説明

オメガ−3脂肪酸類及びPPARアゴニスト及び/又はアンタゴニスト並びにその併用製品を用いた治療

血中脂質治療のための方法及び組成物は、有効量のPPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストと、オメガ−3脂肪酸とを被検体に投与することを含む。この方法及び組成物は、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、混合型異脂肪血症、血管系疾患、動脈硬化性疾患及び関連症状、肥満の被験者の治療、心血管性及び血管性イベントの予防若しくは低減、インスリン耐性、空腹時グルコースレベル及び食後グルコースレベルの低減、並びに/又は糖尿病の発生率の低減及び/若しくは糖尿病の発症の遅延のための併用生成物又は同時療法を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、混合型異脂肪血症、血管系疾患、動脈硬化性疾患及び関連症状、肥満の被験者の治療、心血管性及び血管性イベントの予防若しくは低減、インスリン耐性、空腹時グルコースレベル及び食後グルコースレベルの低減、並びに/又は糖尿病の発生率の低減及び/若しくは糖尿病の発症の遅延のために、PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストと、オメガ−3脂肪酸類とを利用する方法に関する。本発明は、PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストと、オメガ−3脂肪酸との併用製品にも関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトにおいて、コレステロール及びトリグリセリドは、血流中のリポタンパク質複合体の一部であり、超遠心分離によって、高密度リポタンパク質(HDL)、中密度リポタンパク質(IDL)、低密度リポタンパク質(LDL)及び超低密度リポタンパク質(VLDL)画分に分離できる。コレステロール及びトリグリセリドは肝臓で合成され、VLDL内に取り込まれて、血漿へ放出される。総コレステロール(総−C)、LDL−C、及びアポリポタンパク質B(LDL−Cに対する膜複合体)のレベルが高いと、ヒトアテローム性動脈硬化が促進され、HDL−C及びその輸送複合体であるアポリポタンパク質Aのレベルの低下は、アテローム性動脈硬化の発生に関わる。さらに、ヒトにおける心血管系による罹患率及び死亡率は、総−C及びLDL−Cのレベルに伴って直接的に変動し、HDL−Cのレベルと逆に変動する可能性がある。
【0003】
フェノフィブレート、ベザフィブレート、クロフィブレート及びゲムフィブロジルなどのフィブレート類は、PPAR−αアゴニストであり、トリグリセリドに富むリポタンパク質を低減し、HDLを増加させてアテローム原性密度LDLを低下させるために患者で使用される。フィブレート類は概して、かかる患者に経口投与される。
【0004】
フェノフィブレート、すなわち2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、1−メチルエチルエステルは、血中トリグリセリド及びコレステロールレベルを低下させるその効力から、医薬有効成分として長年知られている。フェノフィブレートは水への可溶性が非常に低く、消化管でのフェノフィブレートの吸収は限られている。1日当たり40〜300mgのフェノフィブレートを用いた治療で、コレステロール血症を20〜25%低減させること、及びトリグリセリド血症を40〜50%低減させることが可能になる。
【0005】
チアゾリジンジオン類(例えば、トログリタゾン、ピオグリタゾン及びロシグリタゾン)などのPPAR−γアゴニスト類は、アテローム性動脈硬化及び心血管性のリスクの代用マーカーを向上させることが示されている。例えば、チアゾリジンジオン類は、C−反応性タンパク質及び頚動脈内膜・中膜厚を減少させる。テサグリタザル、ナビグリタザル及びムラグリタザルなどの非チアゾリジンジオン類は、二重α/γPPARアゴニストである。これらの化合物は、グルコース、インスリン、トリグリセリド及び遊離脂肪酸類を低下させるのに使用される。
【0006】
メタグリダセンなどの部分的PPAR−γアゴニスト/アンタゴニストは、II型糖尿病の治療に使用される。
【0007】
一般に魚油とも称されるマリンオイルは、脂質代謝を調節することが見出されている、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)という2種のオメガ−3脂肪酸類の良好な供給源である。オメガ−3脂肪酸類は、心血管性疾患、特に、軽い高血圧、高トリグリセリド血症に対する危険因子や、凝固因子VlIリン脂質複合体活性に対して有益な効果を有することが見出されている。オメガ−3脂肪酸類は、血清トリグリセリドを低下させ、血清HDL−コレステロールを増加させ、収縮期及び拡張期血圧並びに脈拍数を低下させ、また血液凝固因子Vll−リン脂質複合体の活性を低下させる。さらに、オメガ−3脂肪酸類は、深刻な副作用を何ら引き起こすことなく、良好な耐容性を示すようである。
【0008】
オメガ−3脂肪酸のかかる形態の1種は、DHA及びEPAを含有する魚油由来のオメガ−3、長鎖、多価不飽和脂肪酸類の濃縮物であり、Omacor(登録商標)の商標名で販売されている。オメガ−3脂肪酸のかかる形態は、例えば、米国特許第5502077号、第5656667号及び第5698594号に記載されており、各々は援用によって本明細書の一部をなす。
【0009】
