説明

インパルス式ヒートシーラー用樹脂シート及びこれを備えたインパルス式ヒートシーラー

【課題】被シール物に外観上好ましくない模様が転写されるのを効果的に防止できるインパルス式ヒートシーラー用樹脂シート及びこれを備えたインパルス式ヒートシーラーを提供する。
【解決手段】それぞれ第1方向A1へ互いに平行に延びる複数本の第1繊維21と、それぞれ上記第1方向A1に対して交差する第2方向B1へ互いに平行に延びる複数本の第2繊維22とが編み込まれることにより形成された繊維構造体20に対して、フッ素樹脂23を含浸させることにより長方形状の樹脂シート16を形成し、上記第1方向A1及び上記第2方向B2を樹脂シート16の長手方向Lに対して交差させる。これにより、第1繊維21と第2繊維22とで弛みやすさにばらつきが生じるのを抑制することができるので、一部の繊維のみが弛むことに起因して、被シール物に外観上好ましくない模様が転写されるのを効果的に防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被シール物に当接し、断続的に駆動されるヒータからの熱を上記被シール物に伝導して熱溶着させるためのインパルス式ヒートシーラー用樹脂シート及びこれを備えたインパルス式ヒートシーラーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
被シール物を加熱するためのヒータを備え、当該ヒータを断続的に駆動させて被シール物を熱溶着させるインパルス式ヒートシーラーが知られている(例えば、特許文献1参照)。この種のヒートシーラーには、一般的に、被シール物に当接する樹脂シートが備えられており、ヒータからの熱が樹脂シートを介して被シール物に伝導されるようになっている。樹脂シートは、熱溶着後に被シール物を樹脂シートから剥離しやすくするために、例えばフッ素樹脂を用いて形成されている。
【0003】
インパルス式ヒートシーラーでは、樹脂シートが被シール物に対して圧接され、当該樹脂シートの圧接時にのみヒータが駆動されるようになっている。すなわち、複数の被シール物を順次に熱溶着させる際には、被シール物を順次にセットして各被シール物に樹脂シートを圧接させるとともに、各圧接時にのみヒータが断続的に駆動されることにより、各被シール物が熱溶着されるようになっている。
【0004】
図5は、従来のインパルス式ヒートシーラーに用いられている樹脂シート116の一例を示した図であり、(a)は樹脂シート116の平面図、(b)はシート構造体1を切断して(a)の樹脂シート116を形成する際の態様をそれぞれ示している。
【0005】
この樹脂シート116は、互いに編み込まれた複数本のガラス繊維121,122からなる繊維構造体120に、フッ素樹脂を含浸させることにより、長方形状に形成されている。上記複数本のガラス繊維121,122は、互いに直交方向に延びる複数本の第1繊維121及び第2繊維122からなり、各第1繊維121が一定間隔を隔てて平行に延びるとともに、各第2繊維122が一定間隔を隔てて互いに平行に延びるように、格子状に編み込まれている。なお、図5では、説明を分かりやすくするために、各ガラス繊維121,122間の距離を実際よりも長く表している。
【0006】
この樹脂シート116は、複数本のガラス繊維121,122が編み込まれてフッ素樹脂が含浸されることにより形成されたシート構造体1を適宜に切断することにより製造される。より具体的には、図5(b)に示すように、第1繊維121が延びる方向A3及び第2繊維122が延びる方向B3に沿って、図5(b)に破線で示したようにシート構造体1が切断されることにより、図5(a)に示すような樹脂シート116が製造される。
【0007】
このようにして製造される樹脂シート116は、その長辺が上記方向A3に沿って延びるとともに、短辺が上記方向B3に沿って延びる長方形状に形成される。したがって、各第1繊維121の長さは、当該樹脂シート116の長辺の長さと同一であり、各第2繊維122の長さは、当該樹脂シート116の短辺の長さと同一になっている。
【特許文献1】特開2003−48250号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記のような従来の樹脂シート116は、被シール物の熱溶着時にヒータから受ける熱によって膨張し、図6に示すように、編み込まれているガラス繊維121,122の一部に弛み125が生じる場合があった。このようなガラス繊維の弛み125は、第2繊維122よりも長い第1繊維121に特に生じやすい。
【0009】
このように、ガラス繊維の一部に弛み125が生じた場合、その状態で被シール物に対する熱溶着を行うと、被シール物におけるガラス繊維の弛み125の部分が圧接された箇所に、外観上好ましくない模様が転写されてしまうといった問題がある。
