カメラ
【課題】感度自動制御モードおよびISOブラケティングモードを設定した場合に、ISOブラケティングによる撮影に生じる不具合を解消する。
【解決手段】カメラは、被写体の像を撮像する撮像手段121と、輝度検出手段102と、少なくとも露光感度および被写体輝度を用いて露出演算を行う露出演算手段101と、第1モードを設定する第1設定手段113と、第1モードを実行する第1制御手段101と、第2モードを設定する第2設定手段114と、第2モードを実行する第2制御手段101と、第1モードおよび第2モードが設定されている場合、第1制御手段101の指示に基づいて、露出演算手段101により変更された露光感度を基準として、高感度側および低感度側のいずれかへ露光感度を変更して、露出演算手段101に対して露出演算をさせる第3制御手段101とを備える。
【解決手段】カメラは、被写体の像を撮像する撮像手段121と、輝度検出手段102と、少なくとも露光感度および被写体輝度を用いて露出演算を行う露出演算手段101と、第1モードを設定する第1設定手段113と、第1モードを実行する第1制御手段101と、第2モードを設定する第2設定手段114と、第2モードを実行する第2制御手段101と、第1モードおよび第2モードが設定されている場合、第1制御手段101の指示に基づいて、露出演算手段101により変更された露光感度を基準として、高感度側および低感度側のいずれかへ露光感度を変更して、露出演算手段101に対して露出演算をさせる第3制御手段101とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光感度を自動的に制御するモードおよび撮像手段の露光感度を段階的に変更させるモードを備えるカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、撮像感度を自動的に制御するモードを備えるカメラが知られている(たとえば特許文献1)。
また、撮像感度を段階的に変化させて露出を変更しながら、複数回の撮影を行うISOブラケティングモードを備えるカメラが知られている(たとえば特許文献2)。
【特許文献1】特開2006−222757号公報
【特許文献2】特開2005−257743号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、感度自動制御モードとISOブラケティングモードとを備える場合、ISブラケティングで撮影中に感度自動制御モードにより撮像感度が変更され、ISOブラケティングによる撮影に不具合が生じるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明によるカメラは、装着部に装着された撮影レンズを介して入射した被写体の像を撮像して画像を取得する撮像手段と、被写体の輝度を検出する輝度検出手段と、撮像手段に設定されている露光感度、撮像手段に設定されている露光時間、撮影レンズに設定されている絞り値、および輝度検出手段により検出された被写体輝度のうち、少なくとも露光感度および被写体輝度を用いて露出演算を行う露出演算手段と、第1モードを設定する第1設定手段と、第2モードを設定する第2設定手段と、第1モードが設定されている場合、露出演算手段による露出演算の結果が適正露出ではない時、露出演算手段に対して、適正露出に近づけるために必要な露光感度の変更量を演算させ、演算された変更量に応じて露光感度を変更させ、変更した露光感度を用いて露出演算をさせる第1制御手段と、第2モードが設定されている場合、撮像素子に設定されている露光感度を基準として、高感度側および低感度側のいずれかへ露光感度を変更して、露出演算手段に対して露出演算をさせる第2制御手段と、第1モードおよび第2モードが設定されている場合、第1制御手段の指示に基づいて露出演算手段により変更された露光感度を基準として、高感度側および低感度側のいずれかへ露光感度を変更して、露出演算手段に対して露出演算をさせる第3制御手段とを備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のカメラにおいて、基準となる露光感度は固定値とすることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のカメラにおいて、基準となる露光感度と、高感度側および低感度側のいずれかへ変更される露光感度とを表示する表示器をさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、第1モードにおいて変更された露光感度を基準として、第2モードにより高感度側および低感度側のいずれかへ露光感度を変更させて画像を取得できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態による電子カメラの構成を示すブロック図である。図1において、演算回路101は、マイクロコンピュータなどによって構成される。演算回路101は、後述する各ブロックから出力される信号を入力して所定の演算を行い、演算結果に基づいて制御信号を各ブロックへ出力する。撮像素子121は、CCDイメージセンサなどによって構成される。撮像素子121は、撮影レンズLEを通過した光による被写体像を撮像し、撮像信号をA/D変換回路122へ出力する。
【0007】
撮像素子121は、ISO100相当〜ISO6400相当の範囲内において撮像感度(露光感度)を所定のステップで変更可能に構成されている。撮像感度とは、撮像素子121に蓄積される電荷の検出感度、もしくは不図示の増幅回路の増幅利得を変化させる被制御量のことをいう。撮像感度は、相当するISO感度値で表される。
【0008】
A/D変換回路122は、アナログ撮像信号をディジタル信号に変換する。撮像素子121およびA/D変換回路122は、タイミング回路124から出力される駆動信号によって所定のタイミングで駆動される。
【0009】
ASIC123は、ディジタル変換後の信号に所定の画像処理を行う。画像処理は、ホワイトバランス(WB)調整処理、画像データを所定の形式で圧縮する圧縮処理、圧縮処理後のデータを伸長する伸長処理を含む。バッファメモリ125は、ASIC123によって信号処理された画像データを逐次入力し、当該データを一時的に格納する。記録媒体126は、着脱可能なフラッシュメモリなどによって構成される。記録媒体126は、バッファメモリ125に一時格納されている画像データを記録する。
【0010】
露出モード設定部材110は、たとえば露出モードダイヤルおよびその回転位置を検出するスイッチを有し、露出モードダイヤルの設定操作に応じて、操作信号を演算回路101へ出力する。演算回路101は、露出モード設定部材110から操作信号が入力されると、操作信号に応じてプログラム自動露出制御モード(Pモード)、シャッタ速度優先自動露出制御モード(Sモード)、絞り優先自動露出制御モード(Aモード)、およびマニュアル露出モード(Mモード)のいずれか一つに設定する。
【0011】
プログラム自動露出制御モード(Pモード)では、適正露出が得られるように撮像素子121の露光時間および絞り値を所定の組合せで変更可能にして制御露出を演算する。シャッタ速度優先自動露出制御モード(Sモード)では、設定されているシャッタ速度(露光時間)で適正露出が得られるように絞り値を変更可能にして制御露出を演算する。絞り優先自動露出制御モード(Aモード)では、設定されている絞り値で適正露出が得られるように露光時間を変更可能にして制御露出を演算する。マニュアル露出モード(Mモード)では、設定されている露光時間および絞り値による制御露出と適正露出との偏差を演算する。
【0012】
感度自動制御モード設定操作部材113は、感度自動制御モードの設定/解除、感度制御範囲の変更、および感度変更シャッタ速度の変更を行うための操作部材である。感度自動制御モード設定操作部材113は、設定/解除操作、感度制御範囲の変更、および感度変更シャッタ速度の変更操作に応じた操作信号を演算回路101へ出力する。演算回路101は、入力される操作信号に応じて感度自動制御モードの設定や解除、感度制御範囲の変更、感度変更シャッタ速度の変更を行う。感度自動制御モードが設定されている場合、適正露出に近づけるように、露出偏差ΔEVに応じて撮像感度を自動的に変更して制御露出が演算される。露出偏差ΔEVは、上記のシャッタ優先自動露出モード(Sモード)、絞り優先自動露出モード(Aモード)およびマニュアル露出モード(Mモード)で算出された制御露出と適正露出との偏差である。感度自動制御モードが解除されている場合、設定されている撮像感度で適正露出が得られるように制御露出が演算される。
【0013】
感度設定操作部材115は、撮像感度設定操作に応じて操作信号を演算回路101へ出力する。演算回路101は、感度設定操作部材115から操作信号が入力されると、操作信号に応じて上述した撮像素子121の撮像感度の設定値を変更する。設定感度SVsの設定範囲は、たとえば、5≦SVs≦11、すなわち、ISO100相当〜ISO6400相当の範囲で設定可能に構成されている。
【0014】
シャッタ速度設定操作部材111は、シャッタ速度設定操作に応じて操作信号を演算回路101へ出力する。演算回路101は、シャッタ速度設定操作信号に応じてシャッタの開口時間を設定し、上述した撮像素子121の露光時間を制御する。ここで、設定シャッタ速度(露光時間)TVsの設定範囲は、たとえば−5≦TVs≦12、30秒〜1/4000秒の範囲であり、1段ステップでいずれか1つのシャッタ速度に設定可能に構成されている。なお、本実施の形態においては、初期値としてのシャッタ速度は1/125秒に設定されているものとする。
【0015】
絞り設定操作部材112は、絞り設定操作に応じて操作信号を演算回路101へ出力する。演算回路101は、入力された絞り設定操作信号に応じて、絞り値を開放から最小絞りまで1段ステップでいずれか1つの絞り値に設定する。設定絞り値AVsの設定範囲はAV0〜AVM、すなわち開放絞り値および最小口径絞り値であり、装着されている撮影レンズLEによって異なる。なお、本実施の形態においては、絞り値の初期値はF5.6に設定されているものとする。
【0016】
ISOブラケティングモード設定部材114は、ISOブラケティングモードに関する各種の設定、変更等を行うための操作部材である。ISOブラケティングモードは、基準となる撮像感度を補正ステップXに基づいて変更しながら、Nコマの画像を連続して撮影するモードである。ISOブラケティングモード設定操作部材114は、設定/解除操作、コマ数Nの変更、および補正ステップXの変更操作に応じた操作信号を演算回路101へ出力する。演算回路101は、入力される操作信号に応じてISOブラケティングモードの設定や解除、コマ数Nの変更、補正ステップXの変更を行う。なお、コマ数Nは、たとえば3コマおよび5コマからISOブラケティングモード操作部材114により選択可能であり、0コマが選択されると演算回路101はISOブラケティングモードを解除する。また、補正ステップXは、たとえば1/3、1/2、3/2、および1のうちいずれかを選択することができる。
【0017】
表示装置109は、演算回路101の指令によりシャッタ速度、絞り値、設定感度、露出モード、制御感度、露出偏差、感度自動制御モードの設定状態などを表示する。測光装置102は、撮影レンズLEを通過したレンズ透過光量を検出し、検出信号を演算回路101へ出力する。演算回路101は、測光装置102からの検出信号を用いて被写体の明るさを算出する。
【0018】
レンズ情報検出装置116は、レンズマウント(不図示)の近傍に配設された接点およびインターフェイス回路によって構成される。レンズ情報検出装置116は、接点およびインターフェイス回路を介して撮影レンズLEに内蔵されたレンズCPUとの間で通信を行い、レンズCPUから得たレンズ情報を演算回路101へ転送する。また、レンズ情報検出装置116は、撮影レンズLEに設定されている(撮影時に使用される)絞り値の情報をレンズ情報として取得する。演算回路101は、レンズCPUからレンズ情報が所定時間得られない場合、すなわち、通信が確立されない場合、撮影レンズLEが装着されていないと判定する。
【0019】
レリーズスイッチSW2は、不図示のレリーズ操作ボタンの押し下げに連動してレリーズ操作信号を演算回路101へ出力する。モータ制御回路105は、演算回路101の指令によってシーケンスモータ106を駆動制御する。シーケンスモータ106は、不図示のシーケンス駆動装置を構成し、不図示のミラーのアップ/ダウン、不図示の絞りの駆動、およびシャッタ104のチャージなどを行う。
【0020】
シーケンススイッチSW1は、上記シーケンス駆動装置を構成し、シーケンスモータ106のブレーキ制御タイミングなどを発生するスイッチである。以下、シーケンススイッチSW1のオン・オフとシーケンス駆動装置の動作制御について、ミラーアップ動作の場合、およびミラーダウン動作の場合について説明する。
【0021】
−ミラーアップ動作−
ミラーダウンした状態でシーケンスモータ106が停止している場合は、シーケンススイッチSW1はオン状態を保持している。ミラーアップのためにシーケンスモータ106が正転を開始すると、シーケンス駆動装置が動作し、所定の時間だけ遅れてシーケンススイッチSW1がオフする。シーケンスモータ106が正転を継続すると、シーケンス駆動装置はミラーアップおよび絞りの絞り込みを行う。そして、ミラーアップ動作完了直前にシーケンススイッチSW1がオンしてブレーキ制御タイミングを発生すると、シーケンスモータ106が正転を停止するので、シーケンス駆動装置はミラーアップ動作を停止する。なお、シーケンス駆動装置は、絞り込み動作がミラーアップ動作の完了までに終了するように構成されているものとする。
【0022】
−ミラーダウン動作−
ミラーアップした状態ではシーケンススイッチSW1はオン状態を保持している。ミラーダウンのためにシーケンスモータ106が逆転を開始すると、シーケンス駆動装置が動作し、所定の時間だけ遅れてシーケンススイッチSW1がオフする。シーケンスモータ106が逆転を継続すると、シーケンス駆動装置はミラーダウン動作を行うとともに、絞りが係止されている場合には係止を解除した後、絞りを開放復帰する。さらに、シーケンス駆動装置はシャッタ104をチャージする。ミラーダウン動作の完了直前にシーケンススイッチSW1がオンしてブレーキ制御タイミング信号が発生すると、シーケンスモータ106の逆転が停止するので、シーケンス駆動装置はミラーダウン動作を停止する。なお、シーケンス駆動装置は、絞りの開放復帰およびシャッタ104のチャージがミラーダウン動作の完了までに終了するように構成されているものとする。
【0023】
シャッタ制御回路103は、シャッタ104の不図示の先幕および後幕の保持および解除をそれぞれ制御する。なお、シャッタ104はシーケンス駆動装置のミラーアップ動作の途中でチャージが解除されるので、シーケンス駆動装置によるミラーアップ動作前にシャッタ104の先幕および後幕の保持が行われる。絞り位置検出装置107は、絞り値に対応する絞りの絞り位置を検出して検出信号を演算回路101に出力する。絞り係止装置108は、駆動中の絞りを係止し、所定の絞り値で絞りを停止させる。なお、絞り係止装置108による絞りの係止が、ミラーダウン途中に解除されるようにシーケンス駆動装置が構成されている。
【0024】
本実施の形態の電子カメラは、感度自動制御モードとISOブラケティングモードとが設定された場合に、感度自動制御モードにより撮像感度を変更し、変更後の撮像感度を基準として撮像感度の異なる複数の画像を取得するものである。
【0025】
(メイン処理)
実施の形態による電子カメラの演算回路101で行われるカメラ動作の処理の流れについて、図2のフローチャートを参照して説明する。図2のフローチャートによるプログラムは、図示しないメモリに格納されており、電子カメラの電源がONされると起動する。図2のステップS1において、演算回路101は以下(1)〜(12)の初期設定を行いステップS2へ進む。
(1)設定感度SVsを7(ISO400に相当)
(2)設定シャッタ速度TVsを7(1/125秒)
(3)設定絞り値AVsを5(F5.6)
(4)露出モードパラメータMpを1(Pモード)
(5)感度自動制御モード設定フラグSを0(解除)
(6)感度変更シャッタ速度TV0を5(1/30秒)
(7)制御下限感度SDを5(ISO100相当)
(8)制御上限感度SUを9(ISO1600相当)
(9)ISOブラケティングモード設定フラグBを0(解除)
(10)ISOブラケティングコマ数Nを3
(11)補正ステップXを1
(12)ISOブラケティングカウンタnを1
なお、設定感度SVs、設定シャッタ速度TVs、設定絞り値AVs、感度変更シャッタ速度TV0、制御下限感度SD、および制御上限感度SUは、それぞれアペックス値が用いられる。
【0026】
制御下限感度SDは、感度自動制御モードにおいて撮像感度が変更される場合の下限感度であり、5≦SD≦6の範囲で1段ごとに変更可能である。制御上限感度SUは、感度自動制御モードにおいて撮像感度が変更される場合の上限感度であり、7≦SU≦11の範囲で1段ごとに変更可能である。
【0027】
感度変更シャッタ速度TV0は、プログラム自動露出制御モード(Pモード)もしくは絞り優先自動露出制御モード(Aモード)において、低速側で撮像感度を変更するためのシャッタ速度であり、−5≦TV0≦7、すなわちシャッタ速度30秒〜1/125秒の範囲で変更可能に設定されている。なお、感度変更シャッタ速度TV0は固定値でもよいし、撮影レンズLEにより決定される値であってもよい。モードパラメータMpは設定された露出モードを示すパラメータであり、プログラム自動露出制御モード(Pモード)が設定されると1に、シャッタ速度優先自動露出制御モード(Sモード)が設定されると2に、絞り優先自動露出制御モード(Aモード)が設定されると3に、マニュアル露出モード(Mモード)が設定されると4に、それぞれセットされる。
【0028】
フラグSは感度自動制御モードの設定の有無を示すフラグであり、感度自動制御モードが設定された場合は1に、設定されていない場合は0に設定される。フラグBはISOブラケティングモードの設定の有無を示すフラグであり、ISOブラケティングモードが設定された場合は1に、設定されていない場合は0に設定される。ISOブラケティングカウンタnは、ISOブラケティングモードにおいて、一連の撮影のうち次に撮影されるコマが何コマ目に相当するかを示すカウンタであり、ISOブラケティングモードが解除されると1に設定される。
【0029】
ステップS2において、装着された撮影レンズLEと通信を行いステップS3へ進む。なお、ステップS2の通信処理では、後述するように、通信の結果、撮影レンズLEとの通信が成立するとフラグLに1を、撮影レンズLEとの通信が成立しないとフラグLに0が代入される。ステップS2での処理の詳細については後述する。
【0030】
ステップS3において、フラグLが1であるか否かを判定する。撮影レンズLEが装着され、フラグLが1の場合、ステップS3が肯定判定されてステップS4へ進む。撮影レンズLEが装着されず、フラグLが0の場合は、ステップS3が否定判定されてステップS2へ戻る。ステップS4においては、各種の操作部材による電子カメラの設定処理を行いステップS5へ進む。ステップS4での設定処理では、各操作入力に応じて、露出モード、シャッタ速度、絞り値、感度、感度自動制御モード、ISOブラケティングモード等が設定変更される。設定処理の詳細については後述する。
【0031】
ステップS5において、測光装置102から入力される検出信号により撮影レンズLEを透過した光量(BV−AV0)を演算し、ステップS2で取得した開放絞り値AV0を加算して被写体輝度BVを算出しステップS6へ進む。ステップS6においては、露出演算処理を行いステップS7へ進む。露出演算処理に関しては後に詳しく説明する。
【0032】
ステップS7において、表示装置109に対する表示処理を行ってステップS8へ進む。表示処理の詳細については後述する。ステップS8において、レリーズボタンが押下操作されたか否かを判定する。レリーズスイッチSW2からレリーズ操作信号を入力しない場合は、ステップS8が否定判定されてステップS2へ戻る。レリーズスイッチSW2からレリーズ操作信号を入力した場合はステップS8が肯定判定されてステップS9へ進む。ステップS9においては、撮像シーケンス処理を行いステップS10へ進む。なお、撮像シーケンス処理の詳細については後述する。
【0033】
ステップS10においては、フラグBが1であるか否かを判定する。フラグBが1の場合、すなわちISOブラケティングモードが設定されている場合、ステップS10が肯定判定されてステップS11へ進む。フラグBが0の場合、すなわちISOブラケティングモードが設定されていない場合、ステップS10が否定判定されてステップS2へ戻る。
【0034】
ステップS11においては、ISOブラケティングカウンタnの値がNであるか否かを判定する。ISOブラケティングカウンタnがNの場合、ステップS11が肯定判定されてステップS12へ進む。ステップS12では、ISOブラケティングカウンタnの値を1に設定してステップS2へ戻る。ISOブラケティングカウンタnがNではない場合、ステップS11が否定判定されてステップS13へ進む。ステップS13では、ISOブラケティングカウンタnの値に1を加算して、(n+1)としてステップS2へ戻る。
【0035】
(通信処理)
図2のステップS2における電子カメラ本体および撮影レンズLE間の通信処理の詳細について、図3のフローチャートを参照して説明する。図3のステップS101において、計時パラメータtを初期値の0に設定し、計時を開始してステップS102へ進む。ステップS102において、レンズCPU(不図示)との間の通信が成立したか否か、すなわち撮影レンズLEが装着されているか否かを判定する。通信成立の判定は、所定のプロトコルチェックによって行う。通信成立の場合はステップS102が肯定判定されてステップS103へ進む。一方、通信不成立の場合には通信途中と判断して、ステップS22が否定判定されてステップS106へ進む。
【0036】
ステップS103においては、レンズCPUから、レンズ情報に含まれる開放絞り値AV0および最小口径絞り値AVMを受信してステップS104へ進む。ステップS104において、フラグLに1をセットしてステップS105へ進む。ステップS105において、時間tの計時を停止して図2のステップS3へ進む。
【0037】
