説明

クラッチ機構

【課題】移動体の誤った動作を減らす。
【解決手段】直線駆動装置1の移動体で使用するためのクラッチ機構5であって:シャフト2の回転がギアボックス3を操作の第1モードにおいてシャフト2に沿って動かすように直線駆動装置1のねじを切られたシャフト2に噛み合う形状のギアの歯61をもつ第1ギア6;第1ギア6とともに組み込まれそして第1ギア6に掛かる回転力が閾値力よりも小さいときギアボックス3に関して第1ギア6の実質的回転を防止し、第1ギア6に掛かる力が閾値力よりも大きいときギアボックス3に関して第1ギア6の回転を許す形状であって、ねじの切られたシャフト2およびギアの歯の相互作用によって第1ギア6に掛かる回転力が第1閾値を超えるようにギアボックス3に力を働かせることによって、ギアボックス3が操作の第2モードにおいてシャフト2の長さに沿って手動で動かされる第1クラッチ配置;からなる機構5

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施態様は直線駆動装置で使用するクラッチ機構に関し、直線駆動装置はクラッチ機構を含み、そして外科用器具保持機構は直線駆動装置を含む。
特に、本発明の実施態様は直線駆動装置およびクラッチ機構を含む外科用器具保持機構に関する。
【0002】
直線駆動装置は種々な応用における使用に対して知られている。通常、これらの装置はねじの切られたシャフトに連結するモーターそしてねじの切られたシャフトに取り付けられる移動体からなる。移動体はシャフトのねじに噛み合う要素をもちそして移動体はモーターがシャフトの回転を駆動するとき、移動体は直線動作でシャフトの長さに沿って移動されるようにシャフトの周りの回転から防止される。シャフトの回転を反対にするとシャフトに沿った移動体の直線の動きの方向を逆にする。このように、モーターは移動体に直線動作を伝えるために使用できる。
【0003】
このような直線駆動装置の実施例は装置の移動体に取り付けられた内視鏡の遠近動作を駆動するための−言い替えれば、外科位置の中へそして外へ内視鏡あるいは他の内視鏡機器保持機構を動かすための外科用ロボットあるいは外科用器具の操作である。
【0004】
外科用ロボット(そして同様のもの)のような応用において使用される直線駆動装置はしばしば低速で移動体を駆動する形状である−例えば、安全のために。もし大きい動きが要求されるならば、許容されることが移動体の速い動きに対して好都合である。これは移動体の要素と連結する推進器を備えることによって達成される。達成されるとき、推進器は要素が直線駆動装置のねじの切られたシャフトのねじをはずすようにする。それ故、移動体はシャフト自身の回転を要求することなしにねじの切られたシャフトの長さに沿って手動で自由に動かされることである。移動体がシャフトの長さに沿って希望する位置に動かされたとき、推進器は要素をシャフトのねじに再び噛み合わせるために効力をなくす。移動体の動きはそれから通常の方法で駆動される。
【0005】
要素をねじの切られたシャフトから完全に外されておきる問題は要素が完全に噛み合うかあるいは外されるかである。このように、要素が最初に外されるとき、移動体の重さそしてそれに取り付けられたどのような機器も器具保持機構によって突然最早支持されなく、そして、例えば、使用者が予測したよりも重いので、移動体の重さが移動体の不注意な動きを起こす。付け加えると、噛み合いを外された要素をともなう移動体の動きは移動体の他の誤った動きの危険性を増加する。外科応用において、移動体の誤った動きは重大な安全の関係事である(患者あるいは外科医に損害を及ぼす能力がある)。
【0006】
先行技術に関連する問題点を改良しようと務めることが本発明の実施態様の目的である。
【0007】
