説明

カーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法およびカーボンナノチューブ配線

ナノ複合電極または回路パターンを作製する方法は、バインダーを含浸され、様々な印刷または写真映像技術を使用して、バインダ樹脂をパターン化する連続的なカーボンナノチューブ層を形成することを含む。代替方法は、様々な印刷または撮像技術を使用し、続いてパターン化されたカーボンナノチューブ層にバインダ樹脂の連続的な被覆物を塗布して、カーボンナノチューブ層をパターン化することを含む。パターン化されたナノ複合被覆物から作製された物品は、平面パネルディスプレー、光電池、タッチスクリーン、エレクトロルミネセンスランプおよびEMIシールド用透明電極および回路を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法および上記方法によって作られたカーボンナノチューブ配線を対象とする。
(関連出願の参照)
本発明は、NT混合物という題の米国特許仮出願第60/381809号およびNTベースの被覆物のパターニングという題の米国仮出願第60/381810号(両方とも2002年5月21日に出願された)に基づく優先権を伴う。
【背景技術】
【0002】
大規模の配線回路と同様に半導体ベースの装置を含む現在の電子装置は、半導体基板に形成された金属配線ラインまたは高不純物領域を使用する従来の配線技術に依存する。半導体ベースの装置は、上記半導体基板上に形成され、上記半導体基板の表面上に形成された装置素子を相互に連結させる金属配線層を有する。上記金属層は、それ自体、金属層を分離する絶縁層を貫通する穴を介して、多くの場合相互に連結される。さらに、不純物がドープされる半導体基板の部分は、半導体の表面上に形成された素子内またはこれら素子間の配線ラインとして機能する。
【0003】
現代の写真平版技術を使用して、これらの配線ラインは極めて精細となり、したがって、半導体ベースの装置がコンパクトになるが、そのような配線ラインの製造工程は、被膜の形成、および高真空においてのみ操作可能な操作技術を必要とする。例えば、アルミニウムや銅などの金属は、スパッタリングと蒸発とを含む物理的気相成長技術を使用して、半導体基板上に形成される。ホウ素や燐などの不純物イオンを、イオン注入技術を使用して半導体基板に注入して、基板に導電性部分を形成する。アモルファスシリコン層は、化学気相成長技術によって基板上で形成され、後にアニールすることによりポリシリコンに変えられ、配線層を形成する。上記のように形成された層および被膜の多くは、反応性イオンエッチングなどのエッチング工程によって、あらかじめ定められた配線パターンにパターン化されなければならない。真空レベルは、例えば、10−6torr(スパッタリング)からいくつかのtorr(反応性イオンエッチング)に、上記方法に依存して変化してもよい。真空レベルが何であっても、機器などの設置およびメンテナンスは高価である。更に、上記方法によって形成された配線ラインのすべては、インジウムスズ酸化物(ITO)などの無機電極材料からなるものを例外として、光をあまり伝えない。極めて薄い金属膜は半透明であってもよいが、被膜などの積層は、実際に光を妨げる層の形成をもたらす。透明なITOフィルムは、高いレベルの真空機器に依存して形成されることができるが、その無機的性質により柔軟ではない。更に、インジウムの供給は制限される。
【0004】
より大規模な配線回路は、製造機器の高価な設備またはメンテナンスを要求しない方法を用いて製造される。プリント配線板は、印刷技術と相まって、銅クラッド薄板をエッチングすることにより製造される。プリント板がエポキシ/ガラス積層板に基づく場合、これらのプリント板は硬く、ポリイミド積層板に基づく場合、それは柔軟である。同様の構造は、基板上に導電性ペーストを直接印刷することにより作られる。上記ペーストの導電性成分は、一般的に銀などの金属充填剤である。導電性ペーストは、スクリーン印刷技術等を使用して、基板上に印刷される。配線回路の要求性能が非常に低い場合、上記ペーストはブラシによって塗布されてもよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの製造方法は高価ではないが、これらの方法を利用して、半導体装置などのコンパクトな装置を作ることができない。更に、これらの方法によって作られた配線ラインは、透明ではない。光は、ラミネート構造における銅クラッドおよび基板上に塗布された銀ペーストによって妨げられる。従って、これらの方法によって作られた配線構造は、電界発光ディスプレイ装置および液晶ディスプレイ装置などの透明導電性フィルムの精細なパターニングを要求する装置に適用可能ではない。
【0006】
ITOフィルムにとって代わる透明電極を提供する試みがなされている。代表例は、高分子バインダーでのITO粒子の懸濁液である。しかし、このITOで満たされた系は、連続的ITOフィルムの電気伝導率と一致することができない。更に、透明導電性高分子材料が、現在開発されている。これらのポリマーは、一般的には、ドーパントに導電性特性を与えることを要求し、スクリーン印刷またはインクジェット塗布技術を使用して、基板上に塗布される。それらは、ITOフィルムの電導レベルに達するためには、まだ発展段階にあるが、ドーパントの存在が導電性特性の制御に対して悪影響を有することが予想され、装置の小型化に適合しない可能性がある。
【0007】
