説明

カメラのファインダー内表示方法

【課題】 ファインダー内に撮影情報を表示する表示装置において、カメラがサイズアップやコストアップすることなく、また煩わしい操作を行うことなく、多くの撮影情報を撮影者に分かり易く表示する。
【解決手段】 カメラの電源がONされると(S101)、撮影者がファインダーを覗いているか接眼検知を行い(S102)、覗いていればファインダー内表示用LCD19に第1の撮影情報表示を行う(S104)。この状態でレリーズボタン60が半押しされてSW1がONするか検知を行い(S105)、ONすれば第1の撮影情報表示を消灯し(S106)、第2の撮影情報表示を行う(S107)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はファインダー内に撮影情報を表示をするための表示手段を有するカメラにおいて、撮影情報の表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、撮影光学系によって結像された被写体像をCCDやCMOS等の撮像素子を利用して電気信号に光電変換し、これにより得られた撮像信号を記録媒体等に記録するように構成されたデジタルカメラが広く普及している。
【0003】
デジタルカメラが銀塩カメラに対して優位な点の一つにISO感度を自由に変更できるといった点がある。銀塩カメラの場合はISO感度はフィルムに依存しており、ISO感度を変更したければフィルムを交換する必要があるため、1枚撮影する毎にISO感度を変更することは実際問題として手間がかかりすぎるため行われることはほとんどなかった。そのため被写体を適正露出で撮影するためにはシャッタースピードと絞り値の組み合わせを変えていた。
【0004】
しかしデジタルカメラの場合は、撮像素子や画像処理回路のゲインの設定を変更することでISO感度が変更可能となっているため、1枚撮影する毎にISO感度を変更しながら撮影することが可能となっている。従って被写体を適正露出で撮影するためにはシャッタースピードと絞り値の組み合わせを変えるだけでなく、シャッタースピードと絞り値は一定でISO感度を変えることも可能で、撮影表現の選択肢が増えている。そのため撮影者が設定されているISO感度を簡単に把握できることが重要である。
【0005】
ここで従来のカメラはシャッタースピードや絞り値、その他の撮影情報を撮影者が設定、把握できるように、各種の撮影情報を表示するための表示装置を搭載している。撮影者が撮影情報を把握し易くするためには、表示装置はより多くの撮影情報を表示できた方が良いが、表示装置に液晶表示器等を用いる場合、表示するためのセグメントを増す必要があるため表示装置のサイズが大きくなり、その駆動回路の規模も大きくなる等、カメラのサイズアップやコストアップを招いてしまう。
【0006】
そこで表示装置にISO感度を効率良く表示するための方法として、フィルムカウント値の表示部に、カメラの電源がオンの時はフィルムカウント値を表示し、オフの時はISO感度を表示する方法(特許文献1参照)が開示されている。
【0007】
更に表示装置はひと目でより多くの撮影情報を設定、把握可能なようにカメラの外部に設けられた大型の外部表示装置と、実際にファインダーを覗いて撮影する際に必要最小限の撮影情報が把握可能なようにファインダー内に設けられた小型のファインダー内表示装置の2つを搭載していることが多い。このため両方の表示装置に撮影情報を表示すると消費電力が増えてしまう。このファインダー内表示装置の消費電力を抑えるために、カメラの電源がオンしている時に常に表示するのではなく撮影を行おうとしている時だけ表示するように、接眼検知手段によりファインダーを覗いていることを検知し、且つレリーズボタンに触れて撮影準備動作がなされたことを受けて表示する方法(特許文献2参照)が開示されている。
【特許文献1】特開平9−146159号公報(第2頁、図9)
【特許文献2】特開平2−179076号公報(第2頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら前記特開平9−146159号公報の表示方法の場合、カメラの電源がオフの時にISO感度を表示しているため、電力消費を抑えることができない。またフィルムカウント値の表示部にISO感度表示を行うため、フィルムカウント値を表示するのに不必要なセグメントを追加しているため、無駄なコストがかかっているといった問題がある。
【0009】
