説明

インクジェットプリンタおよび印刷物

【課題】基材上の画像に容易に視覚効果を付与する。
【解決手段】インクジェットプリンタでは、有色インク吐出部から基材9上に吐出される有色インクに紫外線が照射されることにより多視点画像である画像層93が形成され、透明インク吐出部から画像層93上に吐出される透明インクに紫外線が照射されることにより画像層93上にレンチキュラーレンズであるレンズ層95が形成される。レンズ層95は、所定の膜厚のスペーサ層96、および、複数のシリンドリカルレンズ971を有するマイクロレンズ層97を備える。インクジェットプリンタによる印刷物90の形成では、マイクロレンズ層97と画像層93との間にスペーサ層96を設けることにより、複数のシリンドリカルレンズ971の焦点を画像層93上に容易に合わせることができる。その結果、基材9上の画像に視覚効果を容易に付与することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタおよび印刷物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、レンチキュラーレンズを利用して画像に立体感を付与したり、見る角度によって画像を異ならせる印刷物が知られている。このような印刷物は通常、硬質の板状のレンチキュラーレンズの裏面にレンチキュラー画像と呼ばれる多視点画像を印刷したり、基材上に印刷された多視点画像上に板状のレンチキュラーレンズを貼付することにより形成される。
【0003】
特許文献1では、透明板と金型との間に紫外線硬化樹脂を注入して硬化させることにより、板状のレンチキュラーレンズを形成する技術が開示されている。また、特許文献2では、一方の主面上にレンチキュラーレンズが設けられた透光性基板を射出成形により形成する技術が開示されている。
【0004】
一方、特許文献3および特許文献4では、インクジェット方式にて有色インクを基材に向けて吐出して有色画像を形成し、その後、インクジェット方式にて光硬化性の透明インクを吐出して有色画像上にレンチキュラーレンズを形成する技術が開示されている。特許文献3では、レンチキュラーレンズの複数のシリンドリカルレンズを形成する際に、各シリンドリカルレンズの表面形状等の設計情報に基づいて、各シリンドリカルレンズの幅方向の各位置にて透明インクの吐出回数や吐出量を変更する技術が提案されている。また、特許文献4では、基材上における有色インクの各ドットに対応する透明インクのドットを有色インクの複数のドット列に沿って吐出する際に、まず、有色インクの複数のドット列のうち1列おきに選択されたドット列上にのみ透明インクを吐出して硬化させ、その後、残りのドット列上に透明インクを吐出して硬化させることにより、レンチキュラーレンズの隣接するシリンドリカルレンズを分離して形成する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2008/111579号パンフレット
【特許文献2】特開2004−317801号公報
【特許文献3】特開平11−188866号公報
【特許文献4】特開2007−144635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献3や特許文献4のように、透明インクを利用してインクジェット方式にてレンチキュラーレンズを形成する場合、画像上に吐出された透明インクの微小液滴は硬化する前に周囲に広がるため、射出成形等によりレンチキュラーレンズを形成する場合に比べて、各シリンドリカルレンズの表面の曲率を大きくすることが難しく、焦点距離が大きくなってしまう。
【0007】
特許文献3の装置にて形成されるレンチキュラーレンズでは、各シリンドリカルレンズの高さが幅方向の中央にて最も高く、幅方向の両端で0となっているため、レンズ表面から画像までの距離が焦点距離よりも小さくなり、画像を鮮明に見ることができない。また、特許文献3では、透明の基材の一方の主面に画像を形成し、他方の主面にレンチキュラーレンズを形成する例が記載されているが、このような印刷物は、壁面等に貼付する際に画像上に接着剤等を塗布することとなり、画像が汚損してしまうおそれがある。
【0008】
特許文献4の装置にて形成されるレンチキュラーレンズでは、有色インクの各ドット上に透明インクのドットが配置されるため、レンズの表面形状が有色インクのドットの表面形状の影響を大きく受けてしまい、所望の表面形状を有するレンチキュラーレンズを形成することが困難である。また、レンズ表面から画像までの距離が焦点距離よりも小さくなり、画像を鮮明に見ることができない。さらに、透明インクの微小液滴を有色インクのドット上に正確に吐出する必要があるため、高精度な吐出制御が必須となり、装置の製造コストが増大してしまう。