeOH/EtOAcを使用した以外は実施例1に記載されている手順に類似の一連の手順を用いて製造した。ステップ8において反応物を70℃に一晩加熱した。最終精製により、先に溶離するジアステレオマー及び後から溶離するジアステレオマーをトリフルオロ酢酸塩として別々に得た。先に溶離するジアステレオマー:ES MS(M+1)=486。後から溶離するジアステレオマー:ES MS(M+1)=486。
【実施例20】
【0173】
((1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−{(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−[3−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]イミダゾリジン−4−イル}エチル)カルバミン酸tert−ブチル
【0174】
【化47】

【0175】
ステップ1:((1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−[3−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]イミダゾリジン−4−イル}エチル)カルバミン酸tert−ブチル
標記化合物を、ステップ6において2−アミルアミンの代わりに3−(トリフルオロメトキシ)ベンジルアミンを使用し、ステップ7においてMeOHの代わりにMeOH/EtOAcを使用した以外は実施例1に記載されている手順に類似の一連の手順を用いて製造した。ステップ8において反応物を70℃に一晩加熱した。最終精製により、1つのジアステレオマーをトリフルオロ酢酸塩として得た。ES MS(M+1)=552。
【実施例21】
【0176】
((1S,2R)−1−ベンジル−2−{(4S)−1−[2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−イソプロピル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル}−2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル
【0177】
【化48】

【0178】
ステップ1:((1S,2R)−1−ベンジル−2−{(4S)−1−[2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−イソプロピル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル}−2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル
標記化合物を、ステップ6において2−アミルアミンの代わりに2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを使用し、ステップ7においてMeOHの代わりにMeOH/EtOAcを使用した以外は実施例1に記載されている手順に類似の一連の手順を用いて製造した。ステップ8において反応物を70℃に一晩加熱した。最終精製により、1つのジアステレオマーをトリフルオロ酢酸塩として得た。ES MS(M+1)=554。
【実施例22】
【0179】
{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(2S,4S)−1−ベンジル−2−エチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸tert−ブチル
【0180】
【化49】

【0181】
ステップ1:2−アジド−N−(ベンジル)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,4,5−トリデオキシ−5−フェニル−L−リボン酸アミド
2−アジド−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,4,5−トリデオキシ−5−フェニル−L−リボン酸(147mg,0.420ミリモル)、ベンジルアミン(55μL,0.503ミリモル)、HOAT(63mg,0.461ミリモル)及びEDC(129mg,0.671ミリモル)をDMF(1mL)中に含む溶液を室温で4時間撹拌した。溶液をEtOAc(30mL)で希釈し、10% KHSO溶液、水及びブラインで洗浄した。有機抽出物をMgSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。生じた残渣をシリカゲルで10〜60% EtOAc/ヘキサン及び0〜20% tert−ブチルメチルエーテル/CHClの勾配溶離を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより2回精製した。適切なフラクションを収集し、濃縮して、生成物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.43−7.19(m,10H),4.70(br s,1H),4.51(ddd,J=6.0,14.8,21.2Hz,2H),4.18(br s,1H),3.93(br s,3H),3.01(dd,J=3.6,14.0Hz,1H),2.96−2.94(m,1H),1.35(s,9H)。
【0182】
ステップ2:2−アミノ−N−(ベンジル)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,4,5−トリデオキシ−5−フェニル−L−リボン酸アミド
2−アジド−N−(ベンジル)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,4,5−トリデオキシ−5−フェニル−L−リボン酸アミド(55mg,0.125ミリモル)をMeOH中に含む懸濁液を音波処理し、加熱して、溶液を形成した。この溶液に窒素ガスをフラッシュし、炭素担持10% パラジウム(13mg,0.125ミリモル)及びバブリング水素ガスで3時間処理した。混合物を水素雰囲気下で3時間撹拌した後、セライトを介して濾過した。生じた濾液を真空中で濃縮して、生成物を白色固体として得た。ES MS(M+1)=414。
【0183】
ステップ3:{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(2S,4S)−1−ベンジル−2−エチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸tert−ブチル
2−アミノ−N−(ベンジル)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,4,5−トリデオキシ−5−フェニル−L−リボン酸アミド(40mg,0.097ミリモル)をMeOH(2mL)中に含む溶液にプロピオンアルデヒド(84mg,1.451ミリモル)、少量のp−トルエンスルホン酸一水和物及び少量のNaSOを添加した。混合物を10時間還流加熱した。反応物をEtOAc(20mL)で希釈し、飽和水性NaHCO溶液及びブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。生じた残渣をシリカゲルで30〜50% EtOAc/ヘキサンの勾配溶離を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。適切なフラクションを収集し、濃縮して、標記化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.52−7.28(m,6H),7.23−7.00(m,4H),5.39(d,J=9.2Hz,1H),4.87(d,J=15.2Hz,1H),4.29(br s,1H),4.21−4.12(m,2H),4.02(d,J=14.8Hz,1H),3.81(br s,1H),3.54(d,J=8.4Hz,1H),3.04−2.88(m,2H),1.73−1.66(m,2H),1.36(s,9H),0.81(t,J=7.2Hz,3H);ES MS(M+1)454。
【実施例23】
【0184】
{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(4S)−1−ベンジル−2−メチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸tert−ブチル
【0185】
【化50】

【0186】
ステップ1:{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(4S)−1−ベンジル−2−メチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸tert−ブチル
標記化合物を、プロピオンアルデヒドの代わりにアセトアルデヒドを使用した以外は実施例22のステップ3に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。反応物を濾過し、生じた濾液をC−18カラムで95〜5% HO(0.1% TFA)/CHCN(0.1% TFA)の勾配溶離を用いる逆相クロマトグラフィーにより精製した。適切なフラクションを収集し、濃縮して、生成物をトリフルオロ酢酸塩の形態でジアステレオマーの混合物として得た。HRMS(FT−ICR)C2533+H=440.2588、計算値=440.2544。
【実施例24】
【0187】
{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(4S)−1−ベンジル−5−オキソ−2−プロピルイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸tert−ブチル
【0188】
【化51】

【0189】
ステップ1:{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(4S)−1−ベンジル−5−オキソ−2−プロピルイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸tert−ブチル
標記化合物を、プロピオンアルデヒドの代わりにブチルアルデヒドを使用した以外は実施例22のステップ3に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。反応物を濾過し、生じた濾液をC−18カラムで95〜5% HO(0.1% TFA)/CHCN(0.1% TFA)の勾配溶離を用いる逆相クロマトグラフィーにより精製した。適切なフラクションを収集し、濃縮して、先に溶離するジアステレオマー生成物及び後から溶離するジアステレオマー生成物をトリフルオロ酢酸塩として別々に得た。先に溶離するジアステレオマー:ES MS(M+1)=468。後から溶離するジアステレオマー:HRMS(FT−ICR)C2737+H=468.2880、計算値=468.2857。
【実施例25】
【0190】
{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(4S)−1−ベンジル−2−ブチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸tert−ブチル
【0191】
【化52】

【0192】
ステップ1:{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(4S)−1−ベンジル−2−ブチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸tert−ブチル
標記化合物を、プロピオンアルデヒドの代わりにバレルアルデヒドを使用した以外は実施例22のステップ3に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。反応物を濾過し、生じた濾液をC−18カラムで95〜5% HO(0.1% TFA)/CHCN(0.1% TFA)の勾配溶離を用いる逆相クロマトグラフィーにより精製した。適切なフラクションを収集し、濃縮して、先に溶離するジアステレオマー生成物及び後から溶離するジアステレオマー生成物をトリフルオロ酢酸塩として別々に得た。先に溶離するジアステレオマー:HRMS(FT−ICR)C2839+H=482.3407、計算値=482.3014。後から溶離するジアステレオマー:HRMS(FT−ICR)C2839+H=482.3054、計算値=482.3014。
【実施例26】
【0193】
{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(4S)−1−ベンジル−2−イソプロピル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸tert−ブチル
【0194】
【化53】

