クラッド合金基板及びその製造方法
単一クラッド又は多数クラッド製品を製造するための方法であり、基材上にクラッド材を含んでいる溶着アセンブリを準備するステップを含んでいる。前記基材とクラッド材との両方が、個々に選択された合金である。前記溶着アセンブリのクラッド材の少なくとも第一の端縁は前記基材の第一の端縁を越えて延びていない。前記クラッド材より高い熱間強度を有している合金である材料が前記辺縁内で前記クラッド材の第一の端縁に隣接して配置されている。前記溶着アセンブリは、熱間圧延されて熱間圧延帯を提供し、前記辺縁部材は、クラッド材が、熱間圧延中に前記基材を越えて広がるのを阻止する。当該方法のある種の実施形態においては、前記基材はステンレス鋼であり、前記クラッドはニッケル又はニッケル合金である。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、クラッド合金基板及びこのようなクラッド合金基板を製造する方法に関する。本発明はまた、クラッド合金基板によって作られた製品又はクラッド合金基板を含んでいる製品及びこのような製品を製造する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
高い強度と耐食性とを組み合わせた材料を必要とするある種の用途においては、クラッド合金が使用される。好ましい強度及び耐食性を呈するクラッド合金の一つの一般的な例としては、ニッケル又はニッケルベース合金(すなわち、主としてニッケルによって作られている合金)の層を有する互いに対向する面にステンレス鋼の層を含んでいるものがある。このようなクラッド基板が使用される用途としては、化学タンク、化学送気管、バッテリ、管材料、熱交換器、オイル又はガスのためのパイプ、化学物質のためのタンク及び調理用具がある。ステンレス鋼の層は比較的高い強度を提供し、一方、ニッケル又はニッケルベース層は、希望条件下で腐食性がある。このタイプのニッケル二重クラッドステンレス鋼を使用することはまた、これを使用して作られた複合材料が、類似した耐食性を提供するある種の高い合金成分の超オーステナイト系ステンレス鋼及びニッケルベース合金よりも低廉になるという利点をも有する。
【0003】
クラッド(合わせ)法は、単一のクラッド層が基板の対向する面の各々において基材をクラッディングすることを含んでいる。クラッド合金を製造するために使用されるプロセスは、1つの(単一のクラッド)又は2つの(二重クラッド)の層を基板に十分に接合させて、使用状態にある間のクラッド層の剥離を防止しなければならない。幾つかのクラッド法が知られている。
【0004】
クラッドステンレス鋼を製造するための一つの公知の方法は、米国特許第4,936,504号に記載されている。より特定すると、第4,936,504号特許は、ステンレス鋼を、鋼、ニッケル及びインバール(鉄36%のニッケル合金)を含む種々の材料によってクラッディングする方法を記載している。米国特許第4,936,504号は、一般的には、ステンレス鋼の基材シートとクラッド材とが相互に重ね合わせられた後、圧延されて密巻きコイル状にされる。このコイルは、長時間に亘って高温の真空炉内で加熱されてクラッド材のシートをステンレス鋼シートに拡散接合させる。米国特許第4,936,504号の方法を行うときには、真空炉装置を作動させ且つコイルを長時間に亘って高温に維持することが必要とされ、このことは完成したクラッド材のコストを実質的に増大させる。
【0005】
米国特許第5,183,198号は、ステンレス鋼又はニッケル合金が、0.020〜0.06%の炭素、0.5%以下のシリコン、1.0〜1.8%のマンガン、0.03%以下のリン、0.005%未満の硫黄、0.08〜0.15%のニオビウム、0.005〜0.003%のチタン、0.05%未満のアルミニウム及び0.002〜0.006%の窒素を含む鉄をベースとした基板上にクラッディングされる(ここに示すパーセンテージは全て別の方法で示さない限り重量パーセントである)。クラッド材及び基材の板用鋼片は、圧延されて所定の厚み状態にされる。これらの板の全ての接触面の平滑化、清浄及び脱脂の後に、アセンブリ鋼片は、クラッド材の2つの板間に鉄ベースの基材プレートをサンドイッチすることによって準備される。次いで、プレートの接触面間の空気を除去するために、組み立てられたプレートの外周が漏れ止め溶接され且つ真空ポンプが使用される。次いで、アセンブリ鋼片は、1100乃至1250°Fの範囲内で加熱され、1以上の圧延及び冷却ステップを受けて、これらの材料を接着させ且つクラッド製品が形成される。従って、真空炉を利用する米国特許第4,936,504号の方法とは対照的に、米国特許第5,183,198号は、クラッド材と基材との対向面間の空間内にのみ真空を形成することを教示している。
【0006】
爆着クラッドとして知られているクラッド材を製造するための更に別の公知の方法においては、2以上の類似した又は類似しない材料間に金属結合を形成するために、爆発物の制御されたエネルギが使用されている。爆着クラッドは、結合されるべき材料上の汚染物質表面皮膜が、2つの金属の高圧衝突の結果としてベース金属を可塑的に噴出される冷間圧延プロセスである。金属プレートの高速衝突中に、プレート間に噴射が形成され、金属接着を確立することに有害な汚染物質表面皮膜が噴射内で一掃される。噴射動作によって表面皮膜を洗浄された金属プレートは、衝突箇所の近くで得られる極めて高い圧力の影響下で接合される。この分野において発行された初期の特許としては、米国特許第3,233,312号、第3,397,444号及び第3,493,353号がある。
【0007】
上記した公知のクラッド方法のいずれもが、真空装置又はその他の洗練された装置の使用を必要とする。更に、米国特許第4,936,504号のクラッド法は、例えば、比較的薄い標準寸法のコイル製品の製造に限られており且つ基材を別個に熱間圧延すること及び冷間圧延すること及び当該基材をクラッド動作前からシート形状にクラッドすることを必要とする。爆着クラッドに関して、当該方法は、典型的には、高価で且つ労働集約的であり、危険な爆発物の使用を必要とし、基材とクラッド層との間にある種の用途に対しては不適切であるかも知れない不均一でうねった境界を生じさせるかも知れない。
【0008】
従って、ステンレス鋼及びその他の材料を合金クラッド材によってクラッディングするための代替的な方法を提供することが有利であろう。このような代替的な方法は、真空炉、爆着クラッド装置又はその他の洗練された製造装置の使用を必要としないのが好ましい。
【発明の開示】
【0009】
本発明の一つの特徴は、両方ともが合金である基材及びクラッド材によってクラッド製品を製造する新規な方法にある。この方法は、基材とクラッド材とを組み合わせること及びこれらを溶着させて本明細書において“溶着アセンブリ”と称されているものを提供し、次いで、溶着アセンブリを熱間圧延して熱間圧延帯を提供することを含んでいる。当該溶着アセンブリは、基材上にクラッド材を配置してクラッド材の少なくとも第一の端縁が基材の第一の端縁まで広がらないようにし、それによって互いに隣接する第一の端縁間に辺縁を形成することによって提供することができる。クラッド材よりも高い熱間強度を有する合金が前記辺縁内に且つ前記クラッド材の第一の端縁に隣接して配置される。辺縁内に配置された材料は、クラッド材が熱間圧延動作中に基材からはみ出して広がるのを防止する。
【0010】
本発明の上記の方法のある種の実施形態においては、クラッド材と基材とは、別個のプレート形態で溶着アセンブリ内に提供され、辺縁は、クラッド材プレートの第一の端縁と基材プレートの隣接する第一の端縁との間の空間によって規定されている。このような実施形態のある種のものにおいては、クラッド材よりも遙かに高い熱間強度を有している材料は基材そのものであり、このような場合には、クラッド材プレートは基材プレートの表面に形成された凹部に配置されていて、基材の出っ張った部分は、凹部の少なくとも1つの壁を規定し且つ辺縁内にあり且つクラッド材プレートの少なくとも第一の端縁に隣接するようになされている。例えば凹部を含むようにプレートを鋳込むか又は機械加工することによってプレート表面から材料を除去することによる従来技術を使用して基材プレートの表面に凹部を形成しても良い。
【0011】
本発明の方法のある種の他の実施形態においては、クラッド材よりも熱間強度が低い合金からなる少なくとも1つの枠材は、プレート上の、このような第一の端縁と基材プレートの第一の端縁との間の辺縁にクラッド材プレートの第一の端縁に隣接して配置される。
【0012】
本発明の方法は、基材とクラッド材との広範囲の組み合わせに対して使用することができると考えられている。非限定的な例として、基材は、(T−316Lステンレス鋼のような)ステンレス鋼又は炭素鋼とすることができる。
【0013】
一般的に、有用なクラッド材は、高い作動温度で溶融する必要はなく、更に、熱間圧延温度範囲において基材に類似した熱間加工能力を有することが好ましい。可能なクラッド材の非限定的な例としては、(残余不純物を含んでいても良い)ニッケル、ニッケルベース合金、ステンレス鋼並びに銅及び銅合金がある。可能なニッケルクラッド材としては、各々、ペンシルバニア州、ピッツバーグのAllegeheny LudiumからAL200TM合金及びAL201TM合金として市販されているUNS記号N02200及びUNS記号N02201として分類されている市販の純粋鍛造ニッケルがある。これらのニッケルは、AL200TMに対して0.15重量%の炭素及びAL201TM合金に対して0.02重量%の炭素の規格によって許容される最大炭素レベルによってのみ異なる。更に、これら2つのニッケルの各々は、重量%で0.02の銅、0.05の鉄、0.02のマンガン、0.05のシリコン、0.002の硫黄並びに残余量のニッケル及びコバルトの典型的な組成を有している。
【0014】
本発明のある種の好ましい実施形態は更に、溶着アセンブリを熱間圧延する際に形成される熱間圧延帯を焼きなますステップと、当該熱間圧延帯を冷間圧延して所望の標準寸法を有するクラッドのストリップを提供するステップとを含むことができる。ある種の実施形態においては、熱間圧延帯を冷間圧延することは、2以上の別個の冷間圧延ステップからなっても良く、冷間圧延されたストリップはまた、材料内の応力を解放するために、連続的な冷間圧延ステップ間で中間焼き鈍しされても良い。1以上の焼き鈍しステップは、例えば、一般的な焼き鈍し又は光輝焼き鈍しであっても良い。所望の形態の及び所望の特性を有するクラッドのストリップを提供するために、冶金学的技術において知られている他のステップを行っても良い。
【0015】
辺縁内の材料が基材の出っ張り部分ではない本発明の方法の実施形態においては、辺縁内に提供される枠材は、クラッド材よりも高い熱間強度を有し且つ溶着アセンブリに適用される処理ステップに適している合金によって作ることができる。例えば、本発明の方法の一実施形態をT−316Lステンレス鋼及びニッケルクラッド材によって構成された基材及びニッケルクラッド材に適用するときには、枠材料はT−304Lステンレス鋼とすることができる。
【0016】
本発明の方法のある種の実施形態においては、溶着アセンブリの溶接は、溶着アセンブリ内のクラッド材と基材との間に実質的に気密な空間が提供される。このような場合には、当該方法は、溶着アセンブリを熱間圧延するステップに先立って、クラッド材と基材との間の気密空間から抜気するステップを含んでいても良い。
【0017】
本発明の方法は、単一のクラッド又は多数のクラッドの基板材料を提供するのに有用である。本発明の一つの非限定的な用途は、クラッド層を同じ材料又は異なる材料とすることができる二重クラッド製品の製造である。クラッド製品は、基材及び1以上のクラッド材によって付与される有利な特性を呈するように設計することができる。例えば、ニッケル二重クラッドのステンレス鋼ストリップは、ステンレス鋼コア材料によって提供される優れた強度特性とニッケルクラッド層によって提供される優れた耐食性とを呈することができる。
【0018】
本発明の更に別の特徴は、クラッドステンレス鋼を製造する方法であって、熱間圧延を提供するために溶着アセンブリを熱間圧延することを含む方法にある。溶着アセンブリは、ステンレス鋼プレート上に合金クラッド材プレートを配置することによって提供され、このアセンブリにおいては、クラッド材プレートの少なくとも第一の端縁は当該ステンレス鋼プレートの第一の端縁まで広がっておらず、それによって、当該ステンレス鋼プレート上に辺縁を提供している。当該辺縁内にはクラッド材プレートの第一の端縁に隣接して少なくとも1つの枠部材が設けられ、クラッド材プレートとステンレス鋼プレートとは前記枠部材に溶接される。枠部材は、クラッド材よりも高い熱間強度を有する合金である。熱間圧延中に、枠部材は、クラッド材がステンレス鋼をはみ出して広がるのを防止する。この方法は、任意に、熱間圧延帯を焼鈍し且つ1つ又は多数の段階で熱間圧延帯を冷間圧延して所望の標準寸法を有するクラッドストリップを提供することを更に含んでいる。
【0019】
ステンレス鋼プレートとクラッド材プレートとは、適切なステンレス鋼タイプで構成しても良い。非限定的な例として且つ上記の実施形態に関して記載したように、ステンレス鋼プレートは、T−316、T−304L若しくはT−304ステンレス鋼又はその他のあらゆるオーステナイト系ステンレス鋼によって作ることができ、クラッド材は、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金又はステンレス鋼であっても良い。枠部材材料は、部分的には、クラッド材の熱間強度を考えて必要とされる必須の熱間強度に基づいて選択される。可能な枠部材の非限定的な例としては、T−316Lステンレス鋼、T−304ステンレス鋼又はオーステナイト系ステンレス鋼、ニッケルベース超合金及びコバルトベース合金がある。より一般的には、適切な枠材料としては、クラッド材よりも高い熱間強度を有し且つ使用される熱間圧延温度で熱間加工することができ、溶着アセンブリ内で他の材料に似た熱膨張係数を有して著しい応力が発生せず且つ溶接の欠陥を生じないようにしたものがある。
【0020】
ある種の実施形態においては、クラッド材プレートの各々は、基材プレートの長さ及び幅よりも小さい長さ及び幅を有している。クラッド材プレートは、ステンレス鋼プレートの表面上に、クラッド材プレートがステンレス鋼プレートの端縁から隔てられ且つ辺縁がステンレス鋼プレートの全周に亘って延びるように配置されている。1以上の枠部材が、クラッド材プレートの全周に亘る辺縁内に配置されている。
【0021】
上記したように、本発明の方法は、二重クラッド製品のような二重クラッド製品を製造するために適用することができる。製品が二重クラッド製品である場合には、溶着されたアセンブリは、ステンレス鋼のような基材プレートの対向面の各々に合金クラッド材プレートを配置することによって提供することができる。プレートは、クラッド材プレートの各々の少なくとも第一の端縁がステンレス鋼プレートの第一の端縁まで延びないでステンレス鋼プレートと対向する面の各々の上に辺縁を提供するように配置される。クラッド材よりも高い熱間強度を有する合金によって構成された少なくとも1つの枠部材が辺縁内に且つクラッド材プレートの各々の第一の端縁に隣接して提供される。クラッド材プレートの各々とステンレス鋼プレートとは、枠部材によって溶接される。
【0022】
本発明の更に別の特徴は、熱間圧延帯を提供するために溶着アセンブリを熱間圧延することを含んでいるクラッドステンレス鋼を製造する方法にある。溶着アセンブリは、合金であるクラッド材プレートに溶接されたステンレス鋼プレートを含んでいる。クラッド材プレートは、ステンレス鋼プレートの出っ張り部分が凹部を形成し且つクラッド材プレートの外周端縁を取り巻くようにステンレス鋼プレートの表面上の凹部内に配置される。ステンレス鋼プレートの出っ張り部分は、熱間圧延中にクラッド材がステンレス鋼の端縁を越えて広がるのを阻止する。この方法は、任意に、熱間圧延帯を焼鈍すること及びこの方法が二重クラッド製品を製造するために適用される実施形態においては、熱間圧延帯を冷間圧延して所望の標準寸法を有するクラッドストリップにすることを更に含む。クラッド材プレートの各々は、ステンレス鋼プレートの各対向面上のステンレス鋼プレートの出っ張り部分が、ステンレス鋼の特別な面上に凹部を規定し且つ当該凹部内に配置されたクラッド材プレートの周縁を包囲するようにステンレス鋼プレートの対向面の各々の凹部内に配置されている。
【0023】
本発明の更に別の特徴は、二重クラッドのステンレス鋼ストリップを形成する方法にある。この方法は、ステンレス鋼プレートの各対向面上の凹部内にニッケル合金から選択されたクラッド材プレートを配置して、ステンレス鋼プレートの各対向面上の出っ張っている縁が、表面上に凹部を規定し且つ凹部内のクラッド材プレートの周縁を包囲するようにすることを含んでいる。クラッド材プレートの各々は、隣接しているステンレス鋼プレートの出っ張っている縁に溶接される。溶着アセンブリは、熱間圧延されて熱間圧延帯とされ、ステンレス鋼プレートの出っ張っている縁は、凹部内のクラッド材が熱間圧延中にステンレス鋼を越えて広がるのを防止する。熱間圧延帯は、続いて、冷間圧延されて所望の標準寸法にすることができる。
【0024】
本発明は、更に、本明細書に記載されている新規な方法のいずれかによってクラッド製品を提供し且つ当該クラッド製品を製品に加工することを含む製品製造方法にある。このような方法によって作ることができる製品としては、例えば、化学タンク、送気管、バッテリ、チューブ、熱交換器、オイル及びガス用パイプ、化学物質用タンク及び調理用具がある。
【0025】
本発明の更に付加的な特徴は、本明細書に記載されたように作られ且つクラッド製品を製造するのに有用である溶着アセンブリにある。
クラッドストリップ及びその他のクラッド製品を提供するための本発明の新規な方法は、真空炉又は爆着クラッド装置の使用を必要としない。従って、本発明の方法は、上記の背景技術の説明部分に記載された従来技術による方法に対して複雑さ及びコストの点で有益性を提供する。
【0026】
以下の実施形態の詳細な説明を考慮することによって、本発明の上記の詳細な説明及び利点のみならずその他の点が理解できるであろう。更に、本開示に記載された方法及び/又は装置を作る際及び/又は使用する際に、本発明の付加的な詳細及び利点を理解することもできる。
【好ましい実施形態の説明】
【0027】
本発明の実施形態は、合金クラッド材によって、合金基材の1以上の表面をクラッドするための方法に関する。本発明は、特に、1以上のクラッド材が基材よりも低い熱間強度を有している場合に特に有用である。
【0028】
本発明の方法の実施形態は、冶金学技術分野の当業者に知られている溶着、熱間圧延、冷間圧延及び焼鈍の技術及び装置を使用して行われるが、この方法は、以前にはクラッド合金を製造するために使用されてはいない特徴を含んでいる。例えば、このような実施形態は、熱間圧延中により低い熱間強度のクラッド材の広がりを含むために新規な技術を採用している。