上述したステップ102が否定判定されて進んだステップS106においては、計時時間tと所定時間Tとの間にt≧Tが成立するか否かを判定する。所定時間Tは、プロトコルチェックに要する時間に、若干のマージン時間を加えた時間である。演算回路101は、t≧Tが成立する場合にステップS106が肯定判定されてステップS107へ進み、t≧Tが成立しない場合にステップS106が否定判定されてステップS102へ戻る。ステップS107へ進む場合は、撮影レンズLEが装着されていない場合であり、ステップS102へ戻る場合は、プロトコルチェックの途中である。ステップS107において、フラグLに0をセットしてステップS105へ進む。
【0038】
(設定処理)
図2のステップS4における設定処理の詳細について、図4〜図9のフローチャートを参照して説明する。図4のステップS111において、感度自動制御モードに関する操作が行われたか否かを判定する。感度自動制御モード設定部材113から操作信号が入力されない場合はステップS111が否定判定されて、後述する図6ステップS151へ進み、操作信号が入力された場合はステップS111が肯定判定されてステップS112へ進む。
【0039】
ステップS112において、ステップS111で行われた感度自動制御モードに関する操作が、感度自動制御モードの設定もしくは解除操作であるか否かを判定する。感度自動制御モード設定部材113からの操作信号が感度自動制御モードの設定および解除を示す信号ではない場合はステップS112が否定判定されてステップS116へ進み、操作信号が感度自動制御モードの設定もしくは解除を示す信号の場合はステップS112が肯定判定されてステップS113へ進む。
【0040】
ステップS113においては、感度自動制御モード設定フラグSが1であるか否かを判定する。S=1(感度自動制御モードに設定されている)の場合にはステップS113が肯定判定されてステップS114へ進み、S=0(感度自動制御モードが解除されている)の場合にはステップS113が否定判定されてステップS115へ進む。ステップS114において、フラグSを0にセット(感度自動制御モードを解除)して図4による処理を終了し、図2のステップS4へ進む。ステップS115においては、フラグSを1にセット(感度自動制御モードに設定)して図4による処理を終了し、図2のステップS4へ進む。
【0041】
ステップS112が否定判定されて進んだステップS116においては、感度自動制御モード設定操作部材113による操作が、感度制御範囲の変更操作であるか否かを判定する。感度自動制御モード設定部材113からの操作信号が感度制御範囲の変更を示す信号ではない場合はステップS116が否定判定されて、後述する図5のステップS141へ進み、操作信号が感度制御範囲の変更を示す信号の場合はステップS116が肯定判定されてステップS117へ進む。
【0042】
ステップS117においては、感度自動制御モード設定部材113により制御上限感度SUが変更されたか否かを判定する。制御上限感度SUが変更された場合は、ステップS117が肯定判定されてステップS118へ進み、制御上限感度SUが変更されていない場合は、ステップS117が否定判定されて後述するステップS124へ進む。
【0043】
ステップS118においては、制御上限感度SUが高感度側に設定されたか否かを判定する。制御上限感度SUが高感度側に変更された場合は、ステップS118が肯定判定されてステップS119へ進み、高感度側に変更されていない場合はステップS118が否定判定されてステップS121へ進む。
【0044】
ステップS119においては、制御上限感度SUの値が11であるか否か、すなわちISO6400相当であるか否かを判定する。制御上限感度SUが11の場合は、ステップS119が肯定判定され、これ以上高感度側に設定できないので、制御上限感度SUを変更せずに図2のステップS5へ進む。制御上限感度SUが11ではない場合、ステップS119が否定判定されてステップS120へ進む。ステップS120においては、制御上限感度SUの値に1を加算し、新たな制御上限感度SUを設定して図2のステップS5へ進む。これにより、制御上限感度SUの値が1段分高感度側に変更される。
【0045】
ステップS118が否定判定されて進んだステップS121においては、感度自動制御モード設定操作部材113により制御上限感度SUが低感度側に設定されたか否かを判定する。低感度側に設定された場合、ステップS121が肯定判定されてステップS122へ進み、低感度側に設定されていない場合は、ステップS121が否定判定されて、制御上限感度SUの変更をせずに図2のステップS5へ進む。
【0046】
ステップS122においては、制御上限感度SUの値が7であるか否か、すなわちISO400相当であるか否かを判定する。制御上限感度SUが7の場合は、ステップS122が肯定判定され、これ以上低感度側に設定できないので、制御上限感度SUを変更せずに図2のステップS5へ進む。制御上限感度SUが7ではない場合は、ステップS122が否定判定されてステップS123へ進む。ステップS123においては、制御上限感度SUの値から1を減算して新たな制御上限感度SUを設定して図2のステップS5へ進む。これにより、制御上限感度SUの値が1段分低感度側に変更される。
【0047】
一方、ステップS117が否定判定されるとステップS124に進み、感度自動制御モード設定部材113により制御下限感度SDが変更されたか否かを判定する。制御下限感度SDが変更された場合は、ステップS124が肯定判定されてステップS125へ進み、制御下限感度SDが変更されていない場合は、ステップS124が否定判定されて図2のステップS5へ進む。
【0048】
ステップS125においては、制御下限感度SDが高感度側に設定されたか否かを判定する。制御下限感度SDが高感度側に設定された場合は、ステップS125が肯定判定されてステップS126へ進み、高感度側に設定されていない場合はステップS125が否定判定されてステップS128へ進む。
【0049】
ステップS126においては、制御下限感度SDの値が6であるか否か、すなわちISO200相当であるか否かを判定する。制御下限感度SDが6の場合は、ステップS126が肯定判定され、これ以上高感度側に設定できないので、制御下限感度SDを変更せずに図2のステップS5へ進む。制御下限感度SDが6ではない場合、ステップS126が否定判定されてステップS127へ進む。ステップS127においては、制御下限感度SDの値に1を加算し、新たな制御下限感度SDを設定して図2のステップS5へ進む。これにより、制御下限感度SDの値が1段分高感度側に変更される。
【0050】
ステップS125が否定判定されて進んだステップS128においては、感度自動制御モード設定操作部材113により制御下限感度SDが低感度側に設定されたか否かを判定する。低感度側に設定された場合、ステップS128が肯定判定されてステップS129へ進み、低感度側に設定されていない場合は、ステップS128が否定判定されて、制御下限感度SDの変更をせずに図2のステップS5へ進む。
【0051】
ステップS129においては、制御下限感度SDの値が5であるか否か、すなわちISO100相当であるか否かを判定する。制御下限感度SDが5の場合は、ステップS129が肯定判定され、これ以上低感度側に設定できないので、制御下限感度SDを変更せずに図2のステップS5へ進む。制御下限感度SDが5ではない場合は、ステップS129が否定判定されてステップS130へ進む。ステップS130においては、制御下限感度SDの値から1を減算して新たな制御下限感度SDを設定して図2のステップS5へ進む。これにより、制御下限感度SDの値が1段分低感度側に変更される。
【0052】
一方、ステップS116が否定判定されると図5のステップS141へ進み、感度自動制御モード設定操作部材113による操作が、感度変更シャッタ速度TV0の変更操作であるか否かを判定する。感度自動制御モード設定操作部材113からの操作信号が感度変更シャッタ速度TV0の変更を示す信号ではない場合は、ステップS141が否定判定されて図2のステップS5へ進む。操作信号が感度変更シャッタ速度TV0の変更を示す信号である場合は、ステップS141が肯定判定されてステップS142へ進む。
【0053】
ステップS142においては、感度自動制御モード設定操作部材113により感度変更シャッタ速度TV0が高速側に変更されたか否かを判定する。感度変更シャッタ速度TV0が高速側に変更された場合、ステップS142が肯定判定されてステップS143へ進む。感度変更シャッタ速度TV0が高速側に変更されていない場合は、ステップS142が否定判定されてステップS146へ進む。
【0054】
ステップS143においては、感度変更シャッタ速度TV0の値に1を加算し、感度変更シャッタ速度TV0を1段分高速側に設定してステップS144へ進む。ステップS144においては、感度変更シャッタ速度TV0の値が7よりも大きいか否か、すなわち1/125秒よりも高速側か否かを判定する。感度変更シャッタ速度TV0の値が7以下の場合は、ステップS144が否定判定されて図2のステップS5へ進む。感度変更シャッタ速度TV0の値が7よりも大きい場合は、ステップS144が肯定判定されてステップS145へ進む。ステップS145においては、感度変更シャッタ速度を1/125秒よりも高速に設定できないので、感度変更シャッタ速度TV0の値を7、すなわち感度変更シャッタ速度を1/125秒に設定して図2のステップS5へ進む。
【0055】
ステップS142が否定判定されるとステップS146へ進み、感度自動制御モード設定操作部材113により感度変更シャッタ速度TV0が低速側に変更されたか否かを判定する。感度変更シャッタ速度TV0が低速側に変更された場合、ステップS146が肯定判定されてステップS147へ進む。感度変更シャッタ速度TV0が低速側に変更されていない場合は、ステップS146が否定判定されて図2のステップS5へ進む。
【0056】
ステップS147においては、感度変更シャッタ速度TV0の値から1を減算し、感度変更シャッタ速度TV0を1段分低速側に設定してステップS148へ進む。ステップS148においては、感度変更シャッタ速度TV0の値が−5未満か否か、すなわち30秒よりも低速側か否かを判定する。感度変更シャッタ速度TV0の値が−5以上の場合は、ステップS148が否定判定されて図2のステップS5へ進む。感度変更シャッタ速度TV0の値が−5未満の場合は、ステップS148が肯定判定されてステップS149へ進む。ステップS149においては、感度変更シャッタ速度を30秒よりも低速に設定できないので、感度変更シャッタ速度TV0の値を−5、すなわち感度変更シャッタ速度を30秒に設定して図2のステップS5へ進む。
【0057】
図4のステップS111が否定判定されると、図6のステップS151へ進み、ISOブラケティング設定操作部材114によりISOブラケティングモードに関する操作が行われたか否かを判定する。ISOブラケティング設定操作部材114から操作信号を入力した場合は、ステップS151が肯定判定されてステップS152へ進み、操作信号を入力しない場合は、ステップS151が否定判定されて後述する図8のステップS191へ進む。
【0058】
ステップS152においては、ISOブラケティング設定操作部材114による操作がコマ数Nの変更操作であるか否かを判定する。ISOブラケティング設定操作部材114からの操作信号がコマ数Nの変更を示す信号ではない場合はステップS152が否定判定されて、後述する図7ステップS171へ進み、操作信号がコマ数Nの変更を示す信号の場合はステップS152が肯定判定されてステップS153へ進む。
【0059】
ステップS153においては、ISOブラケティング設定操作部材114によりコマ数Nの増加操作がされたか否かを判定する。コマ数Nの増加操作がされた場合は、ステップS153が肯定判定されてステップS154へ進み、コマ数Nの増加操作がされていない場合は、ステップS153が否定判定されてステップS158へ進む。
【0060】
ステップS154では、コマ数Nの値が0か否かを判定する。コマ数Nの値が0の場合は、ステップS154が肯定判定されてステップS155へ進み、コマ数Nの値を3に設定して後述するステップS163へ進む。コマ数Nの値が0ではない場合は、ステップS154が否定判定されてステップS156へ進む。ステップS156においては、コマ数Nの値が3であるか否かを判定する。コマ数Nの値が3以外の場合、すなわちコマ数Nの値が5の場合、ステップS156が否定判定され、これ以上コマ数Nを増加できないので、後述するステップS163へ進む。コマ数Nの値が3の場合、ステップS156が肯定判定されてステップS157へ進む。ステップS157では、コマ数Nの値を5に設定して後述するステップS163へ進む。
【0061】
コマ数Nの増加操作が行われずステップS153が否定判定されるとステップS158へ進み、ISOブラケティング設定操作部材114によりコマ数Nの減少操作がされたか否かを判定する。コマ数Nの減少操作がされていない場合は、ステップS158が否定判定されて後述するステップS163へ進む。コマ数Nの減少操作がされた場合、ステップS158が肯定判定されてステップS159へ進む。
【0062】
ステップS159では、コマ数Nの値が5か否かを判定する。コマ数Nの値が5の場合は、ステップS159が肯定判定されてステップS160へ進み、コマ数Nの値を3に設定して後述するステップS163へ進む。コマ数Nの値が5ではない場合は、ステップS159が否定判定されてステップS161へ進む。ステップS161においては、コマ数Nの値が3であるか否かを判定する。コマ数Nの値が3以外の場合、すなわちコマ数Nの値が0の場合、ステップS161が否定判定され、これ以上コマ数Nを減少できないので、後述するステップS163へ進む。コマ数Nの値が3の場合、ステップS161が肯定判定されてステップS162へ進む。ステップS162では、コマ数Nの値を0に設定してステップS163へ進む。
【0063】
ステップS163においては、コマ数Nの値が0であるか否かを判定する。コマ数Nの値が0の場合は、ステップS163が肯定判定されてステップS164へ進む。コマ数Nの値が0以外の場合は、ステップS163が否定判定されてステップS166へ進む。
【0064】
ステップS164においては、コマ数Nの値が0なので、ISOブラケティングモードが解除されていると判断し、フラグBに0を設定してステップS165へ進む。ステップS165においては、ステップS164においてフラグBを0に設定、すなわちISOブラケティングモードを解除したので、ISOブラケティングカウンタnを0にセットして図2のステップS5へ進む。コマ数Nの値が0以外の場合は、ステップS164が否定判定されてステップS166へ進む。ステップS166においては、コマ数Nの値が0以外なので、ISOブラケティングモードが設定されていると判断し、フラグBに1を設定して図2のステップS5へ進む。
【0065】
一方、ステップS152が否定判定されると、図7のステップS171へ進み、ISOブラケティング設定操作部材114による操作が補正ステップXの変更操作であるか否かを判定する。ISOブラケティング設定操作部材114からの操作信号が補正ステップXの変更を示す信号ではない場合はステップS171が否定判定されて、図2のステップS5へ進み、操作信号が補正ステップXの変更を示す信号の場合はステップS171が肯定判定されてステップS172へ進む。
【0066】
ステップS172においては、ISOブラケティング設定操作部材114により補正ステップXの増加操作がされたか否かを判定する。補正ステップXの増加操作がされた場合は、ステップS172が肯定判定されてステップS173へ進み、補正ステップXの増加操作がされていない場合は、ステップS172が否定判定されて後述するステップS179へ進む。
【0067】
ステップS173においては、補正ステップXの値が1/3であるか否かを判定する。補正ステップXの値が1/3の場合は、ステップS173が肯定判定されてステップS174へ進み、補正ステップXの値を1/2に設定して図2のステップS5へ進む。補正ステップXの値が1/3ではない場合は、ステップS173が否定判定されてステップS175へ進む。
【0068】
ステップS175においては、補正ステップXの値が1/2であるか否かを判定する。補正ステップXの値が1/2の場合、ステップS175が肯定判定されてステップS176へ進み、補正ステップXの値を2/3に設定して図2のステップS5へ進む。補正ステップXの値が1/2ではない場合、ステップS175が否定判定されてステップS177へ進む。
【0069】
ステップS177においては、補正ステップXの値が2/3であるか否かを判定する。補正ステップXの値が2/3以外の場合、すなわち補正ステップXの値が1の場合、ステップS177が否定判定されて、これ以上補正ステップXの値を増加できないので、補正ステップXの値を変更せず図2のステップS5へ進む。補正ステップXの値が2/3の場合、ステップS177が肯定判定されてステップS178へ進む。ステップS178においては、補正ステップXの値を1に設定して図2のステップS5へ進む。
【0070】
ステップS172が否定判定されて進んだステップS179においては、ISOブラケティング設定操作部材114により補正ステップXの減少操作がされたか否かを判定する。補正ステップXの減少操作がされた場合は、ステップS179肯定判定されてステップS180へ進み、補正ステップXの減少操作がされていない場合は、ステップS179が否定判定されて図2のステップS5へ進む。
【0071】
ステップS180においては、補正ステップXの値が1であるか否かを判定する。補正ステップXの値が1の場合は、ステップS180が肯定判定されてステップS181へ進み、補正ステップXの値を2/3に設定して図2のステップS5へ進む。補正ステップXの値が1以外の場合、ステップS180が否定判定されてステップS182へ進む。
【0072】
ステップS182においては、補正ステップXの値が2/3であるか否かを判定する。補正ステップXの値が2/3の場合、ステップS182が肯定判定されてステップS183へ進み、補正ステップXの値を1/2に設定して図2のステップS5へ進む。補正ステップXの値が2/3以外の場合、ステップS182が否定判定されてステップS184へ進む。
【0073】
ステップS184においては、補正ステップXの値が1/2であるか否かを判定する。補正ステップXの値が1/2の場合、ステップS184が肯定判定されてステップS185へ進み、補正ステップXの値を1/3に設定して図2のステップS5へ進む。補正ステップXの値が1/2以外の場合、すなわち補正ステップXの値が1/3の場合、ステップS184が否定判定されて、これ以上補正ステップXの値を減少できないので、補正ステップXの値を変更せず図2のステップS5へ進む。
【0074】
図6のステップS151が否定判定された場合、すなわちISOブラケティング設定操作部材114によりISOブラケティングモードに関する操作が行われていない場合、図8のステップS191へ進み、感度設定操作部材115により感度設定変更操作が行われたか否かを判定する。感度設定操作部材115から操作信号を入力した場合、ステップS191が肯定判定されてステップS192へ進み、操作信号を入力しない場合、ステップS191が否定判定されて後述するステップS198へ進む。
【0075】
ステップS192においては、感度設定操作部材115により感度増加操作がされたか否かを判定する。感度増加操作がされた場合は、ステップS192が肯定判定されてステップS193へ進む。感度増加操作がされていない場合は、ステップS192が否定判定されて後述するステップS195へ進む。
【0076】
ステップS193においては、設定感度SVsの値が11であるか否か、すなわちISO6400相当であるか否かを判定する。設定感度SVsの値が11の場合は、ステップS193が肯定判定され、これ以上高感度側に設定できないので、撮像感度を変更せずに図2のステップS5へ進む。設定感度SVsの値が11ではない場合は、ステップS193が否定判定されてステップS194へ進む。ステップS194においては、設定感度SVsの値に1/3を加算し、新たな設定感度SVsを設定して図2のステップS5へ進む。これにより、設定感度SVsの値が1/3段分高感度側に変更される。
【0077】
ステップS192が否定判定されて進んだステップS195においては、感度設定操作部材115により設定感度SVsが低感度側に設定されたか否かを判定する。低感度側に設定された場合は、ステップS195が肯定判定されてステップS196へ進み、低感度側に設定されていない場合はステップS195が否定判定され、設定感度SVsの変更をせずに図2のステップS5へ進む。
【0078】
ステップS196においては、設定感度SVsの値が5であるか否か、すなわちISO100相当であるか否かを判定する。設定感度SVsの値が5の場合は、ステップS196が肯定判定され、これ以上低感度側に設定できないので、撮像感度を変更せずに図2のステップS5へ進む。設定感度SVsの値が5ではない場合は、ステップS196が否定判定されてステップS197へ進む。ステップS197においては、設定感度SVsの値から1/3を減算して新たな設定感度SVsを設定して図2のステップS5へ進む。これにより、設定感度SVsの値が1/3段分低感度側に変更される。
【0079】
ステップS191が否定判定されて進んだステップS198においては、露出モード設定操作部材110により露出モードの変更操作が行われたか否かを判定する。露出モード設定操作部材110から操作信号が入力された場合、ステップS198が肯定判定されてステップS199へ進む。露出モード設定操作部材110から操作信号が入力されない場合、ステップS198が否定判定されて、後述する図9のステップS211へ進む。
【0080】
ステップS199においては、モードパラメータMpの値が4、すなわちマニュアル露出モード(Mモード)であるか否かを判定する。モードパラメータMpの値が4以外の場合、ステップS199が否定判定されてステップS200へ進み、モードパラメータMpの値に1を加算して図2のステップS5へ進む。モードパラメータMpの値が4の場合、ステップS199が肯定判定されてステップS201へ進み、モードパラメータMpの値を1に設定して図2のステップS5へ進む。これにより、露出モード設定操作部材110を操作するごとに、露出モードがPモード→Sモード→Aモード→Mモード→Pモード→・・・のようにサイクリックに変更される。
【0081】
図8のステップS198が否定判定さると図9のステップS211へ進み、モードパラメータMpの値が2、すなわち露出モードがシャッタ速度優先自動露出制御モード(Sモード)であるか否かを判定する。モードパラメータMpの値が2の場合、ステップS211が肯定判定されてステップS213へ進み、モードパラメータMpの値が2以外の場合、ステップS211が否定判定されてステップS212へ進む。ステップS212においては、モードパラメータMpの値が4、すなわち露出モードがマニュアル露出モード(Mモード)であるか否かを判定する。モードパラメータMpの値が4の場合、ステップS212が肯定判定されてステップS213へ進み、モードパラメータMpの値が4以外の場合、ステップS212が否定判定されて後述するステップS220へ進む。