【0195】
ステップ1:{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(4S)−1−ベンジル−2−イソプロピル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸tert−ブチル
標記化合物を、プロピオンアルデヒドの代わりにイソブチルアルデヒドを使用した以外は実施例22のステップ3に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。反応物を濾過し、生じた濾液をC−18カラムで95〜5% HO(0.1% TFA)/CHCN(0.1% TFA)の勾配溶離を用いる逆相クロマトグラフィーにより精製した。適切なフラクションを収集し、濃縮して、先に溶離する生成物及び後から溶離するジアステレオマー生成物をトリフルオロ酢酸塩として別々に得た。先に溶離するジアステレオマー:HRMS(FT−ICR)C2737+H=468.2890、計算値=468.2857。後から溶離するジアステレオマー:HRMS(FT−ICR)C2737+H=468.2890、計算値=468.2857。
【実施例27】
【0196】
{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(4S)−1−ベンジル−2−イソプロピル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸フェニル
【0197】
【化54】

【0198】
ステップ1:4−アミノ−2−アジド−N−(ベンジル)−2,4,5−トリデオキシ−5−フェニル−L−リボン酸アミド
2−アジド−N−(ベンジル)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,4,5−トリデオキシ−5−フェニル−L−リボン酸アミド(47mg,0.107ミリモル)をEtOAc(75mL)中に含む懸濁液を0℃まで冷却し、HClガスで5分間処理した。反応物を1時間撹拌し、真空中で濃縮して、生成物を白色固体として得た。H NMR(400MHz,d−DMSO)δ 8.89(t,J=5.6Hz,1H),7.89(br s,3H),7.38−7.20(m,10H),6.28(d,J=6.4Hz,1H),4.38(dddd,J=6.0,15.2,20.8,28.0Hz,2H),4.25−4.21(m,1H),3.95(d,J=8.8Hz,1H),3.02(dd,J=4.0,14.4Hz,1H),2.78(dd,J=9.2,14.8Hz,1H);ES MS(M+1)=340。
【0199】
ステップ2:2−アジド−N−(ベンジル)−4−[(フェニルオキシカルボニル)アミノ]−2,4,5−トリデオキシ−5−フェニル−L−リボン酸アミド
4−アミノ−2−アジド−N−(ベンジル)−2,4,5−トリデオキシ−5−フェニル−L−リボン酸アミド(36mg,0.106ミリモル)をCHCl(5mL)中に含む溶液に0℃でクロロギ酸フェニル(13μL,0.106ミリモル)及びトリエチルアミン(37μL,0.265ミリモル)を添加した。反応物を0℃で30分間撹拌し、CHCl(75mL)で希釈した。生じた混合物を10% 水性KHSO溶液及びブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、生成物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.36−7.23(m,11H),7.20−7.16(m,2H),6.97(d,J=8.0Hz,2H),5.35(d,J=8.4Hz,1H),4.53(dd,J=6.0,15.2Hz,1H),4.43(dd,J=5,6,14.8Hz,1H),4.13−4.04(m,3H),4.01(d,J=4.0Hz,1H),3.11−2.99(m,2H);ES MS(M+1)=460。
【0200】
ステップ3:2−アミノ−N−(ベンジル)−4−[(フェニルオキシカルボニル)アミノ]−2,4,5−トリデオキシ−5−フェニル−L−リボン酸アミド
2−アジド−N−(ベンジル)−4−[(フェニルオキシカルボニル)アミノ]−2,4,5−トリデオキシ−5−フェニル−L−リボン酸アミド(70mg,0.152ミリモル)をMeOH中に含む懸濁液に窒素ガスをフラッシュし、少量の炭素担持10% パラジウム及びバブリング水素ガスで3時間処理した。混合物をセライトを介して濾過し、生じた濾液を真空中で濃縮して、生成物を得た。HRMS(FT−ICR)C2527+H=434.2051、計算値=434.2075。
【0201】
ステップ4:{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(4S)−1−ベンジル−2−イソプロピル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸フェニル
2−アミノ−N−(ベンジル)−4−[(フェニルオキシカルボニル)アミノ]−2,4,5−トリデオキシ−5−フェニル−L−リボン酸アミド(49mg,0.113ミリモル)をMeOH中に含む溶液にイソブチルアルデヒド(82mg,1.130ミリモル)及び少量のp−トルエンスルホン酸を添加した。混合物を一晩還流加熱した。反応物をEtOAc(20mL)で希釈し、飽和水性NaHCO溶液で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。生じた残渣をシリカゲルで15〜50% EtOAc/ヘキサンの勾配溶離を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。適切なフラクションを収集し、濃縮すると、白色固体が生じた。これを再びC−18カラムで95〜5% HO(0.1% TFA)/CHCN(0.1% TFA)の勾配溶離を用いる逆相クロマトグラフィーにより精製した。適切なフラクションを収集し、濃縮して、先に溶離するジアステレオマー及び後から溶離するジアステレオマーをトリフルオロ酢酸塩として別々に得た。生成物を個々にEtOAcと飽和NaHCO溶液に分配した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、標記化合物を遊離塩基形態で得た。先に溶離するジアステレオマー:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.40−7.16(m,13H),7.07(d,J=8.0Hz,2H),6.02(d,J=8.8Hz,1H),4.92(d,J=15.2Hz,1H),4.31−4.29(m,2H),4.18(t,J=2.0Hz,1H),3.92(d,J=15.2Hz,1H),3.86(dd,J=3.6,8.8Hz,1H),3.54(dd,J=2.0,8.8Hz,1H),3.16(dd,J=8.0,14.0Hz,1H),3.00(dd,J=5.6,14.0Hz,1H),1.89−1.85(m,1H),0.71(d,J=7.2Hz,3H),0.52(d,J=6.8Hz,3H)。後から溶離するジアステレオマー:HRMS(FT−ICR)C2933+H=488.2534、計算値=488.2544。
【実施例28】
【0202】
{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(2S,4S)−1−ベンジル−2−ブチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸フェニル
【0203】
【化55】

【0204】
ステップ1:{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(2S,4S)−1−ベンジル−2−ブチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸フェニル
標記化合物を、イソブチルアルデヒドの代わりにバレルアルデヒドを使用した以外は実施例27のステップ4に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。C−18カラムで60〜40% HO(0.1% TFA)/CHCN(0.1% TFA)の勾配溶離を用いる逆相クロマトグラフィーにより精製を実施した。適切なフラクションを収集し、濃縮して、生成物をトリフルオロ酢酸塩として得た。HRMS(FT−ICR)C3035+H=502.2683、計算値=502.2701。
【実施例29】
【0205】
{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(6S)−8−ベンジル−7−オキソ−5,8−ジアザスピロ[3.4]オクタ−6−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸フェニル
【0206】
【化56】

【0207】
ステップ1:{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(6S)−8−ベンジル−7−オキソ−5,8−ジアザスピロ[3.4]オクタ−6−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸フェニル
標記化合物を、イソブチルアルデヒドの代わりにシクロブタノンを使用した以外は実施例27のステップ4に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。C−18カラムで95〜5% HO(0.1% TFA)/CHCN(0.1% TFA)の勾配溶離を用いる逆相クロマトグラフィーにより精製を実施した。適切なフラクションを収集し、濃縮して、生成物をトリフルオロ酢酸塩として得た。HRMS(FT−MALDI)C2931+H=486.2386、計算値=486.2387。
【実施例30】
【0208】
{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(2S)−4−ベンジル−3−オキソ−8−オキサ−1,4−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸フェニル
【0209】
【化57】

【0210】
ステップ1:{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(2S)−4−ベンジル−3−オキソ−8−オキサ−1,4−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸フェニル
標記化合物を、イソブチルアルデヒドの代わりにテトラヒドロ−4H−ピラン−4−オンを使用した以外は実施例27のステップ4に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。C−18カラムで95〜5% HO(0.1% TFA)/CHCN(0.1% TFA)の勾配溶離を用いる逆相クロマトグラフィーにより精製を実施した。適切なフラクションを収集し、濃縮して、生成物をトリフルオロ酢酸塩として得た。HRMS(FT−MALDI)C3033+H=516.2495、計算値=516.2493。
【実施例31】
【0211】
{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(2S)−4−ベンジル−8−メチル−3−オキソ−1,4−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸フェニル
【0212】
【化58】

