説明

エアバッグ装置

【課題】インフレータの作動時に、インフレータのガスシール機能を速やかに発揮させること。
【解決手段】エアバッグ装置24のインフレータ27は、固定部材26から離間して揺動可能に支持された状態で、エアバッグ25及び固定部材26によって囲まれた収容空間内に配設されている。そして、インフレータ27の外殻部43のうち前端壁部47及び後端壁部48は、インフレータ27の作動を契機として、外殻部43内のガス圧を受けて変形して固定部材26に当接するように構成されている。そして、インフレータ27の作動時に、前端壁部47及び後端壁部48は変形して、インフレータ27によりエアバッグ25内部と開口部42とを非連通状態にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリングホイールに装着されるエアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、多くのステアリングホイールにはエアバッグ装置が装着されており、そのエアバッグ装置は、エアバッグと、エアバッグにガスを供給するインフレータとを備えるとともに、車両衝突時にガスの供給によりエアバッグを膨張展開させることで乗員を保護するものである。そして、ステアリングホイール内にはエアバッグ装置とは別にステアリングホイールの振動を減衰させる所謂ダイナミック・ダンパが内装されていた。ところが、近年、エアバッグ装置を配設するための空間をステアリングホイール内に極力広く確保したいという要求に応えるため、インフレータをダイナミック・ダンパとして利用するエアバッグ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に記載のエアバッグ装置は、バックプレートやリテーナ等からなる固定部材によってステアリングホイールに固定されるとともに、インフレータがリテーナとバックプレートとによって囲まれた空間内に収容されている。そして、インフレータは、エアバッグが非膨張展開の状態ではバックプレートの開口部から離間する位置で弾性部材により揺動可能に支持されている。そのため、ステアリングホイールが振動した場合、インフレータがその弾性部材を介して揺動されることにより、ダイナミック・ダンパとしての機能を発揮する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−96127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載のエアバッグ装置は、バックプレートの略中央であってインフレータと対向する部位に、インフレータにハーネスを接続するための開口部が設けられている。そして、このエアバッグ装置では、インフレータが作動してエアバッグが膨張展開する場合には、インフレータからガスが供給されることにより、リテーナとバックプレートとによって囲まれた空間内の圧力が上昇する。そして、リテーナとバックプレートとによって囲まれた空間の圧力が上昇することで、弾性部材が押し潰されるように弾性変形し、インフレータは開口部側へ移動し開口部を閉塞するようになっている。ところが、このエアバッグ装置では、リテーナとバックプレートとによって囲まれた空間が所定圧にまで達しなければ、インフレータは開口部を閉塞する位置にまで移動できず、その間、インフレータから発生したガスは開口部から流出してしまう。すなわち、特許文献1に記載のエアバッグ装置においては、インフレータが作動してから開口部を閉塞するまでに遅れがあり、この点について改善することが求められていた。
【0006】
本発明は、前記問題に鑑みてなされてものであり、その目的は、インフレータの作動時に、インフレータのガスシール機能を速やかに発揮させることができるエアバッグ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、エアバッグと、前記エアバッグをステアリングホイールに固定するための固定部材と、揺動可能に支持された状態で前記エアバッグ及び前記固定部材によって囲まれた収容空間内に配設されるとともに前記エアバッグの内部にガスを供給するインフレータと、前記固定部材に設けられるとともに前記収容空間を外部に連通させる開口部と、を備えたエアバッグ装置であって、前記インフレータの外殻部の一部は、前記インフレータの作動を契機として生じる前記外殻部内のガス圧を受けて変位して前記固定部材に当接する変位部として構成され、前記変位部が変位したうえで前記インフレータにより前記エアバッグ内部と前記開口部とを非連通状態にすることを要旨とする。
【0008】
この発明では、インフレータの作動を契機として、変位部は外殻部内のガス圧を受けて変位する。そして、収容空間内の圧力が所定圧に達する前に変位部は固定部材に当接する位置にまで変位するため、インフレータは、エアバッグ内部と開口部とを非連通にして、エアバッグの展開膨張時に開口部からガスが流出することを抑制できる。すなわち、エアバッグ装置は、外殻部内のガス圧を受けて変位部が変位したうえで、インフレータによりエアバッグ内部と開口部とを非連通にする構成であり、インフレータの作動時に、インフレータのガスシール機能を速やかに発揮させることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記変位部は、前記外殻部内のガス圧を受けて変形することを要旨とする。
