説明

エンジン制御システム及び作業機

【課題】盗難を防止するためにエンジンの始動制御を行うエンジン制御システム及び作業機の提供。
【解決手段】イモビライザユニットにキーIDが入力された場合(S11:YES)、そのキーIDが予め登録されたキーIDであるか否かを判断する(S12)。予め登録されたキーIDであると判断した場合(S12:YES)、ユニットIDの読出しを行い(S14)、読出したユニットIDをエンジンコントローラへ送信する(S15)。エンジンコントローラでは、イモビライザユニットから送信されるユニットIDを受信した場合(S16:YES)、そのユニットIDが予め登録されたユニットIDであるか否かを判断する(S17)。予め登録されたユニットIDであると判断した場合(S17:YES)、エンジンの始動を行う(S19)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、盗難を防止するためにエンジンの始動制御を行うエンジン制御システム及び作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の盗難を防止する目的でイモビライザなどの盗難防止システムを搭載した車両が普及している。盗難防止システムは、トランスポンダを内蔵したイグニションキーから暗証コードを取得し、取得した暗証コードに基づいて認証処理を行う認証装置と、この認証装置での認証結果に応じてエンジンの始動を許可したり、禁止したりする制御装置とを備えていることが一般的である。
【0003】
また、盗難防止の効果を高めるために、エンジン始動直後においてイグニションキーから取得した第1のコードが予め登録されたコードであるか否かを認証装置にて判定し、予め登録された第1のコードを取得した場合には、第2のコードをエンジン制御装置に送信し、エンジン制御装置にて2回目の認証処理を行うようにした車両用盗難防止装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3388648号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されている車両用盗難防止装置では、エンジンを始動してから第2のコードを用いた2回目の認証処理が正しく完了しない場合に初めてエンジンを停止する構成となっている。
【0005】
特に、エンジンを始動させるためにスタータモータを作動させた場合には、スタータモータが作動し始めるときの電圧効果やノイズなどの影響を受け、認証処理が行えないことがある。そのため、10回程度を上限として認証処理のリトライを行う。そのため、実際にエンジンを始動させてから2回目の認証処理が完了するまでの間にはタイムラグが存在することとなり、その間に車両本体がトラック等に積み込まれて盗難される虞があるという問題点を有していた。また、近年、認証装置を不正に入手し、車両に搭載されている認証装置と交換することによる盗難行為も発生している。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、認証装置は外部から受付けたコードが認証可能である場合には予め記憶しているコード(第2のコード)を制御装置へ送信し、また、制御装置は認証装置から送信される第2のコードに基づいて認証処理を行い、認証可能である場合にはエンジンの始動を行う構成としている。したがって、従来のように認証処理が完了する前にスタータモータが作動することはなく、2段階の認証処理が完了するまでエンジンは始動しないため、盗難防止性が高いエンジン制御システム及び作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明に係るエンジン制御システムは、外部から受付けたコードに基づいて認証処理を行う認証装置と、該認証装置による認証結果に応じて車両に搭載されるエンジンの始動を制御する制御装置とを接続してあるエンジン制御システムにおいて、前記認証装置は、第1及び第2のコードを記憶する手段と、外部から受付けたコードが前記第1のコードに一致するか否かを判断する手段と、両コードが一致すると判断した場合、前記第2のコードを前記制御装置へ送信する手段とを備え、前記制御装置は、所定のコードを記憶する手
段と、前記認証装置から送信される第2のコードを受信する手段と、受信した第2のコードが前記所定のコードに一致するか否かを判断する手段と、両コードが一致すると判断した場合、前記エンジンを始動させる手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
第1発明にあっては、認証装置は外部から受付けたコードに基づいて認証処理を行い、認証可能である場合には予め記憶しているコードを制御装置へ送信する。制御装置では、認証装置から送信される第2のコードに基づいて認証処理を行い、認証可能である場合にはエンジンを始動させる。したがって、従来のように認証処理が完了する前にスタータモータが作動することはなく、2段階の認証処理が完了するまでエンジンは始動しないため、盗難の防止性が向上する。また、それぞれに固有のコードを割り当てた複数のイグニションキーが使用される場合であっても、エンジンの始動制御を行う制御装置には第2のコードのみを記憶すればよく、メモリ資源の増大が避けられる。
【0009】
第2発明に係るエンジン制御システムは、前記認証装置は、前記エンジンの始動が許可された状態であるか否かを判断する手段を備え、外部から受付けたコードが前記第1のコードに一致し、前記エンジンの始動が許可された状態であると判断した場合、前記第2のコードを前記制御装置へ送信するようにしてあることを特徴とする。
【0010】
