説明

カプトプリル誘導体

改善された薬理作用および向上された忍容性を有するカプトプリル誘導体について記載する。これらは心疾患、炎症性疾患および腎臓病を治療または予防に用いられ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なカプトプリル誘導体、それらを含む医薬組成物、ならびに心疾患、炎症性疾患、腎臓病および高眼圧症を治療するためのそれらの用途に関する。
【背景技術】
【0002】
カプトプリル(1−[(2S)−3−メルカプト−2−メチルプロピオニル]−L−プロリン)は、最初に市販されたACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害剤である。これは米国で認可されている、スルフヒドリル部分を含む唯一のACE阻害剤である。
ACE阻害剤は血管拡張剤として作用し、末梢抵抗を低減させる抗高血圧薬である。これらは、アンジオテンシンIのアンジオテンシンIIへの変換に関与するアンジオテンシン変換酵素(ACE)を阻害する。
【0003】
アンジオテンシンIIは、アルドステロンの合成および分泌を促進させ、有力で直接的な血管収縮効果によって血圧を上昇させる。ACEは、ブラジキニナーゼ(キニナーゼII)と同様に、ブラジキニンを不活性化させる酵素であり、ACE阻害剤は、有力な血管拡張剤であるブラジキニンの分解を低減させ得る。
【0004】
カプトプリルは、高血圧の管理、心筋梗塞に続く心臓麻痺、および糖尿病性ネフロパシーに用いられる(Martindale, 第33版, 823, 854頁)。
経口投与されると、カプトプリルは急速に吸収され、約75%のバイオアベイラビリティーを有し;これは1〜2時間以内で最大効果を発揮し、大半の薬品は尿に排出される(Goodman & Gilman's, 第10版, McGraw−Hill, 821頁)。
【0005】
今日、カプトプリルは、例えば低血圧症、咳、高カリウム血症、急性腎不全、皮膚発疹、蛋白尿、血管性水腫、味覚障害および好中球減少症のような副作用を有することが報告されている。
米国特許No. 6,242,432号は、抗血栓作用を有する、式A−(X1−NO2)to(ここで、AはACE阻害剤またはベータ−アドレナリン遮断剤の残基、特にエナラプリルもしくはチモロールであり、X1は2価の結合ブリッジであり、toは1または2である)の誘導体を開示している。
【0006】
米国特許No. 6,218,417号は、気管支副作用を緩和させる、血小板の抗凝集作用および抗高血圧作用を有するACE阻害剤の硝酸塩を開示している。
米国特許No. 6,462,044号は、ホスホジエステラーゼ阻害剤およびS−ニトロソ−カプトプリルのようなS−ニトロソチオールを含む医薬組成物を開示している。
米国特許No. 6,433,182号は、α−アドレナリン受容体アンタゴニストおよびS−ニトロソ−カプトプリルのようなS−ニトロソチオールの量を、女性対象に投与することを含む、それらを必要とする女性対象の性的機能不全の治療法を開示している。
【0007】
米国特許No. 5,648,393号は、S−ニトロソ−カプトプリルのようなS−ニトロソチオールの海綿体多孔性非血管平骨筋弛緩量を投与することによる、それを必要とする男性のインポテンスの治療または予防を含む、それを必要とする男性のインポテンスの治療または予防法を記載している。
【0008】
米国特許No. 5,852,047号は、エステル化可能なACE阻害剤、特にカプトプリル−S−アスピリネートのサリチレートを含む医薬品を開示しており;米国特許No. 4,331,673号は、カプトプリルのピリジニウム塩を記載している。
WO 90/02118号は、カプトプリルおよびその類似体のS−保護誘導体、ならびにそれらの製造法を開示している。
【発明の開示】
【0009】
本発明は、より優れた効果および耐性を有する新規なカプトプリル誘導体を提供することを目的とした。これらは上記の副作用がないため、心疾患、炎症性疾患、腎臓病および高眼圧症を治療または予防するために採用され得た。
【0010】
特に、本発明のカプトプリル誘導体は、急性冠状動脈症候群、脳梗塞、肺高血圧症および高眼圧症、高血圧、糖尿病性ネフロパシーならびに末梢血管疾患を治療または予防するために採用され得ることが分かった。
【0011】
したがって、本発明の目的は、一般式(I):
【化1】

(式中:
Qは−CO−、−OCO−、−CONH−、−COCH(R)NH−(ここで、RはH、直鎖状もしくは分枝鎖状の(C1−C6)−アルキル、−(CH2)2SCH3またはベンジルである)である;
但し、−S−は−COに結合している;
nは0または1の整数である;
AはH、W(ここで、WはC1−C6−アルキル、フェニルまたはベンジルである)であるか、または以下の基から選択される:
【0012】
【化2】

【0013】
(式中、zおよびYは同一または異なって、H、または直鎖状もしくは分枝鎖状の(C1−C4)−アルキル;但し、Aが基1bおよび1cから選択されるとき、Qは−CO−である);
【0014】
【化3】

【0015】
(式中、zおよびYは上で定義されたとおりである;
但し、Aが基1d1−1d3から選択されるとき、Qは−COCH(R)NH−(ここで、Rは上で定義されたとおりである;
【0016】
R3 は次の意味を有する2価の基である:
a) 少なくとも一つのハロゲン原子で任意に置換されていてもよい、直鎖状もしくは可能ならば分枝鎖状のC1−C20アルキレン、好ましくは1〜5の炭素原子を有する、そして/または5〜7の炭素原子を有する任意に置換されていてもよいシクロアルキレン;
【0017】
【化4】

【0018】
(式中:
n3は0〜20、好ましくは0〜5の整数であり;
n3'は1〜20、好ましくは1〜5の整数であり;
ここで、−ONO2 基は−CH2 基に結合している)
【0019】
【化5】

【0020】
(式中、X1は−O−または−S−であり、mは1〜6、好ましくは1〜4の整数であり、m1は1〜10、好ましくは1〜5の整数であり、Rfは水素原子またはCH3であり、Rf'はCH3である)
【0021】
【化6】

【0022】
(式中:
nIXは0〜10、好ましくは0〜3の整数であり;
nIIXは1〜10、好ましくは1〜3の整数であり;
RTIX、RTIX'、RTIIX、RTIIX'は同一または異なって、Hまたは直鎖状もしくは分枝鎖状の(C1−C4)−アルキルであり、好ましくはRTIX、RTIX'、RTIIX、RTIIX'はHであり;
ここで、−ONO2 基は
【0023】
【化7】

に結合している;
Y3 は窒素、酸素、硫黄から選択される一つ以上のヘテロ原子を含む、飽和、不飽和または芳香族の、5もしくは6員の複素環であり、例えば:
【0024】
【化8】

から選択され;
【0025】
Xは−NH−、−O−、−S−であり;
BはH、−R3a−ONO2 (ここで、R3aは上で定義されたR3 と同じ意味を有する)であるか、または以下の基から選択される:
【0026】
【化9】

【0027】
(式中、n3'は上で定義されたとおりであり;ここで−ONO2 基は基−(CH2)n3'に結合している)
または、Bは式(IA)の基である:
【0028】
【化10】

【0029】
(式中、R2はH、直鎖状もしくは分枝鎖状の(C1−C6)−アルキルまたは−R3b−ONO2であり、R3bは上記のa)で定義されたR3 と同じ意味を有する)
ただし、
i) R3a がf)およびg)で定義された基であるとき、AはWであり;
ii) R3a がg)で定義された基であるとき、Xは−S−であり;
iii) Bが式(IA)の基であるとき、Xは−NH−であり;
iV) 基AまたはBの少なくとも一方は−ONO2基を含む)
のカプトプリル ニトロ−誘導体および/またはその医薬的に許容される塩もしくは立体異性体である。
【0030】
ここで用いられている「(C1−C6)−アルキル」という語は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチルなどを含む、1〜6の炭素原子を含む、分枝鎖状もしくは直鎖状のアルキル基を意味する。
【0031】
ここで用いられている「C1−C20アルキレン」という語は、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレンのような、好ましくは2〜5の炭素原子を有する、分枝鎖状または直鎖状のC1−C20炭化水素を意味する。
【0032】
ここで用いられている「ハロゲン原子」という語は、クロロ、ブロモまたはフルオロ原子を意味する。
【0033】
ここで用いられている「シクロアルキレン」という語は、直鎖状もしくは分枝鎖状の(C1−C10)−アルキル、好ましくはCH3のような側鎖で任意に置換されていてもよい、シクロペンチレン、シクロヘキシレンを含むが、これらに限定されない、5〜7の炭素原子を有する環を意味する。
【0034】
ここで用いられている「複素環」という語は、例えばピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピロリジン、モルホリン、イミダゾールなどのような、窒素、酸素、硫黄から選択される一つ以上のヘテロ原子を含む、飽和、不飽和または芳香族の、5もしくは6員の環を意味する。
【0035】
前記のように、本発明は、式(I)の化合物の医薬的に許容される塩も含む。
医薬的に許容される塩の例は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムおよび水酸化アルミニウムのような無機塩基とのもの、またはリジン、アルギニン、トリエチルアミン、ジベンジルアミン、ピペリジンおよびその他の許容される有機アミンのよ
うな有機塩基とのもののどちらかである。
【0036】
本発明のもう一つの観点は、ベータアドレナリン遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、抗血栓症剤、HMGCoAリダクターゼ阻害剤、アスピリンもしくはアスピリンのニトロオキシ誘導体、ニトロソ化されたベータ遮断薬、ニトロソ化もしくはニトロシル化されたカルシウムチャネル遮断薬からなる群から選択される、心疾患の治療に用いられる少なくとも一つの化合物との組み合わせてなる、式(I)の化合物の使用を提供する。
【0037】
本発明は、一つ以上の本発明の化合物および/または本発明の組成物と、上記の心疾患の治療に用いられる一つ以上の化合物とが充填された、一つ以上のコンテナーを含む医薬キットも提供する。
【0038】
好適なベータアドレナリン遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、抗血栓剤は、The Merck Index(第13版)のような文献に記載されている。
【0039】
好適なニトロソ化されたベータアドレナリン遮断薬、およびアスピリンのニトロオキシ誘導体は、WO 98/21193号およびWO97/16405号にそれぞれ開示されている。
【0040】
本発明による化合物は、それらが分子中に一つの塩化可能な窒素原子を含むとき、アセトニトリル、テトラヒドロフランのような有機溶媒中、対応する有機酸もしくは無機酸と反応させることによって、対応する塩に変換され得る。
有機酸の例は:シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸、クエン酸である。
無機酸の例は:硝酸、塩酸、硫酸、リン酸である。
硝酸との塩が好ましい。
【0041】
一つ以上の不斉炭素原子を有する本発明の化合物は、光学的に純粋なエナンシオマー、純粋なジアステレオマー、エナンシオマー混合物、ジアステレオマー混合物、エナンシオマーラセミ混合物、ラセミ体またはラセミ体混合物として存在し得る。全ての可能なアイソマー、立体異性体および式(I)の化合物のそれらの混合物も本発明の目的に含まれる。
【0042】
好ましい化合物は、式(I):
(ここで:
Qは−CO−、−OCO−、−CONH−、−COCH(R)NH−(ここで、RはHまたはCH3である)である;但し、−S−は−COに結合している;
nは0または1の整数である;
AはH、W(ここで、WはC1−C6−アルキル、好ましくはCH3である)であるか、または以下の基から選択される:
【0043】
【化11】

