説明

イソキノリン系カリウムチャンネル阻害薬

本発明は、心不整脈などを治療するためのカリウムチャンネル阻害薬として有用な構造(I)を有する化合物に関するものである。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くカリウムチャンネル阻害薬として有用な化合物に関するものである。この種類の化合物は、心不整脈などの治療および予防でのKv1.5拮抗薬として、および免疫抑制、自己免疫疾患などの治療でのKv1.3阻害薬として有用であり得る。
【背景技術】
【0002】
電圧依存性カリウムチャンネル(Kv)は、4つのαサブユニットからなる多量体膜タンパク質であり、補助βサブユニットを伴う場合が多い。Kvチャンネルは通常は静止膜電位で閉じているが、膜脱分極時に開く。これは、活動電位の再分極に関与していることから、神経繊維および筋繊維の電気興奮性に関与している。
【0003】
カリウムチャンネルのKv1類は、少なくとも7種類のファミリー構成員からなり、Kv1.1、Kv1.3、Kv1.5などと称される。機能的電圧依存性Kチャンネルは、同一のサブユニットからなるホモオリゴマー、または異なるサブユニット構成のヘテロオリゴマーとして存在し得る。この現象によって、Kチャンネルの広い多様性が説明されると考えられる。しかしながら、自然Kチャンネルのサブユニット構成および特定のチャンネルが果たす生理的役割については、多くの場合現在も未解明である。
【0004】
Kv1.3電圧依存性カリウムチャンネルは、ニューロン、血球、破骨細胞およびT−リンパ球で認められる。Kv1.3阻害による膜脱分極は、T細胞増殖を防止する上で有効な方法であることが明らかになっていることから、多くの自己免疫状態で利用される。ヒトT−リンパ球の原形質膜でのKチャンネルの阻害は、T細胞活性化において重要であることが認められている、細胞内Ca++ホメオスタシスを調節することによる免疫抑制応答を誘発する上で何らかの役割を果たすものと推定されている。Kv1.3チャンネルの遮断は、免疫抑制応答を誘発する新規な機序として提案されている(Chandy et al., J. Exp. Med. 160: 369, 1984; Decoursey et al., Nature, 307: 465, 1984)。しかしながら、これらの初期の試験で使用されたKチャンネル遮断剤は非選択的であった。後の研究において、T細胞中のKv1.3のみを遮断するマルガトキシン(Margatoxin)が、インビトロおよびインビボの両方のモデルで免疫抑制活性を示すことが明らかになっている(Lin et al., J. Exp. Med, 177: 637, 1993)。しかしながら、この化合物の治療上の有用性は、それの強い毒性によって制限されている。最近、ある種の化合物が、上記薬剤に代わるものとして有望である可能性があると報告されている(米国特許第5670504号;5631282号;5696156号;5679705号;および5696156号)。これらの化合物は、過去の薬剤の活性/毒性の問題の一部に対処するものであるが、分子量が大きく、天然物の合成手法によって製造されるものであって、単離は面倒であり、労働集約的である。
【0005】
心房細動(AF)は、臨床的実務において最も一般的な持続性心臓不整脈であり、集団の年齢が高くなるに連れてその罹患率が高くなるように思われる。控えめな見積もりでは、>200万人のアメリカ人がAFに罹患しており、心血管疾患による入院全体の5%超を占め、卒中のリスクを3〜5倍高めていることが示されている(Kannel et al, Am. J. Cardiol., 82: 2N-9N, 1998)。AFが致死的であることは希であるが、これは心臓機能を障害する可能性があり、鬱血性心不全、血栓塞栓症または心室細動などの合併症を生じる場合がある。
【0006】
リエントリー興奮(リエントリー)が、ヒトでの上室性不整脈の基礎となる顕著な機序であることが明らかになっている(Nattel, S., Nature, 415: 219-226, 2002)。リエントリー興奮は、複数のリエントリー回路の開始および維持が同時に共存し、AFを維持できるようにする上で、遅い伝導速度と十分に短い不応期との間の非常に重要なバランスを必要とする。活動電位持続時間(APD)を延長することによる心筋の不応状態延長によって、リエントリー性不整脈が防止されおよび/または終止する。活動電位持続時間は、再分極カリウム電流IKr、IKsおよびIKurならびに一過性外向き電流Itoの寄与によって決まる。従って、これらの電流のいずれかの遮断剤は、APDを延長し、抗不整脈効果を生じると予想されるであろう。
【0007】
現在使用可能な抗不整脈剤は、心室性および心房性/上室性不整脈の治療向けに開発されたものである。悪性心室性不整脈は、直ちに生命に危険を及ぼすものであり、緊急治療が必要である。心室性不整脈向けの薬物療法には、クラスIa(例:プロカインアミド、キニジン)、クラスIc(例:フレカイニド、プロパフェノン)およびクラスIII(アミオダロン)薬などがあり、これらは催不整脈作用のリスクがかなり高くするものである。これらのクラスIおよびIII薬は、AFを洞律動に変換し、AFの再発を防止することが明らかになっているが(Mounsey, JP, DiMarco, JP, Circulation, 102: 2665-2670)、致死的となり得る心室催不整脈作用のリスクが許容できないものになり、死亡率を上昇させる可能性がある(Pratt, CM, Moye, LA, Am J. Cardiol., 65 : 20B-29B, 1990; Waldo et al, Lancet, 348: 7-12, 1996; Torp-Pedersen et al, Expert Opin. Invest. Drugs, 9: 2695-2704, 2000)。これらの所見は、心房性不整脈治療用のより安全でより効力の高い薬剤を開発することが医学的に求められており、まだそれが満足されていないことを示すものである。
【0008】
クラスIII抗不整脈薬は、心臓伝導または収縮機能の重大な抑制を起こすことなく、APDの選択的延長を生じさせる。心房細動での臨床用途に承認されている唯一の選択的クラスIII薬はドフェチリドであり、これはヒトでの心房および心室の両方で認められるIの急速活性化成分であるIKrを遮断することで抗不整脈効果に介在するものである(Mounsey, JP, DiMarco, JP, Circulation, 102: 2665-2670)。IKr遮断薬は伝導自体には影響を与えることなく、心房および心室の両方でAPDおよび不応状態を延長することから、理論上は、AFのような不整脈の治療に有用な薬剤となり得る(Torp-Pedersen, et al, Expert Opin. Invest. Drugs, 9: 2695-2704, 2000)。しかしながら、これらの薬剤は、低心拍数での催不整脈作用のリスクを高める主要な要因となる。例えば、これらの化合物を用いた場合に、多形性心室頻拍が認められている(Roden, D. M. ″Current Status of Class III Antiarrhythmic Drug Therapy″, Am J. Cardiol., 72: 44B-49B, 1993)。低心拍数でのこの悪化する作用は、「逆頻度依存」と称されており、頻度非依存性作用や前方頻度依存性作用とは対照的である(Hondeghem, L. M. ″Development of Class III Antiarrhythmic Agents″ J. Cardiovasc. Cardiol., 20 (Suppl. 2): S17-S22)。アミオダロンは、興味深いクラスIII特性を有することが明らかになっている(Singh B. N., Vaughan Williams E. M. ″A Third Class Of Anti-Arrhythmic Action: Effects On Atrial And Ventricular Intracellular Potentials And Other Pharmacological Actions On Cardiac Muscle, of MJ 1999 and AH 3747″Br. J. Pharmacol., 39: 675-689, 1970; Singh B. N., Vaughan Williams E. M, ″The Effect Of Amiodarone, A New Anti-Anginal Drug, On Cardiac Muscle″, Br. J. Pharmacol., 39: 657-667, 1970)が、それは複数のイオンチャンネルを行うことから選択的クラスIII薬ではない。さらに、それの使用は、副作用プロファイルのためにかなりの制限を受ける(Nademanee, K. ″The Amiodarone Odyssey″. J. Am. Coll. Cardiol., 20: 1063-1065, 1992; Fuster et al, Circulation, 104: 2118-2150, 2001; Bril, A. Curr. Opin. Pharmacol. 2: 154-159, 2002)。そこで、アミオダロンおよびクラスIII薬などの現在入手可能な薬剤では、致死性となり得る心室催不整脈作用の発症などの副作用のリスクがかなり高くなる。
【0009】
超高速遅延整流K電流であるIKurが、ヒト心房で特異的に認められているが、心室では認められていない。ヒト心房でのIKurの分子相関は、カリウムチャンネル指定Kv1.5である。Kv1.5mRNA(Bertaso, Sharpe, Hendry, and James, Basic Res. Cardiol., 97: 424-433, 2002)およびタンパク質(Mays, Foose, Philipson, and Tamkun, J. Clin. Invest., 96: 282-292, 1995)が、ヒト心房組織で検出されている。無傷のヒト心房心筋では、持続的外向き電流IsusまたはIsoとも称される超高速活性化遅延整流K電流(IKur)が確認されており、その電流はヒトKチャンネルクローン(hKv1.5、HK2)[Wang, Fermini and Nattel, Circ. Res., 73: 1061-1076, 1993 ; Fedida et al., Circ. Res. 73: 210-216, 1993; Snyders, Tamkun and Bennett, J. Gen. Physiol., 101: 513-543, 1993]およびラット脳からの同様のクローン(Swanson et al., Neuron, 4: 929-939, 1990)によって発現されるものと同じ特性および動態を有する。さらに、活性化が急速であり、緩徐不活性化が限定的であることから、IKurはヒト心房での再分極にかなり寄与すると考えられている。結果的に、IKurの特異的遮断薬、すなわちKv1.5を遮断する化合物は、現在のクラスIII薬での治療時に認められる催不整脈性後脱分極および後天性QT延長症候群の基礎疾患である心室細分極における遅延を起こすことなく、ヒト心房での再分極の遅延によって不応状態を延長することにより、他の化合物の欠点を克服するものと考えられる。それらの特性を示すKv1.5遮断薬について報告されている(Peukert et al, J. Med. Chem., 46: 486-498, 2003; Knobloch et al, Naunyn-Schmedieberg′s Arch. Pharmacol. 366: 482-287, 2002; Merck & Co., Inc. WO0224655, 2002)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明で記載の化合物は、新規な構造のKv1.5拮抗薬類を代表するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、下記一般構造式Iのカリウムチャンネル阻害薬に関するものである。
【0012】
【化10】

本発明の化合物は、心不整脈などの治療および予防において有用である。式Iの化合物および医薬担体を含む医薬製剤も、本発明の範囲に含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、下記式Iの化合物またはそれの製薬上許容される塩、結晶形もしくは水和物である。
【0014】
【化11】

式中、
Aは、
a)アリール環、ここにおいて、
安定なアリール環原子は、独立に、未置換であるか、
1)ハロゲン、
2)NO
3)CN、
4)CR46=C(R4748
5)C≡CR46
6)(CROR46
7)(CRN(R4647)、
8)(CRC(O)R46
9)(CRC(O)OR46
10)(CR46
11)(CRS(O)0−261
12)(CRS(O)0−2N(R4647)、
13)OS(O)0−261
14)N(R46)C(O)R47
15)N(R46)S(O)0−261
16)(CRN(R46)R61
17)(CRN(R46)R61OR47
18)(CRN(R46)(CRC(O)N(R4748)、
19)N(R46)(CR61
20)N(R46)(CRN(R4748)、
21)(CRC(O)N(R4748)または
22)オキソ
で置換され;
b)ヘテロアリール環、ここにおいて、このヘテロアリール環は、
N、OまたはSからなる群から選択される1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子を有する5員不飽和単環式環、
N、OおよびSからなる群から選択される1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子を有する6員不飽和単環式環、および
N、OまたはSからなる群から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子環原子を有する9もしくは10員不飽和二環式環
からなる群から選択され
[上記において、安定なSヘテロアリール環原子は、未置換であるかオキソでモノもしくはジ置換されており;安定なCまたはNヘテロアリール環原子は独立に、未置換であるか、
1)ハロゲン、
2)NO
3)CN、
4)CR46=C(R4748
5)C≡CR46
6)(CROR46
7)(CRN(R4647)、
8)(CRC(O)R46
9)(CRC(O)OR46
10)(CR46
11)(CRS(O)0−261
12)(CRS(O)0−2N(R4647)、
13)OS(O)0−261
14)N(R46)C(O)R47
15)N(R46)S(O)61
16)(CRN(R46)R61
17)(CRN(R46)R61OR47
18)(CRN(R46)(CRC(O)N(R4748)、
19)N(R46)(CR61
20)N(R46)(CRN(R4748)、
21)(CRC(O)N(R4748)、または
22)オキソ
で置換されている。]、または
c)1または2個の窒素原子を有し、未置換であるかC〜Cアルキルでモノ置換またはジ置換された4、5もしくは6員複素環
であり;
Yは、CH、NR53、NC(O)R53、S(O)0−2またはOであり;
Gは、HまたはOであり;
、R、R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは独立に、
1)水素、
2)C〜Cアルキル、
3)ハロゲン、
4)アリール、
5)R80
6)C〜C10シクロアルキルおよび
7)OR
からなる群から選択され、
前記アルキル、アリールおよびシクロアルキルは、未置換であるか、Rでモノ置換されているか、RおよびR15でジ置換されているか、R、R15およびR16でトリ置換されているか、あるいはR、R15、R16およびR17でテトラ置換されており;
は独立に、
1)水素、
2)ハロゲン、
3)NO
4)CN、
5)CR40=C(R4142)、
6)C≡CR40
7)(CROR40
8)(CRN(R4041)、
9)(CRC(O)R40
10)(CRC(O)OR40
11)(CR40
12)(CRS(O)0−2
13)(CRS(O)0−2N(R4041)、
14)OS(O)0−2
15)N(R40)C(O)R41
16)N(R40)S(O)0−2
17)(CRN(R40)R
18)(CRN(R40)ROR41
19)(CRN(R40)(CRC(O)N(R4142)、
20)N(R40)(CR
21)N(R40)(CRN(R4142)、
22)
【0015】
【化12】

23)
【0016】
【化13】

24)
【0017】
【化14】

25)(CRC(O)N(R4142)および
26)未置換であるか、−OHでモノ置換、ジ置換もしくはトリ置換されている1個の窒素原子を有する4、5または6員複素環
から選択され;
、R、RおよびR10は独立に、
1)水素、
2)ハロゲン、
3)NO
4)CN、
5)CR43=C(R4445)、
6)C≡CR43
7)(CROR43
8)(CRN(R4344)、
9)(CRC(O)R43
10)(CRC(O)OR43
11)(CR43
12)(CRS(O)0−260
13)(CRS(O)0−2N(R4344)、
14)OS(O)0−260
15)N(R43)C(O)R44
16)N(R43)S(O)0−260
17)(CRN(R43)R60
18)(CRN(R43)R60OR44
19)(CRN(R43)(CRC(O)N(R4445)、
20)N(R43)(CR60
21)N(R43)(CRN(R4445)および
22)(CRC(O)N(R4344
から選択され;または
およびRは独立に上記で定義の通りであり、RおよびR10はそれらが結合している原子とともに、下記の環:
【0018】
【化15】

を形成しており(式中、RはC1−6アルキルである。);
、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、R48、R49、R50、R51、R52およびR53は独立に、
1)水素、
2)C〜Cアルキル、
3)C〜C10シクロアルキル、
4)アリール、
5)R81
6)CF
7)C〜Cアルケニルおよび
8)C〜Cアルキニル
から選択され、
前記アルキル、アリールおよびシクロアルキルは、未置換であるか、R18でモノ置換されているか、R18およびR19でジ置換されているか、R18、R19およびR20でトリ置換されているか、あるいはR18、R19、R20およびR21でテトラ置換されており;
は独立に、
1)水素、
2)ハロゲン、
3)CN、
4)C(O)N(R4950)、
5)C(O)OR49
6)S(O)0−2N(R4950)、
7)S(O)0−262
8)C〜Cアルキル、
9)C〜C10シクロアルキル、
10)R82
から選択され;
前記アルキル、アリールおよびシクロアルキルは、未置換であるか、R22でモノ置換されているか、R22およびR23でジ置換されているか、R22、R23およびR24でトリ置換されているか、あるいはR22、R23、R24およびR25でテトラ置換されており;
、R60、R61、R62およびR63は独立に、
1)C〜Cアルキル、
2)アリール、
3)R83および
4)C〜C10シクロアルキル
から選択され;
前記アルキル、アリールおよびシクロアルキルは、未置換であるか、R26でモノ置換されているか、R26およびR27でジ置換されているか、R26、R27およびR28でトリ置換されているか、あるいはR26、R27、R28およびR29でテトラ置換されており;
、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29およびR70は独立に、
1)C〜Cアルキル、
2)ハロゲン、
3)OR51
4)CF
5)アリール、
6)C〜C10シクロアルキル、
7)R84
8)S(O)0−2N(R5152)、
9)C(O)OR51
10)C(O)R51
11)CN、
12)C(O)N(R5152)、
13)N(R51)C(O)R52
14)S(O)0−263
15)NOおよび
16)N(R5152
から選択され;
80、R81、R82、R83およびR84は独立に、N、OおよびSからなる群から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子環原子を有する4〜6員不飽和または飽和単環式環ならびにN、OまたはSからなる群から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子環原子を有する9員もしくは10員不飽和または飽和二環式環からなる未置換もしくは置換複素環の群から選択され;
n、p、q、r、sおよびtは独立に、0、1、2、3、4、5または6であり;
uは、0、1または2であり;
vは、0、1または2である。
【0019】
本発明の化合物の1群またはそれの製薬上許容される塩において、Aがa)上記で定義の未置換または置換フェニルから選択されるアリール環、b)ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、インドール、ピロロピリジン、ベンズイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾオキサジアゾールからなる群から選択される上記で定義の未置換または置換ヘテロアリール環、またはc)上記で定義の4、5もしくは6員複素環であり;
、R、RおよびR10が独立に、
1)水素、
2)ハロゲン、
3)OR43および
4)(CR43
からなる群から選択され;または
およびRが独立に上記で定義の通りであり;RおよびR10がそれが結合している原子とともに、下記の環:
【0020】
【化16】

を形成しており(RはC1−6アルキルである。);
が独立に、
1)水素、
2)ハロゲン、
3)CN、
4)OR40
5)N(R4041)、
6)C(O)OR40
7)R81
8)S(O)0−2
9)N(R40)(CR(R=R83)、
10)N(R40)(CRN(R4142)、
11)
【0021】
【化17】