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、画像に容易に視覚効果を付与することを主な目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、インクジェットプリンタであって、透明インクの微小液滴を基材に向けて吐出する吐出部と、前記吐出部と前記基材とが相対的に移動する移動機構と、前記吐出部から前記基材上に付与された前記透明インクに放射線を照射して前記透明インクを硬化させる硬化部と、前記吐出部、前記移動機構および前記硬化部を制御することにより、前記基材上の画像層上に前記透明インクによるレンズ層を形成する印刷制御部とを備え、前記レンズ層が、前記画像層上に所定の膜厚にて形成されるスペーサ層と、所定の配列方向に配列されるとともにそれぞれが前記配列方向に垂直な方向に伸びる複数のシリンドリカルレンズを有し、前記スペーサ層上に配置されるマイクロレンズ層とを備えるレンチキュラーレンズである。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタであって、前記マイクロレンズ層を形成する際に前記硬化部から照射される放射線の強度が、前記スペーサ層を形成する際に前記硬化部から照射される放射線の強度よりも小さい。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のインクジェットプリンタであって、前記スペーサ層が、前記画像層上に形成される本体部と、前記本体部上に形成される表層とを備え、前記表層を形成する際に、前記本体部上に吐出された直後の透明インクに対して、放射線の照射が行われない、または、前記本体部を形成する際に照射される放射線の強度よりも小さい強度にて前記硬化部から放射線が照射される。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のインクジェットプリンタであって、前記複数のシリンドリカルレンズの大きさおよび表面形状に基づいて、前記吐出部から吐出される前記透明インクの微小液滴の大きさが変更される。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のインクジェットプリンタであって、前記複数のシリンドリカルレンズのそれぞれが、前記透明インクの複数種類の大きさの微小液滴にて形成される。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のインクジェットプリンタであって、前記透明インクが可撓性インクである。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載のインクジェットプリンタであって、前記基材が、可撓性を有する板状またはシート状の部材である。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載のインクジェットプリンタであって、有色インクの微小液滴を前記基材に向けて吐出して前記画像層を形成するもう1つの吐出部をさらに備える。
【0018】
請求項9に記載の発明は、印刷物であって、基材と、前記基材上に形成された画像層と、前記基材上に吐出された放射線硬化型の透明インクの微小液滴を硬化させることにより前記画像層上に形成されたレンズ層とを備え、前記レンズ層が、前記画像層上に所定の膜厚にて形成されたスペーサ層と、所定の配列方向に配列されるとともにそれぞれが前記配列方向に垂直な方向に伸びる複数のシリンドリカルレンズを有し、前記スペーサ層上に配置されるマイクロレンズ層とを備えるレンチキュラーレンズである。
【0019】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の印刷物であって、前記透明インクが可撓性インクである。
【0020】
請求項11に記載の発明は、請求項9または10に記載の印刷物であって、前記基材が、可撓性を有する板状またはシート状の部材である。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、画像に容易に視覚効果を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1の実施の形態に係るインクジェットプリンタの正面図である。
【図2】ヘッドユニットの内部構成を示す図である。
【図3】印刷物の断面図である。
【図4】レンズ層の形成の流れを示す図である。
【図5.A】形成途上のレンズ層を示す断面図である。
【図5.B】形成途上のレンズ層を示す断面図である。
【図5.C】形成途上のレンズ層を示す断面図である。
【図5.D】形成途上のレンズ層を示す断面図である。
【図6.A】印刷物の断面図である。
【図6.B】印刷物の断面図である。
【図6.C】印刷物の断面図である。
【図7】画像層上に吐出された透明インクの微小液滴を示す図である。
【図8】第2の実施の形態に係るインクジェットプリンタの正面図である。
【図9】第3の実施の形態に係るインクジェットプリンタの正面図である。
【図10】ヘッドユニットの内部構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るインクジェットプリンタ1を示す正面図である。インクジェットプリンタ1は、可撓性を有する板状またはシート状の部材である基材9の(+Z)側の主面91(以下、「上面91」という。)上にインクジェット方式にてカラー印刷を行う装置である。画像が印刷された基材9は、例えば、広告等を目的とする展示、あるいは、自動車や電車等の車体のラッピングに用いられる。