【0213】
ステップ1:{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(2S)−4−ベンジル−8−メチル−3−オキソ−1,4−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸フェニル
標記化合物を、イソブチルアルデヒドの代わりに4−メチルシクロヘキサノンを使用した以外は実施例27のステップ4に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。C−18カラムで95〜5% HO(0.1% TFA)/CHCN(0.1% TFA)の勾配溶離を用いる逆相クロマトグラフィーにより精製を実施した。適切なフラクションを収集し、濃縮して、生成物をトリフルオロ酢酸塩として得た。HRMS(FT−MALDI)C3237+H=528.2862、計算値=528.2857。
【実施例32】
【0214】
{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(4S)−1−ベンジル−2,2−ジブチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸フェニル
【0215】
【化59】

【0216】
ステップ1:{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(4S)−1−ベンジル−2,2−ジブチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸フェニル
標記化合物を、イソブチルアルデヒドの代わりに5−ノナノンを使用した以外は実施例27のステップ4に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。C−18カラムで95〜5% HO(0.1% TFA)/CHCN(0.1% TFA)の勾配溶離を用いる逆相クロマトグラフィーにより精製を実施した。適切なフラクションを収集し、濃縮して、生成物をトリフルオロ酢酸塩として得た。HRMS(FT−MALDI)C3443+H=558.3327、計算値=558.3326。
【実施例33】
【0217】
{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(2S)−4−ベンジル−3−オキソ−1,4−ジアザスピロ[4.4]ノナ−2−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸フェニル
【0218】
【化60】

【0219】
ステップ1:{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(2S)−4−ベンジル−3−オキソ−1,4−ジアザスピロ[4.4]ノナ−2−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸フェニル
標記化合物を、イソブチルアルデヒドの代わりにシクロペンタノンを使用した以外は実施例27のステップ4に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。C−18カラムで75〜25% HO(0.1% TFA)/CHCN(0.1% TFA)の勾配溶離を用いる逆相クロマトグラフィーにより精製を実施した。適切なフラクションを収集し、濃縮して、生成物をトリフルオロ酢酸塩として得た。HRMS(FT−MALDI)C3433+H=500.2542、計算値=500.2544。
【実施例34】
【0220】
{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(4S)−1−ベンジル−5−オキソ−2−フェニルイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸フェニル
【0221】
【化61】

【0222】
ステップ1:{(1S,2R)−1ベンジル−2−[(4S)−1−ベンジル−5−オキソ−2−フェニルイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸フェニル
標記化合物を、イソブチルアルデヒドの代わりにベンズアルデヒドを使用した以外は実施例27のステップ4に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。C−18カラムで75〜25% HO(0.1% TFA)/CHCN(0.1% TFA)の勾配溶離を用いる逆相クロマトグラフィーにより精製を実施した。適切なフラクションを収集し、濃縮して、先に溶離するジアステレオマー及び後から溶離するジアステレオマーをトリフルオロ酢酸塩として別々に得た。先に溶離するジアステレオマー:HRMS(FT−MALDI)C3231+H=522.2387、計算値=522.2387。後から溶離するジアステレオマー:HRMS(FT−MALDI)C3231+H=522.2387、計算値=522.2387。
【実施例35】
【0223】
((1S,2R)−1−ベンジル−2−{(4S)−2−ブチル−5−オキソ−1−[(1S)−1−フェニルエチル]イミダゾリジン−4−イル}−2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸フェニル
【0224】
【化62】

【0225】
ステップ1:2−アジド−N−[(1S)−1−フェニルエチル]−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,4,5−トリデオキシ−5−フェニル−L−リボン酸アミド
化合物を、ベンジルアミンの代わりに(S)−(−)−α−メチルベンジルアミンを使用した以外は実施例22のステップ1に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。クロマトグラフィーによる精製は不要であった。ES MS(M+1)=454。
【0226】
ステップ2:2−アジド−N−[(1S)−1−フェニルエチル]−4−[(フェニルオキシカルボニル)アミノ]−2,4,5−トリデオキシ−5−フェニル−L−リボン酸アミド
化合物を、実施例27のステップ1及びステップ2に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。シリカゲルで10〜75% EtOAc/ヘキサンの勾配溶離を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製を実施した。適切なフラクションを収集し、濃縮して、生成物を白色固体として得た。ES MS(M+1)=473。
【0227】
ステップ3:2−アミノ−N−[(1S)−1−フェニルエチル]−4−[(フェニルオキシカルボニル)アミノ]−2,4,5−トリデオキシ−5−フェニル−L−リボン酸アミド
化合物を、実施例27のステップ3に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。ES MS(M+1)=448。
【0228】
ステップ4:((1S,2R)−1−ベンジル−2−{(4S)−2−ブチル−5−オキソ−1−[(1S)−1−フェニルエチル]イミダゾリジン−4−イル}−2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸フェニル
標記化合物を、イソブチルアルデヒドの代わりにバレルアルデヒドを使用した以外は実施例27のステップ4に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。C−18カラムで95〜5% HO(0.1% TFA)/CHCN(0.1% TFA)の勾配溶離を用いる逆相クロマトグラフィーにより精製を実施した。適切なフラクションを収集し、濃縮して、先に溶離するジアステレオマー及び後から溶離するジアステレオマーをトリフルオロ酢酸塩として別々に得た。先に溶離するジアステレオマー:ES MS(M+1)=516。後から溶離するジアステレオマー:ES MS(M+1)=516。
【実施例36】
【0229】
N−[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]−N’−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[1−(メチルスルホニル)エチル]イソフタルアミド
【0230】
【化63】