混合型異脂肪血症又は高コレステロール血症の被験者は、190mg/dlを超えるLDLコレステロールの血中レベル、及び200mg/dl以上のトリグリセリドレベルを示すことが多い。食事制限及び単回投与計画の使用は必ずしも、トリグリセリドの同時増加の有無を問わず混合型異脂肪血症又は高コレステロール血症の被験者で目標値に到達させるのに充分適切に、LDLコレステロール及びトリグリセリドを低減させるとは限らない。これらの被験者では、PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストとオメガ−3脂肪酸類の相補的併用療法が望ましいかもしれない。
【0010】
さらに、病理学的状態によっては被験者の循環レベルに実質的な変動があることが知られている。一般に、最低量の有効成分を吸収しつつ、所望の治療効果を得るのに必要なレベルに活性代謝物を維持することが好ましい。結果的に、何れの副作用も最低限として、可能な限り最高の生物学的利用能及び効力を与える至適投薬量を有する処方又は治療方法を提供することが望ましい。米国特許第6096338号、米国特許第6267985号、米国特許第6667064号、米国特許第6720001号、米国特許出願公開第2003/0082215号、米国特許出願公開第2004/0052824号、国際公開第99/29300号及び国際公開第2001/021154号では、フェノフィブレートなどの有効成分と共に消化性油又はトリグリセリドを含有する組成物、担体系及び水中油型エマルジョンが開示される。
【0011】
米国特許第6284268号明細書は、オメガ−3脂肪酸油及び水溶性の低い治療剤を含有する水中油型ミクロエマルジョンを形成できる自己乳化型前濃縮(preconcentrate)医薬組成物に関する。’268特許の製剤は、自己乳化型組成物を得るために大量の界面活性剤などの可溶化剤(一般的に、溶媒系の質量に対して50質量/質量%を超える)を用いている。例えば、処方19では、284mgの魚油(魚油を含め、溶媒系の質量に対して約23質量/質量%)、663mgの界面活性剤系(溶媒系の質量に対して約55質量/質量%)、273mgの親水性溶媒系(溶媒系の質量に対して約22質量/質量%)、及び100mgのフェノフィブレートを含有する自己乳化型前濃縮製品が開示されている。’268特許には、界面活性剤及び/又は親水性溶媒などの大量の可溶化剤を使用しない、主に魚油を基剤とする溶媒系を含むフェノフィブレート製剤は開示されていない。また、被験者への自己乳化型前濃縮フェノフィブレート製品の投与に関しても、’268特許に何ら開示されていない。むしろ、’268特許は開示された自己乳化型組成物の可溶化特性を例証するためにフェノフィブレートを用いている。
【0012】
オメガ−3脂肪酸類とPPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストの組み合わせを含む治療上有効な経口単回服用形態で、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、混合型異脂肪血症、血管系疾患、動脈硬化性疾患及び関連症状、肥満の被験者の治療、心血管性及び血管性イベントの予防若しくは低減、インスリン耐性、空腹時グルコースレベル及び食後グルコースレベルの低減、並びに/又は糖尿病の発生率の低減及び/若しくは糖尿病の発症の遅延のために、治療上有効な量のオメガ−3脂肪酸類と治療上有効な量のPPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストの双方の適切な送達をもたらすものに対するニーズが当分野に存在する。
【0013】
過去に、特定の魚油とゲムフィブロジル又はクロフィブレートとの併用が、高脂血症及び高リポ蛋白血症の治療に何らかの相乗作用をもたらすことは示されていない。Saify et al., Pakistan J. of Pharm. Sci. (2003) 16(2): 1−8; Pennacchiotti et al., Lipids (2001) 26(2): 121−127; Wysynski et al., Human and Experimental Toxicology (1993) 12: 337−340を参照されたい。これに対して、オメガ−3脂肪酸類と共にPPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストを含む本発明の治療方法、並びに併用製品では、有効成分の効力が高まることが立証されている。このように、本発明は、より強い効力を備えた新規併用製品及び治療方法を可能とする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、PPARアゴニスト及び/若しくはアンタゴニストとオメガ−3脂肪酸類の投薬量の低減を可能とし、有効な医薬治療を提供して望ましくない副作用を最低限化することによって、又は何れか一方の有効な薬剤を単独で「最高強度」の投薬量を用いて優れた活性を提供することによって、前記課題やその他の問題を解決する。本発明の一実施形態では、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、混合型異脂肪血症、血管系疾患、動脈硬化性疾患及び関連症状、肥満の被験者の治療、心血管性及び血管性イベントの予防若しくは低減、インスリン耐性、空腹時グルコースレベル及び食後グルコースレベルの低減、並びに/又は糖尿病の発生率の低減及び/若しくは糖尿病の発症の遅延のために、PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストとオメガ−3脂肪酸類を利用する方法を提供する。本発明の別の実施形態は、PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストと、オメガ−3脂肪酸とを含有する併用製品である。