説明

ガスハイドレートを利用したガス複合発電システム及び方法

【課題】燃料ガスをゲストガスとするガスハイドレートから分離生成されるガスと水とをガス複合発電に利用することで、高効率の発電システム及び方法を提供する。
【解決手段】ガスハイドレートを利用するガス複合発電システム1であって、ガスハイドレートを貯蔵するタンク10と、ガスハイドレートを分離して生成されるガスを燃料として燃焼させて発電するガスタービン発電機20と、ガスハイドレートを分離して生成される水と、前記ガスタービン発電機で生じる燃焼ガスの熱と、を利用して蒸気を生成する廃熱回収ボイラ30と、廃熱回収ボイラ30で生成した蒸気を利用して発電する蒸気タービン発電機40と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ガスハイドレートから分離して得られるガスを燃料として発電するガス複合発電システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、燃料ガスを貯蔵し、輸送する形態として優れているガスハイドレートの利用について様々な技術が開発されている。例えば、特許文献1には、天然ガスハイドレートから分離生成される天然ガスをガスタービン発電の燃料として利用する技術が開示されている。しかし、この技術においては、ガスハイドレートから生成される水は廃熱回収ボイラで水蒸気にされた後、燃料ガスを混合して燃焼機に供給されており、この水蒸気を発電用のエネルギーとして有効利用できていない。
【特許文献1】特開2002−371862号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、本発明は、燃料ガスをゲストガスとするガスハイドレートから分離生成されるガスと水とをガス複合発電に利用することで、高効率の発電システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の発明は、ガスハイドレートを利用するガス複合発電システムであって、
前記ガスハイドレートを貯蔵するタンクと、
前記ガスハイドレートを分離して生成されるガスを燃料として燃焼させて発電するガスタービン発電機と、
前記ガスハイドレートを分離して生成される水と、前記ガスタービン発電機で生じる燃焼ガスの熱と、を利用して蒸気を生成するボイラと、
前記ボイラで生成した蒸気を利用して発電する蒸気タービン発電機と、
を備えることを特徴とするガス複合発電システムである。
【0005】
第2の発明は、第1の発明に記載のガス複合発電システムであって、
前記ガスタービン発電機の出力量の指令値に基づいて必要な前記タンク内のガス圧を算出するガス圧算出部と、
前記タンクのガス圧を計測する圧力計と、
前記ガス圧算出部で算出されたガス圧と前記圧力計で計測されたガス圧とに基づいて前記タンク内のガス圧を制御するガス圧制御部と、
を備えることを特徴とするガス複合発電システムである。
【0006】
第3の発明は、第2の発明に記載のガス複合発電システムであって、
開状態で前記タンク内のガスを排出可能とし、閉状態で前記タンク内のガスの排出を禁止するガス利用弁を備え、
前記ガス圧制御部は、前記圧力計で計測されたガス圧と前記ガス圧算出部で算出されたガス圧とに基づいて前記温排水弁の開度を調節することを特徴とするガス複合発電システムである。
【0007】
第4の発明は、第2又は第3の発明に記載のガス複合発電システムであって、
前記蒸気タービンから排出される蒸気を冷媒と熱変換させることにより水にする復水器と、
閉状態で前記タンクへ供給される前記冷媒を供給可能とし、開状態で前記タンクへ供給される前記冷媒への供給を禁止する温排水弁と、を備え、
前記タンクは、前記冷媒から前記ガスハイドレートに熱を供給する手段を有し、
前記ガス圧制御部は、前記圧力計で計測されたガス圧と前記ガス圧算出部で算出されたガス圧とに基づいて前記温排水弁の開度を調節することを特徴とするガス複合発電システムである。
【0008】
第5の発明は、第1〜第3の発明の何れかに記載のガス複合発電システムであって、
前記蒸気タービン発電機の出力量の指令値に基づいて前記ボイラへの水供給量を算出する水量算出部と、
前記蒸気タービンへ供給される水の量を計測する流量計と、
前記水量算出部で算出された水供給量と前記流量計で計測された水量とに基づいて前記タンク内のガス圧を制御する水量制御部と、
を備えることを特徴とするガス複合発電システムである。
【0009】
第6の発明は、第5の発明に記載のガス複合発電システムであって、
開状態で前記タンクで生成された水を排出可能とし、閉状態で前記タンクで生成された水の排出を禁止する水利用弁を備え、
前記水量制御部は、前記流量計で計測される水量と前記水量算出部で算出された水量とに基づいて前記水利用弁の開度を調節することを特徴とするガス複合発電システムである。
【0010】
