説明

エリアセンサ

【課題】 投光器および受光器を設置するときの離間距離の自由度を高めること。
【解決手段】 受光器1は複数の受光素子4を上から下に向けて順に有効化するものであり、投光器21はスキャンミラー24の傾斜角度を複数の受光素子4が順に有効化されることに同期して変更し、投光素子23から投射された光をスキャンミラー24によって反射することで有効化された受光素子4に順に入射させる。この構成の場合、受光器1および投光器21間の離間距離Lに応じて投光領域Eの拡がり角θを調整し、投光器21から受光器1以外の余分な領域に外乱光が投射されることを防止しているので、受光器1および投光器21を設置するときの離間距離Lの自由度が高まる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非一次元的に拡がる検出領域を備えたエリアセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
上記エリアセンサには、図24の(a)に示すように、投光器201から受光器202に向って拡がる投光領域203を形成したり、図25の(a)に示すように、受光器202から投光器201に向って拡がる受光領域204を形成した構成のものがある。この構成の場合、投光器201および受光器202を離間距離Lmin〜Lmaxの範囲内で設置することが仕様で決められており、投光領域203の拡がり角θは、図24の(a)に示すように、両者を最小の離間距離Lminで設置したときに受光器202が投光領域203内に収まる値に固定され、受光領域204の拡がり角θは、図25の(a)に示すように、両者を最小の離間距離Lminで設置したときに投光器201が受光領域204内に収まる値に固定されている。
【特許文献1】特開平9−265880号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記エリアセンサの場合、投光器201および受光器202を離間距離Lmaxで設置したときには、図24の(b)に示すように、投光器201から受光器202以外の余分な領域に光が外乱光として投射されたり、図25の(b)に示すように、受光器202が投光器201以外の余分な領域から投射された光を外乱光として受光する虞れがある。このため、投光器201および受光器202を設置するときの離間距離に実使用上の制約があった。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、投光器および受光器を設置するときの離間距離の自由度を高めることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1〜6に係る各発明は投光器から受光器に向って拡がる投光領域を有するエリアセンサを対象とするものであり、投光領域の拡がり角を調整する投光領域調整手段を課題の解決手段として設けたものである。
請求項7〜12に係る各発明は受光器から投光器に向って拡がる受光領域を有するエリアセンサを対象とするものであり、受光領域の拡がり角を調整する受光領域調整手段を課題の解決手段として設けたものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1〜6に係る各発明によれば、投光器および受光器間の離間距離に応じて投光領域の拡がり角を調整し、投光器から受光器以外の余分な領域に外乱光が投射されることを防止できるので、両者を設置するときの離間距離の自由度が高まる。
請求項7〜12に係る各発明によれば、投光器および受光器間の離間距離に応じて受光領域の拡がり角を調整し、受光器が投光器以外の余分な領域から投射された光を外乱光として受光することを防止できるので、両者を設置するときの離間距離の自由度が高まる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
【実施例1】
【0008】
1.受光器1の説明
受光器ケース2は、図1に示すように、長尺な本体ケースに相当するものであり、受光器ケース2には複数の受光レンズ3が固定されている。これら受光レンズ3は等ピッチで縦一列に配列されたものであり、受光器ケース2には受光窓14が固定されている。この受光窓14は受光器ケース2の長手方向に沿って延びる長尺な透明板からなるものであり、複数の受光レンズ3は受光窓14によって前方から覆われている。これら各受光レンズ3の後方には、図2に示すように、フォトダイオードからなる受光素子4が配置されている。これら受光素子4は受光器ケース2内に収納されたものであり、前方の受光レンズ3から受光窓14を通して入射光が与えられることに基いて受光信号を出力する。
【0009】
受光器ケース2内には、図3に示すように、受光制御回路5が収納されている。この受光制御回路5はマイクロコンピュータを主体に構成されたものであり、CPU6・ROM7・RAM8を有している。この受光制御回路5のROM7には受光制御プログラムが記録されており、受光制御回路5のCPU6は受光制御プログラムに基いてシフトレジスタ9のクロック端子に複数のクロックパルスを一定の時間間隔で出力し、シフトレジスタ9のデータ入力端子に1個目のクロックパルスに同期してデータパルスを出力する。
【0010】
シフトレジスタ9は受光器ケース2内に収納されたものであり、受光制御回路5からのデータパルスおよび1個目のクロックパルスに基いてハイレベル信号を生成し、ハイレベル信号をクロックパルスに同期してシフトさせることに基いて複数のアナログスイッチ10に順に出力する。これら各アナログスイッチ10はシフトレジスタ9からハイレベル信号が与えられることに基いて導通するものであり、各受光素子4はアナログスイッチ10が導通することに基いて有効化される。即ち、複数の受光素子4はクロックパルスに同期して最上段から最下段に向けて順に有効化されるものであり、有効状態で受光窓14および受光レンズ3を通して入射光を検出することに基いて受光制御回路5に受光信号を出力する。
【0011】
受光器ケース2には、図1に示すように、モードスイッチ11が装着されている。このモードスイッチ11はテストモードおよび通常モードを選択する選択手段に相当するものであり、図3に示すように、受光制御回路5に接続されている。前者のテストモードはエリアセンサの実際の設置状態に合せてパラメータを設定する特殊モードであり、エリアセンサを最初に設置するときに使用される。後者の通常モードは対象物の有無を実際に検出するモードであり、テストモードでパラメータを設定した後に使用される。
【0012】
受光器ケース2には、図1に示すように、表示器12が装着されており、表示器12は、図3に示すように、受光制御回路5に接続されている。この表示器12は複数のLED13からなるものであり、受光制御回路5は表示器12を点灯制御することに基いて物体の検出状態等の運転状態を報知する。
2.投光器21の説明
投光器ケース22は、図1に示すように、受光器ケース2に対向配置されるものであり、投光器ケース22内には、図2に示すように、1個の投光素子23が収納されている。この投光素子23はビーム状の赤外線を投射する赤外線LEDからなるものであり、投光素子23の上方にはガルバノミラーからなる板状のスキャンミラー24が配置されている。このスキャンミラー24は投光器ケース22内に収納されたものであり、水平な軸25を中心に回動可能にされている。このスキャンミラー24は投光素子23から投射された光を折曲げる反射鏡に相当するものであり、スキャンミラー24が反射する光は投光器ケース22の窓部から検出光として出射される。
【0013】
投光器ケース22内には、図3に示すように、サーボモータからなるスキャンモータ26が収納されている。このスキャンモータ26はスキャンミラー24の軸25に連結されたものであり、スキャンミラー24を矢印方向へ一定速度で正転操作することに基いて検出光の出射角度θfを変える。このスキャンモータ26はモータ駆動回路27を介して投光制御回路28に接続されており、投光制御回路28はケーブル29(図1参照)を介して受光制御回路5に接続されている。これらモータ駆動回路27および投光制御回路28は投光器ケース22内に収納されたものであり、投光制御回路28はモータ駆動回路27を通してスキャンモータ26を駆動制御する。
【0014】
投光制御回路28はマイクロコンピュータを主体に構成されたものであり、CPU30・ROM31・RAM32を有している。この投光制御回路28のROM31には投光制御プログラムが記録されている。この投光制御プログラムはスキャンモータ26をスキャン開始位置θsからスキャン停止位置θeまで正転させた後にスキャン停止位置θeからスキャン開始位置θsまで逆転させる動作を繰返すものであり、投光制御回路28のCPU30はスキャンモータ26をスキャン開始位置θsに位置決めする毎に受光制御回路5にスキャン指令を送信する。尚、投光制御回路28は投光領域調整手段に相当するものである。
