説明

オーディオ/ビデオ再生装置、オーディオ/ビデオシステム及び更新情報通知方法

【課題】ユーザにとって煩わしい操作を必要とすることなく、携帯型メディア機器内の更新情報に対して容易に選択を行えるようにした「オーディオ/ビデオ再生装置、オーディオ/ビデオシステム及び更新情報通知方法」を提供すること。
【解決手段】オーディオ/ビデオ(A/V)再生装置において、携帯型メディア機器(PMD)が接続されている間に、該PMDに格納されている全ファイルのリストを作成して記憶手段に格納しておき(S1,S2)、該PMDとの接続が遮断されてから該PMDが再度接続されたときに(S3〜S5)、該PMDに格納されている全ファイルのリストを記憶手段に格納されているファイルリストと比較して、更新されたファイルの有無を検索し(S6)、新規ファイルが追加されている場合に(S7)その旨の案内情報を表示手段を介して通知する(S8)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーディオ/ビデオ(A/V)再生装置、A/Vシステム及び更新情報通知方法に関し、より詳細には、携帯型メディア機器に通信可能に(例えば、ケーブル等を介して着脱自在に)接続されるA/V再生装置において携帯型メディア機器内の情報コンテンツ(ファイル)を選択するのに有用な技術に関する。
【0002】
以下の記述では、携帯型メディア機器を、便宜上「PMD(Portable Media Device) 」ともいう。
【背景技術】
【0003】
近年、放送サービスのデジタル化が進み、双方向サービスや蓄積型サービス等の各種サービスが始まっており、また、ネットワークのブロードバンド化等により、CDプレーヤやDVDプレーヤ等のオーディオ/ビデオ(A/V)情報関連機器はネットワーク化し、パーソナルコンピュータ(PC)もA/V機器化している。このような背景の下に、車載システムにおいても、車両に搭載されている各種A/V機器に、再生用の音楽ファイル等を格納した携帯型メディア機器(PMD)を接続して音楽を聴くことが考えられる。
【0004】
かかる携帯型メディア機器の一つとして最近脚光を浴びているものにiPod(アップル・コンピュータ社製のデジタル音楽プレーヤ)がある。iPodの場合、インターネット等を介して配信された音楽ファイルをいったんPCにダウンロードし、さらにこのPCからiPodにチェックアウト(転送)した音楽ファイルの情報をイヤホン等で聴くことができる。車載システムに適用する場合には、さらにUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等を介してiPodを車載のA/V再生装置に接続し、iPodに格納されている音楽ファイルの情報(楽曲データ)をA/V再生装置に取り込んで再生出力することで、車載スピーカを介してその音楽を聴くことができる。
【0005】
かかるシステムにおいて、車載機側で所望の音楽を享受しようとする場合、従来の技術では、PMD(iPodなど)に格納されている音楽ファイルを車載機側からのアクセスに基づいて車載モニタの画面にリスト表示し、ユーザがその表示されたファイルリストの中から所望の音楽ファイルを選択(アーティスト名やアルバム名などを検索して選択)することで、当該ファイルの音楽を聴くことができるようになっている。つまり、従来の技術では、PMDを車載機等の外部機器に接続し、外部機器側からPMD内のファイルを適宜選択することで、当該ファイルの音楽を再生出力できるようになっている。
【0006】
上記の従来技術に関連する技術としては、例えば、特許文献1に記載されるように、複数のA/V機器が接続されて構成されたネットワークシステムにおいて、各A/V機器が備える再生対象のメディアに関するテキスト情報を取得し、取得したテキスト情報をそれぞれのA/V機器と対応付けた管理リストを生成するとともに、リモコンからの指示情報に従って管理リストから再生対象の楽曲データを選択し、選択した楽曲データを再生リストに追加し、さらに、再生リストに従って対象の楽曲データの再生を順次指示するようにしたものがある。また、特許文献2に記載されるように、デジタルコンテンツを記録した複数種類の記録メディアを再生するデジタル複合再生装置において、電源投入時にDVD再生装置等が再生可能なコンテンツを検索すると共に、チューナが受信可能な放送チャネルをメモリから読み出し、視聴可能なコンテンツを一元的に統合表示したコンテンツ情報リスト(コンテンツ名、記録メディア、記録日時などのコンテンツ選択に有用なデータ)を作成するようにしたものがある。
【特許文献1】特開2002−51387号公報
【特許文献2】特開2004−15115号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように従来のA/Vシステムでは、音楽ファイル等を格納したiPod等のPMDを車載機等の外部機器に接続し、必要に応じてPMD内のファイルを外部機器側のモニタ画面にリスト表示させ、そのファイルリストの中からファイルを選択することで、当該ファイルのデータを再生出力できるようになっている。
【0008】
しかしながら、PMDに格納されているファイルは不変的ではなく、PC等を介して新たにファイルが取り込まれたり、あるいは既に保存されているファイルの一部が削除されたりするなど、PMD内のファイルの数や種類は流動的に変化する。このため、外部機器に接続されていたPMDをいったん外部機器から抜き去り、そのPMDを再度外部機器に接続してPMD内のファイルを再生しようとするときに、以下の問題があった。
【0009】