【0082】
ステップS213において、シャッタ速度設定部材111により設定シャッタ速度TVsが変更されたか否かを判定する。設定シャッタ速度TVsが変更されていない場合はステップS213が否定判定されて後述するステップS220へ進み、設定シャッタ速度TVsが変更されている場合はステップS213が肯定判定されてステップS214へ進む。ステップS214においては、ステップS213における設定シャッタ速度TVsの変更はシャッタ速度を高速側に設定する変更であるか否かを判定する。設定シャッタ速度TVsが高速側に変更された場合はステップS214が肯定判定されてステップS215へ進み、設定シャッタ速度TVsが高速側に変更されていない場合はステップS214が否定判定されてステップS217へ進む。
【0083】
ステップS215においては、ステップS214で設定した設定シャッタ速度TVSの値が12、すなわちシャッタ速度が1/4000秒か否かを判定する。設定シャッタ速度TVSの値が12の場合はステップS215が肯定判定され、設定シャッタ速度TVSをこれ以上高速に設定できないので、設定シャッタ速度TVSの変更をせずに図2のステップS5へ進む。設定シャッタ速度TVSの値が12以外の場合、ステップS215が否定判定されてステップS216へ進む。ステップS216においては、設定シャッタ速度TVsの値に1を加算して図2のステップS5へ進む。これにより、設定シャッタ速度TVsの値が1段分高速側に設定される。
【0084】
ステップS214が否定判定されて進んだステップS217においては、ステップS213における設定シャッタ速度TVsの変更がシャッタ速度を低速側に設定する変更であるか否かを判定する。設定シャッタ速度TVsが低速側に設定されない場合、すなわち設定シャッタ速度TVsの変更がない場合は、ステップS217が否定判定されて図2のステップS5へ進む。設定シャッタ速度TVsが低速側に設定された場合は、ステップS217が肯定判定されてステップS218へ進む。
【0085】
ステップS218においては、ステップS217で設定した設定シャッタ速度TVSの値が−5、すなわちシャッタ速度が30秒か否かを判定する。設定シャッタ速度TVSの値が−5の場合はステップS218が肯定判定され、設定シャッタ速度TVSをこれ以上低速に設定できないので、設定シャッタ速度TVSの変更をせずに図2のステップS5へ進む。設定シャッタ速度TVSの値が−5以外の場合、ステップS218が否定判定されてステップS219へ進む。ステップS219においては、設定シャッタ速度TVsの値から1を減算して図2のステップS5へ進む。これにより、設定シャッタ速度TVsの値が1段分低速側に設定される。
【0086】
ステップS212、もしくはステップS213が否定判定されて進んだステップS220においては、モードパラメータMpの値が3、すなわち露出モードが絞り優先自動露出制御モード(Aモード)であるか否かを判定する。モードパラメータMpの値が3の場合、ステップS220が肯定判定されてステップS222へ進み、モードパラメータMpの値が3以外の場合、ステップS220が否定判定されてステップS221へ進む。ステップS221においては、モードパラメータMpの値が4、すなわち露出モードがマニュアル露出モード(Mモード)であるか否かを判定する。モードパラメータMpの値が4以外の場合、ステップS221が否定判定されて図2のステップS5へ進み、モードパラメータMpの値が4の場合、ステップS221が肯定判定されてステップS222へ進む。
【0087】
ステップS222において、絞り設定操作部材112により設定絞り値AVsが変更されたか否かを判定する。設定絞り値AVsが変更された場合はステップS222が肯定判定されてステップS223へ進み、設定絞り値AVsが変更されていない場合はステップS222が否定判定されて図2のステップS5へ進む。
【0088】
ステップS223においては、ステップS222における設定絞り値AVsの変更が絞り径を低減する変更、すなわち絞り値を大きくする変更であるか否かを判定する。絞り径を低減する変更である場合はステップS223が肯定判定されてステップS224へ進み、絞り径を低減する変更でない場合はステップS223が否定判定されてステップS227へ進む。
【0089】
ステップS224において、設定絞り値AVsの値に1を加算してステップS225へ進む。これにより、絞り径が1段小さくなるように設定絞り値AVsが設定される。ステップS225においては、設定絞り値AVsの値が最小口径絞り値AVMより大きいか否かを判定する。設定絞り値AVsの値が最小口径絞り値AVMの値よりも大きい場合は、ステップS225が肯定判定されてステップS226へ進む。ステップS226では、最小口径絞り値AVMの値よりも設定絞り値AVsの値を大きく設定できないので、設定絞り値AVsの値に最小口径絞り値AVMの値を設定して図2のステップS5へ進む。設定絞り値AVsの値が最小口径絞り値AVMの値以下の場合は、ステップS225が否定判定されて図2のステップS5へ進む。
【0090】
ステップS223が否定判定されて進んだステップS227においては、ステップS222における設定絞り値AVsの変更が絞り径を増大する変更、すなわち絞り値を小さくする変更であるか否かを判定する。絞り径を増大する変更である場合はステップS227が肯定判定されてステップS228へ進み、絞り径を増大する変更でない場合はステップS227が否定判定されて図2のステップS5へ進む。
【0091】
ステップS228において、設定絞り値AVsの値から1を減算してステップS229へ進む。これによって、絞り径が1段分大きくなるように設定絞り値AVsが設定される。ステップS229においては、設定絞り値AVsの値が開放絞り値AV0の値未満か否かを判定する。設定絞り値AVsの値が開放絞り値AV0の値未満の場合は、ステップS229が肯定判定されてステップS230へ進む。ステップS230では、開放絞り値AV0の値よりも設定絞りAVsの値を小さく設定できないので、設定絞り値AVsの値に開放絞り値AV0の値を設定して図2のステップS5へ進む。設定絞り値AVsの値が開放絞り値AV0の値以上の場合は、ステップS229が否定判定されて図2のステップS5へ進む。
【0092】
(露出演算処理)
図2のステップS5における露出演算処理の詳細について、図10〜図13のフローチャートを参照して説明する。図10のステップS231においては、ISOブラケティングモードが設定されているか否かを判定する。フラグBに1が設定されている場合、すなわちISOブラケティングモードが設定されている場合、ステップS231が肯定判定されてステップS232へ進む。フラグBに0が設定されている場合、すなわちISOブラケティングモードが設定されていない場合、ステップS231が否定判定されて、後述するステップS241へ進む。
【0093】
ステップS232においては、感度自動制御モードが設定されているか否かを判定する。フラグSに1が設定されている場合、すなわち感度自動制御モードが設定されている場合、ステップS232が肯定判定されてステップS233へ進む。フラグSに0が設定されている場合、すなわち感度自動制御モードが設定されていない場合、ステップS232が否定判定されて後述するステップS241へ進む。
【0094】
ステップS233においては、ISOブラケティングモードによる撮影が開始されているか否かを判定する。ISOブラケティングカウンタnの値が2以上の場合、すなわちISOブラケティングモードによる撮影が開始されている場合、ステップS233が肯定判定されて、後述する図11のステップS277へ進む。ISOブラケティングカウンタnの値が1の場合、すなわちISOブラケティングモードによる撮影が開始されていない場合、ステップS233が否定判定されてステップS241へ進む。ステップS241において、適正露出となる露出値EVを以下の式(1)を用いて算出し、ステップS242へ進む。
EV=BV+SVS ・・・(1)
【0095】
ステップS242においては、モードパラメータMpの値が1、すなわち露出モードがプログラム自動露出制御モード(Pモード)であるか否かを判定する。モードパラメータMpの値が1の場合は、ステップS242が肯定判定されてステップS243へ進み、モードパラメータMpの値が1以外の場合、ステップS242が否定判定されて後述する図13のステップS331へ進む。
【0096】
ステップS243においては、制御絞り値AVCの値を(EV/2−1)に設定してステップS244へ進む。ステップS244においては、ステップS243で設定した制御絞り値AVCの値が開放絞り値AV0の値未満か、すなわち絞り口径が開放絞り口径より大きいか否かを判定する。制御絞り値AVCの値が開放絞り値AV0の値未満の場合、ステップS244が肯定判定されてステップS245へ進み、制御絞り値AVCの値を開放絞り値AV0に設定してステップS248へ進む。制御絞り値AVCの値が開放絞り値AV0の値以上の場合、ステップS244が否定判定されてステップS246へ進む。
【0097】
ステップS246では、制御絞り値AVCの値が最小口径絞り値AVMの値よりも大きいか、すなわち絞り口径が最小絞り口径より小さいか否かを判定する。制御絞り値AVCの値が最小口径絞り値AVMの値よりも大きい場合、ステップS246が肯定判定されてステップS247へ進み、制御絞り値AVCの値を最小口径絞り値AVMの値に設定してステップS248へ進む。制御絞り値AVCの値が最小口径絞り値AVMの値以下の場合、ステップS246が否定判定されてステップS248へ進む。これにより、制御絞り値AVCの値が開放絞り値AV0の値、もしくは最小口径絞り値AVMの値を超える場合には、開放絞り値AV0の値、もしくは最小口径絞り値AVMの値に絞り値を制限することができる。
【0098】
ステップS248においては、以下の式(2)に示すように、制御絞りパルス数Pcを絞り込み段数(AVc−AV0)の関数fとして算出して、ステップS249へ進む。
Pc=f(AVc−AV0) ・・・(2)
【0099】
なお、絞りの絞り込み段数と、絞り位置検出装置116が検出する検出絞りパルス数とは基本的には比例関係であるが、絞り開放付近において絞り検出装置116が出力する検出絞りパスル数は増加する。そのために、本実施の形態では、制御絞りパルス数Pcを絞り込み段数(AVc−AV0)の関数として算出している。
【0100】
ステップS249においては、ステップS241で算出した露出値EVから設定絞り値AVCを減算した値(EV−AVC)を制御シャッタ速度TVcとして設定してステップS250へ進む。ステップS250においては、感度自動制御モード設定フラグSが1であるか否かを判定する。フラグSが0(感度自動制御モード解除)の場合はステップS250が否定判定されて図12のステップS291へ進み、フラグSが1(感度自動制御モード設定)の場合はステップS250が肯定判定されてステップS251へ進む。
【0101】
ステップS251においては、制御シャッタ速度TVCの値が感度変更シャッタ速度TV0の値よりも小さいか否かを判定する。制御シャッタ速度TVCの値が感度変更シャッタ速度TV0の値以上の場合、ステップS251が否定判定されて後述するステップS255へ進み、制御シャッタ速度TVCの値が感度変更シャッタ速度TV0の値よりも小さい場合、ステップS251が肯定判定されてステップS252へ進む。
【0102】
ステップS252においては、感度変更シャッタ速度TV0の値から制御シャッタ速度TVCの値を減算してシャッタ速度差ΔTVの値を算出してステップS253へ進む。ステップS253においては、制御シャッタ速度TVCの値に感度変更シャッタ速度TV0の値を代入してステップS254へ進む。ステップS254においては、設定感度SVSの値にシャッタ速度差ΔTVの値を加算した値を制御感度SVCとして設定し、後述する図11のステップS261へ進む。
【0103】
ステップS251が否定判定されるとステップS255に進み、制御シャッタ速度TVCの値が12より大きいか、すなわち制御シャッタ速度が1/4000秒よりも高速か否かを判定する。制御シャッタ速度TVCの値が12より大きい場合は、ステップS255が肯定判定されてステップS256へ進み、制御シャッタ速度TVCの値が12以下の場合はステップS255が否定判定されてステップS258へ進む。
【0104】
ステップS256においては、12から制御シャッタ速度TVCの値を減算した値をシャッタ速度差ΔTVとして設定してステップS257へ進む。ステップS257においては、制御シャッタ速度TVCの値を12に設定して、上述したステップS254へ進む。一方、ステップS258においては、シャッタ速度差ΔTVの値を0に設定して、上記のステップS254へ進む。これにより、制御感度SVCの値を、設定感度SVSの値にシャッタ速度差ΔTVの値を加算した値として設定できる。なお、制御シャッタ速度TVCの値とシャッタ速度差ΔTVの値との関係は以下の通りである。
(1)TV0≦TVC≦12の場合、シャッタ速度差ΔTV=0
(2)TVC<TV0の場合、シャッタ速度差ΔTV=TV0−TVC
(3)TVC>12の場合、シャッタ速度差ΔTV=12−TVC
【0105】
ステップS254から進んだ図11のステップS261においては、制御感度SVCの値が制御上限感度SUの値より大きいか否かを判定する。制御感度SVCの値が制御上限感度SUの値以下の場合は、ステップS261が否定判定されてステップS265へ進み、制御感度SVCの値が制御上限感度SUの値よりも大きい場合は、ステップS261が肯定判定されてステップS262へ進む。ステップS262においては、制御感度SVCの値から制御上限感度SUの値を減算した値を感度差ΔSVの値として算出してステップS263へ進む。ステップS263においては、制御感度SVCの値に制御上限感度SUの値を代入してステップS264へ進む。ステップS264においては、制御シャッタ速度TVCの値から感度差ΔSVの値を減算した値を制御シャッタ速度TVCの値として設定して後述するステップS268へ進む。
【0106】
ステップS261が否定判定されるとステップS265へ進み、制御感度SVCの値が制御下限感度SDの値未満か否かを判定する。制御感度SVCの値が制御下限感度SDの値以上の場合、ステップS265が否定判定されて後述するステップS268へ進み、制御感度SVCの値が制御下限感度SDの値未満の場合、ステップS265が肯定判定されてステップS266へ進む。ステップS266においては、制御感度SVCの値から制御下限感度SDの値を減算した値を感度差ΔSVの値として算出してステップS267へ進む。ステップS267においては、制御感度SVCの値に制御下限感度SDの値を代入して上述したステップS264へ進む。
【0107】
ステップS264から進んだステップS268においては、制御シャッタ速度TVCの値が−5より小さいか、すなわちシャッタ速度が30秒よりも低速か否かを判定する。制御シャッタ速度TVCの値が−5以上の場合は、ステップS268が否定判定されてステップS270へ進み、制御シャッタ速度TVCの値が−5よりも小さい場合は、ステップS268が肯定判定されてステップS269へ進む。ステップS269においては、制御シャッタ速度TVCの値に−5を設定して後述するステップS272へ進む。
【0108】
ステップS268が否定判定されるとステップS270へ進み、制御シャッタ速度TVCの値が12より大きいか、すなわちシャッタ速度が1/4000秒より高速か否かを判定する。制御シャッタ速度TVCの値が12より大きい場合、ステップS270が肯定判定されてステップS271へ進み、制御シャッタ速度TVCの値に12を設定してステップS272へ進む。制御シャッタ速度TVCの値が12以下の場合、ステップS270が否定判定されてステップS272へ進む。これにより、制御感度SVCの値に応じて、制御シャッタ速度TVCの値を−5≦TVC≦12の範囲内で設定できる。
【0109】
ステップS272においては、制御感度SVCの値と設定感度SVSの値とが等しいか否かを判定する。制御感度SVCの値と設定感度SVSの値とが等しい場合、ステップS272が肯定判定されてステップS273へ進み、感度変更フラグCを0に設定してステップS275へ進む。制御感度SVCの値と設定感度SVSの値とが異なる場合、ステップS272が否定判定されてステップS274へ進み、感度変更フラグCを1に設定してステップS275へ進む。なお、感度変更フラグCは、感度の変更の有無を示すフラグであり、制御感度SVCの値と設定感度SVSの値とが異なり、感度が変更された場合に1が設定され、制御感度SVCの値と設定感度SVSの値とが等しく、感度が変更されない場合に0が設定される。
【0110】
ステップS275においては、ISOブラケティングモード設定フラグBが1に設定されているか否かを判定する。フラグBが1に設定されている場合、すなわちISOブラケティングモードが設定されている場合、ステップS275が肯定判定されてステップS276へ進む。フラグBが0に設定されている場合、すなわちISOブラケティングモードが設定されていない場合、ステップS275が否定判定されて図2のステップS7へ進む。
【0111】
ステップS276においては、ISOブラケティングカウンタnの値が1か否かを判定する。ISOブラケティングカウンタnの値が1の場合、すなわちISOブラケティングモードにおける1コマ目の露出演算の場合、ステップS276が肯定判定されて図2のステップS7へ進む。ISOブラケティングカウンタnの値が1以外の場合、すなわちISOブラケティングモードにおける2コマ目以降の露出演算の場合、ステップS276が否定判定されてステップS277へ進む。
【0112】
ステップS277においては、ISOブラケティングカウンタnの値が2か否かを判定する。ISOブラケティングカウンタnの値が2の場合、すなわちISOブラケティングモードにおける2コマ目の露出演算の場合、ステップS277が肯定判定されてステップS278へ進む。ステップS278においては、制御感度SVCの値から補正ステップXの値を減算した値を新たな制御感度SVCに設定して後述するステップS284へ進む。ISOブラケティングモードカウンタnの値が2以外の場合、ステップS277が否定判定されてステップS279へ進む。
【0113】
ステップS279においては、ISOブラケティングカウンタnの値が3、すなわちISOブラケティングモードにおける3コマ目の露出演算であるか否かを判定する。ISOブラケティングカウンタnの値が3の場合、ステップS279が肯定判定されてステップS280へ進み、制御感度SVCの値から補正ステップXの値を減算した値を新たな制御感度SVCに設定して後述するステップS284へ進む。ISOブラケティングカウンタnの値が3以外の場合、ステップS279が否定判定されてステップS281へ進む。
【0114】
ステップS281においては、ISOブラケティングカウンタnの値が4であるか否かを判定する。ISOブラケティングカウンタnの値が4の場合、すなわちISOブラケティングモードにおける4コマ目の露出演算の場合、ステップS281が肯定判定されてステップS282へ進む。ステップS282においては、制御感度SVCの値から補正ステップXの値を2倍した値を減算し、新たな制御感度SVCを設定して後述するステップS284へ進む。ISOブラケティングカウンタnの値が4以外の場合、すなわちISOブラケティングモードにおける5コマ目の露出演算の場合、ステップS281が否定判定されてステップS283へ進む。ステップS283においては、制御感度SVCの値に補正ステップXの値を2倍した値を加算し、新たな制御感度SVCを設定してステップS284へ進む。
【0115】
ステップS284においては、制御感度SVCの値が制御上限感度SUの値より大きいか否かを判定する。制御感度SVCの値が制御上限感度SUの値より大きい場合、ステップS284が肯定判定されてステップS285へ進み、制御感度SVCの値に制御上限感度SUの値を代入して図2のステップS7へ進む。制御感度SVCの値が制御上限感度SUの値以下の場合、ステップS284が否定判定されてステップS286へ進む。
【0116】
ステップS286においては、制御感度SVCの値が制御下限感度SDの値未満か否かを判定する。制御感度SVCの値が制御下限感度SDの値未満の場合、ステップS286が肯定判定されてステップS287へ進み、制御感度SVCの値が制御下限感度SDの値以上の場合、ステップS286が否定判定されて図2のステップS7へ進む。ステップS287においては、制御感度SVCの値に制御下限感度SDの値を代入して図2のステップS7へ進む。
【0117】
上述したステップS275〜ステップS287での処理により、ISOブラケティングモードでの2コマ目以降の撮影における制御感度SVCの値が以下のように設定される。
(1)2コマ目の場合、制御感度SVCの値をSVC−Xに設定
(2)3コマ目の場合、制御感度SVCの値をSVC+Xに設定
(3)4コマ目の場合、制御感度SVCの値をSVC−2・Xに設定
(4)5コマ目の場合、制御感度SVCの値をSVC+2・Xに設定
【0118】
また、上記のように設定された制御感度SVCの値は、制御下限感度SDの値および制御上限感度SUの値に応じて、以下のように設定される。
(1)SD≦SVC≦SUの場合、制御感度SVCの値を変更しない
(2)SU<SVCの場合、制御感度SVCの値を制御上限感度SUの値に設定
(3)SVC<SDの場合、制御感度SVCの値を制御下限感度SDの値に設定
【0119】
一方、上述した図10のステップS250が否定判定されると図12のステップS291へ進む。ステップS291(フラグBの値判定)からステップS299(ISOブラケティングモードにおける5コマ目の制御感度設定)までの各処理は、図11のステップS275(フラグBの値判定)からステップS283(ISOブラケティングモードにおける5コマ目の制御感度設定)までの各処理と同様の処理を行い、図2のステップS7へ進む。
【0120】
図10のステップS242が否定判定されると図13のステップS311へ進み、モードパラメータMpの値が2であるか否かを判定する。モードパラメータMpの値が2の場合、すなわち露出モードがシャッタ速度優先自動露出制御モード(Sモード)の場合、ステップS311が肯定判定されてステップS312へ進む。モードパラメータMpの値が2以外の場合、すなわち露出モードがSモード以外の場合、ステップS311が否定判定されて後述するステップS318へ進む。