【0015】
投光制御回路28のCPU30はクロックパルスに同期する駆動信号を生成し、スキャンモータ26を駆動信号に基いて回転操作する。このクロックパルスは受光制御回路5からケーブル29を通して与えられるものであり、スキャンモータ26は複数の受光素子4が最上段から最下段に向けて順に有効化されることに同期して正転する。即ち、スキャンミラー24は複数の受光素子4が順に有効化されることに同期して矢印方向へ正転するものであり、スキャンミラー24の正転時には反射光が有効な受光素子4に順に入射される。
【0016】
次に上記構成の作用について説明する。
受光制御回路5のCPU6は図4のステップS1へ移行すると、モードスイッチ11の操作状態に基いて現在の設定モードを判断する。ここでテストモードが設定されていることを検出したときにはステップS2へ移行し、投光制御回路28にテスト指令を送信する。すると、投光制御回路28のCPU30はテスト指令を検出し、スキャンモータ26のスキャン停止位置θeをROM31に予め記録された最大位置θmaxに初期設定する。この最大位置θmaxは、図5の(a)に示すように、受光器ケース2および投光器ケース22が最短の離間距離Lminで設置されたときに最上段の受光素子4から最下段の受光素子4まで検出光を限定的に投射することが可能な位置を称するものであり、スキャン停止位置の初期設定状態で受光器ケース2および投光器ケース22が離間距離L(>Lmin)で設置されているときには最下段の受光素子4を下方に超えて検出光が投射されることになる。
【0017】
受光制御回路5のCPU6は図4のステップS3へ移行すると、スキャン指令の有無を判断する。このスキャン指令は投光制御回路28がスキャンモータ26をスキャン開始位置θsにセットすることに基いて送信するものであり、受光制御回路5のCPU6はステップS3でスキャン指令を検出したときにはステップS4へ移行する。
受光制御回路5のCPU6はステップS4へ移行すると、投光制御回路28およびシフトレジスタ9の双方に対するクロックパルスの出力を開始し、シフトレジスタ9だけに1個のデータパルスを出力する。すると、複数の受光素子4がクロックパルスに同期して設定順序で有効化され、スキャンモータ26がクロックパルスに同期してスキャン開始位置θsから最大位置θmaxまで正転し、スキャンミラー24からの反射光が有効な受光素子4に順に入射される。
【0018】
受光制御回路5のCPU6はステップS5へ移行すると、タイマTをスタートさせる。このタイマTは受光制御回路5が受光素子4からの受光信号を検出している受光走査時間を実測するものであり、受光走査時間は、図5の(a)に示すように、受光器ケース2および投光器ケース22が最小の離間距離Lminで設置されたときに最大値Tmaxになり、図5の(b)に示すように、受光器ケース2および投光器ケース22が最大の離間距離Lmaxで設置されたときに最小値Tminになる。尚、最小の離間距離Lminおよび最大の離間距離Lmaxは製品の仕様で定められた定格値を称する。
【0019】
受光制御回路5のCPU6は図4のステップS6へ移行すると、受光信号の有無を判断する。ここで受光信号がないことを検出したときにはステップS7へ移行し、タイマTを停止させることに基いて受光走査時間の計測処理を終える。
受光制御回路5のROM7には、下記(1)に示すように、スキャン停止位置θeの演算式が予め記録されており、受光制御回路5のCPU6は図4のステップS8へ移行すると、演算式(1)に受光走査時間の計測結果Tを投入することに基いてスキャン停止位置θeを演算する。そして、ステップS9へ移行し、スキャン停止位置θeの演算結果を投光制御回路28に送信する。すると、投光制御回路28のCPU30はスキャン停止位置の初期設定結果θmaxを演算結果に更新する。
【0020】
θe=(T*Δθ/ΔT)+θs ・・・・・(1)
(但し、Δθ/ΔTは受光制御回路5のROM7に予め記録されたスキャンモータ26の単位時間当りの回転量である。)
受光制御回路5のCPU6はステップS1でモードスイッチ11が通常モードに設定されていることを検出すると、ステップS10の通常処理を行う。この通常処理は投光制御回路28からのスキャン指令を検出することに基いて複数の受光素子4を順に有効化し、スキャンミラー24からの投射光を有効な受光素子4に順に入射させるものである。この通常処理では投光制御回路28がスキャンモータ26をスキャン開始位置θsからスキャン停止位置θeの演算結果まで正転させ、受光器ケース2および投光器ケース22間の現実の離間距離Lに応じたエリア内に限定して三角形状の投光領域Eを生成する。即ち、投光領域Eの拡がり角θはスキャンモータ26の回動量(θe―θs)で確定されるものであり、受光器ケース2および投光器ケース22間の現実の離間距離Lに基いて自動的に調整される。
【0021】
上記実施例1によれば次の効果を奏する。
受光器1および投光器21間の離間距離Lに応じて投光領域Eの拡がり角θを調整し、投光器21から受光器1以外の余分な領域に外乱光が投射されることを防止したので、受光器1および投光器21を設置するときの離間距離Lの自由度が高まる。
受光走査時間Tの計測結果に基いてスキャンモータ26のスキャン停止位置θeを演算し、スキャンモータ26を固定的なスキャン開始位置θsから可変的なスキャン停止位置θeまで回動操作することに基いてスキャンミラー24の傾斜角度の変動量(θe―θs)を加減し、投光領域Eの拡がり角θをスキャンミラー24の走査範囲を変えることに基いて制御した。このため、使用者が投光領域Eの拡がり角θを手動操作で調整する煩わしさがなくなるので、利便性が高まる。
【0022】
上記実施例1においては、スキャンモータ26のスキャン停止位置θeを調整することに基いて投光領域Eの拡がり角θを調整したが、これに限定されるものではなく、例えば投光素子23の発光停止タイミングを変える制御を行うことに基いて投光領域Eの拡がり角θを調整しても良い。即ち、スキャンモータ26のスキャン停止位置θeを最大値θmaxに固定し、受光制御回路5が最下段の最終発光順序の受光素子4からの受光信号を検出することに基いて投光制御回路28に投光停止指令を送信するように構成する。この投光停止指令は投光制御回路28に投光素子23の発光停止を指令するものであり、投光制御回路28はスキャンミラー24から最下段の受光素子4に光を投射した直後に投光素子23を発光停止させる。この構成の場合、使用者が投光領域Eの拡がり角θを手動操作で調整する煩わしさがなくなるので、利便性が高まる。
【実施例2】
【0023】
受光器ケース22内には、図6に示すように、第1の投光素子41および第1のスキャンミラー42が収納されている。この第1のスキャンミラー42は第1の軸43を中心に回動可能にされたものであり、第1の軸43は第1のスキャンモータに連結されている。この第1のスキャンモータは投光制御回路28に接続されており、投光制御回路28は第1のスキャンモータを固定的な第1のスキャン開始位置θs1から固定的な第1のスキャン停止位置θe1まで受光制御回路5からのクロックパルスに同期して操作し、第1の投光素子41から上半部の複数の受光素子4に有効タイミングで検出光を入射する。
【0024】
受光器ケース22内には第2の投光素子44および第2のスキャンミラー45が収納されている。この第2のスキャンミラー45は第2の軸46を中心に回動可能にされたものであり、第2の軸46は第2のスキャンモータに連結されている。この第2のスキャンモータは投光制御回路28に接続されており、投光制御回路28は第2のスキャンモータを固定的な第2のスキャン開始位置θs2から固定的な第2のスキャン停止位置θe2まで受光制御回路5からのクロックパルスに同期して操作し、第2の投光素子44から下半部の複数の受光素子4に有効タイミングで検出光を入射する。
【0025】
上記構成の場合、受光制御回路5は受光素子4のうち特定の第1の受光素子4Aからの受光信号を検出することに基いて投光制御回路28に第1の投光停止指令を送信する。この第1の受光素子4Aとは第1の投光素子41および第1のスキャンミラー42が分担する上半部の複数の受光素子4のうち最下段のものであり、投光制御回路28は第1の発光停止指令を検出することに基いて第1の投光素子41を発光停止させる。
【0026】
受光制御回路5は受光素子4のうち特定の第2の受光素子4Bからの受光信号を検出することに基いて投光制御回路28に第2の投光停止指令を送信する。この第2の受光素子4Bとは第2の投光素子44および第2のスキャンミラー45が分担する下半部の複数の受光素子4のうち最下段のものであり、投光制御回路28は第2の発光停止指令を検出することに基いて第2の投光素子44を発光停止させる。即ち、投光制御回路28は第1の投光素子41の投光停止タイミングを調整することに基いて第1の投光領域E1の拡がり角θ1を調整し、第2の投光素子44の投光停止タイミングを調整することに基いて第2の投光領域E2の拡がり角θ2を調整する。
