説明

キー収容装置

【課題】車両の所有者が車両用キーとしての補助キーを所持することを不要として利便性を高めるキー収容装置を提供する。
【解決手段】自動車内に配置され、アシストキー202を挿抜可能に収容する収容空間2aを有する装置本体2と、装置本体2の収容空間2aに配置され、アシストキー202の挿抜によって往復可能なスライダ3と、スライダ3の往復によって回動・回動復帰し、収容空間2aに対する挿入状態のアシストキー202を係止するフック部42aを有するラチェット4と、ラチェット4の回動復帰方向の回動をアシストキー202の係止位置で規制するラチェット回動規制手段50とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キー収容装置に関し、特に携帯機からなる車両用キーとしての補助キーを車両内に収容するためのキー収容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両においては、無線通信技術を用い、ドアの施錠・解錠やエンジンの始動をキー操作無し(ワイヤレス)で行うための車両用キー(携帯機)が種々提案されている。
【0003】
従来、この種の車両用キーには、車両の使用に制限を受けないマスターキー、及び車両の使用に制限を受ける補助キー(アシストキー)がある(例えば特許文献1)。
【0004】
マスターキーは車両の所有者が乗車する場合に用いられ、一方アシストキーは車両の所有者以外の者がその所有者から貸し渡されて例えば車両を移動させる場合に用いられる。
【特許文献1】特開2004−25936号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1によると、車両の所有者はマスターキーとアシストキーの両方を所持することになり、利便性が低下する。
【0006】
従って、本発明の目的は、車両の所有者が車両用キーとしての補助キーを所持することを不要とし、もって利便性を高めることができるキー収容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、上記目的を達成するために、車両内に配置され、携帯機からなる車両用キーとしての補助キーを挿抜可能に収容する収容空間を有する装置本体と、前記装置本体の前記収容空間に配置され、前記補助キーの挿抜によって往復可能なスライダと、前記スライダの往復によって回動・回動復帰し、前記収容空間に対する挿入状態の前記補助キーを係止するフック部を有するラチェットと、前記ラチェットの回動復帰方向の回動を前記補助キーの係止位置で規制するラチェット回動規制手段とを備えたキー収容装置を提供する。
【0008】
(2)上記(1)に記載のキー収容装置において、前記補助キーは、その全体が前記フック部による係止状態において前記収容空間に収容されている。
【0009】
(3)上記(1)に記載のキー収容装置において、前記スライダは、前記補助キーの引き抜き方向に常時付勢されている。
【0010】
(4)上記(1)に記載のキー収容装置において、前記ラチェットは、前記フック部による前記補助キーの係止状態を解除する方向に常時付勢されている。
【0011】
(5)上記(1)に記載のキー収容装置において、前記ラチェット回動規制手段は、アクチュエータの駆動力によって往動して前記ラチェットの回動規制状態を解除し、前記アクチュエータの駆動力解除による復帰用スプリングの弾撥力によって復動して前記ラチェットの回動を規制するラチェット回動規制部材を有する。
【0012】
(6)上記(5)に記載のキー収容装置において、前記アクチュエータは、前記ラチェット回動規制部材に連結するプランジャを有するソレノイドからなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、車両の所有者が車両用キーとしての補助キーを所持することを不要とし、利便性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[第1の実施の形態]
先ず、本発明の第1の実施の形態に係るキー収容装置が適用された電子キーシステムにつき、図1〜図3を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係るキー収容装置が適用された電子キーシステムの概略を説明するために示すブロック図である。図2は、本発明の第1の実施の形態に係るキー収容装置が適用された車両内部を説明するために示す斜視図である。図3は、本発明の第1の実施の形態に係るキー収容装置が適用された電子キーシステムにおけるアシストキーを説明するために示す斜視図である。
【0015】
〔電子キーシステムの全体構成〕
図1において、符号100で示す電子キーシステムは、自動車用キーとしての携帯機200(マスターキー201,アシストキー202)と、自動車300に搭載された各種ECU(Electronic Control Unit)とからなり、携帯機200とECU120,170,190との間の無線通信によってドアロック機構(図示せず)の施錠・解錠やエンジン141の始動を行うように構成されている。
【0016】
この電子キーシステム100について説明する前に自動車300について簡単に説明すると、自動車300は、図2に示すように、エンジン始動用スイッチ(エンジンスイッチ)151(後述),バレットモード設定用スイッチ(図示せず)の各種スイッチ等が取り付けられたインストルメントパネル(図示せず)、及びグローブボックス500が組み込まれたダッシュボード501を内部に有している。
【0017】
バレットモード設定用スイッチは、自動車300のカーナビゲーションシステム193においてバレットモードを設定するための押圧操作スイッチである。ここで、バレットモードとは、例えばドアロック機構の施錠・解錠及びエンジン141の始動のみが行えるように自動車300を制御するためのモードをいう。バレットモードに移行するためには、自動車300のID(IDentification)コードと携帯機200(マスターキー201)のIDコードとが互いに一致している必要がある。各IDコードの一致が行われていない場合には、バレットモード設定用スイッチが押圧操作されても、バレットモードが設定されない。
