説明

ギャップ停止部を有した微小電気機械システム(MEMS)およびそのための方法

微小電気機械システム(MEMS)(10)を形成する方法は、キャップ基板(52)を提供するステップと、支持基板(12)を提供するステップと、支持基板上に導電材料(22)を堆積させるステップと、導電材料のパターニングを行ってギャップ停止部(40,44)と接点とを形成するステップとを含む。ギャップ停止部は、開口(36,38)によって接点から分離され、接点上で且つ開口中の結合材料(58)を形成する。ギャップ停止部と接点とは、結合材料を形成するステップによって、結合材料が開口から外側に延びてキャップ基板が支持基板に取り付けられるのを防止する。さらに、その構造が記述される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、微小電気機械システム(MEMS)に関し、特に、キャッピング(capping)・デバイスに近接して接続されるように意図されたMEMSに関する。
【背景技術】
【0002】
MEMSは、加速度計およびジャイロスコープなどの特定の機能を非常に小さな空間に提供する場面において非常に重要となっている。自動車用途には多くのものがあり、これは、エアバッグなどの比較的簡易な用途から非常に精巧なガイダンス・アシスト機能まで、非常に有用である。これらの機能を実施する際には、精度が重要となる場合がある。一般に、MEMSデバイスはそれ自体、運動要素を有しており、この運動は、容量結合を通じて検出される。この容量結合の予測可能性は、実施される機能に精度を与える際に有用である。容量結合は、同一のMEMS層内に存在しないことがあるが、MEMS層の上または下にある場合がある別の層への結合を含み得る。いずれの場合も、別の層は、キャッピング・ウェハに組み込まれることが可能である。MEMSウェハとキャッピング・ウェハとが、全体的な所望の機能を達成する際に協働する。この協働は、接点による電気的接続と容量結合との両方を必要とすることがある。その両方が重要であり、両方は製品の製造において重要であると認識されているすべての特性を有することが望ましい。この特性は、信頼性があり、製造可能であり、低コストで、精度が高いことを含んでいる。
【0003】
従って、MEMSに関して上で提起した問題のいずれも改善する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】実施形態による処理におけるある段階でのMEMSデバイスの一部の断面図。
【図2】処理における後続の段階での図1のMEMSデバイスの一部の断面図。
【図3】処理における後続の段階での図2のMEMSデバイスの一部の断面図。
【図4】処理における後続の段階での図3のMEMSデバイスの一部の断面図。
【図5】処理における後続の段階での図4のMEMSデバイスの一部の断面図。
【図6】処理における後続の段階での図5のMEMSデバイスの一部の断面図。
【図7】処理における後続の段階での図6のMEMSデバイスの一部の断面図。
【図8】処理における後続の段階での図7のMEMSデバイスの一部の断面図。
【図9】処理における後続の段階での図8のMEMSデバイスの一部、および、MEMSデバイスの追加部分の断面図。
【図10】処理における後続の段階での図9のMEMSデバイスの一部、および、MEMSデバイスの追加部分の断面図。
【図11】処理における後続の段階での図10のMEMSデバイスの一部、および、MEMSデバイスの追加部分の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明は、例によって示され、添付図面によって限定されるものではなく、図面では同様の参照符号が同様の要素を参照している。図中の要素は、単純化および明瞭化のために例示され、必ずしも実測であるようには描かれていない。
【0006】
1つの態様では、微小電気機械システム(MEMS)は、キャッピング・デバイスに接触する接点を備えている。その接点は中央部分を有しており、この中央部分は、MEMSデバイスの上面の上方の支持部分と、上面上の結合部分とを含む。支持部分は、さらにMEMSデバイスの上面で、空間停止部に囲まれている。好ましくは、支持部分および空間停止部は、上面から同一の高さにある。1つの代案として、空間停止部は、支持部分よりも高い位置にあり得る。それは、上面からの空間停止部の高さは、エッチングを制御するのがより難しいので、エッチングではなく堆積によって確立されることが有益である。空間停止部は、上面とその後に取り付けられるキャッピング・デバイスとの間の距離を規定する。そのようすることによって規定された距離は、MEMS上のキャパシタ・プレートとキャッピング・デバイス上のキャパシタ・プレートとの間の静電容量を制御するのに有用である。