【0044】
(式中、zおよびYは同一または異なって、H、またはCH3である;但し、Aが基1bおよび1cから選択されるとき、Qは−CO−である);
【0045】
【化12】

【0046】
(式中、zおよびYは上で定義されたとおりである;
但し、Aが基1d1−1d3から選択されるとき、Qは−COCH(R)NH−(ここで、Rは上で定義されたとおりである)である;
【0047】
R3 は次の意味を有する2価の基である:
a) 直鎖状のC1−C6アルキレン、好ましくはC3−C5アルキレン;
【0048】
【化13】

(式中:
n3は0〜5の整数であり、n3'は1〜5の整数であり;
ここで、−ONO2 基は−CH2 基に結合している)
【0049】
【化14】

(式中、X1は−O−であり、mは1〜4の整数、好ましくは1であり、m1は1〜5の整数、好ましくは1であり、Rfは水素原子またはCH3である)
【0050】
【化15】

(式中:
nIXは0〜3の整数であり、nIIXは1〜3の整数であり;
RTIX、RTIX'、RTIIX、RTIIX'は同一であって、Hであり;
ここで、−ONO2 基は−CH2 基に結合している;
【0051】
Y3 は請求項1で定義されたY1−Y6から選択される、一つ以上の窒素原子を含む、飽和、不飽和または芳香族の複素環である;
Xは−NH−、−O−、−S−であり;
BはH、−R3a−ONO2 (ここで、R3aは上で定義されたR3 と同じ意味を有する)であるか、または以下の基から選択される:
【0052】
【化16】

【0053】
(式中、n3'は上で定義されたとおりであり、好ましくは4であり;ここで−ONO2 基は基−(CH2)n3'に結合している)
あるいは、Bは式(IA):
【0054】
【化17】

(式中、R2はH、直鎖状もしくは分枝鎖状の(C1−C6)−アルキルまたは−R3b−ONO2であり、ここで、R3bは上記のa)で定義されたR3 と同じ意味を有する)
のものである。
【0055】
本発明による式(I)の好ましい化合物は以下のものである:
(1) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物
【化18】

【0056】
(2) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状の C4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物
【化19】

【0057】
(3) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3はb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物
【化20】

【0058】
(4) Qが−OCO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物
【化21】

【0059】
(5) Qが−OCO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物
【化22】

【0060】
(6) Qが−OCO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3はb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物
【化23】

【0061】
(7) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1b)(ここで、zはHであり、YはCH3である)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物
【化24】

【0062】
(8) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1b)(ここで、zおよびYはHである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物
【化25】

【0063】
(9) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1c)(ここで、zおよびYはHである)で定義された基であり、R3がb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物
【化26】

【0064】
(10) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物
【化27】

【0065】
(11) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物
【化28】

【0066】
(12) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物
【化29】

【0067】
(13) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物
【化30】

【0068】
(14) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3はb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物
【化31】

【0069】
(15) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3はb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物
【化32】

【0070】
(16) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d2)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物
【化33】

【0071】
(17) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d2)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物
【化34】

【0072】
(18) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d3)(ここで、zはHであり、YはCH3である)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物
【化35】

【0073】
(19) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d3)(ここで、zおよびYはHである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物
【化36】

【0074】
(20) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d2)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物;
【化37】

【0075】
(21) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d2)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物
【化38】

【0076】
(22) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d3)(ここで、zはHであり、YはCH3である)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物
【化39】

【0077】
(23) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d3)(ここで、zおよびYはHである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物
【化40】

【0078】
(24) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d2)(ここで、R3はb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物
【化41】

【0079】
(25) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d2)(ここで、R3はb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物
【化42】

【0080】
(26) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aは直鎖状のC3アルキレンである)である式(I)の化合物
【化43】

【0081】
(27) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aは直鎖状のC3アルキレンである)である式(I)の化合物
【化44】

【0082】
(28) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aはb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物
【化45】

【0083】
(29) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直
鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aはb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物
【化46】

【0084】
(30) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC3アルキレンである)である式(I)の化合物
【化47】

【0085】
(31) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC3アルキレンである)である式(I)の化合物
【化48】

【0086】
(32) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aはb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物
【化49】

【0087】
(33) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aはb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物
【化50】

【0088】
(34) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC4アルキレンである)である式(I)の化合物
【化51】

【0089】
(35) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC4アルキレンである)である式(I)の化合物
【化52】

【0090】
(36) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC4アルキレンである)である式(I)の化合物
【化53】

【0091】
(37) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aは直鎖状のC4アルキレンである)である式(I)の化合物
【化54】

【0092】
(38) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、AがHであり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC4アルキレンである)である式(I)の化合物
【化55】

【0093】
(39) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、AがHであり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC3アルキレンである)である式(I)の化合物
【化56】

【0094】
(40) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、AがHであり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aはb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物
【化57】

【0095】
(41) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、AがHであり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aはb)(ここで、n3およびn3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物
【化58】

【0096】
(42) Qが−COCH(R)NH−であり、RおよびAがHであり、nが1であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC3アルキレンである)である式(I)の化合物
【化59】

【0097】
(43) Qが−COCH(R)NH−であり、RおよびAがHであり、nが1であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC4アルキレンである)である式(I)の化合物
【化60】

【0098】
(44) Qが−COCH(R)NH−であり、RおよびAがHであり、nが1であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aはb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物
【化61】

【0099】
(45) Qが−COCH(R)NH−であり、RおよびAがHであり、nが1であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aはb)(ここで、n3およびn3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物
【化62】

【0100】
(46) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC3 アルキレンである)である式(I)の化合物
【化63】

【0101】
(47) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC4アルキレンである)である式(I)の化合物
【化64】

【0102】
(48) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aはb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物
【化65】

【0103】
(49) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aはb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物
【化66】

【0104】
(50) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aは直鎖状の
C4アルキレンである)である式(I)の化合物
【化67】

【0105】
(51) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aは直鎖状のC3アルキレンである)である式(I)の化合物
【化68】

【0106】
(52) Qが−OCO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aは直鎖状のC3アルキレンである)である式(I)の化合物
【化69】

【0107】
(53) Qが−OCO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aは直鎖状のC4アルキレンである)である式(I)の化合物
【化70】

【0108】
(54) Qが−OCO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aはb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物
【化71】

【0109】
(55) Qが−OCO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aはb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物
【化72】

【0110】
(56) Qが−OCO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC4アルキレンである)である式(I)の化合物
【化73】

【0111】
(57) Qが−OCO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aは直鎖状のC3アルキレンである)である式(I)の化合物
【化74】

【0112】
(58) Qが−CO−であり、nが1であり、AがW(ここで、WはCH3である)であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aは直鎖状のC4アルキレンである)である式(I)の化合物
【化75】

【0113】
(59) Qが−CO−であり、nが1であり、AがW(ここで、WはCH3である)であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC3アルキレンである)である式(I)の化合物;
【化76】

【0114】
(60) Qが−CO−であり、nが1であり、AがW(ここで、WはCH3である)であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aはb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物
【化77】

【0115】
(61) Qが−CO−であり、nが1であり、AがW(ここで、WはCH3である)であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aはb)(ここで、n3およびn3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物
【化78】

【0116】
(62) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1b)(ここで、zおよびYはHである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC3アルキレンである)である式(I)の化合物
【化79】

【0117】
(63) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1b)(ここで、zはHであり、YはCH3である)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC3アルキレンである)である式(I)の化合物
【化80】

【0118】
(64) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1b)(ここで、zおよびYはHである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aは直鎖状の C4アルキレンである)である式(I)の化合物
【化81】

【0119】
(65) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1b)(ここで、zはHであり、YはCH3である)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC4アルキレンである)である式(I)の化合物
【化82】

【0120】
(66) Qが−CO−であり、nが1であり、AがW(ここで、WはCH3である)であり、Xが−S−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aはg)(ここで、n3'は4である)で定義された基である)である式(I)の化合物
【化83】

【0121】
(67) Qが−CO−であり、nが1であり、AがW(ここで、WはCH3である)であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aはf)(ここで、n3'は4である)で定義された基である)である式(I)の化合物
【化84】

【0122】
(68) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−NH−であり、Bが式(IA)(ここで、R2はHである)の基である式(I)の化合物
【化85】

【0123】
(69) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−NH−であり、Bが式(IA)(ここで、R2はHである)の基である式(I)の化合物
【化86】

【0124】
(70) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3はb)(ここで、n3は0であり
、n3'は1である)で定義された基である)で定義された基であり、Xが−NH−であり、Bが式(IA)(ここで、R2はHである)の基である式(I)の化合物
【化87】

【0125】
(71) Qが−OCO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−NH−であり、Bが式(IA)(ここで、R2はHである)の基である式(I)の化合物
【化88】

【0126】
(72) Qが−OCO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−NH−であり、Bが式(IA)(ここで、R2はHである)の基である式(I)の化合物
【化89】

【0127】
(73) Qが−OCO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3はb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)で定義された基であり、Xが−NH−であり、Bが式(IA)(ここで、R2はHである)の基である式(I)の化合物
【化90】

【0128】
(74) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1b)(ここで、zおよびYはHである)で定義された基であり、Xが−NH−であり、Bが式(IA)(ここで、R2はHである)の基である式(I)の化合物
【化91】

【0129】
(75) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1b)(ここで、zはHであり、YはCH3である)で定義された基であり、Xが−NH−であり、Bが式(IA)(ここで、R2はHである)の基である式(I)の化合物
【化92】

【0130】
(76) Qが−CO−であり、nが1であり、AがW(ここで、WはCH3である)であり、Xが−NH−であり、Bが式(IA)(ここで、R2は−R3b−ONO2(ここで、R3bは直鎖状のC3アルキレンである)である)の基である式(I)の化合物
【化93】

【0131】
(77) Qが−CO−であり、nが1であり、AがW(ここで、WはCH3である)であり、Xが−NH−であり、Bが式(IA)(ここで、R2は−R3b−ONO2(ここで、R3bは直鎖状のC4アルキレンである)である)の基である式(I)の化合物
【化94】

【0132】
(78) Qが−CO−であり、nが1であり、AがW(ここで、WはCH3である)であり、Xが−NH−であり、Bが式(IA)(ここで、R2は−R3b−ONO2(ここで、R3bはb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)である)の基である式(I)の化合物
【化95】

【0133】
(79) Qが−CO−であり、nが1であり、AがW(ここで、WはCH3である)であり、Xが−NH−であり、Bが式(IA)(ここで、R2は−R3b−ONO2(ここで、R3bはb)(ここで、n3およびn3'は1である)で定義された基である)である)の基である式(I)の化合物
【化96】

【0134】
(80) Qが−CO−であり、nが1であり、AがW(ここで、WはCH3である)であり、Xが−NH−であり、Bが式(IA)(ここで、R2は−R3b−ONO2 (ここで、R3bは直鎖状のC5アルキレンである)である)の基である式(I)の化合物
【化97】

【0135】
(81) Qが−CO−であり、nが1であり、AがW(ここで、WはCH3である)であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC5アルキレンである)である式(I)の化合物
【化98】

