説明

エンジン排気ガスの洗浄方法及び洗浄装置

【課題】本発明は、エンジン排気ガスの洗浄方法及び洗浄装置に関する。
【解決手段】エンジンの排気ガスを洗浄する際、まず排気ガスに微細に分散した洗浄液が供給された後、排気ガスと微細に分散した洗浄液とから形成された体積流量が、タンク(1)内に設けられた洗浄液槽を通過するように搬送される。当該洗浄液槽は、ガス及び液体を透過するボトルネック要素(18)によって、下側部分(19)と上側部分(20)とに分割されている。排気ガスと微細に分割された洗浄液とから形成された前記体積流量は、前記洗浄液槽の前記ボトルネック要素(18)の下方領域に導入されるとともに、ここから、前記洗浄液槽の前記ボトルネック要素(18)の上方領域を通って噴出する。前記排気ガスに供給される、微細に分散した洗浄液の少なくとも一部が、まだ部分流量に分割されていない排気ガス全体流量に供給されることによって、高い洗浄度が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に大型エンジン、好適には2サイクル大型ディーゼルエンジンにおける、エンジン排気ガスの洗浄方法及び洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1からは、車両エンジンにおいて排気ガスを洗浄するための方法及び装置が知られている。ここでは、洗浄されるべき排気ガスは、有孔管によって、前処理を行わずにオイルバスに誘導される。当該オイルバス上方には、はねよけとして、有孔カバーが配置されている。このとき、排気ガスと、オイルによって形成された洗浄液との接触時間は比較的短い。その結果、不利なことに、排気ガス中に含まれる汚染物質が洗浄液中に受容されることがあり得る。さらにこのとき、オイルバス内では比較的大きな気泡が発生している。当該気泡は、その表面においてのみ洗浄液と接触するが、比較的大きな体積のガスを包含するので、上述の不利点はさらに強められる。したがって、比較的小さな洗浄効果しか得られない。
【0003】
さらに特許文献2からは、坑内採鉱において、エンジンの排気ガスを洗浄及び冷却するための装置が知られている。当該装置においては、排気マニホールド後方の排気流に対して、水が噴射される。次に、排気ガスは分離せずに水槽を通過して噴射貫通防止装置まで誘導される。後続の分離装置において、凝縮された水は排気ガスから除去され、大気中に放出される。ここでは、体積流量の部分流量への分割は行わない。
【0004】
排気ガスを洗浄するためのさらなる装置は、特許文献3に記載されている。ここでは、タンクに流入する排気ガス体積流量に、液体が噴霧される。短時間の噴霧処理が施された排気ガスは、複数のノズル管を通って、洗浄液浴の表面下へ誘導される。しかしながら、当該排気ガスはボトルネック要素によって分割されることがないので、排気ガスと液体との接触時間は短くなる。
【0005】
特許文献4からは、ディーゼルエンジンの排気ガスを洗浄するための洗浄装置が知られている。当該装置においては、排気ガス体積流量は、噴霧処理のために部分流量に分割されている。液体が供給された排気ガスの各部分流量は、管を通って、洗浄浴の表面下へ誘導される。当該洗浄浴も、ボトルネック要素によって分割されてはいない。複数の流量に分割された体積流量には、洗浄浴に達する前に、噴霧処理が施される。したがって、部分流量に分割される前に噴霧処理が行われることはない。
【0006】
特許文献5には、類似の洗浄装置が記載されている。排気ガスは、管状の吸気口を通って、星形の断面を有する空間に流入する。当該空間では噴霧処理が行われるとともに、当該空間は、その下端に設けられた洗浄液浴に通じており、当該洗浄液浴にはさらなる噴霧処理が割り当てられている。星形の断面によって、体積流量は部分流量に分割される。この分割以前に噴霧処理が行われることはない。
【0007】
特許文献6の装置においても、排気ガス体積流量は、噴霧処理のために部分流量に分割される。当該部分流量はその後、再び合流して体積流量となり、洗浄浴に供給される。当該洗浄浴において、排気ガスは泡に封入されて洗浄された後、再び放出される。
【0008】
事前には公開されていなかった特許文献7には、同属の方法及び装置が記載されている。ここでも、噴霧処理は排気ガス部分流量の領域において行われており、排気ガス部分流量にはそれぞれ専用の洗浄液浴が配設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1230969号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第4315217号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0712655号明細書
【特許文献4】国際公開第2007/057573号パンフレット
【特許文献5】国際公開第03/045524号パンフレット
【特許文献6】国際公開第90/00437号パンフレット
【特許文献7】独国特許出願公開第102007040934号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記の点に鑑み、本発明の課題は、上述の種類の方法であって、高い洗浄度を保証する方法を提供することにある。本発明のさらなる課題は、本発明に係る方法を実施するための装置であって、建設が容易であり、かつ、当該方法の最適な結果を得ることを可能とする装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本課題は、独立請求項1及び12に記載の特徴によって解決される。
【0012】