12)
【0022】
【化18】

13)C(O)N(R4142)および
14)未置換であるか−OHでモノ、ジもしくはトリ置換された1個の窒素原子を有する4、5または6員複素環
から選択される。
【0023】
この化合物群の1小群またはそれらの製薬上許容される塩において、R、RおよびR10は独立に、水素およびハロゲンから選択され;RはOCHまたはOCHFである。
【0024】
前記化合物小群の1集合またはそれの製薬上許容される塩において、Rは、−SCH、−SOCH、−NH(CHOH、−NH(CHOH、−NH(CHOCH、−NH(CHOCH、−NH(CHNH、−NH、−SOCHCH、−CN、Cl、−OCH、−OCHCHCH、−OCHCH(OH)CHOH、−NHCHCHCH、−CH、−CHCHOH、−O(CHCHCH、−O(CHCH(OH)(CHOH)、−NHCH(CHOH)、−NHCHCH(OH)CHOH、−NH(CHCH(OH)CHOH、
【0025】
【化19】

からなる群から選択される。
【0026】
前記化合物集合の1小集合またはそれの製薬上許容される塩において、Aは、
1)安定な環原子が未置換であるかハロゲンで置換されているフェニル、
2)安定なC環原子が未置換であるかハロゲンで置換されているピリジニル、
3)安定なCまたはN環原子が未置換であるかハロゲンで置換されているインドリルおよび
4)未置換であるか、C〜Cアルキルでモノ置換またはジ置換されたピロリジン、ピペリジン、ピペラジンおよびアゼチジンからなる群から選択される複素環
からなる群から選択される。
【0027】
前記化合物小集合の1分類またはそれの製薬上許容される塩において、Rは、CNおよびC〜Cアルキルからなる群から選択され;前記アルキルは、未置換であるか、R22でモノ置換されているか、R22およびR23でジ置換されているか、R22、R23およびR24でトリ置換されているか、あるいはR22、R23、R24およびR25でテトラ置換されている。
【0028】
好ましい実施形態は、
[(6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−イル)メチル]ジメチルアミン、
1−(1−クロロ−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミン、
{[6−メトキシ−1−(メチルチオ)−4−フェニルイソキノリン−3−イル]メチル}ジメチルアミン、
[6−メトキシ−1−(メチルスルホニル)−4−フェニルイソキノリン−3−イル]メチル(ジメチル)アミンオキサイド、
1−[6−メトキシ−1−(メチルスルホニル)−4−フェニルイソキノリン−3−イル]−N,N−ジメチルメタンアミン、
3−[(ジメチルアミノ)メチル]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−1−カルボニトリル、
2,3−ジメチル−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリニウム・ヒドロキシド、
6−メトキシ−1−(2−メトキシメトキシ)−3−メチル−4−フェニルイソキノリン、
{3−[(6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1−イル)オキシ]プロピル}アミン、
2−[(6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1−イル)アミノ]エタノール、
6−メトキシ−3−メチル−1−(メチルスルホニル)−4−フェニルイソキノリン、
6−メトキシ−N−(2−メトキシエチル)−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1−アミン、
N−(6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1−イル)エタン−1,2−ジアミン、
6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン、
N−(3,4−ジメトキシベンジル)−6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1−アミン、
6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1−アミン、
1−(エチルスルホニル)−6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン、
1−(ベンジルスルホニル)−6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン、
6−メトキシ−3−メチル−4−フェニル−1−(フェニルスルホニル)イソキノリン、
6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1−カルボニトリル、
3−tert−ブチル−6−メトキシ−1−(2−メトキシメトキシ)−4−フェニルイソキノリン、
1−クロロ−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−1,3−ジカルボニトリル、
1−(アリルオキシ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
(アリルアミノ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−1−[(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−{[(2S)−2,3−ジヒドロキシプロピル]アミノ}−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−{[(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピル]アミノ}−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−1−[(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−{[(4S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル]メトキシ}−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−{[(4R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル]メトキシ}−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−{[(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピル]オキシ}−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−{[(2S)−2,3−ジヒドロキシプロピル]オキシ}−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−1−{[2,3−ジヒドロキシプロピル]オキシ}−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[(3R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−1−[3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[シス−3,4−ジヒドロキシピロリジン−1−イル]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
6−メトキシ−4−フェニル−1−ピロリジン−1−イルイソキノリン−3−カルボニトリル、
6−メトキシ−1−(メチルスルホニル)−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1,6−ジメトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−クロロ−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシ−1−メチルイソキノリン−3−カルボニトリル、
4−(3−フルオロフェニル)−1−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−アミノ−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
4−(3−フルオロフェニル)−1−[(3−ヒドロキシプロピル)アミノ]−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−(ブト−3−エンイルオキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−1−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[(2R)−2,3−ジヒドロキシプロポキシ]−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[(2S)−2,3−ジヒドロキシプロポキシ]−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−1−(3,4−ジヒドロキシブトキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−1−[(3R)−3,4−ジヒドロキシブトキシ]−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[(3S)−3,4−ジヒドロキシブトキシ]−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−1−[(1,4−ジオキサン−2−イルメチル)アミノ]−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[(1,4−ジオキサン−(2R)−2−イルメチル)アミノ]−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[(1,4−ジオキサン−(2S)−2−イルメチル)アミノ]−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシ−1−[(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)メトキシ]イソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−1−(1,3−ジオキソラン−4−イルメトキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−(1,3−ジオキソラン−(4R)−4−イルメトキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−(1,3−ジオキソラン−(4S)−4−イルメトキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−(1,3−ジオキサン−5−イルオキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
4−(3−フルオロフェニル)−1−{[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ}−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
4−(3−フルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−5−イルメトキシ)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−{[(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピル]アミノ}−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−{[(2S)−2,3−ジヒドロキシプロピル]アミノ}−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−1−{[2,3−ジヒドロキシプロピル]アミノ}−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−(1H−イミダゾール−1−イル)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
6−メトキシ−4−フェニル−1−[(ピリジン−2−イルメチル)アミノ]イソキノリン−3−カルボニトリル、
6−メトキシ−4−フェニル−1−[(2−ピリジン−2−イルエチル)アミノ]イソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−1−[(3,4−ジヒドロキシブチル)アミノ]−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[(3R)−(3,4−ジヒドロキシブチル)アミノ]−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[(3S)−(3,4−ジヒドロキシブチル)アミノ]−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−クロロ−4−(2−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
4−(2−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−1−[(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]−4−(2−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[(2S)−(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]−4−(2−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[(2R)−(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]−4−(2−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−6−(ジフルオロメトキシ)−1−{[2,3−ジヒドロキシプロピル]アミノ}−4−(3−フルオロフェニル)イソキノリン−3−カルボニトリル、
6−(ジフルオロメトキシ)−1−{[(2S)−2,3−ジヒドロキシプロピル]アミノ}−4−(3−フルオロフェニル)イソキノリン−3−カルボニトリル、
6−(ジフルオロメトキシ)−1−{[(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピル]アミノ}−4−(3−フルオロフェニル)イソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−6−(ジフルオロメトキシ)−1−{[2,3−ジヒドロキシプロピル]オキシ}−4−(3−フルオロフェニル)イソキノリン−3−カルボニトリル、
6−(ジフルオロメトキシ)−1−{[(2S)−2,3−ジヒドロキシプロピル]オキシ}−4−(3−フルオロフェニル)イソキノリン−3−カルボニトリル、
6−(ジフルオロメトキシ)−1−{[(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピル]オキシ}−4−(3−フルオロフェニル)イソキノリン−3−カルボニトリル、
1−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−アゼチジン−1−イル−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−1−[トランス−3,4−ジヒドロキシピロリジン−1−イル]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[(3R,4R)−3,4−ジヒドロキシピロリジン−1−イル]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[(3S,4S)−3,4−ジヒドロキシピロリジン−1−イル]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルおよび
6−メトキシ−N−(3−メトキシプロピル)−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1−アミン
からなる群から選択される化合物またはそれの製薬上許容される塩である。
【0029】
上記の化合物は、下記のKv1.5に関する1以上のアッセイで活性である。
【0030】
本発明の別の実施形態は、Kv1.5阻害によって実行または促進される哺乳動物における状態の治療または予防方法であって、Kv1.5の阻害に有効な量の式Iの化合物を投与する段階を有する方法である。
【0031】
好ましい実施形態は、哺乳動物での心房細動、心房粗動、心房性不整脈および上室性頻拍症などの心不整脈の治療もしくは予防方法であって、治療上有効量の式Iの化合物を投与する段階を有する方法である。
【0032】
別の好ましい実施形態は、卒中などの血栓塞栓事象の予防方法である。
【0033】
別の好ましい実施形態は、鬱血性心不全の予防方法である。
【0034】
別の好ましい実施形態は、免疫抑制あるいはAIDS、癌、老人性認知症、外傷(創傷治癒、手術およびショックなど)、慢性細菌感染、臓器もしくは組織の移植による抵抗などのある種の中枢神経系の障害および状態、骨髄移植によって生じる移植片対宿主病などの免疫抑制が関与する障害の治療または予防方法である。この実施形態の範囲内には、本発明の化合物を免疫抑制化合物とともに投与することによる免疫抑制の治療または予防方法が含まれる。
【0035】
別の好ましい実施形態は、相対的に悪性度の低いものおよび高いもの、好ましくは悪性度の高い神経膠腫の治療もしくは予防方法である。
【0036】
別の好ましい実施形態は、心房細動患者において、正常洞律動の状態を誘発する方法であって、その患者を本発明の化合物で治療する段階を有し、誘発された律動がその患者と同様の大きさおよび年齢特性を共有する個体において正常と考えられる律動に相当するものである、前記方法である。
【0037】
別の好ましい実施形態は、患者での頻脈(すなわち、例えば100回/分などの急速な心拍)の治療方法であって、請求項1の化合物との併用で抗頻脈機器で前記患者を治療する段階を有する方法である。
【0038】
本発明はさらに、製薬上許容される担体ならびに式Iの化合物またはそれの製薬上許容される結晶形もしくは水和物を含む医薬製剤も包含する。好ましい実施形態は、さらに第2の薬剤を含む式Iの化合物の医薬製剤である。
【0039】
本発明の化合物は、不斉中心または不斉軸を有する場合があり、本発明は光学異性体およびそれらの混合物を全て包含するものである。具体的に別段の断りがない限り、1種類の異性体についての言及は、両方の異性体に当てはまるものである。
【0040】
さらに、炭素−炭素二重結合を有する化合物は、Z型およびE型で得られる場合があり、その化合物の全ての異性体型が本発明に含まれる。
【0041】
断りがある場合を除いて本明細書で使用される場合の「アルキル」は、全ての異性体を含めて、指定数の炭素原子を有する分岐および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むものである。アルキル基について一般に使用される略称を本明細書を通じて使用しており、例えばメチルは「Me」またはCHによって表すことができ、エチルは「Et」またはCHCHによって表すことができ、プロピルは「Pr」またはCHCHCHによって表すことができ、ブチルは「Bu」またはCHCHCHCHによって表すことができるなどである。例えば「C1−6アルキル」(または「C〜Cアルキル」)は、全ての異性体を含む指定数の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルキル基を意味する。C1−6アルキルには、全てのヘキシルアルキルおよびペンチルアルキル異性体ならびにn−、イソ−、sec−およびt−ブチル、n−およびイソプロピル、エチルおよびメチルなどがある。「C1−4アルキル」は、n−、イソ−、sec−およびt−ブチル、n−およびイソプロピル、エチルおよびメチルを意味する。「アルコキシ」という用語は、酸素架橋を介して結合している指定数の炭素原子の直鎖もしくは分岐アルキル基を表す。
【0042】
「アルケニル」という用語は、二重結合によって連結された少なくとも2個の炭素原子を有する分岐および直鎖の両方の不飽和炭化水素基を含む。例えば、アルケンエチレンは「CHCH」によって、あるいは「HC=CH」によって表される。例えば「C2−5アルケニル」(または「C〜Cアルケニル」)は、2〜5個の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルケニル基を意味し、それには全てのペンテニル異性体ならびに1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−プロペニル、2−プロペニルおよびエテニル(またはエチレニル)などがある。「C2−3アルケニル」などの同様の用語は、類似の意味を有する。
【0043】
「アルキニル」という用語は、三重結合によって連結された少なくとも2個の炭素原子を有する分岐および直鎖の両方の不飽和炭化水素基を含む。例えばアルキンであるアセチレンは「CHCH」または「HC≡CH」によって表される。例えば「C2−5アルキニル」(または「C〜Cアルキニル」)は、2〜5個の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルキニル基を意味し、全てのペンチニル異性体ならびに1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−プロピニル、2−プロピニルおよびエチニル(またはアセチレニル)を含む。「C2−3アルキニル」などの同様の用語は、類似の意味を有する。
【0044】
別段の断りがない限り、アルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、未置換であるか、各炭素原子上で1〜3個の置換基で置換されており、これにはハロ、C〜C20アルキル、CF、NH、N(C〜Cアルキル)、NO、オキソ、CN、N、−OH、−O(C〜Cアルキル)、C〜C10シクロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、(C〜Cアルキル)S(O)0−2−、(C〜Cアルキル)S(O)0−2(C〜Cアルキル)−、(C〜Cアルキル)C(O)NH−、HN−C(NH)−、−O(C〜Cアルキル)CF、(C〜Cアルキル)C(O)−、(C〜Cアルキル)OC(O)−、(C〜Cアルキル)O(C〜Cアルキル)−、(C〜Cアルキル)C(O)1−2(C〜Cアルキル)−、(C〜Cアルキル)OC(O)NH−、アリール、アラルキル、複素環、複素環アルキル、ハロ−アリール、ハロ−アラルキル、ハロ−複素環、ハロ−複素環アルキル、シアノ−アリール、シアノ−アラルキル、シアノ−複素環およびシアノ−複素環アルキルがある。
【0045】
「C0−6アルキル」などの表現で用いられる「C」という用語は、直接共有結合を意味する。同様に、ある基における一定数の原子の存在を規定する整数が0に等しい場合、それに隣接する原子が結合によって直接連結されていることを意味する。例えば、下記構造:
【0046】
【化20】

(式中、wは0、1または2に等しい整数である。)において、その構造はwが0の時には
【0047】
【化21】

となる。
【0048】
「C3−8シクロアルキル」(または「C〜Cシクロアルキル」)という用語は、3〜8個の合計炭素原子を有するアルカンの環状物を意味する(すなわち、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチル)。「C3−7シクロアルキル」。「C3−6シクロアルキル」、「C5−7シクロアルキル」などは、類似の意味を有する。
【0049】
「ハロゲン」(または「ハロ」)という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を指す(あるいはフルオロ(F)、クロロ(Cl)、ブロモ(Br)およびヨード(I)とも称される)。
【0050】
「C1−6ハロアルキル」(あるいは「C〜Cハロアルキル」または「ハロゲン化C〜Cアルキル」と称しても良い)という用語は、1以上のハロゲン置換基を有する上記で定義のC〜C直鎖または分岐アルキル基を意味する。「C1−4ハロアルキル」という用語は、類似の意味を有する。「C1−6フルオロアルキル」という用語は、ハロゲン置換基がフッ素に限定される以外は類似の意味を有する。好適なフルオロアルキルには、一連の(CH0−4CF(すなわち、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロ−n−プロピルなど)などがある。
【0051】
本明細書で使用される「炭素環」(および「炭素環式」または「炭素環系」などのそれの変形型)という用語は、別段の断りがない限り、(i)C〜Cの単環式飽和もしくは不飽和環あるいは(ii)C〜C12の二環式飽和または不飽和環系を指す。(ii)における各環は、他方の環から独立であるか、あるいはそれに縮合しており、各環は飽和または不飽和である。炭素環は、安定な化合物を与えるいずれかの炭素原子で分子の残りの部分に結合していることができる。縮合二環式炭素環は、炭素環の1下位集合である。すなわち「縮合二環式炭素環」という用語は、各環が飽和または不飽和であり、2個の隣接する炭素原子が環系の各環によって共有されているC〜C10二環式環系を指す。一方の環が飽和であり、他方が飽和である縮合二環式炭素環は、飽和二環式環系である。一方の環がベンゼンであり、他方が飽和である縮合二環式炭素環は、不飽和二環式環系である。一方の環がベンゼンであり、他方が不飽和である縮合二環式炭素環は、不飽和環系である。飽和炭素環は、シクロアルキル環とも称され、例えばシクロプロピル、シクロブチルなどがある。別段の断りがない限り、炭素環は未置換であるかC1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、アリール、ハロゲン、NHまたはOHで置換されている。縮合二環式不飽和炭素環の1下位集合は、一方の環がベンゼン環であり、他方の環が飽和または不飽和であって、安定な化合物を与えるいずれかの炭素を介して結合している二環式炭素環である。その下位集合の代表的な例には、
【0052】
【化22】

などがある。
【0053】
「アリール」という用語は、芳香族の単環式および多環式炭素環系を指し、多環系における個々の炭素環は縮合しているか単結合を介して互いに結合している。好適なアリール基には、フェニル、ナフチルおよびビフェニレニルなどがある。
【0054】
「複素環」(ならびに「複素環式」または「複素環系」などのそれの別表現)は広くは、(i)安定な4〜8員の飽和もしくは不飽和単環式環または(ii)安定な7〜12員の二環式環系を指し;(ii)における各環は他方の環または複数の環から独立であるかそれに縮合しており、各環は飽和または不飽和であり、前記単環式環または二環式環系はN、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子(例えば、1〜6個のヘテロ原子または1〜4個のヘテロ原子)および残りの炭素原子(単環式環は代表的には少なくとも1個の炭素原子を有し、その環系は代表的には少なくとも2個の炭素原子を有する)を有し;1以上の前記窒素および硫黄ヘテロ原子のうちのいずれか1以上が酸化されていても良く、前記窒素ヘテロ原子のいずれか1以上が4級化されていても良い。複素環は、結合によって安定な構造が形成される場合に、いずれかのヘテロ原子または炭素原子で結合することができる。複素環が置換基を有する場合、その置換基は、ヘテロ原子であるか炭素原子であるかを問わず、安定な化学構造が得られるのであれば、いずれの環原子に結合していても良いことは明らかである。
【0055】
本明細書で使用される場合、「置換C〜C10シクロアルキル」、「置換アリール」および「置換複素環」という用語は、化合物の残りの部分への結合箇所以外に1〜3個の置換基を有する環状基を含むものである。好ましくはその置換基は、ハロ、C〜C20アルキル、CF、NH、N(C〜Cアルキル)、NO、オキソ、CN、N、−OH、−O(C〜Cアルキル)、C〜C10シクロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、(C〜Cアルキル)S(O)0−2−、(C〜Cアルキル)S(O)0−2(C〜Cアルキル)−、(C〜Cアルキル)C(O)NH−、HN−C(NH)−、−O(C〜Cアルキル)CF、(C〜Cアルキル)C(O)−、(C〜Cアルキル)OC(O)−、(C〜Cアルキル)O(C〜Cアルキル)−、(C〜Cアルキル)C(O)1−2(C〜Cアルキル)−、(C〜Cアルキル)OC(O)NH−、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、複素環アルキル、ハロ−アリール、ハロ−アラルキル、ハロ−複素環、ハロ−複素環アルキル、シアノ−アリール、シアノ−アラルキル、シアノ−複素環およびシアノ−複素環アルキルなど(これらに限定されるものではない)を含む群から選択される。
【0056】
飽和複素環は複素環の1下位集合を形成している。すなわち「飽和複素環」という用語は、環系全体(単環式であるか多環式であるかを問わず)が飽和である上記で定義の複素環を指す。「飽和複素環」という用語は、炭素原子およびN、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子からなる4〜8員の飽和単環式環または安定な7〜12員二環式環系を指す。代表例には、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼパニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニルおよびテトラヒドロフリル(またはテトラヒドロフラニル)などがある。
【0057】
ヘテロ芳香族は複素環の別の下位集合を形成している。すなわち、「ヘテロ芳香族」(あるいは、「ヘテロアリール」)という用語は、環系全体(単環系であるか多環系であるかを問わず)が芳香環系である上記で定義の複素環を指す。「ヘテロ芳香環」という用語は、炭素原子およびN、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子からなる5員または6員の単環式芳香環または7〜12員二環系を指す。ヘテロ芳香環の代表例には、ピリジル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チエニル(またはチオフェニル)、チアゾリル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルおよびチアジアゾリルなどがある。
【0058】
二環式複素環の代表例には、ベンゾトリアゾリル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリニル、イソインドリニル、キノキザリニル、キナゾリニル、シンノリニル、クロマニル、イソクロマニル、テトラヒドロキノリニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾ−1,4−ジオキシニル(すなわち、
【0059】
【化23】