カーボンナノチューブからなる被膜は、10Ω/□の低表面抵抗を有すると知られている。「Method for Disentangling Hollow Carbon Microfibers, Electrically Conductive Transparent Carbon Microfibers Aggregation Film and Coating for Forming Such Film」と題する米国特許第5853877号には、そのような導電性カーボンナノチューブ被膜の形成が記載されており、「Processing for Producing Single Wall Nanotubes Using Unsupported Metal Catalysts」と題する米国特許第6221330号では、一般に、上記導電性被膜を形成するために使用されるそのようなカーボンナノチューブの製造が記載されている。しかし、カーボンナノチューブからなる被膜をパターン化する方法に関する技術報告はなかった。
【0008】
カーボンナノチューブを含む被膜などのカーボンナノチューブを含む被覆物は、以前に記載されている(米国特許出願第10/105623号参照、引用することによって本明細書に組み込まれる)。例えば、そのようなフィルムは、10Ω/□の低表面抵抗を有することができ、95%の高いトータル光透過率を有することができる。上記被膜中のカーボンナノチューブの含有量は、50%であってもよい。
【0009】
そのような材料を2段階の方法によって形成することができ、その材料は、高光透過率と同様に低電気抵抗を有するカーボンナノチューブとなることが、驚くべきことに発見された。まず、カーボンナノチューブの希釈水溶液を基板上に吹きつけ、その表面に、固定されたカーボンナノチューブだけを残して水を蒸発する。次いで、固定されたカーボンナノチューブ上に樹脂を塗布し、樹脂は固定されたカーボンナノチューブのネットワークに入り込む。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、現在の金属ベースおよびシリコンベースの配線技術に関連した問題および不利点を克服し、カーボンナノチューブ被膜を利用して配線ラインおよび電極を形成する、新しい配線方法を提供する。
【0011】
本発明の一実施形態は、基板と、上記基板に配置され、カーボンナノチューブを有するパターン化された配線ラインまたは電極とを含むカーボンナノチューブ配線を対象とする。
【0012】
本発明の別の実施形態は、カーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法を対象とする。上記方法は、カーボンナノチューブの溶液を準備すること、溶液を基板に塗布して、基板上に、固定されたカーボンナノチューブの被膜を形成すること、カーボンナノチューブ被膜にバインダーを選択的に含浸すること、および上記基板から、バインダーが含浸されないカーボンナノチューブ被膜の部分を取り除くことを含む。
【0013】
本発明の別の実施形態は、カーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法を対象とする。上記方法は、カーボンナノチューブの溶液を準備すること、溶液を基板に塗布して、基板上に、固定されたカーボンナノチューブの被膜を形成すること、カーボンナノチューブ被膜にフォトレジストを含浸すること、フォトレジストが含浸されたカーボンナノチューブ被膜にあらかじめ定められたパターンを投影して、カーボンナノチューブ被膜の一部分を固定すること、上記投影によって基板から、固定されていないカーボンナノチューブ被膜の一部分を取り除くことを含む。
【0014】
本発明の別の実施形態は、カーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法を対象とする。上記方法は、カーボンナノチューブの溶液を準備すること、溶液を基板に塗布して、基板上に、固定されたカーボンナノチューブの被膜を形成すること、マスクを介して光源にカーボンナノチューブ被膜を晒すこと、晒されたカーボンナノチューブ被膜にバインダーを含浸させることを含む。
【0015】
本発明の別の実施形態は、カーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法を対象とする。上記方法は、カーボンナノチューブおよび溶媒を有する被覆混合物を準備すること、被覆混合物を基板上に塗布して、あらかじめ定められたパターンを形成すること、基板上に印刷された被覆混合物から溶媒を取り除いて、基板上に、固定されたカーボンナノチューブのパターン化された被膜を残すこと、カーボンナノチューブ被膜にバインダーを含浸させることを含む。
【0016】
本発明の他の実施例および利点は、以下の記載の一部で説明され、一部はこの記載から明らかとすることができ、または本発明の実施から知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本明細書で具体化され広く記載されるように、この発明は、カーボンナノチューブ被覆物をパターン化するための品物および方法、特に、上記方法によって作製されたカーボンナノチューブ配線を対象とする。
【0018】
