説明

カチオン性合成コポリマー及び洗浄性界面活性剤を含有するパーソナルケア組成物

a)以下を含む正味の正電荷を有する合成ランダムコポリマーと、
i.)下式の非イオン性モノマー単位:
【化1】


(式中、RはH又はC1〜4アルキルであり;R1及びR2は、独立して、H、C1〜4アルキル、CH2OCH3、CH2OCH2CH(CH32、及びフェニルから成る群から選択されるか、あるいは、共にC3〜6シクロアルキルである)、及び
ii.)下式の2以上の正電荷を持つカチオン性モノマー単位:
【化2】


(式中、k=1であり、v、v'、及びv"は、それぞれ独立して、1〜6の整数であり、wは0又は1〜10の整数であり、X-はアニオンである)
b)洗浄性界面活性剤と、
c)水性キャリアを含むパーソナルケア組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選択された合成コポリマーを含む、良好な泡及びコンディショニング性能を持つ、パーソナルケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な組合せの洗浄性界面活性剤と毛髪コンディショニング剤を含むコンディショニングパーソナルケア組成物が知られている。これらのパーソナルケア組成物は、典型的に、アニオン性洗浄性界面活性剤を、シリコーン、炭化水素油、脂肪酸エステル、又はこれらの組合せのようなコンディショニング剤と組み合わせて含む。これらのパーソナルケア組成物は、単一のヘアケア製品から毛髪コンディショニング及び毛髪洗浄性能を全て便利に得る手段として、消費者の間でより評判がよくなっている。
【0003】
しかし、多くのコンディショニングパーソナルケア組成物においては、適用プロセス間に毛髪又は皮膚上にコンディショニング剤が十分に付着せず、たとえ付着が可能であっても、それはアニオン性界面活性剤が比較的低量である製剤において可能なだけである。こうした付着がなければ、大部分のコンディショニング剤は、適用プロセス間にすすぎ落とされるので、ほとんど又は全くコンディショニング利益を提供しない。毛髪又は皮膚上にコンディショニング剤の十分な付着がなく、適切な毛髪又は皮膚コンディショニング性能を提供するためには、パーソナルケア組成物中に比較的多量のコンディショニング剤が必要である可能性がある。しかし、こうした多量のコンディショニング剤は、原材料コストを上昇し得り、起泡を低減し得り、製品安定性の懸念を提示し得る。加えて、コアセルベートを形成するためのアニオン性界面活性剤全体に対する制限により、製剤の気泡能力が制限され得る、あるいは、良好な泡を得るために、より多量のより高価な両性界面活性剤が必要となり得る。
【0004】
毛髪コンディショニング剤の毛髪上への付着を改善する既知の方法の1つとしては、特定のカチオン沈着ポリマーの使用が挙げられる。これらのポリマーは、合成であってよい可能性があるが、最も一般的には、カチオン性置換基で変性された天然セルロース性又はグアーポリマーである。
【0005】
パーソナルケア組成物を水で希釈する際のコアセルベートの形成は、様々なコンディショニング活性物質、特に小さな液滴直径(すなわち、≦2ミクロン)を有するコンディショニング活性物質の付着を改善するために重要である。一般に、希釈は、パーソナルケア組成物の使用間に起こる、例えば、人がパーソナルケア組成物を湿った毛髪に適用するとき、製品は水で自動的に希釈される。コアセルベートを形成するために、カチオン性置換基で変性された天然セルロース性又はグアーポリマーのような典型的なカチオン性ポリマーを含有するパーソナルケア組成物は、希釈の際に、十分な量のコアセルベートを得るために、総アニオン濃度が著しく制限される傾向がある。例えば、硫酸化アニオン性界面活性剤における硫酸塩の総量を制限すると、コアセルベート形成が促進されるであろうが、特定のパーソナルケア洗浄剤組成物にて得ることができる泡の体積が制限されるであろう。従って、低費用、高起泡のコアセルベート形成組成物のために、より多量のアニオン性界面活性剤でコアセルベートを形成することができるカチオン性ポリマーを使用することが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、著しいコンディショニング及び起泡性能を提供するパーソナルケア組成物の必要性がいまだ存在する。
【0007】
選択された合成カチオン性ポリマーは、コンディショニング性能、特に濡れた毛髪のコンディショニング性能を強化し、分散した毛髪コンディショニング剤の毛髪又は皮膚上への付着を改善することが今回見出された。これらの選択されたポリマーは、希釈の際のコアセルベート形成を通して、分散したヘアコンディショニング剤の毛髪及び皮膚上への付着の改善に特に効果的である。一実施形態においては、パーソナルケア組成物中で特定の量のアニオン性洗浄性界面活性剤と組み合わせて処方されるとき、コアセルベート形成は最適化される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下を含むパーソナルケア組成物を提供することによって、前述の必要性を満たす:
a)コポリマーのモノマー単位の総数を基準として以下を含む正味の正電荷を有する合成ランダムコポリマーと、
i.)下式の非イオン性モノマー単位:
【0009】
【化1】

(式中、RはH又はC1-4アルキルであり;R1及びR2は、独立して、H、C1〜4アルキル、CH2OCH3,CH2OCH2CH(CH32、及びフェニルから成る群から選択されるか、あるいは、共にC3〜6シクロアルキルである)、及び
ii.)下式の2以上の正電荷を持つカチオン性モノマー単位:
【0010】
【化2】

