キャビン
【課題】 ドアパネルを支持するヒンジ部がキャビンを正面側からみてドアパネルで隠れ、キャビンの正面視での外観がシンプルであるキャビンを提供する。
【解決手段】 運転席7の前方側に配置された左右一対の前支柱8と、運転席7の後方側に配置された左右一対の後支柱9とを備え、これら左右の前支柱8及び後支柱9を、左右の後支柱9の左右方向外面間の間隔L1が、左右の前支柱8の左右方向外面間の間隔L2よりも狭くなるように設け、左右方向で同じ側に位置する前支柱8と後支柱9との間を塞ぐように設けられたドアパネル15をキャビンフレーム6の外面側に設け、このドアパネル15を開閉自在に支持するヒンジ部37を後支柱9に設ける。
【解決手段】 運転席7の前方側に配置された左右一対の前支柱8と、運転席7の後方側に配置された左右一対の後支柱9とを備え、これら左右の前支柱8及び後支柱9を、左右の後支柱9の左右方向外面間の間隔L1が、左右の前支柱8の左右方向外面間の間隔L2よりも狭くなるように設け、左右方向で同じ側に位置する前支柱8と後支柱9との間を塞ぐように設けられたドアパネル15をキャビンフレーム6の外面側に設け、このドアパネル15を開閉自在に支持するヒンジ部37を後支柱9に設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタ等の走行車両に搭載されるキャビンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、トラクタに搭載されるキャビンとして、運転席の前方側に配置された左右一対の前支柱と、運転席の後方側に配置された左右一対の後支柱とを備え、左右方向で同じ側に位置する前支柱と後支柱との間を塞ぐように設けられたドアパネルをキャビンフレームの外面側に設け、このドアパネルを開閉自在に支持するヒンジ部を後支柱に設けたものがある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−91641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来のキャビンにあっては、後支柱はその前方に位置する前支柱に対して左右方向に関して略同じ位置に位置しているので、後支柱に設けられたヒンジ部がトラクタの正面から見え、キャビンの正面からの外観が複雑である。
また、ヒンジ部が何かのものに接触する惧れが大である。
そこで、本発明は、前記問題を解決したキャビンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、運転席の前方側に配置された左右一対の前支柱と、運転席の後方側に配置された左右一対の後支柱とを有するキャビンフレームを備え、これら左右の前支柱及び後支柱を、左右の後支柱の左右方向外面間の間隔が、左右の前支柱の左右方向外面間の間隔よりも狭くなるように設け、
左右方向で同じ側に位置する前支柱と後支柱との間を塞ぐように設けられたドアパネルをキャビンフレームの外面側に設け、このドアパネルを開閉自在に支持するヒンジ部を後支柱に設けたことを特徴とする。
【0005】
また、左右方向で同じ側に位置する前支柱と後支柱の上端側同士を連結する左右の側梁材を備え、この側梁材を、その前後方向中央側が左右方向外方側に膨らむように左右方向外方に向けて湾曲状に形成し、ドアパネルを前記側梁材に沿う湾曲状に形成するのがよい。
また、左右の後支柱が、背面視で上方に行くに従って左右方向内方に移行する湾曲状に形成され、後支柱の上端側にライトが取り付けられるライトステーを設けるのがよい。
また、後支柱間を塞ぐリヤパネルを開閉自在に設け、このリヤパネルを開放させる方向に付勢する付勢部材を設け、リヤパネルを閉鎖位置と開放位置との間の中途位置で停止させる係止部材を設け、この係止部材はリヤパネルに対して係脱自在であると共に、閉鎖位置と中途位置との間のリヤパネルの動きに追従するよう構成されているのがよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ドアパネルを支持するヒンジ部がドアパネルより左右方内方側に位置するので、キャビンを正面側からみるとヒンジ部がドアパネルで隠れ、キャビンの正面視での外観がシンプルになる。
また、ヒンジ部が何かのものに接触する惧れが少ない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1において、1はキャビン2が搭載されたトラクタ(走行車両)であり、該トラクタ1は、エンジン、クラッチハウジング、ミッションケースを直結して車体3を構成し、該車体3の前部を左右の前輪4で支持すると共に、車体3の後部を左右の後輪5で支持してなる2軸4輪型のトラクタ1が採用され、前記車体3の後部にキャビン2が搭載されている。
前記キャビン2は骨格を構成するキャビンフレーム6を備えている。
【0008】
このキャビンフレーム6は、図2〜図23に示すように、運転席7の前方側に位置する左右一対前支柱8と、運転席7の後方側に位置する左右一対の後支柱9とを備えた、中間支柱(センターピラー)のない4柱式のキャビンフレーム6であり、運転席7はキャビンフレーム6の(キャビン2室内の)後部側の左右方向中央側に配置されている(したがって、左前支柱8は運転席7の左斜め前方に位置し、右前支柱8は運転席7の右斜め前方に位置し、左後支柱9は運転席7の左斜め後方に位置し、左後支柱9は運転席7の右斜め後方に位置している)。
【0009】
なお、キャビン2室内の前部側には、ステアリングハンドル装置10が設けられている。
キャビンフレーム6の上部には外部のアウタールーフ11とキャビン2室内の天井部を構成するインナールーフ12(図23参照)が設けられ、左右前支柱8の間はフロントパネル13で閉塞され、左右後支柱9の間はリヤパネル14で閉塞され、左右方向で同じ側にある前支柱8と後支柱9との間はドアパネル15によって閉塞されている。
前記フロントパネル13、リヤパネル14、左右のドアパネル15は、ガラス(又は樹脂)によって形成された透明パネルで構成されていると共に、キャビンフレーム6の外面側に配置されている。
【0010】
左右前支柱8の上端側同士は前梁材16によって連結され、左右後支柱9の上端側同士は後梁材17によって連結され、左右方向で同じ側にある前支柱8と後支柱9との上端側同士は側梁材18で連結されている。
前梁材16の左右端部は前支柱8上端の左右方向内面側に接続され、後梁材17の左右端部は後支柱9上端の左右方向内面側に接続され、側梁材18の前端部は前支柱8の上端背面側に接続され、後端部は後支柱9の上端前面側に接続されている。
前記左右の後支柱9の下端は、前支柱8の上下方向略中央部に対応する高さ位置にあり、該左右後支柱9の下端側同士は後下部連結材19によって連結されている。
【0011】
また、運転席7の左右両側には、左右の各後支柱9の下端部から前方に行くに従って下方に移行するように延出しており且つ前上方に向けて膨らむように(後輪フェンダ20の上面から前面の形状に沿って)湾曲した側枠材21が設けられている。
この左右各側枠材21の下側に後輪フェンダ20が配置されて該側枠材21に固定されており、左右後輪フェンダ20間にフロアシート22が配置され、フロアシート22の前部は運転席7の下方側に配置されていて該フロアシート22上に運転席7が取り付けられ、フロアシート22の後部側は、後上方に向けて延出されていて、運転席7の背面側に位置している。