この実施形態の一態様では、併用製品が高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、混合型異脂肪血症、血管系疾患、動脈硬化性疾患及び関連症状、肥満の被験者の治療、心血管性及び血管性イベントの予防若しくは低減、インスリン耐性、空腹時グルコースレベル及び食後グルコースレベルの低減、並びに/又は糖尿病の発生率の低減及び/若しくは糖尿病の発症の遅延に用いられる。本発明の別の主題は、フェノフィブレート代謝及び/又は効力を高める方法である。この方法は、天然又は合成オメガ−3脂肪酸類又はその薬学的に許容できるエステル、誘導体、接合体、前駆体、もしくは塩、又はその混合物を含有する溶媒系中にフェノフィブレートを溶解し、その後、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、混合型異脂肪血症、血管性疾患、アテローム動脈硬化症もしくはそれに関連する症状又は肥満の治療、又は被検体中の心血管性及び血管性イベントの予防若しくは低減、インスリン耐性、空腹時グルコースレベル及び食後グルコースレベルの低減、並びに/又は糖尿病の発生率の低減及び/若しくは糖尿病の発症の遅延のためにフェノフィブレートを被検体に投与することを含む。本発明の別の主題は、PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニスト及び天然又は合成オメガ−3脂肪酸類又はその薬学的に許容できるエステル、誘導体、接合体、前駆体、もしくは塩、又はその混合物の、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、混合型異脂肪血症、血管性疾患、アテローム動脈硬化症もしくはそれに関連する症状又は肥満の治療、又は被検体中の心血管性及び血管性イベントの予防若しくは低減、インスリン耐性、空腹時グルコースレベル及び食後グルコースレベルの低減、並びに/又は糖尿病の発生率の低減及び/若しくは糖尿病の発症の遅延のための医薬品の製造における使用である。本発明の他の特徴及び利点は、以下の試験及び本発明の実施による教示に基づいて、当業者であれば自明であろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、混合型異脂肪血症、血管系疾患、動脈硬化性疾患及び関連症状、肥満の被験者の治療、心血管性及び血管性イベントの予防若しくは低減、インスリン耐性、空腹時グルコースレベル及び食後グルコースレベルの低減並びに/又は糖尿病の発生率の低減及び/若しくは糖尿病の発症の遅延のための、PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストとオメガ−3脂肪酸類の使用、並びにそのための併用製品を開示する。一実施形態では、本発明の医薬組成物によって、従来の最高強度用量で投与した一方又は双方で、従来技術の製剤と比較して有効成分の効力を向上させることが可能になる。別の実施形態では、本発明の医薬組成物によって、従来技術の製剤に比較して、PPARアゴニスト及び/若しくはアンタゴニスト並びに/又はオメガ−3脂肪酸類の投薬量を低減し、各有効成分の効力はなおも維持するか、又はさらに改善することが可能になる。
【0016】
好ましい実施形態では、医薬組成物は米国特許第5502077号、第5656667号及び第5698594号明細書に記載のOmacor(登録商標)オメガ−3脂肪酸類を含む。他の好ましい実施形態では、医薬組成物は、その組成物の総脂肪酸含有量に対して40質量%以上の濃度で存在するオメガ−3脂肪酸類を含む。
【0017】
さらに別の好ましい実施形態では、オメガ−3脂肪酸類は、その組成物の総脂肪酸含有量に対して50質量%以上のEPA及びDHAを含み、EPA及びDHAは、EPA:DHAの質量比が99:1〜1:99、好ましくは1:2〜2:1である。オメガ−3脂肪酸類は、純粋なEPA又は純粋なDHAを含むものでもよい。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態では、オメガ−3脂肪酸類は、例えば単回固定投薬量医薬組成物として、又は同時に投与する別々の医薬組成物としてなど、PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストの投与と同時に投与する。
【0019】
他の実施形態では、与薬はオメガ−3脂肪酸類及びaPPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストを含み、オメガ−3脂肪酸類は、PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストの投与と別に投与するが、その療法は同時に実施する。例えば、PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストを毎週投与してオメガ−3脂肪酸類は毎日摂取させてもよく、又はそれらの成分を同じ日に異なる回数投与することもできる。本開示の利点を享受する当業者であれば、オメガ−3脂肪酸類と、PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストの正確な投薬量並びに投与のスケジュールは、例えば、投与経路及び症状の重篤さなど、数多くの因子によって変わるであろうことを理解するであろう。
【0020】