【0231】
ステップ1:N−ベンジル−N−(tert−ブトキシカルボニル)グリシンアミド
N−(tert−ブトキシカルボニル)グリシン(20.00g,114.16ミリモル)をDMF(75mL)中に含む溶液にベンジルアミン(24.9mL,228.32ミリモル)を添加した。この溶液を0℃まで冷却し、EDC(43.77g,228.32ミリモル)及びHOAT(15.54g,114.16ミリモル)で処理した。反応物を0℃で10分間、室温で2時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、生じた残渣をEtOAcと氷水と飽和水性NaHCO溶液に分配した。層を分離し、有機抽出物を水で2回、10% 水性KHSO溶液で1回、更に水で2回、ブラインで1回洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、生成物を白色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.35−7.26(m,5H),6.44(br s,1H),5.14(br s,1H),4.46(d,J=6.0Hz,2H),3.83(d,J=6.0Hz,2H),1.43(s,9H);ES MS(M+23)=287。
【0232】
ステップ2:N−ベンジルグリシンアミド
−ベンジル−N−(tert−ブトキシカルボニル)グリシンアミド(28.26g,106.91ミリモル)をEtOAc中に含む溶液を0℃まで冷却し、飽和に達するまでバブリング塩化水素ガスで処理し、20分間撹拌した。このシーケンスを出発物質が消費されるまで3回実施した。溶液をバブリング窒素ガスで処理し、生じた沈澱を濾過し、EtOAcで2回、EtOで2回洗浄した。生成物を塩酸塩の形態で白色固体として得た。H NMR(400MHz,CDOD)δ 7.34−7.31(m,4H),7.30−7.24(m,1H),4.43(s,2H),3.71(s,2H);ES MS(M+1)=165。
【0233】
ステップ3:3−ベンジル−2,2−ジメチルイミダゾリジン−4−オン
−ベンジルグリシンアミド(3.00g,14.95ミリモル)をMeOH(25mL)中に含む溶液にアセトン(5.50mL,74.75ミリモル)及びトリエチルアミン(1.67mL,11.96ミリモル)を添加した。溶液を撹拌し、窒素雰囲気下で一晩還流加熱した。溶媒を真空中で除去し、生じた橙色油状物をシリカゲルで0〜7% (MeOH/NH)/CHClの勾配溶離を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した、適切なフラクションを収集し、濃縮して、生成物を黄色油状物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.31−7.27(m,5H),4.44(s,2H),3.55(s,2H),1.26(s,6H);ES MS(M+1)=205。
【0234】
ステップ4:3−ベンジル−2,2−ジメチル−4−オキソイミダゾリジン−1−カルボン酸ベンジル
3−ベンジル−2,2−ジメチルイミダゾリジン−4−オン(2.28g,11.16ミリモル)をCHCl(25mL)中に含む冷(0℃)溶液をクロロギ酸ベンジル(0.96mL,6.70ミリモル)、4−ジメチルアミノピリジン(1.71g,13.95ミリモル)をCHCl(10mL)中に含む溶液、再びクロロギ酸ベンジル(0.96mL,6.70ミリモル)で処理した。溶液を30分間撹拌し、水性10% KHSO溶液に注いだ。層を分離し、有機物を水で2回、ブラインで1回洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮すると、橙色油状物が生じた。この油状物をEtOで処理すると、沈澱が生じた。この沈澱を濾過して、生成物を白色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.37(m,10H),5.14(s,2H),4.54(s,2H),4.11(s,6H),1.56(s,6H);ES MS(M+1)=339。
【0235】
ステップ5:3−ベンジル−5−[(2S)−2−(ジベンジルアミノ)−1−ヒドロキシ−3−フェニルプロピル]−2,2−ジメチル−4−オキソイミダゾリジン−1−カルボン酸ベンジル
S−(+)−2−ジベンジルアミノ−3−フェニル−1−プロパノール(5.29g,15.96ミリモル)を無水CHCl(50mL)及び無水DMSO(30mL)中に含む溶液を窒素雰囲気下、0℃でトリエチルアミン(8.89mL,63.84ミリモル)及び三酸化イオウ−ピリジン複合体(10.16g,63.84ミリモル)を無水DMSO(40mL)中に含む溶液で処理した。後者は20分間かけて添加した。生じた黄色溶液を0℃で10分間、室温で2時間撹拌した。反応物を0℃まで冷却し、ブライン(220mL)及び水(40mL)で処理した。溶液をEtO(3×250mL)で抽出し、合わせた有機層を水性10% 亜硫酸水素ナトリウム溶液(220mL)及びブライン(200mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮すると、黄色油状物が生じた。シリカゲルで0〜10% EtOAc/ヘキサンの勾配溶離を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーを用いることにより精製を実施した。適切なフラクションを収集し、濃縮すると、(2S)−2−(ジベンジルアミノ)−3−フェニルプロパナールが黄色油状物として生じた。窒素雰囲気下で無水THF(15mL)を−78℃に冷却し、THF中2.0M リチウムジイソプロピルアミン(488μL,0.975ミリモル)及び3−ベンジル−2,2−ジメチル−4−オキソイミダゾリジン−1−カルボン酸ベンジル(300mg,0.886ミリモル)を無水THF(5mL)中に含む溶液で処理した。後者は15分間かけて1滴ずつ添加した。混合物を−78℃で20分間撹拌し、(2S)−2−(ジベンジルアミノ)−3−フェニルプロパナール(526mg,1.60ミリモル)を無水THF(3mL)中に含む溶液で15分間かけて処理した。混合物を再び−78℃で20分間撹拌した後、室温まで一晩加温した。反応物を飽和水性NHCl溶液に注ぎ、EtOで3回抽出した。合わせた有機層をブラインで1回洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮すると、黄色油状物が生じた。シリカゲルで0〜45% EtOAc/ヘキサンの勾配溶離を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製を実施した。適切なフラクションを収集し、濃縮して、生成物を黄色油状物として得た。ES MS(M+1)=668。
【0236】
ステップ6:5−[(2S)−2−アミノ−1−ヒドロキシ−3−フェニルプロピル]−3−ベンジル−2,2−ジメチルイミダゾリジン−4−オン
3−ベンジル−5−[(2S)−2−(ジベンジルアミノ)−1−ヒドロキシ−3−フェニルプロピル]−2,2−ジメチル−4−オキソイミダゾリジン−1−カルボン酸ベンジル(116mg,0.174ミリモル)をMeOH(3mL)中に含む溶液を窒素雰囲気下で20重量%の水酸化パラジウム触媒(24mg,0.174ミリモル)で処理した。反応物を水素雰囲気下に置き、室温で一晩撹拌した。更に20重量%の水酸化パラジウム触媒(27.8mg,0.202ミリモル)を添加し、反応物を再び水素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。混合物をセライトパッドを介して濾過し、MeOHで十分洗浄した。生じた濾液を真空中で濃縮すると、無色油状物が生じた。これをC−18カラムで95〜5% HO(0.1% TFA)/CHCN(0.1% TFA)の勾配溶離を用いる逆相クロマトグラフィーにより精製した。適切なフラクションを収集し、濃縮して、生成物をトリフルオロ酢酸塩として得た。物質をEtOAcと飽和水性NaHCO溶液に分配し、有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、生成物を遊離塩基の形態で無色油状物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.33−7.21(m,10H),4.57(d,J=15.2Hz,1H),4.33(d,J=15.6Hz,1H),3.82−3.77(m,2H),3.44−3.39(m,1H),3.10(dd,J=3.6,13.6Hz,1H),2.87−2.78(m,3H),2.72(dd,J=10.0,13.6Hz,1H),1.30(s,3H),1.23(s,3H);ES MS(M+1)=354。
【0237】
ステップ7:N−[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]−N’−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[1−(メチルスルホニル)エチル]イソフタルアミド
5−[(2S)−2−アミノ−1−ヒドロキシ−3−フェニルプロピル]−3−ベンジル−2,2−ジメチルイミダゾリジン−4−オン(14mg,0.039ミリモル)をDMF(200μL)中に含む溶液にDMF(200μL)中の3−({[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]アミノ)カルボニル)−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ)安息香酸(11mg,0.028ミリモル)、ヒューニッヒ塩基(15μL,0.084ミリモル)、及びDMF(250μL)中のBOP(14mg,0.031ミリモル)を添加した。反応物を渦巻状に振とうし、室温で1時間放置した。C−18カラムで95〜5% HO(0.1% TFA)/CHCN(0.1% TFA)の勾配溶離を用いる逆相クロマトグラフィーにより精製を実施した。適切なフラクションを収集し、凍結乾燥して、生成物をトリフルオロ酢酸塩の形態でジアステレオマーの混合物として得た。H NMR(400MHz,d−DMSO)δ 8.98(d,J=7.6Hz,1H),8.88(br s,1H),8.21(s,1H),7.98(s,1H),7.90(s,1H),7.44−7.41(m,2H),7.32−7.25(m,9H),7.17−7.13(m,3H),5.17(t,J=7.6Hz,1H),4.66−4.58(m,1H),4.53(d,J=16.0Hz,1H),4.41(d,J=15.6Hz,1H),4.32(br s,1H),4.07(br s,1H),3.26(s,3H),3.16−3.14(m,2H),2.99(s,3H),1.46(dd,J=6.8,17.6Hz,9H)。HRMS(FT−ICR)C3944FNS+H=730.3094、計算値=730.3069。
【実施例37】
【0238】
N−[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]−2−(4−ブチル−2,3−ジオキソピペラジン−1−イル)アセトアミド
【0239】
【化64】

【0240】
ステップ1:N−[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]−2−(4−ブチル−2,3−ジオキソピペラジン−1−イル)アセトアミド
標記化合物を、3−({[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]アミノ}カルボニル)−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]安息香酸の代わりに(4−ブチル−2,3−ジオキソピペラジン−1−イル)酢酸を使用した以外は実施例36のステップ7に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。最終生成物をトリフルオロ酢酸塩の形態でジアステレオマーの5:1混合物として得た。HRMS(FT−ICR)C3141+H=564.3180、計算値=564.3181。
【実施例38】
【0241】
N’−[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]−N,N−ジプロピルイソフタルアミド
【0242】
【化65】

【0243】
ステップ1:N’−[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]−N,N−ジプロピルイソフタルアミド
標記化合物を、3−({[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]アミノ)カルボニル)−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]安息香酸の代わりに3−[(ジプロピルアミノ)カルボニル]安息香酸を使用した以外は実施例36のステップ7に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。最終生成物をトリフルオロ酢酸塩の形態で単一ジアステレオマーとして得た。HRMS(FT−ICR)C3544+H=585.3429、計算値=585.3436。
【実施例39】
【0244】
N−[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]ベンズアミド
【0245】
【化66】

