説明

エラストマー組成物に基づくヒマシ油/エポキシ化ダイズ油

必要に応じてペルオキシドイニシエーターの存在下において、ヒマシ油および/またはリシノール酸エストリドならびにエポキシ化植物油およびポリカルボン酸から形成されるポリエステルから、エラストマーが形成される。または、これは、リシノール酸もしくはヒマシ油エストリド、エポキシ基含有化合物、エポキシ硬化剤およびポリカルボン酸硬化剤、熱活性化フリーラジカルイニシエーターに由来する架橋反応生成物を含有し、ならびに必要に応じて、しかし好ましくは、充填剤を含有する。このエラストマーは、2つの工程、上昇された温度または周辺温度での無溶媒手順を用いて調製され得る。得られたエラストマーは、良好な機械強度および弾力性を示し、磨耗および加水分解に抵抗性であり、そしてシート材料へと加工され得る。これらの特性は、このエラストマーを、魅力ある床被覆成分とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エポキシ基含有物質(例えば、エポキシ化ダイズ油)をポリカルボン酸と反応させることにより形成されるポリエステルでヒマシ油および/またはリシノール酸エストリド(estolide)を架橋することによって形成されるエラストマー物質に関し、さらに詳細には、弾力性のある床材料を含む床被覆に関する。
【背景技術】
【0002】
大部分の床材料は、現在、ポリ塩化ビニル(PVC)から調製される。PVCは、通常、かなりの量のフタル酸エステル可塑剤(PVCに基づき約30重量%より大きい)を含み、床材料適用のための十分な可撓性および衝撃強度を生じる。床材料は、代表的に、熱機械的にPVC、フタル酸エステル可塑剤、充填剤様炭酸カルシウムおよび添加物を熱機械的に混合すること、次いで所望の床シートを調製するためのカレンダー掛けプロセスによって調製される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
リシノール酸および/またはヒマシ油に由来するエラストマー材料およびエラストマー材料を含む生成物が、開示される。ポリマーは、ヒマシ油/リシノール酸エストリド(中間体ポリエステル)と、エポキシ化植物油(例えば、エポキシ化ダイズ油(ESO))およびポリカルボン酸(例えば、セバシン酸)から形成されるポリエステルとを反応させることによって形成される。エラストマー材料を調製するための二工程の硬化プロセスがまた、開示される。
【0004】
ヒマシ油/リシノール酸エストリドは、リシノール酸および/またはヒマシ油のヒドロキシ酸官能性、カルボン酸官能性および/またはエステル官能性を含むエステル化反応によって形成され、必要に応じて、熱活性化フリーラジカルイニシエータ(架橋触媒)によって触媒されるフリーラジカルによる開始を介して形成されるポリマー骨格中のリシノール酸部分のオレフィン基の間の架橋を含む。
【0005】
エポキシ化植物油およびポリカルボン酸を介して形成されるポリエステルは、エステル連結を形成するためのカルボン酸基およびエポキシ基の反応、ならびにエポキシ基の切断によって形成されるヒドロキシ基のエステル連結を形成するためのカルボン酸基との反応を含む。
【0006】
ヒマシ油/リシノール酸エストリドとポリエステルとの間の架橋は、エステル連結の形成を含み、任意のさらなる架橋が、さらなるポリカルボン酸、ポリアミン化合物、ポリアクリレートまたは他の架橋剤を添加することによって形成される。このポリアミンは、カルボン酸基との反応によってアミド連結を形成し得、そしてエポキシ基との反応によってアミン連結を形成し得る。このプロセスは、浸透性ポリマーネットワーク(penetrrating polymer networking)(PPN)として本明細書中に記載されるポリマー分子構造を生じる。エラストマー材料は、天然に存在する材料に由来する大部分が生分解性の成分を使用する実施形態において、単純、効率的かつ環境にやさしいプロセスにおいて生成される。この天然に存在する材料としては、天然に存在する種油、特にヒマシ油およびその誘導体(例えば、セバシン酸)が挙げられる。ポリアクリレートは、エストリドおよび/またはポリエステルに存在する二重結合と反応して炭素−炭素単結合の形成を生じる架橋を引き起こす。
【0007】
このプロセスは、ペルオキシドアクチベーターを用いたヒマシ油および/またはリシノール酸エストリドの重合によって形成される線状ポリマーと、エポキシ化植物油(例えば、ESO)とポリカルボン酸とを反応させることによって産生される比較的より複合的なポリエステルとの間の鎖内反応または化学的架橋反応を促進する。3次元の浸透性ポリマーネットワーク(PPN)構造は、二つの既に大きいポリマー構造間のこれらの遅延性の架橋反応(2つのポリエステルがこの架橋を介して一緒に連結される前に、2つのポリエステルは、形成されるという意味での遅延性)を介して形成される。これは、所望の機械的強度および可撓性を有するポリマーを創造し、これは、例えば、エラストマーのシート床材料を形成するために、使用され得る。
【0008】
PPN構造が形成されることを保証にするため、ヒマシ油および/またはリシノール酸は、必要に応じて、粘稠性の液体エストリドの混合物を形成するために熱活性化ペルオキシド活性剤の存在下で、最初にプレポリマー化され得る。ヒマシ油/リシノール酸プレポリマーは、線状ポリエステル構造、環状ポリエステル構造およびわずかに架橋されたポリエステル構造の混合物である。リシノール酸二量体およびリシノール酸三量体、ラクトン、ラクチド、および他の単純エステルもまた、存在する。適した触媒の存在下で温度上昇を受ける場合、自己縮合重合反応は、一分子のヒドロキシル基が、別分子のカルボキシル基などと反応して線状のエステル連結を形成するヒマシ油/リシノール酸分子内で起きる。
【0009】
一方で、ペルオキシドで活性化したフリーラジカル反応はまた、ヒマシ油を形成する分子の二重結合を攻撃し、ヒマシ油プレポリマーにおいてさらなる連結を形成する。必要に応じて、ポリカルボン酸(ジカルボン酸を含む)は、わずかに架橋したヒマシ油プレポリマー/エストリドを形成するために使用され得る。これらのヒマシ油/リシノール酸エストリドは、PPN構造を形成する間の、第二のポリマー対(エポキシ化植物油とポリカルボン酸とを反応させることによって形成されるポリエステル)とのさらなる重合反応のための中間体として機能する。
【0010】
有利に、第二のポリマー対は、天然に存在する植物油の官能化誘導体(例えば、エポキシ化ダイズ油(ESO)およびセバシン酸(これはまた、ヒマシ油から由来し得る))から形成される。ESOは、例えば、最終的なPPN構造における潜在的な架橋部位を加えるために使用され得、そして石油ベースの有機単量体の「天然の」代わりの置き換わりとして使用され得る。ESOにおける高エポキシ値(通常>6%)は、分子構造に加えるかまたはPPN構造を生じるための十分な反応部位の利用能を保証する。さらに、ESOは、天然の再生可能な原料であることから、その使用は、生成されるエラストマーにおける天然成分を増加させる。1つの実施形態において、第二のポリマー対は、反応槽に、エストリド、ポリカルボン酸およびエポキシ基を含む材料を入れることによって、ヒマシ油/リシノール酸プレポリマーの存在下で、その場(in situ)にて形成される。
【0011】
本明細書中に記載されるエラストマーは、単純、効率的かつ環境にやさしいプロセスによって生成され得る。ゴム様エラストマーは、表面被覆(例えば、床被覆および壁被覆および類似のシート材料)としての使用を見出し得る。さらに、これらは、自動車および他の適用において使用するためのシート以外の材料に成形され得る。
【0012】
エラストマー材料を調製するための二工程の硬化プロセスもまた、開示される。このプロセスは、浸透性ポリマーネットワークとして公知のポリマー分子構造を生じる。エラストマー材料は、天然に存在する材料由来の生分解性成分を使用して、単純、効率的かつ環境にやさしいプロセスで生成される。
【0013】
このプロセスの第一の工程は、リシノール酸および/またはヒマシ油からプレポリマーを調製する工程を包含する。このプレポリマーは、リシノール酸および/またはヒマシ油の二量体エステルおよび三量体エステル、ラクトン、ラクチド、単純エステルおよびより高分子量の線状エステル化合物または環状エステル化合物を含む。リシノール酸および/またはヒマシ油の段階的な二量体化、三量体化および/または多量体化は、代表的には、温度上昇した条件下で、酵素的触媒作用および/または酸触媒作用を使用して実現され得る。いずれの場合においても、ヒドロキシ基およびカルボン酸基が各エステル連結を形成するために結合する場合、水分子は、副生成物として形成される。しかしながら、酵素的触媒作用が使用される場合、プレポリマーエストリドは、酵素の立体化学的特異性および位置選択的制御が原因で、主に線状ポリエステルである。必要に応じて、ジカルボン酸(例えば、セバシン酸)、トリカルボン酸(例えば、クエン酸)および/またはポリカルボン酸が、エストリドプレポリマーを形成するためにリシノール酸および/またはヒマシ油と反応させられ得る。
【0014】
エストリドは、さらに、熱活性化フリーラジカルが生成する触媒(架橋触媒)(例えば、ペルオキシド活性剤)を用いて処理されてプレポリマー骨格中のリシノール酸部分の二重結合を架橋し得る。オレフィンを含む架橋薬剤(例えば、ジビニルベンゼン)は、架橋度を増大させるために、必要に応じて、添加され得る。しかしながら、一実施形態において、リシノール酸の二重結合は、架橋されず、むしろ浸透性ネットワークにおける架橋が、プレポリマーのエポキシ基を含む化合物および/または架橋剤(例えば、ポリアミン、ポリカルボン酸、チオール、フェノールなど)のヒドロキシ官能基、アミン官能基、カルボン酸官能基および/またはチオール官能基の反応を介して、起きる。
【0015】
エポキシ基を含む化合物(例えば、エポキシ樹脂および/またはエポキシ化植物油)は、
ポリマー骨格中のリシノール酸部分のカルボン酸基またはヒドロキシ基(または代わりに、エストリドを調製するために使用される他のカルボン酸部分のカルボン酸基とともに)を、エポキシ基を含む化合物と反応させることによってエストリドプレポリマーに結合体化される。次いで、未反応のエポキシ基は、慣用的なエポキシ硬化剤(例えば、ポリアミン、ポリカルボン酸、フェノール、チオールなど)を使用して架橋される。アミン基はまた、存在する場合、カルボン酸基と反応してアミド連結を形成し得る。
【0016】
従って、硬化反応は、バルクでの二重架橋反応、さらに界面領域での付属性のカルボキシル−アミン反応として描出され得る。架橋されたエポキシ基は、浸透性ポリマーネットワークを形成し、一方で、リシノール酸エストリドの主鎖の二重結合構造を含むフリーラジカルが開始する架橋反応は、領域内で化学的に結合した構造を同時に形成する。さらに、過剰量のアミン(すなわち、エポキシド基を硬化するために必要とされるより多い)が存在する場合、このアミン基は、リシノール酸分子のカルボキシル基と反応し得る(これは、増大するエポキシ相を有する主にリシノール酸相の適合性を高め得る)。この結果は、エラストマーの二重浸透性ポリマーネットワーク構造である。
【0017】
所望の効果は、異なるホモポリマー間の界面領域を超えた独立的な架橋反応を生じることである。1つのネットワーク構造は、エポキシ樹脂におけるジアミンが開始した架橋(または、他のエポキシ硬化剤(例えば、チオール、フェノールおよびカルボン酸)が使用される場合の類似の架橋)によって産生され得、一方で別の架橋構造は、リシノール酸エストリド中の不飽和二重結合のペルオキシド誘導性フリーラジカル架橋によって形成されている。さらに、過剰のポリアミン硬化剤が使用される場合、カルボキシル−アミン反応は、リシノール酸と界面の安定性および構造を促進するジアミンとの間で可能である。
【0018】
