説明

オペアンプ

【課題】プロセスばらつきによる影響を低減して動作が不安定になることを抑制することのできるオペアンプを提供する。
【解決手段】オペアンプは、電流源として動作するトランジスタTr2と、差動対11と、カレントミラー回路12とを含む第1差動増幅回路10と、差動対21と、電流源22と、カレントミラー回路23とを含む第2差動増幅回路20とを備える。差動対21のトランジスタTr11のゲートに供給されるトランジスタTr3,Tr5のドレイン電圧(ノードN1の電圧)を、電流源22であるトランジスタTr15,Tr16のゲートに供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オペアンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のオペアンプの一例を図4に示す(例えば、特許文献1参照)。
図4に示すように、トランジスタTr1,Tr2によりカレントミラー回路が形成され、その出力側トランジスタTr2は定電流源として動作する。すなわち、トランジスタTr2は、第1電流源1に流れる電流と等しいドレイン電流を流す。
【0003】
このトランジスタTr2のドレインは、トランジスタTr3,Tr4のソースに接続されている。トランジスタTr3のドレインは、トランジスタTr5のドレイン及びトランジスタTr5,Tr6のゲートに接続され、トランジスタTr5のソースはグランドGNDに接続されている。また、上記トランジスタTr4のドレインは、トランジスタTr6のドレインに接続され、トランジスタTr6のソースはグランドGNDに接続されている。上記トランジスタTr3,Tr4のゲートには入力信号VM,VPがそれぞれ入力される。なお、これらトランジスタTr2〜Tr6は、トランジスタTr2から供給される定電流に基づいて活性化する差動入力回路として機能する。
【0004】
上記トランジスタTr3,Tr5のドレインであるノードN1は、トランジスタTr11のゲートに接続され、上記トランジスタTr4,Tr6のドレインであるノードN2は、トランジスタTr12のゲートに接続される。これらトランジスタTr11,Tr12のソースは、第2電流源2を介してグランドGNDに接続されている。
【0005】
トランジスタTr11のドレインはトランジスタTr13のドレインに接続され、そのトランジスタTr13のソースは電源Vccに接続されている。また、トランジスタTr12のドレインは、トランジスタTr14のドレイン及びトランジスタTr13,Tr14のゲートに接続され、トランジスタTr14のソースは電源Vccに接続されている。なお、これらトランジスタTr11〜Tr14及び第2電流源2は、ノードN1,N2の差電圧を増幅する差動増幅回路として機能する。
【0006】
トランジスタTr11,Tr13のドレインであるノードN3は出力トランジスタTr21のゲートに接続され、同トランジスタTr21のソースは電源Vccに接続され、ドレインは出力端子Toに接続されている。
【0007】
上記ノードN2は出力トランジスタTr22のゲートに接続され、同トランジスタTr22のドレインは出力端子Toに接続され、ソースはグランドGNDに接続されている。そして、出力信号Voutが入力信号VMとして上記トランジスタTr3のゲートに入力される。
【0008】
このように構成されたオペアンプでは、例えば入力信号VPが入力信号VM(出力信号Vout)よりも高レベルになると、トランジスタTr4のドレイン電流が減少して、トランジスタTr3のドレイン電流より小さくなる。すると、ノードN2の電圧レベルが低下し、トランジスタTr22がオフされる。
【0009】
このとき、ノードN2の電位がノードN1の電位より低くなると、差動増幅回路の動作によりノードN3の電位が低下する。これにより、出力トランジスタTr21がオンし、出力信号Voutの電圧レベルが上昇する。このような動作により、入力信号VPと出力信号Vout(入力信号VM)の電圧レベルが一致する。
【0010】
また、上記ノードN3の電位低下に伴ってトランジスタTr21からトランジスタTr22に供給されるドレイン電流が増大される。すると、トランジスタTr22のドレイン電流が増大して、同トランジスタTr22のゲート・ソース間電圧が上昇する。この結果、ノードN2の電位が上昇する。このようにノードN1,N2の差電圧に応じてトランジスタTr21のドレイン電流を制御することにより、ノードN1,N2の電位が同一電位に収束される。これにより、トランジスタTr3,Tr4のドレイン電圧が同一になるため、トランジスタTr3,Tr4のソース・ドレイン間電圧及びドレイン電流が同一となる。この結果、トランジスタTr3,Tr4のゲート・ソース間電圧を同一にすることができるため、入力信号VPと出力信号Voutとのオフセット電圧の発生を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平11−154832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところが、従来のオペアンプでは、製造時のプロセスばらつき等によって、各トランジスタの特性にばらつきが生じると、それに依存してオペアンプの動作特性(例えば動作速度)が変動し、動作が不安定になる場合がある。例えばプロセスばらつき等によってトランジスタTr11のゲート・ソース間電圧が設計値よりも低くなると、差動増幅回路では、トランジスタTr11が動作可能なゲート・ソース間電圧を確保するために、トランジスタTr11のソース電位を低下させるように動作する。このとき、電流源2がトランジスタで構成されている場合には、上記電位の低下に伴って上記トランジスタのドレイン・ソース間電圧が低下するため、電流源2が供給する電流が減少することになる。これにより、この電流源2が供給する電流によって動作する差動増幅回路(トランジスタTr11〜Tr14)などの動作速度が遅くなる、という問題が発生する。