式中、k=1であり、v、v’、及びv”は、それぞれ独立して、1〜6の整数であり、wは0又は1〜10の整数であり、X-はアニオンである)
b)洗浄性界面活性剤と、
c)水性キャリアとを含むパーソナルケア組成物である。
【0011】
一実施形態は、最適化されたエトキシレートレベル及びアニオンレベルを有するアニオン性界面活性剤系を含む。
【0012】
本開示を読むことで、本発明のこれら及び他の特徴、態様、及び利点が、当業者に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本明細書は、本発明を特に指摘し、明確に請求する請求項により結論とするが、本発明は以下の記載からよりよく理解されるであろうと考えられる。
【0014】
本発明のパーソナルケア組成物は、合成ランダムコポリマー、洗浄性界面活性剤、及び水性キャリアを含む。これらの各必須の構成成分、並びに好ましい又は任意の構成成分は、本明細書で以下に詳細に記載される。
【0015】
百分率、部及び比は全て、特に指定のない限り、本発明の組成物の総重量に基づく。このような全ての重量は、列記した成分に関する限り、活性レベルに基づくため、特に規定のない限り、市販材料に包含される可能性のある溶媒又は副産物を包含しない。用語「重量百分率」は、本明細書では「重量%」として表示されてもよい。
【0016】
特に指定されない限り、本明細書で使用される分子量は全て、g/molとして表される重量平均分子量である。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「電荷密度」は、ポリマーが構成されるモノマー単位における正の電荷数と前記モノマー単位の分子量との比を意味する。ポリマー分子量で乗じた電荷密度は、所与のポリマー鎖における正に荷電した部位の数を決定する。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「コアセルベート」とは、界面活性剤と、希釈しない(neat)パーソナルケア組成物に可溶性又は不溶性であってよいポリマーとの間に形成される錯体を意味し、これは、希釈の際より溶解性が低くなる可能性があり、その相分離又は溶液中の沈殿のレベルを増加する。
【0019】
用語「含む」とは、列挙されない工程、要素又は他の成分が、必ずしも除外されるわけではないことを意味する。この用語は、「から成る」及び「から本質的に成る」を網羅する。組成物及び方法/プロセスは、本明細書に記載の本発明の必須要素及び制限、並びに本明細書に記載の任意の追加成分又は任意成分、構成成分、工程、又は制限を含む、から成る、及びから本質的に成ることができる。
【0020】
本明細書で使用するとき、用語「線状電荷密度」は、ポリマーが構成されるモノマー単位における正電荷数と前記モノマー単位の長さ(オングストローム)との比を意味する。モノマー単位の長さは、非イオン性モノマーの比×非イオン性モノマーの長さ(オングストローム)+カチオン性モノマーの比×カチオン性モノマーの長さ(オングストローム)で計算される。
【0021】
本明細書で使用するとき、用語「質量(mass)電荷密度」とは、ポリマーが構成されるモノマー単位における正の電荷数と前記モノマー単位の分子量との比を意味する。モノマー単位の分子量は、非イオン性モノマーの比×非イオン性モノマーの分子量+カチオン性モノマーの比とカチオン性モノマーの分子量の積で計算される。
【0022】
本明細書で使用するとき、用語「希釈しない(neat)」とは、パーソナルケア組成物の混合されていない形態を意味する(即ち、水での希釈を通して本組成物を変える)。
【0023】
本明細書で使用するとき、用語「ポリマー」は、1種類のモノマーの重合によって製造される物質、あるいは2種類の種類のモノマーよって製造される物質(即ち、コポリマー)又はそれ以上の種類のモノマーによって製造される物質(即ち、ターポリマー)を含むものとする。
【0024】
本明細書で使用するとき、用語「非水溶性」とは、ポリマーがパーソナルケア組成物中の水に可溶性でないことを意味する。したがってポリマーは、水と混和しない。一般に、溶解度は約25℃にて決定される。
【0025】
本明細書で使用するとき、用語「水溶性」とは、ポリマーがパーソナル組成物中の水に可溶性であることを意味する。一般に、ポリマーは、約25℃において、水溶媒の少なくとも約0.1重量%、好ましくは少なくとも約1重量%、より好ましくは少なくとも約5重量%、最も好ましくは少なくとも約15重量%の濃度で、溶解するべきである。
【0026】
一実施形態においては、全体のアニオン及びエトキシレート値(本明細書に記載される)によって記載されるような、特定の具体的な量及び比率の界面活性剤を組み合わせた組成物は、コアセルベート形成を最大にすることによってコンディショニング利益を最大にするという驚くべき発見を対象とする。最適な界面活性剤組成物を2つのパラメータによって記載できることが発見された。これらのパラメータとしては、アニオン及びエトキシレート値が挙げられ、これらはポリマーの電荷密度及び分子量の関数として表される場合、コアセルベートの形成を最大にする。
【0027】
特定の理論に制限されるものではないが、コアセルベートは、任意のコンディショニング活性物質を追加しなくても毛髪及び皮膚のコンディショニング力を向上させる。更に、分散したコンディショニング剤の液滴をマトリクスに添加すると、コアセルベートはコンディショニング剤の付着のために改善された機構を提供し、より更なるコンディショニングの効果をもたらすコンディショニング剤の付着を生じる。
【0028】
合成コポリマー
パーソナルケア組成物は、洗浄性界面活性剤構成成分、水性キャリア、及び本明細書の他の任意の構成成分と組み合わせて、希釈時にコアセルベートを形成する合成コポリマーを含む。ポリマーは、処方されるとき、追加のコンディショニング活性物質なしでさえ、好適なコンディショニング性能を提供するパーソナルケア組成物中に処方され、毛髪又は皮膚上へのコンディショニング剤(本明細書に記載)のための付着助剤としても機能する。ランダムコポリマー及びグラフトコポリマーを形成するために、合成コポリマーのモノマー単位を配列してよい。ランダムコポリマーが好ましい。
【0029】
シャンプー組成物中の合成コポリマーの濃度は、組成物の約0.01重量%〜約5重量%、好ましくは約0.05重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.075重量%〜約1重量%の範囲内である。
【0030】
別の実施形態では、本明細書に記載のパーソナルケア組成物のコンディショニング活性構成成分の付着を有効に強化するために十分に高分子量の合成コポリマーを含むパーソナルケア組成物を含む。合成コポリマーの平均分子量は、一般に約10,000〜約1,000万、好ましくは約100,000〜約300万、なおより好ましくは約200,000〜約200万である。
【0031】
更なる実施形態では、合成コポリマーは、パーソナルケア組成物の目的の用途のpHにおいて、約0.1meq/gm〜約6.0meq/gm、より好ましくは約0.5meq/gm〜約3.0meq/gmの質量電荷密度を有する。一般にpHは、pH約3〜pH約9、より好ましくはpH約4〜pH約8の範囲であろう。
【0032】
さらに別の実施形態では、合成コポリマーは、少なくとも約2meq/A〜約500meq/A、より好ましくは約20meq/A〜約200meq/A、最も好ましくは約25meq/A〜約100meq/Aの線状電荷密度を有する。
【0033】
非イオン性モノマー単位
合成コポリマーは、下式Iで表される非イオン性モノマー単位を含む:
I.
【0034】
【化3】