一実施形態において、エラストマー材料は、全ての成分を同時に混合し、反応要素を部分的に重合し、次いでこの材料をより完全に重合し、浸透性ネットワークを同時に形成することによって調製される。一般に、充填されたエラストマー材料を調製するために使用される充填剤(例えば、石灰岩および/または木粉)および他の添加物がまた、存在し得る。この充填剤は、重合反応(すなわち、エストリド形成)における第一の工程の後に、有利に、添加される。充填剤は、ポリマー材料の0〜約90重量%の量において存在し得、シート床材料における成分として使用される場合、代表的には、約40〜約60重量%の量において存在する。
【0019】
エストリド、エポキシ基含有化合物、架橋触媒および硬化剤は全て、シート物品およびエラルトマー材料が慣用的に使用される他の製品として使用するための所望の引張強度および伸長特性を有するエラストマー浸透性ネットワークを形成するために反応する。この製品の例としては、表面被覆(例えば、床被覆および壁被覆ならびに類似のシート材料)および弾性材料(自動車および他の適用において使用するための材料を含む)をシート以外の形に成形することによって形成される製品が挙げられる。
【0020】
一実施形態において、リシノール酸エストリドプレポリマー、エポキシ樹脂、ならびにより少量のポリアミン硬化剤および熱活性化フリーラジカル触媒(メチルエチルケトン(MEK)ペルオキシド)の混合物は、約10分間撹拌され、一方で温和な発熱性の重合反応が起きる。次いで、所望の量の充填剤(例えば、一実施形態において60重量%以下)が、この反応混合物に加えられ、そしてこの充填剤の塊は、任意の自己触媒作用的放熱の可動域を鈍らせることに役立つ。反応混合物全体は、さらに約10分間撹拌され、この時点で、この混合物は、最終生成物の構造に鋳造されるか、成形されるか、または他に形成される状態にある。プロセスの選択肢の例としては、カレンダー掛け、ダイコーティング(die coating)、押出などが挙げられる。その後、この混合物は、さらなる硬化反応を受け、この硬化反応は、高温に加熱することにより加速され得る。
【0021】
本明細書に記載されるエラストマー材料は、浸透性ポリマーネットワーク(PPN)(すなわち、二個以上のネットワークを含むポリマー)であり、このネットワークは、少なくとも部分的に分子スケールで組み合わせられ、そして、代表的には、互いに共有結合され、そしてこの化学結合が壊れない限り、分離され得ない。このエラストマー材料は、ヒマシ油および/またはリシノール酸に由来する部分を含み、そしてまた、ポリカルボン酸、エポキシ化または他に官能化植物油、および/またはポリアミンに由来する部分を含み得る。
【0022】
エラストマー材料、エラストマー材料を調製するために使用されるポリエステル、エラストマー材料を含む生成物、およびエラストマー材料を調製するためのプロセスは、以下の明細書を参照してよりよく理解される。
【0023】
(I.エラストマー材料を調製するために使用される成分)
(A.ヒマシ油および/またはリシノール酸エストリド)
エラストマー材料の調製に関与する最初の工程は、ヒマシ油および/もしくはリシノール酸エストリド、またはプレポリマーを調製することである。ヒマシ油は、世界の多くの場所(例えば、インド、ブラジル、および中国)で大量に栽培されているトウゴマの種に生じる天然油脂である。ヒマシ油は、主に(>90%)、リシノール酸と呼ばれる水酸化不飽和C18脂肪酸からなる唯一の市販の重要な油脂であるという点で、全ての種油の中で独特である。リシノール酸は、9位〜10位に二重結合を有し、そして12番炭素原子にヒドロキシル基を有する18炭素酸である。ヒドロキシル基と不飽和炭素二重結合とのこの独特の組み合わせは、ヒマシ油に、起こり得る重合反応に関与し得る反応基を与える。リシノール酸は、慎重に制御された精製ヒマシ油の加水分解によって(副生成物としてのグリセロールと一緒に)形成される。一実施形態において、出発物質として使用されるこのリシノール酸はまた、ダイマー、トリマー、およびより高次のホモログエステル構造を含有する。
【0024】
ヒマシ油および/またはリシノール酸から生成された液体エストリド混合物は、相互に可溶性の線状ポリエステル部分、環状ポリエステル部分、および軽度に架橋された(すなわち、十分に架橋されないため、エストリド混合物は固体ではない)ポリエステル部分を含み、このポリエステル部分は、エストリドプレポリマー合成においてペルオキシドが架橋触媒として使用された場合に、段階的エステル化、および二重結合の任意の鎖重合から生成される。
【0025】
加えて、未反応ヒマシ油は、ひとりでにダイマーおよび/もしくはトリマーを形成し得るか、またはエポキシ化モノマーとの架橋のためのさらなる反応部位を提供し得る。これらのポリエステルプレポリマーに関して、比較的高い分子量およびより高い架橋密度は、エラストマー材料をうまく調製するために必須であり得る。一般的に、約3000cpsより大きい室温粘度を有するプレポリマーが有用であると見出されている。
【0026】
(酵素プロセスを介したエステル形成)
リシノール酸におけるヒドロキシ酸基およびカルボン酸基は、酸触媒または酵素触媒を用いてエステル化され得る。単離された酵素触媒を用いたポリマー合成は、穏やかな反応条件下でのポリマー生成のための、環境に害のないプロセスとして、科学的に大いに注目されている。例えば、生分解性脂肪族ポリエステルは、リパーゼ触媒を用いて種々のモノマーから合成される。さらに、酵素重合は、水性の系および有機ベースの系、ならびに溶媒を使用しない系を含む種々の媒体において行われ得る。一実施形態において、酵素重合は、非水性かつ有機ベースの溶媒を除いて溶媒を含まない媒体において行われる。
【0027】
任意の酵素触媒重合プロセスを用いる場合、所望のポリマー合成のための酵素を産生する微生物を同定しなければならない。この選択プロセスは、慣習的な実験を含むに過ぎないが、スクリーニングし、特に酵素活性(この場合、リシノール酸に対する選択性に基づく)を最適化することを必要とし得る。例えば、For example, the lipase derived from Candida Antarctica B に由来するリパーゼは、リシノール酸エストリドを生成し得る有効なエステル化触媒である。時間分解酵素分配技術(Time−resolved enzyme−distribution technique)が、攪拌プロフィールの制御を助けるために使用され得る。なぜなら、溶媒を用いることなく重合が達成され得、かつ有利に達成されるからであり、そしてその反応混合物の粘度が、(エステル化による)重合が進むに従って上昇するからである。
【0028】
適温における適切な時間(例えば、室温で72時間)での酵素触媒重合の後、粘性の液体プレポリマーは、淡褐色を有する。酵素触媒重合手順の後、そのプレポリマー組成物は、代表的に、単純エステルまたはエストリド(線状および環状)を含み、加えて元の供給原料中にダイマー、トリマー、より高次のホモログ、および未反応リシノール酸を含む。この混合物の見かけ上の粘度の大きさの変動は、プレポリマー形成による分子量増加の指標であり、エラストマー材料の調製における重要なパラメーターであり得る。酵素による重合後、この見かけ上の粘度があまりにも低い場合、形成されたプレポリマーは、可塑剤として有用であり得るのみであるか、またはさらに硬化される場合には、軟らかくもろい材料となり得る。したがって、これは、要求される機械特性であるいくつかの用途で必要とされる靭性および可撓性を欠く可能性がある。このプレポリマーの分子量または見かけ上の粘度は、床形成組成物での使用のために必要な機械特性および可撓性を有するエラストマーを調製するための出発物質として、うまく使用されるよう十分に上昇されるべきである。一般的に、約3000cpsよりも大きい室温粘度を有するプレポリマーが有用であることが見出されている。
【0029】
(酸性触媒反応を介した酵素形成)
酸性触媒が使用される場合、この触媒は、実質的に、エステル化反応を触媒し得る任意のブレンステッド酸またはルイス酸であり得る。好ましくは、この触媒は、反応混合物中に可溶性であるか、または少なくとも分散可能である。パラトルエンスルホン酸(p−TSA)は、好適な触媒の一例である。
【0030】
エステル化反応の間、化学的エステル化条件が使用されるかまたは酵素的エステル化条件が使用されるかに関わらず、エステル化によって形成された水の除去を促進し、そしてリシノール酸のポリエステルエストリドへの転換を増進するため、真空または減圧が使用され得る。
【0031】
線状ポリエステルは、十分に高い温度でヒマシ油および/またはリシノール酸を反応させることによって得られ得る。この反応で、リシノール酸のヒドロキシル基またはヒマシ油中のリシノール酸は、別の分子のカルボキシル基と反応して、ポリエステル結合を形成する。さらに、ペルオキシドを用いて開始される場合、不飽和二重結合においてフリーラジカル重合がまた生じ、隣接するヒマシ油/リシノール酸分子を効率よく結合する。したがって、ヒマシ油および/またはリシノール酸は、重合されて、エストリドを含有する粘性の液体を生成し得る。この液体は、さらなる重合反応のための中間材料として機能する。
(熱活性化フリーラジカル触媒)
エステル結合が形成される一方で、熱活性化フリーラジカルイニシエーター(架橋触媒)を介したフリーラジカル重合を介してポリマー主鎖中の二以上の二重結合を結合することによって、ヒマシ油/リシノール酸エストリドにさらなる架橋が形成され得る。不飽和二重結合の架橋は、隣接するリシノール酸分子またはヒマシ油の他の成分を効率よく結合する。したがって、ヒマシ油および/またはリシノール酸は、重合されて、エストリドを含有する粘性の液体を生成し得る。この液体は、さらなる重合反応のための中間材料として機能する。
【0032】
ヒマシ油もしくはリシノール酸に存在するオレフィン基(および/または他のオレフィン基含有物質)を架橋し得る、任意の熱活性化フリーラジカル触媒が使用され得る。このような触媒は当業者に公知であり、そして例えば、(1)2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、(2)1,4−ジ−(2−tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、tert−ブチルクミルペルオキシド、(3)ジ−tert−ブチルペルオキシド、(4)2,4,4−トリメチルペンチル(trimethylpenty)−2 ヒドロペルオキシド、(5)ジイソプロピルベンゼンモノヒドロペルオキシド、(6)クミルヒドロペルオキシド、および(7)アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のうちの一つ以上を含む。一実施形態においては、触媒として、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサンペルオキシド(商品名Triganox 101−45B)である。
【0033】
フリーラジカル重合イニシエーターとして使用されるペルオキシドは、室温で有利に活性化され得る:これは、例えば、メチルエチルケトン(MEK)ペルオキシドである。他のペルオキシド(例えば、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシドおよびジクミルペルオキシド)は、上昇した温度での硬化のために使用され得る。一実施形態において、組成物の重量に基づいて約1/10〜5%のレベルが使用される。別の実施形態において、他のペルオキシド(25℃で10時間未満の半減期を示すもの)が、また利用され得る。なお別の実施形態において、種々の活性化温度を有するペルオキシドの混合物が利用され得る。
【0034】
プレポリマーエストリドにおける分子量と重合の程度は、エラストマー材料を調製することにおいて重要な検討材料であり得る。一実施形態において、熱活性化フリーラジカル触媒(例えば、ペルオキシド)と酸性触媒(例えば、p−TSA)との組み合わせは、ヒマシ油および/またはリシノール酸の重合を効率よく活性化して、エストリドを形成する。
【0035】
