説明

ガラス板の印刷方法及び印刷パターン付きガラス板の製造方法

【課題】非画像領域のトナーを適切に除去することができるガラス板の印刷方法の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、回転する感光ドラム13を露光し、該露光した感光ドラム上にトナーを付着させ、該付着させたトナーをガラス板G面に転写するガラス板Gの印刷方法であって、前記感光ドラムからガラス板面に転写されたトナーのうち、所定の画像パターンに対応した領域のトナーを加熱及び/又は圧着して仮固着させ、該仮固着の後に、ガラス板面をクリーナ19でクリーニングして、ガラス板G面における前記画像パターンに対応する領域以外の領域に転写されたトナーを除去することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス板に所望の画像パターンを付与するためのガラス板の印刷方法及びこれを用いた印刷パターン付きガラス板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の窓に用いられるガラス板には、曇りを除去するヒータ線や、テレビやラジオ等を受信するアンテナ線として導電プリント線が設けられている。このような導電プリント線は、主に自動車の後部窓や後側部窓に設けられている。導電プリント線は、主に銀を含有するペーストの焼成体からなる。具体的には、銀とガラスフリットとが樹脂溶液に含有されたペーストを、スクリーン印刷により所定パターンでガラス板面に印刷し、ガラス板を加熱することで、樹脂分を分解し、ガラスフリットで銀をガラス板面に定着させた後、銀を焼成させて導電プリント線をガラス板面に設ける。
【0003】
自動車で使用される電気系統の電圧には制約があるため、所望の発熱量を得るためにはヒータ線の抵抗値を定められた抵抗値にする必要がある。また、定められたアンテナパターンにより電波を受信するため、アンテナ線の抵抗値を定められた抵抗値にする必要がある。導電プリント線の抵抗値は、線幅や線厚に依存する。
【0004】
一方、窓の全域において充分な曇り除去をするためや、所望の感度で電波を受信するためには、ヒータ線やアンテナ線の配置パターンの工夫が必要である。これらのパターンによりどのくらい曇りを除去できるか、又はどのくらいアンテナ性能が得られるかは、コンピュータシミュレーションによりある程度予測することができる。また、導電性テープを簡易的にガラス板面に貼り付け、各性能を予備測定することも行われている。しかし、最終的に得ようとする曇り除去やアンテナ性能になるかは、実際に導電プリント線を設けて各性能を測定する必要がある。
【0005】
したがって、ほぼ最終段階と予測してスクリーン版を作製し導電プリント付きガラス板を製造した後にも、導電プリント線の配置パターンを変更することもある。この場合、修正された配置パターンにあわせてスクリーン版を修正しなければならない。
【0006】
自動車は大量生産品であるため、自動車に使用する窓用のガラス板も大量生産品である。そのため、導電プリント線も一旦パターンが定まれば、定まったパターンに従って導電性ペーストを大量のガラス板に順次印刷することが求められる。このような大量生産には、スクリーン版による導電性ペーストのスクリーン印刷が適している。しかし、先に述べたようにパターンがほぼ確定したスクリーン版を用意しても、最終的に発熱性能やアンテナ性能を所望のものにするパターンにスクリーン版を修正する必要がある。しかも、ガラス板を自動車窓に用いる場合等は、自動車の型式に応じてガラス板の形状、導電プリント線のパターン形状等が異なる。したがって、自動車の型式に応じてスクリーン版を用意しなければならず、多くのスクリーン版をストックしておかなければならない。このため、スクリーン版の修正を必要としない、導電プリント線付きガラス板の製造方法及びそのための導電性組成物の開発が求められている。
【0007】
一方で、近年、電子写真技術を使用してガラス板、ガラスセラミックあるいはセラミックの製品に装飾及び/又は文字を付与する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。かかる電子写真技術を用いれば、感光パターンを変化させるだけで、パターンの種類や設計変更等に機動的に対応することができる。
【特許文献1】特許第3460084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、電子写真技術を用いる場合には、印刷媒体に、画像パターンに対応する領域以外の領域にトナー(以下、「非画像領域のトナー」という。)が転写されることがある。これは、画像パターンに対応する領域にだけトナーを付着させることが現実的に困難であり、また、感光ドラム上における画像パターンに対応する領域周辺の領域に付着されたトナー(感光ドラム上に残存するトナーを含む。)が、画像パターンに対応する領域に付着されたトナーと共に、印刷媒体に転写されるからである。非画像領域のトナーは、明らかに不要なトナーではあるが、印刷媒体が紙のような不透明な物体である場合には、特に見栄え上問題とならないため、敢えて除去する必要がなかった。
【0009】
