説明

エンジン発電装置

【課題】負荷の状態に応じてエンジン回転数を変化させて燃料の節減などを図るとともに、モータ起動時の突入電流にも対応できるエンジン発電装置を提供する。
【解決手段】エンジン11で駆動される永久磁石式発電機12と、永久磁石式発電機からの交流を直流にする整流手段13と、整流手段からの直流を設定電圧に変換する昇降圧手段14と、昇降圧手段からの直流の一部で充電される蓄電手段15と、昇降圧手段からの直流を交流に変換するDC/AC変換手段16と、DC/AC変換手段から出力される電力が減少したときにはエンジン回転数を下げ、電力が増加したときにはエンジン回転数を上昇させるエンジン制御手段17とを備え、蓄電手段は、負荷に出力される電力が永久磁石式発電機からの電力を超えたときに放電して電力を補充する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン発電装置に関し、詳しくは、エンジンにより発電機を駆動して一定周波数、一定電圧の三相交流を出力するエンジン発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンで発電機を駆動して一定周波数、一定電圧の三相交流を出力するエンジン発電装置として、エンジンで界磁巻線式の同期発電機を駆動するエンジン発電装置が広く用いられている。同期発電機を使用した発電装置の場合、エンジンの回転数を一定に保つことによって出力周波数を一定に保ち、自動電圧調整器によって界磁巻線の界磁電流を調整することによって出力電圧を一定に保つようにしている。したがって、高負荷状態のときだけでなく、低負荷あるいは無負荷の場合でも、出力周波数を一定に保つためにエンジンの回転数を一定に保つようにしているので、燃料が無駄に消費されることになり、騒音が問題になることもある。
【0003】
一方、小型の発電機として、ガソリンエンジンと、このガソリンエンジンで駆動されて交流出力電圧を発生する多極式の発電体と、この発電体からの交流出力電圧を整流して直流電圧に変換するとともに定電圧化を行う全波整流回路と、この全波整流回路で得られた直流電圧を交流出力に変換するDC/AC変換部と、前記全波整流回路と前記DC/AC変換部との間にDC/DCコンバータを介して接続した蓄電装置とを備えるとともに、前記発電体又は前記蓄電装置のいずれかを電力供給源として選択するパワーソース選択スイッチを有する制御部を備えた携帯発電機がある。さらに、この携帯発電機には、パワーアシストモードスイッチとエコノミーコントロールスイッチとが設けられており、前記3個のスイッチのON・OFF状態を組み合わせることによって様々な負荷に応じた出力を得られるようにしてる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−284258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の発電機は、制御が複雑であるだけでなく、前記エコノミーコントロールスイッチをONとしてエンジン回転数を下げる運転は、出力電流が少ない軽負荷のときのみであり、負荷電流が頻繁に変わる場合には、エコノミーコントロールスイッチをOFFとしてエンジン回転数を一定に制御するようにしている。すなわち、特許文献1の携帯発電機では、軽負荷の場合、例えば夜店の電球を点灯するような場合にのみエンジン回転数を下げる運転を行うことはできるが、運転と停止とを繰り返すモータ用の電源として使用する際には、エコノミーコントロールスイッチをOFFとしてエンジン回転数を一定に制御するようにしている。
【0006】
したがって、特許文献1の携帯発電機は、工事現場で使用する機器などに電力供給を行う場合、例えば、水位の変動に応じて始動と停止とを切り替えて運転される水中ポンプのような機器に電力を供給する場合には、従来の一般的なエンジン発電機と同様に、低負荷あるいは無負荷の場合でもエンジン回転数を一定に制御するため、燃料の節減や騒音の軽減を達成することができなかった。
【0007】
