説明

ギ酸メチル系発泡剤を用いて得られた、生分解性および低排出性の膨張および押出発泡体

生分解性ポリマーおよび環境適合性の非VOCであるギ酸メチルを発泡剤として用い、膨張および押出生分解性ポリマー発泡体を得る。発泡剤は、少なくとも1つの共発泡剤、好ましくは環境に適合する種(例えば非SOC)をさらに含む発泡剤ブレンドであってよく、ここで共発泡剤は物理共発泡剤(例えば、無機薬剤、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、極性の官能基を有する炭化水素、水、またはこれらの任意の組み合わせ)または化学共発泡剤のいずれか、あるいはこれらの組み合わせである。発泡剤ブレンドは、ギ酸メチルと一以上の共発泡剤との任意の組み合わせであってよい。ポリマー発泡体は、生分解性ポリマー、またはそれと他の生分解性ポリマーもしくは従来型ポリマー(非生分解性ポリマー)とのブレンドを含んでいてよい。ギ酸メチル系発泡剤ブレンドにより、断熱材、保護用緩衝材と同様、容器、包装システムを含む種々の用途向けの安定な発泡体が得られる。このような発泡体の製造方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、35 U.S.C. §119(e)に基づいて、2006年12月14日出願の米国仮特許出願60/869,932の優先権を主張する。その内容の総ては、参照として本明細書中に明確に包含される。
【0002】
本発明は、概して、生分解性ポリマーおよび環境適合性の発泡剤から得られる発泡体、ならびにその製造方法に関する。よし詳しくは、本発明は、加水分解性または生分解性の生分解性ポリマーとギ酸メチル系の発泡剤を用いて得られる、生分解性であってかつ低排出性の安定な発泡体、およびその製造方法に関する。生分解性ポリマー発泡体は、石油化学品由来のポリマーから製造された発泡体が伝統的に使用される用途において、環境に適合した代替品となる。
【背景技術】
【0003】
現在、包装材、保護材および断熱材として用いられている発泡体は、アルケニル芳香族ポリマー(例えばポリスチレン)またはポリオレフィン(例えばポリエチレンやポリプロピレン)等の石油および天然ガス由来の熱可塑性ポリマーから製造される。これらのポリマー(以下「従来型ポリマー」または「従来型プラスチック」という)は、生分解を受けず、埋め立て材やごみとなる。一方、生分解性ポリマーは、従来型プラスチックと同様に容易に溶融加工が可能な熱可塑性ポリマーであるが、好気性の環境(堆肥等)および嫌気性の環境(埋め立て地等)であって微生物が主としてメタン、二酸化炭素、いわゆる腐植土と称される有機物残渣にポリマーを分解する環境において加水分解や生分解されるという特性を有する。生分解性ポリマーは石油化学原料、あるいはとうもろこし、さとうきび、木、スイッチグラスまたは大豆などの再生可能なバイオマスからも製造できる。石油化学由来の生分解性ポリマーとしては、例えばバイオマックス(Biomax)、エコフレックス(Ecoflex)等の種々のポリエステルが挙げられる。バイオポリマーとしても知られるバイオマス由来の生分解性ポリマーとしては、例えばポリラクチド等のヒドロキシ酸含有ポリマーや、ポリヒドロキシアルカノエート等のヒドロキシ酸エステル含有ポリマーが挙げられる。注意すべきことに、総てのバイオポリマーが生分解性ではなく、また総ての石油由来のポリマーが非生分解性ではない。
【0004】
最近、バイオマス由来のポリマーの登場により、従来型プラスチックと同等の特性を有し、かつ生分解性である熱可塑性ポリマーが商業的規模で生産されるようになった。もし、生分解性ポリマーの特性(例えば、機械的強度、伸張粘度、広い温度範囲における安定性、従来型ポリマーまたは生分解性ポリマーとの相溶性等)を更に改善する手段が見いだされれば、生分解性ポリマーが従来型ポリマーに置き換わることとなり、これによって固体プラスチックゴミに関する環境問題は大幅に軽減され、ある用途においては、この環境問題は完全に消滅する可能性もある。生分解性発泡体は、従来型ポリマーから得られた発泡体が使用されている種々の包装材料の分野に使用可能である。
【0005】
発泡体は、通常、膨張ビーズ(expanded beads)、押出シート(extruded sheet)、または押出板(extruded board)として製造される。膨張発泡体と押出発泡体の違いは、押出発泡体は、一段階の工程で連続したシートまたは板の状態に形成されるが、膨張発泡体は複数の工程により個々の小片に形成される点である。よって、膨張発泡体の寸法は押出発泡体の寸法に比べてはるかに小さい。さらに膨張発泡体はビーズ状や小片状である必要はなく、膨張発泡体はペレット、棒、プレートレット(小板、platelet)、薄膜シート、またはフィルムから形成されてもよい。本発明において便宜上、「ビーズ」と「ペレット」という用語は、ビーズおよびペレットとは異なる形状であるが、膨張発泡体を形成するのに用いることができるポリマー樹脂の小さな個々の粒子状の形状を含む。
【0006】
一般に、ビーズ状の発泡体または約0.5インチ(1.27cm)未満の厚みのシート状発泡体は、熱いまたは冷たい飲み物や食べ物の容器(例えば、カップ、ボウル、クラムシェル、ピクニック用収納箱)のような包装材を製造するのに用いられる。この際、ビーズは融合されて、またシートは金型内で加熱成形されて所望の形状の包装材料とされる。このような発泡体は、輸送において繊細な、または衝撃に敏感な部材を保護するための材料あるいは緩衝材料としても用いられる。この際、ビーズは荷物のバラ詰材料として、薄膜シートは保護包装材料として用いることができる。
【0007】
約0.5インチ(1.27cm)より厚い包装用発泡体製品および断熱用発泡体製品は、厚板(planks)または板(board)と呼ばれる。このような発泡板は、直接押出成形と必要に応じた裁断により、あるいは膨張発泡ビーズを融合させることにより、所望の形状および寸法に成形される。発泡板は、板をダイカットして種々の形状とすることにより保護包装材に用いることができ、あるいは、断熱材として、自動車部品における機械エネルギーを散逸させる材料として、または緩衝フロートとして用いることができる。このような種々の用途に用いられる発泡体は寸法が安定していることが望ましい。この特性は、厚板または板に対してより強く求められる。
【0008】
ポリマー発泡体は通常、発泡剤を含んだ溶融樹脂を適当なダイの中で、圧力のかかった状態から圧力の低い雰囲気へ押出す連続工程により形成される。あるいは、小さなポリマービーズ(粒子またはペレットとも呼ばれる)に発泡剤を含浸させ、このポリマー−発泡体系のガラス転移温度もしくは結晶融解温度付近かより高い温度まで急加熱するか、またはこのポリマー−発泡体系のガラス転移温度もしくは結晶融解温度以下の温度にて外部圧縮応力を受ける状態にするバッチ方法または段階化方法を用いることもできる。現在、熱可塑性ポリマー発泡体を製造するのにより一般的に用いられる物理発泡剤としては、炭化水素、塩素化炭化水素、ヒドロクロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、またはこれらの混合物が挙げられる。3つ以上の炭素を有する炭化水素は、スモッグを形成しうる揮発性有機化合物(VOCs)と考えられている。さらに、いくつかのハロゲン化炭化水素は、VOCsであるか、または高いオゾン層破壊係数(ODP)もしくは地球温暖化係数(GWP)を有しうるかのいずれであるか、あるいは有害大気汚染物質(HAPs)であり、かつ時にはさらにこれらの一以上のカテゴリーに分類されることがある。従って、ポリマー発泡体の調製に炭化水素発泡剤およびハロゲン化炭化水素発泡剤を用いることは環境の点からは好ましくなく、かつ製造工程に多くの制限を強いることとなり、製造を複雑にし、製造コストを大幅に増大させることとなる。生分解性ポリマー発泡体(ビーズまたはシート)の製造においては、上述のような環境的な問題はあるものの、VOCsのような従来の発泡剤が当然に選択されてきた。従って、生分解性ポリマー発泡体を得る場合に発泡剤として用いられる化合物は、最少量であるかまたは使用されないことが望ましい。
【0009】
ギ酸メチルは非VOCsに分類され(官報、69巻、228号、2004年11月29日:Federal Register, volume 69, Number 228, November 29, 2004)、非HAPであり、かつゼロのODPおよび無視できるGWPを有する。Kalinowskiらの米国特許6,753,357には、安定で硬質なイソシアネート/ポリオール系ポリウレタン発泡体を与えるギ酸メチルの使用が記載されている。しかしながら、このポリウレタン発泡体は架橋工程および硬化工程を経て得られる熱硬化性樹脂である。このため、発泡剤の作用によって得られる最終的なポリウレタン発泡体の寸法の安定性または非安定性は、熱可塑性ポリマー発泡体の場合と大きく異なる。
【0010】
Ohsolの米国特許3,358,060は、参照としてその全体が本願に包含されるが、この特許は、ポリマーペレットと、所望の量の発泡剤を吸着させておいた少量の吸着剤を予め混合しておき、その混合物を従来の方法で溶融押出して4インチ(10.16cm)以下の厚みの発泡体を得る方法に関する。Ohsolは、揮発性液体(すなわち発泡剤)を取り込むまたは保持するために従来の任意の吸着剤を用いることができることを開示している。また、Ohsolは、吸着剤を使用せずに揮発性液体を含浸させたポリマービーズを押出機に供給して肉厚の発泡体を得る方法を開示している。ギ酸メチルをはじめとして、多くの揮発性液体が発泡剤として提案されている。Ohsolは、適した熱可塑性樹脂として、例えばエチルセルロースや酢酸セルロース等のセルロースのエーテルやエステルが挙げられることを開示している。Ohsolの方法により得られる押出発泡体は、表面の不規則性や波形の表面を呈する傾向があり、さらなる加工が必要とされる。そのため、Ohsolは押出板表面の不規則な表面や波型の表面を有する一部分を切断器具により取り除くことを開示している。板の表面を切断することは表面の不規則性を除去する一方で、板表面に非常に多くの開放気泡を形成するという欠点も有する。