すなわち、PMDを外部機器から外している間にPC等からPMDに対して新たにファイルの転送が行われた場合(PMDに新規ファイルが追加された場合)、そのPMDを再度外部機器に接続してそのファイルを再生させるためには、再度ユーザが外部機器上で所要の選択操作を行わなければならない。例えば、iPodをPCに接続して新たな音楽ファイルをiPodに取り込み、その後にiPodを車載機(A/V再生装置)に接続した場合、ユーザは車載機上で音楽ファイルの検索(アーティスト検索、アルバム検索など)を行い選択しなければならない。特に、最近のPMDはそのメモリ容量も大きく、数千曲又はそれ以上のファイル保存も可能なため、その中からユーザが自分の聴きたい曲を探すのは非常に面倒であり、そのための時間も相当かかってしまう。
【0010】
図7はその場合のユーザ操作に基づいた検索処理の一例を示したものであり、PMDの抜去時点から再度の接続時点までの間に当該PMDに追加された新規ファイルを再生する場合の処理フローを示している。図7に示す各処理ブロックのうち、ユーザの操作を必要とする処理は梨地模様の付いたブロックであり、「PMD抜去」、「PMD接続」、「PMDソース選択」、「検索モード選択」、「検索方法選択」、「アーティスト/アルバム/曲検索」及び「アーティスト/アルバム/曲選択」の処理が該当している。また、図8は各処理を補足説明するための画面表示例を示したものであり、(a)は「PMDへ新規ファイルを転送」に係る転送前と転送後のアーティストリストの状態、(b)は「検索方法選択」を行う場合の操作画面、(c)は「アーティスト検索」を行う場合の操作画面をそれぞれ示している。
【0011】
このように従来の技術では、iPod等のPMDを車載機等の外部機器から外している間に当該PMDに新規ファイルが追加された場合(ファイルが更新された場合)、そのPMDを再度外部機器に接続してその新規追加ファイルを再生させるにはユーザによる検索処理(図7において「検索モード選択」以降の処理)が必要となるため、ユーザにとっては当該ファイルの再生に係る操作が煩わしいといった課題があった。特に、最近のPMDではメモリ容量の増大に伴って膨大な数のファイルが保存されているため、上記の課題は一層顕著に表れる。
【0012】
本発明は、かかる従来技術における課題に鑑み創作されたもので、ユーザにとって煩わしい操作を必要とすることなく、携帯型メディア機器内の更新情報に対して容易に選択を行えるようにしたオーディオ/ビデオ再生装置、オーディオ/ビデオシステム及び更新情報通知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した従来技術の課題を解決するため、本発明の一形態によれば、オーディオ/ビデオ(A/V)ファイルを格納すると共にファイルのデータを出力する機能を備えた携帯型メディア機器(PMD)に通信可能に接続されるA/V再生装置であって、記憶手段と、画面を介して情報を提供する表示手段と、前記記憶手段及び表示手段に動作可能に接続され、前記PMDとの接続及びその遮断を検出する機能を有する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記PMDとの接続中に該PMDに格納されている全ファイルのリストを作成して前記記憶手段に格納し、該PMDとの接続が遮断されてから該PMDとの再接続を検出したときに、該PMDに格納されている全ファイルのリストを前記記憶手段に格納されているファイルリストと比較し、新規ファイルが追加されていると判定したときにその旨の案内情報を前記表示手段の画面に表示させることを特徴とするオーディオ/ビデオ(A/V)再生装置が提供される。
【0014】
この形態に係るオーディオ/ビデオ(A/V)再生装置によれば、PMDが接続されている間に、該PMDに格納されている全ファイルのリストを作成して記憶手段に格納しておき、該PMDとの接続が遮断されてから該PMDが再度接続されたときに、該PMDに格納されている全ファイルのリストを記憶手段に格納されているファイルリストと比較することで、接続していたPMDとの接続が遮断されてから再度接続されるまでの間に当該PMDに新規ファイルが追加されているかどうか(更新ファイルの有無)を検索するようにしている。そして、新規ファイルが追加されている場合には、その旨の案内情報を表示手段を介してユーザに通知するようにしている。
【0015】
これにより、ユーザは、従来技術に見られたようにPMD内の全ファイル(更新ファイルの有無にかかわらず)に対して所要の検索/選択操作を行わなくても、画面に表示された案内情報を確認することで、PMDに新規ファイルが追加されているかどうかを知ることができる。そして、必要であれば、例えば新規ファイルのみを抽出して画面にリスト表示させることで、当該ファイルの選択(再生に係る操作)を行うことができる。つまり、ユーザにとって煩わしい操作を必要とすることなく、PMD内の更新情報に対して容易に選択を行うことが可能となる。
【0016】
また、本発明の他の形態によれば、オーディオ/ビデオ(A/V)ファイルを格納すると共にファイルのデータを出力する機能を備えた携帯型メディア機器(PMD)に通信可能に接続されるA/V再生装置であって、記憶手段と、画面を介して情報を提供する表示手段と、前記記憶手段及び表示手段に動作可能に接続され、前記PMDとの接続及びその遮断を検出する機能と共にタイマ機能を有する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記PMDとの接続の遮断を検出したときに前記タイマ機能に基づいて該遮断時の時刻の情報を前記記憶手段に格納し、該PMDとの再接続を検出したときに、前記遮断時の時刻の情報を基に、該PMDに格納されている全ファイルのうち当該時刻以降に更新されたファイルの有無を検索し、新規ファイルが追加されていると判定したときにその旨の案内情報を前記表示手段の画面に表示させることを特徴とするオーディオ/ビデオ(A/V)再生装置が提供される。
【0017】