従って、本発明の観点は直線駆動装置の移動体で使用するためのクラッチ機構を備え:ギアボックス;ギアボックスに連結し、そしてシャフトの回転がギアボックスを操作の第1モードにおいてシャフトに沿って動かすように直線駆動装置のねじを切られたシャフトに噛み合う形状のギアの歯をもつ第1ギア;第1ギアとともに組み込まれそして第1ギアに掛かる回転力が閾値力よりも小さいときギアボックスに関して第1ギアの実質的回転を防止し、第1ギアに掛かる力が閾値力よりも大きいときギアボックスに関して第1ギアの回転を許す形状であって、ねじの切られたシャフトおよびギアの歯の相互作用によって第1ギアに掛かる回転力が第1閾値を超えるようにギアボックスに力を働かせることによって、ギアボックスが操作の第2モードにおいてシャフトの長さに沿って手動で動かされる第1クラッチ配置;からなる機構である。
【0008】
望ましくは、第1クラッチ配置は、第1ギアに圧縮力を掛けるために配置された第1クラッチ板および第2クラッチ板からなる。
【0009】
有利に、第1クラッチ板はギアボックスと全体的に形成されそして第2クラッチ板は第1クラッチ板に関して動かされる。
【0010】
便利に、調整機構は第1ギアのねじの閾値力を変えるために備えられる。
【0011】
望ましくは、調整機構は使用者推進ハンドルを備えられる。
【0012】
優位に、弾力性のバイアスの掛かる要素は第1ギアに圧縮力を維持するために備えられる。
【0013】
望ましくは、機構はさらにギアボックスに連結しそして直線駆動装置のシャフトに噛み合う形状であるギアの歯をもつ第2ギアからなり、直線駆動装置のシャフトを受けるに適した通路が第1および第2ギアの間に決められる。
【0014】
望ましくは、第2ギアはギアボックスに関して実質的に自由に回転できる。
【0015】
有利に、機構はさらに、第2ギアと組み合わさりそして第2ギアのギアの歯のある少なくとも1つに掛かる回転力が閾値力よりも小さいときギアボックスに関して第2ギアの実質的な回転を防止しそして第2ギアに掛かる回転力が閾値力より大きいときギアボックスに関して第2ギアの回転を許す形状であって、ギアボックスは操作の第1モードにおいて直線駆動措置のシャフトの回転によってシャフトに沿って動かされそして操作の第2モードにおいてシャフトの軸に沿って手動で動かされる第2クラッチ配置からなる。
【0016】
本発明の他の観点は、直線駆動装置はねじの切られたシャフト;ねじの切られたシャフトに連結されそしてねじの切られたシャフトの回転を駆動する形状であるモーター;そしてクラッチ機構によってねじの切られたシャフトに適合する移動体からなる。
【0017】
本発明の他の観点は、直線駆動装置あるいはクラッチ機構を含む外科用器具保持機構を備える。
【0018】
有利に、ギアボックスはさらに外科用器具あるいは機器を受けとるに適した付属配置からなる。
【0019】
望ましくは、機構はさらに付属配置に取り付けられる内視鏡器具からなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】直線駆動装置の第1実施例の説明図である。
【図2】図1の第1実施例のギアボックスの内部を示す説明図である。
【図3】第1実施例のギアボックスを下方から見たギアボックス内部の説明図である。
【図4】直線駆動装置およびクラッチ機構を含む機構を示す。
【図5】第2実施例のギアボックスを下方から見たギアボックス内部の説明図である。
【図6】第3実施例のギアボックスを下方から見たギアボックス内部の説明図である。
【図7】第4実施例のギアボックスを下方から見たギアボックス内部の説明図である。
【図8】第5実施例のギアボックスを下方から見たギアボックス内部の説明図である。
【0021】
本発明の実施態様は付属する図面を参照してここに実施例の方法で説明される。
【0022】
図1は直線駆動装置の第1実施例の説明図である;
【0023】
図2は図1の第1実施例のギアボックスの内部を示す説明図である;
【0024】
図3は第1実施例のギアボックスを下方から見たギアボックス内部の説明図である;
【0025】
図4は直線駆動装置およびクラッチ機構を含む機構を示す;
【0026】
図5は第2実施例のギアボックスを下方から見たギアボックス内部の説明図である;
【0027】
図6は第3実施例のギアボックスを下方から見たギアボックス内部の説明図である;