ヒマシ油および/またはリシノール酸から生成された液体エストリド混合物は、相互に可溶性の、線状、環状および軽度に架橋された(すなわち、十分に架橋されないため、エストリド混合物は固体ではない)ポリエステル部分を含み、このポリエステル部分は、エストリドプレポリマー合成においてペルオキシドが架橋触媒として使用された場合に、段階的エステル化、および二重結合の任意の鎖重合から生成される。
【0036】
加えて、未反応ヒマシ油は、ひとりでにダイマーおよび/もしくはトリマーを形成し得るか、またはエポキシ化モノマーとの架橋のためのさらなる反応部位を提供し得る。これらのポリエステルプレポリマーに関して、比較的高い分子量およびより高い架橋密度は、エラストマー材料をうまく調製するために必須であり得る。一般的に、約3000cpsより大きい室温粘度を有するプレポリマーが有用であると見出されている。
【0037】
(オレフィン含有架橋剤)
一実施形態において、オレフィン含有架橋剤(例えば、ジビニルベンゼンおよび他のジオレフィン、ならびに/またはポリオレフィン)が、さらなる架橋を生ずるために存在する。
【0038】
(ポリカルボン酸)
ヒマシ油および/またはリシノール酸に加えて、わずかに架橋されたエストリドプレポリマーを形成するために、一以上の多官能性カルボン酸がまた使用され得る。これらのエストリドプレポリマーは、PPN構造の形成の間、第二のポリマー対とのさらなる重合反応のための中間体として機能する。ポリカルボン酸は、一般型の式:
R−(COOH)x
を有し、ここでxは、2と等しいかまたは2よりも大きく、Rは、脂肪族部分、脂環式部分または芳香族部分に相当する。一実施形態において、ポリカルボン酸は、2〜14個の炭素原子を有し、例えば、シュウ酸、コハク酸、フマル酸、マロン酸、マレイン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、タプス酸である。セバシン酸(ジカルボン酸)は、ヒマシ油のアルカリ融解(alkali fussion)により生成され得、そして本明細書で記載されるエラストマー材料の生成における使用のために好ましくあり得る。
【0039】
なお別の実施形態において、ポリカルボン酸は、三官能性であるかまたはヒドロキシカルボン酸であり、2〜14個の炭素原子を有する。このようなカルボン酸の例としては、グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸、クエン酸、マレイン酸、および2−ヒドロキシイソカプロン酸が挙げられる。三官能性酸のクエン酸は、好ましい架橋剤である。なぜなら、これは、全ての柑橘類の果実で見出される天然の化合物だからである。
【0040】
必要に応じて、有機アルコール、有利にはジオールまたはポリオールがまた添加されて、エストリドプレポリマー生成し得る。有機アミンもまた使用され得、アミド官能基を含有する粘性のプレポリマーを生成する。所望される場合、不飽和二重結合の低度のフリーラジカル重合が使用されて、エストリドプレポリマーを調製し得る。
【0041】
(B.エポキシ基含有材料およびポリカルボン酸から形成されるポリエステル)
ヒマシ油浸透性ポリマーネットワーク(PPN)を調製するために使用される他のプレポリマーポリエステル材料は、エポキシ基含有材料(主にエポキシ化された植物油、例えば、ESO)とポリカルボン酸とを、必要に応じてポリアミンの存在下で反応させることによって形成される。この反応のエポキシ基含有化合物は、以下に詳細に記載される;ポリカルボン酸は、ヒマシ油/リシノール酸エストリドに関して上記に記載された。このポリエステルは、エストリド存在下で、その場で形成される。
【0042】
(エポキシ化材料または他の官能化材料)
第二のポリエステルプレポリマーは、エポキシ基含有化合物(例えば、エポキシ樹脂および/またはエポキシ化された植物油)とポリカルボン酸とを反応させることによって形成され得る。得られたプレポリマーは、反応性エポキシ基および/またはカルボン酸基によってさらに架橋され得、これは、ヒマシ油/リシノール酸エストリド中のカルボン酸および/またはヒドロキシ基と反応される。一実施形態において、中間ポリエステルは、官能化された植物油(例えば、エポキシ化された植物油)を含む反応混合物から形成され、その結果、エポキシ基または他官能基は、ヒマシ油モノマー上のオレフィン官能基によって生じた架橋に加えて、さらなる架橋を可能にする。
【0043】
別の実施形態において、このエストリドは、エポキシ基含有化合物(例えば、エポキシ樹脂および/またはエポキシ化された植物油)と反応して、反応性エポキシ基によってさらに架橋され得る種を形成する。一実施形態において、この中間ポリエステル(エストリド)は、ヒマシ油および/またはリシノール酸および官能化された植物油(例えば、エポキシ化された植物油)を含む反応混合物から形成され、その結果、エポキシ基または他の官能基は、ヒマシ油モノマー上のオレフィン官能基によって生じた架橋に加えて、さらなる架橋を可能にする。
【0044】
エポキシ化された植物油は、化学的に官能化された天然の植物油である。このような官能化された植物油の一つは、エポキシ化されたダイズ油(ESO)である。ポリカルボン酸の一つの例は、セバシン酸であり、これもまたヒマシ油に由来し得る。ESOは、環境に優しく、そして生分解性である。ESOは、いくつかの効果を有する。この効果は、ESOが硬いエポキシ相の可塑剤として機能することを通じて、最終ポリマー生成物の可撓性を改善し得、そしてESOのエポキシ基と他の反応性成分(例えば、ポリアミンまたはポリカルボン酸)との間に化学的架橋を形成することによって、最終ポリマーの機械強度を改善し得る。ESOの使用は、最終的なPPNエラストマー生成物の天然成分組成を増加させる。官能化された植物油はまた、最終PPN構造に強力な架橋部位を付加し、そして石油ベースの有機モノマー(これもまた、中間ポリエステルを形成するために使用され得る)の少なくとも一部の、「天然」の代替的置換物として働く。ESOにおける高いエポキシ値(通常>6%)は、分子構造を付加するかまたはPPN構造を生成するために、十分な反応部位が得られることを保証する。さらに、ESOは、天然の再生可能な原料であるので、その使用は、生成されるエラストマー中の天然成分を増加させる。ダイズ油ベースの生成物(ESOを含む)は、比較的無毒で、生分解性で、環境中に長く残らないという傾向があり、そして天然由来の再生可能な原料である。
【0045】
ESO中のエポキシド基は、ポリカルボン酸(例えば、セバシン酸)と反応してポリエステル結合を形成し得る。ESOのエポキシド基とカルボン酸基との反応は、段階的に増加する反応である。植物油分子上の三以上のエポキシ基は、ポリ酸と反応する場合、ネットワーク形成を生じる。加えて、この反応の間に形成されたヒドロキシル基、そしてヒマシ油の主鎖に存在するヒドロキシル基は、さらなる反応およびPPN形成の可能性のある部位を提供する。
【0046】
エポキシ樹脂はまた、エポキシ化された植物油、またはヒマシ油エストリドもしくはリシノール酸エストリドと組み合わせて使用され得る。一実施形態においては、多官能性エポキシ樹脂(市販されるビスフェノールAのジグリシジルエーテルまたはDGEBAエポキシ樹脂)が使用される。一例では、この組成物の約3〜約15重量%のレベルのDGEBAが使用される。別の例では、エポキシ樹脂は、テトラ官能性エポキシ樹脂、テトラグリシダルジアミノジフェニルメタン(TGDDM)であり、そしてこの組成物の約3〜約15重量%のレベルで使用される。
【0047】
エポキシ基含有分子とポリカルボン酸とは、好適な温度および圧力で反応し、出発材料に架橋して中間ポリエステルを形成する。
【0048】
(架橋剤)
エポキシ化された植物油は、(ポリカルボン酸との反応後に)架橋可能部位を提供する。この架橋可能部位は、エポキシ化された植物油中のエポキシ基と、ヒマシ油/リシノール酸エストリドプレポリマー中のカルボン酸基および/またはヒドロキシ基とを反応させることによって、PPN構造と架橋してPPN構造を形成するために使用され得る。
【0049】
エポキシ樹脂を架橋(硬化)するために使用される、任意の好適なポリアミンが使用され得る。好適なポリアミン架橋剤の例としては、脂環式ジアミン、例えば:(1)イソホロンジアミン、(2)1,2−ジアミノシクロヘキサン、(3)bis−p−アミノシクロヘキシルメタン、および1,3−BAC高反応性脂環式ジアミン、(4)トリエチレングリコールジアミン、(5)1,5−ジアミノペンタン(カダベリン)、ならびに(6)1,4−ジアミノブタン(プトレシン)が挙げられる。トリエチレングリコールジアミンもまた、使用され得る。一実施形態において、ポリアミンは、この反応混合物の3〜15重量%で存在する。所望される物理特性および硬化時間に依存して、他の濃度が使用され得る。
【0050】
炭素−炭素二重結合と架橋し得る、任意の好適なポリアクリレートが使用され得る。好適なポリアクリレートの例は、テトラアクリレート(例えば、Smyrna,GAのUBC Chemicals Corp.によって販売されるEbecryl(登録商標)140)である。
【0051】
(エポキシ硬化剤)
任意の好適なエポキシ硬化剤が使用され得る。例としては、ポリアミン、ポリカルボン酸、チオール(好ましくは、二以上のチオール基)、フェノール(やはり、好ましくは二以上のフェノール基)などが挙げられる。好適な硬化剤の例としては、脂環式ジアミン(例えば、イソホロンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、bis−p−アミノシクロヘキシルメタン、および1,3−BAC(bis−アミノメチルシクロヘキサン)高反応性脂環式ジアミン)、またはジエチレントリアミンの混合物が挙げられる。硬化剤は、代表的に、このエポキシ硬化剤の約3〜約15重量%の濃度で使用される。
【0052】
(熱活性化フリーラジカル触媒)
ヒマシ油もしくはリシノール酸(および/または他のオレフィン基含有材料)に存在するオレフィン基を架橋し得る任意の熱活性化フリーラジカル触媒が使用され得る。このような触媒は、当業者に周知であり、そしてこのような触媒としては、例えば、(1)2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルポリキシ)ヘキサン、(2)1,4−ジ−(2−tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、tert−ブチルクミルペルオキシド、(3)ジ−tert−ブチルペルオキシド、(4)2,4,4−トリメチルペンチ−2 ヒドロペルオキシド、(5)ジイソプロピルベンゼンミノヒドロペルオキシド、(6)クミルヒドロペルオキシドおよび(7)アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)の一種以上が挙げられる。一実施形態においては、商品名Triganox 101−45Bである、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tertブチルペルオキシ)ヘキサンペルオキシドが触媒である。
【0053】
フリーラジカル重合イニシエーターとして使用されるペルオキシド:例えば、メチルエチルケトン(MEK)ペルオキシドは、有利なことに、室温で活性化され得る。他のペルオキシド(例えば、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシドなど)が、上昇した温度で硬化するために使用され得る。一実施形態においては、約1/10〜約5重量%(0.1〜5重量%)のレベルが使用された。別の実施形態において、他のペルオキシド(25℃で10時間以下の半減期を示すペルオキシド)もまた利用され得る。なお別の実施形態において、種々の活性温度を有するペルオキシドの混合物が使用される。
【0054】
(充填剤)