第2発明にあっては、外部から受付けたコードが第1のコードに一致する場合であっても、エンジンの始動が許可されていない場合には、第2のコードを送信しないようにすることができる。したがって、エンジン始動時に可動部が突然動き出したり、走行機体が移動したりする虞がある場合には、エンジンの始動を牽制しておくことによって使用者の安全性が確保される。
【0011】
第3発明に係るエンジン制御システムは、前記制御装置は、前記エンジンの始動が許可された状態であるか否かを判断する手段を備え、前記第2のコードが前記所定のコードに一致し、前記エンジンの始動が許可された状態であると判断した場合、前記エンジンを始動させるようにしてあることを特徴とする。
【0012】
第3発明にあっては、制御装置にて受信した第2のコードが予め記憶されているコードに一致する場合であっても、エンジンの始動が許可されていない場合には、エンジンを始動させないようにすることができる。したがって、エンジン始動時に可動部が突然動き出したり、走行機体が移動したりする虞がある場合には、エンジンの始動を牽制しておくことによって使用者の安全性が確保される。
【0013】
第4発明に係るエンジン制御システムは、前記エンジンと該エンジンの動力により駆動される被駆動部との間に介装されたクラッチの係断の状態に基づき、前記エンジンの始動が許可された状態であるか否かを判断するようにしてあることを特徴とする。
【0014】
第4発明にあっては、クラッチの係断の状態に基づいてエンジンの始動が許可された状態であるか否かが判断される。したがって、エンジン始動時に可動部が突然動き出したり、走行機体が移動したりする虞がある状況をクラッチの係断の状態に基づいて判断することができる。
【0015】
第5発明に係る作業機は、第1発明乃至第4発明の何れか1つに記載のエンジン制御システムと、該エンジン制御システムにより制御されるエンジンの動力により所定の作業を行う作業部とを備えることを特徴とする。
【0016】
第5発明にあっては、前述したエンジン制御システムと該エンジン制御システムにより制御されるエンジンの動力により所定の作業を行う作業部とを備えている。したがって、
トラクタ、コンバインなどの農作業機への適用が可能となる。
【0017】
第6発明に係る作業機は、前記エンジン制御システムの制御装置は、前記作業部の動作を制御するようにしてあることを特徴とする。
【0018】
第6発明にあっては、エンジン制御システムの制御装置により作業部の動作を制御するようにしているため、エンジンコントローラが搭載されていない機種であっても、作業部の動作を制御する作業機コントローラによりエンジンの始動制御が行われる。
【発明の効果】
【0019】
第1発明による場合は、認証装置は外部から受付けたコードに基づいて認証処理を行い、認証可能である場合には予め記憶しているコード(第2のコード)を制御装置へ送信する。制御装置では、認証装置から送信される第2のコードに基づいて認証処理を行い、認証可能である場合にはエンジンを始動させる。したがって、従来のように認証処理が完了する前にスタータモータが作動することはなく、2段階の認証処理が完了するまでエンジンは始動しないため、車両の盗難防止性を向上させることができる。また、それぞれに固有のコード(第1のコード)を割り当てた複数のイグニションキーを使用する場合であっても、エンジンの始動制御を行う制御装置には第2のコードのみが記憶されていればよく、メモリ容量の増大を避けることができ、製造コストの増加を低く抑えることができる。
【0020】
第2発明による場合は、外部から受付けたコードが第1のコードに一致する場合であっても、エンジンの始動が許可されていない場合には、第2のコードを送信しないようにすることができる。したがって、エンジン始動時に可動部が突然動き出したり、走行機体が移動したりする虞がある場合には、エンジンの始動を牽制しておくことにより使用者の安全性を確保することができる。
【0021】
第3発明による場合は、制御装置にて受信した第2のコードが予め記憶されているコードに一致する場合であっても、エンジンの始動が許可されていない場合には、エンジンを始動させないようにすることができる。したがって、エンジン始動時に可動部が突然動き出したり、走行機体が移動したりする虞がある場合には、エンジンの始動を牽制しておくことにより使用者の安全性を確保することができる。
【0022】
第4発明による場合は、クラッチの係断の状態に基づいてエンジンの始動が許可された状態であるか否かが判断される。したがって、エンジン始動時に可動部が突然動き出したり、走行機体が移動したりする虞がある状況をクラッチの係断の状態に基づいて判断することができる。
【0023】
第5発明による場合は、前述したエンジン制御システムと該エンジン制御システムにより制御されるエンジンの動力により所定の作業を行う作業部とを備えている。したがって、トラクタ、コンバインなどの農作業機への適用が可能となり、農作業機についても盗難を防止することができる。
【0024】
第6発明による場合は、エンジン制御システムの制御装置により作業部の動作を制御するようにしている。したがって、作業機にエンジンコントローラが搭載されていない場合であっても、作業部の動作を制御する作業機コントローラによりエンジンの始動制御を行うことができる。別途エンジンコントローラを設ける必要がないため、製造コストの上昇を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係るエンジン制御システムを備えた作業機の適用例としてトラクタ及び
コンバインを挙げ、その実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態1.