【0029】
以下に更に詳細に記載するように、本発明の方法のある種の実施形態は、基材及びクラッド材プレートを含む溶着アセンブリを提供して、1以上のクラッド材プレートが、クラッド材よりも高い熱間強度を有する材料によって“枠付け”されるようになされている。溶着アセンブリは、次いで、熱間圧延、冷間圧延及び任意の焼鈍を含む処理ステップの適切な組み合わせを受けて、クラッド材を基材に接合し且つクラッド製品内に所望の寸法及び冶金学的且つ機械的特性を得る。熱間圧延中に、クラッド材を枠付けしている材料は、クラッド材が基材を越えて広がるのを防止し、それによって、クラッド材を適切な位置に維持し且つ熱間圧延中に所望範囲の材料厚みを維持する。従って、基材の周囲にクラッド材を適切に枠付けすることによって、高レベルの寸法の制御が提供され、完成したクラッド製品に必要とされる寸法特性に適合させる。
【0030】
ここで使用されている“合金”という用語は、純粋金属及び随伴不純物及び/又は有意添加物を含んでいる金属を意味している。
ここで使用されている“プレート”という用語は、概して多角形又は直線状の外周を有し、長さ及び幅寸法を有し、比較的薄い厚み寸法を有する構造を意味している。
【0031】
ここで使用されている“熱間強度”という用語は、熱間圧延温度(例えば、典型的には、ニッケルクラッドステンレス鋼に対しては1700〜2400°F(967〜1316℃))での材料の降伏強度を意味している。
【0032】
本発明の方法の一つの実施形態は、図1に示されているステップを含んでいる。これらのステップは、(1)所望のクラッド製品を製造するのに適した溶着アセンブリを準備するステップと、(2)高温でパック(束)を圧延することによりクラッドパックを圧縮して境界部にあるクラッドパック内の種々のプレートを接合する(クラッドする)ステップと、(3)中間標準寸法のクラッド材の厚みを最終的な所望の標準寸法まで薄くするステップと、(4)製品を焼鈍して所望の冶金学的特性及び機械的特性を達成するステップとからなる。これらのステップを以下に更に説明する。
【0033】
図1の方法の第一のステップにおいては、被覆されるべき合金プレート又はその他の形状及びクラッド材料1以上のプレート又はその他の形状(クラッド材プレート/形状は、同じか又は異なる材料とすることができる)は、組み合わせられ且つ溶着されて重ね合わせ構造を形成し、これは、次いで相互に溶着される。このような溶着された構造は、ここでは参照の容易化のために“溶着アセンブリ”と称される。例えば、図2に示されているように、二重クラッドのニッケル/ステンレス鋼/ニッケル製品を製造するための本発明の一実施形態においては、アセンブリ10は、201ニッケル(UNS N02201)タイプの第一の薄い方の標準寸法プレートと第二の同じプレート(図示せず)との間に、316Lタイプのステンレス鋼(UNS S31603)(“T−316L”)からなるプレート12を配置することによって形成される。ニッケルプレート14の長さ(“L”)及び幅(“W”)からなる面寸法は、ステンレス鋼プレート12の対応する寸法よりも小さくされて、幾つかの長さの304タイプのステンレス鋼(UNS S30400)(“T−304”)枠部材(棒材)16が各ニッケルプレート14の周囲に配置することができるようにされている。枠材は、クラッド材の熱間強度よりも高い熱間強度を有している。ステンレス鋼の枠部材16は、ニッケルプレート14と同じ厚みを有しており、ニッケルプレート14の4つの端縁の各々に対して直接配置され、ステンレス鋼プレート12の対向面上に直に載置されている。個々の枠部材16は、それらの外側端縁がステンレス鋼プレート12の外側端縁とほぼ同面に整列するように選択される。枠部材16の幅は、枠材の熱間強度がニッケルクラッド材の熱間強度よりも高く且つ熱間処理中により軟らかいニッケル材料を含むように選択される。
【0034】
アセンブリ10の種々の部材が組み合わせられた後に、当該アセンブリは、ステンレス鋼溶着充填金属を使用してパックの各側部上の2つの露出された継ぎ目の近くで完全にアーク溶着される。ニッケルプレート14と、これを包囲しているステンレス鋼枠部材16との間の第一の継ぎ目は、クラッドパック16の両側面(一方の側面が図2に示されている)に等しく提供されている。ステンレス鋼プレート12とステンレス鋼枠材16との間の外周継ぎ目である第二の継ぎ目22もまた、クラッドパックの両側に等しく提供されている。図2は、これらの継ぎ目の各々のための矩形溝による突合せ溶接接合部を図示している。当該技術において知られているように、溶着金属の適切な浸透を得る際の助けとするために、斜面が加工されても良く又はさもなければ溶着されるべき部材の端縁上に形成されても良い。更に、本実施形態と関連付けて、アセンブリの溶着の特別な方法が記載されているけれども、アセンブリの種々の要素を相互に溶着させるための如何なる適切な方法をも使用することもできる。例えば、ある種の実施形態においては、アセンブリの一つの部材を溶着ステップに関連する費用を低減することができる別のアセンブリに係合するために使用しても良い。
【0035】
ひとたび定位置に溶着されると、枠を形成しているステンレス鋼の枠部材16は、比較的低い熱間強度のニッケルクラッド材が熱間圧延中にステンレス鋼基材を越えて広がるのを防止する。これは、クラッド材を適切な位置に位置決めする助けとなり且つ製造プロセスを通してステンレス鋼のコア層とニッケル層との厚みの所望の比率を維持する助けとなる。この例においては、枠材がステンレス鋼の枠部材の形態であるけれども、ニッケルクラッド材よりも高い熱間強度を有しており且つクラッド材が熱間圧延中に基材を越えて広がるのを防止するのに適した如何なる代替的な材料であっても良いことが理解されるであろう。
【0036】
図3は、本発明による溶着アセンブリ110の一つの代替的な構成の頂面図である。図4は、図3のアセンブリ110を通る線Y−Yにおける断面図である。T−316Lステンレス鋼プレート112は、例えばUNS N02201ニッケルによって構成することができるニッケルクラッド材114間に部分的にサンドイッチされている。ステンレス鋼プレート112は、機械加工又は別の材料除去プロセスを受けるか又はステンレス鋼プレート112の両側に出っ張っている辺縁枠116を含むように鋳造又は鍛造される。枠材は、ニッケルプレート114を収容するのに適した寸法を有している凹部を規定している。図4は、枠材116によって規定されているステンレス鋼プレート112の対向面の凹部内の定位置にある両方のニッケルクラッドプレート114を示している。枠材116は、ステンレス鋼プレート112の出っ張り部分であり且つ各ステンレス鋼プレート112の外周を枠付けしている。ニッケルプレート114とステンレス鋼枠部材116との間の継ぎ目118を含んでいる継ぎ目は、ステンレス鋼充填ワイヤを使用して溶着される。この溶着アセンブリの設計は、T−316Lステンレス鋼コア材料もまたクラッド材の周囲の枠材の機能を果たすので、枠部材又はその他の枠材が不必要であるという利点を有する。更に、代替的な設計は図2の設計よりも少量の溶着を必要とする。
【0037】
本発明の第二のステップにおいては、溶着アセンブリは、高い温度まで加熱され且つ中間標準寸法まで熱間圧延によって圧縮され、それによって、熱間圧延帯又はストリップを形成する。熱間圧延は、図2乃至4に示された溶着アセンブリ内の3つのプレートをそれらの境界面で互いに接合される。図2の溶着アセンブリ10は、例えば標準的な炉内で空気中で適切な高い温度まで加熱することができ、次いで、すぐさま鋼の製造において使用される標準的な熱ロール機上で圧延することができる。一つの実施形態においては、加熱されたアセンブリ10は、その温度がこのようにして圧延することができなくなる点に下がるまで逆転圧延機上で前後に圧延される。必要ならば、圧縮され且つ細長く延ばされたアセンブリ10は、次いで、高温まで再加熱され且つ再び逆転圧延機上で熱間圧延されてその標準寸法まで薄くすることができる。再加熱及び熱間圧延の一連のステップは、クラッドパックの厚みが所望の厚み又は冷間圧延に適した厚みに減じられるまで使用することができる。
【0038】
図5は、適当な中間標準寸法まで熱間圧延された後の図2の溶着アセンブリのX−Xにおける断面図である。熱間圧延は、溶着アセンブリ10のステンレス鋼プレート12及びニッケルプレート14を圧縮して、図5に示されている中間標準寸法製品20の比較的薄い標準寸法のステンレス鋼コア層126及びニッケルクラッド層28にする。図5において、ステンレス鋼枠部材16は、幾つかの層間に介装された圧縮された溶着領域32を備えた比較的薄い標準寸法のステンレス鋼枠領域30まで圧縮されている。ステンレス鋼材とニッケル材との間の境界部は、図5のみならず図6及び7において点線によって示され且つ以下に説明されている。
【0039】
図6は、熱間圧延されて適当な中間標準寸法にされた後の図3の溶着アセンブリ110のY−Yにおける断面図である。熱間圧延は、溶着アセンブリ110のステンレス鋼プレート112とニッケルプレート114とを圧縮して、図6に示されている中間の標準寸法製品120のより薄い標準寸法のステンレス鋼コア層126とニッケルクラッド層128とにする。ステンレス鋼プレート112の枠部材116もまた、クラッド製品の両面上のステンレス鋼枠領域130とニッケルクラッド層126との間に挟まれた圧縮された溶着領域132を有する圧縮されてより薄い標準寸法のステンレス鋼枠領域130とする。
【0040】
図5及び6に示された中間標準寸法のクラッド材(一体部品である)は、各々、ステンレス鋼枠領域30,130と溶着領域32,132とを含んでいる端縁を除去するように切り取ることができる。図7は、中間標準寸法まで熱間圧延した後及び図5に示された切り取り40において切り取った後の図2の溶着アセンブリ10のX−Xにおける断面図である。切り取りは、相互に接合された所望のステンレス鋼コア層26及びニッケルクラッド層28のみを残す。ひとたび切り取られた中間標準寸法の製品120の横断面された部材の一般的な構造は図7に示された構造に似ていることがわかるであろう。
【0041】
切り取りに続いて、図7の中間標準寸法の製品20は、応力を解放するために空気中で焼鈍されるか光輝焼鈍しても良い。次いで、互いに対向するニッケル面36は、酸化物スケールを除去し且つ冷間圧延して完成した標準寸法にするのに適した表面状態を提供するために噴射仕上げし且つ酸洗いすることができる。酸化物スケールが少量である場合には、材料を噴射仕上げ無しで酸洗いすることができるかも知れない。
【0042】
図1に概要が示された方法の第三のステップは、前のステップにおいて形成された中間標準寸法の厚みを減らすこと及び所望ならば所望の冶金学的特性及び機械的特性を得るために焼鈍することを含んでいる。1以上の冷間圧延シーケンスが使用され、これらの冷間圧延シーケンスの各々は、材料を冷間圧延するステップを含んでおり、この冷間圧延ステップには、任意に、応力を解放し且つ次の冷間圧延シーケンスのために材料を軟化させるために材料を焼鈍するステップが続く。材料が特別な冷間圧延シーケンス中に空気中で焼鈍される場合には、材料上に形成された酸化物スケールを次の冷間圧延シーケンス前に取り除くために材料を酸洗い又は噴射仕上げ及び酸洗いする必要があるかも知れない。その代わりに、材料が特別な冷間圧延シーケンス中に、例えば水素雰囲気のような不活性非酸化雰囲気内で焼鈍される場合には、材料上の酸化物スケールは、無視でき且つ噴射仕上げ又は酸洗いを必要としない。冷間圧延シーケンスは、実質的に酸化物スケールが無い表面を有する所望の機械的特性を得るために水素又は別の不活性雰囲気内で最終的な焼鈍を受けることができる。
【0043】
図1に図示されている材料を使用して形成された最終製品は、その対向面上に(例えば、T−316Lステンレス鋼のような)合金基材クラッドを含んでいるシート状製品であり、これは、所望の耐食性及び/又はその他の所望の特性を付与する(例えばニッケルのような)材料を有している。図8は、ステンレス鋼コア層42がニッケルクラッド層44間にサンドイッチされている完成品40の断面図である。
【0044】
図1に示されている方法を示すために使用されている上記の例示的な実施形態は二重クラッド製品を製造することに関するものであるけれども、請求項1の方法は、単一クラッド製品、すなわち基材の単一の面上にのみクラッドを有する製品を製造する際にも等しく有用であることは理解されるであろう。図2乃至8の種々の図示は、本開示の方法のある種の非限定的な実施形態をより良く示すためにのみ提供されており且つ商業規模のプロセスに存在する種々の部材の真の寸法を示していなくても良いことも理解されるであろう。例えば、クラッド層の厚みは実際の圧延機規模プロセスにおける基材層の厚みに対して著しく薄いことがあり得るであろう。
【0045】
図1の実施形態の著しい利点は、当該方法が、組み立てられた材料を密着巻コイル状に圧延すること或いは背景技術の説明部分において上記した従来技術の方法において使用されるように真空炉を使用して組み立てられた材料を加熱し且つ接合されることを必要としない。本開示のクラッド法においては、接合されるべき材料は高温まで加熱されなければならないけれども、クラッドプロセス中の材料の接合は、実際にはむしろ圧延中に達成される高い臨界圧力の結果であると考えられる。図1の実施形態はまた、種々の材料を接合するために複雑化されること且つ高価な爆着の使用を必要としない。
【0046】
上記の説明及び実施例は、ステンレス鋼基材上へのニッケルクラッドの接合を説明し或いは含んでいるけれども、本開示の方法はこれに限定されないことが理解されるであろう。図1の方法及びより一般的には本発明の新規な方法は、広範囲の単一クラッド及び多数クラッド合金基材を製造するのに適合させることができることが考えられる。更に、上記したように、本発明による方法は、クラッド材が基材よりも低い熱間強度を有しているクラッド製品を製造するのに特に有用である。高い熱間強度基材及び熱間強度がより低いクラッド材の重ね合わされたプレートを圧延する際に、熱間強度が低い方の材料は、組み立てられた材料の熱間圧延中に熱間強度が高い方の材料の寸法を超えて広がる傾向があり得る。このような場合には、本発明の方法の溶着アセンブリ内のクラッド材と基材との互いに隣接する端縁間の辺縁内に提供される熱間強度が高い方の材料は、基材の一部であるか否かに拘わらず、熱間圧延中にクラッド材が基材の端縁を越えて広がるのを防止する。
【0047】
本発明の方法を使用して製造することができるクラッド製品の一般的な非限定的な例は、以下のクラッドプレート、クラッドストリップ及びクラッドシートを含んでいる。クラッド製品は更に処理して種々の製造品にすることができる。更に、上記の説明及び以下の例は基材の対向面の各々にクラッド層が接合される二重クラッド製品に関するものであるけれども、本発明の方法は、単一クラッド製品及び多数クラッド製品を製造するようになされており、このような製品は更に処理して製品としても良い。上記したように、本発明の方法を使用して作られた単一クラッド製品及び/又は二重クラッド製品によって作ることができる製品の例としては、限定的ではないが、化学タンク、送気管、バッテリ、チューブ、熱交換器、オイル及びガス用パイプ、化学物質用タンク並びに調理用具がある。本発明の方法を使用して作ることができる他の製造物及び製品は、本明細書の説明を考慮したときに、冶金学的技術及び製造技術における当業者にとって明らかとなり、このような人々は、実験することなく本発明の方法に適切に適合させることができる。
【0048】
本発明の方法において溶着アセンブリに組み立てられる種々の基材、クラッド材及び基材と異なる場合には枠材の絶対寸法及び相対的寸法は、適切な大きさとされた完成したクラッド製品を提供するために選択される。本発明のある種の非限定的な実施形態の例を以下に示す。以下の例に記載されている種々の部材の絶対寸法及び相対寸法は、特別な用途に対して選択されたものであり、当該方法の特別な実施形態の幾つかの非限定的な例のみを反映している。より一般的には、クラッド製品の特別に意図された用途に応じて、広範囲の最終的なクラッド製品の厚み及び厚み比率の幾つかは、上記の説明及び以下の例において使用されるものに似た方法で製造することができる。以下の例を実施しながら調査される特徴は、クラッド層が熱間圧延、冷間圧延中にクラッド層及び基材層を適切に焼鈍する際に、不所望な程度まで流れるのを防止すること、焼鈍中にクラッド層表面上の余分なスケールの形成を阻止すること、及び溶着アセンブリの部材を組み立てる前に不所望なスケールを除去するために噴射仕上げ及び粒子の酸洗い能力を含んでいる。
【0049】
例1
ニッケル二重クラッドのステンレス鋼を製造するために溶着アセンブリを準備した。このアセンブリは、1/2〜3/4インチ(1.27〜1.90センチメートル)の厚みの2つのニッケル(UNS 02201)プレート間にサンドイッチされた2〜2・1/2インチ(5.08〜6.35センチメートル)の厚みのT−316Lステンレス鋼プレートを含んでいた。このニッケル被覆プレートの長さ及び幅の寸法はステンレス鋼コアプレートよりも小さく、ニッケルプレートは、ステンレス鋼コアプレートの面上に中心決めした。このようにして、面上に配置されている被覆プレートによって覆われていないコアプレートの各面の外周近くに辺縁を残した。1/2×1/2インチ(1.27×1.27センチメートル)の厚みのT−304ステンレス鋼枠部材によって作られた枠材が、全被覆プレートの各々の外周近くのコアプレートの各面上の辺縁内に配置した。このステンレス鋼枠材は、熱間圧延中に熱間強度がより低い(従って、流動性のより高い)ニッケルを“堰き止め”且つ熱間圧延中にアセンブリ全体の厚みが薄くされたときにコアプレート材の端縁を越えてニッケル材料が流れるのを阻止し又は防止するように意図されている。個々のプレートの厚みは、部分的には、試験のために利用できる圧延装置がアセンブリ全体の厚みを収容できるように選択した。
【0050】
アセンブリは、以下のように構成し且つ処理した。2つのニッケル被覆プレートは、部材が組み立てられたときに、端縁とT−304ステンレス鋼枠部材の端縁と対向端縁との間に1/2インチ(1.27センチメートル)のギャップが残るように切断した。これは、図9の写真に示されている。図9においては、アセンブリ210は、T−304ステンレス鋼枠部材216間のT−316Lステンレス鋼プレート214上に被覆プレート212の周りに1/2インチ(1.27センチメートル)のギャップ218が残されるように配置されているニッケル被覆プレート212を含んでいる。1/2インチ(1.27センチメートル)のギャップは、溶着中に溶着金属の浸透を増すように設けられている。枠部材216の各々は、直径1/16インチ(0.159センチメートル)のER308溶接ワイヤと98%アルゴン/2%酸素の被覆ガスを使用してアセンブリの外周に延びている部材間の露出された境界部においてコアプレート214に溶着されたMIGであった。枠部材216はまた、直径が3/32インチのINCO92TMERNiCoFe−6溶接ワイヤと95%アルゴン/5%水素からなる被覆ガスを使用してこれらの部材間の1/2インチ(1.27センチメートル)のギャップを充填することによって各々の被覆プレート212に溶着されたMIGであった。完成された溶着アセンブリ230が図10に示されている。