この形態に係るオーディオ/ビデオ(A/V)再生装置によれば、PMDとの接続が遮断されたときに該遮断時の時刻の情報を記憶手段に格納し、該PMDが再度接続されたときに、前記遮断時の時刻の情報を基に、該PMDに格納されている全ファイルのうち当該時刻以降に更新されたファイルの有無を検索するようにしている。そして、新規ファイルが追加されている場合には、その旨の案内情報を表示手段を介してユーザに通知するようにしている。
【0018】
これにより、上記の形態に係るA/V再生装置の場合と同様に、ユーザは、画面に表示された案内情報を確認することで当該PMDに新規ファイルが追加されているかどうかを知ることができるので、必要に応じて当該新規ファイルを画面にリスト表示させ、当該ファイルの選択(再生に係る操作)を行うことができる。つまり、ユーザにとって煩わしい操作を必要とすることなく、PMD内の更新情報に対して容易に選択を行うことが可能となる。
【0019】
また、本発明のさらに他の形態によれば、上記の各形態に係るA/V再生装置を備えたA/Vシステムであって、前記携帯型メディア機器は、自己を特定する識別情報を保有すると共に、外部から取り込んだA/Vファイルを格納する記憶手段を備え、前記携帯型メディア機器と前記A/V再生装置の接続が遮断されている間に新規ファイルを前記記憶手段に取り込み、前記携帯型メディア機器が前記A/V再生装置に接続されている間に当該ファイルのデータを前記識別情報と共に前記A/V再生装置に出力することを特徴とするA/Vシステムが提供される。
【0020】
さらに本発明の他の形態によれば、上記の各形態に係るA/V再生装置において行う更新情報通知方法が提供される。その一形態に係る更新情報通知方法は、A/Vファイルを格納すると共にファイルのデータを出力する機能を備えた携帯型メディア機器に通信可能に接続されるA/V再生装置において、前記携帯型メディア機器が接続されている間に、該携帯型メディア機器に格納されている全ファイルのリストを作成して記憶手段に格納しておき、前記携帯型メディア機器との接続が遮断されてから該携帯型メディア機器が再度接続されたときに、該携帯型メディア機器に格納されている全ファイルのリストを前記記憶手段に格納されているファイルリストと比較して更新されたファイルの有無を検索し、新規ファイルが追加されている場合にその旨の案内情報を表示手段を介して通知することを特徴とする。
【0021】
また、他の形態に係る更新情報通知方法は、A/Vファイルを格納すると共にファイルのデータを出力する機能を備えた携帯型メディア機器に通信可能に接続されるA/V再生装置において、前記携帯型メディア機器との接続が遮断されたときに、該遮断時の時刻の情報を記憶手段に格納し、前記携帯型メディア機器が再度接続されたときに、前記遮断時の時刻の情報を基に、該携帯型メディア機器に格納されている全ファイルのうち当該時刻以降に更新されたファイルの有無を検索し、新規ファイルが追加されている場合にその旨の案内情報を表示手段を介して通知することを特徴とする。
【0022】
本発明に係るA/V再生装置等の他の構成上の特徴及びそれに基づく具体的な処理態様等については、後述する発明の実施の形態を参照しながら詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
【0024】
図1は本発明の一実施形態に係る車載用オーディオ/ビデオ(A/V)再生装置を含むシステムの概略構成を模式的に示したものである。本実施形態では、本発明に係るA/V再生装置を車載A/V・ナビゲーションシステムの一部(例えば、CD再生装置やDVD再生装置などの車載A/V機器の一部)として組み込んだ場合を想定している。図示のように、本実施形態の車載用A/V再生装置10には、携帯型メディア機器(PMD)としての携帯音楽再生装置20がUSBケーブルCBを介して着脱自在に接続され、この携帯音楽再生装置(PMD)20に対しPC30から音楽ファイルが適宜転送され、保存されるようになっている。A/V再生装置10は、特に図示はしないがシステムバスを介して他の車載機器(ナビゲーションユニットや、ラジオ受信機、TV受信機などの他のA/V機器)に接続されている。
【0025】
本実施形態では、携帯音楽再生装置(PMD)20として、前述したiPod(アップル・コンピュータ社製のデジタル音楽プレーヤ)を想定している。すなわち、インターネット等を介して配信された音楽ファイルをいったんPC30にダウンロードし、このPC30からiPod20に適宜音楽ファイルをチェックアウト(転送)した後、当該ファイルの情報をケーブルCBを介してA/V再生装置10に取り込み、再生出力する。
【0026】
次に、本実施形態に係る車載用A/V再生装置10及びこれに接続されるPMD20の構成について、図2を参照しながら説明する。
【0027】
本実施形態に係る車載用A/V再生装置10は、図示のように主制御部としての中央処理演算装置(CPU)11と、接続機器(この場合、PMD20)を識別する機能を備えた通信制御部12と、メモリ13と、再生データ格納用のバッファメモリ14と、再生データ出力部15と、スピーカ16と、表示制御部17と、画面を介して情報を提供するモニタ18と、操作部19とを備えている。12〜15、17及び19の各機能ブロックはCPU11に動作可能に接続されており、CPU11と通信制御部12と表示制御部17はマイクロコンピュータ(マイコン)等により構成されている。
【0028】
CPU11は、基本的には接続機器(PMD20)から送られてくるA/Vデータ(音楽ファイル)の受信及びその再生出力に係る処理を制御するものであり、本発明に関連する処理として、後述するように本装置10において行うPMD20内の更新履歴の検索及びそれに基づいた通知に係る処理を制御する機能を有している。さらにCPU11は、後述するように特定の実施形態においてはタイマ機能を内蔵している。
【0029】
