説明

オルガノシロキサンポリマーの調製

ポリシロキサン含有ポリマーの生成方法について記載する。本方法はi)1分子当たり少なくとも2つの縮合性基を含むシロキサン含有モノマー及び/又はオリゴマーの、a)1つ以上の縮合触媒並びに選択的にb)希釈剤(可塑剤及び/又は増量剤)及び/若しくは末端ブロック剤の一方又は両方の存在下での重縮合によりポリシロキサン含有ポリマーを調製するステップ、並びにii)必要に応じて重合プロセスを抑制するステップを含む。希釈剤は、存在する場合、得られる希釈ポリシロキサン含有ポリマー中に実質的に保持され、プロセスは少なくとも75×10Pa(0.75MPa)の圧力で行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオルガノシロキサンポリマーの、選択的に希釈剤の存在下における、高圧での縮合重合に関する。
【背景技術】
【0002】
1分子当たり2つ以上の水酸基及び/又は他の加水分解性基を有する、線状及び分岐シロキサンオリゴマー又は短鎖ポリマーを、適切な縮合触媒及び、必要と思われれば、熱の存在下での重合により、重縮合反応経路を経て高分子量、高重合度(dp)ポリマーへ重合せることができることは周知である。重縮合(別名、縮合重合)はモノマー及び/又はオリゴマーの重合とともに水、並びに1〜6個の炭素原子を含有するアルコール、一般的にはメタノール及びエタノールのような低分子量副生成物の除去である。減圧は低分子量副生成物の除去を補助するので、こうした重合プロセスを減圧下で行うことが知られている。
【0003】
シロキサンオリゴマー及び/又は短鎖ポリマーの重縮合の新規プロセスは国際公開第2006/106362号パンフレットに記載され、そこでは一般的にはシリコーン系封止材のようなポリマー最終生成物を含有する組成物に用いられる増量剤(加工助剤と称されることもある)及び/又は可塑剤がさらに重合中に存在している。通常、増量剤及び/又は可塑剤は反応物質、中間物及び反応生成物とは反応しない。この革新的方法は、その後組成物に用いる際の加工上の問題を回避しながら、非常に長い鎖状ポリマーの調製をもたらすことができる。可塑剤及び/又は増量剤の存在は希釈ポリマーを扱いやすい粘度で維持するが、ポリマー単体では可塑剤及び/又は増量剤の非存在下では25℃で何百万mPa.sもの粘度を有するだろう。国際公開第2006/106362号パンフレットは、縮合中に形成される副生成物、例えば、水、HCl又はアルコールの除去を促進するため、重合プロセスは80kPaより低い圧力で行われ得るが、重縮合反応はいずれの適切な圧力で行うこともできることを示す。それは平衡を含む縮合型反応を所望に応じて大気より高い圧力で行うことができることをさらに示すが、後者のプロセスの実施例は提供されていない。
【0004】
高圧を用いるシロキサンポリマーの生成方法については以前に説明されているが、それらのいずれも重縮合重合プロセスは含まない。例えば、英国特許第756613号、英国特許第756614号、米国特許第2759007号、米国特許第2759008号及び米国特許第4250290号はすべて、環状鎖が壊れ、得られる生成物が重合するように環状ポリシロキサンモノマーを適切な触媒及び熱で処理することを含む開環重合プロセスについて記載する。一般的にはこうした方法を用いる重合中、水酸基又は他の加水分解性基は出発物質上に存在しないが、水酸基を含有する適切な連鎖停止剤を添加することができる。開環重合のメカニズムは重縮合のそれとは完全に異なり、開環重合技術上の圧力の効果を重縮合重合と同等であると推定することはできない。
【0005】
欧州特許第0221824号明細書は、1分子当たり少なくとも1つの−OH基を有する環状ポリジオルガノシロキサンオリゴマー又は環状及び線状ポリジオルガノシロキサンオリゴマーの混合物の酸性又は塩基性触媒重合プロセスについて記載する。欧州特許第0221824号の重合プロセスは少なくとも1つの液体において超大気圧下で行われる。重合中の液体の物理的状態は:
(i)超大気圧下で気体;
(ii)液体状態;又は
(iii)超臨界状態
から選択され、得られるポリマーは「膨張」、すなわち通常の気相状態に変化させることによる液体の除去により回収される。これは25℃で何百万mPa.sもの高粘度を有するほぼ不希釈のポリマーをもたらす。しかしながら、提供されている実験データは、調製後、少量だが有効量の低分子量揮発性シロキサン(>2重量%)がポリマー中に残り、従って純ポリマーが得られないことを示す。残留揮発性シロキサンの比較的高い濃度から、重合後反応槽から排出される際に液体がポリマーから揮発性シロキサンを抽出しないことは明らかであることをさらに理解すべきである。欧州特許第0221824号の実施例20及び21はジヒドロキシポリジメチルシロキサンの使用について開示するが、このポリマーは平衡プロセスによってOH基を再分配する末端ブロック剤として用いられ、水は反応から除去されないことを理解すべきである。従って、重縮合はこれらの実施例では行われていない。
【0006】
驚くべきことに、本発明者らは、1分子当たり2つ以上の水酸基及び/又は他の加水分解性基を有する線状及び/若しくは分岐シロキサンオリゴマー又は短鎖ポリマーの重縮合中に、プロセスを高圧で行うことにより、すべての成分が液体形態であり、従って、一般的な予想からこうした圧力増加により大きな影響を受けるとは考えにくいにもかかわらず、著しい反応速度の増加を得ることができることを見出した。
【発明の概要】
【0007】
本発明に従って、
i)a)1つ以上の縮合触媒並びに、選択的に、
b)希釈剤及び/若しくは末端ブロック剤の一方又は両方の、
存在下において、1分子当たり少なくとも2つの縮合性基を含むシロキサン含有モノマー及び/又はオリゴマーの重縮合によりポリシロキサン含有ポリマーを調製するステップと、
ii)必要に応じて重合プロセスを抑制するステップと、を備え、
iii)前記希釈剤は、それが存在する場合には、得られる希釈ポリシロキサン含有ポリマー中に実質的に保持され、該プロセスは少なくとも75×10Paの圧力で行われることを特徴とする、方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書において用いる「comprising(含む)」の概念は、「include」及び「consist of」の概念を意味し、包含するようにもっとも広い意義において用いられる。とくに指示のない限り与えられたすべての粘度値は25℃の温度でのものである。好適には、本方法は行われるただ1つの反応又は行われるほぼただ1つの反応が重縮合である「純粋な」重縮合系に関する。
【0009】
ポリシロキサン含有ポリマーとは、1分子当たり複数のポリシロキサン基を含むポリマーを意味することを意図し、ポリマー鎖中にほぼポリシロキサン基のみを含有するポリマー又は骨格がポリマー鎖中にポリシロキサン基及び有機ポリマー基の両方を含有するポリマーを含むことを意図している。
【0010】
好適には、本発明のプロセスに用いられるオリゴマー上の縮合性末端基は水酸末端基又は加水分解性末端基(例えばアルコキシ基)である。本発明者らは、本発明による縮合重合プロセスがいずれかの既知の適切なオリゴマーを1つ以上の縮合触媒とともに用いることができることを見出した。
【0011】
従って、本発明による重合プロセスの1つの好適な方法は、複数の式(1)の単位を含む非環状(すなわち直鎖及び/又は分岐)シロキサン含有オリゴマーの重合である。
R’SiO4−a/2 (1)