【0012】
前記側枠材21の前下端部は、その前方に位置する前支柱8の下端と同じ高さ位置に位置しており、各側枠材21の前下端部と、その前方に位置する前支柱8の下端とは側下部連結材23によって連結されている。
左右前支柱8間の下部には、ダッシュボードやステアリングハンドル装置10等を支持する門型状の前下部枠体24が設けられ、この前下部枠体24の左右各下端部と、左右方向で同じ側に位置する前支柱8の下端部同士は、前下部連結材25によって連結されている。
【0013】
また、左右の各後支柱9の下端には脚体26の上端側が連結され、各脚体26は、上部が下方に行くに従って左右方向内方に移行する傾斜状とされ、下部が下方に延びる直線状とされており、下端側に、トラクタ1の車体3にマウントゴムを介して取り付けられる取付板27が設けられている。
また、左右方向で同じ側にある脚体26の下部と、前下部連結材25の左右方向内端側とは、角パイプからなる第1の補強材28によって連結され、この第1の補強材28は、後部側が前方に延びるように形成され、中途部で下方に延びるように屈曲され、前部側が前方に延びるように形成されている。
【0014】
また、左右第1補強枠材の前部の前後方向中途部同士は角パイプからなる第2の補強材29によって連結され、左右各第1の補強材28の前部の前後方向中途部と、側下部連結材23の後端側とは角パイプからなる第3の補強枠材30によって連結されている。
また、キャビンフレーム6の底部前部には、各補強材28,29,30の上面側に位置するステップ31が設けられ、このステップ31の左右両側の前部下面側には、トラクタ1の車体3にマウントゴムを介して取り付けられる取付板32が設けられている。
左右の前支柱8は、上下方向に配置された断面瓢箪状の異形パイプからなり、前方からみると、上下端部から上下方向中央側(長手方向中央側)に行くに従って左右方向外方側に移行するように湾曲形成されていて、上下方向略中央側が左右方向外方に膨らむように湾曲状に形成されている。
【0015】
また、左右の前支柱8は、側方からみると、上下端部から長手方向方向中央側に行くに従って左右方向前方側に移行するように湾曲形成されていて、長手方向方向略中央側が左右方向外方に膨らむように湾曲状に形成されており、且つ、上下方向に対する傾斜度が上部側よりも下部側が小さくなるように設けられている。
したがって、左右の前支柱8は運転席7からキャビン2室外方向(斜め前方側)に向けて膨らむように湾曲状に形成されている。
また、図12に示すように、前梁材16は左右方向に配置された角パイプからなり、左右の端部から左右方向中央側(長手方向中央側)に行くに従って前方に移行するように湾曲形成されていて左右方向中央側が前方に膨らむように湾曲状に形成されていると共に、前面が斜め上方を向くように傾けられて配置されていて左右方向中央側が高い中高状となるように設けられている。
【0016】
フロントパネル13は、外形が、左右の前支柱8、前梁材16、前下部枠体24、左右の前下部連結材25で囲まれる開口の縁部に沿う形状に形成され、該フロントパネル13は、本実施形態では、前下部枠体24の上方側で且つ左右前支柱8の上部間に位置する上部13Aと、前下部枠体24の側部24aと前支柱8の下部との間に位置する左右一対の下部13Bとから構成されている。
なお、本実施形態では、フロントパネル13の上部13Aと下部13Bとは別体で形成されているが、フロントパネル13の上部13Aと下部13Bとを一体形成してもよい。
【0017】
フロントパネル13の上部13Aは、前支柱8の上部及び前梁材16に沿う湾曲状に形成されていて、前方に向けて凸となる球面状に形成されており、上縁側が前梁材16の前面にシール材を介して接着され、左右の側縁側が前支柱8上部の前面側にシール材を介して接着されている。
前述したように、前梁材16は前面が斜め上方を向くように傾けられて配置されていて、前梁材16の前面(外面)が上方に行くに従ってキャビン2室内方向に移行する傾斜状とされているので、フロントパネル13が前支柱8の湾曲形状に沿う湾曲状に形成されていても、前梁材16に対してフロントパネル13の上縁側をシール材及び接着剤を介して良好に接当させることができる。
【0018】
また、フロントパネル13の上部の下縁側の左右方向中央側は、前下部枠体24の上部から張り出す取付部33にシール材を介して接着されている。
また、フロントパネル13の上部13Aの下縁側の左右方向中央側は平坦状(平面状)に形成されており、この平坦部分34に対応する部位にワイパが取り付けられる。
フロントパネル13の下部13Bは前支柱8の下部に沿う湾曲状に形成されており、その左右方向外端側の縁部が前支柱8の下部の前面側にシール材を介して接着され、左右方向内端側の縁部が前下部枠体24の側部から張り出す取付部35にシール材を介して接着され、下端側の縁部が前下部連結材25の前面側にシール材を介して接着され、フロントパネル13の下部の上縁側はシール材を介してフロントパネル13の下縁側に接着されている。
【0019】
このフロントパネル13の下部13Bは上部13Aに比べて緩やかに湾曲するように形成されている(フロントパネル13の下部は、上部に比べて湾曲度が緩い(小さい))。
これによって、運転席7からフロントパネル13の下部13Bを透して該フロントパネル13下部13Bの前方側(前輪4やその周囲のもの)をみる時にゆがみが少なく、見やすいように構成されている。
左右の後支柱9は、上下方向に配置された断面瓢箪状の異形パイプからなり、側方からみると、長手方向中央側が後方側に膨らむように湾曲状に形成されていると共に前傾状とされていて上端が下端よりも前方側に位置している(上下方向に対する傾斜度が、上部よりも下部が小さくなるように設けられている)。
【0020】
また、左右の後支柱9は、後方からみると長手方向中央側が左右方向外方側に膨らむように湾曲状に形成されていると共に左右方向内方側に傾くように設けられていて上端が下端よりも左右方向内方側に位置している(上下方向に対する傾斜度が、上部よりも下部が小さくなるように設けられている)。
したがって、左右の前支柱8は運転席7からキャビン2室外方向に向けて膨らむように湾曲状に形成されている。
また、左右の各後支柱9の上端側には、ライト(作業灯)が取り付けられるライトステー36が設けられており、前述したように、左右の各後支柱9は左右方向内方側に傾くように設けられていて上端が下端よりも左右方向内方側に位置しているので、ライトステーに取り付けられるライトが後輪フェンダ20よりも左右方向外方にはみ出すのを防止することができるよう構成されている。
【0021】
また、左右の各後支柱9は、図9に示すように、該左右の後支柱9の左右方向外面間の間隔L1が、左右の前支柱8の左右方向外面間の間隔L2よりも狭くなるように設けられている。
また、左右の各側梁材18は、図13に示すように、前後方向に配置された角パイプからなり、前後方向中央側(長手方向中央側)が左右方向外方に膨らむように湾曲状に形成されている。