【0136】
さらなる観点において、本発明は、上記の一般式(I)の化合物を、医薬的に許容される担体と組み合わせて含む医薬組成物を提供する。ホストへ投与される活性成分の1日用量は、1回用量であり得るか、または一日を通して投与されるいくつかのより少ない用量に分けられる有効量であり得る。通常、1日の総投与量は、1〜2000 mg、好ましくは10〜1000 mg、特に50〜500 mgであり得る。
【0137】
本発明の化合物および/または本発明の医薬組成物を用いて、前記疾患を治療するための投与法および投与頻度は、例えば患者の年齢、体重、性別および病状、ならびに疾患の重篤度、投与経路、薬理学的考慮およびその他の医薬との最終的併用治療を含む、様々な要因によって選択される。いくつかの事例において、上記の範囲を下回るかもしくは上回り、かつ/またはより頻繁な投与レベルが好適であり得る。これは理論的に医師の判断に委ねられ、病状によって決まる。
【0138】
本発明の化合物は、所望によって、従来の無毒性の医薬的に許容される担体、補助剤および媒体を含む単位用量製剤で、吸入スプレーまたはエアゾールによって、あるいは経口、非経口、直腸または局所投与され得る。局所投与は、経皮パッチまたはイオントフォレシス器具のような経皮投与による使用も含み得る。ここで用いられる「非経口」という語は、皮下注射、静脈、筋肉内、基質内注射または注入技術を含む。
【0139】
注射用製剤、例えば無菌性の注射用の水性もしくは油性懸濁液は、適当な分散剤もしくは湿潤剤および懸濁剤を用いて、公知の技術に従って調剤され得る。無菌性の注射用製剤は、無毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌性の注射溶液または懸濁液でもあり得る。許容される媒体および溶媒は、水、リンゲル溶液および生理食塩液である。加えて、無菌性の不揮発性油が、溶媒または懸濁媒体として一般に採用される。
【0140】
この目的のために、いずれかの無菌性の不揮発性油が、合成モノ−またはジグリセリドを含んで用いられ、さらに、オレイン酸のような脂肪酸は、注射剤の製造における使用を見出す。
医薬の直腸投与用の坐薬は、活性成分を、ココア脂およびポリエチレングリコールのような適当な非刺激性の賦形剤と混合することによって製造され得る。
【0141】
経口投与用の固体投薬形態は、カプセル剤、錠剤、ピル、粉末、顆粒およびゲルを含み得る。そのような固体投薬形態において、活性化合物は少なくとも一つの、スクロース、ラクトースまたは澱粉のような不活性希釈剤と混合され得る。そのような投薬形態は、通常の慣行におけるように、不活性希釈剤以外の付加物質、例えばステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤も含み得る。カプセル剤、錠剤およびピルの場合、投薬形態は、緩衝剤も含み得る。錠剤およびピルは、腸溶コーティング剤で付加的に製造され得る。
【0142】
経口投与用の液体投薬形態は、水のような、従来技術において一般に用いられる不活性希釈剤を含む、医薬的に許容されるエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤を含み得る。そのような組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、ならびに甘味料および香味料などのような補助剤も含み得る。
【0143】
本発明の化合物は、以下のようにして合成され得る。
実験:合成手順
上で定義された一般式(I)の化合物、または医薬的に許容される塩は、以下の工程を含む方法によって得ることができる:
【0144】
i) 式(II):
【化99】

【0145】
(式中:
Qおよびnは上で定義されたとおりであり;
AはH、W(ここで、Wは上で定義されたとおりである)、アミノ保護基であるか、または以下の基:
【0146】
【化100】

【0147】
(式中、R3、zおよびYは上で定義されたとおりである)
から選択され;
Xは上で定義されたとおりであり;
BはH、カルボキシ保護基、−R3a−Hal(ここで、R3aは上で定義されたとおりである)であるか、または
Bは、上で定義された式(IA)(ここで、R2はH、直鎖状もしくは分枝鎖状の(C1−C6)−アルキルまたは−R3b−Hal(ここで、R3bは上で定義されたとおりである)であり;Halはハロゲン、好ましくはCl、BrおよびIである)の基である)
の化合物を、アセトニトリルまたはテトラヒドロフラン(THF)のような適当な有機溶媒中、窒素下に、20〜80℃の範囲の温度で、AgNO3と反応させ、そして
【0148】
ii) 任意に、例えばT. W. Greene「Protective groups in organic synthesis」, Harvard University Press, 1980に記載されているように、従来技術において周知であるtert−ブチルオキシカルボニル エステル(t-Boc)のような、カルボキシ保護基またはアミノ保護基を酸加水分解し、そして
【0149】
iii) 所望により、得られる一般式(I)の化合物を、その医薬的に許容される塩に変換する。
【0150】
−次の式:
【化101】

を有する式(II)(ここで、Qは−CO−または−OCO−であり、nは1であり、Aは1a)であり、Xは−O−または−NH−であり、BはH、カルボキシ保護基または基(IA)(ここで、R2はカルボキシ保護基である)である)の化合物は、式(III):
【化102】

の化合物を、式(IV):
Hal−R3−Q−Hal (IV)
(式中、Hal、R3およびQは上で定義されたとおりである)
の化合物と反応させて得ることができる。
【0151】
この反応は、一般に、塩基の存在下に、THFまたはCH2Cl2のような非プロトン性の極性/非極性溶媒中、0℃〜65℃の範囲の温度で行われるか、またはH2O/Et2Oの二層系で、20℃〜40℃の範囲の温度で行われるか、あるいはQが−CO−であり、Xが−O−であるとき、対応する酸、Hal−R3−COOHを用いて、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)もしくはN,N'−カルボニルジイミダゾール(CDI)のような縮合剤の存在下に、DMF、THF、クロロホルムのような溶媒中、−5℃〜50℃の範囲の温度で行われる。
【0152】
Xが−O−であり、BがHである式(III)の化合物はカプトプリルであり、これは市販されている;Xが−O−であり、Bがカルボキシ保護基、好ましくはter−ブチルである式(III)の化合物は、米国特許No. 4,105,776号に記載のような周知の反応によって、カプトプリルから得ることができる;Xが−NH−であり、Bが基(IA)(ここで、R2はカルボキシ保護基である)である式(III)の化合物は、米国特許No. 4,248,883号に記載のようにして得ることができる。
【0153】
Qが−CO−である式(IV)の化合物は市販されているか、または例えばトルエン、クロロホルム、DMFなどのような不活性溶媒中、塩化チオニルもしくは塩化オキサリル、PIIIもしくはPVのハライドとの反応のような周知の反応によって、対応する酸から得ることができる。
対応する酸は市販の化合物である。
【0154】
Qが−OCO−である式(IV)の化合物は、市販されているか、または有機塩基の存在下に
、トリホスジェンとの反応によって、対応するアルコールから得ることができる。
−Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1b)であり、Xが−O−であり、BがHまたはカルボキシ保護基である、次の式:
【化103】

を有する式(II)の化合物は、上で定義された式(III)の化合物を、式(V):
【化104】

(式中、Hal、Yおよびzは上で定義されたとおりである)
の化合物と反応させることによって得ることができる。
YおよびzがHまたはCH3であるとき、式(V)の化合物は市販されている。
【0155】
この反応は、一般に、塩基の存在下に、THFまたはジオキサンのような非プロトン性の極性溶媒中、室温で行われる。
【0156】
あるいは、Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1c)であり、Xが−O−であり、BがHまたはカルボキシ保護基である、次の式:
【化105】

を有する一般式(I)の化合物は、
Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1b)であり、Xが−O−であり、BがHまたはカルボキシ保護基である、次の式:
【化106】

(式中、Hal、Yおよびzは上で定義されたとおりである)を有する、式(II)の化合物を、式(VI):
【化107】

(式中、R3は上で定義されたとおりである)の化合物と反応させることによって得ることができる。
【0157】
この反応は、一般に、塩基の存在下に、THFのような非プロトン性の極性溶媒中、室温で行われるか、または予め生成された酸のCs塩を用いて行われる。
式(VI)の化合物は、−50℃〜0℃の範囲の温度で、硝酸および酢酸無水物と反応させることによって、対応するアルコールから得ることができる。
【0158】
−Qが−COCH(R)NH−であり、nが1であり、Aが 1d1-3)であり、Xが−O−であり、BがHまたはカルボキシ保護基である、次の式:
【化108】

を有する式(II)の化合物は、式(VII):
【化109】

の化合物を、上で定義されたように、Aが1d1であるとき、Qが−CO−である、式(IV)の化合物;または
上で定義されたように、Aが1d2であるとき、Qが−OCO−である式(IV)の化合物;または上で定義されたように、Aが1d3であるときの式(V)の化合物と反応させることによって、得ることができる。
【0159】
この反応は、一般に、有機もしくは無機塩基の存在下に、ジオキサン/H2O溶液中、またはCH2Cl2のような有機溶媒中、0℃〜40℃の範囲の温度で行われる。
式(VII)の化合物は、例えばT. W. Greene「Protective groups in organic synthesis」, Harvard University Press, 1980に記載されているように、文献で公知である式(VIII)の化合物を加水分解して得ることができる。
【0160】
【化110】

【0161】
式(VIII)の化合物は、上で定義されたような式(III)の化合物を、0℃〜40℃の範囲の温度で、THF中のN−BOCアミノ酸およびカルボニルジイミダゾールと反応させて得ることができる。
この反応は、一般に、有機または無機塩基の存在下に、単相または二相系で行われる。
【0162】
−Qが上で定義されたとおりであり、nが1であり、AがH、W、1a)であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−Halである式(II)の化合物は、Qが上で定義されたとおりであり、nが1であり、AがH、W、1a)であり、Xが−O−であり、BがHである式(II)の化合物を、式(IX):
HO−R3a−Hal (IX)
(式中、HalおよびR3aは上で定義されたとおりである)の化合物でエステル化することによって得ることができる。
この反応は、一般に、DCCのような縮合剤の存在下に、CHCl3/EtOAcのような溶媒中で行われる。
式(IX)の化合物は市販されている。
【0163】
あるいは、Qが−CO−または−COCH(R)NH−であり、AがWまたはHであり、nが1であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−Halである一般式(I)の化合物は、Qが−CO−または−COCH(R)NH−であり、AがWまたはHであり、nが1であり、Xが−O−であり、BがHである式(II)の化合物を、式(X):
HO−R3a−ONO2 (X)
(式中、RおよびR3aは上で定義されたとおりである)
の化合物でエステル化することによって得ることができる。
この反応は、一般に、上記の縮合剤の存在下に行われる。
【0164】
式(X)の化合物は、式(IX)の化合物を、アセトニトリルまたはTHFのような適当な有機溶媒中、窒素下に、20℃〜80℃の範囲の温度で、AgNO3と反応させることによって得ることができる。
【0165】
−Qが−CO−であり、nが1であり、AがWであり、Xが−O−または−S−であり、Bが−R3a−Halであり、R3aがf)またはg)である式(II)の化合物は、
Qが−CO−であり、nが1であり、AがWであり、Xが−O−であり、BがHである式(II)の化合物を、R3aがf)であるとき、式(XI):
【化111】

の化合物と、またはR3aがg)であるとき、式(XII):
【化112】

(式中、n3'、R3a、W、f)およびg)は上で定義されたとおりである)
の化合物で、エステル化することによって得ることができる。
この反応は、一般に、DCCまたはCDIのような縮合剤の存在下に、DMF、THF、クロロホルムのような溶媒中、5℃〜50℃の範囲の温度で行われる。
【0166】
n3'が4である式(XI)および(XII)の化合物は、CBr4のようなハロゲン化剤の存在下に、THF中、室温で、トリフェニルホスフィンと反応させることによって、対応する酸から得ることができる。
【0167】
−Qが−CO−であり、nが1であり、AがWであり、Xが−NH−であり、Bが(IA)であり、R2が−R3b−Halである次の式:
【化113】