また前記特開平2−179076号公報の表示方法の場合、接眼検知に応じてファインダー内表示装置の表示、非表示を切り換えているだけなので、表示すべき必要最小限の撮影情報を表示するセグメントに加えてISO感度を表示するためのセグメントが必要となり、表示装置のサイズが大きくなり、その駆動回路の規模も大きくなる等、カメラのサイズアップやコストアップを招くといった問題がある。
【0010】
そこで本発明の目的は、ファインダー内に撮影情報を表示する表示装置において、カメラがサイズアップやコストアップすることなく、また煩わしい操作を行うことなく多くの撮影情報を撮影者に分かり易く表示可能なカメラのファインダー内表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、ファインダー内に撮影情報を表示する表示手段と、撮影者がファインダーを覗いているか否かを検知する接眼検知手段と、制御用のスイッチ手段とを備えたカメラのファインダー内表示装置において、前記接眼検知手段によりファインダーが覗かれたことが検知されると、前記表示手段により第1の撮影情報表示を行い、第1の撮影情報表示状態において前記スイッチ手段が操作されると、第2の撮影情報表示に変更されることを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1記載のカメラにおいて、前記第2の撮影情報表示は前記第1の撮影情報表示の1部が変更されていることを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1、2記載のカメラにおいて、前記第1の撮影情報表示から前記第2の撮影情報表示で変更された撮影情報は、前記表示手段の1桁が7個のセグメントからなる複数桁の数字表示部に表示が行われることを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1〜3記載のカメラにおいて、前記第1の撮影情報表示ではISO感度を表示し、前記第2の撮影情報表示ではシャッタースピードの表示に変更されることを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1〜3記載のカメラにおいて、前記第1の撮影情報表示ではISO感度を表示し、前記第2の撮影情報表示では撮影枚数の表示に変更されることを特徴とする。
【0016】
請求項6の発明は、請求項1〜3記載のカメラにおいて、前記第1の撮影情報表示では撮影枚数を表示し、前記第2の撮影情報表示ではISO感度の表示に変更されることを特徴とする。
【0017】
請求項7の発明は、請求項5〜6記載のカメラにおいて、前記撮影枚数の表示は、記録手段に記録保存可能な枚数、記録手段に記録保存している枚数、一時記憶手段に記憶可能な枚数、のいずれかの表示であることを特徴とする。
【0018】
請求項8の発明は、請求項1〜3記載のカメラにおいて、前記第1の撮影情報表示では記録手段に記録保存している枚数、または記録保存可能な枚数を表示し、前記第2の撮影情報表示では一時記憶手段に記憶可能な枚数の表示に変更されることを特徴とする。
【0019】
請求項9の発明は、請求項1〜8記載のカメラにおいて、前記スイッチ手段は、半押し操作によるオンと全押し操作によるオンの2段スイッチからなるレリーズボタンであり、前記第1の撮影情報表示状態において前記半押し操作によるオンにより、第2の撮影情報表示に切り換えられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明によれば、接眼検知手段によりファインダーが覗かれたことが検知されると、表示手段により第1の撮影情報表示を行い、第1の撮影情報表示状態においてスイッチ手段が操作されると、第2の撮影情報表示に変更されることにより、煩わしい操作を行うことなく多くの撮影情報を撮影者に分かり易く表示可能なカメラのファインダー内表示方法が実現できる。
【0021】
請求項2の発明によれば、前記第2の撮影情報表示は前記第1の撮影情報表示の一部が変更されることにより、請求項1記載のカメラのファインダー内表示方法が実現できる。
【0022】
請求項3の発明によれば、前記第1の撮影情報表示から前記第2の撮影情報表示で変更された撮影情報は、前記表示手段の1桁が7個のセグメントからなる複数桁の数字表示部に表示が行われることにより、様々な数字情報が表示可能となるため前記表示手段を大きくする必要がなく、その結果、カメラがサイズアップやコストアップすることなく多くの撮影情報を撮影者に分かり易く表示可能な請求項1、2記載のカメラのファインダー内表示方法が実現できる。
【0023】
請求項4の発明によれば、前記第1の撮影情報表示ではISO感度を表示し、前記第2の撮影情報表示ではシャッタースピードの表示に変更されることにより、請求項1〜3記載のカメラのファインダー内表示方法が実現できる。