一般的にポリマー材料と組み合わせて使用される任意の充填剤(例えば、床形成産業で使用される充填剤)が、使用され得る。この充填剤は、有利にはエストリドが形成された後に添加されるが、PPN構造が形成されている間に存在してもよい。第二のポリマー種がその場で形成される場合、このエストリドプレポリマーが直接的に第二のポリマーと反応するのであっても、またはこのエストリドプレポリマーがエポキシ基含有部分およびポリカルボン酸と反応するのであってもよい。
【0055】
白化(whiting)充填剤は、不透明度を増加させるために使用され得る。二酸化チタンは、その光学特性のため、良好な不透明度を有する白色を得るのに特によい色素である。白色充填剤(例えば、炭酸カルシウム)がこの層において中度レベルで使用される場合は、より低レベルの二酸化チタンが利用され得る。
【0056】
炭酸カルシウムが、特別に有用である。硬度、剛性、熱たわみ温度(heat deflection temperature)、滑り抵抗、応力割れ抵抗、溶接性、印刷適性、および抗ブロック(antiblock)特性は、全て改善される。熱による収縮および伸び、ならびに水蒸気および酸素透過性は、減少される。
【0057】
タルクは、床被覆における使用のためのポリマー材料を増強するのによく適した、別の充填剤である。これは、炭酸カルシウムの低アスペクト(low aspect)の粒子状構造と対照的に、層状構造を有する。この層形態は、タルクを、剛性、熱たわみ温度、および寸法安定性の上昇において、炭酸カルシウムよりも有効にしている。炭酸カルシウムに対するタルクの欠点は、衝撃強さ、無光沢表面、およびより低い熱酸化安定性の低下を中心とする。雲母もまた、層構造を有し、同様の利点および欠点を有する。
【0058】
高アスペクト比の充填剤/増強剤(例えば、珪灰石およびガラス繊維)は、本明細書に記載されるエラストマー材料のモジュールの弾性、引っ張り強さ、および熱歪み温度(heat−distortion temperature)の上昇において、タルクおよび雲母よりもさらに強力な効果を有し得る。
【0059】
高アスペクト比の無機添加剤によってもたらされる改善は、耐久性の可塑剤または加工補助剤(processing aid)(例えば、液体パラフィン)を用いて作製されたこれらの床被覆系において、特に助けになる。これらの場合において、このような添加剤の硬化作用は、液体パラフィンによってもたらされる剛性の損失を補償する。
【0060】
ヒューム形態または沈殿した形態のシリカは、高ブロック性および印刷適性が重要であるエラストマー材料において、低レベル0.1〜1.5%)で有用である。床被覆系では、これらは、磨耗層、および印刷されるデザインが適用される層に存在する。
【0061】
アルミナ三水和物および水酸化マグネシウムは、ほとんどの系についての適正な粒子サイズは直径40ミクロン未満であるが、炭酸カルシウムによって提供される適切な増強と同じタイプの増強をもたらし得る。加えて、これらは、有用な耐火性および煙制御特性を提供し得る。
【0062】
ポリマー材料は、床被覆系で使用される場合、熱安定剤および光安定剤を用いることによって増強され得る。熱安定剤については、使用されるべき量および型は、最終構造物を加工するために使用される実際のプロセスによって変動する。融解スプレッダー(melt spreader)アプローチは、融解カレンダー掛け(melt calendering)または押し出し経路のいずれかよりも少ない熱履歴を有する生成物を提供し得る。しかし、いくつかの場合、ポリマー材料は、そのプロセスの間のある時間、200℃を超える温度に曝される。
【0063】
好適な安定剤としては、ヒンダードフェノールが挙げられ、これは、必要に応じて、共安定剤(例えば、有機硫黄化合物、例えば、ジステアリルチオジプロピオネート(DSTDP))を含む。良好な熱安定性は、高分子量ヒンダードフェノール(例えば、Ciba−GeigyからのIrganox 1010)を、一以上の第二の抗酸化剤(例えば、チオエーテルおよびリン酸化合物)とともに用いることで得られ得る。DSTDPおよびGEからのUltranox 626は、これらの型の材料の例である。このような系に由来する有効な熱安定剤のパッケージは、0.1% Irganox 1010、0.1% DSTDPおよび0.05% Ultranox 626である。
【0064】
ヒンダードアミン光安定剤(HALS)は、ポリマーを光酸化から保護するのに特に有効である。ポリマー状HALS(例えば、AtochemからのLuchemHA−B18)は、それ自身の光(right)に特に有効であり、DSTDPのような他の添加剤に対して拮抗性を示さないというさらなる利点を有する。外部摩擦層における0.3%のLuchem HA−B 18の含有、および透明な摩擦層の直下の層における0.15%のLuchem HA−B 18の含有は、床被覆材料の耐光性を大きく増強する。
【0065】
潤滑剤および加工補助剤は、床張材を製造するために使用され得る。これは、特定のプロセスに大きく依存する。押し出しまたは融解カレンダー掛け操作のため、外部潤滑剤は助けとなり得る。ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸亜鉛は、外部潤滑剤として適切である。これらはまた、さらにいくらか安定化を助け得る。これらは、0.1〜1.0%で添加され得、好ましくは0.2〜1.0%の範囲が必要とされる。
【0066】
加工補助剤は、特定の加工特性(例えば、エネルギー所要量の低減および/または加工速度の増加)を調整または際立たせるために、ポリマー材料に使用され得る。
【0067】
ポリマー材料、ポリマーシートおよびそのポリマーシートを含む床被覆の引火性および発煙性は、種々の添加剤を用いて改善され得る。種々の無機化合物(例えば、アルミニウム三水和物および水酸化マグネシウム)は、温度上昇の際に水を放出し、充填剤/難燃剤の二者として有用である。リン酸化合物、ホウ酸塩および酸化亜鉛は全て、ポリ乳酸ベースの系の耐火特性の改善に有用な役割を果し得る。
【0068】
ポリマー材料に含有され得る他の添加剤としては、色素、インク、抗酸化剤などが挙げられる。これらは、一般的に、50PHR未満の比較的少量で使用される。
【0069】
帯電防止特性もまた、いくつかの用途で重要であり得る。多くの静電防止用添加剤は、親水性部分と疎水性部分とを有する化合物である。この型の一般的な材料は、ポリオールのモノエステル(例えば、グリセロール)であり、長鎖脂肪酸(例えば、ステアリン酸)を有する。
【0070】
樹脂(rosin)もまた、添加され得る。
【0071】
(II.PPN合成)
PPN構造は、二工程硬化プロセスにおいて有利に調製され得る。硬化手順における第一の工程は、二種のプレポリマー、すなわちエストリド(estolide)およびエポキシ基含有分子を含む組成物とポリカルボン酸とを、不活性窒素ブランケット下でゲル様液体が形成されるまで加熱する工程を包含する。次いで、このゲルは、パラレルプラテン鋳型(parallel platen mold)または型押し鋳型(shaped mold)中において圧力下で前硬化され得る。
【0072】
中間ポリエステル(エストリド)材料を架橋して浸透性ネットワークを形成する前に、ヒマシ油を前硬化してこの中間材料を形成することには、幾つかの利点が存在する。高温でのポリエステル結合の形成は、縮合反応であり、副生成物として水を生成する。この水は、ゼラチン化構造中に気泡を残し得、最終生成物の構造的完全性を維持するためには、いかなる気泡も除去しなければならない。前硬化工程を圧力下で行うことは、気泡の形成を最小にする。さらに、浸透性ポリマーネットワーク(PPN)を形成するための成長反応(例えば、ESOとセバシン酸との間の反応)工程は、時間制御プロセスである。前半の反応は、システムがゲル点に達する前に幾らかの時間を要し得る。ゲル点に達した後にのみ、組成物は、僅かな圧力が適用されたときに開放鋳型から流出することを防ぐために、十分な粘性を有する。
【0073】
エストリドは、エポキシド基含有材料(例えば、エポキシ樹脂および/またはエポキシ化植物油)と共に反応し得、次いで、比較的高い温度で架橋し、そして1〜3気圧で、エラストマー材料を形成する。架橋剤は、ペンダントエポキシ基を硬化剤(エポキシ硬化剤)(例えば、当該分野で公知のポリアミン、ポリカルボン酸、チオールおよびフェノール)と共に反応させることによって生じ得る。熱的に活性化される場合、遊離ラジカル開始剤(架橋触媒)が存在し、これは、ポリマー骨格のリシノール酸部分において二重結合を架橋し得る。一実施形態において、オレフィン含有架橋剤(例えば、ジビニルベンゼンおよび他のジオレフィンおよび/またはポリオレフィンは、さらなる架橋を提供するために存在する。
【0074】
エラストマー材料は、二工程硬化プロセスを使用して合成され得る。硬化手順における第一の工程は、ヒマシ油(またはリシノール酸)含有の組成物を、酸触媒および/または熱的に活性化された遊離のラジカル重合触媒の存在下で、不活性窒素ブランケット下でゲル様高粘度の液体または半固体が形成されるまで、加熱する工程を包含する。次いで、この材料は、圧力下で、最終工程において(例えば、パラレルプラテン鋳型において)硬化され得る。
【0075】
エストリドは、代表的に、反応混合物の約20重量%と約80重量%との間の量で存在する。エポキシ基含有材料は、代表的に、反応混合物の約20重量%と約80重量%との間の量で存在する。硬化剤または架橋剤は、代表的に、反応混合物の約2重量%と約20重量%との間の量で存在する。架橋触媒は、代表的に、反応混合物の約0.1重量%〜約5重量%の間の量で存在する。
【0076】
代表的に、前硬化時間は、約20〜約60分間の範囲であり得るが、これは、組成物および触媒に依存して調整され得る。一実施形態において、前硬化時間は、約30分間である。また、本発明は、ネットワーク構造が、他の架橋構造がヒマシ油エストリド中の不飽和二重結合の遊離ラジカル架橋誘導性過酸化水素によって形成されるのと同時に、ESO構造へのポリアミン開始架橋によって生成され得ることを教示する。さらに、ポリアミン硬化剤または架橋剤が使用される場合、酸部位とポリアミンとの間に、カルボキシル−アミン反応が可能である。後者の反応は、さらなる界面安定性および最終エラストマー生成物に対する構造を促進する。一実施形態において、一以上のポリアミンが使用され得る。別の実施形態において、ポリアミンは、以下のようなシクロ脂肪族ジアミンであり得る:(1)イソホロンジアミン、(2)1,2−ジアミノシクロヘキサン、(3)ビス−p−アミノシクロヘキシル−メタン、および1,3−BAC(ビスアミノメチルシクロヘキサン)高反応性シクロ脂肪族ジアミン、(4)トリエチレングリコールジアミン、(5)1,5−ジアミノペンタン(カダベリン)ならびに(6)1,4−ジアミノブタン(プトレシン)。別の実施形態において、トリエチレングリコールジアミンが使用される。一実施形態において、ポリアミン架橋剤について約3重量%〜約15重量%の濃度が使用される。物理的性質および所望される硬化時間に依存して、他の濃度が使用され得る。ポリアミンの前硬化温度は、代表的に、約140℃〜約220℃の範囲であるが、この範囲の外の温度が使用され得る。一実施形態において、約200℃〜約205℃の前硬化温度が、使用される。
【0077】
エラストマー材料の種々の物理的特性および機械的特性は、反応容器内のリシノール酸プレポリマー(別個に上述されたプレポリマーより)、エポキシ化植物油(例えばESO)、架橋剤、架橋触媒(例えば、MEKペルオキシドまたはベンゾイルペルオキシド)の相対量が変わることによって変動し得る。ポリマー材料の「天然」含量は、石油ベースのエポキシ樹脂よりもむしろエポキシ化植物油(例えば、ESO)を用いることにより、増加し得る。
【0078】