【0024】
図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、基材9を保持する保持部2、インクの微小液滴を基材9に向けて吐出するヘッドユニット3、ヘッドユニット3を移動するヘッド移動機構4、および、これらの機構を制御する印刷制御部5を備える。ヘッド移動機構4は、ヘッドユニット3を主走査方向であるX方向に移動する主走査機構41、および、ヘッドユニット3をX方向に垂直かつ水平なY方向(以下、「副走査方向」という。)へと移動する副走査機構42を備える。
【0025】
図2は、ヘッドユニット3の内部構成を示す図である。図2では、ヘッドユニット3のカバー30を破線にて描いている。ヘッドユニット3は、透明インクの微小液滴を基材9に向けて吐出する吐出部31(以下、「透明インク吐出部31」という。)、有色インクの微小液滴を基材9に向けて吐出するもう1つの吐出部32(以下、「有色インク吐出部32」という。)、および、透明インク吐出部31および有色インク吐出部32のX方向の両側に配置される2つの硬化部33を備える。透明インク吐出部31は、有色インク吐出部32の(−X)側に配置され、それぞれから透明インクが吐出される複数の吐出口を有する。
【0026】
有色インク吐出部32は、X方向に配列される4つの吐出機構32a〜32dを備え、吐出機構32a〜32dはそれぞれ、有色インク吐出部32と同様に、複数の吐出口を有する。有色インク吐出部32において、図2中の最も(+X)側に位置する吐出機構32aはK(ブラック)の有色インクを吐出し、吐出機構32aの(−X)側の吐出機構32bはC(シアン)の有色インクを吐出し、吐出機構32bの(−X)側の吐出機構32cはM(マゼンタ)の有色インクを吐出し、吐出機構32cの(−X)側の吐出機構32dはY(イエロー)の有色インクを吐出する。
【0027】
透明インクは放射線硬化型の可撓性インクであり、有色インクも放射線硬化型のインクである。硬化部33は、透明インク吐出部31および有色インク吐出部32から基材9上に付与された透明インクおよび有色インクに放射線を照射して透明インクおよび有色インクを硬化させる。本実施の形態では、透明インクおよび有色インクとして紫外線硬化型インクが利用され、硬化部33からは放射線として紫外線が出射される。
【0028】
基材9に印刷が行われる際には、有色インク吐出部32、硬化部33およびヘッド移動機構4が印刷制御部5により制御され、有色インク吐出部32が有色インクを吐出しつつ(+X)方向に連続的に移動し、有色インク吐出部32と共に移動する(−X)側の硬化部33から基材9上に吐出された有色インクに紫外線が照射されて有色インクが硬化する。有色インク吐出部32は、基材9の(+X)側への到達後、(+Y)方向に所定距離だけ移動する。続いて、有色インク吐出部32が(−X)方向に連続的に移動し、基材9上に吐出された有色インクは(+X)側の硬化部33からの紫外線により硬化する。有色インク吐出部32は、基材9の(−X)側への到達後、(+Y)方向に所定距離だけ移動する。インクジェットプリンタ1では、有色インク吐出部32および硬化部33のX方向への主走査、および、Y方向への副走査が繰り返されることにより、図3に示すように、基材9の上面91上に有色インクによる画像層93が形成される。画像層93の画像は、後述するようにレンチキュラーレンズであるレンズ層95に対応する多視点画像である。
【0029】
画像層93の形成が終了すると、図2に示す有色インク吐出部32からの有色インクの吐出が停止される。次に、透明インク吐出部31、硬化部33およびヘッド移動機構4が印刷制御部5により制御され、透明インク吐出部31からの透明インクの吐出が開始される。そして、有色インク吐出部32による画像層93の形成と同様に、透明インク吐出部31および硬化部33のX方向への主走査、および、Y方向への副走査が繰り返されることにより、図3に示すように、基材9上の画像層93上に透明インクによるレンズ層95が形成される。これにより、基材9、画像層93およびレンズ層95を備える印刷物90の形成が完了する。
【0030】
レンズ層95は、厚さが約300μmのレンチキュラーレンズであり、画像層93上に所定の膜厚にて形成されるスペーサ層96、および、スペーサ層96上に配置されるマイクロレンズ層97を備える。スペーサ層96の厚さはレンズ層95の全域に亘っておよそ均一であり、本実施の形態では約150μmである。マイクロレンズ層97は、所定の配列方向(Y方向)に配列される複数のシリンドリカルレンズ971を有し、複数のシリンドリカルレンズ971はそれぞれ、当該配列方向に垂直な方向(X方向)に伸びる凸レンズである。印刷物90では、スペーサ層96を形成することにより、マイクロレンズ層97の作成パラメータと基材9の特性とを分離して取り扱うことができる。
【0031】