)、イミダゾ(2,1−b)(1,3)チアゾール(すなわち、
【0060】
【化24】

)、およびベンゾ−1,3−ジオキソリル(すなわち、
【0061】
【化25】

)などがある。本明細書におけるある文脈では、
【0062】
【化26】

は、別の表現で、2個の隣接する炭素原子に結合した置換基メチレンジオキシを有するフェニルと称される。
【0063】
別の意味で明瞭に記載されていない限り、「不飽和」環は、部分または完全不飽和環である。例えば、「不飽和単環式C炭素環」とは、シクロヘキセン、シクロヘキサジエンおよびベンゼンを指す。
【0064】
別の意味で明瞭に記載されていない限り、本明細書に引用されている範囲はいずれも両端を含むものである。例えば、「1〜4個のヘテロ原子」を含むと記載されている複素環は、その複素環が1、2、3または4個のヘテロ原子を含むことが可能であることを意味している。
【0065】
いずれかの可変部(例:R、RまたはR)がいずれかの構成部分または本発明の化合物を描出および説明する式において複数個ある場合、各場合についてのそれの定義は、他の全てのものについてのそれの定義とは独立である。さらに、置換基および/または可変部の組合せは、そのような組合せによって安定な化合物が得られる場合に限り許容されるものである。
【0066】
「置換」(例:「1以上の置換基で置換されていても良い....アリール」の場合)という用語には、そのような単一および複数の置換(同一箇所での複数置換を含む)が化学的に許容される程度までの、指定の置換基によるモノ置換および多置換が含まれる。
【0067】
ピリジルN−オキサイド部分を有する本発明の化合物では、ピリジル−N−オキサイド部分は、
【0068】
【化27】

などの従来の表現を用いて構造的に描かれ、これらは等価な意味を有する。
【0069】
例えば(CR(rは整数2であり、Rは定義の可変部であり、Rは定義の可変部である)などの繰り返し用語を有する用語を含む可変部の定義において、Rの値はそれが含まれる各場合で異なっていても良く、Rの値はそれが含まれる各場合で異なっていても良い。例えば、RおよびRが独立にメチル、エチル、プロピルおよびブチルからなる群から選択される場合、(CR
【0070】
【化28】

であることができる。
【0071】
製薬上許容される塩には、金属(無機)塩および有機塩の両方が含まれ、それのリストはレミングトンの著作にある(Remington′s Pharmaceutical Sciences, 17th Edition, p. 1418 (1985))。適切な塩型は、物理的および化学的安定性、流動性、吸湿性および溶解性に基づいて選択することは当業者には公知である。当業者には明らかなように、製薬上許容される塩には、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、臭化水素酸塩および硝酸塩などの無機酸の塩、あるいはマレイン酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩またはパモ酸塩、サリチル酸塩およびステアリン酸塩などがあるが、これらに限定されるものではない。同様に製薬上許容されるカチオンには、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウムおよびアンモニウム(特に2級アミンとのアンモニウム塩)などがあるが、これらに限定されるものではない。上記の理由で本発明の好ましい塩には、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびアンモニウム塩などがある。式Iの化合物の結晶形、水和物および溶媒和物も本発明の範囲に含まれる。
【0072】
本発明の化合物の製造方法を、下記の図式に示した。他の合成プロトコールは、当業者には容易に明らかになろう。
【0073】
【化29】

上記において、Rは上記で定義の通りであり、Rは、Aがアリール環である上記で定義の環A上の置換基である。
【0074】
【化30】

上記において、Rは各場合で独立に上記で定義の通りであり、Rは上記で定義の通りであり、RはAがアリール環である上記で定義の環A上の置換基である。
【0075】
【化31】

上記において、Rは上記で定義の通りであり、Rは上記で定義の通りであり、RはAがアリール環である上記で定義の環A上の置換基である。
【0076】
以下の実施例は、式Iの化合物の製造を説明するものであり、従って本明細書に添付の特許請求の範囲に記載の本発明を限定するものと考えるべきではない。
【実施例1】
【0077】
【化32】

3−[(ジメチルアンモニオ)メチル]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリニウムジクロライド
【0078】
段階A
1−クロロ−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル(150mg)の純粋EtOH(20mL)およびNHOH水溶液(5mL)中溶液に、ラネーNi 150mgを加えた。反応液をH(約0.28MPa(40psi))下に18時間振盪した。反応液の濾過および濃縮によって、1−(6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−イル)メタンアミン85mgを得た。
【0079】
段階B
1−(6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−イル)メタンアミン(80mg)のメタノール(4mL)溶液に、ホルムアルデヒド(37%水溶液0.130mL)および水素化シアノホウ素ナトリウム(1M THF溶液1.30mL)を加えた。反応液を室温で1時間攪拌し、KHSO水溶液で反応停止した。pHを調節して7とし、混合物をEtOAcで抽出した。濃縮した有機溶液のフラッシュクロマトグラフィー(5%MeOH(10%NHOH)/CHCl)によって油状物を得て、それをHClに曝露して、標題化合物を得た。
M+H計算値:293;実測値:293(ES)。
【実施例2】
【0080】
【化33】

1−(1−クロロ−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミン
【0081】
段階A
6−メトキシ−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロイソキノリン−3−カルボニトリル(200mg)のエタノール(40mL)溶液に、ラネーNiおよび2Mアンモニアのメタノール溶液4mLを加えた。反応液を約0.34MPa(50psi)H圧下にて終夜振盪した。反応液を濾過し、濃縮して、3−(アミノメチル)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン178mgを得た。
【0082】
段階B
3−(アミノメチル)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン(100mg)のCHCl(2mL)溶液に、ホルムアルデヒド(37%水溶液0.115mL)および水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム(300mg)を加えた。反応液を室温で終夜攪拌し、EtOAcとKHSO水溶液との間で分配した。有機溶液の濃縮およびフラッシュクロマトグラフィー(5%MeOH(10%NHOH)/CHCl)によって、3−[(ジメチルアミノ)メチル]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン58mgを得た。
【0083】
段階C
3−[(ジメチルアミノ)メチル]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン(50mg)をPOCl0.600mLと混合し、反応液を90℃で1時間攪拌した。冷却後、反応液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液とEtOAcとの間で分配した。有機溶液をNaSOで脱水し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(3%MeOH/CHCl)によって、標題化合物を得た。
M+H計算値:327;実測値:327(FAB)。
【実施例3】
【0084】
【化34】

3−[(ジメチルアンモニオ)メチル]−6−メトキシ−1−(メチルチオ)−4−フェニルイソキノリニウムジクロライド
【0085】
1−(1−クロロ−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミン(158mg)のDMF溶液に、NaSMe(41mg)を加え、反応液を室温で1時間攪拌した。混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液とEtOAcとの間で分配した。有機溶液をNaSOで脱水し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(3%から10%MeOH/CHCl)によって固体を得て、それをEtOAcに溶かし、過剰のHClで処理した。得られた固体を濾過によって単離して、標題化合物を得た。
M+H計算値:339;実測値:339(FAB)。
【実施例4】
【0086】
【化35】

[6−メトキシ−1−(メチルスルホニル)−4−フェニルイソキノリン−3−イル]メチル(ジメチル)アミンオキサイド
3−[(ジメチルアンモニオ)メチル]−6−メトキシ−1−(メチルチオ)−4−フェニルイソキノリニウムジクロライドの遊離塩基(85mg)に、EtOAc5mLおよびメタノール1mLを加えた。過酸化水素(30%水溶液、0.120mL)および単グルテン酸ナトリウム水和物(17mg)を加え、反応液を3時間加熱還流した。冷却後、反応液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液とEtOAcとの間で分配した。有機溶液をNaSOで脱水し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(5%から10%MeOH(10%NHOH)/CHCl)によって、標題化合物を得た。
M+H計算値:387;実測値:387(FAB)。
【実施例5】
【0087】
【化36】

1−[6−メトキシ−1−(メチルスルホニル)−4−フェニルイソキノリン−3−イル]−N,N−ジメチルメタンアミン
【0088】
1−(1−クロロ−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミン(75mg)、DMF1mLおよびMeSONa(41mg)の混合物を、80℃で48時間攪拌し、次に100℃で96時間攪拌した。溶液を冷却し、逆相HPLCによって直接精製して、標題化合物を得た。
M+H計算値:371;実測値:371(FAB)。
【実施例6】
【0089】
【化37】

3−[(ジメチルアミノ)メチル]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−1−カルボニトリル
【0090】
1−(1−クロロ−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミン(31mg)、DMSO1mLおよびCuCN16mgの混合物を140℃で3時間攪拌した。溶液を冷却し、および逆相HPLCによって直接精製して、標題化合物を得た。
M+H計算値:318;実測値:318(FAB)。
【実施例7】
【0091】
【化38】

2,3−ジメチル−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリニウム・ヒドロキシド
【0092】
2,3−ジメチル−6−メトキシ−4−フェニル−2H−イソキノリン−1−オン(WO 2002024655に既報の合成手順を用いて製造、250mg、0.896mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液を室温でアルゴン下に攪拌しながら、それに水素化リチウムアルミニウム溶液(1.0M、0.896mL、0.896mmol)を滴下した。反応フラスコの内容物を0.5時間加熱還流し、冷却して室温とし、氷に注意深く投入した。飽和重炭酸ナトリウムを加え、得られた混合物を酢酸エチルで抽出した(3回)。合わせた有機抽出液をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム(無水)で脱水した。濾過と次に減圧下での溶媒除去によって褐色油状物を得て、それについてフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル90:10)を行った。生成物を含む分画の溶媒留去によって黄褐色油状物を得て、それを熱トルエンで磨砕して、標題化合物を黄褐色固体として得た。
H NMR(CHCl、300MHz)δ11.20(s、1H);8.63(d、1H);7.65〜7.55(m、3H);7.40(m、1H)、7.28(m、2H);6.60(m、1H);4.71(s、3H);3.69(s、3H);2.57(s、3H)。
1818NOのHRMS;理論質量:264.137、測定質量:264.137。
【実施例8】
【0093】
【化39】

6−メトキシ−1−(2−メトキシメトキシ)−3−メチル−4−フェニルイソキノリン
【0094】
段階A
2−ベンジル−4−メトキシ安息香酸(14.2g)のCHCl(600mL)溶液に、触媒量のDMFと、次にオキサリルクロライド(8.7g)のCHCl(100mL)溶液を加えた。反応液を室温で終夜攪拌し、濃縮し、トルエンと共沸させた(2回)。残留物をCHCl700mLに溶かし、冷却して0℃とした。tert−ブチルアミン(13.9g)を加え、反応液を昇温させて室温とした。1.5時間後、5%KHSO水溶液で反応停止した。有機溶液を分離し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で1回洗浄し、脱水し(NaSO)、濃縮して、2−ベンジル−N−(tert−ブチル)−4−メトキシベンズアミド15.9gを得た。
【0095】
段階B
2−ベンジル−N−(tert−ブチル)−4−メトキシベンズアミド(3.1g)のTHF(50mL)溶液にArを10分間吹き込んだ。溶液を冷却して−78℃とし、n−BuLi(2.5Mヘキサン溶液10mL)を滴下した。−78℃で1時間攪拌後、、塩化アセチル(0.99g)を滴下した。反応液を−78℃で10分間攪拌し、次に室温で1時間攪拌し、飽和水溶液NHClで反応停止した。混合物をEtOAcで抽出し(3回)、合わせた有機溶液をブラインで洗浄し(1回)、脱水し(NaSO)、濃縮した。残留物を80%HPO25mLと合わせ、100℃で3時間加熱した。反応液を氷に投入し、CHClで抽出した(3回)。有機溶液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し(NaSO)、濃縮した。ジエチルエーテルでの磨砕によって、6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン1.6gを得た。
【0096】
段階C
6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン(0.85g)および水素化ナトリウム(鉱油中60%分散品、240mg)のDMF(25mL)中混合物を60℃で30分間加熱し、冷却して室温とした。4−ブロモ−1−メトキシエタン(1mL)を注射器で加え、反応液を室温で終夜攪拌し、飽和NHCl水溶液を加えることで反応停止した。混合物をEtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機溶液を水(1回)およびブライン(1回)で洗浄し、脱水し(NaSO)、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサン)によって固体を得て、それをジエチルエーテルで磨砕して、標題化合物を得た。
M+H計算値:324;実測値:324(FAB)。
【実施例9】
【0097】
【化40】

1−(3−アンモニオプロポキシ)−6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリニウムジクロライド
【0098】
段階A
6−メトキシ−1−(2−メトキシメトキシ)−3−メチル−4−フェニルイソキノリンについての段階Cの手順に従って、4−ブロモ−1−メトキシエタンに代えて3−フタルイミド−1−ブロモプロパンを用いて、6−メトキシ−1−(3−フタルイミド−プロポキシ)−3−メチル−4−フェニルイソキノリンを製造した。
【0099】
段階B
6−メトキシ−1−(3−フタルイミド−プロポキシ)−3−メチル−4−フェニルイソキノリン(400mg)のメタノール(30mL)中混合物に、ヒドラジン(0.04mL)を加えた。反応液を室温で終夜攪拌した。追加のヒドラジン0.08mLを加え、反応液を50℃で終夜加熱し、水に投入し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機溶液をブラインで洗浄し(1回)、脱水し(NaSO)、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(50%EtOAc/ヘキサン)によって固体を得て、それをジエチルエーテル中にてHClで処理して、標題化合物を得た。
M+H計算値:323;実測値:323(FAB)。
【実施例10】
【0100】
【化41】

2−[(6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1−イル)アミノ]エタノール
【0101】
段階A
6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン(3.0g)およびPOCl 12mLの混合物を1時間加熱還流し、冷却して室温とし、氷に投入した。混合物をEtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機溶液をブライン(1回)および飽和炭酸ナトリウム水溶液(1回)で洗浄し、脱水し(NaSO)、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサン)によって、1−クロロ−6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン2.6gを得た。
【0102】
段階B
1−クロロ−6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン(0.29g)をエタノールアミン10mLと合わせ、120℃で5時間加熱し、冷却して室温とした。反応液を飽和炭酸ナトリウム水溶液に投入し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機溶液を水で洗浄し(1回)、脱水し(NaSO)、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(10%MeOH/CHCl)によって固体を得て、それをエーテル/ヘキサンから再結晶して、標題化合物を得た。
元素分析C1920−025HOの計算値:C72.93;H6.60;N8.95;実測値:C73.01;H6.56;N8.99。
【実施例11】
【0103】
【化42】

6−メトキシ−3−メチル−1−(メチルスルホニル)−4−フェニルイソキノリン
【0104】
段階A
6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン(0.7g)およびローソン試薬(1.3g)のトルエン(7mL)中混合物を、12時間加熱還流した。冷却後、反応液について直接フラッシュクロマトグラフィー(5%MeOH/CHCl)を行って固体を得て、それをジエチルエーテルで磨砕して、6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−チオン1.1gを得た。
【0105】
段階B
6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−チオン(0.9g)をDMF 20mLおよびNaH0.33g(鉱油中60%分散品)と合わせた。反応液を加熱して60℃とし、30分間攪拌した。ヨウ化メチル(0.33mL)を加え、反応液を60℃で終夜攪拌し、飽和NHCl水溶液に投入した。混合物をEtOAcで抽出し(3回)、合わせた有機溶液を水(1回)およびブライン(1回)で洗浄し、脱水し(NaSO)、濃縮して、6−メトキシ−3−メチル−1−(メチルチオ)−4−フェニルイソキノリンを得て、それをそのまま次に段階で用いた。
【0106】
段階C
6−メトキシ−3−メチル−1−(メチルチオ)−4−フェニルイソキノリン(0.95g)のEtOAc(35mL)およびメタノール(7mL)溶液に、タングステン酸ナトリウム(210mg)および30%過酸化水素水(1.5mL)を加えた。反応液を終夜加熱還流し、冷却し、飽和重亜硫酸ナトリウム水溶液で反応停止した。混合物をEtOAcで抽出し(3回)、合わせた有機溶液をブラインで洗浄し(1回)、脱水し(NaSO)、濃縮した。残留物をジエチルエーテル/ヘキサンで磨砕して、標題化合物を得た。
元素分析の計算値C1827NOS:C66.03;H5.23;N4.27;実測値:C66.17;H5.18;N4.20。
【実施例12】
【0107】
【化43】

6−メトキシ−N−(2−メトキシエチル)−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1−アンモニウムクロライド
【0108】
2−[(6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1−イル)アミノ]エタノールについての手順に従って、(段階Bで)エタノールアミンに代えて2−メトキシ−1−アミノエタンを用いて、標題化合物の遊離塩基を合成した。過剰のHCl/EtOAcでの処理および磨砕によって、標題化合物を得た。
元素分析C2022−HCl−0.25HOの計算値:C66.10;H6.52;N7.71;実測値:C66.22;H6.19;N7.73。
【実施例13】
【0109】
【化44】

