説明

ガラスパネル材の貼り合せ構造とその貼り合せ方法

【課題】2枚のガラスパネル材間に気泡が入り込まないように、両ガラスパネル材を寸法精度良くしっかりと安定に貼り合せることができ、かつ、気泡が入り込んだときの修復(リペア)が容易で、気泡の無い良品を低コストに作製するのに好適な、ガラスパネル材の貼り合せ構造とその貼り合せ方法を提供する。
【解決手段】 2枚のガラスパネル材P1、P2の貼り合せ方法は、第1のガラスパネル材P1に自己吸着性両面微粘着フイルムFを貼り、この自己吸着性両面微粘着フイルムFの上に第2のガラスパネル材P2を重ねて加圧する工程と、前記加圧後に、前記自己吸着性両面微粘着フイルムFとガラスパネル材P1、P2の境界面の外周部を接着剤で接着する工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2枚のガラスパネル材(例えば、タッチパネルとLCDパネル等の表示パネル又はカバーガラス)の貼り合せ構造とその貼り合せ方法に関し、特に、その2枚のガラスパネル材間に気泡が入り込まないように、両ガラスパネル材を寸法精度良くしっかりと安定に貼り合せることができ、かつ、気泡が入り込んだときの修復(リペア)が容易で、気泡の無い良品を低コストに作製できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機、PDA、スマートホン等の移動体通信端末やモバイルパソコンなどの分野においては、データ入力装置としてタッチパネルを搭載したものが多く市販されている。この種のタッチパネルは、LCDパネルや有機ELパネル等の表示パネルに取り付けられており、その取付け方法や取付け構造については、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1では、タッチパネルの略全面と表示パネル(LCDモジュール6)の略全面とを両面粘着フイルム(両面粘着シート1)で貼り合せる方式(以下「全面貼り方式」という)により、タッチパネルを表示パネルに取り付けている(同文献1の段落0014と図2を参照)。
【0004】
ところで、先に説明した特許文献1のような全面貼り方式では、タッチパネルと表示パネルとがその間に介在する両面粘着フイルム(両面粘着シート1)の粘着力によって貼り付いているので、タッチパネルと表示パネルをしっかりと安定に固定するために、両面粘着フイルム(両面粘着シート1)の粘着力を強力にする必要がある。
【0005】
しかしながら、強力な粘着力の両面粘着フイルムによりタッチパネルと表示パネルを貼り合せた場合は、そのタッチパネルと表示パネルの間に空気が入り込んだときに、かかる空気の気泡を外部へ移動させる方式で除去することが困難である。特に、タッチパネルも表示パネルもガラス板をベースとして作製したガラスパネル素材からなる場合はタッチパネルや表示パネルが変形し難いので、前記のような気泡の移動による除去はより一層困難であり、気泡の無い良品を得る上で、製造上の歩留りが悪いという問題点がある。タッチパネルのサイズが大きくなると製造上の歩留りは更に悪化する。
【0006】
前記歩留り悪化を回避する方法として、両面粘着フイルムによるタッチパネルと表示パネルの貼り合せを真空中で行う方法も考えられる。しかしながら、この方法では、貼り合せ機構を内蔵した大型の真空チャンバが必要になる等、大掛かりな装置が必要になり、気泡の無い良品を低コストに作製することはできない。
【0007】