【0007】
ここで記述される半導体基板は、ガリウム砒素、シリコン・ゲルマニウム、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、多結晶シリコン、単結晶シリコンなど、およびそれらの組合せのような、任意の半導体材料またはそれらの組合せである。
【0008】
図1に示されているのは、基板12と、該基板12上の絶縁層13と、該絶縁層13上の相互接続領域14と、該相互接続領域14上の絶縁層16とを備えるMEMSデバイスの接点領域10である。相互接続領域14の上面は、MEMSデバイスの上面15であると考えることが可能である。絶縁層16は、酸化物からなり、比較的薄く、例えば、100nm(1000オングストローム)である。この例の相互接続領域14では、厚さ約25μmである。絶縁層13は、厚さ約1μmの酸化物であり得る。基板12は、好ましくはシリコンであり、機械的支持を目的として用いられ、ハンドル・ウェハと呼ばれるものか、または、特にハンドル・ウェハからの支持であり得る。
【0009】
図2に示されているのは、絶縁層16が選択的にエッチングされた後にエッチング停止領域18,19,20,21を残した、接点領域10である。エッチング停止領域18および20は、離隔された別個の領域であるように見えるが、1つの連続領域が、エッチング停止領域18と20との間に示されるような領域を包囲している。エッチング領域18と20との外側には、絶縁層16のエッチングから残された追加のエッチング停止領域19と21とがあり、それらは同様にエッチング停止領域18と20とから離隔された、実際には異なる断面の連続層である。
【0010】
図3に示されているのは、相互接続領域14ならびにエッチング停止領域18,19,20,21上に導電層22を堆積させた後の接点領域10であり、それはドープされて導電性となる。多結晶シリコン層22は、厚さ約5μmであり得る。導電層22は、ドープされた多結晶シリコンであり得る。ドーピングは、インシツ(in situ)ドーピングであってもよく、埋め込みによるドーピングであってもよく、その両方によってなされてもよい。
【0011】
図4に示されているのは、多結晶シリコン層22上に多結晶シリコン層24を、多結晶シリコン層24上にシリコン・ゲルマニウム(SiGe)層26を、およびSiGe層26上にゲルマニウム層28を形成した後の、接点領域10である。SiGe層24は、非常に低い濃度のゲルマニウムから著しく高いゲルマニウム濃度(100%も可)で類別することが可能である。ゲルマニウム層28は、1μmの約半分の厚さであり得る。単純化のため、SiGe層は、単に或る濃度のゲルマニウム(例えば、原子量で50%)であり得る。多結晶シリコン層24は、後続の層、つまりSiGe層24の堆積を最適化すべくドープされるのに有用である。SiGe層26とゲルマニウム層28とが、共晶結合による接点を作る際に使用される。ゲルマニウムは、その温度でアルミニウムとの共晶結合を形成するような非常に低い温度を有し、このように接点を形成する目的に対して効果的である。SiGe層26は、多結晶シリコン層22で接触するシリコンから、ゲルマニウム層28でのゲルマニウムへの遷移を提供する。
【0012】
図5に示されているのは、SiGe層26とゲルマニウム層28との一部を除去した後の接点領域10である。残った部分の境界は、エッチング停止領域18と20とに位置合せされる。このエッチングの主目的は、SiGe層26とゲルマニウム層28とがエッチング停止領域18と20との直ぐ外側で、その領域から除去されるということである。
【0013】
図6に示されているのは、フォトレジスト層を形成およびパターニングしてフォトレジスト部分30,32,34を残した後の接点領域10である。図示されるように、開口36は、フォトレジスト部分30と32との間に形成され、開口38は、フォトレジスト部分32と34との間に形成される。断面図では、開口36と38とは、異なる開口であるように見えるが、開口36と38とは、フォトレジスト部分32を囲む1つの連続開口の一部である。フォトレジスト部分32は、エッチング停止領域18と20との内縁に略位置合せされるが、エッチング停止領域18と20とをわずかに超えて延びている。同様に、フォトレジスト部分30と34とは、エッチング停止領域19と21とをそれぞれわずかに超えて延びる外縁を有し、フォトレジスト部分30と34とは、エッチング停止領域18と20とをそれぞれわずかに超えて延びる内縁を有している。