【0018】
自動車300においては、バレットモードの他に通常モードがある。通常モードとは、ドアロック機構を施錠・解錠するとともに、エンジン141を始動する操作の他、グローブボックス500(図2に示す)やトランク(図示せず)の各ロック機構を施錠・解錠する操作を含む全ての操作が行えるモードである。
【0019】
グローブボックス500は、グローブボックススイッチ195によって開操作可能に、グローブボックスロック196によって施錠可能にそれぞれ構成されている。グローブボックス500には、その開口部を開閉する蓋体502が回動可能に装着されている。
【0020】
自動車300には、閉状態のトランク(図示せず)を開状態とする際に操作するトランクスイッチ133と、運転席の前後方向位置を自動車300に登録する際に操作するシートメモリスイッチ134と、閉状態にある給油口用の蓋体(図示せず)を開状態とする際に操作するガソリンオープンスイッチ135とが配置されている。これらスイッチ133〜135は、電気配線を介してドアECU130に接続され、操作状態がドアECU130によって監視されている。
【0021】
ドアECU130は、アシストECU190から通知指令に従い、その時々の自動車300の制限状態に応じてスイッチ133〜135のスイッチ操作の有効・無効を管理する。
【0022】
また、自動車300には、グローブボックス500の開操作を不許可とする際に操作するグローブキャンセルスイッチ197が配置されている。グローブボックスキャンセルスイッチ197は、例えば運転席に配置された押圧操作式のオルタネートスイッチからなり、アシストECU190に接続されている。
【0023】
アシストECU190は、グローブボックスキャンセルスイッチ197がオン状態にある際、グローブボックス500の開動作を禁止とし、この禁止状態においてグローブボックススイッチ195が押圧操作されてもグローブボックス500を閉状態のままで維持する。
【0024】
電子キーシステム100の一種には、マスターキー201がIDコードを発信するときに個別のキー操作を必要とせずにIDコード発信を行うことが可能なキー操作フリーシステム110がある。なお、マスターキー201は、自動車300との間で狭域無線通信が可能であって、マスターキー201が固有にもつキーコードを無線通信により自動車300に発信してキー照合を行わせる電子キーのことをいう。
【0025】
キー操作フリーシステム110には、ドアロック施錠・解錠操作の際にキー操作を必要としない機能としてスマートエントリーシステムがある。スマートエントリーシステムでは、マスターキー201との間でキー照合(ID照合)を行う照合ECU120が自動車300に搭載されている。
【0026】
照合ECU120には、車外にLF(Low Frequency)帯(約130KHz)の信号を発信する車外LF発信機111と、これと同じLF帯の信号を車内に発信する車内LF発信機112と、RF(Radio Frequency)帯(約312MHz)の信号を受信可能なRF受信機113とが接続されている。
【0027】
また、照合ECU120には、ドアロック施錠・解錠を制御するドアECU130が車内LAN(Local Area Network)400を介して接続されている。ドアECU130には、ドアロック施錠・解錠時の駆動源としてドアロックモータ131が接続されている。
【0028】
一方、携帯機200のマスターキー201には、その各種動作を統括制御する通信制御部201aが内蔵されている。
【0029】
通信制御部201aは、CPU(Central Processing Unit)201bやメモリ201c等の各種デバイスを有し、マスターキー201がもつ固有のキーコードとしてIDコードがメモリ201cに登録されている。通信制御部201aには、LF帯の無線信号を受信可能なLF受信機201dと、低RF帯(約312MHz)の無線信号を発信可能なRF発信機201eとが接続されている。通信制御部201aでは、LF受信機201dで如何なる種類の無線信号を受け付けたか否かを逐次監視するとともに、RF発信機201eからの信号発信の動作を管理する。
【0030】
例えば自動車300の駐車状態において、照合ECU120が車外LF発信機111からLF帯のリクエスト信号Srqを断続的に発信させ、車両周辺(約数m)にリクエスト信号Srqの車外通信エリアを形成して、狭域無線通信(以降、スマート通信と記す)の成立を試みる。マスターキー201では、この車外通信エリアに入り込んでリクエスト信号Srqを受信すると、リクエスト信号Srqに応答する形で自身のメモリ201cに登録されたIDコードを乗せたID信号Sidを低RF帯の信号で返信する。照合ECU120では、RF受信機113でID信号Sidを受信してスマート通信が成立すると、自身のメモリ121に登録されたIDコードとマスターキー201のIDコードとを照合してID照合、いわゆるスマート照合(車外照合)を行う。照合ECU120は、この車外照合が成立したことを確認すると、ドアECU130によるドアロック施錠・解錠動作を許可又は実行する。
【0031】
また、キー操作フリーシステム110には、エンジン始動・停止操作の際に実際のキー操作を必要とせずに単なるスイッチ操作のみでエンジン140の始動・停止操作を行うことが可能な機能としてワンプッシュエンジンスタートシステムがある。このワンプッシュスタートシステムでは、車内にワンプッシュスタートシステムの操作系としてエンジンスイッチ151が配置されている。エンジンスイッチ151は、例えばプッシュモーメンタリ方式を採用するとともに、エンジン始動・停止機能の他に、例えば自動車300の電源状態をスイッチ操作の度に次の段階に順次遷移させる電源遷移機能も割り当てられている。
【0032】
自動車300には、エンジン141を統括制御するエンジンECU140と、各種車載電装品を制御する電源ECU150とが搭載されている。これらECU140,150は、車内LAN400を介して照合ECU等の他のECUに接続されている。