次に、図4を参照しつつレンズ層95の形成工程の具体例について説明する。図5.Aないし図5.Dは、形成途上のレンズ層95を示す断面図である。レンズ層95の形成では、まず、基材9上に形成された画像層93上に透明インクの微小液滴が付与され、硬化部33(図2参照)により紫外線が照射されることにより、図5.Aに示すように、スペーサ層96の本体部960が形成される(ステップS11)。本体部960の表面は、透明インクの微小液滴が着弾した位置の中心が周囲よりも盛り上がるため、凹凸を有している。ステップS11では、スペーサ層96を所定の厚さにするために、必要に応じて、画像層93の各位置に複数回の透明インクの吐出および硬化が行われてもよい。
【0032】
続いて、硬化部33からの紫外線の照射が停止され、透明インクの微小液滴が本体部960上におよそ全面に亘って付与される。本体部960上に付与された透明インクの微小液滴は周囲に広がり、図5.Bに示すように、本体部960の表面の凹部に流入してスペーサ層96の表層961となる(ステップS12)。表層961の表面は、全面に亘って基材9の上面91から同じ高さに位置する平滑面となる。そして、透明インクの吐出が停止され、硬化部33から紫外線が照射されて本体部960上の表層961が硬化することにより、表面が平滑で膜厚がおよそ均一なスペーサ層96が画像層93上に形成される(ステップS13)。なお、ステップS12では、本体部960上に付与された透明インクに対する硬化部33からの紫外線の照射は行われないが、透明インクの流動性が失われない程度に小さい強度(すなわち、本体部960が形成される際に照射される紫外線の強度よりも小さい強度)にて紫外線が照射されてもよい。
【0033】
次に、透明インク吐出部31(図2参照)において、1つのシリンドリカルレンズ971(図3参照)に対応する1つまたは複数の吐出口を吐出口群として、透明インク吐出部31の(−Y)側から奇数番目の吐出口群から透明インクを吐出しつつ、偶数番目の吐出口群からの透明インクの吐出を停止した状態で、ヘッドユニット3が主走査される。そして、奇数番目の吐出口群からスペーサ層96上に付与された透明インクに硬化部33から紫外線が照射されることにより、図5.Cに示すように、主走査方向(X方向)に伸びる複数のシリンドリカルレンズ971が形成される(ステップS14)。複数のシリンドリカルレンズ971は互いに離間しつつY方向に配列され、隣接する2つのシリンドリカルレンズ971の間のY方向の距離(すなわち、スペーサ層96が露出している領域のY方向の距離)は、シリンドリカルレンズ971のY方向の幅におよそ等しい。
【0034】
ステップS14では、硬化部33から照射される紫外線の強度が、スペーサ層96の本体部960が形成される際に硬化部33から照射される紫外線の強度よりも小さいため、スペーサ層96上に吐出された透明インクは、ある程度硬化しているが流動性も有している状態(以下、「半硬化状態」という。)となる。このため、1つのシリンドリカルレンズ971に対応する領域にてX方向に配列された透明インクの複数のドットが結合する(すなわち、隣接するドットと馴染む。)。これにより、シリンドリカルレンズ971の表面が、シリンドリカルレンズ971の長手方向であるX方向にて凸凹になってしまうことが防止されて平滑な曲面となる。また、半硬化状態の透明インクのドットはY方向にも広がるため、透明インク吐出部31から吐出される透明インクの微小液滴のY方向の幅は、シリンドリカルレンズ971の設計幅よりも小さくされる。本実施の形態では、ステップS14において硬化部33から照射される紫外線の強度は、スペーサ層96が形成される際に硬化部33から照射される紫外線の強度の5%〜20%程度(より好ましくは、5%〜10%程度)である。
【0035】
シリンドリカルレンズ971の表面形状が所望の形状となると、透明インク吐出部31からの透明インクの吐出が停止された状態でヘッドユニット3が走査され、半硬化状態のシリンドリカルレンズ971に硬化部33からの紫外線が照射され、シリンドリカルレンズ971が硬化する(ステップS15)。ステップS15において硬化部33から照射される紫外線の強度は、ステップS14における紫外線の強度よりも大きく、スペーサ層96の形成時における紫外線の強度に等しい。インクジェットプリンタ1では、シリンドリカルレンズ971を所定の厚さにするために、必要に応じて、ステップS14,S15が複数回繰り返されてもよい。
【0036】
続いて、透明インク吐出部31において、透明インクを吐出する吐出口群の切り替えが行われる(ステップS16,S17)。すなわち、(−Y)側から奇数番目の吐出口群からの透明インクの吐出が停止され、偶数番目の吐出口群から透明インクの吐出が開始される。そして、ステップS14に戻り、2回目のステップS14,S15が行われることにより、図5.Dに示すように、1回目のステップS14,S15により形成された複数のシリンドリカルレンズ971の間にてスペーサ層96上に複数のシリンドリカルレンズ971が形成され、マイクロレンズ層97の形成が終了する(すなわち、レンズ層95の形成が終了する。)(ステップS14〜S16)。2回目に形成されたシリンドリカルレンズ971は、隣接する1回目に形成されたシリンドリカルレンズ971とY方向において接する。
【0037】