排気ガスに取り込まれる洗浄液の微細液滴は、排気ガスに含まれる固体粒子と、排気ガスから洗い落とすことができるガスと、を捕らえて結合する。比較的早く排気ガスに微細に分散した洗浄液を重点的に噴霧した後、当該プロセスのために比較的多くの時間が利用できるので、排気ガスに含まれる汚染物質は、確実に洗浄液によって受容される。引き続いて、排気ガスと微細に分散した洗浄液とから成るエアロゾル流が洗浄液浴を通過する際、導入されたエアロゾルの液体部分は、すでに最大限吸収されている。このとき、ここで受容される粒子及び洗い落とされるガスが、洗浄液浴内の洗浄液に移行し、洗浄液とともに排出される。洗浄液浴を受容するタンクは、洗浄されるべきガスに微細に分散して取り込まれる洗浄液によって、持続的に液体を補給されるので、タンクの内容物は持続的に更新され、ここで受容される汚染物質は確実に排出されるようになる。したがって、本発明に係る措置には、総じて高い洗浄度が期待できる。
【0013】
上位の措置の有利な構成及び合理的な補強については従属請求項に記載されており、また、以下の図を用いた実施例の説明から、より詳細に導出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る排気ガス洗浄装置の縦断面を示す図である。
【図2】図1の線II−IIにおける横断面を示す図である。
【図3】洗浄液浴を受容するために設けられた槽の横断面を示す図である。
【図4】図3の装置の作動時を示す図である。
【図5】例えば船舶に設置された洗浄装置のような、本発明に係る洗浄装置の、水平面に対して傾斜した槽装置を示す図である。
【図6】排気ガスの再循環及び洗浄を行う2サイクル大型ディーゼルエンジンの概略図である。
【図7】排気管に取り付けられた洗浄装置を有する2サイクル大型ディーゼルエンジンの概略図である。
【図8】図1の変型例を示す図である。
【図9】ニップルに配設されたベンチュリ装置の例を示す図である。
【図10】内部に環流用物体を有する図9の変型例を示す図である。
【図11】図10の変型例を示す図である。
【図12】ニップル下端及び配設された弁体の垂直断面を示す図である。
【図13】図12の弁体の上面図である。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明が主に利用される分野は、大型エンジン、特に2サイクル大型ディーゼルエンジンであり、例えば船舶又は発電所などの動力として利用可能である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1及び図2に示された排気ガス洗浄装置は、樽状のタンク1を有しており、当該タンクは脚部が設けられた耐力構造体1aに受容されている。タンク1は、端面に配置された排気ガス流入口2と、タンクから上方に向かって分岐する排気ガス排出口3とを有しおり、かつ、下面に流出口4を備えている。排気ガス流入口2は、排気ガスが供給可能な供給管50と連結している。
【0017】
樽状のタンク1は、中央部分がシリンダ状になっており、当該中央部分は、端面にフランジとして設けられた2つの覆いによって閉鎖されている。排気ガス流入口2は、端面に設けられた1つの覆いの上部領域に配置されている。排気ガス流出口3は、シリンダ状の中央部分の天井面の略中央に位置している。中央部分及び/又は覆いの領域に、少なくとも1つ、好適には複数の丸窓5を設置すると、当該丸窓を通してタンク1内部でのプロセスが外部から観察できるので合理的である。
【実施例1】
【0018】
本実施例では、エンジンもしくはそのターボ過給機から排出された排気ガスには、タンク1を貫流するのに十分な固有圧力が必要である。それゆえ本実施例では、タンク1は高い排気ガス圧力に耐え得る圧力タンクとして構成されている。この場合、排気ガスのためのさらなる搬送装置は不要である。
【0019】
タンク1の内部空間6の上部領域には、少なくとも1つの水平な分配管7が配置されている。当該分配管は、タンク1の中央部分の長手軸線に渡って延在し、排気ガス流入口2に接続されている。図示されている例の場合、図2が最も明瞭だが、3つの分配管7が互いに平行に配置されており、当該分配管は、排気ガス流入口2に連結した、適切な数のニップルを有する分配部品8を介して、排気ガス流入口2に接続されている。各分配管7から、その長手軸線に渡って分配され、かつ、垂直方向のニップルによって形成された複数の分岐管9が下方に分岐している。当該分岐管はそれぞれ、付属の分配管7に供給される排気ガスの体積流量のうち一部の流量を受容する。図2から明らかなように、図示された例では、3つの分配管7から下方に分岐する分岐管9はそれぞれ、タンクの軸に対して横に延在する列の形で配置されている。
【0020】
図示した例のように、タンク1内部で排気ガス流が分岐管9に分割される場合、分配管7が加熱要素として機能し、分配管7に軽く触れる媒体、例えば排気ガス排出口3に流れ込む、洗浄された排気ガスに熱を放出できると有利である。しかしながら、多くの場合、これは所望されないか、又は必要とされない。そのような場合は、タンク1の外側でも、排気ガス流を各分岐管9に分割することができる。このとき、分配部品8を介して供給管50に接続される分配管7は、タンク1の外側に位置しても良い。分配管7から分岐する分岐管9は、タンク内壁を通過して、タンク1の内部空間6に導入される。
【0021】
分岐管9に供給される排気ガスには、微細に分散した洗浄液が供給される。それによって、排気ガスと微細に分散した洗浄液とから成る一種の霧又はエアロゾルが実際に生成される。このようにして、洗浄液の表面が大きく形成される。当該表面で排気ガスが洗浄液と接触するので、所望の排気ガスの洗浄にとって有利に働く。微細に分散した洗浄液の排気ガスへの供給は、中央では例えば供給管50のタンクに近い領域において、あるいは局部では例えば分配管7の領域及び/又は好適には分岐管9の領域において行われる。図1では、排気ガスに微細に分散した洗浄液を中央で供給するために、供給管50に配設された供給装置51が設けられている。当該供給装置51は、洗浄液を噴霧するために、1つ又は複数の噴霧ノズル52を有している。
【0022】