【0033】
電源ECU150は、車載アクセサリに繋がるACC(Accessory)リレー152と、走行系の各種電装品に繋がる第1IG(Ignition)リレー153と、エンジンECU140やスタータリレーに繋がる第2IGリレー154とに接続されている。
【0034】
照合ECU120は、運転者の車内への乗車が例えばカーテシスイッチ132により確認されると、車内LF発信機112からリクエスト信号Srqを発信して、車内全域に車内通信エリアを形成する。照合ECU120では、マスターキー201がこの車内通信エリアに入り込んで返信してきたID信号SidをRF受信機113で受信すると、自身に登録されたIDコードとマスターキー201のIDコードとを照合してID照合、いわゆるスマート照合(車内照合)を行う。そして、照合ECU120では、車内照合が成立したことを確認すると、エンジンスイッチ151によるエンジン始動操作及び電源遷移操作を許可する。
【0035】
また、自動車300には、電子キーシステム100の一種として、スマート通信とは別系統の通信網でマスターキー201とキー照合を行うイモビライザーシステム160が搭載されている。
【0036】
イモビライザーシステム160は、近距離無線通信(以降、イモビライザー通信と記す)が用いられ、本例は例えばRFID(Radio Frequency IDentification)が使用されている。イモビライザーシステム160では、これを統括制御するイモビライザーECU170が自動車300に搭載されている。
【0037】
イモビライザーECU170は、車内LAN400を介して照合ECU120に接続されている。イモビライザー170には、イモビライザーシステム160の自動車300側におけるアンテナとしてコイル式のイモビアンテナ161が接続されている。イモビアンテナ161は、例えばエンジンスイッチ151の周辺にアンテナ線を複数巻回してなり、本例はLF帯の信号を送受信可能となっている。
【0038】
一方、マスターキー201には、イモビライザーシステム160におけるそのID登録先としてトランスポンダ201fが内蔵されている。
【0039】
トランスポンダ201fは、イモビアンテナ161から発信された駆動電波Skdを受信すると、この駆動電波Skdによって駆動を開始し、自身の固有コードであるトランスポンダコード(キーコード)を乗せたイモビ信号Strを自動車300に向けて発信する。
【0040】
イモビライザーECU170では、イモビ信号Strをイモビアンテナ161で受信すると、このイモビ信号Strによりイモビライザー照合を行い、この照合が成立すればエンジン始動を許可する。なお、近距離無線通信とは、スマート通信よりも通信エリアが狭い無線通信のことをいい、実際にはイモビアンテナ161にトランスポンダ201fをかざす程度に近づける必要のある無線通信である。
【0041】
エンジンECU140は、運転者によりエンジンスイッチ151がプッシュ操作されてエンジン141の始動操作が行われた際、車内照合及びイモビライザー照合のうち少なくとも一方が成立していることをもってエンジン141を始動させる。これは、マスターキー201が電池駆動式であることから、電池切れになるとマスターキー201はスマート通信を実行することができなくなるので、もし仮にマスターキー201が電池切れとなっても、無線通信によるID照合成立条件下でエンジン141を始動できるようにするためである。
【0042】
自動車300には、これをその貸出相手に貸し出す際に、マスターキー201とは別の自動車用キーを自動車貸出相手に貸し渡しつつ、このキー貸し渡しの際に自動車300のセキュリティレベルのレベル設定を行って自動車300の制限状態を設定するアシストキーシステム180が搭載されている。本例のアシストキーシステム180では、補助キーとしてのアシストキー202という呼称の自動車用キーを使用し、自動車300を貸出相手に貸し渡す際には自動車300に備え付け状態を採るアシストキー202を自動車貸出相手に渡し、そのキー貸し渡しの都度、自動車300がもつセキュリティレベル、すなわちアシストキー202がもつセキュリティレベル(以降、アシストキーレベルという)の設定を行って自動車300の使用状態に制限をかけるものである。
【0043】
アシストキー202は、図3に示すように、平面略矩形状のキー本体203と、トランスポンダ201fの機能と同様の機能を有してアシストECU190(図1に示す)との間で無線通信を行うIDタグ204と、ドアロック機構(図示せず)の施錠を行うためのロックスイッチ205と、ドアロック機構の解錠を行うためのアンロックスイッチ206とを有し、アシストキースロット1(後述するキー収容装置)における装置本体2(図4(a)及び(b)に示す)の収容空間2aに挿抜可能に収容されている。
【0044】
キー本体203には、収容空間2aに対するキー挿入側端部においてキー厚さ方向に貫通する係止孔203aが配置されている。また、キー本体203には、収容空間2aに対する挿入側端面において後述するスライダ3(図4(a)及び(b)に示す)を押圧するスライダ押圧部203bが配置されている。
【0045】
IDタグ204は、キー本体203に内蔵され、自動車300(キー収容装置1)との間でRFIDに準じた通信形式により無線通信が可能となっている。IDタグ204には、アシストキー202が固有にもつキーコードとしてアシストキーIDが登録されている。アシストキーIDは、自動車300との間でID照合が成立した場合、自動車300の制限状況下でのみ使用可能となるコード列である。
【0046】
ロックスイッチ205及びアンロックスイッチ206は、キー本体203の表面に露出して配置されている。
【0047】
次に、アシストキーシステム180について説明すると、自動車300には、アシストキーシステム180のコントロールユニットとしてアシストECU190が搭載されている。
【0048】