【0010】
特に、インパルス式ヒートシーラーにおいては、ヒータが断続的に駆動されることにより、樹脂シートの加熱及び冷却が繰り返されるため、編み込まれているガラス繊維の一部が弛むといった現象が生じやすく、上記の問題が特に顕著である。
【0011】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、被シール物に外観上好ましくない模様が転写されるのを効果的に防止できるインパルス式ヒートシーラー用樹脂シート及びこれを備えたインパルス式ヒートシーラーを提供することを目的とする。また、本発明は、耐久性がより向上したインパルス式ヒートシーラー用樹脂シート及びこれを備えたインパルス式ヒートシーラーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の本発明に係るインパルス式ヒートシーラー用樹脂シートは、被シール物に当接し、断続的に駆動されるヒータからの熱を上記被シール物に伝導して熱溶着させるためのインパルス式ヒートシーラー用樹脂シートであって、それぞれ第1方向へ互いに平行に延びる複数本の第1繊維と、それぞれ上記第1方向に対して交差する第2方向へ互いに平行に延びる複数本の第2繊維とが編み込まれることにより形成された繊維構造体に対して、フッ素樹脂を含浸させることにより形成されるとともに、上記第1方向及び上記第2方向の双方に交差する方向へ長辺が延びる長方形状に形成されていることを特徴とする。
【0013】
このような構成によれば、各第1繊維が延びる第1方向及び各第2繊維が延びる第2方向の双方に交差する方向へ長辺が延びる長方形状のインパルス式ヒートシーラー用樹脂シートを提供することができる。これにより、第1繊維及び第2繊維の一方が樹脂シートの長手方向に沿って延びるような従来の構成と比較して、第1繊維及び第2繊維の長さをより近似させることができる。
【0014】
したがって、第1繊維と第2繊維とで弛みやすさにばらつきが生じるのを抑制することができるので、一部の繊維のみが弛むことに起因して、被シール物に外観上好ましくない模様が転写されるのを効果的に防止できるとともに、耐久性をより向上させることができる。
【0015】
第2の本発明に係るインパルス式ヒートシーラー用樹脂シートは、上記複数本の第1及び第2繊維が、互いに直交しており、上記長辺が、上記第1方向に対して45°の角度で交差し、かつ、上記第2方向に対して45°の角度で交差する方向へ延びていることを特徴とする。
【0016】
このような構成によれば、第1繊維及び第2繊維の長さをより近似させることができるので、第1繊維と第2繊維とで弛みやすさにばらつきが生じるのを効果的に抑制することができ、一部の繊維のみが弛むことに起因して、被シール物に外観上好ましくない模様が転写されるのをより効果的に防止できるとともに、耐久性をさらに向上させることができる。
【0017】
第3の本発明に係るインパルス式ヒートシーラー用樹脂シートは、上記複数本の第1及び第2繊維が、互いに同一の長さに形成されていることを特徴とする。
【0018】
このような構成によれば、第1繊維及び第2繊維が互いに同一の長さであるため、第1繊維と第2繊維とで弛みやすさにばらつきが生じるのを効果的に抑制することができ、一部の繊維のみが弛むことに起因して、被シール物に外観上好ましくない模様が転写されるのをより効果的に防止できるとともに、耐久性をさらに向上させることができる。
【0019】
第4の本発明に係るインパルス式ヒートシーラーは、被シール物を加熱するためのヒータと、被シール物に当接し、上記ヒータからの熱を上記被シール物に伝導して熱溶着させるための樹脂シートと、上記ヒータを断続的に駆動させるヒータ駆動手段とを備え、上記樹脂シートが、それぞれ第1方向へ互いに平行に延びる複数本の第1繊維と、それぞれ上記第1方向に対して交差する第2方向へ互いに平行に延びる複数本の第2繊維とが編み込まれることにより形成された繊維構造体に対して、フッ素樹脂を含浸させることにより形成されるとともに、上記第1方向及び上記第2方向の双方に交差する方向へ長辺が延びる長方形状に形成されていることを特徴とする。
【0020】