【0028】
図7は第4実施例のギアボックスを下方から見たギアボックス内部の説明図である;そして
【0029】
図8は第5実施例のギアボックスを下方から見たギアボックス内部の説明図である。
【0030】
図1を参照して、本発明の実施態様は直線駆動装置1からなる。
【0031】
直線駆動装置1はねじの切られたシャフト2およびモーター16の駆動がねじの切られたシャフト2を回転させるようにねじの切られたシャフト2に連結されるモーター16からなる。望ましくは、モーター16はねじの切られたシャフト2の手前端に連結される。この連結はギアボックス(示されない)あるいは直接連結を使用して達成される。
【0032】
ねじの切られたシャフトおよび2モーター16は箱4にぴったりと合う。モーター16は箱4に固定されそしてそれに対して回転を防ぐ。これは、例えば、接着あるいは1つ以上のボルトの使用によって達成される。代わりに、モーター16は箱4と一体となったケース(示されない)をもつ。他の配置はまた可能である。
【0033】
モーター16によって駆動されるねじの切られたシャフト2は箱に関して回転は自由である。実施態様において、ベアリング(示されない)は箱4に関してねじの切られたシャフト2を支持するねじの切られたシャフト2の先端に備えられる。
【0034】
図2を参照して、ギアボックス3およびクラッチ機構5からなる移動体が備えられる。ギアボックス3は第1空間31および第2空間32を決める。各空間31、32は1つあるいはそれ以上の隔離板35(これは図3で最も良く見られる)によって互いに分離される一対の壁33、34からなる。
【0035】
図2に示すように、クラッチ機構5はギアボックス3にぴったり合う形状でありそして第1ギア6および第2ギア7からなる。第1ギア6はギアボックス3の第1空間31内にぴったり合い(その壁33、34の間)そして第2ギア7はギアボックス3の第2空間32内にぴったり合う(その壁33、34の間)。通路21は第1ギア6および第2ギア7の間に決まり、通路21は直線駆動装置1のねじの切られたシャフト2を受ける形状である。
【0036】
第1ギア6および第2ギア7は、ギア6、7によって決まる通路21に受けとられる直線駆動装置1のねじの切られたシャフト2のねじ22に噛み合うに適した歯61、71をもつ。
【0037】
第1ギア6および第2ギア7はそれぞれの軸8、9に取り付けられる。軸8、9はギアボックス3にぴったり合い、そして第1ギア6および第2ギア7は組み合わさった軸8、9の縦方向の軸の周囲を実質的に自由に回転する。軸8、9はギア6、7のそれぞれの孔62、72を通る長く延びた部材である;軸8、9の長さはそれぞれのギア6、7の長さよりも大きい。
【0038】
軸8の縦方向の軸の周囲の第1ギアの回転動作は、例えば、ギア6の2つの端面63、64に掛かる圧縮力によって制限されるかあるいは抑制される。この圧縮力は一対のクラッチあるいはブレーキ板10、11(あるいは部材あるいは機構のような他のもの)を使用して達成される。
【0039】
付属品配置
各クラッチ板10、11は第1ギア6のそれぞれの端面63、64に隣接して配置され、そしてギア6のそれぞれの端面63、64に力をかける形状である。クラッチ板10、11は第1ギア6と一緒にギアボックス3の第1空間31内に位置される。クラッチ板10、11は空間31の壁33、34に通常平行であるような配置である。
【0040】
第1ギア6に掛かる圧縮力は調整機構の使用によって調整される。
【0041】
例えば、実施態様において、軸8の第1端はギア6の第1端面63に隣接するクラッチ板11によって決まる孔111を通過しそしてギアボックス3の第1空間31から出る。ハンドル12は軸8の第1端81に確保される。
【0042】
弾力性のバイアスの掛かる要素17(例えば、螺旋状ばね)−調整機構の部分を形成する−が備えられる。弾力性のバイアスの掛かる要素17はハンドル12の内側表面121およびギアボックス3の壁33の1つの外側表面にバイアスを掛けるため備えられる。この実施態様において、ハンドル12は軸8の長さに沿って操作されずそして動かないように軸8に確保される。