アシストECU190は、例えばCPU191やメモリ(ROM,RAM)192等の各種デバイス素子からなるとともに、車内LAN400を介して照合ECU120等の他の車載ECUに接続されている。
【0049】
アシストECU190には、キー収容装置1に対するアシストキー202の挿入有無を検出するキー挿入検出スイッチ404、及びアシストキー202のロック位置への挿入終了状態を検出するロック位置検出スイッチ(キー挿入終了検出スイッチ)405が接続されている。
【0050】
また、アシストECU190には、キー収容装置1からアシストキー202を引き抜く際に操作するアシストキースイッチ(キー引き抜き用スイッチ)2k、及び照合ECU120から車内照合不成立の確認結果に基づいてブザー音を発する警報ブザー194が接続されている。
【0051】
さらに、アシストECU190には、自動車300の走行時の現在位置や目的地までの走行経路を案内する電子機器として車載されたカーナビゲーションシステム193が接続されている。
【0052】
カーナビゲーションシステム193は、タッチパネル式のディスプレイ(図示せず)や、タッチパネル操作式以外の入力系として各種入力スイッチ群(図示せず)を有し、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)で現在走行位置を割り出してディスプレイの画面上に現在位置や目的地までの走行経路を案内表示する。ディスプレイや入力スイッチ群は、アシストキーシステム180の入力系及び表示系としてカーナビゲーションシステム193との間で共用されている。
【0053】
キー収容装置1は、後述するように、収容空間2aに挿入した状態(挿入終了状態)にあるアシストキー202を係止するアシストキーロック機能を有している。キー収容装置1には、アシストキー202のロック(係止)状態を解除するアクチュエータ(ソレノイド)600が配置されている。アクチュエータ600はアシストECU190に接続されている。
【0054】
キー収容装置1内には、アシストキーシステム180の自動車300側のアンテナとしてイモビアンテナ1aが組み込まれている。イモビアンテナ1aは、収容空間2a(後述)を囲むようにアンテナ線を複数巻回してなり、アシストECU190に接続されている。
【0055】
アシストキー202は、IDタグ204がイモビアンテナ1aとの間でRFID通信に準じた双方向の無線通信が可能であって、アシストキーIDを乗せたID登録信号Sskがイモビアンテナ1aから発信された際、このID登録信号Sskを受信すると、ID登録信号Sskに含まれるアシストキーIDを自身のメモリ(図示せず)に登録して自動車用キーとして機能する。ID登録信号Sskには、アシストキーIDと、停止状態にあるIDタグ204を起動させる駆動電波とが含まれている。
【0056】
IDタグ204では、そのメモリへのアシストキーIDの登録を正常に完了すると、その旨を通知する登録完了通知信号Sok(LF帯の信号)を発信してID登録完了を自動車300に通知する。アシストECU190では、登録完了通知信号Sokを認識すると、アシストキーIDを含むアシストキー情報Dkkを照合ECU120に通知する。
【0057】
また、アシストキー202は、アシストECU190のイモビアンテナ1aから駆動信号Skvが発信された際、この駆動信号Skvを受信すると、アシストECU190にキーID信号Stvを送信する。アシストECU190では、キーID信号Stvを受信すると、バレット実行状態にあったアシスト制限モードの終了を通知するモード終了通知Dndを照合ECU120に出力する。
【0058】
次に、本発明の第1の実施の形態に係るキー収容装置につき、図1及び図4(a),(b)を用いて説明する。図4(a)及び(b)は、本発明の第1の実施の形態に係るキー収容装置を説明するために示す断面図である。図4(a)はアシストキーが挿入された状態を、また図4(b)はアシストキーが引き抜かれた状態をそれぞれ示す。
【0059】
〔キー収容装置の全体構成〕
図4(a)及び(b)に示すように、キー収容装置1は、収容筐体からなる装置本体2と、この装置本体2内で往復可能なスライダ3と、このスライダ3の往復によって回動・回動復帰するラチェット4と、このラチェット4の回動復帰方向の回動を規制するラチェット回動規制部材5を有するラチェット回動規制手段50とを備え、自動車300(図1に示す)内に配置されている。
【0060】
(装置本体2の構成)
装置本体2は、図2に示すように、その一部をダッシュボード501のグローブボックス500内に露出させて自動車300内に配置され、全体が略矩形箱状のケースによって形成されている。
【0061】
装置本体2には、図4(a)及び(b)に示すように、アシストキー202を挿抜可能に収容する収容空間2a、及びこの収容空間2aに連通して幅方向(アシストキー202の挿抜方向と直交する方向)に並列するピン孔2b,2b(一方のみ図示)が設けられている。
【0062】
また、装置本体2には、収容空間2aを形成し、かつアシストキー202及びスライダ3をそれぞれ案内するキーガイド2c,スライダガイド2dが設けられている。
【0063】
装置本体2のキー挿入側端部には、収容空間2aに連通し、かつグローブボックス500内(自動車の助手席側)に開口するキー挿抜口(キースロット)2eが配置されている。キー挿抜口2eの近傍には、自動車300のアシストECU190(図1に示す)に接続し、かつ収容空間2aのキー挿入側でアシストキー202の挿入有無を検出する例えばマイクロスイッチからなるキー挿入検出スイッチ404(図1に示す)が設けられている。このキー挿入検出スイッチ404が押圧されると、この押圧状態がアシストECU190において検出され、ID照合が行われる。これにより、キー挿抜口2eに対する例えばダミーキー等の不正キーの挿入有無が確認される。キー挿入検出スイッチ404としては、マイクロスイッチの代わりに光センサ等のセンサを用いてもよい。
【0064】