【0051】
この溶着アセンブリを炉内で2050°F(1121℃)まで加熱し、元の3インチの厚みから0.401インチ(1.02センチメートル)まで熱間圧延して薄くした。当該アセンブリは、熱間圧延する前に抜気しなかった。図11a及び11bに示された熱間圧延されたアセンブリの顕微鏡写真は、概して極めてニッケル/T−316Lステンレス鋼境界部の両方が、概して極めて清浄な境界部によって完全に接合されたことを明示した。しかしながら、ニッケル/T−316Lステンレス鋼境界部の偶発的な領域は、有意な捕捉された酸化物スケールを含んでいた。捕捉されたスケールが熱間圧延前にプレート表面に埋設されて溶着アセンブリ内の空気の存在により熱間圧延中に形成されるか又は両方のファクタの組み合わせによって存在しているか否かは、この時点では不明確であった。
【0052】
2つの部分は、熱間圧延されたクラッドパックアセンブリから切り取られ且つ第一の部分は2050°F(1121℃)に、第二の部分は2200°F(1204℃)に再加熱された。各再加熱された部分は、次いで、熱間圧延され、第一の部分は0.142インチ(0.361センチメートル)まで、第二の部分は0.125インチ(0.318センチメートル)まで熱間圧延した。熱間圧延された部分は、次いで、枠部材及び溶着金属を取り除くように切り取って、残された唯一の材料がニッケル/T−316Lステンレス鋼/ニッケルラミネートであるようにした。ラミネートの冶金学的検査は、残された全ての層が良好に接合されていることを明示している。
【0053】
以下に説明する焼鈍の研究は、5分間に亘る1950°F(1066℃)での焼鈍は、引き続いて冷間圧延するために熱間圧延された部分を軟化させるのに十分であった。従って、図12に示された0.142インチ(0.361センチメートル)の厚みの熱間圧延された二重クラッド材の3×14インチ(7.62×35.6センチメートル)の部片を、5分間に亘って1950°F(1066℃)で焼鈍し、次いで、以下の冷間圧延/焼鈍シーケンスを使用して0.013インチ(0.033センチメートル)の最終的な標準寸法まで冷間圧延した。
【0054】
0.142インチ(0.361センチメートル)→0.078インチ(0.198センチメートル)(45%減少)
↓
1950°F(1066℃)で3分間空気中で焼鈍し、グリットブラストし、10%HNO3/2%HF内で酸洗いした。
↓
0.078インチ(0.198センチメートル)→0.043インチ(0.109センチメートル)(45%減少)
↓
1950°F(1066℃)で3分間空気中で焼鈍し、グリットブラストし、10%HNO3/2%HF内で酸洗いした。
↓
0.043インチ(0.199センチメートル)→0.024インチ(0.061センチメートル)(45%減少)
↓
1950°F(1066℃)で3分間空気中で焼鈍し、グリットブラストし、10%HNO3/2%HF内で酸洗いした。
↓
0.024インチ(0.061センチメートル)→0.013インチ(0.033センチメートル)(45%減少)
【0055】
冷間圧延中の単一の圧延パスは、応力を制限し且つ剥離のおそれを低くするために約0.005インチ(0.0127センチメートル)の減少に限定した。端縁の乾燥割れによる剥離は冷間圧延シーケンス中には全く観察されなかった。0.013インチ(0.033センチメートル)の最終的な標準寸法の材料の表面を調節するために、ブラスト及び酸洗い作用を使用しても良い。
【0056】
ニッケルクラッドの厚みパーセントを、例1における溶着アセンブリの処理の各段階に対して測定して、T−304ステンレス鋼枠材内にどのくらい良好にニッケルが残り且つ含まれているかを評価し且つ焼鈍中に余分な量のニッケルクラッド材の酸化物スケールの形成が消費したか否かを判定する。ニッケル層の厚みは、第三の冷間圧延/焼鈍サイクルを通してその元の量(片側毎にアセンブリ全体の厚みの16.5〜17%)から均一に一定のままであった。ニッケルクラッド層は、最終的な冷間圧延シーケンス中に比較的薄くなり、最終的な標準寸法の材料は、片側クラッド製品の全厚みの約15%のニッケルクラッド層の厚みを有していた。
【0057】
ブラスト及び酸洗い中の材料表面に対する歪みのおそれを避けるために、上記の冷間圧延シリーズでの空気中での焼鈍の代わりに、水素内での光輝焼鈍を使用しても良く、最終的な粒径及び機械的特性を有する材料を提供した。光輝焼鈍の使用を評価するために、最終的な標準寸法(0.013インチ(0.033センチメートル))の冷間圧延された材料の個々の1×1インチ(2.54×2.54センチメートル)の試験片を、1,2及び3分間の各々に対して1500°F(816℃)の時間対温度で光輝焼鈍した。光輝焼鈍は、二重クラッド試験片上に受け入れ可能なスケールの無い表面を提供することが明らかであった。どのような微細構造が9つの温度対時間の組み合わせから生じるかを判定するために光輝焼鈍した試験片内で冶金学的検査を行った。9つの試験片全てのニッケル層が、冶金学的に同様であることがわかり、各層は、完全に再結晶化され、ASTM比較法を使用して顕著な粒子成長及び約7・1/2〜8の粒径を有していた。この完全に再結晶化したステンレス鋼コア層は、およそASTM11の粒径を有しており、1700°F(927℃)で3分間光輝焼鈍された試験片は、殆ど均一な微細構造を有していることが明らかであった。光輝焼鈍した試験片のT−316Lコア層の平均ビッカースミクロ硬度は178であった。
【0058】
上記の光輝焼鈍結果を考えて、この例によってこのように冷間圧延された最終的な標準寸法の材料の3×12インチ(7.62×30.5センチメートル)の部片を、1700°F(927℃)で3分間水素中で焼鈍した。2つの引っ張り試験した試験片は、この材料から打ち抜き、降伏強度、極限引っ張り強度及び伸びパーセントを評価した。これらの特性の平均試験結果は、各々、40.ksi、86.6ksi、48.7%であった。
【0059】
例2
例1とほぼ同じ構造の溶着アセンブリを準備した。例1におけるアセンブリと同様に、1/2インチ(1.27センチメートル)のギャップがニッケル被覆プレートの端縁とステンレス鋼枠部材の端縁との間に1/2インチ(1.27センチメートル)のギャップを残した。圧延中の被覆プレートの横方向の動きに対する余分な支持を提供するがクラッド材が流れる空間は依然として許容するために、2つの短い堰板が各々が隣接する被覆プレートに対して面一に結合する2つの1/2インチ(1.27センチメートル)のタブを含むように枠部材内に設計した。ニッケルプレート312とT−304ステンレス鋼枠部材314、316がT−316Lステンレス鋼プレート318上に配置されているアセンブリ310の一つの表面を示しているこの構造が図13に示されている。対向する枠部材314は、隣接する被覆プレート312と同面のタブ320を含んでいる。ニッケル被覆プレートと枠部材314、316は、次いで、例1のアセンブリと似た方法でステンレス鋼被覆プレート318上の定位置で溶着した。溶着アセンブリの面が図14に示されている。
【0060】
この例の溶着アセンブリを、次いで、2050°F(1121℃)まで加熱し、元の3インチ(7.62センチメートル)の厚みから0.400インチ(1.02センチメートル)まで熱間圧延して薄くした。当該アセンブリは、熱間圧延前に抜気しなかった。熱間圧延された材料に対して行われた冶金学的分析は、ニッケル/T−316Lステンレス鋼境界部が例1の溶着アセンブリによって製造したものと似ていることを示したが、熱間圧延帯の一端は、ニッケルとステンレス鋼コア材との間に狭い剥離領域を含んでいた。0.400インチ(1.02センチメートル)の部片を2050°F(1121℃)まで再加熱し且つ0.143インチ(0.363センチメートル)まで熱間圧延した。
【0061】
冷間圧延する前に熱間圧延された材料を焼鈍するための適切な温度及び時間を調べるために、0.143インチ(0.363センチメートル)の熱間圧延された材料の試験片に焼鈍検査を行った。この熱間圧延した材料の2×3インチ(5.08×7.62センチメートル)の試験片の5つの対を、1950°F(1066℃)で2、5、8、14及び20分間焼鈍した。1950°F(1066℃)で5分間焼鈍させた試験片は、層内に余分な粒子の成長することなく、T−316Lコア層とニッケルクラッド層との両方に十分に再結晶した微細構造を形成することが明らかであった。
【0062】
例3
上記の例1及び2のアセンブリを観察すると、ニッケル被覆プレート材料はステンレス鋼枠部材の上を流れず且つ熱間圧延による収縮中に枠部材内に十分に含まれていたことを示した。従って、被覆プレートと枠部材との間の1/2インチ(1.27センチメートル)のギャップがこの例3のアセンブリにおいて排除された。このような設計は、被覆プレートはギャップ無しでコアプレートの表面幅のより大きなパーセントを被覆することができるので、二重クラッド材のより高い収量を提供することができると考えられる。図15は、例3の溶着アセンブリ410を示しており、被覆プレート412は突き合わされた枠部材416に溶着されており、枠部材416はコアプレート414に溶着されている。図15に示されているように、油圧チューブ420は、2インチ(5.08センチメートル)の厚みのコアプレート414の側部の抜気穴に溶着された。この抜気穴は、コアプレート414内へと通過し且つコアプレート414を貫通して開けられた穴と直角に交差し、被覆プレート412によって覆われているコアプレート414の2つの面において開口している。従って、抜気穴と油圧チューブ420とは、コアプレート414と被覆プレート412との間の空間と流体連通している。溶着アセンブリ412内の空気の殆どがチューブ420を介して抜気され、アセンブリ412内の抜気穴は次いで熱間圧延前に溶着されて閉じた。
【0063】
抜気された溶着アセンブリは、2050°F(1121℃)で熱間圧延されて0.402インチ(1.02センチメートル)にされ、続いて、2050°F(1121℃)まで再度熱間圧延されて0.138インチ(0.350センチメートル)にされる。冶金学的分析が材料上で各厚みにおいて行われた。試験された試験片は、ニッケル/T−316Lステンレス鋼境界部は、ボイド又はより大きな酸化物の含有の証拠が無い状態で完全に接合され、例1及び2の溶着アセンブリの熱間圧延された試験片内に見られたものと似た分布を呈した。これは、コア/クラッド境界部に見られる含有物が、溶着アセンブリ内の空気の存在によるものではなく、その代わりに、溶着アセンブリの構築前にプレートの接触面上に存在するスケールから生じたものであることを示した。従って、熱間圧延前に本発明の方法の実施形態によって構築された溶着アセンブリを抜気することは不要である。プレートの面を表面研磨及び/又は表面スケールを除去するための他の表面調製技術によってプレートの面を準備することが大切であることも結果として起こる。もちろん、このような特徴から得られる利点は、使用されるプレートの組成及び状態に依存し、例えば、ある種のプレートは問題のある腐食をより発達させそうな材料によって作ることができる。
【0064】
例4
例1において作られた熱間圧延材料と共に使用される冷間圧延された計画の成功に鑑みて、より積極的な冷間圧延計画を、例1におけるものとほぼ同じ構造を有する溶着アセンブリに対して試験した。上記の例の抜気されたアセンブリ及び抜気されていないアセンブリによって作られた熱間圧延された製品におけるステンレス鋼コア/ニッケルクラッド境界部における酸化物含有の程度に大きな差は存在しないことが観察された。
【0065】
この溶着アセンブリを、2050°F(1121℃)で0.401インチ(1.019センチメートル)まで熱間圧延し、続いて、2200°F(1204℃)まで再加熱して0.119インチ(0.302センチメートル)まで熱間圧延した。0.119インチ(0.302センチメートル)材料(“アセンブリ♯4−A”)の半分を、1950°F(1066℃)で5分間焼鈍して冷間圧延のために軟化させた。0.119インチ(0.302センチメートル)材料(“アセンブリ♯4−B”)の残りの半分が2200°F(1204℃)まで再加熱され、2つのパスに対して再び熱間圧延して0.085インチ(0.216センチメートル)とした。アセンブリ♯1Aに対して薄く且つ熱い帯の標準寸法は、最終的な標準寸法までより少ない冷間圧延/焼鈍サイクルを可能にする。アセンブリ♯4−Aは、以下の3つの冷間圧延/焼鈍サイクルを使用して続いて冷間圧延されて0.013インチ(0.033センチメートル)の所望の最終的標準寸法とした。
【0066】
0.119インチ(0.302センチメートル)→0.057インチ(0.145センチメートル)(52%減少)
↓
1950°F(1066℃)で3分間空気中で焼鈍し、グリットブラストし、10%HNO3/2%HF内で10秒間酸洗いした。
↓
0.057インチ(0.145センチメートル)→0.027インチ(0.069センチメートル)(52%減少)
↓
1950°F(1066℃)で3分間空気中で焼鈍し、グリットブラストし、10%HNO3/2%HF内で45秒間酸洗いした。
↓
0.027インチ(0.069センチメートル)→0.013インチ(0.033センチメートル)(52%減少)
↓
アセンブリ♯4−Bの収縮された熱間圧延帯の標準寸法材料を、以下のようにちょうど2つの冷間圧延/焼鈍サイクルを使用して0.01インチ(0.025センチメートル)の所望の最終的な寸法まで連続的に冷間圧延した。
【0067】
0.091インチ(0.231センチメートル)→0.034インチ(0.086センチメートル)(60%減少)
↓
1950°F(1066℃)で3分間空気中で焼鈍し、サンドブラストし、10%HNO3/2%HF内で45秒間酸洗いした。
↓
0.034インチ(0.086センチメートル)→0.013インチ(0.033センチメートル)(60%減少)
【0068】
上記の2つのシーケンス内での冷間圧延中の単一の圧延パスは、約0.005インチ(0.0127センチメートル)及び約5%収縮に限定されて、材料の応力を過度に応力を加えず且つ剥離の危険にさらさない。これらの制限に関して、剥離又は端縁の乾燥割れがアセンブリ♯4−A及び♯4−Bにおいて行われた圧延ステップのいずれにおいても観察されず、これは、均一な積極的な冷間圧延が可能であることを示している。アセンブリ♯4−A及び♯4−Bからの最終的な標準寸法を、1700°F(927℃)で3分間水素内で光輝焼鈍し、光輝焼鈍された材料内で引っ張り試験を行った。
【0069】
より積極的な冷間圧延もまた検査し、これは、製造速度を増大させることができる。アセンブリ♯4−Aからの焼鈍され且つ酸洗いされた0.0119インチ(0.030センチメートル)の熱い帯材料の試験片を以下のように冷間圧延した。
【0070】
0.119インチ(0.302センチメートル)→0.039インチ(0.099センチメートル)(67%減少)
↓
1950°F(1066℃)で3分間空気中で焼鈍し、サンドブラストし、10%HNO3/2%HF内で45秒間酸洗いした。
↓
0.039インチ(0.099センチメートル)→0.013インチ(0.033センチメートル)(67%減少)
↓
1800°F(982℃)で1分間空気中で光輝焼鈍した。
【0071】
圧延パス毎に厚みが約15%減少し又は前回の冷間圧延シーケンスにおけるパス毎の目標の厚み減少の約3倍の冷間圧延を行った。幾つかの端縁の粗さが発生したけれども、結果的に得られる最終的な標準寸法の二重クラッド材料は、剥離の徴候を呈しなかった。しかしながら、最終的な標準寸法の材料は、所望の幅まで且つ枠部材及び溶着付着物の徴候を除去するために端縁を切り取られたので、端縁の表面粗さは同様に大きくはない。光輝焼鈍された0.013インチ(0.033センチメートル)の最終的な標準寸法の冷間圧延クラッド材の冶金学的特性及び機械的特性を表1に列挙した。
【0072】
【表1】
例5
132インチ(335.3センチメートル)の長さと32.5インチ(82.6センチメートル)の幅とを有するコア材料として、3.75インチ(9.53センチメートル)の厚みのT−316Lステンレス鋼プレートによって圧延機規模の溶着アセンブリを作った。このコア材料を、128インチ(325.1センチメートル)の長さと28.5インチ(72.4センチメートル)の幅とを有する2つの0.75インチ(1.91センチメートル)の厚みのUNS 02201ニッケルプレート間にサンドイッチした。このコア材料の両側部を機械加工して、より小さい長さ寸法及び幅寸法を有しているニッケルプレートを受け入れための凹んだ領域を提供した。従って、T−316Lステンレス鋼プレートの辺縁はクラッド材プレートの外周を包囲するか又は“縁取り”し、それによって、ニッケルクラッド材が熱間圧延中にステンレス鋼コア材の寸法を越えて広がるのを阻止するか防止する一体枠材を提供した。ニッケルプレートを、上記の例に記載したコア材によって規定された枠に溶着した。当該アセンブリを、次いで、2050°F(1121℃)まで加熱し、熱間圧延して圧延機規模の熱間帯鋼圧延機上で中間標準寸法の熱間圧延帯とした。
【0073】
当該熱間圧延帯による試験片の顕微鏡写真を試験した。この顕微鏡写真は、コア層とクラッド層との間の接合品質が極めて良好であることを示している。帯の表面を検査し、受け入れ可能であることが判明し、唯一の観察された重要な欠陥は、ストリップの中心近くの一つの位置の皮ぶくれであった。幾つかの重要でない毛羽立ち/剥離が溶着金属とニッケルクラッド層との間の溶融縁に沿って観察された。熱間圧延帯は、冷間圧延し、焼鈍し、平滑化のために準備した。
【0074】
例6
圧延機規模の溶着アセンブリを、132インチ(335.3センチメートル)×32.5インチ(82.6センチメートル)(長さ×幅)のT−316Lステンレス鋼プレートによってコア材として準備し、2つの128インチ(325.1センチメートル)×28.5インチ(72.4センチメートル)のUNS 02001ニッケル被覆プレートをクラッド材として準備しても良い。コアプレートの厚みは、3.75インチ(9.53センチメートル)であっても良く、アセンブリ全体の厚み5.25インチ(13.3センチメートル)に対して各被覆プレートの厚みは0.75インチ(1.91センチメートル)とすることができる。被覆プレートを受け入れる形状とされた凹部が機械加工され、各凹部の端部の各々には3つのペグが機械加工されている。図16は、コアプレート220の一つの面の頂面図であり、凹部224、コアプレート220上に残され且つ凹部224の壁を規定している出っ張り辺縁226及び凹部224の凹部227から延びている6個のペグ225を示している。コアプレート220(図6に示されていない)の残りの面はほぼ同じ設計を有するであろう。各ニッケル被覆プレートは、所定の位置に6個の穴を含むように機械加工され、各被覆プレートは、コアプレートの6個のペグが被覆プレート内に加工された6個の穴を介して出っ張るようにコアプレートの凹部内に配置されている。コアプレートの厚みは3.75インチ(9.53センチメートル)とすることができ、アセンブリ全体の5.25インチ(13.3センチメートル)の厚みに対して各被覆プレートの厚みは0.75インチ(1.91センチメートル)とすることができる。被覆プレートは、被覆プレートと被覆プレートの出っ張り辺縁との間の継ぎ目において及びペグと被覆プレートの穴との間の継ぎ目においてコアプレートに溶着されている。