第7の発明は、第5又は第6の発明に記載のガス複合発電システムであって、
前記蒸気タービンから排出される蒸気を冷媒と熱変換させることにより水にする復水器と、
開状態で前記復水器で生成された水を前記ボイラに供給可能とし、閉状態で前記復水器で生成された水の前記ボイラへの供給を禁止する復水弁と、を備え、
前記水量制御部は、前記流量計で計測される水量と前記水量算出部で算出された水供給量とに基づいて前記復水弁の開度を調節することを特徴とするガス複合発電システムである。
【0011】
第8の発明は、第1、第2、第3、第5又は第6の発明に記載のガス複合発電システムであって、
開閉することで、前記ガスタービン発電機へ供給されるガスの量に調節可能なガス量弁と、
前記ガスタービン発電機の出力量の指令値に基づいて前記ガスタービン発電機で必要となるガスの量を算出するガス量算出部と、
前記ガス量算出部で算出されたガス量に基づいて、前記ガスの量を前記ガスタービン発電機へ供給するよう前記ガス量弁の開度を制御するガス圧制御部と、
を備えることを特徴とするガス複合発電システムである。
【0012】
第9の発明は、第1、第2、第3、第5、第6、又は第8の発明に記載のガス複合発電システムであって、
前記蒸気タービンから排出される蒸気を冷媒と熱変換させることにより水にする復水器を備えることを特徴とするガス複合発電システムである。
【0013】
第10の発明は、第4、第7又は第9の発明に記載のガス複合発電システムであって、
前記タンクは、前記冷媒から前記ガスハイドレートに熱を供給する手段を有することを特徴とするガス複合発電システムである。
【0014】
第11の発明は、第4、第7、第9又は第10の発明に記載のガス複合発電システムであって、
前記復水器で生成された水から、前記タンクでガスハイドレートから分離生成された水に熱を提供する熱交換器を備えることを特徴とするガス複合発電システムである。
【0015】
なお、本発明にて「開度を調整する」とは、弁の開度を連続的に調整する場合のみならず、開閉弁を用いて、その開閉を切り換える場合も含まれるものとする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ガスハイドレートから分離生成されるガスと水とをガス複合発電に利用することで、高効率の発電システム及び方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明の一実施形態であるガス複合発電システム1の全体構成図である。同図に示すように、本実施形態のガス複合発電システム1は、タンク10、ガスタービン発電機20、廃熱回収ボイラ30、蒸気タービン発電機40、復水器50、熱交換器60、ガス利用弁131、復水弁132、水利用弁133、温排水弁134、ガス量弁135、流量計141、ポンプ142〜143、制御部200などを備える。また、タンク10は圧力計11とレベル計12などを備え、制御部200は、ガス圧算出部210、水量算出部220、ガス量算出部230を備えている。
【0018】
タンク10は、耐圧性及び断熱性に優れた、ガスハイドレートを貯蔵することのできるタンクである。なお、本発明で用いるガスハイドレートのゲストガスは可燃ガスであればよく、例えば、天然ガス、メタン、エタン、プロパン、ブタン、水素等の可燃ガスを用いることができる。このタンク10においてガスハイドレートは分離して、ガスと水とを生成する。
【0019】
タンク10は、圧力計11を備えており、タンク内の圧力を測定することができる。圧力計11による測定結果は、制御部200に送信される。タンク10は、レベル計12も備えており、ガスハイドレートから分離生成された水がタンク内で貯蔵されている量を計測することができる。レベル計12による測定結果は、制御部200に送信される。
【0020】
ガスタービン発電機20は、タンク10においてガスハイドレートから分離生成されるガスの供給をガス配管101及び103を通じて受け、そのガスを燃料として燃焼させて発電する発電機である。一般にガスタービンに燃料ガスを供給する際には、コンプレッサ等で燃料ガスに圧力をかける必要があるが、ガス複合発電システム1においてはタンク10のガス圧を利用してガスタービン発電機20に燃料ガスを供給するのでコンプレッサは不要となる。
【0021】
廃熱回収ボイラ30は、ガスタービン発電機20から排出される排気ガスの供給をガス配管104を通じて受けて、その排気ガスの廃熱を利用して水を沸騰させて水蒸気を生成する。ここで用いる水は、タンク10でガスハイドレートから分離生成された水や後述する復水器50で生成された水である。一般にボイラに水を供給する際には、ポンプ等で水に圧力をかける必要があるが、ガス複合発電システム1においてはタンク10の圧力を利用して廃熱回収ボイラ30に水を供給するのでポンプは不要となる。
【0022】
蒸気タービン発電機40は、廃熱回収ボイラ30で生成された水蒸気の供給を配管116を通じて受けて、その水蒸気の圧力を用いて発電する発電機である。