1−[(2−アンモニオエチル)アミノ]−6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリニウムジクロライド
【0110】
段階A
2−[(6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1−イル)アミノ]エタノールについての手順に従って、(段階Bで)エタノールアミンに代えてtert−ブチル−2−アミノエチルカーバメートを用い、tert−ブチル2−[(6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1−イル)アミノ]エチルカーバメートを合成した。
【0111】
段階B
tert−ブチル2−[(6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1−イル)アミノ]エチルカーバメート(0.61g)をHCl−飽和EtOAc100mLで処理した。反応液を0℃で30分間、次に室温で3.5時間攪拌し、濃縮して乾固させた。メタノール/EtOAcからの再結晶によって、標題化合物を得た。
M+H計算値:307;実測値:307(FAB)。
【実施例14】
【0112】
【化45】

6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリニウム・クロライド
【0113】
1−クロロ−6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン(0.55g)のEtOH(25mL)溶液をKOH120mgおよびPd−C(10%)30mgで処理した。反応液をH雰囲気(約0.34MPa(50psi))下に20時間振盪した。反応液をセライトで濾過し、濃縮して乾固させ、イソプロパノールに溶かし、過剰のHClで処理した。イソプロパノール/ジエチルエーテルからの結晶化によって、標題化合物を得た。
元素分析C15NO−HCl−0.5HOの計算値:C69.26;H5.81;N4.75;実測値:C69.10;H6.06;N4.63。
【実施例15】
【0114】
【化46】

1−[(3,4−ジメトキシベンジル)アミノ]−6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリニウム・クロライド
【0115】
2−[(6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1−イル)アミノ]エタノールについての手順に従って、(段階Bで)エタノールアミンに代えて3,4−ジメトキシベンジルアミンを用い、標題化合物の遊離塩基を合成した。過剰のHCl/ジエチルエーテルでの処理および磨砕によって、標題化合物を得た。
元素分析C2626−HClの計算値:C69.25;H6.04;N6.21;実測値:C69.56;H6.32;N6.06。
【実施例16】
【0116】
【化47】

6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1−アミン
1−[(3,4−ジメトキシベンジル)アミノ]−6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリニウムクロライドの遊離塩基をCHCl5mLおよびトリフルオロ酢酸10mLで処理した。反応液を室温で2時間攪拌し、濃縮して乾固させた。残留物を飽和炭酸ナトリウム水溶液と合わせ、混合物をEtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機溶液を脱水し(NaSO)、濃縮した。EtOAc/ヘキサンからの再結晶によって固体を得て、それをさらにフラッシュクロマトグラフィー(0%から1%MeOH/アンモニア−飽和CHCl)によって精製した。そうして得られた固体をヘキサンで磨砕して、標題化合物を得た。
元素分析C1716O−0.25HOの計算値:C75.95;H6.19;N10.42;実測値:C76.13;H6.14;N10.13。
【実施例17】
【0117】
【化48】

1−(エチルスルホニル)−6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン
【0118】
6−メトキシ−3−メチル−1−(メチルスルホニル)−4−フェニルイソキノリンについての手順に従って、(段階Bで)ヨウ化メチルに代えてヨウ化エチルを用い、標題化合物を合成した。
元素分析C1919NOSの計算値:C66.84;H5.61;N4.10;実測値:C66.93;H5.82;N4.01。
【実施例18】
【0119】
【化49】

1−(ベンジルスルホニル)−6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン
【0120】
6−メトキシ−3−メチル−1−(メチルスルホニル)−4−フェニルイソキノリンの手順に従って、(段階Bで)ヨウ化メチルに代えてベンジルブロマイドを用い、標題化合物を合成した。
元素分析C2421NOS−0.25HOの計算値:C70.65;H5.31;N3.43;実測値:C70.88;H5.20;N3.40。
【実施例19】
【0121】
【化50】

6−メトキシ−3−メチル−4−フェニル−1−(フェニルスルホニル)イソキノリン
【0122】
1−クロロ−6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン(0.24g)のDMF(20mL)溶液に、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム塩・2水和物(0.60g)を加えた。反応液を120℃で終夜加熱し、水に投入し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機溶液を水(1回)およびブライン(1回)で洗浄し、脱水し(NaSO)、濃縮した。残留物のDMF(20mL)溶液に、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム塩・2水和物(0.74g)を加えた。反応液を160℃で終夜加熱し、水に投入し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機溶液を水(1回)およびブライン(1回)で洗浄し、脱水し(NaSO)、濃縮した。残留物をエチルエーテル/ヘキサンから再結晶し、フラッシュクロマトグラフィー(5%から30%EtOAc/ヘキサン)によってさらに精製した。エチルエーテル/ヘキサンからの2回目の再結晶によって標題化合物を得た。
元素分析C2319NOS−0.25HOの計算値:C70.11;H4.99;N3.56;実測値:C70.20;H5.06;N3.57。
【実施例20】
【0123】
【化51】

6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1−カルボニトリル
【0124】
1−クロロ−6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン(0.35g)のDMF(20mL)溶液に、シアン化カリウム(0.25g)を加えた。反応液を、60℃で5時間、次に120℃で終夜、次に140℃で2回目の終夜にて加熱した。反応液を水に投入し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機溶液を水(1回)およびブライン(1回)で洗浄し、脱水し(NaSO)、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(5%から10%EtOAc/ヘキサン)によって固体を得て、それをヘキサンから再結晶して、標題化合物を得た。
M+H計算値:275;実測値:275(FAB)。
【実施例21】
【0125】
【化52】

3−tert−ブチル−6−メトキシ−1−(2−メトキシメトキシ)−4−フェニルイソキノリン
【0126】
6−メトキシ−1−(2−メトキシメトキシ)−3−メチル4−フェニルイソキノリンについての手順に従って、(段階Bで)アセチルクロライドに代えてピバロイルクロライドを用い、標題化合物を合成した。
元素分析C2327NO−0.25ヘキサンの計算値:C76.03;H7.94;N3.62;実測値:C76.41;H8.02;N3.82。
【実施例22】
【0127】
【化53】

1−クロロ−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル
【0128】
6−メトキシ−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロイソキノリン−3−カルボニトリル(200mg)およびPOCl(10mL)の混合物を、90℃で18時間加熱した。反応液を濃縮し、残留物をEtOAcに溶かし、冷却して0℃とし、飽和重炭酸ナトリウム水溶液を注意深く加えることで反応停止した。混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液とEtOAcとの間で分配した。水溶液をEtOAcで2回洗浄した。合わせた有機溶液を脱水し(NaSO)、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ25g、3%から30%EA/ヘキサン)によって白色固体を得た。
HRMS(ES)計算値:295.0633;実測値:295.0625。
【実施例23】
【0129】
【化54】

6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−1,3−ジカルボニトリル
【0130】
1−クロロ−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル100mgのプロピオニトリル(6.9mL)および水0.36mL溶液に、NaCN25mgおよびDMAP8mgを加えた。反応液を97℃で17時間、次に107℃で4時間加熱した。追加のNaCN157mgおよびDMAP23mgを加え、反応液を100℃で20時間加熱した。反応液を冷却して室温とし、EtOAcと飽和重炭酸ナトリウム水溶液との間で分配した。有機溶液をブラインで1回洗浄し、脱水し(NaSO)、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(10%から40%EA/ヘキサン、シリカ35g)によって淡黄色固体を得た。
HRMS(ES)計算値:286.0975;実測値:286.0974。
【実施例24】
【0131】
【化55】

1−(アリルオキシ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル
【0132】
NaH(鉱油中60%品、14mg)のTHF(2mL)懸濁液に、アリルアルコール24μLを加えた。混合物を室温で15分間攪拌し、1−クロロ−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル100mgのTHF(1.5mL)溶液をカニューレを介して加えた。反応液を66℃で16時間加熱し、冷却して室温とし、飽和NHCl水溶液で反応停止し、EtOAcと飽和重炭酸ナトリウム水溶液との間で分配した。有機溶液をブラインで1回洗浄し、脱水し(NaSO)、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(35gシリカ、3%から25%EA/ヘキサン)によって、白色固体を得た。
HRMS(ES)計算値:317.1285;実測値:317.1280。
【実施例25】
【0133】
【化56】

1−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル
【0134】
1−(アリルオキシ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルをアセトン2.4mLおよび水1mLに懸濁させた。OsO溶液0.24mL(2.5%の2−Me−2−プロパノール溶液)を加え、次にNMO28mgおよび追加のアセトン1.5mLを加えた。反応液を室温で17時間攪拌し、1:1飽和重炭酸ナトリウム水溶液:飽和NaSO水溶液で希釈した。混合物をEtOAcと飽和重炭酸ナトリウム水溶液との間で分配し、水溶液をEtOAcで1回抽出した。有機溶液を脱水し(NaSO)、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(60%から100%EA/ヘキサン、40gシリカ)によって白色固体を得た。
HRMS(ES)計算値:357.1339;実測値:357.1333。
【実施例26】
【0135】
【化57】

(アリルアミノ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル
【0136】
1−クロロ−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル104mgのnBuOH懸濁液に、アリルアミン252μLを加えた。反応液をマイクロ波リアクタ中210℃で1時間加熱し、EAと飽和重炭酸ナトリウム水溶液との間で分配した。有機溶液をブラインで1回洗浄し、脱水し(NaSO)、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(5%から40%EA/ヘキサン、ギルソン(Gilson)、40gシリカ)によって、ピンク固体を得た。
HRMS(ES)計算値:316.1444;実測値:316.1440。
【実施例27】
【0137】
【化58】

1−[(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル
【0138】
(アリルアミノ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル95mgのアセトン(9mL)および水(3.5mL)溶液に、OsO溶液0.36mL(2.5%の2−Me−2−プロパノール溶液)およびNMO 42mgを加えた。反応液を室温で19時間攪拌し、1:1飽和重炭酸ナトリウム水溶液:飽和NaSO水溶液で希釈した。混合物をEAと飽和重炭酸ナトリウム水溶液との間で分配し、有機溶液をブラインで1回洗浄した。合わせた水溶液をEtOAcで1回抽出した。合わせた有機溶液を脱水し(NaSO)、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0%から4%MeOH(10%NHOH)/EA、40gシリカ)によって黄褐色固体を得た。
HRMS(ES)計算値:350.1499;実測値:350.1494。
【実施例28】
【0139】
【化59】

1−[(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル
1−(アリルオキシ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、アリルアルコールに代えてソルケタールを用い、標題化合物を合成した。
HRMS(ES)計算値:391.1653;実測値:391.1652。
【実施例29】
【0140】
【化60】

1−{[(2S)−2,3−ジヒドロキシプロピル]アミノ}−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル
【0141】
1−(アリルアミノ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、アリルアミンに代えて2S−3−アミノ−1,2−プロパンジオールを用い、標題化合物を合成した。
HRMS(ES)計算値:350.1499;実測値:350.1485。
【実施例30】
【0142】
【化61】

1−{[(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピル]アミノ}−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル
【0143】
1−(アリルアミノ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従ってアリルアミンに代えて2R−3−アミノ−1,2−プロパンジオールを用い、標題化合物を合成した。
H NMR(500MHz、DMSO−d)δ8.38(d、J=9Hz、1H);7.77(t、J=5Hz、1H);7.59〜7.51(m、3H);7.46(d、J=7Hz、2H);7.37(dd、J=9.3Hz、1H);6.71(d、J=3Hz、1H);4.90(d、J=5Hz、1H);4.63(t、J=6Hz、1H);3.86〜3.81(m、1H);3.71(s、3H);3.61(dt、J=13,5Hz、1H);3.46〜3.39(m、3H)。
【実施例31】
【0144】
【化62】

1−{[(4S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル]メトキシ}−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル
【0145】
1−(アリルオキシ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、アリルアルコールに代えて(S)−(+)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノールを用い、標題化合物を合成した。
HRMS(ES)計算値:391.1653;実測値:391.1665
【実施例32】
【0146】
【化63】

1−{[(4R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル]メトキシ}−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル
【0147】
1−(アリルオキシ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、アリルアルコールに代えて(R)−(−)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノールを用い、標題化合物を合成した。
HRMS(ES)計算値:391.1653;実測値:391.1665。
【実施例33】
【0148】
【化64】

1−{[(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピル]オキシ}−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル
【0149】
1−{[(4S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル]メトキシ}−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル162mgを入れた丸底フラスコを冷却して0℃とした。THF3mL/1mL濃HCl1mLからなる0℃溶液を加え、反応液を0℃で正確に10分間攪拌した。10%KCO水溶液20mLを、できるだけ急速に加えた(激しい)。得られた混合物をEtOAcで1回抽出した。有機層を脱水し(NaSO)、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(40gシリカ、60%から100%EA/ヘキサン)によって白色固体を得た。
H NMR(500MHz、CDCl)δ8.27(d、J=9Hz、1H);7.59〜7.52(m、3H);7.45(dd、J=8、1Hz、2H);7.31(dd、J=9,2Hz、1H);6.89(d、J=2Hz、1H);4.73(dd、J=12、4Hz、1H);4.69(dd、J=12、6Hz、1H);4.25〜4.20(m、1H);3.88〜3.83(m、1H);3.80〜3.75(m、1H);3.77(s、3H);3.20(d、J=5Hz、1H);2.31(t、J=6Hz、1H)。
【実施例34】
【0150】
【化65】

1−{[(2S)−2,3−ジヒドロキシプロピル]オキシ}−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル
【0151】
1−{[(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピル]オキシ}−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、1−{[(4S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル]メトキシ}−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルに代えて1−{[(4R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル]メトキシ}−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルを用い、標題化合物を合成した。
H NMR(500MHz、CDCl)δ8.27(d、J=9Hz、1H);7.59〜7.52(m、3H);7.45(dd、J=8,1Hz、2H);7.31(dd、J=9,2Hz、1H);6.89(d、J=2Hz、1H);4.73(dd、J=12、4Hz、1H);4.69(dd、J=12、6Hz、1H);4.25〜4.20(m、1H);3.88〜3.83(m、1H);3.80〜3.75(m、1H);3.77(s、3H);3.20(d、J=5Hz、1H);2.31(t、J=6Hz、1H)。
【実施例35】
【0152】
【化66】

1−[(3R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル
【0153】
1−(アリルアミノ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、アリルアミンに代えて(R)−3−ピロリジノールを用い、標題化合物を合成した。
HRMS(ES)計算値:346.1550;実測値:346.1554。
【実施例36】
【0154】
【化67】

1−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル
【0155】
1−(アリルアミノ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、アリルアミンに代えて(S)−3−ピロリジノールを用い、標題化合物を合成した。
HRMS(ES)計算値:346.1550;実測値:346.1553。
【実施例37】
【0156】
【化68】

1−[シス−3,4−ジヒドロキシピロリジン−1−イル]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル
【実施例38】
【0157】
【化69】

6−メトキシ−4−フェニル−1−ピロリジン−1−イルイソキノリン−3−カルボニトリル
【0158】
段階A
6−メトキシ−4−フェニル−1−(3−ピロリン)−1−イルイソキノリン−3−カルボニトリルおよび6−メトキシ−4−フェニル−1−ピロリジン−1−イルイソキノリン−3−カルボニトリルの混合物
1−クロロ−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル100mgのnBuOH懸濁液に、3−ピロリン:ピロリジンの65:35混合物260μLを加えた。反応液をマイクロ波リアクタ中にて210℃で1時間加熱し、EAと飽和重炭酸ナトリウム水溶液との間で分配した。有機溶液をブラインで1回洗浄し、脱水し(NaSO)、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(5%から30%EA/ヘキサン、40gシリカ)によって、白色固体86mgを得た。
HRMS(ES)計算値:316.1444;実測値:316.1440。
【0159】
段階B
6−メトキシ−4−フェニル−1−(3−ピロリン)−1−イルイソキノリン−3−カルボニトリルおよび6−メトキシ−4−フェニル−1−ピロリジン−1−イルイソキノリン−3−カルボニトリルの混合物86mgのアセトン(4.8mL)および水(2mL)懸濁液に、OsO溶液0.32mL(2.5%の2−Me−2−プロパノール溶液)およびNMO37mgを加えた。反応液を室温で5時間攪拌してから、追加のOsO溶液0.32mLを加えた。さらに16時間攪拌した後、反応液を1:1飽和重炭酸ナトリウム水溶液:飽和NaSO水溶液で希釈した。混合物をEAと飽和重炭酸ナトリウム水溶液との間で分配し、有機溶液をブラインで1回洗浄した。合わせた水溶液をEtOAcで1回抽出した。合わせた有機溶液を脱水し(NaSO)、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(5/95/0から99/0/1 EA/ヘキサン/MeOH、40gシリカ)によって、1−[シス−3,4−ジヒドロキシピロリジン−1−イル]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル38mgを黄褐色固体として得た。HRMS(ES)計算値:362.1499;実測値:362.1500。逆相HPLCによってさらに精製することで、6−メトキシ−4−フェニル−1−ピロリジン−1−イルイソキノリン−3−カルボニトリルを白色固体として得た。HRMS(ES)計算値:330.1601;実測値:330.1603。
【実施例39】
【0160】
【化70】

6−メトキシ−1−(メチルスルホニル)−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル
【0161】
段階A
1−クロロ−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル(577mg)のDMF(12mL)溶液に、95%NaSCH(173mg)を加えた。反応液を室温で1時間攪拌し、飽和KHSO水溶液で反応停止した。水系の後処理によって、6−メトキシ−1−(メチルチオ)−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル610mgを得て、それを次の反応にそのまま用いた。
【0162】
段階B
6−メトキシ−1−(メチルチオ)−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル(550mg)およびEtOAc21mLの混合物に、メタノール(4mL)、タングステン酸ナトリウム・2水和物(118mg)および30%過酸化水素溶液(0.850mL)を加えた。反応液を6時間加熱還流し、50℃で終夜攪拌した。反応液を冷却し、EtOAcで希釈し、水(1回)およびブライン(1回)で洗浄した。有機溶液を硫酸ナトリウムで脱水し、フラッシュクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサン)によって精製して固体を得て、それをジエチルエーテルから結晶化させて、標題化合物を得た。
M+H計算値:339;実測値:339(FAB)。
【実施例40】
【0163】
【化71】

6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル
【0164】
1−クロロ−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル(200mg)、5%Pd/BaSO(50mg)およびメタノール20mLの混合物を1気圧の水素下で18時間攪拌した。CHCl5mLを加え、追加のPd/BaSO50mgも加えた。終夜攪拌後、反応液を濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、標題化合物を得た。
M+H計算値:261;実測値:261(FAB)。
【実施例41】
【0165】
【化72】