【0075】
アセンブリは、約2050°F(1121℃)まで加熱され且つ逆転圧延機上で熱間圧延されて中間標準寸法の熱間圧延帯とされている。熱間圧延帯は、次いで、冷間圧延に適した所望の幅に切り取ることができる。熱間圧延帯は、次いで、空気中で例えば1900°F(1038℃)で1分間のような時間対温度で焼鈍し、皮を剥ぎ、任意に酸洗いし且つ表面研磨し、次いで冷間圧延する。冷間圧延した材料は、次いで、空気中で、例えば1900°F(1038℃)で1分間の時間対温度で焼鈍し、皮を剥ぎ、任意に再度酸洗いし且つ表面研磨し、圧延する。この材料は、光輝焼鈍し、最終的な標準寸法に冷間圧延し、次いで、もう一度光輝焼鈍する。この材料は、次いで、所望ならば引っ張り平面矯正しても良い。
【0076】
本開示は、本発明の明確な理解に関連する特徴を示していることが理解されるであろう。当業者に明らかであり、従って、本発明のより良い理解に寄与しないある種の特徴は、本開示を簡素化するために提供しなかった。以上、本発明の実施形態を説明したけれども、上記の説明を考慮すると、当業者は、本発明の多くの変形例及び変更例を採用することができることを認識するであろう。本発明のこのような変更例及び変形例の全てが、上記の説明及び特許請求の範囲によって包含されることを意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】図1は、本発明のクラッド製品を製造するための方法の一実施形態のフローチャートである。
【図2】図2は、本発明による溶着アセンブリの一実施形態の斜視図であり、当該アセンブリは、基材プレート、クラッド材プレート及び複数の枠部材を含んでいる。
【図3】図3は、本発明による溶着アセンブリの別の実施形態の斜視図であり、当該アセンブリは、凹部及び辺縁枠部材を含むように機械加工された基材プレートを含んでおり且つクラッド材プレートが凹部内に配置されている。
【図4】図4は、図3のアセンブリのY−Yでの断面図である。
【図5】図5は、冷間圧延に適した標準寸法のために熱間圧延した後の図2のアセンブリのX−Xでの断面図である。
【図6】図6は、冷間圧延に適した標準寸法のために熱間圧延した後の図3のアセンブリのX−Xでの断面図である。
【図7】図7は、溶融金属と枠部材とを含んでいる端縁切り取り後の図5の熱間圧延された溶着アセンブリの端面図である。
【図8】図8は、図1の実施形態によって形成された完成クラッド製品の断面図である。
【図9】図9は、本発明の方法の一実施形態によって作られたアセンブリの一実施形態の写真である。
【図10】図10は、図9のアセンブリの写真であり、溶着アセンブリを提供するために、相互に溶着されている。
【図11a】図11aは、熱間圧延後の図10の溶着アセンブリの結合された基材とクラッド層との間の境界領域の顕微鏡写真である。
【図11b】図11bは、熱間圧延後の図10の溶着アセンブリの結合された基材とクラッド層との間の境界領域の顕微鏡写真である。
【図12】図12は、本発明の方法の一実施形態によって製造された熱間圧延帯の一部分の写真である。
【図13】図13は、本発明の方法の一実施形態によって作られたアセンブリの別の実施形態の写真である。
【図14】図14は、溶着アセンブリを提供するために、アセンブリの部品が相互に溶接された図13のアセンブリの写真である。
【図15】図15は、本発明の方法の一実施形態に従って構成された溶着アセンブリの付加的な実施形態である。
【図16】図16は、本発明によるアセンブリのためのコアプレートの一実施形態の図である。
【発明の分野】
【0001】
本発明は、クラッド合金基板及びこのようなクラッド合金基板を製造する方法に関する。本発明はまた、クラッド合金基板によって作られた製品又はクラッド合金基板を含んでいる製品及びこのような製品を製造する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
高い強度と耐食性とを組み合わせた材料を必要とするある種の用途においては、クラッド合金が使用される。好ましい強度及び耐食性を呈するクラッド合金の一つの一般的な例としては、ニッケル又はニッケルベース合金(すなわち、主としてニッケルによって作られている合金)の層を有する互いに対向する面にステンレス鋼の層を含んでいるものがある。このようなクラッド基板が使用される用途としては、化学タンク、化学送気管、バッテリ、管材料、熱交換器、オイル又はガスのためのパイプ、化学物質のためのタンク及び調理用具がある。ステンレス鋼の層は比較的高い強度を提供し、一方、ニッケル又はニッケルベース層は、希望条件下で腐食性がある。このタイプのニッケル二重クラッドステンレス鋼を使用することはまた、これを使用して作られた複合材料が、類似した耐食性を提供するある種の高い合金成分の超オーステナイト系ステンレス鋼及びニッケルベース合金よりも低廉になるという利点をも有する。
【0003】
クラッド(合わせ)法は、単一のクラッド層が基板の対向する面の各々において基材をクラッディングすることを含んでいる。クラッド合金を製造するために使用されるプロセスは、1つの(単一のクラッド)又は2つの(二重クラッド)の層を基板に十分に接合させて、使用状態にある間のクラッド層の剥離を防止しなければならない。幾つかのクラッド法が知られている。
【0004】
クラッドステンレス鋼を製造するための一つの公知の方法は、米国特許第4,936,504号に記載されている。より特定すると、第4,936,504号特許は、ステンレス鋼を、鋼、ニッケル及びインバール(鉄36%のニッケル合金)を含む種々の材料によってクラッディングする方法を記載している。米国特許第4,936,504号は、一般的には、ステンレス鋼の基材シートとクラッド材とが相互に重ね合わせられた後、圧延されて密巻きコイル状にされる。このコイルは、長時間に亘って高温の真空炉内で加熱されてクラッド材のシートをステンレス鋼シートに拡散接合させる。米国特許第4,936,504号の方法を行うときには、真空炉装置を作動させ且つコイルを長時間に亘って高温に維持することが必要とされ、このことは完成したクラッド材のコストを実質的に増大させる。
【0005】
米国特許第5,183,198号は、ステンレス鋼又はニッケル合金が、0.020〜0.06%の炭素、0.5%以下のシリコン、1.0〜1.8%のマンガン、0.03%以下のリン、0.005%未満の硫黄、0.08〜0.15%のニオビウム、0.005〜0.003%のチタン、0.05%未満のアルミニウム及び0.002〜0.006%の窒素を含む鉄をベースとした基板上にクラッディングされる(ここに示すパーセンテージは全て別の方法で示さない限り重量パーセントである)。クラッド材及び基材の板用鋼片は、圧延されて所定の厚み状態にされる。これらの板の全ての接触面の平滑化、清浄及び脱脂の後に、アセンブリ鋼片は、クラッド材の2つの板間に鉄ベースの基材プレートをサンドイッチすることによって準備される。次いで、プレートの接触面間の空気を除去するために、組み立てられたプレートの外周が漏れ止め溶接され且つ真空ポンプが使用される。次いで、アセンブリ鋼片は、1100乃至1250°Fの範囲内で加熱され、1以上の圧延及び冷却ステップを受けて、これらの材料を接着させ且つクラッド製品が形成される。従って、真空炉を利用する米国特許第4,936,504号の方法とは対照的に、米国特許第5,183,198号は、クラッド材と基材との対向面間の空間内にのみ真空を形成することを教示している。
【0006】
爆着クラッドとして知られているクラッド材を製造するための更に別の公知の方法においては、2以上の類似した又は類似しない材料間に金属結合を形成するために、爆発物の制御されたエネルギが使用されている。爆着クラッドは、結合されるべき材料上の汚染物質表面皮膜が、2つの金属の高圧衝突の結果としてベース金属を可塑的に噴出される冷間圧延プロセスである。金属プレートの高速衝突中に、プレート間に噴射が形成され、金属接着を確立することに有害な汚染物質表面皮膜が噴射内で一掃される。噴射動作によって表面皮膜を洗浄された金属プレートは、衝突箇所の近くで得られる極めて高い圧力の影響下で接合される。この分野において発行された初期の特許としては、米国特許第3,233,312号、第3,397,444号及び第3,493,353号がある。
【0007】
上記した公知のクラッド方法のいずれもが、真空装置又はその他の洗練された装置の使用を必要とする。更に、米国特許第4,936,504号のクラッド法は、例えば、比較的薄い標準寸法のコイル製品の製造に限られており且つ基材を別個に熱間圧延すること及び冷間圧延すること及び当該基材をクラッド動作前からシート形状にクラッドすることを必要とする。爆着クラッドに関して、当該方法は、典型的には、高価で且つ労働集約的であり、危険な爆発物の使用を必要とし、基材とクラッド層との間にある種の用途に対しては不適切であるかも知れない不均一でうねった境界を生じさせるかも知れない。
【0008】
従って、ステンレス鋼及びその他の材料を合金クラッド材によってクラッディングするための代替的な方法を提供することが有利であろう。このような代替的な方法は、真空炉、爆着クラッド装置又はその他の洗練された製造装置の使用を必要としないのが好ましい。
【発明の開示】
【0009】
本発明の一つの特徴は、両方ともが合金である基材及びクラッド材によってクラッド製品を製造する新規な方法にある。この方法は、基材とクラッド材とを組み合わせること及びこれらを溶着させて本明細書において“溶着アセンブリ”と称されているものを提供し、次いで、溶着アセンブリを熱間圧延して熱間圧延帯を提供することを含んでいる。当該溶着アセンブリは、基材上にクラッド材を配置してクラッド材の少なくとも第一の端縁が基材の第一の端縁まで広がらないようにし、それによって互いに隣接する第一の端縁間に辺縁を形成することによって提供することができる。クラッド材よりも高い熱間強度を有する合金が前記辺縁内に且つ前記クラッド材の第一の端縁に隣接して配置される。辺縁内に配置された材料は、クラッド材が熱間圧延動作中に基材からはみ出して広がるのを防止する。
【0010】
本発明の上記の方法のある種の実施形態においては、クラッド材と基材とは、別個のプレート形態で溶着アセンブリ内に提供され、辺縁は、クラッド材プレートの第一の端縁と基材プレートの隣接する第一の端縁との間の空間によって規定されている。このような実施形態のある種のものにおいては、クラッド材よりも遙かに高い熱間強度を有している材料は基材そのものであり、このような場合には、クラッド材プレートは基材プレートの表面に形成された凹部に配置されていて、基材の出っ張った部分は、凹部の少なくとも1つの壁を規定し且つ辺縁内にあり且つクラッド材プレートの少なくとも第一の端縁に隣接するようになされている。例えば凹部を含むようにプレートを鋳込むか又は機械加工することによってプレート表面から材料を除去することによる従来技術を使用して基材プレートの表面に凹部を形成しても良い。
【0011】
本発明の方法のある種の他の実施形態においては、クラッド材よりも熱間強度が低い合金からなる少なくとも1つの枠材は、プレート上の、このような第一の端縁と基材プレートの第一の端縁との間の辺縁にクラッド材プレートの第一の端縁に隣接して配置される。
【0012】
本発明の方法は、基材とクラッド材との広範囲の組み合わせに対して使用することができると考えられている。非限定的な例として、基材は、(T−316Lステンレス鋼のような)ステンレス鋼又は炭素鋼とすることができる。
【0013】
一般的に、有用なクラッド材は、高い作動温度で溶融する必要はなく、更に、熱間圧延温度範囲において基材に類似した熱間加工能力を有することが好ましい。可能なクラッド材の非限定的な例としては、(残余不純物を含んでいても良い)ニッケル、ニッケルベース合金、ステンレス鋼並びに銅及び銅合金がある。可能なニッケルクラッド材としては、各々、ペンシルバニア州、ピッツバーグのAllegeheny LudiumからAL200TM合金及びAL201TM合金として市販されているUNS記号N02200及びUNS記号N02201として分類されている市販の純粋鍛造ニッケルがある。これらのニッケルは、AL200TMに対して0.15重量%の炭素及びAL201TM合金に対して0.02重量%の炭素の規格によって許容される最大炭素レベルによってのみ異なる。更に、これら2つのニッケルの各々は、重量%で0.02の銅、0.05の鉄、0.02のマンガン、0.05のシリコン、0.002の硫黄並びに残余量のニッケル及びコバルトの典型的な組成を有している。
【0014】
本発明のある種の好ましい実施形態は更に、溶着アセンブリを熱間圧延する際に形成される熱間圧延帯を焼きなますステップと、当該熱間圧延帯を冷間圧延して所望の標準寸法を有するクラッドのストリップを提供するステップとを含むことができる。ある種の実施形態においては、熱間圧延帯を冷間圧延することは、2以上の別個の冷間圧延ステップからなっても良く、冷間圧延されたストリップはまた、材料内の応力を解放するために、連続的な冷間圧延ステップ間で中間焼き鈍しされても良い。1以上の焼き鈍しステップは、例えば、一般的な焼き鈍し又は光輝焼き鈍しであっても良い。所望の形態の及び所望の特性を有するクラッドのストリップを提供するために、冶金学的技術において知られている他のステップを行っても良い。
【0015】
辺縁内の材料が基材の出っ張り部分ではない本発明の方法の実施形態においては、辺縁内に提供される枠材は、クラッド材よりも高い熱間強度を有し且つ溶着アセンブリに適用される処理ステップに適している合金によって作ることができる。例えば、本発明の方法の一実施形態をT−316Lステンレス鋼及びニッケルクラッド材によって構成された基材及びニッケルクラッド材に適用するときには、枠材料はT−304Lステンレス鋼とすることができる。
【0016】
本発明の方法のある種の実施形態においては、溶着アセンブリの溶接は、溶着アセンブリ内のクラッド材と基材との間に実質的に気密な空間が提供される。このような場合には、当該方法は、溶着アセンブリを熱間圧延するステップに先立って、クラッド材と基材との間の気密空間から抜気するステップを含んでいても良い。
【0017】
本発明の方法は、単一のクラッド又は多数のクラッドの基板材料を提供するのに有用である。本発明の一つの非限定的な用途は、クラッド層を同じ材料又は異なる材料とすることができる二重クラッド製品の製造である。クラッド製品は、基材及び1以上のクラッド材によって付与される有利な特性を呈するように設計することができる。例えば、ニッケル二重クラッドのステンレス鋼ストリップは、ステンレス鋼コア材料によって提供される優れた強度特性とニッケルクラッド層によって提供される優れた耐食性とを呈することができる。
【0018】
本発明の更に別の特徴は、クラッドステンレス鋼を製造する方法であって、熱間圧延を提供するために溶着アセンブリを熱間圧延することを含む方法にある。溶着アセンブリは、ステンレス鋼プレート上に合金クラッド材プレートを配置することによって提供され、このアセンブリにおいては、クラッド材プレートの少なくとも第一の端縁は当該ステンレス鋼プレートの第一の端縁まで広がっておらず、それによって、当該ステンレス鋼プレート上に辺縁を提供している。当該辺縁内にはクラッド材プレートの第一の端縁に隣接して少なくとも1つの枠部材が設けられ、クラッド材プレートとステンレス鋼プレートとは前記枠部材に溶接される。枠部材は、クラッド材よりも高い熱間強度を有する合金である。熱間圧延中に、枠部材は、クラッド材がステンレス鋼をはみ出して広がるのを防止する。この方法は、任意に、熱間圧延帯を焼鈍し且つ1つ又は多数の段階で熱間圧延帯を冷間圧延して所望の標準寸法を有するクラッドストリップを提供することを更に含んでいる。
【0019】
ステンレス鋼プレートとクラッド材プレートとは、適切なステンレス鋼タイプで構成しても良い。非限定的な例として且つ上記の実施形態に関して記載したように、ステンレス鋼プレートは、T−316、T−304L若しくはT−304ステンレス鋼又はその他のあらゆるオーステナイト系ステンレス鋼によって作ることができ、クラッド材は、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金又はステンレス鋼であっても良い。枠部材材料は、部分的には、クラッド材の熱間強度を考えて必要とされる必須の熱間強度に基づいて選択される。可能な枠部材の非限定的な例としては、T−316Lステンレス鋼、T−304ステンレス鋼又はオーステナイト系ステンレス鋼、ニッケルベース超合金及びコバルトベース合金がある。より一般的には、適切な枠材料としては、クラッド材よりも高い熱間強度を有し且つ使用される熱間圧延温度で熱間加工することができ、溶着アセンブリ内で他の材料に似た熱膨張係数を有して著しい応力が発生せず且つ溶接の欠陥を生じないようにしたものがある。
【0020】
ある種の実施形態においては、クラッド材プレートの各々は、基材プレートの長さ及び幅よりも小さい長さ及び幅を有している。クラッド材プレートは、ステンレス鋼プレートの表面上に、クラッド材プレートがステンレス鋼プレートの端縁から隔てられ且つ辺縁がステンレス鋼プレートの全周に亘って延びるように配置されている。1以上の枠部材が、クラッド材プレートの全周に亘る辺縁内に配置されている。
【0021】
上記したように、本発明の方法は、二重クラッド製品のような二重クラッド製品を製造するために適用することができる。製品が二重クラッド製品である場合には、溶着されたアセンブリは、ステンレス鋼のような基材プレートの対向面の各々に合金クラッド材プレートを配置することによって提供することができる。プレートは、クラッド材プレートの各々の少なくとも第一の端縁がステンレス鋼プレートの第一の端縁まで延びないでステンレス鋼プレートと対向する面の各々の上に辺縁を提供するように配置される。クラッド材よりも高い熱間強度を有する合金によって構成された少なくとも1つの枠部材が辺縁内に且つクラッド材プレートの各々の第一の端縁に隣接して提供される。クラッド材プレートの各々とステンレス鋼プレートとは、枠部材によって溶接される。
【0022】