洗浄液としては水が適切であるが、化学物質を添加した状態又は添加していない状態で、海水又は汽水を使用しても良い。いずれの場合も洗浄液は、洗浄プロセス全体を通じて、少量の泡のみが形成されるか、好適には全く泡を生じないように供給される。
【0023】
図示された例では、中央の供給装置51に加えて、分岐管9に配設された供給装置51aが局部に設けられている。洗浄液の一部は、中央の供給装置51によって供給され、残部は局部の供給装置51aによって供給される。図示された例では、分岐管9の上部に噴霧ノズル10が配設されており、洗浄液が供給可能となっている。噴霧ノズル10もしくは52の噴霧方向は、通過する排気ガスの流れる方向と一致しているので、合理的な並流での処理が可能となる。噴霧ノズル10もしくは52を形成するために、加圧式噴霧ノズルを用いても良い。当該ノズルは、供給された洗浄液を極めて微細で小さい液滴にして噴霧する。噴霧ノズル10もしくは52は、それぞれ配設された流路、すなわち分岐管9もしくは供給管50の略中央に配置可能である。もちろん、それぞれに複数の噴霧ノズルを、横断面に渡って分割して設けることもできる。
【0024】
供給管50内に配置された噴霧ノズル52は、供給管50内に突出したアーム53に取り付けられている。当該アームが同時に、配設された噴霧ノズル52にプレストレスが加えられた洗浄液を供給するための供給管としても構成可能であると合理的である。分岐管9内に配置された噴霧ノズル10はそれぞれ、配設された分配管7を貫通するとともに配設された分岐管9の上部領域に突出している、同軸のランス11の下端に取り付けられている。ランス11もやはり、プレストレスが加えられた洗浄液を供給可能な、ノズル10に配設された供給管として構成されると合理的である。
【0025】
噴霧ノズルに加えて、又は、噴霧ノズルの代わりに、ベンチュリ装置を用いて排気ガス中に洗浄液を微細に分散させることも可能である。また、図8に示したように、排気ガスの流れを速める絞り弁54を供給管50に設けることもできる。絞り弁54には、その上方に、洗浄液を供給するための供給装置55が配設されている。供給装置55は、ノズルを具備しても良いし、具備しなくても良い。絞り弁54を形成するために、供給管50には、適切な壁面凹所56が設けられている。絞り弁54領域において、排気ガスが方向転換及び加速を行う結果、供給される洗浄液を極めて良好に分散させることができる。
【0026】
同じようにして、分岐管9を形成するニップルに、それぞれ1つのベンチュリ装置を配設することが可能である。また、図9から明らかなように、分岐管9にも同じく絞り弁54を設けることができる。絞り弁54には、その上方に、洗浄液を供給するための供給装置が配設されている。分岐管9に配設された供給装置を形成するために、中央供給管57が設けられた、図1に関連してすでに言及された種類のランス11が使用される。しかしながら、ここではランス11の下端にノズル10は設けられていない。ランス11の供給管57は、その下端が開放されている。図9に示した例では、絞り弁54は、図8の実施例の場合と同じく、壁面凹所56によって形成されている。
【0027】
代替の実施例が図10に示されている。ここでは、絞り弁54aを形成するために、流路内、ここでは分岐管9内において、好適には中央に配置された環流用物体58が使用されている。当該環流用物体は、流線形で、下向きの矢印として構成されていると合理的である。環流用物体58によって、通過する排気ガスについても同じく、流路変更及び加速が行われる。環流用物体58は、配設された分岐管9内に突出しているランス11の下端に取り付け可能であると合理的である。ランス11は、環流用物体58に隣接し、かつ、その中央の供給管57から径方向に分岐する排出口59を備えていると合理的である。図10の実施例では、排出口59はランス11の下端領域に設置されている。もちろん、排出口59を環流用物体58の領域に設けることも考えられる。そのような場合の実施例は図11に示されている。自明のことながら、供給管57は環流用物体58内の排出口59に達するように構成されている。図11の実施例におけるその他の配置は、図10と同様である。
【0028】
環流用物体58は、1つ又は複数の部分から構成可能である。環流用物体58を、それぞれ配設されたランス51とともに1つの部分として構成しても良いし、又は、当該ランスに継ぎ足しても良い。環流用物体58の表面には、摩耗しにくい保護層が設けられていると合理的である。
【0029】
当該層は、溶着又は溶融された層であり得る。保護層がガラスから構成され、それゆえに特に流れの抵抗が少なくなることが好ましい。自明のことながら、中央供給装置51を形成するために、図10及び図11に示した種類の内部のベンチュリ装置を供給管50の領域に設けても良い。
【0030】
図2が最も明確に図示しているように、分岐管9の下方には少なくとも1つの槽12が設置されており、当該槽には、その下端が開放された分岐管が突出している。このとき、各分岐管9に1つの槽12が配設されていると合理的である。上述したような列を成し、かつ、並んで配置された分岐管9に配設された槽12は、図2から明らかなように、内部空間6の幅に渡って延在するカセット13に連結できるからである。長手軸線方向に延在するカセットを設けても良い。
【0031】
分岐管9の開放された下端にはそれぞれ、弁体14が配設されている。合理的には、当該弁体は調整可能である。それによって、弁体14及び配設された分岐管9の下端の間のクリアランスと、それに伴って利用可能となる流れの横断面とが調整されるからである。当該調整が適切に行われると、排気ガスの体積流量は、全ての分岐管9を通じて同じになる。図3から最も明らかなように、調整可能な弁体14は、配設されている分岐管9と同軸の棒15に受容されている。当該棒は、配設された分岐管9の内壁に取り付けられた少なくとも1つの支柱16に、その上端が固定されている。もちろん、垂線及び/又は周において交互にずらした複数の支柱16を設けても良い。棒15は、ネジ棒として構成しても良い。棒15には、配設された弁体14を固定しているナット17が取り付けられており、ナット17によって弁体14の調整が可能となる。
