クッション付き封筒及びその封筒の製造装置
【目的】 本発明は、クッション製のあるフラップ付きの包装装置に関する。
【構成】 対向内面に片面段ボールを配した上下側原紙(P)・(P′)の三方を圧着するための上型体(2)とヒーター付き下型体(3)を相互に上下動できるように配置し、上型体(2)の基部横辺に接着用押圧型とミシン目成形用カッター(4)を設け、下側原紙の片側幅(W1)を上側原紙の片側幅(W)より開口を塞ぐためのフラップ長さ(Wn)に相当する分だけ狭幅にし、前記フラップの縁辺に沿って両面接着テープ(T)を貼着し、上下原紙の片側縁辺(P2)・(P2′)と他側の両面接着テープ付きフラップ部位(P3′)を挟持圧着しながら前方に送る引出しローラー(6)を設け、そのケース体引出しローラーの前方において、引出しローラー(6)で挟持しているケース体(A)を連結する繋ぎ部(E)の中間に成形したミシン目(B)を境として連結ケース体を食い千切り状態で切り離すケース体分離ローラー(7)を設けた構成。
【構成】 対向内面に片面段ボールを配した上下側原紙(P)・(P′)の三方を圧着するための上型体(2)とヒーター付き下型体(3)を相互に上下動できるように配置し、上型体(2)の基部横辺に接着用押圧型とミシン目成形用カッター(4)を設け、下側原紙の片側幅(W1)を上側原紙の片側幅(W)より開口を塞ぐためのフラップ長さ(Wn)に相当する分だけ狭幅にし、前記フラップの縁辺に沿って両面接着テープ(T)を貼着し、上下原紙の片側縁辺(P2)・(P2′)と他側の両面接着テープ付きフラップ部位(P3′)を挟持圧着しながら前方に送る引出しローラー(6)を設け、そのケース体引出しローラーの前方において、引出しローラー(6)で挟持しているケース体(A)を連結する繋ぎ部(E)の中間に成形したミシン目(B)を境として連結ケース体を食い千切り状態で切り離すケース体分離ローラー(7)を設けた構成。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用後の廃棄処分に適すると共に、ある程度のクッション性を必要とするフラップ付きの封筒及びその封筒の製造装置に関し、上下のロール体から繰り出されて横幅の異なる原紙を重ね合わせ又は単一のロール体から繰り出した原紙を横幅が異なるように二つ折りして開口部を封緘するフラップを設けたクッション付き封筒体を連続して製造できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
一般に使用後の廃棄に適する緩衝封筒及びその製造装置は知られている。例えば、第1の発明は、対向内面に緩衝面が位置するプラスチック気泡シート緩衝材を内包すると共に、封筒の外面に切断用切れ目を設けることによって、使用後はその切れ目から切り開くことによって、紙製封筒と気泡シートを分離して廃棄できるようにしたものである。
また、第2の発明は、対向内面に緩衝面が位置するプラスチック気泡シート緩衝材を内包すると共に、そのプラスチック気泡シート緩衝材を紙製封筒体に接着ないし融着しないことによって、使用後はプラスチック気泡シート緩衝材を封筒体と分離して取り出して廃棄できるようにしたものである。
さらに、第3の発明は対向内面に緩衝面が位置するプラスチック気泡シート緩衝袋を内包すると共に、その口部だけを接着剤によってクラフト紙製袋に結合した封筒及びその封筒製造装置である。
そして、第4の発明は、対面する片面段ボール紙を互いに交差接触するように貼着して形成した封筒素材を、袋状に折り曲げ、重ね合わせ部を貼着して形成した緩衝機能付き封筒である。
【特許文献1】特開2004−352253号の発明
【特許文献2】特開2004−338745号の発明
【特許文献3】特開2004−231268号の発明
【特許文献4】特開2002−037265号の発明
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、特許文献1〜3の発明は、いずれも紙製袋体とプラスチック気泡シート緩衝材を用いているため、用済み後の廃棄にあたっては、そのままの状態では処分できず、必ず分離しなければならないと共に、分離後であってもプラスチック気泡シート緩衝材はリサイクル可能な資源ゴミとはならない。この点、本発明のように用済み後の包装体に一切手を加えず、原形の状態でリサイクル可能に廃棄処分できるものとは異なる。
【0004】
次に、特許文献1の発明は、製造に際して封筒体に切れ目を入れ、且つ廃棄に当たっては一々切れ目から切り裂かなければならず面倒である。
特許文献2の発明は、封筒に内包したプラスチック気泡シート緩衝材が抜け出さないように封筒の口部に係止片を設けなければならず、その分加工工程が増すと共に、材料費が嵩むことになる。
特許文献3の発明は、紙袋に内包するプラスチック気泡シート緩衝袋が抜け出さないようにその口部を接着剤で結合するため、廃棄の際はその接着剤から剥離しなければならずその作業が面倒である。
次に、特許文献4の発明は、内面に段ボール面を有する緩衝機能付き封筒であるが、封筒の胴回りの接着面が背面の中央になっているため、一個一個手作業で加工するものである。本願発明のように機械で自動製造するものとは異なる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明は上記の課題を解決するために提供するものである。
本発明の第1はクッション付き封筒において、対向する内面に波状段部を設けると共にあらかじめ加熱接着剤又は加圧接着剤を塗布した片面段ボール製の上側原紙と下側原紙を左右両側の縁辺と底縁辺及び内面に剥離紙付き両面テープを糊着した開口部のフラップを加熱接着又は加圧接着したものである。
【0006】
本発明の第2はクッション付き封筒において、対向する内面に波状段部を設けると共にあらかじめ加熱接着剤又は加圧接着剤を塗布した片面段ボール製の単一原紙を中折り具によって横幅方向の中心からフラップ長さ分をずらして二つ折りし、上側原紙と下側原紙の左右両側縁辺及び内面に剥離紙付き両面テープを糊着したフラップを加熱接着又は加圧接着し、開口部の余剰縁辺をフラップとしたものである。
【0007】