しかしながら、印刷媒体が透明なガラス板の場合には、その透明性に起因して、非画像領域のトナーが目立つ場合がある。即ち、印刷媒体が透明なガラス板の場合には、非画像領域のトナーに起因して、最終製品状態でのガラス板の見栄えが悪化して商品性を損なう虞がある。
【0010】
そこで、本発明は、非画像領域のトナーを適切に除去することができるガラス板の印刷方法及びこれを用いた印刷パターン付きガラス板の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を解決するため、第1の発明は、回転する感光ドラムを露光し、該露光した感光ドラム上にトナーを付着させ、該付着させたトナーをガラス板面に転写するガラス板の印刷方法であって、
前記感光ドラムからガラス板面に転写されたトナーのうち、所定の画像パターンに対応した領域のトナーを加熱及び/又は圧着して仮固着させ、該仮固着の後に、ガラス板面をクリーナでクリーニングして、ガラス板面における前記画像パターンに対応する領域以外の領域に転写されたトナーを除去することを特徴とする。尚、感光ドラムを露光する際のパターンは、画像パターンに対応するものであってもよいし、或いは、画像パターンによりも大きくてもよく、後者の場合、トナーの無駄が発生するものの、原理上、感光ドラムの全体を露光するようなパターンであってもよい。
【0012】
第2の発明は、回転する感光ドラムを露光し、該露光した感光ドラム上にトナーを付着させ、該付着させたトナーを、中間転写体の表面に転写し、該中間転写体の表面に転写したトナーを、ガラス板面に転写するガラス板の印刷方法であって、
前記感光ドラムから中間転写体の表面に転写されたトナーのうち、所定の画像パターンに対応した領域のトナーを加熱及び/又は圧着して仮固着させ、該仮固着の後に、中間転写体の表面又はガラス板面をクリーナでクリーニングして、中間転写体の表面又はガラス板面における前記画像パターンに対応する領域以外の領域に転写されたトナーを除去することを特徴とする。尚、感光ドラムを露光する際のパターンは、画像パターンに対応するものであってもよいし、或いは、画像パターンによりも大きくてもよく、後者の場合、トナーの無駄が発生するものの、原理上、感光ドラムの全体を露光するようなパターンであってもよい。
【0013】
第3の発明は、ガラス板にトナーを所定の画像パターンで塗布するガラス板の印刷方法であって、
ガラス板面にトナーを塗布し、該塗布したトナーのうち、所定の画像パターンに対応した領域のトナーを加熱及び/又は圧着して仮固着させ、該仮固着の後に、ガラス板面をクリーナでクリーニングして、ガラス板面における前記画像パターンに対応する領域以外の領域に塗布されたトナーを除去することを特徴とする。
【0014】
第4の発明は、前記トナーが、導電性粒子、ガラスフリット及び熱可塑性樹脂を含有する粒子であることを特徴とする。
【0015】
第5の発明は、第4の発明に係るガラス板の印刷方法において、前記トナーの仮固着処理は、前記熱可塑性樹脂を溶融させることを含むことを特徴とする。
【0016】
第6の発明に係る印刷パターン付きガラス板の製造方法は、前記第1〜5のいずれかの発明に係るガラス板の印刷方法によりトナーを転写又は塗布したガラス板を所定温度まで加熱し、ガラス板面上に導電パターン及び/又は装飾パターンを形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、画像パターンに対応した領域のトナーだけを加熱及び/又は圧着により仮固着させることで、該仮固着の後に、ガラス板面をクリーナでクリーニングして非画像領域のトナーを容易に除去することができる。これにより、いわゆる地かぶりが防止された高い品質のガラス板を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して、幾つかの実施例に分けて、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明の実施例1によるガラス板の印刷方法を示す図であり、導電プリント線付きガラス板を製造する一連の工程の一例を示す側面概念図である。図2(A)〜(C)は、上記の印刷工程ST2において、トナーがガラス板G面に転写されるまでの状態を示す概念図であり、図2(A)は、図1のA点におけるトナーの状態を示し、図2(B)は、図1のB点におけるトナーの状態を示し、図2(C)は、図1のC点におけるトナーの状態を示す。
【0020】
図1を参照するに、ガラス板Gは、所定形状に切断、面取、洗浄等の工程(ST1)を経て、印刷工程ST2に搬送される。印刷工程ST2においてガラス板G面には、導電性微粒子を含む導電性トナーが電子印刷装置10により所定パターンで印刷される。所定パターンにトナーが印刷されたガラス板Gは、加熱炉30内に搬送される。加熱炉30内においてガラス板Gは所定温度に加熱され、トナーがガラス板G面に焼成して、所定のパターンの導電プリント線付きガラス板が製造される。形成された導電プリント線は、検査工程に搬送され、抵抗値の検査が行われる。検査工程での検査結果はコンピュータCに送信され、所望の電熱性能又はアンテナ性能が得られているか判定された後に、所定パターンやトナーの線幅の調整情報に変換され、印刷工程ST2での印刷パターン制御に利用される。
【0021】
ST1の工程では、矩形状のガラス板が所定形状に切断され、切断面が面取される。その後、ガラス板は洗浄され、必要に応じて予備加熱されて搬送ロール20により印刷工程ST2に搬送される。
