説明

オートタキシン阻害剤としての複素環式化合物

式(I)で表され、式中Het、R、X、Y、Rおよびpは請求項1に示した意味を有する化合物は、オートタキシン阻害剤であり、腫瘍を処置するために用いることができる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、有用な特性を有する新規な化合物、特に医薬の製造のために用いることができるものを見出す目的に基づいた。
本発明は、リゾホスファチジン酸レベルの増大を伴う疾患の処置のための化合物および化合物の使用、さらにこれらの化合物を含む医薬組成物に関する。
【0002】
詳細には、本発明は、好ましくはリゾホスファチジン酸(または略してLPA)レベルを制御および/または調節する1種または2種以上の酵素を阻害する式Iで表される化合物、これらの化合物を含む組成物、ならびに疾患および愁訴、例えば血管新生、癌、腫瘍の形成、成長および増殖、動脈硬化、眼の疾患、脈絡膜血管新生および糖尿病性網膜症、炎症性疾患、関節炎、神経変性、再狭窄、創傷治癒または移植片拒絶の処置のためのその使用方法に関する。特に、本発明の化合物は、癌疾患の療法または予防に適する。
【背景技術】
【0003】
オートタキシン(autotaxin)(ATX)は、腹水および血漿中のリゾホスファチジン酸レベルの増大の原因となる酵素である(Xu et al. 1995, Clinical Cancer Research、第1巻、1223頁およびXu et al. 1995, Biochem. J. 第309巻、933頁)。ATXは、リゾファチジルコリン(lysophatidylcholine)(LPC)をリゾホスファチジン酸に変換し(Tokumura et al. 2002, J. Biol. Chem., 第277巻、39436頁およびUmezu-Gozo et al. 2002, J. Biol. Chem., 第158巻、227頁)、LPAは、多数の生物学的および生化学的プロセス、例えば平滑筋収縮、血小板凝集およびアポトーシスに影響を及ぼす細胞間脂質メディエーターである(Tigyi et al. 2003 Prog. Lipid Res.、第42巻、498頁およびMills et al. 2003 Nat. Rev. Cancer、第3巻、582頁およびLynch et al. 2001 Prost. Lipid Med.第64巻、33頁)。
【0004】
さらに、LPAは、早期および晩期の卵巣癌患者からの血漿および腹水中で増大した濃度において見出され得る。LPAは、腫瘍細胞増殖および隣接する組織中へのその侵入において当該個所で役割を果たし、メタスタシゼーション(metastasisation)がもたらされ得る(Xu et al. 1995, Clinical Cancer Research、第1巻、1223頁およびXu et al. 1995, Biochem. J.、第309巻、933頁)。これらの生物学的および光生物学的プロセスは、LPAによるGタンパク質結合受容体の活性化によって作動する(Contos et al. 2000, Mol. Pharm.、第58巻、1188頁)。
【0005】
このため、腫瘍患者の処置のためにLPAレベルを低下させることが、所望される。これを、LPA生合成に関与する酵素、例えばオートタキシン(ATX、Sano et al. 2002, J. Biol. Chem.、第277巻、21197頁およびAoki et al. 2003, J. Biol. Chem.、第277巻、48737頁)の阻害によって達成することができる。オートタキシンは、ヌクレオチドピロホスファターゼおよびホスホジエステラーゼの酵素ファミリーに属し(Goding et al. 1998, Immunol. Rev.、第161巻、11頁)、抗腫瘍療法における重要な出発点を表す(Mills et al. 2003 Nat. Rev. Cancer、第3巻、582頁およびGoto eta l. 2004 J. Cell. Biochem.、第92巻、1115頁)。なぜなら、それが、腫瘍中で増大した程度に発現され、腫瘍細胞増殖および隣接する組織中への浸潤を生じ、それが転移形成をもたらし得るからである(Nam et al. 2000, Oncogene、第19巻、241頁)。
【0006】
さらに、オートタキシンは、他の血管新生因子と共に、血管新生の過程において血管の形成を生じる(Nam et al. 2001, Cancer Res.、第61巻、6938頁)。血管新生は、腫瘍成長における重要なプロセスであり、それによって腫瘍への栄養分の供給を確保する。このため、血管新生の阻害は、癌および腫瘍療法における重要な出発点であり、それによって腫瘍をある程度餓死させることができる(Folkman, 2007, Nature Reviews Drug Discovery、第6巻、273〜286頁)。
【0007】
驚くべきことに、本発明の化合物は、ヌクレオチドピロホスファターゼおよびホスホジエステラーゼの酵素ファミリー、特にオートタキシンの特異的な阻害を生じることが見出された。本発明の化合物は、好ましくは有利な生物学的活性を示しおよび引き起こし、それを、例えば本明細書中に記載した試験において容易に検出することができる。このタイプの試験において、本発明の化合物は、好ましくは阻害効果を示し、かつ生じ、それは、通常、好適な範囲における、好ましくはマイクロモル範囲における、およびより好ましくはナノモル範囲におけるIC50値によって実証される。
【0008】
一般的に、すべての固形および非固形腫瘍、例えば単球性白血病、脳、泌尿生殖器、リンパ系、胃、喉頭、卵巣ならびに肺腺癌および小細胞肺癌を含む肺癌を、式Iで表される化合物で処置することができる。他の例は、前立腺癌、膵臓癌および乳癌を含む。
【0009】
本明細書中で議論するように、本発明の化合物の効果は、種々の疾患に関連する。したがって、本発明の化合物は、1種または2種以上のヌクレオチドピロホスファターゼおよび/またはホスホジエステラーゼ、特にオートタキシンの阻害によって影響される疾患の予防および/または処置において有用である。
【0010】
したがって、本発明は、前記疾患の処置および/または予防における医薬および/または医薬活性成分としての本発明の化合物、ならびに前記疾患の処置および/または予防のための医薬品の製造のための本発明の化合物の使用、ならびにまた1種または2種以上の本発明の化合物の、かかる投与を必要としている患者への投与を含む、前記疾患の処置方法に関する。
【0011】
本発明の化合物は、異種移植腫瘍モデルにおいて有利な作用を有することを示すことができる。
宿主または患者は、任意の哺乳動物種、例えば霊長類種、特にヒト;マウス、ラットおよびハムスターを含む齧歯動物;ウサギ;ウマ、ウシ、イヌ、ネコなどに属することができる。動物モデルは、実験的調査のために興味深く、ここでそれらは、ヒト疾患の処置についてのモデルを提供する。
【0012】
本発明の化合物での処置に対する特定の細胞の感受性を、インビトロで試験することによって決定することができる。典型的に、細胞の培養物を、本発明の化合物と、種々の濃度にて、活性剤が細胞死を誘発し、または細胞遊走を阻害し、または血管新生促進物質の細胞分泌を遮断するのが可能になるのに十分な時間にわたり、通常約1時間〜1週間にわたり混ぜ合わせる。インビトロで試験するために、生検試料から培養した細胞を用いることができる。処置後に残留する生細胞を、次いで計数する。
【0013】
用量は、用いる特定の化合物、特定の疾患、患者の状態などに依存して変化する。典型的に、治療用量は、標的組織中の所望でない細胞集団を顕著に低減させるが、同時に患者の生存能を維持するに十分なものである。当該処置を一般的に、顕著な低減、例えば細胞負荷(cell burden)の少なくとも約50%の低減が発生するまで継続し、本質的に所望されない細胞を身体中で検出することができなくなるまで継続することができる。
【0014】
従来技術
オートタキシンを阻害することができる化合物は、Peng et al. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters (17, 2007, 1634〜1640頁)に記載されている。当該文献中に記載されている化合物は、脂質類似体であり、それは、本発明の化合物と共通するいかなる構造的特徴をも有しない。
【発明の概要】
【0015】
本発明は、式I
【化1】

式中
は、H、A、Hal、OR、N(R、N=CRN(R、SR、NO、CN、COOR、CON(R、NRCOA、NRSOA、SON(R、S(O)A、−[C(RN(R、O[C(RN(R、S[C(RN(R、−NR[C(RN(R、NHCON(R、CON(R、CONR[C(RN(RまたはCOAを示し、
は、HまたはAを示し、
Xは、O、NHまたはCHを示し、
Yは、CH、CHOを示すかまたは存在せず、
【0016】
Rは、
【化2】

を示し、
【0017】
は、H、Aまたはフェニルを示し、
Hetは、
【化3】

を示し、
【0018】
Aは、1〜10個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、
ここで、1〜7個のH原子は、OH、F、Clおよび/またはBrによって置き換えられていてもよく、かつ/またはここで、1つまたは2つのCH基は、O、NHおよび/またはSによって置き換えられていてもよく、
あるいは、
3〜7個のC原子を有する環状アルキルを示し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
nは、0、1、2または3を示し、
mは、0、1または2を示し、
pは、0、1、2、3、4または5を示す、
で表される化合物、ならびに、それらの薬学的に使用可能な塩および立体異性体、ならびにすべての比率でのそれらの混合物に関する。
【0019】
式Iで表される化合物はまた、それらの薬学的に使用可能な誘導体、これらの化合物の光学的に活性な形態(立体異性体)、互変異性体、多形体、鏡像異性体、ラセミ体、ジアステレオマーならびに水和物および溶媒和物を意味する。化合物の溶媒和物の用語は、それらの相互の引力のために生成する化合物に対する不活性溶媒分子のアダクション(adduction)を意味するものと解釈される。溶媒和物は、例えば一もしくは二水和物またはアルコラートである。
【0020】
薬学的に使用可能な誘導体は、例えば、本発明の化合物の塩、およびまたいわゆるプロドラッグ化合物を意味するものと解釈される。
プロドラッグ誘導体は、例えばアルキル基もしくはアシル基、糖またはオリゴペプチドにより修飾され、生物体中で迅速に切断されて本発明の有効な化合物を形成する、式Iで表される化合物を意味するものと解釈される。
これらはまた、例えばInt. J. Pharm. 115, 61-67 (1995)に記載されているように、本発明の化合物の生分解性ポリマー誘導体を含む。
【0021】
「有効量」の表現は、組織、系、動物またはヒトにおいて、例えば研究者または医師によって求められているかまたは所望されている生物学的または薬学的応答を生じる、医薬の、または薬学的に活性な成分の量を示す。
さらに、「治療的に有効な量」の表現は、この量を施与されていない対応する対象と比較して、以下の結果:
疾患、症候群、状態、愁訴、障害もしくは副作用の改善された処置、治癒、防止もしくは解消、またはまた疾患、愁訴もしくは障害の進行の低減
を有する量を示す。
表現「治療的に有効な量」はまた、正常な生理学的機能を増大させるのに有効である量を包含する。
【0022】
本発明はまた、式Iで表される化合物の混合物、例えば2種のジアステレオマーの、例えば1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:100または1:1000の比率での混合物の使用に関する。
これらは、特に好ましくは、立体異性体化合物の混合物である。
【0023】
本発明は、式Iで表される化合物およびそれらの塩、ならびに、特許請求の範囲に記載の式Iで表される化合物および薬学的に使用可能な塩およびそれらの立体異性体の製造方法であって、
a)式Iで表され、式中
Rが
【化4】