【0032】
分岐管9の開放された下端に配設された弁体14は、径方向に流れの方向を転換する。すなわち、分岐管9の軸線方向に流れてくる体積流量は、径方向においてあらゆる方向に分散される。図12から明らかなように、弁体14は円錐状の核14aを有している。核14aの上面は、凹状で下方に屈曲した母線によって形成される回転面として構成されている。これによって、ここでは垂直方向である軸方向から、ここでは水平方向である径方向への屈曲した移行が生じる。核14aの上面には、径方向に続いて行くブレード60が配置されていると合理的である。これらのブレードは、周方向において相互に均一の間隔を持って配置されているので、周方向に渡って均一な分散が可能となる。やはり図12に示したように、ブレード60の上縁61は、円錐状の核14aの頂から出発して水平に、又は軽く傾斜して外方に向かって走っているので、ブレード60の高さは、径方向内側から径方向外側に向かって増加する。図13が示すように、ブレード60は、その長手軸線に渡って屈曲していても良い。このようにして、径方向に導かれた体積流量の、特に良好な渦流を発生させることができる。
【0033】
質量を有する液滴は、弁体14によって径方向に導かれる際に加速するが、当該液滴に作用する、方向変換に抗する慣性の力によって、液滴は方向転換した体積流量からすでに分離している。これは特に重い液滴の場合に該当する。分離した液滴は、槽12内の取り囲んでいる洗浄液によって吸収されると合理的である。
【0034】
槽12はそれぞれ、配設された分岐管9が貫通する隔壁18によって、下側部分19と上側部分20とに分割される。当該下側部分には、下端が開放された状態で配設された分岐管9が合流しているとともに、当該下側部分内には、弁体14が存在している。作動時には、下側部分19にも上側部分20にも洗浄液が存在する。したがって、各槽12は、隔壁18で2つに分割された洗浄液浴を有する。隔壁18は、ガス及び液体を透過する平面状のボトルネック要素として構成されている。当該ボトルネック要素は、下側部分19と上側部分20との間、及び、それに応じて洗浄液浴の下側部分と上側部分との間に、その面に渡って分散した多数の狭い流路を有する。このとき、隔壁18を形成するボトルネック要素を、メッシュ幅の小さい格子若しくは網の、ワイヤークロスの、又はエキスパンドメタルの単層若しくは複層の格子及び/若しくはネットワークとして、又は、金属及び/若しくはプラスチックの泡状体などから成る同様の透過性構成要素もしくは構成要素が集合した装置として構成しても良い。図3から明らかなように、隔壁18は、槽に固定された支持レール21によって側面において支えられているとともに、配設された分岐管9を包囲し且つネジ22によって分岐管に固定可能なスリーブ23によって上から固定されている。
【0035】
隔壁18と支持レール21との間には、例えば支持レール21に載置されたレールとして、又は支持レール21に載置された枠などとして、適切な高さを有するスペーサー装置21aを設けても良い。当該スペーサー装置によって、配設された分岐管9の下端に対する隔壁18の位置を正確に調整することができる。
【0036】
作動状態においては、本発明に係る装置には、多少とも圧力を有し得る排気ガスが供給される。当該排気ガスは分岐管9に分配され、その固有圧力によって全ての洗浄装置を貫流する。同時に、液体供給装置51、51aには、泡をほとんど形成しない、又は好適には泡を形成しない洗浄液が供給される。当該洗浄液は適切には水であり、噴霧ノズル及び/又はベンチュリ効果によって微細に噴霧されるので、極めて微細な液滴が形成され、供給管50のタンクに近い端部及び分岐管9においては、霧もしくはエアロゾルが生成される。この噴霧処理によって第一の処理ステップにおいて、凝結核を形成すると共に排気ガスに含まれる固体の汚染物質は、ここでは水の液滴である洗浄液の液滴によって捕らえられ、共に搬送されて行く。同じように、排気ガスに含まれる洗浄可能なガスは、水の液滴によって洗い落とされ、共に搬送されて行く。
【0037】
排気ガスと水との混合物もしくはエアロゾルの形で分岐管9から流出する体積流量は、さらなる処理のために、配設された槽12に含まれる洗浄液浴に誘導される。このとき、図4に示された流れの矢印から明らかなように、弁体14によって、垂直方向から水平方向へ、径方向の方向転換が行われる。図4の不規則な表面24が示すように、下側部分19に含まれる洗浄液は、隔壁18に隣接する領域によって押しのけられる。同時に、水の液滴の大部分は、下側部分19に含まれる洗浄液に流れ込み、当該洗浄液によって吸収される。水の液滴の残部を伴う排気ガスは、クッション25の形で、隔壁18によって形成されるボトルネック要素の下側に出現し、ボトルネック要素の微細な流路を通って上側部分20に達する。このとき、まだ通過している水の液滴は、そこに存在する洗浄液によって吸収され、排気ガスは微細な泡もしくは玉26の形で上方へ噴出する。排気ガスにまだ含まれている残存汚染物は、洗浄液によって捕らえられ、洗浄液内に移行する。
【0038】
槽12に洗浄液を充填するためには、槽12に、ここでは詳細に図示しない供給装置を配設すると合理的である。作動時には、槽12では、排気ガス内に微細に分散した洗浄液の形で、常に液体の補給が行われるので、槽12内の洗浄液は持続的に入れ替えられることになる。それに応じて、槽12には底面に排出口27が設けられており、当該排出口は適切には、槽の傾斜した底面における最深点に配置されている。排出口27は、排出口から排出される洗浄液が補給される洗浄液よりも少なくなるように設計されている。図4から明らかなように、過剰分は槽12の上縁から排出される。当該上縁はそれに応じて、流出縁28を形成している。槽12から下方へ排出される洗浄液もしくは流出縁28から溢れ出る洗浄液は、加圧タンク1の内部空間6の下部領域に集められ、下方に分岐する流出口4を通って排出される。