【0013】
オペアンプで、プロセスばらつきによる影響を低減して動作が不安定になることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一観点によれば、入力信号が入力される第1アンプと、前記第1アンプの出力が入力される第2アンプと、を有し、前記第2アンプは、前記第1アンプの出力がゲートに入力される第1トランジスタと、前記第1トランジスタのソースにドレインが接続され前記第1アンプの出力がゲートに入力される第2トランジスタとを含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一観点によれば、プロセスばらつきによる影響を低減して動作が不安定になることを抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】一実施形態のオペアンプを示す回路図。
【図2】変形例のオペアンプを示す回路図。
【図3】変形例のオペアンプを示す回路図。
【図4】従来のオペアンプを示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、一実施形態を図1に従って説明する。なお、本実施形態において、先の図4で示した従来と同様な構成部分については同一符号を付して説明する。
図1に示すように、オペアンプは、電流源1と、第1差動増幅回路10と、第2差動増幅回路20と、出力段回路30とを備える。電流源1は、PチャネルMOSトランジスタTr1に定電流I1を供給する。このトランジスタTr1は、PチャネルMOSトランジスタTr2とカレントミラー接続されている。すなわち、入力側トランジスタTr1のドレインが両トランジスタTr1,Tr2のゲートに接続され、両トランジスタTr1,Tr2のソースが電源Vccに接続されている。なお、このトランジスタTr2は入力側トランジスタTr1の電気的特性と同一値の電気的特性を持つ。従って、出力側トランジスタTr2は、定電流源として動作し、入力側トランジスタTr1に流れる定電流I1と同一の電流値の電流I2を流す。
【0018】
第1差動増幅回路10は、上記電流源として動作するトランジスタTr2と、差動対11と、カレントミラー回路12とを備える。差動対11は、入力信号VMが印加される反転入力端子T1がゲートに接続されるPチャネルMOSトランジスタTr3と、入力信号VPが印加される非反転入力端子T2がゲートに接続されるPチャネルMOSトランジスタTr4とを含む。これら両トランジスタTr3,Tr4のソースは上記トランジスタTr2のドレインに接続されている。また、これらトランジスタTr3,Tr4のドレインは、カレントミラー回路12内のNチャネルMOSトランジスタTr5,Tr6のドレインにそれぞれ接続されている。
【0019】
カレントミラー回路12は、入力側のNチャネルMOSトランジスタTr5,Tr7と、出力側のNチャネルMOSトランジスタTr6,Tr8とを含む。上記トランジスタTr5のドレインは、トランジスタTr5〜Tr8のゲートに接続されている。また、トランジスタTr5のソースはトランジスタTr7のドレインに接続され、そのトランジスタTr7のソースはグランドGND(低電位電源)に接続されている。このように、トランジスタTr5とトランジスタTr7とは縦積みに直列接続されている。
【0020】
上記トランジスタTr6のソースはトランジスタTr8のドレインに接続され、そのトランジスタTr8のソースはグランドGNDに接続されている。このように、入力側トランジスタTr5,Tr7と同様に、トランジスタTr6とトランジスタTr8とは縦積みに直列接続されている。なお、出力側トランジスタTr6は、入力側トランジスタTr5の電気的特性と同一値の電気的特性を持ち、出力側トランジスタTr8は、入力側トランジスタTr7の電気的特性と同一値の電気的特性を持つ。従って、出力側トランジスタTr6,Tr8は、入力側トランジスタTr5,Tr7に流れる電流I3と同一の電流値の電流I4を流す。
【0021】
また、トランジスタTr3,Tr5のドレインであるノードN1と、トランジスタTr4,Tr6のドレインであるノードN2とは、第2差動増幅回路20に接続されている。なお、ノードN2は、出力段回路30のプルダウン側の出力トランジスタTr22のゲートにも接続されている。
【0022】
このように構成された第1差動増幅回路10は、トランジスタTr2から供給される電流I2に基づいて活性化し、入力信号VP,VMの電位差を増幅して第2差動増幅回路20及び出力トランジスタTr22に出力する。
【0023】