【0023】
復水器50は、蒸気タービン発電機40から排出される水蒸気の供給を配管117を通じて受け、その水蒸気を冷媒で冷却することにより水を生成する。なお、ここで冷媒には、流体であれば何でもよく、例えば発電所が海の近くに立地する場合であれば、ポンプ142により海水をくみ上げて冷媒として利用してもよい。
【0024】
また、この冷媒は、配管121を通じてタンク10に供給し、冷媒が有する熱をタンク10に貯蔵されているガスハイドレートに提供することでガスハイドレートのガスと水とへの分離を促進することができる。なお、冷媒は、上記の通り、まず復水器50で熱を受け取りタンク10で熱を受け渡すこととしてもよいし、まずタンク10で冷熱を受け取り復水器50で冷熱を受け渡すこととしてもよい。
【0025】
熱交換器60では、復水器50で生成された水の供給を配管114を通じて受け、またタンク10でガスハイドレートから分離生成された水の供給を配管113を通じてうけて、それらの水の間で熱交換させることにより、ガスハイドレート由来の水を温める。
【0026】
流量計141は、タンク10から熱交換器60を経て廃熱回収ボイラ30に供給される水と復水器50から復水弁132を経て廃熱回収ボイラ30に供給される水とが合流した配管115を流れる水の量を計測する。
【0027】
制御部200は、発電機の出力量の指令値と、圧力計11、レベル計12、流量計141から送られてきた夫々の計測結果に基づいて、ガス圧算出部210は、発電機の出力量の指令値に基づいてその発電出力量を得るのに必要なタンク10内のガス圧を算出し、水量算出部220は、発電機の出力量の指令値に基づいて廃熱回収ボイラ30への水供給量を算出し、またガス量算出部230は、発電機の出力量の指令値に応じてガスタービン発電機20で必要となるガスの量を算出する。これら各算出部210〜230での算出結果に基づき、制御部200は、ガスタービン発電機20、廃熱回収ボイラ30、蒸気タービン発電機40、各弁131〜135、ポンプ142〜143を制御する。各弁131〜135は、制御部200による制御信号を受けて開度を調節されることにより、ガスや水等の流量を調節することができる。以下、制御部200による制御について説明する。
【0028】
まず、制御部200は、圧力計11で計測されたガス圧とガス圧算出部210で算出されたガス圧とに基づいてガス利用弁131の開度を調節する。すなわち、タンク10において、ガスタービン発電機20で燃料として必要なガスの量を上回る量のガスが分離生成された場合はガス利用弁131を開き、ガス配管102を通じて排出することで、余分なガスをガスタービン発電機20での燃焼以外の用途に適宜利用できるようにすることができる。
【0029】
また、制御部200は、流量計141で計測される水量と水量算出部220で算出された水供給量とに基づいて復水弁132の開度を調節する。すなわち、タンク10でガスハイドレートから分離生成される水の量が廃熱回収ボイラ30で必要となる水の量を下回る場合には、復水弁132を開いて復水器50で生成された水も利用することで、廃熱回収ボイラ30で必要な水の量を確保する。なお、復水器50で生成された水の圧力がタンク10内の圧力を下回る場合は、ポンプ143により加圧することで、水を供給することができる。
【0030】
さらに、制御部200は、流量計141で計測される水量と水量算出部220で算出された水量とに基づいて水利用弁13の開度を調節する。すなわち、タンク10においてガスハイドレートから分離生成される水の量が、廃熱回収ボイラ30で必要となる水の量を上回る場合には水利用弁133を開き、余分な水を配管112を通じて排出することでこの水を廃熱回収ボイラ30での用途以外に利用することができる。
【0031】
制御部200は、タンク10のガス圧とガス圧算出部210で算出されたガス圧とに基づいて温排水弁134の開度を調節してタンク10へ供給される冷媒の量を増減させる。すなわち、タンク10内においてガスタービン発電機20等で必要とする量を上回る量のガスがガスハイドレードから分離生成された場合には、タンク10におけるガスハイドレートの分離を抑制する必要があるので、タンク10に提供される熱の量を減少させるべく、タンク10に供給される冷媒の量を温排水弁134を開いて減少させる。一方で、タンク10内においてガスタービン発電機等で必要とする量を下回る量のガスしかガスハイドレードから分離生成されていない場合には、タンク10におけるガスハイドレートの分離を促進する必要があるので、タンク10に提供される熱の量を増加させるべく、タンク10に供給される冷媒の量を温排水弁134を開いて増加させる。
【0032】