また、タッチパネルと表示パネルをUV接着剤で貼り合せる方法も考えられる。しかしながら、この方法では、UV接着剤層の厚みを均一な厚みにすることが難しく、寸法精度上の貼り合せ不良が発生しやすい。また、UV接着剤の硬化後はタッチパネルと表示パネルの貼り合せ面が硬化したUV接着剤で強固に固着されてしまうので、その貼り合せの面に気泡が存在することを後で発見しても、かかる気泡を除去する修復(リペア)はできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】2003−238915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、2枚のガラスパネル材間(例えば、タッチパネルとLCDパネル等の表示パネル又はカバーガラスとの間)に気泡が入り込まないように、両ガラスパネル材を寸法精度良くしっかりと安定に貼り合せることができ、かつ、気泡が入り込んだときの修復(リペア)が容易で、気泡の無い良品を低コストに作製するのに好適な、ガラスパネル材の貼り合せ構造とその貼り合せ方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るガラスパネル材の貼り合せ方法は、2枚のガラスパネル材の貼り合せ方法であって、前記貼り合せ方法は、第1のガラスパネル材に自己吸着性両面微粘着フイルムを貼り、この自己吸着性両面微粘着フイルムの上に第2のガラスパネル材を重ねて加圧する工程と、前記加圧後に、前記自己吸着性両面微粘着フイルムとガラスパネル材の境界面の外周部を接着剤で接着する工程とを含むことを特徴とする。
【0011】
前記本発明に係るガラスパネル材の貼り合せ方法において、前記加圧の工程では、前記加圧箇所において最初にガラスパネル材と自己吸着性両面微粘着フイルムの境界面が真空になって密着し、この真空による密着部が前記加圧箇所の周囲に連鎖的に拡がることにより、ガラスパネル材と自己吸着性両面微粘着フイルムの境界面にある空気が境界面の外部に押し出されて、第1のガラスパネル材と第2のガラスパネル材が貼り付くようになってもよい。
【0012】
前記本発明に係るガラスパネル材の貼り合せ方法において、前記第1のガラスパネル材は、ガラス板をベースとして作製されたLCDパネル、有機ELパネル、電子ペーパその他の表示パネル、若しくはカバーガラスであり、前記第2のガラスパネル材は、ガラス板をベースとして作製されたタッチパネルその他のセンサパネルであってもよい。
【0013】
前記本発明に係るガラスパネル材の貼り合せ方法において、前記自己吸着性両面微粘着フイルムは、180度剥離強度測定による剥離強度が0.01〜0.20(N/25mm)の範囲内のものである。
【0014】
また、本発明に係るガラスパネル材の貼り合せ構造は、2枚のガラスパネル材の貼り合せ構造であって、前記貼り合せ構造は、第1のガラスパネル材に自己吸着性両面微粘着フイルムが貼られ、この自己吸着性両面微粘着フイルムの上に第2のガラスパネル材を重ねて加圧することにより、第1のガラスパネル材と第2のガラスパネル材が貼り合わされてなるとともに、これらのガラスパネル材と自己吸着性両面微粘着フイルムの境界面の外周部が接着剤で接着された構造になっていることを特徴とする。
【0015】
前記本発明に係るガラスパネル材の貼り合せ構造では、前記加圧箇所において最初にガラスパネル材と自己吸着性両面微粘着フイルムの境界面が真空になって密着し、この真空による密着部が前記加圧箇所の周囲に連鎖的に拡がることによって、ガラスパネル材と自己吸着性両面微粘着フイルムの境界面にある空気が境界面の外部に押し出されて、第1のガラスパネル材と第2のガラスパネル材が貼り付いているものであってもよい。
【0016】
前記本発明に係るガラスパネル材の貼り合せ構造において、前記第1のガラスパネル材は、ガラス板をベースとして作製されたLCDパネル、有機ELパネル、電子ペーパその他の表示パネル、若しくはカバーガラスであり、前記第2のガラスパネル材は、ガラス板をベースとして作製されたタッチパネルその他のセンサパネルであってもよい。
【0017】
前記本発明に係るガラスパネル材の貼り合せ構造において、前記自己吸着性両面微粘着フイルムは、180度剥離強度測定による剥離強度が0.01〜0.20(N/25mm)の範囲内のものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明にあっては、上記構成の採用により、下記(1)から(4)の作用効果が奏し得られる。