ここで、各R’は同じ又は異なっていてもよく、水素、1〜18個の炭素原子を有する炭化水素基、1〜18個の炭素原子を有する置換炭化水素基又は最大18個の炭素原子を有する炭化水素オキシ基を表し、「a」は平均で1〜3、好適には1.8〜2.2の値を有する。好適には、シロキサン含有オリゴマーは25℃で10mPa.s〜50000mPa.sの粘度を有する。
【0012】
本出願の目的のため、「置換」とは、炭化水素基中の1個以上の水素原子が別の置換基で置き換えられていることを意味する。こうした置換基の例としては、塩素、フッ素、臭素、及びヨウ素のようなハロゲン原子;クロロメチル、ペルフルオロブチル、トリフルオロエチル、及びノナフルオロへキシルのようなハロゲン原子含有基;酸素原子;(メタ)アクリル及びカルボキシルのような酸素原子含有基;窒素原子;アミノ官能基、アミド官能基、及びシアノ官能基のような窒素原子含有基;硫黄原子;並びにメルカプト基のような硫黄原子含有基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】
特に好適な基R’の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ビニル、シクロへキシル、フェニル、トリル基、3,3,3−トリフルオロプロピルのような塩素若しくはフッ素で置換したプロピル基、クロロフェニル、β−(ペルフルオロブチル)エチル又はクロロシクロへキシル基が挙げられる。好適には少なくともいくつかの、より好適にはほぼすべての基R’はメチルである。いくつかのR’基は水素基であってもよい。シロキサン含有オリゴマーは、好適には線状又は分岐ポリジアルキルシロキサンであり、より好適には線状又は分岐ポリジメチルシロキサンである。もっとも好適には、シロキサン含有オリゴマーは線状ポリジメチルシロキサンである。
【0014】
シロキサン含有オリゴマーは好適には、式R”SiO1/2のシロキサン単位で末端ブロックされるほぼ線状の物質であり、式中、各R”は同じ又は異なり、R’又は縮合性基である。縮合性末端基のいずれかの適切な組み合わせを本発明の重合プロセスに用いることができる(すなわち選択される縮合性基は重合するため一緒に縮合反応を受けることができなければならない)。好適には、少なくとも1つのR”基は水酸基又は加水分解性基である。一般的には、モノマー/オリゴマー末端基として用いられる縮合性基は上記のとおりであるが、本発明による高圧でのモノマー/オリゴマーの重縮合に関与するいずれの基であってもよい。少量(<20%)の基R”SiO1/2はトリアルキルシリル基のような非加水分解性末端基を含むことができる。
【0015】
必要に応じて、互いに重合可能であるような適当な縮合性末端基を有するシロキサン含有オリゴマーの混合物を用い、ランダムコポリマー又はABA若しくはAB型ブロックコポリマーを形成することができることも理解されるだろう。こうしたシロキサン含有オリゴマー及びポリマー鎖は上記(1)で表した単位の鎖から形成されるブロックを含むことができ、2つのR’基が存在する(すなわちポリマーのほとんどの単位と同様にa=2である)場合、R’基は:
・ともにアルキル基(好適にはともにメチル又はエチル)、
・アルキル及びフェニル基、
・アルキル及びフルオロプロピル、
・アルキル及びビニル、又は、
・アルキル及び水素基
である。一般的には、少なくとも1つのブロックはR'基が両方アルキル基であるシロキサン単位を含むだろう。
【0016】
必要に応じて、ランダムコポリマー又はABA若しくはAB型ブロックコポリマーを形成するため、オルガノポリシロキサンモノマー及び/又はオリゴマーと重合可能であるような適当な縮合性末端基を有する有機モノマー及び/又はオリゴマーを導入することができることも理解されるだろう。好適には、有機モノマー及び/又はオリゴマーはシロキサンモノマー及び/又はオリゴマーの縮合性基と縮合可能である2つ以上の縮合性基を含む。本発明に従って用いることができる有機モノマーの例としては、例えば、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリ(ビニルメチルスチレン)、ポリ(ρ−トリメチルシリルスチレン)及びポリ(ρ−トリメチルシリル−α−メチルスチレン)のようなポリスチレン及び/又は置換ポリスチレンが挙げられる。他の有機物成分は、アセチレン末端オリゴフェニレン、ビニルベンジル末端芳香族ポリスルホンオリゴマー、芳香族ポリエステル及び芳香族ポリエステル系モノマーを含むことができる。
【0017】
しかしながら、おそらくA中のもっとも好適な有機物系ポリマーブロックはポリオキシアルキレン系ブロックである。こうしたポリオキシアルキレン化合物は、好適には平均式(−C2n−O−)により例示される繰り返しオキシアルキレン単位(−C2n−O−)からなる線状の主にオキシアルキレンポリマーを含み、式中、nは2〜4の整数であり、yは少なくとも4の整数である。少なくともいくつかの水素単位を代替置換基で置換することができる。各ポリオキシアルキレンポリマーブロックの平均分子量は約300〜約10,000g/molの範囲とすることができる。また、オキシアルキレン単位はポリオキシアルキレンモノマー全体で必ずしも同一ではなく、単位ごとに異なり得る。ポリオキシアルキレンブロックは、例えば、オキシエチレン単位(−C−O−);オキシプロピレン単位(−C−O−);若しくはオキシブチレン単位(−C−O−);又はこれらの混合物からなり得る。本発明の1つの実施形態では、オキシアルキレンポリマーは好適にはペルハロオキシアルキレン基、もっとも好適にはペルフルオロキシアルキレン基を含むことができる。
【0018】
他のポリオキシアルキレンモノマー及び/又はオリゴマーは、例えば以下の構造単位を含み、
−[−R−O−(−R−O−)−Pn−CR−Pn−O−(R−O−)−R]−
式中、Pnは1,4−フェニレン基であり、各Rは同じ又は異なり、2〜8個の炭素原子を有する二価炭化水素基であり、各Rは同じ又は異なり、エチレン基又はプロピレン基であり、各Rは同じ又は異なり、水素原子又はメチル基であり、下付き文字p及びqはそれぞれ3〜30の範囲内の正の整数である。
【0019】
前述のような重縮合プロセスは反応を進めるために適切な縮合触媒を必要とする。いずれかの適切な重縮合触媒を用いることができる。用いられる触媒の量は用いられる触媒に応じて異なるだろう。しかしながら、一般的には用いられる触媒は組成物の重量の約5%の最大量までの量で存在するだろう。例えば、触媒はブレンステッド酸又はルイス酸を含むことができる。触媒はあるいはこうした酸の混合物であってもよい。いずれかの適切なブレンステッド酸又はルイス酸を用いることができる。本発明における重合に適したルイス酸触媒(「ルイス酸」とは電子対を取り込んで共有結合を形成するいずれかの物質である)としては、例えば、三フッ化ホウ素、FeCl、AlCl、ZnCl、ZnBr、B(C及び式M21の触媒が挙げられるが、式中、MはB、Al、Ga、In又はTlであり、各R21は単独で同じ又は異なり、6〜14個の炭素原子を有する一価芳香族炭化水素ラジカルを表し、こうした一価芳香族炭化水素ラジカルは好適には−CF、−NO若しくはCNのような少なくとも1つの電子吸引元素若しくは基を有し、又は少なくとも2つのハロゲン原子で置換され;XはF、Cl、Br、及びIからなる群から選択されるハロゲン原子であり;qは1、2、又は3であり;fは0、1又は2であるが;ただしq+f=3である。ハロゲン化ホスホニトリルのルイス酸誘導体並びに塩化ホスホニトリル及びホスフェートエステルの反応生成物を用いることもできる。