1,6−ジメトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル
【0166】
1−クロロ−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル(50mg)のDMF(1mL)溶液に、NaOMe(3当量)を加えた。反応液を室温で終夜攪拌し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサン)によって精製した。濃縮物を磨砕(エーテル/ヘキサン)することで、標題化合物を得た。
M+H計算値:291;実測値:291(FAB)。
【実施例42】
【0167】
【化73】

1−クロロ−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル
【0168】
6−メトキシ−1−オキソ−4−(3−フルオロフェニル)−1、2−ジヒドロイソキノリン−3−カルボニトリル42mgのPOCl(3mL)溶液を、室温から80℃まで加熱した。2時間後、昇温させて90℃とし、加熱を20時間続けた。反応を濃縮し、EtOAcに再溶解させ、冷却して0℃とし、飽和重炭酸ナトリウム水溶液を滴下して残った試薬を失活させた。混合物を分離し、水溶液をEtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機溶液をMgSOで脱水し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(3%から30%EtOAc/ヘキサン)によって、白色固体を得た。
HRMS(ES)実測値:313.0553;計算値:313.0539。
【実施例43】
【0169】
【化74】

4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル
【0170】
1−クロロ−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル18mgをEtOH 4mLに溶かし、1N NaOH 230μLを加え、次に10%Pd/炭素触媒15mgを加えた。反応液をH下に大気圧で6時間攪拌し、セライトで濾過し、濃縮し、逆相HPLCによって精製して白色固体を得た。
HRMS(ES)実測値:279.0916;計算値:279.0928。
【実施例44】
【0171】
【化75】

4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシ−1−メチルイソキノリン−3−カルボニトリル
【0172】
1−クロロ−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル(50mg)、トリメチルボロキシン(20mg)、Pd(PPh(18mg)および炭酸セシウム(156mg)のジオキサン(1.5mL)中混合物を、110℃で終夜加熱した。反応液をセライト層で濾過し、その層をTHFで十分に洗浄し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(3%から40%EtOAc/ヘキサン)によって白色固体を得た。
HRMS(ES)実測値:293.1078;計算値:293.1085。
【実施例45】
【0173】
【化76】

4−(3−フルオロフェニル)−1−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル
【0174】
1−クロロ−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル(50mg)のイソプロパノール(2mL)懸濁液に、2−アミノエタノール(98mg)を加え、混合物を85℃で終夜加熱した。反応液を冷却して室温とし、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0%から3%MeOH/EtOAc)によって白色固体を得た。
HRMS(ES)実測値:338.1297;計算値:338.1299。
【実施例46】
【0175】
【化77】

1−アミノ−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル
【0176】
1−クロロ−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリルの2M NH/イソプロパノール(1.5mL)懸濁液を封管中にて90℃で終夜加熱し、マイクロ波リアクタにて170℃で24時間加熱した。反応液を濃縮し、逆相HPLCによって精製して白色固体を得た。
HRMS(ES)実測値:294.1046;計算値:294.1037。
【実施例47】
【0177】
【化78】

4−(3−フルオロフェニル)−1−[(3−ヒドロキシプロピル)アミノ]−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル
【0178】
4−(3−フルオロフェニル)−1−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、2−アミノエタノールに代えて3−アミノ−1−プロパノールを用い、標題化合物を合成した。
HRMS(ES)実測値:352.1464;計算値:352.1456。
【実施例48】
【0179】
【化79】

1−(ブト−3−エンイルオキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル
【0180】
1−(アリルオキシ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、1−クロロ−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルに代えて1−クロロ−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリルを用い、アリルアルコールに代えて1−ブテン−4−オールを用いて、標題化合物を合成した。
HRMS(ES)実測値:349.1343;計算値:349.1347。
【実施例49】
【0181】
【化80】

1−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル
【0182】
段階A
1−(アリルオキシ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、1−クロロ−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルに代えて1−クロロ−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリルを用い、1−(アリルオキシ)−6−メトキシ−4−(3−フルオロフェニル)イソキノリン−3−カルボニトリルを合成した。
【0183】
段階B
1−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、1−(アリルオキシ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルに代えて1−(アリルオキシ)−6−メトキシ−4−(3−フルオロフェニル)イソキノリン−3−カルボニトリルを用い、標題化合物を合成した。
HRMS(ES)実測値:369.1239;計算値:369.1245。
【0184】
1−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリルを、キラルHPLCによってそれの構成エナンチオマーに分割した。2つの純粋なエナンチオマーは、HRMSおよびNMRによってラセミ体の化合物と一致していた。
【実施例50】
【0185】
【化81】

1−(3,4−ジヒドロキシブトキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル
【0186】
1−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、1−(アリルオキシ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルに代えて1−(ブト−3−エンイルオキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリルを用いて、標題化合物を合成した。
HRMS(ES)実測値:383.1400;計算値:383.1402。
【0187】
1−(3,4−ジヒドロキシブトキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリルを、キラルHPLCによってそれの構成エナンチオマーに分割した。2つの純粋なエナンチオマーは、HRMSおよびNMRによってラセミ体の化合物と一致していた。
【実施例51】
【0188】
【化82】

1−[(1,4−ジオキサン−2−イルメチル)アミノ]−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル
【0189】
4−(3−フルオロフェニル)−1−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、2−アミノエタノールに代えて1,4−ジオキサン−2−イルメチルアミンを用い、標題化合物を合成した。
HRMS(ES)実測値:394.1575;計算値:394.1562。
【実施例52】
【0190】
【化83】

4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシ−1−[(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)メトキシ]イソキノリン−3−カルボニトリル
【0191】
1−(アリルオキシ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、1−クロロ−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルに代えて1−クロロ−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリルを用い、アリルアルコールに代えて(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノールを用いて、標題化合物を合成した。
HRMS(ES)実測値:389.1406;計算値:389.1409。
【実施例53】
【0192】
【化84】

1−(1,3−ジオキソラン−4−イルメトキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル
【実施例54】
【0193】
【化85】

1−(1,3−ジオキサン−5−イルオキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル
【0194】
1−(アリルオキシ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、1−クロロ−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルに代えて1−クロロ−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリルを用い、アリルアルコールに代えてグリセロールホルマールを用いて、標題化合物を合成した。
1−(1,3−ジオキソラン−4−イルメトキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル;HRMS(ES)実測値:381.1249;計算値:381.1245。
1−(1,3−ジオキサン−5−イルオキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル;HRMS(ES)実測値:381.1245;計算値:381.1245。
【実施例55】
【0195】
【化86】

4−(3−フルオロフェニル)−1−{[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ}−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル
【0196】
1−クロロ−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル(50mg)および[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アミン(146mg)のイソプロパノール(2mL)懸濁液を、マイクロ波リアクタ中にて160℃で8時間加熱した。反応液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(0%から5%MeOH/EtOAc)によって精製して白色固体を得た。
HRMS(ES)実測値:368.1395;計算値:368.1405。
【実施例56】
【0197】
【化87】

4−(3−フルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−5−イルメトキシ)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル
【0198】
段階A
1−(アリルオキシ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、1−クロロ−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルに代えて1−クロロ−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリルを用い、アリルアルコールに代えて(1−トリチル−1H−イミダゾール−5−イル)メタノールを用い、4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシ−1−[(1−トリチル−1H−イミダゾール−5−イル)メトキシ]イソキノリン−3−カルボニトリルを合成した。
【0199】
段階B
4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシ−1−[(1−トリチル−1H−イミダゾール−5−イル)メトキシ]イソキノリン−3−カルボニトリル(255mg)を5%TFAのCHCl溶液4mLに0℃で溶かして、明黄色溶液を得た。反応液を0℃で2.5時間攪拌し、室温で1.5時間攪拌した。MeOHを加え、反応液をCHClと飽和重炭酸ナトリウム水溶液との間で分配した。水溶液をさらにCHClで抽出した(3回)。合わせた有機溶液をMgSOで脱水し、濃縮した。白色固体残留物をCHCl−EtOAcから再結晶して、白色固体を得た。母液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(0%から10%MeOH(10%NHOH)/EtOAcによって精製して、追加の白色固体を得た。
HRMS(ES)実測値:375.1259;計算値:375.1252。
【実施例57】
【0200】
【化88】

1−{[(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピル]アミノ}−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル
【0201】
4−(3−フルオロフェニル)−1−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、2−アミノエタノールに代えて2(R)−1−アミノ−2,3−プロパンジオールを用い、標題化合物を合成した。
HRMS(ES)実測値:368.1406;計算値:368.1405。
【実施例58】
【0202】
【化89】

1−{[(2S)−2,3−ジヒドロキシプロピルアミノ}−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル
【0203】
4−(3−フルオロフェニル)−1−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、2−アミノエタノールに代えて2(S)−1−アミノ−2,3−プロパンジオールを用い、標題化合物を合成した。
HRMS(ES)実測値:368.1401;計算値:368.1405。
【実施例59】
【0204】
【化90】

1−(1H−イミダゾール−1−イル)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル
【0205】
イミダゾール(15mg)のDME(2mL)溶液に、NaH(12mg、鉱油中60%分散品)を加えたところ、沈澱が直ちに生成した。混合物を室温で5分間攪拌してから、加熱して75℃とした。1−クロロ−4−フェニル−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル(60mg)のDME(1mL)溶液をカニューレで加えた。加熱を75℃で45分間続けた。反応液を冷却して室温とし、水数滴を加えることで反応停止し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液とEtOAcとの間で分配した。有機溶液をブラインで洗浄し(1回)、MgSOで脱水し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0%から10%MeOH(10%NHOH)/EtOAc)によって白色固体を得た。
HRMS(ES)実測値:327.1250;計算値:327.1240。
【実施例60】
【0206】
【化91】

6−メトキシ−4−フェニル−1−[(ピリジン−2−イルメチル)アミノ]イソキノリン−3−カルボニトリル
【0207】
1−(アリルアミノ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、アリルアミンに代えて(ピリジン−2−イルメチル)アミンを用い、加熱を1時間ではなく35分として、標題化合物を合成した。
HRMS(ES)実測値:367.1555;計算値:367.1553。
【実施例61】
【0208】
【化92】

6−メトキシ−4−フェニル−1−[(2−ピリジン−2−イルエチル)アミノ]イソキノリン−3−カルボニトリル
1−(アリルアミノ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、アリルアミンに代えて(2−ピリジン−2−イルエチル)アミンを用い、加熱を1時間ではなく35分間として、標題化合物を合成した。
HRMS(ES)実測値:381.1711;計算値:381.1710。
【実施例62】
【0209】
【化93】

1−[(3,4−ジヒドロキシブチル)アミノ]−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル
【0210】
段階A
1−クロロ−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル(150mg)のイソプロパノール(15mL)懸濁液に、0.81M 4−アミノ−1−ブテン溶液6mLを加えた。混合物を4日間加熱還流し、冷却して室温とし、EtOAcと飽和重炭酸ナトリウム水溶液との間で分配した。有機溶液をブラインで洗浄し(1回)、MgSOで脱水し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(3%から50%EtOAc/ヘキサン)によって、1−(ブト−3−エンイルアミノ)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル146mgを黄褐色固体として得た。
【0211】
段階B
1−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、1−(アリルオキシ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルに代えて1−(ブト−3−エンイルアミノ)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリルを用いて、標題化合物を合成した。
HRMS(ES)実測値:382.1556;計算値:382.1562。
【実施例63】
【0212】
【化94】

1−クロロ−4−(2−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル
【0213】
1−クロロ−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、6−メトキシ−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロイソキノリン−3−カルボニトリルに代えて6−メトキシ−1−オキソ−4−(2−フルオロフェニル)−1,2−ジヒドロイソキノリン−3−カルボニトリルを用い、標題化合物を合成した。
HRMS(ES)計算値:313.0539;実測値:313.0533。
【実施例64】
【0214】
【化95】

4−(2−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル
【0215】
4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、1−クロロ−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリルに代えて1−クロロ−4−(2−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリルを用い、標題化合物を合成した。
HRMS(ES)計算値:279.0928;実測値:279.0923。
【実施例65】
【0216】
【化96】

1−[(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]−4−(2−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル
【0217】
4−(3−フルオロフェニル)−1−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、1−クロロ−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリルに代えて1−クロロ−4−(2−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリルを用い、2−アミノエタノールに代えてラセミ体の1−アミノ−2,3−プロパンジオールを用い、標題化合物を合成した。
HRMS(ES)計算値:368.1405;実測値:368.1398。
【実施例66】
【0218】
【化97】

6−(ジフルオロメトキシ)−1−{[(2S)−2,3−ジヒドロキシプロピル]アミノ}−4−(3−フルオロフェニル)イソキノリン−3−カルボニトリル
【0219】
段階A
2−アリル−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシ−1−オキソ−1、2−ジヒドロイソキノリン−3−カルボニトリル(2.0g)のDMSO(24mL)溶液に、NaCN(1.47g)を加えた。反応液を150℃で6.5時間加熱し、1N NaOHで希釈し、EtOAcで抽出した(2回)。有機溶液を1N NaOHで1回抽出した。合わせた水溶液を濃HClで酸性とし、EtOAcで抽出した(3回)。全ての有機溶液を合わせ、脱水し(MgSO)、濃縮して、暗色固体を得た。その固体をCHClに懸濁させ、濾過して、2−アリル−4−(3−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−3−カルボニトリル1.04gを得て、それをそれ以上精製せずに用いた。
【0220】
段階B
2−アリル−4−(3−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−1−オキソ−1、2−ジヒドロイソキノリン−3−カルボニトリル(1.04g)のDMF(7mL)溶液に、炭酸カリウム(0.96g)および1−1−ジフルオロ−1−クロロ−酢酸メチル(0.96g)を加えた。反応液を80℃で3時間加熱し、EtOAcで希釈し、1N NaOHで洗浄した(2回)。合わせた有機溶液を脱水し(MgSO)、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(2%から40%EtOAc/ヘキサン、40gシリカ)によって、2−アリル−6−(ジフルオロメトキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−3−カルボニトリル386mgを得た。その取得物は純度約80%であり、それをそれ以上精製せずに用いた。
【0221】
段階C
2−アリル−6−(ジフルオロメトキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−3−カルボニトリルのジオキサン(10mL)溶液に、トリエチルアミン(0.363mL)およびギ酸(0.079mL)を加えた。溶液にアルゴンを10分間吹き込み、Pd(PPhを加え、反応液を100℃で2時間加熱した。反応液を濃縮して乾固させ、CHClと50%ブラインとの間で分配した。有機溶液を脱水し(MgSO)、濃縮して乾燥固体を得た。フラッシュクロマトグラフィー(5%から45%EA/ヘキサン、1%MeOH、40gシリカ)によって、6−(ジフルオロメトキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−3−カルボニトリル110mgを得た。その取得物は純度約80%であり、それ以上精製せずに用いた。
【0222】
段階D
1−クロロ−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、6−(メトキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−3−カルボニトリルに代えて6−(ジフルオロメトキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−3−カルボニトリルを用いて、1−クロロ−6−(ジフルオロメトキシ)−4−(3−フルオロフェニル)イソキノリン−3−カルボニトリルを合成した。
【0223】
段階E
4−(3−フルオロフェニル)−1−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、1−クロロ−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリルに代えて1−クロロ−6−(ジフルオロメトキシ)−4−(3−フルオロフェニル)イソキノリン−3−カルボニトリルを用い、2−アミノエタノールに代えて2S−1−アミノ−2,3−プロパンジオールを用い、標題化合物を合成した。
HRMS(ES)計算値:404.1217;実測値:404.1223。
【実施例67】
【0224】
【化98】

6−(ジフルオロメトキシ)−1−{[(2S)−2,3−ジヒドロキシプロピル]オキシ}−4−(3−フルオロフェニル)イソキノリン−3−カルボニトリル
【0225】
段階A
1−(アリルオキシ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、アリルアルコールに代えて(R)−(−)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノールを用い、1−クロロ−4−フェニル−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリルに代えて1−クロロ−6−(ジフルオロメトキシ)−4−(3−フルオロフェニル)イソキノリン−3−カルボニトリルを用い、1−{[(4R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル]メトキシ}−6−(ジフルオロメトキシ)−4−(3−フルオロフェニル)イソキノリン−3−カルボニトリルを合成した。
【0226】
段階B
1−{[(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピル]オキシ}−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、1−{[(4S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル]メトキシ}−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルに代えて1−{[(4R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル]メトキシ}−6−(ジフルオロメトキシ)−4−(3−フルオロフェニル)イソキノリン−3−カルボニトリルを用い、標題化合物を合成した。
HRMS(ES)計算値:405.1057;実測値:405.1061。
【実施例68】
【0227】
【化99】

1−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル
【0228】
1−(アリルアミノ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、アリルアミンに代えて4−ヒドロキシピペリジンを用いて、標題化合物を合成した。
HRMS(ES)計算値:360.1707;実測値:360.1704。
【実施例69】
【0229】
【化100】

1−アゼチジン−1−イル−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル
【0230】
1−(アリルアミノ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、アリルアミンに代えてアゼチジンを用い、標題化合物を合成した。
HRMS(ES)計算値:316.1445;実測値:316.1448。
【実施例70】
【0231】
【化101】

1−[(3R,4R)−3,4−ジヒドロキシピロリジン−1−イル]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル
【0232】
1−(アリルアミノ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、アリルアミンに代えて(3R,4R)−3,4−ジヒドロキシピロリジンを用いて、標題化合物を合成した。
HRMS(ES)計算値:362.1499;実測値:362.1506。
【実施例71】
【0233】
【化102】

1−[(3S,4S)−3,4−ジヒドロキシピロリジン−1−イル]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル
1−(アリルアミノ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルについての手順に従って、アリルアミンに代えて(3S,4S)−3,4−ジヒドロキシピロリジンを用いて、標題化合物を合成した。
HRMS(ES)計算値:362.1499;実測値:362.1511。
【実施例72】
【0234】
【化103】

