説明

イベント会場向け配布用写真作成装置

【課題】披露宴等で撮影したスナップ写真の配布を容易に行う。
【解決手段】来場時に来場者を撮影しその顔写真と氏名等を対応づけて来場者データベース31を作成する。貸出カメラ10により来場者に撮影してもらい、披露宴終了前に貸出カメラ10を回収しそのカメラデータを収集する。撮影画像毎に撮影されている人物の顔領域を抽出し、この顔領域の顔画像と来場者データベース31の顔写真データとを照合し、顔画像に対応する来場者を特定する。顔画像が撮影されている撮影画像の画像No.と特定した来場者とを対応テーブルTに登録し、全ての撮影画像の顔画像の特定が終了したとき、対応テーブルTに登録された来場者毎にこの来場者に対応付けられている画像No.に対応するスナップ写真データを収集したカメラデータから抽出し、これをプリント写真として印刷し、披露宴終了時に対応する来場者に配布する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、披露宴等のイベント会場において、来場者等が撮影したスナップ写真を基に、来場者各人への配布用のプリント写真や、アルバムを作成するイベント会場向け配布用写真作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
結婚披露宴や同窓会等のイベント会場においては、来場者が各自持参したカメラで自由に写真撮影が行われており、来場者は、後日、プリント写真を相互に回覧して希望のプリント写真を入手し、これをアルバムに整理するといった作業を行っている。しかしながら、入手したプリント写真の枚数が多かったり、撮影した時点から月日が経過してしまうとアルバム整理が面倒になったりするため、せっかく撮影したプリント写真もそのまま放置されてしまう可能性がある。
【0003】
このような写真整理の手間を省くために、例えば、結婚披露宴、祝賀会、同窓会等のイベントに際し、デジタルカメラを来場者に貸し出し、各デジタルカメラで各人が撮影したスナップ写真データをもとにアルバムを作成し、これを引出物や土産として配布するようにしたもの(例えば、特許文献1参照)、また、各人のデジタルカメラで撮影した画像データを収集すると共に、写真やネガ、ボジ等を収集して、これをスキャナ等でデジタル画像として読み込み、これらをもともとに、画像補正や編集等を行ってアルバムを生成するようにしたもの(例えば、特許文献2参照)、も提案されている。
【特許文献1】特開2003−125321号公報
【特許文献2】特開2005−119174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、自動的にアルバムを生成し配布することにより、写真整理等の労力を伴うことなく写真を思い出の品として保存することができる。
ここで、上述のように、各人が撮影した写真データをもとにアルバムを作成するようにした場合、来場者全員が満足するアルバムを作成するためには、来場者全員を漏れなく掲載する必要があり、また、来場者のそれぞれについて、同等枚数程度掲載する必要がある。しかしながら、特に、披露宴等の場合には、面識のない人も参加することから、各人は、必ずしも来場者全員の写真を万遍無く必要とはしてはおらず、主に、自分や友人が写っているものを必要としている。これを実現するためには、新郎新婦側で、来場者それぞれが必要とするであろう写真を選別して来場者毎に適したアルバムを作成し、これを来場者にプレゼントすることにより、心のこもったアルバムを贈ることができる。
【0005】
しかしながら、このように、配布先の各人に合わせたアルバムを作成するには、前述のように各人に適したプリント写真を選別する必要があるが、複数の来場者が撮影したプリント写真を一枚ずつ確認し、来場者毎に選別を行うことは多大な労力を伴い、また、選別を行ったとしても、来場者が多いときほど、また、撮影された写真の枚数が多いときほど、配布先を誤る可能性があり、また各人への配布枚数等を考慮するとなると非常に煩わしい作業となる。
そこで、この発明は、上記従来の未解決の問題点に着目してなされたものであり、来場者各人に適した配布用の写真を容易に作成することの可能なイベント会場向け配布用写真作成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るイベント会場向け配布用写真作成装置は、イベント会場に来場した来場者の顔を撮影する顔写真撮影手段と、当該顔写真撮影手段で撮影した来場者を特定する個人情報を入力する入力手段と、前記顔写真撮影手段と前記入力手段で入力された前記来場者の個人情報とを対応付けて記憶する来場者データベース生成手段と、前記来場者がイベント撮影に用いたイベント撮影手段による撮影画像の画像データを収集する画像データ収集手段と、当該画像データ収集手段で収集した画像データをもとに、撮影画像毎にそこに含まれる人物の顔領域を抽出する顔領域抽出手段と、前記来場者データベース生成手段で生成された来場者データベースと照合して前記顔領域抽出手段で抽出した顔領域内の顔画像に対応する人物を特定し、特定した人物と当該人物の顔画像が抽出された撮影画像を特定する画像識別情報とを対応付ける人物特定手段と、前記画像データ収集手段で収集した画像データの中から、前記人物特定手段で特定された人物毎に当該人物に対応付けられた前記画像識別情報で特定される撮影画像の画像データを抽出し、これを配布用記録媒体に記録する配布用写真生成手段と、を備えることを特徴としている。
【0007】
なお、配布用記録媒体としては、メモリカード等、画像データを電子データとして記録するための電子データ用の記録媒体であってもよいし、また、プリント写真印刷用の印刷用紙等、印刷画像として記録する印刷用の記録媒体であってもよい。
また、請求項2に係るイベント会場向け配布用写真作成装置は、前記配布用記録媒体に記録する行為として、前記配布用記録媒体としての紙に前記撮影画像を印刷することを特徴としている。
【0008】
また、請求項3に係るイベント会場向け配布用写真作成装置は、前記イベント撮影手段は、前記撮影画像が撮影された時刻を表す時刻情報を前記撮影画像毎にその画像データに付加する時刻情報付加手段を備え、前記配布用写真生成手段は、前記時刻情報をもとに、前記撮影画像の画像データを、前記配布用記録媒体に時系列に記録することを特徴としている。
【0009】
また、請求項4に係るイベント会場向け配布用写真作成装置は、イベント会場に来場した来場者の顔を撮影する顔写真撮影手段と、当該顔写真撮影手段で撮影した来場者を特定する個人情報を入力する入力手段と、前記顔写真撮影手段と前記入力手段で入力された前記来場者の個人情報とを対応付けて記憶する来場者データベース生成手段と、前記来場者がイベント撮影に用いたイベント撮影手段による撮影画像の画像データを収集する画像データ収集手段と、当該画像データ収集手段で収集した撮影画像を選別用記録媒体に記録する選別用写真生成手段と、前記選別用記録媒体に記録された撮影画像に対してマーク付けが行われた後の撮影画像であるマーク付画像を読み込むマーク付画像読込み手段と、当該マーク付画像読込み手段で読み込んだマーク付画像においてマーク付けされた位置を検出するマーク位置検出手段と、前記マーク付画像において、前記マーク位置検出手段で検出されたマーク位置に該当する顔画像を抽出するマーク画像抽出手段と、前記来場者データベース生成手段で生成された来場者データベースと照合して前記マーク画像抽出手段で抽出した顔画像に対応する人物を特定し、特定した人物と当該人物の顔画像が抽出されたマーク付画像に対応する撮影画像を特定する画像識別情報とを対応付けるマーク人物特定手段と、前記画像データ収集手段で収集した画像データの中から、前記マーク人物特定手段で特定された人物毎に当該人物に対応付けられた前記画像識別情報で特定される撮影画像の画像データを抽出し、これを配布用記録媒体に記録する配布用選別写真生成手段と、を備えることを特徴としている。
【0010】
なお、選別用記録媒体及び配布用記録媒体としては、メモリカード等、画像データを電子データとして記録するための電子データ用の記録媒体であってもよいし、また、プリント写真印刷用の印刷用紙等、印刷画像として記録する印刷用の記録媒体であってもよい。
また、請求項5に係るイベント会場向け配布用写真作成装置は、前記来場者データベースは、前記来場者の住所情報を含み、前記来場者データベースに基づき、前記配布用選別写真生成手段で生成された配布用記録媒体に対応する人物の住所情報を獲得し、当該住所情報で特定される住所を、前記配布用記録媒体の発送先として設定する発送先設定手段、を備えることを特徴としている。
【0011】
また、請求項6に係るイベント会場向け配布用写真作成装置は、前記選別用写真生成手段は、前記選別用記録媒体に記録する行為として、前記選別用記録媒体としての紙に前記撮影画像を印刷し、前記マーク付画像読込み手段は、前記紙に印刷された印刷画像を読み取る画像読み取り装置であることを特徴としている。
