説明

クライアントサーバシステム、クライアント端末、サーバ機能を有するクライアント端末、およびクライアントサーバシステムの制御方法

【課題】クライアントサーバシステムにおいて、リソースを効率よく利用することが可能な技術を提供する。
【解決手段】IP電話端末1は、メディアサーバを利用する際に、問合せを同報送信して、応答のあったメディアサーバ機能付IP電話端末2のなかから起動対象を選択し、この起動対象に起動要求を送信する。そして、起動対象から機能開始を受信したならば、通話相手との間のセッションの接続先を自端末1、2から起動対象に転送させる。一方、メディアサーバ機能付IP電話端末2は、問合せの送信元に応答し、その後、起動要求を受信したならば、メディアサーバ機能を起動する。そして、起動要求の送信元に機能開始を送信し、その後、転送されたセッションを介して受け付ける留守電メッセージの記録を行う。記録が終了したならば、メディアサーバ機能を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クライアントサーバシステムの制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、呼制御サーバを特別に設置することなくIP電話システムを構築する技術が開示されている。
【0003】
この技術において、各IP電話端末は、各IP電話端末の発着信、転送等の呼制御を処理する呼制御サーバ機能を有している。そして、各IP電話端末間で決定された特定のIP電話端末のみが、この呼制御サーバ機能を有効にして、自IP電話端末を含むすべてのIP電話端末の呼制御を処理する。これにより、IP電話システムが構築される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−205699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術は、呼制御サーバのように、常に稼働させておく必要があるサーバ機能に対して有効である。しかし、メディアサーバ、プレゼンスサーバ等の、利用頻度が低いサーバ機能を有効にしているIP電話端末においては、利用頻度の低いサーバ機能のためにリソースが常時消費される。このため、利用頻度が低いサーバ機能に対しては、効率が悪い。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、クライアントサーバシステムにおいて、リソースを効率よく利用することが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明において、クライアント端末は、サーバを利用する際に、サーバ機能の問合せを同報送信する。そして、応答のあったクライアント端末のなかから起動対象を選択し、この起動対象のクライアント端末にサーバ機能の起動要求を送信し、起動要求したサーバ機能の開始通知を起動対象のクライアント端末から受信する。一方、サーバ機能を有するクライアント端末は、サーバ機能の問合せに応答する。そして、サーバ機能の起動要求を受信したならば、それまで無効にしておいたサーバ機能を有効にし、サーバ機能の開始通知を起動要求の送信元に送信する。その後、サーバ機能による処理を実行する。そして、処理が終了したならばサーバ機能を無効にする。
【0008】
例えば、本発明は、少なくとも一台のサーバ機能を有するクライアント端末を含む複数台のクライアント端末を備えたクライアントサーバシステムであって、
前記クライアント端末は、
サーバ利用を前提とする所定の処理の開始イベントが発生した場合に、サーバ機能の問合せを同報送信して、当該問合せに対する応答を受信するサーバ機能問合せ手段と、
前記応答の送信元のなかから起動対象端末を選択する起動対象選択手段と、
前記起動対象端末にサーバ機能起動要求を送信して、当該起動対象端末からサーバ機能開始通知を受信する起動要求手段と、
前記開始通知の送信元である前記起動対象端末に対して、前記所定の処理の依頼を送信する処理依頼手段と、を有し、
前記サーバ機能を有するクライアント端末は、
前記サーバ機能の問合せを受信した場合に、当該問合せに対する応答を当該問合せの送信元に送信するサーバ機能応答手段と、
前記サーバ機能起動要求を受信した場合に、それまで無効にしておいたサーバ機能を有効にし、前記サーバ機能開始通知を当該起動要求の送信元に送信するサーバ機能起動手段と、
前記サーバ機能起動手段により有効にした前記サーバ機能により、前記起動要求の送信元から受信した依頼の処理が終了した場合に、前記サーバ機能を無効にするサーバ機能停止手段と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、サーバ機能を有するクライアント端末のサーバ機能が必要なときにのみ有効になるので、リソースを効率よく利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の第一実施の形態に係るIP電話システムの概略図である。
【図2】図2は、図1に示すIP電話端末1の概略構成図である。
【図3】図3(A)は、サーバアドレス記憶部152の登録内容例を模式的に表した図であり、図3(B)は、起動対象アドレス記憶部156の登録内容例を模式的に表した図であり、図3(C)は、留守電記憶部163の登録内容例を模式的に表した図である。
【図4】図4は、図1に示すIP電話端末1の留守電メッセージ記録依頼処理を説明するためのフロー図である。
【図5】図5は、図1に示すIP電話端末1の留守電メッセージ記録依頼処理を説明するためのフロー図である。
【図6】図6は、図1に示すIP電話端末1の留守電メッセージ再生依頼処理を説明するためのフロー図である。
【図7】図7は、図1に示すメディアサーバ機能付IP電話端末2の概略構成図である。
【図8】図8は、図1に示すメディアサーバ機能付IP電話端末2のメディアサーバ処理を説明するためのフロー図である。
【図9】図9は、図8に示す留守電メッセージ記録処理(S25)を説明するためのフロー図である。
【図10】図10は、図8に示す留守電メッセージ送信処理(S27)を説明するためのフロー図である。
【図11】図11は、本発明の第一実施の形態に係るIP電話システムの留守電メッセージ記録動作を説明するためのシーケンス図である。
【図12】図12は、本発明の第一実施の形態に係るIP電話システムの留守電メッセージ再生動作を説明するためのシーケンス図である。
【図13】図13は、本発明の第二実施の形態に係るIP電話システムの概略図である。
【図14】図14は、図13に示すIP電話端末7の概略構成図である。
【図15】図15は、図13に示すIP電話端末7のプレゼンスデータ更新依頼処理を説明するためのフロー図である。
【図16】図16は、図13に示すIP電話端末7のプレゼンスデータ取得依頼処理を説明するためのフロー図である。
【図17】図17は、図13に示すプレゼンスサーバ機能付IP電話端末8の概略構成図である。
【図18】図18は、図13に示すプレゼンスサーバ機能付IP電話端末8のプレゼンスサーバ処理を説明するためのフロー図である。
【図19】図19は、図18に示すプレゼンスデータ更新処理(S45)を説明するためのフロー図である。
【図20】図20は、図18に示すプレゼンスデータ取得処理(S47)を説明するためのフロー図である。
【図21】図21は、図13に示すIP電話システムのプレゼンスデータ更新動作を説明するためのシーケンス図である。
【図22】図22は、図13に示すIP電話システムのプレゼンスデータ取得動作を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
[第一実施の形態]
図1は、本発明の第一実施の形態に係るIP電話システムの概略図である。
【0013】
図示するように、本実施の形態に係るIP電話システムは、IP電話端末1と、メディアサーバ機能付IP電話端末2と、IP電話端末1およびメディアサーバ機能付IP電話端末2を収容するSIP(Session Initiation Protocol)サーバ3と、IP電話端末1、メディアサーバ機能付IP電話端末2、およびSIPサーバ3を相互接続するLAN4と、LAN4をWAN5に接続するゲートウェイ6と、を有する。なお、図1では、IP電話端末1およびメディアサーバ機能付IP電話端末2をそれぞれ複数台示しているが、メディアサーバ機能付IP電話端末2は、少なくとも一台あればよい。また、SIPサーバ3が収容するすべての端末をメディアサーバ機能付IP電話端末2とすることで、IP電話端末1を省略してもよい。
【0014】
IP電話端末1は、SIPサーバ3と連携して呼制御を行って、通話相手との間にセッションを確立し、このセッションを介して通話相手と通話を行う。また、IP電話端末1は、メディアクライアント機能を有しており、メディアサーバとして機能するメディアサーバ機能付IP電話端末2を利用して留守電メッセージの記録・再生を実施する。
【0015】
図2は、IP電話端末1の概略構成図である。
【0016】
図示するように、IP電話端末1は、マンマシンインターフェース部11と、LANインターフェース部12と、通信制御部13と、IP電話処理部14と、メディアクライアント処理部15と、を有する。
【0017】
マンマシンインターフェース部11は、ユーザが電話および各種操作を行うためのインターフェースであり、図示していないが、ハンドセット、ダイヤルキー等の操作部、およびLCD、LED等の表示部を備える。
【0018】
LANインターフェース部12は、LAN4に接続するためのインターフェースである。
【0019】
通信制御部13は、LANインターフェース部12を介して、LAN4に接続された各機器(SIPサーバ3、ゲートウェイ6、メディアサーバ機能付IP電話端末2、他のIP電話端末1等)との通信を制御する。
【0020】
IP電話処理部14は、IP電話端末(SIPフォン)として機能するために必要な処理を行う。図示するように、IP電話処理部14は、SIPクライアント処理部141と、RTP処理部142と、を有する。
【0021】
SIPクライアント処理部141は、SIPに従い、SIPサーバ3経由で通話相手とSIPメッセージをやり取りすることにより、セッションの確立・解放を制御する。
【0022】
RTP処理部142は、RTP(Realtime Transport Protocol)に従い、SIPクライアント処理部141により確立されたセッションを介して通話相手とRTPパケットを送受信して処理する。具体的には、マンマシンインターフェース部11を介してユーザにより音声入力された音声データをRTPパケットに格納し、このRTPパケットを、セッションを介して通話相手に送信するとともに、セッションを介して通話相手からRTPパケットを受信して、このRTPパケットから音声データを抽出し、この音声データをマンマシンインターフェース部11から音声出力する。
【0023】
メディアクライアント処理部15は、メディアサーバ機能付IP電話端末2に留守電メッセージの記録・再生を依頼する。図示するように、メディアクライアント処理部15は、サーバ機能問合せ部151と、サーバアドレス記憶部152と、起動対象選択部153と、サーバ機能起動要求部154と、サーバ処理依頼部155と、起動対象アドレス記憶部156と、サーバ機能停止要求部157と、を有する。
【0024】
サーバ機能問合せ部151は、サーバ機能起動要求部154の指示に従い、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介して、サーバ種別「メディアサーバ」の指定を伴うサーバ機能問合せメッセージを同報送信する。そして、LANインターフェース部12および通信制御部13を介して、このサーバ機能問合せメッセージに対する応答メッセージを受信する。
【0025】
サーバアドレス記憶部152には、サーバ機能問合せ部151が受信した応答メッセージの送信元(メディアサーバ機能付IP電話端末2)のアドレスが記憶される。図3(A)は、サーバアドレス記憶部152の登録内容例を模式的に表した図である。図示するように、サーバアドレス記憶部152には、応答メッセージごとに、応答メッセージの送信元のアドレスをサーバアドレスとして登録するためのフィールド1521を有するレコード1520が登録される。
【0026】
起動対象選択部153は、サーバ機能起動要求部154の指示に従い、サーバアドレス記憶部152からメディアサーバ機能の起動対象となるメディアサーバ機能付IP電話端末2(以下、起動対象端末2)のアドレスを選択する。
【0027】
サーバ機能起動要求部154は、メディアサーバの利用を前提とする留守電メッセージの記録・再生の開始イベントが発生した場合に、起動対象端末2のメディアサーバ機能を起動させ、IP電話処理部14およびメディアクライアント処理部15の各部と連携して留守電メッセージ記録・再生依頼処理を実施する。具体的には、マンマシンインターフェース部11を介してユーザにより留守録設定された状態において自IP電話端末1に着信した場合に、留守電メッセージ記録依頼処理を実施する。また、マンマシンインターフェース部11を介してユーザより留守電メッセージの再生依頼を受け付けた場合に、留守電メッセージ再生依頼処理を実施する。
【0028】
サーバ処理依頼部155は、サーバ機能起動要求部154から受け付けた留守電メッセージ記録依頼指示に従い、SIPクライアント処理部141にセッション転送要求を与えて、自IP電話端末1との間に確立しているセッションを起動対象端末2へ、または、起動対象端末2との間に確立しているセッションを別の起動対象端末2へ転送させる。これにより、起動対象端末2に留守電メッセージを記録させる。また、サーバ処理依頼部155は、サーバ機能起動要求部154から受け付けた留守電メッセージ再生依頼指示に従い、SIPクライアント処理部141に、起動対象端末2へ発信させて起動対象端末2との間にセッションを確立させる。これにより、起動対象端末2に留守電メッセージを再生させる。
【0029】