(式中、RはH又はC1〜4アルキルであり;R1及びR2は、独立して、H、C1〜4アルキル、CH2OCH3、CH2OCH2CH(CH32、及びフェニルから成る群から選択されるか、あるいは、共にC3〜6シクロアルキルである。)
【0035】
一実施形態では、非イオン性モノマー単位は、アクリルアミド(AM)であり、即ち、以下に示すように、R、R1、及びR2は、全てHである:
【0036】
【化4】

【0037】
別の好ましい非イオン性モノマー単位は、メタクリルアミド(MethAM)であり、即ち、RはC1アルキル、R1及びR2はそれぞれHである:
【0038】
【化5】

【0039】
しかし、上に述べた式の範囲内の他のアクリルアミド誘導体も、本発明の一部であることも意図しており、ポリアクリルアミド及びアクリルアミドモノマーを使用するコポリマーが有用である。
【0040】
合成コポリマーの非イオン性モノマー部分は、コポリマー全体の約50%〜約99.5重量%の量で存在する。この量は、合成コポリマーの好ましくは約70%〜約99%、なおより好ましくは約80%〜約99重量%である。
【0041】
カチオン性モノマー単位
また合成コポリマーは、式IIで表されるカチオン性モノマー単位も含む:
II.
【0042】
【化6】

(式中、k=1であり、v、v’、及びv”は、それぞれ独立して、1〜6の整数であり、wは0又は1〜10の整数であり、X-はアニオンである)。
【0043】
一実施形態では、上式IIに従いk=1、v=3、及びw=0、z=1、及びX-がCl-である構造が存在し、以下の構造を形成する:
【0044】
【化7】

【0045】
上の構造は、ジクワット(diquat)と称されてもよい。
【0046】
さらに別の実施形態は、式IIに従いv及びv”は、それぞれ3であり、v’=1、w=1、y=1及びX-がCl-であるように形成された構造により、達成される、例えば:
【0047】
【化8】