【0246】
ステップ1:N−[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]ベンズアミド
標記化合物を、3−({[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]アミノ}カルボニル)−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]安息香酸の代わりに安息香酸を使用した以外は実施例36のステップ7に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。最終生成物をトリフルオロ酢酸塩の形態で単一ジアステレオマーとして得た。HRMS(FT−ICR)C2831+H=458.2421、計算値=458.2438。
【実施例40】
【0247】
N−[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)]−2−ヒドロキシエチル]−2−フェニルアセトアミド
【0248】
【化67】

【0249】
ステップ1:N−[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]−2−フェニルアセトアミド
標記化合物を、3−({[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]アミノ}カルボニル)−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]安息香酸の代わりにフェニル酢酸を使用した以外は実施例36のステップ7に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。最終生成物をトリフルオロ酢酸塩の形態で単一ジアステレオマーとして得た。HRMS(FT−ICR)C2933+H=472.2563、計算値=472.2595。
【実施例41】
【0250】
[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]カルバミン酸tert−ブチル
【0251】
【化68】

【0252】
ステップ1:[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]カルバミン酸tert−ブチル
標記化合物を、3−({[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]アミノ}カルボニル)−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]安息香酸の代わりにジカルボン酸ジ−tert−ブチル、ヒューニッヒ塩基の代わりにトリエチルアミンを使用した以外は実施例36のステップ7に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。BOP試薬は省いた。最終生成物をトリフルオロ酢酸塩の形態で単一ジアステレオマーとして得た。HRMS(FT−ICR)C2635+H=454.2701、計算値=454.2701。
【実施例42】
【0253】
[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]カルバミン酸フェニル
【0254】
【化69】

【0255】
ステップ1:[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]カルバミン酸フェニル
標記化合物を、3−({[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]アミノ}カルボニル)−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]安息香酸の代わりにクロロギ酸フェニル、ヒューニッヒ塩基の代わりにトリエチルアミンを使用した以外は実施例36のステップ7に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。溶媒としてCHClを使用し、BOP試薬は省いた。最終生成物をトリフルオロ酢酸塩の形態でジアステレオマーの9:1混合物として得た。HRMS(FT−ICR)C2831+H=474.2367、計算値=474.2385。
【実施例43】
【0256】
N−[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]アセトアミド
【0257】
【化70】

【0258】
ステップ1:N−[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]アセトアミド
標記化合物を、({[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]アミノ}カルボニル)−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]安息香酸の代わりにアセチルクロリド、ヒューニッヒ塩基の代わりにトリエチルアミンを使用した以外は実施例36のステップ7に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。溶媒としてCHClを使用し、BOP試薬は省いた。HRMS(FT−ICR)C2329+H=396.2282、計算値=396.2274。
【実施例44】
【0259】
[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2−メチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]カルバミン酸tert−ブチル
【0260】
【化71】

【0261】
ステップ1:3−ベンジル−2−メチルイミダゾリジン−4−オン
化合物を、アセトンの代わりにアセトアルデヒドを使用し、反応物を2日間還流加熱した以外は実施例36のステップ3に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。粗な物質をCHClで処理し、生じた沈澱を濾過すると、白色物質が生じた。これを記載されているように精製した。生成物を黄色油状物として得た。ES MS(M+1)=191。
【0262】
ステップ2:3−ベンジル−2−メチル−4−オキソイミダゾリジン−1−カルボン酸(±)ベンジル
化合物を、シリカゲルで0〜50% EtOAc/ヘキサンの勾配溶離を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した以外は実施例36のステップ4に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。適切なフラクションを収集し、濃縮して、ジアステレオマーの混合物を無色油状物として得た。異性体をChiralPak ASカラムでMeOHの無勾配溶離を用いるキラルクロマトグラフィーにより分離した。先に溶離するエナンチオマー及び後から溶離するエナンチオマーはそれぞれ(+)及び(−)回転を示した。(−)エナンチオマー:ES MS(M+1)325。(−)エナンチオマー:ES MS(M+1)=325。
【0263】
ステップ3:3−ベンジル−5−[(2S)−2−(ジベンジルアミノ)−1−ヒドロキシ−3−フェニルプロピル]−2−メチル−4−オキソイミダゾリジン−1−カルボン酸ベンジル
化合物のジアステレオマーを、3−ベンジル−2−メチル−4−オキソイミダゾリジン−1−カルボン酸ベンジルの(+)及び(−)エナンチオマーを使用し、実施例36のステップ5に記載されている手順に類似の手順を用いて別々に製造した。オキソイミダゾリジンの(+)エナンチオマー由来のジアステレオマー:ES MS(M+1)=654。オキソイミダゾリジンの(−)エナンチオマー由来のジアステレオマー:ES MS(M+1)=654。
【0264】
ステップ4:5−[(2S)−2−アミノ−1−ヒドロキシ−3−フェニルプロピル]−3−ベンジル−2−メチルイミダゾリジン−4−オン
化合物のジアステレオマーを、粗な物質をCHClで処理し、生じた白色沈澱を濾過により収集して生成物を白色固体として得る以外は実施例36のステップ6に記載されている手順に類似の手順を用いて別々に製造した。オキソイミダゾリジンの(+)エナンチオマー由来のジアステレオマー:ES MS(M+1)=340。オキソイミダゾリジンの(−)エナンチオマー由来のジアステレオマー:ES MS(M+1)=340。
【0265】
ステップ5:(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2−メチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチルカルバミン酸tert−ブチル
化合物のジアステレオマーを、3−({[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]アミノ}カルボニル)−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]安息香酸の代わりにジ炭酸ジ−tert−ブチル、ヒューニッヒ塩基の代わりにトリエチルアミンを使用した以外は実施例36のステップ7に記載されている手順に類似の手順を用いて別々に製造した。BOP試薬は省いた。最終生成物をトリフルオロ酢酸塩の形態で単一ジアステレオマーとして得た。オキソイミダゾリジンの(+)エナンチオマー由来のジアステレオマー:HRMS(FT−ICR)C2533+H=440.2552、計算値=440.2544。オキソイミダゾリジンの(−)エナンチオマー由来のジアステレオマー:HRMS(FT−ICR)C2533+H=440.2526、計算値=440.2544。
【実施例45】
【0266】
N−[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2−メチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]−N’−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソフタルアミド
【0267】
【化72】

【0268】
ステップ1:N−[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2−メチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]−N’−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソフタルアミド
標記化合物を、実施例36のステップ7に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。出発物質として、3−ベンジル−2−メチル−4−オキソイミダゾリジン−1−カルボン酸(−)−ベンジル由来の5−[(2S)−2−アミノ−1−ヒドロキシ−3−フェニルプロピル]−3−ベンジル−2−メチルイミダゾリジン−4−オンのジアステレオマーを使用した。最終生成物をトリフルオロ酢酸塩の形態で単一ジアステレオマーとして得た。HRMS(FT−ICR)C3842S+H=716.2928、計算値=716.2913。
【実施例46】
【0269】
[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2−メチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]カルバミン酸フェニル
【0270】
【化73】

【0271】
ステップ1:[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2−メチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]カルバミン酸フェニル
標記化合物のジアステレオマーを、3−({[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]アミノ}カルボニル)−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]安息香酸の代わりにクロロギ酸フェニル、ヒューニッヒ塩基の代わりにトリエチルアミンを使用した以外は実施例36のステップ7に記載されている手順に類似の手順を用いて別々に製造した。BOP試薬は省いた。それぞれの反応の出発物質として、3−ベンジル−2−メチル−4−オキソイミダゾリジン−1−カルボン酸ベンジルの(+)及び(−)エナンチオマー由来の5−[(2S)−2−アミノ−1−ヒドロキシ−3−フェニルプロピル]−3−ベンジル−2−メチルイミダゾリジン−4−オンのジアステレオマーを使用した。最終生成物をトリフルオロ酢酸塩の形態で単一ジアステレオマーとして得た。オキソイミダゾリジンの(+)エナンチオマー由来のジアステレオマー:HRMS(FT−ICR)C2729+H=460.2226、計算値=460.2231。オキソイミダゾリジンの(−)エナンチオマー由来のジアステレオマー:HRMS(FT−ICR)C2729+H=460.2217、計算値=460.2231。
【実施例47】
【0272】
N−{(1S,2S)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−1,2,2−トリメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]エチル}−N’−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソフタルアミド
【0273】
【化74】

