説明

キロポスト表示器

【課題】高速道路を走行中に2箇所のキロポストを知ることができる装置を提供する。
【解決手段】本発明によるキロポスト表示装置は、キロポストとその位置の関係を示すテーブルと、GPS信号より現在位置を検出するGPS受信装置と、現在のキロポストと時刻を表示する表示装置と、ホールドボタンとを有し、時刻t1にて上記ホールドボタンを押すと、時刻t1におけるキロポストと時刻が表示され、時刻t1から所定時間経過後の時刻t2に上記ホールドボタンを押すと時刻t1におけるキロポストと時刻と共に時刻t2におけるキロポストと時刻が表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高速道路に設けられたキロポストを表示するためのキロポスト表示器に関する。
【背景技術】
【0002】
高速道路の中央分離帯及び路側帯には、100メートル間隔でキロポストが設置されている。キロポストは、起点からの距離を100メートル単位で表示するが、その位置情報(緯度及び経度)を示すものではない。
【0003】
特開2000−113383号公報には、予め幾つかのキロポストのデータとGPSデータの関係を求めておき、現在位置をGPS信号を用いて検出し、現在位置に対応するキロポストを表示するキロポスト表示装置が記載されている。特開2001−264087号公報には、GPS信号より現在位置を検出し、現在位置におけるキロポスト、標識等の情報を表示する位置管理情報表示装置が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−113383号公報
【特許文献2】特開2001−264087号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
高速道路を走行中に連続して2つの事故を目撃したときに、2つの事故の位置を知ることができると便利である。
また、走行中に特定のキロポストに接近したとき、それを知らせる機能があると便利である。
【0006】
本発明の目的は、高速道路を走行中に2箇所のキロポストを知ることができる装置を提供することにある。
【0007】
本発明の目的は、高速道路を走行中に目的のキロポストに近づいたとき、それを知ることができる装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるキロポスト表示装置は、キロポストとその位置の関係を示すデータべースと、GPS信号より現在位置を検出するGPS受信装置と、現在のキロポストと時刻を表示する表示装置と、ホールドボタンとを有し、時刻t1にて上記ホールドボタンを押すと、時刻t1におけるキロポストと時刻が表示され、時刻t1から所定時間経過後の時刻t2に上記ホールドボタンを押すと時刻t1におけるキロポストと時刻と共に時刻t2におけるキロポストと時刻が表示される。
【0009】
キロポスト表示装置、更に目標キロポストを設定するためにアラーム設定ボタンと警報装置を有し、該アラーム設定ボタンによって設定された目標キロポストの位置に到達すると上記警報装置が作動する。
【0010】
キロポスト表示装置は、更に周囲の明るさを検出する明るさ検出装置が設けられ、該明るさ検出装置の検出信号に基づいて、上記表示装置の画面の明るさが変化する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、高速道路を走行中に2箇所のキロポストを知ることができる。更に、高速道路を走行中に目的のキロポストに近づいたとき、それを知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1を参照して本発明によるキロポスト表示装置の例を説明する。本例のキロポスト表示装置は、GPSアンテナ11、GPS受信装置12、演算部13、メモリ14、キロポストデータベース15、表示部16、慣性航法装置17、入出力インターフェース18、ホールドボタン21、アラーム設定ボタン22、アラーム報知器23、明るさセンサ24を有する。
【0013】
キロポストデータベース15には、全ての高速道路の上下線毎に、キロポストとその位置(緯度及び経度)の関係が登録されている。演算部13は、GPS受信装置12からの位置情報に基づいて、走行中の高速道路と上り車線か下り車線かを判別し、通過したキロポストのうち現在位置に最も近いキロポストを検出する。他の高速道路に移った場合でも、走行中の高速道路と上り車線か下り車線かを判別し、現在位置に最も近いキロポストを検出する。
【0014】
先ず、通常モードを説明する。GPS受信装置12は所定の周期にて、例えば1秒毎に、GPSアンテナ11によって受信したGPS信号を解析し、現在位置の緯度及び経度を算出し、それを演算部13に送る。演算部13は、キロポストデータベース15を参照し、現在のキロポストを検出する。演算部13は、現在のキロポストと時刻を表示部16に表示する。図2(a)に示すように、表示部16の画面の下側に現在のキロポスト120.3と時刻20時30分が表示される。このキロポストと時刻は、時間と共に刻々と変化する。
【0015】
トンネル等に入った場合には、GPS信号を受信することができない。この場合には、演算部13は、慣性航法装置17によって演算された現在位置に基づいて、現在のキロポストを検出する。
【0016】