【0121】
ステップS312においては、設定シャッタ速度TVSの値を制御シャッタ速度TVCの値に設定してステップS313へ進む。ステップS313においては、適正露出となる絞り値を演算してステップS314へ進む。具体的には、ステップS241で算出した露出値EVの値から制御シャッタ速度TVCの値を減算した値を制御絞り値AVCの値とする。
【0122】
ステップS314においては、ステップS313で算出した制御絞り値AVCの値が開放絞り値AV0の値未満か否かを判定する。制御絞り値AVCの値が開放絞り値AV0の値未満の場合、ステップS314が肯定判定されてステップS315へ進み、制御絞り値AVCの値を開放絞り値AV0の値に設定して後述するステップS323へ進む。制御絞り値AVCの値が開放絞り値AV0の値以上の場合、ステップS314が否定判定されてステップS316へ進む。
【0123】
ステップS316においては、ステップS313で算出した制御絞り値AVCの値が最小口径絞り値AVMの値よりも大きいか否かを判定する。制御絞り値AVCの値が最小口径絞り値AVMの値より大きい場合、すなわち絞り値が最大絞り値を超えている場合、ステップS316が肯定判定されてステップS317へ進む。ステップS317においては、制御絞り値AVCの値を最小口径絞り値AVMの値に設定して後述するステップS323へ進む。制御絞り値AVCの値が最小口径絞り値AVMの値以下の場合、ステップS316が否定判定されて後述するステップS323へ進む。これにより、制御絞り値AVCの値を、最上限の絞り値である最小口径絞り値AVMの値と、最下限の絞り値である開放絞り値AV0の値の範囲内に制限できる。
【0124】
ステップS311が否定判定されてステップS318へ進むと、モードパラメータMpの値が3であるか否かを判定する。モードパラメータMpの値が3の場合、すなわち露出モードが絞り優先自動露出制御モード(Aモード)の場合、ステップS318が肯定判定されてステップS319へ進む。ステップS319においては、設定絞り値AVSの値を制御絞り値AVCの値に設定して、上述した図10のステップS248へ進む。モードパラメータMpの値が3以外の場合、すなわち露出モードがマニュアル露出モード(Mモード)の場合、ステップS318が否定判定されてステップS320へ進む。
【0125】
ステップS320においては、制御シャッタ速度TVCの値に設定シャッタ速度TVSの値を代入してステップS321へ進む。ステップS321においては、制御絞り値AVCの値に設定絞り値AVSの値を設定してステップS322へ進む。ステップS322においては、設定シャッタ速度TVSの値に設定絞り値AVSの値を加算した設定露出値の値と、ステップS241で算出した適正露出EVの値とに基づいて、以下の式(3)を用いて露出差ΔEVの値を算出してステップS323へ進む。
ΔEV=AVS+TVS−EV ・・・(3)
【0126】
ステップS323においては、ステップS248と同様にして、上述した式(2)を用いて、制御絞りパルス数Pcを絞り込み段数(AVc−AV0)の関数fとして算出して、ステップS324へ進む。ステップS324においては、感度自動制御モードが設定されているか否かを判定する。感度自動制御モード設定フラグSが1に設定されている場合、ステップS324が肯定判定されてステップS325へ進む。感度自動制御モード設定フラグSが0に設定されている場合、すなわち感度自動制御モードが設定されていない場合、ステップS324が否定判定されて、上述した図12のステップS291へ進む。
【0127】
ステップS325においては、制御露出(AVC+TVC)と適正露出EVとの露出偏差ΔEVを、以下の式(4)を用いて算出してステップS326へ進む。
ΔEV=AVC+TVC−EV ・・・(4)
【0128】
ステップS326においては、ステップS325で算出した露出偏差ΔEVの値の絶対値|ΔEV|が所定値δ未満か否かを判定する。所定値δ以上の場合、ステップS326が否定判定されてステップS327へ進む。所定値δ未満の場合、ステップS326が肯定判定されてステップS328へ進み、なお、所定値δは、たとえば1/2以下の値であり、本実施の形態においては1/6とする。
【0129】
ステップS327においては、設定感度SVSの値にステップS326で算出した露出偏差ΔEVの値を加算した値を制御感度SVCの値に設定してステップS329へ進む。ステップS328においては、制御感度SVCの値を設定感度SVSの値に設定してステップS329へ進む。
【0130】
ステップS329においては、制御感度SVCの値が制御上限感度SUの値より大きいか否かを判定する。制御感度SVCの値が制御上限感度SUの値よりも大きい場合、ステップS329が肯定判定されてステップS330へ進み、制御感度SVCの値に制御上限感度SUの値を代入して、上述した図11のステップS272へ進む。制御感度SVCの値が制御上限感度SUの値以下の場合、ステップS329が否定判定されてステップS331へ進む。
【0131】
ステップS331においては、制御感度SVCの値が制御下限感度SDの値未満か否かを判定する。制御感度SVCの値が制御下限感度SDの値未満の場合、ステップS331が肯定判定されてステップS332へ進み、制御感度SVCの値に制御下限感度SDの値を代入して、上述した図11のステップS272へ進む。制御感度SVCの値が制御下限感度SDの値以上の場合、ステップS331が否定判定されて、上述した図11のステップS272へ進む。これによって、制御感度SVCの値が制御下限感度SDの値以上、かつ制御上限感度SUの値以下の値に制限される。
【0132】
図10〜図13のフローチャートを用いて説明した露出演算処理により、感度自動制御モードおよびISOブラケティングモードの双方が設定された場合、演算回路101は、感度自動制御モードにより、設定された露出モードにおいて適正露出となるように制御感度SVCを決定する。そして、演算回路101は、設定された制御感度SVCを基準として、撮影コマごとに制御感度SVCを変化させる。
【0133】
(表示処理)
図2のステップS7における表示処理の詳細について、図14のフローチャートを参照して説明する。ステップS341においては、フラグBが1に設定されているか否か、すなわちISOブラケティングモードが設定されているか否かを判定する。フラグBが1に設定されている場合、ステップS341が肯定判定されてステップS342へ進み、フラグBが0に設定されている場合、ステップS341が否定判定されて後述するステップS346へ進む。
【0134】
ステップS342においては、ISOブラケティングカウンタnの値が1であるか否かを判定する。ISOブラケティングカウンタnの値が1の場合、すなわちISOブラケティングによる一連の撮影が開始されていない場合、ステップS342が肯定判定されてステップS343へ進む。ステップS343では、表示装置109に、たとえば「ISO−BKT」等のマークを点灯表示させてステップS345へ進む。
【0135】
ISOブラケティングカウンタnの値が1以外の場合、すなわちISOブラケティングによる一連の撮影が開始されている場合、ステップS342が否定判定されてステップS344へ進む。ステップS344においては、表示装置109に、たとえば「ISO−BKT」等のマークを点滅表示させてステップS345へ進む。
【0136】
ステップS345においては、表示装置109に、ISOブラケティングカウンタnの値を点灯表示させてステップS346へ進む。ステップS346においては、フラグSが1に設定されているか否かを判定する。フラグSが1に設定されている場合、すなわち感度自動制御モードが設定されている場合、ステップS346が肯定判定されてステップS347へ進む。フラグSが0に設定されている場合、すなわち感度自動制御モードが設定されていない場合、ステップS346が否定判定されて後述するステップS351へ進む。
【0137】
ステップS347においては、フラグCが1に設定されているか否かを判定する。フラグCが1に設定されている場合、すなわち制御感度SVCが設定感度SVSに変更されている場合、ステップS347が肯定判定されてステップS348へ進む。ステップS348においては、表示装置109に、たとえば「ISO−AUTO」等のマークを点滅表示させてステップS349へ進む。ステップS349においては、表示装置109に制御感度SVCを点滅表示させて後述するステップS351へ進む。
【0138】
フラグCが0に設定されている場合、すなわち制御感度SVCが設定感度SVSに変更されていない場合、ステップS347が否定判定されてステップS350へ進む。ステップS350においては、表示装置109に、たとえば「ISO−AUTO」等のマークを点灯表示させてステップS351へ進む。ステップS351においては、表示装置109に制御感度SVSを点灯表示させてステップS352へ進む。
【0139】
ステップS352においては、モードパラメータMpの値が1であるか否かを判定する。モードパラメータMpの値が1の場合、すなわち露出モードがプログラム自動露出制御モード(Pモード)の場合、ステップS352が肯定判定されてステップS353へ進む。ステップS353においては、表示装置109に、「P」マーク、制御シャッタ速度TVC、および制御絞り値AVCを点灯表示させて、後述するステップS359へ進む。
【0140】
モードパラメータMpの値が1以外の場合、すなわち露出モードがプログラム自動露出演算モード(Pモード)以外の場合、ステップS352が否定判定されてステップS354へ進む。ステップS354においては、モードパラメータMpの値が2であるか否かを判定する。モードパラメータMpの値が2の場合、すなわち露出モードがシャッタ速度優先自動露出制御モード(Sモード)の場合、ステップS354が肯定判定されてステップS355へ進む。ステップS355においては、表示装置109に、「S」マーク、設定シャッタ速度TVS、および制御絞り値AVCを点灯表示させて、後述するステップS359へ進む。
【0141】
モードパラメータMpの値が2以外の場合、すなわち露出モードがシャッタ速度優先自動露出制御モード(Sモード)ではない場合、ステップS354が否定判定されてステップS356へ進む。ステップS356においては、モードパラメータMpの値が3であるか否かを判定する。モードパラメータMpの値が3の場合、すなわち露出モードが絞り優先自動露出制御モード(Aモード)の場合、ステップS356が肯定判定されてステップS357へ進む。ステップS357においては、表示装置109に、「A」マーク、制御シャッタ速度TVC、および設定絞り値AVSを点灯表示させて、後述するステップS359へ進む。
【0142】
モードパラメータMpの値が3以外の場合、すなわち露出モードがマニュアル露出モード(Mモード)の場合、ステップS356が否定判定されてステップS358へ進む。ステップS358においては、表示装置109に、「M」マーク、設定シャッタ速度TVS、設定絞り値AVS、および露出偏差ΔEVを点灯表示させてステップS359へ進む。
【0143】
ステップS359においては、ISOブラケティングモードにおいて基準となる撮像感度(制御感度SVC)の値、設定感度SVSの値、および2コマ目以降の撮影における制御感度SVCの値の対応関係を、表示装置109にバーグラフ表示させて図2ステップS8へ進む。コマ数Nが5の場合における対応関係の表示の一例を図16に示す。表示装置109には、制御感度SVCの値に対する設定感度SVSの値が、たとえば三角形等の指標Zとともに表示される。図16(a)は制御感度SVCの値と設定感度SVSの値とが異なる場合の表示例を示し、図16(b)は制御感度SVCの値と設定感度SVSの値とが等しい場合の表示例を示している。なお、2コマ目以降の撮影における制御感度SVCの値は、補正ステップXの値、およびコマ数Nの値に応じて変更されて表示される。
【0144】
(撮像シーケンス処理)
図2のステップS9における撮像シーケンス処理の詳細について、図15のフローチャートを参照して説明する。図15のステップS361において、シャッタ制御回路103に指令を出力し、シャッタ104の不図示のマグネットに通電して先幕および後幕を保持させる。ステップS362において、モータ制御回路105に指令を出力し、シーケンスモータ106に正転を開始させてステップS363へ進む。これにより、不図示のミラーのミラーアップおよび絞りの絞り込みが開始される。
【0145】
ステップS363において、絞り位置検出装置107から入力される信号によって検出絞りパルス数Pkを検出してステップS364へ進む。ステップS364において、ステップS363で検出した検出絞りパルス数Pk、および前述したステップS6の露出演算で算出した制御絞りパルス数Pcとの間にPk≧Pcが成立するか否かを判定する。Pk≧Pcが成立する場合にはステップS364が肯定判定されてステップS365へ進み、Pk≧Pcが成立しない場合にステップS364が否定判定される。否定判定された場合には、絞り込みを継続するようにステップS363へ戻る。
【0146】
ステップS365において、絞り係止装置108に指令を出力して絞りを係止させ、ステップS366へ進む。ステップS366において、ミラーアップが終了したか否かを判定する。シーケンススイッチSW1からオン信号が入力されるとステップS366が肯定判定されてステップS367へ進み、シーケンススイッチSW1からオン信号が入力されない場合はステップS366が否定判定される。否定判定する場合には、ミラーアップを継続するように判定処理を繰り返す。
【0147】
ステップS367において、モータ制御回路105に指令を出力し、シーケンスモータ106を停止させてステップS368へ進む。なお、ミラーアップの終了より先に絞り係止装置108によって絞りの係止が終了するように不図示のシーケンス駆動装置が構成されている。ステップS368において、所定時間のウエイトをおいてステップS369へ進む。所定時間は、ミラーアップ後のバウンドが安定するまでに要する時間とする。
【0148】
ステップS369において、タイミング回路124に駆動信号の発生を開始させて撮像素子121の駆動を開始し、ステップS370へ進む。これにより、撮像素子121が電荷蓄積を開始する。ステップS370において、シャッタ制御回路103に指令を出力し、シャッタ104の不図示のマグネットへの通電を解除して先幕保持を解除させ、ステップS371へ進む。これによってシャッタ先幕の走行が開始され、撮像素子121の撮像面に到達した被写体光の強さに応じて撮像素子121が電荷を蓄積する。ステップS371において、制御シャッタ速度TVcに相当する時間、ウエイトしてステップS372へ進む。ステップS372においては、シャッタ駆動回路103に指令を出力し、シャッタ104の不図示のマグネットへの通電を解除して後幕保持を解除させ、ステップS373へ進む。これによってシャッタ後幕の走行が開始され、撮像素子121への被写体光が遮断される。
【0149】
ステップS373において、所定時間のウエイトをおいてステップS374へ進む。所定時間は、後幕が撮像素子121の撮像領域を完全に遮光し、走行完了するまでに要する時間とする。ステップS374において、撮像素子121の電荷蓄積を終了させてステップS375へ進む。ステップS375において、モータ制御回路105に指令を出力し、シーケンスモータ106に逆転を開始させてステップS376へ進む。これにより、不図示のミラーのミラーダウン動作および絞りの開放復帰動作が開始される。ステップS376において、タイミング回路124に指令を出力し、撮像素子121から蓄積電荷の読み出しを行い、ステップS377へ進む。
【0150】
ステップS377において、ASIC123に画像処理を行わせ、ステップS378へ進む。ステップS378において、ASIC123に画像圧縮処理を行わせ、ステップS379へ進む。ステップS379において、画像圧縮後にバッファメモリ125に格納されている画像データを記録媒体126に記録してステップS380へ進む。
【0151】
ステップS380において、ミラーダウンが終了したか否かを判定する。シーケンススイッチSW1からオン信号が入力されるとステップS380が肯定判定されてステップS381へ進み、シーケンススイッチSW1からオン信号が入力されない場合はステップS380が否定判定されて、ミラーダウンを継続するように判定処理を繰り返す。
【0152】
ステップS381において、モータ制御回路105に指令を出力し、シーケンスモータ106を停止させて図15による処理を終了し、図2のステップS10へ進む。なお、シーケンスモータ106は、逆通電ブレーキやショートブレーキなどのブレーキ処理により瞬時に停止され、オーバーランは無視できる程度であるものとする。また、画像記録には比較的時間がかかるが、ミラーダウン終了前には画像記録が終了するようにシーケンス機構は構成されている。これにより、一連の撮影処理が終了する。
【0153】
以上で説明した実施の形態の電子カメラによれば、以下の作用効果が得られる。
(1)演算回路101は、感度自動制御モードとISOブラケティングモードとが設定されている場合、感度自動制御モードで適正露出となるように設定した制御感度SVCの値を基準感度として設定し、高感度側および低感度側のいずれかへ撮像感度を変更させて、ISOブラケティングモードによる撮影を行うようにした。この結果、先に感度自動制御モードにより基準感度を設定するので、たとえばISOブラケティングモードによる2コマ目以降のブラケティング撮影時に、変更された撮像感度が、感度自動制御モードにより適正露出となる撮像感度に補正されて、ブラケティング撮影に不具合が生じることを防ぐことができる。
【0154】
(2)演算回路101は、図16に示すように、ISOブラケティングモードにおいて基準となる感度(制御感度SVCの値)と、設定感度SVSの値と、補正ステップXに基づいてブラケティング撮影時に変更される撮像感度の値とを、表示装置109に表示させるようにした。したがって、ユーザは、設定感度SVSの値と制御感度SVCの値の差(露出偏差)や、各コマ撮影時に変更される撮像感度の値等を把握することができるので、利便性が向上する。
【0155】
上述した実施の形態のカメラに対して以下のような変形が可能である。
(1)感度自動制御モードとISOブラケティングモードとが設定されている場合、演算回路101は、ブラケティング撮影における1コマ目の制御感度SVCの値、すなわち基準となる撮像感度を所定の固定値として設定してもよい。この場合、ブラケティング撮影において、各コマ撮影時に変更される撮像感度の値は常に一定となる。
【0156】
(2)感度自動制御モードのみ設定されている場合、すなわちISOブラケティングモードが設定されていない場合、制御回路101は、撮影ごとに制御感度SVCの値を変更して画像を取得できる。
【0157】
(3)ISOブラケティングモードのみ設定されている場合、すなわち感度自動制御モードが設定されていない場合、演算回路101は、設定感度SVSを基準感度としてブラケティング撮影を行ってもよい。ブラケティング撮影中に十分な被写体輝度Bvが得られなくなった場合は、制御回路101は、絞りおよびシャッタ速度を変更して、基準となる設定感度SVSが1段高感度側もしくは低感度側に変更されるように露出値を補正してもよい。
【0158】
(4)制御上限感度SUの値および制御下限感度SDの値は1段ステップで高感度側もしくは低感度側に設定するものに限定されず、たとえば1/3段ステップで設定してもよい。
(5)シャッタ速度設定操作部材114は、設定シャッタ速度(露光時間)TVsを設定範囲−5≦TVs≦12の範囲で1段ステップ設定するものに限定されず、たとえば1/3段ステップで設定してもよい。
(6)絞り設定操作部材112は、絞り値を開放から最小絞りまで1段ステップで設定するものに限定されず、たとえば1/3段ステップで設定してもよい。
【0159】
また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明の一実施の形態における電子カメラの構成を示すブロック図
【図2】カメラ動作の処理の流れを説明するフローチャート
【図3】通信処理の詳細を説明するフローチャート
【図4】設定処理の詳細を説明するフローチャート
【図5】設定処理の詳細を説明するフローチャート
【図6】設定処理の詳細を説明するフローチャート
【図7】設定処理の詳細を説明するフローチャート
【図8】設定処理の詳細を説明するフローチャート
【図9】設定処理の詳細を説明するフローチャート
【図10】露出演算処理の詳細を説明するフローチャート
【図11】露出演算処理の詳細を説明するフローチャート
【図12】露出演算処理の詳細を説明するフローチャート
【図13】露出演算処理の詳細を説明するフローチャート
【図14】表示処理の詳細を説明するフローチャート
【図15】撮像シーケンスの詳細を説明するフローチャート
【図16】表示装置における表示の一例を説明する図
【符号の説明】
【0161】
101・・・演算回路 102・・・測光装置 109・・・表示装置
113・・・感度自動制御モード設定操作部材
114・・・ISOブラケティングモード設定操作部材
LE・・・撮影レンズ
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光感度を自動的に制御するモードおよび撮像手段の露光感度を段階的に変更させるモードを備えるカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、撮像感度を自動的に制御するモードを備えるカメラが知られている(たとえば特許文献1)。
また、撮像感度を段階的に変化させて露出を変更しながら、複数回の撮影を行うISOブラケティングモードを備えるカメラが知られている(たとえば特許文献2)。
【特許文献1】特開2006−222757号公報