本発明の更に別の特徴は、熱間圧延帯を提供するために溶着アセンブリを熱間圧延することを含んでいるクラッドステンレス鋼を製造する方法にある。溶着アセンブリは、合金であるクラッド材プレートに溶接されたステンレス鋼プレートを含んでいる。クラッド材プレートは、ステンレス鋼プレートの出っ張り部分が凹部を形成し且つクラッド材プレートの外周端縁を取り巻くようにステンレス鋼プレートの表面上の凹部内に配置される。ステンレス鋼プレートの出っ張り部分は、熱間圧延中にクラッド材がステンレス鋼の端縁を越えて広がるのを阻止する。この方法は、任意に、熱間圧延帯を焼鈍すること及びこの方法が二重クラッド製品を製造するために適用される実施形態においては、熱間圧延帯を冷間圧延して所望の標準寸法を有するクラッドストリップにすることを更に含む。クラッド材プレートの各々は、ステンレス鋼プレートの各対向面上のステンレス鋼プレートの出っ張り部分が、ステンレス鋼の特別な面上に凹部を規定し且つ当該凹部内に配置されたクラッド材プレートの周縁を包囲するようにステンレス鋼プレートの対向面の各々の凹部内に配置されている。
【0023】
本発明の更に別の特徴は、二重クラッドのステンレス鋼ストリップを形成する方法にある。この方法は、ステンレス鋼プレートの各対向面上の凹部内にニッケル合金から選択されたクラッド材プレートを配置して、ステンレス鋼プレートの各対向面上の出っ張っている縁が、表面上に凹部を規定し且つ凹部内のクラッド材プレートの周縁を包囲するようにすることを含んでいる。クラッド材プレートの各々は、隣接しているステンレス鋼プレートの出っ張っている縁に溶接される。溶着アセンブリは、熱間圧延されて熱間圧延帯とされ、ステンレス鋼プレートの出っ張っている縁は、凹部内のクラッド材が熱間圧延中にステンレス鋼を越えて広がるのを防止する。熱間圧延帯は、続いて、冷間圧延されて所望の標準寸法にすることができる。
【0024】
本発明は、更に、本明細書に記載されている新規な方法のいずれかによってクラッド製品を提供し且つ当該クラッド製品を製品に加工することを含む製品製造方法にある。このような方法によって作ることができる製品としては、例えば、化学タンク、送気管、バッテリ、チューブ、熱交換器、オイル及びガス用パイプ、化学物質用タンク及び調理用具がある。
【0025】
本発明の更に付加的な特徴は、本明細書に記載されたように作られ且つクラッド製品を製造するのに有用である溶着アセンブリにある。
クラッドストリップ及びその他のクラッド製品を提供するための本発明の新規な方法は、真空炉又は爆着クラッド装置の使用を必要としない。従って、本発明の方法は、上記の背景技術の説明部分に記載された従来技術による方法に対して複雑さ及びコストの点で有益性を提供する。
【0026】
以下の実施形態の詳細な説明を考慮することによって、本発明の上記の詳細な説明及び利点のみならずその他の点が理解できるであろう。更に、本開示に記載された方法及び/又は装置を作る際及び/又は使用する際に、本発明の付加的な詳細及び利点を理解することもできる。
【好ましい実施形態の説明】
【0027】
本発明の実施形態は、合金クラッド材によって、合金基材の1以上の表面をクラッドするための方法に関する。本発明は、特に、1以上のクラッド材が基材よりも低い熱間強度を有している場合に特に有用である。
【0028】
本発明の方法の実施形態は、冶金学技術分野の当業者に知られている溶着、熱間圧延、冷間圧延及び焼鈍の技術及び装置を使用して行われるが、この方法は、以前にはクラッド合金を製造するために使用されてはいない特徴を含んでいる。例えば、このような実施形態は、熱間圧延中により低い熱間強度のクラッド材の広がりを含むために新規な技術を採用している。
【0029】
以下に更に詳細に記載するように、本発明の方法のある種の実施形態は、基材及びクラッド材プレートを含む溶着アセンブリを提供して、1以上のクラッド材プレートが、クラッド材よりも高い熱間強度を有する材料によって“枠付け”されるようになされている。溶着アセンブリは、次いで、熱間圧延、冷間圧延及び任意の焼鈍を含む処理ステップの適切な組み合わせを受けて、クラッド材を基材に接合し且つクラッド製品内に所望の寸法及び冶金学的且つ機械的特性を得る。熱間圧延中に、クラッド材を枠付けしている材料は、クラッド材が基材を越えて広がるのを防止し、それによって、クラッド材を適切な位置に維持し且つ熱間圧延中に所望範囲の材料厚みを維持する。従って、基材の周囲にクラッド材を適切に枠付けすることによって、高レベルの寸法の制御が提供され、完成したクラッド製品に必要とされる寸法特性に適合させる。
【0030】
ここで使用されている“合金”という用語は、純粋金属及び随伴不純物及び/又は有意添加物を含んでいる金属を意味している。
ここで使用されている“プレート”という用語は、概して多角形又は直線状の外周を有し、長さ及び幅寸法を有し、比較的薄い厚み寸法を有する構造を意味している。
【0031】
ここで使用されている“熱間強度”という用語は、熱間圧延温度(例えば、典型的には、ニッケルクラッドステンレス鋼に対しては1700〜2400°F(967〜1316℃))での材料の降伏強度を意味している。
【0032】
本発明の方法の一つの実施形態は、図1に示されているステップを含んでいる。これらのステップは、(1)所望のクラッド製品を製造するのに適した溶着アセンブリを準備するステップと、(2)高温でパック(束)を圧延することによりクラッドパックを圧縮して境界部にあるクラッドパック内の種々のプレートを接合する(クラッドする)ステップと、(3)中間標準寸法のクラッド材の厚みを最終的な所望の標準寸法まで薄くするステップと、(4)製品を焼鈍して所望の冶金学的特性及び機械的特性を達成するステップとからなる。これらのステップを以下に更に説明する。
【0033】
図1の方法の第一のステップにおいては、被覆されるべき合金プレート又はその他の形状及びクラッド材料1以上のプレート又はその他の形状(クラッド材プレート/形状は、同じか又は異なる材料とすることができる)は、組み合わせられ且つ溶着されて重ね合わせ構造を形成し、これは、次いで相互に溶着される。このような溶着された構造は、ここでは参照の容易化のために“溶着アセンブリ”と称される。例えば、図2に示されているように、二重クラッドのニッケル/ステンレス鋼/ニッケル製品を製造するための本発明の一実施形態においては、アセンブリ10は、201ニッケル(UNS N02201)タイプの第一の薄い方の標準寸法プレートと第二の同じプレート(図示せず)との間に、316Lタイプのステンレス鋼(UNS S31603)(“T−316L”)からなるプレート12を配置することによって形成される。ニッケルプレート14の長さ(“L”)及び幅(“W”)からなる面寸法は、ステンレス鋼プレート12の対応する寸法よりも小さくされて、幾つかの長さの304タイプのステンレス鋼(UNS S30400)(“T−304”)枠部材(棒材)16が各ニッケルプレート14の周囲に配置することができるようにされている。枠材は、クラッド材の熱間強度よりも高い熱間強度を有している。ステンレス鋼の枠部材16は、ニッケルプレート14と同じ厚みを有しており、ニッケルプレート14の4つの端縁の各々に対して直接配置され、ステンレス鋼プレート12の対向面上に直に載置されている。個々の枠部材16は、それらの外側端縁がステンレス鋼プレート12の外側端縁とほぼ同面に整列するように選択される。枠部材16の幅は、枠材の熱間強度がニッケルクラッド材の熱間強度よりも高く且つ熱間処理中により軟らかいニッケル材料を含むように選択される。
【0034】
アセンブリ10の種々の部材が組み合わせられた後に、当該アセンブリは、ステンレス鋼溶着充填金属を使用してパックの各側部上の2つの露出された継ぎ目の近くで完全にアーク溶着される。ニッケルプレート14と、これを包囲しているステンレス鋼枠部材16との間の第一の継ぎ目は、クラッドパック16の両側面(一方の側面が図2に示されている)に等しく提供されている。ステンレス鋼プレート12とステンレス鋼枠材16との間の外周継ぎ目である第二の継ぎ目22もまた、クラッドパックの両側に等しく提供されている。図2は、これらの継ぎ目の各々のための矩形溝による突合せ溶接接合部を図示している。当該技術において知られているように、溶着金属の適切な浸透を得る際の助けとするために、斜面が加工されても良く又はさもなければ溶着されるべき部材の端縁上に形成されても良い。更に、本実施形態と関連付けて、アセンブリの溶着の特別な方法が記載されているけれども、アセンブリの種々の要素を相互に溶着させるための如何なる適切な方法をも使用することもできる。例えば、ある種の実施形態においては、アセンブリの一つの部材を溶着ステップに関連する費用を低減することができる別のアセンブリに係合するために使用しても良い。
【0035】
ひとたび定位置に溶着されると、枠を形成しているステンレス鋼の枠部材16は、比較的低い熱間強度のニッケルクラッド材が熱間圧延中にステンレス鋼基材を越えて広がるのを防止する。これは、クラッド材を適切な位置に位置決めする助けとなり且つ製造プロセスを通してステンレス鋼のコア層とニッケル層との厚みの所望の比率を維持する助けとなる。この例においては、枠材がステンレス鋼の枠部材の形態であるけれども、ニッケルクラッド材よりも高い熱間強度を有しており且つクラッド材が熱間圧延中に基材を越えて広がるのを防止するのに適した如何なる代替的な材料であっても良いことが理解されるであろう。
【0036】
図3は、本発明による溶着アセンブリ110の一つの代替的な構成の頂面図である。図4は、図3のアセンブリ110を通る線Y−Yにおける断面図である。T−316Lステンレス鋼プレート112は、例えばUNS N02201ニッケルによって構成することができるニッケルクラッド材114間に部分的にサンドイッチされている。ステンレス鋼プレート112は、機械加工又は別の材料除去プロセスを受けるか又はステンレス鋼プレート112の両側に出っ張っている辺縁枠116を含むように鋳造又は鍛造される。枠材は、ニッケルプレート114を収容するのに適した寸法を有している凹部を規定している。図4は、枠材116によって規定されているステンレス鋼プレート112の対向面の凹部内の定位置にある両方のニッケルクラッドプレート114を示している。枠材116は、ステンレス鋼プレート112の出っ張り部分であり且つ各ステンレス鋼プレート112の外周を枠付けしている。ニッケルプレート114とステンレス鋼枠部材116との間の継ぎ目118を含んでいる継ぎ目は、ステンレス鋼充填ワイヤを使用して溶着される。この溶着アセンブリの設計は、T−316Lステンレス鋼コア材料もまたクラッド材の周囲の枠材の機能を果たすので、枠部材又はその他の枠材が不必要であるという利点を有する。更に、代替的な設計は図2の設計よりも少量の溶着を必要とする。
【0037】
本発明の第二のステップにおいては、溶着アセンブリは、高い温度まで加熱され且つ中間標準寸法まで熱間圧延によって圧縮され、それによって、熱間圧延帯又はストリップを形成する。熱間圧延は、図2乃至4に示された溶着アセンブリ内の3つのプレートをそれらの境界面で互いに接合される。図2の溶着アセンブリ10は、例えば標準的な炉内で空気中で適切な高い温度まで加熱することができ、次いで、すぐさま鋼の製造において使用される標準的な熱ロール機上で圧延することができる。一つの実施形態においては、加熱されたアセンブリ10は、その温度がこのようにして圧延することができなくなる点に下がるまで逆転圧延機上で前後に圧延される。必要ならば、圧縮され且つ細長く延ばされたアセンブリ10は、次いで、高温まで再加熱され且つ再び逆転圧延機上で熱間圧延されてその標準寸法まで薄くすることができる。再加熱及び熱間圧延の一連のステップは、クラッドパックの厚みが所望の厚み又は冷間圧延に適した厚みに減じられるまで使用することができる。
【0038】
図5は、適当な中間標準寸法まで熱間圧延された後の図2の溶着アセンブリのX−Xにおける断面図である。熱間圧延は、溶着アセンブリ10のステンレス鋼プレート12及びニッケルプレート14を圧縮して、図5に示されている中間標準寸法製品20の比較的薄い標準寸法のステンレス鋼コア層126及びニッケルクラッド層28にする。図5において、ステンレス鋼枠部材16は、幾つかの層間に介装された圧縮された溶着領域32を備えた比較的薄い標準寸法のステンレス鋼枠領域30まで圧縮されている。ステンレス鋼材とニッケル材との間の境界部は、図5のみならず図6及び7において点線によって示され且つ以下に説明されている。
【0039】
図6は、熱間圧延されて適当な中間標準寸法にされた後の図3の溶着アセンブリ110のY−Yにおける断面図である。熱間圧延は、溶着アセンブリ110のステンレス鋼プレート112とニッケルプレート114とを圧縮して、図6に示されている中間の標準寸法製品120のより薄い標準寸法のステンレス鋼コア層126とニッケルクラッド層128とにする。ステンレス鋼プレート112の枠部材116もまた、クラッド製品の両面上のステンレス鋼枠領域130とニッケルクラッド層126との間に挟まれた圧縮された溶着領域132を有する圧縮されてより薄い標準寸法のステンレス鋼枠領域130とする。
【0040】
図5及び6に示された中間標準寸法のクラッド材(一体部品である)は、各々、ステンレス鋼枠領域30,130と溶着領域32,132とを含んでいる端縁を除去するように切り取ることができる。図7は、中間標準寸法まで熱間圧延した後及び図5に示された切り取り40において切り取った後の図2の溶着アセンブリ10のX−Xにおける断面図である。切り取りは、相互に接合された所望のステンレス鋼コア層26及びニッケルクラッド層28のみを残す。ひとたび切り取られた中間標準寸法の製品120の横断面された部材の一般的な構造は図7に示された構造に似ていることがわかるであろう。
【0041】
切り取りに続いて、図7の中間標準寸法の製品20は、応力を解放するために空気中で焼鈍されるか光輝焼鈍しても良い。次いで、互いに対向するニッケル面36は、酸化物スケールを除去し且つ冷間圧延して完成した標準寸法にするのに適した表面状態を提供するために噴射仕上げし且つ酸洗いすることができる。酸化物スケールが少量である場合には、材料を噴射仕上げ無しで酸洗いすることができるかも知れない。
【0042】
図1に概要が示された方法の第三のステップは、前のステップにおいて形成された中間標準寸法の厚みを減らすこと及び所望ならば所望の冶金学的特性及び機械的特性を得るために焼鈍することを含んでいる。1以上の冷間圧延シーケンスが使用され、これらの冷間圧延シーケンスの各々は、材料を冷間圧延するステップを含んでおり、この冷間圧延ステップには、任意に、応力を解放し且つ次の冷間圧延シーケンスのために材料を軟化させるために材料を焼鈍するステップが続く。材料が特別な冷間圧延シーケンス中に空気中で焼鈍される場合には、材料上に形成された酸化物スケールを次の冷間圧延シーケンス前に取り除くために材料を酸洗い又は噴射仕上げ及び酸洗いする必要があるかも知れない。その代わりに、材料が特別な冷間圧延シーケンス中に、例えば水素雰囲気のような不活性非酸化雰囲気内で焼鈍される場合には、材料上の酸化物スケールは、無視でき且つ噴射仕上げ又は酸洗いを必要としない。冷間圧延シーケンスは、実質的に酸化物スケールが無い表面を有する所望の機械的特性を得るために水素又は別の不活性雰囲気内で最終的な焼鈍を受けることができる。
【0043】
図1に図示されている材料を使用して形成された最終製品は、その対向面上に(例えば、T−316Lステンレス鋼のような)合金基材クラッドを含んでいるシート状製品であり、これは、所望の耐食性及び/又はその他の所望の特性を付与する(例えばニッケルのような)材料を有している。図8は、ステンレス鋼コア層42がニッケルクラッド層44間にサンドイッチされている完成品40の断面図である。
【0044】
図1に示されている方法を示すために使用されている上記の例示的な実施形態は二重クラッド製品を製造することに関するものであるけれども、請求項1の方法は、単一クラッド製品、すなわち基材の単一の面上にのみクラッドを有する製品を製造する際にも等しく有用であることは理解されるであろう。図2乃至8の種々の図示は、本開示の方法のある種の非限定的な実施形態をより良く示すためにのみ提供されており且つ商業規模のプロセスに存在する種々の部材の真の寸法を示していなくても良いことも理解されるであろう。例えば、クラッド層の厚みは実際の圧延機規模プロセスにおける基材層の厚みに対して著しく薄いことがあり得るであろう。
【0045】
図1の実施形態の著しい利点は、当該方法が、組み立てられた材料を密着巻コイル状に圧延すること或いは背景技術の説明部分において上記した従来技術の方法において使用されるように真空炉を使用して組み立てられた材料を加熱し且つ接合されることを必要としない。本開示のクラッド法においては、接合されるべき材料は高温まで加熱されなければならないけれども、クラッドプロセス中の材料の接合は、実際にはむしろ圧延中に達成される高い臨界圧力の結果であると考えられる。図1の実施形態はまた、種々の材料を接合するために複雑化されること且つ高価な爆着の使用を必要としない。
【0046】
上記の説明及び実施例は、ステンレス鋼基材上へのニッケルクラッドの接合を説明し或いは含んでいるけれども、本開示の方法はこれに限定されないことが理解されるであろう。図1の方法及びより一般的には本発明の新規な方法は、広範囲の単一クラッド及び多数クラッド合金基材を製造するのに適合させることができることが考えられる。更に、上記したように、本発明による方法は、クラッド材が基材よりも低い熱間強度を有しているクラッド製品を製造するのに特に有用である。高い熱間強度基材及び熱間強度がより低いクラッド材の重ね合わされたプレートを圧延する際に、熱間強度が低い方の材料は、組み立てられた材料の熱間圧延中に熱間強度が高い方の材料の寸法を超えて広がる傾向があり得る。このような場合には、本発明の方法の溶着アセンブリ内のクラッド材と基材との互いに隣接する端縁間の辺縁内に提供される熱間強度が高い方の材料は、基材の一部であるか否かに拘わらず、熱間圧延中にクラッド材が基材の端縁を越えて広がるのを防止する。
【0047】
本発明の方法を使用して製造することができるクラッド製品の一般的な非限定的な例は、以下のクラッドプレート、クラッドストリップ及びクラッドシートを含んでいる。クラッド製品は更に処理して種々の製造品にすることができる。更に、上記の説明及び以下の例は基材の対向面の各々にクラッド層が接合される二重クラッド製品に関するものであるけれども、本発明の方法は、単一クラッド製品及び多数クラッド製品を製造するようになされており、このような製品は更に処理して製品としても良い。上記したように、本発明の方法を使用して作られた単一クラッド製品及び/又は二重クラッド製品によって作ることができる製品の例としては、限定的ではないが、化学タンク、送気管、バッテリ、チューブ、熱交換器、オイル及びガス用パイプ、化学物質用タンク並びに調理用具がある。本発明の方法を使用して作ることができる他の製造物及び製品は、本明細書の説明を考慮したときに、冶金学的技術及び製造技術における当業者にとって明らかとなり、このような人々は、実験することなく本発明の方法に適切に適合させることができる。
【0048】
