説明

ガス物理洗浄における使用済洗浄剤の再生方法及び装置

【課題】 シアン化水素含有原料ガスの精製に関する従来技術の諸問題点を解消することのできる汎用プロセスを提供する。
【解決手段】 少なくとも2段階の連続的洗浄工程のうちの少なくとも最初の洗浄工程において精製すべきガス混合物(1)から1種以上のガス成分の大部分を選択的に除去するガス物理洗浄(T1)における使用済洗浄剤(5,7)を再生するための方法及び該方法を実施するための装置。最初の洗浄工程から取り出した使用済洗浄剤(7)を残余の使用済洗浄剤(5)とは別に再生工程(T2a)へ導いて最初の洗浄工程で原料ガスから除去されたガス成分(11)の分離処理に付す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2段階の連続的洗浄工程のうちの少なくとも最初の洗浄工程において精製すべきガス混合物から1種以上のガス成分の大部分を選択的に除去するガス物理洗浄における使用済洗浄剤を再生するための方法と、この方法を実施するための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガス物理洗浄では、気体物質を吸収すると共にプロセス中の気体を化学結合することなく溶液中に保持するという液体の性質を利用する。ガスが液体に如何に良好に吸収されるかは溶解度係数によって表され、ガスが液体に溶解し易いほど溶解度係数は大きくなる。溶解度係数は温度に依存し、一般的には温度が低くなるほど増加する。
【0003】
物理洗浄によってガス混合物から或るガス成分iを溶出する場合、洗浄剤として用いる液体の最少必要量Wminは、計算式Wmin=V/(p・λi)によって容易に求めることができる。
【0004】
上記計算式において、Vはガス混合物の総量、pはガス混合物の圧力、λiは使用する洗浄剤に対する溶出すべきガス成分の溶解度係数である。ガス混合物の各ガス成分の溶解度係数が互いに充分に異なっている条件で洗浄剤の量を対応して適合化することにより、最大の溶解度係数をもつガス成分の大部分を残余のガス成分とは独立して単一の洗浄工程で分離、即ち選択的に除去することが可能である。洗浄剤の量を増加することにより、似たような溶解度係数をもつ更なるガス成分又はガス成分群を同様の原理による後続の洗浄工程で選択的に溶出分離することができる。
【0005】
ガス洗浄の後に、洗浄剤中に溶出されたガス成分は係る使用済洗浄剤から除去され、それにより使用済洗浄剤が再生される。再生された洗浄剤は通常はガス洗浄に再利用され、一方、除去されたガス成分は廃棄され、或いは省資源のための再利用に活用される。
【0006】
各種合成用原料ガスを精製するためには、これら原料ガスがガス化プラントで石炭及び/又は炭化水素原料から例えば蒸気改質又は部分酸化により産業的規模で製造され、しかも通常は二酸化炭素(CO2)、硫化水素(H2S)、硫化カルボニル(COS)等の不所望の成分を含有しているので、好適には物理洗浄が利用される。これらの洗浄プロセスは、現在、合成用原料ガスが一般的に高圧で製造され、最初の推算として物理洗浄の効率が動作圧力に応じて線形に増加する点で有利である。合成原料ガスの精製には、特にメタノール洗浄が適合する。メタノール洗浄は、深冷液体メタノール中におけるH2S、COS、CO2の溶解度係数が水素(H2)及び一酸化炭素(CO)の溶解度係数に対して大幅に異なることを利用している。メタノールは洗浄工程の後に再生され、再び洗浄工程に戻される。同様に合成用原料ガス中に含有される例えばシアン化水素(青酸、HCN)等の物質は、その高い溶解度係数の故にメタノートに極めて強固に結合されるのでメタノール洗浄剤の再生を実質的にかなり困難にする。しかしながら、この毒性物質のガスは腐食性であり、この理由だけでも合成ガスから精製される製品(CO、H2、オキソガス)中に残ってはならない成分であるので、メタノール洗浄剤中にシアン化水素が残留して濃縮されることは避けなければならない。
【0007】
従来技術によれば、シアン化水素(HCN)は例えばメタノール洗浄に先行する個別の洗浄塔内で水により溶出除去されている。使用済洗浄水中には強固に希釈された形態で青酸が存在しており、従って使用済洗浄水を後工程で複雑な処理により廃棄するか、或いは空気によるストリッピング処理等で再生する必要がある。
【0008】