【0014】
図7に示されているのは、開口36と38とを導電領域22に延ばすべくエッチングして導電部分40,42,44を残した後の接点領域10である。エッチング停止領域18,19,20,21は、エッチングが相互接続領域14に拡大するのを防止する。エッチング組成物は、ゲルマニウムとSiGeとをエッチングして、フォトレジスト部分32の外側に露出したSiGeとゲルマニウムとの一部分をエッチングする。導電部分40と42とは、断面では異なる領域であるように見えるが、実際には導電部分42の周囲に延びている。従って、多結晶シリコンであり得る連続的な輪が、導電部分42の周囲に存在する。導電部分40と42とは、上面15から同一の高さである。この平面15よりも上の高さは、層22の堆積によって規定される。この高さは、後続のエッチングによっては、有意な方法で後に達成されない。SiGe層26とゲルマニウム層28とを除去するエッチングは、多結晶シリコンに選択的である。オーバーエッチングでは、10nm(100オングストローム)の層24を除去するのに十分であると思われる、いくつかの最小限のエッチングがあるが、厚さ5μmのうちの10nm(100オングストローム)は、わずか約0.2%である。
【0015】
図8に示されているのは、エッチング停止領域18,19,20,21をエッチング除去した後の接点領域10である。このエッチングは、ウェット・エッチングまたは気相エッチングとし得る。MEMSの接点領域10を処理する間の他の酸化エッチングが存在することが考えられ、それは、存在する導電部分40,42,44に適用されることが可能であり、その結果、エッチング停止領域18,19,20,21の除去は、他の目的を達成するのに付随して除去されることがある。
【0016】
図9に示されているのは、相互接続領域14に隣接してキャパシタ領域46を追加した接点領域10である。キャパシタ領域76は、基板12上の空洞48と可動部材50とを備え、該可動部材50は、相互接続領域14に接続された多結晶シリコンであり得る。この例では、可動部材50は、相互接続領域14によって所定位置に保持され、図9で見られるような垂直方向に上下移動可能である。接点領域10とキャパシタ領域46とは共に、MEMS49であると考えることが可能である。典型的なMEMSデバイスでは、さらに多くの接点領域およびキャパシタ領域が存在する。また、接点領域および相互接続領域の近接は、図9によって示唆される程度には接近していないと考えられる。可動部材が他のフィーチャに関して配置される特定の方法は、幅広く変更されるが、可動部材は、典型的には空洞内にあり、その結果、移動可能であるが、いくつかの形態ではさらに支持される。
【0017】
図10に示されているのは、互いに取り付けられる直前のMEMS49とキャッピング・ウェハ51とである。キャッピング・ウェハ51は、底面53を有した機能領域52と、底面53上の接点領域54と、底面53上のキャパシタ・プレート56とを備えている。接点領域54とキャパシタ・プレート56とは、好ましくは厚さ約2μmのアルミニウムである。接点領域54は、導電部分42の周辺にその中心を配置されるように位置合せされ、導電部分40と44とを超えて延びており、キャパシタ・プレート56は、可動部材50に位置合せされる。
【0018】
図11に示されているのは、熱および圧力を使用してMEMS49をキャッピング・ウェハ51に接続することによって形成されたデバイス57であって、SiGe層26と、ゲルマニウム層28と、接点領域54の一部とから生じる、結合材料58を使用して、接点領域54と導電部分42との間に共晶結合60を形成する。共晶結合処理は、結合材料58を開口36と38とに部分的に充填させる。本処理は、接点領域54を歪曲させる。本処理は、多結晶シリコンの導電部分40と44との上に押し下げる接点領域54の外側部分に対して影響が最小である。導電部分40および44と接点領域54との間の接点の最小の影響により、上面15と底面53との間の予測可能な距離は、導電部分40と44との高さに基づいて規定され、それは同様に層22の堆積高さに基づく。