6−メトキシ−N−(3−メトキシプロピル)−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1−アミン
【0235】
2−[(6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1−イル)アミノ]エタノールについての手順に従って、(段階Bで)エタノールアミンに代えて3−メトキシ−1−アミノプロパンを用い、標題化合物を合成した。
元素分析C2124の計算値:C74.97;H7.19;N8.33;実測値:C74.77;H7.51;N8.42。
【0236】
下記の方法を用いて、本発明の代表的な化合物を評価したところ、Kv1.5アッセイで活性を示すことが認められ、これによって本発明の化合物がKv1.5阻害薬および抗不整脈薬として有用であることが示され、確認された。この種の化合物は、正の速度依存性を示し、外向きK電流を比較的強力にあるいは優先的に比較的大きい脱分極速度もしくは心拍数で遮断することができる。このような化合物は、下記のような電気生理学的試験で確認することができると考えられる。例えば、Hzおよび3Hzの周波数で送られる一連の脱分極の際、10秒間の3Hzでの波中で認められる遮断の量が1Hzでのものより大きいと、その遮断は「速度依存性」である。Kv1.5遮断薬は、使用依存性も示す場合があり、その際には外向きK電流の遮断が使用に応じて、あるいは心臓細胞の繰り返し脱分極時に上昇する。遮断の使用依存性は、所定の速度または周波数での一連のパルスまたは脱分極において、各連続する脱分極で比較的強く生じる。例えば、周波数1Hzでの一連の10脱分極の際、遮断の量がその一連の波の最初のパルスより10番目のパルスの方が大きいと、遮断は「使用依存性」である。Kv1.5遮断薬は、使用依存性と速度依存性の両方を示す場合がある。
【0237】
Kv1.5遮断薬は、ヒト、ラット、マウス、イヌ、サル、フェレット、ウサギ、モルモットまたはヤギなど(これらに限定されるものではない)の各種生物種からの心筋細胞その他の組織を用いて、自然IKurの電気生理学的試験によって確認することもできる。自然組織では、Kv1.5はホモオリゴマーとして、または他のKvファミリー構成員とのヘテロ−オールとして存在することができ、あるいはβ−サブユニットとの複合体で存在することができる。本発明の化合物は、Kv1.5ホモもしくはヘテロ−オリゴマーまたはβ−サブユニットとの複合体におけるKv1.5を遮断することができる。
【実施例73】
【0238】
【化104】

4−(3−フルオロフェニル)−1−モルホリン−4−イル−6−ピリジン−2−イルイソキノリン−3−カルボニトリル
【0239】
段階A:2−アリル−4−(3−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−3−カルボニトリル
2−アリル−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシ−1−オキソ−1、2−ジヒドロイソキノリン−3−カルボニトリル(7.5g、22.4mmol)のDMSO(100mL)懸濁液に、シアン化ナトリウム(3.3g、67.2mmol)を加えた。反応混合物を150℃で18時間加熱した。反応液を冷却して室温とし、氷水(100mL)で希釈した。それを6M HClでpH5の酸性とした。褐色沈澱を濾過し、エーテルで洗浄して、標題化合物を褐色固体として得た。
【0240】
段階B:2−アリル−3−シアノ−4−(3−フルオロフェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−イル・トリフルオロメタンスルホン酸塩
2−アリル−4−(3−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−1−オキソ−1、2−ジヒドロイソキノリン−3−カルボニトリル(5.7g、17.8mmol)の脱水DCM(100mL)溶液に窒素下にて、ジイソプロピルエチルアミン(6.3mL、36.2mmol)を加えた。反応混合物をドライアイス/IPA浴で強冷して−78℃とした。無水トリフ酸(6.1mL、36.2mmol)を加え、得られた褐色溶液を−78℃で1時間攪拌した。反応液を昇温させて室温とし、DCM(100mL)で希釈した。それを飽和NaHCOで洗浄し、脱水し(MgSO)、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(1:4EtOAc/ヘキサン)によって精製して、標題化合物をベージュ結晶として得た。
【0241】
段階C:2−アリル−4−(3−フルオロフェニル)−1−オキソ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,2−ジヒドロイソキノリン−3−カルボニトリル
ビス(ピナコラト)ジボロン(1.2g、4.9mmol)、PdCl(dppf)(181mg、0.22mmol)、dppf(123mg、0.22mmol)、KOAc(1.3g、13.3mmol)を、高圧管中にて窒素下で2−アリル−3−シアノ−4−(3−フルオロフェニル)−1−オキソ−1、2−ジヒドロイソキノリン−6−イル・トリフルオロメタンスルホン酸塩(2.0g、4.4mmol)の脱水ジオキサン(24mL)溶液に加えた。管を封止し、反応液を80℃で2時間加熱した。反応液を冷却して室温とし、EtOAcで希釈し、セライトで濾過した。濾液をHOで洗浄し、脱水し(MgSO)、濾過し、濃縮した。黒色残留物をフラッシュクロマトグラフィー(1:2EtOAc/ヘキサン)によって精製して、標題化合物を白色固体として得た。
【0242】
段階D:2−アリル−4−(3−フルオロフェニル)−1−オキソ−6−ピリジン−2−イル−1,2−ジヒドロイソキノリン−3−カルボニトリルおよび4−(3−フルオロフェニル)−1−ヒドロキシ−6−ピリジン−2−イルイソキノリン−3−カルボニトリル
2−ブロモピリジン(158mg、1.0mmol)、Pd(dba)(92mg、0.10mmol)、CyP(56mg、0.20mmol)、CsCO(348mg、1.1mmol)を、アルゴン下にて高圧管中、2−アリル−4−(3−フルオロフェニル)−1−オキソ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,2−ジヒドロイソキノリン−3−カルボニトリル(430mg、1.0mmol)の脱水ジオキサン(2mL)溶液に加えた。管を密閉し、反応液を120℃で18時間加熱した。反応液を冷却して室温とし、EtOAcで希釈し、セライトで濾過した。EtOAcをHO、ブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、濾過し、濃縮した。緑色残留物をフラッシュクロマトグラフィー(1:2−1:1EtOAc/ヘキサン)によって精製して、第1の標題化合物をオフホワイト固体として、そして第2の標題化合物を黄色固体として得た。
【0243】
段階E:1−クロロ−4−(3−フルオロフェニル)−6−ピリジン−2−イルイソキノリン−3−カルボニトリル
POCl(22mg、0.15mmol)を、無希釈の4−(3−フルオロフェニル)−1−ヒドロキシ−6−ピリジン−2−イルイソキノリン−3−カルボニトリル(50mg、0.15mmol)に加えた。得られた混合物を、90℃で18時間加熱した。反応液を冷却して室温とし、HO(10mL)で希釈した。それをNaHCOでpH9とした。水層をEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、濾過し、濃縮して、標題化合物を褐色油状物として得た。
【0244】
段階F:4−(3−フルオロフェニル)−1−モルホリン−4−イル−6−ピリジン−2−イルイソキノリン−3−カルボニトリル
マイクロ波管に入れた1−クロロ−4−(3−フルオロフェニル)−6−ピリジン−2−イルイソキノリン−3−カルボニトリル(15mg、0.04mmol)のn−BuOH(1.0mL)溶液に、モルホリン(36mg、0.42mmol)を加えた。管を密閉し、マイクロ波で220℃にて1時間加熱した。反応液をCHClで希釈し、飽和NaHCO、ブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(1:3−1:1EtOAc/ヘキサン)によって精製して、標題化合物をベージュ固体として得た。
H NMR(CDCl)δ8.71(s、1H)、8.35〜8.38(m、1H)、8.24〜8.26(m、1H)、8.14(s、1H)、7.76〜7.80(m、1H)、7.67(m、1H)、7.52〜7.59(m、1H)、7.19〜7.31(m、4H)、3.99〜4.01(m、4H)、3.56〜3.58(m、4H);MS(M+H)=411.2。
【0245】
下記の表中の実施例73−1〜73−3を、上記で詳述した手順を用いて製造した。完全に示されていない場合、化合物は表中で定義の可変部XXを有する下記の一般構造を有する。
【0246】
【表1】

【実施例74】
【0247】
【化105】

3−シアノ−N−(2−ヒドロキシエチル)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−1−カルボキサミド
【0248】
段階A:6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−1,3−ジカルボニトリル
1−クロロ−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル(3.393mmol)、Pd(dba)(0.068mmol)、dppf(0.136mmol)、Zn(CN)(6.786mmol)および亜鉛粉末(0.407mmol)を丸底フラスコ中で混合し、フラスコをアルゴンでパージした。DMA10mLを加え、反応液をAr気流下に120℃で4.5時間加熱し、冷却して室温とし、EtOAc100mLで希釈した。有機層を2(N)NHOH水溶液(50mLで1回)およびブライン(1回)で洗浄し、NaSOで脱水し、濃縮して黄色固体を得て、それをフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、白色固体を得た(0.97g)。
【0249】
段階B:3−シアノ−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−1−カルボン酸
6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−1,3−ジカルボニトリルのEtOH(25mL)懸濁液に、2(N)NaOH水溶液(15mL)を加え、反応液を40℃で2時間攪拌した。濃HCl水溶液(18mL)および水(29mL)を反応混合物に加え、100℃で16時間加熱した。冷却して室温とした後、それをDCMで抽出した(4回)。合わせた有機層をNaSOで脱水し、濃縮して、黄褐色固体を得た(470mg、85%)。その粗生成物を、それ以上精製せずに用いた。
【0250】
段階C:3−シアノ−N−(2−ヒドロキシエチル)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−1−カルボキサミド
DMFを、3−シアノ−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−1−カルボン酸(0.072g、0.237mmol)、EDC(0.068g、0.355mmol)およびHOAt(0.048g、0.355mmol)の入ったバイアルに加えた。エタノールアミン(0.029g、0.473mmol)およびDIEA(0.153g、1.183mmol)をその混合物に加え、反応液を室温で終夜攪拌した。反応混合物を濾過し、逆相HPLCによって精製した。白色固体(0.038g、46%)。
H NMR(500MHz、CDCl):δ9.68(d、J=9.5Hz、1H)、8.51(br、1H)、7.63〜7.58(m、3H)、7.49〜7.43(m、3H)、3.93(t、J=4.4Hz、2H)、3.78(s、3H)、3.75〜3.72(m、2H)。
【0251】
下記の表中の実施例74−1〜74−53を、上記で詳述した手順を用いて製造した。完全に示されていない場合、化合物は表中で定義の可変部XXを有する下記の一般構造を有する。
【0252】
【表2】







【実施例75】
【0253】
【化106】

(+/−)−3−シアノ−6−メトキシ−4−ピリジン−2−イル−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)イソキノリン−1−カルボキサミド
【0254】
段階A:3−シアノ−6−メトキシ−4−ピリジン−2−イル−1,2−ジヒドロイソキノリン−1−イル・トリフルオロメタンスルホン酸塩
6−メトキシ−1−オキソ−4−ピリジン−2−イル−1、2−ジヒドロイソキノリン−3−カルボニトリル(0.77g、2.777mmol)の脱水ピリジン(10mL)溶液を冷却して−10℃とし、無水トリフ酸をそれに一気に加えた。冷却浴を外し、反応液を室温で1時間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、水層をDCMで抽出した(3回)。合わせた有機層をNaSOで脱水し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー:10%から80%EtOAc/ヘキサンによって精製した。白色固体(0.915g、80%)。
【0255】
階B:3−シアノ−6−メトキシピリジン−2−イルイソキノリン−1−カルボン酸メチル
3−シアノ−6−メトキシ−4−ピリジン−2−イル−1,2−ジヒドロイソキノリン−1−イル・トリフルオロメタンスルホン酸塩(0.267g、0.652mmol)、DMF(3.5mL)、MeOH(1.75mL)およびHO(0.012mL、0.652mmol)を丸底フラスコ中で混合し、その混合物にCOを3分間吹き込んだ。トリエチルアミン(0.132g、1.305mmol)、dppf(0.072g、0.13mmol)およびPd(OAc)(0.015g、0.065mmol)を上記混合物に加え、COを1分間吹き込んだ。大気圧CO下にて70℃で2時間攪拌した。冷却して室温とした。EtOAcと水との間で分配した。水層をEtOAcで抽出した(2回)。合わせた有機層をNaSOで脱水し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー:5%から70%EA/ヘキサンによって精製した。黄褐色固体(0.067g、32%)。
【0256】
段階C:3−シアノ−6−メトキシ−4−ピリジン−2−イルイソキノリン−1−カルボン酸
3−シアノ−6−メトキシ−4−ピリジン−2−イルイソキノリン−1−カルボン酸メチル(0.04g、0.125mmol)のEtOH(3mL)懸濁液に、0.251mL1(N)NaOH水溶液および水1.16mLを加えた。反応液を0℃で4時間攪拌し、1(N)HCl水溶液(0.251mL)を加えた。反応液を昇温させて室温とし、濃縮して黄褐色固体を得た(それ以上精製せずに用いた)。
【0257】
段階D:(+/−)−3−シアノ−6−メトキシ−4−ピリジン−2−イル−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)イソキノリン−1−カルボキサミド
3−シアノ−6−メトキシ−4−ピリジン−2−イルイソキノリン−1−カルボン酸(0.028g、0.092mmol)、テトラヒドロフラン−3−アンモニウムクロライド(0.068g、0.550mmol)、EDC(0.105g、0.550mmol)およびHOAT(0.0437g、0.275mmol)の入ったバイアルに、DMFを加えた。DIEA(0.071g、0.550mmol)をその混合物に加え、室温で終夜攪拌した。半飽和重曹とEtOAcとの間で分配した。水層をEtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層をNaSOで脱水し、濃縮し、逆相HPLCによって精製して黄褐色固体を得た(0.019g、55%)。
H NMR(500MHz、CDCl):δ9.70(d、J=9.5Hz、1H)、8.92〜8.90(m、1H)、8.28(d、J=7.3Hz、1H)、8.01〜7.93(m、1H)、7.67(d、J=7.3Hz、1H)、7.55〜7.52(m、1H)、7.46(dd、J=9.5、2.7Hz、1H)、7.03(d、J=2.4Hz、1H)、4.78〜4.73(m、1H)、4.11〜4.02(m、2H)、3.95〜3.86(m、2H)、3.80(s、3H)、2.47〜2.39(m、1H)、2.08〜2.02(m、1H)。
【0258】
下記の表中の実施例75−1〜75−11を、上記で詳述した手順を用いて製造した。完全に示されていない場合、化合物は表中で定義の可変部XXを有する下記の一般構造を有する。
【0259】
【表3】



【実施例76】
【0260】
【化107】

6−メトキシ−1−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−4−ピリジン−3−イルイソキノリン−3−カルボニトリル
【0261】
段階A:2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾイルクロライド
2−ヒドロキシ−4−メトキシ安息香酸(20g、118.9mmol)のCHCl(500mL)溶液に塩化チオニル(21.2g、178.4mmol)、次にDMF 0.4mLを加えた。室温で8時間攪拌後、反応混合物を濃縮して白色固体を得た(ベンゼンから2回共沸)。その取得物を次の段階でそのまま用いた。
【0262】
段階B:N−(シアノメチル)−2−ヒドロキシ−4−メトキシ−N−メチルベンズアミド
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾイルクロライド(22.19g、118.9mmol)のCHCl(500mL)溶液に、(メチルアミノ)アセトニトリル(10g、142.7mmol)および2,6−ルチジン(19.1g、178.4mmol)を加えた。反応液を室温で終夜攪拌した。次に、反応混合物をEtOAcと1(N)HCl水溶液との間で分配した。有機層を1(N)HCl水溶液で洗浄し(2回)、NaSOで脱水し、濃縮して、明黄色粘稠物を得た(24.63g、94%)。その取得物を、それ以上精製せずに次の段階で用いた。
【0263】
段階C:2−{[(シアノメチル)(メチル)アミノ]カルボニル}−5−メトキシフェニル・トリフルオロメタンスルホン酸塩
ヒューニッヒ塩基(21.7g、167.6mmol)を、N−(シアノメチル)−2−ヒドロキシ−4−メトキシ−N−メチルベンズアミド(24.6g、111.7mmol)の300mL溶液に加えた。混合物を冷却して0℃とした。N−フェニルトリフルイミド(59.9g、167.6mmol)を加え、室温で週末の間攪拌した。反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(10%から80%EtOAc/ヘキサン)によって精製した。完全な純品ではない淡黄色粘稠液体(28.8g、73%)。
【0264】
段階D:2−{[(シアノメチル)(メチル)アミノ]カルボニル}−5−メトキシ安息香酸メチル
2−{[(シアノメチル)(メチル)アミノ]カルボニル}−5−メトキシフェニル・トリフルオロメタンスルホン酸塩(28.7g、81.5mmol)のDMSO(100mL)およびMeOH(50mL)溶液に、トリエチルアミン(18.9g、187.4mmol)を加えた。一酸化炭素ガスをその溶液に5分間吹き込み、Pd(OAc)(1.09g、4.89mmol)、次にdppf(5.42g、9.78mmol)を加えた。その混合物を大気圧CO雰囲気下にて70℃で18時間加熱した。冷却して室温とし、EtOAcと水との間で分配した。水層をEtOAcで抽出した(2回)。合わせた有機層を半飽和ブラインで洗浄し、MgSOで脱水し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(10%から70%EtOAc−MeOH(95:5体積比)/ヘキサンによって精製した。赤色粘稠液体(10.3g、47%)。
【0265】
段階E:4−ヒドロキシ−6−メトキシ−2−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−3−カルボニトリル
2−{[(シアノメチル)(メチル)アミノ]カルボニル}−5−メトキシ安息香酸メチル(10.3g、39.27mmol)のMeOH(60mL)溶液を4.37(M)メタノール性NaOMe溶液17.9mLで処理し、3.5時間加熱還流した。反応混合物を濃縮し、1(M)HCl/エーテル72mLをそれに加えた。再度濃縮して(ベンゼンから2回共沸)、黄褐色固体を得た(13.5g、NaClを不純物として含む)。
【0266】
段階F:1,4−ジクロロ−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル
4−ヒドロキシ−6−メトキシ−2−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−3−カルボニトリル(粗取得物1.35g、3.91mmol)、POCl(7mL)およびDMF 7滴を封管に入れ、90℃で25時間加熱した。次に、DMFをさらに2滴加え、さらに8時間にわたって90℃での加熱を行った。冷却して室温とし、濃縮した。得られた残留物をCHClに溶かし、冷却して0℃とした。攪拌しながら、水層が塩基性となるまで、飽和NaHCO水溶液をゆっくり加えた。層を分液した。水層をCHClで抽出した(3回)。合わせた有機層をMgSOで脱水し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(5%から35%EtOAc/ヘキサン)によって、標題化合物0.393gを白色固体として、そしてモノ塩素化中間体0.3gを得た。その中間体について、110℃で40時間にわたって同じ反応条件での処理を行い、上記の方法に従って後処理および精製を行って、標題化合物210mgを得た。合わせた収量:0.603g(60%)。
【0267】
段階G:4−クロロ−6−メトキシ−1−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−3−カルボニトリル
1,4−ジクロロ−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル(0.25g、0.988mmol)および4−メチルイミダゾール(0.324g、3.951mmol)およびイソプロパノール4mLを封管に入れ、150℃で2時間加熱した。得られた白色固体を熱EA−MeOHに溶かし、フラッシュカラムに無水条件下で乗せた。フラッシュクロマトグラフィー(0%から6%MeOH−NH/EA)によって、標題化合物を白色固体として得た。
【0268】
段階H:6−メトキシ−1−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−4−ピリジン−3−イルイソキノリン−3−カルボニトリル
4−クロロ−6−メトキシ−1−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−3−カルボニトリル(0.055g、0.184mmol)、3−ピリジルボロン酸(0.034g、0.276mmol)、Pd(dba)(0.017g、0.018mmol)、トリシクロヘキシルホスフェン(0.015g、0.055mmol)およびKPO(0.117g、0.552mmol)を脱水ジオキサン7mLに取り、アルゴン雰囲気下に100℃で22時間加熱した。反応混合物をセライトで濾過し、濃縮した。得られた残留物に、上記の全ての試薬およびジオキサン6mLを加え、混合物を100℃で22時間加熱した。反応液を冷却して室温とし、セライトで濾過し(CHClで洗浄)、濾液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー:3%から6%MeOH−NHOH(90:10体積比)/EtOAcによって精製した。そのフラッシュクロマトグラフィーからの純度の低い分画を合わせ、逆相HPLCによって精製して白色固体を得た(0.025g、40%)。
H NMR(500MHz、DMSO−d):δ8.86(dd、J=4.9、1.5Hz、1H)、8.84(d、J=1.9Hz、1H)、8.19〜8.11(m、3H)、7.72(dd、J=7.8、4.9Hz、1H)、7.64(dd、J=9.5、2.7Hz、1H)、7.56(s、1H)、6.93(d、J=2.4Hz、1H)、3.82(s、3H)、2.25(s、3H)。HRMS342.1334(M+H)
【実施例77】
【0269】
【化108】