【0043】
軸8の第2端82(軸8の長さを横断する軸8の第1端81の反対側)はギア6の第2端面64(ギア6の長さを横断するギア6の第1端面63に反対側)を通りそして第2クラッチ板10内に延びる。
【0044】
軸8は望ましくは、例えば、軸8の第2端82で鍵の部品の使用によってギアボックス3に関して縦軸の周囲を回転することから防ぐ−そこでは軸8の鍵の部品は第2クラッチ板10の相応する鍵の部品にぴったりと合う形状でありそしてクラッチ板10はギアボックス3の第1空間31と鍵となっている(関係する回転動作を防止するために)−例えば、1つあるいはそれ以上の空間隔離板35と合端によって。
【0045】
さらに、軸8の第2端82は、ギアボックス3の第1空間31に関する軸8の直線動作が第2クラッチ板10の相応する直線動作を引き起こすように、第2クラッチ板10に確保される。
【0046】
第1クラッチ板11は第1空間31の壁33の1つの内側表面およびギア6の第1端面63に隣接する形状である。
【0047】
このように、弾力性のバイアスの掛かる要素17は、力がギア6の第2端面64に掛かるように第2クラッチ板10(軸8を通して)にバイアスを掛ける。これはギア6の第1端面63を、ギアボックス3の第1空間31の壁33の1つの内側表面(これはまた隣接する)によってさらなる動作(軸8の縦軸に平行な方向でそしてギア6から離れる)から防止される第1クラッチ板11に隣接させる。このように圧縮力はギア6の第1端面63および第2端面64に掛けられる。
【0048】
2つのクラッチ板10、11によってギア6に掛けられる圧縮力は第1ギアを軸8の周囲を回転させるために第1ギア6の歯61に掛けなければならない閾値力を決める。
【0049】
第2ギア7はその軸9に取り付けられそして軸9の縦方向の軸の周囲を自由に回転する。軸9の第1端91および第2端92はギアボックス3にぴったり合わされる(ぴったり合うことはベアリングの使用を含む−示されない)。
【0050】
第1クラッチ板10はギアボックス3と全体的に形成される。
【0051】
付属品配置18は移動体(例えばギアボックス3)に取り付けられるかあるいは付属されそして器具あるいは機器に受け入れる形状である。例えば、付属品配置は内視鏡あるいは内視鏡外科用器具15を受け入れるに適している(図4に示されるように)。
【0052】
直線駆動装置1は、ある実施態様において、腕12に取り付けられる。腕12は、言い替えれば、ロボット本体14の一部を形成する支持体の周囲の部材13および腕12の回転動作を許容しそして駆動する部材13に取り付けられる。
【0053】
直線駆動装置1、腕12、部材13およびロボット本体14は一緒に(あるいはこれらの特徴の下位の組み合わせで)外科用ロボット(あるいは他の型の外科器具保持機構)であるロボット17(あるいは他の型の機構)を形成すると考えられる。外科用ロボットは、ある実施態様において、内視鏡外科用補助ロボット(あるいは器具保持機構)は内視鏡外科手術の間、例えば、内視鏡15あるいは他の器具によって外科医を補助する形状である。
【0054】
実施態様において(図5を参照)、第2ギア7は備えられずそして代わりにねじの切られたシャフト2のねじ22の上を滑る形状である実質的に平滑な支持表面が提供される。この支持表面は上記の第2ギア7と同じ位置に通常位置される合端ブロック19の部分を形成する。このように、上記の通路21は合端ブロック19と第1ギア6の間に決められる。
【0055】
操作において、移動体の動作(すなわちギアボックス3およびクラッチ機構5)はねじの切られたシャフト2を回転させるためモーター16を推進させることによって達成される。ねじの切られたシャフト2が回転するため、シャフト2のねじ22は第1ギア6および第2ギア7の歯61、71と同時に操作する。第1ギア6はそこに掛けられる圧縮力によって回転から防止されるかあるいは実質的に防止されるように保持されるので、移動体はねじの切られたシャフト2の長さに沿って駆動される(便利なように、移動体はモーター16に関して回転から防止される)。