を有する式(II)の化合物は、式(XIII):
【化114】

の化合物を、式(XIV):
HO−R3b−Hal (XIV)
(式中、Hal、W、(IA)およびR3bは上で定義されたとおりである)
の化合物と反応させることによって得ることができる。
この反応は、一般に、DCCのような縮合剤の存在下に、CHCl3のような溶媒中で行われる。
【0168】
式(XIII)の化合物は、米国特許No. 4,248,883号に記載のように、公知の方法により、式(XV)の化合物から酸加水分解によって得ることができる。
【化115】

【0169】
式(XIII)において、WがCH3であるとき、この化合物はアラセプリルとして知られている。
式(XIV)の化合物は市販されている。
【0170】
以下の実施例は、本発明を制限することなく、さらに説明するために挙げられている。
【0171】
実施例 1
1−[(2S)−3−(4−ニトロオキシメチルベンゾイル)メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(化合物3に相当)の合成
α−クロロ−トルイル酸(9.0 g, 0.0528 Mol)およびカルボニルジイミダゾール(10.3 g, 0.0634 Mol)をTHF (100ml)中に溶解し、室温で一夜撹拌した。次いで、TEA(7.4 ml, 0.0528 Mol)を加え、この反応混合物に、THF(20ml)中のカプトプリル(11.5 g, 0.0528 Mol)の溶液を滴下し、反応混合物を室温で一夜撹拌した。次いで、混合物をKHSO4(10%)とEtOAc(120 ml)に分割した。有機層を分離し、水相をEtOAc(2 × 60 ml)で抽出した。合わせた有機層を水(3 × 60 ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に蒸発させて、1−[(2S)−3−(4−クロロメチルベンゾイル)メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(14.1 g)を白色固体として得た。これをさらに精製することなく次
の工程に用いた。
【0172】
1−[(2S)−3−(4−クロロメチルベンゾイル)メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(13.94 g, 0.0378 Mol)を暗所で、窒素下に、アセトニトリル(150 ml)中に溶解した。硝酸銀(12.83 g, 0.0756 Mol)を加え、この混合物を60℃で6時間加熱した。冷却後、銀塩をろ去し、混合物をCH2Cl2(150 ml)で希釈し、水(3 × 100 ml)で洗浄し、次いで塩水(3 × 100 ml)で洗浄した。次いで、有機層を減圧下に蒸発させ、標題の化合物(8.90 g, 60%)を濃淡黄色の油状物として得た。
1H−NMR: (CDCl3) (2 回転異性体) 8.24 (d, 2H), 7.54 (d, 2h),5.52 (s, 2H), 4.63 (m, 1H), 3.59 (m, 2H), 3.13 (m, 1H), 2.96 (m, 2H), 2.51 (m, 1H), 2.09 (m, 1H), 1.87 (m, 2H), 1.28 (d, 3H)
C17H20N2O7S : 理論値 % (実測値 %) C 51.51 (51.41) H 5.09 (5.15) N 7.07 (7.05)
【0173】
実施例 1a, 1b
好当なω−ハロゲノ置換カルボン酸を用いて出発し、実施例1と同様に処理して、次の化合物を得ることができる:
実施例 1a) 1−[(2S)−3−(4−ニトロオキシブタノイル)メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(化合物1に相当)(油、48%)
1H−NMR: (CDCl3) (2 回転異性体), 4.63 (bd, 1H), 4.49 (t, 2H),3.59 (m, 2H), 3.13 (m, 1H), 2.96 (m, 2H), 2.51 (m, 1H), 2.10 (m, 3H), 1.87 (m, 4H), 1.27 (d, 3H)
C13H20N2O7S : 理論値%(実測値%) C 44.82 (44.75) H 5.79 (5.90) N 8.04 (7.95)
【0174】
実施例 1.b) 1−[(2S)−3−(4−ニトロオキシペンタノイル)メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(化合物2に相当)(油、50%)
1H−NMR: (CDCl3) (2 回転異性体)), 4.63 (m, 1H), 4.49 (t, 2H), 3.59 (m, 2H), 3.13
(m, 1H), 2.95 (m, 2H), 2.51 (m, 1H), 2.10 (m, 3H), 1.87 (m, 6H), 1.28 (d, 3H)
【0175】
実施例 2
1−[(2S)−3−(4−ニトロオキシブトキシカルボニル)メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(化合物4に相当)の合成
カプトプリル(3.50 g, 0.0161 Mol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(6.80 ml,
0.039 Mol)を、H2O/CH3CN(80 ml, 1:1)中に溶解し、この混合物を0℃に冷却した。次いで、4−クロロブチルクロロホルメート(2.70 ml, 0.0198 Mol)を加え、反応混合物をゆっくり室温に加温し、4時間撹拌した。次いで、混合物をHCl(4%, 100 ml)とEtOAc(100 ml)に分割した。有機層を分離し、水相をEtOAc(2 × 100 ml)で抽出した。合わせた有機相を塩水(3 × 60 ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に蒸発させて、1−[(2S)−3−(4−クロロブトキシカルボニル)メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(5.90 g)を無色の油状物として得た。これをさらに精製することなく用いた。
【0176】
1−[(2S)−3−(4−クロロブトキシカルボニル)メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(5.80 g, 0.0157 Mol)をCH3CN(100 ml)中に溶解し、NaI(23.9 g, 0.160 Mol)をこの溶液に加えた。この混合物を7時間還流し、次いで濃縮し、CH2Cl2で希釈した。生成した固体をろ去し、有機相をH2O(3 × 50 ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に蒸発させて、1−[(2S)−3−(4−ヨードブトキシカルボニル)メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(7.10 g)を油状物として得た。これをさらに精製することなく用いた。
【0177】
1−[(2S)−3−(4−ヨードブトキシカルボニル)メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(7.0 g, 0.0152 Mol)を暗所で、窒素下に、CH3CN(40 ml)中に溶解し、AgNO3(8.44g, 0.497 Mol)を加えた。この混合物を40〜50℃で2時間加熱した。塩をろ去
し、溶液をCH2Cl2で希釈し、有機相をH2O(2 × 50 ml)および塩水(50 ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に蒸発させて、標題の化合物を純粋な黄色油状物(5.13 g, 89 %)として得た。
1H−NMR: (CDCl3) (2 回転異性体) 4.65 (m, 1H), 4.50 (t, 2H), 4.28 (t, 2H), 3.61 (m, 2H), 3.12 (m, 1H), 2.96 (m, 2H), 2,50 (m, 1H), 2.14(m, 3H), 1.83 (m, 4H), 1.28 (d, 3H)
【0178】
実施例 2a, 2b,
適当なω−ハロゲノ−置換クロロホルメートを用いて出発し、実施例2と同様に処理して、次の化合物を得ることができる:
実施例 2a) 1−[(2S)−3−(4−ニトロオキシプロポキシカルボニル)メルカプト−2− メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(化合物5に相当)(油状物 75%)
1H−NMR: (CDCl3) (2 回転異性体) 4.65 (m, 1H), 4.50 (t, 2H), 4.28 (t, 2H), 3.61 (m, 2H), 3.12 (m, 1H), 2.96 (m, 2H), 2,50 (m, 1H), 2.14(m, 3H), 1.83 (m, 2H), 1.28 (d, 3H)
【0179】
実施例 2b) 1−[(2S)−3−(3−ニトロオキシメチルベンゾイル)メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(化合物6に相当)(泡状物 75%)
1H−NMR: (CDCl3) (2 回転異性体) 7.47−7.13 (4H, m), 5.44 (2H, s), 4.65 (m, 1H), 3.61 (m, 2H), 3.12 (m, 1H), 2.96 (m, 2H), 2,50 (m, 1H), 2.14 (m, 1H), 1.83 (m, 2H), 1.28 (d, 3H)
【0180】
実施例 3
1−[(2S)−3−(ニトロオキシメトキシカルボニル)メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(化合物8に相当)の合成
カプトプリル(2.48 g, 0.0114 Mol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.50 ml,
0.0258 Mol)を、ジオキサン/H2O (30 ml, 1:1)中に溶解した。この混合物を0℃に冷却し、1−クロロメチルクロロホルメート(1.20 ml, 0.0147 Mol)を加えた。反応混合物を0℃で4時間撹拌し、次いでHCl(4 %, 30 ml)とCH2Cl2(30 ml)に分割した。水相をCH2Cl2(2
× 30 ml)で抽出し、合わせた有機相をHCl(4 %, 30 ml)および塩水(3 × 30 ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に蒸発させて、1−[(2S)−3−(クロロメトキシカルボニル)メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリンを清澄な油状物(2.60
g)として得た。これをさらに精製することなく用いた。
【0181】
1−[(2S)−3−(クロロメトキシカルボニル)メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(2.59 g, 0.0084 Mol)を暗所で、窒素下に、乾燥CH3CN(18 ml)中に溶解し、AgNO3(3.20 g, 0.019 Mol)を加えた。混合物を40〜50℃で5時間加熱し、塩をろ去した。次いで、これをCH2Cl2で希釈し、有機相をH2O(2 × 50 ml)および塩水(3 × 100 ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に蒸発させて、標題の化合物(2.26 g, 84 %)を純粋な明黄色の泡状物として得た。
1H−NMR: (CDCl3) (2 回転異性体) 6.1 (dd, 2H), 4.51 (m, 1H), 3.64 (m, 2H), 3.17 (m, 1H), 2.99 (m, 2H), 2.35 (m, 1H), 2.08 (m, 3H), 1.29 (d, 3H)
【0182】
実施例 3a
1−クロロエチルクロロホルメートから出発し、実施例3と同様に処理して、1−[(2S)−3−(1−ニトロオキシエトキシカルボニル)メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(化合物7に相当)を油状物として得た(35%)。
1H−NMR: (CDCl3) (2 回転異性体) 6.5 (q, 1H), 4.51 (m, 1H), 3.64 (m, 2H), 3.17 (m, 1H), 2.99 (m, 2H), 2.35 (m, 1H), 2.08 (m, 3H), 1.98 (d, 3H), 1.29 (d, 3H)
【0183】
実施例 4
L−アラニル−(2S)−3−メルカプト−2−メチルプロパノイル−L−プロリン 3−ニトロオキシプロピル エステル 塩酸塩(化合物39に相当)
N−Bocアラニン(10 g, 0.0528 Mol)およびカルボニルジイミダゾール(10.3 g, 0.0634 Mol)をTHF(100ml)中に溶解し、室温で一夜撹拌した。次いで、TEA(7.4 ml. 0.0528 Mol)を加え、この反応混合物に、THF(20ml)中のカプトプリル(11.5 g, 0.0528 Mol)の溶液を滴下し、反応混合物を室温で一夜撹拌した。次いで、混合物をKHSO4(10%)とEtOAc (120 ml)に分割した。有機層を分離し、水相をEtOAc(2 x 60 ml)で抽出した。合わせた有機相を水(3 × 60 ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に蒸発させて、L−N−Boc−アラニル−(2S)−3−メルカプト−2−メチルプロパノイル−L−プロリン(16 g)を白色固体として得た。
1H−NMR (CDCl3): (2 回転異性体) 5.05 (bd, 1H), 4.90 (bd, 1H), 4.60 (m, 1H), 4.45
(m, 1H), 4.30 (m, 1H), 3.55 (m, 2H), 3.1 および 2.9 (m, 3H), 2.5 (m, 1H), 2.05 (m, 3H), 1.47 (s, 9H), 1.4 (d, 3H), 1.25 (d, 3H)
【0184】
CHCl3(100 ml)中の、L−N−Boc−アラニル−(2S)−3−メルカプト−2−メチルプロパノイル−L−プロリン(9.6 g, 0.0236 Mol)、ブロモプロパノール(1.71 ml, 0.0196 Mol)およびDMAP(0.24 g, 0.00196 Mol)の冷(0℃)溶液に、CHCl3(20 ml)中のDCC(4.87 g, 0.0236
Mol)の溶液を滴下し、反応混合物をゆっくり室温に加温し、一夜撹拌した。次いで、溶媒を減圧下に蒸発させ、混合物をEtOAc中に溶解した。沈殿したDCUをろ去した。溶液を蒸発させ、残渣をEtOAc/n−ヘキサン(1:1)(100 ml)中に溶解し、沈殿したDCUを再びろ去した。溶液を蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 6.5: 3.5)により精製して、L−N−boc アラニル−(2S)−3−メルカプト−2−メチルプロパノイル−L−プロリン 3−ブロモプロピル エステル(7 g)を白色泡状物として得た。
1H−NMR: (CDCl3) (2 回転異性体) 5.05 (bd, 1H), 4.4 (m, 1H), 4.25 および 4.2 (m, 3H), 3.55 (t, 2H), 3.4 (t, 2H), 3.0 および 2.9 (m, 2H), 2.75 (m, 1H), 2.15 (m, 3H), 1.95 (m, 3H), 1.4 (s, 9H), 1.3 (d, 3H), 1.2 (d, 3H)
【0185】
L−N−boc−アラニル−(2S)−3−メルカプト−2−メチルプロパノイル−L−プロリン 3−ブロモプロピル エステル (7.0 g, 0.0132 Mol)を暗所で、窒素下に、乾燥CH3CN(100 ml)中に溶解し、AgNO3(6.7 g, 0.0396 Mol)を加えた。この混合物を60℃で8時間加熱した。次いで、塩をろ去し、残渣をCH2Cl2で希釈し、有機相をH2O (2 × 50 ml)および塩水(3
× 100 ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(n−ヘキサン/EtOAc 1:1)により精製して、L−N−boc−アラニル−(2S)−3−メルカプト−2−メチルプロパノイル−L−プロリン 3−ニトロオキシプロピル エステル(3 g)を白色固体として得た。
1H−NMR (CDCl3): (2 回転異性体) 4.9 (bd, 1H), 4.56 (t, 2H),4.47 (m, 1H), 4.35および4.25 (m, 3H), 3.63 (t, 2H), 3.05 および 2.97 (m, 2H), 2.85 (m, 1H), 2.23 および 2.18 (m, 6H), 1.47 (s, 9H), 1.37 (d, 3H), 1.25 (d, 3H)
【0186】
EtOAc(30 ml)中の、L−N−boc−アラニル−(2S)−3−メルカプト−2−メチルプロパノイル−L−プロリン 3−ニトロオキシプロピル エステル(3.0 g, 0.0058 Mol)の冷(0℃)溶液中に、HClガス流を通した。1時間後、溶液を蒸発させ、残渣をEtOAc/ジエチルエーテルから結晶化して、標題の化合物(2 .5 g 95%)を白色固体として得た。
1H−NMR (CDCl3): (2 回転異性体) 8.69 (bs, 3H), 4.6 および 4.5 (m, 3H), 4.35 (ds,
1H), 4.19 (t, 2H), 3.55 (bm, 2H), 3.15 (m, 2H), 2.85 (m, 1H), 2.2 および 2.0 (m, 6H), 1.7 (d, 3H), 1.25(d, 3H)
【0187】
実施例 4a, 4b, 4c
実施例 4a) 4−ブロモプロパノールを用い、実施例4と同様に処理して、L−アラニル−(2
S)−3−メルカプト−2−メチルプロパノイル−L−プロリン 4−ニトロオキシブチル エステル塩酸塩 (化合物38に相当)を白色固体として得た(80%)。
【0188】
実施例 4b) 3−ブロモメチルフェノールを用い、実施例4と同様に処理して、L−アラニル−(2S)− 3−メルカプト−2−メチルプロパノイル−L−プロリン 3−ニトロオキシメチルフェニル エステル 塩酸塩 (化合物40に相当)を白色固体として得た(80%);
【0189】
実施例 4c) 4−ブロモメチルベンジルアルコールを用い、実施例4と同様に処理して、L−アラニル−(2S)−3−メルカプト−2−メチルプロパノイル−L−プロリン 4−ニトロオキシメチルベンジル エステル 塩酸塩(化合物41に相当)を白色固体として得た(78%)。
【0190】
実施例 5
1−[3−(4−ニトロオキシブトキシカルボニル)−L−アラニル−(2S)−メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(化合物16に相当)の合成
EtOAc(50 ml)中の、L−N−Boc−アラニル−(2S)−3−メルカプト−2−メチルプロパノイル−L−プロリン(12 g, 0.015 Mol)(実施例4の第1工程に記載のようにして得られる)の冷(0℃)溶液中に、HClガス流を通した。1時間後、溶液を蒸発させ、残渣をEtOAc/ジエチルエーテルから結晶化して、L−アラニル−(2S)−3−メルカプト−2−メチルプロパノイル−L−プロリン塩酸塩(8.0 g 90%)を白色固体として得た。
【0191】
L−アラニル−(2S)−3−メルカプト−2−メチルプロパノイル−L−プロリン塩酸塩 (4.6 g, 0.0161 Mol)およびN,N−ジイソプロピル エチルアミン(6.80 ml, 0.039 Mol) をH2O/CH3CN(80 ml, 1:1)中に溶解し、混合物を0℃に冷却した。次いで、4−クロロブチルクロロホルメート(2.70 ml, 0.0198 Mol)を加え、反応混合物をゆっくり室温に加温し、4時間撹拌した。次いで、混合物をHCl(4 %, 100 ml)とEtOAc(100 ml)に分割した。有機層を分離し、水相をEtOAc(2 × 100 ml)で抽出した。合わせた有機相を塩水(3 × 60 ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に蒸発させて、1−[(4−クロロブトキシカルボニル)−L−アラニル−(2S)−3−メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(5.17 g)を泡状物として得た。これをさらに精製することなく用いた。
【0192】
1−[(4−クロロブトキシカルボニル)−L−アラニル−(2S)−3−メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(3.15 g, 0.0078 Mol)をCH3CN(100 ml)中に溶解し、NaI(11.7 g, 0.078 Mol)をこの溶液に加えた。混合物を7時間還流し、次いで濃縮し、CH2Cl2で希釈した。生成した固体をろ去し、有機相をH2O(3 × 50 ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に蒸発させて、1−[(4−ヨードブトキシカルボニル)−L−アラニル−(2S)−3−メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(4.03 g)を泡状物として得た。これをさらに精製することなく用いた。