【0019】
(1)2枚のガラスパネル材の貼り合せは自己吸着性両面微粘着フイルムによるものであるため、従来のUV接着剤による貼り合せのような寸法精度上の貼り合せ不良は発生せず、2枚のガラスパネル材を寸法精度良く貼り合せることができる。
【0020】
(2)自己吸着性両面微粘着フイルムの上に第2のガラスパネル材を重ねて加圧したときに、その加圧箇所において最初にガラスパネル材と自己吸着性両面微粘着フイルムの境界面が真空になって密着し、この真空による密着部が前記加圧箇所の周囲に連鎖的に拡がることによって、ガラスパネル材と自己吸着性両面微粘着フイルムの境界面にある空気が境界面の外部に押し出されることから、大気圧での貼り合せでも、2枚のガラスパネル材間に気泡が入り込まないように、両ガラスパネル材を貼り合せることができ、気泡の無い良品を低コストに作製するのに好適である。
【0021】
(3)ガラスパネル材と自己吸着性両面微粘着フイルムの境界面の外周部を接着剤で接着することにより、ガラスパネル材の貼り合せが堅固に固定されることから、2枚のガラスパネル材をしっかり安定に貼り合せることができる。
【0022】
(4)2枚のガラスパネル材を貼り合せている自己吸着性両面微粘着フイルムは微粘着性であるから、ガラスパネル材と自己吸着性両面微粘着フイルムの境界面に気泡が入り込んでも、該気泡を除去する修復(リペア)手段として、接着剤による接着前に、加圧により当該気泡を外部へ押し出す方式で除去する、或いは、貼り合せたガラスパネル材を元の2枚のガラスパネル材の形に分離する作業も容易に行うことができ、気泡が入り込んだときの修復(リペア)が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態であるガラスパネル材の貼り付け方法の工程図。
【図2】(a)と(b)は接着剤による接着の他の実施形態の説明図、(c)は2枚のガラスパネル材の縁部が上下方向で一致している場合における本発明の適用例の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態であるガラスパネル材の貼り付け方法の工程図である。この工程図において、第1の工程(ステップ101)では、自己吸着性両面微粘着フイルムFを第1のガラスパネル材P1に貼り、その自己吸着性両面微粘着フイルムFの上に第2のガラスパネル材P2を重ねて加圧する(以下、この重ね合わせ品を「ガラスパネル材積層体P」という)。
【0026】
前記のように自己吸着性両面微粘着フイルムFの上に第2のガラスパネル材P2を重ねた直後は、自己吸着性両面微粘着フイルムFと第2のガラスパネル材P2の境界面に空気の層が存在しており、自己吸着性両面微粘着フイルムFと第2のガラスパネル材P2は密着していない。この状態で第2のガラスパネル材P2を軽く指で押さえる等、加圧を行うと、その加圧箇所において最初にガラスパネル材P2と自己吸着性両面微粘着フイルムFの境界面が真空になって密着し、この真空による密着部が前記加圧箇所の周囲に連鎖的に拡がることにより(以下この現象を「自己吸着性」という)、ガラスパネル材P2と自己吸着性両面微粘着フイルムFの境界面にある空気が境界面の外部に押し出されて、第1のガラスパネル材P1と第2のガラスパネル材P2が貼り付く。
【0027】
シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂などのゴム弾性のあるエラストマー材料からなるフイルムや、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂などのゲル状粘着材料からなるフイルムは、180度剥離強度測定による剥離強度が0.01〜0.20(N/25mm)となる範囲内で、前記のような自己吸着性が生じる。
【0028】
