説明

カラーフィルター用感光性樹脂組成物及びこれを利用した液晶ディスプレイカラーフィルターの製造方法

【課題】 TFT及びSTN方式のLCD製造工程において基板上に回転塗布されるレジスト膜の周縁部分で発生する不必要な部分を最小限に止め、コーティング性と平坦化を向上させたカラーフィルター用感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物は、ポリアルキレンオキシドメチルシラン高分子、ポリエーテルが変形されたジメチルポリシロキサン高分子溶液及びポリエーテルが変形されたジメチルポリシロキサン高分子からなる群より1種以上選択されるシリコン系表面添加剤を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラーフィルター用感光性樹脂組成物及びこれを利用した液晶ディスプレイカラーフィルターの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイのカラーフィルターを形成する方法には、従来から印刷方式、電着方式、インクジェット方式、顔料分散方式などが使用されてきたが、最近は、パターンの解像度及び製造方法の容易性から、多様な利点を有する顔料分散型着色組成物を用いる顔料分散方式が採択されている。この方式は、特に、携帯電話、ノートブックパソコン、モニター、TVなどのLCDの製造に応用されており、近年特に顔料分散型着色組成物に対して、パターンの解像度だけでなく、性能のさらなる向上が要求されている。
一般的な顔料分散型着色組成物は、基板に塗布し、露光し、現像することによって着色画素を形成する。この場合、露光された画素での適切な硬化によって、現像液に溶解しない。
【0003】
通常、TFT−LCD工程は、ガラス基板上にカラーレジスト(R、G、B)を塗布し、露光及び現像工程を順次に行う。この際、レジストが塗布された基板の移動時の装備汚染、露光工程時の確実なアライメントの困難性及び現像工程後に、厚膜であるために完全に現像されないことによって発生するEB部分の残存などの問題が発生する。
これを解決するためには、基板上に回転塗布されるレジスト膜の周縁部分で発生するEB部分をシンナーで除去するEBR(Edge Bead Remover)工程が必要となる。
【0004】
しかし、最近はSTN方式やTFT−LCD工程において工程数の簡素化によってEBR工程を省略する方式が選択されている。このEBR処理工程を省略すれば全カラーフィルター製造工程において、少なくとも3〜4回のEBR処理工程を行わなくてもよいので、全製造工程を単純化し、製造時間を短縮することができるだけでなく、EBR処理工程に使用されるシンナー組成物を使用しないことによって費用節減及び環境に優しい製造工程を実現することができるという利点がある。
【0005】
このようなEBR処理工程の省略のためには、回転塗布時にレジスト膜の周縁部分で発生する不必要な膜部分(幅、厚さ)を最小限に止めることにより、特別にEBR工程を行わなくても一般的な現像工程時間内で不必要な膜の発生を防止することができる。
【0006】
また、基板の大きさがしだいに大きくなる傾向によって、カラーレジストコーティング時にコーティングされた膜の段差を最小限に止めること、及びコーティング性のさらなる向上が要求されており、これに基づいたカラーレジスト組成物の改善が要求されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来使用される感光性樹脂組成物は、EBの幅及び厚さが相当であるためEBR工程を行わないと、現像工程でEB部分の完全な除去が不可能であるという問題があった。
本発明はこのような従来の問題点を解決するために、流変特性(property of fluid strain)を改善、変化させて基板上に回転塗布されるレジスト膜の周縁部分で発生する不必要なEB部分を最小限にとどめ、コーティング性と平坦化を向上させたカラーフィルター用感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、コーティング性を向上し、基板上に回転塗布されるレジスト膜の周縁部分で発生する不必要なEB部分を最小限に止め、液晶ディスプレイカラーフィルターの製造時にEBR工程を省略することができ、これによって製造コストを画期的に減少させることができる液晶ディスプレイカラーフィルターの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ポリアルキレンオキシドメチルシランポリマー、ポリエーテルが変形されたジメチルポリシロキサンポリマー溶液及びポリエーテルが変形されたジメチルポリシロキサンポリマーからなる群より選択される1種以上のシリコン系表面添加剤を含むことを特徴とするカラーフィルター用感光性樹脂組成物を提供する。
また、本発明は、前記カラーフィルター用感光性樹脂組成物を基板に塗布する工程を含むことを特徴とする液晶ディスプレイカラーフィルターの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物は、流変特性を改善、変化させることができる。従って、例えば、LCD製造工程において基板上に回転塗布されるレジスト膜の周縁部分で発生する不必要なEB(Edge Bead)部分を最小限に止め、コーティング性と平坦性をさらに向上させることができる。
【0011】
