説明

インドシアニングリーン定量カテーテルシステム

【課題】 光ファイバを備えたカテーテルを利用するシステムであって、新たな侵襲を起こすことなく、リアルタイムで正確なICGの反射強度のモニタを行い、血流速度,循環血液量または肝機能排泄能のデータを得ることができる、小型で簡便なインドシアニングリーン定量カテーテルシステムを提供する。
【解決手段】 光ファイバカテーテル18の先端部は光コネクタ1に接続され、2つの光ファイバ端はそれぞれ受光光学系と光源光学系に接続されている。ダイクロイックミラー20,21によって酸素飽和度などの光源と検出部に光結合されている。光源12より送られた808nmの1波長のレーザ光はカテーテル先端部付近で投与したIGCで吸収され検出器5で検出され制御部7によって反射強度が測定される。この反射強度に基づき血流速度,循環血液量などのデータが算出されモニタ8に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集中医療、救急医療でのモニタ,体内水分量感連測定,肝機能検査に用いることができるインドシアニングリーンを定量するカテーテルシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
血中投与されたインドシアニングリーン(以下「ICG」という)は血管外に漏れ出ることなく、唯一肝臓から体外に排出される。この性質を利用して血流速度,循環血液量,肝臓の排泄能の生体情報を得ることができる。
血流速度は、血流の上流に既知量のICGを急速投与し、その下流における血中濃度の変化を連続的に数十秒間測定することによって得られる色素希釈曲線より、その血管の血流速度を測定できる。この測定を、すべての血流が集まる心臓の前後で行えば、単位時間あたりに心臓を通過する血液の量,すなわち心拍出量を測定できる。心拍出量は心臓機能の重要な指標であり、重症患者の治療に極めて有用である。
【0003】
循環血液量は、血液の中を循環する血液の量を適正に管理する目的で用いられ、重症患者にとって極めて有用である。血液の不足は、循環器機能を虚脱させ、血液の過剰は肺,肝,脳など重要な臓器の鬱血となる。既知量のICGを静脈投与した後、数分間の血中濃度の減衰曲線を測定し、投与直後の血中濃度を推定することによって循環血液量を求めることができる。
肝臓の色素排泄能は、投与したICGの血中濃度の減少の程度を10分間程度測定することにより、肝臓が色素を排泄する能力を測ることで、得られる。血液が肝臓を通過するとICGは、完全に除去されると仮定することができるので、このことより単位時間あたりの肝血流量を求めることができる。
【0004】
このような特徴から肝機能検査(血漿消失率,血中停滞率および肝血流測定),肝疾患の診断,予後治癒の判定や循環機能検査(心拍出量,平均循環時間または異常血流量の測定),心臓血管系疾患の診断に用いられている。
ICGを生体組織内に注入し、定量することにより、肝機能検査,循環機能検査,生体所定領域内の水分量関連値(肺水分量)の測定が行われる。
ICGの色素は体内で肝臓の働きにより消失させられるものであるので、肝臓の働きが良好であれば、血液中から早く消え、良好でない場合には遅くまで残る。そのため、上述したようにICGを注射してから一定時間後の血液中の濃度を測定することにより肝臓の働きを知る目安になる。なおICGを点滴して測定する方法も存在する。
【0005】
血中ICGを定量する方法として、採血し、血球を分離させた後に、通常の方法で行っている。従来のICGを定量する方法,システムは例えば特許文献1,2および3により提案されている。
特許文献1はICGを0.5μg/ml添加した血清を測定サンプルとして試験管に収容し、励起光照射手段により790nmのパルスレーザで照射し、発生した蛍光を蛍光検出装置に導き蛍光寿命を求めて解析装置により解析し表示装置に表示するものであり、800nm〜900nmの蛍光スペクトルを用いるものである。
これは、従来の方法に比較して簡便かつ短時間にリポ蛋白の構成比を精度良く検査できるという特徴を有する。
【0006】