図1は本実施の形態に係るトラクタの制御系の構成を説明するブロック図である。トラクタの制御系は、イモビライザユニット110、エンジンコントローラ130、及び作業機コントローラ150の各装置と、これらを相互に接続するCAN通信バス100とにより構成されている。各装置は、CAN通信バス100を介して通信を行うことにより、通信先の装置に搭載されているハードウェアの状態を把握できるように構成されている。
【0026】
イモビライザユニット110は、イグニッションキー10に内蔵されたトランスポンダ11からキー固有のコード(以下、キーIDという)を受信するために、ループコイルなどにより構成されるアンテナ110aを備えている。イモビライザユニット110は、アンテナ110aにて受信したキーIDが正当なキーIDであるか否かを判定するために、EEPROM112に予め記憶されている照合用のキーIDと照合を行う。イモビライザユニット110にてキーIDの照合を行い、そのキーIDが認証された場合、次に、イモビライザユニット110の固有のコード(以下、ユニットIDという)をエンジンコントローラ130へ送信する。
【0027】
一般に、エンジン148を始動させるためのイグニッションキー10は複数用意され、それぞれに対して固有のキーIDが割り当てられる。この場合、イモビライザユニット110では複数のキーIDに対する照合を行う必要があるため、EEPROM112には、照合用のキーIDを適宜の数だけ記憶するためのキーID記憶領域112aが確保される。図1に示した例は、キーIDとして、「KEY01」,…,「KEY06」が登録されている様子を示している。また、EEPROM112は、1つのユニットIDを記憶するためのユニットID記憶領域112bが確保される。図1に示した例では、「UNT01」のユニットIDが登録されている様子が示されている。
【0028】
エンジンコントローラ130は、イモビライザユニット110から送信されるユニットIDを受信したとき、そのユニットIDが正当なIDであるか否か、すなわち、正当なイモビライザユニット110が接続されているか否かを判定するために、照合用のユニットIDを記憶するEEPROM132を備えている。図1に示した例では、EEPROM132内に確保されたユニットID記憶領域132aに「UNT01」のユニットIDが登録されている様子が示されている。
【0029】
エンジンコントローラ130は、受信したユニットIDをEEPROM132に登録されているユニットIDと照合し、受信したユニットIDを認証した場合に始めてエンジンを始動させる。このとき、エンジンコントローラ130は、燃料噴射ポンプ145を作動させると共に、スタータリレー146に対して所定の制御信号を出力する。スタータリレー146に所定の制御信号が入力された場合、スタータモータ147が駆動され、スタータモータ147の駆動力によりエンジン148が始動する。
【0030】
以下、CAN通信バス100に接続されている各装置の構成について説明する。図2はイモビライザユニット110の内部構成、及びイモビライザユニット110に接続される入出力機器の構成を示すブロック図である。イモビライザユニット110は、CPU111、EEPROM112、CANドライバ113、入力インタフェース114、出力インタフェース115、変調/復調回路116を備える。出力インタフェース115にはランプ122が接続されている。また、変調/復調回路116にはトランスポンダ11から送信されるキーIDを受信するためのアンテナ110aが接続されている。
【0031】
CPU111は、ROM111a、RAM111b、CAN−I/O111cを内蔵する。ROM111aには前述した各種ハードウェアを制御するための制御プログラムが予
め格納されており、CPU111がこの制御プログラムを実行してハードウェアの制御を行うことにより、イモビライザユニット110を本発明に係る認証装置として機能させる。すなわち、イモビライザユニット110は、アンテナ110a及び変調/復調回路116を通じて受信するキーID(第1のコード)について認証処理を行い、キーIDを認証する場合、自身を特定するためのユニットID(第2のコード)を制御装置としてのエンジンコントローラ130へ送信する。RAM111bには前記制御プログラムの実行中に生成される各種データが一時的に記憶される。また、CAN−I/O111cにはCANドライバ113が接続されており、CAN通信バス100を介して送受信される各種信号が入力される。
【0032】
図3はエンジンコントローラ130の内部構成、及びエンジンコントローラ130に接続される入出力機器の構成を示すブロック図である。エンジンコントローラ130は、CPU131、EEPROM132、CANドライバ133、入力インタフェース134、出力インタフェース135を備える。
【0033】
入力インタフェース134に接続される入力機器としては、イグニションスイッチ140、エンジン回転数センサ141、エンジンオイル量センサ142、エンジン水温センサ143などが挙げられる。また、出力インタフェース135に接続される出力機器としては、燃料噴射ポンプ145、スタータリレー146などが挙げられる。スタータリレー146に所定の制御信号が入力された場合、スタータモータ147が駆動され、スタータモータ147の駆動力によりエンジン148が始動する。
【0034】
CPU131は、ROM131a、RAM131b、CAN−I/O131cを内蔵する。ROM131aには前述した各種ハードウェアを制御するための制御プログラムが予め格納されている。RAM131bには、制御プログラムの実行中に生成される各種データが一時的に記憶される。CAN−I/O131cにはCANドライバ133が接続されており、CAN通信バス100を介して送受信される各種信号が入力される。CPU131は、ROM131aに格納された制御プログラムを実行してハードウェアの制御を行うことにより、エンジンコントローラ130を本発明に係る制御装置として機能させる。すなわち、CANドライバ133を通じて受信するユニットIDについて認証処理を行うと共に、ユニットIDを認証した場合、燃料噴射ポンプ145、スタータリレー146などを作動させ、エンジン148を始動させる。