【0022】
印刷工程ST2では、感光ドラム13を回転させながら感光ドラムクリーナ17で感光ドラム13をクリーニングし更に除電機14で感光ドラム13を除電した後、帯電機12で感光ドラム13を帯電させて、露光装置15から露光光を照射して所定パターン(以下、「露光パターン」という。)で感光ドラム13を露光する。本例では、露光パターンは、最終的にガラス板Gに転写させたい画像パターンに対応するように設定される。
【0023】
次いで、トナー供給機(現像装置)11まで感光ドラム13の露光面を回転させ、感光ドラム13にトナーを付着させることで、感光ドラム13面にトナーが付着される。この際、現実的には、感光ドラム13面には、感光ドラム13面のうちの露光パターンに対応した領域のみならず、その他の領域にも不要なトナーが付着される場合がある。この不要なトナーは、感光ドラムクリーナ17で除去しきれずに感光ドラム13面に残存するトナーや、トナー供給機からの供給の際に付着されるトナーが含まれる。
【0024】
図2(A)には、感光ドラム13面上に付着されたトナーの状態が示されている。図2(A)においては、露光パターンが一点鎖線により示されており、露光パターンの周縁領域P’とその他の領域Q’に不要なトナーが付着された状態が示されている。この不要なトナーは、後述の“地かぶり”の原因となる。
【0025】
感光ドラム13面に付着されたトナーは、感光ドラム13の回転にともなって回転する中間ドラム16に転写される。次いで、中間ドラム16面に転写されたトナーは、感光ドラム13の回転にともなって搬送されてきたガラス板G面に、転写される。この際、ガラス板G面には、トナーが露光パターンに対応したパターンで転写されるが、それと共に、不要なトナーが転写されることがある。
【0026】
次いで、ガラス板G面には、トナー固着装置18から光(レーザー等)が所定パターン(以下、「仮固着パターン」という。)で照射される。これにより、ガラス板G面上に転写されたトナーのうち、仮固着パターンに対応した領域にあるトナーだけが、加熱により仮固着される。この仮固着パターンは、最終的にガラス板Gに転写させたい画像パターンに対応するように設定される。
【0027】
図2(B)には、仮固着されたトナーが、他のトナーと異なるハッチングで示されている。即ち、仮固着パターンで固着されたトナー、つまりは画像パターンに対応した領域にあるトナーが、その他の領域のトナーと異なるハッチングで示されている。トナー固着装置18の光源としては、露光装置15の光源と同様、LEDアレイや半導体レーザーが用いられてよい。トナー固着装置18からの光の照射は、好ましくは、トナーの樹脂を半分溶かす程度の温度(例えば、200度)がガラス板G面上の照射部で発生するように制御される。その後、ガラス板G面は、不要トナー除去クリーナ19でクリーニングされる。このとき、ガラス板G面上で、仮固着されているトナー、不要トナー除去クリーナ19により除去されず、図2(C)に示すように、仮固着されていないトナーのみが不要トナー除去クリーナ19により除去される。これにより、画像パターンに対応した領域に付着したトナーだけを残して、それ以外の領域に付着した不要なトナーを除去することができる。即ち、画像パターンに対応する領域の周縁領域Pにはみ出して転写されたトナーや、画像パターンに対応する領域の周縁領域P以外の領域Qに転写されたトナーを除去することができる。
【0028】
不要トナー除去クリーナ19は、ブラシとバキューム装置を含んでよく、ブラシでガラス板G面から引き剥がしたトナーを、バキューム装置で吸い取ることで、ガラス板G面上から不要なトナーがきれいに除去される。この場合、ブラシは、ガラス板G面の略全面に接触して作用するように、ガラス板Gの幅方向(紙面垂直方向)で略全長に亘って配置される。即ち、ブラシは、中間ドラム16とガラス板Gの全接触領域に作用するように構成される。
【0029】
コンピュータCには、露光装置15から露光光を照射する際の露光パターン情報が保管されている。したがって、コンピュータCからの指令により、露光装置15から露光光が、指令された露光パターンで照射される。ガラス板Gを自動車窓に用いる場合等は、自動車の型式に応じてガラス板の形状、導電プリント線のパターン形状等が異なる。したがって、自動車の型式に応じたこれらのデータに基づき、指令信号を変更することで、容易にある型式のガラス板の製造から別の型式用のガラス板の製造に変更できる。
【0030】
また、コンピュータCには、トナー固着装置18から光を照射する際の仮固着パターン情報が保管されている。したがって、コンピュータCからの指令により、トナー固着装置18から光が、指令された仮固着パターンでガラス板G面に対して照射される。トナー固着装置18から光を照射するタイミングは、感光ドラム13及び中間ドラム16の回転及びガラス板Gの搬送に同期される。本例では、上述の如く露光パターン及び仮固着パターンは共に画像パターンと対応するので、トナー固着装置18からの光が、ガラス板G面に転写されたトナーのうち、露光パターンに対応する領域のトナーにのみに当たるように制御される。
【0031】