【0020】
適切なブレンステッド酸(すなわちプロトン供与体、又はその前駆体として働く物質)としては、硫酸、リン酸、アルキル硫酸(例えばエチル硫酸)、ピロリン酸、硝酸、ホウ酸、活性フラー土、有機酸、例えばクエン酸、ステアリン酸、酢酸、スルホン酸、クロロスルホン酸のようなハロスルホン酸及びドデカン酸のようなアルカン酸、又は前記化合物のいずれかの前駆体、ハロゲン化リン(POCl及びPCl)並びにクロロホスファゼンが挙げられる。
【0021】
さらにより好適には、ブレンステッド酸は10個以上のC原子、より好適には12個以上のC原子、もっとも好適には14個以上のC原子を含む有機スルホン酸であり、スルホン酸は、例えばベンゼン、ナフタレン、フェナントレン又はアントラセン基であってもよい少なくとも1つの芳香族基をさらに含む。有機スルホン酸には、1つ又は2つ以上のスルホン酸基が存在することができ、スルホン酸基は有機スルホン酸の非芳香族、又は好適には芳香族基のいずれかに結合することができる。
【0022】
式R20(SOH)を有するものがとくに好適であり、式中、R20は好適には6〜18個の炭素原子を有するアルキル基、例えば、ヘキシル若しくはドデシル基、フェニル基のようなアリール基、又はジノニル−若しくはジドデシル−ナフチルのようなアルカリル基を表す。R20がアルキル基である場合z=1であるが、R20がアリール基を含有する場合zは1〜4の値を有することができる。有機芳香族スルホン酸シラノール縮合触媒として用いられる化合物は、好適には10〜200個のC原子、より好適には14〜100個のC原子を有する。R20は好適には4〜30個、より好適には6〜18個の炭素原子を有するアルキル基を有するアルカリル基である。
【0023】
触媒は、有機芳香族スルホン酸である場合、構造単位R20(SOH)を1回又は数回、例えば、2回又は3回含むことができる。例えば、2つのR20(SOH)構造単位はアルキレン基のような架橋基によって互いに連結することができる。
【0024】
アルキルフェニルスルホン酸、例えばドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)がもっとも好適である。この群の触媒は優れた縮合触媒であるが、従来技術はそれらが縮合専用ではないことを教示する。とくに、DBSAは界面活性平衡触媒であることも知られている(例えば、米国特許第4654041号明細書を参照)。平衡触媒はシロキサン結合の切断及び形成の両方を触媒することができ、縮合重合反応が行われるのを触媒するだけでなく、短鎖環状シロキサンの形成をもたらす。
【0025】
DBSAのこの二重の触媒活性は、本発明による反応プロセスの最終生成物が当業者により重縮合反応対平衡反応の相対速度により決定されると予想されることを意味する。多くの商業的な縮合重合プロセスでは、反応副生成物、例えば水は、化学的又は物理的水捕捉剤(重縮合反応を妨げないように選択される必要がある)により、触媒を吸着又は抑制することにより除去される。あるいは、反応副生成物は真空の印加により除去される。これはもちろん、(重合が行われる)反応槽の圧力を高く保つ必要性のため、本発明のプロセス中には不可能である。いくつかの例では、触媒は二重の、触媒及び水捕捉剤の両方の役割を果たすことができる。例えば、DBSAはミセルを形成することにより水を縮合平衡から除去することができ、塩化リン系触媒は反応により化学的に水を除去することができる。
【0026】
従って、GC−FID(炎イオン化検出)を用いる測定に基づき、オクタメチルシクロテトラシロキサン(以下、「D」と称する)が最終シロキサン生成物の0.2重量%未満であり、デカメチルシクロロペンタシロキサン(以下、「D」と称する)が最終シロキサン生成物の0.2重量%未満であることを指摘することは非常に意外である。本プロセスでは縮合反応副生成物(すなわち水)を除去するために著しい努力はしていないので、これはとくに予想外である。当業者であれば、反応生成物中で増加を続ける重縮合反応速度に悪影響を及ぼす副生成物、例えば水の存在のため、時間が経つにつれて平衡反応がますます優勢となると予想するだろう。このように、本発明によるプロセス中に調製されるD及びDのような環状不純物の著しく低い濃度は当業者の予想に完全に反している。
【0027】
本発明において重合反応の触媒として用いることができるさらに適切な縮合触媒としては、スズ、鉛、アンチモン、鉄、カドミウム、バリウム、マンガン、亜鉛、クロム、コバルト、ニッケル、アルミニウム、ガリウム又はゲルマニウム及びジルコニウムを組み込む縮合触媒が挙げられる。例としては、金属トリフラート、トリエチルスズタートレート、スズオクトエート、スズオレエート、スズナフテート、ブチルスズトリ−2−エチルヘキソエート、スズブチレート、カルボメトキシフェニルスズトリスベレート、イソブチルスズトリセロエート、及びジオルガノスズ塩、とくにジオルガノスズジカルボキシレート化合物、例えばジブチルスズジラウレート、ジメチルスズジブチレート、ジブチルスズジメトキシド、ジブチルスズジアセテート、ジメチルスズビスネオデカノエート、ジブチルスズジベンゾエート、第一スズオクトエート、ジメチルスズジネオデカノエート、ジブチルスズジオクトエートのような有機スズ金属触媒が挙げられるが、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテートを用いるものが好適である。
【0028】
他の触媒としては、チタネート又はジルコネート化合物、例えばテトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、又はジイソプロピルビス(アセチルアセトニル)チタネート、ジイソプロピルビス(エチルアセトアセトニル)チタネート、ジイソプロポキシチタニウムビス(エチルアセトアセテート)等のようなキレートチタネート若しくはジルコネートが挙げられる。こうしたチタネートはそれぞれ一般式Ti(OR)及びZr(OR)による化合物を含むことができ、式中、各Rは同じ又は異なっていてもよく、1〜10個の炭素原子を含有する線状又は分岐であってもよい一価第一級、第二級又は第三級脂肪族炭化水素基を表す。選択的にチタネートは部分不飽和基を含有することができる。一方、Rの好適な例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第三級ブチル及び2,4−ジメチル−3−フェニルのような分岐第二級アルキル基が挙げられるが、これらに限定されない。好適には、各Rが同じである場合、Rはイソプロピル、分岐第二級アルキル基又は第三級アルキル基、とくに第三級ブチルである。
【0029】
疑念を回避するため、2,4−ジメチル−3−ペンチルのような分岐第二級アルキル基が1個以上の炭素原子を有する従属鎖を有する一方で、非分岐第二級アルキル基は1個以上の炭素原子を含有する従属鎖を有さない線状有機鎖、すなわちイソプロピル基を意味することを意図している。
【0030】
いずれかの適切なキレートチタネート又はジルコネートを用いることができる。好適には、用いられるキレート基は、例えばジイソプロピルビス(アセチルアセトニル)チタネート、ジイソプロピルビス(エチルアセトアセトニル)チタネート、ジイソプロポキシチタニウムビス(エチルアセトアセテート)等のようなキレートチタネートをもたらすアセチルアセトネート及びアルキルアセトアセトネートのようなモノケトエステル、である。適切な触媒の例については、本明細書に参照により組み入れる欧州特許第1254192号及び国際公開第2001/49774号パンフレットにさらに記載されている。