また、左右の各側梁材18は、後端が前端よりも左右方向内方側に位置するように左右方向内方側に傾くように設けられていると共に左右方向の外面(側面)が斜め上方を向くように傾けられて配置されていて、該側梁材18は左右方向中途部が高い中高状となるように設けられている。
【0022】
ドアパネル15は、外形が、左右方向で同じ側にある、前支柱8と後支柱9と側梁材18と側枠材21と前下部連結材25で囲まれる開口の縁部に沿う形状に形成されている。
また、このドアパネル15は、前支柱8及び側梁材18に沿う湾曲状に形成されていて、左右方向外側方に向けて凸となる球面状に形成されており、上縁側が側梁材18の外側面にシール材を介して接当され、前縁側が前支柱8の外側面にシール材を介して接当され、後縁側は後支柱9の外側面にシール材を介して接当され、下縁側が側枠材21及び側下部連結材23にシール材を介して接当されている。
【0023】
前述したように、側梁材18は外側面が斜め上方を向くように傾けられて配置されていて、側梁材18の外側面(外面)が上方に行くに従ってキャビン2室内方向に移行する傾斜状とされているので、ドアパネル15が前支柱8及び後支柱9の湾曲形状に沿う湾曲状に形成されていても、側梁材18に対してドアパネル15の上縁側をシール材を介して良好に接当させることができる。
また、このドアパネル15は、後縁側が後支柱9に設けられた上下一対のヒンジ部37によって開閉自在に支持されていて、前開きのドアパネル15とされている。
【0024】
ドアパネル15の前縁側の上下方向中途部には、ドアハンドル38が設けられ、ドアパネル15のキャビン2室内側の上下方向中途部には、下側のヒンジ部37からドアハンドル38に至るように設けられた取っ手39が設けられている。
前記ヒンジ部は、後支柱9に固定された固定部37Aと、該固定部37Aに、上方に行くに従って前方に移行する傾斜状の軸芯回りに回動自在に枢支連結された可動部37Bとから構成され、可動部37Bにドアパネル15の後縁側が取り付けられている。
前述したように、左右の各後支柱9は、該左右の後支柱9の左右方向外面間の間隔L1が、左右の前支柱8の左右方向外面間の間隔L2よりも狭くなるように設けられていることから、キャビン2を正面から見ると前記ヒンジ部37がドアパネル15の後側に隠れ、キャビン2の正面視での外観がシンプルになる、また、ヒンジ部37が何かのものに接触する惧れが少ないという効果を奏する。
【0025】
また、後支柱9は運転席7に近く運転席7近傍の強度確保が図れ、左右の前支柱8の左右間隔L2は後支柱9の左右間隔L1よりも広いので、前方視界がよい。
前記側枠材21は、角パイプによって形成され、図16,図17に示すように、側面視では、後部側21aは後支柱9の下端から前方に延びるように略直線状に形成され、中途部から前下端に至る部分は、前方に行くに従って下方に移行する湾曲状(前斜め上方に向けて膨らむように湾曲状)とされている。
なお、側枠材21の前下端は下方に指向しており、湾曲部分21bは、前部側が後部側よりも曲率半径の大きい円弧状とされている。
【0026】
また、側枠材21は、平面視では、後部側の直線部分21aは後支柱9の下端から前斜め外側方に向けて延出され、湾曲部分21bでは、前方に行くに従って左右方向内方側に移行する湾曲状(外側方に向けて膨らむように湾曲状)とされている。
また、側枠材21は、正面視では、湾曲部分21bが下方に行くに従って左右方向内方に移行する湾曲状(外側方に向けて膨らむように湾曲状)とされている。
また、側枠材21の直線部分21aは、その外側面が鉛直方向に沿う面となるように設けられ、側枠材21の湾曲部分21bは、該湾曲部分21bの前面側が若干前斜め外側方を向くように傾けられている(湾曲部分21bの外側面が、前下端部を除く大部分において、径方向外方に行くに従って左右方向外側方に若干傾斜している)。
【0027】
以上のようにして、側枠材21は、(その外側面が)ドアパネル15の球面形状に沿うように形成されていて(ドアパネル15の縁部の該側枠材21に対応する部分の内面形状に沿うように形成されていて)、ドアパネル15の下縁後部側が側枠材21の外側面にシール材を介して良好に接当するように構成されている。
側下部連結材23は、図20に示すように、上壁23aと、該上壁23aの左右方向外端から下方側に延出された外側壁23bと、上壁23aの下方側に配置されて外側壁23bに固着された底壁23cと、上壁23aと底壁23cを連結するように設けられた補強壁23dとを有し、外側壁23b(の外面)が、下方に行くに従って左右方向内方に(キャビン2室内側に)移行する傾斜状とされていて、ドアパネル15の下縁前部側が側下部連結材23の外側面にシール材を介して良好に接当するよう構成されている。
【0028】
左右の後支柱9の下端同士を連結する後下部連結材19は、図15に示すように、角パイプによって形成され、左右方向中央側(長手方向中央側)が後方に向けて膨らむように湾曲状に形成されている。
リヤパネル14は、外形が、左右の後支柱9、後梁材17、後下部連結材19で囲まれる開口の縁部に沿う形状に形成されている。
また、このリヤパネル14は、左右後支柱9、後梁材17及び後下部連結材19の湾曲形状に沿う湾曲状に形成されていて、後方に向けて凸となる球面状に形成されており、該リヤパネル14の上縁側は、側梁材18の後面にシール材を介して接当され、左右の側縁側は後支柱9の後面側に接当され、下縁側は後下部連結材19の後面に接当されている。
【0029】
前述したように、後梁材17は後面が後斜め上方を向くように傾けられて配置されていて、後梁材17の後面(外面)が上方に行くに従ってキャビン2室内方向に移行する傾斜状とされているので、リヤパネル14が後支柱9の湾曲形状に沿う湾曲状に形成されていても、後梁材17に対してリヤパネル14の上縁側をシール材を介して良好に接当させることができる。
また、このリヤパネル14の上縁側は、後梁材17に設けられた左右一対のヒンジ部40に左右方向の軸芯回りに回動自在に支持されていて、該リヤパネル14を上下に揺動することにより左右後支柱9間の開口を開閉自在としている。
【0030】
図21及び図22に示すように、リヤパネル14を開放位置(全開位置)に付勢するガスダンパ(ガススプリング)からなる付勢部材48が後支柱9とリヤパネル14とにわたって設けられている。
また、リヤパネル14の下部のキャビン2室内側の左右方向中央側には、後下部連結材19の上面の左右方向中央側に設けられた止め金具41に係合して、リヤパネル14を閉鎖位置でロックするロック装置42が設けられている。
また、キャビン2の後部側には、リヤパネル14を閉鎖位置と開放位置との間の中途位置で係止する係止部材43が、リヤパネル14のキャビン2室内側の下部と後下部連結材19とにわたって設けられている。
【0031】
この係止部材43は、本実施形態では、リヤパネル14を開放方向に付勢するガスダンパ(ガススプリング)によって形成され、該ガスダンパ43の基部側は、後下部連結材19の上面一端部側に固定された取付部44にボールジョイント45を介して連結され、ガスダンパ43のピストンロッド43aの先端側には、リヤパネル14の下部内面側の左右方向中央側に設けられた係合部46に係脱自在に係合する係合具47が設けられている。