【0035】
図4は作業機コントローラ150の内部構成、及び作業機コントローラ150に接続される入出力機器の構成を示すブロック図である。作業機コントローラ150は、CPU151、EEPROM152、CANドライバ153、入力インタフェース154、出力インタフェース155を備える。
【0036】
入力インタフェース154に接続される入力機器としては、走行機体の前進/後進を切替えるための前後進切替機構の操作具の位置を検知するリバーサースイッチ161、作業機への動力伝達を入切するためのPTO変速機構操作具の位置を検知するPTO駆動スイッチ162、主変速操作具の位置(角度)を検知する主変速レバー角度センサ163、左右の後輪のみを駆動する2輪駆動状態、左右の前輪及び左右の後輪の周速度が等しくなるように駆動する4輪駆動状態、前輪を後輪の周速度よりも速くなるように駆動する前輪増速状態の各モードを切替えるためのモード切替スイッチ164、走行機体の車速を検知する車速センサ165、作業機の駆動回転数を検知するPTO回転センサ166などが挙げられる。また、出力インタフェース155に接続される出力機器としては、走行機体の前進/後進を切替えるための前後進切替電磁弁171、走行機体の前輪の周速度が後輪の周速度よりも速くなるように駆動するための前輪増速電磁弁172、走行機体を4輪駆動状態とするための4駆動電磁弁173、作業機への動力伝達を入切するためのPTO電磁弁
174、ブレーキを入切するためのブレーキ電磁弁175、ランプを点灯又は点滅させることにより警告を行う警告ランプ176などが挙げられる。
【0037】
CPU151は、ROM151a、RAM151b、CAN−I/O151cを内蔵する。ROM151aには前述した各種ハードウェアを制御するための制御プログラムが予め格納されている。RAM151bには、制御プログラムの実行中に生成される各種データが一時的に記憶される。CAN−I/O151cにはCANドライバ153が接続されており、CAN通信バス100を介して送受信される信号が入力される。CPU151は、ROM151aに格納された制御プログラムを実行してハードウェアの制御を行うことにより、入力インタフェース154を通じて入力された各種信号がどのような作業を要求しているか判断し、その判断結果に基づいて各種電磁弁171〜175を制御することにより要求された作業を実行するようにしている。
【0038】
以下、トラクタのエンジン148を始動させる際の動作について説明する。図5はエンジン148を始動させる際の認証処理の手順を説明するフローチャートである。イモビライザユニット110は、まず、アンテナ110a及び変調/復調回路116を通じて入力される信号の有無を検出することにより、キーIDが入力されたか否かを判断する(ステップS11)。キーIDが入力されていないと判断した場合(S11:NO)、キーIDが入力されるまで待機する。
【0039】
キーIDが入力されたと判断した場合(S11:YES)、イモビライザユニット110は、入力されたキーIDとEEPROM112のキーID記憶領域112aに予め登録されているキーIDとの照合を行い、入力されたキーIDがイモビライザユニット110に登録されているキーIDに一致するか否かを判断する(ステップS12)。
【0040】
入力されたキーIDが登録されているキーIDの何れにも一致しないと判断した場合(S12:NO)、イモビライザユニット110は警報処理を行う(ステップS13)。警報処理は、例えば、出力インタフェース115を通じて所定の制御信号を出力し、ランプ122を適宜の時間間隔で点滅させることによって行う。警報処理の後、処理をステップS11へ戻す。
【0041】
入力されたキーIDが登録されているキーIDの1つに一致すると判断した場合(S12:YES)、イモビライザユニット110は、EEPROM112のユニットID記憶領域112bからユニットIDの読出しを行い(ステップS14)、読出したユニットIDをCANドライバ113を通じてエンジンコントローラ130へ送信する(ステップS15)。
【0042】
エンジンコントローラ130は、CANドライバ133を通じて受信する信号に基づき、イモビライザユニット110から送信されるユニットIDを受信したか否かを判断する(ステップS16)。ユニットIDを受信していないと判断した場合(S16:NO)、ユニットIDを受信するまで待機する。
【0043】
ユニットIDを受信したと判断した場合(S16:YES)、エンジンコントローラ130は、受信したユニットIDとEEPROM132のユニットID記憶領域132aに予め登録されているユニットIDとの照合を行い、受信したユニットIDがエンジンコントローラ130に登録されているユニットIDに一致するか否かを判断する(ステップS17)。
【0044】
受信したユニットIDが登録されているユニットIDに一致しないと判断した場合(S17:NO)、エンジンコントローラ130は警報処理を行う(ステップS18)。警報
処理は、例えば、イモビライザユニット110に接続されているランプ122を適宜の時間間隔で点滅させるための要求信号をイモビライザユニット110へ送信することによって行う。
【0045】
受信したユニットIDが登録されているユニットIDに一致すると判断した場合(S17:YES)、エンジンコントローラ130は、出力インタフェース135を通じて燃料噴射ポンプ145及びスタータリレー146に所定の制御信号を出力し、スタータリレー146によって作動されるスタータモータ147の駆動力によりエンジン148を始動させる(ステップS19)。
【0046】
以上のように、本発明ではイモビライザユニット110での認証とエンジンコントローラ130での認証とが完了した後にエンジン148の始動が開始される構成であるため、従来のように認証前にエンジンが始動することがなく、盗難の防止性が向上する。
【0047】
実施の形態2.