この発明では、外殻部の一部を他の部分に対して相対移動可能な別部材とすることで変位部を構成する場合に比べて、外殻部の構成を簡単にすることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記変位部は、前記外殻部内のガス圧を受けて塑性変形することを要旨とする。
この発明では、変位部は外殻部内のガス圧を受けて塑性変形するため、その後に、外殻部内のガス圧や収容空間内の圧力が低下しても、変位部の変形状態が元に戻ることはなく、エアバッグ内部と開口部とを非連通にした状態を保持できる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記外殻部には、前記変位部の変形を容易にする変形促進部が形成されていることを要旨とする。
この発明では、変位部はガス圧を受けると容易に変位できるようになるため、インフレータ作動時において、より早くインフレータにガスシール機能を発揮させることができる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記外殻部は、外殻部本体と、前記外殻部本体とは別体であって、前記外殻部内のガス圧を受けると前記外殻部本体に対して相対移動する前記変位部とから構成されていることを要旨とする。
【0013】
この発明では、外殻部全体の強度を高くしても、インフレータの作動時には変位部が移動することで、エアバッグ内部と開口部とを非連通状態にすることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記外殻部は、対向配置された一対の平坦な壁部を有し、前記変位部は、前記一対の壁部のうち少なくともいずれか一方によって構成され、前記外殻部には、前記一対の壁部を接続する筒状の壁部にガス噴出孔が形成されていることを要旨とする。
【0014】
この発明では、変位部として構成される壁部とは別の壁部にガス噴出孔が形成されるため、外殻部の一部を変位部として構成しても、インフレータのガス供給機能に及ぶ影響は小さい。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の発明において、前記固定部材は、前記開口部が形成された構成部材を備え、前記外殻部のうち前記開口部と対向する部分は、前記外殻部内のガス圧を受けると前記開口部側に変位して前記構成部材に当接する第1の変位部として構成されていることを要旨とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の発明において、前記固定部材は、前記開口部が形成された構成部材と、前記インフレータを間に挟んで前記構成部材とは反対側に設けられた規制部材とを備え、前記外殻部のうち前記規制部材と対向する部分は、前記外殻部内のガス圧を受けると前記規制部材側に変位して前記規制部材に当接し、前記インフレータを前記開口部側に移動させる第2の変位部として構成されていることを要旨とする。
【0017】
この発明では、インフレータが作動すると、第2の変位部は規制部材側へ変位して規制部材に当接し、その後、その変位が規制される。そして、第2の変位部の変位が規制された分、インフレータは構成部材の開口部側に移動して、開口部を閉塞するようになり、インフレータによるガスシール機能がより高まる。
【0018】
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記構成部材は、前記第1の変位部が当接されることにより変形可能に構成されていることを要旨とする。
この発明では、構成部材は第1の変位部が当接された場合に変形可能であるため、第1の変位部の変位量がインフレータの周囲温度の影響でばらついても、構成部材は変形することでそのばらつきを吸収できる。したがって、第1の変位部の変位量がばらついても、第1の変位部は適切な状態で構成部材に当接することができる。
【0019】
請求項10に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記規制部材は、前記第2の変位部が当接されることにより変形可能に構成されていることを要旨とする。
この発明では、規制部材は第2の変位部に当接された場合に変形可能であるため、第2の変位部の変位量がインフレータの周囲温度の影響でばらついても、規制部材は変形することでそのばらつきを吸収できる。したがって、第2の変位部の変位量がばらついても、第2の変位部は適切な状態で規制部材に当接することができる。
【0020】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の発明において、前記インフレータ全体が移動する前に前記変位部が変位して、前記インフレータは前記エアバッグ内部と前記開口部とを非連通状態にすることを要旨とする。
【0021】
この発明では、変位部はインフレータ全体が移動する前に変位するため、インフレータのガスシール機能を確実に発揮させることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、インフレータの作動時に、インフレータのガスシール機能を速やかに発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】(a)は本実施形態におけるステアリングホイールを示す概略正面図、(b)はエアバッグが非膨張展開状態であるときのステアリングホイールを示す概略断面図。