通信制御部12は、接続機器(PMD20)との間でケーブルCBを介した通信を制御するためのインタフェースであり、CPU11と協働して、PMD20が接続されているか、又はその接続が遮断されている(PMD20が本装置10から抜き去られている)かを検出する機能を備えている。また、通信制御部12は、あらかじめ接続される予定のある各PMDをそれぞれ固有に特定する識別情報を格納したテーブル等を保有している。これにより、本装置10に任意のPMDが接続されたときに、CPU11からの制御に基づきそのPMDと通信することで当該PMDから識別情報を取得し、保有している識別情報と比較照合して、当該PMDが以前に接続されたPMDであるか、別のPMDであるかを判定することができる(接続機器識別機能)。例えば、本装置10に接続することが想定される2つのPMD(iPod1、iPod2)があった場合、最初にiPod1が接続されていてそのiPod1が抜き去られた後、本装置10にiPod2が接続された場合でも、上記の「接続機器識別機能」により、現在接続されているPMDを特定することができる。さらに、接続機器識別機能をもたせることで、接続機器(PMD20)との間で一種の認証を行っていることになり、PMD20に保存されている(再生出力の対象となる)音楽ファイルの著作権保護の観点から有用である。
【0030】
メモリ13はRAMやフラッシュメモリ等の記録媒体からなり、このメモリ13には、後述するようにCPU11からの制御に基づいて、接続中のPMD20に保存されている全ファイルのリストが格納され、あるいは、接続中のPMD20が本装置10から抜き去られた時の時刻の情報が格納される。バッファメモリ14は、メモリ13と同様にRAMやフラッシュメモリ等の記録媒体からなり、PMD20から通信制御部12を介して送られてくる音楽ファイル(再生データ)を一時的に格納しておくためのものである。本実施形態では、説明の簡単化のため、PMD20から出力されるファイル(データ)は、PMD20内で既に所要のデコード処理(所定のフォーマットで圧縮されたデータを元のデータに復元する伸長処理や、暗号化されているデータを解読する処理等)が行われた後のデータを想定している。従って、バッファメモリ14にはPCM形式等のデジタル非圧縮データ(再生データ)が格納される。
【0031】
再生データ出力部15は、CPU11からの制御に基づき、バッファメモリ14に格納された音楽ファイル(再生データ)をスピーカ16に出力するためのブロックであり、入力された再生データ(デジタル)をアナログ信号に変換し、適宜音量増幅等を行った後、音声信号としてスピーカ16に供給する。なお、スピーカ16は、車室内の所定の場所に所要の個数(例えば、フロント席の左右の近傍とリア席(1列)の左右の近傍にそれぞれ2個ずつ)設置されている。
【0032】
表示制御部17は、CPU11からの制御に基づき、モニタ18の画面に表示すべき情報の表示制御を行うためのブロックである。モニタ18は、運転者と助手席の乗員が共用できるように両者の中間のセンターコンソール上に配置されており、例えば、液晶パネルや有機ELパネル等により構成されている。このモニタ18の画面には、表示制御部17からの制御に基づき、本装置10(他のA/V機器も含む)から出力された各種の映像情報(音楽ファイルの内容に関する情報であれば、楽曲名、アーティスト名、アルバム名など)の他に、各種操作指示に関連した情報や操作画面などが表示される。さらに本発明に関連する情報として、後述するようにCPU11からの制御に基づいて、所定の期間(接続していたPMD20が抜き去られてから再度接続されるまでの期間)に当該PMD20に新規ファイルが追加されている場合にその旨の案内情報が表示される。
【0033】
操作部19は、図1に模式的に示すように本装置10のフロントパネル上に表示部(モニタ18)と共に配設され、各種の操作キーを備えている。例えば、電源のオン/オフキー、音量調整用のキー、各種A/Vソースを選択するための選択キー、再生動作を起動/停止させるための再生/停止キー、次曲/前曲等をサーチするためのシーク・アップ/ダウンキー、モニタ18の画面に各種操作画面を表示させたり、画面上の各種メニューや項目等を選択したり、選択したメニュー等を実行させるためのキーなどを備えている。
【0034】
一方、PMD(iPod)20は、本発明に関連する機能ブロックとして、外部機器との間で音楽ファイルの入出力を制御する制御部21と、この制御部21に動作可能に接続されたメモリ22とを備えている。メモリ22には、上述したようにPC30から転送された音楽ファイル(データ)が格納されている。この音楽ファイルには、再生用のオーディオデータの他に、このオーディオデータを特定する情報(アルバム名や楽曲タイトル名など)が含まれている。例えば、MP3(MPEG Audio Layer-3)やATRAC3(Adaptive TRansform Acoustic Coding 3)の圧縮オーディオフォーマットでファイルが格納された場合には当該ファイルの先頭位置にタグ情報が含まれ、AAC(Advanced Audio Coding) やWMA(Windows Media Audio) の圧縮オーディオフォーマットで格納された場合には当該ファイルの先頭位置にヘッダ情報が含まれており、タグ情報/ヘッダ情報のいずれにも、「アーティスト名」、「アルバム名」、「タイトル」などの当該ファイルを特定する情報が含まれている。
【0035】
制御部21は、A/V再生装置10における通信制御部12と同様のインタフェース機能(通信制御機能)を有しており、自己(PMD)を特定する識別情報を保有している。この制御部21は、本発明に関連する処理として、A/V再生装置10との接続が遮断されてPC30に接続されている間に、PC30から新規の音楽ファイルを取り込んでメモリ22に格納する一方で、ケーブルCBを介してA/V再生装置10に接続されている間に、メモリ22内のファイルを読み出して当該ファイルのデータを自己の識別情報と共にA/V再生装置10に出力する。