さらに、本処理は、導電部分42に対して最小の影響を有し、これも多結晶シリコンであるが、共晶結合処理は接点領域54を歪曲させる。この歪みを正確に予測するのは難しく、この歪みは、導電部分40と44とがない状態で底面53と上面15との間の距離に影響する。この、同一の厚さを有し、可動部材の上面が上面15に位置合せされる、接点領域54とキャパシタ・プレート56との場合、導電部分44の高さ62は、可動部材50とキャパシタ・プレート56との間の距離64と同一である。これは、キャパシタ・プレート56と可動部材50との間に変化のない静電容量が得られる。可動部材50は、移動するときに、キャパシタ・プレート56からの、その距離、従って静電容量を変化させ、そのような変化は、距離64によるものであり、それは多結晶シリコンの堆積によって設定されるなど、高度に制御可能である。この例では、変化のない距離、つまり距離64は、高さ64と同一であるが、それらは異なることもでき、その場合にも利点は同じままである。例えば、可動部材の上面は、上面15からの既知の変化とし得る。同様に、キャパシタ・プレート56の厚さは、接点領域54の厚さから、距離64の同一の予測可能性を有する結果を持つ既知の量だけ変動することができる。
【0019】
別の利点は、導電部分40と44とが共晶結合60の周囲にシールを提供することである。結合材料58は、接点領域60、導電部分40,42,44、および相互接続領域14の上面の歪みの範囲内に含まれる。
【0020】
ここまでの説明で、微小電気機械システム(MEMS)を形成する方法が提供されたことは評価されるべきである。本方法は、キャップ基板を提供するステップを含んでいる。本方法は、支持基板を提供するステップをさらに含んでいる。本方法は、支持基板上に導電材料を堆積するステップをさらに含んでいる。本方法は、導電材料のパターニングを行って、ギャップ停止部と接点とを形成する導電部分を残すステップをさらに含み、ギャップ停止部は、開口によって接点から分離される。本方法は、接点上と開口中に結合材料を形成するステップをさらに含み、ギャップ停止部と接点とは、結合材料が開口から外方に延びるのを防止する。本方法は、結合材料を形成するステップによって、キャップ基板を支持基板に取り付けるステップをさらに含んでいる。本方法は、結合材料を形成するステップが、導電材料上に半導体層を形成し、キャップ基板と半導体層とを加熱して、結合材料を形成し、キャップ基板を支持基板に結合するステップを含むことによる、さらなる特徴づけが可能である。本方法は、導電部分上にスタックを形成することが可能であり、半導体層を形成するステップは、スタックを形成するステップの一部を構成する。本方法は、導電部分上にスタックを形成するステップが、導電部分上にシリコンからなるシード層を形成するステップと、および、シード層上にシリコンとゲルマニウムからなる第1層を形成するステップとさらに含み、半導体層を形成するステップが、第1層上にゲルマニウムからなる第2層を形成するステップをさらに含むことによる、さらなる特徴づけが可能である。本方法は、導電材料のパターニングを行うステップの前に、スタックのパターニングを行うステップをさらに含むことが可能である。本方法は、導電材料上に酸化物を形成するステップと、導電材料上にスタックを形成するステップの前に、酸化物のパターニングを行うステップと、および、導電材料のパターニングを行うステップの後に、酸化物を除去するステップとをさらに含むことが可能である。本方法は、キャップ基板を提供するステップが、キャップ基板の1つの面に接触して形成されたアルミニウム層を有するキャップ基板を提供するステップをさらに含み、結合材料を形成するステップの後に、アルミニウム層が結合材料に接触することによる、さらなる特徴づけが可能である。本方法は、結合材料が、アルミニウムとゲルマニウムとからなる共晶材料を含むことによる、さらなる特徴づけが可能である。本方法は、導電材料を堆積するステップが、ドープした多結晶シリコンを堆積するステップをさらに含むことによる、さらなる特徴づけが可能である。本方法は、キャップ基板を支持基板に取り付けるステップが、キャップ基板と支持基板との領域にキャパシタを形成するステップをさらに含むことによる、さらなる特徴づけが可能である。
【0021】