起動対象アドレス記憶部156には、留守電メッセージを記録した起動対象端末2各々のアドレスが記憶される。図3(B)は、起動対象アドレス記憶部156の登録内容例を模式的に表した図である。図示するように、起動対象アドレス記憶部156には、留守電メッセージごとにレコード1560が登録されている。レコード1560は、留守電メッセージを識別するための留守電IDを登録するフィールド1561と、留守電メッセージを残した通話相手の電話番号(通話相手番号)を登録するフィールド1562と、留守電メッセージを記録した起動対象端末2各々のアドレスを留守電メッセージの記録順に並べたリスト(起動対象端末アドレスリスト)を登録するためのフィールド1563と、留守電メッセージの記録日時を登録するためのフィールド1564と、を有する。
【0030】
サーバ機能停止要求部157は、メディアサーバの利用を前提とする留守電メッセージの記録・再生の終了イベントが発生した場合に、起動対象端末2のメディアサーバ機能を停止させる。具体的には、留守電メッセージの記録開始から所定時間を経過した場合、あるいは起動対象端末2から起動対象変更要求メッセージを受信しても、留守電メッセージの記録を引き継がせる他のメディアサーバ機能付IP電話端末2を見つけ出すことができなかった場合に、起動対象端末2のメディアサーバ機能を停止させる。
【0031】
図4および図5は、IP電話端末1の留守電メッセージ記録依頼処理を説明するためのフロー図である。このフローは、マンマシンインターフェース部11を介してユーザにより留守録設定された状態においてIP電話端末1に着信した場合に開始される。
【0032】
まず、SIPクライアント処理部141は、一次応答してセッションを確立し、留守電受付準備用の音声ガイダンスの送出をRTP処理部142に指示する。これを受けて、RTP処理部142は、このセッションを介して通話相手に、RTP処理部142に格納された図示していない留守電メッセージの受付準備をしている旨の音声ガイダンスのRTPパケットを送出する(S101)。また、SIPクライアント処理部141は、サーバ機能起動要求部154に留守電メッセージ記録依頼を指示する。
【0033】
サーバ機能起動要求部154は、SIPクライアント処理部141から留守電メッセージ記録依頼を受け付けると、サーバ機能問合せ部151にサーバ機能の問合せを指示する。これを受けて、サーバ機能問合せ部151は、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介して、サーバ種別「メディアサーバ」の指定を伴うサーバ機能問合せメッセージを同報送信する(S102)。そして、サーバ機能問合せ部151は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介して、このサーバ機能問合せメッセージに対する応答メッセージの受信、および受信した応答メッセージの送信元アドレスの、サーバアドレス記憶部152への登録を開始する(S103)。
【0034】
また、サーバ機能起動要求部154は、起動対象端末2の選択を起動対象選択部153に指示する。これを受けて、起動対象選択部153は、サーバアドレス記憶部152へのアドレスの登録状況を監視する。そして、サーバアドレス記憶部152に所定時間内にアドレスが登録されたならば(S104でYES)、起動対象端末2のアドレスとして、サーバアドレス記憶部152に最初に登録されたアドレスを選択する(S105)。そして、起動対象端末2のアドレスをサーバ機能起動要求部154に通知する。一方、サーバアドレス記憶部152に所定時間内にアドレスが登録されなかったならば(S04でNO)、RTP処理部142に格納された図示していない留守電メッセージの受付ができない旨の音声ガイダンスのRTPパケットを送出し(S112)、このフローを終了する。
【0035】
つぎに、サーバ機能起動要求部154は、留守電IDを生成するとともに、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介して、起動対象選択部153より通知されたアドレスにより特定される起動対象端末2に、留守電IDおよびセッション転送元アドレスとしての自IP電話端末1のアドレスの指定を伴うメディアサーバ記録機能起動要求メッセージを送信する(S106)。その後、サーバ機能起動要求部154は、起動対象端末2からの返信を待つ(S107、S108)。
【0036】
ここで、受信したメッセージがメディアサーバ記録機能開始メッセージではなく(S107でNO)、起動対象端末2からの返信が起動拒否メッセージである場合(S108でYES)、サーバ機能起動要求部154は、起動対象選択部153に新たな起動対象端末2の選択をさらに指示する。これを受けて、起動対象選択部153は、サーバアドレス記憶部152に、起動対象端末2のアドレスとして未選択のアドレスがあるか否かを調べる(S109)。
【0037】
サーバアドレス記憶部152に未選択のアドレスがないならば(S109でNO)、起動対象選択部153は、その旨をサーバ機能起動要求部154に通知する。これを受けて、サーバ機能起動要求部154は、留守録不可をSIPクライアント処理部141に通知する。SIPクライアント処理部141は、サーバ機能起動要求部154から留守録不可の通知を受け取ると、留守電拒否用の音声ガイダンスへの変更をRTP処理部142に指示する。これを受けて、RTP処理部142は、このセッションを介して通話相手に、RTP処理部142に格納された図示していない留守電メッセージの受付ができない旨の音声ガイダンスのRTPパケットを送出し(S112)、このフローを終了する。
【0038】
一方、サーバアドレス記憶部152に未選択のアドレスがあるならば(S109でYES)、起動対象選択部153は、新たな起動対象端末2のアドレスとして、サーバアドレス記憶部152に登録されている未選択のアドレスを一つ選択する(S110)。そして、起動対象端末2のアドレスをサーバ機能起動要求部154に通知する。これを受けて、サーバ機能起動要求部154は、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介して、起動対象選択部153より通知されたアドレスにより特定される起動対象端末2に、留守電IDおよびセッション転送元アドレスとしての自IP電話端末1のアドレスの指定を伴うメディアサーバ記録機能起動要求メッセージを送信する(S111)。その後、サーバ機能起動要求部154は、起動対象端末2からの返信を待つ(S107、S108)。
【0039】
また、起動対象端末2からの返信がメディアサーバ記録機能開始メッセージである場合(S107でYES)、サーバ機能起動要求部154は、サーバ処理依頼部155に、起動対象端末2のアドレスを伴う留守電メッセージ記録依頼指示を与える。これを受けて、サーバ処理依頼部155は、起動対象端末2のアドレスを伴うセッション転送要求をSIPクライアント処理部141に与える。これを受けて、SIPクライアント処理部141は、音声ガイダンスの送出停止をRTP処理部142に指示し、RTP処理部142は、音声ガイダンスのRTPパケットの送出を停止する(S113)。また、SIPクライアント処理部141は、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介してSIPサーバ3に、起動対象端末2のアドレスを伴うセッション転送要求メッセージを送信する(S114)。これを受けて、SIPサーバ3が、IP電話端末1とその通話相手とのセッションをIP電話端末1から起動対象端末2に転送する。これにより、起動対象端末2により留守電メッセージの記録が開始される。
【0040】
その後、サーバ機能起動要求部154は、起動対象アドレス記憶部156にレコード1560を新たに追加し、このレコード1560のフィールド1561に留守電IDを登録し、フィールド1562に通話相手番号を登録し、そしてフィールド1563に起動対象端末2のアドレスを登録する(S115)。それから、サーバ機能起動要求部154は、マンマシンインターフェース部11の表示部に設けられたLEDを点灯して、あるいはLCDにメッセージを表示して、留守録中であることをユーザに知らせる(S116)。
【0041】
次に、IP電話端末1は、サーバ機能起動要求部154がLANインターフェイス部12および通信制御部13を介して起動対象端末2(現起動対象端末2と呼ぶ)から起動対象変更要求メッセージを受信する(S117でYES)、サーバ機能起動要求部154が起動対象アドレス記憶部156にレコード1560を追加してから所定の記録最大経過時間が経過する(S128でYES)、および、サーバ機能停止要求部157が記録最大経過時間の経過前にLANインターフェース部12および通信制御部13を介して現起動対象端末2からメディアサーバ記録機能終了メッセージを受信する(S129でYES)、のいずれかが発生するのを待つ。
【0042】
サーバ機能起動要求部154が起動対象アドレス記憶部156にレコード1560を追加してから所定の記録最大経過時間を経過したならば(S128でYES)、サーバ機能停止要求部157は、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介して起動対象端末2にメディアサーバ記録機能停止要求メッセージを送信する(S132)。それから、起動対象アドレス記憶部156に追加したレコード1560のフィールド1564に現在日時を登録する(S130)。その後、サーバ機能停止要求部157は、マンマシンインターフェース部11の点灯中のLEDを消灯し、あるいはLCDに表示中のメッセージを消し、留守録が終了したことをユーザに知らせて(S131)、このフローを終了する。
【0043】
また、サーバ機能停止要求部157は、記録最大経過時間の経過前にLANインターフェース部12および通信制御部13を介して現在留守電メッセージを記録している現起動対象端末2からメディアサーバ記録機能終了メッセージを受信したならば(S129でYES)、このレコード1560のフィールド1564に現在日時を登録する(S130)。その後、マンマシンインターフェース部11の点灯中のLEDを消灯して、あるいはLCDに表示中のメッセージを消して、留守録が終了したことをユーザに知らせ(S131)、このフローを終了する。
【0044】
一方、サーバ機能起動要求部154は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介して現起動対象端末2から起動対象変更要求メッセージを受信したならば(S117でYES)、起動対象選択部153に新たな起動対象端末2の選択を指示する。これを受けて、起動対象選択部153は、起動対象端末2のアドレスとして未選択のアドレスがサーバアドレス記憶部152にあるか否かを調べる(S118)。
【0045】
サーバアドレス記憶部152に未選択のアドレスがないならば(S118でNO)、起動対象選択部153は、その旨を、サーバ機能起動要求部154およびサーバ処理依頼部155を介してサーバ機能停止要求部157に通知する。これを受けて、サーバ機能停止要求部157は、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介して現起動対象端末2にメディアサーバ記録機能停止要求メッセージを送信する(S132)。また、起動対象アドレス記憶部156に追加したレコード1560のフィールド1564に現在日時を登録する(S130)。その後、サーバ機能停止要求部157は、マンマシンインターフェース部11の点灯中のLEDを消灯し、あるいはLCDに表示中のメッセージを消し、留守録が終了したことをユーザに知らせて(S131)、このフローを終了する。
【0046】
一方、サーバアドレス記憶部152に未選択のアドレスがあるならば(S118でYES)、起動対象選択部153は、新たな起動対象端末2のアドレスとして、サーバアドレス記憶部152に登録されている未選択のアドレスを一つ選択する(S119)。そして、新たな起動対象端末2のアドレスをサーバ機能起動要求部154に通知する。これを受けて、サーバ機能起動要求部154は、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介して、起動対象選択部153より通知されたアドレスにより特定される新たな起動対象端末2(新起動対象端末2と呼ぶ)に、留守電IDおよびセッション転送元アドレスとしての現起動対象端末2のアドレスの指定を伴うメディアサーバ記録機能起動要求メッセージを送信する(S120)。そして、この新起動対象端末2からメディアサーバ記録機能開始メッセージまたは起動拒否メッセージの返信を待つ(S121、S122)。
【0047】
ここで、新起動対象端末2からの返信が起動拒否メッセージである場合(S122でYES)、サーバ機能起動要求部154は、起動対象選択部153に新たな起動対象端末の選択をさらに指示する。これを受けて、起動対象選択部153は、サーバアドレス記憶部152に起動対象端末のアドレスとして未選択のアドレスがあるか否かを調べる(S123)。
【0048】
サーバアドレス記憶部152に未選択のアドレスがないならば(S123でNO)、起動対象選択部153は、その旨を、サーバ機能起動要求部154およびサーバ処理依頼部155を介してサーバ機能停止要求部157に通知する。これを受けて、サーバ機能停止要求部157は、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介して現起動対象端末2にメディアサーバ記録機能停止要求メッセージを送信する(S132)。また、起動対象アドレス記憶部156に追加したレコード1560のフィールド1564に現在日時を登録する(S130)。その後、サーバ機能停止要求部157は、マンマシンインターフェース部11の点灯中のLEDを消灯し、あるいはLEDに表示中のメッセージを消し、留守録が終了したことをユーザに知らせて(S131)、このフローを終了する。
【0049】
一方、サーバアドレス記憶部152に未選択のアドレスがあるならば(S123でYES)、起動対象選択部153は、新たな起動対象端末2のアドレスとして、サーバアドレス記憶部152に登録されている未選択のアドレスを一つ選択する(S124)。そして、新たな起動対象端末2のアドレスをサーバ機能起動要求部154に通知する。これを受けて、サーバ機能起動要求部154は、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介して、起動対象選択部153より通知されたアドレスにより特定される新起動対象端末2に、留守電IDおよびセッション転送元アドレスとしての現起動対象端末2のアドレスの指定を伴うメディアサーバ記録機能起動要求メッセージを送信する(S125)。そして、新起動対象端末2からメディアサーバ記録機能開始メッセージまたは起動拒否メッセージの返信を待つ(S121、S122)。