【0193】
1−[(4−ヨードブトキシカルボニル)−L−アラニル−(2S)−3−メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(4.0 g, 0.0078 Mol)を暗所で、窒素下に、CH3CN(40
ml)中に溶解し、AgNO3(2.6 g, 0.0156 Mol)を加えた。この混合物を40〜50℃で2時間加熱した。塩をろ去し、溶液をCH2Cl2で希釈し、有機相をH2O(2 × 50 ml)および塩水(50 ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に蒸発させて、標題の化合物を純粋な黄色油状物(3.6 g, 90 %)として得た。
【0194】
実施例 5a, 5b, 5c, 5d
適当なω−ハロゲノ置換クロロホルメートを用いて出発し、実施例5と同様に処理して、次の化合物を得ることができる:
実施例 5a) 1−[3−(4−ニトロオキシプロポキシカルボニル)−L−アラニル−(2S)−メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(化合物17に相当);
実施例 5b) 1−[3−(ニトロオキシメチルフェノキシカルボニル)−L−アラニル−(2S)−メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(化合物24に相当)
【0195】
実施例 5c) 5d)
クロロメチルクロロホルメートまたは1−クロロエチルクロロホルメートを用い、(実施例3に記載のように)中間体化合物を直接ニトロ化して、次の化合物を得ることができる:
実施例 5c) 1−[3−(ニトロオキシメトキシカルボニル)−L−アラニル−(2S)−メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(化合物19に相当)(油状物、60%);実施例 5d) 1−[3−(1−ニトロオキシエトキシカルボニル)−L−アラニル−(2S)−メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(化合物18に相当)(油状物、65%)
【0196】
実施例6
1−[3−(4−ニトロオキシメチルベンゾイル)−L−アラニル−(2S)−メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(化合物14に相当)の合成
α−クロロ−トルイル酸(9.0 g, 0.0528 Mol)およびカルボニルジイミダゾール (10.3 g, 0.0634 Mol)をTHF(100 ml)中に溶解し、室温で一夜撹拌した。次いで、TEA(7.4 ml. 0.0528 Mol)を加え、この反応混合物に、THF(30 ml)中のL−アラニル−(2S)−3−メルカプト−2−メチルプロパノイル−L−プロリン塩酸塩(15.2 g, 0.0528 Mol)(実施例5の第1工程に記載のようにして得られる)を滴下し、反応混合物を室温で一夜撹拌した。次いで混合物を、KHSO4(10%)とEtOAc(120 ml)に分割した。有機層を分離し、水相をEtOAc(2 ×
60 ml)で抽出した。合わせた有機相を水(3 × 60 ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に蒸発させて、1−[3−(4−クロロメチルベンゾイル)−L−アラニル−(2S)−メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(17.6 g)を白色固体として得た。これをさらに精製することなく次の工程に用いた。
【0197】
1−[3−(4−クロロメチルベンゾイル)−L−アラニル−(2S)−メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(16.6 g, 0.0378 Mol)を暗所で、窒素下に、アセトニトリル(150 ml)中に溶解した。硝酸銀(12.83 g, 0.0756 Mol)を加え、混合物を60℃で6時間加熱した。冷却後、銀塩をろ去し、混合物をCH2Cl2(150 ml)で希釈し、水(3 × 100 ml)、次いで塩水(3 × 100 ml)で洗浄した。次いで有機層を減圧下に蒸発させて、標題の化合物(10.6 g, 60%)を淡黄色の泡状物として得た。
【0198】
実施例 6a, 6b
適当なω−ハロゲノ置換カルボン酸を用いて出発し、実施例6と同様に処理して、次の化合物を得ることができる:
実施例 6a) 1−[3−(4−ニトロオキシペンタノイル)−L−アラニル−(2S)−メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(化合物10に相当);
実施例 6b) 1−[3−(4−ニトロオキシブタノイル)−L−アラニル−(2S)−メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(化合物11に相当)
【0199】
実施例 7
実施例4と同様に、N−Boc−グリシン(9.25 g)(N−Boc−アラニンの代り)をカプトプリルに結合させて、N−Boc−グリシル−(2S)−3−メルカプト−2−メチルプロパノイル−L−プロリン(14.5 g)を得た。実施例5に記載のように酸加水分解することによって、グリシル−(2S)−3−メルカプト−2−メチルプロパノイル−L−プロリン塩酸塩(7.5 g)を得ることができる。この生成物および適当なω−ハロゲノ置換クロロホルメートまたはω−ブロモ置換カルボン酸から、化合物12、13、15、20、21、22、23、25を得ることができる。
【0200】
実施例 8
1−[3−(アセチルチオ)−(2S)−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン 3−ニトロオキシプロピル エステル(化合物59に相当)の合成
クロロホルム(20 ml)中の、DCC(2.37 g, 0.0115 Mol)の溶液を、クロロホルム(60 ml)中の、N−[3−(アセチルチオ)−(2S)−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン水和物(3.0 g, 0.0115 Mol)、3−ブロモプロパノール(0.84 ml, 0.0096 Mol)およびDMAP(0.142 g, 0.0011 mol)の冷溶液(0℃)中に滴下した。冷浴を外し、この混合物を一夜撹拌した。次いで、溶媒を減圧下に蒸発させて、混合物をEtOAc中に溶解した。沈殿したDCUをろ去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン: EtOAc 7:3)により精製して、1−[3−(アセチルチオ)−(2S)−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン 3−ブロモプロピル エステル (3.30 g)を無色の油状物として得た。
【0201】
1−[3−(アセチルチオ)−(2S)−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン 3−ブロモプロピル エステル(3.0 g, 0.0079 Mol)を暗所で、窒素下に、アセトニトリル(50 ml)中に溶解した。硝酸銀(4.03 g, 0.0237 Mol)を加え、この混合物を60℃で6時間加熱した。冷却後、銀塩をろ去し、混合物をCH2Cl2(100 ml)で希釈し、水(3 × 100 ml)、次いで塩水(3 × 60 ml)で洗浄した。次いで有機層を減圧下に蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン: EtOAc 6 : 4)により精製して、標題の化合物(1.70 g, 48%)を無色の油状物として得た。
1H−NMR (CDCl3): (2 回転異性体) 4.57 (t, 2H), 4.48 (m , 1H), 4.25 (2H, m), 3.62 (2H, t), 3.10 (1H, dd), 2.98 (1H, dd), 2.82 および 2.55 (1H, m), 2.34 および 2.31 (s, 3H), 2.3−1.9 (6H, m) 1.24 および 1.19 (3H, d)
【0202】
実施例 8a, 8b.
実施例 8a) 4−ブロモプロパノールを用い、実施例8と同様に処理して、1−[(2S)−3−(アセチルチオ)−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン 4−ニトロオキシブチルエステル(化合物58に相当)を無色の油状物として得た(50%)。
1H−NMR (CDCl3): (2 回転異性体) 4.58 (t, 2H), 4.48 (m, 1H), 4.25 (2H, m), 3.62 (2H, t), 3.10 (1H, dd), 2.98 (1H, dd), 2.82 および 2.55 (1H, m), 2.34 および 2.31
(s, 3H), 2.3−1.8 (8H, m) 1.24 および 1.19 (3H, d)
【0203】
実施例 8b) 3−ブロモメチルフェノールを用い、実施例8と同様に処理して、1−[3−(アセチルチオ)−(2S)−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン 3−ニトロオキシメチルフェニル エステル(化合物60に相当)を濃淡黄色油状物として得た(55%)。
1H−NMR (CDCl3): (2 回転異性体) 7.5−7.1 (4H,m), 5.46 および 5.43 (2H, s), 4.75−4.6 (1H,m), 3.7 (2H,m), 3.10 (1H, dd), 2.98 (1H, dd), 2.85 (1H, m), 2.48−2.0 (4H, m), 1.23 (3H, d)
【0204】
実施例 9
1−[(2S)−3−(アセチルチオ)−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリル−L−フェニルアラニン 3−ニトロオキシメチル フェニル エステル(アラセプリル 3−ニトロオキシメチル フェニル エステル)(化合物78に相当)の合成
N−[3−(アセチルチオ)−(2S)−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン水和物 (1.00 g, 0.039 Mol)、4−ジメチルアミノピリジン(0.095 g, 0.008 Mol)、L−フェニルアラニンtert−ブチル エステル(1.00 g, 0.039 Mol)およびトリエチルアミン(1.60 ml, 0.12
Mol)を、CHCl3(15.0 ml)中に溶解した。溶液を0℃に冷却し、N′−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.890 mg, 0.046 Mol)を加えた。反応混合物を室温で6時間撹拌し、次いで、これをCH2Cl2(15 ml)で希釈し、HCl(4 %)(3 × 20 ml)、NaHCO3(5 %)(3 × 20 ml)で抽出し、塩水(3 × 20 ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下に蒸発させて、1−[(2S)−3−(アセチルチオ)−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリル−L−フェニルアラニン tert−ブチル エステル (1.19 g, 66 %)を淡
黄色油状物として得た。
1H−NMR (CDCl3): 7.15 (m, 5H), 4.63 (m, 2H), 3.46 (m, 2H), 2.99 (m, 4H), 2.73 (m, 1H), 2.28 (s, 3H), 1.88 (m, 3H), 1.37 (s, 9H), 1.08 (d, 3H)
【0205】
1−[(2S)−3−(アセチルチオ)−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリル−L−フェニルアラニン tert−ブチルエステル(1.19 g, 0.025 Mol)を、トリフルオロ酢酸:CH2Cl2の溶液(1:2, 30 ml)中に溶解し、この反応混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、これを減圧下に蒸発させて、1−[(2S)−3−(アセチルチオ)−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリル−L−フェニルアラニンを清澄な油状物(1.00 g, 100 %)として得た。これを、さらに精製することなく次の反応に用いた。
1H−NMR (CDCl3): 7.23 (m, 5H), 7.05 (d, 1H), 4.91 (m, 1H), 4.55 (m, 1H), 3.62 (m, 2H), 3.15 (m, 3H), 2.92 (m, 2H), 2.38 (s, 3H), 2.07 (m, 4H), 1.88 (m, 3H), 1.17 (d, 3H)
【0206】
1−[(2S)−3−(アセチルチオ)−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリル−L−フェニルアラニン(1.00 g, 0.025 Mol)、1−ヒドロキシ−3−ブロモメチルベンゼン(0.463 g, 0.025 Mol)および4−ジメチルアミノピリジン(0.060 g, 0.005 Mol)を、CHCl3(10 ml)中に溶解し、この溶液を0℃に冷却した。次いで、ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.70
g, 0.033 Mol)を加え、この溶液をゆっくり室温に加温し、5時間撹拌した。粗生成物を濃縮し、EtOAc/n−ヘキサン(1:1)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、1−[(2S)−3−(アセチルチオ)−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリル−L−フェニルアラニン 3−ブロモメチルフェニルエステル(アラセプリル 3−ブロモメチルフェニルエステル)(1.00 g)を白色粉末として得た。
1H−NMR (CDCl3): 7.30 (m, 7H), 6.98 (m, 2H), 4.98 (m, 1H), 4.66 (m, 1H), 4.45 (s, 2H), 3.45 (m, 3H), 3.28 (m, 2H), 3.09 (m, 1H), 3.07 (m, 1H), 2.78 (m, 1H), 2.34 (s, 3H), 2.00 (m, 4H), 1.01 (d, 3H)
【0207】
1−[(2S)−3−(アセチルチオ)−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリル−L−フェニルアラニン 3−ブロモメチルフェニルエステル(1.00 g, 0.017 Mol)をCH3CN(10 ml)中に溶解し、AgNO3(0.73 g, 0.043 Mol)を暗所で、窒素下に加えた。この混合物を40〜50℃で6時間加熱した。塩をろ去し、溶液をCH2Cl2で希釈し、有機相をH2O(2 × 50 ml)および塩水(50 ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥して濃縮した。粗生成物を、EtOAc/n−ヘキサン(1:1)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題の化合物を濃い油状物(380 mg, 40%)として得た。
1H−NMR (CDCl3): 7.30 (m, 7H), 6.98 (m, 2H), 5.55 (s, 2H), 4.98 (m, 1H), 4.66 (m, 1H), 3.45 (m, 3H), 3.28 (m, 2H), 3.09 (m, 1H), 3.07 (m, 1H), 2.78 (m, 1H), 2.34 (s, 3H),2.00 (m, 4H), 1.01 (d, 3H)
【0208】
実施例 9a, 9b, 9c
実施例 9a) 3−ブロモ プロパノールから出発し、実施例9と同様に処理して、1−[(2S)−3−(アセチルチオ)−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリル−L−フェニルアラニン 3−ニトロオキシプロピルエステル(化合物76に相当)を得た;
【0209】
実施例 9b) 4−ブロモブタノールから出発し、実施例9と同様に処理して、1−[(2S)−3−(アセチルチオ)−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリル−L−フェニルアラニン 4−ニトロオキシブチルエステル(化合物77に相当)を白色固体として得た;
【0210】
実施例 9c) 4−ブロモメチルベンジルアルコールから出発し、実施例9と同様に処理して、1−[(2S)−3−(アセチルチオ)−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリル−L−フェニルアラニン 4−ニトロオキシメチルベンジルエステル(化合物79に相当)を白色固体
として得た。
【0211】
薬理試験
実施例 10
本発明による化合物および天然ACE阻害剤カプトプリルの血管平滑筋弛緩作用評価
試験化合物は次のとおりである:
− 1−[3−(アセチルチオ)−(2S)−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン 3−ニトロオキシプロピルエステル(実施例8の化合物)、
− 1−[3−(アセチルチオ)−(2S)−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン 3−ニトロオキシメチルフェニルエステル(実施例8bの化合物)、
− 1−[(2S)−3−(ニトロオキシメトキシカルボニル)メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(実施例3の化合物)、
− 1−[(2S)−3−(4−ニトロオキシブトキシカルボニル)メルカプト−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン(実施例2の化合物)、
− 1−[(2S)−3−(アセチルチオ)−2−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリル−L−フェニルアラニン 3−ニトロオキシメチルフェニルエステル(実施例9の化合物)、
−カプトプリル。
【0212】
本発明のカプトプリルニトロ誘導体の、血管弛緩誘発能力を、インビトロで、孤立させたウサギ胸部大動脈標本において試験した(Wanstall J.C.ら、Br. J. Pharmacol., 134:463−472, 2001)。雄のニュージーランドウサギを、チオペンタール−Na (50 mg/kg, iv)で麻酔し、貧血させてと殺し、次いで胸部を開き、大動脈を解剖した。胸部大動脈のシングルリング標本(長さ 4 mm)を、小器官室(5 ml)中、37℃で生理的食塩水(PSS)にセットする。PSSの組成物は、(mM): NaCl(130)、NaHCO3(14.9)、KH2PO4(1.2)、MgSO4(1.2)、HEPES(10)、CaCl2、アスコルビン酸(170)およびグルコース(1.1)(95% O2 /5% CO2 ; pH 7.4)であった。各リングを、受動緊張度(2 g)下に標本化した。等緊張度を、BIOPAC MP150システムに接続したグラス(Grass)変換器(Grass FT03)で記録した。標本を1時間均衡させ、次いでノルアドレナリン(NA, 1 μM)でおよそ最大限に収縮し、収縮が安定したとき、アセチルクロリン(ACh, 10 μM)を加えた。Achに対する弛緩反応は、機能性内皮細胞の存在を示した。NAに縮合できなかったか、またはAchに対して弛緩を示さない血管を処分した。安定した予備収縮が達成したとき、各試験化合物についての累積濃度−反応曲線を、機能性内皮細胞の存在下に得た。異なる濃度間の時間間隔は、完全な反応に達成するのに必要な時間に基づいた。各動脈輪を、阻害剤と試験化合物の一つの組み合わせにだけ露出した。
【0213】
さらに、化合物によって引き出された拡張薬反応に対する、可溶性のグアニリルサイクラーゼ阻害剤ODQ(1−H−(1,2,4)−オキサジアゾール(4,3−a)キノキサリン−1−オン)の効果を、大動脈輪をODQ(10 μM)で20分間予め培養して試験した。
結果は、最大弛緩の50%を生じさせる、試験化合物の濃度であるIC50値、および試験化合物の濃度100 μMでの最大効果であるEmax値として表される。
【0214】
試験期間中にNAによって得られたプラトーは、大動脈輪における顕著な収縮の自発性損失はなく安定であった。これらの試験条件下に、天然ACE阻害剤、カプトプリルは、いずれの試験濃度でも弛緩を生じず、曲線は媒体のみの存在下に得られたものと異ならなかった。
さらに、ODQ(10 μM)の存在下に行われた試験において、全ての試験化合物に対する血管弛緩応答は阻止された。
【0215】
【表1】