別の従来技術では、CO2、H2S、COSに比べてHCNが液体メタノールに対して極めて大きい溶解性を有することを利用している。これにより、比較的少量のメタノールを用いた予備洗浄工程で合成用原料ガスからHCNを除去することができる(非特許文献1)。この場合、HCNの予備洗浄工程はメタノール洗浄塔内における最初の洗浄工程でHCNの溶解度に合わせて調整されたメタノール量にて行われ、酸性ガスは後続の第2の洗浄工程で除去される。溶出したHCNを含有する使用済メタノール洗浄剤は、再生のために別のストリッピングカラムの上部領域に供給され、一方、酸性ガスのみを含有する使用済メタノール洗浄剤はこのストリッピングカラムの下部領域に導入される。ストリップ処理後の酸性ガスとHCNは次いでクラウス(Claus)法プロセス設備へ共通に導かれ、そこでは酸性ガスから硫黄が回収され、その際にHCNが妨害することはない。
【非特許文献1】ルルギ社広報「ガス精製用レクティゾル・プロセス」(Lurgi publication "The Rectisol Process for Gas Purification")
【0009】
この従来技術では、メタノール洗浄剤中に多量のHCNが濃縮されるのを阻止するため、合成用原料ガスから酸性ガス及びHCNを除去するのに用いた使用済メタノール洗浄剤をHCNの溶解度係数で定められる条件下においてストリッピングに付す必要があり、従って大規模なプラント設備と操業コストを要する難点がある。ストリッピング処理を不充分な条件で行う場合は、メタノール洗浄剤中のHCNの濃縮とその全ての悪影響を受け入れなければならなくなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って本発明で課題とするところは、シアン化水素含有原料ガスの精製に関する従来技術の諸問題点を解消することのできる汎用プロセスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、本発明によれば、冒頭に記載の方法において、少なくとも2段階の連続的洗浄工程のうちの最初の洗浄工程から取り出した使用済洗浄剤を残余の使用済洗浄剤とは別に再生工程へ導いて前記最初の洗浄工程で原料ガスから選択的に除去されたガス成分の分離処理に付すことによって解決される。
【0012】
本発明による方法は、少なくとも2段階の連続的洗浄工程によるメタノール洗浄における使用済洗浄剤を再生するのに特に好適である。このメタノール洗浄では、最初の洗浄工程で合成用原料ガスからシアン化水素(HCN)が除去され、少なくとも1段階の後続洗浄工程で該合成用原料ガスから液体深冷メタノールにより酸性ガス(H2S、COS)及び/又は二酸化炭素(CO2)が除去される。液体深冷メタノール中におけるシアン化水素の溶解度係数は、酸性ガスや二酸化炭素の溶解度係数よりも約100倍ほど大きい。従って、これに対応する比較的僅かな量のメタノールで合成用原料ガス中のシアン化水素を洗浄除去することができる。シアン化水素を含有する使用済メタノール洗浄剤は全体量のうちの比較的僅かな量であり、この使用済のシアン化水素含有メタノール洗浄剤は残余の使用済メタノール洗浄剤とは別に専用の再生ユニットに供給され、そこでシアン化水素の殆どを分離するに必要な動作条件下で再生される。一方、全体量の大部分を占める残余の使用済メタノール洗浄剤は酸性ガス及び二酸化炭素を含有しているがシアン化水素は含有していないので比較的単純な処理で再生可能であり、従って当業者によく知られている通りに酸性ガス及び/又は二酸化炭素を含有する使用済メタノール洗浄剤の再生プロセスで再生可能である。
【0013】
本発明による方法の好適な一実施形態においては、使用済のシアン化水素(HCN)含有メタノール洗浄剤をメタノール洗浄工程から取り出して好ましくは加熱及び膨張後にストリッピングカラムに供給し、該ストリッピングカラム内においてストリッピング処理によりシアン化水素含有ガス流を生成させる。ストリッピング処理に必要なストリップガスは、ストリッピングカラムの塔底に得られる排液(サンプ)を沸騰させることによって好適に得ることができ、この沸騰は、例えばプラント内の蒸気で加熱されるリボイラに排液を通して加熱することにより達成することができる。本発明による方法の更に好適な実施形態では、シアン化水素含有ガス流を熱交換器で冷却してシアン化水素富化ガス流とし、従って部分的に凝縮する。実用的には、シアン化水素含有ガス流は主にストリップガス成分が部分凝縮で凝縮分離されるまで冷却されればよい。