実施の形態1では、イモビライザユニット110及びエンジンコントローラ130での認証が完了した後にエンジンを始動させる構成とした。ところで、トラクタなどの農作業機では、エンジン始動時に可動部が突然動き出したり、走行機体が移動したりすることを防止して安全性を確保するように構成されている。具体的には、トラクタでは作業機への動力伝達が「切」の状態(すなわち、PTO駆動スイッチ162がオフ)であり、かつ走行機体の前進/後進を切替えるための前後進切替機構がニュートラルとなっている状態(すなわち、リバーサースイッチ161がオフ)の場合にのみエンジンを始動させるようにしている。したがって、前述の認証に加えて、このような始動牽制をエンジン始動の判定条件に用いてもよい。
なお、トラクタの制御系の構成の構成については実施の形態1と全く同様であるため、その説明を省略することとする。
【0048】
図6は実施の形態2に係るトラクタにてエンジン148を始動させる際の認証処理の手順を説明するフローチャートである。イモビライザユニット110は、まず、アンテナ110a及び変調/復調回路116を通じて入力される信号の有無を検出することにより、キーIDが入力されたか否かを判断する(ステップS21)。キーIDが入力されていないと判断した場合(S21:NO)、キーIDが入力されるまで待機する。
【0049】
キーIDが入力されたと判断した場合(S21:YES)、イモビライザユニット110は、入力されたキーIDとEEPROM112のキーID記憶領域112aに予め登録されているキーIDとの照合を行い、入力されたキーIDがイモビライザユニット110に登録されているキーIDの1つに一致するか否かを判断する(ステップS22)。
【0050】
入力されたキーIDが登録されているキーIDの何れにも一致しないと判断した場合(S22:NO)、イモビライザユニット110は警報処理を行う(ステップS23)。警報処理は、例えば、出力インタフェース115を通じて所定の制御信号を出力し、ランプ122を適宜の時間間隔で点滅させることによって行う。警報処理の後、処理をステップS21へ戻す。
【0051】
入力されたキーIDが登録されているキーIDに一致すると判断した場合(S22:YES)、イモビライザユニット110はエンジン148の始動が許可された状態であるか否かを判断する(ステップS24)。エンジン148の始動が許可された状態であるか否かは、作業機コントローラ150からリバーサースイッチ161のオン/オフの情報、及びPTO駆動スイッチ162のオン/オフの情報を取得することにより判断することができる。すなわち、リバーサースイッチ161がオフ(リバーサがニュートラル)であり、かつPTO駆動スイッチ162がオフである場合、エンジン148の始動が許可された状
態であると判断し、少なくとも一方のスイッチ161(又は162)がオンである場合、安全性確保のためにエンジン148の始動が許可されていない状態であると判断することができる。
【0052】
イモビライザユニット110が、エンジン148の始動が許可されていない状態であると判断した場合(S24:NO)、エンジン148の始動が許可される状態になるまで待機する。エンジン148の始動が許可された状態であると判断した場合(S24:YES)、EEPROM112のユニットID記憶領域112bからユニットIDの読出しを行い(ステップS25)、読出したユニットIDをCANドライバ113を通じてエンジンコントローラ130へ送信する(ステップS26)。
【0053】
エンジンコントローラ130は、CANドライバ133を通じて受信する信号に基づき、イモビライザユニット110から送信されるユニットIDを受信したか否かを判断する(ステップS27)。ユニットIDを受信していないと判断した場合(S27:NO)、ユニットIDを受信するまで待機する。
【0054】
ユニットIDを受信したと判断した場合(S27:YES)、エンジンコントローラ130は、受信したユニットIDとEEPROM132のユニットID記憶領域132aに予め登録されているユニットIDとの照合を行い、受信したユニットIDがエンジンコントローラ130に登録されているユニットIDに一致するか否かを判断する(ステップS28)。
【0055】
受信したユニットIDが登録されているユニットIDに一致しないと判断した場合(S28:NO)、エンジンコントローラ130は警報処理を行う(ステップS29)。警報処理は、例えば、イモビライザユニット110に接続されているランプ122を適宜の時間間隔で点滅させるための要求信号をイモビライザユニット110へ送信することによって行う。
【0056】
受信したユニットIDが登録されているユニットIDに一致すると判断した場合(S28:YES)、エンジンコントローラ130は、出力インタフェース135を通じて燃料噴射ポンプ145及びスタータリレー146に所定の制御信号を出力し、スタータリレー146によって作動されるスタータモータ147の駆動力によりエンジン148を始動させる(ステップS30)。