【0039】
上側部分20を通って噴出し、当該部分から上昇する排気ガスは、汚染物質、水の液滴などの形で、まだ微粒子を伴っている可能性がある。当該微粒子を可能な限り除去するために、槽12の上方で、さらに一段階又は複数段階の分離が行われる。図1に示された例は、一段階の分離である。ここでは槽12の上方に、動きの自由度を有して分岐管9が貫通している仕切り板29が設けられている。当該板の側縁は加圧タンク1の隣接する側壁とともに、脇に間隙を成す流路30を形成している。槽12から上昇する排気ガスは、仕切り板29の下面に沿って略水平に、径方向外側へ導かれ、そこで方向を転換される。それによって、質量を有する微粒子が遠心力によって分離される。図2に示したように、方向転換を強めるために、仕切り板29の側面を下方に屈曲させても良い。仕切り板29は、樽状の加圧タンク1の中間の高さに位置すると合理的である。当該位置では内径が最大になるので、排気ガスは脇の流路30に引き続いて加圧タンク1の壁面によって再び内側に誘導され、方向転換の効果はさらに強められる。方向転換によって、排気ガスが搬送してきた水の液滴は、径方向外側に回転するとともに、加圧タンク1の内壁に沿って下方に流れ落ちる。排気ガス排出口3まで、水の液滴が確実に搬送されて行かないようにするために、流路30の上方に、加圧タンク1の内壁から内側に突出した液滴収集レール31が設けられている。当該液滴収集レールは下方に傾斜していると合理的である。
【0040】
図8に示された例では、槽12の上方において、分離が二段階で行われている。ここでは、排気ガスを透過する材料から構成された分離要素62が仕切り板29の上流に配置されている。図示された例のように、分離要素62はプレート状に構成可能であり、間隙を有さずにタンク1内に配置されていると合理的である。分離要素62を形成するために、多孔質及び/又は網目状の材料を用いることができる。当該材料は、その材料を貫通する媒体のために不規則な経路を有しているので、質量を有する微粒子が縁などに衝突し、それによって収集される可能性は大きくなる。
【0041】
自明のことながら、槽12の上方で、分離要素62のみを用いて一段階の分離を行うことも考えられる。この場合、分離要素62の上方に設けられる仕切り板29を省略することも可能である。また、複数の分離要素62を相前後して配置することも考えられる。このとき、少なくとも1つの分離要素は、仕切り板として構成可能である。
【0042】
流路30を通過する排気ガスは、壁面近くを流れて、分配管7の傍らを過ぎ、排気ガス排出口3に流れ込む。排気ガス排出口3は、図1では、加圧タンク1の天井面に設けられている。図8の3aに示すように、排気ガス排出口は端面に設けても良い。排出されたばかりの排気ガスが内部に供給される分配管7は、分配管の傍らを通過する排気ガスを加熱する加熱管としても機能できる。この効果を強めるために、分配管7の外側に加熱フィンを設けても良い。排気ガス排出口3、3aを通じて排出される排気ガスは、排気ガス再循環に用いるか、及び/又は、排気装置に供給することができる。
【0043】
上述した種類の大型エンジンは、船舶用エンジンとして用いられることが多い。水中の船舶は側方に傾斜することがあるので、図5に示すように、本発明に係る装置、特に槽12もやはり傾斜することがあり得る。図示された例のように、各分岐管9にそれぞれ固有の槽12が配設されている場合には、比較的小さな槽12が多数設けられることになるので、図5から明らかなように、比較的傾斜が大きい場合にも、各分岐管9の開放された下端は、通常まだ十分に、配設された槽12内の液体の水面下にある。これがもはや保証されなくなった場合、もしくは洗浄液が大量に失われた場合においてのみ、槽12に洗浄液が補給される。当該補給は、槽12に配設された洗浄液供給装置を用いて、迅速かつ容易に行われ得る。
【0044】
取り付けを容易にするために、タンク軸に対して横に伸びる分岐管9の各列に配設された、隣り合って配置された槽は、上述したように共通のカセット13にまとめられる。図2から最も明らかになるように、当該カセットは隔壁32によって、各槽に分割されている。タンクの軸方向において前後に配置されたカセットは、互いに間隔を有していると合理的である。しかしながら、タンクの軸方向において前後に配置された槽を、タンクの長手軸線を貫く共通のカセットにまとめることも考えられる。当該カセットは、その側面において互いに間隔を有している。いずれの場合も、隔壁32は、その上縁と隔壁18の上面との間の領域に、あふれ開口部33を備えていると合理的である。当該あふれ開口部を通じて、隣接する槽同士で液体の交換が行われる。これによって、液体の補給に関係なく、全ての隣接し合う槽において、略同じ水位が得られる。図5から明らかなように、あふれ開口部33の位置は、傾斜が最大の場合でも、ボトルネック要素として機能している隔壁18の面全体が洗浄液によって覆われるとともに、分岐管9の開放された下端も浸水するような位置が選択される。
【0045】
さらに図2に示したように、カセット13の側面には支持レール34が設けられており、当該支持レールは、タンク側に設けられた支持レール35の上にかぶせることができる。このとき、分岐管9の浸水深度も調整可能となるように、支持レール34及び/又は支持レール35が垂線において調整可能なように配置されていると合理的である。
【0046】
図6及び図7は、上述したような、排気ガスの洗浄を複数段階で行う装置を示している。上述したように、好適な応用としては、排気ガスの再循環に利用される排気ガスの洗浄、すなわち、エンジンの排出するNO及び/又はSOを削減するために、当該エンジンに供給される新鮮な過給空気に再び混合される排気ガスの洗浄が挙げられる。このような応用は、図6に示されている。
【0047】