【0274】
ステップ1:N−ベンジル−N−(tert−ブトキシカルボニル)グリシン
N−ベンジルグリシン塩酸塩(5.00g,24.80ミリモル)をジオキサン(100mL)及び水(25mL)中に含む溶液にジ炭酸ジ−tert−ブチル(5.95g,27.28ミリモル)及び水性1N NaOH溶液(50mL)を添加し、反応物を室温で一晩撹拌した。溶媒を真空中で除去し、生じた残渣をEtOAcと水性10% KHSO溶液に分配した。層を分離し、水性層をEtOAcでもう2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、生成物を白色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.36−7.22(m,5H),4.53(d,J=14.4Hz,2H),3.96(s,1H),3.83(s,1H),1.48(s,9H);ES MS[M−100(BOCのロス)+1]=166。
【0275】
ステップ2:N−ベンジル−N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチルグリシアミド
化合物を、ベンジルアミンの代わりにMeOH中2.0M メチルアミンを使用した以外は実施例36のステップ1に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。ES MS[M−100(BOCのロス)+1)=179。
【0276】
ステップ3:N−ベンジル−N−メチルグリシンアミド
化合物を、手順をたった2回実施した以外は実施例36のステップ2に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。溶媒を濾過することなく真空中で除去して、生成物を塩酸塩の形態で白色固体として得た。ES MS(M+1)=179。
【0277】
ステップ4:1−ベンジル−2,2,3−トリメチルイミダゾリジン−4−オン
化合物を、実施例36のステップ3に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。粗な物質をCHCl中に懸濁し、濾過した。生じた濾液を真空中で濃縮して、生成物を明黄色油状物として得た。ES MS(M+1)=219。
【0278】
ステップ5:(5S)−1−ベンジル−5−[(1S,2S)−2−(ジベンジルアミノ)−1−ヒドロキシ−3−フェニルプロピル]−2,2,3−トリメチルイミダゾリジン−4−オン及び1−ベンジル−5−[(2S)−2−(ジベンジルアミノ)−1−ヒドロキシ−3−フェニルプロピル]−2,2,3−トリメチルイミダゾリジン−4−オン
化合物を、リチウムジイソプロピルアミンを市販されている試薬の代わりにジイソプロピルアミン及びヘキサン中2.5M n−ブチルリチウムから−78℃で10分間かけて製造した以外は実施例36のステップ5に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。すべての試薬を反応物に添加したら、混合物を−78℃で1時間、0℃で10分間撹拌した。反応物を飽和水性NaHCO溶液とEtOAcに分配した。層を分離し、水性層をEtOAcにもう2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮すると、黄色油状物が生じた。粗な物質をシリカゲルで0〜60% EtOAc/ヘキサンの勾配溶離を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。適切なフラクションを収集し、濃縮すると、生成物の混合物が生じた。C−18カラムで45〜25% HO(0.1% TFA)/CHCN(0.1% TFA)の勾配溶離を用いる逆相クロマトグラフィーにより更に精製した。適切なフラクションを収集し、濃縮して、2つの生成物をトリフルオロ酢酸塩の形態で単一ジアステレオマーとして得た。先に溶離するジアステレオマーはS,S,S立体配置を有していることが判明し、物質をEtOAcと飽和水性NaHCO溶液に分配することにより遊離塩基に変換した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、先に溶離するジアステレオマーを黄色油状物として得た。後から溶離するジアステレオマーの立体配置は判明せず、材料は塩の形態のままであった。先に溶離する(S,S,S)ジアステレオマー:ES MS(M+1)=548。後から溶離するジアステレオマー:ES MS(M+1)=548。
【0279】
ステップ6:(5S)−5−[(1S,2S)−2−アミノ−1−ヒドロキシ−3−フェニルプロピル]−2,2,3−トリメチルイミダゾリジン−4−オン及び5−[(2S)−2−アミノ−1−ヒドロキシ−3−フェニルプロピル]−2,2,3−トリメチルイミダゾリジン−4−オン
標記化合物を、ステップ5からの(S,S,S)ジアステレオマーから実施例36のステップ6に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。逆相クロマトグラフィーによる精製は不要であった。ES MS(M+1)=278。
【0280】
ステップ7:N−{(1S,2S)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−1,2,2−トリメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]エチル}−N’−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソフタルアミド
標記化合物を、実施例36のステップ7に記載されている手順に類似の手順を用いて製造し、トリフルオロ酢酸塩として単離した。HRMS(FT−ICR)C3340FNS+H=654.2730、計算値=654.2756。
【実施例48】
【0281】
5N−[(1S)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−(1,2,2−トリメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)エチル]−N’−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソフタルアミド
標記化合物を、実施例46のステップ5からの他の未帰属ジアステレオマーから実施例46のステップ6及び7と同一の方法で製造し、そのトリフルオロ酢酸塩として単離した。HRMS(FT−ICR)C3340FNS+H=654.2742、計算値=654.2756。
【実施例49】
【0282】
N−[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]−2−クロロ−6−(メチル{[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)イソニコチンアミド
【0283】
【化75】

【0284】
ステップ1:N−[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]−2−クロロ−6−(メチル{[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)イソニコチンアミド
標記化合物を、3−({[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]アミノ}カルボニル)−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]安息香酸の代わりに2−クロロ−6−(メチル{[(1S,2S)2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)イソニコチン酸を使用した以外は実施例36のステップ7に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。最終生成物をトリフルオロ酢酸塩の形態で単一ジアステレオマーとして得た。HRMS(FT−ICR)C3340ClN+H=590.2901、計算値=590.2893。
【実施例50】
【0285】
N−[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]−2−(メチル{[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチンアミド
【0286】
【化76】

【0287】
ステップ1:N−[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]−2−(メチル{[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチンアミド
標記化合物を、3−({[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]アミノ}カルボニル)−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]安息香酸の代わりに2−(メチル{[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸を使用した以外は実施例36のステップ7に記載されている手順に類似の手順を用いて製造した。最終生成物をトリフルオロ酢酸塩の形態で単一ジアステレオマーとして得た。HRMS(FT−ICR)C3340ClN+H=663.3322、計算値=663.3323。
【0288】
本発明を特定の具体的実施態様を参照して記載し、説明してきたが、当業者は本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく手順及びプロトコルに各種の各種改変、変化、修飾、置換、削除または付加を加え得ることを認識している。従って、本発明は請求の範囲により定義され、請求の範囲は合理的な限り広く解釈されると意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、
、R、R及びRは独立して
(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、
(3)−C2−10アルケニル、
(4)−C2−10アルキニル、
(5)−C6−10アリール、または
(6)ヘテロアリール
からなる群から選択され、前記したアルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールは場合により1個以上の
(a)ハロ、
(b)−C1−10アルキル(ここで、アルキルは場合により1個以上のフルオロで置換されている。)、
(c)−C3−12シクロアルキル、
(d)−OH、
(e)−CN、
(f)−O−C1−10アルキル(ここで、アルキルは場合により1個以上のフルオロで置換されている。)、
(g)−C6−10アリール、または
(h)ヘテロアリール
で置換されており、前記したアリール及びヘテロアリールは場合により1個以上の(i)ハロ、(ii)−OH、(iii)−CN、(iv)−Q−C1−10アルキル(ここで、アルキルは場合により1個以上のフルオロで置換されている。)、(v)−C1−10アルキル(ここで、アルキルは場合により1個以上のフルオロで置換されている。)、または(vi)−C3−12シクロアルキルで置換されており、Qは(A)−O−、(B)−SO−、(C)−NH−からなる群から選択され、或いは
及びRは一緒に連結して、環炭素原子の1〜3個がO、S、NH、−C(=O)−またはSOで置換されていてもよい3〜7炭素環式環構造を形成し、前記炭素環式環は場合により1個以上の(a)−C1−10アルキル、(b)−C2−10アルケニル、(c)−C2−10アルキニル、及び(d)−C6−10アリールで置換されており;
Xは
1)−(Q−R
{式中、