さらに、微小電気機械システム(MEMS)を形成する方法が記述される。本方法は、第1構造を提供するステップを含み、この第1構造は、キャップ・ウェハと、該キャップ・ウェハの縁部に形成された第1導電材料とを備える。本方法は、第2構造を提供するステップをさらに含み、この第2構造を提供するステップは、支持ウェハを提供するステップと、支持ウェハ上に第2導電材料を堆積するステップと、第2導電材料のパターニングを行って第2導電材料に開口、ギャップ停止部、および接点を形成するステップとを含み、開口は、ギャップ停止部と接点との間にあり、本方法は、接点上に半導体スタックを形成するステップをさらに含む。本方法は、半導体層を加熱することによって第1構造を第2構造に結合し、それによって半導体層が、開口に流れ込み、ギャップ停止部および接点が、半導体層が開口から流出するのを妨げるステップをさらに含む。本方法は、半導体層を加熱するステップが、半導体スタックを加熱して共晶結合材料を形成するステップを含むことによる、さらなる特徴づけが可能である。本方法は、半導体スタックを形成するステップが、第2導電材料上にシリコンからなるシード層を形成するステップと、シード層上にシリコンとゲルマニウムとからなる第1半導体層を形成するステップと、第1半導体層上にゲルマニウムからなる第2半導体層を形成するステップとを含み、共晶結合材料を形成すべく半導体スタックを加熱するステップが、アルミニウムとゲルマニウムとからなる共晶結合材料を形成するステップを含むことによる、さらなる特徴づけが可能である。本方法は、第2導電材料のパターニングを行うステップの前に、スタックのパターニングを行うステップをさらに含むことが可能である。本方法は、第2導電材料上に酸化物を形成するステップと、半導体スタックを形成するステップの前に、酸化物のパターニングを行うステップと、および、第2導電材料のパターニングを行うステップの後に、酸化物を除去するステップとをさらに含むことが可能である。本方法は、第2導電材料を堆積するステップが、ドープした多結晶シリコンを堆積するステップをさらに含むことによる、さらなる特徴づけが可能である。本方法は、第1構造を第2構造に結合するステップの後に、第1構造と第2導電材料とが、ギャップ停止部の高さと略等しい寸法で、互いに分離されることによる、さらなる特徴づけが可能である。
【0022】
微小電気機械システム(MEMS)がさらに記述される。MEMSは、支持基板を備えている。MEMSは、所定の高さで支持基板上に形成された接点をさらに備える。MEMSは、所定の高さにおよび該高さに隣接して形成されたギャップ停止部をさらに備える。MEMSは、接点上で且つ接点とギャップ停止部との間に形成された結合材料をさらに備え、接点とギャップ停止部とは、所定の高さでギャップ停止部と接点とを超えて結合材料が延びるのを防止する。MEMSは、結合材料に接触する金属層をさらに備える。MEMSは、金属層上のキャップ基板をさらに備える。MEMSは、結合材料がアルミニウムとゲルマニウムとからなる共晶材料を含むことによる、さらなる特徴づけが可能である。MEMSは、接点とギャップ停止部とが多結晶シリコンからなることによる、さらなる特徴づけが可能である。
【0023】
さらに、詳細な記述および特許請求の範囲における用語「前」、「後」、「上」「底(下)」、「の上に」「の下に」など(もしあれば)は、記述の目的で使用され、必ずしも恒久的な相対位置について記述する目的で使用されるものではない。従って、使用される用語が適切な状況下では置換可能であり、その結果、ここで記述される本発明の実施形態が、例えば、ここで図示または記述される以外の配向での動作が可能であることは理解される。
【0024】
さらに、ここで使用される用語「1つの(a)」または「1つの(an)」は、1つではなく一又は複数であるものとして定義される。また、特許請求の範囲における「少なくとも1つ」および「一又は複数」などの導入句の使用は、同一の請求項が導入句「一又は複数」または「少なくとも1つ」と「1つの(a)」または「1つの(an)」などの不定冠詞とを含んでいる場合であっても、不定冠詞「1つの(a)」または「1つの(an)」による別の請求項要素の導入が、そのような要素を1つだけ含んだ発明に対してそのように導入された任意の特定の請求項に限定されることを意味するようには解釈されるべきでない。同じことが定冠詞の使用にも該当する。
【0025】
特に述べない限り、「第1」および「第2」などの用語は、そのような用語が記述する要素間の任意の識別に対して使用される。このように、これらの用語は、そのような要素の一時的または他の優先順位を示すようには必ずしも意図されていない。