前記自己吸着性両面微粘着フイルムFの剥離強度が0.01(N/25mm)より小さい場合は、自己吸着性両面微粘着フイルムFの粘着力が小さくなり過ぎ、自己吸着性両面微粘着フイルムFの上にガラスパネル材P2を重ねて加圧した直後の状態で、その自己吸着性両面微粘着フイルムFとガラスパネル材P2の密着が不十分で不安定なものになる。一方、自己吸着性両面微粘着フイルムFの剥離強度が0.20(N/25mm)より大きい場合は、ガラスパネル材P2と自己吸着性両面微粘着フイルムFの境界面に空気を巻き込んでしてしまう、つまり、前述の自己吸着性による境界面からの空気の押し出しがスムーズに行われず、境界面に気泡が生じやすい。2枚のガラスパネルP1、P2間に気泡が含まれないように、これらのガラスパネルP1、P2を貼り合せるには、前記剥離強度の範囲0.01〜0.20(N/25mm)に含まれる自己吸着性両面微粘着フイルムFを採用するのが好ましい。
【0029】
前記自己吸着性両面微粘着フイルムFの具体的なフイルム構造としては、例えば、基材フイルムの両面に前記剥離強度範囲内のエラストマー材料またはゲル状粘着材料からなる層(自己粘着性微粘着層)を設けた構造や、そのような層が単体で存在する構造を採用することができる。前記基材フイルムについては、PETフイルムをはじめとする「コシ」のあるフイルムであれば、どのようなフイルムでも適用できる。
【0030】
前記第1のガラスパネルP1は、例えばガラス板をベースとして作製されたLCDパネル、有機ELパネル、電子ペーパその他の表示パネル、若しくはカバーガラスであってもよく、また、第2のガラスパネル材P2は、例えばガラス板をベースとして作製されたタッチパネルその他のセンサパネルであってもよい。更に、タッチパネルとしては静電容量方式のものでもよいし、抵抗膜方式のものでもよい。
【0031】
第2の工程(ステップ102)では、第1の工程(ステップ101)で得られたガラスパネル材積層体Pを公知のオートクレーブで加圧・加熱する。このガラスパネル材積層体Pの中間層を形成している自己吸着性両面微粘着フイルムFは微粘着性であるため、第1の工程においてガラスパネル材P1、P2と自己吸着性両面微粘着フイルムFの境界面に気泡Bが入り込んでも、このオートクレーブでの加圧により、その境界面の気泡Bはスムーズに外部へ押し出される方式で除去される。
【0032】
第3の工程(ステップ103)では、オートクレーブからガラスパネル材積層体Pを取り出し、気泡の有無を目視又はその他の手法で検査する。この検査で合格したガラスパネル材積層体Pは次の第4の工程に移行する。一方、この検査で不合格とされたガラスパネル材積層体Pは、気泡を除去する修復(リペア)手段として、オートクレーブで再加圧する、又は、元の2枚のガラスパネル材P1、P2の形に分離し、第1の工程(ステップ101)へ送って再度貼り合せを行う。
【0033】
前記再加圧時も、ガラスパネル材P1、P2を貼り合せている自己吸着性両面微粘着フイルムFは微粘着性であるため、前回の加圧により除去できなかった気泡は今回の再加圧により外部へ移動する方式で除去することが可能であり、また、前記のようにガラスパネル材積層体Pを元の2枚のガラスパネル材P1、P2の形に分離する作業も容易に行うことができる。
【0034】
第4の工程(ステップ104)では、前記検査で合格したガラスパネル材積層体Pの固定を行う。この固定は、ガラスパネル材P1、P2と自己吸着性両面微粘着フイルムFの境界面の外周部を接着剤Adで接着することにより、その自己吸着性両面微粘着フイルムFの微粘着力によるガラスパネル材P1、P2の貼り合せをしっかりと安定に固定するものである。この固定の形態としては、例えば、ガラスパネル材P1、P2の縁部全周に当該接着剤Adを塗布した形態、又は、その一部の縁部に当該接着剤Adを塗布した形態を採り得る。
【0035】