【0014】
使用済のシアン化水素含有メタノール洗浄剤が水を含有している場合、本発明による変形実施形態ではシアン化水素と水とを含有する使用済メタノール洗浄剤を単純なストリッピングカラムに供給してシアン化水素をストリッピング処理に付し、このストリッピングカラムの塔底に生じる排液からメタノール・水混合物を取り出して該混合物をメタノール−水分離塔へ供給する。本発明による方法の別の変形形態では、使用済シアン化水素含有メタノール洗浄剤を分離壁形のストリッピングカラムに導入してシアン化水素のストリッピング処理に付し、このとき、ストリップされたシアン化水素と、水と、ほぼ再生されたメタノール洗浄剤とが別々に取り出されるように該ストリッピングカラムを運転する。
この変形実施形態による方法では、別個のメタノール−水分離塔は不要である。
【0015】
本発明による再生方法を更に発展させて、ストリッピングカラムから取り出したシアン化水素富化ガス流を環境保全責任に適う方式で廃棄処分することもできる。この目的のためには、ストリッピングカラムから取り出されたシアン化水素富化ガス流をクラウス法プロセス設備に送って燃焼処理に付すことが好ましい。
【0016】
本発明は更に、少なくとも2段階の連続的洗浄工程のうちの少なくとも最初の洗浄工程において精製すべきガス混合物である原料ガスから1種以上のガス成分の大部分を選択的に除去するガス物理洗浄における使用済洗浄剤を再生するための装置も提供する。
【0017】
装置に関して、本発明の課題は前記最初の洗浄工程における原料ガスから選択的に除去されたガス成分を使用済洗浄剤から分離すると共に前記最初の洗浄工程から取り出された使用済洗浄剤の単独の供給を受ける再生ユニットを備えた再生装置によって解決される。
【0018】
本発明による装置の有利な一実施形態においては、再生ユニット内においてメタノール洗浄工程の最初の洗浄工程の後に取り出された使用済のシアン化水素(HCN)含有メタノール洗浄剤からシアン化水素(HCN)が除去され、少なくとも1段階の後続洗浄工程において合成用原料ガスから酸性ガス(H2S、COS)及び/又は二酸化炭素(CO2)が分離除去される。
【0019】
本発明による装置の変形実施形態においては、再生ユニットがリボイラと塔頂凝縮器とを有する単純なストリッピングカラムを備え、該ストリッピングカラム内にシアン化水素(HCN)と水を含有する使用済メタノール洗浄剤を導入してシアン化水素(HCN)富化ガス留分と殆どシアン化水素(HCN)を含有しない大部分がメタノールからなる排液とを該ストリッピングカラムから取り出すようにしてある。使用済のシアン化水素含有メタノール洗浄剤が水を含有している場合、ストリッピングカラムから得られる塔底排液はメタノール・水混合物となる。この場合、本発明による装置はメタノール・水分離塔を備えていることが好ましく、この分離塔にメタノール・水混合物を供給して水留分とメタノール留分に分離することが望ましい。
【0020】
本発明による装置の別の変形実施形態においては、再生ユニットがリボイラと塔頂凝縮器とを有するストリッピングカラムとして構成された分離壁形カラムを備え、該カラム内にシアン化水素(HCN)と水を含有する使用済メタノール洗浄剤を導入してシアン化水素(HCN)富化ガス留分と殆どシアン化水素(HCN)を含有しないメタノール留分と水とを該ストリッピングカラムから別々に取り出すようにしてある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明を図1と図2に模式的な系統図で示した二つの実施例に基づいて詳述すれば以下の通りである。ここで、各実施例は残留水分を含む合成用原料ガスを精製するためのメタノール洗浄に関するものであり、その最初の洗浄工程では水とシアン化水素(HCN)を洗浄除去し、続く第2の洗浄工程で二酸化炭素(CO2)と酸性ガス(H2S、COS)を洗浄除去するものである。第2の洗浄工程から取り出される使用済メタノール洗浄剤の一部が最初の洗浄工程における洗浄剤として利用される。図1と図2において同等の構成部分には同一の符号が付されている。
【0022】