そこで本発明は、負荷の状態に応じてエンジンの回転数を自動的に変化させて燃料の節減や騒音の軽減を図ることができるとともに、モータを起動する際などの大きな起動時の突入電流にも対応することができるエンジン発電装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のエンジン発電装置は、エンジンと、該エンジンで駆動されて交流を出力する永久磁石式発電機と、該永久磁石式発電機から出力された交流を整流して直流に変換する整流手段と、該整流手段からの直流をあらかじめ設定された電圧に変換する昇降圧手段と、該昇降圧手段からの直流の一部により充電される蓄電手段と、前記昇降圧手段からの直流をあらかじめ設定された周波数の交流に変換して出力するDC/AC変換手段と、該DC/AC変換手段から負荷に出力される電力に応じて前記エンジンの回転数を変化させるエンジン制御手段とを備え、該エンジン制御手段は、負荷に出力される電力が減少したときにはエンジンの回転数を下げ、負荷に出力される電力が増加したときにはエンジンの回転数を上昇させ、前記蓄電手段は、負荷に出力される電力が前記永久磁石式発電機から得られる電力を超えたときに、永久磁石式発電機からの電力に蓄電手段の放電による電力を加えて負荷に出力することを特徴としている。
【0009】
さらに、前記蓄電手段は、負荷に出力される電力が増加してエンジンの回転数が上昇しているときに放電を行うことを特徴とし、また、前記蓄電手段がEDLCであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明のエンジン発電装置によれば、エンジンで駆動する永久磁石式発電機で発電した交流出力を、整流手段、昇降圧手段及びDC/AC変換手段を介して負荷に供給するので、負荷の大小に応じて永久磁石式発電機の発電量を増減することができ、負荷が小さいときにはエンジンの回転数を低くして燃料の節減や騒音の低減を図ることができる。さらに、負荷に出力される電力が永久磁石式発電機から供給される電力を超えたときに、昇降圧手段からの直流の一部により充電される蓄電手段を放電させて負荷に供給する電力を補充することにより、モータが起動する際の大きな突入電流にも対応することができ、ON・OFFを繰り返すモータに電力を供給する場合でも発電容量の小さい永久磁石式発電機を使用することができる。したがって、発電容量の小さな永久磁石式発電機を排気量の小さなエンジンで駆動することができ、従来の大型発電機を大型エンジンで駆動するエンジン発電機に比べてエンジン発電機の小型軽量化を図れるとともに、発電機の構造の簡略化、燃料消費量や騒音問題の改善などを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のエンジン発電装置の第1形態例を示す構成図である。
【図2】同じくエンジン発電装置のブロック図である。
【図3】エンジン発電装置の運転状態の一例を示す説明図である。
【図4】エンジンの回転数と出力との関係を示す図である。
【図5】蓄電手段15を組み込んだ昇降圧手段の一例を示す回路図である。
【図6】エンジン回転数と発電電圧と蓄電手段の定格電圧との関係を説明するための図である。
【図7】エンジン回転数と発電電圧と蓄電手段の定格電圧との関係における昇圧域と降圧域とを示す説明図である。
【図8】EDLCの放電電力量の説明図である。
【図9】エンジン発電装置から出力される電力と蓄電手段から放電される電力と発電機定格出力との関係を示す説明図である。
【図10】蓄電手段の電圧変化の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本形態例に示すエンジン発電装置は、図1に示すように、エンジン(E)11と、該エンジン11で駆動されて交流を出力する永久磁石式発電機(G)12と、該永久磁石式発電機12から出力された交流を整流して直流に変換する整流手段13と、該整流手段13からの直流をあらかじめ設定された電圧に変換する昇降圧手段(DC/DC昇降圧チョッパ)14と、該昇降圧手段14からの直流の一部により充電される蓄電手段(チョッパ、EDLC)15と、前記昇降圧手段14からの直流をあらかじめ設定された周波数の交流に変換して出力するDC/AC変換手段(インバータ)16と、該DC/AC変換手段16から負荷に出力される電力量に応じて前記エンジン11の回転数の増減を制御するエンジン制御手段(ECU)17とを備えている。
【0013】
このエンジン発電機の電力供給動作を、図2及び図3を参照して説明する。まず、永久磁石式発電機12を回転駆動するエンジン11の駆動軸Aの回転数は、エンジン制御手段17から指示される回転数に向かって運転開始(t1)から徐々に上昇しいく。このとき、永久磁石式発電機12から回路Bに出力される電圧は交流(AC)であって、電圧及び周波数は、エンジン回転数が高くなると、これに比例して高くなる。永久磁石式発電機12からの電圧は、ステータコイルの巻数を変えることによって変更可能であり、周波数はマグネットの極数にエンジン回転数を乗じたものに比例する。