また、特許文献2は、複数の光波長(例えば620nm,805nm,940nmの3波長)の光源を使用してICGの濃度を検出するものである。この装置は、各波長について光強度に応じた信号I1,I2,I3を測定し、その変化分ΔI1,ΔI2,ΔI3を測定し、これらの相互の比を求めることにより酸化ヘモグロビン,還元ヘモグロビンおよびIDG(インジゴカルミン)の3つの血中物質の濃度比を得ることができる。そして減光度比よりIDG濃度図および酸素飽和度を検出し,さらに減光度比よりICG濃度および酸素飽和度を検出することができる。
この装置は腎機能,肝機能および呼吸循環機能を測定するため上記生体パラメータを3波長の光を用いて検出するためのものである。また、生体組織5に対し上記3つの波長を照射し、その透過光を受光素子で受光し電気信号に変換する構成であるが、生体組織5は例えば、指先または耳朶などで測定するもので、光ファイバを備えたカテーテルを組織内に導入して測定するものではない。
【0007】
さらに特許文献3は、808nmのレーザ光を用い、ICGで腫瘍細胞を破壊することを目的としたものである。すなわち、光力学的および免疫的療法を組み合わせることによって即時に腫瘍細胞破壊を引き起こすと同時に、残留するまたは転移腫瘍細胞の増殖に対して自己免疫防御系を刺激するようような方法で新生物の処理を改善するものである。
【0008】
上記ICGを利用して生体組織のICG濃度を測定するものは、特許文献1,2については生体組織内に光ファイバーを備えたカテーテルを導入して行うシステムではない。また、特許文献1は800nm〜900nmの蛍光スペクトルを用いており、特許文献2は少なくとも3つの波長を用いており、特許文献3は、808nmのレーザー光と、正常な細胞組織をほとんど破壊することなく容易に透過できる波長を有するレーザー光を用いるもので、各特許文献とも複数の光源を用いている。したがって、各特許文献ともシステムが高価であるという問題がある。
【0009】
直接、生体組織外部に発光ダイオード,受光センサを取り付けてICGを測定する装置として特許文献4(生体内水分量関連値測定装置)が開示されている。
これは、指先や耳朶などから経皮的にICGを測定する方法であり、重症患者の場合、末梢血流が低下するため、正確な計測が困難になるものである。
【0010】
また、光ファイバーを備えたカテーテルを生体組織内に導入し、第1測定波長,第2測定波長および基準波長の3つの波長を用いて、中心静脈酸素飽和度及び注射されたICGの局所濃度を測定するものが提案されている(特許文献5)。このシステムによれば、中心静脈酸素飽和度およびICGの局所濃度が、相互に影響することなく同時に連続して測定できる。
しかしながら、特許文献5のシステムは特許文献2などと同様、第1測定波長と基準波長または第2測定波長と基準波長の2つの測定波長を用いて測定するものであり、システムに用いる光源装置の規模が大きく測定装置の回路構成も複雑になるという問題がある。
【特許文献1】特開平11−108924号公報
【特許文献2】特開2001−321362号公報
【特許文献3】特表平11−503153号公報
【特許文献4】特開2003−135433
【特許文献5】特開2004−113799
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記問題に鑑みたもので、その目的は血中酸素飽和度を測定する光ファイバを備えたカテーテルを利用するシステムであって、新たな侵襲を起こすことなく、リアルタイムで正確なICGの反射光強度測定を行い、血流速度,循環血液量または肝排泄機能のデータを得ることができる、小型で簡便なインドシアニングリーン定量カテーテルシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために本発明の請求項1は、光ファイバを備えたカテーテルシステムにおいて、単波長の1つの測定光を発生する光源装置と、前記光源装置からの単波長の光を前記光ファイバに導く入力光学系と、光信号を検出し電気信号に変換する光検出器と、前記光ファイバより照射される反射光を前記光検出器に導く出力光学系と、前記光検出器で検出した反射光を受けてICGの濃度変化を演算する演算手段と、前記演算手段の演算結果から血流速度,循環血液量または肝排泄機能を算出する血流速度,循環血液量または肝排泄機能算出手段とを備え、生体組織中の血管内へICGを所定位置から注射しカテーテル先端部で検出する血中ICGを、同時に測定する血中酸素飽和度に影響を与えることなくリアルタイムで定量することにより、血流速度,循環血液量または肝排泄機能のデータを得ることを特徴とする。