第4の工程(ステップ104)の工程図では、第1のガラスパネル材P1の縁部表面に接着剤Adが乗っかる形態で、ガラスパネル材P1、P2と自己吸着性両面微粘着フイルムFの境界面の外周部を接着剤Adで接着することにより、ガラスパネル材P1、P2の貼り合せを固定した例を示したが、この例に限定されることはない。このような接着剤Adによる貼り合せの固定は、例えば、図2(a)のように接着剤Adがガラスパネル材P1、P2間に滲み込む形態で、ガラスパネル材P1、P2と自己吸着性両面微粘着フイルムFの境界面の外周部を接着剤Adで接着するものでもよいし、また、図2(b)のように、第1のガラスパネル材P1の縁部表面に接着剤Adが乗っかる形態と、接着剤Adがガラスパネル材P1、P2間に滲み込む形態とを合成した形で、ガラスパネル材P1、P2と自己吸着性両面微粘着フイルムFの境界面の外周部を接着剤Adで接着するものでもよい。
【0036】
更に、図1では、寸法の異なる2枚のガラスパネル材P1、P2を貼り合せる例、及びそれぞれのガラスパネル材P1、P2の縁部が上下方向でずれている例において、これらのガラスパネル材P1、P2を貼り合せる方法を説明したが、本発明は、同一寸法の2枚のガラスパネル材を貼り合せる場合や、図2(c)のように、それぞれのガラスパネル材P1、P2の縁部が上下方向で一致している場合にも適用できる。
【0037】
以上説明した第1の工程から第4の工程(ステップ101〜104)によって作製されたガラスパネル材P1、P2の貼り合せ構造は、図1の第4の工程図に示したように、第1のガラスパネル材P1に自己吸着性両面微粘着フイルムFが貼られ、この自己吸着性両面微粘着フイルムFの上に第2のガラスパネル材P2を重ねて加圧することにより、第1のガラスパネル材P1と第2のガラスパネル材P2が貼り合わされてなるとともに、これらのガラスパネル材P1、P2と自己吸着性両面微粘着フイルムFの境界面の外周部が接着剤Adで接着された構造になる。
【0038】
以上説明した本実施形態の貼り合せ方法、貼り合せ構造にあっては、2枚のガラスパネル材P1、P2の貼り合せは自己吸着性両面微粘着フイルムFによるものであるため、従来のUV接着剤による貼り合せのような寸法精度上の貼り合せ不良は発生せず、2枚のガラスパネル材P1、P2を寸法精度良く貼り合せることができる。
【0039】
また、本実施形態の貼り合せ方法、貼り合せ構造では、自己吸着性両面微粘着フイルムFの上にガラスパネル材P2を重ねて加圧したときに、その加圧箇所において最初にガラスパネル材P2と自己吸着性両面微粘着フイルムFの境界面が真空になって密着し、この真空による密着部が前記加圧箇所の周囲に連鎖的に拡がることによって、ガラスパネル材P2と自己吸着性両面微粘着フイルムFの境界面にある空気が境界面の外部に押し出されることから、大気圧での貼り合せでも、2枚のガラスパネル材P1、P2間に気泡が入り込まないように、両ガラスパネル材P1、P2を貼り合せることができる。
【0040】
さらに、本実施形態の貼り合せ方法、貼り合せ構造によると、ガラスパネル材P1、P2と自己吸着性両面微粘着フイルムFの境界面の外周部を接着剤Adで接着することにより、ガラスパネル材P1、P2の貼り合せが堅固に固定されることから、2枚のガラスパネル材P1、P2をしっかり安定に貼り合せることができる。
【0041】
また、本実施形態の貼り合せ方法、貼り合せ構造にあっては、2枚のガラスパネル材P1、P2を貼り合せている自己吸着性両面微粘着フイルムFは微粘着性であるから、ガラスパネル材P1、P2と自己吸着性両面微粘着フイルムFの境界面に気泡Bが入り込んでも、該気泡Bを除去する修復(リペア)手段として、接着剤Adによる接着前に、加圧により当該気泡Adを外部へ押し出す方式で除去する、或いは、貼り合せたガラスパネル材P1、P2を元の2枚のガラスパネル材P1、P2の形に分離する作業も容易に行うことができ、気泡Bが入り込んだときの修復(リペア)が容易である。
【符号の説明】
【0042】
Ad 接着剤
P ガラスパネル材積層体
P1、P2 ガラスパネル材