【0056】
第2ギア7は移動体の動作の間実質的に自由に回転する。
【0057】
ねじの切られたシャフト2に沿った移動体の動作はモーター16の制御のもとでこの方法で達成される(モーターはロボット17で制御される)。
【0058】
移動体のより大きい直線動作が望まれるとき、それで使用者は移動体ギアボックス3を握りそして希望するようにシャフト2の長さに沿って移動体を手動で押したりあるいは引いたりする。これが起きるとき、2つのクラッチ板10、11によって第1ギア6に掛けられる圧縮力によって決まる閾値力は克服される。第1ギア6はその軸8の縦方向の軸の周囲を回転しそして移動体はシャフト2を上下に動かされる。シャフト2の長さに沿った希望する位置が移動体によって到達されるとき、使用者は移動体を開放しそして第1ギア6の歯61に掛かる力が再びもう一度要求される閾値力以下に下がりその軸8の縦方向の軸の周囲の第1ギア6の回転を起こす。このように、移動体はシャフト2の長さに沿ったその位置に保持される。
【0059】
モーター16によって駆動される移動体の動作は操作の第1のモードでありそして手動行動による移動体の動作は操作の第2のモードである。操作の2つのモードは同時には起こらない。
【0060】
理解されるように、この配置は先行技術に関連して上記で議論された課題を改善する。特に、クラッチ機構5は移動体の誤った動作の危険性を減らすことを助ける(そしてここに付属されるいずれをも)。
【0061】
上記の実施態様において、使用者は弾力性のバイアスの掛かる要素17の力に対抗するギアボックス3の方向にハンドル12へ力を掛けることができる。この行動はギア6に掛かる圧縮力の減少となりそしてそれで閾値力を減少する−シャフト2に沿って移動体の容易な動作をさらに許す。代わりに、ハンドル12はギアボックス3によって囲まれそして使用者に近づきがたい。
【0062】
実施態様において(図6に最も良く見られる)、調整機構は弾力性のバイアスの掛かる要素17を含まない。例えば、ハンドル12は軸の第1端81でねじの切られた部品83によって軸8に連結される。相応するねじはハンドル12内の軸受け孔122に備えられる。これはハンドル12をねじの相手のように軸8のねじ部分83上にハンドル12の軸受け孔122を取り付けることによって軸8のねじ83の部分に確保される。ハンドル12はギアボックス3の第1空間31の外側に位置されそしてハンドル12の内側表面121はギアボックス3の壁33の1つの外側表面に隣接する形状である。ハンドル12の回転はハンドル12を軸8のねじ部分83に沿って動かす(ギア6の第1端面の方向へあるいは離れて−回転の方向による)。ハンドル12はハンドル12の内側表面121がギアボックス3の壁33の外側表面に隣接するようなとき、ハンドル12のさらなる回転は(同じ方向で)軸8をハンドル12内に引き込む。これは第2クラッチ板10を第1ギア6の第2端面64に力を掛ける。かくして、圧縮力は上記のように実質的にギア6に掛けられる。
【0063】
実施態様において(図7に最も良く見られる)、弾力性のバイアスの掛かる要素17は第1クラッチ板11をギアボックス3の壁33の1つの内側表面から離れるようバイアス掛けるよう備えられる。第2クラッチ板10はギアボックス3の壁34およびギア6の第2端面64に隣接するギアボックス3の第1空間31内に位置する。かくして、弾力性のバイアスの掛かる要素17はギア6の第1端面63に隣接する第1クラッチ板11上に力を掛けそして第2クラッチ板10に対してギア6の第2端面64を押しつける(言い替えれば、ギアボックス3の空間31の壁34の1つの内側表面に対して押しつけられる)。この方法で圧縮力はギア6に掛けられる。
【0064】
実施態様において(図8に最も良く見られる)、ギアボックス3の壁33はギアボックスの壁33によって決まる相応するねじ孔に第1クラッチ11板のねじの切られた要素112を受け入れる形状である。この実施態様において、ハンドル12の回転は上記のように実質的に圧縮力を掛けるように(第2クラッチ板10と組み合わせて)ギア6の第1端面63に対して第1クラッチ板11を押す(あるいは締めつける)ため使用される。