【0048】
上記の構造は、トリクワット(Triquat)と称されてもよい。
【0049】
好適なカチオン性モノマーは、例えば、米国公開特許出願2004/0010106A1に記載される方法により製造されることができる。
【0050】
一実施形態では、合成コポリマーのカチオン性モノマー部分は、コポリマー全体の約0.5重量%〜約50重量%の量で存在する。この量は、合成コポリマーの好ましくは約1重量%〜約30重量%、最も好ましくは約1重量%〜約20重量%である。
【0051】
トリクワット(Triquat)モノマーの製造方法
重合技術の非限定的な実施例は、米国特許第4,387,017号、EP156,646、及び米国公開特許出願2004/0010106A1に記載されている。
【0052】
一実施形態では、トリクワット(Triquat)モノマーは、機械的攪拌器、気体入口、コンデンサー及び温度計を備えたジャケット付反応装置フラスコ内において、三工程反応を実行することにより形成される。機械的撹拌及び空気パージは、反応を通して維持される。初めに、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMA)340.52g、クロロ酢酸メチル238.75g、4−メトキシフェノール(MEHQ)0.34g、及びメタノール425gを反応装置に添加し、約65−70℃でおよそ5時間加熱し、(メタクリルアミドプロピル)(メトキシ−カルボニルメチル)ジメチルアンモニウムクロライド(MMDMAC)を生成する。試料を2時間ごとに採り、HPLC分析により分析し、ClをAgNO3で滴定して、確実に100%変換させる。第二に、MEHQ0.365g、及びジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)224.5gをMMDMAC溶液にゆっくり添加した後、室温(約25℃)まで冷却する。発熱反応を観察すると、混合物は明るい黄色に見える。加熱を約65−70℃で約2時間続けた後、メタノールを真空下で蒸留する。第二工程において、全てのエステルがアミドに変換したことをHPLCにより確認した後、65%(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロライド(クワット(Quat)−188)637gを添加する。第三に、温度を約65−70℃に約2時間維持する。もう1時間、反応を水中で続け、トリクワット(Triquat)モノマーを生成する。こうして合成されるトリクワットは、クロロアセテートとDMAPAのわずかな過剰使用に起因する不純物として、少量のマルチプルクワット(multiple quats)を含有すると思われる。マルチプルクワットは、重合のための、及び、トリクワットを使用するための懸念ではない。非常に純粋なトリクワット又はマルチプルクワットが必要であるならば、過剰な量のクロロアセテートとDMAPAを、真空下で除去できる。
【0053】
洗浄性界面活性剤
パーソナルケア組成物は、洗浄性界面活性剤系を含む。洗浄性界面活性剤系は、組成物に洗浄性能を提供するために包含される。洗浄性界面活性剤系は、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤と、任意に両性界面活性剤、双極性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、又はこれらの混合物を含む。こうした界面活性剤は、本明細書に記載の必須構成成分と物理的及び化学的に適合すべきであり、さもなければ過度に製品の安定性、審美性、又は性能を損なうべきではない。
【0054】
本明細書のパーソナルケア組成物中に用いるのに好適なアニオン性界面活性剤構成成分としては、毛髪ケア又は他のパーソナルケア組成物中への使用に既知のものが挙げられる。パーソナルケア組成物中のアニオン性界面活性剤系の濃度は、所望の洗浄及び起泡性能を提供するのに十分であるべきであり、一般に、組成物の約5重量%〜約50重量%、好ましくは約8重量%〜約30重量%、より好ましくは約10重量%〜約25重量%の範囲である。
【0055】
コアセルベート形式、湿潤コンディショニング性能、乾燥コンディショニング性能、及び毛髪上へのコンディショニング剤の付着のようなパーソナルケア組成物の性能特性を考察する際に、ポリマー系の潜在性能を最大化するために、界面活性剤の量及び種類を最適化することが望ましい。一実施形態では、パーソナルケア組成物に用いるアニオン性界面活性剤系は、エトキシレートレベル及びアニオンレベルを有し、このエトキシレートレベルは約1〜約10、アニオンレベルは約1〜約10である。こうしたアニオン性界面活性剤系と合成コポリマーとの組合せは、洗浄又は起泡性能を低減せずに、毛髪及び/又は皮膚上へのコンディショニング剤の付着を強化する。
【0056】
最適なエトキシレートレベルは、界面活性剤構造の化学量論に基づいて計算され、従ってエトキシレートのモル数が既知である界面活性剤の特定分子量に基づく。同様に、界面活性剤の具体的な分子量及びアニオン化反応の完了測定値が与えられると、アニオンレベルを計算することができる。界面活性剤系内のエトキシル化又はアニオン化を測定するために分析技術が開発されてきた。特定の界面活性剤系のエトキシレートレベル及びアニオンレベル表示は、次の方法で個々の界面活性剤のエトキシル化パーセント及びアニオン化パーセントから計算される。
【0057】
組成物のエトキシレートレベル=エトキシル化パーセント×活性エトキシル化界面活性剤のパーセント(組成物の総重量に基づく)。
【0058】
組成物のアニオンレベル=エトキシル化界面活性剤のアニオンパーセント×活性エトキシル化界面活性剤のパーセント(組成物の総重量に基づく)+非エトキシル化界面活性剤のアニオンパーセント×活性な非エトキシル化界面活性剤のパーセント(組成物の総重量に基づく)。
【0059】
組成物がそれぞれ異なるアニオンを有する2以上の界面活性剤を含む場合(例えば、界面活性剤Aがサルフェート基を有し、界面活性剤Bがスルホネート基を有する場合)、組成物のアニオンレベルは上記のように計算した各アニオンのモル量の合計である。
【0060】
試料計算:
実施例Iは、0.294321%のエトキシレート及び0.188307%のスルフェートをアニオンとして含有するエトキシ化界面活性剤、並びに0.266845%のスルフェートをアニオンとして含有する非エトキシレート化界面活性剤を示す。
【0061】
実施例1のエトキシレートレベル=0.294321×6(活性エトキシレート化界面活性剤%)。従って、実施例Iの組成物のエトキシレートのレベルは、およそ1.77である。
【0062】
実施例Iのアニオンのレベル=0.188307×6(活性エトキシレート化界面活性剤%)+0.266845×10(活性非エトキシレート化界面活性剤%)。従って、実施例Iの組成物のアニオンのレベルは、およそ3.80である。
【0063】
一実施形態では、洗浄性界面活性剤系は、サルフェート、スルホネート、スルホサクシネート、イセチオネート、カルボキシレート、ホスフェート、及びホスホネートから成る群から選択されるアニオンを含む、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤を含む。アニオンは、サルフェートであることが好ましい。
【0064】
パーソナルケア組成物に用いるアニオン性界面活性剤の例としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0065】
前記のサルフェート、イセチオネート、スルホネート、スルホサクシネートに加えて、アニオン性界面活性剤のその他の潜在的なアニオンとしては、ホスホネート、ホスフェート、及びカルボキシレートが挙げられる。
【0066】
パーソナルケア組成物は、更に両性界面活性剤、双極性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤から成る群から選択される1つ以上の追加の界面活性剤を含んでもよい。本明細書のパーソナルケア組成物に用いるのに好適な両性、双極性、カチオン性、又は非イオン性界面活性剤としては、毛髪ケア組成物又は他のパーソナルケア組成物に用いるのに既知のものが挙げられる。こうした界面活性剤の濃度は、好ましくは組成物の約0.5重量%〜約20重量%、好ましくは約1重量%〜約10重量%の範囲である。好適な界面活性剤の非限定的な実施例は、米国特許第5,104,646号、及び同第5,106,609号(共にボリッチ(Bolich),Jrら)に記載されている。
【0067】
水性キャリア
パーソナルケア組成物は、水性キャリアを包含する。キャリアの量と種は、他の構成成分との適合性及び製品の他の所望の特性により選択される。
【0068】
本発明において有用なキャリアとしては、水、及び低級アルキルアルコールの水溶液が挙げられる。本明細書において有用な低級アルキルアルコールは、1〜6個の炭素を有する一価アルコールであり、より好ましくはエタノール及びイソプロパノールである。
【0069】
追加のカチオン性ポリマー
特定の消費者群に対するすすぎの感触を調節するために、一実施形態では、合成コポリマーと、カチオン性セルロース、カチオン性グアー、カチオン性デンプン、又は更に他のカチオン性合成ポリマーのような他の伝統的なポリマーとのブレンドを含む。
【0070】
セルロース又はグアーカチオン沈着ポリマー
またパーソナルケア組成物は、セルロース又はグアーカチオン沈着ポリマーも含んでよい。一般に、こうしたセルロース又はグアーカチオン沈着ポリマーは、組成物の約0.05〜約5重量%の濃度で存在してもよい。好適なセルロース又はグアーカチオン沈着ポリマーの分子量は、約5,000超である。更に、こうしたセルロース又はグアー沈着ポリマーの電荷密度は、パーソナルケア組成物の目的の用途のpH下において約0.5〜約4.0meq/gであり、前記pHは一般にpH約3〜pH約9、好ましくはpH約4〜pH約8である。組成物のpHは、希釈せず測定される。
【0071】
本発明の一実施形態では、セルロース又はグアーカチオン沈着ポリマーは、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの塩であり、当業界(CTFA)ではポリクアテルニウム10と呼ばれており、アマコール社(Amerchol Corp.)(米国、ニュージャージー州エジソン)から入手可能である。
【0072】
カチオン性沈着ポリマー
本発明の合成カチオン性コポリマーに加えて、本明細書のパーソナルケア組成物は、追加の合成カチオン沈着ポリマーも含んでよい。一般に、このような合成カチオン沈着ポリマーは、組成物の約0.025〜約5重量%の濃度で存在してもよい。このような合成カチオン沈着ポリマーの分子量は、約1,000〜約5,000,000である。更に、このような合成カチオン沈着ポリマーの電荷密度は約0.5〜約10meq/gである。
【0073】