【0011】
Lintnerらの米国特許3,085,073は、参照としてその全体が本願に包含されるが、この特許は、発泡剤混合物を用いた拡散/溶媒洗浄技術を介する顆粒状の熱膨張性熱可塑性ポリマーの製造方法を開示する。この発泡剤混合物はギ酸メチル等の溶媒発泡剤とペンタン等の非溶媒発泡剤を含有する。ただし溶媒成分と非溶媒成分は相溶することが求められる。この方法は、粒状物中の非溶媒発泡剤の含有量には影響を与えることなく溶媒発泡剤の含有量を2wt%未満にするように、溶媒発泡剤を好適な液体溶媒で抽出する工程を必要とする。発泡剤を含浸させる工程および抽出する工程は、室温またはポリマーのガラス転移温度未満の温度で行われる。
【0012】
Sterzelらの米国特許5,422,053は、参照としてその全体が本願に包含されるが、この特許は、ポリラクチドを含む射出成形発泡体部材の製造方法に関する。この方法は、ポリラクチドと、ギ酸メチル等の溶媒10〜30wt%の混合物を溶融押出した後、ペレット化する工程を含む。ペレットをその後室温で乾燥し、ポリラクチドを結晶化させる。あるいは、室温でペレットと溶媒を混合し、溶媒をペレット中に拡散するのに十分な時間を与えることによっても、結晶性ポリラクチドペレットは得られる。溶媒を含んだポリラクチドペレットは、射出成形機に供給され、発泡部材が成形される。
【0013】
Sterzelらの米国特許5,348,983は、参照としてその全体が本願に包含されるが、この特許は、発泡した非晶性ポリラクチド顆粒と、細かく粉砕された非発泡の半結晶性ポリラクチド粒子を融合して得られる硬質ポリラクチド成形品に関する。非発泡のポリラクチド粒子は発泡剤を含んでいない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第6,753,357号明細書
【特許文献2】米国特許第3,358,060号明細書
【特許文献3】米国特許第3,085,073号明細書
【特許文献4】米国特許第5,422,053号明細書
【特許文献5】米国特許第5,348,983号明細書
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】米国官報、69巻、228号、2004年11月29日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
大気への影響を最小限または皆無にし、かつ地球への固形廃棄物の蓄積を最小限にとどめながら熱可塑性発泡体を製造するという要求以外に、これらの熱可塑性発泡体を効率的に得ようとする要求が存在する。以上から、生分解性であって固体廃棄物の原因とならない環境適合性のポリマー、およびギ酸メチルと環境適合性の共発泡剤(好ましくは非VOCの共発泡剤)を発泡剤ブレンドの成分として用いる発泡剤は、安定、生分解性、かつ低排出性のポリマー発泡体の必須成分となる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、ギ酸メチル系発泡剤を使用し加水分解または生分解可能なポリマーから製造される、生分解性かつ低排出性であって安定な発泡体、およびその製造方法に関する。発泡体の製造方法および発泡体製品が環境に与える二つの影響は、大気放出物と固体廃棄物である。好気性状態および/または嫌気性状態で速やかに生分解されるポリマーで従来型ポリマー(例えば非生分解性ポリマー)を部分的または完全に置き換え、かつ環境適合性の非VOCかつ非HAP種を含有する発泡剤を採用することは、大気放出および固体廃棄の環境的な問題を大幅に軽減でき、ある用途においては完全に消失しうる。すなわち、本発明のポリマーおよび発泡剤ならびにこれらから得られる発泡体は、現存の技術に比べて非常に多くの長所を有する。
【0018】
本発明によれば、生分解性ポリマー発泡体の製造において好ましい発泡剤はギ酸メチルである。発泡剤はさらに少なくとも一つの共発泡剤を含有するブレンドであってもよい。共発泡剤は、物理共発泡剤(例えば無機薬剤、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、エステル、アセタール、アルカノール、カーボネート、アミン、ケトン、またはこれらの任意の組み合わせ)、化学共発泡剤、あるいはこれらの任意の組み合わせのいずれかである。生分解性発泡体は、膨張発泡構造体または押出発泡構造体であり、これらのいずれもが、包装用、保護用、または断熱用発泡体として用いられる。発泡剤は100%のギ酸メチル、またはギ酸メチルと一以上の共発泡剤との任意の組み合わせを含有するブレンドであってもよい。好ましい共発泡剤としては、二酸化炭素、水、窒素、アルゴン等の無機薬剤;炭化水素(より好ましくは、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン、イソペンタン等の2〜5の炭素原子を有する炭化水素);1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、トランス−1,2−ジクロロエチレン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−254fa)等のハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル等のエーテル;あるいはこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0019】
一態様によれば、膨張性であって生分解可能な配合物が生分解性ポリマー発泡構造体の調製に用いられる。この生分解性ポリマー発泡構造体は、膨張または押出の何れかの発泡構造体である。この配合物は生分解性ポリマー、およびギ酸メチルを含有する発泡剤を有する。生分解性ポリマーは、ポリラクチド(PLA)とも称されるポリ乳酸;ポリ(グリコール酸)(PGA);ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA);ポリ(カプロラクトン)(PCL);ポリ(エチレングリコール)(PEG);ポリ(ヒドロキシブチレート)(PHB)、ポリ(ヒドロキシブチレート−コ−ヒドロキシバレレート)(PHBV)、ポリ(ブチレンスクシネート)(PBS)、ポリ(ブチレンスクシネート−アジペート)(PBSUA)、ポリ(ブチレンフマレート)(PPF)等のポリ(ヒドロキシアルカノエート)(PHA);ハイブラン(Hybrane);バイオマックス(Biomax);エコフレックス(Ecoflex);酢酸セルロースまたは三酢酸セルロース等の種々の程度にアセチル化されたセルロース;スターチ(例えば、とうもろこし、小麦、米、ジャガイモ、タピオカ、または他の再生可能物質由来)およびアミロースやアミロペクチンもしくはこれらの誘導体を種々の比率で含有するスターチ(アセチル化スターチ等);PLAとエコフレックスのコポリマー(エコバイオ(Ecovio)とも称される)のようなPLAと他の生分解性ポリマーとのコポリマー;あるいはこれらの組み合わせが挙げられる。生分解性ポリマーまたはそのブレンドは、アルケニル芳香族ポリマー(例えばポリスチレン)、アクリルポリマー(例えばポリメタクリル酸メチル)、ポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリプロピレン)のような従来型(非生分解性)熱可塑性ポリマーとさらに混合されてもよい。ブレンドを均一にし、かつブレンドの溶融強度を高めるために、ポリ酢酸ビニル、従来型熱可塑性ポリマーの無水マレイン酸グラフト物、アクリレートまたはイソシアネート部位を有する分子または高分子のような好適な相溶化剤を用いることができる。一般に相溶化剤は少なくとも二つの部位を有するべきであり、均一で相溶したブレンドを得るために、一つの部位は生分解性ポリマーに相溶し、もう一つの部位は従来型ポリマーに相溶する。ブレンドの溶融強度は、ポリ(スルホニルアジド)、有機過酸化物、放射、および他の公知の架橋剤を使用した光架橋によっても向上できる。溶融強度を向上させるためにイソソルバイド(Isosorbide)等の生分解性添加剤を添加することもできる。本発明の一態様によれば、生分解性ポリマーとしては、半結晶性または非晶性のPLAまたはPHA、およびこれらと他の生分解性ポリマーもしくは従来型ポリマーとのブレンドが挙げられる。好ましい態様においては、生分解性ポリマーとしては、PLAまたはPHA、およびこれらと他の生分解性ポリマーとのブレンドが挙げられる。
【0020】
他の態様によれば、生分解性ポリマーの発泡構造体は、生分解性ポリマー、およびギ酸メチルを含有する発泡剤とを含む膨張性かつ生分解性の配合物から調製される。この態様の一側面においては、生分解性ポリマーを溶融し、有効量の発泡剤と混合し(例えば、溶解、含浸、または内包させ)、適当なダイを介して圧縮状態にある混合物を低圧領域に押出して発泡シートまたは発泡板を形成することにより生分解性ポリマーの発泡構造体が調製され、あるいは混合物をクエンチ温度の低温領域に押出して膨張性ビーズを形成することにより生分解性ポリマーの発泡構造体が調製される。この態様の他の一側面においては、生分解性ポリマーに有効量の発泡剤を溶解することにより、膨張性ビーズが調製される。別の態様においては、発泡剤の存在下でポリマーを合成し、発泡剤をポリマー中に溶解、含浸、または内包させることにより膨張性ビーズが調製される。ポリマーはペレット形状とすることができるが、約0.05インチ(0.127cm)×約0.05(0.127cm)インチのビーズまたは粒子とすることが好ましい。膨張発泡構造体は、膨張性配合物を、ポリマー−発泡剤系のガラス転移温度または結晶融解温度近くかそれより高い温度に急加熱することにより発泡ビーズの形態で得られる。その発泡ビーズはそのまま発泡ビーズとして用いるか、またはさらに圧縮成形して所望の形状や厚みとすることができる。さらに別の態様においては、膨張発泡構造体は、ビーズをポリマー−発泡剤系のガラス転移温度または結晶融解温度以下の温度において、外部圧縮応力を受ける状態にすることにより得られる。