【実施例3】
【0027】
投光器ケース22内には、図7に示すように、複数の受光素子51が収納されている。これら受光素子51は受光器ケース2内の受光制御回路5に接続されており、受光制御回路5は受光器ケース2内の最下段の受光素子4に続けて投光器ケース22内の最上段の受光素子51を有効化し、投光素子51を最上段から最下段に向けて順に有効化する。尚、複数の受光素子51は受光部52を構成するものである。
【0028】
受光器ケース2内には投光素子53およびスキャンミラー54が収納されている。このスキャンミラー54は軸55を中心に回動可能にされたものであり、スキャンミラー54の軸55は受光器ケース2内の新たなスキャンモータに連結されている。この新たなスキャンモータは投光器ケース22内の投光制御回路28に接続されており、投光制御回路28は受光器ケース2内の新たなスキャンモータを受光制御回路5からのクロックパルスに同期して固定的なスキャン開始位置θsnから固定的なスキャン停止位置θenまで矢印方向に正転させ、投光器ケース22内の複数の受光素子51に有効タイミングで検出光を順に入射する。尚、投光素子53・スキャンミラー54・新たなスキャンモータは投光部56を構成するものである。
【0029】
上記構成の場合、受光制御回路5は受光器ケース2内の最下段の受光素子4からの受光信号を検出すると、投光制御回路28に投光停止指令を送信する。すると、投光制御回路28は投光器ケース22内の投光素子23を発光停止させる。そして、受光器ケース2内の新たなスキャンモータを駆動し、受光器ケース2内のスキャンミラー54から投光器ケース22内の複数の受光素子51に有効タイミングで検出光を順に入射する。この状態で受光制御回路5は投光器ケース22内の最下段の受光素子51からの受光信号を検出すると、投光制御回路28に新たな投光停止指令を送信する。すると、投光制御回路28は受光器ケース2内の投光素子53を発光停止させる。即ち、投光制御回路28は投光素子23の投光停止タイミングを調整することに基いて投光領域Eの拡がり角θを調整し、投光素子53の投光停止タイミングを調整することに基いて新たな投光領域Enの拡がり角θnを調整するものであり、投光領域調整手段および新たな投光領域調整手段を兼用している。
【0030】
上記実施例2〜実施例3においては、投光素子の発光停止タイミングを変えることに基いて投光領域の拡がり角を調整したが、例えば第1実施例のように、スキャンモータのスキャン停止位置を調整することに基いて投光領域の拡がり角を調整しても良い。
上記実施例1〜実施例3においては、スキャンミラーとしてガルバノミラーを用いたが、これに限定されるものではなく、例えばポリゴンミラーを用いても良い。
【0031】
上記実施例1〜実施例3においては、機械的なモードスイッチ11の操作内容に基いてテストモードおよび通常モードを切換える構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば受光制御回路5にケーブルを介してコンソール等の外部入力手段を接続し、受光制御回路5が外部入力手段からの入力信号に基いてテストモードおよび通常モードを切換える構成としても良い。
【実施例4】
【0032】
投光器ケース22内には、図8に示すように、投光素子61およびレンズ62が収納されている。このレンズ62は投光素子61からの投射光を円形状に3次元に拡がる光に拡散して出射する拡散手段に相当するものであり、投光器ケース22内の移動機構に連結されている。この移動機構はレンズ62を投光素子61に対して直線的に移動操作することに基いて両者の離間距離を変えるものであり、投光領域Eの拡がり角θは両者の離間距離に応じて変化する。
【0033】
受光器ケース2内には複数の受光素子63が収納されており、レンズ62から投射された拡散光は複数の受光素子63に入射する。これら受光素子63はレンズ62からの拡散光を検出することに基いて受光信号を出力するものであり、受光制御回路に接続されている。この受光制御回路は受光信号の出力状態に基いて対象物の有無を検出するものであり、複数の受光素子63をスキャンすることなく同時に有効化する。この受光制御回路は受光器ケース2の表示器12に接続されており、受光制御回路は複数の全ての受光素子63から受光信号が出力されていることを検出することに基いて表示器12の所定のLEDを点灯し、少なくとも1個の受光素子63から受光信号が出力されていないことを検出することに基いて所定のLED13を消灯する。
【0034】
投光器ケース22には投光領域調整手段に相当するダイアル65が回動可能に装着されている。このダイアル65は移動機構を手動操作する操作子に相当するものであり、投光素子61およびレンズ62間の離間距離はダイアル65を回動操作することで調節される。即ち、ダイアル65は受光器ケース2および投光器ケース21間の離間距離に応じて投光領域Eの拡がり角θを手動調整するものであり、拡がり角θの調整手順は次の通りである。
1)受光器ケース2および投光器ケース22が光軸の調整状態で設置されている場合
所定のLED13の点灯の有無を監視しながらダイアル65を回動操作し、所定のLED13が点灯状態から消灯状態に切換わる直前位置にダイアル65を合わせる。この状態ではレンズ62からの拡散光が最上段の受光素子63と最下段の受光素子63との間に限定的に投射され、外乱光の発生が防止される。
2)受光器ケース2および投光器ケース22が光軸の調整状態で設置されていない場合
ダイアル65を最大位置に回動操作することに基いて投光領域Eの拡がり角θを最大値に設定し、受光器ケース2および投光器ケース22の設置状態を調整することに基いて所定のLED13を点灯させる。この所定のLED13の点灯状態でダイアル65を回動操作することに基いて投光領域Eの拡がり角θを小さくする。このとき、光軸調整しても所定のLED13が消灯状態から点灯状態に復帰しない位置を探索し、ダイアル65の回動位置を探索結果の手間に合わせる。
【0035】
上記第4実施例によれば、受光器1および投光器21間の離間距離に応じて投光領域Eの拡がり角θを調整し、投光器21から受光器1以外の余分な領域に外乱光が投射されることを防止したので、投光器21から検出光が無駄に投射されることがなくなる。この検出光の投射量は離間距離の2乗に比例して低下するものであり、余分な領域が存在しない分だけ有効利用される投光量が多くなる。このため、S/N比が向上するので、外乱光に対して強くなる。
【実施例5】
【0036】
投光器ケース22内には、図9に示すように、第1の投光素子71および第1のレンズ72が収納されている。この第1のレンズ72は第1の投光素子71からの投射光を円形状に3次元に拡がる検出光に拡散して上半部の複数の受光素子63に出射する拡散手段に相当するものであり、第1の移動機構に連結されている。この第1の移動機構は第1のレンズ72を第1の投光素子71に対して移動操作するものであり、第1の移動機構には投光領域調整手段に相当する第1のダイアル73が連結されている。この第1のダイアル73は第1の移動機構を介して第1のレンズ72を移動操作するものであり、第1のレンズ72が生成する第1の投光領域E1の拡がり角θ1は第1のダイアル73の操作量に応じて変化する。
【0037】
投光器ケース22内には第2の投光素子74および第2のレンズ75が収納されている。この第2のレンズ75は第2の投光素子74からの投射光を円形状に3次元に拡がる検出光に拡散して下半部の複数の受光素子63に出射する拡散手段に相当するものであり、第2の移動機構に連結されている。この第2の移動機構は第2のレンズ75を第2の投光素子74に対して移動操作するものであり、第2の移動機構には投光領域調整手段に相当する第2のダイアル76が連結されている。この第2のダイアル76は第2の移動機構を介して第2のレンズ75を移動操作するものであり、第2のレンズ75が生成する第2の投光領域E2の拡がり角θ2は第2のダイアル76の操作量に応じて変化する。
【0038】
受光器ケース2の表示器12は第1の投光領域E1の拡がり角θ1および第2の投光領域E2の拡がり角θ2を個別に調整する目印となるものであり、受光制御回路は第1の投光素子71および第1のレンズ72が分担する上半部の複数の全ての受光素子63から受光信号が出力されている場合に表示器12の所定のLED13を点灯させ、第2の投光素子74および第2のレンズ75が分担する下半部の複数の全ての受光素子63から受光信号が出力されている場合に表示器12の別の所定のLED13を点灯させる。従って、例えば受光器ケース2および投光器ケース22が光軸の調整状態で設置されているときには所定のLED13および別の所定のLED13が点灯状態から消灯状態に切換わる直前位置に第1のダイアル73および第2のダイアル76を合せることで第1の投光領域E1の拡がり角θ1および第2の投光領域E2の拡がり角θ2が適正値に調整される。