一実施形態において、硬化が室温で起こる場合、反応混合物は、重量で等量のリシノール酸またはヒマシ油エストリド、エポキシ樹脂、およびジアミン架橋剤、ならびに0.1%のMEKペルオキシドの混合を含む。これらの成分は、反応容器に添加され、そして十分に撹拌されて、成分の均一な混合を確実にする。次いで、最初の温度が発熱重合反応から生じた後、所望の量の充填剤(代表的に、ポリマー構成成分の0重量%と約80重量%との間、より代表的には約40%と約60%との間)を混合物に添加し、ゲルまたは粘性の高い液体が形成されるまで、撹拌を続けた。粘性の高い液体の一部を、液圧プレスのパラレルプラテンの間に入れ、そしてサンプルを、約12時間または一晩、僅かに加圧しながら(代表的に、約1気圧と約3気圧との間)、室温で硬化させた。加圧サンプルは、型から圧力を開放する前に、約60℃のプラテン温度で約4時間、硬化後処理され得る。加圧してサンプルが十分に冷めるまで(例えば、約30分間)型の圧力を開放しないことが重要であり得る。80℃で2時間の硬化後処理により、サンプルのより迅速な硬化が可能である。
【0079】
別の例において、熱硬化を使用することにより、さらなる時間が節約され得る。このアプローチを使用して、リシノール酸エストリドとエポキシ樹脂およびエポキシ化植物油(例えば、ESO)との混合物を、反応容器中に置き、室温で強く撹拌した。次いで、所望の量の充填剤、約10重量%のジアミン架橋剤、および約2%のジベンゾイルペルオキシドを、全て混合物に添加し、これをゲルまたは粘性の高い液体が形成されるまで撹拌した。上記のように、粘性の高い液体は、僅かな圧力下で、しかし約120℃で約4時間硬化され得、その後、約60℃で約4時間の硬化後処理をされ得る。再び、プラテン圧力は、型が室温のおよそ10℃以内に冷めた後まで開放しないことが有利である。特定の理論に縛られることを望まないが、反応容器が冷めるまで圧力を維持することは、硬化プロセス(すなわち、水が副生成物として出るプロセスであり、材料が完全に硬化する機会を有する前)の間、ポリマー材料の形状を維持すると考えられる。
【0080】
代表的な合成の例として、所望の量のヒマシ油プレポリマー(別個に上述される)、エポキシ化ダイズ油、およびセバシン酸を、反応容器に添加した。
この混合物を142℃にし、約30分間、または琥珀色の液体が得られるまで強く撹拌した。所望の量のペルオキシドを、撹拌を続けながら約5分間、熱い混合物に加え、その後、砕いた石灰岩を加えた。次いで、この混合物を、ペトリ皿に移し、そして不動の構造体が得られるまで、窒素ブランケット下で200℃まで30分間加熱した。半固体の塊を、矩形シート鋳型内に入れ、これを、次いでパラレルプラテンプレスに入れ、そして4時間硬化させた。この合成プロセスにおいて、開始材料は、約80%〜約90%のレシノール酸および25℃で63〜89センチポイズの範囲の粘性を有するヒマシ油を教示する。エポキシ化ダイズ油が、この例における植物油であったが、他のエポキシ化植物油(例えば、アクリル化エポキシ化(acrylated epoxidized)ダイズ油(AESO)、マレイン化(maleinize)ダイズ油モノグリセリド(SOMG/MA)、またはメチルエポキシ化ダイズ油(MESO))もまた、使用可能である。
【0081】
一実施形態において、一以上のペルオキシド活性化剤(例えば、(1)2,5−ジメチル−2,5−ジ(三級ブチルプロポキシ)ヘキサン、(2)1,4−ジ(2−三級ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、三級ブチルクミルペルオキシド、(3)ジ−三級ブチルペルオキシド、(4)2,4,4−トリメチルペンチル−2ヒドロペルオキシド、(5)ジイソプロピルベンゼンモノヒドロペルオキシド、または(6)クミルヒドロペルオキシド)が使用され得る。別の実施形態において、2,5−ジメチル−2,5−ジ(三級ブチルペルオキシ)ヘキサンペルオキシド(商品名Triganox 101−45B)が、触媒である。ペルオキシドまたはペルオキシドの組み合わせの選択は、上述に限定されないが、ペルオキシドは、所望のプロセスに適合するように選択され得る。代表的に、前硬化時間は、約20〜約60分間の範囲内であり得るが、これは、組成物および触媒に依存して調整され得る。一実施形態において、前硬化時間は、約30分間である。
【0082】
浸透性ポリマーネットワーク構造は、他の架橋構造が(例えば、ヒマシ油エストリド中の不飽和二重結合のペルオキシド誘導性遊離ラジカル架橋によって)形成されると同時に、エポキシ化構造へのポリアミン開始架橋によって生成され得る。さらに、ポリアミン架橋剤が使用される場合、酸部位とポリアミンとの間のカルボキシル−アミン反応が可能である。後者の反応は、さらなる界面安定性を促進し、構造を最終エラストマー生成物にすることを促進する。一実施形態において、一以上のポリアミンが使用され得る。ポリアミンが、前硬化温度は、ポリアミンが代表的に約140℃〜約220℃の範囲で使用される場合であっても、この範囲外の温度が使用され得る。一実施形態において、約200℃〜約250℃の前硬化温度が、使用される。
【0083】
重合反応の規模に依存して、発熱の程度および反応容器の熱伝導能力は、変動することが予測される。幾つかの実施形態において、一以上の不活性充填剤を反応混合物中に含むことが有利であり得、ここで、これらは、熱シンクとして役立ち、重合反応の発熱性を調節することを助ける。
【0084】
(III.重合剤を含むシート)
エラストマー材料を使用して、表面被覆および/または表面被覆構成成分(例えば、床被覆生成物および壁被覆生成物)を調製し得る。これは、よい機械的性質を有し、再生可能な天然の生材料由来である。他の所望の形状に加え、エラストマー材料は、シートに形成され得る。このシート材料は、以下によって調製され得る:
a)好適なプレポリマー、エポキシ基含有化合物およびエポキシ架橋剤(ポリカルボン酸を含む)、必要に応じて一種以上の架橋触媒、ならびに少なくとも一種の添加物(充填剤を含む)を提供する工程、
b)代表的には、引き(spread coating)またはカレンダー掛けによって、材料をシート形状に形成する工程、および
c)好適なプロセス温度まで、加熱しそして混合する工程、ならびに
d)生じたシートを冷却する工程であって、必要に応じて、最終硬化が完了する前に、所望の場合シートをエンボス加工する工程。
【0085】
種々の周知のプロセス装置を使用して、材料を加熱し、そして完全に混合し得る。これらの装置としては、押出し成型機、バンバリー、ミルおよびねっか機が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、構成成分は、好適な時間の間(材料が完全に混合するまで)、高剪断ミキサー内でよく混合され、混合物が実質的に分解することなく、これを実質的に流体状態にする。
【0086】
(IV.ポリマー材料の床材料組み込みシート)
エラストマー材料から形成されたシートを、従来の引き技術またはカレンダー掛け技術によって、床被覆中の一以上の層として使用し得る。床被覆は、本明細書中に記載のポリマー材料から形成されたシート材料の少なくとも一つの層を含む。一般に、均一なシート床張り材が、ポリマーマトリクス中に約10重量%〜約90重量%の充填剤を含むフィルドシステム(filled system)から形成される。あるいは、均一な床被覆が調製され得、この床被覆は、二以上の異なる層を含み、これらの層は特定の機能を有し、互いに結合する。例えば、床被覆は、代表的に、緩衝作用を提供する発泡層;支持層、固い裏打ち(backcoat)層;磨耗層および/または表面層を備える。キャリアまたは支持層(例えば、織物または非織物のメッシュまたは繊維、薄織物、およびガラスウェブまたはガラス線維)もまた、使用され得る。
【0087】
本明細書中で記載されるエラストマー材料は、支持層、磨耗層を形成するために使用され得、従来の発泡技術を使用して発泡させ、発泡層すら形成し得る。種々のデザイン特徴がまた包含され得、そして層は、物理的におよび/または機械的にエンボス加工され、理想的には特定のデザインパターンで刻まれ得る。グラフィックイメージもまた、床張材に組み込まれ得、例えば米国特許第5,347,296号(本明細書中でその全体が参考として援用される)に記載されるように、奥行知覚を提供する。
【0088】
(発泡工程)
適用の幾つかの型について、床被覆構造の幾つかの層または全ての層が、殆ど拡張しないか全く拡張しない必要がある。しかし、床被覆は、表面層を除く全ての層が発泡される床被覆からどの構成層(constituent layer)も発泡されない被覆層までに及び得る。発泡は、独立気泡(closed cell)発泡であり得る。層は、化学発泡剤を使用することにより発泡され得る。アゾ化合物が、特に有効である。このクラスの化合物の一例は、アゾジカーボンアミド(UniroyalからのCelogen AZ)である。この化合物の特に有用な特徴は、その分解点が、酸化亜鉛のような活性化剤を使用することにより、220℃から170℃未満まで低下し得ることである。ベンゾトリアゾールのような阻害剤もまた、使用され得る。ベンゾトリアゾールを含むインクが、発泡可能支持層の表面上の点またはCelogen AZおよび酸化亜鉛を含む層上に印刷される場合、発泡可能層の上に加えられた磨耗層を有する構造を生じ、この構造は、活性化分解点と不活性化分解点との間の温度まで加熱され、それにより、パターン(化学的エンボス加工)が、サンプル上に形成される。補助発泡剤(例えば、アルミニウム三水和物)もまた使用され得、これは、難燃剤として作用するのみでなく、また、200℃を超えて加熱された場合に水蒸気を放出する。揮発漏出(volatile fugitive)加工補助剤または可塑剤もまた、補助発泡剤として有用な役割を有し得る。
【0089】
化学発泡剤と組み合わせて、または化学発泡剤の代わりに、機械的発泡技術もまた使用され得る。これは、代表的に、得られる発泡における所望の数および所望の気泡の大きさを生成する条件下で、空気または別の気体を、ポリマー材料に含む工程を包含する。引きシステムにおいて、適用される混合物は、所望の製品の構造に近い発泡構造を有する必要がある。押出し成型プロセスまたはカレンダーがけプロセスにおいて、気体は、ポリマーの溶液中に存在するか、または押出し成型システムにおける融解圧力で小さな微小泡として存在する必要がある。拡張は、融解物が押出し成型機から離れ、高圧(約100〜約700PSI)から大気圧へ至るときに起こる。どちらの場合においても、気泡構造について、シート温度(気泡収縮または変形に必要とされる温度未満)へ迅速に滴下することにより所望の大きさで凝固することが重要である。
【0090】
本発明は、以下の非限定の例を参照して、よりよく理解される。
【実施例】
【0091】
(実施例1)
(プレポリマーエストリドを形成するためのヒマシ油事前重合)
ヒマシ油(リシノール酸)およびクエン酸を、1:0.08の比(すなわち、100重量部のヒマシ油に対して8重量部のクエン酸)で混合した。この溶液に、1.0%のp−TSAおよび2重量%のペルオキシド触媒101−45B−pdを添加した。次いで、この混合物を、210℃(±10℃)まで加熱し、窒素ブランケット下でゆっくり撹拌しながら、この温度で維持した。このプロセスは、明るい色の、粘性の高いエステリドプレポリマーを生成した。
【0092】
(実施例2)
(PPN合成)
【0093】
【数1】

手順:500mlの一つ首フラスコにおいて、100mlの成分(a)を、267gの(b)および133mlの(c)と混合し、温度制御された油浴中に置いた。混合物を、142℃で10分間撹拌した。5.3gの(d)および500gの(e)を加え、そして混合物を、6分間強く撹拌して、室温まで冷ました。生じた混合物を、ペトリ皿内に置き、そして不活性窒素流れ下にて30分間200℃まで加熱し、その後、再び室温まで冷ました。この前硬化混合物を、6”×6”×1/8”Teflon(登録商標)鋳型に移し、これを液圧プレス下に置いた。約5000psiの圧力を、プラテンに加圧した。このサンプルを、この圧力で4時間、195℃の温度で硬化させた。この硬化時間の後、ヒーターを切り、プラテン圧力から開放してサンプルを鋳型から取り出す前に、硬化後サンプルを30分間冷ました。
【0094】
(実施例3)
(PPN合成)
【0095】
【数2】