6−メトキシ−1−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−4−ピロリジン−1−イルイソキノリン−3−カルボニトリル
【0270】
封管中、4−クロロ−6−メトキシ−1−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−3−カルボニトリル(0.010g、0.033mmol)およびピロリジン(0.048g、0.067mmol)をイソプロパノール(1mL)中で混合し、マイクロ波リアクタで160℃にて1.5時間加熱した。冷却して室温とし、飽和NaHCO水溶液とEtOAcとの間で分配した。有機層をブラインで洗浄し(1回)、NaSOで脱水し、濃縮した。逆相HPLCによって精製した。標題化合物を黄褐色固体として得た(遊離塩基、0.0065g、58%)。H NMR(500MHz、CDCl):δ7.95(d、J=9.0Hz、1H)、7.91(s、1H)、7.55(d、J=2.7Hz、1H)、7.36(dd、J=9.3、2.7Hz、1H)、7.18(s、1H)、4.00(s、3H)、3.71〜3.69(m、4H)、2.36(s、3H)、2.19〜2.14(m、4H)。HRMS334.1666(M+H)
【0271】
下記の表中の実施例77−1〜77−9を、上記で詳述した手順を用いて製造した。完全に示されていない場合、化合物は表中で定義の可変部XXを有する下記の一般構造を有する。
【0272】
【表4】


【実施例78】
【0273】
下記の表中の実施例78−1〜78−8を、上記の手順を用い、例えば実施例24の条件下で適切なアルコールによる1,4−ジクロロ−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリルのモノ置換を用いて製造した。完全に示されていない場合、化合物は表中で定義の可変部XXを有する下記の一般構造を有する。
【0274】
【表5】



【実施例79】
【0275】
下記表中の実施例79−1〜79−2を、標準的な手順による1,4−ジクロロ−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリルのスズキカップリングまたはカルボニル化によって製造した。
【0276】
【表6】

【実施例80】
【0277】
下記表中の実施例80−1〜80−42を、上記実施例に詳述した手順を用いて製造した。完全に示されていない場合、化合物は表中で定義の可変部XXを有する下記の一般構造を有する。
【0278】
【表7】










【0279】
Kv1.5アッセイ
高スループットのKv1.5平面パッチクランプアッセイは、系統的な一次スクリーニングである。これは活性を確認し、Kv1.5カリウムチャンネルに特異的に影響を与える薬剤の効力の機能的尺度である。キスら(Kiss et al., Assay and Drug Dev. Tech., 1 (1-2): 127-135, 2003)およびシュレーダーら(Schroeder et al., J. of Biomol. Screen., 8 (1) ; 50-64, 2003)の報告には、Kv1.5ならびに他の電圧依存性チャンネルにおけるこの装置の使用について記載されている。
【0280】
ヒト心臓からクローニングされた、ヒトKv1.5カリウムチャンネルαサブユニットを安定に発現するチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)を、10%FBS、100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン、1000μg/mLG−418サルフェートを補給したハムのF12培地中にて密集度90〜100%まで増殖させる。細胞をベルセンで処理することで継代培養し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に懸濁させ、遠心する。細胞ペレットをPBSに再懸濁させ、得られた懸濁液をイオンワークス(IonWorks;商標名)HT装置の細胞貯留部に入れた。
【0281】
mM単位でK−グルコン酸100、KCl 40、MgCl3.2、EGTA 3、N−2−ヒドロキシルエチルピペラジン−N−2−エタンスルホン酸(HEPES) 5を含み、pHを7.3に調節した細胞内溶液を用いて、電気生理学的記録を行う。アンフォテリシン(シグマ(Sigma))を30mg/mL原液として調製し、内部緩衝液で最終作業濃度0.1mg/mLまで希釈する。外部溶液は、ダルベッコのPBS(インビトロゲン(Invitrogen))であり、mM単位でCaCl 0.90、KCl 2.67、KPO 1.47、MgCl 0.50、NaCl 138、NaPO 8.10を含み、pH7.4を有する。全ての化合物を10mMのDMSO溶液原液として調製する。化合物を外部緩衝液に希釈し、実験時に薬剤プレートからパッチプレートに移す(最終DMSO濃度<0.66体積%)。
【0282】
Kv1.5イオン電流を室温で記録する。膜電流を増幅し(RMS約10pA)、10kHzでサンプリングする。試験パルスの前に160ms過分極(10mV)前パルス200msを印加してリーク伝導度を測定することによって、全ての実験でリーク減算を行う。パッチクランプ刺激プロトコールは下記の通りである。
1.パッチプレートウェルに、外部緩衝液3.5μLを入れる。
2.10mV、160ms電位差を各ホール間に加えることで、平面ミクロピペットのホール抵抗(Rp)を求める(ホール試験)。
3.細胞をパッチプレートにピペットで入れ、各パッチプレートのウェルの底部に1〜2μmのホールを持った高抵抗シールを形成する。シール試験走査を行って、どれだけの数のパッチプレートウェルがシールを形成した細胞を有するかを求める。
4.細胞に電気的にアクセスするため、アンフォテリシンを含む細胞内溶液を、パッチプレートの底部側で4分間循環させる。
5.化合物添加前試験パルスをパッチプレートの各ウェルに印加する。プロトコール:細胞を、15秒間にわたり、−80mVの膜保持電位で電圧固定する。次に、5Hz刺激トレインを加える(+40mVまでの27×150ms脱分極)。+40mVまでの膜電位ステップによって、外向き(正)イオン電流が誘発される。
6.化合物をプレートパッチの各ウェルに加える。化合物を5分間インキュベートする。
7.化合物添加後試験パルスプロトコールを加える。プロトコール:細胞を、15秒間にわたり−80mVの膜保持電位で電圧固定する。次に、5Hz刺激トレインを加える(+40mVまでの27×150ms脱分極)。
【0283】
データ解析をオフラインで行う。薬剤添加前と薬剤添加後との間の対応のある比較を用いて、各化合物の阻害効果を求める。(5Hzトレインで)+40mVまでの27番目の脱分極中のピーク抑制電極の阻害%を、拮抗薬濃度の関数としてプロットする。濃度応答データに対してヒルの式:抑制%=100×(1+([薬剤]/IC50)−1を当てはめることで、電流を50%だけ阻害するのに必要な薬剤濃度(IC50)を求める。
【0284】
各細胞について、
1)シール抵抗
2)基底線計量値(最初の脱分極前から+40mVまでの5〜45msの−70mVでの平均電流)
3)電流急上昇計量値(最初の脱分極から+40mVまでの間の化合物前平均電流強さから27番目の脱分極から+40mVまでの間の化合物前平均電流強さを引いたもの)
4)ピーク電流(5Hzトレイン時の27番目脱分極から+40mVまでの最大電流強さ)
という4種類の算術計量値を得る。
【0285】
いずれの計量値も、化合物添加前および化合物添加後の両方のトレース時に得られる。
【0286】
1)シール抵抗が<50MΩである場合、
2)基底線計量値が化合物投与前時に>±100pAである場合、
3)電流急上昇計量値が>−0.2nAである場合、
4)先行読ピーク計量値が<400pAである場合
には、細胞をそれ以上の解析から除外する。
【0287】
上記で挙げた化合物は、前述の高スループットKv1.5平面パッチクランプアッセイで、33μM以下の濃度で>50%阻害を与える。
【0288】
原子吸光スペクトル測定プロトコール
このアッセイは、フレーム原子吸光分析(FAAS)を用いるRbフラックスによる測定で、CHO細胞で異種発現されたヒトKv1.5Kチャンネルを特異的に遮断する薬剤を確認するものである。イオンチャンネル活性の測定におけるFAASの利用は、テルスタッペンらの報告(Terstappen et al, Anal. Biochem., 272: 149-155, 1999.)からのものである。
【0289】
ヒトKv1.5を発現するCHO細胞を上記の方法に従って培養し、トリプシン−EDTAによって回収し、培地で洗浄する。
1.ウェル当たり細胞40000個を、96ウェル細胞培養プレート(アッセイプレート)に接種し、細胞を37℃で48時間増殖させる。
2.培地を除去し、Rbロード緩衝液(Rb Load Buffer, Aurora Biomed, Vancouver, BC)200μLを加え、5%CO下に37℃で3時間経過させる。
3.細胞をハンクス液(HBSS)200μLで5回洗浄し、次に被験化合物または0.5%DMSOを含むHBSS 100μLを加える。
4.10分後、140mM KClを含むHEPES緩衝生理食塩水100μLを加え、緩やかに振盪しながらプレートを室温で5分間インキュベートする。
5.その後直ちに、上清150μLを新しい96ウェルプレートに移し、残った上清を吸引する。
6.細胞溶解緩衝液(Aurora Biomed, Vancouver, BC)120μLをアッセイプレートに加え、10分間振盪してから分析を行う。
7.ICR−8000自動AAS装置(Aurora Biomed, Vancouver, BC)を用いて、Rb含有量を上清(SUP)および溶解物(LYS)のサンプルで測定する。
【0290】
%フラックス=100%×(SUP/(LYS+SUP))。%INH=100%×(1−(A−B)/(C−B))で、式中においてAは被験化合物存在下での%フラックス、Bは10mM(6−メトキシ−2−メチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロイソキノリン−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミニウムクロライド存在下での%フラックス、Cは0.25%DMSO存在下での%フラックスである。
【0291】
上記のAASアッセイで上記化合物は、25μM以下の濃度で>25%阻害を与える。
【0292】
本発明の化合物は、温血動物の身体の作用部位と有効成分化合物の接触を行う手段によって、本発明に従って苦痛、疾患および病気の治療または予防用に投与することができる。例えば投与は、経口、経皮を含む局所、眼球、口腔、経鼻、吸入、膣内、直腸、大槽内および非経口投与であることができる。本明細書で使用される「非経口」という用語は、皮下、静脈、筋肉、関節内の注射または注入、胸骨内および腹腔内投与などの投与形態を指す。
【0293】
前記化合物は、個々の治療薬として、あるいは治療薬の組み合わせ剤での医薬との併用に利用可能な従来の手段によって投与することができる。それらは、単独で投与することが可能であるが、一般的には、選択される投与経路および標準的な医薬上の実務に基づいて選択される医薬担体とともに投与される。
【0294】
本開示内容に関して温血動物は、恒常性維持機構を有する動物界の構成員であり、哺乳動物および鳥類などがある。
【0295】
投与する用量は、被投与者の年齢、健康状態および体重、疾患の程度、行っている場合は併用治療の種類、治療の頻度、所望の効果の性質によって決まる。通常、有効成分化合物の1日用量は、約1〜500mg/日である。通常は、1種類以上の用途で10〜100mg/日が、所望の結果を得る上で有効である。それらの用量は、例えば心房細動、心房粗動、心房性不整脈および上室性頻拍症などの心不整脈、卒中および鬱血性心不全などの血栓塞栓事象、ならびに免疫抑制のような上記の苦痛、疾患および病気を治療および予防する上での有効量である。
【0296】
有効成分は、カプセル、錠剤、トローチ、糖衣錠、粒剤および粉剤などの固体製剤で、あるいはエリキシル剤、シロップ、乳濁液、分散液および懸濁液などの液体製剤で経口投与することができる。有効成分はまた、分散液、懸濁液または液剤などの無菌液体製剤で非経口投与することもできる。他の製剤を用いて、局所投与用の軟膏、クリーム、滴剤、経皮貼付剤または粉剤として、眼科投与用の眼科液剤もしくは懸濁液製剤、すなわち点眼薬として、吸入もしくは経鼻投与用のエアロゾル噴霧剤または粉末組成物として、あるいは直腸もしくは膣投与用のクリーム、軟膏、噴霧剤もしくは坐剤として、有効成分を投与することもできる。
【0297】
ゼラチンカプセルは、有効成分と、乳糖、デンプン、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸などの粉末担体を含む。同様の希釈剤を用いて、圧縮錠を製造することができる。錠剤およびカプセルのいずれも、徐放製剤として製造して、ある期間にわたって薬剤を連続的に放出することができる。圧縮錠は、糖やフィルムでコーティングして、不快な味を隠したり、錠剤を雰囲気から保護しても良く、あるいは腸溶コーティングして消化管での選択的崩壊を起こさせても良い。
【0298】
経口投与用の液体製剤は、患者が受け入れやすくするために、着色剤や香味剤を含んでいても良い。
【0299】
一般に、水、好適なオイル、生理食塩水、ブドウ糖水溶液(グルコース)および関連する糖溶液ならびにプロピレングリコールまたはポリエチレングリコール類などのグリコール類が、非経口液剤には好適な担体である。非経口投与用の液剤は好ましくは、有効成分の水溶性塩、好適な安定剤および必要に応じて緩衝物質を含む。単独または組み合わせでの重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸などの酸化防止剤が、好適な安定剤である。クエン酸およびそれの塩およびナトリウムEDTAも用いられる。さらに、非経口液剤は、塩化ベンザルコニウム、メチルもしくはプロピルパラベンおよびクロロブタノールなどの保存剤を含むことができる。
【0300】
好適な医薬担体は、文献(Remington′s Pharmaceutical Sciences, A. Osol;この分野での標準的な参考書)に記載されている。
【0301】
吸入による投与の場合、本発明の化合物は簡便には、加圧パックまたはネブライザーからのエアロゾル噴霧剤の形態で投与することができる。その化合物は、製剤可能な粉剤として投与することもでき、その粉末組成物を通気粉末吸入機器を用いて吸入することができる。吸入用の好ましい投与システムは、計量式吸入(MDI)エアロゾルであり、それはフルオロカーボン類または炭化水素などの好適な推進剤中の式Iの化合物の懸濁液または溶液として製剤することができる。
【0302】
眼科投与の場合、適切な眼科媒体中の式Iの化合物の適切な重量パーセントの溶液もしくは懸濁液で眼科製剤を製剤して、その化合物が角膜および眼球の内部領域に浸透できるだけの期間にわたって、その化合物が眼球表面と接触した状態に維持されるようにすることができる。
【0303】
本発明の化合物を投与する上で有用な医薬製剤には、硬および軟ゼラチンカプセル、錠剤、非経口注射剤および経口懸濁液などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0304】
標準的な2枚の硬ゼラチンカプセルに、それぞれ粉末有効成分100mg、乳糖150mg、セルロース50mgおよびステアリン酸マグネシウム6mgを充填することで、多数の単位カプセルを製造する。
【0305】
大豆油、綿実油またはオリーブ油などの食用油中の有効成分の混合物を調製し、容積移送式ポンプによってゼラチン中に注入することで、有効成分100mgの入った軟ゼラチンカプセルを形成する。カプセルを洗浄および乾燥させる。
【0306】
従来の手順によって多数の錠剤を製造して、用量単位が有効成分100mg、コロイド状二酸化ケイ素0.2mg、ステアリン酸マグネシウム5mg、微結晶セルロース275mg、デンプン11mgおよび乳糖98.8mgとなるようにする。適切なコーティングを施して、嗜好性を高め、遅延吸収性を大きくすることができる。
【0307】
注射による投与に好適な非経口組成物は、1.5重量%の有効成分を10体積%のプロピレングリコール中で攪拌することで調製される。得られた溶液を、注射用水で規定量とし、滅菌する。
【0308】
各5mLが微粉砕有効成分100mg、ナトリウムカルボキシメチルセルロース100mg、安息香酸ナトリウム5mg、ソルビトール溶液U.S.P. 1.0gおよびバニリン0.025mLを含むように、経口投与用に水系懸濁液を調製する。
【0309】
本発明の化合物を段階的にあるいは別の治療薬と併用で投与する場合、同じ製剤を用いることができる。薬剤を物理的に組み合わせて投与する場合、製剤および投与経路は、組み合わせた薬剤の適合性に応じて選択しなければならない。従って、同時投与という用語は、2種類の薬剤を同時または順次投与すること、あるいは2つの活性成分の固定用量組み合わせ剤として投与することを包含するものと理解される。
【0310】
本発明の化合物は、単独の有効成分として、あるいはキニジン、プロパフェノン、アンバシリド、アミオダロン、フレカイニド、ソタロール、ブレチリウム、ドフェチリド、アルモカラント、ベプリジル、クロフィリウムなどのKv1.5遮断活性を有する他の抗不整脈薬、クロトリマゾール、ケトコナゾール、ブピバカイン、エリスロマイシン、ベラパミル、ニフェジピン、ザテブラジン、ビスインドリルマレイミドなどのKv1.5遮断活性を有する他の化合物、あるいはベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリルエルブミン、キナプリル、ラミプリルおよびトランドラプリルのようなACE阻害薬、カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、テルミサルタンおよびバルサルタンなどのアンギオテンシンII拮抗薬、ジゴキシンなどの強心配糖体、L型カルシウムチャンネル遮断薬、T型カルシウムチャンネル遮断薬、選択的および非選択的β遮断薬、免疫抑制化合物、エンドテリン拮抗薬、トロンビン阻害薬、アスピリン、ナプロキセン、ワーファリン、因子Xa阻害薬、低分子量ヘパリン、未分画ヘパリン、クロピドグレル、チクロピジンなどのアスピリン以外の非選択的NSAID類、チロフィバンなどのIIb/IIIa受容体拮抗薬、5HT受容体拮抗薬、インテグリン受容体拮抗薬、トロンボキサン受容体拮抗薬、TAFI阻害薬およびP2T受容体拮抗薬のような(これらに限定されるものではない)他の心血管薬などの第2の有効成分と組み合わせて投与することができる。本発明の化合物は、単独の有効成分として、あるいはペースメーカーまたは除細動器と併用して投与することもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式Iの化合物または該化合物の製薬上許容される塩、結晶形もしくは水和物。
【化1】