【0036】
以上のように構成された本実施形態のA/V再生装置10を備えたシステムにおいて、CPU11は通信制御部12及び表示制御部17と協働して「制御手段」に、メモリ13は「記憶手段」に、モニタ18は「表示手段」に、PMD20は「携帯型メディア機器」に、メモリ22は「記憶手段」に、それぞれ対応している。
【0037】
以下、本実施形態に係る車載用A/V再生装置10において行うPMD20内の更新履歴の検索及びそれに基づいた通知に係る処理について、その一例を示す図3を参照しながら説明する。初期状態として、PMD20にはPC30(図1)から転送された幾つかの音楽ファイル(データ)が格納されているものとし、このPMD20が本装置10に接続されているものとする。
【0038】
この状態で最初のステップS1では、CPU11からの制御に基づき通信制御部12を介して、接続中のPMD20からタグ情報等(当該PMDに格納されている各ファイルをそれぞれ特定するアーティスト名、アルバム名などを含む情報)を取得し、その取得した情報等に基づいて、当該PMDにその時点で保存されている全ファイルのリストを作成する。タグ情報等の取得は、CPU11からの要求に基づいて行われる。
【0039】
次のステップS2では、CPU11が通信制御部12と協働して、その作成したファイルリストを当該PMDの識別情報に対応させてメモリ13に格納する。すなわち、通信制御部12では、接続中のPMD20との間で通信のやりとりを行うことで当該PMDを特定する識別情報を取得し、CPU11では、その取得された識別情報に対応させて当該ファイルリストをメモリ13に格納する。
【0040】
次のステップS3では、CPU11が通信制御部12と協働して、当該PMD20が本装置10から抜き去られたことを検出する。このような「PMDの抜去」は、当該PMDが単独で音楽ファイルを再生出力する場合や、当該PMDにPC等から新規ファイルをチェックアウト(転送)する場合に必然的に行われる。本実施形態では、後者の場合を意図している。つまり、PMD20が本装置10から抜き去られている間にPMD20に対しPC30から新たにファイルが追加されている場合を想定している。
【0041】
次のステップS4では、CPU11が通信制御部12と協働して、本装置10にPMDが接続された(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合にはステップS5に進み、判定結果がNOの場合には本処理フローは「終了」となる。
【0042】
次のステップS5では、CPU11が通信制御部12と協働して、その接続されたPMDは前回接続時のPMD20と同じである(YES)か否(NO)かを判定する。すなわち、通信制御部12では、今回接続されたPMDとの間で通信のやりとりを行うことで当該PMDを特定する識別情報を取得し、CPU11では、その取得された識別情報と、メモリ13に格納されているファイルリストに付与された識別情報とを比較し、その結果に基づいて今回のPMDが前回のPMD20と同じであるか否かを判定する。そして、判定結果がYESの場合にはステップS6に進み、判定結果がNOの場合にはステップS1に戻って上記の処理を繰り返す。
【0043】
次のステップS6では(同じPMD20が再度接続された場合)、ステップS1で行った処理と同様にして、CPU11からの制御に基づき通信制御部12を介して、当該PMD20からタグ情報等を取得し、メモリ13に格納されている当該PMD20のファイルリストの内容と比較する。つまり、当該PMD20の抜去時点(ステップS3)から再度接続された時点(ステップS4)までの間の当該PMD20における更新ファイルの有無を検索する。
【0044】
また、ステップS1、S2で行った処理と同様にして、当該PMD20から取得した情報等に基づいて、当該PMDにその時点で保存されている全ファイルのリストを作成し、当該PMDの識別情報に対応させてメモリ13に格納しておく。
【0045】
次のステップS7では、CPU11において、前ステップで行った比較の結果に基づいて、当該PMD20に新規ファイルが追加されている(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合にはステップS8に進み、判定結果がNOの場合には本処理フローは「終了」となる。
【0046】
最後のステップS8では、CPU11からの制御に基づいて、新規ファイルが追加されている旨の通知と共に、そのファイルの再生の要否を確認する旨の通知を行う。この通知は、画面表示を介して行ってもよいし、あるいは音声案内を介して行ってもよい。
【0047】
例えば、画面表示の場合、CPU11からの制御に基づき表示制御部17を介してモニタ18の画面に、その追加されている新規ファイルを再生するかしないかを問い合わせる案内情報を表示する。図4はその場合の画面表示例を示したものである。図示の例では、モニタ18の表示画面40に、英語表記で「新規ファイルが見つかりました。今直ぐ再生しますか?」といった案内情報と共に、再生を希望する場合に操作する「YES」ボタン41と、再生を希望しない場合に操作する「NO」ボタンとが表示されている。一方、音声案内の場合には、CPU11からの制御に基づき再生データ出力部15を介してスピーカ16からその旨を音声出力させる。
【0048】
ステップS8の後の処理については、本処理(PMD20内の更新履歴の検索に係る処理)とは直接関係しないので図示はしていないが、例えば、上記の通知(図4の表示画面40)に対してユーザが新規追加ファイルの再生を希望した場合(「YES」ボタン41を操作した場合)には、その新規追加ファイルをモニタ18の画面にリスト表示する。その際、メモリ13に格納されている全ファイルのリストの中から新規に追加されたファイルのみを抽出してリスト表示させるようにしてもよいし、あるいは、追加分を含めた全ファイルをリスト表示させるようにしてもよい。ただし、後者の場合には、ユーザの選択の便宜を図るため、新規追加ファイルの情報を相対的に目立つ表示態様(他のファイルの情報とは異なる表示態様)で表示させるのが望ましい。