本発明は、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、混合型異脂肪血症、血管系疾患、動脈硬化性疾患及び関連症状、肥満の被験者の治療、心血管性及び血管性イベントの予防若しくは低減、インスリン耐性、空腹時グルコースレベル及び食後グルコースレベルの低減、並びに/又は糖尿病の発生率の低減及び/若しくは糖尿病の発症の遅延の新規方法を提供する。この方法は、オメガ−3脂肪酸類と、PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストとの投与を含み、オメガ−3脂肪酸類をPPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストの投与の前、同時、後に投与する方法である。前記の通り、双方の有効成分で被験者を治療することによって、各薬物の代表的な投薬量での、より有効性の高い治療が可能になり、有効な治療を持続しつつ各薬物の投薬量を適宜低減させてもよい。投与は、経口投与が好ましい。
【0021】
PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストとオメガ−3脂肪酸類の併用によって、2種の薬物を併用した場合に期待される追加的効果よりも強い効果を得ることができる。よって、前記2種の有効成分の併用治療は、本発明の新規併用製品と別々に、又はそれによって、当該2種の有効成分の標準投薬量での効力の増大、若しくは投薬量を低減した場合の効力の維持を引き起こす。このように、2種の有効成分の生物学的利用能又は効力の改善によって、毎日の投薬量の低減が可能になる。低投薬量の結果、副作用が低減することもある。
【0022】
本発明は、一般的に安全と認識されている量で既知又は今後周知になるPPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストを組み込んでよい。「PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニスト」という用語は、特に限定されないが、PPAR−α、PPAR−γ、PPAR−δ、PPAR−α/γ、PPAR−γ/δ、PPAR−α/δ、及びPPAR−α/γ/δアゴニスト並びにアンタゴニストや、部分アゴニスト及び/又はアンタゴニストを包含する。特異的化合物としては、特に限定されないが、フィブレート類、チアゾリジンジオン類、非チアゾリジンジオン類及びメタグリダセンが挙げられる。好ましくは、前記化合物はフェノフィブレート、ベザフィブレート、クロフィブレート及びゲムフィブロジルなどのフィブレートであり、最も好ましくはフェノフィブレートである。
【0023】
一般に、PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストの効果は用量依存性であり、すなわち、用量が多いほど、治療効果が高くなる。しかし、各PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストの効果は異なっているため、PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストの治療効果のレベルは必ずしも、他のPPARアゴニスト類及び/又はアンタゴニスト類の治療効果のレベルと直接的に相関するとは限らない。しかし、当業者であれば経験と症状の重篤さに基づいて、特定の被験者に与えるべき正確な投薬量を理解するはずである。
【0024】
好ましい実施形態としては、300mg以下、好ましくは200mg以下、より好ましくは160mg以下、より一層好ましくは140mg以下、最も好ましくは130mg以下のフェノフィブレートの投与が挙げられる。
【0025】
治療上有効な量のオメガ−3脂肪酸類及び治療上有効な量のフェノフィブレートを含む併用製品を提供することが本発明の別の目的である。有効成分を併用した被験者の治療で医療効果が増大するため、これら有効成分の代表的な投薬量で、より有効な治療が可能になる。別の実施形態では、有効な治療をなおも維持しつつ、投薬量及び随伴する副作用を低減し得る。
【0026】
本明細書で用いる場合、「オメガ−3脂肪酸類」という用語は、天然若しくは合成オメガ−3脂肪酸類、又はその薬学的に許容できるエステル、誘導体、接合体(例えば、Zaloga et al.、米国特許出願公開第2004/0254357号、及びHorrobin et al.、米国特許第6,245,811号を参照されたい(各々、引用することにより本願に援用する))、前駆体若しくは塩及びそれらの混合物を包含する。オメガ−3脂肪酸油の例としては、特に限定されないが、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、及びσ−リノレン酸などのオメガ−3多価不飽和、長鎖脂肪酸類、モノ−、ジ−及びトリグリセリドなどのグリセロールとのオメガ−3脂肪酸類のエステル、並びに脂肪酸メチルエステル及び脂肪酸エチルエステルなどの、オメガ−3脂肪酸類と第1級、第2級又は第3級アルコールとのエステルが挙げられる。好ましいオメガ−3脂肪酸油は、EPA又はDHAなどの長鎖脂肪酸類、それらのトリグリセリド、それらのエチルエステル、及びそれらの混合物である。オメガ−3脂肪酸類又はそれらのエステル、誘導体、接合体、前駆体、塩及びそれらの混合物は、それらの純品にて、又は魚油、好ましくは精製魚油濃縮物などの油の成分としての何れかにて使用できる。本発明での使用に適したオメガ−3脂肪酸類の市販品の例としては、lncromega F2250、F2628、E2251、F2573、TG2162、TG2779、TG2928、TG3525、及びE5015(Croda International PLC、Yorkshire、England)、PAX6000FA、EPAX5000TG、EPAX4510TG、EPAX2050TG、K85TG、K85EE、K80EE、及びEPAX7010EE(Pronova Biocare a.s.、1327 Lysaker、Norway)が挙げられる。
【0027】