を示す
化合物の製造のために、
式II
Het−NH−CO−CH−L II
式中
Hetは、請求項1に示した意味を有し、
Lは、ClまたはBrを示す、
で表される化合物を、
式III
【化5】

式中
X、Y、Rおよびpは、請求項1に示した意味を有する、
で表される化合物と反応させ、
あるいは、
【0024】
b)式Iで表され、式中
Rが
【化6】

を示す
化合物の製造のために、
式IV
【化7】

式中
Hetは、請求項1に示した意味を有し、
Lは、ClまたはBrを示す、
で表される化合物を、
式V
【化8】

式中
X、Y、Rおよびpは、請求項1に示した意味を有する、
で表される化合物と反応させ、
あるいは、
【0025】
c)式Iで表され、式中
Rが
【化9】

を示す
化合物の製造のために、
式VI
Het−CH−CO−L VI
式中
Hetは、請求項1に示した意味を有し、
Lは、Cl、Br、Iまたは遊離であるか、もしくは反応性に官能的修飾されたOH基を示す、
で表される化合物を、
式Vで表される化合物と反応させ、
あるいは、
【0026】
d)式Iで表され、式中
Rが
【化10】

を示す
化合物の製造のために、
式VII
【化11】

式中
Hetは、請求項1に示した意味を有する、
で表される化合物を、
式VIII
【化12】

式中
およびpは、請求項1に示した意味を有する、
で表される化合物
および以下の群
カルボニルジイミダゾール、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲン
から選択される化合物と反応させ、
あるいは、
【0027】
e)式Iで表され、式中
Rが
【化13】

を示す
化合物の製造のために、
式IX
【化14】

式中
Hetは、請求項1に示した意味を有する、
で表される化合物を、
式Vで表される化合物
および以下の群
カルボニルジイミダゾール、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲン
から選択される化合物と反応させ、
あるいは、
【0028】
f)式Iで表され、式中
Rが
【化15】

を示す
化合物の製造のために、
式X
Het−NH
式中
Hetは、請求項1に示した意味を有する、
で表される化合物を、
式XI
【化16】

式中
X、Y、R、pは、請求項1に示した意味を有し、
Lは、Cl、Br、Iまたは遊離であるか、もしくは反応的に官能的に修飾されたOH基を示す、
で表される化合物と反応させ、
ならびに/あるいは式Iで表される塩基または酸を、その塩の1種に変換する
ことを特徴とする、前記方法に関する。
【0029】
Aは、アルキルを示し、好ましくは非分枝状(直鎖状)または分枝状であり、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のC原子を有する。アルキルは、好ましくは、メチル、さらにエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチル、さらにまたペンチル、1−、2−または3−メチルブチル、1,1−、1,2−または2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1−、2−、3−または4−メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−または3,3−ジメチルブチル、1−または2−エチルブチル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1,1,2−または1,2,2−トリメチルプロピル、さらに好ましくは、例えばトリフルオロメチルを示す。
【0030】
アルキルは、極めて特に好ましくは、1、2、3、4、5または6個のC原子を有するアルキル、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたは1,1,1−トリフルオロエチルを示す。アルキルはまた、シクロアルキルを示す。
シクロアルキルは、好ましくはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルを示す。
【0031】
Halは、好ましくはF、ClまたはBr、あるいはI、特に好ましくはBrまたはClを示す。
は、好ましくはHalを示す。
は、好ましくはHまたはメチルを示す。
Xは、好ましくはOまたはCHを示す。
Yは、好ましくはCHまたはCHOを示す。
pは、好ましくは1、2または3、さらに4または5を示す。
nは、好ましくは0、1、2または3を示す。
【0032】
本発明にわたって、1回よりも多く出現するすべてのラジカル、例えばRは、同一であっても異なっていてもよく、即ち互いに独立している。
式Iで表される化合物は、1つまたは2つ以上のキラル中心を有していてもよく、したがって種々の立体異性体形態で存在し得る。式Iは、すべてのこれらの形態を包含する。
【0033】
したがって、本発明は特に、少なくとも1つの前述のラジカルが前に示した好ましい意味の1つを有する、式Iで表される化合物に関する。いくつかの好ましい群の化合物を、以下の従属式Ia〜Ieによって表すことができ、これは式Iに適合し、ここで、より詳細に表示しないラジカルは、式Iについて示した意味を有するが、ここで、
【0034】
Iaにおいて、RはHalを示し;
Ibにおいて、XはOまたはCHを示し;
Icにおいて、YはCHまたはCHOを示し;
Idにおいて、pは1、2または3を示し;
【0035】
Ieにおいて、RはHalを示し、
XはOまたはCHを示し、
YはCHまたはCHOを示し、
【0036】
Rは
【化17】