第2差動増幅回路20は、差動対21と、電流源22と、カレントミラー回路23とを備える。差動対21は、上記ノードN1がゲートに接続されるNチャネルMOSトランジスタTr11と、上記ノードN2がゲートに接続されるNチャネルMOSトランジスタTr12とを含む。これらトランジスタTr11,Tr12のソースはNチャネルMOSトランジスタTr15,Tr16のドレインに接続されている。これらトランジスタTr11,Tr12は同一の電気的特性を有する。さらに、トランジスタTr11,Tr12は、そのチャネル幅(W)とチャネル長(L)のW/L比が上記トランジスタTr5,Tr6のW/L比と同じである。なお、本実施形態では、トランジスタTr5,Tr6,Tr11,Tr12は、全て同一の電気的特性(同一の素子サイズ)を有する。
【0024】
上記トランジスタTr15,Tr16は、ゲートに上記ノードN1が接続され、ソースにグランドGNDが接続されている。従って、これらトランジスタTr15,Tr16は、上記トランジスタTr7とカレントミラー接続されている。これらトランジスタTr15,Tr16は同一の電気的特性を有する。さらに、トランジスタTr15,Tr16は、トランジスタTr7,Tr8と同じW/L比を有する。なお、本実施形態では、トランジスタTr7,Tr8,Tr15,Tr16は、全て同一の電気的特性(同一の素子サイズ)を有する。従って、これらトランジスタTr15,Tr16は、電流源として動作し、トランジスタTr7(トランジスタTr5)に流れる電流I3と同一の電流値の電流I5,I6をそれぞれ流す。換言すると、電流源22であるトランジスタTr15,Tr16に流れる電流は、トランジスタTr7のゲート電圧(トランジスタTr5のドレイン電圧)によって制御される。このように上記カレントミラー回路12は、電流源22の電流を制御する電流制御回路としても動作する。
【0025】
また、上記トランジスタTr11,Tr12のドレインは、カレントミラー回路23のPチャネルMOSトランジスタTr13,Tr14のドレインにそれぞれ接続されている。これらトランジスタTr13,Tr14はカレントミラー接続され、カレントミラーとして動作する。
【0026】
トランジスタTr11,Tr13のドレインであるノードN3は、出力段回路30のプルアップ側の出力トランジスタTr21のゲートに接続されている。
このように構成された第2差動増幅回路20は、電流源22から供給される電流に基づいて活性化し、ノードN1,N2の差電圧を検出する差電圧検出回路として動作する。
【0027】
出力段回路30は、PチャネルMOSトランジスタである出力トランジスタTr21と、NチャネルMOSトランジスタである出力トランジスタTr22とを含む。出力トランジスタTr21は、そのゲートが上記ノードN3に接続され、ソースが電源Vccに接続され、ドレインが出力端子Toに接続されている。このトランジスタTr21は、ノードN3の電位に応じたドレイン電流I7をアイドリング電流として流す。
【0028】
また、出力トランジスタTr22は、そのゲートが上記ノードN2に接続され、ドレインが出力端子Toに接続され、ソースがグランドGNDに接続されている。このトランジスタTr22は、ノードN2の電位に応じたドレイン電流I8をアイドリング電流として流す。
【0029】
そして、このように構成されたオペアンプは、出力信号Voutを入力信号VMとして入力する、すなわち反転入力端子T1と出力端子Toを接続したボルテージフォロア接続されている。なお、このようにボルテージフォロア接続されたオペアンプでは、トランジスタTr3,Tr4は同じ電流を通過させるように動作し、トランジスタTr3,Tr4のドレイン電圧(ノードN1,N2の電位)が同じ電圧になるように動作する。
【0030】
次に、このように構成されたオペアンプの動作について詳述する。
トランジスタTr2から差動対11に供給される電流I2は、トランジスタTr3とトランジスタTr4にて分流される。トランジスタTr3に流れる電流I3は直列に接続されたトランジスタTr5,Tr7に流れ、トランジスタTr4に流れる電流I4は直列に接続されたトランジスタTr6,Tr8に流れる。ここで、上述のようにトランジスタTr7,Tr8は、同一の電気的特性を持ち、互いのソース電圧及びゲート電圧がそれぞれ同一の電圧値である。また、これらトランジスタTr7,Tr8はそれぞれトランジスタTr5,Tr6のソースに接続されている。このため、トランジスタTr5,Tr6のソースに接続されるインピーダンスが同一になる。さらに、トランジスタTr5のドレイン電圧がトランジスタTr5,Tr6のゲートに共通に供給されている。従って、これらトランジスタTr5,Tr6はカレントミラーとして動作する。さらに詳述すると、トランジスタTr6及びトランジスタTr8は、トランジスタTr5及びトランジスタTr7とそれぞれ同様に接続され、トランジスタTr5,Tr7とそれぞれ同一の電気的特性を有している。このため、トランジスタTr6はトランジスタTr5と同じ電圧・電流特性で動作し、トランジスタTr8はトランジスタTr7と同じ電圧・電流特性で動作する。従って、トランジスタTr6,Tr8は、トランジスタTr5,Tr7に流れる電流I3と同一の電流値の電流を流すように動作する。
【0031】
ここで、直列接続された上記トランジスタTr5,Tr7は、流れる電流I3と自身のトランジスタ特性とで各ノード電圧が決まる。このとき、トランジスタTr5のドレイン電圧、つまりトランジスタTr5,Tr7のゲート電圧は、自身が動作可能なように自ずと決まった電圧であるため、当然ながらそのゲート電圧によってトランジスタTr5,Tr7は動作することができる。なお、仮に製造時のプロセスばらつき等によってトランジスタTr5,Tr7の特性にばらつきが生じたとしても、上記トランジスタTr5のドレイン電圧は自身が動作可能なように自ずと決定される。