【0021】
本発明の製造方法によれば、生分解性ポリマー、およびギ酸メチルを含有する発泡剤を含む膨張性であって生分解性の配合物から生分解性ポリマーの発泡構造体が調製される。この態様の一側面において、製造方法は、生分解性ポリマーを溶融し、有効量の発泡剤と混合し(例えば、溶解、含浸、または内包させ)、適当なダイを介して圧縮状態にある混合物を低圧領域に押出して発泡シートまたは発泡板を形成するか、あるいはクエンチ温度である低温領域に押出して膨張性ビーズを形成する工程を含む。この態様の他の一側面においては、生分解性ポリマーに有効量の発泡剤を溶解させることにより、膨張性ビーズが調製される。別の態様においては、発泡剤の存在下でポリマーを合成し、発泡剤をポリマー中に溶解、含浸、または内包させることにより膨張性ビーズが調製される。ポリマーはペレット形状とすることができるが、約0.05インチ(0.127cm)×約0.05インチ(0.127cm)のビーズまたは粒子が好ましい。膨張発泡構造体は、膨張性配合物を、ポリマー−発泡剤系のガラス転移温度または結晶融解温度近くかそれより高い温度に急加熱することにより発泡ビーズを形成して、その発泡ビーズを膨張発泡構造体として用いるか、あるいは発泡ビーズをさらに圧縮成形して所望の形状や厚みとすることにより得られる。さらに別の態様においては、膨張発泡構造体は、ビーズをポリマー−発泡剤系のガラス転移温度または結晶融解温度以下の温度において、外部圧縮応力を受ける状態にすることにより得られる。
【0022】
本発明のもう一つの態様によれば、発泡構造体は固体であり発泡していないポリマーフィルムと積層できる。ここでフィルムを構成するポリマーは、発泡構造体のポリマーと同種のポリマーであってもよく、または異種のポリマーであってもよい。本発明の一態様によれば、フィルム/発泡体の発泡複合構造体は、生分解性の発泡構造体と被覆フィルムを含む。このフィルムを構成するポリマーは、非生分解性ポリマー、熱可塑性ポリマー、生分解性ポリマー、またはこれらの組み合わせであってよい。本発明のさらに別の態様によれば、フィルム/発泡体の複合構造体は、非生分解性の発泡構造体と被覆フィルムを含む。このフィルムを構成するポリマーは、生分解性ポリマー、非生分解性ポリマー、またはこれらの組み合わせであってよい。
【0023】
本発明に用いられる生分解性ポリマーとしては、ポリラクチド(PLA)とも称されるポリ乳酸;ポリ(グリコール酸)(PGA);ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA);ポリ(カプロラクトン)(PCL);ポリ(エチレングリコール)(PEG);ポリ(ヒドロキシブチレート)(PHB)、ポリ(ヒドロキシブチレート−コ−ヒドロキシバレレート)(PHBV)、ポリ(ブチレンスクシネート)(PBS)、ポリ(ブチレンスクシネート−アジペート)(PBSUA)、ポリ(プロピレンフマレート)(PPF)等のポリヒドロキシアルカノエート(PHA);ハイブラン(Hybrane);バイオマックス(Biomax);エコフレックス(Ecoflex);酢酸セルロースまたは三酢酸セルロース等の種々の程度にアセチル化されたセルロース誘導体;スターチ(例えば、とうもろこし、小麦、米、ジャガイモ、タピオカ、または他の再生可能物質由来)およびアミロースやアミロペクチンもしくはこれらの誘導体を種々の比率で含有するスターチ(アセチル化スターチ等);PLAとエコフレックスのコポリマー(エコバイオ(Ecovio)とも称される)のようなPLAと他の生分解性ポリマーとのコポリマー;あるいはこれらの組み合わせが挙げられる。生分解性ポリマーまたはそのブレンドは、アルケニル芳香族ポリマー(例えばポリスチレン)、アクリルポリマー(例えばポリメタクリル酸メチル)、ポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリプロピレン)のような従来型(非生分解性)熱可塑性ポリマーとさらに混合されてもよい。ブレンドを均一にし、かつブレンドの溶融強度を高めるために、ポリ酢酸ビニル、従来型熱可塑性ポリマーの無水マレイン酸グラフト物、アクリレートまたはイソシアネート部位を有する分子または高分子のような好適な相溶化剤を用いることができる。一般に相溶化剤は少なくとも二つの部位を有するべきである。均一で相溶したブレンドを得るために、一つの部位は生分解性ポリマーに相溶し、もう一つの部位は従来型ポリマーに相溶する。ブレンドの溶融強度は、ポリ(スルホニルアジド)、有機過酸化物、放射、および他の公知の架橋剤を使用した光架橋によっても向上できる。溶融強度を向上させるためにイソソルバイド(Isosorbide)等の生分解性添加剤を添加することもできる。本発明の一態様によれば、生分解性ポリマーとしては、半結晶性または非晶性のPLAまたはPHA、およびこれらと他の生分解性ポリマーもしくは従来型ポリマーとのブレンドが含まれる。好ましい態様においては、生分解性ポリマーとしては、PLAまたはPHA、およびこれらと他の生分解性ポリマーとのブレンドが挙げられる。
【0024】
本発明の製造方法で得られる生分解性ポリマー発泡構造体は、好ましくは実質的に独立気泡構造であって寸法安定性の構造体である。本発明のポリマーおよび発泡剤ならびにこれらから得られる生分解性かつ低排出性の発泡体は、現存の技術に比べて多くの長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明の一態様による押出発泡シートの製造における連続した操作全般の概略フロー図である。
【図2】図2は、本発明の一態様による膨張性ビーズの製造における連続した操作全般の概略フロー図である。
【図3】図3は、本発明の一態様による発泡ビーズおよびこれから得られる成形品の製造における連続した操作全般の概略フロー図である。
【図4】図4は、本発明の一態様による押出発泡板または厚板の製造における連続した操作全般の概略フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は種々の改良や変更がなされてもよく、これらにおける特定の態様が図中の例により示され、詳細が説明される。しかしながら、本発明は、開示された特別の発明に限定されるべきではなく、むしろ請求の範囲に定義された本発明の精神および範囲内において総ての改良、均等物、代替物が包含されることが理解されるべきである。
【0027】
本発明の好ましい態様について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。本発明の方法およびこれに付随する工程は、組成物についての詳細な説明とともに記載される。
【0028】
ここで示される方法と組成物は、発泡ビーズ、シート、板または厚板の製造に用いられてもよい。本発明は特に、低減されたオゾン形成性すなわちオゾン層破壊係数、および無視し得る地球温暖化係数を有する発泡剤組成物に好適である。
【0029】
本発明によれば、環境適合性の発泡剤を用いることにより安定な熱可塑性ポリマー発泡体が得られる。
【0030】
発泡剤の有効性は、ポリマーへの溶解性、およびポリマー−発泡剤溶液が熱力学的に不安定な状態におかれた場合(例えば当該溶液が(押出物を得るための)押出機に装備されたダイから押出される場合や、発泡剤を含むポリマーが急加熱された場合等)に、ポリマー−発泡剤溶液を膨張させる能力に依存する。ポリマー−発泡剤溶液の膨張は、ポリマーのガラス転移温度Tgと発泡剤の沸点Tbとの差に依存する。一般に、発泡剤のポリマーへの溶解性はTgとTbの差(Tg−Tb)に依存し、その差が小さくなると溶解性は向上する。ある生分解性ポリマーのように半結晶性ポリマーの場合は、膨張性に影響を与える温度は結晶融解温度Tmであり、発泡剤の溶解性に影響を与える温度は(Tm−Tb)である。揮発性とTbには逆の相関があるので、同じ温度と圧力における条件においては、高い揮発性の発泡剤は、低い揮発性の発泡剤に比べて低い相溶性を有すると理解される。
【0031】
低揮発性の発泡剤と高揮発性の発泡剤を混合する等により、溶解性および膨張性を最適化した発泡性の配合物が得られる。さらには、現行のVOCまたはHAP発泡剤と、同等の揮発性を有する非VOCまたは非HAP発泡剤を混合することにより、溶解性および膨張性を犠牲にすることなく、大気排出を低減させることもできる。生分解性ポリマーを用いることにより、廃棄物の蓄積による環境への影響を低減でき、またいくつかの場合においては解消できる。
【0032】
本発明の発泡体およびその製造方法においては、安定な生分解性ポリマー発泡体を得るために発泡剤を用いる。本発明において用いられる好ましい発泡剤としては、非VOC、非HAPであって、かつゼロのODPおよび無視できるGWPを有するギ酸メチルが挙げられる。すなわち、発泡体の製造方法およびその発泡体からHAPを除去しかつスモッグの形成傾向を最小限とすることは、環境に適合するだけでなく現行の発泡剤組成物およびその製造方法における多くの不都合な点を回避できる。つまり、ギ酸メチル単独で用いること、またはギ酸メチルとこれと同等の環境特性を有する一以上の好適な発泡剤と組み合わせて用いることは、現在使用されている発泡剤にまつわる有害な環境負荷(ODP、HAP、VOC、GWP)を低減するのに有効である。