【0057】
なお、本実施の形態では、登録されているキーIDが入力された場合であっても、エンジン148の始動が許可された状態でない場合には、始動が許可されるまで待機する構成としたが、登録されているキーIDが入力された後に計時を開始し、所定時間内に始動が許可されない場合に警報処理を行う構成としてもよい。
【0058】
実施の形態3.
実施の形態2では、イモビライザユニット110側で始動牽制されている状態であるか否かを判断する構成としたが、エンジンコントローラ130側でその判断を行う構成としてもよい。
【0059】
図7は実施の形態3に係るトラクタにてエンジン148を始動させる際の認証処理の手順を説明するフローチャートである。イモビライザユニット110は、まず、アンテナ110a及び変調/復調回路116を通じて入力される信号の有無を検出することにより、キーIDが入力されたか否かを判断する(ステップS31)。キーIDが入力されていないと判断した場合(S31:NO)、キーIDが入力されるまで待機する。
【0060】
キーIDが入力されたと判断した場合(S31:YES)、イモビライザユニット110は、入力されたキーIDとEEPROM112のキーID記憶領域112aに予め登録されているキーIDとの照合を行い、入力されたキーIDがイモビライザユニット110に登録されているキーIDの1つに一致するか否かを判断する(ステップS32)。
【0061】
入力されたキーIDが登録されているキーIDの何れにも一致しないと判断した場合(S32:NO)、イモビライザユニット110は警報処理を行う(ステップS33)。警報処理は、例えば、出力インタフェース115を通じて所定の制御信号を出力し、ランプ122を適宜の時間間隔で点滅させることによって行う。警報処理の後、処理をステップS31へ戻す。
【0062】
入力されたキーIDが登録されているキーIDの1つに一致すると判断した場合(S32:YES)、イモビライザユニット110は、EEPROM112のユニットID記憶領域112bからユニットIDの読出しを行い(ステップS34)、読出したユニットIDをCANドライバ113を通じてエンジンコントローラ130へ送信する(ステップS35)。
【0063】
エンジンコントローラ130は、CANドライバ133を通じて受信する信号に基づき、イモビライザユニット110から送信されるユニットIDを受信したか否かを判断する(ステップS36)。ユニットIDを受信していないと判断した場合(S36:NO)、ユニットIDを受信するまで待機する。
【0064】
ユニットIDを受信したと判断した場合(S36:YES)、エンジンコントローラ130は、受信したユニットIDとEEPROM132のユニットID記憶領域132aに予め登録されているユニットIDとの照合を行い、受信したユニットIDがエンジンコントローラ130に登録されているユニットIDに一致するか否かを判断する(ステップS37)。
【0065】
受信したユニットIDが登録されているユニットIDに一致しないと判断した場合(S37:NO)、エンジンコントローラ130は警報処理を行う(ステップS38)。警報処理は、例えば、イモビライザユニット110に接続されているランプ122を適宜の時間間隔で点滅させるための要求信号をイモビライザユニット110へ送信することによって行う。
【0066】
受信したユニットIDが登録されているユニットIDに一致すると判断した場合(S37:YES)、エンジンコントローラ130はエンジン148の始動が許可された状態であるか否かを判断する(ステップS39)。エンジン148の始動が許可された状態であるか否かは、実施の形態2と同様に、作業機コントローラ150からリバーサースイッチ161のオン/オフの情報、及びPTO駆動スイッチ162のオン/オフの情報を取得することにより判断することができる。
【0067】
エンジンコントローラ130が、エンジン148の始動が許可されていない状態であると判断した場合(S39:NO)、エンジン148の始動が許可された状態になるまで待機する。一方、エンジン148の始動が許可された状態であると判断した場合(S39:YES)、出力インタフェース135を通じて燃料噴射ポンプ145及びスタータリレー146に所定の制御信号を出力し、スタータリレー146によって作動されるスタータモータ147の駆動力によりエンジン148を始動させる(ステップS40)。
【0068】
なお、本実施の形態では、登録されているキーIDが入力された場合であっても、エンジン148の始動が許可された状態でない場合には、始動が許可されるまで待機する構成としたが、登録されているキーIDが入力された後に計時を開始し、所定時間内に始動が
許可されない場合に警報処理を行う構成としてもよい。
【0069】
実施の形態4.