【0014】
永久磁石式発電機12からの交流電圧は、ダイオードなどを使用した整流手段13で全波整流することにより、回路Cには直流(DC)の電圧が出力される。この回路Cの電圧は、コンデンサで脈流を取って平滑化したり、永久磁石式発電機12として極数が多い多極発電機を用いたりすることにより、図の下段に示すように回路Cの電圧を平均電圧に近い滑らかな直流電圧にすることができる。
【0015】
整流手段13から回路Cに出力された直流電圧は、昇降圧手段14によってあらかじめ設定された電圧に調整され、回路DからDC/AC変換手段16に供給される。回路Dの電圧は、電力を供給する負荷18に対応させた電圧、例えば200Vや400Vなどの一定電圧が出力される。また、昇降圧手段14から蓄電手段15への回路Eの電圧は、蓄電手段15の電圧が一定になるように調整される。負荷18が運転を開始する前に蓄電手段15の充電が行われ、回路Eを流れる電力は、昇降圧手段14から蓄電手段15へ向かって蓄電手段15を充電する方向となっている。
【0016】
負荷18が運転を開始すると(t2)、DC/AC変換手段16が昇降圧手段14から回路Dを通して供給された直流を、あらかじめ設定された電圧及び周波数の交流電力として回路Fから負荷18に出力する。DC/AC変換手段16から出力される電力の状況は、回路Gを介してエンジン制御手段17に伝達され、また、蓄電手段15の電圧が回路Hを介してエンジン制御手段17に伝達され、回路G,Hからの信号に応じてエンジン制御手段17がエンジン11の回転数を調整する。
【0017】
このとき、負荷18がモータのように起動時の突入電流が大きいものの場合は、その時点でのエンジン回転数で回転している永久磁石式発電機12から回路Bに出力される電力よりも、負荷18を作動させるための回路Fの電力が一時的に大きくなることがあるので、回路Fから負荷18に出力される電力が、永久磁石式発電機12から回路Bに出力される電力を超えたときに蓄電手段15が放電を開始し、不足する電力に対応する電力が蓄電手段15から回路Eに取り出され、永久磁石式発電機12からの電力に蓄電手段15からの電力を加えた電力を、DC/AC変換手段16を介して回路Fから負荷18に供給する。蓄電手段15が放電することによって得られる電力の供給は、永久磁石式発電機12からの電力が負荷18に出力する電力と同等になるまで継続され、それ以後は永久磁石式発電機12からの電力が負荷18に供給される(t3)。
【0018】
また、永久磁石式発電機12からの電力の一部は、放電によって蓄電量が低下した蓄電手段15の充電に用いられるため、負荷18が必要とする電力以上の電力を永久磁石式発電機12が発電するようにエンジン11の回転数が高めに維持される。蓄電手段15の電圧があらかじめ設定された電圧に上昇して蓄電手段15の充電に要する電力が減少してくると(t4)、回路Fから負荷18へ供給する電力が、回路Cから供給する電力を上回る状態となった場合、回路G,Hを介してエンジン制御手段17が作動し、永久磁石式発電機12から回路Bに出力される電力が、回路Fから負荷18に供給する電力に見合った電力になるようにエンジン11の回転数を低くする(t5)。
【0019】
別の負荷を始動したり、前記モータの電力消費が急激に増加したりするなどによって負荷18の消費電力が再び増大すると(t6)、回路Fから負荷18に供給される電力が増加するとともに、回路Bの電力が回路Fの電力より低い場合は、回路Eから不足電力を供給するので、エンジン制御手段17が作動してエンジン11の回転数を定格回転数に向けて高くしていくが、エンジン11の立ち上がり途中の電力不足分は、前記同様に、蓄電手段15を放電させることによって補充され、負荷18には必要な電力が供給される。エンジン11が所定の回転数に達して負荷18の消費電力が定常状態に減少してくると蓄電手段15が放電状態から充電状態となり(t7)、充電完了後は負荷18の消費電力に応じてエンジンの回転数が低くなり、負荷18が停止するとエンジンはアイドリング状態となる(t8)。
【0020】