本発明の第3は封筒の製造装置において、対向内面に位置する波状段部の面にあらかじめ加圧接着剤又は加熱接着剤を塗布した片面段ボール製の上側原紙と下側原紙を挿通するために常時は設定の間隔を保持した上型体とヒーター付き下型体を相互に上下動できるように配置し、上型体の基部横辺に接着用押圧型とミシン目成形用カッターを当該上型体と別個に上下動できるように設け、この上下の原紙をロール体にして軸支し、当該原紙のうち、一方の原紙の横幅を他方の原紙の横幅より開口部を塞ぐためのフラップ幅に相当する分だけ短くすると共に、前記フラップの縁辺に沿って剥離紙付き両面接着テープを貼着し、前記の上下原紙をセンサーの感知でケース体引出しローラーの回転数により封筒体の横方向の長さを設定して引出しの開始又は停止を行うようにし、前記上下原紙の底部側縁辺と開口部側の剥離紙付き両面接着テープ付きフラップを挟持圧着しながら前方に送る引出しローラーを設け、その封筒体引出しローラーの前方において、引出しローラーで挟持しているケース体を連結する繋ぎ部の中間に成形したミシン目を境として連続する封筒体を食い千切り状態で切り離す分離ローラーを設けたものである。
【0008】
本発明の第4は封筒の製造装置において、波状段部の面にあらかじめ加熱接着剤又は加圧接着剤を塗布した片面段ボール製の原紙をロール体にして軸支し、そのロール体から繰り出した原紙の一側横幅を他側横幅よりフラップとなる幅の分を短く設定して中折り具で二つ折りにしながら波状段部を対面させて上下二重の原紙にすると共に、前記フラップの内面に沿って剥離紙付き両面接着テープを貼着し、前記の上下原紙を設定の送り量によって封筒体の横方向の長さを設定して引出しの開始又は停止を行うようにし、且つ上型体とヒーター付きの下型体によって、接着済みの前方側縁辺を除く後方側縁辺及び開口部側フラップを加熱圧着して封筒体を成形した後に前方に送り出し、隣り合う連続封筒体の繋ぎ部をカッターで切断して単体の封筒体にしたものである。
【0009】
本発明の第5は、本発明の第3又は第4に係るクッション付き封筒の製造装置において、上側原紙の外表面に製品表示・宛て先その他の表示体を貼着又は印刷表示する機構を設けたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は上記の構成であるから次のような効果がある。すなわち、封筒体とその対向内面のクッションとなる波状段部はいずれも紙製であるから、用済み後の廃棄処分に何ら手を加えずにそのままの状態でリサイクル可能に資源ゴミとして廃棄処分ができる。
【0011】
次に、封筒は横幅の寸法が異なる上下原紙の繰り出しで、その横幅の長い原紙側でフラップが形成され、当該フラップ側の開口部を除く左右側辺・底辺を糊着したことによって封筒体が形成され、且つその対向内面に段ボールが形成されていることによってこれが緩衝材となって、割れ易い物や壊れ易い物の包装に好適である。
【0012】
請求項3にあっては、単一のロール体から単一枚の原紙をフラップ分が異なる長さで二つ折りすることによって糊着しなくても底部が形成され、且つ、左右の縦縁辺を糊着するだけで封筒体を得ることができる。したがって、この場合は、ロール体を2個設ける必要がなく1個のロール体で封筒体の製造が可能となった。
【0013】
そして、請求項1・3にあっては、上下の原紙でクッションを必要とする収容物を任意に選択して収容できるフラップ付きの連続する封筒体を連続して加工することができ、且つその封筒体を加工する速度が速く効率的である。そして、一方ではその連続成形しながら、他方では送り出された連続している封筒体をミシン目から挟持ローラーと引出しローラーを介して一個ずつ切り離していくことができる。
【0014】
請求項2・4にあっては、連続成形しながら、他方では送り出された連続して繋がっている封筒体を上下動するカッターによって、一個ずつ切り離していくことができる。
【0015】
さらに、上下から繰り出す原紙は片面段ボールを用い、そのクッション面側に加熱接着剤又は加圧接着剤を塗布してあることによって目的に応じて1台の機械で使い分けすることができる。
【0016】
そして、上下原紙の送り量(寸法)を任意に設定が可能であるから、請求項3にあっては、上側に横幅W=290mmの原紙Pを使い、下側に横幅W1=330mmの原紙P′を使う。
また請求項4にあっては、横幅W+W1=600mmの原紙を二つ折りして使うことによって、大形の立体物から小形の長尺立体物を収容できる大きさの封筒を1台の機械で成形することができる。
【0017】
そして、封筒体の片面に表示機を介して内容物又は宛先その他の表示体を印刷又は貼着することができる。
【実施例】
【0018】
上記手段に基づく実施例を説明する。本発明の実施例を図面に即して説明する。1はケース体整形用のガイドプレートであり、アッパープレート11とこれに対面するアンダープレート12とから成り、この位置に到達した被包装物を包装した後に次工程に移動するようになっている。2は封筒体成形用の上側原紙Pを押圧するための上型体であり、所定の間隔で左右の型体21・22が設けられている。23は上型体2(21・22)の基部において別個に近接して設けた繋ぎ部Eを形成するための横辺型である。3は下側原紙P′をその外形が接触しないように囲んで上下動できるように配置したコ字形を成す原紙溶着用ヒーター付の下型体である。図2において、上型体2と下型体3が設定間隔Sで対面した位置から鎖線状態のように圧接できるように配置してある。
【0019】
上記の封筒体Aを成形する上側原紙Pと下側原紙P′は、対向内面にクッションとなる波状段部が成形されている片面段ボールを用いるものとし、図6のように連続波状の表面に加熱接着剤Dまたは加圧接着剤D′が塗布されている。これをロール巻きして上側ロール体Prと下側ロール体Pr′にして配置してある。
【0020】
4は上型体2の後部に設けたミシン目成形刃であり、繋ぎ部E(e・e)の中央部位に位置すると共に、上型体2と別個に設け、互いに独立して上下動し、又は同調して上下動するように設定されている。5は前記ミシン目成形用カッターが通過できる溝孔であり、上型体2と下型体3の左右両側辺21・22、31・32と別個に設けた基部横辺型体23、33に形成してある。
【0021】
6は前記の上型体2と下型体3の前方に設けたケース体引出し用のローラーである。このローラーは、対向内面又は下側を可とする一方の原紙の内面に加熱接着材を塗布してある上下の原紙を、前工程で加熱接着済みの封筒体前部横辺Pl・Pl′を除く左右両側縁辺P2・P2′、P3′及び後部横辺P4・P4′を上下から挟持して加熱接着し又は加圧接着した後に前方に移動するようになっている。
前記の連続封筒体の右側辺P3・P3′のうち、下側辺P3′は長さWnのフラップとし、その縁辺に沿って封緘用の剥離紙付き両面粘着テープTを配置する。また、上側辺P1はフラップの長さWnの分だけ短くしてあり、この側辺部位だけは上下側辺P1・P2を糊着せず、開口部となっている。