を示し、
【0037】
Hetは
【化18】

を示し、
Aは、1〜10個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、
ここで、1〜7個のH原子は、Fおよび/またはClによって置き換えられていてもよく、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
pは、1、2または3を示す、
ならびに、それらの薬学的に使用可能な塩および立体異性体、ならびに比率でのそれらの混合物である。
【0038】
式Iで表される化合物およびまたこれらの製造のための出発物質は、さらに、文献(例えばHouben-Weyl, Methoden der organischen Chemie[Methods of Organic Chemistry]、Georg-Thieme-Verlag, Stuttgartなどの標準的学術書)に記載されているような自体公知の方法により、正確には前述の反応に適する周知の反応条件の下で、製造される。また、ここで、本明細書ではより詳細には述べない、自体公知の変法を用いることができる。
【0039】
出発物質を、所望により、またそれらを反応混合物から単離せず、代わりに直ちにそれらをさらに式Iで表される化合物に変換することによって、インサイチュで生成することができる。
式II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、XおよびXIで表される出発化合物は、一般的に知られている。しかし、それらが新規である場合には、それらを、自体公知の方法によって製造することができる。
【0040】
出発物質は、一般的にまた商業的に入手できる。
式II、IV、VI、XIで表される化合物において、Lは、好ましくはCl、Br、Iまたは遊離であるか、もしくは反応的に修飾されたOH基、例えば活性化されたエステル、イミダゾリドまたは1〜6個のC原子を有するアルキルスルホニルオキシ(好ましくはメチルスルホニルオキシもしくはトリフルオロメチルスルホニルオキシ)または6〜10個のC原子を有するアリールスルホニルオキシ(好ましくはフェニル−もしくはp−トリルスルホニルオキシ)を示す。
【0041】
式Iで表される化合物は、好ましくは、式IIで表される化合物を式IIIで表される化合物と反応させることによって得ることができる。
反応を、一般的に、不活性溶媒中で、酸結合剤、好ましくはアルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩もしくは重炭酸塩、またはアルカリもしくはアルカリ土類金属、好ましくはカリウム、ナトリウム、カルシウムもしくはセシウムの弱酸の他の塩の存在下で行う。有機塩基、例えばトリエチルアミン、ジメチルアニリン、ピリジンまたはキノリンの添加がまた、有利であり得る。
【0042】
用いる条件に依存して、反応時間は数分〜14日であり、反応温度は約−30℃〜140℃、通常−10℃〜90℃、特に約0℃〜約70℃、極めて特に好ましくは15〜35℃である。
【0043】
好適な不活性溶媒の例は、炭化水素類、例えばヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンもしくはキシレン;塩素化炭化水素類、例えばトリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルムもしくはジクロロメタン;アルコール類、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノール;エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)もしくはジオキサン;グリコールエーテル類、例えばエチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム);ケトン類、例えばアセトンもしくはブタノン;アミド類、例えばアセトアミド、ジメチルアセトアミドもしくはジメチルホルムアミド(DMF);ニトリル類、例えばアセトニトリル;スルホキシド類、例えばジメチルスルホキシド(DMSO);二硫化炭素;カルボン酸類、例えばギ酸もしくは酢酸;ニトロ化合物、例えばニトロメタンもしくはニトロベンゼン;エステル類、例えば酢酸エチル、または前述の溶媒の混合物である。
特に好ましいのは、ピリジン、アセトニトリル、ジクロロメタンおよび/またはDMFである。
【0044】
式Iで表される化合物を、さらに、好ましくは、式IVで表される化合物を式Vで表される化合物と上記の条件下で反応させることによって得ることができる。
当該反応を、好ましくは、アセトニトリル中で100℃にてNaHCOを添加して行う。
【0045】
式Iで表される化合物を、さらに、好ましくは、式VIで表される化合物を式Vで表される化合物と反応させることによって得ることができる。式VIで表される化合物において、Lは、好ましくはOHを示す。反応のために、カルボキシル基を、好ましくは活性エステルに変換する。
典型的なアシル化反応におけるカルボキシル基の活性化のためのこのタイプのラジカルは、文献(例えばHouben-Weyl, Methoden der organischen Chemie [Methods of Organic Chemistry], Georg-Thieme-Verlag, Stuttgartなどの標準的学術書)に記載されている。
【0046】
活性化されたエステルが、有利には、例えばHOBtまたはN−ヒドロキシスクシンイミドの添加によって、インサイチュで生成する。
当該反応は、好ましくは脱水剤、例えばカルボジイミド、例えばN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(「DCCI」)、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)またはN−3−ジメチルアミノプロピル−N’−エチルカルボジイミド(「DAPECI」)、さらに無水プロパンホスホン酸(Angew. Chem. 92, 129 (1980)を参照)、ジフェニルホスホリルアジドまたは2−エトキシ−N−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリンの存在下で成功する。
【0047】
当該反応を、一般的には不活性溶媒中で行う。
用いる条件に依存して、反応時間は、数分〜14日であり、反応温度は、約−15°〜150°、通常−5°〜90°、特に好ましくは20°〜60℃である。
当該反応を、好ましくはDMF中で室温にて、また好ましくはN−メチルモルホリンを添加して行う。
【0048】
式Iで表される化合物を、さらに、好ましくは、式VIIで表される化合物を式VIIIで表される化合物およびカルボニルジイミダゾール、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲンの群から選択される化合物と反応させることによって得ることができる。
当該反応を、不活性溶媒中で、また上記の条件下で行う。当該反応を、好ましくはDMF中で室温にて、またカルボニル構成成分、例えばCDIを添加して行う。
【0049】
式Iで表される化合物を、さらに、好ましくは、式IXで表される化合物を式Vで表される化合物およびカルボニルジイミダゾール、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲンの群から選択される化合物と反応させることによって得ることができる。
当該反応を、不活性溶媒中で、また上記の条件下で行う。当該反応を、好ましくはDMF中で室温にて、またカルボニル構成成分、例えばCDI、および塩基を添加して行う。
【0050】
式Iで表される化合物を、さらに、好ましくは、式VXで表される化合物を式XIで表される化合物と反応させることによって得ることができる。
当該反応を、好ましくは、式VIで表される化合物の式Vで表される化合物との反応と同様の条件下で行う。
【0051】
本発明の前述の化合物を、それらの最終的な非塩形態で用いることができる。一方、本発明はまた、これらの化合物を、当該分野において知られている手順によって、種々の有機および無機酸類および塩基類から誘導し得るそれらの薬学的に許容し得る塩の形態で用いることを包含する。式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る塩の形態は、大部分、慣用的な方法によって製造される。式Iで表される化合物がカルボキシル基を含む場合には、この好適な塩の1種を、当該化合物を好適な塩基と反応させて対応する塩基付加塩を得ることによって生成することができる。このような塩基は、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムを含むアルカリ金属水酸化物;アルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化バリウムおよび水酸化カルシウム;アルカリ金属アルコキシド類、例えばカリウムエトキシドおよびナトリウムプロポキシド;ならびに種々の有機塩基、例えばピペリジン、ジエタノールアミンおよびN−メチルグルタミンである。
【0052】
式Iで表される化合物のアルミニウム塩は、同様に包含される。式Iで表される数種の化合物の場合において、これらの化合物を、薬学的に許容し得る有機および無機酸類、例えばハロゲン化水素、例えば塩化水素、臭化水素またはヨウ化水素、他の鉱酸およびそれらの対応する塩、例えば硫酸塩、硝酸塩またはリン酸塩など、ならびにアルキルおよびモノアリールスルホン酸塩類、例えばエタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩およびベンゼンスルホン酸塩、ならびに他の有機酸およびそれらの対応する塩、例えば酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩などで処理することによって、酸付加塩を生成することができる。
【0053】
したがって、式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る酸付加塩は、以下のものを含む:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アルギニン酸塩(arginate)、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、重硫酸塩、重亜硫酸塩、臭化物、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、カプリル酸塩、塩化物、クロロ安息香酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、リン酸二水素塩、ジニトロ安息香酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、ガラクタル酸塩(ムチン酸から)、ガラクツロン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミコハク酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル安息香酸塩、リン酸一水素塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、オレイン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、フタル酸塩、しかしこれは、限定を表すものではない。
【0054】
さらに、本発明の化合物の塩基性塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄(III)、鉄(II)、リチウム、マグネシウム、マンガン(III)、マンガン(II)、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛塩を含むが、これは、限定を表すことを意図しない。前述の塩の中で、好ましいのは、アンモニウム;アルカリ金属塩、ナトリウムおよびカリウム、ならびにアルカリ土類金属塩、カルシウムおよびマグネシウムである。
【0055】
薬学的に許容し得る有機無毒性塩基から誘導される、式Iで表される化合物の塩は、第一、第二および第三アミン類、また天然に存在する置換アミン類を含む置換アミン類、環状アミン類、ならびに塩基性イオン交換樹脂、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、クロロプロカイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン(ベンザチン)、ジシクロヘキシルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン(hydrabamine)、イソプロピルアミン、リドカイン、リシン、メグルミン、N−メチル−D−グルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミンおよびトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(トロメタミン)の塩を含むが、これは、制限を表すことを意図しない。
【0056】
塩基性窒素含有基を含む本発明の化合物を、剤、例えば(C〜C)アルキルハロゲン化物、例えば塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、イソプロピルおよびtert−ブチル;ジ(C〜C)アルキル硫酸塩、例えば硫酸ジメチル、ジエチルおよびジアミル;(C10〜C18)アルキルハロゲン化物、例えば塩化、臭化およびヨウ化デシル、ドデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル;ならびにアリール(C〜C)アルキルハロゲン化物、例えば塩化ベンジルおよび臭化フェネチルを用いて四級化することができる。本発明の水溶性および油溶性の化合物を共に、このような塩を用いて製造することができる。
【0057】
好ましい上述の薬学的塩は、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ベシル酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、ヘミコハク酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、イセチオン酸塩、マンデル酸塩、メグルミン、硝酸塩、オレイン酸塩、ホスホン酸塩、ピバリン酸塩、リン酸ナトリウム、ステアリン酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、チオリンゴ酸塩、トシル酸塩およびトロメタミンを含むが、これは、制限を表すことを意図しない。
【0058】
式Iで表される塩基性化合物の酸付加塩を、遊離塩基形態を十分な量の所望の酸と接触させ、慣用的な方法で塩の生成を生じることによって製造する。塩形態を塩基と接触させ、慣用の方法で遊離塩基を単離することによって、遊離塩基を再生することができる。遊離塩基形態は、ある観点において、いくつかの物理的特性、例えば極性溶媒への溶解性の点で、対応する塩形態と異なる;しかし、本発明の目的のためには、塩は、他の点ではそれぞれの遊離塩基形態に相当する。
【0059】
述べたように、式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る塩基付加塩は、金属またはアミン類、例えばアルカリ金属およびアルカリ土類金属または有機アミン類を用いて生成する。好ましい金属は、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムである。好ましい有機アミン類は、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−D−グルカミンおよびプロカインである。
【0060】