精製すべきガス流は導管ライン1を介して洗浄塔T1の下部領域に導入され、この下部領域の内部で大部分の残留水分とシアン化水素が洗浄除去される。洗浄塔で精製されたガス流は大部分が水素と一酸化炭素で占められており、このガス流は洗浄塔の塔頂から導管ライン2を介して取り出される。洗浄塔の塔頂部からは導管ライン3を介して深冷液体メタノールが洗浄剤として導入され、その下降流が向流として上昇してくる塔内ガス流に対して適切な固定付属物による補助作用で激しく接触する。洗浄塔の上部領域においては、上昇ガス流中の酸性ガス(COS及びH2S)並びに二酸化炭素(CO2)が吸収により除去されてメタノール洗浄剤中に濃縮され、その後、このメタノール洗浄剤は使用済メタノール洗浄剤として洗浄塔から導管ライン4を介して取り出され、その大部分が導管ライン5を介して再生ユニット(図示せず)へ送られる。
【0023】
洗浄塔の上部領域で使用された使用済メタノール洗浄剤の少量分がライン5の分岐ライン6と流量調整弁aとを介して洗浄塔の下部領域で実行される最初の洗浄工程に供給されており、この洗浄剤は最初の洗浄工程において合成原料ガスから大部分のシアン化水素と水分とを選択的に除去するための洗浄剤として利用される。洗浄塔T1の塔底では使用済メタノール洗浄剤中の水、HCN、CO2、H2S、及びCOSが濃縮されており、これは導管ライン7を介して取り出される。導管ライン7により取り出された使用済メタノール洗浄剤は、熱交換器E1内において図示しないメタノール再生ユニットからの硫化水素富化流8との熱交換により加熱され、導管ライン9とスロットル弁bとを介してシアン化水素分離設備(T2、T2a)に導かれる。
【0024】
図1に模式系統図で示す実施例において、シアン化水素分離設備T2は単純なストリッピングカラムである。使用済洗浄剤に吸収されているCO2、H2S、及びCOSの殆どはスロットル弁bを通過する際の加熱された使用済メタノール洗浄剤の膨張の間に脱離している。酸性ガスよりもメタノールと強固に結合しているシアン化水素はこのシアン化水素分離設備T2内でストリップ処理されて使用済メタノール洗浄剤から分離される。このために必要なストリップガスは、シアン化水素ストリッピングカラムの筒底に得られる主に水とメタノールからなる排液を沸騰させて発生される。この沸騰に必要なエネルギーは、排液に対してプラント内蒸気で加熱されるリボイラE2から供給される。分離されたシアン化水素は加熱で生じた排液蒸気流と共にストリッピングカラムT2の塔頂へ向けて上昇し、塔頂部に設けられた凝縮器E3内で水とメタノールが凝縮される。塔底排液は導管ライン10を介して取り出され、図示しない水・メタノール分離カラムへ供給される。一方、ストリッピングカラムT2の塔頂からは酸性ガスと共にシアン化水素が導管ライン11を介して取り出され、メタノール洗浄の第2の洗浄工程から取り出された大部分の使用済洗浄剤の再生処理で生じた硫化水素留分12と共に導管ライン13を介してクラウス法プロセス設備(図示せず)へ供給され、硫黄分の回収に付される。
【0025】
図2に示す実施例で図1の場合と異なるのは、シアン化水素分離設備が分離壁形カラムとして構成されたストリッピングカラムT2aからなる点である。分離壁形カラムを使用すると、カラムT2aの塔低には単なる水が排液として生じるだけであり、これは導管ライン14を介して廃棄できるので、水・メタノール分離カラムを省略することができる。カラムT2aの分離壁領域の下部からは導管ライン15を介して実質的にシアン化水素を含有しないメタノール留分が分離され、図示しないメタノール再生ユニットへ導かれている。このメタノール再生ユニットには、ライン5を介して洗浄塔T1から取り出された使用済の酸性ガス含有メタノール洗浄剤も再生のために導かれる。
【0026】
上述の二つの実施例において、別手段で再生される使用済メタノール洗浄剤の総量は導管ライン3を介して戻され、洗浄塔T1に導入される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施例によるガス物理洗浄設備の主要部の構成を示す模式系統図である。
【図2】本発明の別の実施例によるガス物理洗浄設備の主要部の構成を示す模式系統図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2段階の連続的洗浄工程のうちの少なくとも最初の洗浄工程において精製すべきガス混合物である原料ガスから1種以上のガス成分の大部分を選択的に除去するガス物理洗浄における使用済洗浄剤を再生する方法において、前記最初の洗浄工程から取り出した使用済洗浄剤を、残余の使用済洗浄剤とは別に再生工程へ導いて前記最初の洗浄工程で原料ガスから選択的に除去されたガス成分の分離処理に付すことを特徴とするガス物理洗浄における使用済洗浄剤の再生方法。