また、請求項7に係るイベント会場向け配布用写真作成装置は、前記配布用選別写真生成手段は、前記撮影画像を印刷してアルバムを製本することを特徴としている。
【0012】
また、請求項8に係るイベント会場向け配布用写真作成装置は、前記イベント撮影手段は、前記撮影画像が撮影された時刻を表す時刻情報を前記撮影画像毎にその画像データに付加する時刻情報付加手段を備え、前記選別用写真生成手段及び前記配布用選別写真生成手段の少なくとも何れか一方は、前記時刻情報をもとに、前記撮影画像の画像データを、前記選別用記録媒体又は配布用記録媒体に時系列に記録することを特徴としている。
【0013】
また、請求項9に係るイベント会場向け配布用写真作成装置は、前記配布用写真生成手段は、前記配布用記録媒体に記録する撮影画像の記録枚数を制限する枚数制限手段を備えることを特徴としている。
また、請求項10に係るイベント会場向け配布用写真作成装置は、前記配布用選別写真生成手段は、前記配布用記録媒体に記録する撮影画像の記録枚数を制限する枚数制限手段を備えることを特徴としている。
【0014】
また、請求項11に係るイベント会場向け配布用写真作成装置は、前記イベント撮影手段は、前記撮影画像が撮影された時刻を表す時刻情報を前記撮影画像毎にその画像データに付加する時刻情報付加手段を備え、前記枚数制限手段は、前記時刻情報に基づき、前記人物毎に抽出された撮影画像の画像データの中から記録用の画像データを抽出し、これを前記配布用記録媒体に記録すべき画像データとすることを特徴としている。
【0015】
また、請求項12に係るイベント会場向け配布用写真作成装置は、前記枚数制限手段は、前記人物毎に抽出された撮影画像の画像データの中に、予め設定した規定時間内に撮影された複数の撮影画像の画像データがある場合には、これら撮影画像の画像データの中から、予め設定した規定数を上限として撮影画像の画像データを抽出し、これを前記配布用記録媒体に記録すべき画像データとすることを特徴としている。
【0016】
また、請求項13に係るイベント会場向け配布用写真作成装置は、前記枚数制限手段は、前記人物毎に抽出された撮影画像の画像データの中に、これに対応する人物と当該人物と共に撮影されている他人との組み合わせが同一となるものが含まれるか否かを判別し、前記組み合わせが同一となる撮影画像が含まれるときには、前記組み合わせが同一となる複数の撮影画像の画像データの中から、予め設定した規定数を上限として撮影画像の画像データを抽出し、これを前記配布用記録媒体に記録すべき画像データとすることを特徴としている。
【0017】
また、請求項14に係るイベント会場向け配布用写真作成装置は、前記枚数制限手段は、前記人物毎に抽出された撮影画像の画像データの中に、これに対応する人物と共に撮影されている他人が、予め前記人物毎に設定した特定の人物であるか否かを判別し、前記人物毎に抽出された撮影画像の画像データの中から、当該撮影画像に対応する人物と共に撮影されている他人が前記特定の人物である撮影画像の画像データを抽出し、これを前記配布用記録媒体に記録すべき画像データとすることを特徴としている。
【0018】
また、請求項15に係るイベント会場向け配布用写真作成装置は、前記枚数制限手段は、前記人物毎に個別に設定された枚数に制限することを特徴としている。
また、請求項16に係るイベント会場向け配布用写真作成装置は、イベント会場における前記来場者の座席指定位置を表す座席情報を有し、前記来場者データベースと前記座席情報とをもとに、前記イベント会場における来場者の座席指定位置を、前記来場者の顔画像と共に表示した座席表を印刷する座席表生成手段、を備えることを特徴としている。
【0019】
また、請求項17に係るイベント会場向け配布用写真作成装置は、前記イベント撮影手段は、前記イベント会場で前記来場者に貸与されることを特徴としている。
さらに、請求項18に係るイベント会場向け配布用写真作成装置は、前記イベント会場は、披露宴会場であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明の請求項1に係るイベント会場向け配布用写真作成装置によれば、来場者がイベント撮影手段で撮影した撮影画像の画像データを収集し、撮影画像毎にそこに含まれる人物の顔画像を抽出し、これに対応する人物を、来場者の顔写真を含む来場者データベースをもとに特定し、来場者毎に、この来場者が撮影されている撮影画像を集中して配布用記録媒体に記録する(例えば、この来場者が撮影されている撮影画像のみを記録する、或いはそのような撮影画像と例えば新郎新婦二人が撮影されている撮影画像とを記録する)から、来場者に対し、当人が撮影されていない撮影画像が配布されることを回避し、来場者毎に適した撮影画像が記録された配布用記録媒体を容易に生成することができる。
【0021】
また、請求項2に係るイベント会場向け配布用写真作成装置によれば、配布用写真生成手段は、撮影画像を紙に印刷するから、例えばプリント写真用の用紙に印刷することにより、来場者毎に、個人に適したプリント写真を容易に配布することができる。
また、請求項3に係るイベント会場向け配布用写真作成装置によれば、配布用写真生成手段は、撮影画像毎にその画像データに付加されている、撮影画像が撮影された時刻を表す時刻情報をもとに、撮影画像の画像データを時系列に記録するから、配布用記録媒体を参照したときには、イベント会場における撮影画像を時系列に参照することができる。特に、複数のイベント撮影手段によりそれぞれ個別のタイミングで撮影された撮影画像が混在する場合であっても、配布用記録媒体には、どのイベント撮影手段で撮影されたかに関係なく、時系列に撮影画像が記録されるため有効である。
【0022】
また、請求項4に係るイベント会場向け配布用写真作成装置によれば、来場者がイベント撮影手段で撮影した撮影画像の画像データを収集してこれを選別用記録媒体に記録し、この選別用記録媒体に対してマーク付けが行われた後のマーク付画像を読込み、マーク付けが行われた位置に該当する顔画像と、予め設定された来場者の顔写真を含む来場者データベースとを照合して、マーク付けがされた顔画像に対応する人物を特定し、マーク付けがなされた来場者毎に、この来場者が撮影されている撮影画像を配布用記録媒体に記録するから、マーク付けを行う側の意向に沿った撮影画像が記録された配布用記録媒体を容易に生成することができる。
【0023】
また、請求項5に係るイベント会場向け配布用写真作成装置によれば、発送先設定手段では、配布用選別写真生成手段で生成された配布用記録媒体に対応する人物の住所情報を来場者情報データベースから獲得し、この住所情報で特定される住所を、前記配布用記録媒体の発送先として設定するから、生成した配布用記録媒体に該当する来場者への配布用記録媒体の発送先を容易に設定することができる。
【0024】
また、請求項6に係るイベント会場向け配布用写真作成装置によれば、選別用写真生成手段では、撮影画像を紙に撮影画像を印刷して、例えばプリント写真等の印刷物とし、マーク付画像読込み手段では、この紙に印刷された印刷画像の読み取りを行うようにしたから、プリント写真等の印刷画像を実際に参照しながら、マーク付けを行うことができる。
また、請求項7に係るイベント会場向け配布用写真作成装置によれば、配布用選別写真生成手段により、撮影画像が印刷されてアルバムを製本するから、来場者個人に適したアルバムを容易に作成することができる。
【0025】
また、請求項8に係るイベント会場向け配布用写真作成装置によれば、選別用写真生成手段及び配布用選別写真生成手段の少なくとも何れか一方は、撮影画像毎にその画像データに付加されている時刻情報をもとに、撮影画像の画像データを、選別用記録媒体又は配布用記録媒体に時系列に記録するから、選別用記録媒体又は配布用記録媒体を参照したときには、イベント会場における撮影画像を時系列に参照することができる。特に、複数のイベント撮影手段によりそれぞれ個別のタイミングで撮影された撮影画像が混在する場合であっても、選別用記録媒体又は配布用記録媒体には、どのイベント撮影手段で撮影されたかに関係なく、時系列に撮影画像が記録されるため有効である。
また、請求項9及び請求項10に係るイベント会場向け配布用写真作成装置によれば、枚数制限手段により、配布用記録媒体に記録する撮影画像の記録枚数を制限するから、必要以上の枚数の撮影画像が配布用記録媒体に記録されることを回避することができる。
【0026】
また、請求項11及び請求項12に係るイベント会場向け配布用写真作成装置によれば、枚数制限手段は、撮影画像毎にその画像データに付加された時刻情報に基づき、人物毎に抽出された撮影画像の画像データの中から記録用の画像データを抽出し、これを記録すべき画像データとし、例えば、規定時間内に撮影された複数の撮影画像の画像データがある場合には、予め設定した規定数を上限として撮影画像の画像データを抽出し、これを前記配布用記録媒体に記録すべき画像データとするから、記録用の撮影画像の画像データを効果的に選択することができる。つまり、例えば、比較的短い規定時間内における複数の撮影画像は、同一シーンにおける撮影画像とみなすことができ、それらの時間差が小さいときほど同じような撮影画像となるから、規定時間内における記録すべき撮影画像の枚数を、予め設定した規定数に制限することによって、配布用記録媒体に記録される、同一シーンにおける撮影画像が規定数に制限されることになる。したがって、配布用記録媒体に、同じような撮影画像の画像データが複数記録されることを回避することができる。