(a)−CH−、及び
(b)−O−
からなる群から選択され;

(a)水素、
(b)−C1−10アルキル、
(c)−C2−10アルケニル、
(d)−C2−10アルキニル、及び
(e)−C6−10アリール
からなる群から選択され、前記したアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは場合により1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−C1−10アルキル(ここで、アルキルは場合により1個以上のフルオロで置換されている。)、
(iii)−C3−12シクロアルキル、
(iv)−OH、
(v)−CN、
(vi)−O−C1−10アルキル(ここで、アルキルは場合により1個以上のフルオロで置換されている。)、または
(vii)−C6−10アリール
で置換されている。};
2)
【化2】

3)
【化3】

{式中、
は、
(a)(R−SO)N(R)−
(式中、R
(i)−C1−10アルキル、
(ii)−C2−10アルケニル、
(iii)−C2−10アルキニル、
(iv)−C3−8シクロアルキル、または
(v)−C6−10アリール
からなる群から選択され、前記したアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及びアリールは場合により1個以上の
(A)ハロ、
(B)−OH、
(C)−CN、
(D)−O−C1−10アルキル、
(E)−C1−10アルキル、
(F)−C2−10アルケニル、
(G)−C2−10アルキニル、
(H)−C3−8シクロアルキル、
(I)−C6−10アリール、または
(J)ヘテロアリール
で置換されており、前記したアリール及びヘテロアリールは場合により1個以上の(I)ハロ、(II)−OH、(III)−CN、(IV)−O−C1−10アルキル、(V)−C3−8シクロアルキル、(VI)−C1−10アルキル、(VII)−C2−10アルケニルまたは(VIII)−C2−10アルキニルで置換されており;

(i)水素、
(ii)−C1−10アルキル、
(iii)−C2−10アルケニル、
(iv)−C2−10アルキニル、または
(v)−C6−10アリール
からなる群から選択され、前記したアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは場合により1個以上の
(A)ハロ、
(B)−OH、
(C)−CN、
(D)−O−C1−10アルキル、
(E)−C3−8シクロアルキル、
(F)−C6−10アリール、または
(G)ヘテロアリール
で置換されており、前記したシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは場合により1個以上の(I)ハロ、(II)−OH、(III)−CN、(IV)−O−C1−10アルキル、(V)−C3−8シクロアルキル、または(VI)−C6−10アリールで置換されている。)、
(b)
【化4】

(c)
【化5】

及び
(d)水素
からなる群から選択され;

【化6】

(式中、
10は未置換であるかまたは1個以上のハロゲンで置換されているC1−10アルキルであり;
11a、R11b及びR11cは独立して
(i)水素、
(ii)ハロ、
(iii)−C1−10アルキル、
(iv)−OH、
(v)−CN、
(vi)−C3−12シクロアルキル、及び
(vii)−O−C1−10アルキル
からなる群から選択され;
12及びR13は独立して
(i)水素、
(ii)−C1−10アルキル、
(iii)−C2−10アルケニル、
(iv)−C2−10アルキニル、及び
(v)−C1−10アルキル−C3−12シクロアルキル
からなる群から選択され、前記したアルキル、アルケニル、アルキニル及びシクロアルキルは場合により1個以上の
(A)ハロ、
(B)−OH、
(C)−CN、
(D)−C1−10アルキル、
(E)−O−C1−10アルキル、
(F)−C3−8シクロアルキル、
(G)−NR(ここで、R及びRは(i)水素、及び(ii)−C1−10アルキルからなる群から選択され、またはR及びRはこれらが結合している窒素原子と一緒に連結して、1個の窒素を有する4〜6員炭素環式環を形成する。)、または
(H)−C6−10アリール
で置換されており、或いは
12及びR13はこれらが結合している窒素原子と一緒に連結して、1個の窒素を有する4〜6員炭素環式環を形成し、前記炭素環式環は場合により1個以上の
(1)−C1−10アルキル(ここで、アルキルは場合により1個以上の(i)ハロゲン、(ii)ヒドロキシまたは(iii)−C1−6アルコキシで置換されている。)、
(2)−C3−12シクロアルキル、
(3)(CH−フェニル(ここで、フェニルは未置換であるかまたは1個以上のハロゲンで置換されている。)、
(4)C2−10アルケニル、
(5)C2−10アルキニル、
(6)−CN
で置換されており、前記したアルキル、アルケニルまたはアルキニルR12及びR13基は場合により1個以上の(a)ハロ、(b)−OH、(c)−CN、(d)−O−C1−10アルキルまたは(e)−C3−12シクロアルキルで置換されており、前記したシクロアルキル及びフェニルR12及びR13基は場合により1個以上の(a)ハロ、(b)−C1−10アルキル、(c)OH、(d)−CN、(e)−C3−12シクロアルキルまたは(f)−O−C1−10アルキルで置換されており;
14
(i)水素、
(ii)−C1−10アルキル、
(iii)ハロ、
(iv)−C3−12シクロアルキル、
(v)−C6−10アリール、及び
(vi)ヘテロアリール
からなる群から選択され、前記したアリール及びヘテロアリールは場合により1個以上の
(A)ハロ、
(B)−OH、
(C)−CN、
(D)−O−C1−10アルキル、
(E)−C3−8シクロアルキルまたは
(F)−C1−10アルキル
で置換されている。)
からなる群から選択される。};
4)
【化7】

{式中、
YはRまたはハロゲンであり;
15及びR16は独立して、
(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、
(3)−C2−10アルケニル、
(4)−C2−10アルキニル、及び
(5)−C1−10アルキレン−C3−12シクロアルキル
からなる群から選択され、前記したアルキル、シクロアルキル、アルケニルまたはアルキニルは未置換であるかまたは1個以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C1−10アルキル、
(e)−C3−12シクロアルキル、
(f)−O−C1−10アルキル、
(g)ヘテロアリール(ここで、ヘテロアリールは未置換であるかまたはハロゲンで置換され得る。)、
(h)フェニル、または
(i)−NR(ここで、R及びRは(i)水素及び(ii)−C1−10アルキルであるか、またはR及びRはこれらが結合している窒素原子と一緒に連結して、1個の窒素を有する4〜6員炭素環式環を形成する。)
で置換されており、或いは
15及びR16はこれらが結合している窒素原子と一緒に連結して、1個の窒素を有する4〜6員炭素環式環を形成し、前記炭素環式環は未置換であるかまたは1個以上の
(a)−C1−10アルキル、
(b)−C3−12シクロアルキル、
(c)−(CH−フェニル、
(d)−C2−10アルケニル、または
(e)−C2−10アルキニル
で置換されており、前記したアルキル、アルケニル及びアルキニルは未置換であるかまたは1個以上の(i)ハロ、(ii)−OH、(iii)−CN、(iv)−O−C1−10アルキル、または(v)−C3−12シクロアルキルで置換されており、前記したシクロアルキル及びフェニルは未置換であるかまたは1個以上の(i)ハロ、(ii)−C1−10アルキル、(iii)−OH、(iv)−CN、(v)−C3−12シクロアルキル、または(vi)−O−C1−10アルキルで置換されている。}
からなる群から選択され;
mは0、1、2、3または4であり;
nは0または1であり;
pは1、2、3または4である。]
を有する化合物並びにその医薬的に許容され得る塩及びその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項2】
がC1−10アルキルからなる群から選択され、前記アルキルは場合により1個以上の
(a)ハロ、
(b)−C1−10アルキル、
(c)−O−C1−10アルキル、
(d)−C6−10アリール、または
(e)ヘテロアリール
で置換されており、前記したアリールまたはヘテロアリールは場合により1個以上の(i)ハロ、(ii)−OH、(iii)−CN、(iv)−Q−C1−10アルキル(ここで、アルキルは場合により1個以上のフルオロで置換されている。)、(v)−C1−10アルキル(ここで、アルキルは場合により1個以上のフルオロで置換されている。)で置換されており、Qは(A)−O−または(B)−SO−からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が水素であり、RがC1−10アルキルまたはC6−10アリールである請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
及びRがそれぞれC1−10アルキルである請求項1または2に記載の化合物。
【請求項5】
及びRが一緒に連結して、環炭素原子の1〜3個がO、S、NH、−C(=O)−またはSOで置換されていてもよい3〜7炭素環式環構造を形成し、前記炭素環式環は場合によりC1−10アルキルで置換されている請求項1または2に記載の化合物。
【請求項6】