[式中、
Aは、
a)アリール環、ここにおいて、安定なアリール環原子は、独立に、未置換であるか、
1)ハロゲン、
2)NO
3)CN、
4)CR46=C(R4748
5)C≡CR46
6)(CROR46
7)(CRN(R4647)、
8)(CRC(O)R46
9)(CRC(O)OR46
10)(CR46
11)(CRS(O)0−261
12)(CRS(O)0−2N(R4647)、
13)OS(O)0−261
14)N(R46)C(O)R47
15)N(R46)S(O)0−261
16)(CRN(R46)R61
17)(CRN(R46)R61OR47
18)(CRN(R46)(CRC(O)N(R4748)、
19)N(R46)(CR61
20)N(R46)(CRN(R4748)、
21)(CRC(O)N(R4748)、
22)オキソ
で置換され;
b)ヘテロアリール環、ここにおいて、このヘテロアリール環は、
N、OまたはSからなる群から選択される1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子を有する5員不飽和単環式環、
N、OおよびSからなる群から選択される1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子を有する6員不飽和単環式環、および
N、OまたはSからなる群から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子環原子を有する9もしくは10員不飽和二環式環
からなる群から選択され
[上記において、安定なSヘテロアリール環原子は未置換であるかオキソでモノもしくはジ置換されており、安定なCまたはNヘテロアリール環原子は、独立に、未置換であるか、
1)ハロゲン、
2)NO
3)CN、
4)CR46=C(R4748
5)C≡CR46
6)(CROR46
7)(CRN(R4647)、
8)(CRC(O)R46
9)(CRC(O)OR46
10)(CR46
11)(CRS(O)0−261
12)(CRS(O)0−2N(R4647)、
13)OS(O)0−261
14)N(R46)C(O)R47
15)N(R46)S(O)61
16)(CRN(R46)R61
17)(CRN(R46)R61OR47
18)(CRN(R46)(CRC(O)N(R4748)、
19)N(R46)(CR61
20)N(R46)(CRN(R4748)、
21)(CRC(O)N(R4748)、または
22)オキソ
で置換されている。]、または
c)1または2個の窒素原子を有し、未置換であるかC〜Cアルキルでモノ置換またはジ置換された4、5もしくは6員複素環
であり;
Yは、CH、NR53、NC(O)R53、S(O)0−2またはOであり;
Gは、HまたはOであり;
、R、R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは独立に、
1)水素、
2)C〜Cアルキル、
3)ハロゲン、
4)アリール、
5)R80
6)C〜C10シクロアルキルおよび
7)OR
からなる群から選択され、
前記アルキル、アリールおよびシクロアルキルは、未置換であるか、Rでモノ置換されているか、RおよびR15でジ置換されているか、R、R15およびR16でトリ置換されているか、あるいはR、R15、R16およびR17でテトラ置換されており;
は独立に、
1)水素、
2)ハロゲン、
3)NO
4)CN、
5)CR40=C(R4142)、
6)C≡CR40
7)(CROR40
8)(CRN(R4041)、
9)(CRC(O)R40
10)(CRC(O)OR40
11)(CR40
12)(CRS(O)0−2
13)(CRS(O)0−2N(R4041)、
14)OS(O)0−2
15)N(R40)C(O)R41
16)N(R40)S(O)0−2
17)(CRN(R40)R
18)(CRN(R40)ROR41
19)(CRN(R40)(CRC(O)N(R4142)、
20)N(R40)(CR
21)N(R40)(CRN(R4142)、
22)
【化2】

23)
【化3】

24)
【化4】

25)(CRC(O)N(R4142)および
26)未置換であるか、−OHでモノ置換、ジ置換もしくはトリ置換されている1個の窒素原子を有する4、5または6員複素環
から選択され;
、R、RおよびR10は独立に、
1)水素、
2)ハロゲン、
3)NO
4)CN、
5)CR43=C(R4445)、
6)C≡CR43
7)(CROR43
8)(CRN(R4344)、
9)(CRC(O)R43
10)(CRC(O)OR43
11)(CR43
12)(CRS(O)0−260
13)(CRS(O)0−2N(R4344)、
14)OS(O)0−260
15)N(R43)C(O)R44
16)N(R43)S(O)0−260
17)(CRN(R43)R60
18)(CRN(R43)R60OR44
19)(CRN(R43)(CRC(O)N(R4445)、
20)N(R43)(CR60
21)N(R43)(CRN(R4445)および
22)(CRC(O)N(R4344
から選択され;または
およびRは独立に上記で定義の通りであり、RおよびR10がそれらが結合している原子とともに、下記の環:
【化5】

を形成しており(式中、RはC1−6アルキルである。);
、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、R48、R49、R50、R51、R52およびR53は独立に、
1)水素、
2)C〜Cアルキル、
3)C〜C10シクロアルキル、
4)アリール、
5)R81
6)CF
7)C〜Cアルケニルおよび
8)C〜Cアルキニル
から選択され、
前記アルキル、アリールおよびシクロアルキルは、未置換であるか、R18でモノ置換されているか、R18およびR19でジ置換されているか、R18、R19およびR20でトリ置換されているか、あるいはR18、R19、R20およびR21でテトラ置換されており;
は独立に、
1)水素、
2)ハロゲン、
3)CN、
4)C(O)N(R4950)、
5)C(O)OR49
6)S(O)0−2N(R4950)、
7)S(O)0−262
8)C〜Cアルキル、
9)C〜C10シクロアルキル、
10)R82
から選択され;
前記アルキル、アリールおよびシクロアルキルは、未置換であるか、R22でモノ置換されているか、R22およびR23でジ置換されているか、R22、R23およびR24でトリ置換されているか、あるいはR22、R23、R24およびR25でテトラ置換されており;
、R60、R61、R62およびR63は独立に、
1)C〜Cアルキル、
2)アリール、
3)R83および
4)C〜C10シクロアルキル
から選択され;
前記アルキル、アリールおよびシクロアルキルは、未置換であるか、R26でモノ置換されているか、R26およびR27でジ置換されているか、R26、R27およびR28でトリ置換されているか、あるいはR26、R27、R28およびR29でテトラ置換されており;
、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29およびR70は独立に、
1)C〜Cアルキル、
2)ハロゲン、
3)OR51
4)CF
5)アリール、
6)C〜C10シクロアルキル、
7)R84
8)S(O)0−2N(R5152)、
9)C(O)OR51
10)C(O)R51
11)CN、
12)C(O)N(R5152)、
13)N(R51)C(O)R52
14)S(O)0−263
15)NOおよび
16)N(R5152
から選択され;
80、R81、R82、R83およびR84は独立に、N、OおよびSからなる群から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子環原子を有する4〜6員不飽和または飽和単環式環ならびにN、OまたはSからなる群から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子環原子を有する9員もしくは10員不飽和または飽和二環式環からなる未置換もしくは置換複素環の群から選択され;
n、p、q、r、sおよびtは独立に、0、1、2、3、4、5または6であり;
uは、0、1または2であり;
vは、0、1または2である。]
【請求項2】
Aが、a)請求項1での未置換または置換フェニルから選択されるアリール環、b)ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、インドール、ピロロピリジン、ベンズイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾオキサジアゾールからなる群から選択される請求項1での未置換または置換ヘテロアリール環、またはc)請求項1での4、5もしくは6員複素環であり;
、R、RおよびR10が独立に、
1)水素、
2)ハロゲン、
3)OR43および
4)(CR43
からなる群から選択され;または
およびRが独立に上記で定義の通りであり;RおよびR10がそれが結合している原子とともに、下記の環:
【化6】

を形成しており(RはC1−6アルキルである。);
が独立に、
1)水素、
2)ハロゲン、
3)CN、
4)OR40
5)N(R4041)、
6)C(O)OR40
7)R81
8)S(O)0−2
9)N(R40)(CR(R=R83)、
10)N(R40)(CRN(R4142)、
11)
【化7】

12)
【化8】

13)C(O)N(R4142)および
14)未置換であるか−OHでモノ、ジもしくはトリ置換された1個の窒素原子を有する4、5または6員複素環
から選択される、請求項1に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。
【請求項3】
、RおよびR10が独立に、水素およびハロゲンから選択され;RがOCHまたはOCHFである、請求項2に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。
【請求項4】
が、−SCH、−SOCH、−NH(CHOH、−NH(CHOH、−NH(CHOCH、−NH(CHOCH、−NH(CHNH、−NH、−SOCHCH、−CN、Cl、−OCH、−OCHCHCH、−OCHCH(OH)CHOH、−NHCHCHCH、−CH、−CHCHOH、−O(CHCHCH、−O(CHCH(OH)(CHOH)、−NHCH(CHOH)、−NHCHCH(OH)CHOH、−NH(CHCH(OH)CHOH、
【化9】

からなる群から選択される、請求項3に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。
【請求項5】
Aが、
1)安定な環原子が未置換であるかハロゲンで置換されているフェニル、
2)安定なC環原子が未置換であるかハロゲンで置換されているピリジニル、
3)安定なCまたはN環原子が未置換であるかハロゲンで置換されているインドリルおよび
4)未置換であるか、C〜Cアルキルでモノ置換またはジ置換されたピロリジン、ピペリジン、ピペラジンおよびアゼチジンからなる群から選択される複素環
からなる群から選択される、請求項4に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。
【請求項6】
が、CNおよびC〜Cアルキルからなる群から選択され;前記アルキルは、未置換であるか、R22でモノ置換されているか、R22およびR23でジ置換されているか、R22、R23およびR24でトリ置換されているか、あるいはR22、R23、R24およびR25でテトラ置換されている、請求項5に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。
【請求項7】
[(6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−イル)メチル]ジメチルアミン、
1−(1−クロロ−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミン、
{[6−メトキシ−1−(メチルチオ)−4−フェニルイソキノリン−3−イル]メチル}ジメチルアミン、
[6−メトキシ−1−(メチルスルホニル)−4−フェニルイソキノリン−3−イル]メチル(ジメチル)アミンオキサイド、
1−[6−メトキシ−1−(メチルスルホニル)−4−フェニルイソキノリン−3−イル]−N,N−ジメチルメタンアミン、
3−[(ジメチルアミノ)メチル]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−1−カルボニトリル、
2,3−ジメチル−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリニウム・ヒドロキシド、
6−メトキシ−1−(2−メトキシメトキシ)−3−メチル−4−フェニルイソキノリン、
{3−[(6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1−イル)オキシ]プロピル}アミン、
2−[(6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1−イル)アミノ]エタノール、
6−メトキシ−3−メチル−1−(メチルスルホニル)−4−フェニルイソキノリン、
6−メトキシ−N−(2−メトキシエチル)−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1−アミン、
N−(6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1−イル)エタン−1,2−ジアミン、
6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン、
N−(3,4−ジメトキシベンジル)−6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1−アミン、
6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1−アミン、
1−(エチルスルホニル)−6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン、
1−(ベンジルスルホニル)−6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン、
6−メトキシ−3−メチル−4−フェニル−1−(フェニルスルホニル)イソキノリン、
6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1−カルボニトリル、
3−tert−ブチル−6−メトキシ−1−(2−メトキシメトキシ)−4−フェニルイソキノリン、
1−クロロ−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−1,3−ジカルボニトリル、
1−(アリルオキシ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
(アリルアミノ)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−1−[(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−{[(2S)−2,3−ジヒドロキシプロピル]アミノ}−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−{[(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピル]アミノ}−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−1−[(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−{[(4S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル]メトキシ}−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−{[(4R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル]メトキシ}−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−{[(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピル]オキシ}−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−{[(2S)−2,3−ジヒドロキシプロピル]オキシ}−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−1−{[2,3−ジヒドロキシプロピル]オキシ}−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[(3R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−1−[3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[シス−3,4−ジヒドロキシピロリジン−1−イル]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
6−メトキシ−4−フェニル−1−ピロリジン−1−イルイソキノリン−3−カルボニトリル、
6−メトキシ−1−(メチルスルホニル)−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1,6−ジメトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−クロロ−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシ−1−メチルイソキノリン−3−カルボニトリル、
4−(3−フルオロフェニル)−1−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−アミノ−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
4−(3−フルオロフェニル)−1−[(3−ヒドロキシプロピル)アミノ]−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−(ブト−3−エンイルオキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−1−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[(2R)−2,3−ジヒドロキシプロポキシ]−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[(2S)−2,3−ジヒドロキシプロポキシ]−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−1−(3,4−ジヒドロキシブトキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−1−[(3R)−3,4−ジヒドロキシブトキシ]−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[(3S)−3,4−ジヒドロキシブトキシ]−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−1−[(1,4−ジオキサン−2−イルメチル)アミノ]−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[(1,4−ジオキサン−(2R)−2−イルメチル)アミノ]−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[(1,4−ジオキサン−(2S)−2−イルメチル)アミノ]−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシ−1−[(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)メトキシ]イソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−1−(1,3−ジオキソラン−4−イルメトキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−(1,3−ジオキソラン−(4R)−4−イルメトキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−(1,3−ジオキソラン−(4S)−4−イルメトキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−(1,3−ジオキサン−5−イルオキシ)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
4−(3−フルオロフェニル)−1−{[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ}−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
4−(3−フルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−5−イルメトキシ)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−{[(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピル]アミノ}−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−{[(2S)−2,3−ジヒドロキシプロピル]アミノ}−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−1−{[2,3−ジヒドロキシプロピル]アミノ}−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−(1H−イミダゾール−1−イル)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
6−メトキシ−4−フェニル−1−[(ピリジン−2−イルメチル)アミノ]イソキノリン−3−カルボニトリル、
6−メトキシ−4−フェニル−1−[(2−ピリジン−2−イルエチル)アミノ]イソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−1−[(3,4−ジヒドロキシブチル)アミノ]−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[(3R)−(3,4−ジヒドロキシブチル)アミノ]−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[(3S)−(3,4−ジヒドロキシブチル)アミノ]−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−クロロ−4−(2−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
4−(2−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−1−[(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]−4−(2−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[(2S)−(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]−4−(2−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[(2R)−(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]−4−(2−フルオロフェニル)−6−メトキシイソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−6−(ジフルオロメトキシ)−1−{[2,3−ジヒドロキシプロピル]アミノ}−4−(3−フルオロフェニル)イソキノリン−3−カルボニトリル、
6−(ジフルオロメトキシ)−1−{[(2S)−2,3−ジヒドロキシプロピル]アミノ}−4−(3−フルオロフェニル)イソキノリン−3−カルボニトリル、
6−(ジフルオロメトキシ)−1−{[(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピル]アミノ}−4−(3−フルオロフェニル)イソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−6−(ジフルオロメトキシ)−1−{[2,3−ジヒドロキシプロピル]オキシ}−4−(3−フルオロフェニル)イソキノリン−3−カルボニトリル、
6−(ジフルオロメトキシ)−1−{[(2S)−2,3−ジヒドロキシプロピル]オキシ}−4−(3−フルオロフェニル)イソキノリン−3−カルボニトリル、
6−(ジフルオロメトキシ)−1−{[(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピル]オキシ}−4−(3−フルオロフェニル)イソキノリン−3−カルボニトリル、
1−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−アゼチジン−1−イル−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
(+/−)−1−[トランス−3,4−ジヒドロキシピロリジン−1−イル]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[(3R,4R)−3,4−ジヒドロキシピロリジン−1−イル]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリル、
1−[(3S,4S)−3,4−ジヒドロキシピロリジン−1−イル]−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−3−カルボニトリルおよび
6−メトキシ−N−(3−メトキシプロピル)−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1−アミン
からなる群から選択される、請求項6に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。
【請求項8】
Kv1.5阻害によって実行または促進される哺乳動物における状態の治療方法であって、Kv1.5の阻害に有効な量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する方法。
【請求項9】
前記状態が心不整脈である請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記心不整脈が心房細動である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記心不整脈が心房粗動、心房性不整脈および上室性頻拍症からなる群から選択される請求項9に記載の方法。
【請求項12】
Kv1.5阻害によって実行または促進される哺乳動物における状態の予防方法であって、Kv1.5の阻害に有効な量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する方法。
【請求項13】
前記状態が心不整脈である請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記心不整脈が心房細動である請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記心不整脈が心房粗動、心房性不整脈および上室性頻拍症からなる群から選択される請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記状態が血栓塞栓事象である請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記血栓塞栓事象が卒中である請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記状態が鬱血性心不全である請求項12に記載の方法。
【請求項19】
製薬上許容される担体および請求項1に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される結晶形もしくは水和物を含む医薬製剤。
【請求項20】
請求項1に記載の化合物と製薬上許容される担体を組み合わせることで製造される医薬組成物。
【請求項21】
Kv1.5遮断活性を有する抗不整脈薬、ACE阻害薬、アンギオテンシンII拮抗薬、強心配糖体、L型カルシウムチャンネル遮断薬、T型カルシウムチャンネル遮断薬、選択的および非選択的β遮断薬、エンドテリン拮抗薬、トロンビン阻害薬、アスピリン、非選択的NSAID類、ワーファリン、因子Xa阻害薬、低分子量ヘパリン、未分画ヘパリン、クロピドグレル、チクロピジン、IIb/IIIa受容体拮抗薬、5HT受容体拮抗薬、インテグリン受容体拮抗薬、トロンボキサン受容体拮抗薬、TAFI阻害薬およびP2T受容体拮抗薬からなる化合物群のいずれかから選択される化合物とともに請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する、心不整脈の治療方法。
【請求項22】
請求項1に記載の化合物で該患者を治療する段階を有する、心房細動患者で正常な洞律動状態を誘発する方法。
【請求項23】
請求項1に記載の化合物と組み合わせて、抗頻脈機器で該患者を治療する段階を有する、患者での頻脈の治療方法。

【公表番号】特表2007−506743(P2007−506743A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−528072(P2006−528072)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/030486
【国際公開番号】WO2005/030130
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】