【請求項2】
前記最初の洗浄工程から取り出される使用済洗浄剤がシアン化水素(HCN)含有液体深冷メタノール洗浄剤であり、この使用済洗浄剤をメタノール洗浄工程の最初の洗浄工程の後に取り出し、少なくとも1段階の後続洗浄工程において合成用原料ガスから酸性ガス(H2S、COS)及び/又は二酸化炭素(CO2)を分離除去することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シアン化水素(HCN)含有液体深冷メタノール洗浄剤をメタノール洗浄工程から取り出してストリッピングカラムに供給し、該ストリッピングカラム内でストリップガスによるストリッピング処理を行うことにより再生することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ストリッピングカラムの排液を沸騰させることにより生成した蒸気流をストリップガスに用いることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記シアン化水素(HCN)含有液体深冷メタノール洗浄剤の再生工程で生成したシアン化水素(HCN)含有混合蒸気流をクラウス(Claus)法プロセス設備へ導いて燃焼に付すことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも2段階の連続的洗浄工程のうちの少なくとも最初の洗浄工程において精製すべきガス混合物である原料ガスから1種以上のガス成分の大部分を選択的に除去するガス物理洗浄における使用済洗浄剤を再生するための装置において、前記最初の洗浄工程における原料ガスから選択的に除去されたガス成分を使用済洗浄剤から分離すると共に、前記最初の洗浄工程から取り出された使用済洗浄剤の単独の供給を受ける再生ユニットを備えたことを特徴とするガス物理洗浄における使用済洗浄剤の再生装置。
【請求項7】
再生ユニット内で、メタノール洗浄工程の最初の洗浄工程の後に取り出された使用済のシアン化水素(HCN)含有メタノール洗浄剤からシアン化水素(HCN)が除去され、少なくとも1段階の後続洗浄工程において合成用原料ガスから酸性ガス(H2S、COS)及び/又は二酸化炭素(CO2)が分離除去されることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
再生ユニットがリボイラと塔頂凝縮器とを有するストリッピングカラムを備え、該ストリッピングカラム内にシアン化水素(HCN)と水を含有する使用済メタノール洗浄剤を導入してシアン化水素(HCN)富化ガス留分と殆どシアン化水素(HCN)を含有しないメタノール・水混合物とを該ストリッピングカラムから取り出すようにしたことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
再生ユニットがリボイラと塔頂凝縮器とを有するストリッピングカラムとして構成された分離壁形カラムを備え、該カラム内にシアン化水素(HCN)と水を含有する使用済メタノール洗浄剤を導入してシアン化水素(HCN)富化ガス留分と殆どシアン化水素(HCN)を含有しないメタノール留分と水とを該ストリッピングカラムから別々に取り出すようにしたことを特徴とする請求項7に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−260673(P2007−260673A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−78337(P2007−78337)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(391009659)リンデ アクチエンゲゼルシヤフト (106)
【氏名又は名称原語表記】LINDE AKTIENGESELLSCHAFT
【住所又は居所原語表記】Abraham−Lincoln−Strasse 21, D−65189 Wiesbaden,Germany
【Fターム(参考)】