このような構成によれば、上記第1の本発明と同様の効果を奏するインパルス式ヒートシーラーを提供することができる。すなわち、このインパルス式ヒートシーラーによれば、一部の繊維のみが弛むことに起因して、被シール物に外観上好ましくない模様が転写されるのを効果的に防止できるとともに、耐久性をより向上させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、第1繊維と第2繊維とで弛みやすさにばらつきが生じるのを抑制することができるので、一部の繊維のみが弛むことに起因して、被シール物に外観上好ましくない模様が転写されるのを効果的に防止できるとともに、耐久性をより向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るヒートシーラーの構成例を示した断面図である。このヒートシーラーは、被シール物を加熱するためのヒータ4を備え、当該ヒータ4を断続的に駆動させて被シール物を熱溶着させるインパルス式ヒートシーラーである。被シール物は、例えば樹脂製フィルムからなる包装袋などであり、その開口部を当該ヒートシーラーを用いて熱溶着することにより閉じることができる。
【0023】
このヒートシーラーには、上記ヒータ4が装着された基台部11と、この基台部11に対して回動可能に取り付けられた圧接レバー12とが備えられている。基台部11の上面には、上記ヒータ4を含む加熱部10が形成され、圧接レバー12の下面における加熱部10に対応する位置には、圧接部18が形成されている。したがって、加熱部10上に被シール物を載置した状態で、圧接レバー12を回動させることにより、加熱部10上の被シール物を圧接部18によって上方から挟持し、押圧することができる。圧接部18は、シリコンゴムなどの弾性体により形成されている。
【0024】
ヒータ4は、基台部11の上面に形成されたシール支持体15上に設けられており、ヒータ4の上方が樹脂シート16により覆われている。被シール物は、樹脂シート16上に載置され、ヒータ4からの熱が樹脂シート16を介して被シール物に伝導されるようになっている。ヒータ4は、線状ヒータからなり、図1における左右方向に細長い形状を有している。樹脂シート16は、ヒータ4に対応して図1における左右方向に細長い形状を有しており、フッ素樹脂を用いて形成されることにより、熱溶着後に被シール物が樹脂シート16から剥離しやすくなっている。ヒータ4の長手方向の両端部は、ねじ17などの固定具により基台部11に固定されている。
【0025】
基台部11の内部には、タイマー機構13及びトランス(変圧器)14が備えられている。圧接レバー12が樹脂シート16に対してほぼ平行に対向する位置まで回動されると、スイッチ(図示せず)がオンすることにより、トランス14から供給される駆動電圧によってヒータ4が自動的に駆動され、所定時間経過後にタイマー機構13からの出力信号に基づいてヒータ4の駆動が停止されるようになっている。すなわち、上記スイッチ、タイマー機構13及びトランス14は、圧接時における所定時間のみヒータ4を駆動させ、それ以外はヒータ4の駆動を停止させることにより、ヒータ4を断続的に駆動させるヒータ駆動手段を構成している。
【0026】
したがって、このヒートシーラーを用いて被シール物を熱溶着させる際には、被シール物を樹脂シート16上に載置した状態で、圧接レバー12を回動させて加熱部10と圧接部18との間に被シール物を挟持することにより、被シール物の挟持されている部分がヒータ4からの熱で自動的に加熱される。そして、タイマー機構13からの出力信号に基づいて、所定時間経過後にヒータ4の駆動が自動的に停止されることにより、被シール物の熱溶着が完了する。このように、ヒータ4を断続的に駆動させることにより、必要な時間だけヒータ4を駆動させて加熱することができるので、電力の使用量を低減することができるとともに、被シール物が必要以上に加熱されて切れてしまうといった問題を防止できる。
【0027】
図2は、樹脂シート16の一例を示した図であり、(a)は樹脂シート16の平面図、(b)はシート構造体1を切断して(a)の樹脂シート16を形成する際の態様をそれぞれ示している。また、図3は、図2の樹脂シート16の一部拡大平面図である。
【0028】
この樹脂シート16は、互いに編み込まれた複数本のガラス繊維21,22からなる繊維構造体20に、フッ素樹脂23を含浸させることにより形成された長方形状のフッ素樹脂含浸ガラスクロスである。ヒートシーラーに適用される樹脂シート16の長辺は、短いもので20cm程度、長いもので3m〜4m程度である。一方、ヒートシーラーに適用される樹脂シート16の短辺は、2mm〜10mm程度である。すなわち、ヒートシーラーに適用される樹脂シート16は、その長辺が短辺に比べて非常に長く、短辺に対して長辺が20倍以上の長さとなっている。
【0029】