不要トナー除去クリーナ19により不要なトナーが除去されたガラス板Gは、加熱炉30内に搬送され、所定温度、通常600〜740℃程度に加熱される。こうして、ガラス板G面にトナーが焼成し、画像パターンに対応したパターンの導電プリント線がガラス板に設けられる。通常自動車窓用のガラス板は湾曲しているため、上記のように製造される導電プリント線付きガラス板を自動車窓に用いる場合には、焼成工程ST3にて加熱され、曲げ加工を経て強化処理が行われる。なお、強化処理ではなく徐冷処理が行われる場合(合わせガラス用のガラス板の曲げ加工)もある。
【0032】
ところで、上述の如く電子印刷技術を用いる場合には、ガラス板Gには、上述の如く、画像パターンに対応する領域以外の領域にもトナーが転写されることがある。以下、画像パターンに対応する領域以外の領域を「非画像領域」と称す。この非画像領域へのトナーの付着は、“地かぶり”とも称され、局所的且つランダムな領域で発生しうる。即ち、非画像領域に付着するトナーとしては、図2(B)に示すように、画像パターンに対応する領域の周縁領域Pにはみ出したトナーのみならず、画像パターンに対応する領域の周縁領域P以外の領域Qに付着されたトナーをも含む。かかる非画像領域のトナーが透明なガラス板Gに転写された場合には、ガラス板Gの透明性に起因して目立ち、最終製品状態でのガラス板の見栄えが悪化して商品性を損なう虞がある。
【0033】
これに対して、本実施例によれば、上述の如く、感光ドラム13からガラス板G面に転写されたトナーは、画像パターンに対応する領域に転写されたトナーだけが、トナー固着装置18によって加熱により仮固着されるので、該仮固着の後に、ガラス板G面を不要トナー除去クリーナ19でクリーニングすることで、非画像領域に付着したトナーだけをガラス板G面から除去することができる(図2(B)及び図2(C)参照)。従って、本実施例によれば、電子印刷技術を用いて商品性の高いガラス板を製造することができる。
【0034】
尚、本実施例において用いられるのに好適な導電性トナーは、カルボキシル基を導入した、T100が300〜450℃の熱可塑性樹脂(A)、カルボキシル基を導入したポリプロピレン(B)、及び、T100が300〜450℃の熱可塑性樹脂(C)からなる群より選ばれる1種以上(以下、単に「樹脂(A)〜(C)」という)、導電性微粒子並びにガラスフリットを含有する粒子からなる。ここで、T100とは、熱重量分析装置(TG)を使用して室温から昇温速度10℃/分で昇温し、樹脂(A)〜(C)の重量変化の様子を測定して重量変化がなくなった時点での温度を示す。この場合、導電性トナーは、加熱前は樹脂(A)〜(C)の粘着性によりガラス板面に定着している。その後印刷工程において、トナー固着装置18から照射される光の熱により溶融してガラス板面に仮固着される。その後加熱過程において、まず樹脂(A)〜(C)が分解する。分解した樹脂(A)〜(C)は、加熱によりガラス板から揮発する。樹脂(A)〜(C)の大部分が揮発した後、ガラスフリットが溶融しはじめて導電性トナーは主にガラスフリットによりガラス板面に定着する。これらの過程において、ガラスフリットが完全に溶融し終わるまでの間に樹脂(A)〜(C)を完全に分解し揮発させることで、焼成後の導電プリント線中の残存樹脂量を低減できる。最後に、600℃を超える温度までガラス板が加熱されると、導電性微粒子が焼結し、導電性微粒子同士が接触結合するとともに導電性微粒子同士の隙間を溶融したガラスフリットが埋めている。
【0035】
導電性微粒子としては、例えば、金属微粒子又は導電性酸化物微粒子が挙げられる。金属微粒子としては、金、白金、銀又は銅の微粒子が好ましい。また、導電性酸化物微粒子としては、ITO(インジウムドープ酸化スズ)又はATO(アンチモンドープ酸化スズ)の微粒子が好ましい。導電プリント線付きガラス板を自動車窓に用いる場合、設けられた導電プリント線が視界をさえぎらないようにする必要から、導電プリント線の線幅をあまり大きくすることはできない。したがって、細い線幅で所望の抵抗値を得るためには、導電性微粒子として銀の微粒子を選ぶことが特に好ましい。
【0036】
印刷工程ST2では、導電性トナーだけでなく、着色トナーをガラス板面に印刷することもできる。たとえば、図3に例示した自動車後部窓は、ガラス板Gの中央領域に導電プリント線(デフォッガ1、アンテナ線2、バスバ3)が、周縁領域に暗色セラミック焼成体4が、それぞれ設けられている。図1に示した感光ドラムに、さらに顔料を有する着色トナーを所定パターンで印刷することで、導電性トナーとともに着色トナーをガラス板面に印刷できる。導電性トナーと同様に、従来は着色トナーもスクリーン印刷により印刷されていたので、このように導電性トナーとともに着色トナーを電子印刷することで、大量生産に適した製造方法にすることができる。尚、着色トナーは、顔料、ガラスフリット及び熱可塑性樹脂を含有する粒子であり、セラミック焼成体4を形成するのに用いる顔料の色は、意匠により適宜選択可能であるが、黒、こげ茶等の隠蔽性の高い色が好ましい。
【0037】