【図2】リテーナの概略部分斜視図。
【図3】エアバッグ装置の概略部分断面図。
【図4】エアバッグが膨張展開状態であるときのステアリングホイールを示す概略部分断面図。
【図5】(a)は別の実施形態におけるステアリングホイールの概略部分断面図、(b)は図5(a)で示すA矢視図。
【図6】(a),(b)は別の実施形態であって、(a)は非膨張展開状態であるエアバッグ装置の概略部分断面図、(b)は膨張展開状態であるエアバッグ装置の概略部分断面図。
【図7】(a),(b)は別の実施形態であって、(a)は非膨張展開状態であるエアバッグ装置の概略部分断面図、(b)は膨張展開状態であるエアバッグ装置の概略部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。なお、以下のステアリングホイールに係る記載において、ステアリングホイールは車室内で乗員側となる方向を前方、操作軸側となる方向を後方として前後方向を説明し、回転操作されていない中立状態を基準に上下方向を規定する。
【0025】
図1(a)に示すように、車両の運転席に装備されるステアリングホイール11は正面視円形状に形成されるとともに、車室内で操舵軸(ステアリングシャフト)12に固定された状態においてその前面が斜め上方へ向くように配設されている。ステアリングホイール11の回転操作は操舵軸12に伝達されるように構成されるとともに、操舵軸12は図示しない操舵輪に連結されている。そして、ステアリングホイール11の中心部には、操舵軸12が連結されるボス部13が設けられている。
【0026】
ボス部13は、円環状のリム部(ハンドル部)14によって囲まれている。リム部14は、通常、運転者がステアリングホイール11を操作するときに把持する部分として構成されている。また、リム部14の内周面は、複数(本実施形態では、4本)のスポーク部15を介してボス部13と連結されている。リム部14、スポーク部15、及びボス部13には、その内部に、ステアリングホイール11全体の骨格部分をなす芯材16が設けられている。そして、芯材16のうち、リム部14と対応する部分はリム部芯材17、スポーク部15と対応する部分はスポーク部芯材18、ボス部13と対応する部分はボス部芯材19として構成されている。なお、ボス部芯材19には、操舵軸12が挿通されるボス孔20が設けられている。そして、ボス孔20に操舵軸12が挿通された状態で、操舵軸12はボス部芯材19に固定されている。
【0027】
リム部14は、リム部芯材17が合成樹脂製の被覆材21で被覆されることにより構成されている。スポーク部15はそのスポーク部芯材18の一部が被覆材21で被覆されることにより構成されるとともに、合成樹脂製のカバー22(図1(b)参照)で後方から覆われている。また、図1(b)に示すように、ボス部13は、ボス部芯材19がカバー22で後方から覆われることにより形成されている。そして、ボス部13の前方にはステアリングパッド23が装着されている。ステアリングパッド23の内側には、エアバッグ装置24が配設されている。
【0028】
エアバッグ装置24は、袋状をなすエアバッグ25と、このエアバッグ25が固定される固定部材26と、エアバッグ25の内部にガスを供給するインフレータ27とを備えている。そして、エアバッグ装置24の前面は合成樹脂製のパッドカバー28で覆われている。なお、パッドカバー28は、固定部材26を構成するバックホルダ29に対し、リベット、ねじ等の締結部材(図示しない)を用いることにより固定されている。また、エアバッグ25は、折り畳まれた状態で固定部材26とパッドカバー28との間に収容されている。
【0029】
固定部材26は、前方に開口する略有底箱状のバックホルダ29と、バックホルダ29の両側部から延設されたホーンプレート31と、バックホルダ29の底壁29aに対し前面に配設されたリテーナ32と、底壁29aに対し後面に配設された矩形板状のバックプレート33とを備えている。バックホルダ29にはその底壁29aに孔29bが設けられている。構成部材としてのバックプレート33は、バックホルダ29の孔29bを後方から覆うように配設されている。
【0030】
ホーンプレート31は延設方向に沿った断面視においてクランク状をなすように形成されるとともに、その先端の後面にはホーンスイッチ34の一端部(前端部)が固定されている。また、ホーンスイッチ34の他端部(後端部)には固定ブラケット35が取り付けられている。固定部材26は、この固定ブラケット35を介して芯材16(本実施形態ではスポーク部芯材18)にボルト35aを用いて固定されている。即ち、本実施形態のステアリングホイール11において、ステアリングパッド23は、芯材16に対しホーンスイッチ34を介して揺動可能に取り付けられた、所謂フローティングタイプのものとされている。
【0031】
また、規制部材としてのリテーナ32は後方に開口する略箱状に形成されるとともに、その後面の側縁付近には複数の雄ねじ32aが突設されている。また、リテーナ32はエアバッグ25の内側に配置されるとともに、その中央部前方には、カップ状に膨出するとともにインフレータ27の一部を覆うカバー部36が形成されている。