【0027】
また、請求項13に係るイベント会場向け配布用写真作成装置によれば、人物毎に抽出された撮影画像の画像データの中に、これに対応する人物と、これと共に撮影されている他人との組み合わせが同一となる撮影画像が含まれる場合には、組み合わせが同一となる複数の撮影画像の画像データの中から規定数を上限として撮影画像の画像データを抽出し、これを配布用記録媒体に記録すべき画像データとしているから、配布用記録媒体に、同一人物と共に撮影された撮影画像が必要以上に記録されることを回避し、配布用記録媒体への記録する撮影画像を効果的に制限することができる。
【0028】
また、請求項14に係るイベント会場向け配布用写真作成装置によれば、人物毎に抽出された撮影画像の画像データの中から、これに対応する人物と共に撮影されている他人が特定の人物であるものを抽出し、これを配布用記録媒体に記録すべき画像データとしているから、枚数制限を行うにあたり、例えば親しくない人物と共に撮影されている撮影画像よりも、親しい人物と共に撮影されている撮影画像を選択しこれを配布用記録媒体に記録することによって、この配布用記録媒体を受け取る側の意向に沿った撮影画像を効果的に選択することができ、的確に枚数制限を行うことができる。
【0029】
また、請求項15に係るイベント会場向け配布用写真作成装置によれば、配布用記録媒体に記録する撮影画像の画像データの枚数を、人物毎に個別に設定された枚数に制限するから、例えば、披露宴等で、新郎新婦の友人等、久しぶりに再開した友人同士で写真撮影を行うため被写体となる可能性が高い場合には、これら友人に対応する制限枚数を比較的多くし、逆に、上司等、被写体となる可能性がそれほど高くない場合には、この上司に対応する制限枚数を比較的少なくする。これによって、複数の来場者それぞれに適した枚数の撮影画像の画像データが記録された配布用記録媒体を作成することができる。
【0030】
また、請求項16に係るイベント会場向け配布用写真作成装置は、イベント会場における来場者の座席指定位置を表す座席情報を有しており、来場者データベースと座席情報とをもとに、イベント会場における来場者の座席指定位置が、来場者の顔画像と共に表示された座席表を印刷するから、この座席表を来場者に配布することにより、披露宴等来場者どうしが初対面であるようなイベントであっても、座席表を参照することにより、来場者の顔と名前とを容易に一致させることができる。
【0031】
また、請求項17に係るイベント会場向け配布用写真作成装置は、イベント撮影手段を、来場者に貸与するようにしているから、例えばイベント撮影手段の画像データの仕様等を統一しておくことによって、画像データのデータ処理を容易に行うことができ、すなわち処理時間の短縮を図ることができる。
また、請求項18に係るイベント会場向け配布用写真作成装置は、イベント会場は、披露宴会場であるから、特に、披露宴等は普段交流のない人物も多く、そのような写真を配布してもらっても、受け取った方は困るが、当人が撮影されている撮影画像をこの来場者への配布用写真として記録するようにしているから、新郎新婦側で配布する写真を選別するといった作業を伴うことなく、受け取る側に適した配布用写真を容易に生成することができ、好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
まず、本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用した配布用写真生成装置100の構成を示すブロック図であって、挙式及び披露宴会場で撮影されたスナップ写真から、各来場者への配布用写真を生成するようにしたものである。
【0033】
この配布用写真生成装置100は、図1に示すように、挙式会場又は披露宴会場において来場者の顔を撮影するためのデジタルカメラからなる顔写真カメラ1と、撮影した来場者の氏名、住所等といったこの来場者を特定するための来場者識別情報を入力するためのキーボード及び入力された情報を表示するための表示装置を備えた来場者識別情報入力装置2と、顔写真カメラ1で撮影された顔写真データと来場者識別情報入力装置2で入力された来場者識別情報とを対応付けてデータベースを作成すると共に、披露宴会場における座席表を作成するデータベース作成装置3と、データベース作成装置3で作成した座席表を印刷するプリンタ4と、挙式或いは披露宴会場での受付時に貸与される、デジタルカメラからなる複数の貸出カメラ10によって挙式及び披露宴会場への来場者により撮影されたスナップ写真の写真データをもとに、来場者個人の配布用写真データを生成するカメラデータ処理装置5と、当該カメラデータ処理装置5で生成された配布用写真データをもとにプリント写真の印刷を行う高速印刷可能な写真プリンタ6と、を有する。
【0034】
なお、ここでは、座席表及び配布用写真をそれぞれ異なるプリンタ4及び写真プリンタ6で印刷する場合について説明したが、これらを一つのプリンタで印刷するようにしてもよい。
データベース作成装置3は、顔写真カメラ1で撮影された顔写真データと、来場者識別情報入力装置2で入力された来場者識別情報とを対応付けて来場者情報データベース31を生成するデータベース生成部32と、予め設定された来場予定者の席順情報が記憶された席順情報記憶部33と、席順情報記憶部33に記憶された席順情報とデータベース生成部32で生成した来場者情報データベース31とをもとに、各座席に座るべき来場者の顔画像をその座席位置に合わせて表示した座席表を作成しこれをプリンタ4で印刷させる座席表作成部34と、を備える。
【0035】
一方、カメラデータ処理装置5は、挙式或いは披露宴会場で来場者が撮影に用いた貸出カメラ10のカメラデータを入力し、挙式或いは披露宴会場で撮影されたスナップ写真の写真データからなるスナップ写真データベース51を作成するカメラデータ入力部52と、スナップ写真の撮影画像毎に撮影されている人物の顔画像の領域を抽出する顔領域抽出部53と、顔領域抽出部53で抽出した顔領域を、データベース生成部32で生成した来場者情報データベース31と照合して、顔領域の顔画像に対応する来場者を特定する人物特定部54と、人物特定部54での特定結果に基づいて、特定した来場者毎にスナップ写真の印刷を行う個別印刷処理部55と、を備える。
【0036】
前記顔領域抽出部53は、スナップ写真の撮影画像毎に画像解析を行い、被写体の顔領域を抽出する。この顔領域の抽出方法としては、例えば、特開平6−309433号公報に記載されているように、撮影画像を画像解析して色相、彩度、輝度のヒストグラムを作成し、そのヒストグラムに基づいて肌色領域を決定し、この肌色領域を顔領域として抽出する方法や、特開平9−101579号公報に記載されているように、画像解析により肌色領域を抽出し、さらに非エッジ部分の領域を抽出して、肌色領域で且つ非エッジ部分の領域を顔領域として抽出する方法等、公知の各種の顔抽出方法を適用することができる。
【0037】
前記人物特定部54は、撮影画像毎にこの撮影画像に含まれる顔領域の画像に対応する来場者を特定し、この撮影画像を特定する識別情報、例えば撮影画像毎に付加した撮影画像No.と、特定した来場者とを対応付けて対応テーブルTを作成する。この対応テーブルTは、例えば図1中に示すように、撮影画像No.と、この撮影画像No.で特定される撮影画像に顔画像が含まれる来場者との対応を表す。
【0038】
前記個別印刷処理部55は、人物特定部54において全ての撮影画像に対して各撮影画像に含まれる来場者の特定が終了したとき、対応テーブルTをもとに、これに登録された来場者毎に、当該来場者の画像が含まれる撮影画像No.を検索し、検索した全ての撮影画像No.に対応するスナップ写真データ全てをスナップ写真データベース51から抽出する。そして、抽出したスナップ写真データをこの来場者の配布用写真データとし、これを順次写真プリンタ6に出力してプリント写真の印刷を行わせる。このとき、貸出カメラ10に、貸出カメラ10のスナップ写真データに対して、スナップ写真毎にこれを撮影した時刻情報を付加する時刻情報付加手段を設けておき、各来場者に対応する撮影画像のスナップ写真データを時系列に並べ、これを時系列順に出力するようにすれば、複数の貸出カメラ10でそれぞれ異なるタイミングで撮影した複数のスナップ写真が時系列に印刷されることになる。
【0039】
次に、この第1の実施の形態の動作を図2及び図3を伴って説明する。
まず、図2に示すように、挙式会場に顔写真カメラ1及び来場者識別情報入力装置2を配置しておく。
