説明

カードコネクタ

【課題】カードが正規でない向き(縦長向き)に挿入(誤挿入)されたり、又は規定寸法より狭い幅のカードが挿入(誤挿入)されたりしたとき、挿入されるカードの厚さや傾き、又はカードに加えられる外力等に影響されることなく、カードコネクタ内へのカードの進入を確実に阻止することができるように、カードの誤挿入防止機構を工夫すること。
【解決手段】カード挿入空間、及びカードのソケットと結合する端子を有するハウジング3と、該ハウジング3に固定されたシェル部材4と、カード挿入口2に誤挿入されたカードの進入を阻止するカード誤挿入防止手段を備えて成るカードコネクタ1において、
上記カード誤挿入防止手段は、カードが誤挿入されたとき、その進入を阻止する第1の進入阻止手段と、
上記第1の進入阻止手段で誤挿入されたカードの進入を阻止できなかったとき、そのカードの進入を阻止する第2の進入阻止手段を備えているカードコネクタ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICカード、磁気カード等のメモリカード(以下、カードという)用のコネクタに関し、さらに詳述すれば、カードの誤挿入防止機構を備えるカードコネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
カードコネクタは、その内部に複数のピン状の端子(コンタクト群)を有し、カード挿入口より挿入されたカードをこれらの端子に電気的に結合させることによって、該カードに対して情報の書き込み又は読み出しを行うものである。
このようなカードは縦横の長さを異にしており、カード挿入口でのカード挿入方向を縦方向とした場合、カードの横長向きでの挿入が正規の向きとなっている。
しかしながら、カードは正規の向きとは異なる縦長向きでも、カード挿入口よりカードコネクタの内部へ挿入することが可能であり、このような縦長向きでのカードの挿入(誤挿入)では、カードのソケットとカードコネクタのピン状の端子とが正しい位置関係に成らず、カードの壁部がピン状の端子に当接して該端子を変形又は損傷させることがある。
このような端子の変形や損傷が発生すれば、カードが正規の横長向きで挿入(正規挿入)されたとき、カードのソケットとピン状の端子との正しい結合が阻害され、カードに対する情報の書き込み又は読み出しが不可能となる。このため、カード誤挿入防止機構はカードコネクタにおいて必要不可欠なものである。
【0003】
このようなカード誤挿入防止機構を有するカードコネクタとしては、特開2002−216905号公報(カードコネクタの誤挿入防止装置)、及び特開2004−62500号公報(カードソケット)に記載されているものが既に提案されている。
上記特開2002−216905号公報(特許文献1)に記載されたカードコネクタ50は、図15に示されているように、基板60上に固定されたコネクタ本体51を有し、このコネクタ本体51には、横長向きのカード63の両側端部を支持する左右の挿入溝52,52が形成されている。この左右の挿入溝52,52を結ぶ平面はカード63の正規挿入平面を構成する。この挿入溝52,52の奥部に位置する奥部壁53には、コンタクト群54が支持されている。上記コネクタ本体51の下面(基板60側の面)は、挿入溝52,52の部分を除いて開放されており、その上面には切欠55が形成されている。
上記コネクタ本体51上には、基板60上に固定された板ばね材料からなるカバー部材56が被せられている。このカバー部材56には、切欠55からコネクタ本体51内に入り込む誤挿入防止ばね57と遊び取りばね58が、切り起こし片として形成されている。この誤挿入防止ばね57と遊び取りばね58は、それぞれの先端部がコネクタ本体51の挿入溝52,52によって規定されるカード挿入平面内に突出している。
【0004】
上記特許文献1に記載されたカードコネクタ50に対して、カード63を正規の横長向きの状態(図15(a)に鎖線で示した状態)でコネクタ本体51の左右の挿入溝52,52にその両側端部を挿入すると、カード63は正しくカード挿入平面内を移動するため、該カード挿入平面内に先端部が突出している誤挿入防止ばね57と遊び取りばね58は、該カード63により押されて弾性変形する。即ち、正規の横長向きのカード63は、正しく挿入溝52,52に挿入することができ、そのコンタクト挿入穴にコンタクト群54が正しく挿入され、電気的な導通がなされる。
これに対して、カード63を縦長向きの状態(図15(a)に実線で示した状態)でコネクタ本体51に挿入すると、この縦長向きのカード63は挿入溝52,52のいずれか一方に係合させることはできても、両方に同時に係合することができない。このため、挿入溝52,52の間の誤挿入防止ばね57が必ずカード63の上面に当接して、正しいカード挿入平面からカード63を変位させ(カード挿入平面内への進入を許さず)、カード63がコンタクト群54に到達するのを阻止することにより、コンタクト群54の破損を防止することができる(図15(b)を参照)。
なお、図15(a)における符号59は、軸61を中心に回動してカードを排出するシーソーレバーであり、符号62は該シーソーレバー59を回動させるイジェクトレバーである。
【0005】
また、上記特開2004−62500号公報(特許文献2)に記載されたカードソケット(カードコネクタ)は、図16に示されているように、ハウジング本体80とカバー88とから成るハウジング90を備え、該ハウジング本体80は底面部81と側面部82,83と背面部84とを有する。該底面部81は矩形の板状であり、誤挿入防止部材挿通孔81bと複数のコンタクト挿通孔85とを有する。該誤挿入防止部材挿通孔81bは底面部81の前部に形成され、一対のばね部挿通部81cとストッパー部挿通部81dとを有している。この一対のばね部挿通部81cはそれぞれキー82a,83aの分断された部分に形成され、側面部82,83の長さ方向へ延びている。ストッパー部挿通部81dは側面部82,83の長さ方向に直交する方向へ延び、上記一対のばね部挿通部81cに連結されている。