本発明の方法において溶着アセンブリに組み立てられる種々の基材、クラッド材及び基材と異なる場合には枠材の絶対寸法及び相対的寸法は、適切な大きさとされた完成したクラッド製品を提供するために選択される。本発明のある種の非限定的な実施形態の例を以下に示す。以下の例に記載されている種々の部材の絶対寸法及び相対寸法は、特別な用途に対して選択されたものであり、当該方法の特別な実施形態の幾つかの非限定的な例のみを反映している。より一般的には、クラッド製品の特別に意図された用途に応じて、広範囲の最終的なクラッド製品の厚み及び厚み比率の幾つかは、上記の説明及び以下の例において使用されるものに似た方法で製造することができる。以下の例を実施しながら調査される特徴は、クラッド層が熱間圧延、冷間圧延中にクラッド層及び基材層を適切に焼鈍する際に、不所望な程度まで流れるのを防止すること、焼鈍中にクラッド層表面上の余分なスケールの形成を阻止すること、及び溶着アセンブリの部材を組み立てる前に不所望なスケールを除去するために噴射仕上げ及び粒子の酸洗い能力を含んでいる。
【0049】
例1
ニッケル二重クラッドのステンレス鋼を製造するために溶着アセンブリを準備した。このアセンブリは、1/2〜3/4インチ(1.27〜1.90センチメートル)の厚みの2つのニッケル(UNS 02201)プレート間にサンドイッチされた2〜2・1/2インチ(5.08〜6.35センチメートル)の厚みのT−316Lステンレス鋼プレートを含んでいた。このニッケル被覆プレートの長さ及び幅の寸法はステンレス鋼コアプレートよりも小さく、ニッケルプレートは、ステンレス鋼コアプレートの面上に中心決めした。このようにして、面上に配置されている被覆プレートによって覆われていないコアプレートの各面の外周近くに辺縁を残した。1/2×1/2インチ(1.27×1.27センチメートル)の厚みのT−304ステンレス鋼枠部材によって作られた枠材が、全被覆プレートの各々の外周近くのコアプレートの各面上の辺縁内に配置した。このステンレス鋼枠材は、熱間圧延中に熱間強度がより低い(従って、流動性のより高い)ニッケルを“堰き止め”且つ熱間圧延中にアセンブリ全体の厚みが薄くされたときにコアプレート材の端縁を越えてニッケル材料が流れるのを阻止し又は防止するように意図されている。個々のプレートの厚みは、部分的には、試験のために利用できる圧延装置がアセンブリ全体の厚みを収容できるように選択した。
【0050】
アセンブリは、以下のように構成し且つ処理した。2つのニッケル被覆プレートは、部材が組み立てられたときに、端縁とT−304ステンレス鋼枠部材の端縁と対向端縁との間に1/2インチ(1.27センチメートル)のギャップが残るように切断した。これは、図9の写真に示されている。図9においては、アセンブリ210は、T−304ステンレス鋼枠部材216間のT−316Lステンレス鋼プレート214上に被覆プレート212の周りに1/2インチ(1.27センチメートル)のギャップ218が残されるように配置されているニッケル被覆プレート212を含んでいる。1/2インチ(1.27センチメートル)のギャップは、溶着中に溶着金属の浸透を増すように設けられている。枠部材216の各々は、直径1/16インチ(0.159センチメートル)のER308溶接ワイヤと98%アルゴン/2%酸素の被覆ガスを使用してアセンブリの外周に延びている部材間の露出された境界部においてコアプレート214に溶着されたMIGであった。枠部材216はまた、直径が3/32インチのINCO92TMERNiCoFe−6溶接ワイヤと95%アルゴン/5%水素からなる被覆ガスを使用してこれらの部材間の1/2インチ(1.27センチメートル)のギャップを充填することによって各々の被覆プレート212に溶着されたMIGであった。完成された溶着アセンブリ230が図10に示されている。
【0051】
この溶着アセンブリを炉内で2050°F(1121℃)まで加熱し、元の3インチの厚みから0.401インチ(1.02センチメートル)まで熱間圧延して薄くした。当該アセンブリは、熱間圧延する前に抜気しなかった。図11a及び11bに示された熱間圧延されたアセンブリの顕微鏡写真は、概して極めてニッケル/T−316Lステンレス鋼境界部の両方が、概して極めて清浄な境界部によって完全に接合されたことを明示した。しかしながら、ニッケル/T−316Lステンレス鋼境界部の偶発的な領域は、有意な捕捉された酸化物スケールを含んでいた。捕捉されたスケールが熱間圧延前にプレート表面に埋設されて溶着アセンブリ内の空気の存在により熱間圧延中に形成されるか又は両方のファクタの組み合わせによって存在しているか否かは、この時点では不明確であった。
【0052】
2つの部分は、熱間圧延されたクラッドパックアセンブリから切り取られ且つ第一の部分は2050°F(1121℃)に、第二の部分は2200°F(1204℃)に再加熱された。各再加熱された部分は、次いで、熱間圧延され、第一の部分は0.142インチ(0.361センチメートル)まで、第二の部分は0.125インチ(0.318センチメートル)まで熱間圧延した。熱間圧延された部分は、次いで、枠部材及び溶着金属を取り除くように切り取って、残された唯一の材料がニッケル/T−316Lステンレス鋼/ニッケルラミネートであるようにした。ラミネートの冶金学的検査は、残された全ての層が良好に接合されていることを明示している。
【0053】
以下に説明する焼鈍の研究は、5分間に亘る1950°F(1066℃)での焼鈍は、引き続いて冷間圧延するために熱間圧延された部分を軟化させるのに十分であった。従って、図12に示された0.142インチ(0.361センチメートル)の厚みの熱間圧延された二重クラッド材の3×14インチ(7.62×35.6センチメートル)の部片を、5分間に亘って1950°F(1066℃)で焼鈍し、次いで、以下の冷間圧延/焼鈍シーケンスを使用して0.013インチ(0.033センチメートル)の最終的な標準寸法まで冷間圧延した。
【0054】
0.142インチ(0.361センチメートル)→0.078インチ(0.198センチメートル)(45%減少)
↓
1950°F(1066℃)で3分間空気中で焼鈍し、グリットブラストし、10%HNO3/2%HF内で酸洗いした。
↓
0.078インチ(0.198センチメートル)→0.043インチ(0.109センチメートル)(45%減少)
↓
1950°F(1066℃)で3分間空気中で焼鈍し、グリットブラストし、10%HNO3/2%HF内で酸洗いした。
↓
0.043インチ(0.199センチメートル)→0.024インチ(0.061センチメートル)(45%減少)
↓
1950°F(1066℃)で3分間空気中で焼鈍し、グリットブラストし、10%HNO3/2%HF内で酸洗いした。
↓
0.024インチ(0.061センチメートル)→0.013インチ(0.033センチメートル)(45%減少)
【0055】
冷間圧延中の単一の圧延パスは、応力を制限し且つ剥離のおそれを低くするために約0.005インチ(0.0127センチメートル)の減少に限定した。端縁の乾燥割れによる剥離は冷間圧延シーケンス中には全く観察されなかった。0.013インチ(0.033センチメートル)の最終的な標準寸法の材料の表面を調節するために、ブラスト及び酸洗い作用を使用しても良い。
【0056】
ニッケルクラッドの厚みパーセントを、例1における溶着アセンブリの処理の各段階に対して測定して、T−304ステンレス鋼枠材内にどのくらい良好にニッケルが残り且つ含まれているかを評価し且つ焼鈍中に余分な量のニッケルクラッド材の酸化物スケールの形成が消費したか否かを判定する。ニッケル層の厚みは、第三の冷間圧延/焼鈍サイクルを通してその元の量(片側毎にアセンブリ全体の厚みの16.5〜17%)から均一に一定のままであった。ニッケルクラッド層は、最終的な冷間圧延シーケンス中に比較的薄くなり、最終的な標準寸法の材料は、片側クラッド製品の全厚みの約15%のニッケルクラッド層の厚みを有していた。
【0057】
ブラスト及び酸洗い中の材料表面に対する歪みのおそれを避けるために、上記の冷間圧延シリーズでの空気中での焼鈍の代わりに、水素内での光輝焼鈍を使用しても良く、最終的な粒径及び機械的特性を有する材料を提供した。光輝焼鈍の使用を評価するために、最終的な標準寸法(0.013インチ(0.033センチメートル))の冷間圧延された材料の個々の1×1インチ(2.54×2.54センチメートル)の試験片を、1,2及び3分間の各々に対して1500°F(816℃)の時間対温度で光輝焼鈍した。光輝焼鈍は、二重クラッド試験片上に受け入れ可能なスケールの無い表面を提供することが明らかであった。どのような微細構造が9つの温度対時間の組み合わせから生じるかを判定するために光輝焼鈍した試験片内で冶金学的検査を行った。9つの試験片全てのニッケル層が、冶金学的に同様であることがわかり、各層は、完全に再結晶化され、ASTM比較法を使用して顕著な粒子成長及び約7・1/2〜8の粒径を有していた。この完全に再結晶化したステンレス鋼コア層は、およそASTM11の粒径を有しており、1700°F(927℃)で3分間光輝焼鈍された試験片は、殆ど均一な微細構造を有していることが明らかであった。光輝焼鈍した試験片のT−316Lコア層の平均ビッカースミクロ硬度は178であった。
【0058】
上記の光輝焼鈍結果を考えて、この例によってこのように冷間圧延された最終的な標準寸法の材料の3×12インチ(7.62×30.5センチメートル)の部片を、1700°F(927℃)で3分間水素中で焼鈍した。2つの引っ張り試験した試験片は、この材料から打ち抜き、降伏強度、極限引っ張り強度及び伸びパーセントを評価した。これらの特性の平均試験結果は、各々、40.ksi、86.6ksi、48.7%であった。
【0059】
例2
例1とほぼ同じ構造の溶着アセンブリを準備した。例1におけるアセンブリと同様に、1/2インチ(1.27センチメートル)のギャップがニッケル被覆プレートの端縁とステンレス鋼枠部材の端縁との間に1/2インチ(1.27センチメートル)のギャップを残した。圧延中の被覆プレートの横方向の動きに対する余分な支持を提供するがクラッド材が流れる空間は依然として許容するために、2つの短い堰板が各々が隣接する被覆プレートに対して面一に結合する2つの1/2インチ(1.27センチメートル)のタブを含むように枠部材内に設計した。ニッケルプレート312とT−304ステンレス鋼枠部材314、316がT−316Lステンレス鋼プレート318上に配置されているアセンブリ310の一つの表面を示しているこの構造が図13に示されている。対向する枠部材314は、隣接する被覆プレート312と同面のタブ320を含んでいる。ニッケル被覆プレートと枠部材314、316は、次いで、例1のアセンブリと似た方法でステンレス鋼被覆プレート318上の定位置で溶着した。溶着アセンブリの面が図14に示されている。
【0060】
この例の溶着アセンブリを、次いで、2050°F(1121℃)まで加熱し、元の3インチ(7.62センチメートル)の厚みから0.400インチ(1.02センチメートル)まで熱間圧延して薄くした。当該アセンブリは、熱間圧延前に抜気しなかった。熱間圧延された材料に対して行われた冶金学的分析は、ニッケル/T−316Lステンレス鋼境界部が例1の溶着アセンブリによって製造したものと似ていることを示したが、熱間圧延帯の一端は、ニッケルとステンレス鋼コア材との間に狭い剥離領域を含んでいた。0.400インチ(1.02センチメートル)の部片を2050°F(1121℃)まで再加熱し且つ0.143インチ(0.363センチメートル)まで熱間圧延した。
【0061】
冷間圧延する前に熱間圧延された材料を焼鈍するための適切な温度及び時間を調べるために、0.143インチ(0.363センチメートル)の熱間圧延された材料の試験片に焼鈍検査を行った。この熱間圧延した材料の2×3インチ(5.08×7.62センチメートル)の試験片の5つの対を、1950°F(1066℃)で2、5、8、14及び20分間焼鈍した。1950°F(1066℃)で5分間焼鈍させた試験片は、層内に余分な粒子の成長することなく、T−316Lコア層とニッケルクラッド層との両方に十分に再結晶した微細構造を形成することが明らかであった。
【0062】
例3
上記の例1及び2のアセンブリを観察すると、ニッケル被覆プレート材料はステンレス鋼枠部材の上を流れず且つ熱間圧延による収縮中に枠部材内に十分に含まれていたことを示した。従って、被覆プレートと枠部材との間の1/2インチ(1.27センチメートル)のギャップがこの例3のアセンブリにおいて排除された。このような設計は、被覆プレートはギャップ無しでコアプレートの表面幅のより大きなパーセントを被覆することができるので、二重クラッド材のより高い収量を提供することができると考えられる。図15は、例3の溶着アセンブリ410を示しており、被覆プレート412は突き合わされた枠部材416に溶着されており、枠部材416はコアプレート414に溶着されている。図15に示されているように、油圧チューブ420は、2インチ(5.08センチメートル)の厚みのコアプレート414の側部の抜気穴に溶着された。この抜気穴は、コアプレート414内へと通過し且つコアプレート414を貫通して開けられた穴と直角に交差し、被覆プレート412によって覆われているコアプレート414の2つの面において開口している。従って、抜気穴と油圧チューブ420とは、コアプレート414と被覆プレート412との間の空間と流体連通している。溶着アセンブリ412内の空気の殆どがチューブ420を介して抜気され、アセンブリ412内の抜気穴は次いで熱間圧延前に溶着されて閉じた。
【0063】
抜気された溶着アセンブリは、2050°F(1121℃)で熱間圧延されて0.402インチ(1.02センチメートル)にされ、続いて、2050°F(1121℃)まで再度熱間圧延されて0.138インチ(0.350センチメートル)にされる。冶金学的分析が材料上で各厚みにおいて行われた。試験された試験片は、ニッケル/T−316Lステンレス鋼境界部は、ボイド又はより大きな酸化物の含有の証拠が無い状態で完全に接合され、例1及び2の溶着アセンブリの熱間圧延された試験片内に見られたものと似た分布を呈した。これは、コア/クラッド境界部に見られる含有物が、溶着アセンブリ内の空気の存在によるものではなく、その代わりに、溶着アセンブリの構築前にプレートの接触面上に存在するスケールから生じたものであることを示した。従って、熱間圧延前に本発明の方法の実施形態によって構築された溶着アセンブリを抜気することは不要である。プレートの面を表面研磨及び/又は表面スケールを除去するための他の表面調製技術によってプレートの面を準備することが大切であることも結果として起こる。もちろん、このような特徴から得られる利点は、使用されるプレートの組成及び状態に依存し、例えば、ある種のプレートは問題のある腐食をより発達させそうな材料によって作ることができる。
【0064】
例4
例1において作られた熱間圧延材料と共に使用される冷間圧延された計画の成功に鑑みて、より積極的な冷間圧延計画を、例1におけるものとほぼ同じ構造を有する溶着アセンブリに対して試験した。上記の例の抜気されたアセンブリ及び抜気されていないアセンブリによって作られた熱間圧延された製品におけるステンレス鋼コア/ニッケルクラッド境界部における酸化物含有の程度に大きな差は存在しないことが観察された。
【0065】
この溶着アセンブリを、2050°F(1121℃)で0.401インチ(1.019センチメートル)まで熱間圧延し、続いて、2200°F(1204℃)まで再加熱して0.119インチ(0.302センチメートル)まで熱間圧延した。0.119インチ(0.302センチメートル)材料(“アセンブリ♯4−A”)の半分を、1950°F(1066℃)で5分間焼鈍して冷間圧延のために軟化させた。0.119インチ(0.302センチメートル)材料(“アセンブリ♯4−B”)の残りの半分が2200°F(1204℃)まで再加熱され、2つのパスに対して再び熱間圧延して0.085インチ(0.216センチメートル)とした。アセンブリ♯1Aに対して薄く且つ熱い帯の標準寸法は、最終的な標準寸法までより少ない冷間圧延/焼鈍サイクルを可能にする。アセンブリ♯4−Aは、以下の3つの冷間圧延/焼鈍サイクルを使用して続いて冷間圧延されて0.013インチ(0.033センチメートル)の所望の最終的標準寸法とした。
【0066】
0.119インチ(0.302センチメートル)→0.057インチ(0.145センチメートル)(52%減少)
↓
1950°F(1066℃)で3分間空気中で焼鈍し、グリットブラストし、10%HNO3/2%HF内で10秒間酸洗いした。
↓
0.057インチ(0.145センチメートル)→0.027インチ(0.069センチメートル)(52%減少)
↓
1950°F(1066℃)で3分間空気中で焼鈍し、グリットブラストし、10%HNO3/2%HF内で45秒間酸洗いした。
↓
0.027インチ(0.069センチメートル)→0.013インチ(0.033センチメートル)(52%減少)
↓
アセンブリ♯4−Bの収縮された熱間圧延帯の標準寸法材料を、以下のようにちょうど2つの冷間圧延/焼鈍サイクルを使用して0.01インチ(0.025センチメートル)の所望の最終的な寸法まで連続的に冷間圧延した。
【0067】
0.091インチ(0.231センチメートル)→0.034インチ(0.086センチメートル)(60%減少)
↓
1950°F(1066℃)で3分間空気中で焼鈍し、サンドブラストし、10%HNO3/2%HF内で45秒間酸洗いした。
↓
0.034インチ(0.086センチメートル)→0.013インチ(0.033センチメートル)(60%減少)
【0068】
上記の2つのシーケンス内での冷間圧延中の単一の圧延パスは、約0.005インチ(0.0127センチメートル)及び約5%収縮に限定されて、材料の応力を過度に応力を加えず且つ剥離の危険にさらさない。これらの制限に関して、剥離又は端縁の乾燥割れがアセンブリ♯4−A及び♯4−Bにおいて行われた圧延ステップのいずれにおいても観察されず、これは、均一な積極的な冷間圧延が可能であることを示している。アセンブリ♯4−A及び♯4−Bからの最終的な標準寸法を、1700°F(927℃)で3分間水素内で光輝焼鈍し、光輝焼鈍された材料内で引っ張り試験を行った。
【0069】
より積極的な冷間圧延もまた検査し、これは、製造速度を増大させることができる。アセンブリ♯4−Aからの焼鈍され且つ酸洗いされた0.0119インチ(0.030センチメートル)の熱い帯材料の試験片を以下のように冷間圧延した。
【0070】
0.119インチ(0.302センチメートル)→0.039インチ(0.099センチメートル)(67%減少)
↓
1950°F(1066℃)で3分間空気中で焼鈍し、サンドブラストし、10%HNO3/2%HF内で45秒間酸洗いした。
↓
0.039インチ(0.099センチメートル)→0.013インチ(0.033センチメートル)(67%減少)
↓
1800°F(982℃)で1分間空気中で光輝焼鈍した。
【0071】
圧延パス毎に厚みが約15%減少し又は前回の冷間圧延シーケンスにおけるパス毎の目標の厚み減少の約3倍の冷間圧延を行った。幾つかの端縁の粗さが発生したけれども、結果的に得られる最終的な標準寸法の二重クラッド材料は、剥離の徴候を呈しなかった。しかしながら、最終的な標準寸法の材料は、所望の幅まで且つ枠部材及び溶着付着物の徴候を除去するために端縁を切り取られたので、端縁の表面粗さは同様に大きくはない。光輝焼鈍された0.013インチ(0.033センチメートル)の最終的な標準寸法の冷間圧延クラッド材の冶金学的特性及び機械的特性を表1に列挙した。