また、このカラーフィルター用感光性樹脂組成物を利用した液晶ディスプレイカラーフィルターの製造方法では、コーティング性を向上し、基板上に回転塗布されるレジスト膜の周縁部分で発生する不必要なEB部分を最小限に止め、液晶ディスプレイカラーフィルターの製造時にEBR工程を省略することができ、これによって製造コストを画期的に低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物は、ポリアルキレンオキシドメチルシランポリマー、ポリエーテルが変形されたジメチルポリシロキサンポリマー溶液及びポリエーテルが変形されたジメチルポリシロキサンポリマーからなる群より選択される1種以上のシリコン系表面添加剤が添加されたことを特徴とする。
このシリコン系表面添加剤は、基板に回転塗布する時に表面張力の低下を誘導して、基板上に良好な湿潤性と染み現象防止などの効果を有するようにする。
【0013】
シリコン系表面添加剤の含量は、コーティング時に基板全体に均一なコーティングを行う、染み発生の頻度を抑える観点から、全体組成物に対して0.1〜2重量%を使用するのが好ましい。
これらの高分子の分子量は1,000〜100,000であるのが好ましく、さらに好ましくは3,000〜10,000である。
また、シリコン系表面添加剤の溶剤は、無溶剤形態であるかフェノキシエタノール/キシレンを使用することが好ましい。
シリコン系表面添加剤としては、例えば、EFKA社 EFKA-30、Shinetsu社 KF-351A、EFKA社 EFKA-3232、Shinetsu社 KF-351A、BYK-chemi社 BYK-333及びこれらの1種以上の混合物等が挙げられる。
【0014】
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物の好ましい一例を挙げれば、
イ)アルカリ可溶性バインダー、
ロ)少なくとも2つ以上のエチレン系二重結合を有する架橋性モノマー、
ハ)顔料、
ニ)光重合開始剤、
ホ)前記シリコン系表面添加剤、及び
へ)溶剤を含む。
【0015】
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物において、前記イ)アルカリ可溶性バインダーは、高分子鎖中にエチレン系酸性基を有する単量体とエチレン系酸性基を有しない単量体との共重合体であるのが好ましくは。
【0016】
前記エチレン系酸性基を有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸またはこれらの酸無水物形態、または2−アクリロオキシエチルヒドロゲンフタレート(Acrylooxyethylhydrogenphthalate)、2−アクリロオキシプロピルヒドロゲンフタレート(Acrylooxypropylhydrogenphthalate)、2−アクリロオキシプロピルヘキサヒドロゲンフタレート(Acrylooxypropylhexahydrogenphthalate)などがあり、これらを単独または2種以上混合して使用することができる。前記エチレン系酸性基を有する単量体の含量は、前記アルカリ可溶性バインダーの10〜40重量%が好ましく、15〜35重量%がより好ましい。感光性樹脂組成物のアルカリ現像液に対する溶解性を確保し、アルカリ現像液による現像時にパターンの脱落及び剥離現象を防止する観点からである。
【0017】
また、前記酸性基を有しない単量体の例としては、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、ラウリルアクリレート、アルキルアクリレート、ステアリンアクリレート(stearic acrylate)、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート、トリメトキシブチルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート(ethylcarbitolacrylate)、フェノキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルシンナミックアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−アクリルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート及びこれらのメタクリレート類;3−フルオロエチルアクリレート、4−フルオロプロピルアクリレートのようなハロゲン化合物を含むアクリレート及びこれらのメタクリレート類;トリエチルシロキシル(siloxyl)エチルアクリレートのようなシロキサン基を含むアクリレート及びこれらのメタクリレート類;スチレン、4−メトキシスチレンのような芳香族を有するオレフィン類などがあり、これらは単独または2種以上混合して使用することができる。
【0018】
前記酸性基を有しない単量体の含量は、前記アルカリ可溶性バインダーの60〜90重量%が好ましく、65〜85重量%がより好ましい。現像工程時に基板との密着性を確保して、パターン剥離現象を防止し、形成されるパターンの直進性を保持するとともに、アルカリ現像液に対する溶解速度を確保して、現像時間を適当な長さに調整するという観点からである。
【0019】
前記アルカリ可溶性バインダーの含量は、全体感光性樹脂組成物に対して5〜40重量%であるのが好ましい。
また、本発明の感光性樹脂組成物において、ロ)少なくとも2つ以上のエチレン系二重結合を有する架橋性モノマーとしては、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート誘導体、トリメチルプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及びこれらのメタクリレート類などがある。
