説明

カバー体の取付構造

【課題】指1本で簡単に取り付けることができ、作業性に優れ、かつ組付完了したか否かを簡単に確認できるカバー体の取付構造を提供する。
【解決手段】カバー体10の取付座12にクッションゴム20を取り付け、このクッションゴムをパワーユニット1のピン2に押し込む。クッションゴム20に縮径部21bと拡径部21cとを有する貫通孔21を形成し、クッションゴムの上端面に拡径部に嵌合したピンの頭部の頂部が露出する開口部21dを形成する。クッションゴムの上端面から縮径部の上端までの軸方向長さLは、ピンの頭部の軸方向長さL以下で、かつ頭部の頂部から最大径部までの長さLより長いので、作業者が指でクッションゴムを押し込んだ時、節度感と共に指先に頭部が触れることで、組付完了を確実に判断できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカバー体の取付構造、例えばエンジンや変速機などの車両用パワーユニットの外表面に取り付けられ、防音カバーや保護カバー等として用いられるカバー体の取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のエンジンルーム内には、エンジンや変速機などのパワーユニットから発生する騒音を遮蔽するために、パワーユニットの外表面に板金製や樹脂製の防音カバーが取り付けられている。防音カバーの遮音性を高めるため、一般にはその内側面にポリウレタンフォームなどからなる遮音材や吸音材が貼り付けられている。
【0003】
防音カバーは金属や樹脂などの硬質材料で形成されているため、パワーユニットから振動が伝達されると、防音カバー自体が振動して騒音源となる可能性がある。そのため、従来では防音カバーに袋状のクッションゴムを嵌着し、クッションゴムの中心孔をパワーユニットから突設された先端球状ピンに圧入することで、防音カバーをクッションゴムを介してパワーユニットに取り付けている。
【0004】
図7の(a)は従来の取付構造の一例を示す。パワーユニット30には、球形の頭部31aを持つピン31が固定されている。防音カバー40には、鍵孔状の取付孔41が形成され、この取付孔41に袋状のクッションゴム42が嵌着されている。クッションゴム42には下方へ開口した孔43が形成され、この孔43は下端にテーパ部43aを有し、中央部に縮径部43bを有し、上端に頭部31aが嵌合する拡径部43cを有している。拡径部43cの頂部には上壁部43dが形成され、この上壁部43dに外部と連通する小さな通気孔43eが形成されている。
【0005】
図7の(b)はクッションゴム42をピン31に押し込んだ状態を示す。防音カバー40の内側面には図示しない吸音材が設けられており、この吸音材がパワーユニット30の外表面に圧接するので、取付状態の防音カバー40にはパワーユニット30から離れる方向の力が作用している。そのため、クッションゴム42の縮径部43bがピン31の頭部31aの下縁側に当接して抜け止めされている。
【0006】
組付時において作業者は指でクッションゴム42をピン31に対して押し込むが、クッションゴム42の硬度が高いと、頭部31aが縮径部43bを乗り越え難くなるので、大きな押し込み力を必要とする。一方、クッションゴム42の硬度を低くして挿入荷重を低減させると、押し込みは簡単になるが、組付完了時の節度感が低下し、組付完了の判断が難しくなる。
【0007】
特許文献1には、エンジン等に用いられる防音カバーであって、エンジン等の騒音源に、頭部と首部とからなる突起を設け、この突起を弾性変形可能な遮音層に形成した取付孔に嵌合させる構造の防音カバーが提案されている。突起の頭部は取付孔を貫通して防音カバーの外面へ突出している。
【0008】
特許文献2には、エンジンの防音カバーであって、エンジン側に球状の頭部を持つ突起部を突設し、防音カバーの内側に連通孔を有する袋状のゴム製キャップを取り付け、このキャップの内部に突起部の頭部を嵌入するものが開示されている。
【0009】
特許文献1(特に図1〜図3)では、防音カバーの取付孔は単なる貫通孔であり、突起の頭部が防音カバーの取付孔から完全に突出する構造であるため、防音カバーを指で押圧する際、頭部が邪魔になって指1本で最後まで押し込むことができない。パワーユニットの防音カバーや保護カバーは、狭いスペースで取付作業を行わねばならない場合があり、指1本で押し込めない構造では作業性が悪い。