また、装置本体2のキー挿入側端部には、アシストECU190に接続するアクチュエータ600が配置されている。アクチュエータ600としては、磁気を発生させるためのコイル(図示せず)の他、コイルへの通電による吸引力によってラチェット回動規制部材5に矢印a方向の往動力を付与するプランジャ601、このプランジャ601に矢印a方向の復動力を付与する復帰用スプリング602、及びこの復帰用スプリング602の軸線方向に沿ってプランジャ601を案内するガイド603を有する吸引型のソレノイドが用いられる。
【0065】
装置本体2のキー挿入側端部と反対側の端部には、上方に開口する貫通窓2f、及びこの貫通窓2fの開口周縁にキー挿入側で突出してラチェット回動規制部材5を案内する断面略L字状のストッパ付きガイドブロック2gが設けられている。また、装置本体2のキー挿入側端部と反対側の端部には、貫通窓2fの開口周縁にキー収容装置1の幅方向片側で突出するスプリング係止部2h、及びこのスプリング係止部2hにアシストキー202の挿入方向に沿って並列するラチェット保持部2iが、さらには貫通窓2fの開口周縁にキー収容装置1の背面側で突出してラチェット4の回動復帰方向の回動を初期(復動)位置で規制するラチェット回動規制部2jがそれぞれ設けられている。
【0066】
装置本体2のキー挿入側端面には、収容空間2aに対する挿入状態のアシストキー202を収容空間2aから引き抜く際に操作するキー引き抜き用スイッチ2k(図2に示す)が配置されている。
【0067】
キー引き抜き用スイッチ2kは、例えば押圧操作式のモーメンタリスイッチからなり、自動車300のアシストECU190に接続されている。
【0068】
装置本体2の背面側には、図1に示すように、自動車300のアシストECU190に接続し、かつアシストキー202の挿入終了状態を検出する例えばマイクロスイッチからなるキー挿入終了検出スイッチ405が配置されている。これにより、キー挿入終了検出スイッチ405が押圧されると、この押圧状態がアシストECU190において検出され、ID照合が行われる。この場合、アシストECU190においてID照合が成立すると、アシストECU190からアクチュエータ600に駆動信号が出力されず、アクチュエータ600の非駆動状態が維持される。一方、アシストECU190においてID照合が不成立であると、アシストECU190からアクチュエータ600に駆動信号が出力され、アクチュエータ600が駆動される。キー挿入終了検出スイッチ405としては、マイクロスイッチの代わりに光センサ等のセンサを用いてもよい。
【0069】
(スライダ3の構成)
スライダ3は、図4(a)及び(b)に示すように、ベースとなるスライダ本体3aと、このスライダ本体3aのキー挿入方向(矢印a方向)に突出するホルダ片3bと、このホルダ片3bの下方でキー挿入方向aに突出するガイドピン3c,3c(一方のみ図示)とを有し、装置本体2の収容空間2aに往復可能に配置されている。そして、スライダ3は、アシストキー202の挿抜によって往復するように構成されている。
【0070】
スライダ本体3aは、収容空間2aでスライダガイド2dに沿って摺動可能に配置され、全体が断面略L字状の部材によって形成されている。
【0071】
ホルダ片3bは、装置本体2の貫通窓2fの開口一部を閉塞する位置に配置され、かつスライダ本体3aに一体に形成されている。ホルダ片3bには、ラチェット4のラチェット回動軸40に平行なピン30bが配置されている。
【0072】
ガイドピン3c,3cは、装置本体2のピン孔2b,2bにそれぞれ往復可能に挿通され、かつスライダ本体3aに一体に形成されている。そして、ガイドピン3c,3cは、装置本体2の収容空間2aに対するアシストキー202(スライダ3)の挿入終了状態においてキー挿入終了検出スイッチ405を押圧するように構成されている。ガイドピン3c,3cの周囲には、スライダ3に対してアシストキー202の引き抜き方向(矢印a方向)への弾撥力を常時付与する復帰用スプリング406が配置されている。
【0073】
(ラチェット4の構成)
ラチェット4は、図4(a)及び(b)に示すように、装置本体2のスプリング係止部2hに対応するスプリング係止部4aを有し、装置本体2のラチェット保持部2iにラチェット回動軸40を介して回動可能に保持され、全体が略円板状の部材によって形成されている。そして、ラチェット4は、そのフック部42a(後述)によるアシストキー202の係止状態を解除する方向に復帰用スプリング407によって常時付勢されている。復帰用スプリング407は、トーションスプリングからなり、スプリング巻回部がラチェット回動軸40の周囲に巻回され、スプリング両端部がそれぞれ装置本体2のスプリング係止部2hとラチェット4のスプリング係止部4aに係止されている。
【0074】
また、ラチェット4は、フック部42aによるアシストキー202の係止状態において、装置本体2の収容空間2aにアシストキー202の全体を収容するように構成されている。
【0075】
ラチェット4の外周縁には、ラチェット径方向に突出し、かつスライダ3にピン30bを介して連結するスライダ連結片41が一体に設けられている。スライダ連結片41には、スライダ3の往復動作に伴うラチェット4の回動による変位によってピン30bを逃がす長孔41a、及びスライダ3の往動による押圧によってキー挿入方向aの押圧力を受ける押圧力受部41bが設けられている。
【0076】
また、ラチェット4の外周縁には、スプリング係止部4aにスライダ連結片41を介して並列する平面略扇形状の凸片42が一体に設けられている。凸片42の外周面は、ラチェット4の回動中心を円中心とする円弧面で形成されている。凸片42には、装置本体2の収容空間2aに対する挿入終了状態におけるアシストキー202の係止孔203aに挿入してアシストキー202を係止するフック部42a、及びこのフック部42aによるアシストキー202の係止状態においてラチェット回動規制部材5に当接する当接部42bが設けられている。
【0077】
(ラチェット回動規制手段50の構成)
ラチェット回動規制手段50は、図4(a)及び(b)に示すように、ラチェット回動規制部材5の他に、アクチュエータ600及び復帰用スプリング602を有し、装置本体2の上方に配置されている。
【0078】