【0065】
このそして同様の実施態様において、軸8、9はギア6、7の正反対の端面から延びるように確保される2つの別々の延びた部材からそれぞれなる。代わりに、軸8、9の各々はそれぞれのギア6、7と全体的に形成される。
【0066】
明らかなように、異なる機器あるいは器具は移動体のギアボックス3に取り付けられそして、それ故、移動体および器具の全重量は変わる。このようにハンドル12は閾値力が変わるように第1ギア6に掛かる圧縮力を変えるために使用される。第1ギア6への高い圧縮力は軸8の縦軸の周囲を第1ギア6を回転させるために要求される高い閾値力を意味する。
【0067】
さらに、直線駆動装置1そしてクラッチ機構5のようなものを含むロボット17の仕上げの間、ハンドル12は第1ギア6に掛かる圧縮力を減らすように調整できかくしてねじの切られたシャフト2に沿って移動体の動作を相当容易にする。希望する仕上げの位置に到達したとき、ハンドル12は第1ギアのクラッチ板10、11(例えば)によって掛けられる圧縮力を増加するために調整される。かくして移動体は希望する位置に確保される。
【0068】
第1ギア6に関して軸8、クラッチ板10,11およびハンドル12の使用は軸8の縦方向の軸の周囲でギア6の回転を起こすために第1ギア6の歯に掛けなければならない閾値力を決めるバイアス機構の正に1つの実施例である。他の配置はクラッチあるいはブレーキ板を要求しない。代わりに、他の機構が閾値力を決めるために使用される。
【0069】
ある実施態様において、第2ギア7が第1ギア6に組み合わされたクラッチ機構5と同じかあるいは同様であるクラッチ機構を備えることが予想される。このように、他のクラッチ機構5は第1ギア6と組み合わされる第1クラッチ配置および第2ギア7と組み合わさる第2クラッチ配置からなる。
【0070】
用語“ロボット”は器具を保持する機構の実施例として上記で使用された。“ロボット”への参照は他の器具保持機構に等しく適用する。同様に“外科用ロボット”は外科用器具保持機構の実施例でありそして“外科用ロボット”への参照は他の外科用器具保持機構に等しく適用する。
【0071】
この明細書および請求項で用いる時、用語“comprises”及び“comprising”そしてこれらの変形は特別の特徴、ステップあるいは完全体が含まれることを意味している。用語は他の特徴、ステップあるいは部品の提供を排除すると解釈されない。
【0072】
開示された機能を完成するための特別な形式あるいは手段で表現された上記の説明、あるいは次の特許請求、あるいは付属する図面、適切に、多分、別々に、開示した結果を達成するための方法あるいは工程、あるいはそのような特徴のいずれかの組み合わせにおいて開示した特徴はこれらの異なった形式の発明を実現するために利用される。
【符号の説明】
【0073】
1 直線駆動装置
2 ねじの切られたシャフト
3 ギアボックス
4 箱
5 クラッチ機構
6 第1ギア
7 第2ギア
8 第1ギアの軸
9 第2ギアの軸
10 ギア6の第2クラッチ板
11 ギア6の第1クラッチ板
12 ハンドル
13 部材
14 ロボット本体
15 内視鏡外科用器具
16 モーター
17 弾力性のバイアスの掛かる要素
18 付属品配置
19 合端ブロック
21 通路
22 ねじの切られたシャフト2のねじ
23 腕
24 ロボット
31 第1空間
32 第2空間
33 第1空間の壁
34 第2空間の壁
35 空間隔離板
61 第1ギアの歯
62 第1ギアの孔
63 ギア6の第1端面
64 ギア6の第2端面
71 第2ギアの歯
72 第2ギアの孔
81 軸8の第1端
82 軸8の第2端
83 第1端81でねじの切られた部品
91 軸9の第1端
92 軸9の第2端
111 孔
112 ねじの切られた要素
121 ハンドル12の内側表面