挙式会場への来場者は、まず、顔写真カメラ1で顔写真の撮影を行うと共に、来場者識別情報入力装置2において、氏名の入力を行う。これによって、データベース作成装置3では、顔写真カメラ1で撮影された顔写真データと来場者識別情報入力装置2で入力された来場者識別情報とを対応づけて来場者情報データベース31を作成する。この処理を来場者毎に行うことにより、来場者全員の顔写真データを含む来場者情報データベース31が作成されることになる。
【0040】
そして、全ての来場者の顔写真を取り終えたならば、データベース作成装置3では、座席表作成部34において、予め設定されている来場者の席順情報を席順情報記憶部33から読み出し、読み出した席順情報で特定される、各座席に座るべき来場予定者に対応する顔写真データを来場者情報データベース31から検索し、各座席位置に座るべき来場予定者の顔写真をその座席位置と対応付けた座席表Mを作成し、これをプリンタ4で印刷する。
【0041】
この処理を挙式が行われている間に実行する。そして、披露宴受付時に、印刷した座席表Mを来場者に配布する。
来場者はこの座席表Mを参照することによって、自分と同じテーブルの来場者の顔と名前を容易に一致させることができると共に、来場者全員の顔写真が載っていることから、後日この座席表を参照し、各人の顔写真を見ることで、挙式や披露宴の状況を容易に思い出すことができる。
【0042】
一方、披露宴会場受付に、図3に示すように、来場者識別情報入力装置2を配置しておき、この来場者識別情報入力装置2において記帳を行ってもらう。すなわち氏名及び住所の入力を行ってもらう。なお、来場予定者の氏名及び住所を予め登録しておき、氏名が入力されたときに、登録されている住所を画面に表示し、表示内容を確認してもらい、表示内容が誤っている場合には訂正してもらうように構成してもよい。
データベース作成装置3は、このようにして記帳時に来場者識別情報入力装置2において入力された情報をもとに来場者情報データベース31への追加或いは更新を行う。
【0043】
なお、披露宴にのみ参加する来場者がいる場合には、披露宴受付に、顔写真カメラ1も配置しておき、記帳時に顔写真の撮影を行い、来場予定者全員の受付が終了した時点で座席表の作成及び印刷を行い、披露宴が始まる前に配布するようにしてもよい。また、来場予定者の顔写真、或いは来場予定者の特徴を表す顔の漫画等を予め登録しておき、顔写真撮影を行うことができなかった場合には、予め登録していた顔写真或いは漫画等を代用して座席表を印刷してもよい。
そして、披露宴受付時には、貸出カメラ10を来場者に貸与する。ここで、貸出カメラ10を披露宴受付時に貸与するようにしているが、挙式会場で顔写真を撮影した時点で貸出カメラ10を貸与するようにしてもよい。
【0044】
挙式及び披露宴中、この貸出カメラ10によって来場者に自由に撮影をしてもらい、この貸出カメラ10は、披露宴終了前に回収する。そして、それぞれの貸出カメラ10のカメラデータをカメラデータ処理装置5のカメラデータ入力部52で読み込み、スナップ写真データベース51を作成する。続いて、スナップ写真の各撮影画像について、顔領域抽出部53によって被写体の顔領域を抽出する。このとき、画像がぼけていないかどうか、また、顔画像が小さ過ぎないか、顔がある程度全部写っているかどうか、目が赤目或いはつぶってはいないか、光量は適切か等を画像処理によって判定し、スナップ写真として不適切なものを除去するようにしてもよく、また、画像処理によって補修を行うようにしてもよい。
【0045】
そして、抽出した顔領域の画像と、来場者情報データベース31の顔写真データとを照合する。この照合方法は、公知の手順で行えばよく、例えば、まず、抽出した顔領域の画像と来場者情報データベース31の顔写真データとのそれぞれについて画像特徴量を求める。この画像特徴量としては、例えばフィルタ処理やウェーブレッド変換等の手法により検出されたエッジ情報や、テンプレートマッチング等により検出された顔における、目、口、鼻、等の顔パーツの形状や位置の情報、若しくはこれらの情報を主成分分析の手法を適用して情報圧縮したもの等の様々な情報を適用することができる。そして、これらの画像特徴量を比較して差分が閾値よりも小さい場合に、顔領域の画像と顔写真データとは一致すると判定するようにしてもよく、また、顔写真データの画像特徴量を教師データとして構築されたニューラルネットワークに、抽出した顔領域から求められた画像特徴量を入力し、その出力値に基づいて、これらが一致するか否かを判定するようにしてもよい。
【0046】
なお、ここでは、顔画像のみを用いて照合を行う場合について説明したが、例えば、服装の色情報等も考慮して人物の特定を行うようにしてもよい。
照合の結果、顔領域の画像と一致する、来場者情報データベース31の顔写真データを検出したとき、顔領域の画像は、一致した顔写真データで特定される来場者の顔画像であると特定する。そして、この顔領域を抽出した撮影画像の画像No.と、特定した来場者とを対応付けて対応テーブルTに登録する。この処理を撮影画像に含まれる顔領域毎に、全ての撮影画像について行い対応テーブルTを作成する。
【0047】
例えば、撮影画像No.1の撮影画像から2つの顔領域が抽出された場合には、まず、1つ目の顔領域について来場者の特定を行い、その結果、来場者Aと特定されたならば、撮影画像No.1と来場者Aとを対応付けて、対応テーブルTに登録する。同様に2つ目の顔領域について来場者の特定を行い、その結果、来場者Bと特定されたならば、撮影画像No.1と来場者Bとを対応付けて、対応テーブルTに登録する。
【0048】
これによって、図1中の対応テーブルTに示すように、撮影画像No.1には、来場者A及び来場者Bが対応付けられる。同様に、撮影画像No.2の撮影画像について処理を行い、この撮影画像から4つの顔領域が抽出されたものとすると、4つの顔領域のそれぞれについて来場者の特定を行い、それぞれが来場者A,D,E,Fと特定されたならば、撮影画像No.2には、来場者A,D,E,Fを対応付けて対応テーブルTに登録する。
【0049】
同様の手順で、全ての撮影画像の全ての顔領域について来場者を特定したならば、個別印刷処理部55により、対応テーブルTに登録された来場者毎に、各来場者が登録されている画像No.を特定し、これに対応するスナップ写真データをスナップ写真データベース51から獲得し、これを写真プリンタ6に出力し、各来場者用の配布用写真を作成する。
【0050】
例えば、来場者Aが、対応テーブルTにおいて、撮影画像No.1、2、…の計20枚の撮影画像に対応付けられている場合は、この対応付けられた20枚の撮影画像に対応するスナップ写真データをスナップ写真データベース51から獲得し、獲得した20枚分のスナップ写真データを、順次写真プリンタ6に出力する。このとき、例えば、予めスナップ写真データに付加されている時刻情報に基づき、20枚分のスナップ写真データを時系列に並べ、この順に写真プリンタ6に出力する。写真プリンタ6は、入力したスナップ写真データを順に印刷し配布用のプリント写真を順次印刷する。
【0051】
この処理を、対応テーブルTに登録された来場者毎に行う。これによって、各来場者専用の配布用写真が印刷されることになる。
ここで、各来場者用の配布用写真は、それぞれ各来場者が撮影されている写真で構成される。したがって、特に結婚式の場合等には、面識のない人等、その人の写真を貰っても仕方のない人が出席していることがあるが、上述のように、来場者が撮影されている写真を配布するようにしているから、配布された方は、不要な写真を貰うことはない。
【0052】
また、各人用の写真の選別は、上述のように自動的に行っているから、新郎新婦側は、何ら労力を伴うことなく、受け取った側に適した写真を配布することができる。
また、複数の貸出カメラ10で撮影したスナップ写真から配布用写真を生成しているため、様々な角度やタイミングで撮影されたスナップ写真からなる配布用写真を生成することができ、面白味があり、よりその場の雰囲気のわかるスナップ写真を配布することができる。
【0053】
また、配布用写真を高速印刷可能な写真プリンタ6で印刷するようにしているから、比較的短時間で印刷することができるため、披露宴中に撮影したスナップ写真であってもお土産として配布することができる。
また、披露宴受付の記帳時には、来場者識別情報入力装置2において記帳を行うようにしているから、住所等を予め登録しておき、記帳時には住所確認のみを行ってもらうことにより、受付時の来場者の負担を軽減することができ、受付作業を速やかに終了することができる。
【0054】
また、上述のように、来場者の顔写真を、挙式会場又は披露宴会場で当日撮影し、この顔写真をもとに来場者データベース31を作成している。ここで、来場者データベース31に登録する顔写真データとして、以前に撮影した写真の顔写真データを用いることも可能である。しかしながら、特に、披露宴の場合等には、髪型や、顔の雰囲気等、通常とは異なることが多く、このため、以前に撮影した顔写真データを来場者データベース31として用いると、カメラデータの照合を行うときに、実際には来場者データベース31に登録されている来場者であっても、スナップ写真データと登録されている顔写真データとで人物を撮影した時期が異なるため、場合によっては一致しない可能性がある。しかしながら、上述のように、当日に撮影した顔写真データを利用して、同日に撮影したスナップ写真データの識別を行うようにしているから、より高精度に照合を行うことができる。