【0010】
特許文献2では、図7に示した構造と同様に、突起の球状頭部が袋状キャップ内に隠れているので、作業者は節度感だけでしか組付完了したかどうかを確認できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2004−198801号公報
【特許文献2】特開2005−290996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、指1本で簡単に取り付けることができ、作業性に優れ、かつ組付完了したか否かを簡単に確認できるカバー体の取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するため、本発明は、カバー体に取付座が設けられ、前記取付座には貫通孔を有するクッションゴムが装着されており、車両のパワーユニットの前記クッションゴムと対応した位置には、球形の頭部と当該頭部より直径の小さい軸部とを有するピンが突設されており、前記クッションゴムの貫通孔を前記ピンに嵌入することにより、前記カバー体を前記パワーユニットに取り付けてなるカバー体の取付構造において、前記クッションゴムの貫通孔は、前記軸部が嵌合する縮径部と、当該縮径部の上側に前記ピンの頭部が嵌合する拡径部とを有し、前記クッションゴムの上端面には、前記拡径部に嵌合したピンの頭部の頂部が露出する開口部が形成され、前記クッションゴムの上端面から縮径部の上端までの軸方向長さLは、前記ピンの頭部の軸方向長さL以下で、かつ前記頭部の頂部から最大径部までの長さLより長いことを特徴とする、カバー体の取付構造を提供する。
【0014】
組付に当たって、クッションゴムを装着したカバー体をパワーユニットの上に配置し、クッションゴムの上端面をパワーユニットのピンに押し込む。クッションゴムの縮径部はピンの頭部より小径であるため、クッションゴムは押し広げられながら圧入される。頭部が縮径部を乗り越える時、節度感が発生し、頭部は拡径部に嵌合する。クッションゴムの上端面から縮径部の上端までの軸方向長さLは頭部の軸方向長さL以下であるから、頭部が拡径部に嵌合した段階で頭部の頂部がクッションゴムの上端面から露出する。そのため、作業者が指でクッションゴムを押し込んだ時、節度感と共に指先に頭部が触れることで、組付完了を確実に判断できる。また、軸方向長さLは頭部の頂部から最大径部までの長さLより長いので、縮径部が頭部の最大径部を確実に乗り越えることができ、しかも拡径部が頭部に嵌合した段階で頭部が開口部から大きく突出することがなく、クッションゴムを指1本で押し込む際に頭部が邪魔にならない。さらに、組付状態でピンの頭部はクッションゴムの開口部から露出するので、組付状態の合否を外観目視で確認することができる。
【0015】
カバー体の内側面には、パワーユニットの表面に圧接する遮音材が設けられており、遮音材の反発力により、クッションゴムがピンに対して持ち上げられて縮径部がピンの頭部の下縁部に係止されており、この状態でピンの頭部はクッションゴムの開口部から露出しているのが望ましい。すなわち、カバー体の内側面に取り付けられる遮音材の反発力を利用して、クッションゴムの縮径部をピンの頭部の下縁部に係止するので、カバー体をピンに対して安定して保持できる。
【0016】
ピンの軸部の下部に、クッションゴムの拡径部がピンの頭部に嵌合した段階でクッションゴムの下面が当接するストッパ部を形成してもよい。クッションゴムをピンに押し込んだ時、クッションゴムが必要以上に深く押し込まれると、指にピンの頭部が強く当たって不快感を生じる可能性がある。そこで、ピンの軸部の下部にストッパ部を設けることで、クッションゴムの押し込み量を制限し、不快感を解消できる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明によれば、クッションゴムの上端面にピンの頭部の頂部が露出する開口部を形成し、クッションゴムの上端面から縮径部の上端までの軸方向長さLを頭部の軸方向長さL以下で、頭部の頂部から最大径部までの長さLより長くしたので、作業者が指でクッションゴムを押し込んだ時、節度感と共に指先に頭部が触れることで、組付完了を確実に判断できる。また、頭部が開口部から大きく突出することがないので、違和感なくクッションゴムを指1本で押し込むことができる。組付状態でピンの頭部はクッションゴムの開口部から露出するため、組付状態の合否を外観目視で確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係るカバー体の一例の平面図である。