制御部200は、ガスタービン発電機20が停止している場合にはガス量弁135を閉め、ガスタービン発電機20が発電運転している場合にはガス量算出部230で算出されたガスの量に基づいてガス量弁135の開度を調節する。すなわち、タンク10内のガス圧は、ガスハイドレートから分離生成されるガスの量及びガス配管102を通じて利用されるガスの量により変動するので、ガス量弁135によりガスタービン発電機20へ供給する燃料ガスの量が適切になるよう調節する。
【0033】
以上の通り、本実施形態のガス複合発電システム1によれば、燃料ガスをゲストガスとしたガスハイドレートを用いてガスタービン発電機20と廃熱回収ボイラ30と蒸気タービン発電機40とからなるガス複合発電を行うことができる。ガスハイドレートからガスが分離生成されると、ガスハイドレートが密閉したタンク10に貯蔵されていれば、その貯蔵タンク10内の圧力が高くなる。ガス複合発電システム1では、この圧力を利用してガスタービン発電機20への燃料ガスの供給と、廃熱回収ボイラ30への水の供給と、を行うことができるので、コンプレッサやポンプなどが不要となるとのメリットがある。さらに、コンプレッサやポンプなどが不要となることにより、これらを稼動させるためのエネルギーが不要となることから、システム全体のエネルギー効率を向上させることができる。
【0034】
また、ガス複合発電システム1によれば、制御部200によってガス利用弁131を制御することにより、タンク10でガスハイドレートの分離生成された燃料ガスの量がガスタービン発電機20で必要な量を上回った場合でも、この余分な燃料ガスを別の用途に利用することができる。
【0035】
さらに、ガス複合発電システム1によれば、制御部200によって復水弁132を制御することにより、タンク10でガスハイドレートの分離生成された水の量が廃熱回収ボイラ30で必要となる水の量を下回る場合でも、この水の不足分を復水器50で生成される水によって補うことができる。
【0036】
一方で、ガス複合発電システム1によれば、制御部200によって水利用弁133を制御することにより、タンク10でガスハイドレートの分離生成された水の量が廃熱回収ボイラ30で必要となる水の量を上回る場合には、この余分な水を別の用途に利用することができる。
【0037】
なお、上記の説明では、各弁131〜135の開度を連続的に調整できるものとしたが、これに限らず、各弁131〜135として開閉弁を用いてその開閉を制御することとしてもよい。
【0038】
ところで、多くの火力発電所では、冷媒に海水を使用しており、通常、海水は復水器50で熱を受け取ると海に戻される。このとき、冷媒として使用した海水は、取水時よりも温度が高くなっているが、この温排水の温度は、水生生物等環境へ与える悪影響がほとんどない範囲に収める必要がある。これに対して、ガス複合発電システム1によれば、復水器50で熱を受け取った海水は、タンク10のガスハイドレートに熱を受け渡すことで冷却されるので、温排水の温度を下げることができ、環境への悪影響をより小さくできる。
【0039】
さらに、制御部200によって温排水弁134を制御することにより、タンク10へ供給されるこの冷媒の量を調節することができ、もってタンク10に貯蔵されたガスハイドレートの分離を促進又は抑制することができる。
【0040】
また、ガス複合発電システム1によれば、制御部200によってガス量弁135を制御することにより、ガスタービン発電機20に供給する燃料ガスの量を発電出力に応じて調整することができる。
【0041】
なお、以上の実施形態の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態であるガス複合発電システム1の全体構成図である。
【符号の説明】
【0043】
1 ガス複合発電システム
10 タンク
11 圧力計
12 レベル計
20 ガスタービン発電機
30 廃熱回収ボイラ
40 蒸気タービン発電機
50 復水器
131 ガス利用弁
132 復水弁
133 水利用弁
134 温排水弁
135 ガス量弁
141 流量計
142〜143 ポンプ
200 制御部
210 ガス圧算出部
220 水量算出部
230 ガス量算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスハイドレートを利用するガス複合発電システムであって、
前記ガスハイドレートを貯蔵するタンクと、
前記ガスハイドレートを分離して生成されるガスを燃料として燃焼させて発電するガスタービン発電機と、
前記ガスハイドレートを分離して生成される水と、前記ガスタービン発電機で生じる燃焼ガスの熱と、を利用して蒸気を生成するボイラと、
前記ボイラで生成した蒸気を利用して発電する蒸気タービン発電機と、
を備えることを特徴とするガス複合発電システム。
【請求項2】
請求項1に記載のガス複合発電システムであって、
前記ガスタービン発電機の出力量の指令値に基づいて必要な前記タンク内のガス圧を算出するガス圧算出部と、
前記タンクのガス圧を計測する圧力計と、
前記ガス圧算出部で算出されたガス圧と前記圧力計で計測されたガス圧とに基づいて前記タンク内のガス圧を制御するガス圧制御部と、