ここではシリンダ状の大型エンジンとして、2サイクル大型ディーゼルエンジン36が図示されている。シリンダの作動室から発する、排気弁によって制御可能な排気管37は、全てのシリンダを貫く排気ガス収集装置38に接続されている。シリンダジャケットの下部領域には吸気スリット39が設けられており、当該吸気スリットを通じて、ピストンが下降したときに、作動室に過給空気が供給される。エンジンにはターボ過給機40が配設されており、当該ターボ過給機のタービンは排気ガスによって作動し、そのコンプレッサは事前圧縮された過給空気を供給する。それに応じて、ターボ過給機40のタービンは、排気ガス導管41を通じて、排気ガス収集装置38に接続されている。過給空気導管42は、コンプレッサの出口から吸気スリット39に通じている。当該過給空気には排気ガスが混合される。さらに、排気ガス導管41からは再循環管43が分岐しており、当該再循環管は、破線が示すように、過給空気導管42又はターボ過給機40のコンプレッサの吸気管に接続されている。再循環管43には、排気ガスを洗浄するために、加圧タンク1として示されている排気ガス洗浄装置が統合されている。ここでは、排気ガスの一部のみが洗浄され、再循環に使用される。
【0048】
しかしながら、周辺環境に排出する前に、排気ガス全体を洗浄することも考えられる。このような実施例は図7に示されている。ここでは、加圧タンク1として示されている排気ガス洗浄装置は、ターボ過給機40のタービン出口から発して周辺環境に至る排気管44に取り付けられている。その他の点については、当該エンジンの構成は図6の配置に対応する。
【0049】
図6及び図7に示された例では、各エンジンにはそれぞれ個別に、固有の、本発明に係る排気ガス洗浄装置が1つずつ配設されている。しかしながら、複数のエンジンを配置し、1つの共通する、本発明に係る排気ガス洗浄装置を配設することも考えられる。また、1つのエンジンに、本発明に係る複数の排気ガス洗浄装置を配設することも考えられる。図6及び図7に示した例からは外れて、洗浄された排気ガスの一部のみを排気ガス再循環に使用し、残部を排気ガスとして排出するというさらなる可能性も存在する。これは、船舶に取り付けられた、又は固定された装置にも該当する。
【0050】
これまで、いくつかの実施例及び応用例について詳細に説明してきたが、それによって何ら限定が行われるものではない。むしろ当業者は、本発明の全般的な思想を、各事例の状況に適応させる可能性を有する。
【符号の説明】
【0051】
1 タンク
1a 耐力構造体
2 排気ガス流入口
3 排気ガス排出口
3a 排気ガス排出口
4 流出口
5 丸窓
6 内部空間
7 分配管
8 分配部品
9 分岐管
10 ノズル
11 ランス
12 槽
13 カセット
14 弁体
14a 核
15 棒
16 支柱
17 ナット
18 隔壁
19 下側部分
20 上側部分
21 支持レール
21a スペーサー装置
22 ネジ
23 スリーブ
24 不規則な表面
25 クッション
26 玉
27 排出口
28 流出縁
29 仕切り板
30 流路
31 液滴収集レール
32 隔壁
33 あふれ開口部
34 支持レール
35 支持レール
36 2サイクル大型ディーゼルエンジン
37 排気管
38 排気ガス収集装置
39 吸気スリット
40 ターボ過給機
41 排気ガス導管
42 過給空気導管
43 再循環管
44 排気管
50 供給管
51 供給装置
51a 供給装置
52 噴霧ノズル
53 アーム
54 絞り弁
54a 絞り弁
55 供給装置
56 壁面凹所
57 供給管
58 環流用物体
59 排出口
60 ブレード
61 上縁
62 分離要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの排気ガスの選択された流路内の流れを洗浄するための方法であって、まず前記排気ガスの選択された流路内の流れに微細に分散した洗浄液が供給された後、排気ガスと微細に分散した洗浄液とから形成された体積流量が、分岐管(9)を通じて、タンク(1)内に設けられた洗浄液浴を通過するように搬送され、当該浴は、網状体又は格子又は透過性のある泡状体として形成されており、自身の表面に渡って分散した多数の狭い流路を有し、ガス及び液体を透過するボトルネック要素(18)を形成する隔壁によって、洗浄液を有する下側部分(19)と洗浄液を有する上側部分(20)とに分割されており、排気ガスと微細に分散した洗浄液とから形成された前記体積流量は、前記洗浄液浴の前記ボトルネック要素(18)の下方領域に導入されるとともに、ここから、前記洗浄液浴の前記ボトルネック要素(18)の上方領域を通って噴出する方法において、
前記分岐管(9)それぞれが、排気ガスの体積流量のうち一部の流量を部分流量として受容し、
前記排気ガスに供給される、微細に分散した洗浄液の少なくとも一部は、まだ部分流量に分割されていない、前記排気ガスの選択された流路内の流れの排気ガス全体流量に供給されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記エンジンが、2サイクル大型ディーゼルエンジンであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記排気ガスは、前記洗浄液浴に導入される前に部分流量に分割されること、及び、前記排気ガスに供給される、微細に分散した洗浄液の少なくとも一部が、前記排気ガス部分流量に供給されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記微細に分散した洗浄液の少なくとも一部が、ベンチュリ効果によって前記排気ガスに供給されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
排気ガス及び微細に分散した洗浄液から形成された前記体積流量それぞれは、前記洗浄液浴に導入される際、供給方向に関して径方向に方向を転換されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