【0033】
本発明によって発泡されうる樹脂としては、容易に加水分解され、または好気性の環境(堆肥等)および嫌気性の環境(埋め立て地等)において微生物が生分解性ポリマーを分解して主としてメタン、二酸化炭素、および水を与える生分解性ポリマーが挙げられる。好ましい生分解性ポリマーはとしては、限定されないが、ポリラクチド(PLA)とも称されるポリ乳酸;ポリ(グリコール酸)(PGA);ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA);ポリ(カプロラクトン)(PCL);ポリ(エチレングリコール)(PEG);ポリ(ヒドロキシブチレート)(PHB)、ポリ(ヒドロキシブチレート−コ−ヒドロキシバレレート)(PHBV)、ポリ(ブチレンスクシネート)(PBS)、ポリ(ブチレンスクシネート−アジペート)(PBSUA)、ポリ(プロピレンフマレート)(PPF)等のポリ(ヒドロキシアルカノエート)(PHA);ハイブラン(酸基、水酸基およびエステル基を有する樹枝状ポリマー);バイオマックスおよびエコフレックス等の変性ポリステル;酢酸セルロースおよび三酢酸セルロース等の種々の程度にアセチル化されたセルロース誘導体;スターチ(例えば、とうもろこし、小麦、米、ジャガイモ、タピオカ、または他の再生可能物質由来)、アミロースやアミロペクチンもしくはこれらの誘導体を種々の比率で含むスターチ;PLAとエコフレックスのコポリマー(エコバイオ(Ecovio)とも称される)のようなPLAと他の生分解性ポリマーとのコポリマー;あるいはこれらの組み合わせが挙げられる。スターチ誘導体の例としては、限定されないが、アセチル化スターチ、酸化スターチ、およびヒドロキシプロピル化スターチが挙げられる。これらのポリマーおよび製造業者によってある程度まで分解することが特定されている他のポリマーとのブレンドにより、好適な発泡性ブレンドを調製できる。生分解性ポリマーまたはそのブレンドは、アルケニル芳香族ポリマー(例えばポリスチレン)、アクリルポリマー(例えばポリメタクリル酸メチル)、ポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリプロピレン)のような従来型(非生分解性)熱可塑性ポリマーとさらに混合されてもよい。ブレンドを均一にし、かつブレンドの溶融強度を高めるために、ポリ酢酸ビニル、従来型熱可塑性ポリマーの無水マレイン酸グラフト物、アクリレートまたはイソシアネート部位を有する分子または高分子のような好適な相溶化剤を用いることができる。一般に相溶化剤は少なくとも二つの部位を有するべきである。均一で相溶したブレンドを得るために、一つの部位は生分解性ポリマーに相溶し、もう一つの部位は従来型ポリマーに相溶する。ブレンドの溶融強度は、ポリスルホニルアジド、有機過酸化物、放射、および他の公知の架橋剤を使用した光架橋によっても向上できる。溶融強度を向上させるためにイソソルバイド(Isosorbide)等の生分解性添加剤を添加することもできる。
【0034】
ポリマーまたはそのブレンドの機械的特性およびガスバリアー性を向上させるため、ナノクレイ、ナノファイバー、シクロデキストリン、ゼオライト(モレキュラーシーブ)、およびその他の超分子化合物等の従来の強化剤を添加することができる。
【0035】
生分解性ポリマーおよび生分解性添加剤は、所望のレオロジー特性および機械的特性の配合物を得るために、アルケニル芳香族ポリマー(例えばポリスチレン)、アクリルポリマー(例えばポリメタクリル酸メチル)、ポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリプロピレン)のような従来型(すなわち非生分解性)ポリマーとさらに混合されてもよい。そのような組成物から得られた発泡体においては配合物中の生分解性成分の範囲内で分解可能となる。なお、生分解速度は、従来型プラスチックの存在によって影響を受けうる。多くの生分解性ポリマーは半結晶性であることは注意すべきことである。非晶部分は容易に生分解されるが、結晶部分の生分解速度はあまり速くない。一方、従来型ポリマーと混合されると、生分解性ポリマーは非晶状態でのみ存在しやすくなる。このため、ブレンドにおける遅い速度は相殺される。本発明の一態様によれば、生分解性ポリマーとしては、PLAまたはPHA、およびそれと他の生分解性ポリマーもしくは従来型ポリマーとのブレンドが挙げられる。好ましい態様においては、生分解性ポリマーとしては、PLAまたはPHA、およびそれと他の生分解性ポリマーとのブレンドが挙げられる。いうまでもなく、埋め立て地の中に都市型固形ごみ(MSW)を長い間(30年以下、または30年より長く)滞留させておくと、生分解性ポリマーは、次第に微生物に摂取される。
【0036】
従来型ポリマーおよび生分解性ポリマーのブレンドを含む配合物中に、PCL、PEG、ハイブラン(Hybrane)、セルロースまたはスターチ等のように水に高い親和性を有するポリマーが少量存在すると、生分解速度の増大が促進される。水に長く接触させると、このような組成物は吸水により、まず膨潤し続いて親水性成分が浸出する。これにより、ブレンドの分解されやすい部分に微生物が到達するための空洞および経路が容易に形成される。
【0037】
生分解性配合物に加えることができる従来型ポリマーとしては、アルケニル芳香族ポリマー、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、およびその他のポリマーのような溶融加工が可能な熱可塑性ポリマーが挙げられる。生分解性成分は、最終生成物に求められる特性により、ポリマーブレンドに対し1〜100%の間で変動しうる。
【0038】
「熱可塑性ポリマー」との用語は非晶性ポリマーおよび半結晶性ポリマーの両方を含む。非晶性熱可塑性ポリマーの例としては、限定されないが、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(フェニレンオキサイド)、ポリ(DL−ラクチド)とも呼ばれるポリ(DL−乳酸)が挙げられる。半結晶性熱可塑性ポリマーの例としては、限定されないが、ポリエチレン、ポリポロピレン、シンジオタクチックポリスチレン、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(D−またはL−ラクチド)とも呼ばれるポリ(D−またはL−乳酸)が挙げられる。
【0039】
ポリオレフィンポリマーとしては、ホモポリマーおよびこれらのブレンド、オレフィン化合物と共重合可能なオレフィンモノマーとの共重合体が挙げられる。最もよく用いられるポリオレフィンポリマーは、エチレン部位および/またはプロピレン部位を基本とする。エチレンポリマー材料は、少ない比率の非エチレンポリマーをさらに含んでいてもよい。エチレンポリマー材料としては、例えば、一以上のエチレンホモポリマー、一以上のエチレンコポリマー、一以上の各エチレンポリマーおよびコポリマーのブレンド、あるいは上記の任意のものと非エチレンポリマーのブレンドが挙げられる。組成にかかわらず、エチレンポリマー材料は、好ましくは50wt%よりも多い、より好ましくは70wt%より多いエチレンモノマー単位を有する。最も好ましくは、エチレンポリマー材料は完全にエチレンモノマー単位からなる。最も好ましいエチレンポリマーはポリエチレンホモポリマーである。ポリエチレンは、高密度、中密度、低密度、直鎖低密度、または超低密度タイプであってよい。低密度ポリエチレンが最も好ましい。ポリエチレンは、直鎖状、分岐状、または架橋されていてもよい。バージンポリエチレン樹脂は、工業廃棄物資源または消費財廃棄物資源からのリサイクルポリエチレンと組み合わせて用いることができ、あるいは等級外のバージンポリエチレンと組み合わせて用いることができる。
【0040】
好適なエチレンコポリマーは、エチレンモノマー単位と、少量(好ましくは20wt%以下)のモノエチレン系不飽和モノマー単位またはこれと共重合可能な単位から構成されうる。好適なコモノマーとしては、C−Cアルキル酸およびエステル、イオノマー誘導体、C−Cジエン、およびC−Cオレフィンが挙げられる。好適なコモノマーの例としては、限定されないが、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、メタクリル酸、エタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、酢酸ビニル、無水マレイン酸、アクリロニトリル、プロピレン、イソブチレン、およびブタジエンが挙げられる。
【0041】
本発明に用いることのできる好適なプロピレンポリマー材料としては、プロピレンホモポリマーまたはコポリマーが挙げられる。プロピレンコポリマーとしては、プロピレンと、エチレンやC−C10ジエン等のオレフィンとのランダムおよびブロックコポリマー、ならびにプロピレンと、他の非プロピレン系の直鎖または分岐状の1−オレフィンとのランダムターポリマーが挙げられる。プロピレンポリマーとしては、一以上のプロピレンホモポリマー、一以上のプロピレンコポリマーもしくは他のオレフィンモノマーと共重合されたプロピレンコポリマー、一以上のホモポリマーとコポリマーとのブレンド、または任意のプロピレンポリマーとポリエチレン、ポリブチレン、オレフィンゴムおよびイオノマー等の非プロピレンポリマーとのブレンドが挙げられる。このようなブレンドにおけるプロピレンポリマーの含有量は、好ましくは50wt%を超える量であり、より好ましくは75wt%を超える量である。プロピレンポリマーの半数は、高い溶融強度を有するポリマーとすべきである。本発明に好適な種々のプロピレンポリマーとしては、限定されないが、アタクチック、イソタクチック、シンジオタクチック、および長鎖分岐ポリプロピレンが挙げられる。ポリプロピレンは直鎖状、分岐状であってもよく、または架橋していてもよい。ポリプロピレン樹脂は、さらに適切な量の消費財廃棄物または工場廃棄物からのリサイクルポリプロピレンあるいはバージンポリプロピレンの等級外品と共に用いることができる。