この発明では、上述されたカーボンナノチューブ被膜成形方法の唯一の特徴が使用される。すなわち、基板上で乾燥され、固定されたカーボンナノチューブは、バインダーなどのいかなる他の成分もなく、基板表面への著しく強い接着性を有する。従って、デバイス中間物、すなわち、固定されたカーボンナノチューブを有する基板は、多くの既存のデバイス処理技術と適合する。しかし、上記接着性は弱く、実際に外乱作用によってほとんど壊れる。さらに、上記基板上に固定されたカーボンナノチューブは、大量の開口気孔を有するネットワーク構造を有する。従って、固定されたカーボンナノチューブの通気孔が材料で満たされるように、通気孔に入り込むほど低い粘性を有する材料を、上記基板上に塗布してもよい。
【0019】
基板上の固定されたカーボンナノチューブの微視的観察から、樹脂の塗布に先立って、そのネットワーク構造がカーボンナノチューブのロープの構造に基づいており、そのロープが、ネットワーク構造の骨組を形成していることが分かる。ロープの骨組が導通の大部分を伝達することができ、ロープ間の比較的大きな開口部は、カーボンナノチューブ上に塗布された樹脂の浸透を可能にするので、この構造は、低電気抵抗および高光透過率を同時に提供する。
【0020】
これらの特徴に依存するパターン化されたカーボンナノチューブ被膜の形成には、異なるアプローチがある。例えば、基板の表面全体に最初にカーボンナノチューブ被膜を形成してもよい。上記基板上の固定されたカーボンナノチューブは、ネットワーク構造の一部として様々な材料を取り入れることができるので、パターニング用化学物質を、固定された被膜の全部または被膜の選択された部分に導入してもよい。例えば、溶媒に溶解されたバインダーを、あらかじめ定められたパターンに従って、固定されたカーボンナノチューブ被膜に塗布してもよい。好ましくはスクリーン印刷、インクジェットおよびグラビア回転印刷を含む従来の方法によって、バインダーの塗布を行ってもよい。上記溶媒を乾燥した後、上記バインダーはネットワーク中に残り、バインダー溶液を含浸したカーボンナノチューブ被膜の部分を強化する。水、またはバインダーを溶解しない溶媒で、上記カーボンナノチューブをその上に有する基板を洗い流すことによって、カーボンナノチューブ被膜の固定された部分は損なわれないまま、バインダーによって強化されていないカーボンナノチューブの部分が、容易に基板から取れる。上記基板は、柔軟であっても硬くてもよく、また、透明材料または光遮断材料からなってもよい。透明電極の適用については、透明で柔軟なポリマーフィルムを使用してもよいが、一般的に、透明な無機ガラスプレートを基板として使用する。上記カーボンナノチューブ配線を集積回路の一部として使用する場合、上記基板はシリコン基板であってもよい。更に、絶縁層を、保護層として上記カーボンナノチューブ配線上に形成してもよい。最初のカーボンナノチューブ配線を保護する上記絶縁層上に、付加的なカーボンナノチューブ配線を形成して、多層配線構造を形成する。
【0021】
上記カーボンナノチューブ被膜の選択された部分にバインダーを塗布するのではなく、フォトレジストをカーボンナノチューブ被膜全体に塗布してもよい。フォトレジストの塗布は、好ましくは回転塗布法を含む従来の方法によって行なわれてもよい。一旦、上記フォトレジストが、固定されたカーボンナノチューブのネットワーク構造に入り込めば、このデバイス中間物は、従来の写真平版処理ステップと適合することができる。例えば、網線のあらかじめ定められたパターンを、フォトレジストが含浸されたカーボンナノチューブ被膜に投影される。使用されるフォトレジストの種類に応じて、光によって照射されるカーボンナノチューブ被膜の部分または照射されない被膜の部分は、次の工程で取り除かれる。上記網線の配線パターンを、カーボンナノチューブ被膜上に転写する。バインダーをパターン化する方法と比較すれば、この方法は、カーボンナノチューブ被膜のより精細なパターニングを提供し、既存のシリコンベースのデバイス製造方法により適合することができる。本明細書に記載されたいかなる基板を、基板としてこの製造方法に使用してもよい。パターン化されたカーボンナノチューブ被膜を覆って絶縁層を形成してもよく、多層カーボンナノチューブ配線を形成してもよい。
【0022】
更に、上記基板上に形成されたカーボンナノチューブ被膜は、物理的に全くパターン化される必要がなくてもよい。すなわち、上記カーボンナノチューブ被膜の電子的性質は、上記基板から物理的に被膜を取り除くことなく、操作されることができる。単層カーボンナノチューブ(SWNT)は、強い光源によって照射された時、大きな構造改造を受ける。SWNTは、強い光照射下で空気中で燃え尽きる可能性があるが、それらは、適切な照射条件下では、非常に高い抵抗を有する材料に変化する。カーボンナノチューブのそのような特徴は、「Nanotubes in a Flash−Ignition and Reconstruction」(P.M.Ajayanら、 Science 296、70頁(2002年))」に記載されている。光照射については、カーボンナノチューブ被膜にあらかじめ定められたパターンを投影するために、従来の写真平版機器を使用してもよい。形成される配線パターンが比較的大きい場合、上記基板上に単にマスクを配置することにより、光照射を行ってもよい。上記基板が透明な場合、好ましくは、上記マスクを基板の裏面に配置してもよい。また、上記マスクは、上記カーボンナノチューブ被膜上に直接配置してもよい。導電性の変化は、ナノチューブロープのネットワーク構造と同様にカーボンナノチューブ被膜の光透過率に重大な影響があるとは予想されない。次いで、カーボンナノチューブ被膜全体にバインダーを塗布し、バインダーがネットワーク構造に入り込んで構造を強化する。上記カーボンナノチューブ被膜上に絶縁層を形成してもよく、多層カーボンナノチューブ配線を形成してもよい。