【0024】
請求項5の発明によれば、前記第1の撮影情報表示ではISO感度を表示し、前記第2の撮影情報表示では撮影枚数の表示に変更されることにより、請求項1〜3記載のカメラのファインダー内表示方法が実現できる。
【0025】
請求項6の発明によれば、前記第1の撮影情報表示では撮影枚数を表示し、前記第2の撮影情報表示ではISO感度の表示に変更されることにより、請求項1〜3記載のカメラのファインダー内表示方法が実現できる。
【0026】
請求項7の発明によれば、前記撮影枚数の表示は、記録手段に記録保存可能な枚数、記録手段に記録保存している枚数、一時記憶手段に記憶可能な枚数、のいずれかの表示であることにより、請求項5〜6記載のカメラのファインダー内表示方法が実現できる。
【0027】
請求項8の発明によれば、前記第1の撮影情報表示では記録手段に記録保存している枚数、または記録保存可能な枚数を表示し、前記第2の撮影情報表示では撮影した画像データを一時記憶手段に記憶可能な枚数の表示に変更されることにより、請求項1〜3記載のカメラのファインダー内表示方法が実現できる。
【0028】
請求項9の発明によれば、前記スイッチ手段は、半押し操作によるオンと全押し操作によるオンの2段スイッチからなるレリーズボタンであり、前記第1の撮影情報表示状態において前記半押し操作によるオンにより、第2の撮影情報表示に切り換えられることにより、請求項1〜8記載のカメラのファインダー内表示方法が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例を図面を参照しながら説明する。図1は第1の実施例に係るデジタル一眼レフカメラの概略断面図である。
【0030】
1はカメラ本体、2は後述の撮影レンズ3をカメラ本体1に着脱可能とするためのマウントであり、各種信号を通信したり、駆動電源を供給するためのインターフェイス部を有する。3は交換可能な撮影レンズであり、内部にフォーカスレンズ群やズームレンズ群を有している。図1では各レンズ群を便宜上1枚のレンズで図示したが、実際には多数のレンズにより複雑なレンズ群の組み合わせで構成されている。
【0031】
4はハーフミラーで構成された主ミラーであり、カメラの動作状態に応じて回動可能となっており、被写体をファインダーで観察する時は撮影光路へ斜設され、撮影レンズ3からの光束を折り曲げて後述のファインダー光学系へ導き、撮影する時は撮影光路から退避して、撮影レンズ3からの光束を後述の撮像素子7へ導いている。5は主ミラー4とともに回動するサブミラーであり、ハーフミラーで構成されており、主ミラー4が撮影光路へ斜設されている時に主ミラー4を透過した光束を折り曲げて後述の焦点検出装置8へ導く光束と、透過して後述の撮像素子7へ導く光束に分割している。
【0032】
6はシャッター、7はCCDやCMOS等の撮像素子である。8はAFセンサであり、2次結像レンズや複数のCCDからなるエリアセンサ等から構成されており、周知の位相差方式で焦点検出可能となっている。
【0033】
9は撮影レンズ3の一次結像面に配置されたピント板であり、入射面にはフレネルレンズ(集光レンズ)が設けられ、射出面には被写体像(ファインダー像)が結像している。10はファインダー視野領域を形成するファインダー視野枠、11はファインダー光路変更用のペンタプリズムであり、ピント板9の射出面に結像した被写体像を正立正像に補正する。12、13は接眼レンズである。ここで、ピント板9、ペンタプリズム11、接眼レンズ12、13により構成されている光学系をファインダー光学系と称する。
【0034】
14はファインダーを観察する撮影者の瞳である。15は接眼検知手段の照明光源である赤外LED、16は光電素子列を二次元的に配したCCD等からなる接眼検知手段の受光センサである。赤外LED15から投光された赤外光が瞳14で反射すると受光センサ16に入射するように配置されている。これらにより撮影者がファインダーを観察しているか否かを検知する。ここで、この機能のことを接眼検知と称する。
【0035】
17はAEセンサであり、多分割された撮影画面内の各領域に対応したフォトダイオードから構成されており、ピント板9の射出面に結像した被写体像の輝度を測定する。
【0036】
18はLCD照明用のLED、19はファインダー内表示用のLCDであり、ファインダー内の視野外に撮影情報を表示するために複数のセグメントによりパターン化し、選択されたセグメント領域のみ光束を透過可能とする電解効果型のツイステッドネマティックモード(Twisted Nematic Mode)を利用したTN液晶表示器からなる。20は三角プリズムである。LED18により照明されLCD19を透過した光束は、三角プリズム20によりファインダー視野外に導かれる。これにより撮影者はファインダーを観察した際に各種の撮影情報を目視することができる。