【0055】
また、貸出カメラ10を貸し出し、これを用いて撮影を行ってもらうようにしているため、貸出カメラ10のスナップ写真データのデータフォーマット等を全ての貸出カメラ10で統一することができる。よって、カメラデータ処理装置5では、データフォーマット変換等の処理を行う必要はなく、各貸出カメラ10からのスナップ写真データに対して同一の処理を行うことができる。よって、その分、カメラデータ処理装置5での処理負荷を軽減することができ、特に、配布用写真の生成終了までに要する処理時間の短縮を図ることができる。したがって、処理時間が短縮された分だけ、より遅くまで貸出カメラ10による撮影を継続することができるから、披露宴のより最後のシーンで撮影された撮影画像を、配布用写真に含めることができ効果的である。
【0056】
なお、上記第1の実施の形態では、披露宴受付時にのみ来場者情報入力装置2における記帳を行う場合について説明したがこれに限るものでなく、挙式受付時も行うようにしてもよい。
また、上記第1の実施の形態においては、貸出カメラ10で撮影したスナップ写真のみから配布用写真を生成する場合について説明したが、これに限らず、披露宴撮影用のカメラマンがいる場合には、このカメラマンが撮影したスナップ写真や集合写真のカメラデータも収集し、これも含めて配布用写真を生成してもよい。
【0057】
また、カメラマンが撮影した、新郎新婦の写真や、テーブル毎の集合写真等、来場者本人が撮影されていない写真等であっても来場者に配布するようにしてもよい。この場合には、例えば、新郎新婦の写真や集合写真等、特別配布用の撮影画像の画像情報をスナップ写真データベース51に格納すると共に、この撮影画像の画像No.とその配布先の来場者とを対応テーブルTに登録するようにすればよい。
また、来場者側は、自分が撮影されている写真全てを配布されてもその扱いに困ることがあり、また、全来場者分の配布用写真を印刷するにはある程度時間を要する。このため、来場者毎、或いは、親しさの度合等に応じて配布用写真の枚数制限を行う枚数制限手段を設け、この枚数制限手段により、配布用写真の枚数制限を行うようにしてもよい。
【0058】
例えば、撮影時刻が比較的近いものは同じシーンで撮影された可能性が高いとみなすことができる。そこで、貸出カメラ10に、貸出カメラ10のスナップ写真データに対して、スナップ写真毎にこれを撮影した時刻情報を付加する時刻情報付加手段を設けておく。そして、枚数制限手段では、撮影画像の画像データに付加されている時刻情報に基づき、その時刻情報から予め設定した規定時間、つまり、同一シーンであるとみなすことの可能な規定時間内に撮影された、複数の撮影画像があるか否かを判断し、規定時間内に撮影された複数の撮影画像がある場合には、同一シーンで撮影された撮影画像であり、同様の画像である可能性が高いとして、それらのうち、1枚或いは数枚等、予め設定した規定数を上限として撮影画像を選択する。この選択は、例えば、一番早い時間に撮影されたもの、或いは、この撮影画像の配布先である来場者が、最も正面を向いているものといった、配布用写真として適したもの等を選択すればよい。
【0059】
そして、例えば、規定時間内に撮影された複数の撮影画像のうち、選択した撮影画像以外の撮影画像を、対応テーブルTから削除することで、同一シーンでの撮影画像が複数配布用写真として配布されることを回避するようにしてもよい。
また、同じ人物と共に撮影されているスナップ写真が複数ある場合には、ある程度の時間内で1枚又は数枚を選択してこれを印刷することで、枚数を減らしてもよい。また、予め設定した特定の人物と共に撮影されているスナップ写真のみを選択し、これを印刷することで、枚数を減らしてもよい。また、披露宴でスピーチを行う来場者の場合等には、スピーチ終了時に、スピーチの開始時刻及び終了時刻を表すスピーチ時間帯情報を獲得し、撮影画像の画像データに付加された時刻情報から、スピーチ時間帯情報で特定されるスピーチの開始時刻から終了時刻までの間に撮影された撮影画像を抽出し、このスピーチ時間帯に撮影された撮影画像を主に選択することで、枚数を減らしてもよい。
【0060】
また、このとき、予め来場者のそれぞれについて、枚数制限を行うか否かを設定しておき、また、枚数制限を行う場合には、来場者毎にその制限枚数を個別に設定するようにしてもよい。例えば披露宴等では、新郎新婦の友人等、久しぶりに再開した友人同士で写真撮影を行うため被写体となる可能性が高い場合には、これら友人に対応する制限枚数を比較的多くし、逆に、上司等、被写体となる可能性がそれほど高くない場合には、この上司に対応する制限枚数を比較的少なくする。これによって、来場者のそれぞれに適した枚数の配布用写真を配布することができる。
【0061】
また、最終的な対応テーブルTから来場者毎にこれに対応付けられている撮影画像の枚数を演算し、予め来場者一律に設定した制限枚数、或いは親しさの度合に応じて来場者毎に設定した制限枚数を越える場合には、上述の手順で枚数を削減することで、枚数制限を行うようにしてもよい。
ここで、第1の実施の形態において、顔写真カメラ1が顔写真撮影手段に対応し、来場者識別情報入力装置2が入力手段に対応し、データベース生成部32が来場者データベース生成手段に対応し、貸出カメラ10がイベント撮影手段に対応し、カメラデータ入力部52が画像データ収集手段に対応し、顔領域抽出部53が顔領域抽出手段に対応し、人物特定部54が人物特定手段に対応し、個別印刷処理部55及び写真プリンタ6が配布用写真生成手段に対応し、プリント写真が配布用記録媒体に対応している。また、座席表作成部34が座席表生成手段に対応している。
【0062】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
図4は、第2の実施の形態における配布用写真生成装置200の構成を示すブロック図である。この配布用写真生成装置200も、挙式及び披露宴会場での撮影画像の配布用写真を生成するようにしたものである。
この第2の実施の形態における配布用写真生成装置200は、上記第1の実施の形態と同様の、顔写真カメラ1、来場者識別情報入力装置2、来場者データベース31を作成するデータベース作成装置3、及び座席表を印刷するプリンタ4を備える。さらに、複数の貸出カメラ10で撮影されたカメラデータを入力しスナップ写真データベース51を作成するカメラデータ入力部52と、カメラデータ入力部52に入力されたスナップ写真データ全てを順次写真プリンタ6に出力して各貸出カメラ10で撮影されたスナップ写真全てを印刷する印刷処理部56を備えるカメラデータ処理装置5aを備え、これらは挙式及び披露宴会場に配置される。さらに、配布用写真生成装置200は、アルバム作成処理装置7と、アルバムを製本する製本装置8と、製本装置8で製本されたアルバムに対応する来場者の住所氏名等が記載された発送伝票を生成する伝票作成装置9と、を備え、これらは、アルバムの作成及びその発送を行う、アルバム作成/発送センターに配置される。
【0063】
カメラデータ処理装置5aの印刷処理部56は、写真プリンタ6で印刷されるプリント写真に、この写真を識別するための撮影画像No.を合成して表示するため、撮影画像毎に、当該撮影画像を識別するための撮影画像No.を合成したスナップ写真データを生成し、これを写真プリンタ6に出力する。
前記アルバム作成処理装置7は、前記写真プリンタ6で印刷されたプリント写真に対して、例えば色付きペン等のチェック用ペンでプリント写真内の顔全体を含む領域に対してマーク付けが行われた後のプリント写真の画像を、スキャナ等で読み込むマーク付画像読込み部71と、当該マーク付画像読込み部71で読み込まれた読込み画像毎に、読込み画像において撮影画像No.が合成された所定の領域を抽出し、撮影画像No.を判別する画像No.特定部72と、読込み画像においてマーク付けが行われた領域を抽出するマーク領域抽出部73と、当該マーク領域抽出部73で抽出されたマーク領域内から顔画像の領域を抽出する顔領域抽出部74と、当該顔領域抽出部74で抽出された顔画像と来場者情報データベース31とを照合して、マーク領域の顔画像に対応する来場者を特定するマーク付人物特定部75と、マーク付人物特定部75での特定結果に基づいて、特定した来場者毎に、印刷処理を行う個別印刷処理部76と、個別印刷処理部76での処理対象の来場者に対応する氏名及び住所情報を、来場者情報データベース31から抽出し、これを伝票作成装置9に出力する発送処理部77と、を備える。
【0064】
前記画像No.特定部72は、読込み画像毎に、予め設定された撮影画像No.の合成位置に相当する領域を抽出し、例えば、テンプレートと照合すること等により撮影画像No.を判別し、これを読込み画像No.とする。