【0023】
パターン化されたカーボンナノチューブ被膜を、好ましくはスクリーン印刷、インクジェットおよびグラビア回転印刷を含む本発明の塗布方法を使用して、基板上に直接形成してもよい。しかし、上記溶液の粘性は、これらの塗布方法に適用するほど十分に高くないので、カーボンナノチューブ被膜を形成するために上で使用されるカーボンナノチューブ水溶液は、この方法に適切でないかもしれない。従って、粘性を増加させるために、化学物質を溶液に加える必要がある。そのかわりに、上記カーボンナノチューブとバインダーの混合物、例えば、米国特許出願第10/105623号に記載されたものなどを、これらの塗布方法のためにインクとして使用してもよい。上記カーボンナノチューブのあらかじめ定められたパターンを上記基板上に形成した後、基板を乾燥または適切な大気中で上記化学物質を燃焼することにより、適切な導電性および光透過率を得るために、粘性を増加させるために使用された化学物質を取り除いてもよい。この処理ステップは、上記基板上に印刷されたカーボンナノチューブを、上記基板へのカーボンナノチューブ水溶液の塗布によって作成されたものに類似するネットワーク構造へ変化させる。このように形成されたパターン化されたカーボンナノチューブ被膜を固定するために、バインダーを基板の表面全体に塗布してもよい。上記バインダーは、カーボンナノチューブ被膜が形成される基板の部分でネットワーク構造に入り込み、直接カーボンナノチューブ配線ライン間で基板を被覆する。いかなる基板も、基板として、この製造方法に使用してもよい。上記バインダー層を覆って、絶縁層を形成してもよく、多層カーボンナノチューブ配線を形成してもよい。この方法は、使用されるカーボンナノチューブの量を低減するのに有効であり、プレーナーデバイス中間物を提供し、それは、別な方法では、後の処理ステップのための平坦化層の形成を含んでいてもよい。
【0024】
基板上に被覆された連続的なカーボンナノチューブ被膜は、カーボンナノチューブ被膜と直接接触する、パターン化された「粘着性」表面(回転またはプレート)をセットすることによりパターン化されてもよい。上記粘着性物質が、あらかじめ定められた配線パターンの反転画像でパターン化されれば、配線に使用されない被膜の部分を、次いで、転写ロールまたはプレート上に被膜から移動する。カーボンナノチューブが被覆された基板が転写ロールまたはプレートから離れるとき、パターン化されたカーボンナノチューブ被膜が形成される。
【0025】
更に、カーボンナノチューブの任意の2以上のパターン化する方法を組み合わせて、デバイスの配線構造を形成してもよい。例えば、電界発光ディスプレイ装置のスイッチングトランジスタのゲートラインおよび関連するゲート電極を、カーボンナノチューブに含浸されたフォトレジストの写真平版プロセスによって形成してもよい。他方では、ディスプレイ装置の電界発光素子の陽極電極を、ゲートラインおよびそこに形成されたゲート電極を有するデバイス中間物上に、高粘性カーボンナノチューブ溶液を、スクリーン印刷することによって形成してもよい。
【0026】
上記カーボンナノチューブ被膜のカーボンナノチューブの平均外径は、3.5nm以下であるのが好ましい。上記被膜成形方法で使用されるカーボンナノチューブとしては、直線および曲がった多層ナノチューブ(MWNT)、直線および曲がった2層ナノチューブ(DWNT)、直線および曲がった単層ナノチューブ(SWNT)、化学的に改質されて他の化合物および官能基を含むカーボンナノチューブが挙げられる。SWNTは、上記カーボンナノチューブのロープを形成するために自然に集まるので好ましい。上記カーボンナノチューブ被膜におけるカーボンナノチューブの堆積濃度、即ち、カーボンナノチューブによって満たされるスペースは、5〜50%、5〜10%、10〜15%、15〜20%、20〜25%、25〜30%、30〜35%、35〜40%、40〜45%、10〜20%、5〜25%、5〜20%、10〜30%または5〜30%であるのが好ましいが、上記カーボンナノチューブ配線の適用に依存するこの範囲を外れても良い。上記カーボンナノチューブのアスペクト比は、10〜2000であってもよい。
【0027】
上記カーボンナノチューブ被膜の表面抵抗および体積抵抗は、使用されるカーボンナノチューブの種類および濃度に応じて変化してもよい。上記被膜の表面抵抗は、10〜1010Ω/□であってもよく、10〜10Ω/□、10〜10Ω/□、10〜10Ω/□または10〜1010Ω/□であるのが好ましい。上記被膜の体積抵抗は、10−2〜1010Ω・cmであってもよく、10−2〜10Ω・cm、10〜10Ω・cm、10〜10Ω・cm、10〜10Ω・cm、10〜10Ω・cmまたは10〜1010Ω・cmであるのが好ましい。上記カーボンナノチューブの光透過率は、80%以上(例えば、85、90、95、97、99)であるのが好ましく、上記カーボンナノチューブのヘイズ値は、0.5%以下(例えば、0.4、0.3、0.2、0.1、0.01)であるのが好ましい。それにもかかわらず、非常に低い光透過率または非常に高いヘイズ値を有するカーボンナノチューブ被膜は、カーボンナノチューブ配線を形成するために使用されてもよい。上記カーボンナノチューブ被膜の厚みは、0.5nm〜1μm(例えば、0.8、1、2、3、5、10、25、50、100、150、500、750nm)であってもよく、1〜100nmであるのが好ましい。