【0032】
このように決定されたトランジスタTr5のドレイン電圧が入力電圧としてゲートに供給される、第2差動増幅回路20内のトランジスタTr11,Tr15は、上記トランジスタTr6及びトランジスタTr8とそれぞれ同様に接続されている。さらに、トランジスタTr11,Tr15は、トランジスタTr6,Tr8(トランジスタTr5,Tr7)とそれぞれ同一の電気的特性を有している。このため、トランジスタTr11はトランジスタTr6(トランジスタTr5)と同じ電圧・電流特性で動作し、トランジスタTr15はトランジスタTr8(トランジスタTr7)と同じ電圧・電流特性で動作することができる。すなわち、トランジスタTr7に流れる電流I3と同一値の電流I5がトランジスタTr15に流れ、トランジスタTr11のソース電位がトランジスタTr5のソース電位と同電位になる。さらに、トランジスタTr11及びトランジスタTr5のゲートには、上記決定されたトランジスタTr5のドレイン電圧が共通して供給される。従って、トランジスタTr11は、そのトランジスタTr5のドレイン電圧によって動作可能なゲート・ソース間電圧が確実に確保されるため、確実に動作することができる。
【0033】
ここで、仮に製造時のプロセスばらつき等によってトランジスタTr5,Tr7の特性にばらつきが生じても、それと同様にトランジスタTr11,Tr15の特性にもばらつきが生じる。このため、トランジスタTr11,Tr15は、プロセスばらつきに関わらず、トランジスタTr5,Tr7と同じ電圧・電流特性で動作することができる。従って、プロセスばらつきに関わらず、トランジスタTr11は確実に動作することができる。
【0034】
また、トランジスタTr12とトランジスタTr16とでは、トランジスタTr12のゲートにノードN2が接続されている点のみがトランジスタTr11,Tr15と異なる。但し、上述したように、ボルテージフォロア接続されたオペアンプでは、ノードN1,N2が同じ電圧になるように動作する。このため、トランジスタTr12,Tr16は、トランジスタTr11,Tr15と略同じ電圧関係となる。従って、トランジスタTr12,Tr16は、トランジスタTr11,Tr15と同様に動作することができる。従って、トランジスタTr12はトランジスタTr11と同様に、プロセスばらつきに関わらず、カレントミラー回路12によって動作可能なゲート・ソース間電圧が確実に確保されるため、確実に動作することができる。
【0035】
次に、出力信号Voutが入力信号VPの電圧レベルに収束している状態から、入力信号VPの電圧レベルが上昇した場合について説明する。
入力信号VPの電圧レベルが上昇すると、トランジスタTr3のドレイン電流I3が増大し、トランジスタTr4のドレイン電流I4が減少する。すると、ノードN2の電圧レベルが低下し、トランジスタTr22はオフされる。
【0036】
このとき、ノードN2の電位がノードN1の電位より低くなると、第2差動増幅回路20においてノードN3の電位が低下し、出力トランジスタTr21がオンされる。この結果、出力信号Voutの電圧レベルが上昇し、出力信号Voutが入力信号VPの電圧レベルに収束される。さらに、上述のようにノードN1,N2の差電圧に応じてノードN3の電位が低下することによって、トランジスタTr21のゲート・ソース間電圧が上昇するため、トランジスタTr21からトランジスタTr22に供給される電流が増大する。すると、トランジスタTr22のドレイン電流が増大するため、同トランジスタTr22のゲート・ソース間電圧が上昇し、結果的にノードN2の電位が上昇する。これにより、ノードN1,N2の電位が同電位に収束される。
【0037】
ここで、本実施形態のオペアンプでは、上述したトランジスタTr3のドレイン電流I3の増大に伴って、トランジスタTr15のドレイン電流I5及びトランジスタTr16のドレイン電流I6が増大する。これにより、第2差動増幅回路20(差動対21)の動作電流が増大することになる。従って、トランジスタTr21からトランジスタTr22に供給される電流が従来のオペアンプ(図4参照)よりも増大することになる。このため、迅速にノードN1,N2の電位を同電位に収束させることができ、出力信号Voutを入力信号VPの電圧レベルに迅速に収束させることができる。
【0038】
次に、出力信号Voutが入力信号VPの電圧レベルに収束している状態から、入力信号VPの電圧レベルが低下した場合について説明する。
入力信号VPの電圧レベルが低下すると、トランジスタTr3のドレイン電流I3が減少し、トランジスタTr4のドレイン電流I4が増大する。すると、ノードN2の電圧レベルが上昇し、トランジスタTr22はオンされる。
【0039】
このとき、ノードN2の電位がノードN1の電位より高くなると、第2差動増幅回路20においてノードN3の電位が上昇し、出力トランジスタTr21がオフされる。この結果、出力信号Voutの電圧レベルが低下し、出力信号Voutが入力信号VPの電圧レベルに収束される。さらに、上述のようにノードN1,N2の電位差に応じてノードN3の電位が上昇することによって、トランジスタTr21からトランジスタTr22に供給される電流が減少する。すると、トランジスタTr22のドレイン電流が減少するため、同トランジスタTr22のゲート・ソース間電圧が低下し、結果的にノードN2の電位が低下する。これにより、ノードN1,N2の電位が同電位に収束される。