前記マーク領域抽出部73は、読込み画像毎に画像解析を行ってマーク付けが行われているマーク領域を抽出し、同様に顔領域抽出部74は、読込み画像毎にマーク領域から顔領域を抽出する。これらマーク領域抽出部73及び顔領域抽出部74でのマーク領域及び顔領域の抽出方法としては、第1の実施の形態の顔領域抽出部53での抽出方法と同様の公知の方法を適用することができる。なお、ここでは、顔全体を含む領域に対してマーク付けを行う場合について説明したが、例えば、顔の一部にマークを付けるようにし、マークが付けられた位置に該当する顔画像を含む領域を抽出するようにしてもよい。
【0065】
前記マーク付人物特定部75は、読込み画像毎に、この読込み画像に含まれる顔領域の画像に対応する来場者を特定し、この読込み画像を特定する識別情報、つまり画像No.特定部72で特定した読込み画像No.と特定した来場者とを対応付けて、上記対応テーブルTと同様の手順で、読込み画像No.と、この読込み画像No.で特定される読込み画像においてマーク付けが行われている来場者との対応を表す対応テーブルT1を作成する。
【0066】
前記個別印刷処理部76は、マーク付人物特定部75において全ての読込み画像に対して各読込み画像に含まれる来場者の特定が終了したとき、対応テーブルT1をもとに、この対応テーブルT1に登録されている来場者毎に、当該来場者の画像が含まれる読込み画像No.を特定し、特定した読込み画像No.全てに対応するスナップ写真データをスナップ写真データベース51から抽出する。つまり、読込み画像No.と同じ撮影画像No.に対応するスナップ写真データを抽出する。そして、抽出したスナップ写真データをこの来場者の配布用写真データとし、これを順次製本装置8に出力する。この場合も、貸出カメラ10のスナップ写真データに、撮影画像毎にこれを撮影した時刻情報が付加されるように貸出カメラ10に時刻情報付加手段を設けておき、各来場者に対応する撮影画像を時系列に並べ、時系列順に出力すればよい。
【0067】
製本装置8では、個別印刷処理部76から入力される配布用写真データをもとに、順次印刷を行い、アルバムを製本する。例えば、台紙に複数のスナップ写真を印刷し台紙をまとめてアルバムを作成してもよく、また、各撮影画像をプリント写真として印刷し、これを順に台紙に貼付して、アルバムを製本してもよい。
伝票作成装置9は、発送処理部77から入力される来場者の氏名及び住所等必要情報を入力し、これに基づいてアルバムを発送するための発送伝票を作成する。
【0068】
次に、この第2の実施の形態の動作を図2及び図5を伴って説明する。
まず、図2に示すように、上記第1の実施の形態と同様の手順で、挙式会場或いは披露宴会場の受付等で来場者の顔写真を撮影し、氏名及び住所等の記入を行ってもらい、来場者情報データベース31を作成する。また、この来場者情報データベース31に基づき座席表Mを印刷する。そして、披露宴受け付け時或いは披露宴開始前に配布する。
【0069】
また、顔写真撮影時或いは受付時に、来場者に貸出カメラ10を貸し出し、挙式中或いは披露宴中に自由に撮影を行ってもらう。
そして、披露宴終了後、披露宴出口等で貸出カメラ10を回収し、図5に示すように、各貸出カメラ10のカメラデータをカメラデータ処理装置5aのカメラデータ入力部52に取り込む。
【0070】
カメラデータ入力部52に入力されたカメラデータは、撮影画像毎に識別番号が付与されスナップ写真データとしてスナップ写真データベース51が作成され、各スナップ写真データに対し、印刷処理部56において、撮影画像の予め設定した領域にこの撮影画像に付与された識別番号が合成された後、このスナップ写真データが順次写真プリンタ6に出力されて、各貸出カメラ10で撮影された画像全てがプリント写真として印刷され選別用写真が生成される。
【0071】
この選別用写真は、プリント写真として印刷してもよい。また、この選別用写真はマーク付けを行うためのものであって保存用の写真ではないことから、写真がピンボケであるかどうか、ぶれていないかどうか、欠けている顔のみが撮影されていないかどうか等、その品質を判別できる程度のサイズであり、且つ、マーク付け及びマークの読み取りを明確に行うことの可能なサイズであればよい。したがって、例えば1枚の台紙に複数枚相当を印刷した画像であってもよく、また、撮影画像の品質を判別することのできる程度に簡易的に印刷した画像であってもよい。
【0072】
この選別用写真一式は、例えば一次保存用の簡易式のアルバムに綴じられ、新郎新婦側に渡され、新郎新婦側では、後日、新婚旅行先或いは自宅等で、この選別用写真を参照し、写真毎に、その写真に撮影されている人物に対してこの写真を配布するかどうかを判断し、配布する場合にはその人物の顔を含む領域をチェック用ペンで囲む。
同様の処理を、全ての選別用写真に対して行い、全ての選別用写真についてこれを配布する人物を、マーク付けを行うことで指定する。そして、処理終了後、直接或いは発送すること等によりこれをアルバム作成・発送センターに届ける。また、挙式及び披露宴当日に収集された来場者データベース31及びスナップ写真データベース51もアルバム作成・発送センターに届ける。
【0073】
アルバム作成・発送センターでは、マーク付が行われた選別用写真が届けられると、まず、このマーク付の選別用写真をスキャナ等のマーク付画像読込み部71で読込み、画像No.特定部72で、読み込んだマーク付の選別用写真の画像であるマーク付画像のそれぞれについて、予め設定された領域を参照し、このマーク付画像の画像No.を読み取る。続いてマーク領域抽出部73で、このマーク付画像においてマークで囲まれた領域を抽出し、顔領域抽出部74で、マークで囲まれた領域から人物の顔の領域を抽出する。そして、顔領域抽出部74で抽出した顔領域と、来場者情報データベース31の顔写真データとを照合し、顔領域抽出部74で抽出した顔領域内の顔画像と一致する顔写真データを検索し、一致した顔写真データに対応する来場者名を特定する。そして、この顔領域を抽出したマーク付画像の読込み画像No.と、特定した来場者名とを対応付け、上記第1の実施の形態と同様の手順で対応テーブルT1を作成する。
【0074】
この処理をマーク付画像毎に、且つマーク付画像においてマーク付けがなされている顔領域毎に行って、図4中に示す対応テーブルT1を獲得したならば、個別印刷処理部76で、対応テーブルT1に登録された来場者毎に、この来場者と対応付けられた読込み画像No.に対応するスナップ写真データをスナップ写真データベース51から読み出し、これを製本装置8に出力する。また、アルバム作成対象の来場者を特定する情報を発送処理部77に通知する。発送理部77では、通知されたアルバム作成対象の来場者の氏名及び住所等の送付票作成に必要な情報を来場者情報データベース31から抽出し、これを伝票作成装置9に出力する。
【0075】
製本装置8では、入力された画像情報をもとに印刷及び製本を行い、来場者毎の個別のアルバムを作成する。また、伝票作成装置9では、入力されたアルバム作成対象の来場者の氏名、住所等の情報をもとに発送伝票を作成する。
これによって、対応テーブルT1に登録された来場者毎にこの来場者専用のアルバムと、その発送伝票が作成されることになる。よって、アルバムの品質確認等を行いこれを梱包した後、対応する発送伝票を貼付し、これを発送することで、各来場者専用に作成されたアルバムが各来場者に配布されることになる。
【0076】
このとき、来場者毎にアルバムが異なるため、作成したアルバムはこれに対応する来場者宛に送付する必要があるが、上述のように作成したアルバムに対応付けて発送伝票を作成しているから、作成したアルバムを容易確実にこれに対応する来場者宛に送付することができる。
また、新郎新婦側は、選別用写真を参照し、これに印をつけるだけで、来場者個人に適したアルバムを作成しこれを各来場者に配布することができるから、新郎新婦側の写真配布に伴う労力を大幅に削減することができる。
【0077】
また、上述のように、後日、アルバムを発送するようにしているから、披露宴終了まで、或いは、それ以後に撮影したスナップ写真をも含むアルバムを作成することができる。さらに、新郎新婦側で、選別用写真を参照して各写真を配布する人物を特定するようにしているから、例えば、ピンボケの写真、或いは写真に撮影されている人物当人が、他人に配布して貰いたくないと感じるような写真等がアルバムとして配布されることを回避することができる。その際、新郎新婦側が実際に撮影された写真を見て、配布するか否かを判定するようにしているから、類似した写真や同一場面における写真が複数配布されたりすることを回避することができ、貰った人が違和感を覚えることのない、心のこもったアルバムを作成することができる。
なお、上記第2の実施の形態において、アルバムに掲載する撮影画像の枚数を制限する、上記第1の実施の形態の枚数制限手段と同等の枚数制限手段を設けてもよい。この場合、例えば、対応テーブルT1に登録された、来場者毎の読込み画像に対応する撮影画像に対して枚数制限を行うようにすればよい。
【0078】