【0028】
上記カーボンナノチューブ被膜のネットワーク構造および絶縁保護膜を固定するバインダーは、高分子材料からなってもよく、それは広範囲の天然または合成の高分子樹脂から選択されてもよい。熱可塑性物質、熱硬化性重合体、エラストマーおよびそれらの化合物などの所望の用途の強度、構造または設計ニーズに従って、特定のポリマーを選択してもよい。具体的に、それらは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、スチレン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、セルローズ、ゼラチン、キチン、ポリペプチド、多糖、ポリヌクレオチドおよびそれらの混合物であってもよい。更に、セラミックハイブリッドポリマー、ホスフィンオキシドおよびカルコゲニドを使用してもよい。
【0029】
上記カーボンナノチューブに導電性充填剤を添加してもよい。上記充填剤は、導電性有機材料、無機材料またはそのような材料の化合物または混合物であってもよい。上記導電性有機物質は、バッキーボール、カーボンブラック、フラーレンおよびそれらの化合物および混合物であってもよい。導電性無機材料は、アルミニウム、アンチモン、ベリリウム、カドミウム、クロミウム、コバルト、銅、ドープされた金属酸化物、鉄、金、鉛、マンガン、マグネシウム、水銀、金属酸化物、ニッケル、プラチナ、銀、鋼、チタン、亜鉛またはそれらの化合物または混合物であってもよい。好ましい導電性材料としては、錫インジウム混合酸化物、アンチモン−錫混合酸化物、フッ素ドープスズ酸化物、アルミニウム−ドープ亜鉛酸化物、およびそれらの化合物および混合物が挙げられる。
【0030】
バインダー含浸に先立って、上記カーボンナノチューブ被膜の真空アニールは、さらに、上記カーボンナノチューブ被膜の抵抗を低減する。これは、カーボンナノチューブロープの交点で、カーボンナノチューブの融合によって促進される。上記ロープがそれ自体、ほとんど金属のような導電性を有し、上記被膜の全導電性が、恐らくロープ結合の形態によって決定されるので、交点を密にするいかなる処理もカーボンナノチューブ被膜の導電性を増加させる。金属のナノメーターサイズの粒子をカーボンナノチューブ被膜に混合する場合、それらのナノ粒子は、アニール時に上記交点に移動する可能性がある。これは、さらに抵抗を低減するであろう。
【0031】
より大きな金属粒子を、カーボンナノチューブ被膜へ大量に導入してもよい。そのような複合被膜は、大きな導電性金属粒子の分散にカーボンナノチューブを添加することと見なされてもよい。銀、金、銅、アルミニウム、マグネシウムおよびそれらの合金などの金属を使用する場合、この化合物によって、約6桁以上の純粋なカーボンナノチューブ被膜についての導電性の改良が達成される。しかし、この複合被膜の金属充填剤の量は、金属充填剤だけに依存する浸透しきい値を達成するために必要な量よりはるかに少ない。従って、複合カーボンナノチューブ被膜は、透明電極の用途に適切な光透過率を維持することができる。別の方法として、カーボンブラック粒子は、上記複合被膜中の金属粒子と交換してもよい。この化合物は、高い伝導性を達成しなくてもよいが、カーボンナノチューブ被膜の製造コストは、被膜で使用される低減された量のカーボンナノチューブのために低減されることができる。
【0032】
これらのパターン化されたナノ複合被覆物から作られた配線を、例えば、平面パネルディスプレー、光電池、タッチスクリーン、エレクトロルミネセンスランプおよびEMIシールド用透明電極および回路として使用してもよい。
【0033】
以下の例は、本発明の実施例を示すが、本発明の範囲を限定して見るべきではない。
【0034】
カーボンナノチューブ配線を形成する4つの実施例を、図1〜4を参照して以下にそれぞれ説明する。以下の実施例は、実例となる目的のためのみであり、上記パターン化されたカーボンナノチューブ被膜の形成における一般的な記載を限定しない。
【実施例1】
【0035】
まず、購入したSWNTを、酸反射、水洗浄、遠心分離および精密ろ過を含む工程段階によって精製する。次いで、精製されたSWNTを、イソプロピルアルコール(IPA)と水との溶液に混合して、カーボンナノチューブ被覆液を形成する。上記SWNT固形分は、10〜100重量ppmである。水に対するのIPAの重量比は、1:3〜3:1であり、上記被覆物のために所望される乾燥速度に依存する。一旦、かなり安定した分散が達成されると、上記SWNT分散の粘性は、十分な量のポリアクリル酸、粘性変性剤(Acrysol ASE75(ローム・アンド・ハース製))を加えることにより増加されて、グラビアコーティング(例えば、約1000cP)に適切な粘性を有するコーティング組成物を提供する。上記カーボンナノチューブ被覆液を、パターン化されたグラビアロールを使用して、透明プラスチックフィルム(例えば、ポリエーテルスルホン)上に印刷する。次いで、パターン化され、固定されたカーボンナノチューブの被膜を加熱し、残することにより、IPA/水および粘性調製剤を取り除く。次いで、誘電性バインダー被覆物(例えば、酢酸エチルに溶解したアクリル樹脂)を、噴霧スプレー技術を使用して塗布する。上記バインダー被覆物は、上記カーボンナノチューブ被膜に浸透し、接着性および機械的性質を高める。結果として生じるパターン化された電極、または回路は、良好な透明性および低電気抵抗を示す。この方法を、図1に概略的に示す。