本発明の請求項2は、請求項1記載の発明において前記光源装置は808nm付近の1波長を出力する半導体レーザ,スーパールミネッセントダイオード,またはLED装置よりなることを特徴とする。
本発明の請求項3は、請求項2記載の発明において前記入力光学系に所定の波長領域のみを通過させるダイクロイックミラーを挿入し、前記808nm付近の波長領域とは異なる波長領域を発する酸素飽和度測定用光源装置を配置し、前記出力光学系に前記所定の波長領域のみを反射するダイクロイックミラーを挿入し、前記808nm付近の反射光とは異なる波長領域の光を受信する酸素飽和度測定用検出器を配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
上記構成によれば、ICGの吸収ピーク波長である808nm付近の1波長の反射光強度測定を行うことにより、小型で簡便なシステムを実現でき、かつ新たなる侵襲を起こすことなく、リアルタイムで正確なICGのモニタができ,血中酸素飽和度に影響を与えることなく測定すると同時に血流速度,循環血液量または肝排泄機能のデータを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面等を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1は、本発明によるインドシアニングリーン定量カテーテルシステムの概略を示すブロック図である。
制御部7は操作卓10からの指示に基づき光源制御部11に対し光源起動の制御信号を送る。光源制御部11は半導体レーザの光源12を起動させる。レーザ光は808nmの1波長のみの測定光であり、集光レンズ13,バンドパスフィルタ14を通過し反射鏡15,16で反射され集光レンズ17により光ファイバ端に導かれる。光ファイバ端から入射した808nm(ICGの吸収ピーク波長)のレーザ光は光ファイバカテーテル18の先端に伝達される。
光ファイバカテーテル18の先端部から照射されたレーザ光は、血中の血球成分などにより散乱・反射され、他方の光ファイバに入射し、他方の光ファイバ端から射出し、集光レンズ2,バンドパスフィルタ3を通過し、さらに集光レンズ4を介してフォトマルチプライヤやフォトダイオード等の光検出器5に入射する。そして、光ファイバカテーテル18の先端部付近にICGが存在すると、散乱・反射光強度はICG濃度に依存して変化する。
この実施形態における光源側の反射鏡15,16は光ファイバカテーテルの光コネクタ1の入射側と射出側の間隔が小さいため用いているが、光源12に小型の半導体レーザ等を用いれば、省略することが可能である。また、半導体レーザは単色光であるため、光源側にバンドパスフィルタ14は不要となる。
【0015】
光検出器5は検出器制御部6bから起動信号およびタイミング信号を受けることにより反射光が受信可能になる。光検出器5で検出した反射光(所定の波長領域)は電気信号に変換され検出器用増幅器6aで増幅される。
制御部7は、制御プログラムに基づきCPUなどの演算素子によって光源制御や測定動作を行うとともに受信した増幅器6aの出力をA/D変換して反射光強度を得、所定の式によりICGの濃度変化を演算する。さらに血流速度,循環血液量,肝臓の排泄能の算出を行う。これら算出したデータはモニタ8上に表示される。
モニタ8にはこの他に測定動作のためのメニュー画面が表示される。メニュー画面では光源の出力,波長領域などのスペックが表示され、操作卓10により光源12の発光出力を調整することができる。
記録計9は時間とともに血中のICGなどによる反射強度変化が刻まれる。
なお、図示しないが、このカテーテルには注射用細管やバルーン膨脹用パイプ等を付属させることが可能である。
【0016】
図2は、本発明によるインドシアニングリーン定量カテーテルシステムの実施の形態を示す概略ブロック図で、図1の構成に酸素飽和度測定の測定用光源と検出器が並設されたものである。
光源光学系の反射鏡15をダイクロイックミラー20に置き換え、ダイクロイックミラー20の背後に酸素飽和度の測定用の光を受けるための光学系が配置されている。