【0040】
ここで、本実施形態のオペアンプでは、上述したトランジスタTr3のドレイン電流I3の減少に伴って、トランジスタTr15のドレイン電流I5及びトランジスタTr16のドレイン電流I6が減少する。これにより、第2差動増幅回路20(差動対21)の動作電流が減少することになる。従って、トランジスタTr21からトランジスタTr22に供給される電流が従来のオペアンプ(図4参照)よりも減少することになる。このため、迅速にノードN1,N2の電位を同電位に収束させることができ、出力信号Voutを入力信号VPの電圧レベルに迅速に収束させることができる。
【0041】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)差動対21のトランジスタTr11のゲートと、電流源22のトランジスタTr15のゲートとに共通の電圧(ノードN1の電圧)を供給するようにした。このため、仮に製造時のプロセスばらつき等によってトランジスタTr5のドレイン電圧が設計値よりも低くなってトランジスタTr11のゲート電圧が低くなっても、それに合わせてトランジスタTr15のゲート電圧も低くなる。これにより、トランジスタTr15に流れる電流I5が減少してトランジスタTr15のドレイン電圧、つまりトランジスタTr11のソース電位も低くなる。従って、従来のオペアンプ(図4参照)よりもプロセスばらつきの影響を低減した上で、トランジスタTr15が動作可能なゲート・ソース間電圧を好適に確保することができる。この結果、第2差動増幅回路20の動作速度が遅くなるような不安定な動作になることを抑制することができる。
【0042】
なお、差動対21のトランジスタTr12のゲートと、電流源22のトランジスタTr16のゲートとに略同電位の電圧(ノードN1,N2の電圧)を供給するようにしたため、同様にプロセスばらつきの影響を低減することができる。
【0043】
さらに、入力信号VM,VPの電位差で変動するノードN1の電圧に応じて電流源22の電流が制御されるため、その電流にて活性化される第2差動増幅回路20の動作によって出力信号Voutを入力信号VPの電圧レベルに迅速に収束させることができる。
【0044】
(2)差動対21のトランジスタTr11のゲート電圧を決定するトランジスタTr5,Tr7を、トランジスタTr11,Tr15の接続関係と同様に直列接続するようにした。また、これらトランジスタTr5,Tr7,Tr11,Tr15のゲートには共通の電圧(ノードN1の電圧)を供給するようにした。さらに、トランジスタTr5とトランジスタTr11とは同一の電気的特性を有し、トランジスタTr7とトランジスタTr15とは同一の電気的特性を有するようにした。これにより、トランジスタTr11はトランジスタTr5と同じ電圧・電流特性で動作し、トランジスタTr15はトランジスタTr7と同じ電圧・電流特性で動作することができる。ここで、仮にプロセスばらつきによってトランジスタTr5,Tr7の特性にばらつきが生じたとしても、トランジスタTr11,Tr15の特性にも同じばらつきが生じる。このため、トランジスタTr11,Tr15は、プロセスばらつきに関わらず、トランジスタTr5,Tr7と同じ電圧・電流特性で動作することができる。従って、プロセスばらつきの有無に関わらず、トランジスタTr5が動作可能でさえあれば、差動対21のトランジスタTr11は確実に動作することができる。同様に、トランジスタTr5が動作可能でさえあれば、差動対21のトランジスタTr12は確実に動作することができる。換言すると、トランジスタTr5が動作可能なときの当該トランジスタTr5のドレイン電圧は、常に第2差動増幅回路20(差動対21)の動作可能な入力電圧範囲内の電圧になる。このため、第1差動増幅回路10が動作可能であれば、第2差動増幅回路20の動作可能な入力電圧範囲を確実に確保することができる。
【0045】
(3)第1差動増幅回路10によって出力トランジスタTr22のゲート電圧を制御するようにした。すなわち、電流源1の定電流I1を基準としてトランジスタTr1〜Tr8の動作にて出力トランジスタTr22のドレイン電流I8(アイドリング電流)を設定するようにした。また、第2差動増幅回路20によって出力トランジスタTr21のゲート電圧を制御するようにした。すなわち、定電流I1を基準として動作するトランジスタTr2〜Tr8(第1差動増幅回路10)にてトランジスタTr11〜Tr16(第2差動増幅回路20)の動作電流等を設定する。さらに、その第2差動増幅回路20の動作にて出力トランジスタTr21のドレイン電流I7(アイドリング電流)を設定するようにした。これにより、出力トランジスタTr21,Tr22の双方のアイドリング電流が単一の電流源1の定電流I1を基準にして設定されるため、出力トランジスタTr21,Tr22のアイドリング電流を安定させることができる。さらに、双方のアイドリング電流を設定するための電流源の電流相関にばらつきが発生することが抑制されるため、そのようなばらつきに起因する不安定な動作(例えばオフセット電圧の悪化など)の発生も抑制することができる。