本実施形態では、係合部46には挿通孔が形成されており、この挿通孔に係合具を上方側から挿抜自在に挿通することにより、係合具47が係合部46に対して係脱自在とされている。
【0032】
また、係止部材43は、伸張限界で、リヤパネル14を閉鎖位置と開放位置との間の中途位置(図21、図22)で停止させるよう構成されている。
また、係止部材43は、基部がボールジョイントを介して取付部44に連結されていること、ピストンロッド43aが出退することにより、閉鎖位置と中途位置との間のリヤパネル14の動きに追従する。
前記構成のものにあっては、リヤパネル14の閉鎖位置において、ロック装置42によるロックを解除すると、リヤパネル14が開き動作すると共に係止部材43によって自動的に中途位置で止まり、該リヤパネル14が若干開いた半開き状態で保持され、キャビン2室内の換気が可能となる。したがって、本実施形態では、リヤパネル14を半開き状態にする動作を必要としないので便利である。
【0033】
また、この半開き状態において、係止部材43を上方に揺動させて該係止部材43の係合具47を係合部46の挿通孔から抜脱すると、付勢部材48によってリヤパネル14が開放位置へと揺動する。
なお、本実施形態では、係止部材43をガスダンパによって形成しているが、これに限定されることはなく、ガスダンパのように付勢するものではなく、単にピストンロッド伸縮が伸縮するだけのものであってもよく、また、中途部が屈曲するように枢支連結された一対のリンクによって構成されていてもよく、リヤパネル14に対して係脱自在であると共に閉鎖位置と中途位置との間のリヤパネル14の動きに追従するよう構成されていればよい。
【0034】
図23に示すように、インナールーフ12は、運転席7の上方側に対応する部分が上方に向けて凹状の凹部49とされ、該凹部49の前部側の縦壁部分49aに、インナールーフ12とアウタールーフ11との間に収納配置されるエアコン装置を操作する操作具50が設けられ、凹部49の後部側の縦壁部分49aにエアコン装置の吹出し口51が設けられ、この吹出し口51には風向きを操作する操作具52が設けられる。
また、このインナールーフ12の前縁側は前梁材16に取付固定され、後縁側は後梁材17に取付固定され、左右の側縁側は側梁材18に取付固定されていると共に、該インナールーフ12は、前梁材16、後梁材17、側梁材18の中高形状に沿って全体的に上方に向けて膨らむように湾曲状に形成されている。
【0035】
このようにインナールーフ12を全体的に上方に向けて膨らむように湾曲状に形成することにより、運転者上方のヘッドクリアランスが確保され、また、インナールーフ12の凹部49の縦壁部分49aに設けられた、エアコン装置を操作する操作具50や吹出し口51の操作具52が運転者に向くことになるので、該操作具50の操作がしやすくなる。
また、逆に、前梁材16、後梁材17、側梁材18を中高形状とすることにより、全体的に上方に向けて膨らむように湾曲状に形成したインナールーフ12の、前梁材16、後梁材17、側梁材18への取り付けが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】トラクタの側面図である。
【図2】キャビンフレーム及び各パネルの斜視図である。
【図3】キャビンフレームの正面図である。
【図4】キャビンフレーム右側の正面拡大図である。
【図5】キャビンフレームの側面図である。
【図6】キャビンフレームの背面図である。
【図7】キャビンフレーム左側の背面拡大図である。
【図8】キャビンフレームを上下方向中途部から下側をみた平面図である。
【図9】キャビンフレームの平面図である。
【図10】キャビンフレームを左斜め前方からみた斜視図である。
【図11】キャビンフレーム右斜め後方からみた斜視図である。
【図12】(a)は前梁材の側面図、(b)は前梁材の平面図、(c)は前梁材の正面図である。
【図13】(a)は側梁材の正面図、(b)は側梁材の平面図、(c)は側梁材の側面図である。
【図14】(a)は後梁材の側面図、(b)は後梁材の平面図、(c)は後梁材の図である。
【図15】(a)は後下部連結材の側面図、(b)は後下部連結材の平面図、(c)は後下部連結材の背面図である。
【図16】(a)は側枠材の側面図、(b)は側枠材の平面図、(c)は側枠材の正面図である。
【図17】側枠材の斜視図である。
【図18】図5のV−V線矢視断面図である。
【図19】図8のW−W線矢視断面図である。
【図20】図5のX−X線矢視断面図である。
【図21】リヤパネルの半開き状態を示すリヤパネル回りの正面側斜視図である。
【図22】リヤパネルの半開き状態を示すリヤパネル回りの側面図である。
【図23】(a)はインナールーフの底面図、(b)は(a)のY−Y線矢視断面図、(c)はZ−Z線矢視断面図である。
【符号の説明】
【0037】
6 キャビンフレーム
7 運転席
8 前支柱
9 後支柱
14 リヤパネル
15 ドアパネル
18 側梁材
23 側下部連結材
36 ライトステー
37 ヒンジ部
43 係止部材
48 付勢部材
L1 左右の後支柱の左右方向外面間の間隔
L2 左右の前支柱の左右方向外面間の間隔
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタ等の走行車両に搭載されるキャビンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、トラクタに搭載されるキャビンとして、運転席の前方側に配置された左右一対の前支柱と、運転席の後方側に配置された左右一対の後支柱とを備え、左右方向で同じ側に位置する前支柱と後支柱との間を塞ぐように設けられたドアパネルをキャビンフレームの外面側に設け、このドアパネルを開閉自在に支持するヒンジ部を後支柱に設けたものがある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−91641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来のキャビンにあっては、後支柱はその前方に位置する前支柱に対して左右方向に関して略同じ位置に位置しているので、後支柱に設けられたヒンジ部がトラクタの正面から見え、キャビンの正面からの外観が複雑である。
また、ヒンジ部が何かのものに接触する惧れが大である。
そこで、本発明は、前記問題を解決したキャビンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、運転席の前方側に配置された左右一対の前支柱と、運転席の後方側に配置された左右一対の後支柱とを有するキャビンフレームを備え、これら左右の前支柱及び後支柱を、左右の後支柱の左右方向外面間の間隔が、左右の前支柱の左右方向外面間の間隔よりも狭くなるように設け、
左右方向で同じ側に位置する前支柱と後支柱との間を塞ぐように設けられたドアパネルをキャビンフレームの外面側に設け、このドアパネルを開閉自在に支持するヒンジ部を後支柱に設けたことを特徴とする。
【0005】
また、左右方向で同じ側に位置する前支柱と後支柱の上端側同士を連結する左右の側梁材を備え、この側梁材を、その前後方向中央側が左右方向外方側に膨らむように左右方向外方に向けて湾曲状に形成し、ドアパネルを前記側梁材に沿う湾曲状に形成するのがよい。