【図2】図1に示すカバー体の底面図である。
【図3】図1に示すカバー体の1つの取付座のA−A断面図である。
【図4】図1に示すカバー体の他の1つの取付座のB−B断面図である。
【図5】図1に示すカバー体に装着したクッションゴムのピンへの挿入前及び挿入後の断面図である。
【図6】本発明に係るピンの第2実施例の構造を示す図である。
【図7】従来のカバー体に装着したクッションゴムのピンへの挿入前及び挿入後の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1〜図5は本発明に係るカバー体の一実施例を示す。この例は、カバー体10を車両用変速機のようなパワーユニット1の外表面の一部(騒音発生源)を覆う防音カバーとして用いる例を示す。
【0020】
パワーユニット1には、図5に示すように、スタッドピンと呼ばれるピン2が固定されている。この実施例では、後述するクッションゴム20と対応する位置に3本のピン2が固定されている。ピン2は、円柱形の軸部2aとその上端に球形の頭部2bとを有している。頭部2bの最大外径は軸部2aの外径より大きい。なお、頭部2bの頂部には、作業者が指で押圧した時の感触を緩和するため、平坦なカット面2cが形成されている。このカット面2cは必要に応じて設けられる。軸部2aの下端部にはボルト頭状のストッパ部2dが形成されている。ストッパ部2dの直径は軸部2aより大きい。
【0021】
カバー体10は、樹脂成形体よりなる遮音層11と、その内側面に貼り付けられた吸音材18及び遮音材19(図2参照)とで構成されている。吸音材18としては、ウレタンフォーム、グラスウール、不織布などの吸音性を有する材料が用いられる。遮音材19としては、スポンジ材のようなクッション性と遮音効果を有するものが使用される。遮音材19の厚みは、後述する組付時にこれら材料の反発力により、クッションゴム20がピン2に対して持ち上げられて縮径部がピンの頭部の下縁部に係止されるような厚みとするのがよい。なお、図2では、内側領域に貼り付けられた吸音材18と、その周囲を取り囲むように貼り付けられた遮音材19とで構成したが、これはパワーユニット1の放音対象部位の周囲に遮音材19を密着させてカバー体10内の発生音を外部に放出させない機能を持たせるためである。したがって、吸音材18と遮音材19との組み合わせに限るものではなく、遮音材19のみで構成してもよい。
【0022】
遮音層11のコーナー部近傍には、複数個(ここでは4個)の取付座12〜15が一体に設けられている。取付座12〜14には、スリット12b〜14bを持つ鍵孔状の取付孔12a〜14aがそれぞれ形成され、各スリット12b〜14bの方向は互いに相違している。各取付孔12a〜14aには、同じクッションゴム20が装着されている。遮音層11の残りの1つの取付座15には、スリットを有しない取付孔15aが形成されている。この取付孔15aには、図4に示すように、中心に貫通孔22aを有する別のクッションゴム22が装着されている。このクッションゴム22の貫通孔22aには図示しないボルトが挿入され、このボルトをパワーユニット1の外壁面に螺着することにより、ボルトを支点としてカバー体10を回転させることができる。
【0023】
次に、取付座12を例にして、クッションゴム20の取付構造を説明する。なお、他の取付座13、14も同様である。クッションゴム20は、図1,図3,図5に示すように、ゴム材により円筒状に形成されており、外周にはスリット12bを介して取付孔12aに装着可能な周溝20aが形成されている。周溝20aの溝底の直径は、スリット12bの幅より大きく、取付孔12aの内径と同径又はやや小さい。クッションゴム20の中心部には上下方向に貫通する貫通孔21が形成されている。貫通孔21は、下端部に拡開状のテーパ部21a、中間部に縮径部21b、上端部に拡径部21cを有しており、クッションゴム20の上端面には拡径部21cと通じる開口部21dが形成されている。縮径部21bの内径は、ピン2の頭部2bの外径より小さく、軸部2aの外径と同径又は僅かに大きい。本実施例の拡径部21cは、ピン2の頭部2bが軸方向に安定して嵌合できるように、下半分がテーパ面で、上半分が凹球面に形成されている。なお、拡径部21cの形状はこれに限らず、頭部2bが安定して嵌合できる形状であればよい。