ここで、本実施例においては、トナーの使用量を必要最小限に留めるべく、露光パターン及び仮固着パターンを共に、画像パターンに対応させているが、仮固着パターンだけを画像パターンに対応させ、露光パターンを、画像パターンを含むより大きなパターンに設定してもよい。この技術的な意義は以下のとおりである。トナーの使用量を必要最小限に留める観点からは、露光パターン及び仮固着パターンを共に、画像パターンに対応させることが望ましいが、この場合、装置の同調性の精度等の原因により、トナー固着装置18からの光を、露光パターンに対応する全領域のトナーに正確に当てることができない場合がありうる。この場合、仮固着されるべきトナーの量や範囲が不足するので、所期の性能の導電プリント線が得られない虞がある。これに対して、仮固着パターンだけを画像パターンに対応させ、露光パターンを、画像パターンを含むより大きなパターンに設定しておけば、装置の同調性等に誤差があっても、露光パターンに対応する領域内に、仮固着パターンに対応する全領域が完全に収まるように、トナー固着装置18から光を当てることが容易となる。この場合、除去すべき不要なトナーの量が増えるものの、本実施例によれば、上述の如く不要なトナーは実質的に全て除去されるので、装置の同調性の精度等に影響を受けることなく、過不足無くトナーが付着した画像パターンを得ることができる。また、過不足無くトナーが付着した画像パターンを得ることができるので、形成された導電プリント線の断面積のバラツキが小さくなり断線が減少し、抵抗値が安定するなどの電気的な利点も期待できる。
【0038】
また、本実施例では、中間転写体として中間ドラム16を用いているが、中間ドラム16に代えて、ベルト、フィルム、シートなどを中間転写体として用いることも可能である。更に、中間ドラム16を省略して、感光ドラム13からガラス板面に直接転写することも可能である。
【実施例2】
【0039】
図4は、本発明の実施例2によるガラス板の印刷方法を示す図であり、導電プリント線付きガラス板を製造する一連の工程の一例を示す側面概念図である。実施例2による電子印刷装置10’は、上述の実施例1に対して、トナー固着装置18及び不要トナー除去クリーナ19の配置位置が異なる。尚、以下の説明において、実施例1と同様の構成については同様の参照符号を付して説明を省略し、実施例2特有の構成について主に説明する。
【0040】
図5(A)〜(C)は、実施例2による印刷工程ST2’において、トナーがガラス板G面に転写されるまでの状態を示す概念図であり、図5(A)は、図4のA点におけるトナーの状態を示し、図5(B)は、図4のD点におけるトナーの状態を示し、図5(C)は、図4のE点におけるトナーの状態を示す。
【0041】
印刷工程ST2’では、感光ドラム13を回転させながら感光ドラムクリーナ17で感光ドラム13をクリーニングし更に除電機14で感光ドラム13を除電した後、帯電機12で感光ドラム13を帯電させて、露光装置15から露光光を照射して所定パターン(露光パターン)で感光ドラム13を露光する。本例においても、露光パターンは、最終的にガラス板Gに転写させたい画像パターンに対応するように設定される。
【0042】
次いで、トナー供給機11まで感光ドラム13の露光面を回転させ、感光ドラム13にトナーを付着させることで、感光ドラム13面にトナーが付着される。この際、現実的には、感光ドラム13面には、感光ドラム13面のうちの露光パターンに対応した領域のみならず、その他の領域にも不要なトナーが付着される場合がある。図5(A)には、感光ドラム13面上に付着されたトナーの状態が示されている。図5(A)においては、露光パターンが一点鎖線により示されており、露光パターンの周縁領域P’とその他の領域Q’に不要なトナーが付着された状態が示されている。この不要なトナーは、後述の“地かぶり”の原因となる。
【0043】
感光ドラム13面に付着されたトナーは、感光ドラム13の回転にともなって回転する中間ドラム16に転写される。この際、中間ドラム16には、トナーが露光パターンに対応したパターンで転写されると共に、不要なトナーが転写されることになる。
【0044】
次いで、中間ドラム16面には、トナー固着装置18から光(レーザー等)が所定パターン(仮固着パターン)で照射される。これにより、中間ドラム16面上に転写されたトナーのうち、仮固着パターンに対応した領域にあるトナーだけが、加熱により仮固着される。この仮固着パターンは、最終的にガラス板Gに転写させたい画像パターンに対応するように設定される。
【0045】
図5(B)には、仮固着されたトナーが、他のトナーと異なるハッチングで示されている。トナー固着装置18からの光の照射は、好ましくは、トナーの樹脂を半分溶かす程度の温度(例えば、200度)が、中間ドラム16面上の照射部で発生するように制御される。その後、中間ドラム16面は、不要トナー除去クリーナ19でクリーニングされる。このとき、中間ドラム16面上で、画像パターンに対応する領域に付着したトナーは、仮固着されているので、図5(C)に示すように、非画像領域に付着した不要なトナーのみが不要トナー除去クリーナ19により除去される。
【0046】
不要トナー除去クリーナ19は、ブラシとバキューム装置を含んでよく、ブラシでガラス板G面から引き剥がしたトナーを、バキューム装置で吸い取ることで、中間ドラム16面上から不要なトナーがきれいに除去される。この場合、ブラシは、中間ドラム16面の略全面に接触して作用するように、中間ドラム16の長手方向(紙面垂直方向)で略全長に亘って配置される。即ち、ブラシは、中間ドラム16とガラス板Gの全接触領域に作用するように構成される。
【0047】
中間ドラム16面に付着されたトナーは、不要トナー除去クリーナ19により不要なトナーが除去された後、感光ドラム13の回転にともなって搬送されてきたガラス板G面に、転写される。このとき、感光ドラム13とガラス板G面との間に、中間転写ベルトのような二次転写版を介在させてもよい。