【0022】
また、前記上型体と別個に設けた基部横辺型体2lによって封筒体基部横辺P4・P4′を上下から挟持して加熱接着し又は加圧接着するようになっている。
この場合、当該ローラーの回転数によって決まった封筒体を通常は一定寸法分だけ引き出すようになっているが、設定変更によって封筒体2個分以上の複数個分を引き出すことも可能である。
【0023】
7は前記のケース体引出しローラー6の前方に配置したケース体分離用ローラーであり、停止している引出しローラー6に対して当該ケース体分離用ローラー7を駆動して封筒体Aをミシン目Bから食い千切った状態で切り離すことができるようにしてある。
【0024】
8は原紙溶着用ヒーター付の上型体2及び下型体3の上下動用圧力シリンダ、9は封筒体の一部感知して上下の原紙P・P′の引出し用ローラー6の駆動開始又は停止を行うセンサーであり、当該封筒体が通過した後、下型体3が上昇し又は上型体2が下降する構成になっている。
【0025】
10は上側原紙Pの表面に荷札又はバーコードラベル又はスタンプ等を用いて封筒体Aの中身や宛て先等を表示する貼付機・スタンプ機等の表示機である。11は封筒体Aを成形した後に連続している繋ぎ部Eを切断するためのカッターであり、シリンダにより上下動する上側の可動刃111と下側の固定刃112から成っている。12は上下側原紙P′・Pを上下型体2・3の間に供給するまでの間のガイドプレートである。図中r・r′は上下の原紙P・P′を巻き掛け、又はガイドするためのローラー軸を示す。
【0026】
図4及び図5において、13は上下型体2・3を上下動させるためのモーター、14はモーターの取出軸に設けたピニオン、15・15′はそのピニオンの左右両側に配置した垂直ラックであり、その一方15を下型体側に取付け、他方15′を上型体側に取り付けてある。そして、図4の正面視でモーターの右回転によって上下型体2・3がラックと共に移動して相互に接近し、左回転によって上下型体2・3はラックと共に互いに離反するように設定されている。16は上型体2の横辺型体23及びミシン目成形刃4を上下動させるためのモーターであり、その取出軸に設けたピニオンを垂直ラックに噛合してある(いずれも図示省略)。そして、正面視で右回転によって横辺型体23とミシン目成形刃4が下降し、反対左回転で上昇するように設定してある。
【0027】
図12〜図14において、17はロール体Pr′から繰り出す原紙P′をフラップP3′の長さの差を有して二つ折りする中折り具である。図中、Tは二つ折りして段ボール面を対面させて上側原紙Pと下側原紙P′に重ねあわせた原紙のフラップP3′の内面の横方向に貼着する剥離紙付接着テープである。
【0028】
「封筒体の製造工程例(1)」
次に発明の製造工程例を図1及び図2に即して説明する。
(1) 準備工程として、常時は上下の型体2・3を互いに離反して開いておく(図7(a))。対向内面が波状段部であり、且つ横幅(例えばW=330mm・W1=290mm)が異なる上下原紙P・P′を繰り出して横辺型体23を越え、引出しローラー6に届く長さにして停止させておく。
(2) この状態で横辺型体23をシリンダ8"の作動で下降させ、同時に下型体3をシリンダ8′の作動で上昇して接合させる(図7(a))。これによって、上下の原紙P・P′の先端部P1・P1′を加圧接着又は加熱接着する(図8(a))。
(3) この状態から、横辺型体23を上昇させると共に、下型体3を下降させて開いておく(図7(c))。
(4) その間に、原紙の所定個所をセンサー9で感知して駆動する引出しローラー6で引き出して基部接着部を上下型体2・3の先端付近まで送り、シリンダ8・8′の作動で上型体2の左右型21・22と下型体3(31・32)を接合させる(図7(d))。このとき、表示機10によって上側原紙Pの表面に宛先や中身を表すラベル又はバーコード等の表示物若しくは印刷表示Gなどを施す。これによって、原紙P・P′の左側辺P2・P2′と剥離紙付き両面テープT・右側下辺P3′を加圧接着又は下型体3に具備したヒーター(図示省略)を介して加熱接着する(図8(b))。このとき、ミシン目成形刃4も下降して繋ぎ部Eにミシン目Bを入れる。
(5) さらに、横辺型体23を第2モーター16の駆動で下降させて上昇したままの下型体3の横辺部と接合する(図7(e))。これによって、原紙P・P′の基部側の横辺P4・P4′加熱接着又は加圧接着して1袋分の封筒体Aが出来上がる(図8(b)鎖線示)。
(6) そして、必要に応じて引出しローラー6を停止し、且つその前部において上下原紙を挟持している食い千切りローラー7を回転させることによって封筒体Aはミシン目Bから切り離される。
【0029】
「封筒体の製造工程例(2)」
図4及び図5は上下の型体2・3と横辺型体23及びミシン目成形用刃4の駆動源をシリンダに代えてモーターにしたものを示す。
(1) 準備工程として、常時は上下の型体2・3を互いに所定の間隔Sで離反して開いておく(図7(a))。対向内面が波状段部付きの上下原紙P・P′を繰り出して横辺型体23を越えた位置で停止させておく。
(2) この状態で横辺型体23を第1モーター13の駆動でピニオン14を回転してラック15と共に上型体2を下降させ、同時にラック15′と共に下型体3を上昇させる(図7(b))。これによって、上下の原紙P・P′の先端部P1・P1′を加熱接着又は加圧接着する(図8(a))。
(3) この状態から、横辺型体23を上昇させると共に、上下型体2・3を下降させて開いておく(図7(c))。
(4) その間に、上側原紙Pと下側原紙P′をその先端部位を上下型体2・3の先端付近まで送り、モーター13の駆動で上型体2の左右型21・22と下型体3(31・32)を接合させる(図7(d))。これによって、原紙P・P′の左側辺P2・P2′と剥離紙付き両面接着テープT・右側下辺P3′を加熱接着又は加圧接着する(図8(b))。
(5) さらに、横辺型体23をモーター16の駆動で下降させて上昇したままの下型3の横辺部と接合する(図7(e))。これによって、原紙P・P′の基部側の横辺P4・P4′を加熱着又は加圧接着する(図8(b)鎖線示)。
(6) そして、必要に応じて引出しローラー6を停止し、且つその前部において上下原紙を挟持している食い千切りローラー7を回転させることによって封筒体Aはミシン目Bから切り離される。
【0030】
「封筒体の製造工程例(3)」