【0006】
カード誤挿入防止部材70は、一対の固定部71と一対のばね部72と1つの幅方向ストッパ部73とを有している。この一対の固定部71は上記側面部82,83のキー82a,83aの前端部に固定され、一対のばね部72はそれぞれ固定部71に連結され、側面部82,83の長さ方向へ延び、ばね部挿通部81cの上方に位置している。幅方向ストッパ部73は側面部82,83の長さ方向と直交する方向へ延び、一対のばね部72に連結されている。幅方向ストッパ部73はばね部72が弾性変形していないとき、ストッパ部挿通部81dの上方に位置している。
【0007】
上記特許文献2に記載されたカードソケットに対して、所定サイズの幅を有するカード65をカード挿入口75aに挿入すると、一対のばね部72がカード65の両側部にある段差面67によって下方へ押圧され、所定量弾性変形する。これにより、ばね部72はカード軌道75cから押し出されて切欠き66内に入る。これに伴って、幅方向ストッパ部73もカード軌道75cから押し出されてストッパ部挿通部81d内に入る(図16(b)を参照)。このため、幅方向ストッパ部73は、カード65に接触せずにカード65の進入を阻止することなく、カード65はカード収容空間75bの奥まで挿入される。
一方、所定サイズに達しない幅の狭いカードをカード挿入口75aに挿入すると、ばね部72はカードに接触しないので、該ばね部72は弾性変形せずにカード軌道75c上に留まり、幅方向ストッパ部73もカード軌道75c上に留まる。このために、このようなカードをカード収容空間75bの奥の方へ挿入しようとすると、幅方向ストッパ部73はカードの先端面に接触し、それ以上のカードの進入を阻止するので、所定サイズに達しない幅の狭いカードの誤挿入を防止することができる。
なお、図16(a)における符号87は、背面部84に固定されているコンタクトである。
【0008】
【特許文献1】特開2002−216905号公報
【特許文献2】特開2004−62500号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1に記載されたカードコネクタ50のカード誤挿入防止機構(図15を参照)は、縦長向きで挿入(誤挿入)されたカード63については、板ばね57により下向きに押圧することでコネクタ本体51の壁に当接させて、それ以上のカードの進入を阻止するものである。
しかしながら、カード挿入口から挿入されたカードの厚みが薄い場合は、カードの進入を阻止する部材との干渉範囲が狭くなり、またカードが斜めに挿入されたり、カードに対して外力が加えられた場合は、カードが正規の挿入平面内を移動することもあり、カードの進入を止める部材をすり抜けて、カードの誤挿入を阻止することができない場合がある。
【0010】
また、上記特許文献2に記載されたカードコネクタのカード誤挿入防止機構(図16を参照)は、所定サイズに達しない幅の狭いカードをカード挿入口75aに挿入すると、ばね部72は弾性変形せずにカード軌道75c上に留まると共に、幅方向ストッパ部73もカード軌道75c上に留まることにより、このような幅の狭いカードの挿入を阻止するものである。
しかしながら、この特許文献2に記載されたカードコネクタにおいても、上記特許文献1のものと同様な現象が生じて、カードの誤挿入を阻止できない場合がある。
【0011】
そこで、本発明が解決しようとする技術課題は、上記従来技術の問題点を解決するために、カードが正規でない向き(縦長向き)に挿入(誤挿入)されたり、又は規定寸法より狭い幅のカードが挿入(誤挿入)されたりしたとき、挿入されるカードの厚さや傾き、又はカードに加えられる外力等に影響されることなく、カードコネクタ内へのカードの進入を確実に阻止することができるように、カードの誤挿入防止機構を工夫することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、カード挿入口に誤挿入(縦長向きで挿入)されたカードの進入を阻止する進入阻止手段を備えて成るカードコネクタにおいて、該進入阻止手段を2段階に構成することにより、誤挿入されたカードの進入を確実に阻止することを基本とするものである。
【0013】
(1) 本発明に係るカードコネクタは、カード挿入空間、及びカードのソケットと結合する端子を有するハウジングと、該ハウジングに固定されたシェル部材と、カード挿入口に誤挿入されたカードの進入を阻止するカード誤挿入防止手段を備えて成るカードコネクタを前提として、
上記カード誤挿入防止手段は、第1の進入阻止手段と第2の進入阻止手段を備えており、
上記第1の進入阻止手段は、上記シェル部材に設けられ、挿入されたカードにより該カードの厚さ方向に弾性変形可能なアームから成り、
上記第2の進入阻止手段は、上記シェル部材に設けられ、挿入されるカードの厚さ方向に弾性変形可能な舌状突片と、
上記シェル部材に対してカードの挿入方向に摺動自在に支持され、挿入されたカードを保持すると共に、上記舌状突片によりカードの挿入方向への移動がロックされるイジェクトプレートと、
上記イジェクトプレートに対して揺動可能で、かつ、カードの挿入方向に摺動可能に支持されており、カードの挿入方向への移動により上記舌状突片によるイジェクトプレートのロックを解除するスイングプレートとから成り、
カードがカード挿入口に誤挿入されたとき、上記第1の進入阻止手段がカードの進入を阻止し、該第1の進入阻止手段でカードの進入が阻止できなかったとき、上記第2の進入阻止手段がカードの進入を阻止するものである。
【0014】
このような構成によれば、カードがカード挿入口に誤挿入(縦長向きで挿入)されると、シェル部材のアームがカードの厚さ方向に変形されないので、挿入されたカードは該アーム(第1の進入阻止手段)に衝突してその進入が阻止される。