【実施例6】
【0039】
投光器ケース22内には、図10に示すように、複数の受光素子66が収納されている。これら受光素子66は受光器ケース2内の受光制御回路に接続されており、受光制御回路は受光器ケース2内の複数の受光素子63および投光器ケース22内の複数の受光素子66をスキャンすることなく同時に有効化する。尚、複数の受光素子66は受光部67に相当するものである。
【0040】
受光器ケース2内には投光素子68およびレンズ69が収納されている。このレンズ69は投光素子68からの投射光を円形状に3次元に拡がる光に拡散して投光器ケース22内の複数の受光素子66に出射する拡散手段に相当するものであり、移動機構に連結されている。この移動機構は受光器ケース2内のレンズ69を投光素子68に対して移動操作するものであり、レンズ69の移動機構には新たな投光領域調整手段に相当するダイアル90が連結されている。このダイアル90は受光器ケース2に装着されたものであり、レンズ69が生成する新たな投光領域Enの拡がり角θnはダイアル90の操作量に応じて変化する。尚、投光素子68とレンズ69とレンズ69の移動機構は投光部91を構成するものである。
【0041】
受光器ケース2の表示器12は投光領域Eの拡がり角θおよび新たな投光領域Enの拡がり角θnを調整する目印となるものであり、受光制御回路は投光器ケース22内の複数の全ての受光素子66から受光信号が出力されている場合に表示器12の所定のLED13を点灯させ、受光器ケース2内の複数の全ての受光素子63から受光信号が出力されている場合に表示器12の別の所定のLED13を点灯させる。従って、例えば受光器ケース2および投光器ケース22が光軸の調整状態で設置されているときには所定のLED13および別の所定のLED13が点灯状態から消灯状態に切換わる直前位置にダイアル65およびダイアル90を合せることで投光領域Eの拡がり角θおよび新たな投光領域Enの拡がり角θnが適正値に個別に調整される。
【0042】
上記実施例4〜実施例6においては、ダイアルを回動操作することに基いてレンズおよび投光素子間の離間距離を調整したが、これに限定されるものではなく、例えばノブをスライド操作することに基いてレンズおよび投光素子間の離間距離を調整しても良い。
上記実施例4〜実施例6においては、レンズを移動操作することで投光領域の拡がり角を調整したが、これに限定されるものではなく、例えば投光素子を移動操作することで投光領域の拡がり角を調整しても良い。要はレンズおよび投光素子の少なくとも一方を相手側に対して相対的に移動操作することで投光領域の拡がり角を調整すれば良い。
【0043】
上記実施例4〜実施例6においては、レンズおよび投光素子間の離間距離を手動操作で調整したが、これに限定されるものではなく、例えばモータ等の電気的な駆動源を用いて調整しても良い。
上記実施例4〜実施例6においては、投光素子から投射された光芒を拡げるレンズとしてシリントリカルレンズを用い、投光器から離れるに従って投光器の長手方向に拡がる楕円形状の投光領域を形成しても良い。
【0044】
上記実施例4〜実施例6においては、レンズおよび投光素子間の離間距離に基いて投光領域の拡がり角を変更したが、これに限定されるものではなく、例えば下記1)〜6)のように構成しても良い。
1)投光素子からの投射光を拡げる複数のレンズを設け、複数のレンズ間の離間距離を変えることに基いて投光領域の拡がり角を変更する。
2)屈折率が異なる複数のレンズを選択的に使用し、投光素子からの投射光をレンズの屈折率に応じた異なる角度で拡げることに基いて投光領域を変更する。
3)投光素子からの投射光を拡散プレートのスリットを通して拡げて出射することで投光領域を形成する。この拡散プレートを着脱したり、交換することで投光領域の拡がり角を変更する。
4)拡散プレートを投光素子に対して相対的に移動操作することに基いてスリットおよび投光素子間の離間距離を変え、投光領域の拡がり角を変更する。
5)拡散プレートのスリット幅を変更可能に設け、スリット幅を変更することに基いて投光領域の拡がり角を変更する。
6)投光素子からの投射光の拡がり角を凹面鏡によって変更することで投光領域の拡がり角を変更する。
【0045】
上記実施例1〜実施例6においては、受光器の受光領域を固定したが、これに限定されるものではなく、例えば実施例7に示すように、受光器の受光領域を調整する受光領域調整手段を設けても良い。
【実施例7】
【0046】
受光器ケース2内には、図11に示すように、各受光素子4の前方に位置してレンズ81が収納されている。これら各レンズ81は投光素子23からの投射光を集光して後方の受光素子4に入射するものであり、共通の移動機構に連結されている。この移動機構は複数のレンズ81を共通に移動操作するものであり、移動機構にはダイアル82が連結されている。このダイアル82は受光領域調整手段に相当するものであり、複数の受光素子4の受光領域はダイアル82の操作量に応じて共通の拡がり角に調節される。
【0047】
上記実施例7においては、複数のレンズ81を1個のダイアル81によって共通に移動操作したが、これに限定されるものではなく、例えば複数のレンズ81毎に移動機構およびダイアルを設け、複数のレンズ81を複数のダイアルによって個別に移動操作することに基いて複数の受光素子4毎に受光領域を調整する構成としても良い。
上記実施例1〜実施例7においては、投光器からの投射光を複数の受光素子によって受光したが、これに限定されるものではなく、例えば実施例8に示すように、1個の受光素子によって受光しても良い。
【実施例8】
【0048】
受光器ケース2内には、図12に示すように、凹面鏡82が収納されている。この凹面鏡82はレンズ62から投射される拡散光を折曲げるものであり、凹面鏡82からの反射光はレンズ83を通して1個の受光素子84に入射する。
【実施例9】
【0049】
1.投光器100の説明
投光器ケース101は、図13に示すように、長尺な本体ケースに相当するものであり、投光器ケース101には複数の投光レンズ102が固定されている。これら投光レンズ102は等ピッチで縦一列に配列されたものであり、投光器ケース101には投光窓109が固定されている。この投光窓109は投光器ケース101の長手方向に沿って延びる長尺な透明板からなるものであり、複数の投光レンズ102は投光窓109によって前方から覆われている。この投光器ケース101内には、図14に示すように、各投光レンズ102の後方に位置して投光素子103が収納されている。これら投光素子103は赤外線LEDからなるものであり、ビーム状の赤外線を前方の投光レンズ102から投光窓109を通して投射する。
【0050】
投光器ケース101内には、図15に示すように、投光制御回路104が収納されている。この投光制御回路104はマイクロコンピュータを主体に構成されたものであり、CPU105・ROM106・RAM107を有している。この投光制御回路104のROM106には投光制御プログラムが記録されており、投光制御回路104のCPU105は投光制御プログラムに基いてシフトレジスタ108のクロック端子に複数のクロックパルスを一定の時間間隔で出力し、シフトレジスタ108のデータ入力端子に1個目のクロックパルスに同期してデータパルスを与える。
【0051】
シフトレジスタ108は投光器ケース101内に収納されたものであり、投光制御回路104からのデータパルスおよび1個目のクロックパルスに基いてハイレベル信号を生成し、ハイレベル信号をクロックパルスに同期してシフトさせることに基いて図14の最上段の投光素子103から図14の最下段の投光素子103の順序で光を投射する。
2.受光器110の説明
受光器ケース111内には、図14に示すように、フォトダイオードからなる1個の受光素子112が収納されている。この受光素子112の上方にはガルバノミラーからなる板状のスキャンミラー113が配置されており、複数の投光素子103はスキャンミラー113に向けて光を投射するように配置されている。このスキャンミラー113は各投光素子103からの投射光を受光素子112に向けて反射する反射鏡に相当するものであり、軸114を中心に回動可能にされている。
【0052】