(1) 準備工程として、常時は上下の型体2・3を互いに離反して開いておく(図7(a))。次いで、図12において、横幅(W+W1)を例えば600mmに設定した単一のロール体Pr′から原紙P′を繰り出すと共に二つ折りして上下原紙P・P′にして横辺型体23を越え、引出しローラー6に届く長さにして停止させておく。
(2) 次に、ロール体Pr′から繰り出す原紙P′の一側(W)を325mmに設定し、他側(W1)を275mmに設定した位置で中折具17を介して波状段部を対向内面にして二つ折りにしながら進行する。
(3) 次に、上記原紙の進行と同期してロール体Trから剥離紙付両面接着テープTを繰り出してフラップのP3′の内面に貼着する。
(4) その後の工程は、上記段落「0028」又は「0029」の工程(2)〜(5)と同じである。
(5) 連続成形された封筒体Aをカッター11で切断する。すなわち、シリンダで上下動する可動刃111の下降により、下側の固定刃112によって切り離される。
【0031】
「荷札・バーコードラベル等の貼着工程」
段落「0029」の(4)において封筒体Aとなる平面に表示機10によって、宛て先や中身を表示する荷札・バーコードラベル等表示物Gを貼着又は印刷表示する。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、衝撃や帯電を嫌うものや、CDやカセットテープ又は比較的厚さが薄い書籍類の包装のほか、長尺の直定規や棒状体を包装する封筒を得ることができる。
そして、上下の原紙を接着するのに、当該原紙に加圧接着剤を塗布して、上下型体の挟持で加圧接着できる。この場合は、下型体に具備してあるヒーターは電源オフにしておく。また、上下の原紙に加熱接着を塗布して、上下型体の挟持して下型体のヒーターの電源オンにして加熱接着できるようになっている。従って1台の機械で目的・用途に応じて選択して使い分けることができようとの拡大が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る被包装物の包装装置の概略正面図である。
【図2】図1の概略側面図である。
【図3】図1の要部の概略平面図である。
【図4】図1の他例の包装装置を示す概略正面図である。
【図5】図4の他例の包装装置を示す概略側面図である。
【図6】図1の一部を示す拡大正面図である。
【図7】上下型体の作動工程を示す概略正面図である。
【図8】ケース体の製造工程の説明図である。
【図9】単体のケース体の斜視図である。
【図10】ケース体が連続加工した例を示す斜視図である。
【図11】図10の11−11線に沿う断面図である。+
【図12】図1の被包装物の包装装置とは別の二つ折り封筒製造装置の概略正面図である。
【図13】図12の一部の拡大図である。
【図14】封筒体を連続加工した例を示す斜視図である。
【図15】図14の一部の拡大平面図である。
【図16】図14の単一の封筒体の斜視図である。
【図17】図16の17−17線に沿う断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 機体
2 ガイドプレート
2 上型体
3 下型体
4 ヒーター付きのミシン目成形刃
5 溝孔
6 袋体引出しローラー
7 ケース体のミシン目からの分離用ローラー
8 下型体の上下動用シリンダ
9 封筒体の原紙供給用センサー
10 表示機
11 カッター
12 ガイドプレート
13 モーター
14 ピニオン
15 ラック
16 モーター
17 カッター
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用後の廃棄処分に適すると共に、ある程度のクッション性を必要とするフラップ付きの封筒及びその封筒の製造装置に関し、上下のロール体から繰り出されて横幅の異なる原紙を重ね合わせ又は単一のロール体から繰り出した原紙を横幅が異なるように二つ折りして開口部を封緘するフラップを設けたクッション付き封筒体を連続して製造できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
一般に使用後の廃棄に適する緩衝封筒及びその製造装置は知られている。例えば、第1の発明は、対向内面に緩衝面が位置するプラスチック気泡シート緩衝材を内包すると共に、封筒の外面に切断用切れ目を設けることによって、使用後はその切れ目から切り開くことによって、紙製封筒と気泡シートを分離して廃棄できるようにしたものである。
また、第2の発明は、対向内面に緩衝面が位置するプラスチック気泡シート緩衝材を内包すると共に、そのプラスチック気泡シート緩衝材を紙製封筒体に接着ないし融着しないことによって、使用後はプラスチック気泡シート緩衝材を封筒体と分離して取り出して廃棄できるようにしたものである。
さらに、第3の発明は対向内面に緩衝面が位置するプラスチック気泡シート緩衝袋を内包すると共に、その口部だけを接着剤によってクラフト紙製袋に結合した封筒及びその封筒製造装置である。
そして、第4の発明は、対面する片面段ボール紙を互いに交差接触するように貼着して形成した封筒素材を、袋状に折り曲げ、重ね合わせ部を貼着して形成した緩衝機能付き封筒である。
【特許文献1】特開2004−352253号の発明
【特許文献2】特開2004−338745号の発明
【特許文献3】特開2004−231268号の発明
【特許文献4】特開2002−037265号の発明
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、特許文献1〜3の発明は、いずれも紙製袋体とプラスチック気泡シート緩衝材を用いているため、用済み後の廃棄にあたっては、そのままの状態では処分できず、必ず分離しなければならないと共に、分離後であってもプラスチック気泡シート緩衝材はリサイクル可能な資源ゴミとはならない。この点、本発明のように用済み後の包装体に一切手を加えず、原形の状態でリサイクル可能に廃棄処分できるものとは異なる。
【0004】
次に、特許文献1の発明は、製造に際して封筒体に切れ目を入れ、且つ廃棄に当たっては一々切れ目から切り裂かなければならず面倒である。
特許文献2の発明は、封筒に内包したプラスチック気泡シート緩衝材が抜け出さないように封筒の口部に係止片を設けなければならず、その分加工工程が増すと共に、材料費が嵩むことになる。
特許文献3の発明は、紙袋に内包するプラスチック気泡シート緩衝袋が抜け出さないようにその口部を接着剤で結合するため、廃棄の際はその接着剤から剥離しなければならずその作業が面倒である。