手順:500mlの一つ首フラスコにおいて、100mlの成分(a)を、267gの(b)および133mlの(c)と混合し、温度制御された油浴中に置いた。混合物を、142℃で10分間撹拌した。17gの(d)、17gの(e)、5.3gの(f)および500gの(g)を加え、そして混合物を、さらに10分間強く撹拌して、室温まで冷ました。生じた混合物を、ペトリ皿内に置き、そして不活性窒素流れでブランケットしながら30分間200℃まで加熱した。この手順の後、サンプルを6”×6”×1/8”Teflon(登録商標)鋳型に移し、これを液圧プレス下に置き、約5000psiの圧力を、プラテンに加圧した。このサンプルを、この圧力で4時間、195℃の温度で硬化させた。硬化の後、プラテン圧力を開放してサンプルシートを鋳型から取り出す前に、サンプルを30分間冷ました。
【0096】
(実施例4)
(PPN合成)
【0097】
【数3】

手順:500mlビーカー中で、列挙した量の成分(a)、(c)および(d)を混合した。この混合物を、撹拌のために不活性窒素噴霧を用いて、157℃で0.5時間加熱し、撹拌した。構成成分(b)、(e)および(f)を加え、この混合物を室温まで冷ます前に、さらに5分間強く撹拌した。生じた混合物を、ペトリ皿内に置き、そして不活性窒素をブランケットしながら30分間200℃まで再加熱し、前硬化混合物を形成した。この前硬化混合物を、再び冷まし、次いで、6”×6”×1/8”Teflon(登録商標)鋳型に移した。混合物および鋳型を液圧プレス下に置き、約5000psiの圧力を、プラテンに加圧した。このサンプルを、この圧力で4時間、195℃の温度で硬化させた。次いで、プラテン圧力を開放してサンプルを鋳型から取り出す前に、サンプルを30分間冷ました。
【0098】
(実施例5)
(PPN合成)
【0099】
【数4】

手順:500mlの三つ首フラスコにおいて、100mlの成分(a)を、10gの(b)および1gの(c)と混合し、温度制御された油浴中に置いた。混合物を、200℃で10分間、非常に粘性の高い、琥珀色の液体混合物が形成されるまで撹拌した。第2の600mlビーカーにおいて、300gの(d)および150gの(e)を、3gの(f)と混合した。この混合物を、142℃まで加熱しそして10分間強く撹拌した。
第一のビーカーからの最初の粘性の高い成分を、第2のビーカーに移し、約5分間142℃で撹拌した。500gの石灰岩を加え、混合物を約5分間撹拌した。生じた混合物を、ペトリ皿内に置き、そして不活性窒素流れでブランケットしながら30分間200℃まで加熱して、前硬化材料を生じ、次いで、室温まで冷ました。生じた前硬化混合物を、6”×6”×1/8”Teflon(登録商標)鋳型に移し、鋳型を液圧プレス内に挿入した。約5000psiの圧力をプラテンに加圧し、このサンプルを、この圧力で4時間、195℃の温度で硬化させた。プラテン圧力を開放してサンプルシートを鋳型から取り出す前に、硬化サンプルを30分間冷ました。
【0100】
(実施例6)
(PPN合成)
【0101】
【数5】

材料を、前硬化プロセスの前に2phrのp−TSAおよび10部のトリエチレングリコールジアミンをシステム内に加えた以外は、実施例4に記載した手順と同じ手順を用いて、調製した。
【0102】
(実施例7)
(PPN合成)
材料を、前硬化プロセスの直前に30phrのエポキシ樹脂および40phrのトリエチレングリコールジアミンを混合物に加えた以外は、実施例4に記載した成分および手順と同じ成分および手順を用いて、調製した。
【0103】
(実施例8)
(PPN合成)
材料を、使用した石灰岩が、3重量%の重合ヒマシ油(溶媒プロセスを介して適用される)で表面処理されている以外は、実施例5に記載した成分および手順と同じ成分および手順を用いて、調製した。
【0104】
(実施例9)
(PPN合成)
【0105】
【数6】

手順:1Lの三つ首フラスコにおいて、100mlの成分(a)を、10gの(b)および1gの(c)と混合し、温度制御された加熱マントルで包んだ。混合物を、窒素撹拌しながら、200℃で10分間、非常に粘性の高い琥珀色の液体混合物が形成されるまで加熱した。温度を135℃まで下げ、そして300gの(d)、150gの(e)、3gの(f)、2gの(g)、15gの(h)、5gの(i)および500gの(j)を添加した。この混合物を、さらに5分間強く撹拌し、次いで、ペトリ皿に迅速に移した。皿の混合物を、150℃まで不活性窒素流れ下で30分間加熱した。前硬化混合物を、6”×6”×1/8”Teflon(登録商標)鋳型に移し、これをパラレルプラテン、液圧プレス内に挿入した。約5000psiの圧力をプラテンに加圧し、このサンプルを、この圧力で4時間、195℃の温度で硬化させた。プラテン圧力を開放して硬化後サンプルを鋳型から取り出す前に、硬化サンプルを30分間冷ました。
【0106】
(実施例10)
【0107】
【数7】

手順:1000mlのビーカーにおいて、100mlの成分(a)を、260gの(b)および140gの(c)と混合した。混合物を、機械的撹拌下で、155℃まで加熱した。20gの(d)を加え、混合物を2分間強く撹拌した。3gの(e)を加え、混合物を1分間強く撹拌した。最後に、1300gの(f)を加え、混合物をさらに1分間強く撹拌し、次いで、ペトリ皿に迅速に移した。皿の混合物を、150℃まで不活性窒素流れ下で17分間加熱した。前硬化混合物を、6”×6”×1/8”Teflon(登録商標)鋳型に移し、これをパラレルプラテン、液圧プレス内に挿入した。約5000psiの圧力をプラテンに加圧し、このサンプルを、この圧力で0.5時間、195℃の温度で硬化させた。プラテン圧力を開放して硬化後サンプルを鋳型から取り出す前に、硬化サンプルを30分間冷ました。
【0108】
(実施例11)
【0109】
【数8】

手順:1000mlのビーカーにおいて、100mlの成分(a)を、260gの(b)および140gの(c)と混合した。混合物を、機械的撹拌下で、155℃まで加熱した。20gの(d)を加え、混合物を2分間強く撹拌した。3gの(e)を加え、混合物を1分間強く撹拌した。最後に、1300gの(f)を加え、混合物をさらに1分間強く撹拌し、次いで、ペトリ皿に迅速に移した。皿の混合物を、150℃まで不活性窒素流れ下で17分間加熱した。前硬化混合物を、6”×6”×1/8”Teflon(登録商標)鋳型に移し、これをパラレルプラテン、液圧プレス内に挿入した。約5000psiの圧力をプラテンに加圧し、このサンプルを、この圧力で0.5時間、195℃の温度で硬化させた。プラテン圧力を開放して硬化後サンプルを鋳型から取り出す前に、硬化サンプルを30分間冷ました。
【0110】
これらの実施例に従って生成されたサンプルエラストマーから得られた機械的物理的特性データを、下の表1に示す。
【0111】
(表1.実施例2、3、5〜8、10および11に概説される手順に従って調製されたサンプルエラストマーについての機械的特性のまとめ)
【0112】
【表1】

(エストリドプレポリマーを形成するためのレシノール酸の酵素的エステル化)
以下は、酵素触媒重合プロセスのために使用される手順の実施例である。レシノール酸(約10ml)を計量し、そして50ml 三角フラスコにチャージし、これを、60〜70℃の範囲の一定温度に維持した油浴中に置いた。強く撹拌しながら、システム圧力を20 in−Hgまで減圧し、溶液が気泡のない状態に達するまでこのレベルで維持した。次いで、三角フラスコ中の減圧を解除し、そしてレシノール酸の下の質量に基づいて10重量%のリパーゼ酵素を、三角フラスコに添加した。油浴の温度制御機を80℃(70〜90℃の最適温度範囲の中間点)に設定した。撹拌速度を150rpmまで下げ、20 in−Hgの圧力を再度適用した。温度および圧力のこれらの条件を、72時間維持し、この間、エストリドを形成する部分的重合反応が起こった。撹拌速度を、徐々に起こる重合に起因した溶液の粘度の増加を補うために、ゆっくりと定期的に再調整した。
【0113】
72時間の反応時間の後、プレポリマーエストリド溶液を濾過し、単離しそして酵素被覆ビーズを除去した。Gauze PadsT(Johnson & Johnsonから市販される)を、濾過培地として使用した。濾過した酵素ビーズを、次いで、ソックスレー抽出機においてアセトンで洗浄し、残留したアセトンを蒸発させ、そして洗浄乾燥した酵素被覆ビーズを、冷蔵庫内で2〜8℃で後の再利用のために保存した。一実施形態において、エストリド溶液を形成するために使用した酵素は、Candida Antarcticからの加水分解リパーゼBであった。今回の1つの場合において、この酵素を、多孔性のアクリル酸塩樹脂ビーズ上に固定化した。これは、7000PLU/gの初期特異的活性を有した。
【0114】
下記の合成実施例は、本明細書中で記載されるエラストマー材料の合成の代表例である。
【0115】
(実施例12)
配合表: 重量%
a.エストリド(レシノール酸プレポリマー) 29.1
b.エポキシ樹脂DEGBA 20.8
c.ジエチレントリアミン 20.8
d.MEKペルオキシド 0.2
e.木紛 29.1
手順:レシノール酸エストリドの重量での特定量または比例量を、エポキシ樹脂、ジエチレントリアミン硬化剤および0.2%のMEKペルオキシドと容器中で混合し、10分間強く撹拌した。次いで、200メッシュ(0.074mm)の粒子サイズを有する所望の量の木粉を混合物に加え、流体のゲルが形成されるまでさらに10分間撹拌した。混合物を、1時間放置し、次いで、4”×4”×1/16”Teflon(登録商標)T−フレーム鋳型内に入れた。この鋳型を、パラレルプラテンプレスに挿入し、5000psiの水圧を加圧した。この圧力を維持しながら、サンプルを一晩または約24時間(12時間)、室温で硬化させた。60℃で4時間サンプルを硬化後処理し、次いで、加圧サンプルを20分間冷ました後、鋳型圧力を開放した。
【0116】
(実施例13)
配合表: 重量%
a.エストリド(レシノール酸プレポリマー) 24.5
b.エポキシ樹脂DEGBA 12
c.ジエチレントリアミン 13
d.ジベンゾイルペルオキシド 1
e.石灰岩 49.5
手順:レシノール酸エストリドを、エポキシ樹脂、ポリアミン硬化剤および1%のジベンゾイルペルオキシドと容器中で混合し、10分間強く撹拌した。所望の量の石灰岩を混合物に加え、ゲルまたは粘性溶液様懸濁液が形成されるまでさらに10分間撹拌した。混合物を、1時間放置し、次いで、4”×4”×1/16”Teflon(登録商標)T鋳型内に入れた。この鋳型を、水圧のプラテンの間に挿入し、5000psiの圧力を加圧した。混合物を、80℃で1.5時間および120℃で3時間硬化させた。
【0117】
(実施例14)
配合表: 重量%
エストリド(レシノール酸プレポリマー) 10.7
エポキシ樹脂DEGBA 10.7
ジエチレントリアミン 10.7
エポキシ化ダイズ油 10.7
MEKペルオキシド 0.15
石灰岩 54
TiO
手順:レシノール酸エストリドを、エポキシ樹脂、ポリアミン硬化剤、エポキシ化ダイズ油、および0.15%のMEKペルオキシドと容器中で混合し、10分間強く撹拌した。所望の量の充填剤を混合物に加え、ゲル様懸濁液が形成されるまでさらに10分間撹拌した。この混合物のサンプルを、4”×4”×1/16”Teflon(登録商標)T鋳型内に入れ、この鋳型を、水圧中に挿入し、5000psiの圧力を、室温で12時間加圧した。
【0118】
(実施例15)
配合表: 重量%
a.エストリド(レシノール酸プレポリマー) 16.6
b.エポキシ樹脂DEGBA 16.6
c.ジエチレントリアミン 16.6
d.エポキシ化ダイズ油 16.6
e.MEKペルオキシド 0.23
f.石灰岩 23.3
g.TiO 10
手順:充填剤を、200メッシュの粒子サイズの木粉と置き換えたこと以外は、実施例3に記載の手順と同じ手順を用いた。
【0119】
(実施例16)
配合表: 重量%
a.エストリド(レシノール酸プレポリマー) 10.6
b.エポキシ樹脂DEGBA 9.5
c.ジエチレントリアミン 11.6
d.エポキシ化ダイズ油 10.6
e.ジベンゾイルペルオキシド 0.4