【0026】
本発明は特定の実施形態を参照してここでは記述されているが、様々な修正および変更が、下の特許請求の範囲に記述されるような本発明の範囲から逸脱することなくなされることができる。例えば、他の結合材料を使用してもよく、また、他の寸法を使用してもよい。また、共晶結合には特定の利益があり、共晶結合以外の状況で、記述された手法を使用する際にも利益がある場合がある。従って、明細書および図は、限定的な意味ではなく例示の意味とみなされるべきであり、そのような修正はすべて、本発明の範囲内に含まれるように意図されている。特定の実施形態に関してここで記述される任意の利点、長所、または問題の解決策は、請求項のいずれかもしくはすべての重大な、必要な、または本質的な特徴もしくは要素として解釈されるようには意図されていない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微小電気機械システム(MEMS)を形成する方法において、
キャップ基板を提供するステップと、
支持基板を提供するステップと、
該支持基板上に導電材料を堆積するステップと、
該導電材料のパターニングを行って、ギャップ停止部と接点とを形成する導電部分を残すステップであって、前記ギャップ停止部が、開口によって前記接点から分離される、前記ステップと、
前記接点上および前記開口中に結合材料を形成するステップであって、前記ギャップ停止部と接点とが、前記結合材料が前記開口から外側に延びるのを防止する、前記ステップと、
前記結合材料を形成するステップによって、前記キャップ基板を前記支持基板に取り付けるステップとを含む方法。
【請求項2】
前記結合材料を形成するステップは、
前記導電材料上に半導体層を形成するステップと、
前記キャップ基板と半導体層とを加熱して前記結合材料を形成し、前記キャップ基板を前記支持基板に結合させるステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記導電部分上にスタックを形成するステップをさらに含み、前記半導体層を形成するステップは、前記スタックを形成するステップの一部を構成する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記導電部分上に前記スタックを形成するステップは、
前記導電部分上にシリコンからなるシード層を形成するステップと、
前記シード層上にシリコンとゲルマニウムとからなる第1層を形成するステップとをさらに含み、
前記半導体層を形成するステップは、第1層上にゲルマニウムからなる第2層を形成するステップとをさらに含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記導電材料のパターニングを行うステップの前に、前記スタックのパターニングを行うステップをさらに含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記導電材料上に酸化物を形成するステップと、
前記導電材料上に前記スタックを形成するステップの前に、前記酸化物のパターニングを行うステップと、
前記導電材料のパターニングを行うステップの後に、前記酸化物を除去するステップとをさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記キャップ基板を提供するステップは、前記キャップ基板の1つの面に接触して形成されたアルミニウム層を有するキャップ基板を提供するステップをさらに含み、前記結合材料を形成するステップの後に、前記アルミニウム層が前記結合材料に接触する請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記結合材料は、アルミニウムとゲルマニウムとからなる共晶材料を含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記導電材料を堆積するステップは、ドープした多結晶シリコンを堆積するステップをさらに含む請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記キャップ基板を前記支持基板に取り付けるステップは、前記キャップ基板と前記支持基板との1つの領域にキャパシタを形成するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