以上に説明したように、インクジェットプリンタ1による印刷物90の形成では、マイクロレンズ層97と画像層93との間にスペーサ層96を設けることにより、複数のシリンドリカルレンズ971の表面と画像層93との間の厚さ方向の距離を大きくし、マイクロレンズ層97の複数のシリンドリカルレンズ971の焦点を画像層93上に容易に合わせることができる。これにより、レンズ層95を介して画像層93の画像を鮮明に見ることができる。また、マイクロレンズ層97を平滑なスペーサ層96の表面上に形成することにより、画像層93の表面形状の影響を受けることなく、所望の表面形状の複数のシリンドリカルレンズ971を有するレンチキュラーレンズ(すなわち、レンズ層95)を容易に形成することができる。その結果、画像に立体感を付与したり、見る角度によって画像を異ならせるといった視覚効果を、基材9上の画像に容易に付与することができる。
【0038】
インクジェットプリンタ1による印刷物90の形成では、マイクロレンズ層97を形成する際に硬化部33から照射される紫外線の強度が、スペーサ層96の本体部960を形成する際に硬化部33から照射される紫外線の強度よりも小さい。これにより、シリンドリカルレンズ971の表面が長手方向において凸凹になることが防止され、シリンドリカルレンズ971の高さの長手方向における均一性が向上される。また、スペーサ層96の表層961を形成する際に、スペーサ層96の本体部960上に吐出された直後の透明インクに対して紫外線の照射が行われない(あるいは、本体部960が形成される際に照射される紫外線の強度よりも小さい強度にて紫外線が照射される)ことにより、スペーサ層96の厚さを精度良く一定にすることができる。その結果、シリンドリカルレンズ971の形成を容易とすることができる。さらに、基材9上の画像に付与される視覚効果を向上することができる。
【0039】
なお、レンズ層95のスペーサ層96の形成において、本体部960の形成に際して表面をおよそ平滑にすることができるのであれば、表層961は省略されてもよい。この場合、マイクロレンズ層97を形成する際に硬化部33から照射される紫外線の強度は、スペーサ層96を形成する際に硬化部33から照射される紫外線の強度よりも小さく設定される。
【0040】
上述のように、インクジェットプリンタ1では、レンズ層95のマイクロレンズ層97およびスペーサ層96を透明インクを用いて容易に形成することができる。このため、インクジェットプリンタ1は、様々な基材9に対するレンズ層95の形成に利用されるが、特に、他の方法によりレンチキュラーレンズを形成することが比較的困難な、可撓性を有する板状またはシート状の基材9に対するレンズ層95の形成に特に適している。また、レンズ層95の形成に利用される透明インクが可撓性インクであるため、基材9の変形がレンズ層95により阻害されることが抑制される。したがって、インクジェットプリンタ1は、自動車や電車等の車体のラッピングに用いられるような容易に変形する薄いシート状(すなわち、フィルム状)の基材9に対するレンズ層95の形成に特に適している。
【0041】
インクジェットプリンタ1では、ヘッドユニット3から有色インクを吐出して基材9に対する画像層93の形成が行われ、ヘッドユニット3から透明インクを吐出してレンズ層95の形成が行われる。このため、レンズ層95を形成する際に、基材9上の画像層93とヘッドユニット3の透明インク吐出部31との位置合わせを容易かつ高精度に行うことができる。その結果、画像層93に対するレンズ層95の位置決めが容易かつ高精度に実現される。
【0042】
ところで、インクジェットプリンタ1においてマイクロレンズ層97が形成される際には、複数のシリンドリカルレンズ971の大きさ(幅や高さ)および表面形状に基づいて、透明インク吐出部31が印刷制御部5により制御され、透明インク吐出部31から吐出される透明インクの微小液滴の大きさが変更される。図6.Aないし図6.Cは、透明インクの微小液滴の大きさが変更された場合のシリンドリカルレンズ971の大きさおよび表面形状を示す断面図である。図6.Aないし図6.Cでは、微小液滴99には平行斜線は付さない(図7においても同様)。図6.Aないし図6.Cは、1つのシリンドリカルレンズ971に対応する吐出口群が3つの吐出口を備えるものとして描いており、図中において実線にて示す3つの微小液滴99により、破線にて示す1つのシリンドリカルレンズ971が形成される。
【0043】
図6.Aないし図6.Cに示す各例では、図6.Aの微小液滴99が最も小さく、図6.Cの微小液滴99が最も大きい。このため、図6.Aのシリンドリカルレンズ971が最も小さく(すなわち、画像層93からの高さが低く)、また、幅方向であるY方向の中央における曲率も最も小さくなる。一方、図6.Cのシリンドリカルレンズ971が最も大きく、また、Y方向の中央における曲率も最も大きくなる。このように、複数のシリンドリカルレンズ971の大きさおよび表面形状に基づいて透明インクの微小液滴の大きさを変更することにより、様々な特性(例えば、異なる焦点距離)を有するシリンドリカルレンズ971を容易に形成することができる。
【0044】