好適な組成物は、米国特許第5,502,077号、第5,656,667号、及び第5,698,694号に列挙されるオメガ−3脂肪酸類を含み、これら文献は援用によって本明細書の一部をなす。別の好適な組成物は、40質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更により好ましくは70質量%以上、最も好ましくは80質量%以上、更には90質量%以上の濃度で存在するオメガ−3脂肪酸類を含む。好ましくは、オメガ−3脂肪酸類は50質量%以上のEPA及びDHAを含有し、より好ましくは60質量%以上、更により好ましくは70質量%以上、最も好ましくは80%以上、例えば約84質量%である。好ましくは、オメガ−3脂肪酸類は約5〜約100質量%、より好ましくは約25〜約75質量%、更により好ましくは約40〜約55質量%、最も好ましくは約46質量%のEPAを含有する。好ましくは、オメガ−3脂肪酸類は約5〜約100質量%、より好ましくは約25〜約75質量%、更により好ましくは約30〜約60質量%、最も好ましくは約38質量%のDHAを含有する。以上示した百分率はすべて、別途に示さない限り組成物中の総脂肪酸含有量に対する質量に基づく。
【0028】
EPA:DHA比は、99:1〜1:99であってもよく、好ましくは4:1〜1:4、より好ましくは3:1〜1:3、最も好ましくは2:1〜1:2である。オメガ−3脂肪酸類は、純粋なEPA又は純粋なDHAを含んでもよい。
【0029】
オメガ−3脂肪酸組成物は、αトコフェロールなどの化学的酸化防止剤、大豆油及び部分的に水素添加した植物油などの油類、並びに精留ヤシ油、レシチン及びその混合物などの滑沢剤を適宜含む。
【0030】
オメガ−3脂肪酸類の最も好ましい形態は、Omacor(登録商標)オメガ−3酸(K85EE、Pronova Biocare A.S.、Lysaker、Norway)であり、好ましくは以下の特性(1服用形態あたり)を備えている。
【0031】
【表1】

【0032】
PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストと濃縮オメガ−3脂肪酸類の併用製品は、当分野で周知の、カプセル剤、錠剤、飲料に分散できる散剤、若しくは別の固体経口服用形態、液剤、軟質ゲルカプセル剤、又はカプセル剤中の経口液剤などのその他好都合な服用形態にて投与されるとよい。いくつかの実施形態では、カプセル剤は硬質ゼラチンを含む。併用製品は、注射又は注入に好適な液剤に収容されてもよい。
【0033】
本発明の有効成分は、1種以上の非活性医薬成分(本明細書中、概して「賦形剤」としても知られる)と組み合わせて投与してもよい。非活性成分は、例えば、有効成分を安全、至便、及びそうでなくとも使用に容認できる、適用可能且つ有効な製剤へと可溶化、懸濁、濃化、希釈、懸濁、安定化、保存、保護、着色、着香、及び成形するのに役立つ。非活性成分としては、コロイド状二酸化ケイ素、クロスポビドン、ラクトース一水和物、レシチン、微結晶性セルロース、ポリビニルアルコール、ポビドン、ドデシル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、タルク、二酸化チタン及びキサンタムゴムが挙げられる。賦形剤としては、プロピレングリコールモノカプリレート、グリセロール及び長鎖脂肪酸のポリエチレングリコールエステルの混合物、ポリエトキシ化ヒマシ油、グリセロールエステル、オレオイルマクロゴールグリセライド、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールジカプリレート/ジカプラート、ポリエチレン−ポリプロピレングリコール共重合体、及びポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートといった界面活性剤、エタノール、グリセリン、ポリエチレングリコール及びプロピレングリコールといった助溶剤、及びココナツ、オリーブまたは紅花油といった油が挙げられる。界面活性剤、共溶媒、油類又はそれらの組み合わせの使用は、製薬技術において一般的に知られており、当業者が理解するであろうように、何れの好適な界面活性剤も、本発明及びその実施形態に関連して使用してよい。
【0034】
PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストと濃縮オメガ−3脂肪酸類の併用製品では、オメガ−3脂肪酸油中のPPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストの溶解性が役立つ。併用製品において、PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストは、実質的にオメガ−3脂肪酸油に溶解している。よって、併用製品はPPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストを溶解するための、界面活性剤などの可溶化剤、共溶媒、油類又はそれらの組み合わせを多量に必要としない。好ましくは、有効成分は、多量な可溶化剤(オメガ−3脂肪酸油以外)を用いずに投与され、実質的に溶解している(すなわち、10%未満、好ましくは5%未満しか溶媒系中に溶けずに残っていない)。好ましい実施形態では、仮に存在するとしても、オメガ−3脂肪酸油以外の可溶化剤は、服用形態(単数種又は複数種)中の溶媒系の総質量に対して50質量/質量%未満、好ましくは40%未満、より好ましくは30%未満、より一層好ましくは20%未満、さらにより好ましくは10%未満、最も好ましくは5%未満の量で存在する。いくつかの実施形態では、溶媒系は、オメガ−3脂肪酸油以外の可溶化剤を全く含有しない。本明細書で用いる場合、「溶媒系」にはオメガ−3脂肪酸油が含まれる。他の好ましい実施形態では、他の可溶化剤に対するオメガ−3脂肪酸油の質量比は、0.5対1以上、より好ましくは1対1以上、より一層好ましくは5対1以上、最も好ましくは10対1以上である。