何らかの理由により、誤挿入されたカードが上記シェル部材のアームをすり抜けて更に進入すると、該カードはスイングプレートを揺動させるが、上記シェル部材の舌状突片によるイジェクトプレートのロックは継続されたままであり、該イジェクトプレートを移動することができない。
このように、上記シェル部材のアーム(第1の進入阻止手段)をすり抜けたカードは、上記シェル部材の舌状突片、イジェクトプレート、及びスイングプレート(第2の進入阻止手段)の働きによって、確実にその進入が阻止される。
【0015】
また、カードがカード挿入口に正規に挿入(横長向きで挿入)されると、上記シェル部材のアーム(第1の進入阻止手段)は、挿入されたカードによってその厚さ方向に変形されてカードの進入通路から待避するので、該挿入されたカードはアームに衝突することなく進入することができる。
このようにして、第1の進入阻止手段を通過したカードは、上記スイングプレートをカードの挿入方向へ摺動させて、上記シェル部材の舌状突片によるイジェクトプレートのロックを解除するので、該イジェクトプレートはカードの挿入方向に移動することが可能となる。これにより、正規に挿入されたカードは、該イジェクトプレートに保持された状態で更に奥へ進入して、カードのソケットをカードコネクタの端子へ正確に結合することができる。
【0016】
(2) 上記シェル部材の舌状突片は突部と係止片を備え、
上記イジェクトプレートは、上記舌状突片の係止片に当接することにより該イジェクトプレートの移動をロックする係合突部と、挿入されたカードを保持する一対のロック片と、一対のばね片と、一対の孔を備え、
上記スイングプレートは、上記イジェクトプレートの一対のばね片に係合する係合片と、上記イジェクトプレートの一対の孔に挿通される一対の脚部と、該一対の脚部の先端に形成され上記イジェクトプレートの一対のロック片と対峙する一対の当接片と、上記シェル部材の舌状突片の突部に接触して該舌状突片を弾性変形させ、イジェクトプレートのロックを解除する中央片とを備えることができる。
【0017】
このような構成によれば、誤挿入されたカードが何らかの理由により、上記第1の進入阻止手段(シェル部材のアーム)をすり抜けて更に進入すると、該カードはスイングプレートの一対の当接片の一方にのみ当接するか、又はどちらにも当接しないことになる。該当接片の一方にのみ当接する場合は、該スイングプレートは揺動するため、カード挿入方向へ移動することはない。また、どちらの当接片にも当接しない場合にも、該スイングプレートをカード挿入方向へ移動させることはない。いずれの場合でも、スイングプレートはカード挿入方向へ移動しないので、その中央片が上記シェル部材における舌状突片の突部を押すことは無く、該舌状突片を変形させることができないので、該舌状突片によるイジェクトプレートのロックを解除することは不可能である。
したがって、誤挿入されたカードは、上記イジェクトプレートのロック片を押して更に進入しようとするが、上記イジェクトプレートはロックされたままの状態にあるので、カードのこれ以上の進入を阻止することができる。
【0018】
また、正規に挿入されたカードが、上記第1の進入阻止手段(シェル部材のアーム)を通過すると、カードはスイングプレートの一対の当接片に同時に当接して、該スイングプレートをカードの挿入方向へ移動させる。そうすると、該スイングプレートの中央片が上記シェル部材における舌状突片の突部を押すことにより、該舌状突片を弾性変形させることができるので、該舌状突片によるイジェクトプレートのロックを解除することができる。
したがって、正規に挿入されたカードは、上記スイングプレートの一対の当接片を介してイジェクトプレートのロック片を押すことによって、該スイングプレートやイジェクトプレートと共に更に奥へ進入することができ、カードのソケットをカードコネクタの端子に正確に結合することができる。
【0019】
(3) また、上記シェル部材は、上記イジェクトプレートをカードの挿入方向に案内するガイド溝を備えることができる。
この構成によれば、シェル部材に対してイジェクトプレートをカードの挿入方向に案内する機構を簡単な構成にすることができ、全体を薄型で小型化することができる。
【0020】
(4) また、上記シェル部材のアームが、該シェル部材と一体に形成されたチャンネル形状であってもよい。
この構成によれば、アームがシェル部材と一体に形成されているので、部品点数や組立工程数を少なくすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、カード挿入口に誤挿入(縦長向きで挿入)されたカードの進入を阻止するカード誤挿入防止手段が、第1の進入阻止手段と第2の進入阻止手段から構成されているため、何らかの理由により、第1の進入阻止手段により誤挿入されたカードの進入を阻止できなかった場合でも、第2の進入阻止手段により、そのカードの進入を確実に阻止することが可能である。
また、厚さの薄いカードが誤挿入された場合や、カードがカード挿入口に斜めに誤挿入された場合でも、第1の進入阻止手段又は第2の進入阻止手段によって、そのカードの進入を確実に阻止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、本発明の実施の形態について、図1〜図14を参照しながら説明する。
この実施の形態の説明において、便宜上、図1の組立斜視図や図2の分解斜視図に示された各部材における上側及び下側を「表側」及び「裏側」と呼び、手前及び奥を「前」及び「後」と呼び、また右及び左をそのまま「右」及び「左」と呼ぶこととする。
【0023】
〔カードコネクタの概要〕
カードコネクタ1の概要について、図1〜図4を参照しながら説明する。図1はカードコネクタの表側から見た組立斜視図であり、図2はその分解斜視図である。また、図3は裏側から見た組立斜視図であり、図4は裏側から見た平面図とその断面図である。