【0049】
以上説明したように、本実施形態に係る車載用A/V再生装置10(図2)において行うPMD20内の更新履歴の検索及びそれに基づいた通知に係る処理(図3)によれば、PMD20が接続されている間に、該PMD20に格納されている全ファイルのリストを作成してメモリ13に格納しておき(S1,S2)、該PMD20が抜き去られてから再度接続されたときに(S3〜S5)、該PMD20に格納されている全ファイルのリストをメモリ13に格納されているファイルリストの内容と比較することで、接続していたPMD20が抜き去られてから再度接続されるまでの間に該PMD20に新規ファイルが追加されているかどうか(更新ファイルの有無)を検索するようにしている(S6)。そして、新規ファイルが追加されている場合には(S7)、その旨の通知と共に、当該ファイルの再生の要否を確認する旨の通知を、ユーザに対し、画面表示/音声案内を介して行うようにしている(S8)。
【0050】
これによって、ユーザは、従来のようにPMD内の全ファイル(更新ファイルの有無にかかわらず)に対して所要の検索(アーティスト検索、アルバム検索など)、選択操作を行わなくても、モニタ18の画面40(図4)に表示された案内情報を確認することで、PMD20に新規ファイルが追加されているかどうかを知ることができる。そして、必要であれば、メモリ13に格納されているPMD20内の全ファイルのリストの中から新規に追加されたファイルのみを抽出してモニタ画面にリスト表示させることで、当該ファイルの再生に係る操作を行うことができる。つまり、ユーザにとって煩わしい操作を必要とすることなく、PMD20内の更新情報(追加された新規ファイル)に対して容易に選択を行うことが可能となる。
【0051】
図5はその場合のユーザ操作に基づいた検索処理の一例を示したものであり、PMDの抜去時点から再度の接続時点までの間に当該PMDに追加された新規ファイルを再生する場合の処理フローを示している。図7に例示した従来の処理フローと対比させると、本実施形態に係る処理フローでは、新規追加ファイルを再生させるにあたり、ユーザは当該ファイルを検索する必要がない。つまり、従来の処理(図7)で必要としていた「検索モード選択」以降の煩わしい検索/選択操作が不要となる。
【0052】
上述した実施形態では、PMD20が本装置10に接続されている時に取得したPMD20内の全ファイルのリストと、PMD20が抜き去られてから再度接続された時に取得したPMD20内の全ファイルのリストとの比較に基づいてPMD20内の更新履歴(ファイル)の検索を行う場合(図3)を例にとって説明したが、PMD内の更新履歴の検索を行う形態がこれに限定されないことはもちろんである。要は、車載機側(A/V再生装置10)において、接続していたPMDが抜き去られてから再度接続されるまでの間に当該PMDに新たにファイルが追加されているかどうかを検出できるような何らかの手段を備えていれば十分である。例えば、接続中のPMDの抜去を検出したときにその時点での時刻を記録しておき、当該PMDが再度接続されたときに、当該時刻をベースにしてそれ以降に追加された新規ファイルがあるかどうかを検索するようにしてもよい。図6はその場合の処理の一例を示したものである。
【0053】
図6に例示する処理フローでは、図3に示した処理フローの場合と同様に、その初期状態として、PMD20にはPC30(図1)から転送された幾つかの音楽ファイル(データ)が格納され、このPMD20がA/V再生装置10に接続されているものとする。
【0054】
この状態で最初のステップS11では、CPU11が通信制御部12と協働して、接続中のPMD20の抜去を検出した(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合にはステップS12に進み、判定結果がNOの場合には本処理フローは「終了」となる。
【0055】
次のステップS12では(PMD20の抜去を検出した場合)、CPU11が通信制御部12と協働して、その抜去時の時刻の情報を当該PMDの識別情報に対応させてメモリ13に格納する。すなわち、通信制御部12では、接続中のPMD20との間で通信のやりとりを行うことで当該PMDを特定する識別情報を取得し、CPU11では、内蔵のタイマ機能により当該PMD20の抜去時の時刻を算出し、その抜去時の時刻(情報)をその識別情報に対応させてメモリ13に格納する。
【0056】
次のステップS13では、CPU11が通信制御部12と協働して、本装置10にPMDが接続された(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合にはステップS14に進み、判定結果がNOの場合には本処理フローは「終了」となる。
【0057】
次のステップS14では、図3のステップS5で行った処理と同様にして、CPU11が通信制御部12と協働して、その接続されたPMDは前回抜去時のPMD20と同じである(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合にはステップS15に進み、判定結果がNOの場合にはステップS11に戻って上記の処理を繰り返す。
【0058】
次のステップS15では(同じPMD20が再度接続された場合)、CPU11からの制御に基づき通信制御部12を介して当該PMD20にアクセスし、メモリ13に格納されている当該PMD20の前回の抜去時の時刻(情報)を基に、それ以降に追加された新規ファイルがあるかどうかをファイル情報に付与されたタイムスタンプから判断する。つまり、当該PMD20の抜去時点(ステップS12)から再度接続された時点(ステップS13)までの間の当該PMD20における更新ファイルの有無を検索する。