次に、特許文献4の発明は、内面に段ボール面を有する緩衝機能付き封筒であるが、封筒の胴回りの接着面が背面の中央になっているため、一個一個手作業で加工するものである。本願発明のように機械で自動製造するものとは異なる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明は上記の課題を解決するために提供するものである。
本発明の第1はクッション付き封筒において、対向する内面に波状段部を設けると共にあらかじめ加熱接着剤又は加圧接着剤を塗布した片面段ボール製の上側原紙と下側原紙を左右両側の縁辺と底縁辺及び内面に剥離紙付き両面テープを糊着した開口部のフラップを加熱接着又は加圧接着したものである。
【0006】
本発明の第2はクッション付き封筒において、対向する内面に波状段部を設けると共にあらかじめ加熱接着剤又は加圧接着剤を塗布した片面段ボール製の単一原紙を中折り具によって横幅方向の中心からフラップ長さ分をずらして二つ折りし、上側原紙と下側原紙の左右両側縁辺及び内面に剥離紙付き両面テープを糊着したフラップを加熱接着又は加圧接着し、開口部の余剰縁辺をフラップとしたものである。
【0007】
本発明の第3は封筒の製造装置において、対向内面に位置する波状段部の面にあらかじめ加圧接着剤又は加熱接着剤を塗布した片面段ボール製の上側原紙と下側原紙を挿通するために常時は設定の間隔を保持した上型体とヒーター付き下型体を相互に上下動できるように配置し、上型体の基部横辺に接着用押圧型とミシン目成形用カッターを当該上型体と別個に上下動できるように設け、この上下の原紙をロール体にして軸支し、当該原紙のうち、一方の原紙の横幅を他方の原紙の横幅より開口部を塞ぐためのフラップ幅に相当する分だけ短くすると共に、前記フラップの縁辺に沿って剥離紙付き両面接着テープを貼着し、前記の上下原紙をセンサーの感知でケース体引出しローラーの回転数により封筒体の横方向の長さを設定して引出しの開始又は停止を行うようにし、前記上下原紙の底部側縁辺と開口部側の剥離紙付き両面接着テープ付きフラップを挟持圧着しながら前方に送る引出しローラーを設け、その封筒体引出しローラーの前方において、引出しローラーで挟持しているケース体を連結する繋ぎ部の中間に成形したミシン目を境として連続する封筒体を食い千切り状態で切り離す分離ローラーを設けたものである。
【0008】
本発明の第4は封筒の製造装置において、波状段部の面にあらかじめ加熱接着剤又は加圧接着剤を塗布した片面段ボール製の原紙をロール体にして軸支し、そのロール体から繰り出した原紙の一側横幅を他側横幅よりフラップとなる幅の分を短く設定して中折り具で二つ折りにしながら波状段部を対面させて上下二重の原紙にすると共に、前記フラップの内面に沿って剥離紙付き両面接着テープを貼着し、前記の上下原紙を設定の送り量によって封筒体の横方向の長さを設定して引出しの開始又は停止を行うようにし、且つ上型体とヒーター付きの下型体によって、接着済みの前方側縁辺を除く後方側縁辺及び開口部側フラップを加熱圧着して封筒体を成形した後に前方に送り出し、隣り合う連続封筒体の繋ぎ部をカッターで切断して単体の封筒体にしたものである。
【0009】
本発明の第5は、本発明の第3又は第4に係るクッション付き封筒の製造装置において、上側原紙の外表面に製品表示・宛て先その他の表示体を貼着又は印刷表示する機構を設けたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は上記の構成であるから次のような効果がある。すなわち、封筒体とその対向内面のクッションとなる波状段部はいずれも紙製であるから、用済み後の廃棄処分に何ら手を加えずにそのままの状態でリサイクル可能に資源ゴミとして廃棄処分ができる。
【0011】
次に、封筒は横幅の寸法が異なる上下原紙の繰り出しで、その横幅の長い原紙側でフラップが形成され、当該フラップ側の開口部を除く左右側辺・底辺を糊着したことによって封筒体が形成され、且つその対向内面に段ボールが形成されていることによってこれが緩衝材となって、割れ易い物や壊れ易い物の包装に好適である。
【0012】
請求項3にあっては、単一のロール体から単一枚の原紙をフラップ分が異なる長さで二つ折りすることによって糊着しなくても底部が形成され、且つ、左右の縦縁辺を糊着するだけで封筒体を得ることができる。したがって、この場合は、ロール体を2個設ける必要がなく1個のロール体で封筒体の製造が可能となった。
【0013】
そして、請求項1・3にあっては、上下の原紙でクッションを必要とする収容物を任意に選択して収容できるフラップ付きの連続する封筒体を連続して加工することができ、且つその封筒体を加工する速度が速く効率的である。そして、一方ではその連続成形しながら、他方では送り出された連続している封筒体をミシン目から挟持ローラーと引出しローラーを介して一個ずつ切り離していくことができる。
【0014】
請求項2・4にあっては、連続成形しながら、他方では送り出された連続して繋がっている封筒体を上下動するカッターによって、一個ずつ切り離していくことができる。
【0015】
さらに、上下から繰り出す原紙は片面段ボールを用い、そのクッション面側に加熱接着剤又は加圧接着剤を塗布してあることによって目的に応じて1台の機械で使い分けすることができる。
【0016】
そして、上下原紙の送り量(寸法)を任意に設定が可能であるから、請求項3にあっては、上側に横幅W=290mmの原紙Pを使い、下側に横幅W1=330mmの原紙P′を使う。
また請求項4にあっては、横幅W+W1=600mmの原紙を二つ折りして使うことによって、大形の立体物から小形の長尺立体物を収容できる大きさの封筒を1台の機械で成形することができる。
【0017】
そして、封筒体の片面に表示機を介して内容物又は宛先その他の表示体を印刷又は貼着することができる。
【実施例】
【0018】
上記手段に基づく実施例を説明する。本発明の実施例を図面に即して説明する。1はケース体整形用のガイドプレートであり、アッパープレート11とこれに対面するアンダープレート12とから成り、この位置に到達した被包装物を包装した後に次工程に移動するようになっている。2は封筒体成形用の上側原紙Pを押圧するための上型体であり、所定の間隔で左右の型体21・22が設けられている。23は上型体2(21・22)の基部において別個に近接して設けた繋ぎ部Eを形成するための横辺型である。3は下側原紙P′をその外形が接触しないように囲んで上下動できるように配置したコ字形を成す原紙溶着用ヒーター付の下型体である。図2において、上型体2と下型体3が設定間隔Sで対面した位置から鎖線状態のように圧接できるように配置してある。