洗浄液として、泡を形成しない液体が、化学物質と共に又は化学物質を伴わずに用いられることを特徴とする請求項32から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記洗浄液浴上方において、前記洗浄液浴から上昇する排気ガスと共に搬送された微粒子の分離が、少なくとも一段階で行われることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記洗浄液浴の上方で行われる微粒子の分離が、前記排気ガスを透過する分離要素(62)を少なくとも部分的に用いて行われることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記洗浄液浴の上方で行われる微粒子の分離が、少なくとも部分的に遠心力によって行われることを特徴とする請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記遠心力による分離は、前記分離要素(62)を用いた分離が行われた後に行われることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
洗浄された排気ガスは、少なくとも部分的に、配設されたエンジンにおける排気ガス再循環に用いられることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
通過する排気ガスに微細に分散した洗浄液を供給するための、供給装置(51、51a)を少なくとも1つ、
端面に配置された排気ガス流入口2と、タンクから上方に向かって分岐する排気ガス排出口3とを有しているタンク(1)であって、タンク(1)内に配置された、上方に向かって開放された、洗浄液から成る浴を有する槽(12)を少なくとも1つ、
前記槽(12)を、洗浄液を有する下側部分(19)と洗浄液を有する上側部分(20)とに分割する隔壁であって、自身の表面にわたって分散した多数の狭い流路を有する、ガス及び液体を透過するボトルネック要素(18)として形成されている隔壁を少なくとも1つ、及び、
槽(12)内に突出し、排気ガスを供給可能な分岐管(9)であって、前記ボトルネック要素(18)を貫通する前記分岐管(9)を少なくとも1つ備えている装置において、
前記分岐管(9)それぞれが、排気ガスの体積流量のうち一部の流量を部分流量として受容し、
洗浄液が供給可能な少なくとも1つの供給装置(51)が、前記通過する排気ガスに微細に分散した洗浄液を供給するために、まだ部分流量に分割されていない排気ガス全体流量が貫流可能な供給管(50)に配設されていることを特徴とする装置。
【請求項13】
槽(12)内に浸水している、排気ガス部分流量が供給可能な各分岐管(9)に、洗浄液が供給可能な供給装置(51a)が、前記通過する排気ガスに微細に分散した洗浄液を供給するために配設されていることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記排気ガスに微細に分散した洗浄液を供給するための、少なくとも1つの供給装置(51、51a)が、ベンチュリ装置として構成されており、前記ベンチュリ装置は、前記排気ガスの流れを加速する絞り弁(54、54a)と、前記絞り弁に配設された、洗浄液が供給可能な少なくとも1つの供給装置と、を有することを特徴とする請求項12又は13に記載の装置。
【請求項15】
絞り弁(54)を形成するために、配設された流路の周側に凹所(56)が設けられていることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
絞り弁(54a)を形成するために、配設された流路内に、前記排気ガスがその周囲を流れる環流用物体(58)が配置されていることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記環流用物体(58)の表面には保護層が設けられていることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記環流用物体(58)は、前記配設された流路内に突出し、自身と同軸に配置されたランス(11)に取り付けられていることを特徴とする請求項16又は17に記載の装置。
【請求項19】
絞り弁(54、54a)に配設された、洗浄液が供給可能な前記供給装置が、前記配設された流路内に突出したランス(11)又は前記ランス(11)に取り付けられた環流用物体(58)に配設されていることを特徴とする請求項14から18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
槽(12)内に浸水している各ニップルの下端には、流れを径方向に方向転換させる弁体(14)が配設されていることを特徴とする請求項12から19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記弁体(14)が、前記弁体(14)と前記配設されたニップルの下端とのクリアランスを調整可能であることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記弁体(14)の、前記配設されたニップルに対向する上面には、径方向に続いて行くブレード(60)が設けられていることを特徴とする請求項20又は21に記載の装置。
【請求項23】
前記ブレード(60)は、その長手軸線に渡って屈曲していることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記ブレード(60)の高さは、径方向内側から径方向外側に向かって増加することを特徴とする請求項22又は23に記載の装置。
【請求項25】