【0031】
他の縮合触媒としては、n−ヘキシルアミン、テトラメチルグアニジン、ルビジウム又はセシウムのカルボキシレート、マグネシウム、カルシウム又はストロンチウムの水酸化物、並びに当技術分野において、例えば英国特許明細書第895091号、第918823号、及び欧州特許第0382365号に挙げられているような他の触媒が挙げられる。塩化ホスホニトリルをベースとする触媒、例えば米国特許明細書第3,839,388号及び第4,564,693号又は欧州特許第215470号に従って調製したもの、並びに英国特許第2252975号に記載されているような、一般式[X(PX=N)PX[M(v−t+1)R’’’を有するハロゲン化ホスホニトリルイオン系触媒も好適であるが、式中、Xはハロゲン原子を表し、Mはポーリングスケールによる1.0〜2.0の電子引力を有する元素を表し、R'’’は最大12個の炭素原子を有するアルキル基であり、sは1〜6の値を有し、vはMの原子価又は酸化状態であり、tは0〜v−1の値を有する。
【0032】
あるいは、触媒は以下の一般式:
−PCl=N(−PCl=N)−PCl−O
を有する有機ケイ素ラジカルを含有する酸素含有クロロホスファゼンを含むことができ、式中、
・Zは酸素、塩素原子又は水酸基によってリンに結合した有機ケイ素ラジカルを表し、
・nは0又は1〜8の整数を表す。
触媒は上記の縮合生成物及び/又はその互変異性体を含むこともできる(Zが水酸基である場合触媒は互変異性体形態で存在する)。すべての又はいくつかの塩素原子はラジカルQにより置き換えることができ、Qは水酸基、アルコキシラジカル又はアリールオキシラジカルのような一価有機ラジカル、塩素以外のハロゲン原子、有機ケイ素ラジカル及びリン含有ラジカルを表す。式(I)の酸素含有クロロホスファゼンは好適には塩素原子がラジカルQにより置き換えられていないものである。
【0033】
本発明において触媒として用いることができるさらなる代替触媒は、国際公開第01/79330号パンフレットに定義されるように、少なくとも1つの四置換ホウ素原子を含むアニオン及び少なくとも1つのシラノール基と相互作用することができるプロトンの供給源をもたらすいずれかの適切な化合物である。このタイプの触媒について、ホウ素含有アニオンが単体でケイ素原子と直接共有結合を形成しないこと、及び分解又は再配列してケイ素原子と直接共有結合を形成するアニオンを生成しないことが重要である。適切な物質としては、配列内に配置された1つ以上のホウ素原子及びいくつかの、例えば10個以上の、各ホウ素原子と結合したハロゲン原子を組み込むものが挙げられる。こうした化合物中のハロゲン原子は少なくとも1個の炭素原子を組み込む連鎖によりホウ素原子と結合することができ、フッ素、塩素及び臭素から選択されるが、フッ素がもっとも好適である。
【0034】
好適なアニオンはその上に4つの有機置換基を有する1個以上のホウ素原子を組み込むが、四置換ボレートがもっとも好適である。適切な有機置換基は五フッ化フェニル基及びビス(トリフルオロメチル)フェニル基のようなハロゲン化炭化水素基であり、好適な物質は各ホウ素原子に結合した4つのこうした基を有する。例としては、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオン(過フッ化アリールボレートイオン)が挙げられ、物質は好適にはこのアニオンの酸、すなわちH{(CB}として用いられる。他の作用物質としては2つの四置換ホウ素原子を有するアニオン、例えば二過フッ化アリールボレートイオン、例えば、H{B(CCNB(Cが挙げられる。本発明のプロセスに用いるのに適した他のホウ素含有アニオンとしては、例えば式{CB10、{CB、{CB1112及び{CB11を有するカルボランが挙げられ、式中、各Xは同じ又は異なり、ハロゲンを表す。カルボランは四置換より高度に置換された、例えば五置換及び六置換、ホウ素原子を含有することができるが、明瞭さのため、本明細書において用いる「四置換」とは、四置換及びより高度に置換したホウ素原子を含有するアニオンを含むことを意図している。
【0035】
用いることができるさらなる群の触媒は、重合反応混合物中に(a)ケイ素結合ヒドロキシ又はアルコキシ基の少なくとも1つと相互作用することができるプロトン並びに(b)弱配位性アニオン(すなわち有機ケイ素反応混合物においてアニオンがプロトンを比較的弱く引き付けるように比較的大きいラジカルによって分配された負の電荷を有する、すなわち強い求核剤ではない、アニオン)の供給源をもたらす物質である。これらとしては、ホウ素、ニオブ、及びアルミニウムからなる群から選択される元素の、配列内に配置された、1つ以上の適切な原子M並びにいくつかの、例えば10個以上の、各原子Mと結合したハロゲン原子を有する物質が挙げられる。こうした化合物中のハロゲン原子は少なくとも1個の炭素原子を組み込む連鎖により原子Mに結合することができる。ハロゲン原子は好適にはフッ素、塩素及び臭素から選択されるが、フッ素がもっとも好適である。好適な弱配位性アニオンは、原子Mの中性原子価より1つ多い置換基、例えばアルミニウム若しくはホウ素であれば4つの置換基又はニオブであれば6つの置換基、を有するアニオンを支持することができるいずれかの適切な元素の原子Mを1つ以上組み込むことができる。好適なアニオンはその上に4つの有機置換基を有する1個以上のホウ素原子を組み込むが、四置換ボレートがもっとも好適である。適切な有機置換基は炭化水素基である。これらの炭化水素基の3つ及び好適には4つは好適には芳香族基であり、好適には高度にハロゲン化されている。好適なハロゲン化炭化水素は五フッ化フェニル基及びビス(トリフルオロメチル)フェニル基であり、好適な物質は各ホウ素原子に結合した4つのこうした基を有する。1つの弱配位性アニオンはテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオン(本明細書では別名、過フッ化アリールボレートイオン)であり、プロトン(a)及び弱配位性アニオン(b)の供給源をもたらす物質はこのアニオンの酸、すなわちH{(CB}である。
【0036】
縮合触媒は、オリゴマー100重量部当たり好適には0.01〜6、より好適には0.1〜3重量部の量で存在するだろう。触媒は、キレート剤を用いる場合、6重量部より大きい量で存在することができる。
【0037】
触媒の活性は、好適には触媒と反応してこれを非活性にする中和剤を用いることによりクエンチされる。一般的には、酸系縮合触媒の場合、中和剤は適切な塩基、例えば、モノ/ジ及びトリアルカノールアミンのようなアミンであり、具体例としてはモノエタノールアミン(MEA)及びトリエタノールアミン(TEA)が挙げられるが、これらに限定されない。DBSA触媒を用いる重縮合系の場合、代替クエンチ手段としてはDBSAを吸収して安定なポリマーを残すことが見出されたアルミナシリケートゼオライト物質が挙げられる。ほとんどの場合、触媒残渣はポリマー生成物中に残り、又は適当であればろ過若しくは代替方法により除去することができる。ホスファゼン系触媒の場合、所望のポリマー粘度に達すると、プロセスにおいて得られる有機ケイ素化合物の粘度は、用いられる触媒又は同様に重合プロセスを促進する触媒残渣を組み込んで形成された反応生成物を阻害剤又は不活性化剤の添加により阻害又は不活性化する方法により、ほぼ一定に保つことができる。いずれかの適切な阻害剤及び/又は不活性化剤を用いることができ、具体例としては、トリイソノニルアミン、n−ブチルリチウム、リチウムシロキサノレート、ヘキサメチルジシラザン及びマグネシウムオキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