実施の形態1〜実施の形態3では、本発明に係るエンジン制御システムを備えたトラクタについて説明したが、トラクタ以外の作業機に適用することができるのは勿論のことである。本実施の形態では、コンバインに適用した形態について説明する。なお、コンバインの制御系の構成、イモビライザユニット110及びエンジンコントローラ130の構成については実施の形態1と全く同様である。
【0070】
図8はコンバインが備える作業機コントローラの内部構成、及び作業機コントローラに接続される入出力機器の構成を示すブロック図である。図8に示されるコンバインの作業機コントローラ250は、CPU251、EEPROM252、CANドライバ253、入力インタフェース254、出力インタフェース255を備える。
【0071】
入力インタフェース254に接続される入力機器としては、走行クラッチが「切」かつ駐車ブレーキが「入」の状態を検知する走行主クラッチペダルスイッチ261、脱穀クラッチを入切する脱穀クラッチスイッチ262、排出オーガのクラッチを入切するための排出オーガクラッチスイッチ263、縦搬送装置を移動調節して扱ぎ深さを調節する扱ぎ深さ調節スイッチ264、刈取部を昇降させるための刈取部昇降スイッチ265、刈取クラッチを入切するための刈取クラッチスイッチ266、副変速の高速/低速を切替えるための副変速高低切替スイッチ267などが挙げられる。また、出力インタフェース255に接続される出力機器としては、脱穀部への動力伝達を入切するための脱穀クラッチ電磁弁271、刈取部への動力伝達を入切するための刈取クラッチ電磁弁272、刈取部を昇降移動させる機構への動力伝達を入切するための刈取部昇降電磁弁273、副変速の高速/低速を切替える副変速電磁弁274、排出オーガを駆動するオーガクラッチモータ275、扱ぎ深さを調節する扱ぎ深さ調節モータ276などが挙げられる。
【0072】
CPU251は、ROM251a、RAM251b、CAN−I/O251cを内蔵する。ROM251aには前述した各種ハードウェアを制御するための制御プログラムが予め格納されている。RAM251bには、制御プログラムの実行中に生成される各種データが一時的に記憶される。CAN−I/O251cにはCANドライバ253が接続されており、CAN通信バス100を介して送受信される各種信号が入出力される。CPU251は、ROM251aに格納された制御プログラムを実行してハードウェアの制御を行うことにより、入力インタフェース254を通じて入力された各種信号がどのような作業を要求しているか判断し、その判断結果に基づいて各種電磁弁271〜274及び各種モータ275,274を制御することにより要求された作業を実行するようにしている。
【0073】
コンバインにおけるエンジン148の始動牽制は、走行主クラッチペダルスイッチ261、脱穀クラッチスイッチ262、及び排出オーガクラッチスイッチ263のオン/オフの状況に基づいて行われる。すなわち、コンバインでは、走行主クラッチペダルスイッチ261がオンであり、脱穀クラッチスイッチ262がオフであり、かつ排出オーガクラッチスイッチ263のオフである場合にのみエンジン148を始動させるようにしている。
【0074】
コンバインのイモビライザユニット110又はエンジンコントローラ130は、作業機コントローラ250から前述の各スイッチ261,262,263のオン/オフの情報を取得することにより、エンジン148の始動が許可された状態であるか否かを判断することができる。
【0075】
したがって、実施の形態2と同様に、イモビライザユニット110に予め登録されているキーIDが入力された場合であって、エンジン148の始動が許可された状態であると
きにのみ、ユニットIDをEEPROM112から読出してエンジンコントローラ130へ送信する構成としてもよい。また、実施の形態3と同様に、エンジンコントローラ130に予め登録されているユニットIDを受信した場合であって、エンジン148の始動が許可された状態であるときにのみ、エンジン148の始動を開始する構成としてもよい。
【0076】
実施の形態5.