【0050】
また、新起動対象端末2からの返信がメディアサーバ記録機能開始メッセージである場合(S121でYES)、サーバ機能起動要求部154は、新起動対象端末2のアドレスを伴う留守電メッセージ記録依頼指示をサーバ処理依頼部155に与える。これを受けて、サーバ処理依頼部155は、起動対象端末2のアドレスを伴うセッション転送要求をSIPクライアント処理部141に与える。これを受けて、SIPクライアント処理部141は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介して現起動対象端末2に、新起動対象端末2のアドレスを伴うセッション転送要求メッセージを送信する(S126)。これにより、通話相手と現起動対象端末2との間に確立しているセッションが現起動対象端末2から新起動対象端末2に転送され、新起動対象端末2により留守電メッセージの記録が継続される。
【0051】
つぎに、サーバ機能起動要求部154は、起動対象アドレス記憶部156に追加したレコード1560のフィールド1563の起動対象端末アドレスリストの末尾に新起動対象端末2のアドレスを追加する(S127)。その後、S117に戻る。
【0052】
図6は、IP電話端末1の留守電メッセージ再生依頼処理を説明するためのフロー図である。
【0053】
まず、サーバ機能起動要求部154は、起動対象アドレス記憶部156に記憶されているレコード1560のリストをマンマシンインターフェース部11の表示部に表示させ、このリストから再生対象レコード1560をユーザに選択させる(S141)。また、カウンタ値nを初期値「1」に設定する(S142)。
【0054】
つぎに、サーバ機能起動要求部154は、選択された再生対象レコード1560のフィールド1563から、n番目に登録されている起動対象端末2のアドレスを取得する(S143)。それから、サーバ機能起動要求部154は、選択された再生対象レコード1560のフィールド1561に登録されている留守電IDの指定を伴うメディアサーバ再生機能起動要求メッセージを、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介してn番目の起動対象端末2に送信する(S144)。
【0055】
つぎに、サーバ機能起動要求部154は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介してn番目の起動対象端末2からメディアサーバ再生機能開始メッセージを所定時間内に受信したならば(S145でYES)、n番目の起動対象端末2のアドレスを伴う留守電メッセージ再生依頼指示をサーバ処理依頼部155に通知する。これを受けて、サーバ処理依頼部155は、n番目の起動対象端末2のアドレスを伴う発信指示をSIPクライアント処理部141に与える。これを受けて、SIPクライアント処理部141は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介して、n番目の起動対象端末2のアドレスを伴う接続要求メッセージをSIPサーバ3に送信し、n番目の起動対象端末2との間にセッションを確立する(S146)。
【0056】
一方、サーバ機能起動要求部154は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介してn番目の起動対象端末2からメディアサーバ再生機能開始メッセージを所定時間内に受信しなかったならば(S145でNO)、マンマシンインターフェース部11の表示部に留守電メッセージの記録が再生できない旨のエラーメッセージを表示させ(S152)、S141においてユーザにより選択された再生対象レコード1560のフィールド1563に未取得のアドレスがあるか否かを調べる(S150)。未取得のアドレスがあるならば(S150でYES)、カウンタ値nを一つインクリメントして(S151)、S143に戻り、すべてのアドレスを取得済みならば(S150でNO)、このフローを終了する。
【0057】
つぎに、RTP処理部142は、確立されたセッションを介してn番目の起動対象端末2からRTPパケットを受信する。そして、受信したRTPから留守電メッセージを抽出し、抽出した留守電メッセージをマンマシンインターフェース部11から音声出力する(S147)。
【0058】
さて、サーバ機能停止要求部157は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介して、n番目の起動対象端末2からメディアサーバ再生機能終了メッセージを受信すると(S148でYES)、その旨をサーバ処理依頼部155に通知する。これを受けて、サーバ処理依頼部155は、SIPクライアント処理部141にセッション切断指示を通知する。そして、SIPクライアント処理部141は、SIPサーバ3にセッション切断要求メッセージを送信して、n番目の起動対象端末2との間に確立されているセッションを切断する(S149)。
【0059】
つぎに、サーバ機能起動要求部154は、S141においてユーザにより選択された再生対象レコード1560のフィールド1563に未取得のアドレスがあるか否かを調べる(S150)。未取得のアドレスがあるならば(S150でYES)、カウンタ値nを一つインクリメントし(S151)、S143に戻る。一方、すべてのアドレスを取得済みならば(S150でNO)、このフローを終了する。
【0060】
図1に戻って説明を続ける。
【0061】
メディアサーバ機能付IP電話端末2は、SIPサーバ3と連携して呼制御を行い、通話相手との間にセッションを確立し、このセッションを介して通話相手と通話を行う。また、メディアサーバ機能付IP電話端末2は、メディアクライアント機能およびメディアサーバ機能を有しており、メディアサーバとして機能する他のメディアサーバ機能付IP電話端末2に留守電メッセージの記録・再生を依頼するとともに、メディアクライアントとして機能するIP電話端末1あるいは他のメディアサーバ機能付IP電話端末2からの依頼に従い留守電メッセージの記録・再生を実施する。
【0062】
図7は、メディアサーバ機能付IP電話端末2の概略構成図である。ここで、図2に示すIP電話端末1と同じ機能を有するものには同じ符号を付している。
【0063】
図示するように、メディアサーバ機能付IP電話端末2が、図1に示すIP電話端末1と異なる点は、メディアサーバ処理部16を備えていることである。その他の構成は、IP電話端末1と同様である。
【0064】
メディアサーバ処理部16は、IP電話端末1またはメディアサーバ機能付IP電話端末2のメディアクライアント処理部15に対してメディアサーバ機能を提供するために必要な処理(メディアサーバ処理)を実施する。図示するように、メディアサーバ処理部16は、サーバ機能応答部161と、記録処理部162と、留守電記憶部163と、再生処理部164と、サーバ機能起動部165と、サーバ機能停止部166と、を有する。
【0065】
サーバ機能応答部161は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介してIP電話端末1あるいはメディアサーバ機能付IP電話端末2から、サーバ種別「メディアサーバ」の指定を伴うサーバ機能問合せメッセージを受信した場合に、このサーバ機能問合せメッセージの送信元に応答メッセージを送信する。
【0066】
記録処理部162は、サーバ機能起動部165により起動制御され、サーバ機能起動部165の指示に従い、セッションを介して通話相手から送られてくる留守電メッセージをIP電話処理部14から受け付け、この留守電メッセージを留守電記憶部163に記録する。
【0067】
留守電記憶部163には留守電メッセージが記憶される。図3(C)は、留守電記憶部163の登録内容例を模式的に表した図である。図示するように、留守電記憶部163には、留守電メッセージごとにレコード1630が登録されている。レコード1630は、留守電メッセージの記録依頼元から受け取った留守電IDを登録するフィールド1631と、留守電メッセージの記録依頼元アドレスを登録するフィールド1632と、留守電メッセージを登録するためのフィールド1633と、を有する。
【0068】
再生処理部164は、サーバ機能起動部165により起動制御され、サーバ機能起動部165の指示に従い、留守電記憶部163に記録されている留守電メッセージを、IP電話処理部14によりセッションを介して通話相手に送信する。
【0069】
サーバ機能起動部165は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介して受け付けたIP電話端末1あるいはメディアサーバ機能付IP電話端末2の要求に従い、記録処理部162を起動し、留守電メッセージを留守電記憶部163に記録させる。あるいは、再生処理部164を起動して、留守電記憶部163に記録されている留守電メッセージを送信させる。
【0070】
サーバ機能停止部166は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介して受け付けたIP電話端末1あるいはメディアサーバ機能付IP電話端末2の要求に従い、もしくはIP電話処理部14によりセッションが切断された場合に、稼働中の記録処理部162を停止する。また、サーバ機能停止部166は、再生処理部164による留守電メッセージ送信処理が終了した場合に、再生処理部164を停止する。
【0071】
図8は、メディアサーバ機能付IP電話端末2のメディアサーバ処理を説明するためのフロー図である。
【0072】
サーバ機能応答部161は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介して、IP電話端末1あるいはメディアサーバ機能付IP電話端末2からサーバ機能問合せメッセージを受信すると(S21でYES)、このサーバ機能問合せメッセージで指定されているサーバ種別が「メディアサーバ」であるか否かを調べる(S22)。そして、サーバ種別がサーバ種別「メディアサーバ」であるならば(S22でYES)、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介して、このサーバ機能問合せメッセージの送信元に、このサーバ機能問合せメッセージに対する応答メッセージを送信する(S23)。
【0073】
また、サーバ機能起動部165は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介してIP電話端末1あるいはメディアサーバ機能付IP電話端末2から、留守電IDおよびセッション転送元アドレスの指定を伴うメディアサーバ記録機能起動要求メッセージを受信すると(S24でYES)、IP電話処理部14およびメディアサーバ処理部16の各部と連携して後述の留守電メッセージ記録処理を実施する(S25)。
【0074】
また、サーバ機能起動部165は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介してIP電話端末1あるいはメディアサーバ機能付IP電話端末2から、留守電IDの指定を伴うメディアサーバ再生機能起動要求メッセージを受信すると(S26でYES)、IP電話処理部14およびメディアサーバ処理部16の各部と連携して後述の留守電メッセージ送信処理を実施する(S27)。
【0075】
図9は、図8に示す留守電メッセージ記録処理(S25)を説明するためのフロー図である。
【0076】
まず、サーバ機能起動部165は、自メディアサーバ機能付IP電話端末2の状態が記録開始条件を満足しているか否かを判断する(S2501)。例えば、留守電記憶部163の空き容量およびIP電話処理部14の通話状態を調べ、留守電記憶部163の空き容量が所定量以上であり、かつIP電話処理部14が通話中あるいは呼制御中でない場合に、記録開始条件を満足していると判断する。
【0077】
記録開始条件を満足していないと判断した場合(S2501でNO)、サーバ機能起動部165は、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介してメディアサーバ記録機能起動要求メッセージの送信元に起動拒否メッセージを送信して(S2502)、このフローを終了する。
【0078】
一方、記録開始条件を満足していると判断した場合(S2501でYES)、サーバ機能起動部165は、記録処理部162を起動させる(S2503)。また、サーバ機能起動部165は、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介してメディアサーバ記録機能起動要求メッセージの送信元にメディアサーバ記録機能開始メッセージを送信する(S2504)。
【0079】
つぎに、サーバ機能起動部165は、IP電話処理部14を監視して、メディアサーバ記録機能起動要求メッセージで指定されているセッション転送元アドレスから自メディアサーバ機能付IP電話端末2に、セッション転送要求が届くのを待つ(S2505、S2506)。
【0080】
ここで、指定のセッション転送元アドレス以外のアドレスからセッション転送要求があった場合(S2506でNO)、サーバ機能起動部165は、IP電話処理部14にて話中処理させる(S2507)。なお、セッションの転送要求以外(例えば着信)であっても、同様の処理を行う。一方、セッション指定の転送元アドレスからセッション転送要求があった場合(S2506でYES)、サーバ機能起動部165は、IP電話処理部14に自動応答させて、セッション転送元アドレスと通話相手との間に確立されているセッションをセッション転送元アドレスから自メディアサーバ機能付IP電話端末2に転送させる(S2508)。それから、サーバ機能起動部165は、記録処理部162に、メディアサーバ記録機能起動要求メッセージで指定されている留守電IDと、このメディアサーバ記録機能起動要求メッセージの送信元アドレスとを通知して、留守電メッセージの記録開始を指示する。
【0081】