このカードコネクタ1は、薄いカードと厚いカード(例えば、CFA規格に準拠するCFカードタイプI(薄いカード)とCFカードタイプII(厚いカード))の双方に対応することができるものであり、後方部にピン状の端子28を有し基部Bに固定されるハウジング3と、このハウジング3に固定されたシェル部材4と、このシェル部材4に対して前後方向へ(カードの挿入排出方向へ)摺動可能なイジェクトプレート5と、このイジェクトプレート5に対して揺動と前後方向への摺動が可能なスイングプレート6と、カードを排出するイジェクトレバー7と、このイジェクトレバー7を操作する操作ロッド8とを備えて成る。
このカードコネクタ1において、カードが正規の横長向きでカード挿入口2へ挿入(正規挿入)されると、このカードはカードコネクタ1の後方の奥部まで進入することができ、該カードに設けられたソケットをピン状の端子28へ結合することができる。
一方、カードが縦長向きでカード挿入口2へ挿入(誤挿入)されると、このカードがカードコネクタ1の後方の奥部まで進入しないように途中で阻止することにより、該カードによるピン状の端子28の損傷を防止するものである。
【0024】
〔カードコネクタの構成〕
先ず、カードコネクタ1の構成を説明するために、このカードコネクタ1を構成するハウジング3、シェル部材4、イジェクトプレート5、スイングプレート6、及びイジェクト機構についてそれぞれ説明し、次に、これらを組み立てたカードコネクタ全体について説明する。
【0025】
(ハウジング3の構成)
ハウジング3の構成について、図1、図2及び図4を参照しながら説明する。
このハウジング3は、図示されているように、略「コ」の字形状であって左右両側の側面部材31,32と後方側の背面部材33から構成されており、該背面部材33には多数のピン状の端子28が取り付けられている。上記各側面部材31,32の内側は、カードの横長向きの幅寸法(カードの長辺)より僅かに広い間隔を有しており、カードが横長向きに挿入(正規挿入)されたとき、該カードの前後方向の移動を案内するようにカード挿入空間を形成している。このハウジング3が基部B上に固定され、その表側にシェル部材4が固定されると、各側面部材31,32の間にカード挿入口2が形成されることになる。
【0026】
(シェル部材4の構成)
次に、シェル部材4の構成について、図1〜図5を参照しながら説明する。図5はシェル部材の平面図とその断面図である。
シェル部材4は、図示されているように、左右両側部が垂直に折り曲げられて側壁9a,9bが形成された略長方形の基板9と、この基板9の左右両側付近の前縁から延出する平面視略チャンネル形のアーム10と、該基板9の左右両側付近の後縁より起立する一対のストッパ片11,11と、該基板9の中央部に縦長に穿孔した前方ガイド溝12a及び後方ガイド溝12b(イジェクトプレート5を案内するガイド溝)と、該前方ガイド溝12aに沿って舌状に延出し、且つ突部13a及び係止片13bを有する舌状突片14を備えて成る。
上記アーム10は、一対の縦片15,15とその先端の横片16とから成り、該一対の縦片15,15と横片16を連結する一対の結合部17,17を有する。この一対の縦片15,15の間隔は、図8〜図10及び図12に示すように、カード18が横長向きで挿入(正規挿入)されたとき、一対の縦片15,15を同時に押し上げることができるように、また、該一対の縦片15,15の内側縁の間隔はカード18の縦長向きの幅寸法(カードの短辺)より若干広く構成されている。また、上記前方ガイド溝12a及び後方ガイド溝12bの両側縁には、それぞれ凹部12a’,12b’が形成されている。
【0027】
(イジェクトプレート5の構成)
次に、イジェクトプレート5の構成について、図2〜図4及び図6を参照しながら説明する。図6はイジェクトプレートの平面図とその断面図である。
このイジェクトプレート5は、図示されているように、略長方形状の板部材から成り、後縁の左右両側近傍から起立する一対のロック片19,19と、左右方向の中央部において後縁に形成され段差部を有するガイド舌片20と、同じく中央部の中程に切り起こし片により形成された係合突部22と、同じく中央部の前方側に切り起こし片により形成された一対のガイド突片27,27と、前後方向の中央部の左右両側近傍に形成された矩形の一対の孔21,21と、前縁部において左右両側部から中央へ伸びる一対の片持ちばね片23,23を備えて成る。
上記一対のロック片19,19の内側縁の間隔は、カード18の縦長向きの幅寸法(カードの短辺)より狭くされている。また、上記ガイド舌片20は、上記シェル部材4の基板9の表側面に沿って移動する一対の側縁部20a,20aを有しており、該基板9の後方ガイド溝12bにより案内される。上記一対のガイド突片27,27は、同じくシェル部材4の基板9の表側面に沿って移動するそれぞれの折曲げ部27a,27aを有しており、該基板9の前方ガイド溝12aに案内される。そして、上記係合突部22は、上記シェル部材4における舌状突片14の係止片13bに当接して、イジェクトプレート5の後方への移動を阻止するものである。
【0028】
(スイングプレート6の構成)
次に、スイングプレート6の構成について、図2〜図4及び図7を参照しながら説明する。図7はスイングプレートの平面図とその断面図である。
このスイングプレート6は、図示されているように、左右両側に一対の脚部29,29を有する略ゲート型の板部材から成り、該左右両側の一対の脚部29,29の後縁を垂直に折り曲げた当接片24,24と、この一対の脚部29,29に形成された段差部29a,29aと、上記ゲート型の板部材における左右方向の中央部において前縁に形成された係合片25と、同じく中央部の後縁に形成された中央片26を備えて成る。