好適な合成カチオン沈着ポリマーとしては、(i)1つ以上のカチオン性モノマー単位、及び(ii)1つ以上の非イオン性モノマー単位又は末端に負電荷を有するモノマー単位を含む水溶性又は分散性のカチオン性非架橋コンディショニングコポリマーが挙げられ、前記コポリマーは正味の正電荷、約0.5〜約10meq/gのカチオン電荷密度、及び約1,000〜約5,000,000の平均分子量を有する。
【0074】
好適な合成カチオン沈着ポリマーの非限定的な例は、米国特許出願公開US2003/0223951A1号(ゲアリー(Geary)ら)に記載されている。
【0075】
カチオン変性デンプンポリマー
本発明の合成カチオン性コポリマーに加えて、本明細書のパーソナルケア組成物は、追加の水溶性カチオン変性デンプンポリマーも含んでよい。本明細書で使用するとき、「カチオン変性デンプン」という用語は、より小さな分子量に分解される前にカチオン性基が付加されたデンプン、又は望ましい分子量に加工された後でカチオン性基が付加されたデンプンを意味する。「カチオン変性デンプン」という用語の定義には、両性変性デンプンも含まれる。用語「両性変性デンプン」とは、カチオン性基及びアニオン性基が付加されたデンプン加水分解産物を意味する。
【0076】
一実施形態では、パーソナルケア組成物は、カチオン変性デンプンポリマーを組成物の約0.01〜約10重量%、より好ましくは約0.05〜約5重量%含む。
【0077】
一実施形態では、パーソナルケア組成物は、電荷密度が約0.7〜約7meq/gのカチオン変性デンプンポリマーを包含する。このような電荷密度を得るための化学修飾としては、デンプン分子へのアミノ基及び/又はアンモニウム基の付加が挙げられるが、これらに限定されない。
【0078】
好適なカチオン変性デンプンポリマーの非限定的な実施例は、米国公開特許出願10/758656(ぺフリー(Peffly)ら)に記載される。
【0079】
油性コンディショニング剤
好ましい実施形態では、パーソナルケア組成物は、1つ以上の油性コンディショニング剤を含む。油性コンディショニング剤としては、毛髪及び/又は皮膚に特定のコンディショニング利益を与えるために使用される物質が挙げられる。毛髪トリートメント組成物において、好適なコンディショニング剤は、光沢、柔軟性、櫛通りの良さ、静電気防止特性、濡れた時の扱い、損傷、扱い易さ、ボリューム、及び脂っぽさに関連する利益を1つ以上もたらすものである。パーソナルケア組成物に有用な油性コンディショニング剤は、典型的には、乳化液体粒子を形成する非水溶性の水分散性不揮発性液体を含む。本組成物に用いるのに好適な油性コンディショニング剤は、一般にシリコーン(例えば、シリコーンオイル、カチオン性シリコーン、シリコーンガム、高屈折率のシリコーン、及びシリコーン樹脂)、有機コンディショニングオイル(例えば、炭化水素油、ポリオレフィン、及び脂肪酸エステル)、又はこれらの組合せとして特徴付けられるコンディショニング剤、あるいは本明細書の水性界面活性剤マトリックスに液体の分散粒子を形成するコンディショニング剤である。
【0080】
1つ以上の油性コンディショニング剤は、典型的に、組成物の約0.01重量%〜約10重量%、好ましくは約0.1重量%〜約8重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約4重量%の濃度で存在する。
【0081】
好ましい実施形態では、油性コンディショニング剤と合成カチオン性ポリマーとの比は、少なくとも約2:1である。
【0082】
好適なシリコーンコンディショニング剤、及びシリコーンのための任意の懸濁剤の非限定的な実施例は、米国再発行特許第34,584号、米国特許第5,104,646号、及び米国特許第5,106,609号に記載されている。パーソナルケア組成物において使用されるシリコーンコンディショニング剤は、25℃で測定して、好ましくは約0.00002〜約2m2/s(約20〜2,000,000センチストークス(「cks」))、より好ましくは約0.001〜約1.8m2/s(1,000〜約1,800,000csk)、更により好ましくは約0.005〜約1.5m2/s(約5,000〜約1,500,000csk)、より好ましくは約0.01〜約1m2/s(約10,000〜約1,000,000csk)の粘度を有する。
【0083】
一実施形態では、パーソナルケア組成物は不透明である。パーソナルケア組成物は、パーソナルケア組成物中で測定して粒径約1μm〜約50μmを有する不揮発性シリコーンオイルを含む。小さい粒子シリコーンを毛髪に適用する実施形態では、パーソナルケア組成物は、パーソナルケア組成物中で測定して粒径約100nm〜約1μmを有する不揮発性シリコーンオイルを含む。実質的に透明な組成物の実施形態は、パーソナルケア組成物中で測定して粒径約100nm未満を有する不揮発性シリコーンオイルを含む。
【0084】
組成物の透明性は、紫外/可視(UV/VIS)分光測光法を使用して測定され、これは、試料によるUV/VIS光の吸収又は透過を測定する。600nmの光波長は、化粧料組成物の透明度の程度を特徴付けるために適切である。典型的に、使用される特定の分光光度計に関連する特定の指示に従うことが最良である。一般に、透過性%を測定するための手順は、分光光度計を600nmに設定することにより始まる。その後、100%の透過性に読み出しを較正するために、較正「ブランク」を実行する。その後、試験試料を、特定の分光光度計に合うように設計されたキュベットに設置し、透過性%を、600nmにて分光光度計で測定する。
【0085】
本組成物において使用するのに適した不揮発性シリコーンオイルは、有機変性シリコーン及びフッ素変性シリコーンから選択されてよい。一実施形態では、不揮発性シリコーンオイルは、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシル基、アミン基、四級基、カルボキシル基、脂肪酸基、エーテル基、エステル基、メルカプト基、スルフェート基、スルホネート基、ホスフェート基、プロピレンオキシド基、及びエチレンオキシド基から成る群から選択される有機基を含む有機変性シリコーンである。
【0086】
好ましい実施形態では、不揮発性シリコーンオイルはジメチコンである。
【0087】
シリコーン流体、ゴム、及び樹脂、並びにシリコーンの製造について議論した章を包含するシリコーンの背景資料は、ポリマー科学及び工業百科事典(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)、15巻、2版、204〜308頁、ジョン・ワイリー&サンズ社(John Wiley & Sons, Inc.)(1989)に見られる。
【0088】
パーソナルケア組成物において使用するのに適したシリコーン流体は、米国特許第2,826,551号、米国特許第3,964,500号、米国特許第4,364,837号、イギリス特許第849,433号、及びケイ化合物(ペトラルク・システムズ社(Petrarch Systems, Inc.)(1984))に開示される。
【0089】
追加の構成成分
パーソナルケア組成物は、追加の構成成分が本明細書に記載の必須構成成分と物理的及び化学的に適合性があるか、あるいは製品安定性、審美性又は性能を過度に損なわないならば、毛髪ケア又はパーソナルケア製品において使用することが知られている1つ以上の追加のその構成成分を更に含んでよい。こうした追加の構成成分の個々の濃度は、パーソナルケア組成物の約0.001重量%〜約10重量%の範囲であってよい。
【0090】
組成物中に使用するための追加の構成成分の非限定的な実施例としては、天然カチオン沈着ポリマー、合成カチオン沈着ポリマー、抗ふけ剤、粒子、懸濁剤、パラフィン系炭化水素、噴射剤、粘度変性剤、染料、不揮発性溶媒又は希釈剤(水溶性及び非水溶性)、真珠光沢助剤、起泡増進剤、追加の界面活性剤又は非イオン性共界面活性剤、抗シラミ剤(pediculocides)、pH調整剤、香料、防腐剤、キレート剤、タンパク質、皮膚活性剤、日焼け止め剤、UV吸収剤、及びビタミンが挙げられる。
【0091】
一価又は二価の塩
パーソナルケア組成物は、一価又は二価の塩を更に含んでよく、これは、コアセルベート形成を補助するためのエントロピー源として機能する。塩は、ポリマーと界面活性剤をよりよく接触させ、これによりコアセルベートの形成が増加する。本明細書で使用するとき、用語「コアセルベート反応開始剤」とは、アニオン性洗浄性界面活性剤構成成分界面活性剤系及び合成カチオン性ポリマーを含む組成物と組み合わせると、コアセルベートの形成を引き起こすことができる塩を意味する。
【0092】
界面活性剤塩自体は、本塩の定義に包含されないが、他の塩は包含される。好適な塩は、塩化物、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、クエン酸塩及びハロゲン化物を含む。こうした塩の対イオンはナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウム、亜鉛又は他の一価の及び二価のカチオンであることができるが、これらに限定されない。本発明の組成物において使用するのに好ましい塩としては、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、クエン酸ナトリウム、塩化マグネシウム、及び硫酸マグネシウムが挙げられる。これらの塩は、コアセルベート反応開始剤としてのそれらの役割に加えて、増粘助剤又は緩衝助剤として使用されてもよいことが理解される。塩及び/又は任意の界面活性剤を含むコアセルベート反応開始剤の量は、界面活性剤及びポリマーの種類により変化するであろうが、好ましくは約0.01%〜約5%、より好ましくは約0.05%〜約3.5%、更により好ましくは約0.1%〜約2%の量で存在する。
【0093】
泡体積の測定方法
本明細書に開示されるパーソナルケア組成物の泡を生成する可能性は、SITAメステクニック社(Messtechnik GmbH)(ドイツ)により製造されたSITA泡試験機(モデル:R−2000)により、測定される。SITA泡試験機R−2000は、規定の形状の特許を受けたローターを泡生成のために利用する。ローターは、液体に空気泡を機械的に挿入する。泡体積は、泡表面を走査する一連のセンサー針により測定される。一連のセンサー針を使用すると、平坦でない泡表面でさえ泡体積を正確に測定できる。出力は、1測定当たりの泡高の平均ミリメートルとして与えられる。泡高測定は、10秒ごとに行う。攪拌カウントと攪拌時間は、SITAプログラムにおける入力を参照する。SITAプログラムは、10秒間攪拌した後、測定を行い、次に再び10秒間攪拌し、測定を行う−これを全部で12回行う(別個の10秒間隔で12回攪拌する)。本明細書で使用するとき、攪拌カウントは、1試験における攪拌間隔の総数を意味する。40秒間の測定、第四の総測定は、消費者の使用経験に特に関連することが見出された。40秒間の測定において、少なくとも約50ミリメートルの泡高は、特に望ましく、少なくとも約100ミリメートルの泡高は、更により好ましい。これらの値を測定するために、標準製造者方法においては、以下の要件で装置の操作が続く:
【0094】
【表1】