122 ハンドル12内の軸受け孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線駆動装置の移動体で使用するためのクラッチ機構であって:
ギアボックス;
ギアボックスに連結し、そしてシャフトの回転がギアボックスを操作の第1モードにおいてシャフトに沿って動かすように直線駆動装置のねじを切られたシャフトに噛み合う形状のギアの歯をもつ第1ギア;そして
第1ギアとともに組み込まれそして第1ギアに掛かる回転力が閾値力よりも小さいときギアボックスに関して第1ギアの実質的回転を防止し、第1ギアに掛かる力が閾値力よりも大きいときギアボックスに関して第1ギアの回転を許す形状であって、ねじの切られたシャフトおよびギアの歯の相互作用によって第1ギアに掛かる回転力が第1閾値を超えるようにギアボックスに力を働かせることによって、ギアボックスが操作の第2モードにおいてシャフトの長さに沿って手動で動かされる第1クラッチ配置;からなる機構。
【請求項2】
第1クラッチ配置が第1ギアに圧縮力を掛けるために配置された第1クラッチ板および第2クラッチ板からなる請求項1に従う機構。
【請求項3】
第1クラッチ板がギアボックスと全体的に形成されそして第2クラッチ板が第1クラッチ板に関して動かされる請求項1に従う機構。
【請求項4】
調整機構が第1ギアの閾値力を変えるために備えられる請求項1から請求項3のいずれか1項に従う機構。
【請求項5】
調整機構が使用者推進ハンドルからなる請求項4に従う機構。
【請求項6】
弾力性のバイアスの掛かる要素が第1ギアに圧縮力を維持するために備えられる請求項2あるいは請求項3に従う機構。
【請求項7】
さらにギアボックスに連結しそして直線駆動装置のシャフトに噛み合う形状であるギアの歯をもつ第2ギアからなり、直線駆動装置のシャフトを受けるに適した通路が第1および第2ギアの間に決められる請求項1から請求項6のいずれか1項に従う機構。
【請求項8】
第2ギアがギアボックスに関して実質的に自由に回転できる請求項7に従う機構。
【請求項9】
さらに第2ギアと組み合わさりそして第2ギアのギアの歯の少なくとも1つに掛かる回転力が閾値力よりも小さいときギアボックスに関して第2ギアの実質的な回転を防止しそして第2ギアに掛かる回転力が閾値力より大きいときギアボックスに関して第2ギアの回転を許す形状であって、ギアボックスが操作の第1モード゛において直線駆動装置のシャフトの回転によってシャフトに沿って動かされそして操作の第2モードにおいてシャフトの軸に沿って手動で動かされる第2クラッチ配置からなる請求項7に従う機構。
【請求項10】
次からなる直線駆動装置:
ねじの切られたシャフト;
ねじの切られたシャフトに連結されそしてねじの切られたシャフトの回転を駆動する形状であるモーター;そして
請求項1から請求項9のいずれか1項に従うクラッチ機構によってねじの切られたシャフトに適合する移動体。
【請求項11】
請求項10に従う直線駆動装置あるいは請求項1から請求項9のいずれか1項に従うクラッチ機構を含む外科用器具保持機構。
【請求項12】
ギアボックスがさらに外科用器具あるいは機器を受けとるに適した付属品配置からなる請求項11に従う機構。
【請求項13】
さらに付属品配置に取り付けられる内視鏡器具からなる請求項12に従う機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−281586(P2009−281586A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−90808(P2009−90808)
【出願日】平成21年4月3日(2009.4.3)
【出願人】(509070692)プロサージックス リミテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】PROSURGICS LIMITED
【住所又は居所原語表記】Venture House,Arlington Square,Downshire Way,Bracknell RG12 1WA United Kingdom
【Fターム(参考)】