この枚数制限手段を設けることによって、アルバムに掲載される撮影画像の枚数が自動的に制限されるから、新郎新婦側は、選別用写真にマーク付けを行う際には、来場者毎に配布する枚数を考慮しなくてもよい。また、マーク付けを行った撮影画像の中から、例えば、同一シーンの写真が複数あるかどうか、同一人物と共に撮影されている写真が複数あるかどうか、特定の人物と撮影されている写真であるかどうか等に基づいて、撮影画像を選択することで、指定された枚数に制限されることから、アルバムを貰う側の意向に沿った適切な撮影画像を選択することができる。したがって、新郎新婦側が選別用写真を参照しその中から選択した来場者毎に適した写真の中から、さらに、アルバムを貰う側の意向に沿った適切な撮影画像が選択されることになって、新郎新婦側及びアルバムを貰う側の双方の意向に沿った、より適切な撮影画像が形成されたアルバムを作成することができる。
【0079】
また、上記第2の実施の形態においては、貸出カメラ10のカメラデータ全てを選別用写真として印刷した場合について説明したが、これに限るものではない。スナップ写真のうち、ピンボケのもの、或いは欠けている顔しか撮影されていない場合等、写真としての品質を保てないものは、通常はアルバムには掲載しないことから、選別用写真を印刷する際に、ピンボケ或いは欠けている顔しか印刷されていないもの等、写真として品質を保つことのできないスナップ写真を画像処理によって選択し、この品質を保つことのできないスナップ写真は、選別用写真として印刷せず、この時点でアルバム掲載用の写真候補から除去するようにしてもよい。このようにすることによって、その分、新郎新婦側が写真を選択する手間を省くことができる。
【0080】
また、選別用写真を印刷する前の段階で、各撮影画像に撮影されている来場者を特定し、来場者毎に、この来場者が印刷されている撮影画像を簡易的に印刷してこれを選別用写真とし、新郎新婦側は、この来場者毎の選別用写真に対してマーク付けを行うようにしてもよい。このようにすることによって、各来場者に対し、どの写真を配布するか、また、何枚配布するかを容易に把握することができる。したがって、類似した写真が複数含まれたり、或いは、来場者によって、極端に枚数が多くなったりしてしまうということが生じることを回避することができる。
【0081】
また、上記第2の実施の形態においては、その来場者が撮影されている写真のみ配布用写真とする場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、新郎新婦のみが撮影された写真等、来場者が撮影されていない特定の写真についても配布用写真に含めるようにしてもよい。この場合には、例えば、選別用写真の予め設定された領域を、全員配布用の写真であることを指示するための領域とし、選別用写真を読み込んだときにこの領域にマーク付けが行われているか否かを判別するようにし、マーク付けが行われている場合には、該当する撮影画像を全ての来場者用に配布する撮影画像として対応テーブルT1に登録するようにすればよい。
【0082】
また、上記第2の実施の形態においては、選別用写真を、プリント写真として新郎新婦側にわたす場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、フレキシブルディスク、不揮発性のメモリカード等といった記録媒体に記録し、この記録媒体を選別用写真記録媒体としてわたすようにしてもよく、また、電子メール等で選別用写真データとしてわたすようにしてもよい。そして、新郎新婦側では、この選別用写真データを画面表示して、手書き入力可能な入力装置でマーク付けを行い、マーク付けを行った後の選別用写真データを記録媒体に記録して戻してもよく、または、電子メール等によりマーク付の選別用写真データとして、アルバム作成・発送センター200側に戻すようにしてもよい。このようにすることによって、来場者毎にマーク付けを行った撮影画像の枚数や、その内容を容易に画面表示させることができるため、選別作業をより容易に行うことができる。
【0083】
また、この第2の実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同様の手順で、枚数制限を行うようにしてもよいことは言うまでもない。
また、上記各実施の形態においては、予め席順が設定されている場合の座席表を作成する場合について説明したが、これに限るものではない。全ての来場者の顔写真の撮影が終了し且つ座席表の印刷を開始するまでに席順がわかっていれば、座席表を作成することができるため、来場者が所望の位置に着席する場合であっても、例えば、各座席の位置と実際にそこに着席した来場者とを対応付ける情報を獲得して座席情報を生成し、これに基づいて顔写真入りの座席表を作成するようにしてもよい。
【0084】
また、上記各実施の形態においては、来場者全員の座席表を作成する場合について説明したが、例えば、テーブル毎の座席表を作成するようにしてもよく、また、主賓や、来場者に比較的面識のないメンバーが着席しているテーブル等、特定のテーブルのみ、その座席表を作成するようにしてもよい。
また、上記各実施の形態においては、披露宴会場に適用した場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば同窓会、何らかのパーティ等、人が集まるイベント会場に適用することも可能である。
【0085】
また、上記各実施の形態においては、写真プリントした配布用写真又は、これを製本したアルバムを配布する場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、上記各実施の形態に示す手順で抽出した撮影画像の画像スナップ写真データの状態で配布用写真又は電子アルバムを作成し、これらをフレキシブルディスク、不揮発性のメモリカード等といった記録媒体に電子データとして記録し、この記録媒体を配布するようにしてもよく、また、電子メール等によって電子データのまま配布するようにしてもよく、また、印刷した写真プリントと共に、これらを配布するようにしてもよい。
【0086】
また、上記各実施の形態においては、貸与した貸出カメラ10のカメラデータをもとに配布用写真を作成する場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、来場者個人のデジタルカメラも、カメラデータの収集対象とし、個人のデジタルカメラで撮影した撮影画像のカメラデータも収集するようにしてもよい。
また、上記各実施の形態においては、デジタルカメラである貸出カメラ10のカメラデータをもとに処理を行う場合について説明したがこれに限るものではない。例えば、第2の実施の形態の場合のように、アルバムを配布するまでの時間的余裕がある場合には、写真或いは、撮影済みのネガフィルム、ポジフィルムの画像をスキャナ等で読込み、これらをも用いて配布用写真を作成してもよい。
【0087】
また、上記第1実施の形態と第2の実施の形態とを組み合わせ、例えば、披露宴終了時には、主立った写真を数枚プリント写真としてお土産に手渡し、後日、新郎新婦側が選別した写真からなる来場者個人用のアルバムを例えば不揮発性のメモリカード等といった記録媒体に電子データとして記録した形で各来場者に発送するようにしてもよい。お土産に渡されたプリント写真を見せることにより当日披露宴に出席していない人物に、披露宴等の様子を速やかに説明することができると共に、後日より多くの撮影画像が形成されたアルバムを受けとることによって、披露宴の様子を再度思い出すことができる。また、アルバムは電子データとして記録媒体で配布されるから、特に他人の披露宴の写真等、比較的見返す機会の少ないアルバムの置き場所に困ることはない。
【0088】
ここで、第2の実施の形態において、印刷処理部56が選別用写真生成手段に対応し、プリント写真が選別用記録媒体に対応し、マーク付画像読込み部71がマーク付画像読込み手段に対応し、マーク領域抽出部73がマーク位置検出手段に対応し、顔領域抽出部74がマーク画像抽出手段に対応し、マーク付人物特定部75がマーク人物特定手段に対応し、個別印刷処理部76及び製本装置8が配布用選別写真生成手段に対応し、発送処理部77及び伝票作成装置9が発送先設定手段に対応している。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の第1の実施の形態における配布用写真生成装置の一例を示す構成図である。
【図2】第1の実施の形態の動作説明に供する説明図である。
【図3】第1の実施の形態の動作説明に供する説明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における配布用写真生成装置の一例を示す構成図である。
【図5】第2の実施の形態の動作説明に供する説明図である。
【符号の説明】
【0090】
1 顔写真カメラ
2 来場者識別情報入力装置
3 データベース作成装置
4 プリンタ
5、5a カメラデータ処理装置
6 写真プリンタ
7 アルバム作成処理装置
8 製本装置
9 伝票作成装置
31 来場者情報データベース