【0046】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・図2に示されるように、図1のトランジスタTr11の代わりに、並列に接続されたトランジスタTr11a,Tr11bを設けるようにしてもよい。また、図1のトランジスタTr12の代わりに、並列に接続されたトランジスタTr12a,Tr12bを設けるようにしてもよい。すなわち、トランジスタTr11a,Tr11bは共に、そのドレインがトランジスタTr13のドレインに接続され、ソースがトランジスタTr15,Tr16のドレインに接続され、ゲートがノードN1に接続される。また、トランジスタTr12a,Tr12bは共に、そのドレインがトランジスタTr14のドレインに接続され、ソースがトランジスタTr15,Tr16のドレインに接続され、ゲートがノードN2に接続される。なお、トランジスタTr11a,Tr11b,Tr12a,Tr12bは、トランジスタTr11(トランジスタTr12)と同一の電気的特性を有する。
【0047】
このような構成によれば、図1の場合に比べてトランジスタTr11a,Tr11b及びトランジスタTr12a,Tr12bのゲート・ソース間電圧を小さくすることができる。これに伴って、電流源22であるトランジスタTr15,Tr16のドレイン電圧を上昇させることができるため、電流源22の電流を増大させることができる。従って、第2差動増幅回路20の動作電流を増大させることができる。
【0048】
・また、図3に示されるように、図2のトランジスタTr15の代わりに、並列に接続されたトランジスタTr15a,Tr15bを設けるようにしてもよい。また、図2のトランジスタTr16の代わりに、並列に接続されたトランジスタTr16a,Tr16bを設けるようにしてもよい。なお、トランジスタTr15a,Tr15b,Tr16a,Tr16bは、トランジスタTr15(トランジスタTr16)と同一の電気的特性を有する。
【0049】
このような構成によれば、図1のオペアンプと比べて電流源22に流れる電流を2倍にすることができる。このため、第2差動増幅回路20の動作電流が2倍となり、第2差動増幅回路20の動作速度を向上させることができる。
【0050】
・上記実施形態では、第1差動増幅回路10内のカレントミラー回路12を、直列接続されたトランジスタTr5,Tr7と、直列接続されたトランジスタTr6,Tr8とで形成するようにした。これに限らず、例えばトランジスタTr7,Tr8を省略し、カレントミラー回路12をトランジスタTr5,Tr7で形成するようにしてもよい。この場合には、トランジスタTr5,Tr6のチャネル長を、トランジスタTr11のチャネル長とトランジスタTr15のチャネル長とを足した長さと等しくなるように、且つトランジスタTr5,Tr6のチャネル幅をトランジスタTr11,Tr15のチャネル幅と等しくなるようにすることが好ましい。
【0051】
・上記実施形態におけるトランジスタTr16を省略して、電流源22をトランジスタTr15のみで形成するようにしてもよい。
・上記実施形態において、PチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタとを入れ替えて実施してもよい。その際、電源Vcc(高電位電源)とグランドGND(低電位電源)とを入れ替えて供給することは言うまでもない。
【0052】
・上記実施形態では、いわゆるボルテージフォロア接続するようにしたが、出力端子Toが入力端子にフィードバックされる構成であれば特に制限されない。
・第2差動増幅回路20で出力トランジスタTr22のドレイン電流を制御し、出力トランジスタTr21のゲート・ソース間電圧を制御することにより、入力トランジスタTr3,Tr4のドレイン電圧を一致させるようにしてもよい。
【0053】
・上記実施形態における出力トランジスタTr21,Tr22を共にNチャネルMOSトランジスタで構成するようにしてもよい。この場合には、一方の出力トランジスタのドレイン電流を第2差動増幅回路20で制御して、他方の出力トランジスタのゲート・ソース間電圧を制御することにより、入力トランジスタTr3,Tr4のドレイン電圧を一致させるようにしてもよい。
【0054】
以上の様々な実施の形態をまとめると、以下のようになる。
(付記1)
オペアンプであって、
入力信号が入力される第1アンプと、
前記第1アンプの出力が入力される第2アンプと、
を有し、
前記第2アンプは、前記第1アンプの出力がゲートに入力される第1トランジスタと、前記第1トランジスタのソースにドレインが接続され前記第1アンプの出力がゲートに入力される第2トランジスタとを含むことを特徴とするオペアンプ。
(付記2)
前記第2トランジスタは、前記第1アンプの出力が前記ゲートに入力されることにより、前記第1トランジスタに対して電流源となることを特徴とする付記1に記載のオペアンプ。
(付記3)
前記第1トランジスタは、前記第1アンプの出力が前記ゲートに入力されることにより、前記第2アンプの出力を生成することを特徴とする付記1又は2に記載のオペアンプ。
(付記4)
前記第1アンプは、第1及び第2の入力トランジスタに入力される入力信号の電位差を増幅して出力し、
前記第1の入力トランジスタのドレイン電圧が前記第1及び第2トランジスタのゲートに供給され、
前記第2の入力トランジスタのドレイン電圧が前記第2アンプの第3トランジスタのゲートに供給され、
前記第1及び第3トランジスタは、前記第1及び第2の入力トランジスタのドレイン電圧の差電圧に基づいて前記第2アンプの出力を生成することを特徴とする付記1〜3のいずれか1つに記載のオペアンプ。