【0037】
21は撮影した画像や各種の撮影情報を表示する液晶モニタである。
【0038】
図2は図1の構成のデジタル一眼レフカメラに内蔵された電気的構成を示すブロック図であり、図1と同一のものには同一番号を付けている。
【0039】
50はカメラ部の制御とカメラ全体の制御を行うマイクロコンピュータ(中央処理装置;以下、MPUと記す)、51は画像データの各種制御を行うメモリコントローラ、52は各種制御を行うための設定、調整データ等を格納しているEEPROMである。
【0040】
53は撮影レンズ3内にあるレンズ制御回路であり、マウント2を介してMPU50と接続されており、後述の各情報に基づいてフォーカスレンズの焦点調節(合焦駆動)や絞り駆動を行う。
【0041】
54は焦点検出回路であり、AFセンサ8のエリアセンサの蓄積制御と読み出し制御とを行って、各測距点の画素情報をMPU50に出力する。MPU50は各測距点の画素情報を周知の位相差検出法による焦点検出を行い、検出した焦点検出情報を前述のレンズ制御回路53へ送出してフォーカスレンズの焦点調節を行わせる。この焦点検出から焦点調節までの一連の動作をオートフォーカス(以下、AFと記す)動作と称する。
【0042】
55は測光回路であり、AEセンサ17の各領域からの輝度信号をMPU50に出力する。MPU50は、輝度信号をA/D変換して被写体の測光情報とし、この測光情報を用いて撮影露出の調整を行う。
【0043】
56はモータ駆動回路であり、主ミラー4を駆動するモータやシャッター6のチャージを行うモータを制御する。
【0044】
57はシャッター駆動回路であり、シャッター6の先幕を走行させるマグネットと後幕を走行させるマグネットを、撮像素子7に所定光量を露光するように制御する。
【0045】
58は表示駆動回路であり、表示内容に応じたLCD19への通電制御とLED18の点灯、点滅制御を行い、ファインダー内にシャッタースピード、絞り値、ISO感度、撮影可能枚数等の撮影情報を表示する。
【0046】
59は接眼検知回路であり、赤外LED15の点灯制御と受光センサ16の受光信号処理を行い、接眼検知情報をMPU50に出力する。
【0047】
60はレリーズボタンであり、第1ストローク(半押し)操作でONし、測光(AE)、AF動作を開始させるためのスイッチであるSW1と、レリーズボタンの第2ストローク(全押し)操作でONし、露光動作を開始させるためのスイッチであるSW2の信号をMPU50へ出力する。
【0048】
61は電子ダイヤルであり、ダイヤルの回転クリックに応じたON信号がMPU50内の不図示のアップダウンカウンタに出力され、その数がカウントされる。このカウントに応じて各種の数値やデータ等の選択が行われる。
【0049】
62はSETボタンであり、電子ダイヤル61で選択した数値やデータ等を決定する際に操作する。
【0050】
63はISO感度ボタンであり、操作すると撮像素子7或いは後述の画像処理回路74におけるゲインの設定を変更可能な状態となる。この状態の時に電子ダイヤル61を操作すると、そのカウントに応じてゲインが変更され、更にSETボタン62を操作して変更されたゲインに決定されることによりISO感度が変更できる。
【0051】
64は記録画質ボタンであり、操作すると撮影された画像データをメディア78に記録する際のフォーマットと画質を変更可能な状態となる。この状態の時に電子ダイヤル61を操作すると、そのカウントに応じてフォーマットと画質が変更され、更にSETボタン62を操作して変更されたフォーマットと画質に決定されることにより記録画質が変更できる。
【0052】
65は電源ボタンであり、操作するとカメラの電源がON/OFFされる。
【0053】
66は電源67の電圧を各回路に必要な電圧に変換するDC/DCコンバータである。
【0054】
70は撮像素子7から出力される画像信号をサンプルホールド及び自動ゲイン調整するCDS(相関2重サンプリング)/AGC(自動ゲイン調整)回路、71はCDS/AGC回路70のアナログ出力をデジタル信号に変換するA/D変換器、72はTG(タイミング発生)回路であり、撮像素子7に駆動信号を、CDS/AGC回路70にサンプルホールド信号を、A/D変換器71にサンプルクロック信号を供給する。ここで、メモリコントローラ51が撮像素子7から出力される画像信号をCDS/AGC回路70、A/D変換器71を経て受けて、コントラスト検出方式により被写体像の焦点検出を行うことが可能である。
【0055】