【0072】
【表1】
例5
132インチ(335.3センチメートル)の長さと32.5インチ(82.6センチメートル)の幅とを有するコア材料として、3.75インチ(9.53センチメートル)の厚みのT−316Lステンレス鋼プレートによって圧延機規模の溶着アセンブリを作った。このコア材料を、128インチ(325.1センチメートル)の長さと28.5インチ(72.4センチメートル)の幅とを有する2つの0.75インチ(1.91センチメートル)の厚みのUNS 02201ニッケルプレート間にサンドイッチした。このコア材料の両側部を機械加工して、より小さい長さ寸法及び幅寸法を有しているニッケルプレートを受け入れための凹んだ領域を提供した。従って、T−316Lステンレス鋼プレートの辺縁はクラッド材プレートの外周を包囲するか又は“縁取り”し、それによって、ニッケルクラッド材が熱間圧延中にステンレス鋼コア材の寸法を越えて広がるのを阻止するか防止する一体枠材を提供した。ニッケルプレートを、上記の例に記載したコア材によって規定された枠に溶着した。当該アセンブリを、次いで、2050°F(1121℃)まで加熱し、熱間圧延して圧延機規模の熱間帯鋼圧延機上で中間標準寸法の熱間圧延帯とした。
【0073】
当該熱間圧延帯による試験片の顕微鏡写真を試験した。この顕微鏡写真は、コア層とクラッド層との間の接合品質が極めて良好であることを示している。帯の表面を検査し、受け入れ可能であることが判明し、唯一の観察された重要な欠陥は、ストリップの中心近くの一つの位置の皮ぶくれであった。幾つかの重要でない毛羽立ち/剥離が溶着金属とニッケルクラッド層との間の溶融縁に沿って観察された。熱間圧延帯は、冷間圧延し、焼鈍し、平滑化のために準備した。
【0074】
例6
圧延機規模の溶着アセンブリを、132インチ(335.3センチメートル)×32.5インチ(82.6センチメートル)(長さ×幅)のT−316Lステンレス鋼プレートによってコア材として準備し、2つの128インチ(325.1センチメートル)×28.5インチ(72.4センチメートル)のUNS 02001ニッケル被覆プレートをクラッド材として準備しても良い。コアプレートの厚みは、3.75インチ(9.53センチメートル)であっても良く、アセンブリ全体の厚み5.25インチ(13.3センチメートル)に対して各被覆プレートの厚みは0.75インチ(1.91センチメートル)とすることができる。被覆プレートを受け入れる形状とされた凹部が機械加工され、各凹部の端部の各々には3つのペグが機械加工されている。図16は、コアプレート220の一つの面の頂面図であり、凹部224、コアプレート220上に残され且つ凹部224の壁を規定している出っ張り辺縁226及び凹部224の凹部227から延びている6個のペグ225を示している。コアプレート220(図6に示されていない)の残りの面はほぼ同じ設計を有するであろう。各ニッケル被覆プレートは、所定の位置に6個の穴を含むように機械加工され、各被覆プレートは、コアプレートの6個のペグが被覆プレート内に加工された6個の穴を介して出っ張るようにコアプレートの凹部内に配置されている。コアプレートの厚みは3.75インチ(9.53センチメートル)とすることができ、アセンブリ全体の5.25インチ(13.3センチメートル)の厚みに対して各被覆プレートの厚みは0.75インチ(1.91センチメートル)とすることができる。被覆プレートは、被覆プレートと被覆プレートの出っ張り辺縁との間の継ぎ目において及びペグと被覆プレートの穴との間の継ぎ目においてコアプレートに溶着されている。
【0075】
アセンブリは、約2050°F(1121℃)まで加熱され且つ逆転圧延機上で熱間圧延されて中間標準寸法の熱間圧延帯とされている。熱間圧延帯は、次いで、冷間圧延に適した所望の幅に切り取ることができる。熱間圧延帯は、次いで、空気中で例えば1900°F(1038℃)で1分間のような時間対温度で焼鈍し、皮を剥ぎ、任意に酸洗いし且つ表面研磨し、次いで冷間圧延する。冷間圧延した材料は、次いで、空気中で、例えば1900°F(1038℃)で1分間の時間対温度で焼鈍し、皮を剥ぎ、任意に再度酸洗いし且つ表面研磨し、圧延する。この材料は、光輝焼鈍し、最終的な標準寸法に冷間圧延し、次いで、もう一度光輝焼鈍する。この材料は、次いで、所望ならば引っ張り平面矯正しても良い。
【0076】
本開示は、本発明の明確な理解に関連する特徴を示していることが理解されるであろう。当業者に明らかであり、従って、本発明のより良い理解に寄与しないある種の特徴は、本開示を簡素化するために提供しなかった。以上、本発明の実施形態を説明したけれども、上記の説明を考慮すると、当業者は、本発明の多くの変形例及び変更例を採用することができることを認識するであろう。本発明のこのような変更例及び変形例の全てが、上記の説明及び特許請求の範囲によって包含されることを意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】図1は、本発明のクラッド製品を製造するための方法の一実施形態のフローチャートである。
【図2】図2は、本発明による溶着アセンブリの一実施形態の斜視図であり、当該アセンブリは、基材プレート、クラッド材プレート及び複数の枠部材を含んでいる。
【図3】図3は、本発明による溶着アセンブリの別の実施形態の斜視図であり、当該アセンブリは、凹部及び辺縁枠部材を含むように機械加工された基材プレートを含んでおり且つクラッド材プレートが凹部内に配置されている。
【図4】図4は、図3のアセンブリのY−Yでの断面図である。
【図5】図5は、冷間圧延に適した標準寸法のために熱間圧延した後の図2のアセンブリのX−Xでの断面図である。
【図6】図6は、冷間圧延に適した標準寸法のために熱間圧延した後の図3のアセンブリのX−Xでの断面図である。
【図7】図7は、溶融金属と枠部材とを含んでいる端縁切り取り後の図5の熱間圧延された溶着アセンブリの端面図である。
【図8】図8は、図1の実施形態によって形成された完成クラッド製品の断面図である。
【図9】図9は、本発明の方法の一実施形態によって作られたアセンブリの一実施形態の写真である。
【図10】図10は、図9のアセンブリの写真であり、溶着アセンブリを提供するために、相互に溶着されている。
【図11a】図11aは、熱間圧延後の図10の溶着アセンブリの結合された基材とクラッド層との間の境界領域の顕微鏡写真である。
【図11b】図11bは、熱間圧延後の図10の溶着アセンブリの結合された基材とクラッド層との間の境界領域の顕微鏡写真である。
【図12】図12は、本発明の方法の一実施形態によって製造された熱間圧延帯の一部分の写真である。
【図13】図13は、本発明の方法の一実施形態によって作られたアセンブリの別の実施形態の写真である。
【図14】図14は、溶着アセンブリを提供するために、アセンブリの部品が相互に溶接された図13のアセンブリの写真である。
【図15】図15は、本発明の方法の一実施形態に従って構成された溶着アセンブリの付加的な実施形態である。
【図16】図16は、本発明によるアセンブリのためのコアプレートの一実施形態の図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラッド製品を製造するための方法であり、
基材上に配置されたクラッド材を含んでおり且つ前記基材とクラッド材との両方が個々に合金から選択されたものである溶着アセンブリを準備するステップであり、当該溶着アセンブリ内では、前記クラッド材の少なくとも第一の端縁が前記基材の第一の端縁まで延びておらず且つ前記第一の端縁間に辺縁を提供しており、前記クラッド材よりも高い熱間強度を有している合金である材料が前記辺縁内で前記クラッド材の前記第一の端縁に隣接している前記溶着アセンブリを準備するステップと、
熱間圧延帯を提供するために前記溶着アセンブリを熱間圧延するステップであって、前記辺縁内の材料が、熱間圧延中に、前記クラッド材が前記基材の端縁を越えて広がるのを阻止するようになされている前記熱間圧延ステップとを含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であり、
前記溶着アセンブリ内で、前記クラッド材と前記基材とがプレートであり、前記辺縁が前記クラッド材料プレートの第一の端縁と前記基材プレートの第一の端縁との間にあるようにした方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であり、
前記クラッド材よりも高い熱間強度を有している材料が基材である方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であり、
前記クラッド材プレートが前記基材プレートの間に形成された凹部内に配置されて、当前記基材の出っ張り部分が前記凹部の少なくとも1つの壁を規定しており且つ前記クラッド材プレートの前記辺縁内で且つ少なくとも第一の端縁に隣接して配置されているようになされている方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であり、
前記凹部が、鋳造、鍛造、機械加工及び材料除去プロセスのうちの1つよって、前記記載プレートの面内に設けられている方法。
【請求項6】
請求項2に記載の方法であり、
前記クラッド材プレートが、前記基材プレートの長さ及び幅よりも小さい長さ及び幅を各々有していて、前記辺縁が前記基材プレートの全周に沿って延びるようになされている方法。
【請求項7】
請求項4に記載の方法であり、
前記クラッド材プレートが、前記基材プレートの長さ及び幅よりも小さい長さ及び幅を各々有しており、前記基材プレートの前記出っ張り部分が前記凹部の外周壁を規定するために前記基材プレートの外周に沿って延びており且つ前記クラッドプレートの外周端縁全体に隣接している方法。
【請求項8】
請求項2に記載の方法であり、
前記クラッド材よりも低い熱間強度を有している合金である材料からなる少なくとも1つの枠部材が、前記辺縁内で前記基材プレート上に且つ前記クラッド材プレートの第一の端縁に隣接して配置されている方法。
【請求項9】
請求項2に記載の方法であり、
前記クラッド材プレートが、前記基材プレートの長さ及び幅よりも小さい長さ及び幅を各々有しており、前記辺縁が前記クラッド材プレートの全周を取り巻いており、1以上の枠部材が、前記辺縁内の前記基材プレート上に且つ前記クラッド材プレートの全周縁に隣接して配置されている方法。
【請求項10】
請求項2に記載の方法であり、
前記基材が、ステンレス鋼と炭素鋼とからなる群から選択されたものである方法。
【請求項11】
請求項2に記載の方法であり、
前記基材が、T−316Lステンレス鋼、T−316ステンレス鋼、T−304Lステンレス鋼及びT−304ステンレス鋼からなる群から選択されたものである方法。
【請求項12】
請求項2に記載の方法であり、
前記クラッド材が、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金及びステンレス鋼からなる群から選択されたものである方法。
【請求項13】
請求項2に記載の方法であり、
前記クラッド材が、UNS N02200ニッケル及びUNS N02201から選択されたものである方法。
【請求項14】
請求項2に記載の方法であり、
前記クラッド材よりも高い熱間強度を有している辺縁内の材料が、ステンレス鋼、ニッケルベース合金及びコバルトベース合金からなる群から選択されたものである方法。
【請求項15】
請求項2に記載の方法であり、
前記クラッド材よりも高い熱間強度を有している辺縁材料が、T−316Lステンレス鋼及びT−304ステンレス鋼からなる群から選択されたものである方法。
【請求項16】
請求項1又は2に記載の方法であり、
前記熱間圧延帯を任意に焼鈍させるステップと、
前記熱間圧延帯を、所望の標準寸法を有するクラッドストリップに冷間圧延するステップとを更に含んでいる方法。
【請求項17】
請求項2に記載の方法であり、
前記溶着アセンブリを準備するステップが、前記辺縁内の材料を、前記クラッド材プレート及び前記基材プレートに溶着するステップを更に含んでいる方法。
【請求項18】
請求項3に記載の方法であり、
前記溶着アセンブリを準備するステップが、前記辺縁内の基材プレートの一部分を前記クラッド材プレートに溶着するステップを更に含んでいる方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法であり、
前記熱間圧延帯を冷間圧延して、所望の標準寸法を有するクラッドストリップにするステップが2又は3回の冷間圧延ステップを有し、前記冷間圧延ストリップが冷間圧延の連続するステップの中間で焼鈍される方法。
【請求項20】
請求項23に記載の方法であり、
前記冷間圧延ストリップが、少なくとも2つの連続する冷間圧延ステップの中間において光輝焼鈍される方法。
【請求項21】
請求項2に記載の方法であり、
前記クラッド製品が二重クラッド製品であり、前記溶着アセンブリが、クラッド材の2つのプレートを含んでおり、前記クラッド材プレートのうちの1つが前記基材プレートの対向する表面の各々に設けられている方法。
【請求項22】
請求項1、2及び16のうちのいずれか一項に記載の方法であり、
前記クラッド材が、ニッケルUNS N02201であり、前記基材がT−316Lステンレス鋼であり、前記辺縁内に配置されている材料が、T−316Lステンレス鋼及びT−304ステンレス鋼から選択されたものである方法。
【請求項23】
クラッドステンレス鋼を製造する方法であり、
溶着アセンブリを準備するステップであり、
ステンレス鋼プレート上に合金によって形成されたクラッド材プレートを配置するステップであり、前記クラッド材プレートの少なくとも第一の端縁が前記ステンレス鋼プレートの第一の端縁まで延びていないで、前記ステンレス鋼プレート上に辺縁を提供している前記クラッド材プレートを配置するステップと、
前記辺縁内に且つ前記第一の端縁に隣接して前記クラッド材よりも高い熱間強度を有している合金である少なくとも1つの枠部材を配置するステップと、
前記クラッド材プレートを前記枠部材に溶着し且つ当該枠部材を前記ステンレス鋼プレートに溶着するステップとを含む前記溶着アセンブリを準備するステップと、
前記枠部材が前記クラッド材が熱間圧延中に前記ステンレス鋼プレートの第一の端縁を越えて広がるのを阻止する熱間圧延帯を提供するように前記溶着アセンブリを熱間圧延するステップとを方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であり、
前記クラッド材プレートが、前記基材プレートの長さ及び幅よりも小さい長さ及び幅を各々有し、前記クラッド材プレートの各端縁が、前記ステンレス鋼の隣接する端縁から隔てられていて、前記ステンレス鋼の全周に沿って辺縁が延びており、更に、1以上の枠部材が前記クラッド材プレートの全周に沿って前記辺縁内に配置されるようになされている方法。
【請求項25】
請求項23に記載の方法であり、
前記ステンレス鋼が、T−316Lステンレス鋼、T−316ステンレス鋼、T−304Lステンレス鋼及びT−304ステンレス鋼からなる群から選択された材料によって作られている方法。
【請求項26】
請求項23に記載の方法であり、
前記クラッド材が、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金及びステンレス鋼からなる群から選択されたものである方法。
【請求項27】
請求項23に記載の方法であり、
前記1以上の枠部材が、ステンレス鋼、ニッケルベース超合金及びコバルトベース超合金からなる群から選択されたものである方法。
【請求項28】
請求項31に記載の方法であり、
前記クラッド材がニッケルであり、前記ステンレス鋼プレートがT−316Lステンレス鋼であり、前記1以上の枠部材が、T−316Lステンレス鋼及びT−304ステンレス鋼のうちの1つである方法。
【請求項29】
請求項23に記載の方法であり、
前記クラッド製品が二重クラッド製品であり、
前記溶着アセンブリを提供するステップが、
ステンレス鋼プレートの対向面の各々の上に合金によって形成されたクラッド材プレートを配置するステップであり、前記クラッド材プレートの各々の少なくとも第一の端縁が前記ステンレス鋼プレートの第一の端縁まで延びていないで、前記ステンレス鋼プレートの対向面の各々の上に辺縁を提供している前記クラッド材プレートを配置するステップと、
前記辺縁内で且つ前記クラッド材の各プレートの第一の端縁に隣接して配置されたクラッド材よりも高い熱間強度を有する合金によって作られた少なくとも1つの枠部材を配置するステップと、
前記クラッド材プレート及び前記ステンレス鋼プレートの各々を隣接する枠部材に溶着するステップとを含んでいる方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法であり、
前記クラッド材プレートの各々が、前記ステンレス鋼プレートの長さ及び幅よりも小さい長さ及び幅を各々有し且つ前記ステンレス鋼プレート上に前記辺縁が前記ステンレス鋼プレートの各対向面上の前記ステンレス鋼プレートの全周に沿って延びるように配置され、1以上の枠部材が、前記クラッド材の各プレートの全周に沿って前記辺縁内に配置されている方法。
【請求項31】
請求項23又は29に記載の方法であり、
前記熱間圧延帯を任意に焼鈍するステップと、
前記熱間圧延帯を冷間圧延して所望の標準寸法を有するクラッドストリップにするステップとを更に含んでいる方法。
【請求項32】
クラッドステンレス鋼を製造する方法であり、熱間圧延帯を準備するために溶着アセンブリを熱間圧延するステップを含み、当該溶着アセンブリは、合金クラッド材プレートに溶着されたステンレス鋼プレートを含み、前記クラッド材は、前記ステンレス鋼プレートの出っ張り部分が凹部を規定し且つ前記クラッドプレートの外周端縁を取り巻くように前記ステンレス鋼プレートの表面上の凹部内に配置されており、前記ステンレス鋼プレートの出っ張り部分は、前記クラッド材が熱間圧延中に前記ステンレス鋼の端縁を越えて広がるのを阻止するようになされている方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法であり、
前記ステンレス鋼プレートが、T−316Lステンレス鋼、T−316ステンレス鋼、T−304Lステンレス鋼及びT−304ステンレス鋼からなる群から選択された材料によって作られている方法。
【請求項34】
請求項32に記載の方法であり、
前記クラッド材が、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金及びステンレス鋼からなる群から選択されたものである方法。
【請求項35】
請求項32に記載の方法であり、
前記クラッド製品が二重クラッド製品であり、前記溶着アセンブリが合金クラッド材の2つのプレートを含んでおり、当該クラッド材の各プレートは、前記ステンレス鋼プレートの各対向面上の前記ステンレス鋼プレートの出っ張り部分が、前記ステンレス鋼プレートの特別な面上に凹部を規定し且つ当該凹部内で前記クラッド材プレートの外周端縁を取り巻くように、前記ステンレス鋼プレートの対向面の各々の凹部内に配置されている方法。