(付記5)
前記第1アンプは、
前記第1の入力トランジスタのドレインにドレイン及びゲートが接続される第4トランジスタと、
前記第4トランジスタのソースにドレインが接続され前記第4トランジスタのドレインにゲートが接続される第5トランジスタと、
を含むことを特徴とする付記4に記載のオペアンプ。
(付記6)
前記第1トランジスタと前記第4トランジスタとは、チャネル幅/チャネル長の比が同一であり、
前記第2トランジスタと前記第5トランジスタとは、チャネル幅/チャネル長の比が同一であることを特徴とする付記5に記載のオペアンプ。
(付記7)
前記第2アンプは、
前記第1及び第3トランジスタのソース及び前記第2トランジスタのドレインにドレインが接続され前記第1の入力トランジスタのドレイン電圧がゲートに供給される第6トランジスタを含むことを特徴とする付記4〜6のいずれか1つに記載のオペアンプ。
(付記8)
前記第1アンプは、
前記第2の入力トランジスタのドレインにドレインが接続され前記第4トランジスタのドレインにゲートが接続される第7トランジスタと、
前記第7トランジスタのソースにドレインが接続され前記第4トランジスタのドレインにゲートが接続される第8トランジスタと、
を含むことを特徴とする付記5又は6に記載のオペアンプ。
(付記9)
前記第1アンプは、
前記第1の入力トランジスタのドレインと電源との間に接続されるとともに、前記第1の入力トランジスタのドレイン電圧がゲートに供給される、直列接続された複数のトランジスタと、
前記第2の入力トランジスタのドレインと電源との間に接続されるとともに、前記第1の入力トランジスタのドレイン電圧がゲートに供給される、直列接続された複数のトランジスタと、
を含むことを特徴とする付記4に記載のオペアンプ。
(付記10)
前記第1アンプは、
前記第1の入力トランジスタのドレインと電源との間に接続されるとともに、前記第1の入力トランジスタのドレイン電圧がゲートに供給されるトランジスタと、
前記第2の入力トランジスタのドレインと電源との間に接続されるとともに、前記第1の入力トランジスタのドレイン電圧がゲートに供給されるトランジスタと、
を含むことを特徴とする付記4に記載のオペアンプ。
(付記11)
前記第1トランジスタと同一サイズのトランジスタが前記第1トランジスタに並列に接続され、前記第3トランジスタと同一サイズのトランジスタが前記第3トランジスタに並列に接続されることを特徴とする付記4〜10のいずれか1つに記載のオペアンプ。
(付記12)
前記第2トランジスタと同一サイズのトランジスタが前記第2トランジスタに並列に接続されることを特徴とする付記11に記載のオペアンプ。
(付記13)
前記第2アンプは、前記第1アンプの極性に対して逆の極性を有することを特徴とする付記1〜12のいずれか1つに記載のオペアンプ。
(付記14)
出力端子に接続される第1及び第2の出力トランジスタを有し、
前記第1アンプは、前記第2の入力トランジスタのドレイン電圧を前記第2の出力トランジスタのゲートに供給し、
前記第2アンプは、電流源として動作する前記第2トランジスタから供給される電流に基づき動作し、前記第1及び第2の入力トランジスタのドレイン電圧の差電圧に基づいて、第1及び第2の入力トランジスタのドレイン電圧を一致させるように、前記第1の出力トランジスタのドレイン電流を制御することを特徴とする付記4〜12のいずれか1つに記載のオペアンプ。
(付記15)
第1及び第2入力信号がそれぞれゲートに供給される第1極性の第1及び第2のトランジスタを含む第1差動対と、
前記第1のトランジスタのドレインにドレイン及びゲートが接続される、前記第1極性と逆極性である第2極性の第3のトランジスタと、前記第2のトランジスタのドレインにドレインが接続され前記第3のトランジスタのドレインにゲートが接続される第2極性の第4のトランジスタと、を含む第1カレントミラー回路と、
前記第1差動対に第1電流を供給する第1電流源と、
を含む第1アンプと、
前記第1及び第2のトランジスタのドレイン電圧がそれぞれゲートに供給される第2極性の第5及び第6のトランジスタを含む第2差動対と、
前記第5及び第6のトランジスタのソースにドレインが接続され前記第1のトランジスタのドレイン電圧がゲートに供給される第2極性の第7のトランジスタを含み、前記第2差動対に第2電流を供給する第2電流源と、
を含む第2アンプと、
を有することを特徴とするオペアンプ。
(付記16)
前記第1カレントミラー回路は、前記第3のトランジスタのソースにドレインが接続され前記第3のトランジスタのドレイン電圧がゲートに供給される第2極性の第8のトランジスタと、前記第4のトランジスタのソースにドレインが接続され前記第3のトランジスタのドレイン電圧がゲートに供給される第2極性の第9のトランジスタとを含むことを特徴とする付記15に記載のオペアンプ。
(付記17)
前記第3のトランジスタと、前記第4のトランジスタと、前記第5のトランジスタと、前記第6のトランジスタとが同一の電気的特性を有し、
前記第7のトランジスタと、前記第8のトランジスタと、前記第9のトランジスタとが同一の電気的特性を有する、ことを特徴とする付記16に記載のオペアンプ。
(付記18)
前記第2アンプは、