このように、永久磁石式発電機12から出力された交流を整流手段13で直流に変換し、昇降圧手段14で負荷18に対応した電圧とした後、DC/AC変換手段16で所定周波数の交流に変換し、あらかじめ設定された電圧及び周波数の交流を負荷18に供給することにより、出力周波数を一定にするためにエンジン11を一定の回転数で運転する必要がなくなり、エンジン11の燃費効率を向上させることができる。
【0021】
例えば、四極の発電機を駆動する場合、従来は、50Hzの周波数を得るためにはエンジンを1500rpmの一定回転数で、60Hzの周波数を得るためにはエンジンを1800rpmの一定回転数で、それぞれ連続運転する必要がある。これに対して本形態例では、出力周波数に関係なく発電機の回転数を変化させることができるので、小型のエンジンを用いて回転数を高くすることにより、発電機を高速で回転させて高電圧の交流を出力させることができる。
【0022】
例えば、図4に示すように、1500rpm(周波数50Hz)で23kWの出力を必要とする場合、従来は排気量2リットル以上、例えば排気量2.2リットルのディーゼルエンジンDaを使用するようにしているが、1.5リットルのディーゼルエンジンDbを使用して約2600rpmで回転させることにより、同じ23kWの出力を得ることができる。周波数60Hzの場合も、1.5リットルのエンジンを約3300rpmで回転させることにより、2.2リットルのエンジンを1800rpmで回転させたときと同じ出力を得ることができる。したがって、従来よりも小排気量のエンジンを使用しても、発電機から同等の電力を発生させることができるので、同程度の発電容量のエンジン発電機におけるエンジンの小型軽量化及び燃料消費量の低減を図ることができる。
【0023】
また、永久磁石式発電機12からの電力の一時的な不足分を補うための蓄電手段15を設け、モータ起動時などの一時的な大電流に対して永久磁石式発電機12の発電電力に蓄電手段15の放電電力を加えて負荷に供給するようにしているので、一時的な大電流を発電機のみで対応する場合に比べて発電容量の小さな発電機を用いることが可能となり、併せて、発電機の小型化によってエンジンの小型化も図ることができる。
【0024】
前記蓄電手段15には、鉛蓄電池をはじめとする様々な二次電池を用いることが可能であるが、電池寿命や瞬時に大きなエネルギを取り出せるという点から、キャパシタ、特にEDLC(電気二重層コンデンサ)が最適である。この蓄電手段15は、図5に示すような昇降圧回路21と組み合わせて用いられる。昇降圧回路21は、定電圧回路を構成する降圧チョッパ部21a及び第1昇圧チョッパ部21bと、昇圧回路である第2昇圧チョッパ部21cを備えており、蓄電手段15に対しては、永久磁石式発電機12から整流手段13を介して供給される直流の一部を降圧チョッパ部21aで降圧又は第1昇圧チョッパ部21bで昇圧して蓄電手段15を充電するとともに、蓄電手段15の放電時の直流を第2昇圧チョッパ部21cで昇圧して出力する。
【0025】
図6に示すように、エンジン回転数に比例するように永久磁石式発電機12からの出力電圧Viが変化するため、図6ではエンジン回転数R1までは出力電圧Viが蓄電手段15の定格電圧Vo1より低く、エンジン回転数R1を超えると蓄電手段15の定格電圧Vo1より永久磁石式発電機12からの出力電圧Viが高くなる。したがって、図7に示すように、永久磁石式発電機12からの出力電圧Viと蓄電手段15の定格電圧Vo1とが一致するエンジン回転数R1を境にして、エンジン回転数が低い範囲は昇圧域、エンジン回転数が高い範囲は降圧域となり、降圧域では降圧チョッパ部21aが作動し、昇圧域では第1昇圧チョッパ部21bが作動することにより、それぞれ蓄電手段15の定格電圧Vo1に対応した電圧になるようにして蓄電手段15を充電する。
【0026】
一方、交流200Vを出力するときには、蓄電手段15の定格電圧を高くしすぎると、蓄電手段15の放電時の出力側にも降圧チョッパを設ける必要が生じたり、蓄電手段15の充電に長時間を要したりする場合がある。これらのことから、蓄電手段15の定格電圧を三相交流出力200Vに対応した直流電圧である311Vに設定しておくことにより、蓄電手段15の放電時に降圧する必要がなくなり、出力側の降圧チョッパを不要とすることが可能となり、蓄電手段15の充電も速やかに行うことが可能となる。
【0027】