また、左右の後支柱が、背面視で上方に行くに従って左右方向内方に移行する湾曲状に形成され、後支柱の上端側にライトが取り付けられるライトステーを設けるのがよい。
また、後支柱間を塞ぐリヤパネルを開閉自在に設け、このリヤパネルを開放させる方向に付勢する付勢部材を設け、リヤパネルを閉鎖位置と開放位置との間の中途位置で停止させる係止部材を設け、この係止部材はリヤパネルに対して係脱自在であると共に、閉鎖位置と中途位置との間のリヤパネルの動きに追従するよう構成されているのがよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ドアパネルを支持するヒンジ部がドアパネルより左右方内方側に位置するので、キャビンを正面側からみるとヒンジ部がドアパネルで隠れ、キャビンの正面視での外観がシンプルになる。
また、ヒンジ部が何かのものに接触する惧れが少ない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1において、1はキャビン2が搭載されたトラクタ(走行車両)であり、該トラクタ1は、エンジン、クラッチハウジング、ミッションケースを直結して車体3を構成し、該車体3の前部を左右の前輪4で支持すると共に、車体3の後部を左右の後輪5で支持してなる2軸4輪型のトラクタ1が採用され、前記車体3の後部にキャビン2が搭載されている。
前記キャビン2は骨格を構成するキャビンフレーム6を備えている。
【0008】
このキャビンフレーム6は、図2〜図23に示すように、運転席7の前方側に位置する左右一対前支柱8と、運転席7の後方側に位置する左右一対の後支柱9とを備えた、中間支柱(センターピラー)のない4柱式のキャビンフレーム6であり、運転席7はキャビンフレーム6の(キャビン2室内の)後部側の左右方向中央側に配置されている(したがって、左前支柱8は運転席7の左斜め前方に位置し、右前支柱8は運転席7の右斜め前方に位置し、左後支柱9は運転席7の左斜め後方に位置し、左後支柱9は運転席7の右斜め後方に位置している)。
【0009】
なお、キャビン2室内の前部側には、ステアリングハンドル装置10が設けられている。
キャビンフレーム6の上部には外部のアウタールーフ11とキャビン2室内の天井部を構成するインナールーフ12(図23参照)が設けられ、左右前支柱8の間はフロントパネル13で閉塞され、左右後支柱9の間はリヤパネル14で閉塞され、左右方向で同じ側にある前支柱8と後支柱9との間はドアパネル15によって閉塞されている。
前記フロントパネル13、リヤパネル14、左右のドアパネル15は、ガラス(又は樹脂)によって形成された透明パネルで構成されていると共に、キャビンフレーム6の外面側に配置されている。
【0010】
左右前支柱8の上端側同士は前梁材16によって連結され、左右後支柱9の上端側同士は後梁材17によって連結され、左右方向で同じ側にある前支柱8と後支柱9との上端側同士は側梁材18で連結されている。
前梁材16の左右端部は前支柱8上端の左右方向内面側に接続され、後梁材17の左右端部は後支柱9上端の左右方向内面側に接続され、側梁材18の前端部は前支柱8の上端背面側に接続され、後端部は後支柱9の上端前面側に接続されている。
前記左右の後支柱9の下端は、前支柱8の上下方向略中央部に対応する高さ位置にあり、該左右後支柱9の下端側同士は後下部連結材19によって連結されている。
【0011】
また、運転席7の左右両側には、左右の各後支柱9の下端部から前方に行くに従って下方に移行するように延出しており且つ前上方に向けて膨らむように(後輪フェンダ20の上面から前面の形状に沿って)湾曲した側枠材21が設けられている。
この左右各側枠材21の下側に後輪フェンダ20が配置されて該側枠材21に固定されており、左右後輪フェンダ20間にフロアシート22が配置され、フロアシート22の前部は運転席7の下方側に配置されていて該フロアシート22上に運転席7が取り付けられ、フロアシート22の後部側は、後上方に向けて延出されていて、運転席7の背面側に位置している。
【0012】
前記側枠材21の前下端部は、その前方に位置する前支柱8の下端と同じ高さ位置に位置しており、各側枠材21の前下端部と、その前方に位置する前支柱8の下端とは側下部連結材23によって連結されている。
左右前支柱8間の下部には、ダッシュボードやステアリングハンドル装置10等を支持する門型状の前下部枠体24が設けられ、この前下部枠体24の左右各下端部と、左右方向で同じ側に位置する前支柱8の下端部同士は、前下部連結材25によって連結されている。
【0013】
また、左右の各後支柱9の下端には脚体26の上端側が連結され、各脚体26は、上部が下方に行くに従って左右方向内方に移行する傾斜状とされ、下部が下方に延びる直線状とされており、下端側に、トラクタ1の車体3にマウントゴムを介して取り付けられる取付板27が設けられている。
また、左右方向で同じ側にある脚体26の下部と、前下部連結材25の左右方向内端側とは、角パイプからなる第1の補強材28によって連結され、この第1の補強材28は、後部側が前方に延びるように形成され、中途部で下方に延びるように屈曲され、前部側が前方に延びるように形成されている。
【0014】
また、左右第1補強枠材の前部の前後方向中途部同士は角パイプからなる第2の補強材29によって連結され、左右各第1の補強材28の前部の前後方向中途部と、側下部連結材23の後端側とは角パイプからなる第3の補強枠材30によって連結されている。
また、キャビンフレーム6の底部前部には、各補強材28,29,30の上面側に位置するステップ31が設けられ、このステップ31の左右両側の前部下面側には、トラクタ1の車体3にマウントゴムを介して取り付けられる取付板32が設けられている。
左右の前支柱8は、上下方向に配置された断面瓢箪状の異形パイプからなり、前方からみると、上下端部から上下方向中央側(長手方向中央側)に行くに従って左右方向外方側に移行するように湾曲形成されていて、上下方向略中央側が左右方向外方に膨らむように湾曲状に形成されている。
【0015】
また、左右の前支柱8は、側方からみると、上下端部から長手方向方向中央側に行くに従って左右方向前方側に移行するように湾曲形成されていて、長手方向方向略中央側が左右方向外方に膨らむように湾曲状に形成されており、且つ、上下方向に対する傾斜度が上部側よりも下部側が小さくなるように設けられている。
したがって、左右の前支柱8は運転席7からキャビン2室外方向(斜め前方側)に向けて膨らむように湾曲状に形成されている。
また、図12に示すように、前梁材16は左右方向に配置された角パイプからなり、左右の端部から左右方向中央側(長手方向中央側)に行くに従って前方に移行するように湾曲形成されていて左右方向中央側が前方に膨らむように湾曲状に形成されていると共に、前面が斜め上方を向くように傾けられて配置されていて左右方向中央側が高い中高状となるように設けられている。
【0016】
フロントパネル13は、外形が、左右の前支柱8、前梁材16、前下部枠体24、左右の前下部連結材25で囲まれる開口の縁部に沿う形状に形成され、該フロントパネル13は、本実施形態では、前下部枠体24の上方側で且つ左右前支柱8の上部間に位置する上部13Aと、前下部枠体24の側部24aと前支柱8の下部との間に位置する左右一対の下部13Bとから構成されている。