上記一対の脚部29,29の後縁に形成された各当接片24,24の間隔は、カード18が横長向きで挿入(正規挿入)されたとき一対の当接片24,24に同時に当接して、これらを後方(カード挿入方向)へ移動し得るように、また、該一対の当接片24,24の内側縁の間隔は、カード18の縦長向きの幅寸法(カードの短辺)より若干広く構成されている。
そして、上記一対の脚部29,29は、イジェクトプレート5の一対の孔21,21に挿通され、上記係合片25は、同じくイジェクトプレート5の一対の片持ちばね片23,23に係合され、上記中央片26は、同じくイジェクトプレート5の一対のガイド突片27,27により案内されるものである。
【0029】
(イジェクト機構)
次に、イジェクト機構の構成について、図1〜図4を参照しながら説明する。
このイジェクト機構は、図示されているように、シェル部材4の基板9上に枢支されたイジェクトレバー7と、同じくシェル部材4の側壁9aに前後方向に摺動可能に取り付けられた操作ロッド8から成る。
上記イジェクトレバー7の一端(右側端)は、イジェクトプレート5のガイド舌片20に当接され、その他端(左側端)は上記操作ロッド8の端部に係合されており、該操作ロッド8を後方へ操作することによってイジェクトレバー7が回動され、該イジェクトプレート5を前方(カード排出方向)へ移動することができる。
【0030】
(各部材間相互の関係について)
次に、上記ハウジング3、シェル部材4、イジェクトプレート5、及びスイングプレート6の相互の関係について説明する。
【0031】
〈イジェクトプレート5とスイングプレート6との関係〉
先ず、イジェクトプレート5とスイングプレート6との関係について、図2〜図4、図6、図7、図13及び図14を参照しながら説明する。
スイングプレート6の一対の脚部29,29は、イジェクトプレート5の一対の孔21,21に対して表側から裏側へ挿通され、該一対の脚部29,29の各段差部29a,29aから先は該イジェクトプレート5の裏側に突出する。また、スイングプレート6の係合片25は、イジェクトプレート5の一対の片持ちばね片23,23の中央部に係合される。このとき、一対の脚部29,29の当接片24,24は、イジェクトプレート5の一対のロック片19,19の前方に若干の間隔を空けて対峙する。そして、スイングプレート6の中央片26は、イジェクトプレート5の一対のガイド突片27,27の間に位置し、若干の遊びを持って案内される。
【0032】
このようにイジェクトプレート5に対してスイングプレート6を組み込んだ「イジェクトプレート組立体I」において、スイングプレート6の一対の当接片24,24に対して同時に後方への力が加わると、上記一対の片持ちばね片23,23が撓み、該スイングプレート6はイジェクトプレート5に対して後方(カード挿入方向)へ平行移動する(図14)。一方、上記一対の当接片24,24の片方のみに対して後方への力が加わると、該スイングプレート6はイジェクトプレート5に対して揺動することになる(図13(a))。
【0033】
〈イジェクトプレート組立体Iとシェル部材4との関係〉
次に、イジェクトプレート5に対してスイングプレート6を組み込んだ「イジェクトプレート組立体I」と、シェル部材4との関係について、図1〜図7を参照しながら説明する。
上記イジェクトプレート組立体Iにおけるイジェクトプレート5の一対のガイド突片27,27とガイド舌片20は、シェル部材4の前方ガイド溝12aと後方ガイド溝12bに嵌め込まれて、該イジェクトプレート組立体Iがシェル部材4の裏側面を前後方向に平行移動するように組み立てられる。
このように上記シェル部材4にイジェクトプレート組立体Iを組み込む場合、イジェクトプレート5の一対のガイド突片27,27の各折曲げ部27a,27aと、該ガイド舌片20の各側縁部20a,20aは、該シェル部材4の前方ガイド溝12aと後方ガイド溝12bの各々の凹部12a’,12a’,12b’,12b’を通り抜けて、シェル部材4の基板9の表側表面上に位置される。
【0034】
このようにして、上記シェル部材4にイジェクトプレート組立体Iを組み込んだ「シェル部材組立体II」において、該イジェクトプレート組立体Iのスイングプレート6の大部分(一対の脚部29,29を除く部分)は、イジェクトプレート5とシェル部材4に挟持された状態になるが、このスイングプレート6は、イジェクトプレート5とシェル部材4との間において所定の範囲での移動や揺動ができるようになっている。そして、該スイングプレート6の中央片26は、イジェクトプレート5の一対のガイド突片27,27の間において、該イジェクトプレート5とシェル部材4の舌状突片14との間に挟持される。
【0035】
〈シェル部材組立体IIとハウジング3との関係〉
次に、上記シェル部材4にイジェクトプレート組立体Iを組み込んだ「シェル部材組立体II」と、ハウジング3との関係について、図1〜図4を参照しながら説明する。
上記ハウジング3の表側に対して、上記シェル部材組立体IIを取り付けることによってカードコネクタが構成される。このシェル部材組立体IIのハウジング3への取付は、例えば、ハウジング3の左右一対の側面部材31,32に対して、シェル部材組立体IIにおけるシェル部材4の左右両側の側壁9a,9bを固定することにより行うことができる。
【0036】
〔コードコネクタの動作〕
以下、上記のように構成されたコードコネクタ1に関する動作について、図1〜図14を参照しながら説明する。
(カードが挿入される前の状態)
コードコネクタ1にカード18が挿入される前の状態では、コードコネクタ1を構成するシェル部材4、イジェクトプレート5、スイングプレート6、イジェクトレバー7、及び操作ロッド8は、図3及び図4に示すような位置関係にある。
即ち、イジェクトプレート5に対するスイングプレート6の位置は、該イジェクトプレート5の一対の片持ちばね片23,23が開放された状態によって定まる位置となる。このとき、スイングプレート6の一対の当接片24,24は、イジェクトプレート5の一対のロック片19,19の前方において、該ロック片19,19に対して所定の間隔を空けて対峙している。