(1)−C1−10アルキル、
(2)フェニル、及び
(3)ヘテロアリール
からなる群から選択され、前記したアルキル、フェニルまたはヘテロアリールは場合により1個以上の(i)ハロ、(ii)−OH、(iii)−CN、(iv)−Q−C1−10アルキル、(v)−C1−10アルキル、または(vi)−C3−12シクロアルキルで置換されている請求項1から5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
がフェニルである請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
Xが
【化8】

である請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
15がC1−6アルキルであり、R16がC1−6アルキル−C3−12シクロアルキルである請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
式(II)
【化9】

(式中、R、R、R、R及びRは請求項1に定義されている通りである。)
を有する化合物である請求項1に記載の化合物並びにその医薬的に許容され得る塩及びその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項11】
が−O−であり、RがC1−10アルキル(ここで、アルキルは場合により1個以上の(i)ハロ、(ii)−C1−10アルキル、または(vii)−C6−10アリールで置換されている)である請求項8に記載の化合物。
【請求項12】
式(III)
【化10】

(式中、X、R、R、R、R、R、R及びRは請求項1に定義されている通りである)
を有する化合物である請求項1に記載の化合物並びにその医薬的に許容され得る塩及びその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項13】
が(R−SO)N(R)−である請求項10に記載の化合物。
【請求項14】
tert−ブチル(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−2−イソプロピル−1−(1−メチルブチル)−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]エチルカルバミン酸、
tert−ブチル(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−1−イソペンチル−2−イソプロピル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]エチルカルバミン酸、
tert−ブチル(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−{(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]イミダゾリジン−4−イル}エチルカルバミン酸、
tert−ブチル(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−(2−フェニルエチル)イミダゾリジン−4−イル]エチルカルバミン酸、
tert−ブチル{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−ペンチルイミダゾリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸、
[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−1−[2−(1−メチルエトキシ)エチル]−2−(1−メチルエチル)−5−オキソ−4−イミダゾリジニル]−1−(フェニルメチル)エチル]−,1,1−ジメチルエチルエステルカルバミン酸、
tert−ブチル{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−2−イソプロピル−1−(2−メトキシエチル)−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸、
tert−ブチル((1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−{(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]イミダゾリジン−4−イル}エチル)カルバミン酸、
tert−ブチル((1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−{(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−[(1S)−1−フェニルエチル]イミダゾリジン−4−イル}エチル)カルバミン酸、
tert−ブチル{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−(ピリジン−2−イルメチル)イミダゾリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸、
tert−ブチル{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−(ピリジン−3−イルメチル)イミダゾリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸、
tert−ブチル{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−(ピリジン−4−イルメチル)イミダゾリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸、
tert−ブチル((1S,2R)−1−ベンジル−2−{(4S)−1−[(1R)−1,5−ジメチルヘキシル]−2−イソプロピル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル}−2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸、
tert−ブチル((1S,2R)−1−ベンジル−2−{(4S)−1−[(1S)−1,5−ジメチルヘキシル]−2−イソプロピル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル}−2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸、
tert−ブチル((1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−{(4S)−2−イソプロピル−1−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−5−オキソイミダゾリジン−4−イル}エチル)カルバミン酸、
tert−ブチル((1S,2R)−2−{(4S)−1−[2−(1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)エチル]−2−イソプロピル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル}−1−ベンジル−2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸、
tert−ブチル{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−(1−プロピルブチル)イミダゾリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸、
tert−ブチル{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(4S)−1−(3−フルオロベンジル)−2−イソプロピル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸、
tert−ブチル{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(4S)−1−(4−フルオロベンジル)−2−イソプロピル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸、
tert−ブチル((1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−{(4S)−2−イソプロピル−5−オキソ−1−[3−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]イミダゾリジン−4−イル}エチル)カルバミン酸、
tert−ブチル((1S,2R)−1−ベンジル−2−{(4S)−1−[2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−イソプロピル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル}−2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸、
tert−ブチル{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(2S,4S)−1−ベンジル−2−エチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸、
tert−ブチル{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(4S)−1−ベンジル−2−メチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸、
tert−ブチル{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(4S)−1−ベンジル−5−オキソ−2−プロピルイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸、
tert−ブチル{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(4S)−1−ベンジル−2−ブチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸、
tert−ブチル{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(4S)−1−ベンジル−2−イソプロピル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸、
フェニル{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(4S)−1−ベンジル−2−イソプロピル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸、
フェニル{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(2S,4S)−1−ベンジル−2−ブチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸、
フェニル{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(6S)−8−ベンジル−7−オキソ−5,8−ジアザスピロ[3.4]オクタ−6−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸、
フェニル{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(2S)−4−ベンジル−3−オキソ−8−オキサ−1,4−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸、
フェニル{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(2S)−4−ベンジル−8−メチル−3−オキソ−1,4−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸
フェニル{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(4S)−1−ベンジル−2,2−ジブチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸、
フェニル{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(2S)−4−ベンジル−3−オキソ−1,4−ジアザスピロ[4.4]ノナ−2−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸、
フェニル{(1S,2R)−1−ベンジル−2−[(4S)−1−ベンジル−5−オキソ−2−フェニルイミダゾリジン−4−イル]−2−ヒドロキシエチル}カルバミン酸、
フェニル((1S,2R)−1−ベンジル−2−{(4S)−2−ブチル−5−オキソ−1−[(1S)−1−フェニルエチル]イミダゾリジン−4−イル}−2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸、
N−[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]−N’−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[1−(メチルスルホニル)エチル]イソフタルアミド酸、
N−[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]−2−(4−ブチル−2,3−ジオキソピペラジン−1−イル)アセトアミド、
N’−[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]−N,N−ジプロピルイソフタルアミド酸、
N−[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]ベンズアミド、
N−[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]−2−フェニルアセトアミド、
tert−ブチル[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]カルバミン酸、
フェニル[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]カルバミン酸、
N−[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]アセトアミド、
tert−ブチル[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2−メチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]カルバミン酸、
tert−ブチル3−ベンジル−5−{(2S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−1−ヒドロキシ−3−フェニルプロピル}−2−メチル−4−オキソイミダゾリジン−1−カルボン酸、
N−[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2−メチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]−N’−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソフタルアミド酸、
フェニル[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2−メチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]カルバミン酸、
N−{(1S,2S)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−[(4S)−1,2,2−トリメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル]エチル}−N’−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソフタルアミド酸、
5N−[(1S)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−(1,2,2−トリメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)エチル]−N’−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソフタルアミド酸、
N−[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2−ヒドロキシエチル]−2−クロロ−6−(メチル{[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)イソニコチンアミド、
N−[(1S)−1−ベンジル−2−(1−ベンジル−2,2−ジメチル−5−オキソイミダゾリジン−4−イル)−2ヒドロキシエチル]−2−(メチル{[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチンアミド
からなる群から選択される請求項1に記載の化合物及びその医薬的に許容され得る塩。
【請求項15】
治療有効量の請求項1に記載の化合物及び医薬的に許容され得る担体を含む医薬組成物。
【請求項16】
アルツハイマー病の治療を要する患者に対して治療有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む前記患者におけるアルツハイマー病の治療方法。

【公表番号】特表2009−515964(P2009−515964A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−541230(P2008−541230)
【出願日】平成18年11月10日(2006.11.10)
【国際出願番号】PCT/US2006/043536
【国際公開番号】WO2007/058862
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】