なお、本実施形態では、フロントパネル13の上部13Aと下部13Bとは別体で形成されているが、フロントパネル13の上部13Aと下部13Bとを一体形成してもよい。
【0017】
フロントパネル13の上部13Aは、前支柱8の上部及び前梁材16に沿う湾曲状に形成されていて、前方に向けて凸となる球面状に形成されており、上縁側が前梁材16の前面にシール材を介して接着され、左右の側縁側が前支柱8上部の前面側にシール材を介して接着されている。
前述したように、前梁材16は前面が斜め上方を向くように傾けられて配置されていて、前梁材16の前面(外面)が上方に行くに従ってキャビン2室内方向に移行する傾斜状とされているので、フロントパネル13が前支柱8の湾曲形状に沿う湾曲状に形成されていても、前梁材16に対してフロントパネル13の上縁側をシール材及び接着剤を介して良好に接当させることができる。
【0018】
また、フロントパネル13の上部の下縁側の左右方向中央側は、前下部枠体24の上部から張り出す取付部33にシール材を介して接着されている。
また、フロントパネル13の上部13Aの下縁側の左右方向中央側は平坦状(平面状)に形成されており、この平坦部分34に対応する部位にワイパが取り付けられる。
フロントパネル13の下部13Bは前支柱8の下部に沿う湾曲状に形成されており、その左右方向外端側の縁部が前支柱8の下部の前面側にシール材を介して接着され、左右方向内端側の縁部が前下部枠体24の側部から張り出す取付部35にシール材を介して接着され、下端側の縁部が前下部連結材25の前面側にシール材を介して接着され、フロントパネル13の下部の上縁側はシール材を介してフロントパネル13の下縁側に接着されている。
【0019】
このフロントパネル13の下部13Bは上部13Aに比べて緩やかに湾曲するように形成されている(フロントパネル13の下部は、上部に比べて湾曲度が緩い(小さい))。
これによって、運転席7からフロントパネル13の下部13Bを透して該フロントパネル13下部13Bの前方側(前輪4やその周囲のもの)をみる時にゆがみが少なく、見やすいように構成されている。
左右の後支柱9は、上下方向に配置された断面瓢箪状の異形パイプからなり、側方からみると、長手方向中央側が後方側に膨らむように湾曲状に形成されていると共に前傾状とされていて上端が下端よりも前方側に位置している(上下方向に対する傾斜度が、上部よりも下部が小さくなるように設けられている)。
【0020】
また、左右の後支柱9は、後方からみると長手方向中央側が左右方向外方側に膨らむように湾曲状に形成されていると共に左右方向内方側に傾くように設けられていて上端が下端よりも左右方向内方側に位置している(上下方向に対する傾斜度が、上部よりも下部が小さくなるように設けられている)。
したがって、左右の前支柱8は運転席7からキャビン2室外方向に向けて膨らむように湾曲状に形成されている。
また、左右の各後支柱9の上端側には、ライト(作業灯)が取り付けられるライトステー36が設けられており、前述したように、左右の各後支柱9は左右方向内方側に傾くように設けられていて上端が下端よりも左右方向内方側に位置しているので、ライトステーに取り付けられるライトが後輪フェンダ20よりも左右方向外方にはみ出すのを防止することができるよう構成されている。
【0021】
また、左右の各後支柱9は、図9に示すように、該左右の後支柱9の左右方向外面間の間隔L1が、左右の前支柱8の左右方向外面間の間隔L2よりも狭くなるように設けられている。
また、左右の各側梁材18は、図13に示すように、前後方向に配置された角パイプからなり、前後方向中央側(長手方向中央側)が左右方向外方に膨らむように湾曲状に形成されている。
また、左右の各側梁材18は、後端が前端よりも左右方向内方側に位置するように左右方向内方側に傾くように設けられていると共に左右方向の外面(側面)が斜め上方を向くように傾けられて配置されていて、該側梁材18は左右方向中途部が高い中高状となるように設けられている。
【0022】
ドアパネル15は、外形が、左右方向で同じ側にある、前支柱8と後支柱9と側梁材18と側枠材21と前下部連結材25で囲まれる開口の縁部に沿う形状に形成されている。
また、このドアパネル15は、前支柱8及び側梁材18に沿う湾曲状に形成されていて、左右方向外側方に向けて凸となる球面状に形成されており、上縁側が側梁材18の外側面にシール材を介して接当され、前縁側が前支柱8の外側面にシール材を介して接当され、後縁側は後支柱9の外側面にシール材を介して接当され、下縁側が側枠材21及び側下部連結材23にシール材を介して接当されている。
【0023】
前述したように、側梁材18は外側面が斜め上方を向くように傾けられて配置されていて、側梁材18の外側面(外面)が上方に行くに従ってキャビン2室内方向に移行する傾斜状とされているので、ドアパネル15が前支柱8及び後支柱9の湾曲形状に沿う湾曲状に形成されていても、側梁材18に対してドアパネル15の上縁側をシール材を介して良好に接当させることができる。
また、このドアパネル15は、後縁側が後支柱9に設けられた上下一対のヒンジ部37によって開閉自在に支持されていて、前開きのドアパネル15とされている。
【0024】
ドアパネル15の前縁側の上下方向中途部には、ドアハンドル38が設けられ、ドアパネル15のキャビン2室内側の上下方向中途部には、下側のヒンジ部37からドアハンドル38に至るように設けられた取っ手39が設けられている。
前記ヒンジ部は、後支柱9に固定された固定部37Aと、該固定部37Aに、上方に行くに従って前方に移行する傾斜状の軸芯回りに回動自在に枢支連結された可動部37Bとから構成され、可動部37Bにドアパネル15の後縁側が取り付けられている。
前述したように、左右の各後支柱9は、該左右の後支柱9の左右方向外面間の間隔L1が、左右の前支柱8の左右方向外面間の間隔L2よりも狭くなるように設けられていることから、キャビン2を正面から見ると前記ヒンジ部37がドアパネル15の後側に隠れ、キャビン2の正面視での外観がシンプルになる、また、ヒンジ部37が何かのものに接触する惧れが少ないという効果を奏する。
【0025】
また、後支柱9は運転席7に近く運転席7近傍の強度確保が図れ、左右の前支柱8の左右間隔L2は後支柱9の左右間隔L1よりも広いので、前方視界がよい。
前記側枠材21は、角パイプによって形成され、図16,図17に示すように、側面視では、後部側21aは後支柱9の下端から前方に延びるように略直線状に形成され、中途部から前下端に至る部分は、前方に行くに従って下方に移行する湾曲状(前斜め上方に向けて膨らむように湾曲状)とされている。
なお、側枠材21の前下端は下方に指向しており、湾曲部分21bは、前部側が後部側よりも曲率半径の大きい円弧状とされている。
【0026】
また、側枠材21は、平面視では、後部側の直線部分21aは後支柱9の下端から前斜め外側方に向けて延出され、湾曲部分21bでは、前方に行くに従って左右方向内方側に移行する湾曲状(外側方に向けて膨らむように湾曲状)とされている。