ラチェット回動規制部材5は、装置本体2のガイドブロック2gにキー挿抜方向に沿って往復可能に配置され、かつアクチュエータ600のプランジャ601にピン408を介して連結され、全体がアクチュエータ600側に開口する段状の有底円筒体によって形成されている。そして、ラチェット回動規制部材5は、アクチュエータ600の駆動力によって往動してラチェット4の回動規制状態を解除し、アクチュエータ600の駆動力解除による復帰用スプリング602の弾撥力によって復動してラチェット4の回動復帰方向の回動をアシストキー202の係止位置で規制するように構成されている。
【0079】
ラチェット回動規制部材5には、ラチェット4の回動復帰力を当接部42bから受ける回動復帰力受部5aが一体に配置されている。
【0080】
〔キー収容装置1の動作〕
次に、本実施の形態に示すキー収容装置1の動作につき、図1及び図5(a)〜(c)を用いて説明する。図5(a)〜(c)は、本発明の第1の実施の形態に係るキー収容装置の動作を説明するために示す断面図である。図5(a)はラチェットの係止解除開始状態を、図5(b)はラチェットの係止解除継続状態を、また図5(c)はラチェットの係止解除終了状態をそれぞれ示す。
【0081】
本実施の形態に示すキー収容装置の動作は、「アシストキーの引き抜き(貸し出し)」及び「アシストキーの挿入(返却)」の各動作を説明する。
【0082】
なお、グローブボックス500(図2に示す)は、予めそのロック機構(図示せず)が解錠され、蓋体502の回動操作によって開放されているものとする。また、アシストキー202(図2に示す)の貸し出し及び返却は、マスターキー201を所持する自動車300の所有者が行うものとする。
【0083】
「アシストキーの貸し出し」
グローブボックス500の開状態において、自動車300の所有者がキー引き抜き用スイッチ2kを押圧操作する。この場合、キー引き抜き用スイッチ2kが押圧操作されると、マスターキー201と自動車300の照合ECU120との間で既にID照合が成立されているため、カーナビゲーションシステム193のディスプレイ(図示せず)にモード設定画面(図示せず)が表示される。
【0084】
次に、モード設定画面に表示されたモードのうちバレットモードを自動車300の所有者が選択してバレットモード設定用スイッチを押圧操作する。この場合、バレットモード設定用スイッチが押圧操作されると、アシストECU190ではアシストキー202にバレットモードに対応するID登録信号Sskをアシストキー202に送信する。アシストキー202ではID登録信号Sskを受信すると、ID登録が行われ、ID登録後にアシストECU190にID登録完了通知信号Sokを送信する。
【0085】
一方、キー収容装置1においては、アシストキー202からID登録完了通知信号Sokを受信したアシストECU190によってアクチュエータ600が図4(a)に示す非駆動状態から駆動状態に切り換えられる。このため、プランジャ601がラチェット回動規制部材5と共に復帰用スプリング602の弾撥力に抗して図5(a)に矢印aで示す方向に吸引され、ラチェット回動規制部材5によるラチェット4の回動規制状態を解除する吸引終了位置に配置される。
【0086】
これに伴い、ラチェット4が回動終端位置(ラチェット4がアシストキー202を収容空間2aのキー挿入終了位置で係止する位置)から復帰用スプリング407の弾撥力によって図5(b)に矢印bで示す方向に回動復帰して回動始端位置(回動初期位置)と回動終端位置との間で凸片42の外周面をラチェット回動規制部材5における回動復帰力受部5aの先端面に対向させる位置に配置される。また、スライダ3がラチェット4の回動復帰動作に連動して復帰用スプリング406の弾撥力によって図5(b)に矢印aで示す方向に復動してアシストキー202の一部をキー収容装置1外(グローブボックス500内)に露出させる位置に配置される。
【0087】
そして、ラチェット4が復帰用スプリング407の弾撥力によって図5(c)に矢印bで示す方向にさらに回動復帰して凸片42のフック部42aによるアシストキー202におけるキー本体203の係止孔203aの係止状態を解除する位置に配置される。また、スライダ3がラチェット4の回動復帰動作に連動して復帰用スプリング406の弾撥力によって図5(c)に矢印aで示す方向に復動してアシストキー202をキー収容装置1外(グローブボックス500内)にさらに露出させる位置に配置される。
【0088】
この後、ラチェット4が復帰用スプリング407の弾撥力によってさらに回動復帰して回動始端位置に配置される。
【0089】
この状態において、自動車300の所有者がアシストキー202をキー収容装置1の収容空間2a(キー挿抜口2e)から引き抜き操作する。この場合、アシストキー202が引き抜き操作されると、これをキー挿入検出スイッチ404で検出して確認したアシストECU190によってアクチュエータ600が駆動状態から非駆動状態に切り換えられる。このため、プランジャ601が図4(b)に示すように復帰用スプリング602の弾撥力によってラチェット回動復帰部材5と共に復動してラチェット回動規制部材5の回動復帰力受部5aをラチェット4における凸片42の外周面に押圧する位置に配置される。
【0090】
「アシストキーの返却」
グローブボックス500の開状態において、自動車300の所有者がアシストキー202を装置本体2のキー挿抜口2eから収容空間2aに矢印a方向に沿って挿入操作する。この場合、アシストキー202が収容空間2aに挿入操作されると、これをキー挿入検出スイッチ404で検出するため、アシストECU190によってキー照合成立が確認される。このキー照合成立確認は、アシストECU190において駆動信号Skvを発信し、その後アシストキー202からキーID信号Stbを受信することにより行われる。
【0091】