【特許文献2】特開2005−257743号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、感度自動制御モードとISOブラケティングモードとを備える場合、ISブラケティングで撮影中に感度自動制御モードにより撮像感度が変更され、ISOブラケティングによる撮影に不具合が生じるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明によるカメラは、装着部に装着された撮影レンズを介して入射した被写体の像を撮像して画像を取得する撮像手段と、被写体の輝度を検出する輝度検出手段と、撮像手段に設定されている露光感度、撮像手段に設定されている露光時間、撮影レンズに設定されている絞り値、および輝度検出手段により検出された被写体輝度のうち、少なくとも露光感度および被写体輝度を用いて露出演算を行う露出演算手段と、第1モードを設定する第1設定手段と、第2モードを設定する第2設定手段と、第1モードが設定されている場合、露出演算手段による露出演算の結果が適正露出ではない時、露出演算手段に対して、適正露出に近づけるために必要な露光感度の変更量を演算させ、演算された変更量に応じて露光感度を変更させ、変更した露光感度を用いて露出演算をさせる第1制御手段と、第2モードが設定されている場合、撮像素子に設定されている露光感度を基準として、高感度側および低感度側のいずれかへ露光感度を変更して、露出演算手段に対して露出演算をさせる第2制御手段と、第1モードおよび第2モードが設定されている場合、第1制御手段の指示に基づいて露出演算手段により変更された露光感度を基準として、高感度側および低感度側のいずれかへ露光感度を変更して、露出演算手段に対して露出演算をさせる第3制御手段とを備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のカメラにおいて、基準となる露光感度は固定値とすることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のカメラにおいて、基準となる露光感度と、高感度側および低感度側のいずれかへ変更される露光感度とを表示する表示器をさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、第1モードにおいて変更された露光感度を基準として、第2モードにより高感度側および低感度側のいずれかへ露光感度を変更させて画像を取得できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態による電子カメラの構成を示すブロック図である。図1において、演算回路101は、マイクロコンピュータなどによって構成される。演算回路101は、後述する各ブロックから出力される信号を入力して所定の演算を行い、演算結果に基づいて制御信号を各ブロックへ出力する。撮像素子121は、CCDイメージセンサなどによって構成される。撮像素子121は、撮影レンズLEを通過した光による被写体像を撮像し、撮像信号をA/D変換回路122へ出力する。
【0007】
撮像素子121は、ISO100相当〜ISO6400相当の範囲内において撮像感度(露光感度)を所定のステップで変更可能に構成されている。撮像感度とは、撮像素子121に蓄積される電荷の検出感度、もしくは不図示の増幅回路の増幅利得を変化させる被制御量のことをいう。撮像感度は、相当するISO感度値で表される。
【0008】
A/D変換回路122は、アナログ撮像信号をディジタル信号に変換する。撮像素子121およびA/D変換回路122は、タイミング回路124から出力される駆動信号によって所定のタイミングで駆動される。
【0009】
ASIC123は、ディジタル変換後の信号に所定の画像処理を行う。画像処理は、ホワイトバランス(WB)調整処理、画像データを所定の形式で圧縮する圧縮処理、圧縮処理後のデータを伸長する伸長処理を含む。バッファメモリ125は、ASIC123によって信号処理された画像データを逐次入力し、当該データを一時的に格納する。記録媒体126は、着脱可能なフラッシュメモリなどによって構成される。記録媒体126は、バッファメモリ125に一時格納されている画像データを記録する。
【0010】
露出モード設定部材110は、たとえば露出モードダイヤルおよびその回転位置を検出するスイッチを有し、露出モードダイヤルの設定操作に応じて、操作信号を演算回路101へ出力する。演算回路101は、露出モード設定部材110から操作信号が入力されると、操作信号に応じてプログラム自動露出制御モード(Pモード)、シャッタ速度優先自動露出制御モード(Sモード)、絞り優先自動露出制御モード(Aモード)、およびマニュアル露出モード(Mモード)のいずれか一つに設定する。
【0011】
プログラム自動露出制御モード(Pモード)では、適正露出が得られるように撮像素子121の露光時間および絞り値を所定の組合せで変更可能にして制御露出を演算する。シャッタ速度優先自動露出制御モード(Sモード)では、設定されているシャッタ速度(露光時間)で適正露出が得られるように絞り値を変更可能にして制御露出を演算する。絞り優先自動露出制御モード(Aモード)では、設定されている絞り値で適正露出が得られるように露光時間を変更可能にして制御露出を演算する。マニュアル露出モード(Mモード)では、設定されている露光時間および絞り値による制御露出と適正露出との偏差を演算する。
【0012】
感度自動制御モード設定操作部材113は、感度自動制御モードの設定/解除、感度制御範囲の変更、および感度変更シャッタ速度の変更を行うための操作部材である。感度自動制御モード設定操作部材113は、設定/解除操作、感度制御範囲の変更、および感度変更シャッタ速度の変更操作に応じた操作信号を演算回路101へ出力する。演算回路101は、入力される操作信号に応じて感度自動制御モードの設定や解除、感度制御範囲の変更、感度変更シャッタ速度の変更を行う。感度自動制御モードが設定されている場合、適正露出に近づけるように、露出偏差ΔEVに応じて撮像感度を自動的に変更して制御露出が演算される。露出偏差ΔEVは、上記のシャッタ優先自動露出モード(Sモード)、絞り優先自動露出モード(Aモード)およびマニュアル露出モード(Mモード)で算出された制御露出と適正露出との偏差である。感度自動制御モードが解除されている場合、設定されている撮像感度で適正露出が得られるように制御露出が演算される。
【0013】
感度設定操作部材115は、撮像感度設定操作に応じて操作信号を演算回路101へ出力する。演算回路101は、感度設定操作部材115から操作信号が入力されると、操作信号に応じて上述した撮像素子121の撮像感度の設定値を変更する。設定感度SVsの設定範囲は、たとえば、5≦SVs≦11、すなわち、ISO100相当〜ISO6400相当の範囲で設定可能に構成されている。
【0014】
シャッタ速度設定操作部材111は、シャッタ速度設定操作に応じて操作信号を演算回路101へ出力する。演算回路101は、シャッタ速度設定操作信号に応じてシャッタの開口時間を設定し、上述した撮像素子121の露光時間を制御する。ここで、設定シャッタ速度(露光時間)TVsの設定範囲は、たとえば−5≦TVs≦12、30秒〜1/4000秒の範囲であり、1段ステップでいずれか1つのシャッタ速度に設定可能に構成されている。なお、本実施の形態においては、初期値としてのシャッタ速度は1/125秒に設定されているものとする。
【0015】
絞り設定操作部材112は、絞り設定操作に応じて操作信号を演算回路101へ出力する。演算回路101は、入力された絞り設定操作信号に応じて、絞り値を開放から最小絞りまで1段ステップでいずれか1つの絞り値に設定する。設定絞り値AVsの設定範囲はAV0〜AVM、すなわち開放絞り値および最小口径絞り値であり、装着されている撮影レンズLEによって異なる。なお、本実施の形態においては、絞り値の初期値はF5.6に設定されているものとする。
【0016】
ISOブラケティングモード設定部材114は、ISOブラケティングモードに関する各種の設定、変更等を行うための操作部材である。ISOブラケティングモードは、基準となる撮像感度を補正ステップXに基づいて変更しながら、Nコマの画像を連続して撮影するモードである。ISOブラケティングモード設定操作部材114は、設定/解除操作、コマ数Nの変更、および補正ステップXの変更操作に応じた操作信号を演算回路101へ出力する。演算回路101は、入力される操作信号に応じてISOブラケティングモードの設定や解除、コマ数Nの変更、補正ステップXの変更を行う。なお、コマ数Nは、たとえば3コマおよび5コマからISOブラケティングモード操作部材114により選択可能であり、0コマが選択されると演算回路101はISOブラケティングモードを解除する。また、補正ステップXは、たとえば1/3、1/2、3/2、および1のうちいずれかを選択することができる。
【0017】
表示装置109は、演算回路101の指令によりシャッタ速度、絞り値、設定感度、露出モード、制御感度、露出偏差、感度自動制御モードの設定状態などを表示する。測光装置102は、撮影レンズLEを通過したレンズ透過光量を検出し、検出信号を演算回路101へ出力する。演算回路101は、測光装置102からの検出信号を用いて被写体の明るさを算出する。
【0018】
レンズ情報検出装置116は、レンズマウント(不図示)の近傍に配設された接点およびインターフェイス回路によって構成される。レンズ情報検出装置116は、接点およびインターフェイス回路を介して撮影レンズLEに内蔵されたレンズCPUとの間で通信を行い、レンズCPUから得たレンズ情報を演算回路101へ転送する。また、レンズ情報検出装置116は、撮影レンズLEに設定されている(撮影時に使用される)絞り値の情報をレンズ情報として取得する。演算回路101は、レンズCPUからレンズ情報が所定時間得られない場合、すなわち、通信が確立されない場合、撮影レンズLEが装着されていないと判定する。
【0019】
レリーズスイッチSW2は、不図示のレリーズ操作ボタンの押し下げに連動してレリーズ操作信号を演算回路101へ出力する。モータ制御回路105は、演算回路101の指令によってシーケンスモータ106を駆動制御する。シーケンスモータ106は、不図示のシーケンス駆動装置を構成し、不図示のミラーのアップ/ダウン、不図示の絞りの駆動、およびシャッタ104のチャージなどを行う。
【0020】
シーケンススイッチSW1は、上記シーケンス駆動装置を構成し、シーケンスモータ106のブレーキ制御タイミングなどを発生するスイッチである。以下、シーケンススイッチSW1のオン・オフとシーケンス駆動装置の動作制御について、ミラーアップ動作の場合、およびミラーダウン動作の場合について説明する。
【0021】
−ミラーアップ動作−
ミラーダウンした状態でシーケンスモータ106が停止している場合は、シーケンススイッチSW1はオン状態を保持している。ミラーアップのためにシーケンスモータ106が正転を開始すると、シーケンス駆動装置が動作し、所定の時間だけ遅れてシーケンススイッチSW1がオフする。シーケンスモータ106が正転を継続すると、シーケンス駆動装置はミラーアップおよび絞りの絞り込みを行う。そして、ミラーアップ動作完了直前にシーケンススイッチSW1がオンしてブレーキ制御タイミングを発生すると、シーケンスモータ106が正転を停止するので、シーケンス駆動装置はミラーアップ動作を停止する。なお、シーケンス駆動装置は、絞り込み動作がミラーアップ動作の完了までに終了するように構成されているものとする。
【0022】
−ミラーダウン動作−
ミラーアップした状態ではシーケンススイッチSW1はオン状態を保持している。ミラーダウンのためにシーケンスモータ106が逆転を開始すると、シーケンス駆動装置が動作し、所定の時間だけ遅れてシーケンススイッチSW1がオフする。シーケンスモータ106が逆転を継続すると、シーケンス駆動装置はミラーダウン動作を行うとともに、絞りが係止されている場合には係止を解除した後、絞りを開放復帰する。さらに、シーケンス駆動装置はシャッタ104をチャージする。ミラーダウン動作の完了直前にシーケンススイッチSW1がオンしてブレーキ制御タイミング信号が発生すると、シーケンスモータ106の逆転が停止するので、シーケンス駆動装置はミラーダウン動作を停止する。なお、シーケンス駆動装置は、絞りの開放復帰およびシャッタ104のチャージがミラーダウン動作の完了までに終了するように構成されているものとする。
【0023】
シャッタ制御回路103は、シャッタ104の不図示の先幕および後幕の保持および解除をそれぞれ制御する。なお、シャッタ104はシーケンス駆動装置のミラーアップ動作の途中でチャージが解除されるので、シーケンス駆動装置によるミラーアップ動作前にシャッタ104の先幕および後幕の保持が行われる。絞り位置検出装置107は、絞り値に対応する絞りの絞り位置を検出して検出信号を演算回路101に出力する。絞り係止装置108は、駆動中の絞りを係止し、所定の絞り値で絞りを停止させる。なお、絞り係止装置108による絞りの係止が、ミラーダウン途中に解除されるようにシーケンス駆動装置が構成されている。
【0024】
本実施の形態の電子カメラは、感度自動制御モードとISOブラケティングモードとが設定された場合に、感度自動制御モードにより撮像感度を変更し、変更後の撮像感度を基準として撮像感度の異なる複数の画像を取得するものである。
【0025】
(メイン処理)
実施の形態による電子カメラの演算回路101で行われるカメラ動作の処理の流れについて、図2のフローチャートを参照して説明する。図2のフローチャートによるプログラムは、図示しないメモリに格納されており、電子カメラの電源がONされると起動する。図2のステップS1において、演算回路101は以下(1)〜(12)の初期設定を行いステップS2へ進む。
(1)設定感度SVsを7(ISO400に相当)
(2)設定シャッタ速度TVsを7(1/125秒)
(3)設定絞り値AVsを5(F5.6)
(4)露出モードパラメータMpを1(Pモード)
(5)感度自動制御モード設定フラグSを0(解除)
(6)感度変更シャッタ速度TV0を5(1/30秒)
(7)制御下限感度SDを5(ISO100相当)
(8)制御上限感度SUを9(ISO1600相当)
(9)ISOブラケティングモード設定フラグBを0(解除)
(10)ISOブラケティングコマ数Nを3
(11)補正ステップXを1
(12)ISOブラケティングカウンタnを1
なお、設定感度SVs、設定シャッタ速度TVs、設定絞り値AVs、感度変更シャッタ速度TV0、制御下限感度SD、および制御上限感度SUは、それぞれアペックス値が用いられる。
【0026】
制御下限感度SDは、感度自動制御モードにおいて撮像感度が変更される場合の下限感度であり、5≦SD≦6の範囲で1段ごとに変更可能である。制御上限感度SUは、感度自動制御モードにおいて撮像感度が変更される場合の上限感度であり、7≦SU≦11の範囲で1段ごとに変更可能である。
【0027】
感度変更シャッタ速度TV0は、プログラム自動露出制御モード(Pモード)もしくは絞り優先自動露出制御モード(Aモード)において、低速側で撮像感度を変更するためのシャッタ速度であり、−5≦TV0≦7、すなわちシャッタ速度30秒〜1/125秒の範囲で変更可能に設定されている。なお、感度変更シャッタ速度TV0は固定値でもよいし、撮影レンズLEにより決定される値であってもよい。モードパラメータMpは設定された露出モードを示すパラメータであり、プログラム自動露出制御モード(Pモード)が設定されると1に、シャッタ速度優先自動露出制御モード(Sモード)が設定されると2に、絞り優先自動露出制御モード(Aモード)が設定されると3に、マニュアル露出モード(Mモード)が設定されると4に、それぞれセットされる。
【0028】
フラグSは感度自動制御モードの設定の有無を示すフラグであり、感度自動制御モードが設定された場合は1に、設定されていない場合は0に設定される。フラグBはISOブラケティングモードの設定の有無を示すフラグであり、ISOブラケティングモードが設定された場合は1に、設定されていない場合は0に設定される。ISOブラケティングカウンタnは、ISOブラケティングモードにおいて、一連の撮影のうち次に撮影されるコマが何コマ目に相当するかを示すカウンタであり、ISOブラケティングモードが解除されると1に設定される。
【0029】
ステップS2において、装着された撮影レンズLEと通信を行いステップS3へ進む。なお、ステップS2の通信処理では、後述するように、通信の結果、撮影レンズLEとの通信が成立するとフラグLに1を、撮影レンズLEとの通信が成立しないとフラグLに0が代入される。ステップS2での処理の詳細については後述する。
【0030】
ステップS3において、フラグLが1であるか否かを判定する。撮影レンズLEが装着され、フラグLが1の場合、ステップS3が肯定判定されてステップS4へ進む。撮影レンズLEが装着されず、フラグLが0の場合は、ステップS3が否定判定されてステップS2へ戻る。ステップS4においては、各種の操作部材による電子カメラの設定処理を行いステップS5へ進む。ステップS4での設定処理では、各操作入力に応じて、露出モード、シャッタ速度、絞り値、感度、感度自動制御モード、ISOブラケティングモード等が設定変更される。設定処理の詳細については後述する。
【0031】
ステップS5において、測光装置102から入力される検出信号により撮影レンズLEを透過した光量(BV−AV0)を演算し、ステップS2で取得した開放絞り値AV0を加算して被写体輝度BVを算出しステップS6へ進む。ステップS6においては、露出演算処理を行いステップS7へ進む。露出演算処理に関しては後に詳しく説明する。
【0032】
ステップS7において、表示装置109に対する表示処理を行ってステップS8へ進む。表示処理の詳細については後述する。ステップS8において、レリーズボタンが押下操作されたか否かを判定する。レリーズスイッチSW2からレリーズ操作信号を入力しない場合は、ステップS8が否定判定されてステップS2へ戻る。レリーズスイッチSW2からレリーズ操作信号を入力した場合はステップS8が肯定判定されてステップS9へ進む。ステップS9においては、撮像シーケンス処理を行いステップS10へ進む。なお、撮像シーケンス処理の詳細については後述する。
【0033】
ステップS10においては、フラグBが1であるか否かを判定する。フラグBが1の場合、すなわちISOブラケティングモードが設定されている場合、ステップS10が肯定判定されてステップS11へ進む。フラグBが0の場合、すなわちISOブラケティングモードが設定されていない場合、ステップS10が否定判定されてステップS2へ戻る。
【0034】
ステップS11においては、ISOブラケティングカウンタnの値がNであるか否かを判定する。ISOブラケティングカウンタnがNの場合、ステップS11が肯定判定されてステップS12へ進む。ステップS12では、ISOブラケティングカウンタnの値を1に設定してステップS2へ戻る。ISOブラケティングカウンタnがNではない場合、ステップS11が否定判定されてステップS13へ進む。ステップS13では、ISOブラケティングカウンタnの値に1を加算して、(n+1)としてステップS2へ戻る。
【0035】
(通信処理)
図2のステップS2における電子カメラ本体および撮影レンズLE間の通信処理の詳細について、図3のフローチャートを参照して説明する。図3のステップS101において、計時パラメータtを初期値の0に設定し、計時を開始してステップS102へ進む。ステップS102において、レンズCPU(不図示)との間の通信が成立したか否か、すなわち撮影レンズLEが装着されているか否かを判定する。通信成立の判定は、所定のプロトコルチェックによって行う。通信成立の場合はステップS102が肯定判定されてステップS103へ進む。一方、通信不成立の場合には通信途中と判断して、ステップS22が否定判定されてステップS106へ進む。
【0036】
ステップS103においては、レンズCPUから、レンズ情報に含まれる開放絞り値AV0および最小口径絞り値AVMを受信してステップS104へ進む。ステップS104において、フラグLに1をセットしてステップS105へ進む。ステップS105において、時間tの計時を停止して図2のステップS3へ進む。
【0037】
上述したステップ102が否定判定されて進んだステップS106においては、計時時間tと所定時間Tとの間にt≧Tが成立するか否かを判定する。所定時間Tは、プロトコルチェックに要する時間に、若干のマージン時間を加えた時間である。演算回路101は、t≧Tが成立する場合にステップS106が肯定判定されてステップS107へ進み、t≧Tが成立しない場合にステップS106が否定判定されてステップS102へ戻る。ステップS107へ進む場合は、撮影レンズLEが装着されていない場合であり、ステップS102へ戻る場合は、プロトコルチェックの途中である。ステップS107において、フラグLに0をセットしてステップS105へ進む。
【0038】
(設定処理)
図2のステップS4における設定処理の詳細について、図4〜図9のフローチャートを参照して説明する。図4のステップS111において、感度自動制御モードに関する操作が行われたか否かを判定する。感度自動制御モード設定部材113から操作信号が入力されない場合はステップS111が否定判定されて、後述する図6ステップS151へ進み、操作信号が入力された場合はステップS111が肯定判定されてステップS112へ進む。
【0039】
ステップS112において、ステップS111で行われた感度自動制御モードに関する操作が、感度自動制御モードの設定もしくは解除操作であるか否かを判定する。感度自動制御モード設定部材113からの操作信号が感度自動制御モードの設定および解除を示す信号ではない場合はステップS112が否定判定されてステップS116へ進み、操作信号が感度自動制御モードの設定もしくは解除を示す信号の場合はステップS112が肯定判定されてステップS113へ進む。
【0040】
ステップS113においては、感度自動制御モード設定フラグSが1であるか否かを判定する。S=1(感度自動制御モードに設定されている)の場合にはステップS113が肯定判定されてステップS114へ進み、S=0(感度自動制御モードが解除されている)の場合にはステップS113が否定判定されてステップS115へ進む。ステップS114において、フラグSを0にセット(感度自動制御モードを解除)して図4による処理を終了し、図2のステップS4へ進む。ステップS115においては、フラグSを1にセット(感度自動制御モードに設定)して図4による処理を終了し、図2のステップS4へ進む。
【0041】
ステップS112が否定判定されて進んだステップS116においては、感度自動制御モード設定操作部材113による操作が、感度制御範囲の変更操作であるか否かを判定する。感度自動制御モード設定部材113からの操作信号が感度制御範囲の変更を示す信号ではない場合はステップS116が否定判定されて、後述する図5のステップS141へ進み、操作信号が感度制御範囲の変更を示す信号の場合はステップS116が肯定判定されてステップS117へ進む。
【0042】
ステップS117においては、感度自動制御モード設定部材113により制御上限感度SUが変更されたか否かを判定する。制御上限感度SUが変更された場合は、ステップS117が肯定判定されてステップS118へ進み、制御上限感度SUが変更されていない場合は、ステップS117が否定判定されて後述するステップS124へ進む。