【0032】
図2に示すように、カバー部36は、インフレータ27(図1(b)参照)の外周を取り囲む円筒部37と、円筒部37よりも前方においてカバー部36の中央に設けられた円板状の対向部38と、湾曲しつつ延びて円筒部37と対向部38とを連結する連結部39とから構成されている。そして、対向部38にはその中央部にインフレータ27から供給されるガスをエアバッグ25の内部へ送り込むための供給孔38aが形成されている。連結部39には、肉抜き加工が施されることによって放射状に複数のスリットFが形成されている。そのため、連結部39は、円筒部37及び対向部38に比べて前後方向に変形し易くなっている。
【0033】
図1(b)に示すように、バックプレート33は、その各隅角部に、リテーナ32の雄ねじ32aを挿通するための固定孔(図示略)が透設されている。なお、バックホルダ29の後壁には、これら固定孔と対応する(一致する)位置にリテーナ32の雄ねじ32aを挿通するための挿通孔(図示略)が設けられている。ガス噴出孔44aは、例えばその径が、2mmに設定されている。また、バックプレート33の中央部には、筒部40がエアバッグ25から離間する方向(後方)に突設されている。筒部40は、エアバッグ25から離間するにつれて縮径するテーパ状をなしている。そして、筒部40の内面には、合成ゴム、エアラストマー等の弾性材料からなるシール部材41が貼着されている。
【0034】
バックプレート33はリテーナ32との間にエアバッグ25におけるインフレータ27の挿入用開口周辺の取り付け部及びバックホルダ29の底壁29aにおける孔29bの周辺を挟み込み、その状態で雄ねじ32aにナット32bが螺合されることによりバックホルダ29に螺着されている。そして、図3に示すように、インフレータ27はその上方がリテーナ32によって囲まれている。また、インフレータ27は、リテーナ32及びバックプレート33によって囲まれた内側の収容空間Sに配設されるとともに、エアバッグ25及び固定部材26によって囲まれている。ここで、筒部40の後方の開口部42は、収容空間Sに配設されたインフレータ27へのアクセスを可能とするものである。インフレータ27には、開口部42を介して図示しないセンサや制御装置等から延びるハーネス等が接続されている。
【0035】
インフレータ27はその外殻部43が略円柱状で、かつ中空状に形成されている。外殻部43は、前方に開口する有底筒状の部材と後方に開口する有底筒状の部材とが互いに接合されることで構成されている。そのため、外殻部43はその全体が一体に形成されている。外殻部43には、その周壁部44の前側寄りに、複数のガス噴出孔44aが放射状に所定の間隔で形成されている。また、周壁部44の外面には支持部としての環状のフランジ部45が設けられている。フランジ部45は、所定の厚みを有している。このフランジ部45とバックプレート33との間には、4つ(図中には2つのみ示す)の弾性部材46が介装されている。弾性部材46は、合成ゴム、エラストマー等の弾性材料を用いて円筒状に形成されている。弾性部材46は、その両端部がそれぞれフランジ部45及びバックプレート33に加硫接着されている。
【0036】
また、外殻部43の前端壁部47及び後端壁部48は平坦に形成されるとともに、対向配置されている。前端壁部47及び後端壁部48はそれぞれガス圧を受けて変形する第2の変位部及び第1の変位部として構成されている。なお、ここで述べる変位とは、外殻部43内のガス圧を受けて外殻部43の一部が変位することを意味し、外殻部43全体が移動することによる変位を意味するものではない。後端壁部48はその一部が開口部42と対向するとともに、前端壁部47は対向部38と対向している。なお、連結部39は前端壁部47が変形して当接されると変形可能な強度に設定されている。インフレータ27の外殻部43内には、図示しないガス発生剤が収容されている。なお、外殻部43内には、ガス発生剤以外にも、フィルタ等種々の部材が配設されているが、図3ではこれらを図示していない。そして、インフレータ27には図示しない制御部から作動信号が入力されるように構成されている。外殻部43内のガス発生剤は、作動信号に基づく加熱により着火されて、高温高圧のガスを発生するようになっている。
【0037】
ここで、外殻部43全体は、インフレータ27の作動時に外殻部43で発生するガス圧を受けても破損しない強度、若しくはわずかな変形にとどまる強度に設定されている。さらに、外殻部43の前端壁部47及び後端壁部48はインフレータ27作動時に発生する外殻部43内の一時的なガス圧の上昇に伴って、塑性変形可能な強度に設定されている。外殻部43の周壁部44はインフレータ27作動時に発生する外殻部43内のガス圧が一時的に上昇しても塑性変形しない強度に設定されている。すなわち、前端壁部47及び後端壁部48は、例えば、周壁部44の厚みよりも薄く形成されることで、周壁部44よりも強度が小さく設定されている。前端壁部47及び後端壁部48は周壁部44に接続されている。また、前端壁部47は、外殻部43内のガス圧を受けて前端壁部47と対向部38との間の距離T1よりも大きく変位可能に構成されている。後端壁部48は、外殻部43内のガス圧を受けた場合に、シール部材41と密着できる程度に変形可能になっている。