次に、ホールドモードを説明する。ユーザが、例えば、20時30分に、ホールドボタン21を押すと、演算部13は、その時点のキロポスト120.3と時刻20時30分をメモリ14に保存し、図2(b)に示すように、表示部16の画面の上側に、キロポスト120.3と時刻20時30分を表示する。表示部16の画面の下側には、現在のキロポスト120.3と時刻20時31分が表示される。表示部16の画面の上側に表示されたキロポスト120.3と時刻20時30分は変化しないが、表示部16の画面の下側に表示されたキロポスト120.4と時刻20時31分は、時間と共に刻々と変化する。
【0017】
ユーザが、例えば、20時32分に、再度ホールドボタン21を押すと、演算部13は、その時点のキロポスト120.6と時刻20時32分をメモリ14に保存し、図2(c)に示すように、表示部16の画面の下側に、キロポスト120.6と時刻20時32分を表示する。表示部16の画面の上側と下側の、キロポストと時刻は変化しない。
【0018】
ユーザが、再度ホールドボタン21を押すと、ホールドモードが解除され、通常モードに戻る。図2(a)に示すように、表示部16の画面の下側に現在のキロポストと時刻が表示され、このキロポストと時刻は、時間と共に刻々と変化する。尚、ホールドボタン21によってホールドされたキロポストと時刻はメモリ14に保存されており、後に再表示することができる。
【0019】
例えば、高速道路を走行中に連続して2つの事故を目撃したときに、ホールドボタン21を2度押せばよい。それによって、2つの事故の位置を確認することができる。
【0020】
図3を参照して、アラーム設定の手順を説明する。アラーム設定ボタンは、切り換えボタン22A、桁移動ボタン22B、及び、数値インクリメントボタン22Cからなり、アラーム報知器23に隣接して設けられている。アラーム報知器23は、警報ランプ23Aを含む。
【0021】
通常モードにおいて、切り換えボタン22Aを押すと、表示部16の画面は、アラーム設定画面となる。アラーム設定画面では、前回のキロポストの設定値が表示される。初めて設定する場合には、0000が表示される。桁移動ボタン22Bを押すことにより、変更又は入力可能な桁が点滅する。数値インクリメントボタン22Cを押すことによって、点滅している桁の数値が変化する。こうして、4桁のキロポストの設定値の入力が完了し、その値が確定したら、再度、切り換えボタン22Aを押す。それによって、元の、通常モードに変わる。
【0022】
アラーム設定が完了すると、警報ランプ23Aが点灯する。走行中に、アラーム設定処理にて設定したキロポストに到達すると、警報ランプ23Aが点滅し、警報が鳴る。したがって、ユーザは、現在位置が設定したキロポストに到達したことを知ることができる。
【0023】
図1に戻り、明るさセンサ24について説明する。明るさセンサ24は、周囲の明るさを検出する。演算部13は、明るさセンサ24からの信号に基づいて、表示部16の画面の輝度を調節する。したがって、昼でも夜でも、ユーザは、表示部16の画面に表示されたキロポストと時刻を見ることができる。
【0024】
以上、本発明の例を説明したが本発明は上述の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲にて様々な変更が可能であることは当業者に容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明によるキロポスト表示装置の構成例を示す図である。
【図2】本発明によるキロポスト表示装置の画面の例を示す図である。
【図3】本発明によるキロポスト表示装置のアラーム設定画面の例を示す図である。
【符号の説明】
【0026】
11…GPSアンテナ、12…GPS受信装置、13…演算部、14…メモリ、15…キロポストデータベース、16…表示部、17…慣性航法装置、18…入出力インターフェース、21…ホールドボタン、22…アラーム設定ボタン、22A…切り換えボタン、22B…桁移動ボタン、22C…数値インクリメントボタン、23…アラーム報知器、23A…警報ランプ、24…明るさセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キロポストとその位置の関係を示すデータベースと、GPS信号より現在位置を検出するGPS受信装置と、現在のキロポストと時刻を表示する表示装置と、ホールドボタンとを有し、時刻t1にて上記ホールドボタンを押すと、時刻t1におけるキロポストと時刻が表示され、時刻t1から所定時間経過後の時刻t2に上記ホールドボタンを押すと時刻t1におけるキロポストと時刻と共に時刻t2におけるキロポストと時刻が表示されることを特徴とするキロポスト表示装置。
【請求項2】
請求項1記載のキロポスト表示装置において、更に目標キロポストを設定するためにアラーム設定ボタンと警報装置を有し、該アラーム設定ボタンによって設定された目標キロポストの位置に到達すると上記警報装置が作動することを特徴とするキロポスト表示装置。
【請求項3】
請求項1記載のキロポスト表示装置において、更に周囲の明るさを検出する明るさ検出装置が設けられ、該明るさ検出装置の検出信号に基づいて、上記表示装置の画面の明るさが変化することを特徴とするキロポスト表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−64604(P2008−64604A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−242859(P2006−242859)
【出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【出願人】(504130658)パルシステム 株式会社 (3)
【Fターム(参考)】