【0048】
コンピュータCには、露光装置15から露光光を照射する際の露光パターン情報が保管されている。したがって、コンピュータCからの指令により、露光装置15から露光光が、指令された露光パターンで照射される。また、コンピュータCには、トナー固着装置18から光を照射する際の仮固着パターン情報が保管されている。したがって、コンピュータCからの指令により、トナー固着装置18から光が、指令された仮固着パターンで中間ドラム16面に対して照射される。トナー固着装置18から光を照射するタイミングは、感光ドラム13及び中間ドラム16の回転に同期される。本例では、上述の如く露光パターン及び仮固着パターンは共に画像パターンと対応するので、トナー固着装置18からの光が、中間ドラム16面に転写されたトナーのうち、露光パターンに対応する領域のトナーにのみに当たるように制御される。
【0049】
このように本実施例によれば、上述の如く、感光ドラム13から中間ドラム16面に転写されたトナーは、画像パターンに対応する領域に転写されたトナーだけが、トナー固着装置18によって加熱により仮固着されるので、該仮固着の後に、中間ドラム16面を不要トナー除去クリーナ19でクリーニングすることで、画像パターンに対応する領域に転写されたトナーだけをガラス板G面に転写することができる(図5(B)及び図5(C)参照)。即ち、図5(B)及び図5(C)に示すように、画像パターンに対応する領域の周縁領域Pにはみ出して転写されたトナーや、画像パターンに対応する領域の周縁領域P以外の領域Qに転写されたトナーを除去することができる。従って、本実施例によっても、電子印刷技術を用いて商品性の高いガラス板を製造することができる。
【0050】
本実施例においても、トナーの使用量を必要最小限に留めるべく、露光パターン及び仮固着パターンを共に、画像パターンに対応させているが、仮固着パターンだけを画像パターンに対応させ、露光パターンを、画像パターンを含むより大きなパターンに設定してもよい。
【0051】
また、本実施例では、中間転写体として中間ドラム16を用いているが、中間ドラム16に代えて、ベルト、フィルム、シートなどを中間転写体として用いることも可能である。
【実施例3】
【0052】
図6は、本発明の実施例4によるガラス板の印刷方法を示す図であり、導電プリント線付きガラス板を製造する一連の工程の一例を示す側面概念図である。実施例3による電子印刷装置10”は、上述の実施例1に対して、トナー固着装置18の配置位置が異なる。尚、以下の説明において、実施例1と同様の構成については同様の参照符号を付して説明を省略し、実施例4特有の構成について主に説明する。
【0053】
図7(A)〜(C)は、実施例3による印刷工程ST2”において、トナーがガラス板G面に転写されるまでの状態を示す概念図であり、図7(A)は、図6のA点におけるトナーの状態を示し、図7(B)は、図6のD点におけるトナーの状態を示し、図7(C)は、図6のF点におけるトナーの状態を示す。
【0054】
印刷工程ST2”では、感光ドラム13を回転させながら感光ドラムクリーナ17で感光ドラム13をクリーニングし更に除電機14で感光ドラム13を除電した後、帯電機12で感光ドラム13を帯電させて、露光装置15から露光光を照射して所定パターン(露光パターン)で感光ドラム13を露光する。本例においても、露光パターンは、最終的にガラス板Gに転写させたい画像パターンに対応するように設定される。
【0055】
次いで、トナー供給機11まで感光ドラム13の露光面を回転させ、感光ドラム13にトナーを付着させることで、感光ドラム13面にトナーが付着される。この際、現実的には、感光ドラム13面には、感光ドラム13面のうちの露光パターンに対応した領域のみならず、その他の領域にも不要なトナーが付着される場合がある。図7(A)には、感光ドラム13面上に付着されたトナーの状態が示されている。図7(A)においては、露光パターンが一点鎖線により示されており、露光パターンの周縁領域P’とその他の領域Q’に不要なトナーが付着された状態が示されている。この不要なトナーは、後述の“地かぶり”の原因となる。
【0056】
次いで、中間ドラム16面には、トナー固着装置18から光(レーザー等)が所定パターン(仮固着パターン)で照射される。これにより、中間ドラム16面上に転写されたトナーのうち、仮固着パターンに対応した領域にあるトナーだけが、加熱により仮固着される。この仮固着パターンは、最終的にガラス板Gに転写させたい画像パターンに対応するように設定される。
【0057】
図7(B)には、仮固着されたトナーが、他のトナーと異なるハッチングで示されている。トナー固着装置18からの光の照射は、好ましくは、トナーの樹脂を半分溶かす程度の温度(例えば、200度)が、中間ドラム16面上の照射部で発生するように制御される。
【0058】
次いで、中間ドラム16面上のトナーは、感光ドラム13の回転にともなって搬送されてきたガラス板G面に、転写される。次いで、ガラス板G面は、不要トナー除去クリーナ19でクリーニングされる。このとき、ガラス板G面上で、仮固着パターンに対応した領域にあるトナーはガラス板G面に対して仮固着されているので、図7(C)に示すように、非画像領域に付着したトナーのみが不要トナー除去クリーナ19により除去される。