【0024】
この実施例の開口部21dの直径は、ピン2の頭部2bの頂部が露出できる大きさ、つまり頭部2bの頂面2cの直径より大きく形成されている。但し、頭部2bが完全に飛び出さないように、開口部21dの直径は頭部2bの最大外径より小径に形成されている。開口部21dの直径は、開口部21dから突出したピン2の頭部2bが作業者の指先で感じられるように、ピン2の頭部2bや頂面2cの大きさにもよるが、5mm〜10mmとするのがよい。本実施例では、開口部21dは縮径部21bと同一径(φ7mm)、拡径部21cの最大内径はφ9mm、ピン2の頭部2bの最大径はφ9mm、軸部2aの直径はφ7mmに設定されている。
【0025】
非圧縮状態におけるクッションゴム20の上端面から縮径部21bの上端までの軸方向長さL(この例ではクッションゴム20の拡径部21cの軸方向長さと同じ)は、ピン2の頭部2bの軸方向長さL以下で、かつ頭部2bの頂部から最大径部までの長さLより長く設定されている。
≧L>L
この実施例では、頭部2bが球形であるため、L=L/2である。したがって、
≧L>L/2
となる。そのため、クッションゴム20をピン2に対して押し込んだ時に、縮径部21bが頭部2bの最大径部を確実に乗り越えることができ、しかも頭部2bの頂面2cが開口部21dから突出できる。
【0026】
通常の場合、作業者は手袋をはめた状態で組付作業を行うが、指先に頭部2bの感触が得られ、かつ不快感がない程度とするために、頭部2bの開口部21dからの突出量、つまり頭部2bの軸方向長さLと軸方向長さLとの差は、0〜3mmの範囲とするのがよい。
3mm≧L−L≧0mm
【0027】
次に、カバー体10の組付方法を説明する。まずカバー体10の各取付座12〜15にクッションゴム20,21を装着し、1つのコーナー部に設けられたクッションゴム22にボルトを挿入し、カバー体10をパワーユニット1に回転可能に取り付ける。このボルトを支点としてカバー体10を回転させ、他のクッションゴム20をパワーユニット1の各ピン2に対応させる。この状態で作業者が指でクッションゴム20の上端面を押し込むと、頭部2bがテーパ部21aにガイドされて縮径部21bへ導かれ、この縮径部21bを乗り越えて拡径部21cに嵌合する。頭部2bが縮径部21bを乗り越える時に、作業者は節度感を得ることができ、しかもクッションゴム20の上端面から突出した頭部2bの頂部2cが指先に触れるので、組付完了を確実に判断できる。
【0028】
また、クッションゴム20の上端面から縮径部21bの上端までの軸方向長さLは頭部2bの最大径部寸法Lより長いので、クッションゴム20の上端面が頭部2bの頂部2cと面一になった段階で縮径部21bが頭部2bを乗り越えることができ、縮径部21bは自身の弾性により軸部2aに嵌合(同時に拡径部21cが頭部2bに嵌合)できる。拡径部21cが頭部2bに嵌合した段階で頭部2bが開口部21dから必要以上に大きく突出することがなく、クッションゴム20を指で押し込む際に頭部2bが邪魔にならない。
【0029】
本実施例では、クッションゴム20を所定位置まで押し込んだ段階で、テーパ部21aの下面がピン2のストッパ部2dに当接するため、押し込み終了を認識できる。この段階で遮音材19は圧縮された状態であるため、押し込み力を解除すると、遮音材19の反発力によりクッションゴム20がピン2に対して持ち上げられ、縮径部21bがピン2の頭部2bの下縁部に係止される。
【0030】
なお、図5の(b)はクッションゴム20を押し込んだ状態であり、押圧力を解除すると、遮音材19の反発力及びクッションゴム20の弾性復元力により上方へ持ち上がる。そのため、押圧力の解除状態ではピン2の頭部2bの頂面2cはクッションゴム20の上端面と面一又はそれより下方になる可能性があるが、その場合でもピン2の頭部2bの頂面2cはクッションゴム20の開口部21dから露出する。一般に、頭部2bの頂面2cは金属光沢があり、一方クッションゴム20は一般に黒色であるため、組付状態の合否を外観目視で確認することができる。