【0095】
【表2】

【0096】
上の材料は、SITAユニットに供給する前にプレミックスされてよく、あるいは、水を計量して入れ、試験製品及び汚れを、容器の上部から又は注入ポートを通して、SITA容器に注入してよい。
【0097】
製造方法
パーソナルケア組成物は、室温又は高温(例えば約72℃)のいずれかにおいて、成分を共に混合することにより製造されてよい。固体成分が組成物中に組み込まれる場合のみ熱を使用する必要がある。成分は、バッチ加工温度で混合される。電解質、ポリマー、芳香剤、及び粒子を包含する追加成分を、室温で製品に添加してよい。
【0098】
非限定的な実施例
以下の実施例に示される組成物は、本発明の組成物の具体的な実施形態を説明したものであるが、これらに限定されることを意図しない。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者は、他の修正を実行することができる。これらの例示した本発明の組成物の実施形態は、コンディショニング剤の毛髪及び/又は皮膚への付着を増大させる。
【0099】
次の実施例で説明される組成物は、従来の処方及び混合方法によって調製されるが、その例は上に記載してある。特に規定のない限り、例示した全ての量は、重量パーセントで列記され、希釈剤、防腐剤、着色剤溶液、イメージ成分、植物等のような微量物質は除外する。
【0100】
以下は、本発明のパーソナルケア組成物の代表例である:
【0101】
【表3】