図6.Aないし図6.Cに示す例では、各シリンドリカルレンズ971は同じ大きさの透明インクの微小液滴99にて形成されるが、各シリンドリカルレンズ971は、図7に示すように、複数種類の大きさの透明インクの微小液滴により形成されてもよい。図7では、画像層93上の各位置に吐出された互いに大きさが異なる透明インクの微小液滴99a〜99cを円にて描いている。実際には、これらの微小液滴99a〜99cは結合して、破線にて示す表面形状のシリンドリカルレンズ971となる。インクジェットプリンタ1では、シリンドリカルレンズ971を形成する際に、シリンドリカルレンズ971の表面となる予定の位置に近い位置に吐出される透明インクの微小液滴99a,99bを小さくし、シリンドリカルレンズ971の表面となる予定の位置から遠い位置に吐出される透明インクの微小液滴99cを大きくすることにより、各シリンドリカルレンズ971の形成に必要な透明インクの微小液滴の個数を大幅に増加させることなく、シリンドリカルレンズ971を形状精度良く形成することができる。
【0045】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るインクジェットプリンタについて説明する。図8は、第2の実施の形態に係るインクジェットプリンタ1aを示す正面図である。インクジェットプリンタ1aでは、図1に示すインクジェットプリンタ1からヘッドユニット3を副走査方向であるY方向に移動する副走査機構が省略され、基材9を保持する保持部2の下側((−Z)側)に、保持部2を副走査方向に移動する保持部移動機構45が設けられる。インクジェットプリンタ1aの他の構成は、図1および図2に示すインクジェットプリンタ1と同様であり、以下の説明では対応する構成に同符号を付す。
【0046】
インクジェットプリンタ1aによる画像層93およびレンズ層95(図3参照)の形成では、ヘッドユニット3の1回の主走査毎に行われるヘッドユニット3の副走査に代えて、基材9が保持部2と共に所定の距離だけ副走査方向に移動される。その他の動作は、第1の実施の形態と同様である。インクジェットプリンタ1aでは、第1の実施の形態と同様に、スペーサ層96およびマイクロレンズ層97(図3参照)を備えるレンズ層95を、基材9上の画像層93上に形成することにより、基材9上の画像に容易に視覚効果を付与することができる。
【0047】
次に、本発明の第3の実施の形態に係るインクジェットプリンタについて説明する。図9は、第3の実施の形態に係るインクジェットプリンタ1bを示す正面図である。インクジェットプリンタ1bは、ヘッドユニット3a、ヘッドユニット3aの下方((−Z)側)にて基材9を(−X)方向に移動する送り機構4a、および、印刷制御部5を備える。
【0048】
送り機構4aは、図示省略のモータに接続された2つのベルトローラ47、および、2つのベルトローラ47の間に掛けられたベルト48を有する。また、送り機構4aの(+X)側かつ(−Z)側には、ロール状の基材9(供給ロール)を保持する供給部61が設けられ、送り機構4aの(−X)側かつ(−Z)側にはロール状の基材9(巻取ロール)を保持する巻取部62が設けられる。供給部61から引き出された基材9は、保持部であるベルト48上にて保持され、ベルト48と共にヘッドユニット3aの下方を通過して(−X)側へと移動し、巻取部62にて巻き取られる。以下の説明では、単に基材9という場合は搬送途上の部位(すなわち、ベルト48上の基材9の部位)を指すものとする。
【0049】
図10は、ヘッドユニット3aの内部構成を示す図である。図10では、ヘッドユニット3aのカバー30を破線にて描いている。ヘッドユニット3aの最も(+X)側には、4つの吐出機構32a〜32dを備える有色インク吐出部32が配置され、有色インク吐出部32の(−X)側には、紫外線を出射する硬化部33aが配置される。硬化部33aの(−X)側には4つの透明インク吐出部31a〜31dが配置され、透明インク吐出部31a〜31dのそれぞれの(−X)側には、紫外線を出射する硬化部33b〜33gが配置される。有色インク吐出部32の4つの吐出機構32a〜32d、透明インク吐出部31a〜31d、並びに、硬化部33a〜33gは、基材9の幅全体に亘って(すなわち、Y方向の全長に亘って)設けられており、ヘッドユニット3aの下方を通過する基材9の幅全体に亘って有色インクや透明インクが吐出されるとともに紫外線が照射される。
【0050】
インクジェットプリンタ1bによる印刷物90(図3参照)の形成工程は、第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、図5.Aないし図5.Dを参照しつつ当該形成工程について説明する。以下の説明では、基材9の一部に注目し、当該一部に対する処理を順に説明する。インクジェットプリンタ1bでは、まず、(−X)方向に移動する基材9に有色インク吐出部32から有色インクが吐出され、当該有色インクに硬化部33aから紫外線が照射されることにより有色インクが硬化して画像層93(図5.A参照)が形成される。続いて、透明インク吐出部31aから画像層93上に透明インクが吐出され、硬化部33bから照射される紫外線により透明インクが硬化してスペーサ層96の本体部960が形成される(図5.A参照)。