本発明によるプロセスに用いることができる任意の希釈剤は1つ以上の増量剤及び/又は1つ以上の可塑剤である。増量剤及び/又は可塑剤は本発明によるプロセスの反応物質、中間物及び反応生成物と反応しないように選択される。
【0039】
いずれかの適切な可塑剤若しくは増量剤又はこれらの組み合わせを本発明によるプロセスに用いることができる。
【0040】
可塑剤(別名、一次可塑剤)をポリマー組成物に添加し、得られる硬化物の可撓性及び靭性の増加のように特性を向上させる。これは一般的には硬化ポリマー組成物のガラス転移温度(T)の低減により達成され、その結果、封止材の場合封止材の弾性を向上させる。可塑剤も用いられ、例えば封止材配合の弾性係数を低減する。可塑剤は封止材の総単価を低減することができるが、それはそれらの主な使用目的ではない。いくつかの可塑剤は高価であり得、それらを用いる封止材の単価を増加させ得るが、それが最終製品にもたらす特性のために用いられている。可塑剤は通常、増量剤より揮発性でない傾向があり、一般的には液体又は(加工中に混和性液体となる)低融点固体の形態のポリマー組成物に導入される。一般的には、シリコーン系組成物の可塑剤は、有機置換基が、例えばメチル、ビニル若しくはフェニル又はこれらの基の組み合わせである末端トリオルガノシロキシ基を有するポリジメチルシロキサンのような、組成物のシロキサンポリマーと反応しないオルガノポリシロキサンである。こうしたポリジメチルシロキサンは通常25℃で約5〜約100,000mPa.sの粘度を有する。
【0041】
相溶性有機可塑剤をさらに用いることができるが、例としては、アルキル基が線状及び/又は分岐であり得、6〜20個の炭素原子を含有する適切なジアルキルフタレート;アジペート、アゼレート、オレエート及びセバケートエステル、エチレングリコール及びその誘導体のようなポリオール、トリクレシルホスフェート及び/若しくはトリフェニルホスフェートのような有機ホスフェート、ヒマシ油、キリ油、脂肪酸並びに/又は脂肪酸のエステルが挙げられる。封止材配合に用いられている多種多様な可塑剤及び増量剤の両方の詳細については、本明細書に参照により組み入れる英国特許第2424898号明細書に記載されている。
【0042】
従来、トリアルキルシリル末端ポリジオルガノシロキサン(例えばトリメチルシリル末端ポリジメチルシロキサン(PDMS))のような非反応性シロキサンは、化学的に類似し、優れた相溶性を有していたため、シリコーン系封止材においてもともと増量剤及び/又は可塑剤として用いられていた。
【0043】
増量剤(加工助剤又は二次可塑剤と称されることもある)を用いて封止材組成物を希釈し、封止材配合の特性に大きなマイナスの影響を及ぼすことなく、基本的に封止材の経済的な競争力を高める。シリコーン封止材組成物への1つ以上の増量剤の導入は製品の総原価を低減するだけでなく、得られる未硬化及び/又は硬化シリコーン封止材の特性に影響を及ぼすことができる。増量剤の添加は、シリコーン封止材のレオロジー、粘着及び透明特性にある程度好ましい影響を与えることができ、増量剤が硬化封止材から、例えば蒸発又は浸出により失われていないという条件でともに硬化封止材の耐用年数を大きく向上させることができる硬化物の破断伸びの増加及び硬度の減少をもたらすことができる。
【0044】
とくに好適な増量剤は鉱油ベース(一般的には石油ベース)のパラフィン系炭化水素である。鉱油留分のいずれかの適切な混合物を本発明において増量剤として用いることができるが、高分子量増量剤(例えば>220)がとくに好適である。例としては、少なくとも12個、例えば12〜25個の炭素原子を含有する線状若しくは分岐アルケン又はこれらの混合物のような線状若しくは分岐モノ不飽和炭化水素;並びに/又は線状(例えばn−パラフィン系)鉱油、分岐(イソパラフィン系)鉱油、環状(いくつかの従来技術ではナフテン系と称される)鉱油及びこれらの混合物を含む鉱油留分が挙げられる。用いられる炭化水素は好適には1分子当たり少なくとも10個の、より好適には少なくとも12個の、もっとも好適には20個より多い炭素原子を含む。他の例としては:
アルキルシクロヘキサン(分子量>220);
1〜99%、好適には15〜80%のn−パラフィン系及び/又はイソパラフィン系炭化水素(線状分岐パラフィン系)、1〜99%、好適には85〜20%の環状炭化水素(ナフテン系)、並びに最大3%、好適には最大1%の芳香族炭素原子を含有するパラフィン系炭化水素及びその混合物が挙げられる。環状パラフィン系炭化水素(ナフテン系)は環状及び/又は多環式炭化水素を含有することができる。いずれかの適切な鉱油留分の混合物、例えば、以下を含有する混合物を用いることができる。
i)60〜80%のパラフィン系、20〜40%のナフテン系、及び最大1%の芳香族炭素原子;
ii)30〜50%、好適には35〜45%のナフテン系、70〜50%のパラフィン系、及び/又はイソパラフィン系油;
iii)60重量%より多いナフテン系、少なくとも20重量%の多環式ナフテン系及び235℃より高いASTM D−86沸点を含有する炭化水素液;
iv)炭化水素100重量部に対して40重量部より多いナフテン系炭化水素並びに60重量部より少ないパラフィン系及び/又はイソパラフィン系炭化水素を有する炭化水素液
【0045】
好適には、鉱油ベースの増量剤又はその混合物は以下のパラメーターの少なくとも1つを含む。
i)150より大きい、もっとも好適には200より大きい分子量;
ii)230℃以上の初期沸点(ASTM D 86による);
iii)0.9以下の粘度密度定数(ASTM 2501による);
iv)1分子当たり少なくとも12個の炭素原子、もっとも好適には1分子当たり12〜30個の炭素原子の平均;
v)70℃以上のアニリン点、もっとも好適には80〜110℃のアニリン点(ASTM D 611による);
vi)増量剤及び鉱油ベースの増量剤の20〜70重量%のナフテン系含量が増量剤の30〜80重量%のパラフィン系含量を有する(ASTM D 3238による);
vii)−50〜60℃の流動点(ASTM D 97による);
viii)40℃で1〜20cStの動粘度(ASTM D 445による);
ix)0.7〜1.1の比重(ASTM D 1298による);
x)20℃で1.1〜1.8の屈折指数(ASTM D 1218による);
xi)15℃で700kg/mより高い蜜度(ASTM D 4052による);
xii)100℃より高い、より好適には110℃より高い引火点(ASTM D 93による);
xiii)少なくとも+30のセーボルト色(ASTM D 156による);
xiv)250ppm以下の含水量(ASTM D 6304による);
xv)2.5ppmより少ない硫黄含量(ASTM D 4927による)
【0046】