【0042】
同様に、ポリイソブチレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、もしくは高級オレフィンから得られるポリマーのようなポリエチレンまたはポリプロピレン以外のオレフィンポリマーの一以上を、本発明の生分解性ポリマー発泡体とともに用いることができる。
【0043】
「アルケニル芳香族ポリマー」との用語は、直鎖骨格に1の二重結合を有するオレフィン基と結合している芳香族基を有する芳香族炭化水素分子(例えば、スチレンまたはα−メチルスチレン、o−、m−、およびp−メチルスチレン、α−エチルスチレン、o−、m−、およびp−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−ビニルキシレン、ビニルトルエン等のスチレン同族体)のポリマーを含む。また、アルケニル芳香族ポリマーとしては、スチレンまたはスチレン同族体のホモポリマー(通常はポリスチレン)、スチレンのコポリマー、およびゴム強化ポリスチレン(通常は高耐衝撃性ポリスチレン、HIPS)が挙げられる。スチレンコポリマーに関して、コモノマーは、概して他の任意の不飽和エチレン物質であってもよい。これらのコモノマーは、例えば、ブタジエン、イソプレン等の1,3−ジエン;アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、これらに対応するメタクリル酸のエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のα,β−不飽和モノカルボン酸およびその誘導体である。所望により、例えばポリフェニレンオキサイドとスチレンポリマーのブレンドのような他のポリマーとスチレンのブレンドを用いることもできる。好ましくは、コポリマーは多くのポリスチレン比率、例えば50wt%を超える量のポリスチレンを有し、より好ましくは、コポリマーは75wt%を超える量のポリスチレンを有する。
【0044】
MSWまたはごみ中の従来型プラスチックを減少させる一つの方法は、発泡体/フィルム複合構造体中の固体プラスチックを固体生分解性ポリマーに置き換えることである。例えばこのような構造体における内部の発泡体コアを従来型ポリマーで製造し、積層部は生分解性ポリマーまたはこれと生分解性添加剤の混合物で製造することができる。このような構造体においては、生分解性成分の生分解速度は従来プラスチックの存在により影響されない。さらに別の態様としては、生分解性ポリマーからビーズ発泡体を調製して、続いてこの予備膨張させたビーズを成形して所望の製品を調製することが挙げられる。他の形態においては、従来型プラスチックのビーズを予備膨張させ、成形する前に生分解性配合物でこれらのビーズをコートすることができる。これらの総ての複合構造体において、生分解性成分は、最終製品の所望の性能に応じて、1〜100%の間で変動できる。
【0045】
発泡剤は約1〜約100wt%のギ酸メチルを含有する。一態様においては、発泡剤は100wt%のギ酸メチルを含有する。しかしながら、他の態様においては、発泡剤は100wt%未満のギ酸メチルを含有するブレンドであって、さらに少なくとも一つの共発泡剤を含有する。発泡剤ブレンド中に一以上の共発泡剤含ませることができる。このような共発泡剤は、物理発泡剤、化学発泡剤またはこれらの組み合わせであってよい。発泡剤ブレンドの組成は、調製される発泡構造体によって異なる。発泡構造体がシート、板もしくは厚板、または膨張性ビーズである態様においては、発泡剤ブレンドは、約1〜約100wt%のギ酸メチルを含有する。しかしながら、発泡構造体がシート、板もしくは厚板、または膨張性ビーズである他の態様においては、発泡剤ブレンドは、約1〜約99wt%のギ酸メチルと、少なくとも一つの共発泡剤を含有する。このような共発泡剤は、物理共発泡剤、化学共発泡剤またはこれらの組み合わせであってよい。一般に共発泡剤は、直ちに膨張するか、または純粋なギ酸メチルと同等の膨張性能を有するかのいずれかである。共発泡剤は、有機化合物または無機化合物であってよい。好ましくは、共発泡剤は非VOCである。物理共発泡剤のいくつかの限定されない例としては、無機薬剤、有機薬剤(例えば炭化水素、ハロゲン化飽和または不飽和炭化水素、エーテル、エステル、アセタール、アルカノール、カーボネート、アミンおよびケトン)、あるいはこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0046】
いくつかの好適な無機物理発泡剤としては、限定されないが、二酸化炭素、水、空気、窒素、アルゴン、キセノン、六フッ化硫黄、亜酸化窒素、アンモニア、四フッ化珪素、三フッ化窒素、三フッ化ホウ素、および三塩化ホウ素、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられる。目下の好ましい態様においては、無機薬剤は二酸化炭素、窒素、アルゴン、空気等の無機ガスである。目下のところ好ましい無機ガスは二酸化炭素である。目下の他の好ましい一態様においては、無機薬剤は水である。
【0047】
本発明に用いられるいくつかの有機物理発泡剤の例は、限定されないが、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、極性基を持った流体、例えばエーテル、エステル、アセタール、カーボネート、アルカノール、アミン、ケトン、およびこれらの任意の組み合せが挙げられる。炭化水素の例としては、限定されないが、メタン、エタン、プロパン、シクロプロパン、ノルマルもしくはイソブタン、シクロブタン、ネオペンタン、ノルマルもしくはイソペンタン、およびシクロペンタン、あるいはこれらの任意の組み合わせが挙げられる。目下のところ好ましいハロゲン化飽和炭化水素としては、限定されないが、フッ化メチル、ジフロロメタン(HFC−32)、トリフルオロメタン(HFC−23)、パーフルオロメタン、クロロジフルオロメタン(HCFC−22)、塩化メチレン、塩化エチル、フッ化エチル、1,2−ジフルオロエタン(HFC−152)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、ペンタフルオロエタン(HFC−125)、パーフルオロエタン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b)、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン(HCFC−142b)、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(HCFC−123)、および1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン(HCFC−124)、塩化イソプロピル、ジフロロプロパン、1,1,1−トリフロロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC−236ea)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea)、パーフルオロプロパン、2,2,4,4,4−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)、パーフルオロブタン、パーフルオロシクロブタン、およびフッ化ビニル、あるいはこれらの任意の組み合わせが挙げられる。目下のところ好ましいハロゲン化不飽和炭化水素としては、限定されないが、トランス−1,2−ジクロロエチレン、1,1,1,2−テトラフルオロプロペン、および1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロペンが挙げられる。極性基を含む流体としては、限定されないが、ジメチルエーテル、ビニルメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジメチルフルオロエーテル、ジエチルフルオロエーテル、およびパーフルオロテトラヒドロフラン等のエーテル;ジメチルアミン、トリエチルアミン、およびエチルアミン等のアミン;アセトンおよびパーフルオロアセトン等のケトン;ギ酸エチルおよび酢酸メチル等のエステル;メチラール等のアセタール;炭酸ジメチル等のカーボネート;エタノールおよびイソプロパノール等のアルカノール;あるいはこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0048】
化学共発泡剤は、例えば分解等の化学反応によりCOまたはNおよびCO等の無機ガスを発生する化合物である。好適な化学共発泡剤のいくつかの限定されない例としては、アゾジカルボンアミド、アゾジイソブチロニトリル、ベンゼンスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、アゾジカルボン酸バリウム、N,N’−ジメチル―N,N’―ジニトロソテレフタラミド、トリヒドラジノトリアジン、ならびに他のアゾ、N−ニトロソ、カーボネート、およびスルホニルヒドラジドが挙げられる。加熱された際にガスに分解する、種々の酸/重カーボネート混合物が存在する。例えば、ハイドロセロール(HYDROCEROL(登録商標))の名称で市販されているクエン酸と重炭酸ナトリウムの混合物を化学共発泡剤として用いることができる。
【0049】