上記複数本のガラス繊維21,22は、互いに直交方向に延びる複数本の第1繊維21及び第2繊維22からなり、各第1繊維21が一定間隔を隔てて平行に延びるとともに、各第2繊維22が一定間隔を隔てて互いに平行に延びるように、格子状に編み込まれている。各第1繊維21の間隔と各第2繊維22の間隔は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。このようにして編み込まれた繊維構造体20にフッ素樹脂23を含浸させることにより、繊維構造体20全体がフッ素樹脂23により被覆され、耐熱性及び剥離性の高い樹脂シート16が形成される。なお、図2及び図3では、説明を分かりやすくするために、樹脂シート16の短辺に対する長辺の長さを実際よりも短く表すとともに、各ガラス繊維21,22間の距離を実際よりも長く表している。
【0030】
この樹脂シート16は、複数本のガラス繊維21,22が編み込まれてフッ素樹脂23が含浸されることにより形成されたシート構造体1を適宜に切断することにより製造される。より具体的には、図2(b)に示すように、第1繊維21が延びる方向A1(第1方向)及び第2繊維22が延びる方向B1(第2方向)の双方に交差する方向に沿って、図2(b)に破線で示したようにシート構造体1が切断されることにより、図2(a)に示すような樹脂シート16が製造される。
【0031】
このようにして製造される樹脂シート16においては、図3に示すように、各第1繊維21が延びる方向A1は、樹脂シート16の長手方向Lに対して角度θA1で交差し、各第2繊維22が延びる方向B1は、樹脂シート16の長手方向Lに対して角度θB1で交差している。この例では、上記角度θA1及びθB1は、いずれも45°で同一の角度となっている。したがって、それぞれ樹脂シート16の一方の長辺から他方の長辺まで延びる複数本の第1繊維21及び複数本の第2繊維22が、互いに同一の長さとなっている。
【0032】
本実施形態では、各第1繊維21が延びる方向A1及び各第2繊維22が延びる方向B1の双方に交差する方向Lへ長辺が延びる長方形状のインパルス式ヒートシーラー用樹脂シート16を提供することができる。これにより、第1繊維及び第2繊維の一方が樹脂シートの長手方向に沿って延びるような従来の構成と比較して、第1繊維21及び第2繊維22の長さをより近似させることができる。
【0033】
したがって、第1繊維21と第2繊維22とで弛みやすさにばらつきが生じるのを抑制することができるので、一部の繊維のみが弛むことに起因して、被シール物に外観上好ましくない模様が転写されるのを効果的に防止できるとともに、耐久性をより向上させることができる。
【0034】
特に、本実施形態では、各第1繊維21が延びる方向A1及び各第2繊維22が延びる方向B1が、それぞれ樹脂シート16の長手方向Lに対して45°の角度で交差し、複数本の第1繊維21及び複数本の第2繊維22が互いに同一の長さとなっている。これにより、第1繊維21と第2繊維22とで弛みやすさにばらつきが生じるのを効果的に抑制することができ、一部の繊維のみが弛むことに起因して、被シール物に外観上好ましくない模様が転写されるのをより効果的に防止できるとともに、耐久性をさらに向上させることができる。
【0035】
<第2実施形態>
第1実施形態では、各第1繊維21が延びる方向A1及び各第2繊維22が延びる方向B1が、それぞれ樹脂シート16の長手方向Lに対して45°の角度で交差しているような構成について説明した。これに対して、第2実施形態では、各第1繊維21が延びる方向A2及び各第2繊維22が延びる方向B2が、それぞれ樹脂シート16の長手方向Lに対して45°以外の角度で交差している点が異なっている。
【0036】
図4は、本発明の第2実施形態に係るヒートシーラーにおける樹脂シート16の一部拡大平面図である。この樹脂シート16は、各第1繊維21が延びる方向A2及び各第2繊維22が延びる方向B2が異なる点以外は、第1実施形態の樹脂シート16と同様の構成を有しているため、同様の構成については、図に同一符号を付してその説明を省略することとする。
【0037】
本実施形態では、各第1繊維21が延びる方向A2は、樹脂シート16の長手方向Lに対して角度θA2で交差し、各第2繊維22が延びる方向B2は、樹脂シート16の長手方向Lに対して角度θB2で交差している。この例では、上記角度θA2及びθB2は、いずれも45°よりも大きく90°よりも小さい同一の角度となっているが、このような構成に限らず、いずれも45°未満の同一の角度となっていてもよいし、角度θA2及び角度θB2がそれぞれ異なる角度となっていてもよい。
【0038】
本実施形態のように、各第1繊維21が延びる方向A2及び各第2繊維22が延びる方向B2が、それぞれ樹脂シート16の長手方向Lに対して45°以外の角度で交差しているような場合であっても、各第1繊維21が延びる方向A2及び各第2繊維22が延びる方向B2の双方に交差する方向Lへ樹脂シート16の長辺が延びるような構成であれば、第1繊維21及び第2繊維22の長さをより近似させることができる。これにより、第1繊維21と第2繊維22とで弛みやすさにばらつきが生じるのを抑制することができるので、一部の繊維のみが弛むことに起因して、被シール物に外観上好ましくない模様が転写されるのを効果的に防止できるとともに、耐久性をより向上させることができる。