51 スナップ写真データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イベント会場に来場した来場者の顔を撮影する顔写真撮影手段と、
当該顔写真撮影手段で撮影した来場者を特定する個人情報を入力する入力手段と、
前記顔写真撮影手段と前記入力手段で入力された前記来場者の個人情報とを対応付けて記憶する来場者データベース生成手段と、
前記来場者がイベント撮影に用いたイベント撮影手段による撮影画像の画像データを収集する画像データ収集手段と、
当該画像データ収集手段で収集した画像データをもとに、撮影画像毎にそこに含まれる人物の顔領域を抽出する顔領域抽出手段と、
前記来場者データベース生成手段で生成された来場者データベースと照合して前記顔領域抽出手段で抽出した顔領域内の顔画像に対応する人物を特定し、特定した人物と当該人物の顔画像が抽出された撮影画像を特定する画像識別情報とを対応付ける人物特定手段と、
前記画像データ収集手段で収集した画像データの中から、前記人物特定手段で特定された人物毎に当該人物に対応付けられた前記画像識別情報で特定される撮影画像の画像データを抽出し、これを配布用記録媒体に記録する配布用写真生成手段と、を備えることを特徴とするイベント会場向け配布用写真作成装置。
【請求項2】
前記配布用写真生成手段は、前記配布用記録媒体に記録する行為として、前記配布用記録媒体としての紙に前記撮影画像を印刷することを特徴とする請求項1記載のイベント会場向け配布用写真作成装置。
【請求項3】
前記イベント撮影手段は、前記撮影画像が撮影された時刻を表す時刻情報を前記撮影画像毎にその画像データに付加する時刻情報付加手段を備え、
前記配布用写真生成手段は、前記時刻情報をもとに、前記撮影画像の画像データを、前記配布用記録媒体に時系列に記録することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のイベント会場向け配布用写真作成装置。
【請求項4】
イベント会場に来場した来場者の顔を撮影する顔写真撮影手段と、
当該顔写真撮影手段で撮影した来場者を特定する個人情報を入力する入力手段と、
前記顔写真撮影手段と前記入力手段で入力された前記来場者の個人情報とを対応付けて記憶する来場者データベース生成手段と、
前記来場者がイベント撮影に用いたイベント撮影手段による撮影画像の画像データを収集する画像データ収集手段と、
当該画像データ収集手段で収集した撮影画像を選別用記録媒体に記録する選別用写真生成手段と、
前記選別用記録媒体に記録された撮影画像に対してマーク付けが行われた後の撮影画像であるマーク付画像を読み込むマーク付画像読込み手段と、
当該マーク付画像読込み手段で読み込んだマーク付画像においてマーク付けされた位置を検出するマーク位置検出手段と、
前記マーク付画像において、前記マーク位置検出手段で検出されたマーク位置に該当する顔画像を抽出するマーク画像抽出手段と、
前記来場者データベース生成手段で生成された来場者データベースと照合して前記マーク画像抽出手段で抽出した顔画像に対応する人物を特定し、特定した人物と当該人物の顔画像が抽出されたマーク付画像に対応する撮影画像を特定する画像識別情報とを対応付けるマーク人物特定手段と、
前記画像データ収集手段で収集した画像データの中から、前記マーク人物特定手段で特定された人物毎に当該人物に対応付けられた前記画像識別情報で特定される撮影画像の画像データを抽出し、これを配布用記録媒体に記録する配布用選別写真生成手段と、を備えることを特徴とするイベント会場向け配布用写真作成装置。
【請求項5】
前記来場者データベースは、前記来場者の住所情報を含み、
前記来場者データベースに基づき、前記配布用選別写真生成手段で生成された配布用記録媒体に対応する人物の住所情報を獲得し、当該住所情報で特定される住所を、前記配布用記録媒体の発送先として設定する発送先設定手段、を備えることを特徴とする請求項4記載のイベント会場向け配布用写真作成装置。
【請求項6】
前記選別用写真生成手段は、前記選別用記録媒体に記録する行為として、前記選別用記録媒体としての紙に前記撮影画像を印刷し、
前記マーク付画像読込み手段は、前記紙に印刷された印刷画像を読み取る画像読み取り装置であることを特徴とする請求項4又は請求項5記載のイベント会場向け配布用写真作成装置。
【請求項7】
前記配布用選別写真生成手段は、前記撮影画像を印刷してアルバムを製本することを特徴とする請求項4から請求項6の何れか1項に記載のイベント会場向け配布用写真作成装置。
【請求項8】
前記イベント撮影手段は、前記撮影画像が撮影された時刻を表す時刻情報を前記撮影画像毎にその画像データに付加する時刻情報付加手段を備え、
前記選別用写真生成手段及び前記配布用選別写真生成手段の少なくとも何れか一方は、前記時刻情報をもとに、前記撮影画像の画像データを、前記選別用記録媒体又は配布用記録媒体に時系列に記録することを特徴とする請求項4から請求項7の何れか1項に記載のイベント会場向け配布用写真作成装置。
【請求項9】
前記配布用写真生成手段は、前記配布用記録媒体に記録する撮影画像の記録枚数を制限する枚数制限手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載のイベント会場向け配布用写真作成装置。
【請求項10】
前記配布用選別写真生成手段は、前記配布用記録媒体に記録する撮影画像の記録枚数を制限する枚数制限手段を備えることを特徴とする請求項4から請求項8の何れか1項に記載のイベント会場向け配布用写真作成装置。
【請求項11】
前記イベント撮影手段は、前記撮影画像が撮影された時刻を表す時刻情報を前記撮影画像毎にその画像データに付加する時刻情報付加手段を備え、
前記枚数制限手段は、前記時刻情報に基づき、前記人物毎に抽出された撮影画像の画像データの中から記録用の画像データを抽出し、これを前記配布用記録媒体に記録すべき画像データとすることを特徴とする請求項9又は請求項10記載のイベント会場向け配布用写真作成装置。
【請求項12】
前記枚数制限手段は、前記人物毎に抽出された撮影画像の画像データの中に、予め設定した規定時間内に撮影された複数の撮影画像の画像データがある場合には、これら撮影画像の画像データの中から、予め設定した規定数を上限として撮影画像の画像データを抽出し、これを前記配布用記録媒体に記録すべき画像データとすることを特徴とする請求項11記載のイベント会場向け配布用写真作成装置。
【請求項13】
前記枚数制限手段は、前記人物毎に抽出された撮影画像の画像データの中に、これに対応する人物と当該人物と共に撮影されている他人との組み合わせが同一となるものが含まれるか否かを判別し、
前記組み合わせが同一となる撮影画像が含まれるときには、前記組み合わせが同一となる複数の撮影画像の画像データの中から、予め設定した規定数を上限として撮影画像の画像データを抽出し、これを前記配布用記録媒体に記録すべき画像データとすることを特徴とする請求項9から請求項12の何れか1項に記載のイベント会場向け配布用写真作成装置。
【請求項14】
前記枚数制限手段は、前記人物毎に抽出された撮影画像の画像データの中に、これに対応する人物と共に撮影されている他人が、予め前記人物毎に設定した特定の人物であるか否かを判別し、
前記人物毎に抽出された撮影画像の画像データの中から、当該撮影画像に対応する人物と共に撮影されている他人が前記特定の人物である撮影画像の画像データを抽出し、これを前記配布用記録媒体に記録すべき画像データとすることを特徴とする請求項9から請求項13の何れか1項に記載のイベント会場向け配布用写真作成装置。
【請求項15】
前記枚数制限手段は、前記人物毎に個別に設定された枚数に制限することを特徴とする請求項9から請求項14の何れか1項に記載のイベント会場向け配布用写真作成装置。
【請求項16】
イベント会場における前記来場者の座席指定位置を表す座席情報を有し、
前記来場者データベースと前記座席情報とをもとに、前記イベント会場における来場者の座席指定位置を、前記来場者の顔画像と共に表示した座席表を印刷する座席表生成手段、を備えることを特徴とする請求項1から請求項15の何れか1項に記載のイベント会場向け配布用写真作成装置。
【請求項17】
前記イベント撮影手段は、前記イベント会場で前記来場者に貸与されることを特徴とする請求項1から請求項16の何れか1項に記載のイベント会場向け配布用写真作成装置。
【請求項18】
前記イベント会場は、披露宴会場であることを特徴とする請求項1から請求項17の何れか1項に記載のイベント会場向け配布用写真作成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−10576(P2009−10576A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−168660(P2007−168660)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【出願人】(399017005)アイピーストラテジ株式会社 (6)
【Fターム(参考)】