【0037】
また、シェル部材4に対するイジェクトプレート5とスイングプレート6(イジェクトプレート組立体I)の位置は、該イジェクトプレート5の係合突部22がシェル部材4における舌状突片14上の係止片13bの前方側に位置するようにされ、該スイングプレート6の中央片26は該舌状突片14上の突部13aと干渉しない前方側に位置するので、該イジェクトプレート5は、舌状突片14上の係止片13bによってシェル部材4にロックされた状態(後方へ移動できない状態)にある。(図3及び図4を参照)
このとき、シェル部材4におけるアーム10の横片16の前縁は、スイングプレート6の一対の当接片24,24より前方側に位置し、また、イジェクトプレート5の一対のロック片19,19、及びシェル部材4におけるアーム10の横片16は、ハウジング3に設けられたピン状の端子28の先端より少し前方側に位置するように成っている。
【0038】
(カードが縦長向きで挿入される場合)
次に、コードコネクタ1のカード挿入口2にカード18が縦長向きで挿入(誤挿入)される場合の動作について、図8、図9、図11〜図13を参照しながら説明する。
このようにカード18が縦長向きで挿入される場合でも、該カード18がカード挿入口2の間口の中心部に挿入される場合(図8及び図12(a))と、間口の中心部からどちらかに片寄って挿入される場合(図12(b))があるので、これらを場合分けして説明する。
【0039】
〈カード挿入口の中心部に挿入される場合〉
先ず、カード18が縦長向きでカード挿入口2の間口の中心部に挿入される場合(誤挿入の一例)について、図8、図11(a)及び図12(a)を参照しながら説明する。
この場合のカード18の幅寸法(カードの短辺)は、シェル部材4のアーム10における一対の縦片15,15の内側縁の間隔より狭いため、カード18がカード挿入口2の中心部に挿入されると、アーム10の一対の縦片15,15は全く変形されることなく挿入されるが、しかし、カード18が途中まで挿入されたところで、その先端角部がアーム10(第1の進入阻止手段)の一対の結合部17,17に当接して、それ以上のカードの進入が阻止される(図8)。これにより、カード18の先端とハウジング3の背面部材33に設けられたピン状の端子28との衝突が回避される。
かくして、使用者はカード18の誤挿入に気付き、正規の横長向きにしてカード18の再挿入をすることになる。
【0040】
〈カード挿入口の中心部から片寄って挿入される場合〉
次に、カード18が縦長向きでカード挿入口2の間口の中心部からどちらかに片寄って挿入される場合(誤挿入の別の例)について、図12(b)を参照しながら説明する。
この場合もカード18の幅寸法(カードの短辺)は、シェル部材4のアーム10における一対の縦片15,15の内側縁の間隔より狭いため、カード18がカード挿入口2の中心部から一方側に片寄って挿入されると、アーム10の一方側の縦片15のみがカード18の厚み側(表側)に変形され、他方側の縦片15は変形されないので、該アーム10(第1の進入阻止手段)の横片16は捩れて他方側(変形されない側)でカード18の先端角部が当接して、それ以上のカードの進入が阻止される。これにより、カード18の先端とハウジング3の背面部材33に設けられたピン状の端子28との衝突が回避される。
かくして、使用者はカード18の誤挿入に気付き、正規の横長向きにしてカードの再挿入をすることになる。
【0041】
〈誤挿入されたカードがアーム10により阻止できない場合〉
カード挿入口2へ縦長向きで挿入(誤挿入)されたカード18が、アーム10(第1の進入阻止手段)の動作により阻止できなかった場合について、図9及び図13を参照しながら説明する。
カード18がカード挿入口2に縦長向きで挿入(誤挿入)された場合、通常であれば上述したとおり、アーム10の結合部17や横片16によって誤挿入されたカード18の進入を阻止することができるが、しかし、何らかの原因により誤挿入されたカード18の進入を阻止することができない場合も発生する。阻止することができない主な原因としては、例えば次のようなことが考えられる。
【0042】
このカードコネクタ1は、図14(b),(c)に示すように、厚さの異なる2種類のカード18a,18b(例えば、薄いカード18aはCFカードタイプI、厚いカード18bはCFカードタイプII)に対応するものであるが、このうち特に、薄いカード18aでは、アーム10の結合部17や横片16と干渉する範囲が狭いため、誤挿入されたカード18が該結合部17や横片16に衝突することなく、これをすり抜けて更に後方(カードの挿入方向)へ進入することが考えられる。
また、カード18が縦長向きでやや斜めにカード挿入口2より挿入された場合、カードの左右両側縁がアーム10の一対の縦片15,15の両方を撓ませたり、カード18に対して加えられた外力により該一対の縦片15,15を撓ませる可能性もあり、誤挿入されたカード18がアーム10の結合部17や横片16に衝突することなく、更に後方へ進入することが考えられる。
【0043】
このように誤挿入されたカード18の進入をアーム10(第1の進入阻止手段)により阻止できない場合には、該カード18の先端部はスイングプレート6の一対の当接片24,24のどちらか一方に当接するか(図9、図13(a))、又はどちらの当接片24,24にも当接しないことになる。