【0051】
次に、本体部960上に透明インク吐出部31bから透明インクが吐出される。ヘッドユニット3では、透明インク吐出部31bと硬化部33cとの間のX方向の距離が比較的大きいため、本体部960上に付与された透明インクは、紫外線が照射されて硬化する前に周囲に広がり、本体部960の表面の凹部に流入して表層961となる。その後、表層961は、硬化部33cからの紫外線の照射により硬化し、表面が平滑で膜厚がおよそ均一なスペーサ層96(図5.B参照)が形成される。
【0052】
スペーサ層96が形成されると、透明インク吐出部31cから透明インクが吐出され、硬化部33dから比較的弱い強度(硬化部33b,33c,33e,33gからの紫外線の強度の5%〜10%程度)にて紫外線が照射されることにより、1本おきに配列された半硬化状態の複数のシリンドリカルレンズ971(図5.C参照)が形成される。そして、半硬化状態のシリンドリカルレンズ971に硬化部33eから通常の強度にて紫外線が照射されることにより、半硬化状態のシリンドリカルレンズ971が硬化する。
【0053】
続いて、既に形成された複数のシリンドリカルレンズ971の間に透明インク吐出部31dから透明インクが吐出され、硬化部33fからの比較的弱い強度(硬化部33からの紫外線の強度に等しい強度)の紫外線により半硬化状態の複数のシリンドリカルレンズ971(図5.D参照)が形成される。そして、これらのシリンドリカルレンズ971が硬化部33gからの通常の強度の紫外線により硬化し、マイクロレンズ層97の形成が終了する(すなわち、レンズ層95の形成が終了する)。
【0054】
このように、インクジェットプリンタ1bでは、基材9の(−X)方向への1回の移動により、有色インク吐出部32、および、透明インク吐出部31a〜31dが基材9上の各位置を1回だけ通過して基材9に対する印刷が完了する。すなわち、ヘッドユニット3aおよび基材9のY方向における移動を伴わない印刷(いわゆる、ワンパス印刷)が行われる。インクジェットプリンタ1bでは、第1の実施の形態と同様に、スペーサ層96およびマイクロレンズ層97を備えるレンズ層95を、基材9上の画像層93上に形成することにより、基材9上の画像に容易に視覚効果を付与することができる。
【0055】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0056】
透明インクおよび有色インクは、例えば、可視光(光子)の照射により硬化するインクや電子ビーム(電子)の照射により硬化するインクであってもよい。すなわち、電磁波や粒子線である放射線の照射により速やかに硬化するものであれば、様々なインクが用いられてよい。また、有色インク吐出部32は、ブラック、シアン、マゼンタおよびイエロー以外の他の色(例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ、ホワイト)のインクを吐出してもよい。
【0057】
インクジェットプリンタでは、様々な種類の移動機構により、ヘッドユニットと基材9とが相対的に移動すればよい。換言すれば、ヘッドユニットおよび基材9の少なくとも一方が他方に対して相対的に移動すればよい。上述のインクジェットプリンタ1では、ヘッドユニット3をX方向およびY方向に移動するヘッド移動機構4が当該移動機構に対応する。また、インクジェットプリンタ1aでは、ヘッドユニット3をX方向に移動するヘッド移動機構4、および、基材9を保持部2と共にY方向に移動する保持部移動機構45が上記移動機構に対応し、インクジェットプリンタ1bでは、基材9をX方向に移動する送り機構4aが上記移動機構に対応する。
【0058】
インクジェットプリンタは、紙や布、プラスチック等により形成されたシート状または板状の可撓性を有する基材への印刷に特に適しているが、これら以外の基材(例えば、ガラスや金属にて形成される板材)への画像層93およびレンズ層95の形成に利用されてもよい。また、インクジェットプリンタでは、ヘッドユニットから有色インク吐出部が省略され、レンズ層95の形成のみが行われてもよい。この場合、他の印刷装置にて基材9上に画像層93が形成され、インクジェットプリンタにて画像層93とヘッドユニットとの位置合わせが行われた後、レンズ層95の形成が行われる。
【符号の説明】
【0059】
1,1a,1b インクジェットプリンタ
4 ヘッド移動機構
4a 送り機構
5 印刷制御部
9 基材
31,31a〜31d 透明インク吐出部
32 有色インク吐出部
33,33a〜33g 硬化部
41 主走査機構
42 副走査機構
45 保持部移動機構
90 印刷物
99,99a〜99c 微小液滴
93 画像層
95 レンズ層
96 スペーサ層
97 マイクロレンズ層
971 シリンドリカルレンズ
S11〜S17 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェットプリンタであって、
透明インクの微小液滴を基材に向けて吐出する吐出部と、
前記吐出部と前記基材とが相対的に移動する移動機構と、