受光器ケース111内には、図15に示すように、サーボモータからなるスキャンモータ115が収納されており、スキャンモータ115はスキャンミラー113の軸114に連結されている。このスキャンモータ115はモータ駆動回路116を介して受光制御回路117に接続されており、受光制御回路117はケーブル118(図13参照)を介して投光制御回路104に接続されている。これらモータ駆動回路116および受光制御回路117は受光器ケース111内に収納されたものであり、受光制御回路117はモータ駆動回路116を通してスキャンモータ115を駆動制御する。
【0053】
受光制御回路117はマイクロコンピュータを主体に構成されたものであり、CPU119・ROM120・RAM121を有している。この受光制御回路117のROM120には受光制御プログラムが記録されている。この受光制御プログラムはスキャンモータ115をスキャン開始位置θsからスキャン停止位置θeまで一定速度で正転させた後にスキャン停止位置θeからスキャン開始位置θsまで逆転させる動作を繰返すものであり、受光制御回路117のCPU119はスキャンモータ115をスキャン開始位置θsに位置決めする毎に投光制御回路104にスキャン指令を送信する。尚、受光制御回路117は受光領域調整手段に相当するものである。
【0054】
受光制御回路117のCPU119はクロックパルスに同期する駆動信号を生成し、スキャンモータ115を駆動信号に基いて回転操作する。このクロックパルスは投光制御回路104からケーブル118を通して与えられるものであり、スキャンモータ115は複数の投光素子103から光が順に投射されることに同期して矢印方向へ正転する。即ち、スキャンミラー113は複数の投光素子103から光が順に投射されることに同期して正転操作されるものであり、スキャンミラー113の正転時には複数の投光素子103からの投射光が受光素子112に順に入射される。
【0055】
受光制御回路117には、図15に示すように、表示器123が接続されている。この表示器123は受光器ケース111に装着された複数のLEDからなるものであり、受光制御回路117は表示器123を点灯制御することに基いて物体の検出状態等の運転状態を報知する。
受光制御回路117には、図15に示すように、モードスイッチ122が接続されている。このモードスイッチ122は、図13に示すように、受光器ケース111に装着されたものであり、受光制御回路117のCPU119は図16のステップS11へ移行すると、モードスイッチ122の操作状態に基いて現在の設定モードを判断する。ここでテストモードが設定されていることを検出したときにはステップS12へ移行し、スキャンモータ115のスキャン停止位置θeをROM120に予め記録された最大位置θmaxに初期設定する。この最大位置θmaxは、図17の(a)に示すように、投光器ケース101および受光器ケース111が最短の離間距離Lminで設置されたときに最上段の投光素子103から最下段の投光素子103まで投射光を限定的に検出することが可能な値を称するものであり、スキャン停止位置の初期設定状態で投光器ケース101および投光器ケース111が離間距離L(>Lmin)で設置されているときには最下段の投光素子103を下方に超えて光がスキャンミラー113に入射される。
【0056】
受光制御回路117のCPU119は図16のステップS12でスキャン停止位置θeを初期設定すると、ステップS13でスキャンモータ115をスキャン開始位置θsにセットし、ステップS14で投光制御回路104にスキャン指令を送信する。すると、投光制御回路104のCPU105はスキャン指令を検出し、受光制御回路117およびシフトレジスタ108の双方に対するクロックパルスの出力を開始し、シフトレジスタ108だけに1個のデータパルスを出力する。すると、複数の投光素子103がクロックパルスに同期して順に発光し、スキャンモータ115がクロックパルスに同期してスキャン開始位置θsから最大位置θmaxまで正転し、複数の投光素子103からの投射光がスキャンミラー113を通して受光素子112に順に入射される。
【0057】
受光制御回路117のCPU119はステップS15へ移行すると、タイマTをスタートさせる。このタイマTは受光制御回路117が受光素子112からの受光信号を検出している受光走査時間を実測するものであり、受光走査時間は、図17の(a)に示すように、投光器ケース101および受光器ケース111が最小の離間距離Lminで設置されたときに最大値Tmaxになり、図17の(b)に示すように、投光器ケース101および受光器ケース111が最大の離間距離Lmaxで設置されたときに最小値Tminになる。
【0058】
受光制御回路117のCPU119は図16のステップS16へ移行すると、受光信号の有無を判断する。ここで受光信号がないことを検出したときにはステップS17へ移行し、タイマTを停止させる。そして、ステップS18で受光走査時間の計測結果Tを演算式(1)に投入することに基いてスキャン停止位置θeを演算し、ステップS19でスキャン停止位置の初期設定結果θmaxを演算結果に更新する。
【0059】
θe=(T*Δθ/ΔT)+θs ・・・・・(1)
(但し、Δθ/ΔTは受光制御回路117のROM120に予め記録されたスキャンモータ115の単位時間当りの回転量である。)
受光制御回路117のCPU119はステップS11でモードスイッチ122が通常モードに設定されていることを検出すると、ステップS20の通常処理を行う。この通常処理は投光制御回路104からのクロックパルスに同期してスキャンミラー113を正転操作し、複数の投光素子103からの投射光を受光素子112に順に入射させるものである。この通常処理では受光制御回路117がスキャンモータ115を固定的なスキャン開始位置θsからスキャン停止位置θeの演算結果まで正転させ、投光器ケース101および受光器ケース111間の現実の離間距離Lに応じたエリア内に限定して三角形状の受光領域Fを生成する。即ち、受光領域Fの拡がり角θはスキャンモータ115の回動量(θe―θs)で確定されるものであり、投光器ケース101および受光器ケース111間の現実の離間距離Lに基いて自動的に調整される。
【0060】
上記第9実施例によれば次の効果を奏する。
投光器100および受光器110間の離間距離Lに応じて受光領域Fの拡がり角θを調整し、受光器110が投光器100以外の余分な領域から投射された光を外乱光として受光することを防止したので、投光器100および受光器110を設置するときの離間距離Lの自由度が高まる。
【0061】
受光走査時間Tの計測結果に基いてスキャンモータ115のスキャン停止位置θeを演算し、スキャンモータ115を固定的なスキャン開始位置θsから可変的なスキャン停止位置θeまで回動操作することに基いてスキャンミラー113の傾斜角度の変動量(θe―θs)を加減し、受光領域Fの拡がり角θをスキャンミラー113の走査範囲を変えることに基いて制御した。このため、使用者が受光領域Fの拡がり角θを手動操作で調整する煩わしさがなくなるので、利便性が高まる。
【0062】
上記実施例9においては、スキャンモータ115のスキャン停止位置θeを調整することに基いて受光領域Fの拡がり角θを調整したが、これに限定されるものではなく、例えば受光素子112の無効化タイミングを変える制御を行うことに基いて受光領域Fの拡がり角θを調整しても良い。即ち、スキャンモータ115のスキャン停止位置θeを最大値θmaxに固定し、投光制御回路104が最下段の最終投光順序の投光素子103を発光停止させることに基いて受光制御回路117に受光停止指令を送信するように構成する。この受光停止指令は受光制御回路117に受光素子112の無効化を指令するものであり、受光制御回路117は最下段の投光素子103からの投射光を受光素子112に入射させた直後に受光素子112を無効化する。この構成の場合、使用者が受光領域Fの拡がり角θを手動操作で調整する煩わしさがなくなるので、利便性が高まる。
【実施例10】
【0063】
受光器ケース111内には、図18に示すように、第1の受光素子131および第1のスキャンミラー132が収納されている。この第1のスキャンミラー132は第1の軸133を中心に回動可能にされたものであり、第1の軸133には第1のスキャンモータが連結されている。この第1のスキャンモータは受光制御回路117に接続されており、受光制御回路117は第1のスキャンモータを固定的な第1のスキャン開始位置θs1から固定的な第1のスキャン停止位置θe1まで投光制御回路104からのクロックパルスに同期して操作し、上半部の複数の投光素子103からの投射光を第1のスキャンミラー132を通して第1の受光素子131に順に入射する。
【0064】
受光器ケース111内には第2の投光素子134および第2のスキャンミラー135が収納されている。この第2のスキャンミラー135は第2の軸136を中心に回動可能にされたものであり、第2の軸136には第2のスキャンモータが連結されている。この第2のスキャンモータは受光制御回路117に接続されており、受光制御回路117は第2のスキャンモータを固定的な第2のスキャン開始位置θs2から固定的な第2のスキャン停止位置θe2まで投光制御回路104からのクロックパルスに同期して操作し、下半部の複数の投光素子103からの投射光を第2のスキャンミラー135を通して第2の受光素子134に順に入射する。