【0035】
他の好ましい実施形態では、仮に存在するとしても、溶媒系で使用する親水性溶媒の量は、服用形態(単数種又は複数種)中の溶媒系の総質量に対して20質量/質量%未満、より好ましくは10%未満、最も好ましくは5%未満である。特定の実施形態では、溶媒系に用いられる親水性溶媒の量は、1〜10質量/質量%の間である。
【0036】
好ましい実施形態では、オメガ−3脂肪酸油は、服用形態(単数種又は複数種)中の溶媒系の総質量に対して30質量/質量%以上、より好ましくは40%以上、より一層好ましくは50%以上、最も好ましくは60%以上の量で存在する。特定の実施形態では、その量は70%以上、80%以上又は90%以上とすることができる。
【0037】
服用形態は、1カ月以上、好ましくは6カ月以上、より好ましくは1年以上、最も好ましくは2年間以上、室温(約23℃〜27℃)で安定である。出願人が意図する「安定」という用語の意味は、可溶化PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストがかなりの程度、例えば10%未満、好ましくは5%未満の量、溶液から出てこないことである。
【0038】
濃縮オメガ−3脂肪酸類は、約0.1g〜約10g、より好ましくは約0.5g〜約8g、最も好ましくは約0.75g〜約4gの1日量で投与できる。
【0039】
PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストは、単回投与する製品として従来の最高強度用量より多く、あるいはそれ以下の量で投与してもよい。例えば、PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストは、単回投与する製品として従来の最高強度用量の10〜100%、好ましくは約25〜100%、最も好ましくは約50〜80%の量を投与してよい。
【0040】
PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストと濃縮オメガ−3脂肪酸類の毎日の投与は、1〜10回の投薬量で一緒に投与でき、好ましい投与回数は1日に1〜4回、最も好ましい投与回数は1日に1〜2回である。投与は、好ましくは経口投与であるが、PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストと濃縮オメガ−3脂肪酸類の単位投薬量を提供する他の投与形態を用いてもよい。
【0041】
PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストと濃縮オメガ−3脂肪酸類の本発明の組み合わせで、2種の薬物のみの場合に期待される何らかの併用又は追加的効果よりも強い効果が得られるようになるかもしれない。さらに、その2種の薬物の併用又は追加的効果は、被験者の血中の脂質パラメータの初期レベルに依存するかもしれない。例えば、被験者のトリグリセリドレベルは通常、150mg/dL未満であれば正常とされ、約150〜199mg/dL内であれば高値側のボーダーライン、約200〜499mg/dL内であれば高値、500mg/dL以上であれば非常に高値とされる。いかなる所定の脂質パラメータに対しても、48週未満、好ましくは24週以内、より好ましくは12週以内、最も好ましくは6週、4週又は2週以内で、「非常に高値」のレベルを「高値」又は「高値側のボーダーライン」に低減するのに本発明を使用してよい。48週未満、好ましくは24週以内、より好ましくは12週以内、最も好ましくは6週、4週又は2週以内で、「高値」のレベルを「高値側のボーダーライン」又は「正常」に低減するのに本発明を使用してもよい。
【0042】
低投薬量及び賦形剤(例えば、界面活性剤)の低減の結果、何らかの望ましくない副作用も低減されるかもしれない。すべての参照文献は援用によって本明細書の一部をなす。
【実施例1】
【0043】
以下の製剤を、本発明に従って調製するとよい。
【0044】
製剤1:
【表2】

【0045】
製剤2:
【表3】

【0046】
製剤3:
【表4】

【0047】
製剤4:
【表5】

【実施例2】
【0048】
51歳の男性被検者は、急性膵炎で入院し、家族性高トリグリセリド血症と診断された。厳密な食事制限及びフェノフィブレート療法(Antara(登録商標)130mg、1日1回)の開始時には、膵炎は鎮静しており、被検者は病院から退院していた。しかし、およそ2週間のフェノフィブレート療法の後、被験者のトリグリセリド(TG)レベルは依然として749mg/dLであった。その後、被検者はフェノフィブレート療法も続けながらOmacor(登録商標)療法(90%オメガ−3酸エチルエステル、4グラム/日、1日1回)を開始した。1カ月間の併用療法の後、被検者のTGは235mg/dLに、69%低減していた。さらに、併用療法後の被験者の総コレステロールは、46%低減していた(280mg/dLから151mg/dL)に。表1参照。表1
【0049】
【表6】

【0050】
以上の結果は、Omacor(登録商標)及びフェノフィブレートを一緒に投与する場合に得られる相乗的効果を示している。何れかの薬剤を単独で投与した場合、TGが500mg/dLを超える被験者では概して、約10%しか総コレステロールが低下しないので、これらの結果は意外なものである。これに対し、Omacor(登録商標)及びフェノフィブレートの併用療法は、総コレステロールを更に30%〜35%低下させた。また、かかる被検者群において、Omacor(登録商標)の単独投与は、TGを約45%〜50%低減させることが予期されるが、Omacor(登録商標)及びフェノフィブレートの併用投与の相乗効果でTGは69%まで低減した。実施例3