【0039】
特に、本実施形態では、それぞれ樹脂シート16の一方の長辺から他方の長辺まで延びる複数本の第1繊維21及び複数本の第2繊維22が互いに同一の長さであるため、第1繊維21と第2繊維22とで弛みやすさにばらつきが生じるのを効果的に抑制することができ、一部の繊維のみが弛むことに起因して、被シール物に外観上好ましくない模様が転写されるのをより効果的に防止できるとともに、耐久性をさらに向上させることができる。
【0040】
以上の実施形態では、ヒータ4が装着された基台部11と、この基台部11に対して回動可能に取り付けられた圧接レバー12とを備えたヒートシーラーを例にとって説明したが、本発明に係る樹脂シート16は、ヒータを断続的に駆動させて被シール物を熱溶着させるインパルス式ヒートシーラーであれば、上記のような構成を有するヒートシーラーに限らず、各種ヒートシーラーに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1実施形態に係るヒートシーラーの構成例を示した断面図である。
【図2】樹脂シートの一例を示した図であり、(a)は樹脂シートの平面図、(b)はシート構造体を切断して(a)の樹脂シートを形成する際の態様をそれぞれ示している。
【図3】図2の樹脂シートの一部拡大平面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るヒートシーラーにおける樹脂シートの一部拡大平面図である。
【図5】従来のインパルス式ヒートシーラーに用いられている樹脂シートの一例を示した図であり、(a)は樹脂シートの平面図、(b)はシート構造体を切断して(a)の樹脂シートを形成する際の態様をそれぞれ示している。
【図6】図5の樹脂シートの一部拡大平面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 シート構造体
4 ヒータ
10 加熱部
13 タイマー機構
14 トランス
16 樹脂シート
20 繊維構造体
21 第1繊維
22 第2繊維
23 フッ素樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被シール物に当接し、断続的に駆動されるヒータからの熱を上記被シール物に伝導して熱溶着させるためのインパルス式ヒートシーラー用樹脂シートであって、
それぞれ第1方向へ互いに平行に延びる複数本の第1繊維と、それぞれ上記第1方向に対して交差する第2方向へ互いに平行に延びる複数本の第2繊維とが編み込まれることにより形成された繊維構造体に対して、フッ素樹脂を含浸させることにより形成されるとともに、上記第1方向及び上記第2方向の双方に交差する方向へ長辺が延びる長方形状に形成されていることを特徴とするインパルス式ヒートシーラー用樹脂シート。
【請求項2】
上記複数本の第1及び第2繊維が、互いに直交しており、
上記長辺が、上記第1方向に対して45°の角度で交差し、かつ、上記第2方向に対して45°の角度で交差する方向へ延びていることを特徴とする請求項1に記載のインパルス式ヒートシーラー用樹脂シート。
【請求項3】
上記複数本の第1及び第2繊維が、互いに同一の長さに形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインパルス式ヒートシーラー用樹脂シート。
【請求項4】
被シール物を加熱するためのヒータと、
被シール物に当接し、上記ヒータからの熱を上記被シール物に伝導して熱溶着させるための樹脂シートと、
上記ヒータを断続的に駆動させるヒータ駆動手段とを備え、
上記樹脂シートが、それぞれ第1方向へ互いに平行に延びる複数本の第1繊維と、それぞれ上記第1方向に対して交差する第2方向へ互いに平行に延びる複数本の第2繊維とが編み込まれることにより形成された繊維構造体に対して、フッ素樹脂を含浸させることにより形成されるとともに、上記第1方向及び上記第2方向の双方に交差する方向へ長辺が延びる長方形状に形成されていることを特徴とするインパルス式ヒートシーラー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−46603(P2009−46603A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−214720(P2007−214720)
【出願日】平成19年8月21日(2007.8.21)
【出願人】(000236964)富士インパルス株式会社 (35)
【Fターム(参考)】