【0065】
上記構成の場合、投光制御回路104は投光素子103のうち特定の第1の投光素子103Aを発光停止させることに基いて受光制御回路117に第1の受光停止指令を送信する。この第1の受光素子103Aは第1の投光素子131および第1のスキャンミラー132が分担する上半部の複数の投光素子103のうち最下段のものであり、受光制御回路117は第1の受光停止指令を検出することに基いて第1の受光素子131を無効化する。
【0066】
投光制御回路104は投光素子103のうち特定の第2の投光素子103Bを発光停止させることに基いて受光制御回路117に第2の受光停止指令を送信する。この第2の投光素子103Bは第2の受光素子134および第2のスキャンミラー135が分担する下半部の複数の投光素子103のうち最下段のものであり、受光制御回路117は第2の受光停止指令を検出することに基いて第2の受光素子134を無効化する。即ち、受光制御回路117は第1の受光素子131の無効化タイミングを調整することに基いて第1の受光領域F1の拡がり角θ1を調整し、第2の受光素子134の無効化タイミングを調整することに基いて第2の受光領域F2の拡がり角θ2を調整する。
【実施例11】
【0067】
受光器ケース111内には、図19に示すように、複数の投光素子141が収納されている。これら投光素子141は投光器ケース101内の投光制御回路104に接続されており、投光制御回路104は投光器ケース101内の最下段の投光素子103に続けて受光器ケース111内の最上段の投光素子141を発光させ、投光素子141を最上段から最下段に向って順に発光させる。尚、複数の投光素子141は投光部142を構成するものである。
【0068】
投光器ケース101内には受光素子143およびスキャンミラー144が収納されている。このスキャンミラー144は軸145を中心に回動可能にされたものであり、スキャンミラー144の軸145は投光器ケース101内の新たなスキャンモータに連結されている。このスキャンモータは受光器ケース111内の受光制御回路117に接続されており、受光制御回路117は投光器ケース101内のスキャンモータを投光制御回路104からのクロックパルスに同期して固定的なスキャン開始位置θsnから固定的なスキャン停止位置θenまで矢印方向に正転させ、受光器ケース111内の複数の投光素子141からの投射光をスキャンミラー144を通して受光素子143に順に入射する。尚、受光素子143とスキャンミラー144と新たなスキャンモータは受光部146を構成するものである。
【0069】
上記構成の場合、投光制御回路104は投光器ケース101内の最下段の投光素子103を発光停止させると、受光制御回路117に発光停止指令を送信する。すると、受光制御回路117は受光器ケース111内の受光素子112を無効化する。そして、投光器ケース101内のスキャンモータを駆動し、受光器ケース111内の複数の投光素子141からの投射光を投光器ケース101内のスキャンミラー144を通して受光素子143に順に入射する。この状態で投光制御回路104は受光器ケース111内の最下段の投光素子141を発光停止させると、受光制御回路117に新たな受光停止指令を送信する。すると、受光制御回路117は投光器ケース101内の受光素子143を無効化する。即ち、受光制御回路117は受光素子112の無効化タイミングを調整することに基いて受光領域Fの拡がり角θを調整し、受光素子143の無効化タイミングを調整することに基いて新たな受光領域Fnの拡がり角θnを調整するものであり、受光領域調整手段および新たな受光領域調整手段を兼用している。
【0070】
上記実施例10〜実施例11においては、受光素子の無効化タイミングを変えることに基いて受光領域の拡がり角を調整したが、例えば第1実施例のように、スキャンモータのスキャン停止位置を調整することに基いて受光領域の拡がり角を調整しても良い。
上記実施例9〜実施例11においては、スキャンミラーとしてガルバノミラーを用いたが、これに限定されるものではなく、例えばポリゴンミラーを用いても良い。
【0071】
上記実施例9〜実施例11においては、機械的なモードスイッチ122の操作内容に基いてテストモードおよび通常モードを切換える構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば受光制御回路117にケーブルを介してコンソール等の外部入力手段を接続し、受光制御回路117が外部入力手段からの入力信号に基いてテストモードおよび通常モードを切換える構成としても良い。
【実施例12】
【0072】
投光器ケース101内には、図20に示すように、複数の投光素子151が収納されており、複数の投光素子151は投光制御回路に接続されている。この投光制御回路は投光器ケース101内に収納されたものであり、複数の投光素子151をスキャンすることなく同時に発光させる。
受光器ケース111内には受光素子152およびレンズ153が収納されており、複数の投光素子151はレンズ153に向って光を投射するように配置されている。このレンズ153は複数の投光素子151からの投射光を集光する集光手段に相当するものであり、受光器ケース111内の移動機構に連結されている。この移動機構はレンズ153を受光素子152に対して移動操作することに基いて両者の離間距離を変えるものであり、受光領域Fの拡がり角θは両者の離間距離に応じて変化する。この受光素子152は受光制御回路に接続されている。この受光制御回路は受光器ケース111内に収納されたものであり、受光素子152から出力される受光信号のレベルに基いて受光領域F内に物体が存在するか否かを判定する。
【0073】
受光器ケース111の表示器123は受光制御回路に接続されており、受光制御回路は受光素子152からの受光信号が全入射レベルにあることを検出することに基いて表示器123の所定のLEDを点灯する。この全入射レベルとは受光素子152が複数の全ての投光素子151からの投射光を受光しているレベルを称するものであり、受光制御回路は受光素子152からの受光信号が全入射レベルを下回っていることを検出したときには表示器123の所定のLEDを消灯する。
【0074】
受光器ケース111には受光領域調整手段に相当するダイアル155が回動可能に装着されている。このダイアル155は移動機構を手動操作する操作子に相当するものであり、受光素子152およびレンズ153間の離間距離はダイアル155を回動操作することで調節される。即ち、ダイアル155は投光器ケース101および受光器ケース111間の設置距離に応じてレンズ153の集光度合を変えることに基いて受光領域Fの拡がり角θを手動調整するものであり、拡がり角θの調整手順は次の通りである。
1)投光器ケース100および受光器ケース111が光軸の調整状態で設置されている場合
表示器123の所定のLEDの点灯の有無を監視しながらダイアル155を回動操作し、所定のLEDが点灯状態から消灯状態に切換わる直前位置にダイアル155を合わせる。この状態では受光領域Fが最上段の投光素子151と最下段の投光素子151との間に限定的に合わされ、外乱光がレンズ153を通して受光素子152に入射されることが防止される。
2)投光器ケース100および受光器ケース111が光軸の調整状態で設置されていない場合
ダイアル155を最大位置に回動操作することに基いて受光領域Fの拡がり角θを最大値に設定し、投光器ケース100および受光器ケース111の設置状態を調整することに基いて表示器123の所定のLEDを点灯させる。この所定のLEDの点灯状態でダイアル155を回動操作することに基いて受光領域Fの拡がり角θを小さくする。このとき、光軸調整しても所定のLEDが消灯状態から点灯状態に復帰しない位置を探索し、ダイアル155の回動位置を探索結果の手間に合わせる。
【実施例13】
【0075】
受光器ケース111内には、図21に示すように、第1の受光素子161および第1のレンズ162が収納されている。この第1のレンズ162は上半部の複数の投光素子151からの投射光を第1の投光素子161に入射する集光手段に相当するものであり、拡がり角θ1で3次元に拡がる第1の受光領域F1を生成する。この第1のレンズ162は第1の移動機構に連結されている。この第1の移動機構は第1のレンズ162を第1の投光素子161に対して移動操作するものであり、第1の移動機構には第1のダイアル163が連結されている。この第1のダイアル163は第1の移動機構を介して第1のレンズ162を移動操作する受光領域調整手段に相当するものであり、第1の受光領域F1の拡がり角θ1は第1のダイアル163の操作量に応じて変化する。