また、受光光学系の集光レンズ2とバンドパスフィルタ3の間にダイクロイックミラー21を挿入し、ダイクロイックミラー21の前方に酸素飽和度の検出器へ導く光学系が配置されている。
酸素飽和度を測定する場合は、図示しない酸素飽和度の光源を起動し、酸素飽和度を測定するための光をダイクロイックミラー20より半導体レーザ用の光学系に挿入し光ファイバカテーテル18に導く。そして、他方の光ファイバから戻ってきた反射光をダイクロイックミラー21で取り出し酸素飽和度の検出器に導き、図示しない測定回路で酸素飽和度を測定する。酸素飽和度の測定回路の制御機能は、制御部7を兼用させることが可能であり、またモニタ8,記録系9を用いることができる。
また、ダイクロイックミラー20,21に、適当な波長特性のダイクロイックミラーを利用することで、ICGと酸素飽和度測定の測定部を入れ替えることもできる。この実施形態における光源側の反射鏡16は光ファイバカテーテルの光コネクタ1の入射側と射出側の間隔が小さいため用いているが、光源12に小型の半導体レーザ等を用いれば、省略することが可能である。また、半導体レーザは単色光であるため、光源側にバンドパスフィルタ等は不要となる。
【0017】
図3は、ICGの濃度演算,血流速度などを算出する測定手順を示すフローチャートである。
光ファイバカテーテルを血管内の所定の位置に留置する(ステップ(以下「S」という)001)。次に、光ファイバカテーテル端部のコネクタを測定装置のコネクタに接続する(S002)。808nmのレーザ光を起動し、その反射光を光検出器5で検知し、その光出力は制御部7の制御の下に記録計9に出力される。この光出力をモニタし(S003)、光出力が安定したか否かを判定することとなる(S004)。
図4にX−Y記録計に刻まれた出力波形の一例が示されている。当初ノイズが刻まれ、所定時間後に出力が安定する。出力が安定したことを確認した後、一定量のICGを所定の位置から血管に投与する(S005)。
【0018】
引き続き、制御部7は光出力変化を記録計9に記録させる(S006)。また、内部に経過時間対応の反射強度のデータを蓄積する。反射強度が最大になった時点から予め設定してある時間経過すると、濃度変化演算部7aはICGの濃度変化の演算を行う(S007)。さらに濃度変化に基づき血流速度,循環血液量および肝排泄能算出部7bは、要求に応じて血流速度,循環血液量および肝排泄を算出する(S008)。
以下に制御部7の血流速度,循環血液量および肝排泄能算出部7bで行われる演算内容を説明する。
(血流速度Vの算出方法)
血流の上流より一定量のICG(投与量Cicg )を急速投与し、その下流における時間−濃度曲線を記録し、そのエリアアンダザカーブの面積Sより血流速度を演算する。
V=Kv ×Cicg /S ・・・(1)
上記(1)式を用いて血流速度を求めることができる。
(循環血液量Mの算出方法)
単回投与されたICGは肝臓から排泄され指数関数的に血中濃度が低下する。時間−血液濃度曲線を指数で表記し、減衰直線よりt=0における濃度C0 を推定し、投与量Cicg との比率からその時の循環血液量を演算する。
M=K m ×Cicg /C0 ・・・(2)
ただし、Km :装置による定数
上記(2)式を用いて循環血液量を求めることができる。
【0019】
(肝臓の色素排泄能の算出方法)
肝臓を通過した血液からICGは100%除去されると仮定して血中濃度半減期τは肝臓の色素排泄能力の指標になる。また循環血液量と排泄定数Kとの積は、時間あたりの肝血流量を表す。
D=Kd ×τ ・・・(3)
ただし、Kd :装置による定数
上記(3)式を用いて肝臓の色素排泄能を求めることができる。
【0020】
図4は、所定量のICGを注入したときの血液中の濃度変化の1例を示すグラフである。これはウサギの実験例であり、ICG 5mgiv,照射波長Ex 800nm,測定波長Em 800nmである。レコーダの横軸は20mm/min ,縦軸は10mV/div である。
投与直後に反射光出力は低下するが、時間の経過とともにICGの量が減少し徐々に反射光出力が元のレベルへ戻る状態が示されている。
【0021】
図5は、カテーテルの構造の一例を示す図である。