【0051】
Omacor(登録商標)及びフェノフィブレートを24名の被験者に投与する研究を行っている。図1に示す通り、フェノフィブレート単独の投与(四角)に対して、Omacor(登録商標)及びフェノフィブレートの共投与(円)で、血中フェノフィブリン酸レベル(AUC)のおよそ30%の低減が観察されている。図1に示す結果は、Omacor(登録商標)と共に投与した場合に、単独投与の場合に比べてフェノフィブレートの排出定数が増加し、半減期が低減することに符合している。
【0052】
フェノフィブレートへの脂肪質又は油性物質(例えば、脂肪食)の添加は、フェノフィブレートの血中レベル(AUC)を高めることが一般に知られている(例えば、Antara(登録商標)フェノフィブレートカプセル剤についての処方情報を参照されたい)ので、観察した結果は、意外なものである。しかし、ほとんど脂肪酸エステルからなる油性物質であるOmacor(登録商標)の添加によって、逆の効果が得られた。理論に縛られることなく、全身のフェノフィブレートレベルの観察された低減は、フェノフィブレートの代謝の増強に関連するのかもしれないと考えられる。このように、本発明は、フェノフィブレート代謝及び/又は効力を高めるための新規方法を提供する。実施例4
【0053】
フェノフィブレート及びオメガ−3脂肪酸類を含有する固定用量の医薬製品を投与した患者の研究を現在行っている。研究の第一部では、固定用量の製品を8名の患者に投与した。図2は、摂食及び絶食両条件下の平均フェノフィブリン酸レベルを示す。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】フェノフィブレート単独又はフェノフィブレートと「Omacor(登録商標)」オメガ−3脂肪酸類との混合物投与後の血漿フィブリン酸平均濃度を示す図である。
【図2】摂食及び絶食の双方の条件下での、フェノフィブレート及びオメガ−3脂肪酸類の単位用量製剤の投与後の血漿フィブリン酸平均濃度を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、混合型異脂肪血症、血管性疾患、アテローム動脈硬化症もしくはそれに関連する症状又は肥満の治療、又は被検体中の心血管性及び血管性イベントの予防若しくは低減、インスリン耐性、空腹時グルコースレベル及び食後グルコースレベルの低減、並びに/又は糖尿病の発生率の低減及び/若しくは糖尿病の発症の遅延の方法であって、
前記被検体に、有効量のPPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストと、天然又は合成オメガ−3脂肪酸類、又はその薬学的に許容できるエステル、誘導体、接合体、前駆体、もしくは塩、又はその混合物を投与することを含む方法。
【請求項2】
前記PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストは、フィブレート、チアゾリジンジオン類、非チアゾリジンジオン類及びメタグリダセンからなる群より選択される請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストは、フィブレートを含有する請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストは、フェノフィブレートを含有する請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記オメガ−3脂肪酸類は、前記組成物の全脂肪酸含量に対して40質量%以上の濃度で存在する請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記オメガ−3脂肪酸類は、前記組成物の全脂肪酸含量に対して80質量%以上の濃度で存在する請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記オメガ−3脂肪酸類は、前記組成物の全脂肪酸含量に対して50質量%以上のEPA及びDHAを含有する請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記オメガ−3脂肪酸類は、前記組成物の全脂肪酸含量に対して80質量%以上のEPA及びDHAを含有する請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記オメガ−3脂肪酸類は、前記組成物の全脂肪酸含量に対して約5質量%以上約95質量%のEPAを含有する請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記オメガ−3脂肪酸類は、前記組成物の全脂肪酸含量に対して約40質量%以上約55質量%のEPAを含有する請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記オメガ−3脂肪酸類は、前記組成物の全脂肪酸含量に対して約5質量%以上約95質量%のDHAを含有する請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記オメガ−3脂肪酸類は、前記組成物の全脂肪酸含量に対して約30質量%以上約60質量%のDHAを含有する請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記オメガ−3脂肪酸類は、オメガ−3ポリ不飽和、長鎖脂肪酸、オメガ−3脂肪酸類のグリセロールエステル、オメガ−3脂肪酸類と第1級、第2級又は第3級アルコールとのエステル、又はその混合物を含有する請