【0076】
受光器ケース111内には第2の投光素子164および第2のレンズ165が収納されている。この第2のレンズ165は下半部の複数の投光素子151からの投射光を第2の投光素子164に入射する集光手段に相当するものであり、拡がり角θ2で3次元に拡がる第2の受光領域F2を生成する。この第2のレンズ165は第2の移動機構に連結されている。この第2の移動機構は第2のレンズ165を第2の投光素子164に対して移動操作するものであり、第2の移動機構には第2のダイアル166が連結されている。この第2のダイアル166は第2の移動機構を介して第2のレンズ164を移動操作する受光領域調整手段に相当するものであり、第2の受光領域F2の拡がり角θ2は第2のダイアル166の操作量に応じて変化する。
【0077】
表示器123の所定のLEDは第1の受光領域F1の拡がり角θ1を調整する目印となるものであり、受光制御回路は第1の受光素子161からの受光信号が全入射レベルにあることを検出することに基いて所定のLEDを点灯する。この全入射レベルとは第1のレンズ162が分担する上半部の複数の全ての投光素子151からの投射光を第1の受光素子162が受光しているときの受光信号のレベルを称するものであり、受光制御回路は第1の受光素子161からの受光信号が全入射レベルを下回っていることを検出したときには所定のLEDを消灯する。
【0078】
表示器123の別の所定のLEDは第2の受光領域F2の拡がり角θ2を調整する目印となるものであり、受光制御回路は第2の受光素子164からの受光信号が全入射レベルにあることを検出することに基いて別の所定のLEDを点灯する。この全入射レベルとは第2のレンズ165が分担する下半部の複数の全ての投光素子151からの投射光を第2の受光素子164が受光しているときの受光信号のレベルを称するものであり、受光制御回路は第2の受光素子164からの受光信号が全入射レベルを下回っていることを検出したときには別のLEDを消灯する。従って、例えば投光器ケース100および受光器ケース111が光軸の調整状態で設置されているときには所定のLEDおよび別の所定のLEDが点灯状態から消灯状態に切換わる直前位置に第1のダイアル163および第2のダイアル166を合せることで第1の受光領域F1の拡がり角θ1および第2の受光領域F2の拡がり角θ2が適正値に調整される。
【実施例14】
【0079】
受光器ケース111内には、図22に示すように、複数の投光素子171が収納されている。これら投光素子171は投光器ケース101内の投光制御回路に接続されており、投光制御回路は投光器ケース101内の複数の投光素子151および受光器ケース111内の複数の投光素子171をスキャンすることなく同時に有効化する。尚、複数の投光素子171は投光部172に相当するものである。
【0080】
投光器ケース101内には受光素子173およびレンズ174が収納されており、受光器ケース111内の複数の投光素子171は投光器ケース101内のレンズ174に向けて光を投射するように配置されている。このレンズ174は複数の投光素子171からの投射光を集光して受光素子173に入射する集光手段に相当するものであり、移動機構に連結されている。この移動機構はレンズ174を投光素子173に対して移動操作するものであり、レンズ174の移動機構には新たな受光領域調整手段に相当するダイアル175が連結されている。このダイアル175は投光器ケース101に装着されたものであり、レンズ174が生成する新たな受光領域Fnの拡がり角θnはダイアル175の操作量に応じて変化する。尚、受光素子173およびレンズ174は受光部176を構成するものである。
【0081】
表示器123の所定のLEDは受光領域Fの拡がり角θを調整する目印となるものであり、受光制御回路は受光器ケース111内の受光素子152からの受光信号が全入射レベルにあることを検出することに基いて所定のLEDを点灯する。この全入射レベルとは受光素子152が複数の全ての投光素子151からの投射光を受光しているレベルを称するものであり、受光制御回路は受光素子152からの受光信号が全入射レベルを下回っていることを検出したときには所定のLEDを消灯する。
【0082】
表示器123の別の所定のLEDは新たな受光領域Fnの拡がり角θnを調整する目印となるものであり、受光制御回路は投光器ケース101内の受光素子173からの受光信号が全入射レベルにあることを検出することに基いて別の所定のLEDを点灯する。この全入射レベルとは受光素子173が複数の全ての投光素子171からの投射光を受光しているレベルを称するものであり、受光制御回路は受光素子173からの受光信号が全入射レベルを下回っていることを検出したときには別の所定のLEDを消灯する。従って、例えば投光器ケース100および受光器ケース111が光軸の調整状態で設置されているときには所定のLEDおよび別の所定のLEDが点灯状態から消灯状態に切換わる直前位置にダイアル154およびダイアル175を合せることで受光領域Fの拡がり角θおよび新たな受光領域Fnの拡がり角θnが適正値に個別に調整される。
【0083】
上記実施例12〜実施例14においては、ダイアルを回動操作することに基いてレンズおよび受光素子間の離間距離を調整したが、これに限定されるものではなく、例えばノブをスライド操作することに基いてレンズおよび受光素子間の離間距離を調整しても良い。
上記実施例12〜実施例14においては、レンズを移動操作することで受光領域の拡がり角を調整したが、これに限定されるものではなく、例えば受光素子を移動操作することで受光領域の拡がり角を調整しても良い。要はレンズおよび受光素子の少なくとも一方を相手側に対して相対的に移動操作することで受光領域の拡がり角を調整すれば良い。
【0084】
上記実施例12〜実施例14においては、レンズおよび受光素子間の離間距離を手動操作で変更したが、これに限定されるものではなく、例えばモータ等の電気的な駆動源を用いて変更しても良い。
上記実施例12〜実施例14においては、投光器からの投射光を集光するレンズとしてシリントリカルレンズを用い、受光器から離れるに従って受光器の長手方向に拡がる楕円形状の受光領域を形成しても良い。
【0085】
上記実施例12〜実施例14においては、レンズおよび受光素子間の離間距離に基いて受光領域の拡がり角を変更したが、これに限定されるものではなく、例えば下記1)〜6)のように構成しても良い。
1)投光素子からの投射光を受光する複数のレンズを設け、複数のレンズ間の離間距離を変えることに基いて受光領域の拡がり角を変更する。
2)屈折率が異なる複数のレンズを選択的に使用し、レンズの屈折率に応じた受光領域を選択的に生成することで拡がり角を変更する。
3)投光素子からの投射光を拡散プレートのスリットを通して受光することに基いて受光領域を生成する。この拡散プレートを着脱したり、交換することで受光領域の拡がり角を変更する。
4)拡散プレートを受光素子に対して相対的に移動操作することに基いてスリットおよび受光素子間の離間距離を変え、受光領域の拡がり角を変更する。
5)拡散プレートのスリット幅を変更可能に設け、スリット幅を変更することに基いて受光領域の拡がり角を変える。
6)受光領域の拡がり角を凹面鏡によって変更する。
【0086】
上記実施例9〜実施例14においては、投光器の投光領域を固定したが、これに限定されるものではなく、例えば実施例15に示すように、投光器の投光領域を調整する投光領域調整手段を設けても良い。
【実施例15】
【0087】
投光器ケース101内には、図23に示すように、各投光素子103の前方に位置してレンズ181が収納されている。これら各レンズ181は後方の投光素子103からの投射光を拡散するものであり、共通の移動機構に連結されている。この移動機構は複数のレンズ181を共通に移動操作するものであり、移動機構にはダイアル182が連結されている。このダイアル182は投光領域調整手段に相当するものであり、各投光素子103の投光領域はダイアル182の操作量に応じて共通の拡がり角に調節される。
【0088】
上記実施例15においては、複数のレンズ181を1個のダイアル182によって共通に移動操作したが、これに限定されるものではなく、例えば複数のレンズ181毎に移動機構およびダイアルを設け、複数のレンズ181を複数のダイアルによって個別に移動操作することに基いて複数の投光素子103毎に投光領域を調整する構成としても良い。
上記実施例1〜実施例14においては、複数の投光素子から受光器に光を投射したが、これに限定されるものではなく、例えば実施例8に示すように、1個の投光素子から受光器に投光しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の第1実施例を示す図(受光器および投光器の外観を示す斜視図)