【0043】
ステップS118においては、制御上限感度SUが高感度側に設定されたか否かを判定する。制御上限感度SUが高感度側に変更された場合は、ステップS118が肯定判定されてステップS119へ進み、高感度側に変更されていない場合はステップS118が否定判定されてステップS121へ進む。
【0044】
ステップS119においては、制御上限感度SUの値が11であるか否か、すなわちISO6400相当であるか否かを判定する。制御上限感度SUが11の場合は、ステップS119が肯定判定され、これ以上高感度側に設定できないので、制御上限感度SUを変更せずに図2のステップS5へ進む。制御上限感度SUが11ではない場合、ステップS119が否定判定されてステップS120へ進む。ステップS120においては、制御上限感度SUの値に1を加算し、新たな制御上限感度SUを設定して図2のステップS5へ進む。これにより、制御上限感度SUの値が1段分高感度側に変更される。
【0045】
ステップS118が否定判定されて進んだステップS121においては、感度自動制御モード設定操作部材113により制御上限感度SUが低感度側に設定されたか否かを判定する。低感度側に設定された場合、ステップS121が肯定判定されてステップS122へ進み、低感度側に設定されていない場合は、ステップS121が否定判定されて、制御上限感度SUの変更をせずに図2のステップS5へ進む。
【0046】
ステップS122においては、制御上限感度SUの値が7であるか否か、すなわちISO400相当であるか否かを判定する。制御上限感度SUが7の場合は、ステップS122が肯定判定され、これ以上低感度側に設定できないので、制御上限感度SUを変更せずに図2のステップS5へ進む。制御上限感度SUが7ではない場合は、ステップS122が否定判定されてステップS123へ進む。ステップS123においては、制御上限感度SUの値から1を減算して新たな制御上限感度SUを設定して図2のステップS5へ進む。これにより、制御上限感度SUの値が1段分低感度側に変更される。
【0047】
一方、ステップS117が否定判定されるとステップS124に進み、感度自動制御モード設定部材113により制御下限感度SDが変更されたか否かを判定する。制御下限感度SDが変更された場合は、ステップS124が肯定判定されてステップS125へ進み、制御下限感度SDが変更されていない場合は、ステップS124が否定判定されて図2のステップS5へ進む。
【0048】
ステップS125においては、制御下限感度SDが高感度側に設定されたか否かを判定する。制御下限感度SDが高感度側に設定された場合は、ステップS125が肯定判定されてステップS126へ進み、高感度側に設定されていない場合はステップS125が否定判定されてステップS128へ進む。
【0049】
ステップS126においては、制御下限感度SDの値が6であるか否か、すなわちISO200相当であるか否かを判定する。制御下限感度SDが6の場合は、ステップS126が肯定判定され、これ以上高感度側に設定できないので、制御下限感度SDを変更せずに図2のステップS5へ進む。制御下限感度SDが6ではない場合、ステップS126が否定判定されてステップS127へ進む。ステップS127においては、制御下限感度SDの値に1を加算し、新たな制御下限感度SDを設定して図2のステップS5へ進む。これにより、制御下限感度SDの値が1段分高感度側に変更される。
【0050】
ステップS125が否定判定されて進んだステップS128においては、感度自動制御モード設定操作部材113により制御下限感度SDが低感度側に設定されたか否かを判定する。低感度側に設定された場合、ステップS128が肯定判定されてステップS129へ進み、低感度側に設定されていない場合は、ステップS128が否定判定されて、制御下限感度SDの変更をせずに図2のステップS5へ進む。
【0051】
ステップS129においては、制御下限感度SDの値が5であるか否か、すなわちISO100相当であるか否かを判定する。制御下限感度SDが5の場合は、ステップS129が肯定判定され、これ以上低感度側に設定できないので、制御下限感度SDを変更せずに図2のステップS5へ進む。制御下限感度SDが5ではない場合は、ステップS129が否定判定されてステップS130へ進む。ステップS130においては、制御下限感度SDの値から1を減算して新たな制御下限感度SDを設定して図2のステップS5へ進む。これにより、制御下限感度SDの値が1段分低感度側に変更される。
【0052】
一方、ステップS116が否定判定されると図5のステップS141へ進み、感度自動制御モード設定操作部材113による操作が、感度変更シャッタ速度TV0の変更操作であるか否かを判定する。感度自動制御モード設定操作部材113からの操作信号が感度変更シャッタ速度TV0の変更を示す信号ではない場合は、ステップS141が否定判定されて図2のステップS5へ進む。操作信号が感度変更シャッタ速度TV0の変更を示す信号である場合は、ステップS141が肯定判定されてステップS142へ進む。
【0053】
ステップS142においては、感度自動制御モード設定操作部材113により感度変更シャッタ速度TV0が高速側に変更されたか否かを判定する。感度変更シャッタ速度TV0が高速側に変更された場合、ステップS142が肯定判定されてステップS143へ進む。感度変更シャッタ速度TV0が高速側に変更されていない場合は、ステップS142が否定判定されてステップS146へ進む。
【0054】
ステップS143においては、感度変更シャッタ速度TV0の値に1を加算し、感度変更シャッタ速度TV0を1段分高速側に設定してステップS144へ進む。ステップS144においては、感度変更シャッタ速度TV0の値が7よりも大きいか否か、すなわち1/125秒よりも高速側か否かを判定する。感度変更シャッタ速度TV0の値が7以下の場合は、ステップS144が否定判定されて図2のステップS5へ進む。感度変更シャッタ速度TV0の値が7よりも大きい場合は、ステップS144が肯定判定されてステップS145へ進む。ステップS145においては、感度変更シャッタ速度を1/125秒よりも高速に設定できないので、感度変更シャッタ速度TV0の値を7、すなわち感度変更シャッタ速度を1/125秒に設定して図2のステップS5へ進む。
【0055】
ステップS142が否定判定されるとステップS146へ進み、感度自動制御モード設定操作部材113により感度変更シャッタ速度TV0が低速側に変更されたか否かを判定する。感度変更シャッタ速度TV0が低速側に変更された場合、ステップS146が肯定判定されてステップS147へ進む。感度変更シャッタ速度TV0が低速側に変更されていない場合は、ステップS146が否定判定されて図2のステップS5へ進む。
【0056】
ステップS147においては、感度変更シャッタ速度TV0の値から1を減算し、感度変更シャッタ速度TV0を1段分低速側に設定してステップS148へ進む。ステップS148においては、感度変更シャッタ速度TV0の値が−5未満か否か、すなわち30秒よりも低速側か否かを判定する。感度変更シャッタ速度TV0の値が−5以上の場合は、ステップS148が否定判定されて図2のステップS5へ進む。感度変更シャッタ速度TV0の値が−5未満の場合は、ステップS148が肯定判定されてステップS149へ進む。ステップS149においては、感度変更シャッタ速度を30秒よりも低速に設定できないので、感度変更シャッタ速度TV0の値を−5、すなわち感度変更シャッタ速度を30秒に設定して図2のステップS5へ進む。
【0057】
図4のステップS111が否定判定されると、図6のステップS151へ進み、ISOブラケティング設定操作部材114によりISOブラケティングモードに関する操作が行われたか否かを判定する。ISOブラケティング設定操作部材114から操作信号を入力した場合は、ステップS151が肯定判定されてステップS152へ進み、操作信号を入力しない場合は、ステップS151が否定判定されて後述する図8のステップS191へ進む。
【0058】
ステップS152においては、ISOブラケティング設定操作部材114による操作がコマ数Nの変更操作であるか否かを判定する。ISOブラケティング設定操作部材114からの操作信号がコマ数Nの変更を示す信号ではない場合はステップS152が否定判定されて、後述する図7ステップS171へ進み、操作信号がコマ数Nの変更を示す信号の場合はステップS152が肯定判定されてステップS153へ進む。
【0059】
ステップS153においては、ISOブラケティング設定操作部材114によりコマ数Nの増加操作がされたか否かを判定する。コマ数Nの増加操作がされた場合は、ステップS153が肯定判定されてステップS154へ進み、コマ数Nの増加操作がされていない場合は、ステップS153が否定判定されてステップS158へ進む。
【0060】
ステップS154では、コマ数Nの値が0か否かを判定する。コマ数Nの値が0の場合は、ステップS154が肯定判定されてステップS155へ進み、コマ数Nの値を3に設定して後述するステップS163へ進む。コマ数Nの値が0ではない場合は、ステップS154が否定判定されてステップS156へ進む。ステップS156においては、コマ数Nの値が3であるか否かを判定する。コマ数Nの値が3以外の場合、すなわちコマ数Nの値が5の場合、ステップS156が否定判定され、これ以上コマ数Nを増加できないので、後述するステップS163へ進む。コマ数Nの値が3の場合、ステップS156が肯定判定されてステップS157へ進む。ステップS157では、コマ数Nの値を5に設定して後述するステップS163へ進む。
【0061】
コマ数Nの増加操作が行われずステップS153が否定判定されるとステップS158へ進み、ISOブラケティング設定操作部材114によりコマ数Nの減少操作がされたか否かを判定する。コマ数Nの減少操作がされていない場合は、ステップS158が否定判定されて後述するステップS163へ進む。コマ数Nの減少操作がされた場合、ステップS158が肯定判定されてステップS159へ進む。
【0062】
ステップS159では、コマ数Nの値が5か否かを判定する。コマ数Nの値が5の場合は、ステップS159が肯定判定されてステップS160へ進み、コマ数Nの値を3に設定して後述するステップS163へ進む。コマ数Nの値が5ではない場合は、ステップS159が否定判定されてステップS161へ進む。ステップS161においては、コマ数Nの値が3であるか否かを判定する。コマ数Nの値が3以外の場合、すなわちコマ数Nの値が0の場合、ステップS161が否定判定され、これ以上コマ数Nを減少できないので、後述するステップS163へ進む。コマ数Nの値が3の場合、ステップS161が肯定判定されてステップS162へ進む。ステップS162では、コマ数Nの値を0に設定してステップS163へ進む。
【0063】
ステップS163においては、コマ数Nの値が0であるか否かを判定する。コマ数Nの値が0の場合は、ステップS163が肯定判定されてステップS164へ進む。コマ数Nの値が0以外の場合は、ステップS163が否定判定されてステップS166へ進む。
【0064】
ステップS164においては、コマ数Nの値が0なので、ISOブラケティングモードが解除されていると判断し、フラグBに0を設定してステップS165へ進む。ステップS165においては、ステップS164においてフラグBを0に設定、すなわちISOブラケティングモードを解除したので、ISOブラケティングカウンタnを0にセットして図2のステップS5へ進む。コマ数Nの値が0以外の場合は、ステップS164が否定判定されてステップS166へ進む。ステップS166においては、コマ数Nの値が0以外なので、ISOブラケティングモードが設定されていると判断し、フラグBに1を設定して図2のステップS5へ進む。
【0065】
一方、ステップS152が否定判定されると、図7のステップS171へ進み、ISOブラケティング設定操作部材114による操作が補正ステップXの変更操作であるか否かを判定する。ISOブラケティング設定操作部材114からの操作信号が補正ステップXの変更を示す信号ではない場合はステップS171が否定判定されて、図2のステップS5へ進み、操作信号が補正ステップXの変更を示す信号の場合はステップS171が肯定判定されてステップS172へ進む。
【0066】
ステップS172においては、ISOブラケティング設定操作部材114により補正ステップXの増加操作がされたか否かを判定する。補正ステップXの増加操作がされた場合は、ステップS172が肯定判定されてステップS173へ進み、補正ステップXの増加操作がされていない場合は、ステップS172が否定判定されて後述するステップS179へ進む。
【0067】
ステップS173においては、補正ステップXの値が1/3であるか否かを判定する。補正ステップXの値が1/3の場合は、ステップS173が肯定判定されてステップS174へ進み、補正ステップXの値を1/2に設定して図2のステップS5へ進む。補正ステップXの値が1/3ではない場合は、ステップS173が否定判定されてステップS175へ進む。
【0068】
ステップS175においては、補正ステップXの値が1/2であるか否かを判定する。補正ステップXの値が1/2の場合、ステップS175が肯定判定されてステップS176へ進み、補正ステップXの値を2/3に設定して図2のステップS5へ進む。補正ステップXの値が1/2ではない場合、ステップS175が否定判定されてステップS177へ進む。
【0069】
ステップS177においては、補正ステップXの値が2/3であるか否かを判定する。補正ステップXの値が2/3以外の場合、すなわち補正ステップXの値が1の場合、ステップS177が否定判定されて、これ以上補正ステップXの値を増加できないので、補正ステップXの値を変更せず図2のステップS5へ進む。補正ステップXの値が2/3の場合、ステップS177が肯定判定されてステップS178へ進む。ステップS178においては、補正ステップXの値を1に設定して図2のステップS5へ進む。
【0070】
ステップS172が否定判定されて進んだステップS179においては、ISOブラケティング設定操作部材114により補正ステップXの減少操作がされたか否かを判定する。補正ステップXの減少操作がされた場合は、ステップS179肯定判定されてステップS180へ進み、補正ステップXの減少操作がされていない場合は、ステップS179が否定判定されて図2のステップS5へ進む。
【0071】
ステップS180においては、補正ステップXの値が1であるか否かを判定する。補正ステップXの値が1の場合は、ステップS180が肯定判定されてステップS181へ進み、補正ステップXの値を2/3に設定して図2のステップS5へ進む。補正ステップXの値が1以外の場合、ステップS180が否定判定されてステップS182へ進む。
【0072】
ステップS182においては、補正ステップXの値が2/3であるか否かを判定する。補正ステップXの値が2/3の場合、ステップS182が肯定判定されてステップS183へ進み、補正ステップXの値を1/2に設定して図2のステップS5へ進む。補正ステップXの値が2/3以外の場合、ステップS182が否定判定されてステップS184へ進む。
【0073】
ステップS184においては、補正ステップXの値が1/2であるか否かを判定する。補正ステップXの値が1/2の場合、ステップS184が肯定判定されてステップS185へ進み、補正ステップXの値を1/3に設定して図2のステップS5へ進む。補正ステップXの値が1/2以外の場合、すなわち補正ステップXの値が1/3の場合、ステップS184が否定判定されて、これ以上補正ステップXの値を減少できないので、補正ステップXの値を変更せず図2のステップS5へ進む。
【0074】
図6のステップS151が否定判定された場合、すなわちISOブラケティング設定操作部材114によりISOブラケティングモードに関する操作が行われていない場合、図8のステップS191へ進み、感度設定操作部材115により感度設定変更操作が行われたか否かを判定する。感度設定操作部材115から操作信号を入力した場合、ステップS191が肯定判定されてステップS192へ進み、操作信号を入力しない場合、ステップS191が否定判定されて後述するステップS198へ進む。
【0075】
ステップS192においては、感度設定操作部材115により感度増加操作がされたか否かを判定する。感度増加操作がされた場合は、ステップS192が肯定判定されてステップS193へ進む。感度増加操作がされていない場合は、ステップS192が否定判定されて後述するステップS195へ進む。
【0076】
ステップS193においては、設定感度SVsの値が11であるか否か、すなわちISO6400相当であるか否かを判定する。設定感度SVsの値が11の場合は、ステップS193が肯定判定され、これ以上高感度側に設定できないので、撮像感度を変更せずに図2のステップS5へ進む。設定感度SVsの値が11ではない場合は、ステップS193が否定判定されてステップS194へ進む。ステップS194においては、設定感度SVsの値に1/3を加算し、新たな設定感度SVsを設定して図2のステップS5へ進む。これにより、設定感度SVsの値が1/3段分高感度側に変更される。
【0077】
ステップS192が否定判定されて進んだステップS195においては、感度設定操作部材115により設定感度SVsが低感度側に設定されたか否かを判定する。低感度側に設定された場合は、ステップS195が肯定判定されてステップS196へ進み、低感度側に設定されていない場合はステップS195が否定判定され、設定感度SVsの変更をせずに図2のステップS5へ進む。
【0078】
ステップS196においては、設定感度SVsの値が5であるか否か、すなわちISO100相当であるか否かを判定する。設定感度SVsの値が5の場合は、ステップS196が肯定判定され、これ以上低感度側に設定できないので、撮像感度を変更せずに図2のステップS5へ進む。設定感度SVsの値が5ではない場合は、ステップS196が否定判定されてステップS197へ進む。ステップS197においては、設定感度SVsの値から1/3を減算して新たな設定感度SVsを設定して図2のステップS5へ進む。これにより、設定感度SVsの値が1/3段分低感度側に変更される。
【0079】
ステップS191が否定判定されて進んだステップS198においては、露出モード設定操作部材110により露出モードの変更操作が行われたか否かを判定する。露出モード設定操作部材110から操作信号が入力された場合、ステップS198が肯定判定されてステップS199へ進む。露出モード設定操作部材110から操作信号が入力されない場合、ステップS198が否定判定されて、後述する図9のステップS211へ進む。
【0080】
ステップS199においては、モードパラメータMpの値が4、すなわちマニュアル露出モード(Mモード)であるか否かを判定する。モードパラメータMpの値が4以外の場合、ステップS199が否定判定されてステップS200へ進み、モードパラメータMpの値に1を加算して図2のステップS5へ進む。モードパラメータMpの値が4の場合、ステップS199が肯定判定されてステップS201へ進み、モードパラメータMpの値を1に設定して図2のステップS5へ進む。これにより、露出モード設定操作部材110を操作するごとに、露出モードがPモード→Sモード→Aモード→Mモード→Pモード→・・・のようにサイクリックに変更される。
【0081】
図8のステップS198が否定判定さると図9のステップS211へ進み、モードパラメータMpの値が2、すなわち露出モードがシャッタ速度優先自動露出制御モード(Sモード)であるか否かを判定する。モードパラメータMpの値が2の場合、ステップS211が肯定判定されてステップS213へ進み、モードパラメータMpの値が2以外の場合、ステップS211が否定判定されてステップS212へ進む。ステップS212においては、モードパラメータMpの値が4、すなわち露出モードがマニュアル露出モード(Mモード)であるか否かを判定する。モードパラメータMpの値が4の場合、ステップS212が肯定判定されてステップS213へ進み、モードパラメータMpの値が4以外の場合、ステップS212が否定判定されて後述するステップS220へ進む。
【0082】
ステップS213において、シャッタ速度設定部材111により設定シャッタ速度TVsが変更されたか否かを判定する。設定シャッタ速度TVsが変更されていない場合はステップS213が否定判定されて後述するステップS220へ進み、設定シャッタ速度TVsが変更されている場合はステップS213が肯定判定されてステップS214へ進む。ステップS214においては、ステップS213における設定シャッタ速度TVsの変更はシャッタ速度を高速側に設定する変更であるか否かを判定する。設定シャッタ速度TVsが高速側に変更された場合はステップS214が肯定判定されてステップS215へ進み、設定シャッタ速度TVsが高速側に変更されていない場合はステップS214が否定判定されてステップS217へ進む。
【0083】
ステップS215においては、ステップS214で設定した設定シャッタ速度TVSの値が12、すなわちシャッタ速度が1/4000秒か否かを判定する。設定シャッタ速度TVSの値が12の場合はステップS215が肯定判定され、設定シャッタ速度TVSをこれ以上高速に設定できないので、設定シャッタ速度TVSの変更をせずに図2のステップS5へ進む。設定シャッタ速度TVSの値が12以外の場合、ステップS215が否定判定されてステップS216へ進む。ステップS216においては、設定シャッタ速度TVsの値に1を加算して図2のステップS5へ進む。これにより、設定シャッタ速度TVsの値が1段分高速側に設定される。
【0084】
ステップS214が否定判定されて進んだステップS217においては、ステップS213における設定シャッタ速度TVsの変更がシャッタ速度を低速側に設定する変更であるか否かを判定する。設定シャッタ速度TVsが低速側に設定されない場合、すなわち設定シャッタ速度TVsの変更がない場合は、ステップS217が否定判定されて図2のステップS5へ進む。設定シャッタ速度TVsが低速側に設定された場合は、ステップS217が肯定判定されてステップS218へ進む。
【0085】
ステップS218においては、ステップS217で設定した設定シャッタ速度TVSの値が−5、すなわちシャッタ速度が30秒か否かを判定する。設定シャッタ速度TVSの値が−5の場合はステップS218が肯定判定され、設定シャッタ速度TVSをこれ以上低速に設定できないので、設定シャッタ速度TVSの変更をせずに図2のステップS5へ進む。設定シャッタ速度TVSの値が−5以外の場合、ステップS218が否定判定されてステップS219へ進む。ステップS219においては、設定シャッタ速度TVsの値から1を減算して図2のステップS5へ進む。これにより、設定シャッタ速度TVsの値が1段分低速側に設定される。