【実施例2】
【0036】
まず、購入したSWNTを、酸反射、水洗浄、遠心分離および精密ろ過を含む工程段階によって精製する。次いで、精製されたSWNTを、イソプロピルアルコール(IPA)と水との溶液に混合して、カーボンナノチューブ被覆液を形成する。上記SWNT固形分は、10〜100重量ppmである。水に対するのIPAの重量比は、1:3〜3:1であり、コーティングのために所望される乾燥速度に依存する。上記SWNT被覆物を、噴霧スプレー技術を使用して、透明プラスチックフィルム(例えば、デュポン帝人フィルム製のPETまたはPENフィルムなどのポリエステルフィルム)に塗布する。上記基板を60℃に加熱して、IPA/水の乾燥速度を増加する。固定されたカーボンナノチューブの十分な厚さを適用して、所望の電気抵抗(例えば、500Ω/□)を達成する。次いで、酢酸エチルに溶解されたアクリル樹脂などのバインダー被覆物を、スクリーン印刷技術を使用して印刷する。上記バインダー被覆物は、カーボンナノチューブ被膜の選択領域に浸透して、接着性および機械的性質を高める。上記溶媒を、加熱により取り除く。次いで、非保護カーボンナノチューブ領域を、水とトリトンX−100界面活性剤との混合物を使用して、スプレー洗浄技術によって取り除く。結果として生じるパターン化された電極、または回路は、良好な透明性および低電気抵抗を示す。この方法を、図2に概略的に示す。
【実施例3】
【0037】
まず、購入したSWNTを、酸反射、水洗浄、遠心分離および精密ろ過を含む工程段階によって精製する。次いで、精製されたSWNTを、イソプロピルアルコール(IPA)と水との溶液に混合して、カーボンナノチューブ被覆液を形成する。上記SWNT固形分は、10〜100重量ppmである。水に対するのIPAの重量比は、1:3〜3:1であり、コーティングのために所望される乾燥速度に依存する。上記SWNT被覆物を、噴霧スプレー技術を使用して、ガラス基板に塗布する。上記基板を60℃に加熱して、IPA/水の乾燥速度を増加する。固定されたカーボンナノチューブの十分な厚さは、所望の電気抵抗(例えば、500Ω/□)を達成するために適用される。次いで、日立化成 デュポン マイクロシステムズ株式会社製のHD−4000シリーズなどの感光性ポリイミドバインダーを、マイヤーロッド被覆技術を使用して、固定されたカーボンナノチューブ被膜に塗布する。上記フォトレジストは、上記カーボンナノチューブ被膜に浸透する。あらかじめ定められた配線パターンを、標準の写真平版技術を使用して、カーボンナノチューブに含浸されたフォトレジストに投影する。現像液によって未硬化のポリイミド領域を洗い流す場合、上記カーボンナノチューブ被膜の選択された領域を取り除く。結果として生じるパターン化された電極または回路は、良好な透明および低電気抵抗を示す。この方法を、図3に概略的に示す。
【実施例4】
【0038】
実施例3で準備された上記塗布溶液を、噴霧スプレー技術を使用してガラス基板に塗布する。上記基板を60℃に加熱して、IPA/水の乾燥速度を増加させる。固定されたカーボンナノチューブの十分な厚さは、所望の電気抵抗(例えば、500Ω/□)を達成するために適用される。マスクを介してカーボンナノチューブを被覆したガラスに高強度水銀光源を投影する。この照射によって、光透過性をあまり低減せずに、上記カーボンナノチューブ被膜の選択された領域のためのより高い電気抵抗が引き起こされる。次いで、誘電性バインダー被覆物(例えば、酢酸エチルに溶解されたアクリル樹脂)を、噴霧スプレー技術を使用して塗布する。上記バインダー被覆物は、カーボンナノチューブに浸透して、接着性および機械的性質を高める。結果として生じるパターン化された電極または回路は、良好な透明および低電気抵抗を示す。この方法を、図3で概略的に示す。
【0039】
実施例2および3において、完全にはカーボンナノチューブ被膜を取り除く必要はない。隣接する配線要素が電気的に接続されない限り、ある量のナノチューブが上記基板に残ってもよい。
【0040】
本発明の他の実施形態および用途は、本明細書に開示された本発明の説明および実行を考察して、当業者に明らかとなる。すべての出版物、米国特許および優先権書類を含む特許出願を含む、本明細書に引用されたすべての参考文献は、引用して特に全体に組み込まれる。次の請求項によって示された本発明の実際の範囲および精神のみで、上記明細書および実施例を例示的であると考えることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態(実施例1)のカーボンナノチューブ被膜をパターン化する方法の工程段階を示す。
【図2】本発明の他の実施形態(実施例2)のカーボンナノチューブ被膜をパターン化する方法の工程段階を示す。
【図3】本発明の他の実施形態(実施例3)のカーボンナノチューブ被膜をパターン化する方法の工程段階を示す。
【図4】本発明の他の実施形態(実施例4)のカーボンナノチューブ被膜をパターン化する方法の工程段階を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置され、カーボンナノチューブを含む、パターン化された配線ラインまたは電極と、
を含む、カーボンナノチューブ配線。
【請求項2】
前記配線ラインまたは電極は、さらにバインダーまたはフォトレジストを含む、請求項1に記載のカーボンナノチューブ配線。
【請求項3】
前記カーボンナノチューブの外径は、3.5nm以下である、請求項1に記載のカーボンナノチューブ配線。