【0059】
次のステップS16では、CPU11において、前ステップで行った検索の結果に基づいて、当該PMD20に新規ファイルが追加されている(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合にはステップS17に進み、判定結果がNOの場合には本処理フローは「終了」となる。
【0060】
最後のステップS17では、図3のステップS8で行った処理と同様にして、新規ファイルが追加されている旨、及びそのファイルの再生の要否を確認する旨をユーザに通知する(画面表示/音声案内)。そして、この後の処理については、上述したステップS8の後の処理と同様にして、新規追加ファイルのみの選択的なリスト表示、あるいは、追加分を含めた全ファイルのリスト表示を行う。
【0061】
以上説明したように、図6に例示したPMD20内の更新履歴の検索及びそれに基づいた通知に係る処理によれば、接続中のPMD20の抜去を検出したときにその抜去時の時刻の情報をメモリ13に格納し(S11,S12)、該PMD20が再度接続されたときに(S13,S14)、メモリ13に格納されている当該PMD20の前回の抜去時の時刻(情報)を基に、当該時刻以降に該PMD20に新規ファイルが追加されているかどうか(更新ファイルの有無)を検索するようにしている(S15)。そして、新規ファイルが追加されている場合には(S16)、その旨の通知と共に、当該ファイルの再生の要否を確認する旨の通知を、画面表示/音声案内を介して行うようにしている(S17)。
【0062】
これによって、図3に例示した処理フローの場合と同様に、ユーザは、モニタ18の画面に表示された案内情報を確認することで当該PMD20に新規ファイルが追加されているかどうかを知ることができ、必要であれば、当該新規ファイルを画面にリスト表示させることで、当該ファイルの選択(再生に係る操作)を行うことができる。
【0063】
上述した実施形態では、車載用A/V再生装置10を車載システムの一部として組み込んだ場合を例にとって説明したが、本発明に係るA/V再生装置は、必ずしも車両に搭載される必要がないことはもちろんである。要は、上述したように接続中のPMD20との接続が遮断されてから再度接続されるまでの間に当該PMDに新規ファイルが追加されているかどうかを検出できる手段を備えていれば十分であり、かかる手段を備えたA/V再生装置であれば、本発明は車載用に限らず、家庭用などの一般的なA/V関連機器及びそのシステムにも同様に適用することが可能である。例えば、最近普及しつつあるホームネットワーク等における設置型端末(A/V再生機能を備えたテレビなど)に対しても、本発明は同様に適用することが可能である。
【0064】
また、上述した実施形態では、車載用A/V再生装置10とPMD20をUSBケーブルで接続した場合を例にとって説明したが、両者の通信接続形態は必ずしもケーブル等の有線接続である必要はなく、無線LAN等を利用した無線接続によって両者を接続することも可能である。無線接続とする場合には、車載用A/V再生装置10において通信制御部12の代わりに、PMDとの間で無線によるデータの授受を制御するためのインタフェース(無線LANモジュールや無線LANドライバ等)が設けられる。この場合、このインタフェースは通信制御部12と同様の「接続機器識別機能」を有し、例えば、PMD側から送信される制御信号(当該PMDを特定する識別情報を含む)の受信の有無を検出することで、当該PMDと接続されている状態にあるか、又はその接続が遮断されている状態にあるかを検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態に係る車載用オーディオ/ビデオ(A/V)再生装置を含むシステムの概略構成を模式的に示す図である。
【図2】図1の実施形態に係る車載用A/V再生装置の構成をPMDの構成と共に概略的に示すブロック図である。
【図3】図2の車載用A/V再生装置において行うPMD内の更新履歴の検索及びそれに基づいた通知に係る処理の一例を示すフロー図である。
【図4】図3の処理フローにおいてステップS8で行う処理を補足説明するための画面表示例を示す図である。
【図5】本発明の効果を説明するための処理フロー(PMDの抜去時点から再度の接続時点までの間に当該PMDに追加された新規ファイルを再生する場合の処理フロー)を示す図である。
【図6】図2の車載用A/V再生装置において行うPMD内の更新履歴の検索及びそれに基づいた通知に係る処理の他の例を示すフロー図である。
【図7】従来技術に係る、PMDの抜去時点から再度の接続時点までの間に当該PMDに追加された新規ファイルを再生する場合の処理フローの一例を示す図である。
【図8】図7の処理フローを補足説明するための図である。
【符号の説明】
【0066】
10…車載用オーディオ/ビデオ(A/V)再生装置、
11…CPU(制御手段)、
12…通信制御部(制御手段)、
13…メモリ(記憶手段)、
14…バッファメモリ、
16…スピーカ、
17…表示制御部(制御手段)、
18…モニタ(表示手段)、
20…携帯音楽再生装置(PMD/携帯型メディア機器)、
21…制御部、
22…メモリ(記憶手段)、
40…表示画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーディオ/ビデオファイルを格納すると共にファイルのデータを出力する機能を備えた携帯型メディア機器に通信可能に接続されるオーディオ/ビデオ再生装置であって、
記憶手段と、
画面を介して情報を提供する表示手段と、