【図2】受光器および投光器の内部構成を示す図
【図3】受光器および投光器の電気的構成を示す図
【図4】受光制御回路の制御内容を示すフローチャート
【図5】(a)は受光器および投光器を最小の離間距離で設置した状態を示す斜視図、(b)は受光器および投光器を最大の離間距離で設置した状態を示す斜視図
【図6】本発明の第2実施例を示す図2相当図
【図7】本発明の第3実施例を示す図2相当図
【図8】本発明の第4実施例を示す図2相当図
【図9】本発明の第5実施例を示す図2相当図
【図10】本発明の第6実施例を示す図2相当図
【図11】本発明の第7実施例を示す図2相当図
【図12】本発明の第8実施例を示す図2相当図
【図13】本発明の第9実施例を示す図1相当図
【図14】図2相当図
【図15】図3相当図
【図16】図4相当図
【図17】図5相当図
【図18】本発明の第10実施例を示す図2相当図
【図19】本発明の第11実施例を示す図2相当図
【図20】本発明の第12実施例を示す図2相当図
【図21】本発明の第13実施例を示す図2相当図
【図22】本発明の第14実施例を示す図2相当図
【図23】本発明の第15実施例を示す図2相当図
【図24】従来例を示す図5相当図
【図25】従来例を示す図17相当図
【符号の説明】
【0090】
Eは投光領域、E1は第1の投光領域(投光領域)、E2は第2の投光領域(投光領域)、Enは新たな投光領域、Fは受光領域、F1は第1の受光領域(受光領域)、F2は第2の受光領域(受光領域)、Fnは新たな受光領域、1は受光器、2は受光器ケース(本体ケース)、4は受光素子、14は受光窓、21は投光器、23は投光素子、24はスキャンミラー(反射鏡)、28は投光制御回路(投光領域調整手段,新たな投光領域調整手段)、41は第1の投光素子(投光素子)、42は第1のスキャンミラー(反射鏡)、44は第2の投光素子(投光素子)、45は第2のスキャンミラー(反射鏡)、52は受光部、56は投光部、61は投光素子、62はレンズ(拡散手段)、63は受光素子、65はダイアル(投光領域調整手段)、67は受光部、71は第1の投光素子(投光素子)、72は第1のレンズ(拡散手段)、73は第1のダイアル(投光領域調整手段)、74は第2の投光素子(投光素子)、75は第2のレンズ(拡散手段)、76は第2のダイアル(投光領域調整手段)、82はダイアル(受光領域調整手段)、84は受光素子、90はダイアル(新たな投光領域調整手段)、91は投光部、100は投光器、101は投光器ケース(本体ケース)、103は投光素子、109は投光窓、110は受光器、112は受光素子、113はスキャンミラー(反射鏡)、117は受光制御回路(受光領域調整手段,新たな受光領域調整手段)、131は第1の受光素子(受光素子)、132は第1のスキャンミラー(反射鏡)、134は第2の受光素子(受光素子)、135は第2のスキャンミラー(反射鏡)、142は投光部、146は受光部、151は投光素子、152は受光素子、153はレンズ(集光手段)、155はダイアル(受光領域調整手段)、161は第1の受光素子(受光素子)、162は第1のレンズ(集光手段)、163は第1のダイアル(受光領域調整手段)、164は第2の受光素子(受光素子)、165は第2のレンズ(集光手段)、166は第2のダイアル(受光領域調整手段)、172は投光部、175はダイアル(新たな受光領域調整手段)、176は受光部、181はレンズ(投光領域調整手段)を示している。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
投光領域内に光を投射する投光器と、
前記投光器に対向配置され、長尺な本体ケースおよび当該本体ケースの長手方向に沿って延びる長尺な受光窓を有する受光器とを備え、
前記受光器は、前記投光器から前記投光領域内に投射された光を前記受光窓を通して受光する受光領域を有するものであり、
前記投光器は、前記投光器から離れるに従って少なくとも前記受光器の長手方向に拡がる投光領域を有するものであり、
前記投光器または前記受光器は、前記投光領域の拡がり角を調整する投光領域調整手段を有していることを特徴とするエリアセンサ。
【請求項2】
前記投光器は、投光素子から投射された光を折曲げて出射する反射鏡の傾斜角度を変動させることに基いて前記投光領域内を走査するものであり、
前記投光領域調整手段は、前記反射鏡の走査範囲を変えることに基いて前記投光領域の拡がり角を調整する制御を行うものであることを特徴とする請求項1記載のエリアセンサ。
【請求項3】
前記投光器は、投光素子から投射された光を折曲げて出射する反射鏡の傾斜角度を変動させることに基いて前記投光領域内を走査するものであり、
前記投光領域調整手段は、前記投光素子の投光停止タイミングを変えることに基いて前記投光領域の拡がり角を調整する制御を行うものであることを特徴とする請求項1記載のエリアセンサ。
【請求項4】
前記投光器は、投光素子から投射された光芒そのものを拡げて出射する拡散手段を有するものであり、
前記投光領域調整手段は、前記拡散手段の拡散度合を変えることに基いて前記投光領域の拡がり角を調整するものであることを特徴とする請求項1記載のエリアセンサ。
【請求項5】
前記投光器または前記受光器は、前記受光器の受光領域を調整する受光領域調整手段を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のエリアセンサ。
【請求項6】
前記受光器に設けられ、前記受光器から離れるに従って前記受光器の長手方向に拡がる新たな投光領域内に光を投射する投光部と、
前記投光器に設けられ、前記新たな投光領域内に投射された光を受光する新たな受光領域を有する受光部と、
前記新たな投光領域の拡がり角を調整する投光領域調整手段と
を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のエリアセンサ。
【請求項7】
長尺な本体ケースおよび当該本体ケースの長手方向に沿って延びる長尺な投光窓を有し、当該投光窓を通して投光領域内に光を投射する投光器と、
前記投光器に対向配置され、前記投光器から前記投光領域内に投射された光を受光する受光領域を有する受光器とを備え、
前記受光器は、前記受光器から離れるに従って少なくとも前記投光器の長手方向に拡がる受光領域を有するものであり、
前記投光器または前記受光器は、前記受光領域の拡がり角を調整する受光領域調整手段を有していることを特徴とするエリアセンサ。
【請求項8】
前記受光器は、前記投光器から投射された光を折曲げて受光素子に入射する反射鏡の傾斜角度を変動させることに基いて前記受光領域内を走査するものであり、
前記受光領域調整手段は、前記反射鏡の走査範囲を変えることに基いて前記受光領域の拡がり角を調整する制御を行うものであることを特徴とする請求項7記載のエリアセンサ。
【請求項9】
前記受光器は、前記投光器から投射された光を折曲げて受光素子に入射する反射鏡の傾斜角度を変動させることに基いて前記受光領域内を走査するものであり、
前記受光領域調整手段は、前記受光素子の無効化タイミングを変えることに基いて前記受光領域の拡がり角を調整する制御を行うものであることを特徴とする請求項7記載のエリアセンサ。
【請求項10】
前記受光器は、前記投光器から投射された複数の光芒を集光して受光素子に入射する集光手段を備え、
前記受光領域調整手段は、前記集光手段の集光度合を変えることに基いて前記受光領域の拡がり角を調整することを特徴とする請求項7記載のエリアセンサ。
【請求項11】
前記投光器または前記受光器は、前記投光器の投光領域を調整する投光領域調整手段を有していることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載のエリアセンサ。
【請求項12】
前記投光器に設けられ、前記投光器から離れるに従って前記投光器の長手方向に拡がる新たな受光領域を有する受光部と、
前記受光器に設けられ、前記新たな受光領域内に光を投射する新たな投光領域を有する投光部と、
前記新たな受光領域の拡がり角を調整する受光領域調整手段と
を備えたことを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載のエリアセンサ。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2006−66350(P2006−66350A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−250892(P2004−250892)
【出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【出願人】(000106221)サンクス株式会社 (578)
【Fターム(参考)】