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記オメガ−3脂肪酸類は、EPA及びDHAを含有し、EPA:DHAの比が99:1〜1:99である請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記オメガ−3脂肪酸類は、EPA及びDHAを含有し、EPA:DHAの比が2:1〜1:2である請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記オメガ−3脂肪酸類を、前記PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストとは別に投与する請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記オメガ−3脂肪酸類及び前記PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストを、単位用量形態で共に投与する請求項1記載の方法。
【請求項18】
PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストと、天然又は合成オメガ−3脂肪酸類、又はその薬学的に許容できるエステル、誘導体、接合体、前駆体、もしくは塩、又はその混合物、を含有する溶媒系とを含有する医薬組成物であって、
前記オメガ−3脂肪酸類及び前記PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストは共に、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、混合型異脂肪血症、血管性疾患、アテローム動脈硬化症疾患及び関連症状、肥満の被験者の治療、心血管性及び血管性イベントの予防若しくは低減、インスリン耐性、空腹時グルコースレベル及び食後グルコースレベルの低減並びに/又は糖尿病の発生率の低減及び/若しくは糖尿病の発症の遅延のための有効量で存在する医薬組成物。
【請求項19】
前記PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストは、フィブレート類、チアゾリジンジオン類、非チアゾリジンジオン類及びメタグリダセンからなる群より選択される請求項18記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストは、フィブレートを含有する請求項18記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記PPARアゴニスト及び/又はアンタゴニストは、フェノフィブレートを含有する請求項18記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記溶媒系は、前記オメガ−3脂肪酸類の他に、前記溶媒系の全質量に対して50%(質量/質量)未満の、1種以上の可溶化剤を含有する請求項18記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記溶媒系は、前記オメガ−3脂肪酸類の他に、1種以上の可溶化剤を含有し、前記可溶化剤に対するオメガ−3脂肪酸類の質量比は0.5対1以上である請求項18記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記溶媒系は、前記溶媒系の全質量に対して20%(質量/質量)未満の、1種以上の親水性溶媒を含有する請求項18記載の医薬組成物。
【請求項25】
室温で6月以上安定である請求項18記載の医薬組成物。
【請求項26】
単位用量形態である請求項18記載の医薬組成物。
【請求項27】
フェノフィブレートと、天然又は合成オメガ−3脂肪酸類、又はその薬学的に許容できるエステル、誘導体、接合体、前駆体、もしくは塩、又はその混合物を含有する溶媒系とを含有する単位用量形態の医薬組成物であって、
前記オメガ−3脂肪酸類の他に、前記溶媒系の全質量に対して50%(質量/質量)未満の、1種以上の可溶化剤を含有する医薬組成物。
【請求項28】
前記溶媒系は前記オメガ−3脂肪酸類からなる請求項26記載の医薬組成物。
【請求項29】
フェノフィブレート代謝及び/又は効力を高める方法であって、
天然又は合成オメガ−3脂肪酸類又はその薬学的に許容できるエステル、誘導体、接合体、前駆体、もしくは塩、又はその混合物を含有する溶媒系中にフェノフィブレートを溶解し、
その後、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、混合型異脂肪血症、血管性疾患、アテローム動脈硬化症もしくはそれに関連する症状又は肥満の治療、又は被検体中の心血管性及び血管性イベントの予防若しくは低減、インスリン耐性、空腹時グルコースレベル及び食後グルコースレベルの低減、並びに/又は糖尿病の発生率の低減及び/若しくは糖尿病の発症の遅延のためにフェノフィブレートを被検体に投与することを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−524120(P2008−524120A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−544610(P2007−544610)
【出願日】平成17年12月5日(2005.12.5)
【国際出願番号】PCT/US2005/044035
【国際公開番号】WO2006/062932
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(507185428)レリアント ファーマスーティカルズ インコーポレイテッド (9)
【Fターム(参考)】