これを受けて、記録処理部162は、マンマシンインターフェース部11の表示部に設けられたLEDを点灯し、あるいはLCDにメッセージを表示して、留守録中であることをユーザに知らせる。また、留守電記憶部163に新たなレコード1630を追加し、このレコード1630のフィールド1631、1632に、それぞれ留守電ID、メディアサーバ記録機能起動要求メッセージの送信元アドレス(記録依頼元アドレス)を登録する。それから、記録処理部162は、このセッションを介して通話相手から送られてくるRTPパケットから抽出される留守電メッセージをIP電話処理部14から受け付け、この留守電メッセージを、留守電記憶部163に追加したレコード1630のフィールド1633に登録する(S2509)。
【0082】
記録処理部162によって留守電記憶部163への留守電メッセージの記録が開始されると、サーバ機能停止部166は、自メディアサーバ機能付IP電話端末2の状態を監視し、その状態が記録停止条件を満足することとなったか否かを監視する(S2510)。例えば、留守電記憶部163の空き容量を監視する。そして、留守電記憶部163の空き容量が所定量未満となったならば、記録停止条件を満足することとなったものと判断する。
【0083】
記録停止条件を満足することとなった場合(S2510でYES)、サーバ機能停止部166は、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介して、メディアサーバ記録機能起動要求メッセージの送信元に起動対象変更要求メッセージを送信する(S2514)。そして、記録機能起動要求メッセージの送信元からの返信メッセージを待つ。
【0084】
記録機能起動要求メッセージの送信元からの返信メッセージがメディアサーバ記録機能停止要求メッセージである場合(S2515でYES)、サーバ機能停止部166は、記録処理部162に記録終了を指示する。これを受けて、記録処理部162は、マンマシンインターフェース部11の点灯中のLEDを消灯し、あるいはLCDに表示中のメッセージを消して、留守録が終了したことをユーザに知らせる。それから、サーバ機能停止部166は、記録処理部162を停止させるとともに(S2512)、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介して、メディアサーバ記録機能起動要求メッセージの送信元にメディアサーバ記録機能終了メッセージを送信する(S2513)。
【0085】
一方、メディアサーバ記録機能起動要求メッセージの送信元からの返信メッセージが、セッション転送先アドレス2(新起動対象端末2のアドレス)の指定を伴うセッション転送要求メッセージである場合(S2516でYES)、サーバ機能停止部166は、セッション転送先アドレスの指定を伴うセッション転送要求をIP電話処理部14に与える。そして、IP電話処理部14は、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介してSIPサーバ3に、セッション転送先アドレスを伴うセッション転送要求を指示する(S2517)。これを受けて、SIPサーバ3が、通話相手とメディアサーバ機能付IP電話端末2との間のセッションをメディアサーバ機能付IP電話端末2から新起動対象端末2に転送するため、新起動対象端末2により留守電メッセージの記録が継続される。
【0086】
それから、サーバ機能停止部166は記録処理部162に記録終了を指示する。これを受けて、記録処理部162は、マンマシンインターフェース部11の点灯中のLEDを消灯し、あるいはLCDに表示中のメッセージを消して、留守録が終了したことをユーザに知らせる。それから、サーバ機能停止部166は、記録処理部162を停止させるとともに(S2512)、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介して、メディアサーバ記録機能起動要求メッセージの送信元にメディアサーバ記録機能終了メッセージを送信する(S2513)。
【0087】
また、サーバ機能停止部166は、通話相手と自メディアサーバ機能付IP電話端末2との間に確立されているセッションが切断されたか、あるいは、LANインターフェース部12および通信制御部13を介してメディアサーバ記録機能起動要求メッセージの送信元からメディアサーバ記録機能停止要求メッセージを受信したならば(S2511でYES)、記録処理部162に記録終了を指示する。これを受けて、記録処理部162は、マンマシンインターフェース部11の点灯中のLEDを消灯し、あるいはLCDに表示中のメッセージを消して、留守録が終了したことをユーザに知らせる。それから、サーバ機能停止部166は、記録処理部162を停止させるとともに(S2512)、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介してメディアサーバ記録機能起動要求メッセージの送信元にメディアサーバ記録機能終了メッセージを送信する(S2513)。
【0088】
図10は、図8に示す留守電メッセージ送信処理(S27)を説明するためのフロー図である。
【0089】
まず、サーバ機能起動部165は再生処理部164を起動させる(S2701)。また、サーバ機能起動部165は、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介してメディアサーバ再生機能起動要求メッセージの送信元にメディアサーバ再生機能開始メッセージを送信する(S2702)。
【0090】
つぎに、サーバ機能起動部165は、IP電話処理部14を監視して、メディアサーバ再生機能起動要求メッセージの送信元から自メディアサーバ機能付IP電話端末2に着信するのを待つ(S2703、S2704)。
【0091】
ここで、メディアサーバ再生機能起動要求メッセージの送信元以外から着信があった場合(S2704でNO)、サーバ機能起動部165はIP電話処理部14にて話中処理させる(S2705)。一方、メディアサーバ再生機能起動要求メッセージの送信元から着信があった場合(S2704でYES)、サーバ機能起動部165は、IP電話処理部14に自動応答させ、メディアサーバ再生機能起動要求メッセージの送信元と自メディアサーバ機能付IP電話端末2との間にセッションを確立させる(S2706)。それから、サーバ機能起動部165は、再生処理部164に、メディアサーバ再生機能起動要求メッセージで指定されている留守電IDと、メディアサーバ再生機能起動要求メッセージの送信元アドレスとを通知して、留守電メッセージの再生開始を指示する。
【0092】
これを受けて、再生処理部164は、マンマシンインターフェース部11の表示部に設けられたLEDを点灯し、あるいはLCDにメッセージを表示して、再生中であることをユーザに知らせる。また、再生処理部164は、留守電IDおよびメディアサーバ再生機能起動要求メッセージの送信元アドレスをキーにして、留守電記憶部163からレコード1630を検索する。そして、検索したレコード1630のフィールド1633から留守電メッセージを読み出して再生し、IP電話処理部14に渡す。IP電話処理部14は、この留守電メッセージをRTPパケットに格納し、このRTPパケットを、確立しているセッションを介してメディアサーバ再生機能起動要求メッセージの送信元に送信する(S2707)。
【0093】
つぎに、再生処理部164は、留守電メッセージの再生が終了すると(S2708でYES)、サーバ機能停止部166に再生終了を通知するとともに、マンマシンインターフェース部11の点灯中のLEDを消灯し、あるいはLCDに表示中のメッセージを消して、再生が終了したことをユーザに知らせる。サーバ機能停止部166は、再生処理部164から再生終了の通知を受けると、再生処理部164を停止させる(S2709)。また、サーバ機能停止部166は、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介して、メディアサーバ再生機能起動要求メッセージの送信元にメディアサーバ再生機能終了メッセージを送信する(S2710)。
【0094】
つぎに、本実施の形態に係るIP電話システムの動作例を説明する。
【0095】
図11は、図1に示すIP電話システムの留守電メッセージ記録動作を説明するためのシーケンス図である。ここで、個々のメディアサーバ機能付IP電話端末2を区別するため、符号に枝番を付している。また、IP電話端末1は、留守録設定されているものとする。
【0096】
IP電話端末1は、ゲートウェイ6およびSIPサーバ3を介してWAN5側の通話相手から着信すると(S301)、これに一次応答し(S302)、通話相手とIP電話端末1との間にセッションを確立する(S303)。そして、このセッションを介して通話相手に、留守電受付準備用音声ガイダンスを送出する。
【0097】
また、IP電話端末1は、サーバ種別「メディアサーバ」のサーバ機能問合せメッセージを、LAN4に接続された各機器に同報送信する(S304)。これを受けて、メディアサーバ機能付IP電話端末2−1〜2−3は、応答メッセージを返信する(S305)。
【0098】
つぎに、IP電話端末1は、最初に受信した応答メッセージの送信元を起動対象端末として選択する(S306)。ここでは、メディアサーバ機能付IP電話端末2−1が起動対象端末に選択されたものとする。それから、IP電話端末1は、メディアサーバ機能付IP電話端末2−1にメディアサーバ記録機能起動要求メッセージを送信する(S307)。
【0099】
メディアサーバ機能付IP電話端末2−1は、IP電話端末1からメディアサーバ記録機能起動要求メッセージを受信すると、記録開始条件を満足していることを確認して、記録処理部162を起動する(S308)。それから、メディアサーバ記録機能開始メッセージをIP電話端末1に送信する(S309)。
【0100】
これを受けて、IP電話端末1は、SIPサーバ3に、メディアサーバ機能付IP電話端末2−1へのセッション転送要求メッセージを送信する(S310)。SIPサーバ3は、IP電話端末1の指示に従い、メディアサーバ機能付IP電話端末2−1に発信する(S311)。メディアサーバ機能付IP電話端末2−1から応答を受信したならば(S312)、通話相手とIP電話端末1との間に確立されているセッションを、IP電話端末1からメディアサーバ機能付IP電話端末2−1に転送する(S313)。
【0101】
メディアサーバ機能付IP電話端末2−1は、このセッションを介して通話相手から送られてくる留守電メッセージを記録処理部162から受け付け、この留守電メッセージを留守電記憶部163に記憶する(S314)。
【0102】
さて、メディアサーバ機能付IP電話端末2−1は、留守電記憶部163の空き容量が所定量未満となるなど、自メディアサーバ機能付IP電話端末2の状態が記録停止条件を満足することとなったならば、IP電話端末1に起動対象変更要求メッセージを送信する(S315)。
【0103】
これを受けて、IP電話端末1は、応答メッセージの送信元のなかから起動対象端末として未選択のものを新たな起動対象端末として選択する(S316)。ここでは、メディアサーバ機能付IP電話端末2−3が新たな起動対象端末に選択されたものとする。それから、IP電話端末1は、メディアサーバ機能付IP電話端末2−3にメディアサーバ記録機能起動要求メッセージを送信する(S317)。
【0104】
メディアサーバ機能付IP電話端末2−3は、IP電話端末1からメディアサーバ記録機能起動要求メッセージを受信すると、記録開始条件を満足していることを確認して、記録処理部162を起動する(S318)。それから、メディアサーバ記録機能開始メッセージをIP電話端末1に送信する(S319)。
【0105】
これを受けて、IP電話端末1は、セッション転送先としてのメディアサーバ機能付IP電話端末2−3の指定を伴うセッション転送要求メッセージをメディアサーバ機能付IP電話端末2−1に送信し(S320)、メディアサーバ機能付IP電話端末2−3へのセッション転送をSIPサーバ3に指示する(S321)。また、メディアサーバ機能付IP電話端末2−1は、記録処理部162を停止する(S322)。
【0106】
SIPサーバ3は、メディアサーバ機能付IP電話端末2−1の指示に従い、メディアサーバ機能付IP電話端末2−3に発信する(S323)。そして、メディアサーバ機能付IP電話端末2−3から応答を受信したならば(S324)、通話相手とメディアサーバ機能付IP電話端末2−1との間に確立されているセッションを、メディアサーバ機能付IP電話端末2−1からメディアサーバ機能付IP電話端末2−3に転送する(S325)。メディアサーバ機能付IP電話端末2−3は、このセッションを介して通話相手から送られてくる留守電メッセージを、記録処理部162により留守電記憶部163に記憶させる(S326)。
【0107】
さて、メディアサーバ機能付IP電話端末2−3は、通話相手による留守電メッセージの入力が終了し、ゲートウェイ6およびSIPサーバ3を介して通話相手からにセッション切断要求メッセージを受信すると(S327)、これに応答して(S328)、通話相手との間に確立されているセッションを切断する。また、メディアサーバ機能付IP電話端末2−3は、記録処理部162を停止するとともに(S329)、IP電話端末1に、メディアサーバ記録機能終了メッセージを送信する(S330)。
【0108】
図12は、図1に示すIP電話システムの留守電メッセージ再生動作を説明するためのシーケンス図である。ここで、図11と同様、個々のメディアサーバ機能付IP電話端末2を区別するため、符号に枝番を付している。
【0109】
IP電話端末1は、ユーザより起動対象アドレス記憶部156から再生対象レコード1560の指定を受け付けると、この再生対象レコード1560のフィールド1563の起動対象端末アドレスリストから一番目の起動対象端末のアドレスを取得する(S351)。ここでは、メディアサーバ機能付IP電話端末2−1のアドレスが一番目の起動対象端末のアドレスとして登録されているものとする。それから、IP電話端末1は、メディアサーバ機能付IP電話端末2−1にメディアサーバ再生機能起動要求メッセージを送信する(S352)。
【0110】
メディアサーバ機能付IP電話端末2−1は、IP電話端末1からメディアサーバ再生機能起動要求メッセージを受信すると、再生処理部164を起動する(S353)。それから、メディアサーバ再生機能開始メッセージをIP電話端末1に送信する(S354)。