【0086】
ステップS212、もしくはステップS213が否定判定されて進んだステップS220においては、モードパラメータMpの値が3、すなわち露出モードが絞り優先自動露出制御モード(Aモード)であるか否かを判定する。モードパラメータMpの値が3の場合、ステップS220が肯定判定されてステップS222へ進み、モードパラメータMpの値が3以外の場合、ステップS220が否定判定されてステップS221へ進む。ステップS221においては、モードパラメータMpの値が4、すなわち露出モードがマニュアル露出モード(Mモード)であるか否かを判定する。モードパラメータMpの値が4以外の場合、ステップS221が否定判定されて図2のステップS5へ進み、モードパラメータMpの値が4の場合、ステップS221が肯定判定されてステップS222へ進む。
【0087】
ステップS222において、絞り設定操作部材112により設定絞り値AVsが変更されたか否かを判定する。設定絞り値AVsが変更された場合はステップS222が肯定判定されてステップS223へ進み、設定絞り値AVsが変更されていない場合はステップS222が否定判定されて図2のステップS5へ進む。
【0088】
ステップS223においては、ステップS222における設定絞り値AVsの変更が絞り径を低減する変更、すなわち絞り値を大きくする変更であるか否かを判定する。絞り径を低減する変更である場合はステップS223が肯定判定されてステップS224へ進み、絞り径を低減する変更でない場合はステップS223が否定判定されてステップS227へ進む。
【0089】
ステップS224において、設定絞り値AVsの値に1を加算してステップS225へ進む。これにより、絞り径が1段小さくなるように設定絞り値AVsが設定される。ステップS225においては、設定絞り値AVsの値が最小口径絞り値AVMより大きいか否かを判定する。設定絞り値AVsの値が最小口径絞り値AVMの値よりも大きい場合は、ステップS225が肯定判定されてステップS226へ進む。ステップS226では、最小口径絞り値AVMの値よりも設定絞り値AVsの値を大きく設定できないので、設定絞り値AVsの値に最小口径絞り値AVMの値を設定して図2のステップS5へ進む。設定絞り値AVsの値が最小口径絞り値AVMの値以下の場合は、ステップS225が否定判定されて図2のステップS5へ進む。
【0090】
ステップS223が否定判定されて進んだステップS227においては、ステップS222における設定絞り値AVsの変更が絞り径を増大する変更、すなわち絞り値を小さくする変更であるか否かを判定する。絞り径を増大する変更である場合はステップS227が肯定判定されてステップS228へ進み、絞り径を増大する変更でない場合はステップS227が否定判定されて図2のステップS5へ進む。
【0091】
ステップS228において、設定絞り値AVsの値から1を減算してステップS229へ進む。これによって、絞り径が1段分大きくなるように設定絞り値AVsが設定される。ステップS229においては、設定絞り値AVsの値が開放絞り値AV0の値未満か否かを判定する。設定絞り値AVsの値が開放絞り値AV0の値未満の場合は、ステップS229が肯定判定されてステップS230へ進む。ステップS230では、開放絞り値AV0の値よりも設定絞りAVsの値を小さく設定できないので、設定絞り値AVsの値に開放絞り値AV0の値を設定して図2のステップS5へ進む。設定絞り値AVsの値が開放絞り値AV0の値以上の場合は、ステップS229が否定判定されて図2のステップS5へ進む。
【0092】
(露出演算処理)
図2のステップS5における露出演算処理の詳細について、図10〜図13のフローチャートを参照して説明する。図10のステップS231においては、ISOブラケティングモードが設定されているか否かを判定する。フラグBに1が設定されている場合、すなわちISOブラケティングモードが設定されている場合、ステップS231が肯定判定されてステップS232へ進む。フラグBに0が設定されている場合、すなわちISOブラケティングモードが設定されていない場合、ステップS231が否定判定されて、後述するステップS241へ進む。
【0093】
ステップS232においては、感度自動制御モードが設定されているか否かを判定する。フラグSに1が設定されている場合、すなわち感度自動制御モードが設定されている場合、ステップS232が肯定判定されてステップS233へ進む。フラグSに0が設定されている場合、すなわち感度自動制御モードが設定されていない場合、ステップS232が否定判定されて後述するステップS241へ進む。
【0094】
ステップS233においては、ISOブラケティングモードによる撮影が開始されているか否かを判定する。ISOブラケティングカウンタnの値が2以上の場合、すなわちISOブラケティングモードによる撮影が開始されている場合、ステップS233が肯定判定されて、後述する図11のステップS277へ進む。ISOブラケティングカウンタnの値が1の場合、すなわちISOブラケティングモードによる撮影が開始されていない場合、ステップS233が否定判定されてステップS241へ進む。ステップS241において、適正露出となる露出値EVを以下の式(1)を用いて算出し、ステップS242へ進む。
EV=BV+SVS ・・・(1)
【0095】
ステップS242においては、モードパラメータMpの値が1、すなわち露出モードがプログラム自動露出制御モード(Pモード)であるか否かを判定する。モードパラメータMpの値が1の場合は、ステップS242が肯定判定されてステップS243へ進み、モードパラメータMpの値が1以外の場合、ステップS242が否定判定されて後述する図13のステップS331へ進む。
【0096】
ステップS243においては、制御絞り値AVCの値を(EV/2−1)に設定してステップS244へ進む。ステップS244においては、ステップS243で設定した制御絞り値AVCの値が開放絞り値AV0の値未満か、すなわち絞り口径が開放絞り口径より大きいか否かを判定する。制御絞り値AVCの値が開放絞り値AV0の値未満の場合、ステップS244が肯定判定されてステップS245へ進み、制御絞り値AVCの値を開放絞り値AV0に設定してステップS248へ進む。制御絞り値AVCの値が開放絞り値AV0の値以上の場合、ステップS244が否定判定されてステップS246へ進む。
【0097】
ステップS246では、制御絞り値AVCの値が最小口径絞り値AVMの値よりも大きいか、すなわち絞り口径が最小絞り口径より小さいか否かを判定する。制御絞り値AVCの値が最小口径絞り値AVMの値よりも大きい場合、ステップS246が肯定判定されてステップS247へ進み、制御絞り値AVCの値を最小口径絞り値AVMの値に設定してステップS248へ進む。制御絞り値AVCの値が最小口径絞り値AVMの値以下の場合、ステップS246が否定判定されてステップS248へ進む。これにより、制御絞り値AVCの値が開放絞り値AV0の値、もしくは最小口径絞り値AVMの値を超える場合には、開放絞り値AV0の値、もしくは最小口径絞り値AVMの値に絞り値を制限することができる。
【0098】
ステップS248においては、以下の式(2)に示すように、制御絞りパルス数Pcを絞り込み段数(AVc−AV0)の関数fとして算出して、ステップS249へ進む。
Pc=f(AVc−AV0) ・・・(2)
【0099】
なお、絞りの絞り込み段数と、絞り位置検出装置116が検出する検出絞りパルス数とは基本的には比例関係であるが、絞り開放付近において絞り検出装置116が出力する検出絞りパスル数は増加する。そのために、本実施の形態では、制御絞りパルス数Pcを絞り込み段数(AVc−AV0)の関数として算出している。
【0100】
ステップS249においては、ステップS241で算出した露出値EVから設定絞り値AVCを減算した値(EV−AVC)を制御シャッタ速度TVcとして設定してステップS250へ進む。ステップS250においては、感度自動制御モード設定フラグSが1であるか否かを判定する。フラグSが0(感度自動制御モード解除)の場合はステップS250が否定判定されて図12のステップS291へ進み、フラグSが1(感度自動制御モード設定)の場合はステップS250が肯定判定されてステップS251へ進む。
【0101】
ステップS251においては、制御シャッタ速度TVCの値が感度変更シャッタ速度TV0の値よりも小さいか否かを判定する。制御シャッタ速度TVCの値が感度変更シャッタ速度TV0の値以上の場合、ステップS251が否定判定されて後述するステップS255へ進み、制御シャッタ速度TVCの値が感度変更シャッタ速度TV0の値よりも小さい場合、ステップS251が肯定判定されてステップS252へ進む。
【0102】
ステップS252においては、感度変更シャッタ速度TV0の値から制御シャッタ速度TVCの値を減算してシャッタ速度差ΔTVの値を算出してステップS253へ進む。ステップS253においては、制御シャッタ速度TVCの値に感度変更シャッタ速度TV0の値を代入してステップS254へ進む。ステップS254においては、設定感度SVSの値にシャッタ速度差ΔTVの値を加算した値を制御感度SVCとして設定し、後述する図11のステップS261へ進む。
【0103】
ステップS251が否定判定されるとステップS255に進み、制御シャッタ速度TVCの値が12より大きいか、すなわち制御シャッタ速度が1/4000秒よりも高速か否かを判定する。制御シャッタ速度TVCの値が12より大きい場合は、ステップS255が肯定判定されてステップS256へ進み、制御シャッタ速度TVCの値が12以下の場合はステップS255が否定判定されてステップS258へ進む。
【0104】
ステップS256においては、12から制御シャッタ速度TVCの値を減算した値をシャッタ速度差ΔTVとして設定してステップS257へ進む。ステップS257においては、制御シャッタ速度TVCの値を12に設定して、上述したステップS254へ進む。一方、ステップS258においては、シャッタ速度差ΔTVの値を0に設定して、上記のステップS254へ進む。これにより、制御感度SVCの値を、設定感度SVSの値にシャッタ速度差ΔTVの値を加算した値として設定できる。なお、制御シャッタ速度TVCの値とシャッタ速度差ΔTVの値との関係は以下の通りである。
(1)TV0≦TVC≦12の場合、シャッタ速度差ΔTV=0
(2)TVC<TV0の場合、シャッタ速度差ΔTV=TV0−TVC
(3)TVC>12の場合、シャッタ速度差ΔTV=12−TVC
【0105】
ステップS254から進んだ図11のステップS261においては、制御感度SVCの値が制御上限感度SUの値より大きいか否かを判定する。制御感度SVCの値が制御上限感度SUの値以下の場合は、ステップS261が否定判定されてステップS265へ進み、制御感度SVCの値が制御上限感度SUの値よりも大きい場合は、ステップS261が肯定判定されてステップS262へ進む。ステップS262においては、制御感度SVCの値から制御上限感度SUの値を減算した値を感度差ΔSVの値として算出してステップS263へ進む。ステップS263においては、制御感度SVCの値に制御上限感度SUの値を代入してステップS264へ進む。ステップS264においては、制御シャッタ速度TVCの値から感度差ΔSVの値を減算した値を制御シャッタ速度TVCの値として設定して後述するステップS268へ進む。
【0106】
ステップS261が否定判定されるとステップS265へ進み、制御感度SVCの値が制御下限感度SDの値未満か否かを判定する。制御感度SVCの値が制御下限感度SDの値以上の場合、ステップS265が否定判定されて後述するステップS268へ進み、制御感度SVCの値が制御下限感度SDの値未満の場合、ステップS265が肯定判定されてステップS266へ進む。ステップS266においては、制御感度SVCの値から制御下限感度SDの値を減算した値を感度差ΔSVの値として算出してステップS267へ進む。ステップS267においては、制御感度SVCの値に制御下限感度SDの値を代入して上述したステップS264へ進む。
【0107】
ステップS264から進んだステップS268においては、制御シャッタ速度TVCの値が−5より小さいか、すなわちシャッタ速度が30秒よりも低速か否かを判定する。制御シャッタ速度TVCの値が−5以上の場合は、ステップS268が否定判定されてステップS270へ進み、制御シャッタ速度TVCの値が−5よりも小さい場合は、ステップS268が肯定判定されてステップS269へ進む。ステップS269においては、制御シャッタ速度TVCの値に−5を設定して後述するステップS272へ進む。
【0108】
ステップS268が否定判定されるとステップS270へ進み、制御シャッタ速度TVCの値が12より大きいか、すなわちシャッタ速度が1/4000秒より高速か否かを判定する。制御シャッタ速度TVCの値が12より大きい場合、ステップS270が肯定判定されてステップS271へ進み、制御シャッタ速度TVCの値に12を設定してステップS272へ進む。制御シャッタ速度TVCの値が12以下の場合、ステップS270が否定判定されてステップS272へ進む。これにより、制御感度SVCの値に応じて、制御シャッタ速度TVCの値を−5≦TVC≦12の範囲内で設定できる。
【0109】
ステップS272においては、制御感度SVCの値と設定感度SVSの値とが等しいか否かを判定する。制御感度SVCの値と設定感度SVSの値とが等しい場合、ステップS272が肯定判定されてステップS273へ進み、感度変更フラグCを0に設定してステップS275へ進む。制御感度SVCの値と設定感度SVSの値とが異なる場合、ステップS272が否定判定されてステップS274へ進み、感度変更フラグCを1に設定してステップS275へ進む。なお、感度変更フラグCは、感度の変更の有無を示すフラグであり、制御感度SVCの値と設定感度SVSの値とが異なり、感度が変更された場合に1が設定され、制御感度SVCの値と設定感度SVSの値とが等しく、感度が変更されない場合に0が設定される。
【0110】
ステップS275においては、ISOブラケティングモード設定フラグBが1に設定されているか否かを判定する。フラグBが1に設定されている場合、すなわちISOブラケティングモードが設定されている場合、ステップS275が肯定判定されてステップS276へ進む。フラグBが0に設定されている場合、すなわちISOブラケティングモードが設定されていない場合、ステップS275が否定判定されて図2のステップS7へ進む。
【0111】
ステップS276においては、ISOブラケティングカウンタnの値が1か否かを判定する。ISOブラケティングカウンタnの値が1の場合、すなわちISOブラケティングモードにおける1コマ目の露出演算の場合、ステップS276が肯定判定されて図2のステップS7へ進む。ISOブラケティングカウンタnの値が1以外の場合、すなわちISOブラケティングモードにおける2コマ目以降の露出演算の場合、ステップS276が否定判定されてステップS277へ進む。
【0112】
ステップS277においては、ISOブラケティングカウンタnの値が2か否かを判定する。ISOブラケティングカウンタnの値が2の場合、すなわちISOブラケティングモードにおける2コマ目の露出演算の場合、ステップS277が肯定判定されてステップS278へ進む。ステップS278においては、制御感度SVCの値から補正ステップXの値を減算した値を新たな制御感度SVCに設定して後述するステップS284へ進む。ISOブラケティングモードカウンタnの値が2以外の場合、ステップS277が否定判定されてステップS279へ進む。
【0113】
ステップS279においては、ISOブラケティングカウンタnの値が3、すなわちISOブラケティングモードにおける3コマ目の露出演算であるか否かを判定する。ISOブラケティングカウンタnの値が3の場合、ステップS279が肯定判定されてステップS280へ進み、制御感度SVCの値から補正ステップXの値を減算した値を新たな制御感度SVCに設定して後述するステップS284へ進む。ISOブラケティングカウンタnの値が3以外の場合、ステップS279が否定判定されてステップS281へ進む。
【0114】
ステップS281においては、ISOブラケティングカウンタnの値が4であるか否かを判定する。ISOブラケティングカウンタnの値が4の場合、すなわちISOブラケティングモードにおける4コマ目の露出演算の場合、ステップS281が肯定判定されてステップS282へ進む。ステップS282においては、制御感度SVCの値から補正ステップXの値を2倍した値を減算し、新たな制御感度SVCを設定して後述するステップS284へ進む。ISOブラケティングカウンタnの値が4以外の場合、すなわちISOブラケティングモードにおける5コマ目の露出演算の場合、ステップS281が否定判定されてステップS283へ進む。ステップS283においては、制御感度SVCの値に補正ステップXの値を2倍した値を加算し、新たな制御感度SVCを設定してステップS284へ進む。
【0115】
ステップS284においては、制御感度SVCの値が制御上限感度SUの値より大きいか否かを判定する。制御感度SVCの値が制御上限感度SUの値より大きい場合、ステップS284が肯定判定されてステップS285へ進み、制御感度SVCの値に制御上限感度SUの値を代入して図2のステップS7へ進む。制御感度SVCの値が制御上限感度SUの値以下の場合、ステップS284が否定判定されてステップS286へ進む。
【0116】
ステップS286においては、制御感度SVCの値が制御下限感度SDの値未満か否かを判定する。制御感度SVCの値が制御下限感度SDの値未満の場合、ステップS286が肯定判定されてステップS287へ進み、制御感度SVCの値が制御下限感度SDの値以上の場合、ステップS286が否定判定されて図2のステップS7へ進む。ステップS287においては、制御感度SVCの値に制御下限感度SDの値を代入して図2のステップS7へ進む。
【0117】
上述したステップS275〜ステップS287での処理により、ISOブラケティングモードでの2コマ目以降の撮影における制御感度SVCの値が以下のように設定される。
(1)2コマ目の場合、制御感度SVCの値をSVC−Xに設定
(2)3コマ目の場合、制御感度SVCの値をSVC+Xに設定
(3)4コマ目の場合、制御感度SVCの値をSVC−2・Xに設定
(4)5コマ目の場合、制御感度SVCの値をSVC+2・Xに設定
【0118】
また、上記のように設定された制御感度SVCの値は、制御下限感度SDの値および制御上限感度SUの値に応じて、以下のように設定される。
(1)SD≦SVC≦SUの場合、制御感度SVCの値を変更しない
(2)SU<SVCの場合、制御感度SVCの値を制御上限感度SUの値に設定
(3)SVC<SDの場合、制御感度SVCの値を制御下限感度SDの値に設定
【0119】
一方、上述した図10のステップS250が否定判定されると図12のステップS291へ進む。ステップS291(フラグBの値判定)からステップS299(ISOブラケティングモードにおける5コマ目の制御感度設定)までの各処理は、図11のステップS275(フラグBの値判定)からステップS283(ISOブラケティングモードにおける5コマ目の制御感度設定)までの各処理と同様の処理を行い、図2のステップS7へ進む。
【0120】
図10のステップS242が否定判定されると図13のステップS311へ進み、モードパラメータMpの値が2であるか否かを判定する。モードパラメータMpの値が2の場合、すなわち露出モードがシャッタ速度優先自動露出制御モード(Sモード)の場合、ステップS311が肯定判定されてステップS312へ進む。モードパラメータMpの値が2以外の場合、すなわち露出モードがSモード以外の場合、ステップS311が否定判定されて後述するステップS318へ進む。
【0121】
ステップS312においては、設定シャッタ速度TVSの値を制御シャッタ速度TVCの値に設定してステップS313へ進む。ステップS313においては、適正露出となる絞り値を演算してステップS314へ進む。具体的には、ステップS241で算出した露出値EVの値から制御シャッタ速度TVCの値を減算した値を制御絞り値AVCの値とする。
【0122】
ステップS314においては、ステップS313で算出した制御絞り値AVCの値が開放絞り値AV0の値未満か否かを判定する。制御絞り値AVCの値が開放絞り値AV0の値未満の場合、ステップS314が肯定判定されてステップS315へ進み、制御絞り値AVCの値を開放絞り値AV0の値に設定して後述するステップS323へ進む。制御絞り値AVCの値が開放絞り値AV0の値以上の場合、ステップS314が否定判定されてステップS316へ進む。
【0123】
ステップS316においては、ステップS313で算出した制御絞り値AVCの値が最小口径絞り値AVMの値よりも大きいか否かを判定する。制御絞り値AVCの値が最小口径絞り値AVMの値より大きい場合、すなわち絞り値が最大絞り値を超えている場合、ステップS316が肯定判定されてステップS317へ進む。ステップS317においては、制御絞り値AVCの値を最小口径絞り値AVMの値に設定して後述するステップS323へ進む。制御絞り値AVCの値が最小口径絞り値AVMの値以下の場合、ステップS316が否定判定されて後述するステップS323へ進む。これにより、制御絞り値AVCの値を、最上限の絞り値である最小口径絞り値AVMの値と、最下限の絞り値である開放絞り値AV0の値の範囲内に制限できる。
【0124】
ステップS311が否定判定されてステップS318へ進むと、モードパラメータMpの値が3であるか否かを判定する。モードパラメータMpの値が3の場合、すなわち露出モードが絞り優先自動露出制御モード(Aモード)の場合、ステップS318が肯定判定されてステップS319へ進む。ステップS319においては、設定絞り値AVSの値を制御絞り値AVCの値に設定して、上述した図10のステップS248へ進む。モードパラメータMpの値が3以外の場合、すなわち露出モードがマニュアル露出モード(Mモード)の場合、ステップS318が否定判定されてステップS320へ進む。
【0125】
ステップS320においては、制御シャッタ速度TVCの値に設定シャッタ速度TVSの値を代入してステップS321へ進む。ステップS321においては、制御絞り値AVCの値に設定絞り値AVSの値を設定してステップS322へ進む。ステップS322においては、設定シャッタ速度TVSの値に設定絞り値AVSの値を加算した設定露出値の値と、ステップS241で算出した適正露出EVの値とに基づいて、以下の式(3)を用いて露出差ΔEVの値を算出してステップS323へ進む。