カードの先端部がどちらか一方の当接片24に当接した場合は、図13に示されているように、スイングプレート6は係合片25の辺りを中心として揺動し、該一方の当接片24がイジェクトプレート5のロック片19に当接するが(図13(a))、該スイングプレート6全体が後方(カード挿入方向)へ移動することは無く、シェル部材4の舌状突片14を変形させることが無いため、イジェクトプレート5の係合突部22の後方への移動を拘束している該舌状突片14の係止片13bによるロックが解除されることはない(図13(b)(c))。このように、イジェクトプレート5はその位置に拘束されたままの状態であるから、誤挿入されたカード18は拘束されているイジェクトプレート5のロック片19により、それ以上の進入は阻止される。
【0044】
また、カード18の先端部がどちらの当接片24,24にも当接しない場合には、該カード18の先端部はイジェクトプレート5の一対のロック片19,19に衝突するが、このイジェクトプレート5は、上述のとおりその位置で拘束されているため、誤挿入されたカード18のそれ以上の進入は阻止される。
以上のように、何らかの理由でアーム10の結合部17や横片16(第1の進入阻止手段)によって、誤挿入されたカード18の進入を阻止することができない場合が発生しても、イジェクトプレート5やスイングプレート6等(第2の進入阻止手段)の作用によって、確実にその進入を阻止することができる。
【0045】
(カードが横長向きで挿入される場合)
次に、コードコネクタ1のカード挿入口2にカード18が横長向きで挿入(正規挿入)される場合の動作について、図10、図11(b)、図12(c)及び図14を参照しながら説明する。
この場合のカード18の幅寸法(カードの長辺)は、シェル部材4のアーム10における一対の縦片15,15の外側縁の間隔と略同等であるため、カード18がカード挿入口2から挿入されると、該アーム10の一対の縦片15,15を基板9側(表側)へ撓ませて、該アーム10の一対の結合部17,17や横片16をカード移動通路から待避させるので、挿入されたカードは衝突すること無く、さらに後方(カード挿入方向)へ進入することができる。(図10、図12(c)を参照)
そうすると、カード18の先端部はスイングプレート6の一対の当接片24,24に当接してこれを同時に後方へ押すので、該スイングプレート6全体が後方に移動されて、該一対の当接片24,24はイジェクトプレート5の一対のロック片19,19に当接する。(図14(b)(c)を参照)
【0046】
このとき、スイングプレート6の中央片26は、シェル部材4の舌状突片14とイジェクトプレート5に挟持された状態で後方(カード挿入方向)へ移動するため、該舌状突片14の突部13aを押して該舌状突片14を押し上げる(表側方向へ撓ませる)ことになる。これにより、該舌状突片14の係止片13bによるイジェクトプレート5の係合突部22のロックが解除される。(図14(b)〜(d)を参照)
このような動作により、イジェクトプレート5は後方へ移動することが可能となり、正規に挿入されたカードは該イジェクトプレート5と共に後方へ移動されて、カード18のソケットがハウジング3の背面部材33に設けられたピン状の端子28に正確に結合され、カードの規定の挿入位置へのセットが完了する。(図11(b)を参照)
【0047】
(カードを排出する場合)
次に、カード18をカードコネクタ1から取り出す場合について、図3及び図4を参照しながら説明する。
カード18を取り出す場合には、ロッド8を操作してイジェクトレバー7を反時計方向に回動させて、イジェクトプレート5のガイド舌片20を前方(カード排出方向)へ押すことによって行われる。このガイド舌片20を前方へ押せば、イジェクトプレート5はシェル部材4の前方ガイド溝12a及び後方ガイド溝12bに沿って前方へ移動する。これにより、イジェクトプレート5の係合突部22も前方へ移動されるが、このとき、スイングプレート6はイジェクトプレート5に対して後方側に変位された状態にある(図14(b)〜(d)を参照)。即ち、該スイングプレート6の中央片26は、舌状突片14の突部13aを押し上げて係止片13bを係合突部22の移動経路から待避させた状態にある。このため、イジェクトプレート5が前方(カード排出方向)へ移動されるとき、舌状突片14の係止片13bがイジェクトプレート5の係合突部22の移動を妨げることはない。
このようにして、ロッド8を操作することにより、カード18を円滑に取り出すことが可能であり、イジェクトプレート5とスイングプレート6は、シェル部材4に対してカードを挿入する前の初期状態に戻ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態によるカードコネクタの組立斜視図である。
【図2】同じくカードコネクタの分解斜視図である。
【図3】同じくカードコネクタ(ハウジングを除く)を裏側から見た組立斜視図である。
【図4】同じくカードコネクタの説明図であり、(a)は裏側から見た平面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図5】同じくカードコネクタのシェル部材の説明図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B断面図である。
【図6】同じくカードコネクタのイジェクトプレートの説明図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C断面図である。
【図7】同じくカードコネクタのスイングプレートの説明図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のD−D断面図である。
【図8】同じくカードコネクタにおいて、カード挿入口間口の真中位置でのカード誤挿入の場合を説明する平面図である。
【図9】同じくカードコネクタにおいて、カード挿入口間口の一方に片寄った位置でのカード誤挿入の場合を説明する平面図である。
【図10】同じくカードコネクタにおいて、カードの正規挿入の場合を説明する平面図である。
【図11】同じくカードコネクタの第1の進入阻止手段と第2の進入阻止手段の動作説明図であり、(a)はカードを誤挿入した場合、(b)はカードを正規挿入した場合である。