【0216】
実施例 11
高血圧の遺伝モデル(SHRラット)におけるカプトプリルに対する、本発明による化合物の抗高血圧作用およびACE作用の評価
試験化合物は次のとおりである:
− 1−[3−(アセチルチオ)−(2S)−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン 3−ニトロオキシプロピルエステル(実施例8の化合物)、
− 1−[3−(アセチルチオ)−(2S)−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン 3−ニトロオキシメチルフェニルエステル(実施例8bの化合物)、
− カプトプリル。
【0217】
SHRラットを、単一用量(30 mg/Kg)で経口的に処置した。2時間後、これらの動物をチオペンタール−Naで麻酔し;液体カテーテルを右頸動脈に挿入し、ホモダイナミック測定用の変換器に接続した。処置の4時間後、動脈圧(MAP, mmHg)を測定した。結果を表2に報告する。
【0218】
表2に示されるように、本発明のニトロ誘導体 1−[3−(アセチルチオ)−(2S)−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン 3−ニトロオキシプロピルエステル(実施例8の化合
物)および1−[3−(アセチルチオ)−(2S)−メチル−1−オキソプロピル]−L−プロリン 3−ニトロオキシメチルフェニルエステル(実施例8bの化合物)は、処置後4時間でのコントロールに比べて、血圧を35%および43%それぞれ低下させ得た。
試験の最後に、血液を右頸動脈から回収した。ヘパリン添加血液サンプルを、1000 gで、4℃で20分間遠心分離した。血漿を、ACE活性を測定するまで−20℃で保存した。
FAPGGがFAPに加水分解される、ACEの触媒作用による酵素反応に基づいて、分光高度法(シグマ)によりACE活性を測定した。
FAPGG加水分解は、サンプルにおけるACE活性のマーカーである吸光度を340 nm低下させた。表3に報告された結果を、ヘパリン添加血漿中のU/Lとして表した。
【0219】
表3に示されるように、本発明の化合物は、カプトプリルよりも広い範囲でACE活性を阻害した。
【0220】
【表2】