【0019】
上記の封筒体Aを成形する上側原紙Pと下側原紙P′は、対向内面にクッションとなる波状段部が成形されている片面段ボールを用いるものとし、図6のように連続波状の表面に加熱接着剤Dまたは加圧接着剤D′が塗布されている。これをロール巻きして上側ロール体Prと下側ロール体Pr′にして配置してある。
【0020】
4は上型体2の後部に設けたミシン目成形刃であり、繋ぎ部E(e・e)の中央部位に位置すると共に、上型体2と別個に設け、互いに独立して上下動し、又は同調して上下動するように設定されている。5は前記ミシン目成形用カッターが通過できる溝孔であり、上型体2と下型体3の左右両側辺21・22、31・32と別個に設けた基部横辺型体23、33に形成してある。
【0021】
6は前記の上型体2と下型体3の前方に設けたケース体引出し用のローラーである。このローラーは、対向内面又は下側を可とする一方の原紙の内面に加熱接着材を塗布してある上下の原紙を、前工程で加熱接着済みの封筒体前部横辺Pl・Pl′を除く左右両側縁辺P2・P2′、P3′及び後部横辺P4・P4′を上下から挟持して加熱接着し又は加圧接着した後に前方に移動するようになっている。
前記の連続封筒体の右側辺P3・P3′のうち、下側辺P3′は長さWnのフラップとし、その縁辺に沿って封緘用の剥離紙付き両面粘着テープTを配置する。また、上側辺P1はフラップの長さWnの分だけ短くしてあり、この側辺部位だけは上下側辺P1・P2を糊着せず、開口部となっている。
【0022】
また、前記上型体と別個に設けた基部横辺型体2lによって封筒体基部横辺P4・P4′を上下から挟持して加熱接着し又は加圧接着するようになっている。
この場合、当該ローラーの回転数によって決まった封筒体を通常は一定寸法分だけ引き出すようになっているが、設定変更によって封筒体2個分以上の複数個分を引き出すことも可能である。
【0023】
7は前記のケース体引出しローラー6の前方に配置したケース体分離用ローラーであり、停止している引出しローラー6に対して当該ケース体分離用ローラー7を駆動して封筒体Aをミシン目Bから食い千切った状態で切り離すことができるようにしてある。
【0024】
8は原紙溶着用ヒーター付の上型体2及び下型体3の上下動用圧力シリンダ、9は封筒体の一部感知して上下の原紙P・P′の引出し用ローラー6の駆動開始又は停止を行うセンサーであり、当該封筒体が通過した後、下型体3が上昇し又は上型体2が下降する構成になっている。
【0025】
10は上側原紙Pの表面に荷札又はバーコードラベル又はスタンプ等を用いて封筒体Aの中身や宛て先等を表示する貼付機・スタンプ機等の表示機である。11は封筒体Aを成形した後に連続している繋ぎ部Eを切断するためのカッターであり、シリンダにより上下動する上側の可動刃111と下側の固定刃112から成っている。12は上下側原紙P′・Pを上下型体2・3の間に供給するまでの間のガイドプレートである。図中r・r′は上下の原紙P・P′を巻き掛け、又はガイドするためのローラー軸を示す。
【0026】
図4及び図5において、13は上下型体2・3を上下動させるためのモーター、14はモーターの取出軸に設けたピニオン、15・15′はそのピニオンの左右両側に配置した垂直ラックであり、その一方15を下型体側に取付け、他方15′を上型体側に取り付けてある。そして、図4の正面視でモーターの右回転によって上下型体2・3がラックと共に移動して相互に接近し、左回転によって上下型体2・3はラックと共に互いに離反するように設定されている。16は上型体2の横辺型体23及びミシン目成形刃4を上下動させるためのモーターであり、その取出軸に設けたピニオンを垂直ラックに噛合してある(いずれも図示省略)。そして、正面視で右回転によって横辺型体23とミシン目成形刃4が下降し、反対左回転で上昇するように設定してある。
【0027】
図12〜図14において、17はロール体Pr′から繰り出す原紙P′をフラップP3′の長さの差を有して二つ折りする中折り具である。図中、Tは二つ折りして段ボール面を対面させて上側原紙Pと下側原紙P′に重ねあわせた原紙のフラップP3′の内面の横方向に貼着する剥離紙付接着テープである。
【0028】
「封筒体の製造工程例(1)」
次に発明の製造工程例を図1及び図2に即して説明する。
(1) 準備工程として、常時は上下の型体2・3を互いに離反して開いておく(図7(a))。対向内面が波状段部であり、且つ横幅(例えばW=330mm・W1=290mm)が異なる上下原紙P・P′を繰り出して横辺型体23を越え、引出しローラー6に届く長さにして停止させておく。
(2) この状態で横辺型体23をシリンダ8"の作動で下降させ、同時に下型体3をシリンダ8′の作動で上昇して接合させる(図7(a))。これによって、上下の原紙P・P′の先端部P1・P1′を加圧接着又は加熱接着する(図8(a))。
(3) この状態から、横辺型体23を上昇させると共に、下型体3を下降させて開いておく(図7(c))。
(4) その間に、原紙の所定個所をセンサー9で感知して駆動する引出しローラー6で引き出して基部接着部を上下型体2・3の先端付近まで送り、シリンダ8・8′の作動で上型体2の左右型21・22と下型体3(31・32)を接合させる(図7(d))。このとき、表示機10によって上側原紙Pの表面に宛先や中身を表すラベル又はバーコード等の表示物若しくは印刷表示Gなどを施す。これによって、原紙P・P′の左側辺P2・P2′と剥離紙付き両面テープT・右側下辺P3′を加圧接着又は下型体3に具備したヒーター(図示省略)を介して加熱接着する(図8(b))。このとき、ミシン目成形刃4も下降して繋ぎ部Eにミシン目Bを入れる。
(5) さらに、横辺型体23を第2モーター16の駆動で下降させて上昇したままの下型体3の横辺部と接合する(図7(e))。これによって、原紙P・P′の基部側の横辺P4・P4′加熱接着又は加圧接着して1袋分の封筒体Aが出来上がる(図8(b)鎖線示)。
(6) そして、必要に応じて引出しローラー6を停止し、且つその前部において上下原紙を挟持している食い千切りローラー7を回転させることによって封筒体Aはミシン目Bから切り離される。
【0029】
「封筒体の製造工程例(2)」
図4及び図5は上下の型体2・3と横辺型体23及びミシン目成形用刃4の駆動源をシリンダに代えてモーターにしたものを示す。
(1) 準備工程として、常時は上下の型体2・3を互いに所定の間隔Sで離反して開いておく(図7(a))。対向内面が波状段部付きの上下原紙P・P′を繰り出して横辺型体23を越えた位置で停止させておく。