また、側枠材21は、正面視では、湾曲部分21bが下方に行くに従って左右方向内方に移行する湾曲状(外側方に向けて膨らむように湾曲状)とされている。
また、側枠材21の直線部分21aは、その外側面が鉛直方向に沿う面となるように設けられ、側枠材21の湾曲部分21bは、該湾曲部分21bの前面側が若干前斜め外側方を向くように傾けられている(湾曲部分21bの外側面が、前下端部を除く大部分において、径方向外方に行くに従って左右方向外側方に若干傾斜している)。
【0027】
以上のようにして、側枠材21は、(その外側面が)ドアパネル15の球面形状に沿うように形成されていて(ドアパネル15の縁部の該側枠材21に対応する部分の内面形状に沿うように形成されていて)、ドアパネル15の下縁後部側が側枠材21の外側面にシール材を介して良好に接当するように構成されている。
側下部連結材23は、図20に示すように、上壁23aと、該上壁23aの左右方向外端から下方側に延出された外側壁23bと、上壁23aの下方側に配置されて外側壁23bに固着された底壁23cと、上壁23aと底壁23cを連結するように設けられた補強壁23dとを有し、外側壁23b(の外面)が、下方に行くに従って左右方向内方に(キャビン2室内側に)移行する傾斜状とされていて、ドアパネル15の下縁前部側が側下部連結材23の外側面にシール材を介して良好に接当するよう構成されている。
【0028】
左右の後支柱9の下端同士を連結する後下部連結材19は、図15に示すように、角パイプによって形成され、左右方向中央側(長手方向中央側)が後方に向けて膨らむように湾曲状に形成されている。
リヤパネル14は、外形が、左右の後支柱9、後梁材17、後下部連結材19で囲まれる開口の縁部に沿う形状に形成されている。
また、このリヤパネル14は、左右後支柱9、後梁材17及び後下部連結材19の湾曲形状に沿う湾曲状に形成されていて、後方に向けて凸となる球面状に形成されており、該リヤパネル14の上縁側は、側梁材18の後面にシール材を介して接当され、左右の側縁側は後支柱9の後面側に接当され、下縁側は後下部連結材19の後面に接当されている。
【0029】
前述したように、後梁材17は後面が後斜め上方を向くように傾けられて配置されていて、後梁材17の後面(外面)が上方に行くに従ってキャビン2室内方向に移行する傾斜状とされているので、リヤパネル14が後支柱9の湾曲形状に沿う湾曲状に形成されていても、後梁材17に対してリヤパネル14の上縁側をシール材を介して良好に接当させることができる。
また、このリヤパネル14の上縁側は、後梁材17に設けられた左右一対のヒンジ部40に左右方向の軸芯回りに回動自在に支持されていて、該リヤパネル14を上下に揺動することにより左右後支柱9間の開口を開閉自在としている。
【0030】
図21及び図22に示すように、リヤパネル14を開放位置(全開位置)に付勢するガスダンパ(ガススプリング)からなる付勢部材48が後支柱9とリヤパネル14とにわたって設けられている。
また、リヤパネル14の下部のキャビン2室内側の左右方向中央側には、後下部連結材19の上面の左右方向中央側に設けられた止め金具41に係合して、リヤパネル14を閉鎖位置でロックするロック装置42が設けられている。
また、キャビン2の後部側には、リヤパネル14を閉鎖位置と開放位置との間の中途位置で係止する係止部材43が、リヤパネル14のキャビン2室内側の下部と後下部連結材19とにわたって設けられている。
【0031】
この係止部材43は、本実施形態では、リヤパネル14を開放方向に付勢するガスダンパ(ガススプリング)によって形成され、該ガスダンパ43の基部側は、後下部連結材19の上面一端部側に固定された取付部44にボールジョイント45を介して連結され、ガスダンパ43のピストンロッド43aの先端側には、リヤパネル14の下部内面側の左右方向中央側に設けられた係合部46に係脱自在に係合する係合具47が設けられている。
本実施形態では、係合部46には挿通孔が形成されており、この挿通孔に係合具を上方側から挿抜自在に挿通することにより、係合具47が係合部46に対して係脱自在とされている。
【0032】
また、係止部材43は、伸張限界で、リヤパネル14を閉鎖位置と開放位置との間の中途位置(図21、図22)で停止させるよう構成されている。
また、係止部材43は、基部がボールジョイントを介して取付部44に連結されていること、ピストンロッド43aが出退することにより、閉鎖位置と中途位置との間のリヤパネル14の動きに追従する。
前記構成のものにあっては、リヤパネル14の閉鎖位置において、ロック装置42によるロックを解除すると、リヤパネル14が開き動作すると共に係止部材43によって自動的に中途位置で止まり、該リヤパネル14が若干開いた半開き状態で保持され、キャビン2室内の換気が可能となる。したがって、本実施形態では、リヤパネル14を半開き状態にする動作を必要としないので便利である。
【0033】
また、この半開き状態において、係止部材43を上方に揺動させて該係止部材43の係合具47を係合部46の挿通孔から抜脱すると、付勢部材48によってリヤパネル14が開放位置へと揺動する。
なお、本実施形態では、係止部材43をガスダンパによって形成しているが、これに限定されることはなく、ガスダンパのように付勢するものではなく、単にピストンロッド伸縮が伸縮するだけのものであってもよく、また、中途部が屈曲するように枢支連結された一対のリンクによって構成されていてもよく、リヤパネル14に対して係脱自在であると共に閉鎖位置と中途位置との間のリヤパネル14の動きに追従するよう構成されていればよい。
【0034】
図23に示すように、インナールーフ12は、運転席7の上方側に対応する部分が上方に向けて凹状の凹部49とされ、該凹部49の前部側の縦壁部分49aに、インナールーフ12とアウタールーフ11との間に収納配置されるエアコン装置を操作する操作具50が設けられ、凹部49の後部側の縦壁部分49aにエアコン装置の吹出し口51が設けられ、この吹出し口51には風向きを操作する操作具52が設けられる。
また、このインナールーフ12の前縁側は前梁材16に取付固定され、後縁側は後梁材17に取付固定され、左右の側縁側は側梁材18に取付固定されていると共に、該インナールーフ12は、前梁材16、後梁材17、側梁材18の中高形状に沿って全体的に上方に向けて膨らむように湾曲状に形成されている。
【0035】
このようにインナールーフ12を全体的に上方に向けて膨らむように湾曲状に形成することにより、運転者上方のヘッドクリアランスが確保され、また、インナールーフ12の凹部49の縦壁部分49aに設けられた、エアコン装置を操作する操作具50や吹出し口51の操作具52が運転者に向くことになるので、該操作具50の操作がしやすくなる。
また、逆に、前梁材16、後梁材17、側梁材18を中高形状とすることにより、全体的に上方に向けて膨らむように湾曲状に形成したインナールーフ12の、前梁材16、後梁材17、側梁材18への取り付けが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】トラクタの側面図である。
【図2】キャビンフレーム及び各パネルの斜視図である。
【図3】キャビンフレームの正面図である。
【図4】キャビンフレーム右側の正面拡大図である。