73はA/D変換器71でデジタル変換された画像等を一時的に記録するためのSDRAM、74は画像をY/C(輝度信号/色差信号)分離、ホワイトバランス補正、γ補正等を行う画像処理回路、75は画像をJPEG等の形式に従って圧縮したり、圧縮された画像の伸張を行う画像圧縮/伸張回路である。
【0056】
76はSDRAM73やメディア78に記録された画像を液晶モニタ21に表示するために、画像をアナログ信号に変換するD/A変換器である。77は画像を記録保存するためのメディア78とのI/F(インターフェイス)である。
【0057】
図3はファインダー内表示用LCD19の全セグメント点灯状態図であり、図4は第1の撮影情報表示状態図、図5は第2の撮影情報表示状態図である。
【0058】
81は撮影モードのシャッタースピード優先モードを示すTvマーク、82は撮影モードの絞り優先モードを示すAvマーク、83は撮影モードのマニュアルモードを示すMマーク、84はISO感度表示を示すISO感度マーク、85は状況に応じてシャッタースピードやISO感度を表示する最大4桁の数字が表示可能な表示部、86は絞り値表示部である。
【0059】
87はメディア78を示すCFマーク、88はSDRAM73を示すBuff.マーク、89は最大4桁の数字が表示可能な枚数表示部である。
【0060】
図9はLCD19の表示方法を示すフローチャートである。
【0061】
以上の図を用いてカメラの動作について説明する。
【0062】
S101では、撮影者が電源ボタン65を操作して、カメラの電源がONされる。
【0063】
S102では、接眼検知回路59により接眼検知を行い、検知されれば、即ち撮影者がファインダーを覗いていればS103へ進み、検知されなければ検知を続ける。
【0064】
S103では、カメラに設定されている各種撮影情報をEEPROM52から読み出す。また設定されている記録画質やカメラに装着されたメディア78の空き容量等からメディア78に記録保存可能な枚数(撮影可能枚数)の演算や、SDRAM73の空き容量等からSDRAM73に記録保存可能な枚数(連続撮影可能枚数)の演算を行う。
【0065】
S104では、表示駆動回路58によりLCD19にISO感度と、撮影可能枚数を点灯し、LED18を点灯してファインダー内表示を行う(第1の撮影情報表示)。この時の表示状態が図4である。表示部85に数字(100)を表示してISO感度マーク84を表示することにより、ISO感度100を示し、枚数表示部89に数字(284)を表示してCFマーク87を表示することにより、撮影可能枚数284枚を示している。
【0066】
S105では、レリーズボタン60を半押しして、SW1がONされたか否かの判定を行い、ONされればS106へ進み、ONされなければS114へ進む。
【0067】
S106では、表示駆動回路58によりLCD19に表示しているISO感度と、撮影可能枚数を消灯する。
【0068】
S107では、表示駆動回路58によりLCD19にシャッタースピードと、連続撮影可能枚数を点灯してファインダー内表示を行う(第2の撮影情報表示)。この時の表示状態が図5である。表示部85に数字(8000)を表示してMマーク83を表示することにより、撮影モードがマニュアルモード、設定しているシャッタースピードが1/8000秒を示し、枚数表示部89に数字(35)を表示してBuff.マーク88を表示することにより、連続撮影可能枚数35枚を示している。また絞り値表示部86は設定している絞り値がf2.8であることを示している。
【0069】
更にフローチャートには割愛してあるが、SW1ONを受けて所定のAE、AF動作を行っている。
【0070】
S108では、レリーズボタン60を全押しして、SW2がONされたか否かの判定を行い、ONされればS109へ進み、ONされなければS111へ進む。
【0071】
S109では、AE、AFの結果に従って所定の撮影動作を行う。
【0072】
更にフローチャートには割愛してあるが、撮影した枚数に従って、LCD19に表示している連続撮影可能枚数を減算表示している。
【0073】
S110では、レリーズボタン60が半押しされ続けて、SW1がONのままか否かの判定を行い、ONのままであればS108へ戻り、引き続きSW2の判定を行う。またSW1がONのままでなければ、即ちレリーズボタン60の操作が中断されてSW1がOFFしていればS112へ進む。
【0074】
S111では、レリーズボタン60が全押しされないことを受けて、SW1がONのままか否かの判定を行い、ONのままであればS108へ戻り、引き続きSW2の判定を行う。またSW1がONのままでなければ、即ちレリーズボタン60の操作が中断されてSW1がOFFしていればS112へ進む。