ΔEV=AVS+TVS−EV ・・・(3)
【0126】
ステップS323においては、ステップS248と同様にして、上述した式(2)を用いて、制御絞りパルス数Pcを絞り込み段数(AVc−AV0)の関数fとして算出して、ステップS324へ進む。ステップS324においては、感度自動制御モードが設定されているか否かを判定する。感度自動制御モード設定フラグSが1に設定されている場合、ステップS324が肯定判定されてステップS325へ進む。感度自動制御モード設定フラグSが0に設定されている場合、すなわち感度自動制御モードが設定されていない場合、ステップS324が否定判定されて、上述した図12のステップS291へ進む。
【0127】
ステップS325においては、制御露出(AVC+TVC)と適正露出EVとの露出偏差ΔEVを、以下の式(4)を用いて算出してステップS326へ進む。
ΔEV=AVC+TVC−EV ・・・(4)
【0128】
ステップS326においては、ステップS325で算出した露出偏差ΔEVの値の絶対値|ΔEV|が所定値δ未満か否かを判定する。所定値δ以上の場合、ステップS326が否定判定されてステップS327へ進む。所定値δ未満の場合、ステップS326が肯定判定されてステップS328へ進み、なお、所定値δは、たとえば1/2以下の値であり、本実施の形態においては1/6とする。
【0129】
ステップS327においては、設定感度SVSの値にステップS326で算出した露出偏差ΔEVの値を加算した値を制御感度SVCの値に設定してステップS329へ進む。ステップS328においては、制御感度SVCの値を設定感度SVSの値に設定してステップS329へ進む。
【0130】
ステップS329においては、制御感度SVCの値が制御上限感度SUの値より大きいか否かを判定する。制御感度SVCの値が制御上限感度SUの値よりも大きい場合、ステップS329が肯定判定されてステップS330へ進み、制御感度SVCの値に制御上限感度SUの値を代入して、上述した図11のステップS272へ進む。制御感度SVCの値が制御上限感度SUの値以下の場合、ステップS329が否定判定されてステップS331へ進む。
【0131】
ステップS331においては、制御感度SVCの値が制御下限感度SDの値未満か否かを判定する。制御感度SVCの値が制御下限感度SDの値未満の場合、ステップS331が肯定判定されてステップS332へ進み、制御感度SVCの値に制御下限感度SDの値を代入して、上述した図11のステップS272へ進む。制御感度SVCの値が制御下限感度SDの値以上の場合、ステップS331が否定判定されて、上述した図11のステップS272へ進む。これによって、制御感度SVCの値が制御下限感度SDの値以上、かつ制御上限感度SUの値以下の値に制限される。
【0132】
図10〜図13のフローチャートを用いて説明した露出演算処理により、感度自動制御モードおよびISOブラケティングモードの双方が設定された場合、演算回路101は、感度自動制御モードにより、設定された露出モードにおいて適正露出となるように制御感度SVCを決定する。そして、演算回路101は、設定された制御感度SVCを基準として、撮影コマごとに制御感度SVCを変化させる。
【0133】
(表示処理)
図2のステップS7における表示処理の詳細について、図14のフローチャートを参照して説明する。ステップS341においては、フラグBが1に設定されているか否か、すなわちISOブラケティングモードが設定されているか否かを判定する。フラグBが1に設定されている場合、ステップS341が肯定判定されてステップS342へ進み、フラグBが0に設定されている場合、ステップS341が否定判定されて後述するステップS346へ進む。
【0134】
ステップS342においては、ISOブラケティングカウンタnの値が1であるか否かを判定する。ISOブラケティングカウンタnの値が1の場合、すなわちISOブラケティングによる一連の撮影が開始されていない場合、ステップS342が肯定判定されてステップS343へ進む。ステップS343では、表示装置109に、たとえば「ISO−BKT」等のマークを点灯表示させてステップS345へ進む。
【0135】
ISOブラケティングカウンタnの値が1以外の場合、すなわちISOブラケティングによる一連の撮影が開始されている場合、ステップS342が否定判定されてステップS344へ進む。ステップS344においては、表示装置109に、たとえば「ISO−BKT」等のマークを点滅表示させてステップS345へ進む。
【0136】
ステップS345においては、表示装置109に、ISOブラケティングカウンタnの値を点灯表示させてステップS346へ進む。ステップS346においては、フラグSが1に設定されているか否かを判定する。フラグSが1に設定されている場合、すなわち感度自動制御モードが設定されている場合、ステップS346が肯定判定されてステップS347へ進む。フラグSが0に設定されている場合、すなわち感度自動制御モードが設定されていない場合、ステップS346が否定判定されて後述するステップS351へ進む。
【0137】
ステップS347においては、フラグCが1に設定されているか否かを判定する。フラグCが1に設定されている場合、すなわち制御感度SVCが設定感度SVSに変更されている場合、ステップS347が肯定判定されてステップS348へ進む。ステップS348においては、表示装置109に、たとえば「ISO−AUTO」等のマークを点滅表示させてステップS349へ進む。ステップS349においては、表示装置109に制御感度SVCを点滅表示させて後述するステップS351へ進む。
【0138】
フラグCが0に設定されている場合、すなわち制御感度SVCが設定感度SVSに変更されていない場合、ステップS347が否定判定されてステップS350へ進む。ステップS350においては、表示装置109に、たとえば「ISO−AUTO」等のマークを点灯表示させてステップS351へ進む。ステップS351においては、表示装置109に制御感度SVSを点灯表示させてステップS352へ進む。
【0139】
ステップS352においては、モードパラメータMpの値が1であるか否かを判定する。モードパラメータMpの値が1の場合、すなわち露出モードがプログラム自動露出制御モード(Pモード)の場合、ステップS352が肯定判定されてステップS353へ進む。ステップS353においては、表示装置109に、「P」マーク、制御シャッタ速度TVC、および制御絞り値AVCを点灯表示させて、後述するステップS359へ進む。
【0140】
モードパラメータMpの値が1以外の場合、すなわち露出モードがプログラム自動露出演算モード(Pモード)以外の場合、ステップS352が否定判定されてステップS354へ進む。ステップS354においては、モードパラメータMpの値が2であるか否かを判定する。モードパラメータMpの値が2の場合、すなわち露出モードがシャッタ速度優先自動露出制御モード(Sモード)の場合、ステップS354が肯定判定されてステップS355へ進む。ステップS355においては、表示装置109に、「S」マーク、設定シャッタ速度TVS、および制御絞り値AVCを点灯表示させて、後述するステップS359へ進む。
【0141】
モードパラメータMpの値が2以外の場合、すなわち露出モードがシャッタ速度優先自動露出制御モード(Sモード)ではない場合、ステップS354が否定判定されてステップS356へ進む。ステップS356においては、モードパラメータMpの値が3であるか否かを判定する。モードパラメータMpの値が3の場合、すなわち露出モードが絞り優先自動露出制御モード(Aモード)の場合、ステップS356が肯定判定されてステップS357へ進む。ステップS357においては、表示装置109に、「A」マーク、制御シャッタ速度TVC、および設定絞り値AVSを点灯表示させて、後述するステップS359へ進む。
【0142】
モードパラメータMpの値が3以外の場合、すなわち露出モードがマニュアル露出モード(Mモード)の場合、ステップS356が否定判定されてステップS358へ進む。ステップS358においては、表示装置109に、「M」マーク、設定シャッタ速度TVS、設定絞り値AVS、および露出偏差ΔEVを点灯表示させてステップS359へ進む。
【0143】
ステップS359においては、ISOブラケティングモードにおいて基準となる撮像感度(制御感度SVC)の値、設定感度SVSの値、および2コマ目以降の撮影における制御感度SVCの値の対応関係を、表示装置109にバーグラフ表示させて図2ステップS8へ進む。コマ数Nが5の場合における対応関係の表示の一例を図16に示す。表示装置109には、制御感度SVCの値に対する設定感度SVSの値が、たとえば三角形等の指標Zとともに表示される。図16(a)は制御感度SVCの値と設定感度SVSの値とが異なる場合の表示例を示し、図16(b)は制御感度SVCの値と設定感度SVSの値とが等しい場合の表示例を示している。なお、2コマ目以降の撮影における制御感度SVCの値は、補正ステップXの値、およびコマ数Nの値に応じて変更されて表示される。
【0144】
(撮像シーケンス処理)
図2のステップS9における撮像シーケンス処理の詳細について、図15のフローチャートを参照して説明する。図15のステップS361において、シャッタ制御回路103に指令を出力し、シャッタ104の不図示のマグネットに通電して先幕および後幕を保持させる。ステップS362において、モータ制御回路105に指令を出力し、シーケンスモータ106に正転を開始させてステップS363へ進む。これにより、不図示のミラーのミラーアップおよび絞りの絞り込みが開始される。
【0145】
ステップS363において、絞り位置検出装置107から入力される信号によって検出絞りパルス数Pkを検出してステップS364へ進む。ステップS364において、ステップS363で検出した検出絞りパルス数Pk、および前述したステップS6の露出演算で算出した制御絞りパルス数Pcとの間にPk≧Pcが成立するか否かを判定する。Pk≧Pcが成立する場合にはステップS364が肯定判定されてステップS365へ進み、Pk≧Pcが成立しない場合にステップS364が否定判定される。否定判定された場合には、絞り込みを継続するようにステップS363へ戻る。
【0146】
ステップS365において、絞り係止装置108に指令を出力して絞りを係止させ、ステップS366へ進む。ステップS366において、ミラーアップが終了したか否かを判定する。シーケンススイッチSW1からオン信号が入力されるとステップS366が肯定判定されてステップS367へ進み、シーケンススイッチSW1からオン信号が入力されない場合はステップS366が否定判定される。否定判定する場合には、ミラーアップを継続するように判定処理を繰り返す。
【0147】
ステップS367において、モータ制御回路105に指令を出力し、シーケンスモータ106を停止させてステップS368へ進む。なお、ミラーアップの終了より先に絞り係止装置108によって絞りの係止が終了するように不図示のシーケンス駆動装置が構成されている。ステップS368において、所定時間のウエイトをおいてステップS369へ進む。所定時間は、ミラーアップ後のバウンドが安定するまでに要する時間とする。
【0148】
ステップS369において、タイミング回路124に駆動信号の発生を開始させて撮像素子121の駆動を開始し、ステップS370へ進む。これにより、撮像素子121が電荷蓄積を開始する。ステップS370において、シャッタ制御回路103に指令を出力し、シャッタ104の不図示のマグネットへの通電を解除して先幕保持を解除させ、ステップS371へ進む。これによってシャッタ先幕の走行が開始され、撮像素子121の撮像面に到達した被写体光の強さに応じて撮像素子121が電荷を蓄積する。ステップS371において、制御シャッタ速度TVcに相当する時間、ウエイトしてステップS372へ進む。ステップS372においては、シャッタ駆動回路103に指令を出力し、シャッタ104の不図示のマグネットへの通電を解除して後幕保持を解除させ、ステップS373へ進む。これによってシャッタ後幕の走行が開始され、撮像素子121への被写体光が遮断される。
【0149】
ステップS373において、所定時間のウエイトをおいてステップS374へ進む。所定時間は、後幕が撮像素子121の撮像領域を完全に遮光し、走行完了するまでに要する時間とする。ステップS374において、撮像素子121の電荷蓄積を終了させてステップS375へ進む。ステップS375において、モータ制御回路105に指令を出力し、シーケンスモータ106に逆転を開始させてステップS376へ進む。これにより、不図示のミラーのミラーダウン動作および絞りの開放復帰動作が開始される。ステップS376において、タイミング回路124に指令を出力し、撮像素子121から蓄積電荷の読み出しを行い、ステップS377へ進む。
【0150】
ステップS377において、ASIC123に画像処理を行わせ、ステップS378へ進む。ステップS378において、ASIC123に画像圧縮処理を行わせ、ステップS379へ進む。ステップS379において、画像圧縮後にバッファメモリ125に格納されている画像データを記録媒体126に記録してステップS380へ進む。
【0151】
ステップS380において、ミラーダウンが終了したか否かを判定する。シーケンススイッチSW1からオン信号が入力されるとステップS380が肯定判定されてステップS381へ進み、シーケンススイッチSW1からオン信号が入力されない場合はステップS380が否定判定されて、ミラーダウンを継続するように判定処理を繰り返す。
【0152】
ステップS381において、モータ制御回路105に指令を出力し、シーケンスモータ106を停止させて図15による処理を終了し、図2のステップS10へ進む。なお、シーケンスモータ106は、逆通電ブレーキやショートブレーキなどのブレーキ処理により瞬時に停止され、オーバーランは無視できる程度であるものとする。また、画像記録には比較的時間がかかるが、ミラーダウン終了前には画像記録が終了するようにシーケンス機構は構成されている。これにより、一連の撮影処理が終了する。
【0153】
以上で説明した実施の形態の電子カメラによれば、以下の作用効果が得られる。
(1)演算回路101は、感度自動制御モードとISOブラケティングモードとが設定されている場合、感度自動制御モードで適正露出となるように設定した制御感度SVCの値を基準感度として設定し、高感度側および低感度側のいずれかへ撮像感度を変更させて、ISOブラケティングモードによる撮影を行うようにした。この結果、先に感度自動制御モードにより基準感度を設定するので、たとえばISOブラケティングモードによる2コマ目以降のブラケティング撮影時に、変更された撮像感度が、感度自動制御モードにより適正露出となる撮像感度に補正されて、ブラケティング撮影に不具合が生じることを防ぐことができる。
【0154】
(2)演算回路101は、図16に示すように、ISOブラケティングモードにおいて基準となる感度(制御感度SVCの値)と、設定感度SVSの値と、補正ステップXに基づいてブラケティング撮影時に変更される撮像感度の値とを、表示装置109に表示させるようにした。したがって、ユーザは、設定感度SVSの値と制御感度SVCの値の差(露出偏差)や、各コマ撮影時に変更される撮像感度の値等を把握することができるので、利便性が向上する。
【0155】
上述した実施の形態のカメラに対して以下のような変形が可能である。
(1)感度自動制御モードとISOブラケティングモードとが設定されている場合、演算回路101は、ブラケティング撮影における1コマ目の制御感度SVCの値、すなわち基準となる撮像感度を所定の固定値として設定してもよい。この場合、ブラケティング撮影において、各コマ撮影時に変更される撮像感度の値は常に一定となる。
【0156】
(2)感度自動制御モードのみ設定されている場合、すなわちISOブラケティングモードが設定されていない場合、制御回路101は、撮影ごとに制御感度SVCの値を変更して画像を取得できる。
【0157】
(3)ISOブラケティングモードのみ設定されている場合、すなわち感度自動制御モードが設定されていない場合、演算回路101は、設定感度SVSを基準感度としてブラケティング撮影を行ってもよい。ブラケティング撮影中に十分な被写体輝度Bvが得られなくなった場合は、制御回路101は、絞りおよびシャッタ速度を変更して、基準となる設定感度SVSが1段高感度側もしくは低感度側に変更されるように露出値を補正してもよい。
【0158】
(4)制御上限感度SUの値および制御下限感度SDの値は1段ステップで高感度側もしくは低感度側に設定するものに限定されず、たとえば1/3段ステップで設定してもよい。
(5)シャッタ速度設定操作部材114は、設定シャッタ速度(露光時間)TVsを設定範囲−5≦TVs≦12の範囲で1段ステップ設定するものに限定されず、たとえば1/3段ステップで設定してもよい。
(6)絞り設定操作部材112は、絞り値を開放から最小絞りまで1段ステップで設定するものに限定されず、たとえば1/3段ステップで設定してもよい。
【0159】
また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明の一実施の形態における電子カメラの構成を示すブロック図
【図2】カメラ動作の処理の流れを説明するフローチャート
【図3】通信処理の詳細を説明するフローチャート
【図4】設定処理の詳細を説明するフローチャート
【図5】設定処理の詳細を説明するフローチャート
【図6】設定処理の詳細を説明するフローチャート
【図7】設定処理の詳細を説明するフローチャート
【図8】設定処理の詳細を説明するフローチャート
【図9】設定処理の詳細を説明するフローチャート
【図10】露出演算処理の詳細を説明するフローチャート
【図11】露出演算処理の詳細を説明するフローチャート
【図12】露出演算処理の詳細を説明するフローチャート
【図13】露出演算処理の詳細を説明するフローチャート
【図14】表示処理の詳細を説明するフローチャート
【図15】撮像シーケンスの詳細を説明するフローチャート
【図16】表示装置における表示の一例を説明する図
【符号の説明】
【0161】
101・・・演算回路 102・・・測光装置 109・・・表示装置
113・・・感度自動制御モード設定操作部材
114・・・ISOブラケティングモード設定操作部材
LE・・・撮影レンズ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着部に装着された撮影レンズを介して入射した被写体の像を撮像して画像を取得する撮像手段と、
前記被写体の輝度を検出する輝度検出手段と、
前記撮像手段に設定されている露光感度、前記撮像手段に設定されている露光時間、前記撮影レンズに設定されている絞り値、および前記輝度検出手段により検出された被写体輝度のうち、少なくとも前記露光感度および前記被写体輝度を用いて露出演算を行う露出演算手段と、
第1モードを設定する第1設定手段と、
第2モードを設定する第2設定手段と、
前記第1モードが設定されている場合、前記露出演算手段による露出演算の結果が適正露出ではない時、前記露出演算手段に対して、適正露出に近づけるために必要な前記露光感度の変更量を演算させ、前記演算された変更量に応じて前記露光感度を変更させ、前記変更した露光感度を用いて露出演算をさせる第1制御手段と、
前記第2モードが設定されている場合、前記撮像素子に設定されている前記露光感度を基準として、高感度側および低感度側のいずれかへ前記露光感度を変更して、前記露出演算手段に対して露出演算をさせる第2制御手段と、
前記第1モードおよび前記第2モードが設定されている場合、前記第1制御手段の指示に基づいて前記露出演算手段により変更された前記露光感度を基準として、高感度側および低感度側のいずれかへ前記露光感度を変更して、前記露出演算手段に対して露出演算をさせる第3制御手段とを備えることを特徴とするカメラ。
【請求項2】
請求項1に記載のカメラにおいて、
前記基準となる露光感度は固定値とすることを特徴とするカメラ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のカメラにおいて、
前記基準となる露光感度と、高感度側および低感度側のいずれかへ変更される露光感度とを表示する表示器をさらに備えることを特徴とするカメラ。
【請求項1】
装着部に装着された撮影レンズを介して入射した被写体の像を撮像して画像を取得する撮像手段と、
前記被写体の輝度を検出する輝度検出手段と、
前記撮像手段に設定されている露光感度、前記撮像手段に設定されている露光時間、前記撮影レンズに設定されている絞り値、および前記輝度検出手段により検出された被写体輝度のうち、少なくとも前記露光感度および前記被写体輝度を用いて露出演算を行う露出演算手段と、
第1モードを設定する第1設定手段と、
第2モードを設定する第2設定手段と、
前記第1モードが設定されている場合、前記露出演算手段による露出演算の結果が適正露出ではない時、前記露出演算手段に対して、適正露出に近づけるために必要な前記露光感度の変更量を演算させ、前記演算された変更量に応じて前記露光感度を変更させ、前記変更した露光感度を用いて露出演算をさせる第1制御手段と、
前記第2モードが設定されている場合、前記撮像素子に設定されている前記露光感度を基準として、高感度側および低感度側のいずれかへ前記露光感度を変更して、前記露出演算手段に対して露出演算をさせる第2制御手段と、
前記第1モードおよび前記第2モードが設定されている場合、前記第1制御手段の指示に基づいて前記露出演算手段により変更された前記露光感度を基準として、高感度側および低感度側のいずれかへ前記露光感度を変更して、前記露出演算手段に対して露出演算をさせる第3制御手段とを備えることを特徴とするカメラ。
【請求項2】
請求項1に記載のカメラにおいて、
前記基準となる露光感度は固定値とすることを特徴とするカメラ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のカメラにおいて、
前記基準となる露光感度と、高感度側および低感度側のいずれかへ変更される露光感度とを表示する表示器をさらに備えることを特徴とするカメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−45653(P2010−45653A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−208925(P2008−208925)
【出願日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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