【0020】
前記少なくとも2つ以上のエチレン系二重結合を有する架橋性モノマーの含量は、全体感光性樹脂組成物に対して5〜30重量%が好ましく、5〜20重量%がより好ましい。架橋性モノマーの含量が5重量%未満であれば、感光性樹脂の硬化度を向上させ、パターン実現を容易にし、レジスト組成物の粘度を適度に保ち、アルカリ現像液に対する溶解速度を適当な速度に調製して、露光部で現像液に対する抵抗性を保つという観点からである。
【0021】
また、本発明の感光性樹脂組成物において、ハ)顔料は、いずれの有機顔料または無機顔料を用いてもよい。このような有機顔料の具体的な例としては、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7などがある。また、無機顔料としては、酸化チタン、チタンブラック、カーボンブラックなどが挙げられる。これら顔料は、色調合のために1種または2種以上を混合して使用可能である。前記顔料の含量は、全体感光性樹脂組成物に対して10〜60重量%であるのが好ましい。
【0022】
また、本発明の感光性樹脂組成物において、ニ)光重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠赤外線などの波長によって前記架橋性モノマーの重合を開始することができる化合物である。前記光重合開始剤としては、トリアジン系化合物、アセトフェノン系化合物、キサントン系化合物、ベンゾイン系化合物及びイミダゾール系化合物からなる群より1種以上選択されるものを使用することができる。
【0023】
トリアジン系化合物の具体的な例としては、2,4−ビストリクロロメチル−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2−p−メトキシスチリル−4,6−ビストリクロロメチル−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−6−トリアジン、2−(2−ブロモ−4−メチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどがある。しかし、前記トリアジン系開始剤の場合、光に対する反応速度が速いので、感度が優れているが、露光時にハロゲン化合物のガスが発生してマスクなどの機器を汚染させることがあり、大体固有の黄色を有するので輝度を低下させることがある。したがって、前記トリアジン系開始剤の含量は、全体感光性樹脂組成物の1重量%未満であるのが好ましい。
【0024】
アセトフェノン系化合物の具体的な例としては、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2,2−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、4,4−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジブトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノンなどがある。
【0025】
キサントン系化合物の具体的な例としては、キサントン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソブチルチオキサントン、2−ドデシルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントンなどがある。
【0026】
ベンゾイン系化合物の具体的な例としては、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイルプロピルエーテル、t−ブチルベンゾイルエーテルなどのような化合物が挙げられる。
【0027】
イミダゾール系化合物の具体的な例としては、2,2−ビス−2−クロロフェニル−4,5,4,5−テトラフェニル−2−1,2−ビイミダゾール、2,2−ビス(2,4,6−トリシアノフェニル)−4,4,5,5−テトラフェニル−1,2−ビイミダゾールなどの化合物などがある。
【0028】
前記光重合開始剤は、必要に応じて、増感剤(例えば、光増感剤)、硬化促進剤などと混合して用いることができる。その具体的な例としては、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、イソプロピルチオキサントン(dioxanetone)、メチル−o−ベンゾイルベンゾエート、4−(メチルフェニルチオ)−フェニル−フェニルメタン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、ベンゾフェノン、エチルアントラキノンなどの化合物が挙げられる。
【0029】
前記光重合開始剤の含量は、感光性樹脂組成物に対して0.5〜5重量%が好ましく、1〜2重量%がより好ましい。感受性を適当な値に調整することによって、パターンの実現性及び直進性を確保するとともに、パターン表面のエンボシングの発生を防止し、溶剤に対する溶解性及び保存安定性を確保するためである。
【0030】
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物において、ホ)前記シリコン系表面添加剤は、上述した通りである。
顔料との分散性向上のための分散剤またはコーティング性向上のための添加剤をさらに含むことができ、これら添加剤の含量は、全体カラーフィルター用感光性樹脂組成物に対して0.1〜2重量%として用いることができる。
【0031】