【図5】キャビンフレームの側面図である。
【図6】キャビンフレームの背面図である。
【図7】キャビンフレーム左側の背面拡大図である。
【図8】キャビンフレームを上下方向中途部から下側をみた平面図である。
【図9】キャビンフレームの平面図である。
【図10】キャビンフレームを左斜め前方からみた斜視図である。
【図11】キャビンフレーム右斜め後方からみた斜視図である。
【図12】(a)は前梁材の側面図、(b)は前梁材の平面図、(c)は前梁材の正面図である。
【図13】(a)は側梁材の正面図、(b)は側梁材の平面図、(c)は側梁材の側面図である。
【図14】(a)は後梁材の側面図、(b)は後梁材の平面図、(c)は後梁材の図である。
【図15】(a)は後下部連結材の側面図、(b)は後下部連結材の平面図、(c)は後下部連結材の背面図である。
【図16】(a)は側枠材の側面図、(b)は側枠材の平面図、(c)は側枠材の正面図である。
【図17】側枠材の斜視図である。
【図18】図5のV−V線矢視断面図である。
【図19】図8のW−W線矢視断面図である。
【図20】図5のX−X線矢視断面図である。
【図21】リヤパネルの半開き状態を示すリヤパネル回りの正面側斜視図である。
【図22】リヤパネルの半開き状態を示すリヤパネル回りの側面図である。
【図23】(a)はインナールーフの底面図、(b)は(a)のY−Y線矢視断面図、(c)はZ−Z線矢視断面図である。
【符号の説明】
【0037】
6 キャビンフレーム
7 運転席
8 前支柱
9 後支柱
14 リヤパネル
15 ドアパネル
18 側梁材
23 側下部連結材
36 ライトステー
37 ヒンジ部
43 係止部材
48 付勢部材
L1 左右の後支柱の左右方向外面間の間隔
L2 左右の前支柱の左右方向外面間の間隔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席(7)の前方側に配置された左右一対の前支柱(8)と、運転席(7)の後方側に配置された左右一対の後支柱(9)とを有するキャビンフレーム(6)を備え、これら左右の前支柱(8)及び後支柱(9)を、左右の後支柱(9)の左右方向外面間の間隔(L1)が、左右の前支柱(8)の左右方向外面間の間隔(L2)よりも狭くなるように設け、
左右方向で同じ側に位置する前支柱(8)と後支柱(9)との間を塞ぐように設けられたドアパネル(15)をキャビンフレーム(6)の外面側に設け、このドアパネル(15)を開閉自在に支持するヒンジ部(37)を後支柱(9)に設けたことを特徴とするキャビン。
【請求項2】
左右方向で同じ側に位置する前支柱(8)と後支柱(9)の上端側同士を連結する左右の側梁材(18)を備え、この側梁材(18)を、その前後方向中央側が左右方向外方側に膨らむように左右方向外方に向けて湾曲状に形成し、ドアパネル(15)を前記側梁材(18)に沿う湾曲状に形成したことを特徴とする請求項1に記載のキャビン。
【請求項3】
左右の後支柱(9)が、背面視で上方に行くに従って左右方向内方に移行する湾曲状に形成され、後支柱(9)の上端側にライトが取り付けられるライトステー(36)を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のキャビン。
【請求項4】
後支柱(9)間を塞ぐリヤパネル(14)を開閉自在に設け、このリヤパネル(14)を開放させる方向に付勢する付勢部材(48)を設け、リヤパネル(14)を閉鎖位置と開放位置との間の中途位置で停止させる係止部材(43)を設け、この係止部材(43)はリヤパネル(14)に対して係脱自在であると共に、閉鎖位置と中途位置との間のリヤパネル(14)の動きに追従するよう構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のキャビン。
【請求項1】
運転席(7)の前方側に配置された左右一対の前支柱(8)と、運転席(7)の後方側に配置された左右一対の後支柱(9)とを有するキャビンフレーム(6)を備え、これら左右の前支柱(8)及び後支柱(9)を、左右の後支柱(9)の左右方向外面間の間隔(L1)が、左右の前支柱(8)の左右方向外面間の間隔(L2)よりも狭くなるように設け、
左右方向で同じ側に位置する前支柱(8)と後支柱(9)との間を塞ぐように設けられたドアパネル(15)をキャビンフレーム(6)の外面側に設け、このドアパネル(15)を開閉自在に支持するヒンジ部(37)を後支柱(9)に設けたことを特徴とするキャビン。
【請求項2】
左右方向で同じ側に位置する前支柱(8)と後支柱(9)の上端側同士を連結する左右の側梁材(18)を備え、この側梁材(18)を、その前後方向中央側が左右方向外方側に膨らむように左右方向外方に向けて湾曲状に形成し、ドアパネル(15)を前記側梁材(18)に沿う湾曲状に形成したことを特徴とする請求項1に記載のキャビン。
【請求項3】
左右の後支柱(9)が、背面視で上方に行くに従って左右方向内方に移行する湾曲状に形成され、後支柱(9)の上端側にライトが取り付けられるライトステー(36)を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のキャビン。
【請求項4】
後支柱(9)間を塞ぐリヤパネル(14)を開閉自在に設け、このリヤパネル(14)を開放させる方向に付勢する付勢部材(48)を設け、リヤパネル(14)を閉鎖位置と開放位置との間の中途位置で停止させる係止部材(43)を設け、この係止部材(43)はリヤパネル(14)に対して係脱自在であると共に、閉鎖位置と中途位置との間のリヤパネル(14)の動きに追従するよう構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のキャビン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
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【図9】
【図10】
【図11】
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【図13】
【図14】
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【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
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【公開番号】特開2009−113664(P2009−113664A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−289663(P2007−289663)
【出願日】平成19年11月7日(2007.11.7)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月7日(2007.11.7)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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