f.トリエチレングリコールジアミン 0.4
g.石灰岩 53
手順:所望の重量のレシノール酸エストリドを、エポキシ樹脂およびエポキシ化ダイズ油と100mlビーカー中で混合した。この混合物を強く撹拌し、11.6%のポリアミンおよび0.4%のトリエチレングリコールジアミン硬化剤、ならびに0.4%のベンジルペルオキシドを容器に加え、さらに5分間強く撹拌した。石灰岩充填剤を混合物にチャージし、ゲルまたは粘性溶液が形成されるまでさらに10分間撹拌した。混合物を、1時間放置し、4”×4”×1/16”Teflon(登録商標)T鋳型内に入れた。次いで、この鋳型を、水圧中に挿入し、5000psiの油圧を、90℃の一定温度で2時間加圧した。
【0120】
(実施例17)
配合表: 重量%
a.エストリド(レシノール酸プレポリマー) 7.6
b.エポキシ樹脂DEGBA 10.6
c.ジエチレントリアミン 11
d.エポキシ化ダイズ油 7.6
e.トリエチレングリコールジアミン 2.3
f.MEK 0.4
g.石灰岩 61
手順:所望の重量のレシノール酸エストリドを、エポキシ樹脂ならびに石油ベースのポリアミン硬化剤、エポキシ化ダイズ油、トリエチレングリコールジアミンおよびMEKプロポキシドと容器中で混合し、10分間強く撹拌した。石灰岩充填剤を混合物にチャージし、ゲルまたは粘性溶液様懸濁液が形成されるまでさらに10分間撹拌した。次いで、混合物を、単離した容器内に放置し、180℃まで窒素ブランケット下で1時間、不動の半固体が形成されるまで加熱した。加熱前混合物を、4”×4”×1/16”Teflon(登録商標)T鋳型内に移し、そして、この鋳型を、加熱したプレス中に挿入し、5000psiの油圧を、180℃の一定温度で4時間加圧した。
【0121】
上述の6実施例において記載された手順によって生成されたシートから切り出された実験サンプルから得られた物理特性データを、表2に列挙する。
【0122】
(表2.実施例12〜17におけるエラストマーについての物理特性のまとめ)
【0123】
【表2】

表1および表2におけるデータは、床張材製品のためのシート材料として使用するかまたはその中に組み込むために好適な特定を有するエラストマー組成物を示す。
【0124】
組成物の総重量ベースの重量で以下の範囲の構成成分を有する組成物は、床被覆における硬化組成物の使用を可能にする特性を有する:約5重量%〜約15重量%のレシノール酸エストリド、約0.05重量%〜約0.4重量%の架橋触媒(一実施形態において0.05重量%〜約0.2重量%のメチルエチルケトンペルオキシドおよび別の実施形態において約0.05重量%〜4重量%のベンゾイルペルオキシド)、約5重量%〜30重量%のエポキシ基含有化合物、約5重量%〜約15重量%のエポキシ硬化剤、約3重量%〜約80重量%の充填剤(一実施形態において約18重量%〜約80重量%の石灰岩、および別の実施形態において約3重量%〜約33重量%の木粉)、約5重量%〜約30重量%のエポキシ化ダイズ油、約5重量%〜約30重量%のエポキシ樹脂。
【0125】
本発明の主題を開示したが、本発明の多くの改変、置換および変更が、本開示の観点から存在し得る。本発明は、特定に記載した以外に実施され得ることが理解されるべきである。このような改変、置換および変更は、本出願の範囲内であることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、以下:
a)ヒマシ油、リシノール酸、ヒマシ油エストリド、リシノール酸エストリド、およびそれらの組み合わせより選択されるリシノール酸成分であって、好ましくはリシノール酸エストリドであり、より好ましくは酵素触媒性重合によって調製されるエストリドであって、該酵素は、好ましくはCandida Antarcticaに由来するリパーゼである、リシノール酸成分、
b)エポキシ樹脂、エポキシ化植物油およびそれらの組み合わせより選択されるエポキシ基含有化合物であって、好ましくはテトラグリシダルジアミノジフェニルメタン、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、エポキシ化ダイズ油、およびそれらの組み合わせである、エポキシ基含有化合物、
c)架橋剤であって、好ましくは多官能性アミン、ポリカルボン酸、ポリアクリレート、またはそれらの組み合わせであり、ここで、該ポリカルボン酸は、好ましくはセバシン酸、クエン酸、またはそれらの組み合わせであり、そして該多官能性アミンは、好ましくはイソホロンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ビス−p−アミノシクロヘキシルメタン、1,3−BAC高反応性脂環式ジアミン、ジエチレントリアミン、4,4’−イソプロピリデンジアミン、1,4−ジアミノブタン、トリエチレングリコールジアミン、またはそれらの組み合わせである、架橋剤、ならびに、
d)必要に応じて、架橋触媒、充填剤、およびそれらの組み合わせより選択される付加成分であって、該架橋触媒は、好ましくは熱活性化フリーラジカルイニシエーターであり、そして該充填剤は、好ましくは木粉、石灰岩、二酸化チタン、カオリン粘土、およびそれらの組み合わせである、付加成分、
を含有する、組成物。
【請求項2】
前記架橋剤が、ポリカルボン酸であり、前記組成物が、ポリアミンをさらに含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の組成物を含む、少なくとも一種の成分を含有する、表面被覆。
【請求項4】
前記表面被覆が、床被覆である、請求項3に記載の表面被覆。
【請求項5】
請求項1に記載の組成物の反応生成物を含有する、組成物。
【請求項6】
請求項5に記載の組成物を含む、少なくとも一種の成分を含有する、床被覆。
【請求項7】
組成物であって、以下:
(a)前記架橋剤がセバシン酸、クエン酸、またはそれらの組み合わせである、請求項1に記載の組成物の反応生成物、
(b)前記架橋触媒が、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tertブチルペルオキシ)ヘキサンペルオキシドであり、および、
(c)必要に応じて、トリ−エチレングリコールジアミン、粉末石灰岩、またはそれらの組み合わせ、
を含有する組成物の反応生成物を包含する、組成物。
【請求項8】
組成物であって、以下:
a)ポリカルボン酸とエポキシ化植物油との反応生成物、
b)ヒマシ油、リシノール酸、ヒマシ油エストリド、リシノール酸エストリドおよびそれらの組み合わせより選択される成分と、ポリカルボン酸との反応生成物、ならびに、
c)必要に応じて、熱活性化フリーラジカルイニシエーター、充填剤またはそれらの組み合わせ、
を含有する、組成物。
【請求項9】
浸透性ポリマーネットワークであって、以下:
a)エステル化されたリシノール酸を含むポリエステル主鎖であって、
i)該ポリエステル主鎖は、ヒドロキシ部分、カルボン酸部分およびそれらの組み合わせより選択されるペンダント部分を含み、かつ
ii)該ポリエステル主鎖上の該ペンダントヒドロキシ部分が、少なくとも二つのエポキシ基を含有するエポキシ基含有化合物上のエポキシ基に共有結合される、
ポリエステル主鎖、
b)エポキシ硬化剤であって、該ポリエステル主鎖に共有結合された該エポキシ基含有化合物上の少なくとも二つのエポキシ基と共有結合性に架橋し、ここで、該エポキシ硬化剤は、ジアミン、ポリアミン、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、チオールおよびフェノールからなる群より選択され、該エポキシ基含有化合物は、好ましくはビスフェノールAのジグリシジルエーテル、エポキシ化ダイズ油またはそれらの組み合わせである、エポキシ硬化剤、
c)必要に応じて、好ましくは、メチルエチルケトンペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、またはそれらの組み合わせである、フリーラジカル発生性架橋触媒、ならびに、
d)必要に応じて、好ましくは、木粉、石灰岩、二酸化チタン、カオリン粘土、またはそれらの組み合わせである、充填剤、
を含有する、浸透性ポリマーネットワーク。
【請求項10】
請求項9に記載の浸透性ポリマーネットワークを含む、少なくとも一種の成分を含有する、装飾的表面被覆。
【請求項11】
表面被覆が、床被覆である、請求項10に記載の装飾的表面被覆。
【請求項12】
請求項9に記載の浸透性ポリマーネットワークを含む、エラストマーポリマーシート材料。
【請求項13】
リシノール酸ベースのポリマーまたはリシノール酸エストリドベースのポリマーを作製するプロセスであって、該プロセスは、以下:
(a)以下:
(i)ヒマシ油、ヒマシ油エストリド、リシノール酸、リシノール酸エストリドおよびそれらの組み合わせより選択され、好ましくは、リシノール酸エストリドである、リシノール酸成分、
(ii)架橋剤、好ましくは、ポリカルボン酸、
(iii)エポキシ樹脂、エポキシ化植物油およびそれらの組み合わせより選択され、好ましくは、エポキシ化ダイズ油である、エポキシ基含有化合物、
(iv)必要に応じて、好ましくは熱活性化フリーラジカルイニシエーターである、架橋触媒、ならびに、
(v)必要に応じて、充填剤、
を混合して、加熱し、前硬化材料を形成する工程、ならびに、
(b)好ましくは約180℃と約220℃との間の温度で、圧力下において、該前硬化材料を加熱する工程、
を包含する、プロセス。
【請求項14】
請求項13に記載のプロセスであって、前記リシノール酸成分と、前記架橋剤と、前記エポキシ基含有化合物との混合物に、前記架橋触媒および必要に応じて前記充填剤を添加し、そして該架橋触媒を含有する混合物を加熱して、前記前硬化材料を形成する前に、該リシノール酸成分、該架橋剤、および該エポキシ基含有化合物が混合されて、加熱される、プロセス。
【請求項15】
前記架橋触媒が、ベンゾイルペルオキシドであり、前記前硬化材料が、約85℃と約125℃との間の温度に加熱される、請求項13に記載のプロセス。
【請求項16】
請求項13に記載のプロセスであって、前記架橋剤が、ポリカルボン酸であり、そして工程(a)が以下:
(i)前記リシノール酸成分と、好ましくはセバシン酸、クエン酸またはそれらの組み合わせである該ポリカルボン酸との混合物を含有する組成物を、酸触媒の存在下で反応させる工程であって、該リシノール酸成分が、ヒマシ油、リシノール酸またはそれらの組み合わせである、工程、
(ii)好ましくはセバシン酸、クエン酸またはそれらの組み合わせである第二のポリカルボン酸と、エポキシ化植物油とを、工程(i)の該反応した組成物に添加する工程、
(iii)工程(ii)の該混合物を、加熱する工程、
(iv)熱活性化フリーラジカルイニシエーターを、工程(iii)の該加熱された混合物に添加する工程、ならびに、
(v)必要に応じて、工程(iv)で充填剤を添加する工程、
を包含する、プロセス。
【請求項17】
請求項16に記載のプロセスであって、ポリアミンが、工程(ii)において、工程(i)の前記反応組成物に添加されるか、または工程(iv)において、工程(iii)の加熱された混合物に添加される、プロセス。
【請求項18】
請求項13に記載のプロセスであって、前記架橋剤が、ポリカルボン酸であり、工程(a)が、以下:
(i)前記リシノール酸成分と、該ポリカルボン酸とを混合する工程、
(ii)工程(i)の該混合物を加熱する工程、
(iii)エポキシ化植物油と熱活性化フリーラジカルイニシエーターとを、工程(ii)の該加熱された混合物に添加する工程、ならびに、
(iv)工程(iii)の、該エポキシ化植物油と熱活性化フリーラジカルイニシエーターとを含有する混合物を加熱して、前記前硬化材料を形成する工程、
を包含する、プロセス。
【請求項19】
請求項13に記載のプロセスであって、前記架橋剤が、ポリカルボン酸であり、工程(a)が、以下:
(i)前記リシノール酸成分と、該ポリカルボン酸および前記エポキシ化植物油とを混合する工程、
(ii)工程(i)の該混合物を加熱する工程、