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物において、前記ヘ)溶剤は、溶解性、顔料分散性、コーティング性によって選択することができる。具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、シクロヘキサノン、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチルなどが挙げられ、これらを単独または2種以上混合して使用することができる。前記溶剤の含量は、前述の成分を除いた残量で含まれ、好ましくは、全体感光性樹脂組成物に対して20〜70重量%である。
【0032】
また、本発明は、前記カラーフィルター用感光性樹脂組成物を基板に塗布する工程を含むことを特徴とする液晶ディスプレイカラーフィルターの製造方法を提供し、前記カラーフィルター用感光性樹脂組成物を基板に塗布する過程前後に通常のカラーフィルターの製造方法に使用される工程が適用されることができるのはもちろんである。
【0033】
特に、本発明の液晶ディスプレイカラーフィルターの製造方法は、コーティング性を向上し、基板上に回転塗布されるレジスト膜の周縁部分で発生する不必要なEB部分を最小限に止め、液晶ディスプレイカラーフィルターの製造時にEBR工程を省略することができ、これによって製造コストを画期的に低減させることができる。
以下、本発明を下記の実施例に基づいて詳細に記載するが、本発明が下記の実施例によって限定されるわけではない。下記の実施例において、別途の言及がなければ百分率及び混合比は重量を基準としたものである。
【0034】
[実施例1]
イ)アルカリ可溶性バインダーとして、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/ヒドロキシエチルシンナミックアクリレートの共重合体(プロピレングリコールメチルエーテルアセテートの溶液中で共重合比が60/20/20であり、固形分の含量が35重量%であり、重量平均分子量が30,000である共重合体)25重量%、
ロ)少なくとも2つ以上のエチレン系二重結合を有する架橋性モノマーとして、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート5重量%、
ハ)顔料として、C.I.ピグメントレッド254及びC.I.ピグメントイエロー138を22重量%、
ニ)光重合開始剤として、イルガキュア369(チバスペシャルティケミカルズ製造)1重量%、4,4−ビスジエチルアミノベンゾフェノン0.5重量%及び2,4−ジエチルチオキサントン0.5重量%、
ホ)シリコン系表面添加剤として、ポリエーテルが変形されたジメチルポリシロキサン高分子溶液とポリオキシアルキレンジメチレンポリシロキサン高分子を0.4重量%(EFKA社 EFKA-30 + Shinetsu社 KF-351A (1 : 1))、及び、
ヘ)溶剤として、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートとシクロヘキサノンが3:1で混合された混合溶媒を残量
を混合して液状のカラーフィルター用感光性樹脂組成物を製造した。
【0035】
[実施例2]
ホ)シリコン系表面添加剤として、ポリエーテルが変形されたジメチルポリシロキサン高分子溶液(EFKA社 EFKA-3232)を0.5重量%で混合する以外は、実施例1と同様に、液状のカラーフィルター用感光性樹脂組成物を製造した。
【0036】
[実施例3]
ホ)シリコン系表面添加剤として、ポリオキシアルキレンジメチレンポリシロキサン高分子(Shinetsu社 KF-351A)を0.5重量%で混合する以外は、実施例1と同様に、液状のカラーフィルター用感光性樹脂組成物を製造した。
【0037】
[実施例4]
ホ)シリコン系表面添加剤として、ポリエーテルが変形されたジメチルポリシロキサン高分子(BYK-chemi社 BYK-333)を0.2重量%で混合する以外は、実施例1と同様に、液状のカラーフィルター用感光性樹脂組成物を製造した。
【0038】
[比較例1]
ホ)シリコン系表面添加剤の代わりに、フッ素系添加剤であるBYK−340(BYK−Chemi製造)0.5重量%を使用する以外は、実施例1と同様に、感光性樹脂組成物を製造した。
【0039】
[比較例2]
ホ)シリコン系表面添加剤の代わりに、アクリレート系添加剤であるBYK−354(BYK−Chemi製造)0.5重量%を使用する以外は、実施例1と同様に、感光性樹脂組成物を製造した。
【0040】
[コーティング特性比較]
シリコン系及び非シリコン系添加剤の種類及び含量を変化させて得た実施例1〜4及び比較例1及び2のコーティング特性を比較した。
【0041】
実験方法は実施例1〜4と、比較例1及び2とによって得られた感光性樹脂組成物をガラス基板上に0.8cc滴下させて300rpmで回転塗布をした後、90℃ホットプレート上でプリベークによって乾燥させて、コーティング膜を得て、回転塗布された基板の周縁の不必要なEB部分の厚さ及び幅を測定した。測定された結果は下記表1に示した。
【0042】
【表1】

【0043】