生分解性発泡構造体を調製するために用いるポリマー配合物における発泡剤の総量は、発泡剤がポリマーに溶解する際の温度および圧力等の条件、使用される発泡剤の化学的および熱物理的性質、ならびに、発泡成形体の望ましい密度および断熱性、重量と強度の比、圧縮強度等の関連する特性に依存する。発泡性または膨張性配合物は、本明細書では発泡剤、ポリマー樹脂、添加剤を含むと定義される。約1〜約15lb/ft(約0.016〜約0.240g/cm)の密度を有する発泡体について、通常、配合物は約20〜約1wt%の発泡剤を含有する。発泡構造体が溶融押出により得られる一態様においては、通常、配合物は約18〜約1wt%の発泡剤を含有する。しかしながら発泡構造体が膨張ビーズである他の態様においては、配合物は、通常約18〜約1wt%の発泡剤を含み、好ましくは約10〜約2wt%の発泡剤を含み、より好ましくは約9〜約3wt%の発泡剤を含有する。
【0050】
本発明で用いられる発泡剤は100%のギ酸メチルを含有するか、あるいは発泡剤は99%以下のギ酸メチルと一以上の物理共発泡剤、化学共発泡剤またはこれらの組み合わせのブレンドとすることができる。一般に、発泡剤ブレンドは1〜99wt%のギ酸メチルを含有する。例えば、発泡剤ブレンドは約5wt%〜約75もしくは80wt%のギ酸メチルを、または約20wt%〜約80wt%のギ酸メチルを含有する。より一般的には、発泡剤ブレンドは20もしくは25wt%〜60wt%のギ酸メチルを含有する。より具体的には、発泡剤ブレンドは好ましくは20もしくは25wt%〜50wt%のギ酸メチルを含有する。
【0051】
使用される場合には、一般に発泡剤ブレンドは少なくとも20もしくは25wt%の共発泡剤を含有する。発泡剤ブレンドはより一般的には約80もしくは75wt%〜約40wt%の共発泡剤を含有する。より具体的には、発泡剤ブレンドは好ましくは約80もしくは75wt%〜50wt%の共発泡剤を含有する。
【0052】
例えば、本発明の好ましい態様によれば、発泡剤ブレンドは約30wt%〜約50wt%のギ酸メチルを含有し、約70wt%〜約50wt%の共発泡剤を含有する。
【0053】
発泡製品の気泡形成、モルフォロジーおよび性能特性を制御するという利点ゆえに、発泡性ポリマー配合物に成核剤またはこのような薬剤の組み合わせを使用してもよい。使用される成核剤の量は所望の気泡サイズ、選択された発泡剤ブレンド、および所望の発泡密度、ならびに発泡製品の性能特性に依存する。通常、成核剤は、ポリマー樹脂配合物中、約0.02〜約2wt%の量で添加される。
【0054】
いくつかの考えられる成核剤は、クレイもしくはナノクレイ、タルク、シリカおよび珪藻土等のマイクロメーターからナノメータの範囲の粒径を有する小さな粒子であり、好ましくは高アスペクト比(>20)を有する小さな粒子形態の無機材料である。例えば、タルクは、ポリマー配合物中、約0.25〜約2.0wt%用いることができる。成核剤の他の例としては、高い温度において分解または反応して二酸化炭素および/または窒素等のガスを放出する有機成核剤が挙げられる。一例として、ポリカルボン酸のアルカリ金属塩とカーボネートまたは重カーボネートの組み合わせが挙げられる。ポリカルボン酸のアルカリ金属塩のいくつかの例としては、限定されないが、2,3−ジヒドロキシ−ブタン二酸のモノナトリウム塩(通常、酒石酸水素ナトリウムと呼ばれる)、ブタン二酸のモノカリウム塩(通常、コハク酸水素カリウムと呼ばれる)、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸のトリナトリウムおよびトリカリウム塩(通常、それぞれクエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムと呼ばれる)、およびエタン二酸のジナトリウム塩(通常、シュウ酸ナトリウムと呼ばれる)または2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸等のポリカルボン酸のジナトリウム塩が挙げられる。カーボネートまたは重カーボネートのいくつかの例としては、限定されないが、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、および炭酸カルシウムが挙げられる。
【0055】
本発明においては、異なる成核剤の混合物を添加することもできる。より望ましい成核剤としては、タルク、結晶シリカ、およびクエン酸と重炭酸ナトリウムの化学量論比混合物(化学量論比混合物は1〜100%の濃度を有し、適当なポリマーを担体とする)である。タルクは担体としてまたは粉の状態で添加される。
【0056】
所望により、本発明には難燃剤も使用することができる。難燃剤の限定されない例としては、臭素化合物、クロロパラフィンおよび他の塩素化合物、三酸化アンチモン、アルミナ三水和物が挙げられる。さらに所望により、発泡体の製造において、充填剤、着色剤、光および熱安定剤、抗酸化剤、酸捕捉剤、加工助剤、押出補助剤、ならびに発泡性添加剤を添加してもよい。
【0057】
本発明においては、泡の崩壊を回避または阻止することを補助するために、ガス透過剤または安定性制御剤を使用できる。本発明において好適に用いられる安定性制御剤としては、Croninの米国特許3,644,230に記載されている長鎖脂肪酸の部分ポリオールエステル、飽和高級アルキルアミン、および飽和高級脂肪酸アミド、Watanabeらの米国特許4,214,054に記載されているような高級脂肪酸の完全エステル、ならびにKnausらの米国特許5,750,584に記載されているようなこれらの組み合わせが挙げられる。上記した特許の内容はその総てが参照として明確に本明細書に包含される。
【0058】
安定性制御剤として使用できる脂肪酸の部分エステルとしては、一般的な公知の表面活性剤または界面活性剤が挙げられる。好ましい界面活性剤としては、限定されないが、12〜18の炭素を有する脂肪酸と3〜6の水酸基を有するポリオールからなる部分エステルが挙げられる。長鎖脂肪酸とポリオール成分との部分エステルの安定性制御剤は、より好ましくは、モノステアリン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロールまたはこれらの混合物である。ナノクレイもしくはナノファイバー、シクロデキストリン、ゼオライト(モレキュラーシーブとしても知られている)等のガスバリアー性を有する他の薬剤、ならびに他の超分子化合物を使用してもよい。
【0059】
本発明によれば、発泡剤をポリマーに溶解するために、任意の種々の好適な押出システムまたは当該分野における公知の他の方法を用いることができる。好適なシステムおよび方法の一例としては、例えば、個々の押出機が単軸スクリューを備える従来のタンデム式二段押出機が挙げられる。あるいは、本発明の膨張性配合物の押出しに、第一の押出機が二軸スクリューを備え第二の押出機が単軸スクリューを備えるタンデム式二段押出機を用いることもできる。適切な冷却手段を備えた単軸押出機も本発明に用いることができる。
【0060】
本発明の一製造方法によれば、生分解性ポリマー(場合によっては従来型ポリマーまたは従来型ポリマーブレンドとの組み合わせ)はタルク等の成核剤と混合される。これらの材料は、押出機のホッパーから連続的に供給される。成分が混合、圧縮、加熱され、かつ溶融状態へ転化される際に、供給混合物は押出機のバレル内のスクリューにより前方へ搬送される。溶融状態への転化は、発泡剤が添加される領域である注入領域に到達する前に行われる。本発明の発泡剤は、ポリマーが溶融状態にある位置(すなわち供給領域を超えた位置)で、ポリマー配合物に注入することができる。発泡剤ブレンドの個々の成分は、連続的か同時のいずれか、かつ任意の順番で、独立してポリマー溶融物に注入することができる。あるいは、発泡剤ブレンドの成分を予備混合して溶融物に注入してもよい。時には、二以上の成分の均質な溶液は共沸混合物を形成しうる。この共沸混合物は、一定の圧力下で蒸留されるかまたは部分的に揮発する際に、蒸気の状態において液体の状態と同じ組成が保持される。共沸混合物は、溶液の沸点が純粋な各成分の沸点より低い場合は「最小沸点共沸混合物」であり、あるいは溶液の沸点がその各成分の沸点より高い場合は「最大沸点共沸混合物」である。一態様によれば、ブレンド中の各成分は個別に注入されるかまたは予備混合されてから注入されるかによらず、発泡剤ブレンドは最小または最大沸点共沸混合物、あるいは非共沸混合物のいずれかである。タンデム式二段押出機を用いるならば、発泡剤は第一または第二の押出機のいずれかに注入でき、あるいは、配合物のいくつかの成分は第一押出機に注入して残りの成分を第二押出機に注入することができる。
【0061】
発泡剤の注入後、押出機中の種々の成分が連続的に混練され、ポリマーと発泡剤の均質な溶液が生成される。溶融溶液はさらなる混練を行う冷却領域に搬送される。冷却後、溶液は、溶液の発泡を妨げるかまたは阻止する温度および圧力が維持された保持領域に押出される。保持領域は、(a)大気圧等の低圧力領域に対して開放されている開口部を備える出口ダイ、(b)保持領域において発泡性配合物を阻害することなく開口部を閉じる手段、および(c)保持領域から発泡性溶液が押出されることを可能にする開口手段を有する。保持領域の例は、その全内容が参照として本願に包含されるCollinsの米国特許4,323,528に記載されている。保持領域を用いるかどうかにかかわらず、溶液はダイを通じて大気圧等の低圧領域に押出される。出口において押出物は大気圧かつ室温の雰囲気下で発泡させられるか、または速やかに低温度に急冷(例えば押出物と水等の熱交換流体を接触させる)されるかのいずれかである。急冷により固化された押出物は、所望により後に発泡構造体に膨張させることができる小さなビーズに切断される。
【0062】