本発明の酸性化合物の塩基付加塩を、遊離酸形態を十分な量の所望の塩基と接触させ、慣用的な方法で塩の生成を生じることによって製造する。塩形態を酸と接触させ、慣用的な方法で遊離酸を単離することによって、遊離酸を再生することができる。遊離酸形態は、ある観点において、いくつかの物理的特性、例えば極性溶媒への溶解性の点で、対応する塩形態と異なる;しかし、本発明の目的のためには、塩は、他の点ではそれぞれの遊離酸形態に相当する。
【0061】
本発明の化合物が、このタイプの薬学的に許容し得る塩を生成することができる1つよりも多い基を含む場合には、本発明はまた、多重塩(multiple salt)を包含する。典型的な多重塩形態には、例えば、重酒石酸塩、二酢酸塩、二フマル酸塩、ジメグルミン、二リン酸塩、二ナトリウムおよび三塩酸塩が含まれるが、これは、制限を表すことを意図しない。
【0062】
上記で述べたことに関して、本文脈における表現「薬学的に許容し得る塩」は、式Iで表される化合物をその塩の1種の形態で含む活性成分を意味するものと解釈されることが明らかであり、特に、この塩形態が、活性成分に対して、前に用いられていた活性成分の遊離形態または活性成分のすべての他の塩形態と比較して改善された薬物動態学的特性を付与する場合には、このように解釈されることが明らかである。活性成分の薬学的に許容し得る塩形態はまた、活性成分に前には有していなかった所望の薬物動態学的特性を初めて付与することができ、さらに、活性成分の薬力学に対して身体における治療的有効性に関する正の影響を有することができる。
【0063】
本発明はさらに、少なくとも1種の式Iで表される化合物および/または、それらの薬学的に使用可能な塩および立体異性体、ならびにすべての比率でのそれらの混合物、および任意に賦形剤および/または補助剤を含む医薬に関する。
【0064】
医薬処方物を、投与単位あたり所定量の活性成分を含む投与単位の形態で、投与することができる。このような単位は、処置される状態、投与の方法、ならびに患者の年齢、体重および状態に依存して、例えば0.5mg〜1g、好ましくは1mg〜700mg、特に好ましくは5mg〜100mgの本発明の化合物を含んでもよく、または医薬処方物を、投与単位あたり所定量の活性成分を含む投薬単位の形態で投与してもよい。好ましい投与単位処方物は、前に示したように、毎日の用量もしくは部分的用量を含むもの、または活性成分のこの対応する部分である。さらに、このタイプの医薬処方物を、薬学分野において一般的に知られている方法を用いて製造することができる。
【0065】
医薬処方物を、すべての所望の好適な方法による、例えば経口(口腔内もしくは舌下を含む)、直腸内、鼻腔内、局所的(口腔内、舌下もしくは経皮的を含む)、膣内または非経口(皮下、筋肉内、静脈内もしくは皮内を含む)方法による投与のために適合させることができる。このような処方物を、薬学分野において知られているすべての方法を用いて、例えば活性成分を賦形剤(1種もしくは2種以上)または補助剤(1種もしくは2種以上)と混ぜ合わせることによって製造することができる。
【0066】
経口投与のために適合された医薬処方物を、別個の単位、例えばカプセルもしくは錠剤;散剤もしくは顆粒;水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液;食用発泡体もしくは発泡体食品;または水中油型液体エマルジョンもしくは油中水型液体エマルジョンとして投与することができる。
【0067】
したがって、例えば、錠剤またはカプセルの形態での経口投与の場合において、活性成分要素を、経口的な、無毒性の、かつ薬学的に許容し得る不活性賦形剤、例えばエタノール、グリセロール、水などと混ぜ合わせることができる。散剤を、化合物を好適な微細な大きさに粉砕し、これを同様にして粉砕した薬学的賦形剤、例えば食用炭水化物、例えばデンプンまたはマンニトールと混合することによって製造する。風味剤、保存剤、分散剤および色素が、同時に存在してもよい。
【0068】
カプセルを、上記のように散剤混合物を製造し、成形したゼラチン殻をそれで充填することによって製造する。流動促進剤および潤滑剤、例えば固体形態での高度に分散性のケイ酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはポリエチレングリコールを、充填操作の前に散剤混合物に添加することができる。崩壊剤または可溶化剤、例えば寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムを、同様に加えて、カプセルを服用した後の医薬の有効性を改善することができる。
【0069】
さらに、所望により、または所要に応じて、好適な結合剤、潤滑剤および崩壊剤ならびに染料を、同様に混合物中に包含させることができる。好適な結合剤は、デンプン、ゼラチン、天然糖類、例えばグルコースまたはベータ−ラクトース、トウモロコシから製造された甘味剤、天然および合成ゴム、例えばアカシア、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ろうなどを含む。これらの投与形態において用いられる潤滑剤は、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどを含む。崩壊剤は、限定されずに、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンゴムなどを含む。錠剤を、例えば散剤混合物を製造し、混合物を顆粒化または乾燥圧縮し、潤滑剤および崩壊剤を添加し、混合物全体を圧縮して錠剤を得ることによって処方する。
【0070】
散剤混合物を、好適な方法で粉砕した化合物を上記のように希釈剤または塩基と、および任意に結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチンまたはポリビニルピロリドン、溶解遅延剤、例えばパラフィン、吸収促進剤、例えば第四級塩および/または吸収剤、例えばベントナイト、カオリンまたはリン酸二カルシウムと混合することによって製造する。散剤混合物を、それを結合剤、例えばシロップ、デンプンペースト、アラビアゴム粘液またはセルロースの溶液またはポリマー材料で湿潤させ、それをふるいを通して押圧することによって顆粒化することができる。顆粒化の代替として、散剤混合物を、打錠機に通し、不均一な形状の塊を得、それを崩壊させて、顆粒を形成することができる。
【0071】
顆粒を、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱油を添加することによって潤滑化して、錠剤流延型への粘着を防止することができる。次に、潤滑化した混合物を圧縮して、錠剤を得る。本発明の化合物をまた、自由流動の不活性賦形剤と混ぜ合わせ、次に直接圧縮して、顆粒化または乾燥圧縮工程を行わずに錠剤を得ることができる。セラック密封層、糖またはポリマー材料の層およびろうの光沢層からなる透明な、または不透明な保護層が、存在してもよい。色素を、これらのコーティングに加えて、異なる投与単位間を区別することができるようにすることができる。
【0072】
経口液体、例えば溶液、シロップおよびエリキシル剤を、投与単位の形態で製造し、したがって所定量が予め特定された量の化合物を含むようにすることができる。シロップを、化合物を水性溶液に好適な風味剤と共に溶解することによって製造することができ、一方エリキシル剤を、無毒性アルコール性ビヒクルを用いて製造する。懸濁液を、化合物を無毒性ビヒクル中に分散させることによって処方することができる。可溶化剤および乳化剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール類およびポリオキシエチレンソルビトールエーテル類、保存剤、風味添加剤、例えばペパーミント油もしくは天然甘味剤もしくはサッカリン、または他の人工甘味料などを、同様に添加することができる。
【0073】
経口投与用の投与単位処方物を、所望により、マイクロカプセル中にカプセル封入することができる。処方物をまた、放出が延長されるかまたは遅延されるように、例えば粒子状材料をポリマー、ろうなどの中にコーティングするかまたは包埋することによって製造することができる。
【0074】
式Iで表される化合物およびそれらの塩、溶媒和物および生理学的に官能的な誘導体をまた、リポソーム送達系、例えば小さな単層小胞(small unilamellar vesicles)、大きな単層小胞(large unilamellar vesicles)、および多層小胞(multilamellar vesicles)の形態で投与することができる。リポソームを、種々のリン脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリン類から生成することができる。
【0075】
式Iで表される化合物およびそれらの塩、溶媒和物および生理学的に官能的な誘導体をまた、化合物分子が結合した個別の担体としてモノクローナル抗体を用いて送達することができる。当該化合物をまた、標的化された医薬担体としての可溶性ポリマーに結合させることができる。このようなポリマーは、パルミトイルラジカルにより置換されたポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパラタミドフェノール(polyhydroxyethylaspartamidophenol)またはポリエチレンオキシドポリリジンを包含することができる。当該化合物をさらに、医薬の制御された放出を達成するのに適する生分解性ポリマーの群、例えばポリ乳酸、ポリ−エプシロン−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル類、ポリアセタール類、ポリジヒドロキシピラン類、ポリシアノアクリレート類、およびヒドロゲルの架橋ブロックコポリマーまたは両親媒性のブロックコポリマーに結合することができる。
【0076】
経皮的投与用に適合された医薬処方物を、レシピエントの表皮との長期間の、密接な接触のための独立した硬膏剤として投与することができる。したがって、例えば、活性成分を、Pharmaceutical Research, 3(6), 318 (1986)に一般的に記載されているように、イオン泳動により硬膏剤から送達することができる。
局所投与用に適合された医薬化合物を、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、散剤、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアゾールまたは油として処方することができる。
【0077】
目または他の外部組織、例えば口および皮膚の処置のために、処方物を、好ましくは、局所用軟膏またはクリームとして適用する。軟膏を施与するための処方物の場合において、活性成分を、パラフィン系または水混和性クリームベースのいずれかと共に用いることができる。あるいはまた、活性成分を処方して、水中油型クリームベースまたは油中水型ベースを有するクリームを得ることができる。
【0078】
目への局所的適用のために適合された医薬処方物には、点眼剤が含まれ、ここで活性成分を、好適な担体、特に水性溶媒中に溶解するかまたは懸濁させる。
口における局所的適用のために適合された医薬処方物は、薬用キャンディー、トローチおよび洗口剤を包含する。
直腸内投与のために適合された医薬処方物を、坐剤または浣腸剤の形態で投与することができる。
【0079】
担体物質が固体である鼻腔内投与のために適合された医薬処方物は、例えば20〜500ミクロンの範囲内の粒子の大きさを有する粗末を含み、これを、嗅ぎタバコを服用する方法で、即ち鼻に近接して保持した散剤を含む容器からの鼻の経路を介しての迅速な吸入によって投与する。担体物質としての液体を有する鼻腔内スプレーまたは点鼻剤としての投与に適する処方物は、水または油に溶解した活性成分溶液を包含する。
【0080】
吸入による投与のために適合された医薬処方物は、微細な粒子状ダストまたはミストを包含し、これは、エアゾール、噴霧器または吸入器を有する種々のタイプの加圧ディスペンサーによって発生し得る。
膣内投与のために適合された医薬処方物を、膣坐薬、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、発泡体またはスプレー処方物として投与することができる。
【0081】
非経口投与のために適合された医薬処方物は、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤および溶質を含む水性および非水性の無菌注射溶液であって、それによって処方物が処置されるべきレシピエントの血液と等張になるもの;ならびに水性の、および非水性の無菌懸濁液であって、懸濁媒体および増粘剤を含むことができるもの、を含む。処方物を、単一用量または複数用量の容器、例えば密封したアンプルおよびバイアルにおいて投与してもよく、使用の直前に無菌の担体液体、例えば注射用水を添加することしか必要としないようにフリーズドライした(freeze-dried)(凍結乾燥(lyophilised))状態において貯蔵してもよい。レシピに従って製造される注射溶液および懸濁液を、無菌の散剤、顆粒および錠剤から製造することができる。
【0082】
上記で特定的に述べた構成成分に加えて、処方物はまた、処方物の特定のタイプに関して当該分野において普通である他の剤を含むことができることは、言うまでもない;したがって、例えば、経口投与に適する処方物は、風味剤を含んでいてもよい。
【0083】
式Iで表される化合物の治療的に有効な量は、例えば、動物の年齢および体重、処置が必要である正確な状態およびその重篤度、処方物の性質および投与の方法を含む多くの要因に依存し、最終的には、処置する医師または獣医師によって決定される。しかし、腫瘍性成長、例えば結腸癌または乳癌の処置のための本発明の化合物の有効な量は、一般的に、1日あたり0.1〜100mg/レシピエント(哺乳動物)の体重1kgの範囲内、特に典型的には1日あたり1〜10mg/体重1kgの範囲内である。したがって、体重が70kgである成体の哺乳動物についての1日あたりの実際の量は、通常70〜700mgであり、ここで、この量を、1日あたり単一の用量として、またはより通常には1日あたり一連の部分用量(例えば2回分、3回分、4回分、5回分もしくは6回分)で投与し、したがって合計の1日用量が同一であるようにすることができる。塩もしくは溶媒和物の、またはこの生理学的な機能的誘導体の有効量を、本発明の化合物自体の有効量の比として決定することができる。同様の用量が、前述の他の状態の処置に適すると、推測することができる。
【0084】
本発明はさらに、式Iで表される少なくとも1種の化合物ならびに/または、それらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体、ならびにすべての比率でのそれらの混合物、および少なくとも1種の他の医薬活性成分を含む医薬に関する。
【0085】
本発明はまた、
(a)式Iで表される化合物ならびに/または、それらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体、ならびにすべての比率でのそれらの混合物の有効量、
ならびに
(b)さらなる医薬活性成分の有効量
の個別のパックからなる、セット(キット)に関する。
【0086】
当該セットは、好適な容器、例えば箱、個別のビン、袋またはアンプルを含む。このセットは、例えば、個別のアンプルを含むことができ、各々は、溶解したかまたは凍結乾燥された形態での、式Iで表される化合物ならびに/または、それらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体(すべての比率でのそれらの混合物を含む)の有効量、ならびに、さらなる医薬活性成分の有効量を含む。
【0087】
表1からの医薬を、好ましくは、しかし排他的にではなく、式Iで表される化合物と組み合わせる。式Iおよび表Iからの医薬の組み合わせをまた、式VIで表される化合物と組み合わせることができる。