前記記憶手段及び表示手段に動作可能に接続され、前記携帯型メディア機器との接続及びその遮断を検出する機能を有する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記携帯型メディア機器との接続中に該携帯型メディア機器に格納されている全ファイルのリストを作成して前記記憶手段に格納し、該携帯型メディア機器との接続が遮断されてから該携帯型メディア機器との再接続を検出したときに、該携帯型メディア機器に格納されている全ファイルのリストを前記記憶手段に格納されているファイルリストと比較し、新規ファイルが追加されていると判定したときにその旨の案内情報を前記表示手段の画面に表示させることを特徴とするオーディオ/ビデオ再生装置。
【請求項2】
前記制御手段は、接続される携帯型メディア機器を固有に特定する識別情報を保有し、前記携帯型メディア機器との接続中に該携帯型メディア機器に格納されている全ファイルのリストを作成したときに、該ファイルリストを該携帯型メディア機器の識別情報に対応させて前記記憶手段に格納することを特徴とする請求項1に記載のオーディオ/ビデオ再生装置。
【請求項3】
オーディオ/ビデオファイルを格納すると共にファイルのデータを出力する機能を備えた携帯型メディア機器に通信可能に接続されるオーディオ/ビデオ再生装置であって、
記憶手段と、
画面を介して情報を提供する表示手段と、
前記記憶手段及び表示手段に動作可能に接続され、前記携帯型メディア機器との接続及びその遮断を検出する機能と共にタイマ機能を有する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記携帯型メディア機器との接続の遮断を検出したときに前記タイマ機能に基づいて該遮断時の時刻の情報を前記記憶手段に格納し、該携帯型メディア機器との再接続を検出したときに、前記遮断時の時刻の情報を基に、該携帯型メディア機器に格納されている全ファイルのうち当該時刻以降に更新されたファイルの有無を検索し、新規ファイルが追加されていると判定したときにその旨の案内情報を前記表示手段の画面に表示させることを特徴とするオーディオ/ビデオ再生装置。
【請求項4】
前記制御手段は、接続される携帯型メディア機器を固有に特定する識別情報を保有し、前記携帯型メディア機器との接続の遮断を検出したときに、該遮断時の時刻の情報を該携帯型メディア機器の識別情報に対応させて前記記憶手段に格納することを特徴とする請求項3に記載のオーディオ/ビデオ再生装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記表示手段の画面に表示された前記案内情報に対して新規追加ファイルの再生の指示があったときに、前記記憶手段に格納されている全ファイルのリストの中から当該新規追加ファイルのみを抽出してリスト表示させることを特徴とする請求項1又は3に記載のオーディオ/ビデオ再生装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記表示手段の画面に表示された前記案内情報に対して新規追加ファイルの再生の指示があったときに、前記記憶手段に格納されている全ファイルをリスト表示させるとともに当該新規追加ファイルの情報を相対的に目立つ表示態様で表示させることを特徴とする請求項1又は3に記載のオーディオ/ビデオ再生装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のオーディオ/ビデオ再生装置を備えたオーディオ/ビデオシステムであって、
前記携帯型メディア機器は、自己を特定する識別情報を保有すると共に、外部から取り込んだオーディオ/ビデオファイルを格納する記憶手段を備え、
前記携帯型メディア機器と前記オーディオ/ビデオ再生装置の接続が遮断されている間に新規ファイルを前記記憶手段に取り込み、前記携帯型メディア機器が前記オーディオ/ビデオ再生装置に接続されている間に当該ファイルのデータを前記識別情報と共に前記オーディオ/ビデオ再生装置に出力することを特徴とするオーディオ/ビデオシステム。
【請求項8】
前記オーディオ/ビデオ再生装置は車両に搭載されていることを特徴とする請求項7に記載のオーディオ/ビデオシステム。
【請求項9】
オーディオ/ビデオファイルを格納すると共にファイルのデータを出力する機能を備えた携帯型メディア機器に通信可能に接続されるオーディオ/ビデオ再生装置において、
前記携帯型メディア機器が接続されている間に、該携帯型メディア機器に格納されている全ファイルのリストを作成して記憶手段に格納しておき、
前記携帯型メディア機器との接続が遮断されてから該携帯型メディア機器が再度接続されたときに、該携帯型メディア機器に格納されている全ファイルのリストを前記記憶手段に格納されているファイルリストと比較して更新されたファイルの有無を検索し、
新規ファイルが追加されている場合にその旨の案内情報を表示手段を介して通知することを特徴とする更新情報通知方法。
【請求項10】
オーディオ/ビデオファイルを格納すると共にファイルのデータを出力する機能を備えた携帯型メディア機器に通信可能に接続されるオーディオ/ビデオ再生装置において、
前記携帯型メディア機器との接続が遮断されたときに、該遮断時の時刻の情報を記憶手段に格納し、
前記携帯型メディア機器が再度接続されたときに、前記遮断時の時刻の情報を基に、該携帯型メディア機器に格納されている全ファイルのうち当該時刻以降に更新されたファイルの有無を検索し、
新規ファイルが追加されている場合にその旨の案内情報を表示手段を介して通知することを特徴とする更新情報通知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−41225(P2008−41225A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−217874(P2006−217874)
【出願日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】