【0031】
図6は本発明に適用できるピン2の他の実施例を示す。第1実施例と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施例では、ピン2の頭部2b’が球形ではなく、下半分が球形で、上半分が略テーパ状の異形形状を有する。この場合の最大径部寸法L、つまり頭部2b’の頂部から最大径部までの長さLは、頭部2b’の全長の半分(L/2)より長い。この実施例でも、クッションゴム20の上端面から縮径部21bの上端までの軸方向長さLは、次の関係に設定されている。
≧L>L
【0032】
ピン2の頭部2bの形状は、図5や図6に示す形状に限らず、少なくとも長さ方向中間部又は下端部に最大径部を有する形状であれば、任意である。頭部の形状に応じてクッションゴム20の拡径部21cの形状を変更すればよい。
【0033】
前記実施例では、ピン2の軸部2aの下部にクッションゴム20の下面が当接するストッパ部2dを形成したが、例えばクッションゴム20の周囲に、カバー体10(特に遮音層11)からパワーユニット1に向かって突出する凸部(又は壁部)を形成し、この凸部がパワーユニットに当接することでクッションゴム20の押し込み量を制限してもよい。また、カバー体10の内側面に吸音材18及び遮音材19を貼り付けた例を示したが、遮音材や吸音材がないカバー体10にも適用できる。
【0034】
前記実施例では、1つの取付座15にクッションゴム22を取り付け、このクッションゴム22にボルトを挿入し、ボルトを支点としてカバー体10を回転可能としたが、これに限るものではなく、全ての取付座に本発明のクッションゴム20を装着し、これらクッションゴム20をピン2に圧入するようにしてもよい。
【0035】
前記実施例では、カバー体を防音カバーとして用いた例を示したが、防音カバーに限らず、保護カバーや意匠カバーなどの用途にも用いることができる。
【符号の説明】
【0036】
1 パワーユニット
2 ピン
2a 軸部
2b 頭部
2c 頂面
2d ストッパ部
10 カバー体
11 遮音層
12〜14 取付座
12a〜14a 取付孔
18 吸音材
19 遮音材
20 クッションゴム
21 貫通孔
21a テーパ部
21b 縮径部
21c 拡径部
21d 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバー体に取付座が設けられ、前記取付座には貫通孔を有するクッションゴムが装着されており、車両のパワーユニットの前記クッションゴムと対応した位置には、球形の頭部と当該頭部より直径の小さい軸部とを有するピンが突設されており、前記クッションゴムの貫通孔を前記ピンに嵌入することにより、前記カバー体を前記パワーユニットに取り付けてなるカバー体の取付構造において、
前記クッションゴムの貫通孔は、前記軸部が嵌合する縮径部と、当該縮径部の上側に前記ピンの頭部が嵌合する拡径部とを有し、
前記クッションゴムの上端面には、前記拡径部に嵌合したピンの頭部の頂部が露出する開口部が形成され、
前記クッションゴムの上端面から縮径部の上端までの軸方向長さLは、前記ピンの頭部の軸方向長さL以下で、かつ前記頭部の頂部から最大径部までの長さLより長いことを特徴とする、カバー体の取付構造。
【請求項2】
前記カバー体の内側面には、前記パワーユニットの表面に圧接する遮音材が設けられており、
前記遮音材の反発力により、前記クッションゴムが前記ピンに対して持ち上げられ、前記縮径部が前記ピンの頭部の下縁部に係止されており、
この状態で前記ピンの頭部は前記クッションゴムの開口部から露出していることを特徴とする、請求項1に記載のカバー体の取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−163245(P2011−163245A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−28346(P2010−28346)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(000002967)ダイハツ工業株式会社 (2,560)
【Fターム(参考)】