【0088】
【表1】

【0089】
【表2】

【0090】
【表3】

【0091】
【表4】

【0092】
【表5】

【0093】
【表6】

【0094】
【表7】

【0095】
【表8】

【0096】
【表9】

【0097】
【表10】

【0098】
式Iで表される化合物を、好ましくは公知の抗癌剤と組み合わせる:
これらの公知の抗癌剤は、以下のものを含む:エストロゲン受容体モジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、レチノイド受容体モジュレーター、細胞毒性薬物、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤および他の血管新生阻害剤。本化合物は、放射線療法と同時に投与するのに特に適する。VEGFの阻害の放射線療法と組み合わせた相乗効果は、当該分野において記載されている(WO 00/61186を参照)。
【0099】
「エストロゲン受容体モジュレーター」は、機構とは無関係に、エストロゲンが受容体に結合するのを干渉するかまたは阻害する化合物を指す。エストロゲン受容体モジュレーターの例は、タモキシフェン、ラロキシフェン、イドキシフェン、LY353381、LY 117081、トレミフェン、フルベストラント、4−[7−(2,2−ジメチル−1−オキソプロポキシ−4−メチル−2−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−2H−1−ベンゾピラン−3−イル]フェニル2,2−ジメチルプロパノエート、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン−2,4−ジニトロフェニルヒドラゾンおよびSH646を含むが、これらには限定されない。
【0100】
「アンドロゲン受容体モジュレーター」は、機構とは無関係に、アンドロゲンが受容体に結合するのを干渉するかまたは阻害する化合物を指す。アンドロゲン受容体モジュレーターの例は、フィナステリドならびに他の5α−還元酵素阻害剤、ニルタミド、フルタミド、ビカルタミド、リアロゾールおよびアビラテロンアセテートを含む。
【0101】
「レチノイド受容体モジュレーター」は、機構とは無関係に、レチノイドが受容体に結合するのを干渉するかまたは阻害する化合物を指す。そのようなレチノイド受容体モジュレーターの例は、ベキサロテン、トレチノイン、13−シス−レチノイン酸、9−シス−レチノイン酸、α−ジフルオロメチルオルニチン、ILX23−7553、トランス−N−(4’−ヒドロキシフェニル)レチンアミドおよびN−4−カルボキシフェニルレチンアミドを含む。
【0102】
「細胞障害性薬物」は、主に細胞機能に対する直接的な作用によって細胞死をもたらすか、または細胞縮瞳を阻害するかもしくは干渉する化合物を指し、それは、アルキル化剤、腫瘍壊死因子、干渉物質、マイクロチューブリン(microtubulin)阻害剤およびトポイソメラーゼ阻害剤を含む。
【0103】
細胞障害性薬物の例は、チラパジミン(tirapazimine)、セルテネフ(sertenef)、カケクチン、イホスファミド、タソネルミン、ロニダミン、カルボプラチン、アルトレタミン、プレドニムスチン、ジブロモズルシトール、ラニムスチン、ホテムスチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、テモゾロマイド、ヘプタプラチン(heptaplatin)、エストラムスチン、インプロスルファントシレート、トロホスファミド、ニムスチン、ジブロスピジウムクロリド、プミテパ、ロバプラチン、サトラプラチン、プロフィロマイシン(profirlmycin)、シスプラチン、イロフルベン、デキシホスファミド(dexifosfamide)、シス−アミンジクロロ(2−メチルピリジン)白金、ベンジルグアニン、グルホスファミド、GPX100、(トランス,トランス,トランス)ビス−ミュー−(ヘキサン−1,6−ジアミン)ミュー−[ジアミン白金(II)]ビス[ジアミン(クロロ)白金(II)]テトラクロリド、ジアリシジニルスペルミン(diarisidinylspermine)、三酸化ヒ素、1−(11−ドデシルアミノ−10−ヒドロキシウンデシル)−3,7−ジメチルキサンチン、ゾルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ビサントレン、ミトキサントロン、ピラルビシン、ピナフィド、バルルビシン、アムルビシン、アンチネオプラストン(antineoplastone)、3’−デアミノ−3’−モルホリノ−13−デオキソ−10−ヒドロキシカルミノマイシン、アンナマイシン、ガラルビシン(galarubicin)、エリナフィド、MEN10755および4−デメトキシ−3−デアミノ−3−アジリジニル−4−メチルスルホニルダウノルビシン(WO 00/50032を参照)を含むが、これらには限定されない。
【0104】
微小管阻害剤の例は、パクリタキセル、ビンデシンサルフェート、3’,4’−ジデヒドロ−4’−デオキシ−8’−ノルビンカロイコブラスチン(norvincaleukoblastine)、ドセタキソール(docetaxol)、リゾキシン(rhizoxin)、ドラスタチン、ミボブリンイセチオネート、アウリスタチン(auristatin)、セマドチン、RPR109881、BMS184476、ビンフルニン、クリプトフィシン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、アンヒドロビンブラスチン(anhydrovinblastine)、N,N−ジメチル−L−バリル−L−バリル−N−メチル−L−バリル−L−プロリル−L−プロリン−t−ブチルアミド、TDX258およびBMS188797を含む。
【0105】
トポイソメラーゼ阻害剤の数種の例は、トポテカン、ヒカプタミン(hycaptamine)、イリノテカン、ルビテカン(rubitecan)、6−エトキシプロピオニル−3’,4’−O−エキソベンジリデンカルトロイシン、9−メトキシ−N,N−ジメチル−5−ニトロピラゾロ[3,4,5−kl]アクリジン−2−(6H)プロパンアミン、1−アミノ−9−エチル−5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−1H,12H−ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:b,7]インドリジノ[1,2b]キノリン−10,13(9H,15H)ジオン、ルートテカン(lurtotecan)、7−[2−(N−イソプロピルアミノ)エチル]−(20S)カンプトテシン、BNP1350、BNPI1100、BN80915、BN80942、エトポシドホスフェート、テニポシド、ソブゾキサン、2’−ジメチルアミノ−2’−デオキシエトポシド、GL331、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−9−ヒドロキシ−5,6−ジメチル−6H−ピリド[4,3−b]カルバゾール−1−カルボキサミド、アスラクリン(asulacrine)、(5a,5aB,8aa,9b)−9−[2−[N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−N−メチルアミノ]エチル]−5−[4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル]−5,5a,6,8,8a,9−ヘキソヒドロフロ(3’,4’:6,7)ナフト(2,3−d)−1,3−ジオキソール−6−オン、2,3−(メチレンジオキシ)−5−メチル−7−ヒドロキシ−8−メトキシベンゾ[c]フェナントリジニウム、6,9−ビス[(2−アミノエチル)アミノ]ベンゾ[g]イソキノリン−5,10−ジオン、5−(3−アミノプロピルアミノ)−7,10−ジヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチルアミノメチル)−6H−ピラゾロ[4,5,1−デ]アクリジン−6−オン、N−[1−[2(ジエチルアミノ)エチルアミノ]−7−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−4−イルメチル]ホルムアミド、N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)アクリジン−4−カルボキサミド、6−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−3−ヒドロキシ−7H−インデノ[2,1−c]キノリン−7−オンおよびジメスナである。
【0106】
「抗増殖剤」は、アンチセンスRNAおよびDNAオリゴヌクレオチド、例えばG3139、ODN698、RVASKRAS、GEM231およびINX3001ならびに代謝拮抗剤、例えばエノシタビン、カルモフール、テガフール、ペントスタチン、ドキシフルリジン、トリメトレキセート、フルダラビン、カペシタビン、ガロシタビン、シタラビンオクホスフェート(cytarabine ocfosfate)、ホステアビン(fosteabine)ナトリウム水和物、ラルチトレキセド、パルチトレキシド(paltitrexid)、エミテフル、チアゾフリン、デシタビン、ノラトレキセド、ペメトレキセド、ネルザラビン、2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン、2’−フルオロメチレン−2’−デオキシシチジン、N−[5−(2,3−ジヒドロベンゾフリル)スルホニル]−N’−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、N6−[4−デオキシ−4−[N2−[2(E),4(E)−テトラデカジエノイル]グリシルアミノ]−L−グリセロ−B−L−マンノヘプトピラノシル]アデニン、アプリジン(aplidine)、エクテイナスシジン(ecteinascidin)、トロキサシタビン、4−[2−アミノ−4−オキソ−4,6,7,8−テトラヒドロ−3H−ピリミジノ[5,4−b]−1,4−チアジン−6−イル−(S)−エチル]−2,5−チエノイル−L−グルタミン酸、アミノプテリン、5−フルオロウラシル、アラノシン、11−アセチル−8−(カルバモイルオキシメチル)−4−ホルミル−6−メトキシ−14−オキサ−1,11−ジアザテトラシクロ(7.4.1.0.0)−テトラデカ−2,4,6−トリエン−9−イル酢酸エステル、スワインソニン、ロメトレキソール、デクスラゾキサン、メチオニナーゼ(methioninase)、2’−シアノ−2’−デオキシ−N4−パルミトイル−1−B−D−アラビノフラノシルシトシンおよび3−アミノピリジン−2−カルボキサルデヒドチオセミカルバゾンを含む。
【0107】
「抗増殖剤」はまた、「血管新生阻害剤」の名目で挙げられるもの以外の、増殖因子に対するトラスツマブなどのモノクローナル抗体、および組換えウイルス媒介遺伝子送達を介して送達されることができる、p53などの腫瘍抑制遺伝子なども含む(例えば米国特許第6,069,134号を参照)。
【0108】
特に好ましいのは、腫瘍疾患の処置および予防のための本発明の化合物の使用である。
腫瘍は、好ましくは、扁平上皮の、膀胱の、胃の、腎臓の、頭頸部の、食道の、子宮頸部の、甲状腺の、腸の、肝臓の、脳の、前立腺の、尿生殖路の、リンパ系の、胃の、喉頭のおよび/または肺の腫瘍の群から選択される。
【0109】
腫瘍は、さらに好ましくは、肺腺癌、小細胞肺癌、膵癌、卵巣癌、神経膠芽腫、結腸癌および乳癌の群から選択される。
好ましいのは、さらに、血液および免疫系の腫瘍の処置のための、好ましくは急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病および/または慢性リンパ性白血病の群から選択される腫瘍の処置のための使用である。
【0110】
他の観点において、本発明は、新生物、例えば癌を有する患者の、式(I)で表される化合物の抗増殖剤と組み合わせての投与による処置を包含する。好適な抗増殖剤は、表1に提供するものを包含する。
【0111】
本明細書中、すべての温度を、℃で示す。以下の例において、「慣用的な精製操作(work-up)」は、以下のことを意味する:所要に応じて水を添加し、pHを所要に応じて、最終生成物の構成に依存して2〜10の値に調整し、混合物を、酢酸エチルまたはジクロロメタンで抽出し、相を分離し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させ、生成物をシリカゲル上でのクロマトグラフィーによって、および/または結晶化によって精製する。Rf値を、述べた溶離剤を用いたHPLCによって決定する。
質量分析法(MS):EI(電子衝撃イオン化)M
FAB(高速原子衝撃)(M+H)
ESI(エレクトロスプレーイオン化)(M+H)
APCI−MS(大気圧化学的イオン化−質量分析法)(M+H)
【0112】
(A)HPLC方法(無極性)
溶媒A:水+0.1%のTFA
溶媒B:アセトニトリル+0.08%のTFA
流量:1.5ml/分
勾配:0.0分、20%のB
5.0分、100%のB
5.5分、100%のB
6.0分、20%のB
6.5分、20%のB
カラム:Chromolith Performance RP18e 100-3
【0113】
(B)HPLC/MS方法(極性)
溶媒A:水+0.05%のギ酸
溶媒B:アセトニトリル+0.04%のギ酸
流量:2.4ml/分、波長:220nm
勾配:0.0分、4%のB
2.8分、100%のB
3.3分、100%のB
3.4分、4%のB
カラム:Chromolith(登録商標)Speed ROD RP-18e 50-4.6 mm
【0114】
(C)HPLC方法
カラム:Chromolith SpeedROD、50×4.6mm(OrderNo. 1.51450.0001)、Merckから
勾配:5.0分、t=0分、A:B=95:5、t=4.4分:A:B=25:75、t=4.5分〜t=5.0分:A:B=0:100
流量:3.00ml/分
溶離剤A:水+0.01%のHCOOH(ギ酸)
溶離剤B:アセトニトリル+0.01%のHCOOH
波長:220nm
【0115】
例1
4−{2−[(1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)アミノ]エチル}ピペラジン−1−カルボン酸3,5−ジクロロベンジル(5)の製造
【化19】