【請求項4】
前記配線ラインまたは電極は、さらに金属充填剤を含む、請求項1に記載のカーボンナノチューブ配線。
【請求項5】
前記金属充填剤は、銀、金、銅またはそれらの化合物を含む、請求項4に記載のカーボンナノチューブ配線。
【請求項6】
前記配線ラインまたは電極の表面抵抗は、10〜10Ω/□である、請求項1に記載のカーボンナノチューブ配線。
【請求項7】
前記配線ラインまたは電極の体積抵抗は、10−2〜10Ω・cmである、請求項1に記載のカーボンナノチューブ配線。
【請求項8】
前記配線ラインまたは電極の光透過率は、80%以上である、請求項1に記載のカーボンナノチューブ配線。
【請求項9】
前記配線ラインまたは電極のカーボンナノチューブ濃度は、5〜50体積%である、請求項1に記載のカーボンナノチューブ配線。
【請求項10】
前記配線ラインまたは電極上に配置された絶縁層をさらに含む、請求項1に記載のカーボンナノチューブ配線。
【請求項11】
前記基板は、ガラス基板、ポリマー基板、シリコンウェハー、プレプレッグまたはそれらの組み合わせである、請求項1に記載のカーボンナノチューブ配線。
【請求項12】
カーボンナノチューブの溶液を準備すること、
前記溶液を基板に塗布し、前記基板上に、固定されたカーボンナノチューブの被膜を形成すること、
前記カーボンナノチューブ被膜にバインダーを選択的に含浸させること、
前記基板から、前記バインダーを含浸させないカーボンナノチューブ被膜の少なくとも一部を取り除くこと、
を含む、カーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項13】
前記カーボンナノチューブの溶液を準備することは、カーボンナノチューブを精製することを含む、請求項12に記載のカーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項14】
前記カーボンナノチューブの溶液の準備は、水とアルコールとの溶液に、カーボンナノチューブを分散させることを含む、請求項12に記載のカーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項15】
前記溶液の塗布は、アトマイザで前記溶液を吹きつけることを含む、請求項12に記載のカーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項16】
前記カーボンナノチューブ被膜に含浸させることは、あらかじめ定められたパターンを有するカーボンナノチューブ被膜上にバインダーを印刷することを含む、請求項12に記載のカーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項17】
前記カーボンナノチューブを取り除くことは、水と界面活性剤との混合物で、前記カーボンナノチューブ被膜をスプレー洗浄することを含む、請求項12に記載のカーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項18】
カーボンナノチューブの溶液を準備すること、
前記溶液を基板に塗布し、前記基板上に、固定されたカーボンナノチューブの被膜を形成すること、
前記カーボンナノチューブ被膜にフォトレジストを含浸させること、
フォトレジストを含浸されたカーボンナノチューブ被膜にあらかじめ定められたパターンを投影して、前記カーボンナノチューブ被膜の一部を固定すること、
前記基板から、投影によって固定されていないカーボンナノチューブ被膜の少なくとも一部を取り除くこと、
を含む、カーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項19】
前記カーボンナノチューブの溶液を準備することは、前記カーボンナノチューブを精製することを含む、請求項18に記載のカーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項20】
前記カーボンナノチューブの溶液を準備することは、水とアルコールとの溶液に前記カーボンナノチューブを分散させることを含む、請求項18に記載のカーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項21】
前記溶液の塗布は、アトマイザで前記溶液を吹きつけることを含む、請求項18に記載のカーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項22】
前記カーボンナノチューブ被膜を含浸させることは、前記基板上のフォトレジストをロッドコーティングすること、または前記基板上のフォトレジストを回転塗布法することを含む、請求項18に記載のカーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項23】
前記カーボンナノチューブ被膜の取り除くことは、前記フォトレジストの現像溶液で前記カーボンナノチューブ被膜の固定されていない部分を取り除くことを含む、請求項18に記載のカーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項24】
カーボンナノチューブの溶液を準備すること、
前記溶液を基板に塗布し、前記基板上に、固定されたカーボンナノチューブの被膜を形成すること、
マスクを介して光源にカーボンナノチューブ被膜を晒すこと、
晒されたカーボンナノチューブ被膜にバインダーを含浸させること、