【0111】
これを受けて、IP電話端末1は、SIPサーバ3を介してメディアサーバ機能付IP電話端末2−1に発信する(S355)。メディアサーバ機能付IP電話端末2−1は、これに応答して(S356)、IP電話端末1とメディアサーバ機能付IP電話端末2−1との間にセッションを確立する(S357)。それから、メディアサーバ機能付IP電話端末2−1は、メディアサーバ再生機能起動要求メッセージに対応するレコード1630を留守電記憶部163から特定し、このレコード1630のフィールド1633に登録されている留守電メッセージを再生する。そして、セッションを介してIP電話端末1に、留守電メッセージの再生データを送信する(S358)。
【0112】
その後、留守電メッセージの再生が終了すると、メディアサーバ機能付IP電話端末2−1は、再生処理部164を停止するとともに(S359)、メディアサーバ再生機能終了メッセージをIP電話端末1に送信する(S360)。
【0113】
IP電話端末1は、メディアサーバ機能付IP電話端末2−1からメディアサーバ再生機能終了メッセージを受信すると、SIPサーバ3を介してメディアサーバ機能付IP電話端末2−1にセッション切断要求メッセージを送信する(S361)。メディアサーバ機能付IP電話端末2−1は、これに応答して(S362)、IP電話端末1とメディアサーバ機能付IP電話端末2−1との間に確立されているセッションを切断する。
【0114】
つぎに、IP電話端末1は、再生対象レコード1560のフィールド1563の起動対象端末アドレスリストから二番目の起動対象端末のアドレスを取得する(S363)。ここでは、メディアサーバ機能付IP電話端末2−3のアドレスが二番目の起動対象端末のアドレスとして登録されているものとする。それから、IP電話端末1は、メディアサーバ機能付IP電話端末2−3にメディアサーバ再生機能起動要求メッセージを送信する(S364)。
【0115】
メディアサーバ機能付IP電話端末2−3は、IP電話端末1からメディアサーバ再生機能起動要求メッセージを受信すると、再生処理部164を起動する(S365)。それから、メディアサーバ再生機能開始メッセージをIP電話端末1に送信する(S366)。
【0116】
これを受けて、IP電話端末1は、SIPサーバ3を介してメディアサーバ機能付IP電話端末2−3に発信する(S367)。メディアサーバ機能付IP電話端末2−3は、これに応答し(S368)、IP電話端末1とメディアサーバ機能付IP電話端末2−3との間にセッションを確立する(S369)。それから、メディアサーバ機能付IP電話端末2−3は、メディアサーバ再生機能起動要求メッセージに対応するレコード1630を留守電記憶部163から特定し、このレコード1630のフィールド1633に登録されている留守電メッセージを再生する。そして、セッションを介してIP電話端末1に留守電メッセージの再生データを送信する(S370)。
【0117】
その後、留守電メッセージの再生が終了すると、メディアサーバ機能付IP電話端末2−3は、再生処理部164を停止するとともに(S371)、メディアサーバ再生機能終了メッセージをIP電話端末1に送信する(S372)。
【0118】
IP電話端末1は、メディアサーバ機能付IP電話端末2−3からメディアサーバ再生機能終了メッセージを受信すると、SIPサーバ3を介してメディアサーバ機能付IP電話端末2−3にセッション切断要求を送信する(S373)。メディアサーバ機能付IP電話端末2−3はこれに応答して(S374)、IP電話端末1とメディアサーバ機能付IP電話端末2−3との間に確立されているセッションを切断する。
【0119】
その後、IP電話端末1は、再生対象レコード1560のフィールド1563からすべての起動対象端末のアドレスを取得したことを確認して再生の依頼を終了する。
【0120】
以上、本発明の第一実施の形態を説明した。
【0121】
本実施の形態において、メディアクライアント処理部15(IP電話端末1、メディアサーバ機能付IP電話端末2)は、メディアサーバを利用する際に、サーバ機能問合せメッセージを同報送信する。そして、応答のあったメディアサーバ処理部16(メディアサーバ機能付IP電話端末2)のなかから起動対象を選択し、この起動対象にメディアサーバ記録機能起動要求メッセージを送信する。そして、起動対象からメディアサーバ記録機能開始メッセージを受信したならば、その後、起動対象のメディアサーバ機能を利用して留守電メッセージを記録する。
【0122】
一方、メディアサーバ処理部16は、サーバ機能問合せメッセージの送信元に応答メッセージを返信する。そして、メディアサーバ記録機能起動要求メッセージを受信したならば、記録処理部162を起動して、メディアサーバ記録機能開始メッセージをメディアサーバ記録機能起動要求メッセージの送信元に送信する。その後、留守電メッセージの記録を行う。そして、留守電メッセージの記録が終了したならば、記録処理部162を停止する。
【0123】
したがって、本実施の形態によれば、メディアサーバ処理部16の記録機能が必要なときにのみ有効になるので、リソースを効率よく利用できる。
【0124】
また、本実施の形態において、メディアクライアント処理部15は、サーバ種別「メディアサーバ」の指定を伴うサーバ機能問合せメッセージを同報送信し、メディアサーバ処理部16は、サーバ種別「メディアサーバ」の指定を伴うサーバ機能問合せメッセージを受信した場合にのみ、この問合せメッセージに対する応答メッセージを返信する。したがって、本実施の形態によれば、メディアクライアント処理部15にメディアサーバ処理部16の所在を予め登録しておく必要がなく、ユーザの設定作業を簡素化することができる。
【0125】
また、本実施の形態において、メディアクライアント処理部15は、同報送信したサーバ機能問合せメッセージに対して最初に受信した応答メッセージの送信元を起動対象に選択する。したがって、本実施の形態によれば、メディアサーバ処理部16のサーバ機能の提供を迅速に開始することができる。
【0126】
また、本実施の形態において、メディアクライアント処理部15は、留守電メッセージの記録開始からの所定の記録最大時間の経過など、所定の終了イベントが発生した場合に、起動対象のメディアサーバ処理部16にメディアサーバ記録機能停止要求メッセージを送信する。一方、メディアサーバ処理部16は、メディアサーバ記録機能要求メッセージの送信元からメディアサーバ記録機能停止要求メッセージを受信した場合、記録処理部162を停止する。したがって、本実施の形態によれば、特定のメディアクライアント処理部15が、メディアサーバ処理部16のリソースを長期にわたって占有する事態が発生するのを防止できる。
【0127】
また、本実施の形態において、メディアサーバ処理部16は、留守電メッセージの記録中、留守電記憶部163等のリソースの使用状態を監視し、その監視結果が所定の記録停止条件を満足している場合に、メディアサーバ記録機能起動要求メッセージの送信元に起動対象変更要求メッセージを送信する。一方、メディアクライアント処理部15は、起動対象変更要求メッセージを受信した場合、新たな起動対象を選択し、この新たな起動対象にメディアサーバ記録機能起動要求メッセージを送信する。これにより、留守電メッセージの記録を、現在の起動対象から新たな起動対象に引き継がせる。したがって、本実施の形態によれば、複数のメディアサーバ処理部16間で、留守電メッセージの記録にかかる負荷を分散させることができる。
【0128】
また、本実施の形態において、メディアクライアント処理部15は、留守電メッセージごとに、留守電メッセージの記録を依頼した起動対象を、留守電メッセージの記録順(留守電メッセージ記録依頼順)に対応付けて起動対象アドレス記憶部156に記憶する。そして、留守電メッセージを再生する場合、留守電メッセージ記録依頼順に従って、順次、起動対象にメディアサーバ再生機能起動要求メッセージを送信して起動対象の再生処理部164を起動し、起動対象の再生処理部164に留守電メッセージを再生させる。したがって、本実施の形態によれば、複数のメディアサーバ処理部16に分割されて記憶された留守電メッセージを正しい順番で再生することができる。また、メディアサーバ処理部16の再生記録機能が必要なときにのみ有効になるので、リソースを効率よく利用できる。
【0129】
なお、本実施の形態において、メディアクライアント処理部15から、サーバ機能問合せ部151、サーバアドレス記憶部152、および起動対象選択部153を省略してもよい。この場合、メディアクライアント処理部15には、LAN4に接続された中継装置(不図示)のアドレスをメディアサーバのアドレスとして設定する。そして、この中継装置に、サーバ機能問合せ部151、サーバアドレス記憶部152、および起動対象選択部153を設けて、この中継装置をメディアサーバのプロキシサーバとして機能させる。
【0130】
また、本実施の形態において、メディアクライアント処理部15が、通話相手と起動対象端末2との間に確立されているセッションの転送先の指定を伴うセッション転送要求をSIPサーバ3に送信することによって、SIPサーバ3が、通話相手と起動対象端末2との間に確立されているセッションを、起動対象端末2から新たな起動対象端末2へ転送するようにしてもよい。
【0131】
また、本実施の形態において、メディアサーバ機能付IP電話端末2は、留守録メッセージを記録中または送信中に通常の着信を受付けた場合に、通話中処理を実行し着信を受付けないものとして説明したが、本願はこれに限定されない。例えばメディアサーバ処理部164に独自の別回線を具備させてもよいし、あるいは1回線に2チャンネル分の音声を重畳してもよい。これにより、留守録メッセージを記録中または送信中であっても、IP電話機能を維持することができる。
【0132】
[第二実施の形態]
図13は、本発明の第二実施の形態に係るIP電話システムの概略図である。ここで、図1に示す第一実施の形態に係るIP電話システムと同じ機能を有するものには、図1と同じ符号を付している。
【0133】
図示するように、本実施の形態に係るIP電話システムは、IP電話端末7と、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8と、IP電話端末7およびプレゼンスサーバ機能付IP電話端末8を収容するSIPサーバ3と、IP電話端末7およびプレゼンスサーバ機能付IP電話端末8のプレゼンスデータを格納するファイルサーバ9と、IP電話端末7、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8、SIPサーバ3、およびファイルサーバ9を相互接続するLAN4と、LAN4をWAN5に接続するゲートウェイ6と、を有する。
【0134】
なお、図13では、IP電話端末7およびプレゼンスサーバ機能付IP電話端末8をそれぞれ複数台示しているが、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8は、少なくとも一台あればよい。また、SIPサーバ3が収容するすべての端末をプレゼンスサーバ機能付IP電話端末8とすることで、IP電話端末7を省略してもよい。
【0135】
IP電話端末7は、SIPサーバ3と連携して呼制御を行い、通話相手との間にセッションを確立し、このセッションを介して通話相手と通話を行う。また、IP電話端末7は、プレゼンスクライアント機能を有しており、プレゼンスサーバとして機能するプレゼンスサーバ機能付IP電話端末8を利用して自IP電話端末7のプレゼンスデータの更新、あるいは各IP電話端末7および各プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8のプレゼンスデータの取得を実施する。
【0136】
図14は、IP電話端末7の概略構成図である。
【0137】
図示するように、IP電話端末7が、第一実施の形態に係るIP電話端末1(図2参照)と異なる点は、メディアクライアント処理部15に代えてプレゼンスクライアント処理部17を備えることである。その他の構成は、第一実施の形態に係るIP電話端末1(図2参照)と同様である。
【0138】
プレゼンスクライアント処理部17は、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8にプレゼンスデータの更新・取得を依頼する。図示するように、プレゼンスクライアント処理部17は、サーバ機能問合せ部171と、サーバアドレス記憶部172と、起動対象選択部173と、サーバ機能起動要求部174と、サーバ機能停止要求部175と、サーバ処理依頼部176と、を有する。
【0139】
サーバ機能問合せ部171は、サーバ機能起動要求部174の指示に従い、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介して、サーバ種別「プレゼンスサーバ」の指定を伴うサーバ機能問合せメッセージを同報送信する。そして、LANインターフェース部12および通信制御部13を介して、このサーバ機能問合せメッセージに対する応答メッセージを受信する。
【0140】
サーバアドレス記憶部172には、サーバ機能問合せ部171が受信した応答メッセージの送信元(プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8)のアドレスが記憶される。
【0141】
起動対象選択部173は、サーバ機能起動要求部174の指示に従い、サーバアドレス記憶部172から、プレゼンスサーバ機能の起動対象となるプレゼンスサーバ機能付IP電話端末8(以下、起動対象端末8)のアドレスを選択する。
【0142】
サーバ機能起動要求部174は、プレゼンスサーバの利用を前提とするプレゼンスデータの更新・取得の開始イベントが発生した場合に、起動対象端末8のプレゼンスサーバ機能を起動させる。具体的には、サーバ処理依頼部176が、マンマシンインターフェース部11を介してユーザよりプレゼンスデータの更新あるいは取得の指示を受け付けた場合に、サーバ機能起動要求部174は、起動対象端末8のプレゼンスサーバ機能を起動させる。
【0143】