【0221】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

[式中:
Qは−CO−、−OCO−、−CONH−、−COCH(R)NH−(ここで、RはH、直鎖状もしくは分枝鎖状の(C1−C6)−アルキル、−(CH2)2SCH3またはベンジルである)である;
(但し、−S−は−COに結合している)
nは0または1の整数である;
AはH、W(ここで、WはC1−C6−アルキル、フェニルまたはベンジルである)であるか、または以下の基から選択される:
【化2】

(式中、zおよびYは同一または異なって、H、または直鎖状もしくは分枝鎖状の(C1−C4)−アルキル(但し、Aが基1bおよび1cから選択されるとき、Qは−CO−である)である);
【化3】

(式中、zおよびYは上で定義されたとおりである);
(但し、Aが基1d1−1d3から選択されるとき、Qは−COCH(R)NH−(ここで、Rは上で定義されたとおりである)である);
R3 は次の意味を有する2価の基である:
a) 好ましくは1〜5の炭素原子を有する、少なくとも一つのハロゲン原子で任意に置換されていてもよい、直鎖状もしくは可能ならば分枝鎖状のC1−C20アルキレン、または5〜7の炭素原子を有する任意に置換されていてもよいシクロアルキレン;
【化4】

(式中:
n3は0〜20、好ましくは0〜5の整数であり;
n3'は1〜20、好ましくは1〜5の整数であり;
ここで、−ONO2 基は−CH2 基に結合している)
【化5】

(式中、X1は−O−または−S−であり、mは1〜6、好ましくは1〜4の整数であり、m1は1〜10、好ましくは1〜5の整数であり、Rfは水素原子またはCH3であり、Rf'はCH3である;
ここで、mは1〜6、好ましくは1〜4の整数であり、Rfは水素原子またはCH3である)
【化6】

(式中:
nIXは0〜10、好ましくは0〜3の整数であり;
nIIXは1〜10、好ましくは1〜3の整数であり;
RTIX、RTIX'、RTIIX、RTIIX'は同一または異なって、Hまたは直鎖状もしくは分枝鎖状の(C1−C4)−アルキルであり、好ましくはRTIX、RTIX'、RTIIX、RTIIX'はHであり;
ここで、−ONO2 基は次の基に結合している:
【化7】

Y3 は窒素、酸素、硫黄から選択される一つ以上のヘテロ原子を含む、飽和、不飽和または芳香族の、5もしくは6員の複素環であり、例えば:
【化8】

から選択され;
Xは−NH−、−O−、−S−であり;
BはH、−R3a−ONO2 (ここで、R3aは上で定義されたR3 と同じ意味を有する)であるか、または以下の基から選択される:
【化9】

(式中、n3'は上で定義されたとおりであり;ここで−ONO2 基は基−(CH2)n3'に結合している)
または、Bは式(IA):
【化10】

(式中、R2はH、直鎖状もしくは分枝鎖状の(C1−C6)−アルキルまたは−R3b−ONO2であり、R3bは上記のa)で定義されたR3 と同じ意味を有する)
の基である、ただし、
i) R3a がf)およびg)で定義された基であるとき、AはWであり;
ii) R3a がg)で定義された基であるとき、Xは−S−であり;
iii) Bが式(IA)の基であるとき、Xは−NH−であり;
iV) 基AまたはBの少なくとも一方は−ONO2基を含む]
の化合物、および/またはその医薬的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項2】
Qが−CO−、−OCO−、−CONH−、−COCH(R)NH−(ここで、RはHまたはCH3である)であり;
(但し、−S−は−COに結合している)
nが、0または1の整数であり;
AがH、W(ここで、WはC1−C6−アルキル、好ましくはCH3である)であるか、または以下の基から選択される:
【化11】

(式中、zおよびYは同一または異なって、HまたはCH3である、
但し、Aが基1bおよび1cから選択されるとき、Qは−CO−である);
【化12】

(式中、zおよびYは上で定義されたとおりである);
(但し、Aが基1d1−1d3から選択されるとき、Qは−COCH(R)NH−(ここで、Rは上で定義されたとおりである)である)
R3 は次の意味を有する2価の基である:
a) 直鎖状のC1−C6 アルキレン、好ましくはC3−C5 アルキレン;
【化13】

(式中:
n3は0〜5の整数であり、n3'は1〜5の整数であり;
ここで、−ONO2 基は−CH2 基に結合している)
【化14】

(式中、X1は−O−または−S−であり、mは1〜6、好ましくは1〜4の整数であり、m1は1〜10、好ましくは1〜5の整数であり、Rfは水素原子またはCH3であり、Rf'はCH3である)
【化15】

(式中:
nIXは0〜3の整数であり、nIIXは1〜3の整数であり;
RTIX、RTIX'、RTIIX、RTIIX'は同一であってHであり;
ここで、−ONO2 基は−CH2 基に結合しており;
Y3は、一つ以上の窒素原子を含む、請求項1で定義されたY1−Y6から選択される飽和、不飽和または芳香族の複素環である)
から選択され;
Xは−NH−、−O−、−S−であり;
BはH、−R3a−ONO2(ここで、R3aは上で定義されたR3と同じ意味を有する)であるか、または以下の基から選択される:
【化16】

(式中、n3'は上で定義されたとおりであり、好ましくは4であり;ここで−ONO2基は、 基−(CH2)n3'に結合している)
または、Bは式(IA):
【化17】

(式中、R2はH、直鎖状もしくは分枝鎖状の(C1−C6)−アルキルまたは−R3b−ONO2であり、R3bは上記のa)で定義されたR3と同じ意味を有する)
の基である
請求項1に記載の一般式(I)の化合物、および/またはその医薬的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項3】
Qが−CO−、−OCO−、−CONH−、−COCH(R)NH−(ここで、RはHまたはCH3である)である;但し、−S−は−COに結合している;
nが1である;
Aが以下の基から選択される:
【化18】

但し、Aが基1d2から選択されるとき、Qは−COCH(R)NH−(ここで、Rは上で定義されたとおりである)である、
R3は次の意味を有する2価の基である:
a) 直鎖状または分枝鎖状のC1−C6 アルキレン;
【化19】

(式中:
n3は0または1であり、n3'は1であり;
ここで、−ONO2 基は−CH2基に結合している));
Xが−O−であり;
BがHである
請求項1に記載の一般式(I)の化合物、および/またはその医薬的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項4】
Qが−CO−であり;
nが1であり;
AがCH3であり;
Xが−O−であり;
Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aは次の意味を有する:
a) 直鎖状のC1−C6 アルキレン;
b)
【化20】

(式中:
n3は0または1であり、n3'は1であり;
ここで、−ONO2基は−CH2基に結合している)
である
請求項1に記載の一般式(I)の化合物、および/またはその医薬的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項5】
Qが−CO−であり;
nが1であり;
AがCH3であり;
Xが−NH−であり;
Bが式(IA):
【化21】