【0038】
エアバッグ25が非膨張展開の状態では、インフレータ27は、フランジ部45とバックプレート33との間に弾性部材46が介装されていることから、開口部42から離間してバックプレート33の前方に支持されている。インフレータ27は、弾性部材46により前後方向だけでなく左右方向(インフレータ27のフランジ部45の前後方向及び左右方向)にも揺動可能に支持されている。なお、インフレータ27が揺動した場合における弾性部材46の最大弾性変形量は、インフレータ27の前端壁部47及び後端壁部48の変形量よりも小さく設定されている。具体的には、インフレータ27がダンパーとして機能する場合に、インフレータ27は左右方向及び前後方向にそれぞれ最大0.5mm移動するとともに、上下方向にほとんど動かないように構成されている。
【0039】
エアバッグ25の膨張展開開始からエアバッグ25の膨張展開完了までであって、インフレータ27がガスを発生している間の状態では、インフレータ27の外殻部43のうち、前端壁部47は外殻部43内のガス圧を受けて前方に盛り上がるように塑性変形する。また、インフレータ27の外殻部43のうち、後端壁部48は外殻部43内のガス圧を受けて後方に盛り上がるように塑性変形するように構成されている(図4参照)。そして、後端壁部48の一部がシール部材41に当接して密着することにより、インフレータ27はエアバッグ25の内部(収容空間S)と開口部42とを非連通状態にする。インフレータ27の前端壁部47及び後端壁部48は、インフレータ27が揺動した場合の弾性部材46の最大弾性変形量よりも大きく変形可能になっている。なお、例えば、インフレータ27の直径が70〜60mmであれば、インフレータ27の前端壁部47及び後端壁部48は、ガス圧を受けたとき、それぞれ最大5〜6mm変形するように構成されている。
【0040】
次に、ステアリングホイール11に装着されたエアバッグ装置24の一動作例について以下に記載する。
エアバッグ25の非膨張展開状態において、操舵軸12からの共振により、ステアリングホイール11が振動することがある。この場合、インフレータ27は、弾性部材46を微小に弾性変形させながら固有振動(揺動)するため、ステアリングホイール11の振動が減衰する。したがって、乗員がステアリングホイール11を操作しているときに、ステアリングホイール11から乗員に伝達される振動は低減される。なお、インフレータ27とリテーナ32及びバックプレート33との間には、インフレータ27揺動時の弾性部材46の最大弾性変形量よりも大きいクリアランスが確保されているため、インフレータ27が揺動してもリテーナ32及びバックプレート33には干渉しない。
【0041】
また、このエアバッグ装置24では、車両のボディ部に所定値以上の衝撃が加わり、そのことが図示しない衝撃センサによって検出されると、図示しない制御装置から作動信号がインフレータ27に入力される。この作動信号に基づく加熱により、外殻部43内のガス発生剤が着火されて高温高圧のガスを発生する。すると、インフレータ27のガス噴出孔44aからガスを噴出する前に、外殻部43内のガス圧が上昇して、前端壁部47及び後端壁部48が変形を開始する。そして、図4に示すように、外殻部43内のガス圧を受けて外殻部43の前端壁部47は、図4の2点鎖線で示す状態から前方に盛り上がるように塑性変形し、カバー部36に当接する。前端壁部47はカバー部36に当接した後、前端壁部47の前方への変形による変位がカバー部36によって規制され、更に前端壁部47の変形が続くと、インフレータ27は後方へ移動する。一方、外殻部43の後端壁部48は図4の2点鎖線で示す状態から後方へ盛り上がるように塑性変形し、シール部材41に当接する。そして、後端壁部48がシール部材41に密着することで、開口部42と収容空間S(エアバッグ25内部)とは非連通状態となる。すなわち、開口部42が後端壁部48によって閉塞される。ここで、インフレータ27に作動信号が入力された時点を0として、前端壁部47及び後端壁部48が変形する時間帯は、計測例では0.数msから3ms未満である一方、収容空間S内の圧力が上昇してインフレータ27全体が移動する時間帯は計測例では3ms以降である。したがって、インフレータ27に対して作動信号が入力されると、インフレータ27全体が移動する前に前端壁部47及び後端壁部48が変形して、インフレータ27は速やかにガスシール機能を発揮することができるようになる。
【0042】
さらに、複数のガス噴出孔44aからガスが噴出され、そのガスが供給孔38a及びスリットFを通ってエアバッグ25内部に供給されると、エアバッグ25は好適に膨張展開する。また、前端壁部47及び後端壁部48は、塑性変形すると、その変形状態が元に戻ることはない。したがって、インフレータ27のガス発生開始から所定時間経過し、外殻部43内の圧力が低下した場合であっても、インフレータ27はガスシール機能を発揮して、開口部42と収容空間Sとの間を非連通状態に保持できる。
【0043】
また、本実施形態のインフレータ27の外殻部43においては、インフレータ27の作動時に破損しない程度であって、インフレータ27の作動時にガス圧を受けて変形することを許容する強度に設計されている。そのため、インフレータ27は支障なく作動できる性能を保つことができ、なおかつ、ほとんど変形しない強度に設定されている場合に比べてエアバッグ装置24のコストダウンを図ることができる。