【0075】
S112では、SW1がOFFしたことを受けて、表示駆動回路58によりLCD19に表示しているシャッタースピードと、連続撮影可能枚数を消灯する。
【0076】
S113では、表示駆動回路58によりLCD19にISO感度と、撮影可能枚数を点灯してファインダー内表示を行う。
【0077】
S114では、SW1がOFFしたことを受けて、接眼検知回路59により接眼検知を行い、検知されればS105へ戻り、引き続きSW1の判定を行う。また検知されなければ、即ち撮影者がファインダーを覗くのを中断していればS115へ進む。
【0078】
S115では、表示駆動回路58によりLCD19に表示しているISO感度と、撮影可能枚数を消灯し、LED18を消灯してファインダー内表示を中断する。
【0079】
S116では、カメラの電源がONのままか否かの判定を行い、ONのままであればS102へ戻り、引き続き接眼検知を行う。また電源がONのままでなければ、即ち撮影者が電源ボタン65を操作して電源をOFFにしていれば、カメラの動作は終了する。
【0080】
上述の本発明の第1の実施例においては、撮影者がファインダーを覗いたことを検知する検知手段は、撮影者の瞳を検出する接眼検知としたが、撮影者がファインダー内の一部を注視したことを検出する視線検出や、撮影者の顔がファインダーに近づいたことを検出するフェイス検知等でも構わない。また第1から第2で変更された撮影情報は2種類としたが、1種類や3種類以上でも構わない。更に第1の撮影情報では撮影可能枚数を表示したが、既にメディア78に記録保存済み枚数でも構わない。
【0081】
以上説明したように、本発明の第1の実施例によれば、接眼検知により撮影者がファインダーを覗いたことを検知すると、ファインダー内に第1の撮影情報を表示し、その状態のままレリーズボタンを半押し操作すると、ファインダー内に表示している第1の撮影情報が第2の撮影情報に変更されるため、煩わしい操作を行うことなく多くの撮影情報を撮影者に分かり易く表示可能である。
【0082】
また第1の撮影情報から第2の撮影情報で変更される撮影情報を表示する表示部を、1桁が7個のセグメントからなる複数桁の数字表示部としたことにより、様々な数字情報が表示可能となるため表示装置を大きくする必要がなく、その結果、カメラがサイズアップやコストアップすることなく多くの撮影情報を撮影者に分かり易く表示可能である。
【0083】
(実施例2)
以下、本発明の第2の実施例を図面を参照しながら説明する。デジタル一眼レフカメラの構成等は第1の実施例の図1、2と同一のため説明は割愛する。
【0084】
図6はファインダー内表示用LCD19の全セグメント点灯状態図であり、図7は第1の撮影情報表示状態図、図8は第2の撮影情報表示状態図である。図3〜5と同一の機能のものには同一番号を付けている。
【0085】
90は最大4桁の数字が表示可能なシャッタースピード表示部、91は状況に応じてISO感度や撮影枚数を表示する最大4桁の数字が表示可能な表示部である。
【0086】
図10はLCD19の表示方法を示すフローチャートである。
【0087】
以上の図を用いてカメラの動作について説明する。
S201では、撮影者が電源ボタン65を操作して、カメラの電源がONされる。
【0088】
S202では、接眼検知回路59により接眼検知を行い、検知されれば、即ち撮影者がファインダーを覗いていればS203へ進み、検知されなければ検知を続ける。
【0089】
S203では、カメラに設定されている各種撮影情報をEEPROM52から読み出す。また設定されている記録画質やカメラに装着されたメディア78の空き容量等からメディア78に記録保存可能な枚数(撮影可能枚数)の演算や、SDRAM73の空き容量等からSDRAM73に記録保存可能な枚数(連続撮影可能枚数)の演算を行う。
【0090】
S204では、表示駆動回路58によりLCD19にISO感度を点灯し、LED18を点灯してファインダー内表示を行う(第1の撮影情報表示)。この時の表示状態が図7である。表示部91に数字(400)を表示してISO感度マーク84を表示することにより、ISO感度400を示している。
【0091】
またTvマーク81とシャッタースピード表示部90に数字(125)、絞り値表示部86に数字(5.6)を表示することにより、撮影モードがシャッタースピード優先モード、設定しているシャッタースピードが1/125秒、各設定値に応じた絞り値がf5.6であることを示している。
【0092】
S205では、レリーズボタン60を半押しして、SW1がONされたか否かの判定を行い、ONされればS206へ進み、ONされなければS214へ進む。