本発明では、希釈剤は、必要に応じて、ポリシロキサンと部分混和性又は非混和性であってもよく、重合混合物が状況によっては2相系(分散物)であってもよいことを意味する。不活性液体は適切な非鉱物系天然油又はその混合物、すなわち鉱油(例えば石油又は石油系油)からではなく、動物、種子及び堅果由来のもの、例えば、アーモンド油、アボカド油、牛脂、ルリヂサ油、乳脂肪、カノーラ油、カルダノール、カシューナッツ油、カシューナッツ殻液、ヒマシ油、シトラスシード油、ココアバター、ココナッツ油、肝油、トウモロコシ油、綿実油、クフェア油、月見草油、大麻油、ホホバ油、豚脂、アマニ油、マカダミア油、ニシン油、オートムギ油、オリーブ油、パーム核油、パーム油、ピーナッツ油、ポピーシード油、菜種油、ぬか油、紅花油、紅花油(高オレイン酸)、ゴマ油、大豆油、ひまわり油、ひまわり油(高オレイン酸)、トール油、ティーツリー油、ターキーレッド油、くるみ油、紫蘇油、脱水ヒマシ油、アプリコット油、パインナッツ油、ククイナッツ油、アマゾンナッツオイル、アーモンド油、ババス油、アルガン油、ブラッククミン油、ベアベリー油、カロフィラム油、カメリナ油、ニンジン油、カルサムス油、カボチャ油、デイジー油、グレープシード油、ホラハ油、ホホバ油、クイーンズランド油、オノエテラ油、トウゴマ油、タマヌ油、ツクマ油、ピルチャード、イワシ、及びニシン油のような魚油を含むことができる。増量剤はあるいは上記の混合物及び/又は上記の1つ以上の誘導体を含むことができる。
【0047】
多種多様な天然油誘導体が利用可能である。これらとしては、エステル交換天然植物油、ボイルアマニ油のようなボイル天然油、吹込天然油及びスタンド天然油が挙げられる。適切なエステル交換天然植物油の1つの例はバイオディーゼル油として知られ、菜種のような種子から機械的に抽出した天然植物油をメタノールと水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム触媒存在下で反応させ、用いる供給物に応じた範囲のエステルを生成することにより生成されるエステル交換生成物である。例は例えばメチルオレエート
(CH(CHCH=CH(CHCOCH
を挙げることができる。
【0048】
熱重合又は加熱重合油としても知られるスタンド天然油は、高温で空気の非存在下で生成される。油は油中に天然に存在する二重結合を架橋することにより重合する。結合は炭素−炭素型である。スタンド油は淡色であり、酸性度が低い。それらは吹込油より幅広い粘度で生成することができ、粘度が安定している。通常、スタンド油はアマニ油及び大豆油から生成されるが、他の油をベースとして製造することもできる。スタンド油は表面塗装業界において広く用いられる。
【0049】
酸化油、濃化油及び酸化重合油としても知られる吹込油は、高温で油に空気を吹き込むことにより生成される。同様に、油は二重結合を架橋することにより重合するが、この場合は架橋結合中に酸素分子が組み込まれている。過酸化基、ヒドロペルオキシド基、水酸基も存在する。吹込油はスタンド油より幅広い油から生成することができる。通常、吹込油はスタンド油と比較して色が暗く、高い酸性度を有する。用いられる原材料が幅広いため、吹込油は多くのさまざまな業界において用途を見出し、例えば吹込アマニ油は表面塗装業界で用いられ、吹込菜種油は潤滑剤に用いられることが多い。
【0050】
本発明に従って調製されるポリマーの重合中に不活性液体が存在する場合、得られるポリマー/増量剤/可塑剤混合物は、重合中及び最終製品において通常予想されるよりもかなり低い粘度を有することが理解されるだろう。これは粘度を低減する希釈剤はポリマー混合物が重合する際にその中に存在するが、重合反応プロセスには関与しないためである。重合中のこの包含はさらに、一般的には増量剤及び可塑剤をポリマー組成物中に通常いくつか又はすべての他の構成要素と同時に導入するために産業において用いられる費用がかかり時間のかかる混合プロセスの必要性を回避する。本発明によるプロセスの生成物は、こうした混合プロセスと組み合わせて実施したものよりかなり大きな鎖長/分子量のポリマーを含有することができる。これはこうしたポリマーの粘度が高すぎ、希釈剤をポリマー中に十分に徹底的に混合することができないためである。
【0051】
達成することができる本発明のプロセスにより生成される生成物中の希釈剤とオルガノポリシロキサン構成要素との間の比は、ポリジメチルシロキサンへの希釈剤の混和性及びその逆によって決まる。混和性は少なくとも部分的にオルガノポリシロキサンの分子量によって決まることが見出された。
【0052】
任意の末端ブロック剤を用いてポリマーの分子量を制御し、及び/又は官能基を添加することができる。末端ブロック剤は、ただ1つの加水分解性末端基と反応する化合物を導入し、その後さらなる重縮合を防止することにより、ポリマーの反応性/ポリマー鎖長を制御する手段である。それはポリマー上に代替末端基、例えばケイ素結合水素基、アルケニル基を導入し、次にそれを用いて代替反応性末端基を生成し、又は非反応性末端基をもたらすことができる手段でもある。末端ブロックプロセスがシラノール末端基をトリオルガノシロキシ基で置き換え、さらなる重合を防止することを目的とする場合、これはトリオルガノシロキシシラン又はトリオルガノシラノールをモノマー及び/又はオリゴマー中に組み込むことにより達成することができる。こうしたシランの例は、トリメチルメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、エチルフェニルビニルエトキシシラン及びアミノプロピルトリメトキシシランである。アルケニル末端基を要する場合、適切な末端ブロック剤としては、例えばアルケニルシラザンが挙げられる。末端ブロック剤を用いて導入することができる加水分解性基としては、アルコキシ基、アセトキシ基、
−Si(OH)、−(R)Si(OH)、−(RSiOH、−RSi(OR、−(OR、−RSiOR又はRSi−R−SiR(OR3−pが挙げられ、式中、各Rは単独で、とくに1〜8個の炭素原子を有する、一価ヒドロカルビル基、例えば、アルキル基を表し(好適にはメチルであり);R及びR基はそれぞれ単独でアルキル基又はアルコキシ基であり、アルキル基は適切には最大6個の炭素原子を有し;Rは最大6個のケイ素原子を有する1つ以上のシロキサンスペーサが介在し得る二価炭化水素基であり;pは0、1又は2の値を有する。水及び他の重縮合副生成物も末端ブロック剤として機能することができる。
【0053】
本発明者らは、上述のプロセスを高圧、すなわち約75×10Pa〜100MPaの範囲、好適には75×10Pa〜50Mpaの範囲内(一般的には>75×10Pa、好適には>100×10Pa、もっとも好適には>150×10Pa)で行うことが反応速度の大きな、予想外の向上をもたらすことを見出した。本発明者らの見解では、反応は液相においてのみ行われているので、こうしたプロセス上の圧力の効果は無視してよいと考えられ、反応物質及び生成物がともに液体であるので、体積変化は顕著ではなく、反応物質と比較して生成物の体積の大幅な減少を予想できないため、これは完全に予想外である。
【0054】
好適には、記載する本発明による重合プロセスから得られる生成物は、少なくとも2つの水酸基又は加水分解性基を含有するポリシロキサン系ポリマーを含み、もっとも好適にはポリマーは末端水酸基又は加水分解性基を含む。好適にはポリマーは一般式を有する。
X−A−X (2)
ここで、X及びXは単独で水酸基又は加水分解性基で終端するシロキサン基から選択され、Aはポリマー鎖である。
【0055】