【0044】
この実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)エアバッグ装置24は、エアバッグ25と、開口部42から離間した状態で収容空間Sに収容されたインフレータ27と、を備えている。インフレータ27の外殻部43のうち、前端壁部47及び後端壁部48は、インフレータ27の作動時にインフレータ27自体が移動する前に外殻部43内のガス圧を受けて変形するように構成されている。そして、前端壁部47及び後端壁部48が変形して固定部材26に当接すると、インフレータ27は、エアバッグ25内部と開口部42とを非連通にするガスシール機能を発揮する。したがって、収容空間S内の圧力が上昇してインフレータ27が移動する前に、前端壁部47及び後端壁部48が変形することでエアバッグ25内部と開口部42とを非連通にすることができ、インフレータ27作動時に、インフレータ27はガスシール機能を速やかに発揮することができる。
【0045】
(2)インフレータ27は、エアバッグ25の非膨張展開状態において、弾性部材46によって揺動可能に支持されている。したがって、インフレータ27はダイナミック・ダンパ機能を発揮することができる。
【0046】
(3)外殻部43の一部である前端壁部47及び後端壁部48を変位部として構成しているため、外殻部43の一部を、別体で、かつ他の部分に対して相対移動可能な部材とすることで変位部を構成する場合に比べて、外殻部43の構成を簡略化することができる。
【0047】
(4)前端壁部47及び後端壁部48は、それぞれ、インフレータ27の作動時に、外殻部43内のガス圧を受けて塑性変形するように構成されている。したがって、インフレータ27からのガスの噴出が完了して外殻部43内の圧力が低下した場合であっても、インフレータ27はガスシール機能を発揮して、開口部42と収容空間Sとの間を非連通状態に保持できる。
【0048】
(5)外殻部43は中空で、なおかつ円柱状に形成されている。外殻部43の周壁部44はほとんど変形しない部分であるとともに、変位部としての前端壁部47及び後端壁部48とは別の壁部である。そして、周壁部44にはガス噴出孔44aが形成されている。したがって、インフレータ27のガス供給機能に及ぶ影響は小さい。
【0049】
(6)固定部材26は、バックプレート33とは反対側にリテーナ32を備えている。そして、外殻部43の前端壁部47は、インフレータ27の作動を契機として、前側に変位してリテーナ32のカバー部36に当接するように構成されている。そして、前端壁部47がカバー部36に当接すると、前端壁部47の変位はリテーナ32によって規制されるようになり、前端壁部47の変位が規制された分、インフレータ27はバックプレート33側に移動して、後端壁部48はシール部材41に押し付けられる。したがって、インフレータ27によるガスシール機能が高まる。
【0050】
(7)リテーナ32のカバー部36は、円筒部37と、対向部38と、連結部39とから構成されている。連結部39には複数のスリットFが形成されるとともに、円筒部37及び対向部38に比べて変形し易くなっている。したがって、前端壁部47の前方側への変位量がインフレータ27の周囲温度によりばらついても、連結部39が変形することでリテーナ32のカバー部36はそのばらつきを吸収できる。したがって、前端壁部47の変位量がばらついても、前端壁部47は適切な状態でリテーナ32のカバー部36に当接するようになる。
【0051】
(8)インフレータ27全体が移動する前に前端壁部47及び後端壁部48が変位することで、インフレータ27は開口部42を速やかに閉塞することができる。
(9)筒部40は、エアバッグ25から離間するにつれて縮径する形状に形成されている。したがって、後端壁部48の変位量が増大するにつれて、インフレータ27と筒部40の内面40aとの密接力を高めることができる。
【0052】
(10)筒部40の内面40aにはシール部材41が設けられ、後端壁部48はシール部材41に当接して、開口部42とエアバッグ25内部とを非連通にする。したがって、インフレータ27作動時における、ガスシール性能の向上を図ることができる。
【0053】
なお、本発明は、次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・筒部40の構成を変更してもよい。例えば、図5(a)に示すように、筒部40の内面40aに複数のスリット50を形成して、外殻部43の後端壁部48がシール部材41に当接したときに筒部40が弾性変形するように構成してもよい。なお、図5(a)では、スリット50を図示するために、シール部材41の一部を省略している。そして、この場合、図5(b)に示すように、複数のスリット50は、開口部42の周縁部位に筒部40の中心を基準として放射状に形成される。このように構成すれば、外殻部43の後端壁部48が変位してシール部材41に当接した場合には、筒部40の周壁は弾性変形し、元の形状に復帰しようとすることにより、シール部材41をインフレータ27の外面(後端壁部48)へ圧接させる。したがって、インフレータ27作動時のガスシール性能はより向上する。また、インフレータ27の作動時のインフレータ27の周囲温度に応じて、後端壁部48の後方への変形量がばらついても、筒部40が変形することで、後端壁部48は適切な状態でシール部材41に当接することができる。すなわち、後端壁部48がシール部材41に対して密着し過ぎて筒部40の過度の塑性変形を抑制しシール効果が損なわれることはない。