(2) この状態で横辺型体23を第1モーター13の駆動でピニオン14を回転してラック15と共に上型体2を下降させ、同時にラック15′と共に下型体3を上昇させる(図7(b))。これによって、上下の原紙P・P′の先端部P1・P1′を加熱接着又は加圧接着する(図8(a))。
(3) この状態から、横辺型体23を上昇させると共に、上下型体2・3を下降させて開いておく(図7(c))。
(4) その間に、上側原紙Pと下側原紙P′をその先端部位を上下型体2・3の先端付近まで送り、モーター13の駆動で上型体2の左右型21・22と下型体3(31・32)を接合させる(図7(d))。これによって、原紙P・P′の左側辺P2・P2′と剥離紙付き両面接着テープT・右側下辺P3′を加熱接着又は加圧接着する(図8(b))。
(5) さらに、横辺型体23をモーター16の駆動で下降させて上昇したままの下型3の横辺部と接合する(図7(e))。これによって、原紙P・P′の基部側の横辺P4・P4′を加熱着又は加圧接着する(図8(b)鎖線示)。
(6) そして、必要に応じて引出しローラー6を停止し、且つその前部において上下原紙を挟持している食い千切りローラー7を回転させることによって封筒体Aはミシン目Bから切り離される。
【0030】
「封筒体の製造工程例(3)」
(1) 準備工程として、常時は上下の型体2・3を互いに離反して開いておく(図7(a))。次いで、図12において、横幅(W+W1)を例えば600mmに設定した単一のロール体Pr′から原紙P′を繰り出すと共に二つ折りして上下原紙P・P′にして横辺型体23を越え、引出しローラー6に届く長さにして停止させておく。
(2) 次に、ロール体Pr′から繰り出す原紙P′の一側(W)を325mmに設定し、他側(W1)を275mmに設定した位置で中折具17を介して波状段部を対向内面にして二つ折りにしながら進行する。
(3) 次に、上記原紙の進行と同期してロール体Trから剥離紙付両面接着テープTを繰り出してフラップのP3′の内面に貼着する。
(4) その後の工程は、上記段落「0028」又は「0029」の工程(2)〜(5)と同じである。
(5) 連続成形された封筒体Aをカッター11で切断する。すなわち、シリンダで上下動する可動刃111の下降により、下側の固定刃112によって切り離される。
【0031】
「荷札・バーコードラベル等の貼着工程」
段落「0029」の(4)において封筒体Aとなる平面に表示機10によって、宛て先や中身を表示する荷札・バーコードラベル等表示物Gを貼着又は印刷表示する。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、衝撃や帯電を嫌うものや、CDやカセットテープ又は比較的厚さが薄い書籍類の包装のほか、長尺の直定規や棒状体を包装する封筒を得ることができる。
そして、上下の原紙を接着するのに、当該原紙に加圧接着剤を塗布して、上下型体の挟持で加圧接着できる。この場合は、下型体に具備してあるヒーターは電源オフにしておく。また、上下の原紙に加熱接着を塗布して、上下型体の挟持して下型体のヒーターの電源オンにして加熱接着できるようになっている。従って1台の機械で目的・用途に応じて選択して使い分けることができようとの拡大が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る被包装物の包装装置の概略正面図である。
【図2】図1の概略側面図である。
【図3】図1の要部の概略平面図である。
【図4】図1の他例の包装装置を示す概略正面図である。
【図5】図4の他例の包装装置を示す概略側面図である。
【図6】図1の一部を示す拡大正面図である。
【図7】上下型体の作動工程を示す概略正面図である。
【図8】ケース体の製造工程の説明図である。
【図9】単体のケース体の斜視図である。
【図10】ケース体が連続加工した例を示す斜視図である。
【図11】図10の11−11線に沿う断面図である。+
【図12】図1の被包装物の包装装置とは別の二つ折り封筒製造装置の概略正面図である。
【図13】図12の一部の拡大図である。
【図14】封筒体を連続加工した例を示す斜視図である。
【図15】図14の一部の拡大平面図である。
【図16】図14の単一の封筒体の斜視図である。
【図17】図16の17−17線に沿う断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 機体
2 ガイドプレート
2 上型体
3 下型体
4 ヒーター付きのミシン目成形刃
5 溝孔
6 袋体引出しローラー
7 ケース体のミシン目からの分離用ローラー
8 下型体の上下動用シリンダ
9 封筒体の原紙供給用センサー
10 表示機
11 カッター
12 ガイドプレート
13 モーター
14 ピニオン
15 ラック
16 モーター
17 カッター
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する内面に波状段部を設けると共にあらかじめ加熱接着剤(D)又は加圧接着剤(D′)を塗布した片面段ボール製の上側原紙(P)と下側原紙(P′)を左右両側の縁辺(P1)・(P1′)・(P2)・(P2′)と底縁辺(P4)・(P4′)及び内面に剥離紙付き両面テープ(T)を糊着した開口部のフラップ(P3′)を加熱接着又は加圧接着したこと特徴とする封筒。
【請求項2】
対向する内面に波状段部を設けると共にあらかじめ加熱接着剤(D)又は加圧接着剤(D′)を塗布した片面段ボール製の単一原紙(P′)を中折り具(17)によって横幅(W+W1)方向の中心からフラップ長さ(Wn)分をずらして二つ折りし、上側原紙(P)と下側原紙(P′)の左右両側縁辺(P1)・(P1′)・(P4)・(P4′)及び内面に剥離紙付き両面テープ(T)を糊着したフラップ(P3′)を加熱接着又は加圧接着し、開口部の余剰縁辺をフラップ(P3′)としたことを特徴とする封筒。
【請求項3】