【請求項36】
請求項32に記載の方法であり、
前記熱間圧延帯を任意に焼鈍するステップと、
前記熱間圧延帯を冷間圧延して、所望の標準寸法を有するストリップとするステップとを更に含んでいる方法。
【請求項37】
二重クラッドのステンレス鋼ストリップを製造する方法であり、
溶着アセンブリを準備するステップであって、
ステンレス鋼の各対向面上の凹部内にニッケル及びニッケル合金から選択されたクラッド材プレートを、前記ステンレス鋼プレートの各対向面上の出っ張っている辺縁が前記面上に凹部を規定し且つ前記凹部内で前記クラッド材プレートの外周端縁を取り巻くようにステンレス鋼プレートの各対向面上の凹部内に配置するステップと、
前記ステンレス鋼プレートの隣接している出っ張り端縁に前記クラッドの各プレートを溶着するステップとを含む前記溶着アセンブリを準備するステップと、
前記溶着アセンブリを熱間圧延して熱間圧延帯を準備するステップと、
前記熱間圧延帯を冷間圧延して所望の標準寸法にするステップとを含む方法。
【請求項38】
製品を製造する方法であり、請求項1、30、39及び40のいずれかに記載の方法によってクラッド製品を作るステップと、前記クラッド製品を製品に加工するステップとを含む方法。
【請求項39】
請求項38に記載の方法であり、
前記製品が、化学タンク、送気管、バッテリ、チューブ、熱交換器、パイプ及び調理用具からなる群から選択されたものである方法。
【請求項40】
クラッド製品に有用な溶着アセンブリであって、記載上に配置されたクラッド材を含み、前記基材及びクラッド材は、個々に選択された合金であり、当該溶着アセンブリ内では、前記クラッド材の少なくとも第一の端縁が前記基材の第一の端縁まで延びていなくて、それによって前記第一の端縁間に辺縁を提供しており、前記クラッド材よりも高い熱間強度を有している合金が前記辺縁内にあり且つ前記クラッド材の第一の端縁に隣接している、クラッド製品に有用な溶着アセンブリ。
【請求項41】
クラッド製品を製造するのに有用な溶着アセンブリであり、
第一の端縁を有しているステンレス鋼プレートと、
第一の端縁を有する合金クラッド材プレートであり、前記ステンレス鋼プレートの表面に配置されており、前記第一の端縁は、前記ステンレス鋼プレートの前記第一の端縁まで延びておらず、それによって、前記第一の端縁間の前記ステンレス鋼プレート上に辺縁を提供している前記合金クラッドプレートと、
前記辺縁内に前記クラッド材プレートの前記第一の端縁に隣接して設けられた枠部材であって、前記クラッド材よりも高い熱間強度を有する合金であり、前記ステンレス鋼プレート及び前記クラッド材プレートに溶着されている前記枠部材と、を含む溶着アセンブリ。
【請求項1】
クラッド製品を製造するための方法であり、
基材上に配置されたクラッド材を含んでおり且つ前記基材とクラッド材との両方が個々に合金から選択されたものである溶着アセンブリを準備するステップであり、当該溶着アセンブリ内では、前記クラッド材の少なくとも第一の端縁が前記基材の第一の端縁まで延びておらず且つ前記第一の端縁間に辺縁を提供しており、前記クラッド材よりも高い熱間強度を有している合金である材料が前記辺縁内で前記クラッド材の前記第一の端縁に隣接している前記溶着アセンブリを準備するステップと、
熱間圧延帯を提供するために前記溶着アセンブリを熱間圧延するステップであって、前記辺縁内の材料が、熱間圧延中に、前記クラッド材が前記基材の端縁を越えて広がるのを阻止するようになされている前記熱間圧延ステップとを含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であり、
前記溶着アセンブリ内で、前記クラッド材と前記基材とがプレートであり、前記辺縁が前記クラッド材料プレートの第一の端縁と前記基材プレートの第一の端縁との間にあるようにした方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であり、
前記クラッド材よりも高い熱間強度を有している材料が基材である方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であり、
前記クラッド材プレートが前記基材プレートの間に形成された凹部内に配置されて、当前記基材の出っ張り部分が前記凹部の少なくとも1つの壁を規定しており且つ前記クラッド材プレートの前記辺縁内で且つ少なくとも第一の端縁に隣接して配置されているようになされている方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であり、
前記凹部が、鋳造、鍛造、機械加工及び材料除去プロセスのうちの1つよって、前記記載プレートの面内に設けられている方法。
【請求項6】
請求項2に記載の方法であり、
前記クラッド材プレートが、前記基材プレートの長さ及び幅よりも小さい長さ及び幅を各々有していて、前記辺縁が前記基材プレートの全周に沿って延びるようになされている方法。
【請求項7】
請求項4に記載の方法であり、
前記クラッド材プレートが、前記基材プレートの長さ及び幅よりも小さい長さ及び幅を各々有しており、前記基材プレートの前記出っ張り部分が前記凹部の外周壁を規定するために前記基材プレートの外周に沿って延びており且つ前記クラッドプレートの外周端縁全体に隣接している方法。
【請求項8】
請求項2に記載の方法であり、
前記クラッド材よりも低い熱間強度を有している合金である材料からなる少なくとも1つの枠部材が、前記辺縁内で前記基材プレート上に且つ前記クラッド材プレートの第一の端縁に隣接して配置されている方法。
【請求項9】
請求項2に記載の方法であり、
前記クラッド材プレートが、前記基材プレートの長さ及び幅よりも小さい長さ及び幅を各々有しており、前記辺縁が前記クラッド材プレートの全周を取り巻いており、1以上の枠部材が、前記辺縁内の前記基材プレート上に且つ前記クラッド材プレートの全周縁に隣接して配置されている方法。
【請求項10】
請求項2に記載の方法であり、
前記基材が、ステンレス鋼と炭素鋼とからなる群から選択されたものである方法。
【請求項11】
請求項2に記載の方法であり、
前記基材が、T−316Lステンレス鋼、T−316ステンレス鋼、T−304Lステンレス鋼及びT−304ステンレス鋼からなる群から選択されたものである方法。
【請求項12】
請求項2に記載の方法であり、
前記クラッド材が、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金及びステンレス鋼からなる群から選択されたものである方法。
【請求項13】
請求項2に記載の方法であり、
前記クラッド材が、UNS N02200ニッケル及びUNS N02201から選択されたものである方法。
【請求項14】
請求項2に記載の方法であり、
前記クラッド材よりも高い熱間強度を有している辺縁内の材料が、ステンレス鋼、ニッケルベース合金及びコバルトベース合金からなる群から選択されたものである方法。
【請求項15】
請求項2に記載の方法であり、
前記クラッド材よりも高い熱間強度を有している辺縁材料が、T−316Lステンレス鋼及びT−304ステンレス鋼からなる群から選択されたものである方法。
【請求項16】
請求項1又は2に記載の方法であり、
前記熱間圧延帯を任意に焼鈍させるステップと、
前記熱間圧延帯を、所望の標準寸法を有するクラッドストリップに冷間圧延するステップとを更に含んでいる方法。
【請求項17】
請求項2に記載の方法であり、
前記溶着アセンブリを準備するステップが、前記辺縁内の材料を、前記クラッド材プレート及び前記基材プレートに溶着するステップを更に含んでいる方法。
【請求項18】
請求項3に記載の方法であり、
前記溶着アセンブリを準備するステップが、前記辺縁内の基材プレートの一部分を前記クラッド材プレートに溶着するステップを更に含んでいる方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法であり、
前記熱間圧延帯を冷間圧延して、所望の標準寸法を有するクラッドストリップにするステップが2又は3回の冷間圧延ステップを有し、前記冷間圧延ストリップが冷間圧延の連続するステップの中間で焼鈍される方法。
【請求項20】
請求項23に記載の方法であり、
前記冷間圧延ストリップが、少なくとも2つの連続する冷間圧延ステップの中間において光輝焼鈍される方法。
【請求項21】
請求項2に記載の方法であり、
前記クラッド製品が二重クラッド製品であり、前記溶着アセンブリが、クラッド材の2つのプレートを含んでおり、前記クラッド材プレートのうちの1つが前記基材プレートの対向する表面の各々に設けられている方法。
【請求項22】
請求項1、2及び16のうちのいずれか一項に記載の方法であり、
前記クラッド材が、ニッケルUNS N02201であり、前記基材がT−316Lステンレス鋼であり、前記辺縁内に配置されている材料が、T−316Lステンレス鋼及びT−304ステンレス鋼から選択されたものである方法。
【請求項23】
クラッドステンレス鋼を製造する方法であり、
溶着アセンブリを準備するステップであり、
ステンレス鋼プレート上に合金によって形成されたクラッド材プレートを配置するステップであり、前記クラッド材プレートの少なくとも第一の端縁が前記ステンレス鋼プレートの第一の端縁まで延びていないで、前記ステンレス鋼プレート上に辺縁を提供している前記クラッド材プレートを配置するステップと、
前記辺縁内に且つ前記第一の端縁に隣接して前記クラッド材よりも高い熱間強度を有している合金である少なくとも1つの枠部材を配置するステップと、
前記クラッド材プレートを前記枠部材に溶着し且つ当該枠部材を前記ステンレス鋼プレートに溶着するステップとを含む前記溶着アセンブリを準備するステップと、
前記枠部材が前記クラッド材が熱間圧延中に前記ステンレス鋼プレートの第一の端縁を越えて広がるのを阻止する熱間圧延帯を提供するように前記溶着アセンブリを熱間圧延するステップとを方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であり、
前記クラッド材プレートが、前記基材プレートの長さ及び幅よりも小さい長さ及び幅を各々有し、前記クラッド材プレートの各端縁が、前記ステンレス鋼の隣接する端縁から隔てられていて、前記ステンレス鋼の全周に沿って辺縁が延びており、更に、1以上の枠部材が前記クラッド材プレートの全周に沿って前記辺縁内に配置されるようになされている方法。
【請求項25】
請求項23に記載の方法であり、
前記ステンレス鋼が、T−316Lステンレス鋼、T−316ステンレス鋼、T−304Lステンレス鋼及びT−304ステンレス鋼からなる群から選択された材料によって作られている方法。
【請求項26】
請求項23に記載の方法であり、
前記クラッド材が、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金及びステンレス鋼からなる群から選択されたものである方法。
【請求項27】
請求項23に記載の方法であり、
前記1以上の枠部材が、ステンレス鋼、ニッケルベース超合金及びコバルトベース超合金からなる群から選択されたものである方法。
【請求項28】
請求項31に記載の方法であり、
前記クラッド材がニッケルであり、前記ステンレス鋼プレートがT−316Lステンレス鋼であり、前記1以上の枠部材が、T−316Lステンレス鋼及びT−304ステンレス鋼のうちの1つである方法。
【請求項29】
請求項23に記載の方法であり、
前記クラッド製品が二重クラッド製品であり、
前記溶着アセンブリを提供するステップが、
ステンレス鋼プレートの対向面の各々の上に合金によって形成されたクラッド材プレートを配置するステップであり、前記クラッド材プレートの各々の少なくとも第一の端縁が前記ステンレス鋼プレートの第一の端縁まで延びていないで、前記ステンレス鋼プレートの対向面の各々の上に辺縁を提供している前記クラッド材プレートを配置するステップと、
前記辺縁内で且つ前記クラッド材の各プレートの第一の端縁に隣接して配置されたクラッド材よりも高い熱間強度を有する合金によって作られた少なくとも1つの枠部材を配置するステップと、
前記クラッド材プレート及び前記ステンレス鋼プレートの各々を隣接する枠部材に溶着するステップとを含んでいる方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法であり、
前記クラッド材プレートの各々が、前記ステンレス鋼プレートの長さ及び幅よりも小さい長さ及び幅を各々有し且つ前記ステンレス鋼プレート上に前記辺縁が前記ステンレス鋼プレートの各対向面上の前記ステンレス鋼プレートの全周に沿って延びるように配置され、1以上の枠部材が、前記クラッド材の各プレートの全周に沿って前記辺縁内に配置されている方法。
【請求項31】
請求項23又は29に記載の方法であり、
前記熱間圧延帯を任意に焼鈍するステップと、
前記熱間圧延帯を冷間圧延して所望の標準寸法を有するクラッドストリップにするステップとを更に含んでいる方法。
【請求項32】
クラッドステンレス鋼を製造する方法であり、熱間圧延帯を準備するために溶着アセンブリを熱間圧延するステップを含み、当該溶着アセンブリは、合金クラッド材プレートに溶着されたステンレス鋼プレートを含み、前記クラッド材は、前記ステンレス鋼プレートの出っ張り部分が凹部を規定し且つ前記クラッドプレートの外周端縁を取り巻くように前記ステンレス鋼プレートの表面上の凹部内に配置されており、前記ステンレス鋼プレートの出っ張り部分は、前記クラッド材が熱間圧延中に前記ステンレス鋼の端縁を越えて広がるのを阻止するようになされている方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法であり、
前記ステンレス鋼プレートが、T−316Lステンレス鋼、T−316ステンレス鋼、T−304Lステンレス鋼及びT−304ステンレス鋼からなる群から選択された材料によって作られている方法。
【請求項34】
請求項32に記載の方法であり、
前記クラッド材が、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金及びステンレス鋼からなる群から選択されたものである方法。
【請求項35】
請求項32に記載の方法であり、
前記クラッド製品が二重クラッド製品であり、前記溶着アセンブリが合金クラッド材の2つのプレートを含んでおり、当該クラッド材の各プレートは、前記ステンレス鋼プレートの各対向面上の前記ステンレス鋼プレートの出っ張り部分が、前記ステンレス鋼プレートの特別な面上に凹部を規定し且つ当該凹部内で前記クラッド材プレートの外周端縁を取り巻くように、前記ステンレス鋼プレートの対向面の各々の凹部内に配置されている方法。
【請求項36】
請求項32に記載の方法であり、
前記熱間圧延帯を任意に焼鈍するステップと、
前記熱間圧延帯を冷間圧延して、所望の標準寸法を有するストリップとするステップとを更に含んでいる方法。
【請求項37】
二重クラッドのステンレス鋼ストリップを製造する方法であり、
溶着アセンブリを準備するステップであって、
ステンレス鋼の各対向面上の凹部内にニッケル及びニッケル合金から選択されたクラッド材プレートを、前記ステンレス鋼プレートの各対向面上の出っ張っている辺縁が前記面上に凹部を規定し且つ前記凹部内で前記クラッド材プレートの外周端縁を取り巻くようにステンレス鋼プレートの各対向面上の凹部内に配置するステップと、
前記ステンレス鋼プレートの隣接している出っ張り端縁に前記クラッドの各プレートを溶着するステップとを含む前記溶着アセンブリを準備するステップと、
前記溶着アセンブリを熱間圧延して熱間圧延帯を準備するステップと、
前記熱間圧延帯を冷間圧延して所望の標準寸法にするステップとを含む方法。
【請求項38】
製品を製造する方法であり、請求項1、30、39及び40のいずれかに記載の方法によってクラッド製品を作るステップと、前記クラッド製品を製品に加工するステップとを含む方法。
【請求項39】
請求項38に記載の方法であり、
前記製品が、化学タンク、送気管、バッテリ、チューブ、熱交換器、パイプ及び調理用具からなる群から選択されたものである方法。
【請求項40】
クラッド製品に有用な溶着アセンブリであって、記載上に配置されたクラッド材を含み、前記基材及びクラッド材は、個々に選択された合金であり、当該溶着アセンブリ内では、前記クラッド材の少なくとも第一の端縁が前記基材の第一の端縁まで延びていなくて、それによって前記第一の端縁間に辺縁を提供しており、前記クラッド材よりも高い熱間強度を有している合金が前記辺縁内にあり且つ前記クラッド材の第一の端縁に隣接している、クラッド製品に有用な溶着アセンブリ。
【請求項41】
クラッド製品を製造するのに有用な溶着アセンブリであり、
第一の端縁を有しているステンレス鋼プレートと、
第一の端縁を有する合金クラッド材プレートであり、前記ステンレス鋼プレートの表面に配置されており、前記第一の端縁は、前記ステンレス鋼プレートの前記第一の端縁まで延びておらず、それによって、前記第一の端縁間の前記ステンレス鋼プレート上に辺縁を提供している前記合金クラッドプレートと、
前記辺縁内に前記クラッド材プレートの前記第一の端縁に隣接して設けられた枠部材であって、前記クラッド材よりも高い熱間強度を有する合金であり、前記ステンレス鋼プレート及び前記クラッド材プレートに溶着されている前記枠部材と、を含む溶着アセンブリ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11a】
【図11b】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11a】
【図11b】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2008−502486(P2008−502486A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527443(P2007−527443)
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2005/017576
【国際公開番号】WO2006/071257
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(501187033)エイティーアイ・プロパティーズ・インコーポレーテッド (39)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2005/017576
【国際公開番号】WO2006/071257
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(501187033)エイティーアイ・プロパティーズ・インコーポレーテッド (39)
【Fターム(参考)】
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