【0054】
・筒部40の形状を変更してもよい。図6(a)及び(b)に示すように、例えば、径が一定でなる有底の筒部40に変更してもよい。そして、底部に開口部42を形成するとともに、インフレータ27の作動時に、外殻部43の後端壁部48が開口部42周縁に接触することで、開口部42とエアバッグ25内部とが非連通状態となるように構成してもよい。
【0055】
・バックプレート33が開口部42を有する構成であるならば、筒部40を省略してもよい。この場合、開口部42の径が、インフレータ27の外径よりも小さくなるように構成した方が好ましい。
【0056】
・外殻部43のうち、前端壁部47を変位部として構成しなくともよい。例えば、前端壁部47の強度を周壁部44の強度と同程度にまで大きくしてほとんど変形しないようにして、後端壁部48だけが固定部材26と当接するまで変形するように構成してもよい。この場合であっても、外殻部43内のガス圧を受けて、後端壁部48が変位してシール部材41に当接するとともに弾性部材46が伸長するように弾性変形できるのであれば、前端壁部47がほとんど変形しないようにしてもよい。
【0057】
・外殻部43のうち、後端壁部48を変位部として構成しなくともよい。例えば、後端壁部48の強度を周壁部44の強度と同程度にまで大きくしてほとんど変形しないようにし、前端壁部47だけが固定部材26と当接するまで変形するように構成してもよい。この場合、前端壁部47の変位で後端壁部48がバックプレート33と当接し、その結果、弾性部材46が収縮するように弾性変形するとともにインフレータ27が後方へ移動して、外殻部43の後端壁部48がバックプレート33に当接するのであれば、開口部42とエアバッグ25内部とを非連通にすることができる。
【0058】
・外殻部43の構成を変更してもよい。例えば、図6(a)に示すように、後端壁部48の内面48aに変形促進部としての溝60を形成してもよい。このように構成すれば、後端壁部48は、その他の外殻部43の部分よりも変形し易くなる。さらに、この場合、溝60は開口部42の径よりも小さい円環状(無端状)に形成するとよい。そして、図6(b)に示すように、インフレータ27が作動したときには、外殻部43内のガス圧を受けて後端壁部48は速やかに後方に変形して、開口部42の周縁部と接するようになる。そして、インフレータ27は、エアバッグ25内部と開口部42とを非連通にする。
【0059】
・外殻部43の一部が変形する構成でなくともよい。すなわち、外殻部43の一部が変形する変わりに、外殻部43の一部がその他の部分に対して相対移動するように構成にしてもよい。例えば、図7(a)に示すように、外殻部本体70と、外殻部43内でのガス圧を受けて外殻部本体70に対して相対移動可能に構成された変位部としての閉塞部材71とから外殻部43を構成してもよい。外殻部本体70は、外殻部43内でのガス圧を受けてもほとんど変形しない強度に設定されている。そして、閉塞部材71はその両端部72,73が大径に形成されるとともに、両端部72,73間の中間部74が両端部72,73に比べて小径に形成されている。そして、閉塞部材71はその中間部74が外殻部本体70の孔75に挿通された状態となっている。そのうえで、前方側の端部72が前方寄りに位置している状態で、中間部74及び後方側の端部73が外殻部本体70に接着されて外殻部43内は気密状態になっている。そして、インフレータ27が作動されて外殻部43内で高温高圧のガスが発生した場合には、前方側の端部72でガス圧を受けることによって、閉塞部材71は後方へ移動する。その結果、図7(b)に示すように、後方側の端部73はバックプレート33に当接し、後方側の端部73が開口部42を覆うようになり、開口部42とエアバッグ25内部とを非連通状態にする。この場合、外殻部43を変形させる必要はないため、外殻部本体70の強度を上げて、外殻部43全体の強度を外殻部43内で生じるガス圧を受けても変形しない程度の強度に設定することができる。
【0060】
・変位部が変位するタイミングは、インフレータ27が移動を開始した後でもよい。例えば、インフレータ27のガス噴出孔44aからガスが噴出されて、収容空間Sの圧力が上昇し、その圧力によってインフレータ27が後方への移動を開始した後に、後端壁部48が変位したとしても、インフレータ27は、後端壁部48が変位した分だけ、すみやかに開口部42を閉塞する位置に達することができる。したがって、インフレータ27は速やかにガスシール機能を発揮することができる。
【0061】
・外殻部43の形状についてはとくに限定しない。外殻部43を中空の直方形状にしてもよいし、7面体以上の多面体形状にしてもよい。