1 アクリルアミド(AM)とトリクワットのコポリマー、MW=1,000,000;CD=1.6meq/グラム;AM:トリクワット比=5
2 アクリルアミド(AM)とトリクワットのコポリマー、MW=400,000;CD=1.6meq/グラム;AM:トリクワット比=50
3 ラウレス硫酸ナトリウム、供給元:P&G
4 ラウリル硫酸ナトリウム、供給元:P&G
5 ラウレス硫酸アンモニウム、供給元:P&G
6 ラウリル硫酸アンモニウム、供給元:P&G
7 テゴベタイン(Tegobetaine)F−B、供給元:ゴールドシュミット・ケミカルズ(Goldschmidt Chemicals)
8 プロミジウム(Promidium)2、供給元:ユニケマ(Unichema)
9 塩化ナトリウムUSP(食品等級)、供給元:モートン(Morton)
10 キシレンスルホン酸ナトリウム、供給元:ステパン(Stepan)
【0102】
【表4】

1 アクリルアミド(AM)とトリクワットのコポリマー、MW=1,000,000;CD=1.6meq/グラム;AM:トリクワット比=5
2 アクリルアミド(AM)とトリクワットのコポリマー、MW=400,000;CD=1.6meq/グラム;AM:トリクワット比=50
3 ラウレス硫酸ナトリウム、供給元:P&G
4 ラウリル硫酸ナトリウム、供給元:P&G
5 ダウ・コーニングシリコーンマイクロエマルションDC2−1870;内部相粘度=72,000;主要界面活性剤としてTEAドデシルベンゼンスルホネート及びラウレス23を使用する粒径30nmのジメチコノール
6 ダウ・コーニングDC2−1865;内部相粘度=25Pa.s(25,000cps);主要界面活性剤としてTEAドデシルベンゼンスルホネート及びラウレス23を使用する粒径25nmのジメチコノール
7 ミラノールC2Mコンク(Conc)NP、供給元:ローディア(Rhodia)
8 テゴベタイン(Tegobetaine)F−B、供給元:ゴールドシュミット・ケミカルズ(Goldschmidt Chemicals)
9 プロミジウム(Promidium)2、供給元:ユニケマ(Unichema)
10 モナミド(Monamid)CMA、供給元:ゴールドシュミット・ケミカルズ(Goldschmidt Chemicals)
11 塩化ナトリウムUSP(食品等級)、供給元:モートン(Morton)
【0103】
【表5】

1 アクリルアミド(AM)とトリクワットのコポリマー、MW=1,000,000;CD1.6meq/グラム;AM:トリクワット比=5
2 アクリルアミド(AM)とトリクワットのコポリマー、MW=400,000;CD1.6meq/グラム;AM:トリクワット比=50
3 ラウレス硫酸ナトリウム、供給元:P&G
4 ラウリル硫酸ナトリウム、供給元:P&G
5 ラウレス硫酸アンモニウム、供給元:P&G
6 ラウリル硫酸アンモニウム、供給元:P&G
7 ダウ・コーニングジメチコンエマルションDC−1664;粒径3ミクロン
8 ミラノールC2Mコンク(Conc)NP、供給元:ローディア(Rhodia)
9 テゴベタイン(Tegobetaine)F−B、供給元:ゴールドシュミット・ケミカルズ(Goldschmidt Chemicals)
10 プロミジウム(Promidium)2、供給元:ユニケマ(Unichema)
11 エチレングリコールジステアレート、EGDSピュア(Pure)、供給元:ゴールドシュミット・ケミカルズ(Goldschmidt Chemicals)
12 塩化ナトリウムUSP(食品等級)、供給元:モートン(Morton)
【0104】
【表6】

1 アクリルアミド(AM)とトリクワットのコポリマー、MW=1,000,000;CD=1.6meq/グラム;AM:トリクワット比=5
2 アクリルアミド(AM)とトリクワットのコポリマー、MW=400,000;CD=1.6meq/グラム;AM:トリクワット比=50
3 ラウレス硫酸ナトリウム、供給元:P&G
4 ラウリル硫酸ナトリウム、供給元:P&G
5 ラウレス硫酸アンモニウム、供給元:P&G
6 ラウリル硫酸アンモニウム、供給元:P&G
7 ジメチコン流体、ビスカシル330M;粒径30ミクロン;供給元:ゼネラル・エレクトリック・シリコーンズ(General Electric Silicones)
8 テゴベタイン(Tegobetaine)F−B、供給元:ゴールドシュミット・ケミカルズ(Goldschmidt Chemicals)
9 モナミド(Monamid)CMA、供給元:ゴールドシュミット・ケミカルズ(Goldschmidt Chemicals)
10 エチレングリコールジステアレート、EGDSピュア(Pure)、供給元:ゴールドシュミット・ケミカルズ(Goldschmidt Chemicals)
11 塩化ナトリウムUSP(食品等級)、供給元:モートン(Morton)
【0105】
【表7】

1 アクリルアミド(AM)とトリクワットのコポリマー、MW=1,000,000;CD=1.6meq/グラム;AM:トリクワット比=5
2 アクリルアミド(AM)とトリクワットのコポリマー、MW=400,000;CD=1.6meq/グラム;AM:トリクワット比=50
3 ポリクオタニウム(Polyquaterium)10ポリマー、MW=2.0MM、電荷密度=0.7
4 ユーケアポリマー(UCare Polymer)JR30M、MW=2.0MM、電荷密度=1.32meq/g、供給元:ダウ・ケミカルズ(Dow Chemicals)
5 ユーケアポリマー(UCare Polymer)KG30M、MW=2.0MM、電荷密度=1.96meq/g、供給元:ダウ・ケミカルズ(Dow Chemicals)
6 ジャガーエクセル(Jaguar Excel)、供給元:ローディア(Rhodia)
7 ラウレス硫酸ナトリウム、供給元:P&G
8 ラウリル硫酸ナトリウム、供給元:P&G
9 ダウ・コーニングシリコーンマイクロエマルションDC2−1870;内部相粘度=72,000;主要界面活性剤としてTEAドデシルベンゼンスルホネート及びラウレス23を使用する粒径30nmのジメチコノール
10 ダウ・コーニングDC2−1865バッチ番号19238−8;内部相粘度=25Pa.s(25,000cps);主要界面活性剤としてTEAドデシルベンゼンスルホネート及びラウレス23を使用する粒径25nmのジメチコノール
11 テゴベタイン(Tegobetaine)F−B、供給元:ゴールドシュミット・ケミカルズ(Goldschmidt Chemicals)
12 プロミジウム(Promidium)2、供給元:ユニケマ(Unichema)
13 塩化ナトリウムUSP(食品等級)、供給元:モートン(Morton)
【0106】
【表8】