さらに、図8に示すように、蓄電手段15がEDLCの場合、放電の際にキャパシタ電圧を1/2まで使用すると、蓄電量の75%の電力を使用することができるので、キャパシタ電圧が1/2になったときに所定の電圧まで第2昇圧チョッパ部21cで昇圧できるように、蓄電手段15の定格電圧及び第2昇圧チョッパ部21cの昇圧能力を設定することにより、EDLCの能力を有効に利用することができる。
【0028】
蓄電手段15の蓄電量は、電力補給時に必要とする電力量Waに応じて設定される。例えば、図9に示すように、負荷が起動して起動時の突入電流によってエンジン発電装置から負荷に出力される電力Waが急激に上昇すると、エンジン制御手段17からの制御によりエンジン11の回転数が上がり始めて永久磁石式発電機12の発電量を増加させていくが、エンジン11の立ち上がり途中の電力不足分Wb及び永久磁石式発電機12の定格出力に対する電力不足分Wcに相当する電力を蓄電手段15から放電される電力(コンデンサアシスト出力)によって補給する必要があり、また、電力補給時間(アシスト時間)は、負荷18が起動してから永久磁石式発電機12の発電量が定格出力になり、負荷18に供給する電力を発電量で賄えるようになるまでの時間であるから、蓄電手段15の蓄電量は、このアシスト時間と、負荷18への出力電圧、負荷18の起動時の突入電流、エンジン及び発電機の性能に応じて最適な蓄電量を設定すべきである。
【0029】
図10の実線から破線にわたって示すように、蓄電手段15の蓄電量を最適な蓄電量に設定すると、出力電圧Voを一定に保つためにアシスト時間中にはキャパシタ電圧Vcが次第に低下し、アシスト時間の終了までに蓄電手段15のキャパシタ電圧Vcが定格電圧の1/2に低下するまで使用することができ、アシスト時間終了後は永久磁石式発電機12からの電力によって充電されてキャパシタ電圧Vbが定格電圧に回復するので、蓄電手段15の性能を十分に活かすことができる。
【0030】
一方、蓄電手段15の蓄電量が不足したり、アシスト時間があらかじめ設定された時間を超えて継続すると、蓄電手段15の電圧Vcがあらかじめ設定された電圧より低下して十分に昇圧できなくなるため、図10に一点鎖線で示すように、蓄電手段15の電圧Vcxが低下するのに伴って出力電圧Voxが低下し、負荷を安定して起動できなくなるおそれがある。ただし、出力電圧Voxの低下が短時間であればほとんど問題はない。
【符号の説明】
【0031】
11…エンジン、12…永久磁石式発電機、13…整流手段、14…昇降圧手段、15…蓄電手段、16…DC/AC変換手段、17…エンジン制御手段、18…負荷、21…昇降圧回路、21a…降圧チョッパ部、21b…第1昇圧チョッパ部、21c…第2昇圧チョッパ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、該エンジンで駆動されて交流を出力する永久磁石式発電機と、該永久磁石式発電機から出力された交流を整流して直流に変換する整流手段と、該整流手段からの直流をあらかじめ設定された電圧に変換する昇降圧手段と、該昇降圧手段からの直流の一部により充電される蓄電手段と、前記昇降圧手段からの直流をあらかじめ設定された周波数の交流に変換して出力するDC/AC変換手段と、該DC/AC変換手段から負荷に出力される電力に応じて前記エンジンの回転数を変化させるエンジン制御手段とを備え、該エンジン制御手段は、負荷に出力される電力が減少したときにはエンジンの回転数を下げ、負荷に出力される電力が増加したときにはエンジンの回転数を上昇させ、前記蓄電手段は、負荷に出力される電力が前記永久磁石式発電機から得られる電力を超えたときに、永久磁石式発電機からの電力に蓄電手段の放電による電力を加えて負荷に出力することを特徴とするエンジン発電装置。
【請求項2】
前記蓄電手段は、負荷に出力される電力が増加してエンジンの回転数が上昇しているときに放電を行うことを特徴とする請求項1記載のエンジン発電装置。
【請求項3】
前記蓄電手段がEDLCであることを特徴とするエンジン発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−256729(P2011−256729A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−129545(P2010−129545)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(000004617)日本車輌製造株式会社 (722)
【Fターム(参考)】