1.1 0.14g(0.61mmol)の1、0.12g(0.74mmol)の2および0.2mlの4−メチルモルホリンを、6mlのDMFに溶解する。0.14g(0.73mmol)のN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド×HCl(DAPECI)および0.1g(0.74mmol)の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を、次いで添加する。混合物を、RTにて18時間撹拌する。溶媒を、ロータリーエバポレーター中で除去し、水(100ml)で希釈し、EAで2回抽出する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾別し、蒸発乾固させ、0.21g(92.3%)の3が茶色結晶として得られる。
【0116】
1.2 0.21g(0.56mmol)の3を、20mlの5N HCl/イソプロパノールに溶解し、RTにて2時間撹拌する。生成物を完全に沈殿させるために、20mlのエーテルを、バッチに添加する。生成物を吸引によって濾別し、45℃にて真空乾燥キャビネット中で乾燥し、157mg(80%)の茶色結晶が得られる。
【0117】
1.3 50mg(0.28mmol)の3,5−ジクロロベンジルアルコールおよび60mg(0.37mmol)の1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)を、2mlのDMFに溶解し、RTにて3時間撹拌する。0.1g(0.32mmol)の4を、次いで添加し、RTにて18時間撹拌する。混合物を、水で洗浄する。有機相を、次いで硫酸ナトリウムで乾燥し、濾別し、溶媒を真空において蒸発させる。残留物を分取HPLCによって精製し、62mg(46%)の5が淡い茶色の結晶として得られる。
【0118】
例2
4−{[(2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾキサゾール−6−イルカルバモイル)メチル]アミノ}ピペリジン−1−カルボン酸3,5−ジクロロベンジル(11)の製造
【化20】

2.1 169.0g(1.13mol)の9および470mlのトリエチルアミン(3.39mol)を、最初に2lの塩化メチレン(CHCl)中に導入する。128g(1.13mol)の塩化クロロアセチルを1lのCHClに溶解した溶液を、8℃の内部温度を超えない速度にて、氷冷しながら添加する。混合物を、次いで還流下で20時間沸騰させる。反応混合物を冷却した後、それを、3lの水と共に撹拌し、その間沈殿物が生成する。沈殿物を吸引によって濾別し、水および少量のメタノールで洗浄し、183g(71.7%)の10が非結晶質固体物質として得られる。
【0119】
2.2 0.5g(2.8mmol)の3,5−ジクロロベンジルアルコールおよび0.55g(3.4mmol)の1,1’カルボニルジイミダゾール(CDI)を、10mlのCHClに溶解し、RTにて3時間撹拌する。0.56g(2.8mmol)の6を次いで添加し、RTにて18時間撹拌する。混合物を、水で洗浄する。有機相を、次いで硫酸ナトリウムで乾燥し、濾別し、溶媒を真空において蒸発させる。残留物を分取HPLCによって精製し、1.0g(88%)の7が白色結晶として得られる。
【0120】
2.3 1.0g(2.48mmol)の7を、100mlの5N HCl/イソプロパノールに溶解し、RTにて2時間撹拌する。生成物を完全に沈殿させるために、200mlのエーテルを、バッチに添加する。生成物を吸引によって濾別し、45℃にて真空乾燥キャビネット中で乾燥し、0.81g(96%)の白色結晶8が得られる。
【0121】
2.4 0.92g(2.44mmol)の8および0.54ml(3.9mmol)のNEtを、最初に10mlのDMF中に導入し、次いで0.56g(2.44mmol)の10を添加する。混合物を、RTにて48時間撹拌する。30mlの水を、反応混合物に加え、沈殿した結晶を、吸引によって濾別する。CHCl/MeOHを用いたカラムクロマトグラフィーによる分離によって、0.26g(21%)の11が茶色結晶として得られる;
RT[分]3.68(方法A)。
【0122】
例3
4−[3−ヒドロキシ−3−(2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾキサゾール−6−イル)プロピル]ピペラジン−1−カルボン酸3,5−ジクロロベンジル(13)の製造
【化21】

0.1gの12(0.21mmol)を、5mlのエタノールに溶解し、次いで30.0mg(0.79mmol)の水素化ホウ素ナトリウムを加える。混合物を、RTにて14時間撹拌する。次いで、溶媒を真空において蒸発させ、残留物を分取HPLCによって精製し、66mg(65%)の13が帯黄色固体物質として得られる;RT[分]3.57(方法A)。
【0123】
例4
4−[(Z)−3−クロロ−3−(2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾキサゾール−6−イル)アリル]ピペラジン−1−カルボン酸4−クロロベンジル(15)の製造
【化22】

0.1gの14(0.23mmol)を、0.3g(1.2mmol)の1,2−フェニレンジオキシトリクロロホスホランと混合し、100℃にて2時間加熱する。5mlのメタノールを、暗い茶色の溶融物に添加し、混合物を超音波浴中で20分間処理し、その間淡黄色固体物質が沈殿する。これを吸引によって濾別し、45℃にて乾燥キャビネット中で乾燥した後に、分取HPLCによって精製し、5.8mg(6%)の15が帯黄色固体物質として得られる;RT[分]3.57(方法A)。
【0124】
例5
4−[3,3−ジフルオロ−3−(2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾキサゾール−6−イル)プロピル]ピペラジン−1−カルボン酸4−クロロベンジル(17)の製造
【化23】

5.1 3.1g(7.0mmol)の14を、2mlの氷酢酸および30mlのDCMに溶解する。空気を排除しながら、1.3ml(15mmol)のエタンジチオールを添加し、0.98ml(7mmol)の三フッ化ホウ素/酢酸複合体を、その後空気を排除しながら滴加する。混合物をRTにて72時間撹拌し、50mlのNaHCO溶液を次いで添加する。沈殿した結晶を、吸引によって濾別する。これは、出発物質である。有機相を分離し、MgSOを用いて乾燥する。有機相を分離し、MgSOを用いて乾燥し、真空において蒸発させる。酢酸エチルを用いたシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによる精製によって、0.1g(3%)の16が非結晶質固体物質として得られる。
【0125】
5.2 57mg(0.2mmol)の1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインを、最初に3mlのジクロロメタン中に導入する。0.23ml(4mmol)のピリジン/フッ化水素を、−78℃にて空気を排除しながら加える。5mlのジクロロメタン中に懸濁させた100mg(0.19mmol)の16を次いで添加する。撹拌を20分間継続する。冷却物を次いで除去し、15mlのNaHCO溶液を、反応混合物に加える。有機相を分離し、MgSOを用いて乾燥し、真空において蒸発させる。分取HPLCによる精製によって、15mg(17%)の17が固体物質として得られる;RT[分]2.96(方法C)。
【0126】
例6
4−{2−[3−(2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾキサゾール−6−イル)−4,5−ジヒドロピラゾール−1−イル]エチル}ピペラジン−1−カルボン酸3,5−ジクロロベンジル(21)の製造
【化24】

6.1 10.0g(44mmol)の18を、100mlのエタノールに溶解する。4.0g(52mmol)のヒドロキシエチルヒドラジンおよびその後7.0ml(53mmol)のトリエチルアミンを次いで添加する。混合物を、RTにて2時間撹拌する。得られた黄色沈殿物を吸引によって濾別し、45℃にて真空乾燥キャビネット中で乾燥し、4.1g(37.4%)の19が黄色結晶として得られる。
【0127】
6.2 0.5g(2.0mmol)の19を、10mlのDMFに溶解する。0.5ml(6.9mmol)の塩化チオニルを次いで添加し、混合物を、RTにて30分間撹拌する。反応混合物を真空において蒸発させる。残留物を10mlのアセトニトリルで粉末にし、結晶を吸引によって濾別し、空気中で乾燥し、0.32g(60%)の20が帯緑色結晶として得られる。
【0128】
6.3 0.12g(0.4mmol)の20、0.13g(0.4mmol)のピペラジン−1−カルボン酸3,5−ジクロロベンジルおよび0.1g(1.2mmol)のNaHCOを、3mlのアセトニトリル中で100℃にて16時間撹拌する。冷却後、20mlの水を反応混合物に添加し、それを次にCHClで2回抽出する。有機相を、NaSOを用いて乾燥し、真空において蒸発させる。酢酸エチル/メタノールを用いたシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによる精製によって、21mg(10%)の21が黄褐色結晶として得られる;RT[分]2.80(方法A)。
【0129】
例7
4−(2−1H−ベンゾトリアゾール−5−イルアセチル)ピペラジン−1−カルボン酸4−クロロベンジル(24)の製造
【化25】

7.1 5.0g(26mmol)の3,4−ジアミノフェニル酢酸エチルを、40mlの50%酢酸に溶解し、氷浴中で冷却する。20mlの水中の2.7g(39mmol)の亜硝酸ナトリウムを、温度が10℃より低温に維持される速度にて滴加する。混合物を、10°〜20℃にて3時間撹拌する。バッチを次に、200mlの酢酸エチルで希釈し、水で洗浄する。有機相を、NaSOを用いて乾燥し、真空において蒸発させ、5.7g(108%)の22が茶色油として得られる(また少量の溶媒を含む)。
【0130】
7.2 5.7g(28mmol)の22を、25mlの水および10mlのEtOHに溶解し、75mlの5%水性NaOH溶液を添加する。混合物を、還流下で3時間加熱する。冷却後、混合物を真空において蒸発させる。残留物を100mlの水に溶解し、プロパノール中の5〜6N HClを用いてpH4に調整する。沈殿した結晶を吸引によって濾別し、3.3g(56%)の23が茶色結晶として得られる。
【0131】
7.3 220mg(1.24mmol)の23、362mg(1.24mmol)の4−クロロベンジルピペラジン−1−カルボキシレート塩酸塩、168mg(1.24mmol)の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、143mg(1.24mmol)のN−メチルモルホリンおよび238mg(1.24mmol)の3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(DAPECI)を、RTにて48時間、10mlのDMF中で撹拌する。
反応混合物を、次いで真空において蒸発させる。分取HPLCによる精製によって、16mg(3%)の24が無色固体物質として得られる;RT[分]3.73(方法A);
【0132】
1H-NMR (DMSO-d6) δ [ppm] 7.86 (d, J = 8.5, 1H), 7.75 (d, J = 1.4, 1H), 7.46-7.36 (m, 4H), 7.34 (dd, J = 8.5, 1.4, 1H), 5.10 (s, 2H), 3.95 (s, 2H), 3.65-3.30 (m, 7H).
【0133】
例8
6−(2−{4−[3−(4−クロロフェノキシ)プロピオニル]ピペラジン−1−イル}アセチル)−3H−ベンゾキサゾール−2−オン(27)の製造
【化26】