サーバ機能停止要求部175は、プレゼンスサーバの利用を前提とするプレゼンスデータの更新・取得の終了イベントが発生した場合に、起動対象端末8のメディアサーバ機能を停止させる。具体的には、サーバ処理依頼部176が、マンマシンインターフェース部11を介してユーザよりプレゼンスデータの更新あるいは取得の終了指示を受け付けた場合に、サーバ機能停止要求部175は、起動対象端末8のプレゼンスサーバ機能を終了させる。
【0144】
サーバ処理依頼部176は、プレゼンスクライアント処理部17の各部と連携して、自IP電話端末7のプレゼンスデータを起動対象端末8に更新させるためのプレゼンスデータ更新依頼を実施する。また、サーバ処理依頼部176は、プレゼンスクライアント処理部17の各部と連携して、各IP電話端末7および各プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8のプレゼンスデータを起動対象端末8に取得させるためのプレゼンスデータ取得依頼を実施する。
【0145】
図15は、IP電話端末7のプレゼンスデータ更新依頼処理を説明するためのフロー図である。このフローは、マンマシンインターフェース部11を介してユーザよりプレゼンスデータ更新指示を受け付けた場合に開始される。
【0146】
まず、サーバ処理依頼部176は、サーバ機能起動要求部174にプレゼンスサーバの更新機能の起動を指示する。これを受けて、サーバ機能起動要求部174は、サーバ機能問合せ部171にサーバ機能の問合せを指示する。そして、サーバ機能問合せ部171は、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介して、サーバ種別「プレゼンスサーバ」の指定を伴うサーバ機能問合せメッセージを同報送信する(S161)。それから、サーバ機能問合せ部171は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介して、このサーバ機能問合せメッセージに対する応答メッセージの受信、および受信した応答メッセージの送信元アドレスの、サーバアドレス記憶部172への登録を開始する(S162)。
【0147】
また、サーバ機能起動要求部174は、起動対象選択部173に起動対象端末8の選択を指示する。これを受けて、起動対象選択部173は、サーバアドレス記憶部172へのアドレスの登録状況を監視する。そして、サーバアドレス記憶部172に所定時間内にアドレスが登録されたならば(S163でYES)、起動対象端末8のアドレスとして、サーバアドレス記憶部172に最初に登録されたアドレスを選択する(S164)。そして、起動対象端末8のアドレスをサーバ機能起動要求部174に通知する。一方、サーバアドレス記憶部172に所定時間内にアドレスが登録されなかったならば(S163でNO)、サーバ機能起動要求部174は、マンマシンインターフェース部11を介してユーザに、利用可能なプレゼンスサーバが現在存在しない旨のメッセージを通知するなど、所定のエラー処理を行って(S171)、このフローを終了する。
【0148】
つぎに、サーバ機能起動要求部174は、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介して、起動対象選択部173より通知されたアドレスにより特定される起動対象端末8にプレゼンスサーバ更新機能起動要求メッセージを送信する(S165)。その後、サーバ機能起動要求部174は、起動対象端末8からの返信を待つ(S166、S167)。
【0149】
ここで、起動対象端末からの返信がプレゼンスサーバ更新機能開始メッセージではなく(S166でNO)、起動拒否メッセージである場合(S167でYES)、サーバ機能起動要求部174は、起動対象選択部173に新たな起動対象端末8の選択をさらに指示する。これを受けて、起動対象選択部173は、サーバアドレス記憶部172に起動対象端末8のアドレスとして未選択のアドレスがあるか否かを調べる(S168)。
【0150】
サーバアドレス記憶部172に未選択のアドレスがないならば(S168でNO)、起動対象選択部173は、その旨をサーバ機能起動要求部174に通知する。これを受けて、サーバ機能起動要求部174は、マンマシンインターフェース部11を介してユーザに、利用可能なプレゼンスサーバが現在存在しない旨のメッセージを通知するなど、所定のエラー処理を行って(S171)、このフローを終了する。
【0151】
一方、サーバアドレス記憶部172に未選択のアドレスがあるならば(S168でYES)、起動対象選択部173は、新たな起動対象端末8のアドレスとして、サーバアドレス記憶部172に登録されている未選択のアドレスを一つ選択する(S169)。そして、起動対象端末8のアドレスをサーバ機能起動要求部174に通知する。これを受けて、サーバ機能起動要求部174は、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介して、起動対象選択部173より通知されたアドレスにより特定される起動対象端末8にプレゼンスサーバ更新機能起動要求メッセージを送信する(S170)。その後、サーバ機能起動要求部174は、起動対象端末8からの返信を待つ(S166、S167)。
【0152】
また、起動対象端末8からの返信がプレゼンスサーバ更新機能開始メッセージである場合(S166でYES)、サーバ機能起動要求部174は、サーバ処理依頼部176に起動対象端末8のアドレスを通知する。これを受けて、サーバ処理依頼部176は、マンマシンインターフェース部11を介してユーザからプレゼンスデータの更新データを受け付ける。そして、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介して起動対象端末8に、この更新データを含む更新依頼メッセージを送信する(S172)。
【0153】
つぎに、サーバ処理依頼部176は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介して起動対象端末8から更新完了メッセージを受信したならば、サーバ機能停止要求部175に、起動対象端末8のアドレスを通知してプレゼンスサーバの更新機能停止を指示する。これを受けて、サーバ機能停止要求部175は、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介して起動対象端末8に、プレゼンスサーバ更新機能停止要求メッセージを送信する(S173)。その後、このフローを終了する。
【0154】
図16は、IP電話端末7のプレゼンスデータ取得依頼処理を説明するためのフロー図である。このフローは、マンマシンインターフェース部11を介してユーザよりプレゼンスデータ取得指示を受け付けた場合に開始される。
【0155】
ここで、S181〜S184、S186〜S189、S191は、図15のS161〜S164、S166〜S169、S171と同様である。そして、S185、S190において、サーバ機能起動要求部174は、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介して、起動対象選択部173より通知されたアドレスにより特定される起動対象端末8にプレゼンスサーバ取得機能起動要求メッセージを送信する。
【0156】
また、S192において、サーバ機能起動要求部174は、サーバ処理依頼部176に起動対象端末8のアドレスを通知する。これを受けて、サーバ処理依頼部176は、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介して起動対象端末8に取得依頼メッセージを送信して、起動対象端末8から各IP電話端末7および各プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8のプレゼンスデータを取得する。そして、マンマシンインターフェース部11を介してユーザに、取得した各プレゼンスデータを知らせる。
【0157】
また、S193において、サーバ処理依頼部176は、サーバ機能停止要求部175に、起動対象端末8のアドレスを通知してプレゼンスサーバの取得機能の停止を指示する。これを受けて、サーバ機能停止要求部175は、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介して起動対象端末8に、プレゼンスサーバ取得機能停止要求メッセージを送信する。
【0158】
図13に戻って説明を続ける。
【0159】
プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8は、SIPサーバ3と連携して呼制御を行い、通話相手との間にセッションを確立し、このセッションを介して通話相手と通話を行う。また、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8は、プレゼンスクライアント機能およびプレゼンスサーバ機能を有しており、プレゼンスサーバとして機能する他のプレゼンスサーバ機能付IP電話端末8に、ファイルサーバ9に登録されているプレゼンスデータの更新・取得を依頼するとともに、プレゼンスクライアントとして機能するIP電話端末7あるいは他のプレゼンスサーバ機能付IP電話端末8から依頼に従い、ファイルサーバ9に登録されているプレゼンスデータの更新・取得を実施する。
【0160】
図17は、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8の概略構成図である。ここで、図14に示すIP電話端末7と同じ機能を有するものには、図14と同じ符号を付している。
【0161】
図示するように、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8が、図14に示すIP電話端末7と異なる点は、プレゼンスサーバ処理部18を備えていることである。その他の構成は、IP電話端末7と同様である。
【0162】
プレゼンスサーバ処理部18は、IP電話端末7またはプレゼンスサーバ機能付IP電話端末8のプレゼンスクライアント処理部17に対してプレゼンスサーバ機能を提供するために必要な処理(プレゼンスサーバ処理)を実施する。図示するように、プレゼンスサーバ処理部18は、サーバ機能応答部181と、サーバ機能起動部182と、サーバ機能停止部183と、更新処理部184と、取得処理部185と、更新依頼元記憶部186と、取得依頼元記憶部187と、を有する。
【0163】
サーバ機能応答部181は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介して、IP電話端末7あるいはプレゼンスサーバ機能付IP電話端末8から、サーバ種別「プレゼンスサーバ」の指定を伴うサーバ機能問合せメッセージを受信した場合に、応答メッセージを、このサーバ機能問合せメッセージの送信元に送信する。
【0164】
サーバ機能起動部182は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介して受け付けたIP電話端末7あるいはプレゼンスサーバ機能付IP電話端末8の要求に従い、更新処理部184あるいは取得処理部185を起動する。
【0165】
サーバ機能停止部183は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介して受け付けたIP電話端末7あるいはプレゼンスサーバ機能付IP電話端末8の要求に従い、起動中の更新処理部184あるいは取得処理部185を停止する。
【0166】
更新処理部184は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介してIP電話端末7あるいはプレゼンスサーバ機能付IP電話端末8から受け付けた更新データに従い、ファイルサーバ9に格納されているプレゼンスデータを更新する。
【0167】
取得処理部185は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介してIP電話端末7あるいはプレゼンスサーバ機能付IP電話端末8から受け付けた指示に従い、ファイルサーバ9に格納されているプレゼンスデータを取得し、この指示の送信元に、このプレゼンスデータを送信する。
【0168】
更新依頼元記憶部186には、更新処理部184を利用中のIP電話端末7あるいはプレゼンスサーバ機能付IP電話端末8のアドレスが記憶される。
【0169】
取得依頼元記憶部187には、取得処理部185を利用中のIP電話端末7あるいはプレゼンスサーバ機能付IP電話端末8のアドレスが記憶される。
【0170】
図18は、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8のプレゼンスサーバ処理を説明するためのフロー図である。
【0171】
サーバ機能応答部181は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介して、IP電話端末7あるいはプレゼンスサーバ機能付IP電話端末8からサーバ機能問合せメッセージを受信すると(S41でYES)、このサーバ機能問合せメッセージで指定されているサーバ種別が「プレゼンスサーバ」であるか否かを調べる(S42)。サーバ種別「プレゼンスサーバ」であるならば(S42でYES)、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介して、このサーバ機能問合せメッセージの送信元に、このサーバ機能問合せメッセージに対する応答メッセージを送信する(S43)。
【0172】
また、サーバ機能起動部182は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介してIP電話端末7あるいはプレゼンスサーバ機能付IP電話端末8から、プレゼンスサーバ更新機能起動要求メッセージを受信すると(S44でYES)、更新処理部184およびサーバ機能停止部183と連携して、後述のプレゼンスデータ更新処理を実施する(S45)。
【0173】
また、サーバ機能起動部182は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介してIP電話端末7あるいはプレゼンスサーバ機能付IP電話端末8から、プレゼンスサーバ取得機能起動要求メッセージを受信すると(S46でYES)、取得処理部185およびサーバ機能停止部183と連携して、後述のプレゼンスデータ取得処理を実施する(S47)。
【0174】