を備えることを特徴とするガス複合発電システム。
【請求項3】
請求項2に記載のガス複合発電システムであって、
開状態で前記タンク内のガスを排出可能とし、閉状態で前記タンク内のガスの排出を禁止するガス利用弁を備え、
前記ガス圧制御部は、前記圧力計で計測されたガス圧と前記ガス圧算出部で算出されたガス圧とに基づいて前記温排水弁の開度を調節することを特徴とするガス複合発電システム。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のガス複合発電システムであって、
前記蒸気タービンから排出される蒸気を冷媒と熱変換させることにより水にする復水器と、
閉状態で前記タンクへ供給される前記冷媒を供給可能とし、開状態で前記タンクへ供給される前記冷媒への供給を禁止する温排水弁と、を備え、
前記タンクは、前記冷媒から前記ガスハイドレートに熱を供給する手段を有し、
前記ガス圧制御部は、前記圧力計で計測されたガス圧と前記ガス圧算出部で算出されたガス圧とに基づいて前記温排水弁の開度を調節することを特徴とするガス複合発電システム。
【請求項5】
請求項1〜3の何れかに記載のガス複合発電システムであって、
前記蒸気タービン発電機の出力量の指令値に基づいて前記ボイラへの水供給量を算出する水量算出部と、
前記蒸気タービンへ供給される水の量を計測する流量計と、
前記水量算出部で算出された水供給量と前記流量計で計測された水量とに基づいて前記タンク内のガス圧を制御する水量制御部と、
を備えることを特徴とするガス複合発電システム。
【請求項6】
請求項5に記載のガス複合発電システムであって、
開状態で前記タンクで生成された水を排出可能とし、閉状態で前記タンクで生成された水の排出を禁止する水利用弁を備え、
前記水量制御部は、前記流量計で計測される水量と前記水量算出部で算出された水量とに基づいて前記水利用弁の開度を調節することを特徴とするガス複合発電システム。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のガス複合発電システムであって、
前記蒸気タービンから排出される蒸気を冷媒と熱変換させることにより水にする復水器と、
開状態で前記復水器で生成された水を前記ボイラに供給可能とし、閉状態で前記復水器で生成された水の前記ボイラへの供給を禁止する復水弁と、を備え、
前記水量制御部は、前記流量計で計測される水量と前記水量算出部で算出された水供給量とに基づいて前記復水弁の開度を調節することを特徴とするガス複合発電システム。
【請求項8】
請求項1、2、3、5又は6に記載のガス複合発電システムであって、
開閉することで、前記ガスタービン発電機へ供給されるガスの量に調節可能なガス量弁と、
前記ガスタービン発電機の出力量の指令値に基づいて前記ガスタービン発電機で必要となるガスの量を算出するガス量算出部と、
前記ガス量算出部で算出されたガス量に基づいて、前記ガスの量を前記ガスタービン発電機へ供給するよう前記ガス量弁の開度を制御するガス圧制御部と、
を備えることを特徴とするガス複合発電システム。
【請求項9】
請求項1、2、3、5、6、又は8に記載のガス複合発電システムであって、
前記蒸気タービンから排出される蒸気を冷媒と熱変換させることにより水にする復水器を備えることを特徴とするガス複合発電システム。
【請求項10】
請求項4、7又は9に記載のガス複合発電システムであって、
前記タンクは、前記冷媒から前記ガスハイドレートに熱を供給する手段を有することを特徴とするガス複合発電システム。
【請求項11】
請求項4、7、9又は10に記載のガス複合発電システムであって、
前記復水器で生成された水から、前記タンクでガスハイドレートから分離生成された水に熱を提供する熱交換器を備えることを特徴とするガス複合発電システム。
【請求項12】
ガスハイドレートを利用するガス複合発電方法であって、
前記ガスハイドレートをタンクで貯蔵するステップと、
前記ガスハイドレートを分離して生成されるガスを燃料として燃焼させてガスタービン発電機で発電するステップと、
前記ガスハイドレートを分離して生成される水と、前記ガスタービン発電機で生じる燃焼ガスの熱と、を利用してボイラにおいて蒸気を生成するステップと、
前記ボイラで生成した蒸気を利用して蒸気タービン発電機で発電するステップと、
を含むことを特徴とするガス複合発電方法。


【図1】
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【公開番号】特開2007−321601(P2007−321601A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−150594(P2006−150594)
【出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】