8.1 500mg(2.5mmol)の3−(4−クロロフェノキシ)プロピオン酸、464mg(2.5mmol)のBoc−ピペラジンおよび253mg(2.5mmol)の4−メチルモルホリンを、最初に3mlのDMF中に導入する。478mg(2.5mmol)のDAPECIおよび337mg(2.5mmol)のHOBtを次いで添加し、混合物をRTにて16時間撹拌する。反応混合物を水上に注ぎ、得られた沈殿物を吸引によって濾別し、乾燥し、894mg(97%)の25が得られる。
【0134】
8.2 894mg(2.4mmol)の25を、プロパノール中の10mlの5〜6N HCl中に導入し、RTにて0.5時間撹拌する。得られた沈殿物を吸引によって濾別し、乾燥し、661mg(89%)の26が得られる。
【0135】
8.3 104mg(0.49mmol)の6−(2−クロロアセチル)−3H−ベンゾキサゾロン(ドイツ国特許庁出願番号102007047737.8において記載される合成)を、最初に3mlのアセトニトリル中に導入する。150mg(1.5mmol)のトリエチルアミンおよび150mg(0.49mmol)の26を、次いで添加し、混合物を、RTにて16時間および80℃にてさらに16時間撹拌する。得られた沈殿物を濾別し、濾液を真空において蒸発させる。EAを用いたシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによる精製によって、6mg(3%)の27が得られる;RT[分]3.04(方法A);
【0136】
1H-NMR (DMSO-d6) δ [ppm] 11.66 (s, 1H), 7.90-7.84 (m, 2H), 7.31 (d, J = 9.0, 2H), 7.19 (d, J = 7.6, 1H), 6.95 (d, J = 9.0, 2H), 4.18 (t, J = 6.2, 2H), 3.86 (s, 2H), 3.62-3.30 (m, 8H), 2.80 (t, J = 6.2, 2H).
【0137】
例9
4−[2−(1H−ベンゾトリアゾール−5−イルカルバモイル)エチルカルバモイル]ピペリジン−1−カルボン酸4−クロロベンジル(32)の製造
【化27】

9.1 2.7g(20mmol)の5−アミノベンゾトリアゾール、3.8g(20mmol)の3−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピオン酸、3.5gのHOBt(26mmol)および4.2g(22mmol)のDAPECIを、30mlのDMFに溶解し、RTにて16時間撹拌する。反応混合物を、次に真空において蒸発させる。残留物を200mlの酢酸エチル中に吸収させ、2回水と共に振盪することによって洗浄する。有機相を、MgSOを用いて乾燥し、真空において蒸発させる。酢酸エチルを用いたシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによる精製によって、5.7g(93%)の28が得られる。
【0138】
9.2 5.7g(19mmol)の28を、イソプロパノール中の60mlの6N HClに溶解し、RTにて1時間撹拌する。反応混合物を、次いで真空において蒸発させる。残留物を塩化メチレンで粉末にし、吸引によって濾別し、4.1g(91%)の29が淡い茶色の非結晶質固体物質として得られる。
【0139】
9.3 0.97g(4.0mmol)の29、0.92g(4.0mmol)の1−ブトキシカルボニルピペリジン−4−カルボン酸、0.54gのHOBt(4.0mmol)および0.77g(4.0mmol)のDAPECIおよび0.55mlのトリエチルアミン(4.0mmol)を、10mlのDMFに溶解し、RTにて16時間撹拌する。反応混合物を、次に真空において蒸発させる。残留物を100mlの酢酸エチル中に吸収させ、水と共に2回振盪することによって洗浄する。有機相を、MgSOを用いて乾燥し、真空において蒸発させる。酢酸エチルを用いたシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによる精製によって、1.4g(84%)の30が得られる。
【0140】
9.4 1.4g(3.4mmol)の30を、イソプロパノール中の20mlの6N HClに溶解し、RTにて1時間撹拌する。反応混合物を、次に真空において蒸発させ、1.1g(93%)の31が茶色の非結晶質固体物質として得られる。
【0141】
9.5 81mg(0.5mmol)のCDIおよび78mg(0.5mmol)の4−クロロベンジルアルコールを、3mlのDMFに溶解し、RTにて2時間攪拌する。176mg(0.5mmol)の31を次いで添加し、混合物をRTにて16時間撹拌する。反応混合物を、次に真空において蒸発させる。残留物を20mlの酢酸エチル中に吸収させ、2回水と共に振盪することによって洗浄する。有機相を、MgSOを用いて乾燥し、真空において蒸発させる。残留物を、エタノールを用いて結晶化し、77mg(32%)の32が淡い茶色の結晶として得られる;RT[分]3.36(方法C)。
【0142】
例10
4−[2−(1H−ベンゾトリアゾール−5−イルカルバモイル)エチルカルバモイル]ピペラジン−1−カルボン酸4−クロロベンジル(33)の製造
【化28】

121mg(0.5mmol)の29を、最初に3mlのDMF中に0.035mlのトリエチルアミンと共に導入し、81mg(0.5mmol)のCDIを添加する。混合物をRTにて1時間撹拌し、146mg(0.5mmol)の4−クロロベンジルピペラジン−1−カルボキシレート塩酸塩およびさらに0.035mlのトリエチルアミンを次いで添加する。混合物を次いでRTにて2時間撹拌する。反応混合物を、次に真空において蒸発させる。残留物を20mlの酢酸エチル中に吸収させ、2回水と共に振盪することによって洗浄する。有機相を、MgSOを用いて乾燥し、真空において蒸発させる。残留物をエタノールから再結晶し、81mg(33%)の33が淡い茶色の結晶として得られる;RT[分]3.25(方法C)。
【0143】
例11
4−[2−(1H−ベンゾトリアゾール−5−イルカルバモイル)アセチルアミノ]ピペリジン−1−カルボン酸4−クロロベンジル(39)の製造
【化29】

11.1 5.23g(27.5mmol)の34および3.8ml(27.5mmol)のトリエチルアミンを、最初に50mlの塩化メチレン中に導入する。4.14g(27.5mmol)のマロン酸エチルクロリドを、氷冷しながら滴加し、混合物を、次いでRTにてさらに1時間撹拌する。反応混合物を水で抽出し、有機相を次いで分離し、NaSOを用いて乾燥し、真空において蒸発させる。酢酸エチルを用いたシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによる精製によって、2.85(34%)の35が無色結晶として得られる。
【0144】
11.2 2.0g(6.6mmol)の35を、20mlのTHFおよび20mlの氷酢酸に溶解し、2gの5%Pd/Cを添加し、混合物を水素化する。触媒を濾別する。6N HClを加え、溶媒を、次に真空において蒸発させ、1.6g(97%)の36が固体物質として得られる。
【0145】
11.3 1.5g(10.5mmol)の4−クロロベンジルアルコール、1.7g(10.5mmol)のCDIを、10mlのDMF中でRTにて2時間攪拌する。1.04ml(7.5mmol)のトリエチルアミンおよび1.6g(7.5mmol)の36を次いで添加し、混合物をRTにて16時間攪拌する。反応混合物を、次いで水に添加する。得られた沈殿物を吸引によって濾別し、石油エーテル/酢酸エチル(1:1)を用いたシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製し、1.46g(51%)の37が淡黄色結晶として得られる。
【0146】
11.4 1.46g(3.8mmol)の37を、10mlのエタノールに溶解し、3.0mlの水性2N NaOHを加え、混合物をRTにて16時間撹拌する。溶液を、1N HClを用いて酸性化し、ロータリーエバポレーター中で蒸発させる。残留物を、酢酸エチルを用いて吸収させ、水で洗浄する。有機相を、NaSOを用いて乾燥し、ロータリーエバポレーター中で蒸発させ、0.47g(35%)の38が非結晶質固体物質として得られる。
【0147】
11.5 0.47g(1.32mmol)の38、0.178g(1.32mmol)の5−アミノベンゾトリアゾール、0.28g(1.46mmol)のDAPECIおよび0.20g(1.46mmol)のHOBtを、5mlのDMFに溶解し、RTにて16時間撹拌する。反応混合物を次いで真空において蒸発させる。残留物を20mlの酢酸エチル中に吸収させ、2回水と共に振盪することによって洗浄する。有機相を、MgSOを用いて乾燥し、真空において蒸発させる。白色沈殿物が、プロセスにおいて沈殿し、それを吸引によって濾別し、乾燥し、0.14g(22%)の39が無色固体物質として得られる;RT[分]3.33(方法C)。
【0148】
以下の化合物を、上記の例と同様にして得る。
以下の化合物
【表11】