【0059】
このように本実施例によれば、上述の如く、感光ドラム13から中間ドラム16面に転写されたトナーは、画像パターンに対応する領域に転写されたトナーだけが、トナー固着装置18によって加熱により仮固着され、ガラス板G面に転写されるので、該仮固着及び転写後に、ガラス板G面を不要トナー除去クリーナ19でクリーニングすることで、画像パターンに対応する領域に転写されたトナーだけをガラス板G面に転写することができる(図7(B)及び図7(C)参照)。即ち、図7(B)及び図7(C)に示すように、画像パターンに対応する領域の周縁領域Pにはみ出して転写されたトナーや、画像パターンに対応する領域の周縁領域P以外の領域Qに転写されたトナーを除去することができる。従って、本実施例によっても、電子印刷技術を用いて商品性の高いガラス板を製造することができる。
【0060】
本実施例においても、トナーの使用量を必要最小限に留めるべく、露光パターン及び仮固着パターンを共に、画像パターンに対応させているが、仮固着パターンだけを画像パターンに対応させ、露光パターンを、画像パターンを含むより大きなパターンに設定してもよい。
【実施例4】
【0061】
図8は、本発明の実施例4によるガラス板の印刷方法を示す図であり、導電プリント線付きガラス板を製造する一連の工程の一例を示す側面概念図である。尚、以下の説明において、実施例1と同様の構成については同様の参照符号を付して説明を省略し、実施例4特有の構成について主に説明する。
【0062】
図9(A)〜(C)は、実施例4による印刷工程ST20において、トナーがガラス板G面に転写されるまでの状態を示す概念図であり、図9(A)は、図8のI点におけるトナーの状態を示し、図9(B)は、図8のJ点におけるトナーの状態を示し、図9(C)は、図8のK点におけるトナーの状態を示す。
【0063】
印刷工程ST20では、図9(A)に示すように、トナー塗布装置110により、搬送されてきたガラス板G面の略全面に均一にトナーが塗布される。次いで、ガラス板G面には、トナー固着装置18から光(レーザー等)が所定パターン(仮固着パターン)で照射される。これにより、ガラス板G面上に転写されたトナーのうち、仮固着パターンに対応した領域にあるトナーだけが、加熱により仮固着される。この仮固着パターンは、最終的にガラス板Gに転写させたい画像パターンに対応するように設定される。図9(B)には、仮固着されたトナーが、他のトナーと異なるハッチングで示されている。トナー固着装置18からの光の照射は、好ましくは、トナーの樹脂を半分溶かす程度の温度(例えば、200度)がガラス板G面上の照射部で発生するように制御される。その後、ガラス板G面は、不要トナー除去クリーナ19でクリーニングされる。このとき、ガラス板G面上で、仮固着パターンに対応した領域にあるトナーだけが、仮固着されているので、図9(C)に示すように、仮固着パターンに対応した領域以外の領域に付着したトナーのみが不要トナー除去クリーナ19により除去される。
【0064】
不要トナー除去クリーナ19は、ブラシとバキューム装置を含んでよく、ブラシでガラス板G面から引き剥がしたトナーを、バキューム装置で吸い取ることで、ガラス板G面上から不要なトナーがきれいに除去される。この場合、ブラシは、ガラス板G面の略全面に接触して作用するように、ガラス板Gの幅方向(紙面垂直方向)で略全長に亘って配置される。即ち、ブラシは、トナー塗布装置110によりトナーが塗布されるガラス板Gの全領域に作用するように構成される。
【0065】
コンピュータCには、トナー固着装置18から光を照射する際の仮固着パターン情報が保管されている。したがって、コンピュータCからの指令により、トナー固着装置18から光が、指令された仮固着パターンでガラス板G面に対して照射される。ガラス板Gを自動車窓に用いる場合等は、自動車の型式に応じてガラス板の形状、導電プリント線のパターン形状等が異なる。したがって、自動車の型式に応じたこれらのデータに基づき、指令信号を変更することで、容易にある型式のガラス板の製造から別の型式用のガラス板の製造に変更できる。
【0066】
このように本実施例によれば、上述の如く、トナー塗布装置110により塗布されたトナーは、画像パターンに対応する領域に塗布されたトナーだけが、トナー固着装置18によって加熱により仮固着されるので、該仮固着の後に、ガラス板G面を不要トナー除去クリーナ19でクリーニングすることで、非画像領域に塗布されたトナーだけを容易に除去することができる(図9(B)及び図9(C)参照)。従って、本実施例によれば、簡易な方法を用いて、地かぶりのない商品性の高いガラス板を製造することができる。
【0067】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0068】
上述の実施例では、トナー固着装置18を介して熱を利用して、画像パターンに対応した領域のトナーを仮固着させているが、加熱による方法に代えて又はそれに加えて、圧着により、画像パターンに対応した領域のトナーを仮固着させてもよい。例えば、画像パターンに対応した領域のトナーは、非画像領域のトナーよりもトナーが積層されて厚みを有しているので、この厚みの差を利用して、例えば中間ドラム16とガラス板Gとの間のニップ部により、画像パターンに対応した領域のトナーに対してだけニップ圧を付与して圧着を実現してもよい。