表1に示されているように、実施例1〜4の場合、比較例1及び2と比較して、コーティングされた基板の周縁の不必要な膜部分(EB)の幅と厚さが相対的に減少した結果を示し、コーティング後の全体的な膜状態もほとんどコーティング染みのない良好な状態であった。これに反し、比較例1及び2の場合は、EB幅と膜の厚さが実施例1と比較して、各々2倍程度さらに大きく観察され、また、コーティング時に若干のコーティング染みが観察された。このような比較例1及び2は、EB部分の厚さが厚いため一般的な現像工程でレジスト膜の完全な除去が不利である。したがって、実施例1〜4の場合が、比較例1、2と比較して、回転塗布時の塗布性能が優れていることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物は、携帯電話、ノートブックパソコン、モニター、TVなどのLCDの製造工程、TFT及びSTN方式等の方式にかかわらず、透過型、反射型または半透過型等にかかわらず、すべてのLCDの製造に利用することができる。また、液晶表示装置のみならず、カラーフィルターを適用する全ての光学機器に使用することが可能である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラーフィルター用感光性樹脂組成物であって、
ポリアルキレンオキシドメチルシランポリマー、
ポリエーテルが変形されたジメチルポリシロキサンポリマー溶液及び
ポリエーテルが変形されたジメチルポリシロキサンポリマー
からなる群より選択される1種以上のシリコン系表面添加剤を含むことを特徴とするカラーフィルター用感光性樹脂組成物。
【請求項2】
前記シリコン系表面添加剤の含量が0.1〜2重量%である請求項1に記載のカラーフィルター用感光性樹脂組成物。
【請求項3】
イ)アルカリ可溶性バインダー5〜40重量%;
ロ)少なくとも2つ以上のエチレン系二重結合を有する架橋性モノマー5〜30重量%;
ハ)顔料10〜60重量%;
ニ)光重合開始剤0.5〜5重量%;
ホ)前記シリコン系表面添加剤0.1〜2重量%;及び
ヘ)残量の溶剤
を含む請求項1又は2に記載のカラーフィルター用感光性樹脂組成物。
【請求項4】
前記イ)アルカリ可溶性バインダーは、エチレン系酸性基を有する単量体10〜40重量%とエチレン系酸性基を有しない単量体90〜60重量%との共重合体である請求項3に記載のカラーフィルター用感光性樹脂組成物。
【請求項5】
前記エチレン系酸性基を有する単量体は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸またはこれらの酸無水物;2−アクリロオキシエチルヒドロゲンフタレート;2−アクリロオキシプロピルヒドロゲンフタレート;及び2−アクリロオキシプロピルヘキサヒドロゲンフタレートからなる群より選択される1種以上である請求項4に記載のカラーフィルター用感光性樹脂組成物。
【請求項6】
前記エチレン系酸性基を有しない単量体は、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、ラウリルアクリレート、アルキルアクリレート、ステアリンアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート、トリメトキシブチルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルシンナミックアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−アクリルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート及びこれらのメタクリレート類;ハロゲン化合物を含むアクリレート及びこれらのメタクリレート類;及びシロキサン基を含むアクリレート及びこれらのメタクリレート類からなる群より選択される1種以上である請求項4に記載のカラーフィルター用感光性樹脂組成物。
【請求項7】
前記ロ)少なくとも2つ以上のエチレン系二重結合を有する架橋性モノマーは、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート誘導体、トリメチルプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールポリアクリレート、及びこれらのメタクリレート類からなる群より選択される1種以上である請求項3に記載のカラーフィルター用感光性樹脂組成物。
【請求項8】
前記ハ)顔料は、有機顔料または無機顔料である請求項3に記載のカラーフィルター用感光性樹脂組成物。
【請求項9】
前記ニ)光重合開始剤は、トリアジン系化合物、アセトフェノン系化合物、キサントン系化合物、ベンゾイン系化合物及びイミダゾール系化合物からなる群より選択される1種以上である請求項3に記載のカラーフィルター用感光性樹脂組成物。
【請求項10】
前記ヘ)溶剤は、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、シクロヘキサノン、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、及び3−エトキシプロピオン酸エチルからなる群より選択される1種以上である請求項3に記載のカラーフィルター用感光性組成物。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1つに記載のカラーフィルター用感光性樹脂組成物を基板に塗布する工程を含むことを特徴とする液晶ディスプレイカラーフィルターの製造方法。



【公開番号】特開2006−163415(P2006−163415A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−352942(P2005−352942)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(502081871)ドンジン セミケム カンパニー リミテッド (62)
【Fターム(参考)】