【0149】
【表12】

【0150】
【表13】

【0151】
【表14】

【0152】
【表15】

【0153】
【表16】

【0154】
【表17】

【0155】
【表18】

【0156】
【表19】

【0157】
薬理学的データ
オートタキシン阻害(酵素試験)
表1
【表20】

【0158】
例A:オートタキシン試験(酵素試験)
試験の記載
オートタキシン活性を、Amplex Red試薬を用いて間接的に測定する。Amplex Redをここで、生成したHについての蛍光性指標(fluorogenic indicator)として測定する。詳細には、オートタキシンは、基質リゾホスファチジルコリン(LPC)をホスホコリンおよびリゾホスファチジリン酸(lysophosphatidylic acid)(LPA)に変換する。この反応の後、ホスホコリンを、アルカリホスファターゼと反応させて、無機リン酸塩およびコリンを得る。次の段階において、コリンを、コリンオキシダーゼによって酸化して、Hの生成を伴ってベタインを得る。Hは、Amplex Red試薬と、ペルオキシダーゼ(セイヨウワサビペルオキシダーゼ)の存在下で1:1の化学量論において反応し、高度に蛍光性のレゾルフィンを生成する。蛍光を、反応依存性の動力学的モードにおいて測定して、反応に関与していない可能な他の蛍光物質からの蛍光シグナルを修正することができるようにする。
【0159】
試験手順
最大7.7%のDMSOを有する20mMのHepes、pH7.2に溶解した個別の濃度における1.5μlの標準溶液または試験物質(名称A(n)を有する物質)を、10μl(16ng)の高度に精製された組換えオートタキシンと共に、384のウェルを備えた黒色マイクロタイタープレート中で、22℃にて30分間プレインキュベートする。次いで、反応を5μlのL−α−リゾホスファチジルコリン(LPC)を加えることによって開始し、ここでLPCの最終濃度は、75μMである。混合物を、37℃にて90分間インキュベートする。インキュベーションの後に、Amplex Red試薬、ペルオキシダーゼ(セイヨウワサビペルオキシダーゼ)およびコリンオキシダーゼを添加し、蛍光を、612nmならびに励起な485nmにおいて、「Tecan Ultra多重モード」読み取り機において直ちに測定する。オートタキシンの活性を、生成したHを検出することによって間接的に計算する。
【0160】
材料:
マイクロタイタープレート:PSマイクロプレート、384ウェル、小容量、黒色Corning、Cat#3677
タンパク質:組換えオートタキシン(Baculovirale Hi5 Expression)
基質:L−α−リゾホスファチジルコリン(鶏卵);Avanti Polar Lipids # 830071P
標準:C14 LPA、Avanti Polar Lipids、Cat# 857120P
【0161】
検出試薬:Amplex Red試薬;Invitrogen # A12222;Sigma # P6782からの1.923mlのDMSOペルオキシダーゼタイプVI−A(セイヨウワサビ)に溶解した;7.45mlの試験緩衝液、コリンオキシダーゼ;Sigma # C5896に溶解した;2.47mlの試験緩衝液に溶解した
検出試薬混合物:試験緩衝液中のAmplex Red試薬の1:100希釈
試験緩衝液:200mMのTris HCl、Merck、Cat # 1.08219、pH7.9、0.1%のBSA、脂質非含有、Roche Cat#775835
【0162】
以下の例は、医薬に関する:
例B:注射バイアル
100gの式Iで表される活性成分および5gのリン酸水素二ナトリウムを3lの2回蒸留水に溶解した溶液を、2N塩酸を用いてpH6.5に調整し、滅菌濾過し、注射バイアル中に移し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下で密封する。各々の注射バイアルは、5mgの活性成分を含む。
【0163】
例C:座剤
20gの式Iで表される活性成分の100gの大豆レシチンおよび1400gのココアバターとの混合物を、溶融し、型中に注入し、放冷する。各々の座剤は、20mgの活性成分を含む。
【0164】
例D:溶液
1gの式Iで表される活性成分、9.38gのNaHPO・2HO、28.48gのNaHPO・12HOおよび0.1gの塩化ベンザルコニウムから、940mlの2回蒸留水中に溶液を製造する。pHを6.8に調整し、溶液を1lにし、放射線により滅菌する。この溶液を、点眼剤の形態で用いることができる。
【0165】
例E:軟膏
500mgの式Iで表される活性成分を、99.5gのワセリンと、無菌条件下で混合する。
【0166】
例F:錠剤
1kgの式Iで表される活性成分、4kgのラクトース、1.2kgのジャガイモデンプン、0.2kgのタルクおよび0.1kgのステアリン酸マグネシウムの混合物を、慣用の方法で圧縮して、錠剤を得、各々の錠剤が10mgの活性成分を含むようにする。
【0167】
例G:糖衣錠
例Eと同様にして、錠剤を圧縮し、次に、慣用の方法で、スクロース、ジャガイモデンプン、タルク、トラガカントおよび染料の被膜で被覆する。
【0168】
例H:カプセル
2kgの式Iで表される活性成分を、硬質ゼラチンカプセル中に、慣用の方法で導入して、各々のカプセルが20mgの活性成分を含むようにする。
【0169】
例I:アンプル
1kgの式Iで表される活性成分を60lの2回蒸留水に溶解した溶液を、滅菌濾過し、アンプル中に移送し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下で密封する。各々のアンプルは、10mgの活性成分を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

式中
は、H、A、Hal、OR、N(R、N=CRN(R、SR、NO、CN、COOR、CON(R、NRCOA、NRSOA、SON(R、S(O)A、−[C(RN(R、O[C(RN(R、S[C(RN(R、−NR[C(RN(R、NHCON(R、CON(R、CONR[C(RN(RまたはCOAを示し、
は、HまたはAを示し、
Xは、O、NHまたはCHを示し、
Yは、CH、CHOを示すかまたは存在せず、
Rは、
【化2】

を示し、
は、H、Aまたはフェニルを示し、
Hetは、
【化3】

を示し、
Aは、1〜10個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、
ここで、1〜7個のH原子は、OH、F、Clおよび/またはBrによって置き換えられていてもよく、
かつ/またはここで、1つまたは2つのCH基は、O、NHおよび/またはSによって置き換えられていてもよく、
あるいは、
3〜7個のC原子を有する環状アルキルを示し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
nは、0、1、2または3を示し、
mは、0、1または2を示し、
pは、0、1、2、3、4または5を示す、
で表される化合物、あるいは、それらの薬学的に使用可能な塩または立体異性体、あるいはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項2】
がHalを示す、
請求項1に記載の化合物、あるいは、それらの薬学的に使用可能な塩または立体異性体、あるいはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項3】
XがOまたはCHを示す、
請求項1または2に記載の化合物、あるいは、それらの薬学的に使用可能な塩または立体異性体、あるいはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項4】
YがCHまたはCHOを示す、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物、あるいは、それらの薬学的に使用可能な塩または立体異性体、あるいはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項5】
Aが、1〜10個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、
ここで、1〜7個のH原子が、Fおよび/またはClによって置き換えられていてもよい、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物、あるいは、それらの薬学的に使用可能な塩または立体異性体、あるいはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項6】
pが1、2または3を示す、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物、あるいは、それらの薬学的に使用可能な塩または立体異性体、あるいはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項7】
がHalを示し、
XがOまたはCHを示し、
YがCHまたはCHOを示し、
Rが
【化4】

を示し、
Hetが
【化5】

を示し、
Aが、1〜10個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、
ここで、1〜7個のH原子が、Fおよび/またはClによって置き換えられていてもよく、
Halが、F、Cl、BrまたはIを示し、
pが、1、2または3を示す、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物、あるいは、それらの薬学的に使用可能な塩または立体異性体、あるいはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項8】
以下の群
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

から選択される、請求項1に記載の化合物、あるいは、それらの薬学的に使用可能な塩または立体異性体、あるいはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項9】
式Iで表される化合物、あるいは、それらの薬学的に使用可能な塩または立体異性体の製造方法であって、
a)式Iで表され、式中
Rが
【化6】

を示す
化合物の製造のために、
式II
Het−NH−CO−CH−L II
式中
Hetは、請求項1に示した意味を有し、
Lは、ClまたはBrを示す、
で表される化合物を、
式III
【化7】

式中
X、Y、Rおよびpは、請求項1に示した意味を有する、
で表される化合物と反応させ、
あるいは、
b)式Iで表され、式中
Rが
【化8】

を示す
化合物の製造のために、
式IV
【化9】

式中
Hetは、請求項1に示した意味を有し、
Lは、ClまたはBrを示す、
で表される化合物を、
式V
【化10】

式中
X、Y、Rおよびpは、請求項1に示した意味を有する、
で表される化合物と反応させ、
あるいは、
c)式Iで表され、式中
Rが
【化11】

を示す
化合物の製造のために、
式VI
Het−CH−CO−L VI
式中
Hetは、請求項1に示した意味を有し、
Lは、Cl、Br、Iまたは遊離であるか、もしくは反応的に官能的に修飾されたOH基を示す、
で表される化合物を、
式Vで表される化合物と反応させ、
あるいは、
d)式Iで表され、式中
Rが
【化12】

を示す
化合物の製造のために、
式VII
【化13】

式中
Hetは、請求項1に示した意味を有する、
で表される化合物を、
式VIII
【化14】

式中
およびpは、請求項1に示した意味を有する、
で表される化合物
および以下の群
カルボニルジイミダゾール、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲン
から選択される化合物と反応させ、
あるいは、
e)式Iで表され、式中
Rが
【化15】

を示す
化合物の製造のために、
式IX
【化16】

式中
Hetは、請求項1に示した意味を有する、
で表される化合物を、
式Vで表される化合物
および以下の群
カルボニルジイミダゾール、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲン
から選択される化合物と反応させ、
あるいは、
f)式Iで表され、式中
Rが
【化17】

を示す
化合物の製造のために、
式X
Het−NH
式中
Hetは、請求項1に示した意味を有する、
で表される化合物を、
式XI
【化18】

式中
X、Y、R、pは、請求項1に示した意味を有し、
Lは、Cl、Br、Iまたは遊離であるか、もしくは反応的に官能的に修飾されたOH基を示す、
で表される化合物と反応させ、
ならびに/あるいは式Iで表される塩基または酸を、その塩の1種に変換する
ことを特徴とする、前記方法。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の式Iで表される少なくとも1種の化合物、ならびに/または、それらの薬学的に使用可能な塩、互変異性体および立体異性体、すべての比率でのそれらの混合物、ならびに、任意に賦形剤および/または補助剤を含む、医薬。
【請求項11】
癌疾患の処置および予防のための医薬の製造のための、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項12】
癌疾患が、扁平上皮の、膀胱の、胃の、腎臓の、頭頸部の、食道の、子宮頸部の、甲状腺の、腸の、肝臓の、脳の、前立腺の、尿生殖路の、リンパ系の、胃の、喉頭の、および/または肺の腫瘍の群からの腫瘍と関連する、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
腫瘍が、単球性白血病、肺腺癌、小細胞肺癌、膵臓癌、卵巣癌、神経膠芽腫および乳癌および結腸癌の群に由来する、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
処置するべき疾患が血液および免疫系の腫瘍である、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
腫瘍が、急性脊髄性白血病、慢性脊髄性白血病、急性リンパ性白血病および/または慢性リンパ性白血病の群に由来する、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の式Iで表される化合物および/またはそれらの生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、腫瘍の処置のための医薬の製造のための使用であって、式Iで表される化合物の治療有効量を、放射線療法ならびに1)エストロゲン受容体モジュレーター、2)アンドロゲン受容体モジュレーター、3)レチノイド受容体モジュレーター、4)細胞傷害性薬物、5)抗増殖性剤、6)プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、7)HMG−CoA還元酵素阻害剤、8)HIVプロテアーゼ阻害剤、9)逆転写酵素阻害剤および10)他の血管新生阻害剤の群からの化合物と組み合わせて投与する、前記使用。

【公表番号】特表2012−522733(P2012−522733A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502478(P2012−502478)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【国際出願番号】PCT/EP2010/001324
【国際公開番号】WO2010/112116
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】