前記弁体(14)は円錐状の核(14a)を有しており、前記核は、その上面で前記ブレード(60)を支持していることを特徴とする請求項22から24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記槽(12)又は前記槽(12)それぞれの上方には、前記洗浄液浴から上昇する排気ガスと共に搬送された微粒子を分離するための分離装置が設けられており、前記分離装置は、配設された槽の上方に配置された、排気ガスを透過する材料から成る分離要素(62)を少なくとも1つ有していることを特徴とする請求項12から25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
前記槽(12)又は前記槽(12)それぞれの上方に設けられた分離装置は、排気ガスを透過する分離要素(62)の下流に設けられた仕切り板(29)を少なくとも1つ有しており、前記仕切り板の側縁と、隣接するタンクの壁面とは、共に流路(30)を形成していることを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項28】
少なくとも1つの分離要素(62)は、仕切り板として構成されていることを特徴とする請求項26又は27に記載の装置。
【請求項29】
前記仕切り板(29)は、タンクの中間の高さに配置されていることを特徴とする請求項27に記載の装置。
【請求項30】
前記流路(30)上方のタンク側壁には、内側に向けられた液滴収集レール(31)が取り付けられていることを特徴とする請求項27又は29に記載の装置。
【請求項31】
前記分離要素(62)は、多孔質及び/又は網目状の材料から成ることを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項32】
排気ガス部分流量が供給可能な複数の分岐管(9)が設けられており、前記分岐管(9)は槽(12)内に浸水していることを特徴とする請求項12から31のいずれか一項に記載の装置。
【請求項33】
複数の槽(12)が設けられており、前記槽内には配設された各分岐管(9)が浸水していることを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項34】
隔壁によって各槽(12)に分割された、前記タンク(1)の長手方向及び/又は横断方向に延在する槽のカセット(13)が設けられていることを特徴とする請求項12から33のいずれか一項に記載の装置。
【請求項35】
前記隔壁は、隣接する槽同士で液体の交換が行われるように、隔壁(32)の上縁と隔壁(18)の上面との間の領域にあふれ開口部(33)を有していることを特徴とする請求項34に記載の装置。
【請求項36】
少なくとも前記槽(12)の一部、前記槽(12)又は前記槽(12)それぞれに、洗浄液を供給するための供給装置が配設されていることを特徴とする請求項12から35のいずれか一項に記載の装置。
【請求項37】
前記供給管(50)に接続する少なくとも1つの分配管(7)が設けられており、前記分配管からは、それぞれ分岐管(9)によって形成された複数の分岐管(9)が下方に分岐しており、前記分岐管は槽(12)内に突出していることを特徴とする請求項12から36のいずれか一項に記載の装置。
【請求項38】
複数の分配管(7)が平行に並んで配置されており、当該分配管からは、横断方向において列を成すように配置された分岐管(9)が下方に分岐していることを特徴とする請求項37に記載の装置。
【請求項39】
少なくとも1つの前記分配管(7)を有する分配管装置が前記タンク(1)内に配置されていることを特徴とする請求項37又は38に記載の装置。
【請求項40】
前記ボトルネック要素(18)が、単層又は複層の網状体及び/又は格子として、又は、金属又はプラスチックの泡状体として構成されていることを特徴とする請求項12から39のいずれか一項に記載の装置。
【請求項41】
前記タンク(1)が加圧タンクとして構成されていることを特徴とする請求項12から40のいずれか一項に記載の装置。
【請求項42】
通過する排気ガスに微細に分散した洗浄液を供給するための、供給装置(51、51a)を少なくとも1つ、
端面に配置された排気ガス流入口2と、タンクから上方に向かって分岐する排気ガス排出口(3)とを有しているタンク(1)であって、下面に流出口(4)を備えているタンク(1)内に配置された、上方に向かって開放された、洗浄液浴を有する槽(12)を少なくとも1つ、
前記槽(12)を、洗浄液を有する下側部分(19)と洗浄液を有する上側部分(20)とに分割する、ガス及び液体を透過するボトルネック要素(18)を少なくとも1つ、及び、
槽(12)内に突出し、排気ガスを供給可能な分岐管(9)であって、前記ボトルネック要素(18)を貫通する前記分岐管(9)を少なくとも1つ備えている装置において、
前記分岐管(9)それぞれが、排気ガスの体積流量のうち一部の流量を部分流量として受容し、
洗浄液が供給可能な少なくとも1つの供給装置(51)が、前記通過する排気ガスに微細に分散した洗浄液を供給するために、まだ部分流量に分割されていない排気ガス全体流量が貫流可能な供給管(50)に配設されており、
前記槽(12)内に浸水している各ニップルの下端には、流れを径方向に方向転換させる弁体(14)が配設されていることを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−153628(P2011−153628A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103744(P2011−103744)
【出願日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【分割の表示】特願2010−14195(P2010−14195)の分割
【原出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(597061332)エムエーエヌ・ディーゼル・アンド・ターボ・フィリアル・アフ・エムエーエヌ・ディーゼル・アンド・ターボ・エスイー・ティスクランド (98)
【Fターム(参考)】