前記第6のトランジスタのドレインにドレイン及びゲートが接続される第1極性の第10のトランジスタと、前記第5のトランジスタのドレインにドレインが接続され前記第10のトランジスタのドレインにゲートが接続される第1極性の第11のトランジスタとを含む第2カレントミラー回路を含み、
当該オペアンプは、
前記第11のトランジスタのドレイン電圧がゲートに接続される第1の出力トランジスタと、
前記第2のトランジスタのドレイン電圧がゲートに供給される第2の出力トランジスタと、を含む出力段回路を有する、ことを特徴とする付記15〜17のいずれか1つに記載のオペアンプ。
【符号の説明】
【0055】
10 第1差動増幅回路(第1アンプ)
11 第1差動対
12 カレントミラー回路
20 第2差動増幅回路(第2アンプ)
21 第2差動対
22 電流源
23 カレントミラー回路
30 出力段回路
Tr2 電流源
Tr3 第1の入力トランジスタ
Tr4 第2の入力トランジスタ
Tr11 第1トランジスタ
Tr15 第2トランジスタ
Tr12 第3トランジスタ
Tr5 第4トランジスタ
Tr7 第5トランジスタ
Tr16 第6トランジスタ
Tr6 第7トランジスタ
Tr8 第8トランジスタ
Tr21 第1の出力トランジスタ
Tr22 第2の出力トランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペアンプであって、
入力信号が入力される第1アンプと、
前記第1アンプの出力が入力される第2アンプと、
を有し、
前記第2アンプは、前記第1アンプの出力がゲートに入力される第1トランジスタと、前記第1トランジスタのソースにドレインが接続され前記第1アンプの出力がゲートに入力される第2トランジスタとを含むことを特徴とするオペアンプ。
【請求項2】
前記第2トランジスタは、前記第1アンプの出力が前記ゲートに入力されることにより、前記第1トランジスタに対して電流源となることを特徴とする請求項1に記載のオペアンプ。
【請求項3】
前記第1トランジスタは、前記第1アンプの出力が前記ゲートに入力されることにより、前記第2アンプの出力を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載のオペアンプ。
【請求項4】
前記第1アンプは、第1及び第2の入力トランジスタに入力される入力信号の電位差を増幅して出力し、
前記第1の入力トランジスタのドレイン電圧が前記第1及び第2トランジスタのゲートに供給され、
前記第2の入力トランジスタのドレイン電圧が前記第2アンプの第3トランジスタのゲートに供給され、
前記第1及び第3トランジスタは、前記第1及び第2の入力トランジスタのドレイン電圧の差電圧に基づいて前記第2アンプの出力を生成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のオペアンプ。
【請求項5】
前記第1アンプは、
前記第1の入力トランジスタのドレインにドレイン及びゲートが接続される第4トランジスタと、
前記第4トランジスタのソースにドレインが接続され前記第4トランジスタのドレインにゲートが接続される第5トランジスタと、
を含むことを特徴とする請求項4に記載のオペアンプ。
【請求項6】
前記第1トランジスタと前記第4トランジスタとは、チャネル幅/チャネル長の比が同一であり、
前記第2トランジスタと前記第5トランジスタとは、チャネル幅/チャネル長の比が同一であることを特徴とする請求項5に記載のオペアンプ。
【請求項7】
前記第2アンプは、
前記第1及び第3トランジスタのソース及び前記第2トランジスタのドレインにドレインが接続され前記第1の入力トランジスタのドレイン電圧がゲートに供給される第6トランジスタを含むことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1つに記載のオペアンプ。
【請求項8】
前記第1トランジスタと同一サイズのトランジスタが前記第1トランジスタに並列に接続され、前記第3トランジスタと同一サイズのトランジスタが前記第3トランジスタに並列に接続されることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1つに記載のオペアンプ。
【請求項9】
前記第2アンプは、前記第1アンプの極性に対して逆の極性を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のオペアンプ。
【請求項10】
出力端子に接続される第1及び第2の出力トランジスタを有し、
前記第1アンプは、前記第2の入力トランジスタのドレイン電圧を前記第2の出力トランジスタのゲートに供給し、
前記第2アンプは、電流源として動作する前記第2トランジスタから供給される電流に基づき動作し、前記第1及び第2の入力トランジスタのドレイン電圧の差電圧に基づいて、第1及び第2の入力トランジスタのドレイン電圧を一致させるように、前記第1の出力トランジスタのドレイン電流を制御することを特徴とする請求項4〜8のいずれか1つに記載のオペアンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−287945(P2010−287945A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−138218(P2009−138218)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】