【図12】同じくカードコネクタの第1の進入阻止手段の動作説明図であって、カード挿入口側から見た正面図である。(a)はカード挿入口間口の真中位置でのカード誤挿入の場合、(b)はカード挿入口間口の一方に片寄った位置でのカード誤挿入の場合、(c)はカード挿入口への正規挿入の場合の説明図である。
【図13】同じくカードコネクタに対して、カードが誤挿入された場合の第2の進入阻止手段の動作説明図であり、(a)はイジェクトプレートに対するスイングプレートの状態を示す平面図、(b)はカードコネクタの側断面図、(c)は(b)の要部拡大図である。
【図14】同じくカードコネクタに対して、カードが正規挿入された場合の第2の進入阻止手段の動作説明図であり、(a)はイジェクトプレートに対するスイングプレートの状態を示す平面図、(b)は薄いカードが挿入される場合のカードコネクタの側断面図、(c)は厚いカードが挿入される場合のカードコネクタの側断面図、(d)は(c)の要部拡大図である。
【図15】従来のカードコネクタの説明図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のE−E断面図である。
【図16】別の従来のカードコネクタの説明図であり、(a)はカバーを外した状態の斜視図、(b)は(a)のF−F断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1…カードコネクタ 2…カード挿入口
3…ハウジング 4…シェル部材
5…イジェクトプレート 6…スイングプレート
9…基板 10…アーム(第1の進入阻止手段)
11…ストッパ片 12a…前方ガイド溝
12b…後方ガイド溝 13a…突部
13b…係止片 14…舌状突片
15…縦片 16…横片
17…結合部 18…カード
19…ロック片 20…ガイド舌片
21…孔 22…係合突部
23…片持ちばね片 24…当接片
25…係合片 26…中央片
27…ガイド突片 28…端子(コンタクト群)
29…脚部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード挿入空間、及びカードのソケットと結合する端子を有するハウジングと、該ハウジングに固定されたシェル部材と、カード挿入口に誤挿入されたカードの進入を阻止するカード誤挿入防止手段を備えて成るカードコネクタにおいて、
上記カード誤挿入防止手段は、カードが誤挿入されたとき、その進入を阻止する第1の進入阻止手段と、
上記第1の進入阻止手段で誤挿入されたカードの進入を阻止できなかったとき、そのカードの進入を阻止する第2の進入阻止手段を備えていることを特徴とするカードコネクタ。
【請求項2】
カード挿入空間、及びカードのソケットと結合する端子を有するハウジングと、該ハウジングに固定されたシェル部材と、カード挿入口に誤挿入されたカードの進入を阻止するカード誤挿入防止手段を備えて成るカードコネクタにおいて、
上記カード誤挿入防止手段は、第1の進入阻止手段と第2の進入阻止手段を備えており、
上記第1の進入阻止手段は、上記シェル部材に設けられ、挿入されたカードにより該カードの厚さ方向に弾性変形可能なアームから成り、
上記第2の進入阻止手段は、上記シェル部材に設けられ、挿入されるカードの厚さ方向に弾性変形可能な舌状突片と、
上記シェル部材に対してカードの挿入方向に摺動自在に支持され、挿入されたカードを保持すると共に、上記舌状突片によりカードの挿入方向への移動がロックされるイジェクトプレートと、
上記イジェクトプレートに対して揺動可能で、かつ、カードの挿入方向に摺動可能に支持されており、カードの挿入方向への移動により上記舌状突片によるイジェクトプレートのロックを解除するスイングプレートとから成り、
カードがカード挿入口に誤挿入されたとき、上記第1の進入阻止手段がカードの進入を阻止し、該第1の進入阻止手段でカードの進入が阻止できなかったとき、上記第2の進入阻止手段がカードの進入を阻止することを特徴とするカードコネクタ。
【請求項3】
上記シェル部材の舌状突片は突部と係止片を備え、
上記イジェクトプレートは、上記舌状突片の係止片に当接することにより該イジェクトプレートの移動をロックする係合突部と、挿入されたカードを保持する一対のロック片と、一対のばね片と、一対の孔を備え、
上記スイングプレートは、上記イジェクトプレートの一対のばね片に係合する係合片と、上記イジェクトプレートの一対の孔に挿通される一対の脚部と、該一対の脚部の先端に形成され上記イジェクトプレートの一対のロック片と対峙する一対の当接片と、上記シェル部材の舌状突片の突部に接触して該舌状突片を弾性変形させ、イジェクトプレートのロックを解除する中央片とを備えることを特徴とする請求項2に記載のカードコネクタ。
【請求項4】
上記シェル部材は、上記イジェクトプレートをカードの挿入方向に案内するガイド溝を備えることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のカードコネクタ。
【請求項5】
上記シェル部材のアームが、該シェル部材と一体に形成されたチャンネル形状であることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載のカードコネクタ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−164955(P2006−164955A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−307710(P2005−307710)
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【出願人】(503461641)アベニールエレクトロニクスインターナショナル株式会社 (17)
【Fターム(参考)】