水酸基末端又は加水分解性基X又はXの例としては、−Si(OH)、−(R)Si(OH)、−(RSiOH、−RSi(OR、−Si(OR、−RSiOR又はRSi−R−SiR(OR3−pが挙げられ、式中、各Rは単独で、とくに1〜8個の炭素原子を有する一価ヒドロカルビル基、例えば、アルキル基を表し(好適にはメチルであり);R及びR基はそれぞれ単独でアルキル基又はアルコキシ基であり、アルキル基は適切には最大6個の炭素原子を有し;Rは最大6個のケイ素原子を有する1つ以上のシロキサンスペーサが介在していてもよい二価炭化水素基であり;pは0、1又は2の値を有する。好適にはX及び/又はX1は水酸基又はそうでなければ水分の存在下で加水分解性である基を含有する。
【0056】
式(2)のA中に存在することができる適切なシロキサン基の例はポリジオルガノ−シロキサン鎖を含むものである。よって基Aは好適には式(3)のシロキサン単位を含む。
−(RSiO(4−s)/2)− (3)
ここで、各Rは単独で、選択的に塩素又はフッ素のような1つ以上のハロゲン基で置換される1〜10個の炭素原子を有するヒドロカルビル基のような有機基であり、sは0、1又は2であるが、一般的にすべての非末端基については2である。基Rの特定の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ビニル、シクロへキシル、フェニル、トリル基、3,3,3−トリフルオロプロピルのような塩素又はフッ素で置換したプロピル基、クロロフェニル、β−(ペルフルオロブチル)エチル又はクロロシクロへキシル基が挙げられる。適切には、基Rの少なくともいくつか、好適にはほぼすべてはメチルである。
【0057】
式(2)の化合物中の基Aは得られるポリマーに粘度(本発明に従って希釈剤の非存在下、25℃で最大20,000,000mPa.s(すなわち式(3)の最大200,000単位又はそれ以上)をもたらすいずれかの適切なシロキサン又はシロキサン/有機分子鎖を含むことができる。1つの好適な実施形態では、Aは線状オルガノポリシロキサン分子鎖であり、すなわちsはほぼすべての鎖単位について1.8〜2.2の平均値を有する。好適な物質は一般式(4)によるポリジオルガノシロキサン鎖を有する。
−(RSiO)− (4)
ここで、各Rは上で定義するとおりであり、好適にはメチル基であり、tは最大200,000の値を有する。適切なポリマーは、本発明によるプロセスにおいて希釈剤の非存在下、25℃で、最大20,000,000mPa.s又はそれ以上の粘度を有するが、希釈剤の存在下で調製する場合、粘度は希釈剤の存在のため通常25℃で1000〜100,000mPa.s程度である。
【0058】
式(4)の単位を含有する好適なポリシロキサンはよって、上で定義したように水分を用いて加水分解することができる末端ケイ素結合水酸基又は末端ケイ素結合有機ラジカルを有するポリジオルガノシロキサンである。ポリジオルガノシロキサンはホモポリマー又はコポリマーであってもよい。末端縮合性基を有する異なるポリジオルガノシロキサンの混合物も適している。
【0059】
本発明に従って、成分Aはあるいはランダム又はブロックコポリマーを含むことができ、ブロックコポリマー骨格は上記式(2)に表したタイプのシロキサン基及び上述の出発物質に関して以上で説明したような有機物成分を含む。A中のもっとも好適な有機物系ポリマーブロックは前述のタイプのポリオキシアルキレン系ブロックである。骨格Aはあるいは上記のX及びX基により終端される上述のようなポリオキシアルキレンブロックのみを含むことができる。
【0060】
好適には、本発明の希釈ポリマーは、本発明に従って、ASTM D5296−05に従って測定され、ポリスチレン分子量当量として計算されるような少なくとも100,000g/molの数平均分子量(M)を有するケイ素含有ポリマーであるポリマー成分を含む。
【0061】
本発明による重縮合反応はいずれかの適当な温度で行うことができる、すなわち適当であれば触媒が用いられ(例えばDBSA)、一般法はバッチ又は連続モードのいずれかの作業で行うことができ、重合を促進するのに加熱を必要としない(しかしながら、必要に応じて熱を加え、化学平衡に影響を与えることができる)。
【0062】
本発明の方法によるいずれかの適切なポリマー生成方法を用いることができる。1つの適切な方法は、希釈剤を用いる場合、本発明に従って室温及び室圧でx部のジメチルヒドロキシシリル末端ポリジメチルシロキサンオリゴマーを100−x部の希釈剤及び適切な量の触媒、一般的にはポリマー及び触媒の総重量の0.1〜5.0重量%のDBSAと混合することである。希釈剤及び触媒はいずれの順でモノマーに添加することもできる。混合は得られる生成物の粘度が一定になる又は時間とともに減少し始めるまで継続し、その時点で適切な量、一般的にはポリマー及び希釈剤の総重量の0.25〜2重量%のモノエタノールアミンのようなアミンを添加することにより触媒をクエンチ/中和する。あるいは、希釈剤は、例えば重縮合反応が開始した直後又は重合プロセス中に逐次的に添加することができる。
【0063】
本発明による重合プロセスはいずれかの適切なミキサーを用いてバッチ法又は連続法のいずれかで行うことができる。重縮合副生成物が水である場合、水は例えばメチルトリメトキシシラン若しくはゼオライトのような加水分解性シランを用いる化学的乾燥により、又は凍結、蒸発、合体若しくは遠心分離技術を用いることにより除去することができる。
【0064】
本発明の1つの実施形態では、希釈ポリマー生成物を希釈剤の存在下で乳化することができ、これは極めて少量の環状揮発性シロキサン不純物を含有するシリコーンエマルジョンをもたらすという利点を有する。
【0065】
本発明によるプロセスのこの生成物はまた、これまで用いることができなかったポリマー鎖長/粘度を有するポリマーを用いるため、さまざまな物理的特性、とくに得られる製品の弾性を向上した本発明の希釈ポリマーを含む配合を使用者に提供する。用途としては、封止材配合、塗装配合、高粘度ゴム用途のための、並びにパーソナルケア製品に用いられる揮発性及び不揮発性アルキルシリコーン液中の分散物のための高粘度オルガノポリシロキサンガム配合が挙げられる。
【実施例】
【0066】
ここで本発明を例示する。すべての粘度測定はとくに指示のない限り25℃でBrookfield LV DV−E粘度計を用いて行った。
【0067】
ポリジメチルシロキサンポリマーを、50重量部の25℃で70mPa・sの粘度を有するジメチルヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサン及び50重量部の有機増量剤(Hydroseal(登録商標)G 250H(Totalより市販))の混合物を2.4重量部のDBSA(ドデシルベンゼンスルホン酸)を触媒として用いて重合させることにより調製した。重合は以下の表1に示すようなさまざまな異なる圧力で、スクリュープレスを用いて外圧を印加することができる同心円筒で構成される密閉型レオメーターセルを用いて行った。回転内筒は4つの磁石及び市販のレオメータードライブ(M5、Thermo−Haak、ドイツ、カルルスルーエ)に接続した測定ヘッドを含有する。測定セルを密室に入れた。レオメーターを既知粘度のシリコーンで調節した。混合物の粘度を5s−1の一定せん断速度で、対時間で測定した。23℃で約50000mPa.sの粘度に達した後、圧力を解放し、1.5重量部のTEA(トリエタノールアミン)の添加により重合を停止した。得られるポリマー増量剤混合物をゲル透過クロマトグラフィー(GPC)及びガスクロマトグラフィー(GC)を用いて分子量及び環状シロキサン含量について分析した。分子量及び多分散性(Mw/Mn)をGPCでASTM D5296−05に従って溶剤としてトルエンを用いて測定した。分子量をポリスチレン分子量当量として計算した。環状シロキサン含量をGC−FID(炎イオン化検出)を用いて測定した。オートサンプラー及びFID検出を有するAgilent 6890 GCを用いた。分離をJ&W DB−130m0.32mm/0.25μmカラムで行った。分析をスプリット/スプリットレス注入口(スプリット10/1)への1μL注入で完了した。検出器は260℃の温度で稼働した。オーブンパラメーターは50℃で2時間であり、その後1分当たり15℃で250℃まで上昇し、250℃で10分間置いた。結果を表1に示す。