【0093】
S206では、表示駆動回路58によりLCD19に表示しているISO感度を消灯する。
【0094】
S207では、表示駆動回路58によりLCD19に撮影可能枚数を点灯してファインダー内表示を行う(第2の撮影情報表示)。この時の表示状態が図8である。表示部91に数字(1379)を表示してCFマーク87を表示することにより、撮影可能枚数1379枚を示している。
【0095】
更にフローチャートには割愛してあるが、SW1ONを受けて所定のAE、AF動作を行っている。
【0096】
S208では、レリーズボタン60を全押しして、SW2がONされたか否かの判定を行い、ONされればS209へ進み、ONされなければS211へ進む。
【0097】
S209では、AE、AFの結果に従って所定の撮影動作を行う。
【0098】
更にフローチャートには割愛してあるが、撮影した枚数に従って、LCD19に表示している撮影可能枚数を減算表示している。
【0099】
S210では、レリーズボタン60が半押しされ続けて、SW1がONのままか否かの判定を行い、ONのままであればS208へ戻り、引き続きSW2の判定を行う。またSW1がONのままでなければ、即ちレリーズボタン60の操作が中断されてSW1がOFFしていればS212へ進む。
【0100】
S211では、レリーズボタン60が全押しされないことを受けて、SW1がONのままか否かの判定を行い、ONのままであればS208へ戻り、引き続きSW2の判定を行う。またSW1がONのままでなければ、即ちレリーズボタン60の操作が中断されてSW1がOFFしていればS212へ進む。
【0101】
S212では、SW1がOFFしたことを受けて、表示駆動回路58によりLCD19に表示している撮影可能枚数を消灯する。
【0102】
S213では、表示駆動回路58によりLCD19にISO感度を点灯してファインダー内表示を行う。
【0103】
S214では、SW1がOFFしたことを受けて、接眼検知回路59により接眼検知を行い、検知されればS205へ戻り、引き続きSW1の判定を行う。また検知されなければ、即ち撮影者がファインダーを覗くのを中断していればS215へ進む。
【0104】
S215では、表示駆動回路58によりLCD19に表示しているISO感度を消灯し、LED18を消灯してファインダー内表示を中断する。
【0105】
S216では、カメラの電源がONのままか否かの判定を行い、ONのままであればS202へ戻り、引き続き接眼検知を行う。また電源がONのままでなければ、即ち撮影者が電源ボタン65を操作して電源をOFFにしていれば、カメラの動作は終了する。
【0106】
上述の本発明の第2の実施例においては、撮影者がファインダーを覗いたことを検知する検知手段は、撮影者の瞳を検出する接眼検知としたが、撮影者がファインダー内の一部を注視したことを検出する視線検出や、撮影者の顔がファインダーに近づいたことを検出するフェイス検知等でも構わない。また第1から第2で変更された撮影情報は1種類としたが、2種類以上でも構わない。更に第2の撮影情報では撮影可能枚数を表示したが、既にメディア78に記録保存済み枚数の表示やSDRAM73に記録保存可能な枚数(連続撮影可能枚数)でも構わない。更に第1の撮影情報と第2の撮影情報が逆でも構わない。
【0107】
以上説明したように、本発明の第2の実施例によれば、接眼検知により撮影者がファインダーを覗いたことを検知すると、ファインダー内に第1の撮影情報を表示し、その状態のままレリーズボタンを半押し操作すると、ファインダー内に表示している第1の撮影情報の一部が変更されて第2の撮影情報になるため、煩わしい操作を行うことなく多くの撮影情報を撮影者に分かり易く表示可能である。
【0108】
また第1の撮影情報から第2の撮影情報で変更される撮影情報を表示する表示部を、1桁が7個のセグメントからなる複数桁の数字表示部としたことにより、様々な数字情報が表示可能となるため表示装置を大きくする必要がなく、その結果、カメラがサイズアップやコストアップすることなく多くの撮影情報を撮影者に分かり易く表示可能である。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明に係る、デジタル一眼レフカメラの概略断面図である。