(iii)前記架橋触媒および/または前記充填剤を、工程(ii)の該加熱された混合物に添加する工程、ならびに、
(iv)工程(iii)の該混合物を加熱して、前記前硬化材料を形成する工程、
を包含する、プロセス。
【請求項20】
前記混合物を、硬化前に、所望の最終形状に形成する工程をさらに包含する、請求項13に記載のプロセス。
【請求項21】
前記混合物を部分的に硬化し、該部分的に硬化した混合物に充填剤を添加し、次いで該充填剤を含有する混合物を硬化する工程をさらに包含する、請求項13に記載のプロセス。
【請求項22】
前記リシノール酸エストリドプレポリマーが、前記混合物の他の成分と混合される前に、酵素触媒によって部分的に重合され、該酵素触媒が、好ましくは、Candida Antartica Bから得られたリパーゼである、請求項13に記載のプロセス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、以下:
a)ヒマシ油、リシノール酸、ヒマシ油エストリド、リシノール酸エストリド、およびそれらの組み合わせより選択されるリシノール酸成分であって、好ましくはリシノール酸エストリドであり、より好ましくは酵素触媒性重合によって調製されるエストリドであって、該酵素は、好ましくはCandida Antarcticaに由来するリパーゼである、リシノール酸成分、
b)ポキシ化植物油、好ましくはエポキシ化ダイズ油より選択される、エポキシ基含有化合物、
c)架橋剤であって、好ましくは多官能性アミン、ポリカルボン酸、ポリアクリレート、またはそれらの組み合わせであり、ここで、該ポリカルボン酸は、好ましくはセバシン酸、クエン酸、またはそれらの組み合わせであり、そして該多官能性アミンは、好ましくはイソホロンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ビス−p−アミノシクロヘキシルメタン、1,3−BAC高反応性脂環式ジアミン、ジエチレントリアミン、4,4’−イソプロピリデンジアミン、1,4−ジアミノブタン、トリエチレングリコールジアミン、またはそれらの組み合わせである、架橋剤、ならびに、
d)必要に応じて、架橋触媒、充填剤、およびそれらの組み合わせより選択される付加成分であって、該架橋触媒は、好ましくは熱活性化フリーラジカルイニシエーターであり、そして該充填剤は、好ましくは木粉、石灰岩、二酸化チタン、カオリン粘土、およびそれらの組み合わせである、付加成分、
を含有する、組成物。
【請求項2】
組成物であって、以下:
a)ヒマシ油、リシノール酸、ヒマシ油エストリド、リシノール酸エストリド、およびそれらの組み合わせより選択されるリシノール酸成分であって、好ましくはリシノール酸エストリドであり、より好ましくは酵素触媒性重合によって調製されるエストリドであって、該酵素は、好ましくはCandida Antarcticaに由来するリパーゼである、リシノール酸成分、
b)エポキシ樹脂、エポキシ化植物油およびそれらの組み合わせより選択されるエポキシ基含有化合物であって、好ましくはテトラグリシダルジアミノジフェニルメタン、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、エポキシ化ダイズ油、およびそれらの組み合わせである、エポキシ基含有化合物、
c)好ましくはセバシン酸、クエン酸またはそれらの組み合わせである、ポリカルボン酸架橋剤、
d)ポリアミン、ならびに、
e)必要に応じて、架橋触媒、充填剤、およびそれらの組み合わせより選択される付加成分であって、該架橋触媒は、好ましくは熱活性化フリーラジカルイニシエーターであり、そして該充填剤は、好ましくは木粉、石灰岩、二酸化チタン、カオリン粘土、およびそれらの組み合わせである、付加成分、
を含有する、組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の組成物を含む、少なくとも一種の成分を含有する、表面被覆。
【請求項4】
前記表面被覆が、床被覆である、請求項3に記載の表面被覆。
【請求項5】
請求項1に記載の組成物の反応生成物を含有する、組成物。
【請求項6】
請求項5に記載の組成物を含む、少なくとも一種の成分を含有する、床被覆。
【請求項7】
組成物であって、以下:
(a)前記架橋剤がセバシン酸、クエン酸、またはそれらの組み合わせである、請求項1に記載の組成物の反応生成物、
(b)前記架橋触媒が、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tertブチルペルオキシ)ヘキサンペルオキシドであり、および、
(c)必要に応じて、トリ−エチレングリコールジアミン、粉末石灰岩、またはそれらの組み合わせ、
を含有する組成物の反応生成物を包含する、組成物。
【請求項8】
組成物であって、以下:
a)ポリカルボン酸とエポキシ化植物油との反応生成物、
b)ヒマシ油、リシノール酸、ヒマシ油エストリド、リシノール酸エストリドおよびそれらの組み合わせより選択される成分と、ポリカルボン酸との反応生成物、ならびに、
c)必要に応じて、熱活性化フリーラジカルイニシエーター、充填剤またはそれらの組み合わせ、
を含有する、組成物。
【請求項9】
浸透性ポリマーネットワークであって、以下:
a)エステル化されたリシノール酸を含むポリエステル主鎖であって、
i)該ポリエステル主鎖は、ヒドロキシ部分、カルボン酸部分およびそれらの組み合わせより選択されるペンダント部分を含み、かつ
ii)該ポリエステル主鎖上の該ペンダントヒドロキシ部分が、少なくとも二つのエポキシ基を含有するエポキシ基含有化合物上のエポキシ基に共有結合される、
ポリエステル主鎖、
b)エポキシ硬化剤であって、該ポリエステル主鎖に共有結合された該エポキシ基含有化合物上の少なくとも二つのエポキシ基と共有結合性に架橋し、ここで、該エポキシ硬化剤は、ジアミン、ポリアミン、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、チオールおよびフェノールからなる群より選択され、該エポキシ基含有化合物は、好ましくはビスフェノールAのジグリシジルエーテル、エポキシ化ダイズ油またはそれらの組み合わせである、エポキシ硬化剤、
c)必要に応じて、好ましくは、メチルエチルケトンペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、またはそれらの組み合わせである、フリーラジカル発生性架橋触媒、ならびに、
d)必要に応じて、好ましくは、木粉、石灰岩、二酸化チタン、カオリン粘土、またはそれらの組み合わせである、充填剤、
を含有する、浸透性ポリマーネットワーク。
【請求項10】
請求項9に記載の浸透性ポリマーネットワークを含む、少なくとも一種の成分を含有する、装飾的表面被覆。
【請求項11】
表面被覆が、床被覆である、請求項10に記載の装飾的表面被覆。
【請求項12】
請求項9に記載の浸透性ポリマーネットワークを含む、エラストマーポリマーシート材料。
【請求項13】
リシノール酸ベースのポリマーまたはリシノール酸エストリドベースのポリマーを作製するプロセスであって、該プロセスは、以下:
(a)以下:
(i)ヒマシ油、ヒマシ油エストリド、リシノール酸、リシノール酸エストリドおよびそれらの組み合わせより選択され、好ましくは、リシノール酸エストリドである、リシノール酸成分、
(ii)架橋剤、好ましくは、ポリカルボン酸、
(iii)エポキシ樹脂、エポキシ化植物油およびそれらの組み合わせより選択され、好ましくは、エポキシ化ダイズ油である、エポキシ基含有化合物、
(iv)必要に応じて、好ましくは熱活性化フリーラジカルイニシエーターである、架橋触媒、ならびに、
(v)必要に応じて、充填剤、
を混合して、加熱し、前硬化材料を形成する工程、ならびに、
(b)好ましくは約180℃と約220℃との間の温度で、圧力下において、該前硬化材料を加熱する工程、
を包含する、プロセス。
【請求項14】
請求項13に記載のプロセスであって、前記リシノール酸成分と、前記架橋剤と、前記エポキシ基含有化合物との混合物に、前記架橋触媒および必要に応じて前記充填剤を添加し、そして該架橋触媒を含有する混合物を加熱して、前記前硬化材料を形成する前に、該リシノール酸成分、該架橋剤、および該エポキシ基含有化合物が混合されて、加熱される、プロセス。
【請求項15】
前記架橋触媒が、ベンゾイルペルオキシドであり、前記前硬化材料が、約85℃と約125℃との間の温度に加熱される、請求項13に記載のプロセス。
【請求項16】
請求項13に記載のプロセスであって、前記架橋剤が、ポリカルボン酸であり、そして工程(a)が以下:
(i)前記リシノール酸成分と、好ましくはセバシン酸、クエン酸またはそれらの組み合わせである該ポリカルボン酸との混合物を含有する組成物を、酸触媒の存在下で反応させる工程であって、該リシノール酸成分が、ヒマシ油、リシノール酸またはそれらの組み合わせである、工程、
(ii)好ましくはセバシン酸、クエン酸またはそれらの組み合わせである第二のポリカルボン酸と、エポキシ化植物油とを、工程(i)の該反応した組成物に添加する工程、
(iii)工程(ii)の該混合物を、加熱する工程、
(iv)熱活性化フリーラジカルイニシエーターを、工程(iii)の該加熱された混合物に添加する工程、ならびに、
(v)必要に応じて、工程(iv)で充填剤を添加する工程、
を包含する、プロセス。
【請求項17】
請求項16に記載のプロセスであって、ポリアミンが、工程(ii)において、工程(i)の前記反応組成物に添加されるか、または工程(iv)において、工程(iii)の加熱された混合物に添加される、プロセス。
【請求項18】
請求項13に記載のプロセスであって、前記架橋剤が、ポリカルボン酸であり、工程(a)が、以下:
(i)前記リシノール酸成分と、該ポリカルボン酸とを混合する工程、
(ii)工程(i)の該混合物を加熱する工程、
(iii)エポキシ化植物油と熱活性化フリーラジカルイニシエーターとを、工程(ii)の該加熱された混合物に添加する工程、ならびに、
(iv)工程(iii)の、該エポキシ化植物油と熱活性化フリーラジカルイニシエーターとを含有する混合物を加熱して、前記前硬化材料を形成する工程、
を包含する、プロセス。
【請求項19】
請求項13に記載のプロセスであって、前記架橋剤が、ポリカルボン酸であり、工程(a)が、以下:
(i)前記リシノール酸成分と、該ポリカルボン酸および前記エポキシ化植物油とを混合する工程、
(ii)工程(i)の該混合物を加熱する工程、
(iii)前記架橋触媒および/または前記充填剤を、工程(ii)の該加熱された混合物に添加する工程、ならびに、
(iv)工程(iii)の該混合物を加熱して、前記前硬化材料を形成する工程、
を包含する、プロセス。
【請求項20】
前記混合物を、硬化前に、所望の最終形状に形成する工程をさらに包含する、請求項13に記載のプロセス。
【請求項21】
前記混合物を部分的に硬化し、該部分的に硬化した混合物に充填剤を添加し、次いで該充填剤を含有する混合物を硬化する工程をさらに包含する、請求項13に記載のプロセス。
【請求項22】
前記リシノール酸エストリドプレポリマーが、前記混合物の他の成分と混合される前に、酵素触媒によって部分的に重合され、該酵素触媒が、好ましくは、Candida Antartica Bから得られたリパーゼである、請求項13に記載のプロセス。

【公表番号】特表2006−516998(P2006−516998A)
【公表日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500868(P2006−500868)
【出願日】平成16年1月8日(2004.1.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/000475
【国際公開番号】WO2004/063245
【国際公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(500480012)テキサス テック ユニバーシティー (3)
【Fターム(参考)】