微小電気機械システム(MEMS)を形成する方法において、
第1構造を提供するステップであって、該第1構造は、キャップ・ウェハと、該キャップ・ウェハの縁部に形成された第1導電材料とを含む、前記ステップと、
第2構造を提供するステップとを含み、該第2構造を提供するステップは、
支持ウェハを提供するステップと、
該支持ウェハ上に第2導電材料を堆積するステップと、
該第2導電材料における開口と、ギャップ停止部と、接点とを形成すべく、前記第2導電材料のパターニングを行うステップであって、前記開口は、前記ギャップ停止部と前記接点との間にある、前記ステップと、
前記接点上に半導体スタックを形成するステップとを含み、
前記方法は、半導体層を加熱することによって、前記第1構造を前記第2構造に結合するステップをさらに含み、それによって、前記半導体層は前記開口に流れ込み、前記ギャップ停止部および前記接点は前記半導体層が前記開口から流出するのを妨げる方法。
【請求項12】
前記半導体層を加熱するステップは、共晶結合材料を形成すべく前記半導体スタックを加熱するステップ含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記半導体スタックを形成するステップは、
前記第2導電材料上にシリコンからなるシード層を形成するステップと、
該シード層上に第1半導体層を形成するステップであって、該第1半導体層は、シリコンとゲルマニウムとからなる、前記ステップと、
前記第1半導体層上に第2半導体層を形成するステップであって、該第2半導体層は、ゲルマニウムからなる、前記ステップとを含み、
前記共晶結合材料を形成すべく前記半導体スタックを加熱するステップは、
共晶結合材料からなるアルミニウムとゲルマニウムとを形成するステップとを含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2導電材料のパターニングを行うステップの前に、前記スタックのパターニングを行うステップをさらに含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2導電材料上に酸化物を形成するステップと、
前記半導体スタックを形成するステップの前に、前記酸化物のパターニングを行うステップと、
前記第2導電材料のパターニングを行うステップの後に、前記酸化物を除去するステップとをさらに含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第2導電材料を堆積するステップは、ドープした多結晶シリコンを堆積するステップをさらに含む請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記第1構造を前記第2構造に結合するステップの後に、前記第1構造と前記第2導電材料とは、前記ギャップ停止部の高さと略等しい寸法だけ互いから分離される請求項11に記載の方法。
【請求項18】
支持基板と、
所定の高さで前記支持基板上に形成された接点と、
所定の高さまで隣接して形成されたギャップ停止部と、
前記接点上で且つ前記接点と前記ギャップ停止部との間に形成された結合材料であって、前記接点と前記ギャップ停止部とは、前記結合材料が前記所定の高さにおいて前記ギャップ停止部と前記接点とを超えて延びるのを防止する、前記結合材料と、
前記結合材料に接触する金属層と、
該金属層上のキャップ基板とを備える微小電気機械システム(MEMS)。
【請求項19】
前記結合材料は、アルミニウムとゲルマニウムとからなる共晶材料を含む請求項18に記載のMEMS。
【請求項20】
前記接点と前記ギャップ停止部とは、多結晶シリコンからなる請求項18に記載のMEMS。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−512792(P2013−512792A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543137(P2012−543137)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/057618
【国際公開番号】WO2011/071685
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(504199127)フリースケール セミコンダクター インコーポレイテッド (806)
【Fターム(参考)】