【図2】本発明に係る、デジタル一眼レフカメラに内蔵された電気的構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る、デジタル一眼レフカメラのファインダー内表示用LCDの全セグメント点灯状態図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係る、デジタル一眼レフカメラのファインダー内表示用LCDの第1の撮影情報表示状態図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係る、デジタル一眼レフカメラのファインダー内表示用LCDの第2の撮影情報表示状態図である。
【図6】本発明の第2の実施例に係る、デジタル一眼レフカメラのファインダー内表示用LCDの全セグメント点灯状態図である。
【図7】本発明の第2の実施例に係る、デジタル一眼レフカメラのファインダー内表示用LCDの第1の撮影情報表示状態図である。
【図8】本発明の第2の実施例に係る、デジタル一眼レフカメラのファインダー内表示用LCDの第2の撮影情報表示状態図である。
【図9】本発明の第1の実施例に係る、デジタル一眼レフカメラのファインダー内表示用LCDの表示方法を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施例に係る、デジタル一眼レフカメラのファインダー内表示用LCDの表示方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0110】
15 接眼検知用赤外LED
16 接眼検知用受光センサ
19 ファインダー内表示用LCD
60 レリーズボタン
83 Mマーク
84 ISO感度マーク
85 表示部
87 CFマーク
88 Buff.マーク
89 枚数表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファインダー内に撮影情報を表示する表示手段と、撮影者がファインダーを覗いているか否かを検知する接眼検知手段と、制御用のスイッチ手段とを備えたカメラのファインダー内表示装置において、前記接眼検知手段によりファインダーが覗かれたことが検知されると、前記表示手段により第1の撮影情報表示を行い、第1の撮影情報表示状態において前記スイッチ手段が操作されると、第2の撮影情報表示に変更されることを特徴とするカメラのファインダー内表示方法。
【請求項2】
請求項1記載のカメラにおいて、前記第2の撮影情報表示は前記第1の撮影情報表示の1部が変更されていることを特徴とするカメラのファインダー内表示方法。
【請求項3】
請求項2記載のカメラにおいて、前記第1の撮影情報表示から前記第2の撮影情報表示で変更された撮影情報は、前記表示手段の1桁が7個のセグメントからなる複数桁の数字表示部に表示が行われることを特徴とするカメラのファインダー内表示方法。
【請求項4】
請求項1〜3記載のカメラにおいて、前記第1の撮影情報表示ではISO感度を表示し、前記第2の撮影情報表示ではシャッタースピードの表示に変更されることを特徴とするカメラのファインダー内表示方法。
【請求項5】
請求項1〜3記載のカメラにおいて、前記第1の撮影情報表示ではISO感度を表示し、前記第2の撮影情報表示では撮影枚数の表示に変更されることを特徴とするカメラのファインダー内表示方法。
【請求項6】
請求項1〜3記載のカメラにおいて、前記第1の撮影情報表示では撮影枚数を表示し、前記第2の撮影情報表示ではISO感度の表示に変更されることを特徴とするカメラのファインダー内表示方法。
【請求項7】
請求項5〜6記載のカメラにおいて、前記撮影枚数の表示は、記録手段に記録保存可能な枚数、記録手段に記録保存している枚数、一時記憶手段に記憶可能な枚数、のいずれかの表示であることを特徴とするカメラのファインダー内表示方法。
【請求項8】
請求項1〜3記載のカメラにおいて、前記第1の撮影情報表示では記録手段に記録保存している枚数、または記録保存可能な枚数を表示し、前記第2の撮影情報表示では一時記憶手段に記憶可能な枚数の表示に変更されることを特徴とするカメラのファインダー内表示方法。
【請求項9】
請求項1〜8記載のカメラにおいて、前記スイッチ手段は、半押し操作によるオンと全押し操作によるオンの2段スイッチからなるレリーズボタンであり、前記第1の撮影情報表示状態において前記半押し操作によるオンにより、第2の撮影情報表示に切り換えられることを特徴とするカメラのファインダー内表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−163774(P2007−163774A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−359249(P2005−359249)
【出願日】平成17年12月13日(2005.12.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】