アセチル化セルロース誘導体、スターチおよびその誘導体、PLA、PGA、PLGA、PCL、PEG、PHAs、ハイブラン(Hybrane)、バイオマックス(Biomax)、エコフレックス(Ecoflex)、エコバイオ(Ecovio)およびこれらの混合物等の生分解性ポリマーを用いた一態様によれば、図1に示すとおり本発明の発泡製品(例えばシート)を押出すため、または図2に示すとおり膨張性ビーズを得るためにタンデム式二段押出機10を用いることができる。ポリマー樹脂ペレットは一以上の添加剤(例えば成核剤)と混合されて、第一押出機13のホッパー11に連続的に供給される供給混合物とされる。供給混合物は発泡剤注入領域に到達する前に、混合、圧縮、加熱かつ溶融されて、第一押出機のバレル内のらせん状スクリューにより前方へ搬送される。発泡剤は位置15で添加される。このように、本発明の発泡剤は、ポリマーが溶融状態で存在する供給領域を超えた位置で注入される。所望により、発泡剤は供給領域を超えた別の場所で注入することもできるが、その場所としては第二押出機が挙げられる。
【0063】
発泡剤の注入後、その成分は第一押出機13中で連続して混練される。例示の態様における第一押出機13の出口圧力は概して約2000〜約4000psi(約13.79MPa〜約27.58MPa)の範囲である。例示の態様における第一押出機13の出口温度は概して約350〜約450°F(約176.7℃〜約232.2℃)の範囲である。混合物は、発泡剤が溶液中に留まるのに十分な圧力で、連続的に中空アダプター区域17を通って冷却されたタンデム式の第二押出機19に入る。溶融混合物は、冷却された第二押出機の長さ方向を低せん断力で通過する。第二押出機では冷却と付加的な混合が行われる。例示の態様における第二押出機19の出口圧力は概して約300〜約1500psi(約2.07MPa〜約10.34MPa)の範囲である。例示の態様における第二押出機19の出口温度は概して約200〜約340°F(約93.3〜約171.1℃)の範囲である。一般に、第一押出機の温度はポリマーおよび有機添加剤を溶融させかつ十分な混合を行うのに十分であるべきであるが、熱的に不安定であるポリマーの分解を引き起こすほどに高くするべきではない。第二押出機の温度および圧力は、溶融状態にある成分の溶液が均質性を保てるのに十分であるべきである。出口第二温度は、通常は、ポリマー−発泡剤系のTgまたはTmよりも若干高めに調整される。プロセスに用いるポリマーによって、温度、圧力および他の条件は異なることが理解される。用いられる具体的な条件は当業者には理解される。
【0064】
図1に示すとおり、発泡シートを製造するために溶融体は環状ダイ21から絞り出され、大気圧および室温の周囲条件下で引き伸ばされたバブルまたはチューブ23の形状に膨張され、発泡したポリマーは、冷却および大きさを決定するためのドラム25の円筒状の表面の上を引き出され、かつ裁断されてシートストック27が形成される。シートストック27は一以上の巻き取りリール29により巻き取られる。さらに、発泡体の機械的性能、審美性および他の性能をより向上させるために、このようにして得られたシートは固体の非発泡ポリマーフィルムと積層してもよい。ここで、フィルムを構成するポリマーは、発泡体を構成するポリマーと同じであってもよいし、または異なっていてもよい。本発明の一態様によれば、フィルム/発泡体の複合発泡構造体は生分解性発泡構造体と被覆フィルムを有し、フィルムを構成するポリマーは非生分解性熱可塑性ポリマー、生分解性ポリマーまたはこれらの組み合わせとすることができる。本発明のさらに他の態様によれば、フィルム/発泡体の複合発泡構造体は非生分解性発泡構造体と被覆フィルムを有し、フィルムを構成するポリマーは生分解性ポリマー、非生分解性ポリマーまたはこれらの組み合わせとすることができる。
【0065】
複合ポリマー発泡構造体のフィルムを、シートの上に、フィルムを形成するポリマーを押出成形するかフィルムを熱溶接することにより設けてもよい。フィルムは片面または両面に設けることができる。フィルムは、ロール29で巻き取られる前にシートストック27に製造ライン上で、あるいはシートストック27をロール29で巻き取り別の工程において、のいずれかで設けることができる。フィルムの厚みは概して発泡シートの1〜25%であるが最終製品で要求される特性によって異なる。フィルムは単層または複層の構造であってよく、フィルム/発泡体の複合構造体の審美性、機械的特性およびガスバリアー性をより高めるために、例えばナノクレイのようなナノ粒子を含んでいてもよい。このようなフィルム/発泡体の複合構造体は、シートの断面方向に密度勾配が存在し表層は気泡構造を有するが表層の密度がシート中心部の発泡体の密度と異なり一体化されたスキン発泡体構造体とは異なる。
【0066】
また、図2に示すとおり、膨張性ポリマービーズを製造するために、溶融体はストランドまたはロッドダイ28を介して水のような熱交換流体32を備える低温度領域30に絞り出される。このような態様においては、溶融溶液は膨張や発泡することなしに、通常、直径約0.05(0.127cm)インチのストランドに固化される。連続したストランドはチョッパー34または他の任意の裁断機に送られ、ペレット(通常は0.05インチ×0.05インチ(0.127cm×0.127cm))に切断され、いわゆる膨張性ビーズ36が形成される。ビーズ以外の形状の膨張性配合物を得るために、ストランドまたはロッドダイ以外のダイを使用することができる。
【0067】
他の態様においては、図2に示すような連続溶融工程を用いる代わりに、発泡剤を用いて、固体状態にあるポリマーペレットを容器中の発泡剤に所望の溶解度に達するまで曝すことにより膨張性ビーズを調製できる。この飽和工程は、発泡剤の固体ペレットへの含浸を促進するためにやや昇温した温度において行うことができる。しかしながら、温度は含浸されたペレットが互いにくっつくほど高すぎるべきではない。さらに別の態様においては、発泡剤の含浸は、ポリマーに発泡剤が溶解、含浸、または取り込まれるように発泡剤存在下でポリマー合成を行うことにより達成される。
【0068】
任意の方法で製造された膨張性ビーズは、図3のステップ2に示されるとおり、ポリマー−発泡剤系のTg近傍またはTgより高い温度あるいはポリマー−発泡剤系のTm近傍またはTmより高い温度に急加熱されて(例えば、含浸されたペレットを、熱を持った流体や熱い塩浴等の熱交換流体に接触させて)発泡させられる。本願に参照として包含される米国特許6,080,798に記載のとおり、含浸されたペレットはTmまたはTmより低い温度で機械的圧力(圧縮応力)を掛けて気泡の成核および成長を促すことにより発泡させられる。用いる方法にかかわらず、ビーズは速やかに膨張して発泡ビーズを形成し(ステップ2)、次に例えば周囲温度でビーズを冷却して行う等の周囲条件下での熟成を受けて(ステップ3)、空気を発泡ビーズ内に拡散させて寸法を安定させる。これらのビーズは、例えばステップ4に示すとおり、バラ詰包装材等として使用できる。また、膨張され、かつ熟成されたビーズはステップ5に示すように加熱成形により融着され、任意のさまざまな形状の製品、例えばカップ、プレート、成形された包装材、コンテナ、厚板または板に形成される。成形処理中に空気および膨張ビーズ中に残留している発泡剤がさらに膨張し、さらなる密度の減少が生じる。
【0069】
さらに別の形態においては、図4に示すとおり、発泡性配合物はフラットダイ20のような異なる形状のダイを通じて絞り出され、板または厚板24の形状に膨張される。膨張している押出物22は一連のローラー26により前方へ移動され、板または厚板24として現れる前にさらなる他の成形装置に導かれてもよい。
【0070】
用いられる材料および方法により、得られる発泡製品はビーズ、シート、板、厚板等である。発泡ビーズは、さらに成形されてシート、板または厚板、あるいは種々の形状、大きさ、厚みの製品になりうる。得られた製品がシートである場合は、シートの厚みは約0.5インチ(約1.27cm)以下とすることができる。得られた製品が板または厚板である場合は、厚みは概して約0.5インチ(約1.27cm)以上とすることができ、好ましくは0.5インチ〜3インチ(1.27cm〜7.62cm)とすることができる。
【0071】
生分解性ポリマー発泡シートの調製には環状ダイの使用が好ましい。環状ダイから押出されて得られた製品は、概して約0.5インチ(約1.27cm)未満の厚みであり、好ましくは約0.030〜0.5インチ(約0.075〜1.27cm)の厚みである。このような発泡シートは、特に保護包装材として有用であり、かつ折たたみ式シートまたは硬質包装用の容器等の種々の形状への加熱成形にも有用である。
【0072】
生分解性ポリマー発泡板の調製にはフラットダイの使用が好ましい。フラットダイから押出されて得られた製品は、概して約0.5〜約3インチ(約1.27〜約7.62cm)の厚みである。このような板は、特に断熱材、保護緩衝材または浮揚材としての有用性を有する。使用されるダイの種類または得られる発泡体によらず、押出発泡体は、熱および/または減圧によりさらなる膨張または密度低下を受けることができる。
【0073】
発泡ビーズ、シート、および、板または厚板は、他の形状への切断され、熱および圧力によりさらに成形または加熱成形され、あるいは当該分野で公知である所望の大きさおよび形状の製品に機械加工または形成される等して使用することができる。
【0074】