実施の形態1〜実施の形態4では、エンジンコントローラ130がエンジン148の始動制御を行う構成としたが、エンジンコントローラ130が搭載されていない機種では、他のコントローラがエンジン148の始動制御を行う構成としてもよい。
【0077】
図9は実施の形態5に係るトラクタの制御系の構成を説明するブロック図である。トラクタの制御系は、イモビライザユニット110及び作業機コントローラ350の各装置と、これらを相互に接続するCAN通信バス100とにより構成されている。これらの装置は、CAN通信バス100を介して通信を行うことにより、通信先の装置に搭載されているハードウェアの状態を把握できるように構成されている。
【0078】
イモビライザユニット110は、イグニッションキー10に内蔵されたトランスポンダ11からキー固有のコード(キーID)を受信するために、ループコイルなどにより構成されるアンテナ110aを備えている。イモビライザユニット110は、アンテナ110aにて受信したキーIDが正当なキーIDであるか否かを判定するために、EEPROM112に予め記憶されているキーIDと照合を行う。イモビライザユニット110にてキーIDの照合を行い、そのキーIDが認証された場合、次に、イモビライザユニット110の固有のコード(ユニットID)を作業機コントローラ350へ送信する。
【0079】
作業機コントローラ350は、受信したユニットIDをEEPROM352に登録されているユニットIDと照合し、受信したユニットIDを認証した場合に始めてエンジン148を始動させる。このとき、作業機コントローラ350は、燃料噴射ポンプ145を作動させると共に、スタータリレー146に対して所定の制御信号を出力する。スタータリレー146に所定の制御信号が入力された場合、スタータモータ147が駆動され、スタータモータ147の駆動力によりエンジン148が始動する。
【0080】
以上のように、本発明ではイモビライザユニット110での認証と作業機コントローラ350での認証とが完了した後にエンジン148の始動が開始される構成であるため、従来のように認証前にエンジンが始動することがなく、盗難の防止性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本実施の形態に係るトラクタの制御系の構成を説明するブロック図である。
【図2】イモビライザユニットの内部構成、及びイモビライザユニットに接続される入出力機器の構成を示すブロック図である。
【図3】エンジンコントローラの内部構成、及びエンジンコントローラに接続される入出力機器の構成を示すブロック図である。
【図4】作業機コントローラの内部構成、及び作業機コントローラに接続される入出力機器の構成を示すブロック図である。
【図5】エンジンを始動させる際の認証処理の手順を説明するフローチャートである。
【図6】実施の形態2に係るトラクタにてエンジンを始動させる際の認証処理の手順を説明するフローチャートである。
【図7】実施の形態3に係るトラクタにてエンジンを始動させる際の認証処理の手順を説明するフローチャートである。
【図8】コンバインが備える作業機コントローラの内部構成、及び作業機コントローラに接続される入出力機器の構成を示すブロック図である。
【図9】実施の形態5に係るトラクタの制御系の構成を説明するブロック図である。
【符号の説明】
【0082】
10 イグニションキー
11 トランスポンダ
100 CAN通信バス
110 イモビライザユニット
111 CPU
112 EEPROM
130 エンジンコントローラ
131 CPU
132 EEPROM
145 燃料噴射ポンプ
146 スタータリレー
147 スタータモータ
148 エンジン
150 作業機コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から受付けたコードに基づいて認証処理を行う認証装置と、該認証装置による認証結果に応じて車両に搭載されるエンジンの始動を制御する制御装置とを接続してあるエンジン制御システムにおいて、
前記認証装置は、第1及び第2のコードを記憶する手段と、外部から受付けたコードが前記第1のコードに一致するか否かを判断する手段と、両コードが一致すると判断した場合、前記第2のコードを前記制御装置へ送信する手段とを備え、
前記制御装置は、所定のコードを記憶する手段と、前記認証装置から送信される第2のコードを受信する手段と、受信した第2のコードが前記所定のコードに一致するか否かを判断する手段と、両コードが一致すると判断した場合、前記エンジンを始動させる手段とを備えることを特徴とするエンジン制御システム。
【請求項2】
前記認証装置は、前記エンジンの始動が許可された状態であるか否かを判断する手段を備え、外部から受付けたコードが前記第1のコードに一致し、前記エンジンの始動が許可された状態であると判断した場合、前記第2のコードを前記制御装置へ送信するようにしてあることを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記エンジンの始動が許可された状態であるか否かを判断する手段を備え、前記第2のコードが前記所定のコードに一致し、前記エンジンの始動が許可された状態であると判断した場合、前記エンジンを始動させるようにしてあることを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御システム。
【請求項4】
前記エンジンと該エンジンの動力により駆動される被駆動部との間に介装されたクラッチの係断の状態に基づき、前記エンジンの始動が許可された状態であるか否かを判断するようにしてあることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のエンジン制御システム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載のエンジン制御システムと、該エンジン制御システムにより制御されるエンジンの動力により所定の作業を行う作業部とを備えることを特徴とする作業機。
【請求項6】
前記エンジン制御システムの制御装置は、前記作業部の動作を制御するようにしてあることを特徴とする請求項5に記載の作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−290617(P2007−290617A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−122394(P2006−122394)
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】