【表1】

【0068】
結果はすべての条件下で高分子量ポリマーが得られたことを示す。GCにより測定されるD及びDの濃度は重縮合系に外圧を印加すると低くなる。約300kg/molを有するポリマーを生成する反応時間は大気に対して300×10Paの圧力を印加することにより50%より大きく低減した。反応混合物の粘度は時間とともにほぼ直線的に増加し、高圧で粘度/時間の関係の勾配が顕著に増加したことが見出された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)a)1つ以上の縮合触媒並びに、選択的に、
b)希釈剤及び/若しくは末端ブロック剤の一方又は両方の、
存在下において、1分子当たり少なくとも2つの縮合性基を含むシロキサン含有モノマー及び/又はオリゴマーの重縮合によりポリシロキサン含有ポリマーを調製するステップと、
ii)必要に応じて重合プロセスを抑制するステップと、を備え、
前記希釈剤は、それが存在する場合には、得られる希釈ポリシロキサン含有ポリマー中に実質的に保持され、該プロセスは少なくとも75×10Paの圧力で行われることを特徴とするポリシロキサン含有ポリマーの生成方法。
【請求項2】
前記重合生成物が以下の一般式を有する請求項1に記載の方法。
X−A−X
ここで、Aはシロキサン含有ポリマー鎖であり、X及びXは独立して、−Si(OH)、−(R)Si(OH)、−(RSiOH、−RSi(OR、−Si(OR、−RSiOR又はRSi−R−SiR(OR3−pから選択される水酸基又は加水分解性基で終端するシロキサン基から選択され、式中、各Rは単独で、とくに1〜8個の炭素原子を有する一価ヒドロカルビル基、例えば、アルキル基を表し(好適にはメチルであり);R及びR基はそれぞれ単独でアルキル基又はアルコキシ基であり、アルキル基は適切には最大6個の炭素原子を有し;Rは最大6個のケイ素原子を有する1つ以上のシロキサンスペーサが介在し得る二価炭化水素基であり;pは0、1又は2の値を有する。
【請求項3】
前記重合プロセスが、加水分解性末端基を有する線状及び/又は分岐オルガノポリシロキサンを、以下の群から選択される縮合触媒の存在下において重合させる重縮合重合プロセスである、請求項1又は2に記載の方法。
i)R20がアルキル基、アリール又はアルカリル基を表す、一般式R20SOHの触媒;
ii)ハロゲン化ホスホニトリル触媒;
iii)ハロゲン化ホスホニトリルイオン系触媒;
iv)チタネート及び/又はジルコネート;
v)プロトン酸;
vi)ルイス酸;
vii)有機及び無機塩基;
viii)ボレート;並びに
ix)カルボランを含むボラン
【請求項4】
前記触媒が、モノ/ジ及びトリアルカノールアミン、又は、アルミナシリケートゼオライトによってクエンチされたデシルベンゼンスルホン酸である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記/又は各希釈剤が、増量剤又は可塑剤である、前請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記希釈剤が、
・トリアルキルシリル末端ポリジメチルシロキサン
・ポリイソブチレン(PIB)
・ホスフェートエステルポリアルキルベンゼン
・脂肪族モノカルボン酸の線状及び/又は分岐アルキルベンゼンエステル
の群の1つ以上から選択される、前請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記希釈剤が、
・12〜25個の炭素原子を含有する線状若しくは分岐アルケン又はその混合物のような線状若しくは分岐モノ不飽和炭化水素;並びに/又は
・線状(η−パラフィン系)鉱油、分岐(イソパラフィン系)鉱油、及び/若しくは環状(ナフテン系)鉱油並びにこれらの混合物を含む鉱油留分
の群の1つ以上から選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記希釈剤が、少なくとも大幅に、モノマー/オリゴマー及びポリマーとの混和性を有する、前請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記プロセスが、150×10Pa以上の圧力で行われる、前請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記生成物が重合後乳化される、前請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前請求項のいずれかに記載のプロセスによって得られるポリマー。
【請求項12】
封止材配合、塗装配合、高濃度ゴム用途のための高濃度オルガノポリシロキサンガム配合、並びに、パーソナルケア製品に用いられる揮発性及び不揮発性アルキルシリコーン液中の分散物のための、請求項11に記載のポリマーの使用。
【請求項13】
オクタメチルシクロテトラシロキサンが最終シロキサン生成物の0.2重量%未満であり、デカメチルシクロロペンタシロキサンが最終シロキサン生成物の0.2重量%未満であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
オクタメチルシクロテトラシロキサンが最終シロキサン生成物の0.2重量%未満であり、デカメチルシクロロペンタシロキサンが最終シロキサン生成物の0.2重量%未満であることを特徴とする、請求項11に記載のポリマー。
【請求項15】
オクタメチルシクロテトラシロキサンが最終シロキサン生成物の0.1重量%未満であり、デカメチルシクロロペンタシロキサンが最終シロキサン生成物の0.1重量%未満であることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
オクタメチルシクロテトラシロキサンが最終シロキサン生成物の0.1重量%未満であり、デカメチルシクロロペンタシロキサンが最終シロキサン生成物の0.1重量%未満であることを特徴とする、請求項14に記載のポリマー。

【公表番号】特表2012−521458(P2012−521458A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−501253(P2012−501253)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際出願番号】PCT/EP2010/053567
【国際公開番号】WO2010/108853
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(590001418)ダウ コーニング コーポレーション (166)
【氏名又は名称原語表記】DOW CORNING CORPORATION
【Fターム(参考)】