図19は、図18に示すプレゼンスデータ更新処理(S45)を説明するためのフロー図である。
【0175】
まず、サーバ機能起動部182は、自プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8の状態が所定の更新依頼受付条件を満足しているか否かを判断する(S4501)。例えば、更新処理部184の稼働率(負荷状態)を調べ、この稼働率が所定値未満の場合に、更新依頼受付条件を満足していると判断する。
【0176】
更新依頼受付条件を満足していないと判断した場合(S4501でNO)、サーバ機能起動部182は、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介してプレゼンスサーバ更新機能起動要求メッセージの送信元に起動拒否メッセージを送信して(S4502)、このフローを終了する。
【0177】
一方、更新依頼受付条件を満足していると判断した場合(S4501でYES)、サーバ機能起動部182は、更新処理部184が起動中ならば(S4503でYES)、プレゼンスサーバ更新機能起動要求メッセージの送信元アドレスを更新依頼元記憶部186に記憶させ(S4505)、更新処理部184が起動中でないならば(S4503でNO)、これを起動させ(S4504)、それから、プレゼンスサーバ更新機能起動要求メッセージの送信元アドレスを更新依頼元記憶部186に記憶させる(S4505)。
【0178】
つぎに、サーバ機能起動部182は、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介してプレゼンスサーバ更新機能起動要求メッセージの送信元にプレゼンスサーバ更新機能開始メッセージを送信する(S4506)。
【0179】
つぎに、更新処理部184は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介してプレゼンスサーバ更新機能起動要求メッセージの送信元から更新依頼メッセージを受信したならば(S4507でYES)、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介してファイルサーバ9にアクセスし、プレゼンスサーバ更新機能起動要求メッセージの送信元アドレスに対応付けて記憶されたプレゼンスデータを、更新依頼メッセージに含まれる更新データで更新する(S4508)。その後、更新処理部184は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介してプレゼンスサーバ更新機能起動要求メッセージの送信元に更新完了メッセージを送信する(S4509)。
【0180】
つぎに、サーバ機能停止部183は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介して、プレゼンスサーバ更新機能起動要求メッセージの送信元からプレゼンスサーバ更新機能停止要求メッセージを受信したならば(S4510でYES)、このプレゼンスサーバ更新機能起動要求メッセージの送信元アドレスを更新依頼元記憶部186から削除する(S4511)。
【0181】
その後、サーバ機能停止部183は、更新依頼元記憶部186にアドレスが記憶されているか否かを調べる(S4512)。更新依頼元記憶部186にアドレスが記憶されているならば(S4512でYES)、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介して、プレゼンスサーバ更新機能起動要求メッセージの送信元にプレゼンスサーバ更新機能終了メッセージを送信し(S4514)、このフローを終了する。一方、更新依頼元記憶部186にアドレスが記憶されていないならば(S4512でNO)、更新処理部184を停止させ(S4513)、それから、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介してプレゼンスサーバ更新機能起動要求メッセージの送信元にプレゼンスサーバ更新機能終了メッセージを送信し(S4514)、このフローを終了する。
【0182】
図20は、図18に示すプレゼンスデータ取得処理(S47)を説明するためのフロー図である。
【0183】
まず、サーバ機能起動部182は、自プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8の状態が取得依頼受付条件を満足しているか否かを判断する(S4701)。例えば、取得処理部185の稼働率(負荷状態)を調べ、この稼働率が所定値未満の場合に、取得依頼受付条件を満足していると判断する。
【0184】
取得依頼受付条件を満足していないと判断した場合(S4701でNO)、サーバ機能起動部182は、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介してプレゼンスサーバ取得機能起動要求メッセージの送信元に起動拒否メッセージを送信して(S4702)、このフローを終了する。
【0185】
一方、取得依頼受付条件を満足していると判断した場合(S4701でYES)、サーバ機能起動部182は、取得処理部185が起動中ならば(S4703でYES)、取得依頼元記憶部187にプレゼンスサーバ取得機能起動要求メッセージの送信元アドレスを記憶させ(S4705)、取得処理部185が起動中でないならば(S4703でNO)、これを起動させ(S4704)、それから、取得依頼元記憶部187にプレゼンスサーバ取得機能起動要求メッセージの送信元アドレスを記憶させる(S4705)。
【0186】
つぎに、サーバ機能起動部182は、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介してプレゼンスサーバ取得機能起動要求メッセージの送信元にプレゼンスサーバ取得機能開始メッセージを送信する(S4706)。
【0187】
つぎに、取得処理部185は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介してプレゼンスサーバ取得機能起動要求メッセージの送信元から取得依頼メッセージを受信したならば(S4707でYES)、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介してファイルサーバ9にアクセスし、SIPサーバ3が収容する各端末(IP電話端末7、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8)のプレゼンスデータを取得する(S4708)。そして、取得したプレゼンスデータを、LANインターフェース部12および通信制御部13を介してプレゼンスサーバ取得機能起動要求メッセージの送信元に送信する(S4709)。
【0188】
つぎに、サーバ機能停止部183は、LANインターフェース部12および通信制御部13を介して、プレゼンスサーバ取得機能起動要求メッセージの送信元からプレゼンスサーバ取得機能停止要求メッセージを受信したならば(S4710でYES)、このプレゼンスサーバ取得機能起動要求メッセージの送信元アドレスを取得依頼元記憶部187から削除する(S4711)。
【0189】
その後、サーバ機能停止部183は、取得依頼元記憶部187にアドレスが記憶されているか否かを調べる(S4712)。取得依頼元記憶部187にアドレスが記憶されているならば(S4712でYES)、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介して、プレゼンスサーバ取得機能起動要求メッセージの送信元にプレゼンスサーバ取得機能終了メッセージを送信し(S4714)、このフローを終了する。一方、取得依頼元記憶部187にアドレスが記憶されていないならば(S4712でNO)、取得処理部185を停止させ(S4713)、それから、通信制御部13およびLANインターフェース部12を介してプレゼンスサーバ取得機能起動要求メッセージの送信元にプレゼンスサーバ取得機能終了メッセージを送信し(S4714)、このフローを終了する。
【0190】
つぎに、本実施の形態に係るIP電話システムの動作例を説明する。
【0191】
図21は、図13に示すIP電話システムのプレゼンスデータ更新動作を説明するためのシーケンス図である。ここで、個々のプレゼンスサーバ機能付IP電話端末8を区別するため、符号に枝番を付している。
【0192】
IP電話端末7は、ユーザからプレゼンスデータ更新指示を受け付けると、サーバ種別「プレゼンスサーバ」のサーバ機能問合せメッセージを、LAN4に接続された各機器に同報送信する(S501)。これを受けて、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8−1〜8−3は、応答メッセージを返信する(S502)。
【0193】
つぎに、IP電話端末7は、最初に受信した応答メッセージの送信元を起動対象端末として選択する(S503)。ここでは、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8−2が起動対象端末に選択されたものとする。それから、IP電話端末7は、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8−2にプレゼンスサーバ更新機能起動要求メッセージを送信する(S504)。
【0194】
プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8−2は、IP電話端末7からプレゼンスサーバ更新機能起動要求メッセージを受信すると、更新依頼受付条件を満足していることを確認し、更新処理部184が停止中ならばこれを起動する(S505)。また、更新依頼元記憶部186にIP電話端末7のアドレスを登録し、それから、プレゼンスサーバ更新機能開始メッセージをIP電話端末7に送信する(S506)。
【0195】
これを受けて、IP電話端末7は、ユーザからプレゼンスデータの更新データを受け付け(S507)、この更新データを含む更新依頼メッセージをプレゼンスサーバ機能付IP電話端末8−2に送信する(S508)。プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8−2は、ファイルサーバ9にアクセスし、IP電話端末7のアドレスに対応付けられて記憶されているプレゼンスデータを、更新依頼メッセージに含まれる更新データを用いて更新する(S509、S510)。
【0196】
つぎに、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8−2は、IP電話端末7に更新完了メッセージを送信する(S511)。これを受けて、IP電話端末7は、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8−2にプレゼンスサーバ更新機能停止要求メッセージを送信する(S512)。
【0197】
プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8−2は、IP電話端末7からプレゼンスサーバ更新機能停止要求メッセージを受信すると、更新依頼元記憶部186からIP電話端末7のアドレスを削除する。それから、更新依頼元記憶部186にアドレスがないことを確認して、更新処理部184を停止させる(S513)。その後、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8−2は、IP電話端末7にプレゼンスサーバ更新機能終了メッセージを送信する(S514)。
【0198】
図22は、図13に示すIP電話システムのプレゼンスデータ取得動作を説明するためのシーケンス図である。ここで、図21と同様、個々のプレゼンスサーバ機能付IP電話端末8を区別するため、符号に枝番を付している。
【0199】
IP電話端末7は、ユーザからプレゼンスデータ取得指示を受け付けると、サーバ種別「プレゼンスサーバ」のサーバ機能問合せメッセージを、LAN4に接続された各機器に同報送信する(S521)。これを受けて、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8−1〜8−3は、応答メッセージを返信する(S522)。
【0200】
つぎに、IP電話端末7は、最初に受信した応答メッセージの送信元を起動対象端末として選択する(S523)。ここでは、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8−2が起動対象端末に選択されたものとする。それから、IP電話端末7は、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8−2にプレゼンスサーバ取得機能起動要求メッセージを送信する(S524)。
【0201】
プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8−2は、IP電話端末7からプレゼンスサーバ取得機能起動要求メッセージを受信すると、取得依頼受付条件を満足していることを確認し、取得処理部185が停止中ならばこれを起動する(S525)。また、取得依頼元記憶部187にIP電話端末7のアドレスを登録する。それから、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8−2は、プレゼンスサーバ取得機能開始メッセージをIP電話端末7に送信する(S526)。
【0202】
これを受けて、IP電話端末7は、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8−2に取得依頼メッセージを送信する(S527)。そして、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8−2は、ファイルサーバ9にアクセスし、各IP電話端末7および各プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8のプレゼンスデータを取得する(S528、S529)。
【0203】
つぎに、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8−2は、ファイルサーバ9から取得したプレゼンスデータをIP電話端末7に送信する(S530)。これを受けて、IP電話端末7は、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8−2から受信したプレゼンスデータを表示する(S531)。