前記吐出部から前記基材上に付与された前記透明インクに放射線を照射して前記透明インクを硬化させる硬化部と、
前記吐出部、前記移動機構および前記硬化部を制御することにより、前記基材上の画像層上に前記透明インクによるレンズ層を形成する印刷制御部と、
を備え、
前記レンズ層が、
前記画像層上に所定の膜厚にて形成されるスペーサ層と、
所定の配列方向に配列されるとともにそれぞれが前記配列方向に垂直な方向に伸びる複数のシリンドリカルレンズを有し、前記スペーサ層上に配置されるマイクロレンズ層と、
を備えるレンチキュラーレンズであることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項2】
請求項1に記載のインクジェットプリンタであって、
前記マイクロレンズ層を形成する際に前記硬化部から照射される放射線の強度が、前記スペーサ層を形成する際に前記硬化部から照射される放射線の強度よりも小さいことを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のインクジェットプリンタであって、
前記スペーサ層が、
前記画像層上に形成される本体部と、
前記本体部上に形成される表層と、
を備え、
前記表層を形成する際に、前記本体部上に吐出された直後の透明インクに対して、放射線の照射が行われない、または、前記本体部を形成する際に照射される放射線の強度よりも小さい強度にて前記硬化部から放射線が照射されることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のインクジェットプリンタであって、
前記複数のシリンドリカルレンズの大きさおよび表面形状に基づいて、前記吐出部から吐出される前記透明インクの微小液滴の大きさが変更されることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載のインクジェットプリンタであって、
前記複数のシリンドリカルレンズのそれぞれが、前記透明インクの複数種類の大きさの微小液滴にて形成されることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載のインクジェットプリンタであって、
前記透明インクが可撓性インクであることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載のインクジェットプリンタであって、
前記基材が、可撓性を有する板状またはシート状の部材であることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載のインクジェットプリンタであって、
有色インクの微小液滴を前記基材に向けて吐出して前記画像層を形成するもう1つの吐出部をさらに備えることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項9】
印刷物であって、
基材と、
前記基材上に形成された画像層と、
前記基材上に吐出された放射線硬化型の透明インクの微小液滴を硬化させることにより前記画像層上に形成されたレンズ層と、
を備え、
前記レンズ層が、
前記画像層上に所定の膜厚にて形成されたスペーサ層と、
所定の配列方向に配列されるとともにそれぞれが前記配列方向に垂直な方向に伸びる複数のシリンドリカルレンズを有し、前記スペーサ層上に配置されるマイクロレンズ層と、
を備えるレンチキュラーレンズであることを特徴とする印刷物。
【請求項10】
請求項9に記載の印刷物であって、
前記透明インクが可撓性インクであることを特徴とする印刷物。
【請求項11】
請求項9または10に記載の印刷物であって、
前記基材が、可撓性を有する板状またはシート状の部材であることを特徴とする印刷物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5.A】
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【図5.B】
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【図5.C】
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【図5.D】
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【図6.A】
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【図6.B】
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【図6.C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−215201(P2011−215201A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80616(P2010−80616)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】