使用される材料および方法により、得られる製品は概して約1〜約15 lb/ft(約0.016〜約0.240g/cm)であり、熱および/または減圧による第二の膨張により達成されるさらなる密度低下を伴う。このことは通常、1.0 lb/ft(0.016g/cm)未満の密度が達成される発泡ビーズにおいて見られる。発泡板は、通常、約1.5〜約9.0 lb/ft(約0.024〜約0.144g/cm)の密度を有するが、発泡シートは、通常、約1.0〜約9.0 lb/ft(約0.016〜約0.144g/cm)の密度を有する。さらに本発明の好ましい一態様によれば、得られた発泡製品は実質的な独立気泡(closed cell)構造を有する。ここで実質的な独立気泡構造を有するとは、発泡体が85%より多くの独立気泡を有する、より典型的には95%より多くの独立気泡を有すると定義される。また、本発明の別の態様によれば、得られる発泡製品は、15%以上の開放された気泡(opened cell)、例えば20%、25%、30%以上の開放された気泡が形成されていてもよい。さらに、得られる発泡構造体は、1インチ(2.54cm)あたり少なくとも約10、15、20、25、30、35、または40個以上の気泡を有するように制御することができる。
【0075】
本発明の発泡体は、断熱材、種々の容器および包装システム、あるいは保護包装またはフレキシブル包装材として使用できる。特に本発明の発泡シートは、例えばトレー、ボウル、プレート等の容器に加熱成形できる。一般に、押出発泡シートは硬質包装と同様にフレキシブル包装にも用いられる。押出発泡板は保護包装に、発泡ビーズはバラ詰め包装あるいはフレキシブル、保護、硬質および断熱用途向けのシートまたは板または製品に成形される。発泡シート、厚板および板に加えて、本発明では、ロッド、チューブ、成形部材等の形状とすることができる。
【0076】
好適な製造方法、装置、設備、機器、および製造のためのシステムと同様に、本発明の発泡体の他の使用は、WuらのUSP6,136,875、LeDucのUSP5,149,473、DuffyのUSP6,476,080、DuffyのUSP6,559,946、HayashiのUSP6,696,504、FrancisのUS2004/0132844、およびHandaのUS2004/0006149の米国特許および出願公開公報に開示されている。これらのそれぞれの内容は参照として本願に包含される。
【0077】
寸法安定性は、通常、寸法の%変化で表される。寸法の%変化は、100×(経時寸法−初期寸法)/初期寸法(ただし初期寸法は発泡後15分以内に測定される)と等しい。本発明で得られる発泡体は、望ましくは「寸法安定性」であり、寸法安定性とは、7日経過後の発泡体の寸法が製造したばかりの発泡体の寸法から15%より大きく変化しない、好ましくは10%より大きく変化しない、より好ましくは5%より大きく変化しないことをいう。好ましくは本発明の発泡体の任意の方向における寸法変化は、約4%未満であり、より好ましくは約1%未満である。
【0078】
本発明は、一以上の好ましい態様に言及したが、当業者は、本発明の精神および範囲を逸脱しない限りにおいて、これらについての多くの変更を加えることができる。これらの個々の態様およびその自明な変更は、次の特許請求の範囲で請求された発明の精神および範囲内で認められる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生分解性ポリマー、およびギ酸メチルを含有する発泡剤を含む膨張性ポリマー配合物を調製する工程と
前記配合物を膨張させ生分解性ポリマー発泡構造体を形成する工程とを含む、
生分解性ポリマー発泡構造体の製造方法。
【請求項2】
前記ポリマー発泡構造体はポリマー発泡板である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ポリマー発泡構造体はポリマー発泡シートである、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記膨張性ポリマー配合物を調製する工程は、膨張工程の前に、前記配合物から膨張性ビーズを形成する工程をさらに含む、請求項1記載の製造方法。
【請求項5】
前記膨張性ポリマー配合物を調製する工程は、下記(a)、(b)および(c):
(a) (i)生分解性ポリマーを溶融し、
(ii)前記生分解性ポリマー中に有効量の発泡剤を混合して混合物とし、
(iii)前記混合物を低温領域に押出し、膨張性ビーズを形成する工程、
(b) 生分解性ポリマー中に有効量の発泡剤を溶解する工程、
(c) 発泡剤の存在下で前記生分解性ポリマーを合成する工程、
からなる群より選ばれる工程をさらに含む、請求項4記載の製造方法。
【請求項6】
前記膨張性ポリマー配合物を調製する工程は、
生分解性ポリマーを溶融し、かつ
有効量の発泡剤を生分解性ポリマーに溶解し配合物とすることを含む、
請求項1記載の製造方法。
【請求項7】
前記発泡剤は、約1wt%〜約99wt%のギ酸メチルと、さらに少なくとも1つの共発泡剤を含むブレンドである、請求項1記載の製造方法。
【請求項8】
前記の少なくとも1つの共発泡剤は、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エステル、エーテル、アセタール、アルカノール、カーボネート、アミン、ケトン、無機薬剤、および化学発泡剤からなる群より選択される、請求項7記載の製造方法。
【請求項9】
前記の少なくとも1つの共発泡剤は、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン、イソペンタン、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、トランス−1,2−ジクロロエチレン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、ジメチルエーテル、二酸化炭素、およびこれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項8記載の製造方法。
【請求項10】
前記発泡剤ブレンドは、ギ酸メチルと1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)を含む、請求項7記載の製造方法。
【請求項11】
前記生分解性ポリマーは、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(ラクチド−コ−グリコライド)(PLGA)、ポリ(カプロラクトン)(PCL)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)(PHA)、ハイブラン(Hybrane)、バイオマックス(Biomax)、エコフレックス(Ecoflex)、アセチル化セルロース、スターチ、スターチ誘導体、PLAとエコフレックス(Ecoflex)のコポリマー(エコバイオ)(Ecovio)、またはこれらの組み合わせである、請求項1記載の製造方法。
【請求項12】
前記溶解工程の前に、少なくとも1つの非生分解性熱可塑性ポリマーを生分解性ポリマーと混合する工程をさらに含む、請求項6記載の製造方法。
【請求項13】
前記溶解工程の前に、少なくとも1つの相溶化剤を生分解性熱可塑性ポリマーおよび非生分解性ポリマーに添加する工程をさらに含む、請求項12記載の製造方法。
【請求項14】
前記非生分解性熱可塑性ポリマーは、アルケニル芳香族ポリマー、アクリルポリマー、ポリオレフィン、またはこれらの混合物である、請求項12記載の製造方法。
【請求項15】
前記ポリマー発泡構造体は約1〜15 lb/ft(約0.016〜0.240g/cm)の密度を有する、請求項1記載の製造方法。
【請求項16】
前記膨張性ポリマー配合物は約1wt%〜約20wt%の発泡剤を含む、請求項1記載の製造方法。
【請求項17】
前記膨張性ポリマー配合物は約3wt%〜約9wt%の発泡剤を含む、請求項1記載の製造方法。
【請求項18】
前記生分解性ポリマー発泡構造体は実質的に独立気泡構造である、請求項1記載の製造方法。
【請求項19】
生分解性ポリマー、およびギ酸メチルを含有する発泡剤を含む膨張性ポリマー配合物を調製する工程と、
前記配合物を膨張させ生分解性ポリマー発泡構造体を形成する工程とを含む方法で製造される生分解性ポリマー発泡構造体。
【請求項20】
前記ポリマー発泡構造体はポリマー発泡板である、請求項19記載のポリマー発泡構造体。
【請求項21】
前記ポリマー発泡構造体はポリマー発泡シートである、請求項19記載のポリマー発泡構造体。
【請求項22】
前記膨張性ポリマー配合物を調製する工程は、膨張工程の前に、前記配合物から膨張性ビーズを形成することをさらに含む、請求項19記載のポリマー発泡構造体。
【請求項23】
前記発泡剤は、約1wt%〜約99wt%のギ酸メチルと、さらに少なくとも1つの共発泡剤を含むブレンドである、請求項19記載のポリマー発泡構造体。
【請求項24】
前記の少なくとも1つの共発泡剤は、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エステル、エーテル、アセタール、アルカノール、カーボネート、アミン、ケトン、無機薬剤、および化学発泡剤からなる群より選択される、請求項23記載のポリマー発泡構造体。
【請求項25】
請求項19記載の生分解性発泡構造体、および前記発泡体上に設けられた被覆フィルムを含み、前記被覆フィルムは、非生分解性熱可塑性ポリマー、生分解性ポリマー、またはこれらの組み合わせを含む、複合ポリマー発泡構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−513604(P2010−513604A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541555(P2009−541555)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/087231
【国際公開番号】WO2008/076755
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(500134698)パクティヴ・コーポレーション (16)
【Fターム(参考)】