(式中、R2は−R3b−ONO2(ここで、R3bは次の意味を有する:
a) 直鎖状のC1−C6 アルキレン;
【化22】

(式中:
n3は0または1であり、n3'は1であり;
ここで、−ONO2基は−CH2−基に結合している)
である)の基である
請求項1に記載の一般式(I)の化合物、および/またはその医薬的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項6】
− (1) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物;
− (2) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状の C4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物;
− (3) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3はb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物;
− (4) Qが−OCO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである、式(I)の化合物;
− (5) Qが−OCO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物;
− (6) Qが−OCO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3はb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物;
− (7) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1b)(ここで、zはHであり、YはCH3である)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである、式(I)の化合物;
− (8) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1b)(ここで、zおよびYはHである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物;
− (9) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1c)(ここで、zおよびYはHである)で定義された基であり、R3がb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物;
− (10) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物;
− (11) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物;
− (12) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物;
− (13) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物;
− (14) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3はb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物;
− (15) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3はb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物;
− (16) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d2)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物;
− (17) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d2)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物;
− (18) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d3)(ここで、zはHであり、YはCH3である)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物;
− (19) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d3)(ここで、zおよびYはHである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物;
− (20) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d2)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物;
− (21) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d2)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物;
− (22) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d3)(ここで、zはHであり、YはCH3である)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物;
− (23) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d3)(ここで、zおよびYはHである)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物;− (24) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d2)(ここで、R3はb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物;
− (25) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d2)(ここで、R3はb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)で定義された基であり、Xが−O−であり、BがHである式(I)の化合物;
− (26) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2
(ここで、R3aは直鎖状のC3アルキレンである)である式(I)の化合物;
− (27) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2
(ここで、R3aは直鎖状のC3アルキレンである)である式(I)の化合物;
− (28) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2
(ここで、R3aはb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物;
− (29) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aはb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物;
− (30) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC3アルキレンである)である式(I)の化合物;
− (31) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC3アルキレンである)である式(I)の化合物;
− (32) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aはb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物;
− (33) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aはb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物;
− (34) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC4アルキレンである)である式(I)の化合物;
− (35) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC4アルキレンである)である式(I)の化合物;
− (36) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC4アルキレンである)である式(I)の化合物;
− (37) Qが−COCH(R)NH−であり、RがHであり、nが1であり、Aが1d1)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aは直鎖状のC4アルキレンである)である式(I)の化合物;
− (38) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、AがHであり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC4アルキレンである)である式(I)の化合物;
− (39) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、AがHであり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC3アルキレンである)である式(I)の化合物;
− (40) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、AがHであり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aはb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物;
− (41) Qが−COCH(R)NH−であり、RがCH3であり、nが1であり、AがHであり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aはb)(ここで、n3およびn3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物;
− (42) Qが−COCH(R)NH−であり、RおよびAがHであり、nが1であり、Xが−O−であり、B
が−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC3アルキレンである)である式(I)の化合物;− (43) Qが−COCH(R)NH−であり、RおよびAがHであり、nが1であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC4アルキレンである)である式(I)の化合物;− (44) Qが−COCH(R)NH−であり、RおよびAがHであり、nが1であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aはb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物;
− (45) Qが−COCH(R)NH−であり、RおよびAがHであり、nが1であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aはb)(ここで、n3およびn3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物;
− (46) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC3 アルキレンである)である式(I)の化合物;
− (47) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC4アルキレンである)である式(I)の化合物;
− (48) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aはb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物;
− (49) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aはb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物;
− (50) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aは直鎖状のC4アルキレンである)である式(I)の化合物;
− (51) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aは直鎖状のC3アルキレンである)である式(I)の化合物;
− (52) Qが−OCO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aは直鎖状のC3アルキレンである)である式(I)の化合物;
− (53) Qが−OCO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aは直鎖状のC4アルキレンである)である式(I)の化合物;
− (54) Qが−OCO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aはb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物;
− (55) Qが−OCO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aはb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物;
− (56) Qが−OCO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC4アルキレンである)である式(I)の化合物;
− (57) Qが−OCO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aは直鎖状のC3アルキレンである)である式(I)の化合物;
− (58) Qが−CO−であり、nが1であり、AがW(ここで、WはCH3である)であり、Xが−O
−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aは直鎖状のC4アルキレンである)である式(I)の化合物;
− (59) Qが−CO−であり、nが1であり、AがW(ここで、WはCH3である)であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC3アルキレンである)である式(I)の化合物;
− (60) Qが−CO−であり、nが1であり、AがW(ここで、WはCH3である)であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aはb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物;
− (61) Qが−CO−であり、nが1であり、AがW(ここで、WはCH3である)であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aはb)(ここで、n3およびn3'は1である)で定義された基である)である式(I)の化合物;
− (62) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1b)(ここで、zおよびYはHである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC3アルキレンである)である式(I)の化合物;
− (63) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1b)(ここで、zはHであり、YはCH3である)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC3アルキレンである)である式(I)の化合物;
− (64) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1b)(ここで、zおよびYはHである)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2 (ここで、R3aは直鎖状の C4アルキレンである)である式(I)の化合物、
− (65) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1b)(ここで、zはHであり、YはCH3である)で定義された基であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC4アルキレンである)である式(I)の化合物;
− (66) Qが−CO−であり、nが1であり、AがW(ここで、WはCH3である)であり、Xが−S−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aはg)(ここで、n3'は4である)で定義された基である)である式(I)の化合物;
− (67) Qが−CO−であり、nが1であり、AがW(ここで、WはCH3である)であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aはf)(ここで、n3'は4である)で定義された基である)である式(I)の化合物;
− (68) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−NH−であり、Bが式(IA)(ここで、R2はHである)の基である式(I)の化合物;
− (69) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−NH−であり、Bが式(IA)(ここで、R2はHである)の基である式(I)の化合物;
− (70) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3はb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)で定義された基であり、Xが−NH−であり、Bが式(IA)(ここで、R2はHである)の基である式(I)の化合物;
− (71) Qが−OCO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC4アルキレンである)で定義された基であり、Xが−NH−であり、Bが式(IA)(ここで、R2はHである)の基である式(I)の化合物;
− (72) Qが−OCO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3は直鎖状のC3アルキレンである)で定義された基であり、Xが−NH−であり、Bが式(IA)(ここで、R2はHである)の基である式(I)の化合物;
− (73) Qが−OCO−であり、nが1であり、Aが1a)(ここで、R3はb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)で定義された基であり、Xが−NH−であり、Bが式(IA)(ここで、R2はHである)の基である式(I)の化合物;
− (74) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1b)(ここで、zおよびYはHである)で定義された基であり、Xが−NH−であり、Bが式(IA)(ここで、R2はHである)の基である式(I)の化合物;
− (75) Qが−CO−であり、nが1であり、Aが1b)(ここで、zはHであり、YはCH3である)で定義された基であり、Xが−NH−であり、Bが式(IA)(ここで、R2はHである)の基である式(I)の化合物;
− (76) Qが−CO−であり、nが1であり、AがW(ここで、WはCH3である)であり、Xが−NH−であり、Bが式(IA)(ここで、R2は−R3b−ONO2(ここで、R3bは直鎖状のC3アルキレンである)である)の基である式(I)の化合物;
− (77) Qが−CO−であり、nが1であり、AがW(ここで、WはCH3である)であり、Xが−NH−であり、Bが式(IA)(ここで、R2は−R3b−ONO2(ここで、R3bは直鎖状のC4アルキレンである)である)の基である式(I)の化合物;
− (78) Qが−CO−であり、nが1であり、AがW(ここで、WはCH3である)であり、Xが−NH−であり、Bが式(IA)(ここで、R2は−R3b−ONO2(ここで、R3bはb)(ここで、n3は0であり、n3'は1である)で定義された基である)である)の基である式(I)の化合物;
− (79) Qが−CO−であり、nが1であり、AがW(ここで、WはCH3である)であり、Xが−NH−であり、Bが式(IA)(ここで、R2は−R3b−ONO2(ここで、R3bはb)(ここで、n3およびn3'は1である)で定義された基である)である)の基である式(I)の化合物;
− (80) Qが−CO−であり、nが1であり、AがW(ここで、WはCH3である)であり、Xが−NH−であり、Bが式(IA)(ここで、R2は−R3b−ONO2 (ここで、R3bは直鎖状のC5アルキレンである)である)の基である式(I)の化合物;
− (81) Qが−CO−であり、nが1であり、AがW(ここで、WはCH3である)であり、Xが−O−であり、Bが−R3a−ONO2(ここで、R3aは直鎖状のC5アルキレンである)である式(I)の化合物
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
i) 式(II):
【化23】

(式中:
Qおよびnは請求項1で定義されたとおりであり;
AはH、W(ここで、Wは請求項1で定義されたとおりである)、アミノ保護基であるか、または以下の基から選択される:
【化24】

(式中、R3、zおよびYは請求項1で定義されたとおりである)
Xは請求項1で定義されたとおりであり;
BはH、カルボキシ保護基、−R3a−Hal(ここで、R3aは請求項1で定義されたとおりである)であるか、または
Bは、請求項1で定義された式(IA)(ここで、R2はH、直鎖状もしくは分枝鎖状の(C1−C6)−アルキルまたは−R3b−Hal(ここで、R3bは請求項1で定義されたとおりである)であり;Halはハロゲン、好ましくはCl、BrおよびIである)の基である)
の化合物を、アセトニトリルまたはテトラヒドロフラン(THF)のような適当な有機溶媒中、窒素下に、20〜−80℃の範囲の温度で、AgNO3と反応させ、
ii) カルボキシまたはアミノ保護基を任意に酸加水分解し、
iii) 所望により、得られた一般式(I)の化合物を、その医薬的に許容される塩に変換することを含む、請求項1に記載の一般式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは立体異性体の製造方法。
【請求項8】
治療剤としての、請求項1に記載の一般式(I)の化合物、および/またはその塩もし
くは立体異性体の使用。
【請求項9】
心疾患、炎症性疾患および腎臓疾患の治療または予防に用いられ得る医薬を製造するための、請求項1に記載の一般式(I)の化合物、および/またはその塩もしくは立体異性体の使用。
【請求項10】
急性冠状動脈性疾患、脳梗塞、肺高血圧、高血圧、高眼圧症、糖尿病性ネフロパシー、末梢血管疾患の治療に用いられ得る医薬を製造するための、請求項1に記載の一般式(I)の化合物、および/またはその塩もしくは立体異性体の使用。
【請求項11】
医薬的に許容される担体、ならびに請求項1に記載の一般式(I)の化合物、および/またはその塩もしくは立体異性体の医薬的に有効な量を含む医薬組成物。
【請求項12】
吸入スプレー、またはエアゾールもしくはイオントホレシス(iontophoresis)器具による、経口、非経口、直腸、局所および経皮投与に適した形態にある、請求項12に記載の組成物。
【請求項13】
請求項1に記載の式(I)の化合物、および/またはその塩もしくは立体異性体、ならびに医薬的に許容される担体を含む、腸溶コーティングされていてもよい錠剤、カプセル剤および丸剤、散剤、顆粒剤、ゲル剤、乳剤、液剤、懸濁液剤、シロップ剤、エリキシル剤、注射剤、坐剤、経皮パッチ剤もしくはリポソーム剤の形態にある、経口、非経口、直腸、局所および経皮投与または吸入用の、液体もしくは固体医薬組成物。
【請求項14】
請求項1に記載の式(I)の化合物、心疾患の治療に用いられる化合物および医薬的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項15】
心疾患の治療に用いられる化合物が、ベータアドレナリン遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、抗血栓剤、HMGCoAリダクターゼ阻害剤、アスピリンもしくはアスピリンのニトロオキシ誘導体、ニトロソ化されたベータ遮断薬、ニトロソ化もしくはニトロシル化されたカルシウムチャネル遮断薬からなる群から選択される、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
請求項11に記載の組成物、および心疾患の治療に用いられる化合物を、同時に、連続してまたは前もって投与するための医薬キット。

【公表番号】特表2006−528230(P2006−528230A)
【公表日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530215(P2006−530215)
【出願日】平成16年5月24日(2004.5.24)
【国際出願番号】PCT/EP2004/050899
【国際公開番号】WO2004/106300
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(398034032)ニコックス エス エイ (36)
【住所又は居所原語表記】Taissounieres HB4,1681 route des Dolines−BP313,06560 Sophia Antipolis−Valbonne,France
【Fターム(参考)】