1 アクリルアミド(AM)とトリクワットのコポリマー、MW=400,000;CD=1.6meq/グラム;AM:トリクワット比=50
2 ラウレス硫酸ナトリウム、供給元:P&G
3 ラウリル硫酸ナトリウム、供給元:P&G
4 アミノシリコーン;供給元ゼネラル・エレクトリック;末端アミノプロピル置換、粘度350,000、D1600、M’=2、粒径3μm
5 DC2−8194アミノシリコーン;供給元ダウ・コーニング、粒径約30nm
6 クロモリエント(Cromollient)SCE、供給元クローダ
7 ジンクピリチオン、供給元:アーク・ケミカルズ(Arch Chemicals)
8 テゴベタイン(Tegobetaine)F−B、供給元:ゴールドシュミット・ケミカルズ(Goldschmidt Chemicals)
9 シペルマット(Sipernat)22LS、供給元:デグサ(Degussa)
10 MSS−500/H、供給元:ゼネラル・エレクトリック・シリコーンズ(General Electric Silicones)
11 MSS−500/N、供給元:ゼネラル・エレクトリック・シリコーンズ(General Electric Silicones)
12 シロイド(Syloid)244FPシリカ、供給元:グレース・ダビソン(Grace Davison)
13 トスパール(Tospearl)240、供給元:ゼネラル・エレクトリック・シリコーンズ(General Electric Silicones)
14 トスパール(Tospearl)3120、供給元:ゼネラル・エレクトリック・シリコーンズ(General Electric Silicones)
15 プロミジウム(Promidium)2、供給元:ユニケマ(Unichema)
16 エチレングリコールジステアレート、EGDSピュア(Pure)、供給元:ゴールドシュミット・ケミカル(Goldschmidt Chemical)
17 塩化ナトリウムUSP(食品等級)、供給元モートン(Morton)
【0107】
本明細書において開示される寸法及び値は、列挙される正確な数値に厳しく限定されるように理解されるべきでない。それよりもむしろ、特に明記しない限り、こうした各寸法は、列挙された値、及びその値周辺の機能的に同等な範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」と開示される寸法は、平均「約40mm」を意図する。
【0108】
本明細書において引用される全ての文献は、関連部分において、参照として本明細書に組み込まれる:あらゆる文献の引用は、それが本発明に関する先行技術であることの承認として解釈されるべきでない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み入れられた文献におけるその用語のいずれかの意味又は定義と対立する場合は、この文書における用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0109】
本発明の特定の実施形態を例示し記載してきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)以下を含む正味の正電荷を有する合成ランダムコポリマーと、
i.)下式の非イオン性モノマー単位:
【化1】

(式中、RはH又はC1〜4アルキルであり;R1及びR2は、独立して、H、C1〜4アルキル、CH2OCH3、CH2OCH2CH(CH32、及びフェニルから成る群から選択されるか、あるいは、共にC3〜6シクロアルキルである)、及び
ii.)下式の2以上の正電荷を持つカチオン性モノマー単位:
【化2】

(式中、k=1であり、v、v’、及びv”は、それぞれ独立して、1〜6の整数であり、wは0又は1〜10の整数であり、X-はアニオンである)
b)洗浄性界面活性剤と、
c)水性キャリアと
を含むパーソナルケア組成物。
【請求項2】
前記非イオン性モノマー単位のR、R1、及びR2がHであり、更に前記カチオン性モノマー単位において、v=0及びw=1である、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項3】
前記洗浄性界面活性剤が、エトキシレートレベル及びアニオンレベルを有する少なくとも1つのアニオン性界面活性剤を含む、請求項1又は2に記載のパーソナルケア組成物:
a)ここで前記エトキシレートレベルは、約1〜約10であり、且つ
b)ここで前記アニオンレベルは、約1〜約10である。
【請求項4】
前記洗浄性界面活性剤が、スルフェート、スルホネート、スルホサクシネート、イセチオネート、カルボキシレート、ホスフェート、ホスホネート、両性界面活性剤、双極性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項5】
40秒測定における泡体積が約50ml〜約500mlである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項6】
前記合成ランダムコポリマーが、前記パーソナルケア組成物の約0.01重量%〜約5重量%の量で存在する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項7】
前記合成ランダムコポリマーが、少なくとも約2meq/A〜約500meq/Aの線電荷密度を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項8】
カチオン性グアー、カチオン性セルロースポリマー、又はカチオン変性デンプンポリマーを更に含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項9】
少なくとも1つの追加のコンディショニング剤を更に含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項10】
前記追加のコンディショニング剤が、シリコーンコンディショニング剤、炭化水素油、ポリオレフィン、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項9に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項11】
前記シリコーンコンディショニング剤が約50μm以下の粒径を有する、請求項10に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項12】
抗ふけ剤、粒子、不透明化剤、懸濁剤、パラフィン系炭化水素、噴射剤、及び一価又は二価の塩から成る群から選択される1つ以上の追加の構成成分を更に含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。

【公表番号】特表2009−522247(P2009−522247A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−548061(P2008−548061)
【出願日】平成19年1月9日(2007.1.9)
【国際出願番号】PCT/IB2007/050061
【国際公開番号】WO2007/080538
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】