次に、自動車の所有者がアシストキー202を矢印a方向に沿ってさらに挿入操作すると、アシストキー202におけるキー本体203のスライダ押圧部203bが復帰用スプリング406の弾撥力に抗してスライダ3のスライダ本体3aを押圧し、この押圧力がスライダ3におけるホルダ片30のピン30bを介してラチェット4のスライダ連結片41に回動力として伝達される。このため、ラチェット4が図4(b)に示す回動始端位置から回動終端位置に向かって矢印bで示す方向に復帰用スプリング407の弾撥力に抗して回動する。
【0092】
そして、図4(a)に示すように、アシストキー202が挿入操作によって収容空間2aのキー挿入終了位置に配置されると、ラチェット回動規制部材5における回動復帰力受部5aの先端面によるラチェット4における凸片42の外周面に対する押圧状態が解除される。この場合、回動復帰力受部5aの先端面による凸片42の外周面に対する押圧状態が解除されると、ラチェット回動規制部材5がアクチュエータ600における復帰用スプリング602の弾撥力によってプランジャ601と共に復動して回動復帰力受部5aをラチェット4の回動領域に配置し、この回動復帰力受部5aに凸片42の当接部42bを当接させる。このため、ラチェット回動規制部材5がラチェット4から復帰用スプリング407の弾撥力を受け、この状態でラチェット回動規制部材5によってラチェット4の回動復帰方向の回動が規制される。同時に、ラチェット4における凸片42のフック部42aがアシストキー202におけるキー本体203の係止孔203aに挿入し、ラチェット4によってアシストキー202が係止される。
【0093】
また、アシストキー202が挿入操作によって収容空間2aのキー挿入終了位置に配置されると、これをキー挿入終了検出スイッチ405で検出するため、アシストECU190によってキー照合成立が再度確認される。この場合、アシストECU190ではキー照合成立を確認すると、これまで実行状態にあったバレットモードを終了し、アシストキー202のID登録を消去する。
【0094】
[第1の実施の形態の効果]
以上説明した第1の実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
【0095】
(1)自動車300の所有者が自動車用キーとしてのアシストキー202を所持することを不要とし、利便性を高めることができる。
【0096】
(2)アクチュエータ600の非通電状態において、アシストキー202が収容空間2aでラチェット4によって係止されているため、省電力化を図ることができる。
【0097】
(3)アシストキー202の全体がフック部42aによる係止状態において収容空間2aに収容されているため、収容空間2aに対する収容状態におけるアシストキー202の不正な引き抜きを防止することができ、セキュリティ性を高めることができる。
【0098】
(4)スライダ3がアシストキー202の引き抜き方向に常時付勢されているため、ラチェット4の回動復帰動作に連動してスライダ3を復動させ、アシストキー202の一部をキー収容装置1外に露出させる位置に確実に配置することができ、自動車300の所有者がアシストキー202を容易に引き抜くことができる。
【0099】
[第2の実施の形態]
図6(a)及び(b)は、本発明の第2の実施の形態に係るキー収容装置を示す断面図である。図6(a)はアシストキーが挿入された状態を、また図6(b)はアシストキーが引き抜かれた状態をそれぞれ示す。図6(a)及び(b)において、図4(a)及び(b)と同一又は同等の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0100】
第2の実施の形態に示すキー収容装置としてのキー収容装置61は、図6(a)及び(b)に示すように、装置本体2の収容空間2aに対するアシストキー202の挿入によって往動するスライダ62の背面からラチェット63が押圧力を直接受けて回動する構成とした点に特徴がある。
【0101】
このため、スライダ62は、ラチェット押圧部62aを背面側に有し、収容空間2aでスライダガイド2dに沿って摺動可能に配置され、全体が装置本体2の収容空間2aに適合する六面体によって形成されている。そして、スライダ62は、アシストキー202の挿抜によって往復するように構成されている。スライダ62の背面部には、キー挿入方向に開口する凹状のスプリング受部62bが設けられている。
【0102】
ラチェット63は、スライダ62の押圧力をラチェット押圧部62aから受ける押圧力受部630を有し、ラチェット4と同様に装置本体2のラチェット保持部2iにラチェット回動軸40を介して回動可能に保持され、全体が略円板状の部材によって形成されている。
【0103】
装置本体2には、収容空間2aに開口し、かつスライダ62のスプリング受部62bに対応するスプリング受部2lが設けられている。装置本体2のスプリング受部2lとスライダ62のスプリング受部62bとの間には復帰用スプリング406が弾装されている。
【0104】
このように構成されたキー収容装置61の動作は、第1の実施の形態に示すキー収容装置1の動作と略同様に行われるため、その説明を省略する。
【0105】
[第2の実施の形態の効果]
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、次に示す効果が得られる。
【0106】
第1の実施の形態に示すキー収容装置1において必要としたピン30b等が不要になるため、部品点数を削減することができ、コストの低廉化を図ることができる。
【0107】
以上、本発明のキー収容装置を上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば次に示すような変形も可能である。
【0108】
(1)各実施の形態ではキー収容装置1,61がグローブボックス500内に配置されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えばトランクなど自動車内に配置されていればよい。
【0109】
(2)各実施の形態では、ラチェット回動規制部材5の駆動源(アクチュエータ600)としてソレノイドを用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、モータなど他の駆動源を用いてもよい。
【0110】