F 自己吸着性両面微粘着フイルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚のガラスパネル材の貼り合せ方法であって、
前記貼り合せ方法は、
第1のガラスパネル材に自己吸着性両面微粘着フイルムを貼り、この自己吸着性両面微粘着フイルムの上に第2のガラスパネル材を重ねて加圧する工程と、
前記加圧後に、前記自己吸着性両面微粘着フイルムとガラスパネル材の境界面の外周部を接着剤で接着する工程とを含むこと
を特徴とするガラスパネル材の貼り合せ方法。
【請求項2】
前記加圧の工程では、前記加圧箇所において最初にガラスパネル材と自己吸着性両面微粘着フイルムの境界面が真空になって密着し、この真空による密着部が前記加圧箇所の周囲に連鎖的に拡がることにより、ガラスパネル材と自己吸着性両面微粘着フイルムの境界面にある空気が境界面の外部に押し出されて、第1のガラスパネル材と第2のガラスパネル材が貼り付くこと
を特徴とする請求項1に記載のガラスパネル材の貼り合せ方法。
【請求項3】
前記第1のガラスパネル材は、ガラス板をベースとして作製されたLCDパネル、有機ELパネル、電子ペーパその他の表示パネル、若しくはカバーガラスであり、前記第2のガラスパネル材は、ガラス板をベースとして作製されたタッチパネルその他のセンサパネルであること
を特徴とする請求項1又は2に記載のガラスパネル材の貼り合せ方法。
【請求項4】
前記自己吸着性両面微粘着フイルムは、180度剥離強度測定による剥離強度が0.01〜0.20(N/25mm)の範囲内のものであること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のガラスパネル材の貼り合せ方法。
【請求項5】
2枚のガラスパネル材の貼り合せ構造であって、
前記貼り合せ構造は、
第1のガラスパネル材に自己吸着性両面微粘着フイルムが貼られ、この自己吸着性両面微粘着フイルムの上に第2のガラスパネル材を重ねて加圧することにより、第1のガラスパネル材と第2のガラスパネル材が貼り合わされてなるとともに、これらのガラスパネル材と自己吸着性両面微粘着フイルムの境界面の外周部が接着剤で接着された構造になっていること
を特徴とするガラスパネル材の貼り合せ構造。
【請求項6】
前記加圧箇所において最初にガラスパネル材と自己吸着性両面微粘着フイルムの境界面が真空になって密着し、この真空による密着部が前記加圧箇所の周囲に連鎖的に拡がることによって、ガラスパネル材と自己吸着性両面微粘着フイルムの境界面にある空気が境界面の外部に押し出されて、第1のガラスパネル材と第2のガラスパネル材が貼り付いていること
を特徴とする請求項5に記載のガラスパネル材の貼り合せ構造。
【請求項7】
前記第1のガラスパネル材は、ガラス板をベースとして作製されたLCDパネル、有機ELパネル、電子ペーパその他の表示パネル、若しくはカバーガラスであり、前記第2のガラスパネル材は、ガラス板をベースとして作製されたタッチパネルその他のセンサパネルであること
を特徴とする請求項5又は6に記載のガラスパネル材の貼り合せ構造。
【請求項8】
前記自己吸着性両面微粘着フイルムは、180度剥離強度測定による剥離強度が0.01〜0.20(N/25mm)の範囲内のものであること
を特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載のガラスパネル材の貼り合せ構造。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−136622(P2012−136622A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289552(P2010−289552)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(391012729)株式会社ミクロ技術研究所 (14)
【Fターム(参考)】