対向内面に位置する波状段部の面にあらかじめ加熱接着剤(D)又は加圧接着剤(D′)を塗布した片面段ボール製の上側原紙(P)と下側原紙(P′)を挿通するために常時は設定の間隔(S)を保持した上型体(2)とヒーター付き下型体(3)を相互に上下動できるように配置し、上型体(2)の基部横辺に接着用押圧型とミシン目成形用カッター(4)を当該上型体と別個に上下動できるように設け、この上下の原紙(P)・(P′)をロール体(Pr)・(Pr′)にして軸支し、当該原紙のうち、一方の原紙(P)の横幅(W1)を他方の原紙(P′)の横幅(W)より開口部(a)を塞ぐためのフラップ幅(Wn)に相当する分だけ短くすると共に、前記フラップの縁辺に沿って剥離紙付き両面接着テープ(T)を貼着し、前記の上下原紙(P)・(P′)をセンサー(9)の感知でケース体引出しローラーの回転数により封筒体の横長(L)を設定して引出しの開始又は停止を行うようにし、前記上下原紙(P)・(P′)の底部側縁辺(P2)・(P2′)と開口部側の剥離紙付き両面接着テープ付きフラップ(P3′)を挟持圧着しながら前方に送る引出しローラー(6)を設け、その封筒体引出しローラーの前方において、引出しローラー(6)で挟持している封筒体(A)を連結する繋ぎ部(E)の中間に成形したミシン目(B)を境として連続する封筒体を食い千切り状態で切り離す分離ローラー(7)を設けたことを特徴とする封筒の製造装置。
【請求項4】
波状段部の面にあらかじめ加熱接着剤(D)又は加圧接着剤(D′)を塗布した片面段ボール製の原紙(P′)をロール体(Pr′)にして軸支し、そのロール体から繰り出した原紙(P′)の一側横幅(W1)を他側横幅(W)よりフラップ(P3′)となる幅(Wn)分を短く設定して中折り具(17)で二つ折りにしながら波状段部を対面させて上下二重の原紙(P)・(P′)にすると共に、前記フラップ(P3′)の内面に沿って剥離紙付き両面接着テープ(T)を貼着し、前記の上下原紙(P)・(P′)を設定の送り量によって封筒体の横長(L1L2……Ln)を設定して引出しの開始又は停止を行うようにし、且つ上型体(2)とヒーター付きの下型体(3)によって、接着済みの前方側縁辺(P1)・(P1′)を除く後方側縁辺(P4)・(P4′)及び開口部側フラップ(P3′)を加熱圧着して封筒体(A)を成形した後に前方に送り出し、隣り合う連続封筒体の繋ぎ部(E)をカッター(11)で切断して単体の封筒体(A)にしたことを特徴とする封筒製造装置。
【請求項5】
上側原紙(P)の外表面に製品表示・宛て先その他の表示体を貼着又は印刷表示する機構(10)を設けた請求項3又は請求項4記載の封筒の製造装置。
【請求項1】
対向する内面に波状段部を設けると共にあらかじめ加熱接着剤(D)又は加圧接着剤(D′)を塗布した片面段ボール製の上側原紙(P)と下側原紙(P′)を左右両側の縁辺(P1)・(P1′)・(P2)・(P2′)と底縁辺(P4)・(P4′)及び内面に剥離紙付き両面テープ(T)を糊着した開口部のフラップ(P3′)を加熱接着又は加圧接着したこと特徴とする封筒。
【請求項2】
対向する内面に波状段部を設けると共にあらかじめ加熱接着剤(D)又は加圧接着剤(D′)を塗布した片面段ボール製の単一原紙(P′)を中折り具(17)によって横幅(W+W1)方向の中心からフラップ長さ(Wn)分をずらして二つ折りし、上側原紙(P)と下側原紙(P′)の左右両側縁辺(P1)・(P1′)・(P4)・(P4′)及び内面に剥離紙付き両面テープ(T)を糊着したフラップ(P3′)を加熱接着又は加圧接着し、開口部の余剰縁辺をフラップ(P3′)としたことを特徴とする封筒。
【請求項3】
対向内面に位置する波状段部の面にあらかじめ加熱接着剤(D)又は加圧接着剤(D′)を塗布した片面段ボール製の上側原紙(P)と下側原紙(P′)を挿通するために常時は設定の間隔(S)を保持した上型体(2)とヒーター付き下型体(3)を相互に上下動できるように配置し、上型体(2)の基部横辺に接着用押圧型とミシン目成形用カッター(4)を当該上型体と別個に上下動できるように設け、この上下の原紙(P)・(P′)をロール体(Pr)・(Pr′)にして軸支し、当該原紙のうち、一方の原紙(P)の横幅(W1)を他方の原紙(P′)の横幅(W)より開口部(a)を塞ぐためのフラップ幅(Wn)に相当する分だけ短くすると共に、前記フラップの縁辺に沿って剥離紙付き両面接着テープ(T)を貼着し、前記の上下原紙(P)・(P′)をセンサー(9)の感知でケース体引出しローラーの回転数により封筒体の横長(L)を設定して引出しの開始又は停止を行うようにし、前記上下原紙(P)・(P′)の底部側縁辺(P2)・(P2′)と開口部側の剥離紙付き両面接着テープ付きフラップ(P3′)を挟持圧着しながら前方に送る引出しローラー(6)を設け、その封筒体引出しローラーの前方において、引出しローラー(6)で挟持している封筒体(A)を連結する繋ぎ部(E)の中間に成形したミシン目(B)を境として連続する封筒体を食い千切り状態で切り離す分離ローラー(7)を設けたことを特徴とする封筒の製造装置。
【請求項4】
波状段部の面にあらかじめ加熱接着剤(D)又は加圧接着剤(D′)を塗布した片面段ボール製の原紙(P′)をロール体(Pr′)にして軸支し、そのロール体から繰り出した原紙(P′)の一側横幅(W1)を他側横幅(W)よりフラップ(P3′)となる幅(Wn)分を短く設定して中折り具(17)で二つ折りにしながら波状段部を対面させて上下二重の原紙(P)・(P′)にすると共に、前記フラップ(P3′)の内面に沿って剥離紙付き両面接着テープ(T)を貼着し、前記の上下原紙(P)・(P′)を設定の送り量によって封筒体の横長(L1L2……Ln)を設定して引出しの開始又は停止を行うようにし、且つ上型体(2)とヒーター付きの下型体(3)によって、接着済みの前方側縁辺(P1)・(P1′)を除く後方側縁辺(P4)・(P4′)及び開口部側フラップ(P3′)を加熱圧着して封筒体(A)を成形した後に前方に送り出し、隣り合う連続封筒体の繋ぎ部(E)をカッター(11)で切断して単体の封筒体(A)にしたことを特徴とする封筒製造装置。
【請求項5】
上側原紙(P)の外表面に製品表示・宛て先その他の表示体を貼着又は印刷表示する機構(10)を設けた請求項3又は請求項4記載の封筒の製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2006−312487(P2006−312487A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−25143(P2006−25143)
【出願日】平成18年2月1日(2006.2.1)
【出願人】(592141330)株式会社ワタコン (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月1日(2006.2.1)
【出願人】(592141330)株式会社ワタコン (1)
【Fターム(参考)】
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