・カバー部36の構成を変更してもよい。例えば、連結部39に対して肉抜き加工を施す代わりに、連結部39の厚みをその他の箇所よりも薄くしてもよい。そして、連結部39が前後方向に容易に変形するようにしてもよい。このように構成すれば、前端壁部47の前方への変形量が、インフレータ27の周囲温度に応じてばらついても、その分を連結部39が変形することで吸収することができる。
【0062】
・外殻部43の後端壁部48の外面であって、筒部40の内面に設けられたシール部材41と対向する箇所にシール部材を設けてもよい。このように構成すれば、インフレータ27の作動時に、シール部材同士が接するようになるため、よりガスシール機能を向上させることができる。
【0063】
・外殻部43の後端壁部48が筒部40の内面に直接当接することでシールできるのであるならば、シール部材41を省略してもよい。
・固定部材26はバックホルダ29と、ホーンプレート31と、リテーナ32と、バックプレート33とから構成されるものに限らない。収容空間Sを区画する部材であれば、その他の部材も含めて固定部材26としてもよいし、バックホルダ29、ホーンプレート31、リテーナ32、バックプレート33のいずれかを省略して、固定部材26として構成してもよい。
【符号の説明】
【0064】
11…ステアリングホイール、24…エアバッグ装置、25…エアバッグ、26…固定部材、27…インフレータ、32…規制部材としてのリテーナ、33…構成部材としてのバックプレート、42…開口部、43…外殻部、44a…ガス噴出孔、47…第2の変位部としての後端壁部、48…第1の変位部としての前端壁部、60…変形促進部としての溝、70…外殻部本体、71…変位部としての閉塞部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアバッグと、前記エアバッグをステアリングホイールに固定するための固定部材と、揺動可能に支持された状態で前記エアバッグ及び前記固定部材によって囲まれた収容空間内に配設されるとともに前記エアバッグの内部にガスを供給するインフレータと、前記固定部材に設けられるとともに前記収容空間を外部に連通させる開口部と、を備えたエアバッグ装置であって、
前記インフレータの外殻部の一部は、前記インフレータの作動を契機として生じる前記外殻部内のガス圧を受けて変位して前記固定部材に当接する変位部として構成され、
前記変位部が変位したうえで前記インフレータにより前記エアバッグ内部と前記開口部とを非連通状態にすることを特徴とするエアバッグ装置。
【請求項2】
前記変位部は、前記外殻部内のガス圧を受けて変形する請求項1に記載のエアバッグ装置。
【請求項3】
前記変位部は、前記外殻部内のガス圧を受けて塑性変形する請求項2に記載のエアバッグ装置。
【請求項4】
前記外殻部には、前記変位部の変形を容易にする変形促進部が形成されている請求項2又は請求項3に記載のエアバッグ装置。
【請求項5】
前記外殻部は、外殻部本体と、前記外殻部内のガス圧を受けると前記外殻部本体に対して相対移動する前記変位部とから構成されている請求項1に記載のエアバッグ装置。
【請求項6】
前記外殻部は、対向配置された一対の平坦な壁部を有し、
前記変位部は、前記一対の壁部のうち少なくともいずれか一方に形成され、
前記外殻部には、前記一対の壁部を接続する筒状の壁部にガス噴出孔が形成されている請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のエアバッグ装置。
【請求項7】
前記固定部材は、前記開口部が形成された構成部材を備え、
前記外殻部のうち前記開口部と対向する部分は、前記外殻部内のガス圧を受けると前記開口部側に変位して前記開口部を閉塞する第1の変位部として構成されている請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のエアバッグ装置。
【請求項8】
前記固定部材は、前記開口部が形成された構成部材と、前記インフレータを間に挟んで前記構成部材とは反対側に設けられた規制部材とを備え、
前記外殻部のうち前記規制部材と対向する部分は、前記外殻部内のガス圧を受けると前記規制部材側に変位して前記規制部材に当接し、前記インフレータを前記開口部側に移動させる第2の変位部として構成されている請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のエアバッグ装置。
【請求項9】
前記構成部材は、前記第1の変位部が当接されることにより変形可能に構成されている請求項7に記載のエアバッグ装置。
【請求項10】
前記規制部材は、前記第2の変位部が当接されることにより変形可能に構成されている請求項8に記載のエアバッグ装置。
【請求項11】
前記インフレータ全体が移動する前に前記変位部が変位して、前記インフレータは前記エアバッグ内部と前記開口部とを非連通状態にする請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載のエアバッグ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−228667(P2010−228667A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−80227(P2009−80227)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】