【0069】
また、上述の実施例では、必要なトナーの仮固着と不要なトナーの除去とを1枚のガラス板Gに対してそれぞれ1回ずつ行っているが、1枚のガラス板Gに対して2回以上実行することとしてもよい。
【0070】
また、ガラス板としては、形状的には平板状または湾曲状のもの、構成的には普通単板ガラス、強化ガラス、複層ガラス、合わせガラス、金属線入りガラスなど、材質的には無機ガラスのほか、ポリカーボネート類、ポリスチレン類、ポリメチルメタクリレート類等のいわゆる有機透明樹脂ガラス、これらの単独または2種以上の積層物等を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、ガラス板面に導電プリント線を設ける方法及びそのための導電性トナーに関するものであり、特に自動車窓用の導電プリント線付きガラス板の製造方法に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施例1によるガラス板の印刷方法を示す図である。
【図2】図2(A)〜(C)は、印刷工程ST2において、パターン化されたトナーがガラス板G面に転写されるまでの状態を示す概念図である。
【図3】自動車後部窓の一例を示す正面図である。
【図4】本発明の実施例2によるガラス板の印刷方法を示す図である。
【図5】図5(A)〜(C)は、印刷工程ST2’において、パターン化されたトナーがガラス板G面に転写されるまでの状態を示す概念図である。
【図6】本発明の実施例3によるガラス板の印刷方法を示す図である。
【図7】図7(A)〜(C)は、印刷工程ST2”において、パターン化されたトナーがガラス板G面に転写されるまでの状態を示す概念図である。
【図8】本発明の実施例4によるガラス板の印刷方法を示す図である。
【図9】図9(A)〜(C)は、印刷工程ST20において、パターン化されたトナーがガラス板G面に転写されるまでの状態を示す概念図である。
【符号の説明】
【0073】
1 デフォッガ
2 アンテナ線
3 バスバ
4 暗色セラミック焼成体
10 電子印刷装置
11 トナー供給機
12 帯電機
13 感光ドラム
14 除電機
15 露光装置
18 トナー固着装置
19 不要トナー除去クリーナ
20 搬送ロール
30 加熱炉
110 トナー塗布装置
G ガラス板
C コンピュータ
ST1 面取工程
ST2 印刷工程
ST3 焼成工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する感光ドラムを露光し、該露光した感光ドラム上にトナーを付着させ、該付着させたトナーをガラス板面に転写するガラス板の印刷方法であって、
前記感光ドラムからガラス板面に転写されたトナーのうち、所定の画像パターンに対応した領域のトナーを加熱及び/又は圧着して仮固着させ、該仮固着の後に、ガラス板面をクリーナでクリーニングして、ガラス板面における前記画像パターンに対応する領域以外の領域に転写されたトナーを除去することを特徴とする、ガラス板の印刷方法。
【請求項2】
回転する感光ドラムを露光し、該露光した感光ドラム上にトナーを付着させ、該付着させたトナーを、中間転写体の表面に転写し、該中間転写体の表面に転写したトナーを、ガラス板面に転写するガラス板の印刷方法であって、
前記感光ドラムから中間転写体の表面に転写されたトナーのうち、所定の画像パターンに対応した領域のトナーを加熱及び/又は圧着して仮固着させ、該仮固着の後に、中間転写体の表面又はガラス板面をクリーナでクリーニングして、中間転写体の表面又はガラス板面における前記画像パターンに対応する領域以外の領域に転写されたトナーを除去することを特徴とする、ガラス板の印刷方法。
【請求項3】
ガラス板にトナーを所定の画像パターンで塗布するガラス板の印刷方法であって、
ガラス板面にトナーを塗布し、該塗布したトナーのうち、所定の画像パターンに対応した領域のトナーを加熱及び/又は圧着して仮固着させ、該仮固着の後に、ガラス板面をクリーナでクリーニングして、ガラス板面における前記画像パターンに対応する領域以外の領域に塗布されたトナーを除去することを特徴とする、ガラス板の印刷方法。
【請求項4】
前記トナーが、導電性粒子、ガラスフリット及び熱可塑性樹脂を含有する粒子である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記トナーの仮固着処理は、前記熱可塑性樹脂を溶融させることを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の方法によりトナーを転写又は塗布したガラス板を所定温度まで加熱し、ガラス板面上に導電パターン及び/又は装飾パターンを形成することを特徴とする、印刷パターン付きガラス板の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2008−15190(P2008−15190A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−185943(P2006−185943)
【出願日】平成18年7月5日(2006.7.5)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】