(3)各実施の形態では自動車に適用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、他の車両にも本実施の形態の場合と同様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の第1実施の形態に係るキー収容装置が適用された電子キーシステムの概略を説明するために示すブロック図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るキー収容装置が適用された車両内部を説明するために示す斜視図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るキー収容装置が適用された電子キーシステムにおけるアシストキーを説明するために示す斜視図。
【図4】(a)及び(b)は、本発明の第1の実施の形態に係るキー収容装置を説明するために示す断面図。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の第1の実施の形態に係るキー収容装置の動作を説明するために示す断面図。
【図6】(a)及び(b)は、本発明の第2の実施の形態に係るキー収容装置を説明するために示す断面図。
【符号の説明】
【0112】
1…キー収容装置、1a…イモビアンテナ、2…装置本体、2a…収容空間、2b…ピン孔、2c…キーガイド、2d…スライダガイド、2e…キー挿抜口、2f…貫通窓、2g…ガイドブロック、2h…スプリング受部、2i…ラチェット保持部、2j…ラチェット回動規制部、2k…キー引き抜き用スイッチ、2l…スプリング受部、3…スライダ、3a…スライダ本体、3b…ホルダ片、30b…ピン、3c…ガイドピン、4…ラチェット、4a…スプリング係止部、40…回動軸、41…スライダ連結片、41a…長孔、41b…押圧力受部、42…凸片、42a…フック部、42b…当接部、5…ラチェット回動規制部材、5a…回動復帰力受部、50…ラチェット回動規制手段、61…キー収容装置、62…スライダ、62a…ラチェット押圧部、62b…スプリング受部、63…ラチェット、630…押圧力受部、100…電子キーシステム、110…キー操作フリーシステム、111…車外LF発信機、112…車内LF発信機、113…RF受信機、120…照合ECU、121…メモリ、130…ドアECU、131…ドアロックモータ、132…カーテシスイッチ、133…トランクスイッチ、134…シートメモリスイッチ、135…ガソリンオープンスイッチ、140…エンジンECU、141…エンジン、150…電源ECU、151…エンジンスイッチ、152…ACCリレー、153…第1IGリレー、154…第2IGリレー、160…イモビライザーシステム、161…イモビアンテナ、170…イモビライザーECU、180…アシストシステム、190…アシストECU、191…CPU、192…メモリ、193…カーナビゲーションシステム、194…警報ブザー195…グローブボックススイッチ、196…グローブボックスロック、197…グローブボックスキャンセルスイッチ、200…携帯機、201…マスターキー、201a…通信制御部、201b…CPU、201c…メモリ、201d…LF受信機、201e…RF発信機、201f…トランスポンダ、202…アシストキー、203…キー本体、203a…係止孔、203b…スライダ押圧部、204…IDタグ、205…ロックスイッチ、206…アンロックスイッチ、300…自動車、404…キー挿入検出スイッチ、405…キー挿入終了検出スイッチ、406,407…復帰用スプリング、408…ピン、500…グローブボックス、501…ダッシュボード、502…蓋体、600…アクチュエータ、601…プランジャ、602…復帰用スプリング、603…ガイド、Srq…リクエスト信号、Sid…ID信号、Skd…駆動電波、Str…イモビ信号、Ssk…ID登録信号、Sok…登録完了通知信号、Skv…駆動信号、Stb…キーID信号、Dkk…アシストキー情報、Dnd…モード終了通知

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内に配置され、携帯機からなる車両用キーとしての補助キーを挿抜可能に収容する収容空間を有する装置本体と、
前記装置本体の前記収容空間に配置され、前記補助キーの挿抜によって往復可能なスライダと、
前記スライダの往復によって回動・回動復帰し、前記収容空間に対する挿入状態の前記補助キーを係止するフック部を有するラチェットと、
前記ラチェットの回動復帰方向の回動を前記補助キーの係止位置で規制するラチェット回動規制手段と
を備えたキー収容装置。
【請求項2】
前記補助キーは、その全体が前記フック部による係止状態において前記収容空間に収容されている請求項1に記載のキー収容装置。
【請求項3】
前記スライダは、前記補助キーの引き抜き方向に常時付勢されている請求項1に記載のキー収容装置。
【請求項4】
前記ラチェットは、前記フック部による前記補助キーの係止状態を解除する方向に常時付勢されている請求項1に記載のキー収容装置。
【請求項5】
前記ラチェット回動規制手段は、アクチュエータの駆動力によって往動して前記ラチェットの回動規制状態を解除し、前記アクチュエータの駆動力解除による復帰用スプリングの弾撥力によって復動して前記ラチェットの回動を規制するラチェット回動規制部材を有する請求項1に記載のキー収容装置。
【請求項6】
前記アクチュエータは、前記ラチェット回動規制部材に連結するプランジャを有するソレノイドからなる請求項5に記載のキー収容装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−120424(P2010−120424A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−293618(P2008−293618)
【出願日】平成20年11月17日(2008.11.17)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】