【0204】
その後、IP電話端末7は、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8−2にプレゼンスサーバ取得機能停止要求メッセージを送信する(S532)。これを受けて、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8−2は、取得依頼元記憶部187からIP電話端末7のアドレスを削除する。それから、取得依頼元記憶部187にアドレスがないことを確認して、取得処理部185を停止させる(S533)。その後、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8−2は、IP電話端末7にプレゼンスサーバ取得機能終了メッセージを送信する(S534)。
【0205】
以上、本発明の第二実施の形態を説明した。
【0206】
本実施の形態において、プレゼンスクライアント処理部17(IP電話端末7、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8)は、プレゼンスサーバを利用する際に、サーバ機能問合せメッセージを同報送信する。そして、応答のあったプレゼンスサーバ処理部18(プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8)のなかから起動対象を選択し、この起動対象にプレゼンスサーバ更新機能起動要求メッセージあるいはプレゼンスサーバ取得機能起動要求メッセージを送信する。そして、起動対象からプレゼンスサーバ更新機能開始メッセージあるいはプレゼンスサーバ取得機能開始メッセージを受信したならば、ファイルサーバ9に記憶されているプレゼンスデータの更新あるいは取得を起動対象に依頼する。
【0207】
一方、プレゼンスサーバ処理部18は、サーバ機能問合せメッセージの送信元に応答メッセージを返信する。そして、プレゼンスサーバ更新能起動要求メッセージあるいはプレゼンスサーバ取得機能起動要求メッセージを受信したならば、更新処理部184あるいは取得処理部185を起動して、このプレゼンスサーバ更新機能起動要求メッセージあるいはプレゼンスサーバ取得機能起動要求メッセージの送信元にプレゼンスサーバ更新機能開始メッセージあるいはプレゼンスサーバ取得機能開始メッセージを送信する。その後、このプレゼンスサーバ更新機能起動要求メッセージあるいはプレゼンスサーバ取得機能起動要求メッセージの送信元の依頼に従い、プレゼンスサーバの更新あるいは取得を行う。そして、プレゼンスデータの更新あるいは取得が終了したならば、更新処理部184あるいは取得処理部185を停止する。
【0208】
したがって、本実施の形態によれば、プレゼンスサーバ処理部18の更新機能および取得機能が必要なときにのみ有効になるので、リソースを効率よく利用できる。
【0209】
また、本実施の形態において、プレゼンスクライアント処理部17は、サーバ種別「プレゼンスサーバ」の指定を伴うサーバ機能問合せメッセージを同報送信し、プレゼンスサーバ処理部18は、サーバ種別「プレゼンスサーバ」の指定を伴うサーバ機能問合せメッセージを受信した場合にのみ、この問合せメッセージに対する応答メッセージを返信する。したがって、本実施の形態によれば、プレゼンスクライアント処理部17にプレゼンスサーバ処理部18の所在を予め登録しておく必要がなく、ユーザの設定作業を簡素化することができる。
【0210】
また、本実施の形態において、プレゼンスクライアント処理部17は、同報送信したサーバ機能問合せメッセージに対して最初に受信した応答メッセージの送信元を起動対象に選択する。したがって、本実施の形態によれば、プレゼンスサーバ処理部18のサーバ機能の提供を迅速に開始することができる。
【0211】
また、本実施の形態において、プレゼンスサーバ処理部18は、更新処理部184、取得処理部185等のリソースの使用状態を監視し、その監視結果が、所定の更新依頼受付条件、取得依頼受付条件を満足していない場合に、プレゼンスサーバ更新機能起動要求メッセージ、プレゼンスサーバ取得機能起動要求メッセージの送信元に、起動拒否メッセージを送信する。一方、プレゼンスクライアント処理部17は、起動拒否メッセージを受信した場合に、新たな起動対象を選択して、この新たな起動対象にプレゼンスサーバ更新機能起動要求メッセージ、プレゼンスサーバ取得機能起動要求メッセージを送信する。したがって、本実施の形態によれば、複数のプレゼンスサーバ処理部18間でプレゼンスデータの更新・取得にかかる負荷を分散させることができる。
【0212】
なお、本実施の形態において、プレゼンスクライアント処理部17から、サーバ機能問合せ部151、サーバアドレス記憶部152、および起動対象選択部153を省略してもよい。この場合、プレゼンスクライアント処理部17には、プレゼンスサーバのアドレスとして、LAN4に接続された中継装置(不図示)のアドレスを設定する。そして、サーバ機能問合せ部151、サーバアドレス記憶部152、および起動対象選択部153を中継装置に設けて、この中継装置をプレゼンスサーバのプロキシサーバとして機能させる。
【0213】
また、本実施の形態において、プレゼンスサーバ機能付IP電話端末8を一台のみとし、このプレゼンスサーバ機能付IP電話端末8に、ファイルサーバ9としての機能を持たせるようにしてもよい。
【0214】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0215】
例えば、上記第一実施の形態に係るIP電話システムおよび上記第二の実施の形態に係るIP電話システムを同じLAN4上に混在させてもよい。また、メディアクライアント処理部15およびプレゼンスクライアント処理部17を同じIP電話端末に搭載してもよい。同様に、メディアサーバ処理部16およびプレゼンスサーバ処理部18を同じIP電話端末に搭載してもよい。
【0216】
また、図2に示すIP電話端末1、図7に示すメディアサーバ機能付IP電話端末2、図14に示すIP電話端末7、および図17に示すプレゼンスサーバ機能付IP電話端末8の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)などの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPU、メモリ、HDD、DVD−ROM等の補助記憶装置、およびNIC(Network Interface Card)、モデム等の通信インターフェースを備えたPC(Personal Computer)等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することで実現されるものでもよい。
【0217】
また、上記第一実施の形態および第二実施の形態では、本発明をIP電話システムに適用した場合を例にとり説明したが、本発明は、サーバ機能を有するクライアント端末を少なくとも一台含む複数台のクライアント端末を備えたクライアントサーバシステムに広く適用可能である。
【符号の説明】
【0218】
1:IP電話端末、2:メディアサーバ機能付IP電話端末、3:SIPサーバ、4:LAN、5:WAN、6:ゲートウェイ、7:IP電話端末、8:プレゼンスサーバ機能付IP電話端末、9:ファイルサーバ、11:マンマシンインターフェース部、12:LANインターフェース部、13:通信制御部、14:IP電話処理部、15:メディアクライアント処理部、16:メディアサーバ処理部、17:プレゼンスクライアント処理部、18:プレゼンスサーバ処理部、141:SIPクライアント処理部、142:RTP処理部、151:サーバ機能問合せ部、152:サーバアドレス記憶部、153:起動対象選択部、154:サーバ機能起動要求部、155:サーバ処理依頼部、156:起動対象アドレス記憶部、157:サーバ機能停止要求部、161:サーバ機能応答部、162:記録処理部、163:留守電記憶部、164:再生処理部、165:サーバ機能起動部、166:サーバ機能停止部、171:サーバ機能問合せ部、172:サーバアドレス記憶部、173:起動対象選択部、174:サーバ機能起動要求部、175:サーバ機能停止要求部、176:サーバ処理依頼部、181:サーバ機能応答部、182:サーバ機能起動部、183:サーバ機能停止部、184:更新処理部、185:取得処理部、186:更新依頼元記憶部、187:取得依頼元記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一台のサーバ機能を有するクライアント端末を含む複数台のクライアント端末を備えたクライアントサーバシステムであって、
前記クライアント端末は、
サーバ利用を前提とする所定の処理の開始イベントが発生した場合に、サーバ機能の問合せを同報送信して、当該問合せに対する応答を受信するサーバ機能問合せ手段と、
前記応答の送信元のなかから起動対象端末を選択する起動対象選択手段と、
前記起動対象端末にサーバ機能起動要求を送信して、当該起動対象端末からサーバ機能開始通知を受信するサーバ機能起動要求手段と、
前記開始通知の送信元である前記起動対象端末に対して、前記所定の処理の依頼を送信するサーバ処理依頼手段と、を有し、
前記サーバ機能を有するクライアント端末は、
前記サーバ機能の問合せを受信した場合に、当該問合せに対する応答を当該問合せの送信元に送信するサーバ機能応答手段と、
前記サーバ機能の起動要求を受信した場合に、それまで無効にしておいたサーバ機能を有効にし、前記サーバ機能開始通知を当該起動要求の送信元に送信するサーバ機能起動手段と、
前記サーバ機能起動手段により有効にした前記サーバ機能により、前記起動要求の送信元から受信した依頼の処理が終了した場合に、前記サーバ機能を無効にするサーバ機能停止手段と、を有する
ことを特徴とするクライアントサーバシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のクライアントサーバシステムであって、
前記サーバ機能問合せ手段は、
利用するサーバ種別の指定を伴う前記サーバ機能の問合せを同報送信し、
前記サーバ機能応答手段は、
前記サーバ機能の問合せを受信した場合に、自クライアント端末が、当該問合せで指定されている前記サーバ種別に対応するサーバ機能を有している場合にのみ、当該問合せに対する応答を当該問合せの送信元に送信する
ことを特徴とするクライアントサーバシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のクライアントサーバシステムであって、
前記クライアント端末は、
前記所定の処理の停止イベントが発生した場合に、前記起動対象端末にサーバ機能停止要求を送信するサーバ機能停止要求手段をさらに有し、
前記サーバ機能停止手段は、
前記起動要求の送信元から前記サーバ機能停止要求を受信した場合に、前記サーバ機能を無効にする
ことを特徴とするクライアントサーバシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のクライアントサーバシステムであって、
前記サーバ機能を有するクライアント端末は、
前記サーバ機能起動手段により有効にした前記サーバ機能によるリソースの使用状態を監視するリソース監視手段と、
前記リソース監視手段による監視結果が所定のサーバ機能停止条件を満足している場合に、前記起動要求の送信元に起動対象変更要求を送信する起動対象変更要求手段と、をさらに有し、
前記起動対象選択手段は、
前記起動対象端末から前記起動対象変更要求を受信した場合に、前記応答の送信元のなかから新たな起動対象端末を選択する
ことを特徴とするクライアントサーバシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のクライアントサーバシステムであって、
前記クライアント端末は、
前記所定の処理の依頼先のアドレスを依頼順に対応付けて記憶する起動対象アドレス記憶手段と、
前記起動対象アドレス記憶手段に記憶されている各アドレスに対応付けてられている依頼順に従って、前記所定の処理の依頼先から処理結果を取得する処理結果取得手段と、をさらに有する
ことを特徴とするクライアントサーバシステム。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載のクライアント端末。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載のサーバ機能を有するクライアント端末。
【請求項8】
少なくとも一台のサーバ機能を有するクライアント端末を含む複数台のクライアント端末を備えたクライアントサーバシステムの制御方法であって、
前記クライアント端末は、
サーバ利用を前提とする所定の処理の開始イベントが発生した場合に、サーバ機能の問合せを同報送信して、当該問合せに対する応答を受信し、
前記応答の送信元のなかから起動対象端末を選択し、当該起動対象端末にサーバ機能起動要求を送信して、当該起動対象端末からサーバ機能開始通知を受信し、
前記開始通知の送信元である前記起動対象端末に対して、前記所定の処理の依頼を送信し、
前記サーバ機能を有するクライアント端末は、
前記サーバ機能の問合せを受信した場合に、当該問合せに対する応答を当該問合せの送信元に送信し、
前記サーバ機能起動要求を受信した場合に、それまで無効にしておいたサーバ機能を有効にして、サーバ機能開始通知を当該起動要求の送信元に送信し、
前記有効にした前記サーバ機能により、前記起動要求の送信元から受信した依頼の処理が終了した場合に、前記サーバ機能を無効にする
ことを特徴とするクライアントサーバシステムの制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2011−166276(P2011−166276A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24209(P2010−24209)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(000134707)株式会社ナカヨ通信機 (522)
【Fターム(参考)】