カテーテルは光ファイバを挿入する部分,サンプリングポートおよび液体または薬剤投与ポートを持っている。光ファイバの端部にはコネクタが取り付けられており、信号処理回路を有する測定装置に接続される。
図6は、本発明によるカテーテルシステムによる測定例を示す図である。
上腕部根元からカテーテルを挿入し心臓の所定の静脈部分に先端部が達している。本発明によれば、酸素飽和度の測定に影響を与えることなく、IGCの吸収ピーク波長である808nmの1波長の反射光強度測定を行い、血流速度,循環血液量や肝排泄能のデータを得ることができる小型で簡便なシステムを実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
臨床検査や薬剤モニタするために生体組織中に導入して血中酸素飽和度の測定と同時に血中ICGを定量測定できるカテーテルシステムである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明によるインドシアニングリーン定量カテーテルシステムの概略を示すブロック図である。
【図2】本発明によるインドシアニングリーン定量カテーテルシステムの実施の形態を示す概略ブロック図で、図1の構成に酸素飽和度測定の測定用光源と検出器が並設されたものである。
【図3】ICGの濃度演算,血流速度などを算出する測定手順を示すフローチャートである。
【図4】所定量のICGを注入したときの血液中の濃度変化を示すグラフである。
【図5】カテーテルの構造の一例を示す図である。
【図6】本発明によるカテーテルシステムによる測定例を示す図である。
【符号の説明】
【0024】
1 光コネクタ
2,4,13,17 集光レンズ
3,14 バンドパスフィルタ
5 検出器(フォトダイオードなど)
6 検出器用増幅器・検出器制御部
7 制御部
8 モニタ
9 記録計(X−Yプロッタ)
10 操作卓
11 光源制御部
12 光源(半導体レーザ,スーパールミネッセントダイオード,LED,キセノンランプなど)
15,16 反射鏡
18 光ファイバカテーテル
20,21 ダイクロックミラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバを備えたカテーテルシステムにおいて、
単波長の1つの測定光を発生する光源装置と、
前記光源装置からの単波長の光を前記光ファイバに導く入力光学系と、
光信号を検出し電気信号に変換する光検出器と、
前記光ファイバより照射される反射光を前記光検出器に導く出力光学系と、
前記光検出器で検出した反射光を受けてインドシアニングリーンの濃度変化を演算する演算手段と、
前記演算手段の演算結果から血流速度,循環血液量または肝臓の色素排泄能を算出する血流速度,循環血液量または肝排泄機能算出手段とを備え、
生体組織中の血中インドシアニングリーンを所定位置から注入しカテーテル先端部で検出する血中インドシアニングリーンを、同時に測定する血中酸素飽和度に影響を与えることなくリアルタイムで定量することにより、血流速度,循環血液量または肝排泄機能のデータを得ることを特徴とするインドシアニングリーン定量カテーテルシステム。
【請求項2】
前記光源装置は808nm付近の1波長を出力する半導体レーザ,スーパールミネッセントダイオード,またはLED装置よりなることを特徴とする請求項1記載のインドシアニングリーン定量カテーテルシステム。
【請求項3】
前記入力光学系に所定の波長領域のみを通過させるダイクロイックミラーを挿入し、前記808nm付近の波長領域とは異なる波長領域を発する酸素飽和度測定用光源装置を配置し、
前記出力光学系に前記所定の波長領域のみを反射するダイクロイックミラーを挿入し、前記808nm付近の反射光とは異なる波長領域の光を受信する酸素飽和度測定用検出器を配置したことを特徴とする請求項2記載のインドシアニングリーン定量カテーテルシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−158611(P2006−158611A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−353711(P2004−353711)
【出願日】平成16年12月7日(2004.12.7)
【出願人】(504300181)国立大学法人浜松医科大学 (96)
【Fターム(参考)】