を含む、カーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項25】
前記カーボンナノチューブの溶液を準備することは、精製することを含む、請求項25に記載のカーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項26】
前記カーボンナノチューブの溶液を準備することは、水とアルコールとの溶液にカーボンナノチューブを分散させることを含む、請求項25に記載のカーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項27】
前記溶液を塗布することは、アトマイザで前記溶液を吹きつけることを含む、請求項25に記載のカーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項28】
前記カーボンナノチューブ被膜を含浸させることは、前記バインダーを吹き付けることを含む、請求項25に記載のカーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項29】
カーボンナノチューブおよび溶媒を含む、被覆混合物を準備すること、
基板上に被覆混合物を塗布し、あらかじめ定められたパターンを形成すること、
前記基板上に印刷された被覆混合物から前記溶媒を取り除き、前記基板に固定されたカーボンナノチューブの被膜を残すこと、
前記カーボンナノチューブ被膜にバインダーを含浸させること
を含む、カーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項30】
前記被覆混合物を準備することは、精製することを含む、請求項30のカーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項31】
前記被覆混合物を準備することは、水溶液にカーボンナノチューブを分散させることを含む、請求項30に記載のカーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項32】
前記被覆混合物の塗布は、スクリーン印刷、ジェット印刷またはグラビア回転印刷を含む、請求項30に記載のカーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項33】
前記溶媒を取り除くことは、前記基板を加熱することを含む、請求項30に記載のカーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項34】
前記カーボンナノチューブ被膜を含浸させることは、前記バインダーを吹き付けることを含む、請求項30に記載のカーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項35】
前記被覆混合物を準備することは、粘性変性剤を加えることを含む、請求項30に記載のカーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項36】
カーボンナノチューブの溶液を準備すること、
前記溶液を基板に塗布し、前記基板上に、固定されたカーボンナノチューブの被膜を形成すること、
前記基板からカーボンナノチューブ被膜の少なくとも一部を取り除くこと、
前記基板上に残るカーボンナノチューブ被膜にバインダーを含浸させること
を含む、カーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項37】
前記カーボンナノチューブの溶液を準備することは、前記カーボンナノチューブを精製することを含む、請求項37に記載のカーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項38】
前記カーボンナノチューブの溶液を準備することは、水とアルコールとの溶液に前記カーボンナノチューブを分散させることを含む、請求項37に記載のカーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項39】
前記溶液の塗布は、アトマイザで前記溶液を吹きつけることを含む、請求項37に記載のカーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項40】
前記カーボンナノチューブ被膜を含浸させることは、前記バインダーを吹き付けることを含む、請求項12に記載のカーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。
【請求項41】
前記カーボンナノチューブを取り除くことは、前記基板から粘着性表面へ前記カーボンナノチューブ被膜の一部を移すことを含む、請求項12に記載のカーボンナノチューブ被覆物をパターン化する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−513557(P2006−513557A)
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−507376(P2004−507376)
【出願日】平成15年5月21日(2003.5.21)
【国際出願番号】PCT/US2003/015819
【国際公開番号】WO2003/099709
【国際公開日】平成15年12月4日(2003.12.4)
【出願人】(503351685)エイコス・インコーポレーテッド (11)
【Fターム(参考)】