説明

クラッド材の製造方法

【課題】生産性に優れ、側材用部材の表面粗度および平坦度の制御が容易であり、密着不良が生じにくいクラッド材の製造方法を提供する。
【解決手段】芯材と、芯材の片面または両面に重ね合わされた1つまたは複数の側材とからなるクラッド材の製造方法において、芯材準備工程S1aで芯材用金属を溶解、鋳造して製造した芯材用鋳塊、および、側材準備工程S1bで前記芯材用金属とは成分組成の異なる側材用金属を溶解、鋳造して製造した側材用鋳塊を準備する準備工程と、芯材用鋳塊の片面または両面に1つまたは複数の側材用鋳塊を側材として所定配置に重ね合わせて重ね合わせ材を製造する重ね合わせ工程S2aと、重ね合わせ材を熱間圧延してクラッド材を製造するクラッド熱延工程S3とを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器などに用いられるクラッド材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、従来の一般的な熱交換器用クラッド材の製造方法が以下のように記載されている。まず、芯材用アルミニウム合金、側材(特許文献1では、犠牲陽極材およびろう材)用アルミニウム合金を連続鋳造により溶解、鋳造し、必要に応じて均質化熱処理する。また、側材用アルミニウム合金の鋳塊については、それぞれ所定厚さまで熱間圧延する(図9のS11a、S11b参照、均質化熱処理は均熱と記載する)。ついで、芯材用アルミニウム合金鋳塊と、側材用熱間圧延板(側材用部材)を重ね合わせて(図9のS12参照)、常法に従って熱間圧延(クラッド熱延、図9のS13参照)によりクラッド材とする。
【特許文献1】特開2005−232507号公報(段落0037、0039、0040)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、このような方法によって製造される従来の一般的なクラッド材は、以下に示す問題があった。
(1)側材用部材として熱間圧延板を使用するため、クラッド材の製造工程における熱間圧延の回数が多くなり、生産性が低下するという問題があった。
【0004】
(2)芯材用鋳塊はフライス盤等により面削処理されることが多く、その表面は面削加工面である。一方、側材用熱間圧延板は、圧延方向に沿って生じる圧延目が形成されたロール加工面である。したがって、芯材用鋳塊と、側材用熱間圧延材とでは、その表面状態が異なり、両者を重ね合わせてクラッド熱延した際に、芯材と側材との密着不良が生じやすいという問題があった。そして、芯材と側材の密着性を向上させるためには、クラッド熱延において軽圧下での多パス圧延が必要となり、クラッド熱延での生産性が低下することとなる。
【0005】
(3)側材用部材として熱間圧延材を使用すると、圧延板の表面状態および平坦度(特に長手方向の平坦度)の制御は圧延ロールのみで行うことになり、また、熱間圧延により圧延板表面に酸化皮膜が形成されるため、表面状態および平滑度の制御が困難であり、芯材と側材との密着不良が防止できないという問題があった。
【0006】
(4)芯材と側材との密着不良が生じると、クラッド材の生産性の低下の問題と共に、所定のクラッド率が得られないという問題、合わせフクレなどの品質異常が発生するという品質低下の問題、さらには、密着不良によって耐食性が低下するという問題も発生する。
【0007】
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、生産性に優れ、側材用部材の表面状態および平坦度の制御が容易であり、密着不良が生じにくいクラッド材の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、請求項1のクラッド材の製造方法は、芯材と、前記芯材の片面または両面に重ね合わされた1つまたは複数の側材とからなるクラッド材の製造方法において、
芯材準備工程で芯材用金属を溶解、鋳造して製造した芯材用鋳塊、および、側材準備工程で前記芯材用金属とは成分組成の異なる側材用金属を溶解、鋳造して製造した側材用鋳塊をそれぞれ準備するクラッド材準備工程と、前記芯材用鋳塊の片面または両面に前記側材用鋳塊を前記側材として所定配置に重ね合わせて重ね合わせ材を製造する重ね合わせ工程と、前記重ね合わせ材を熱間圧延してクラッド材を製造するクラッド熱延工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
このような手順でクラッド材を製造すれば、側材用部材(側材)として側材用鋳塊を使用するため、側材用部材の製造の際に熱間圧延を行う必要がなくなる。これにより、側材用部材の製造の際に熱間圧延を行う従来のクラッド材の製造方法に比べて、熱間圧延の回数が減少し、作業工程の省略化を図ることができると共に、表面状態および平坦度を容易に制御できる。また、芯材用鋳塊に側材用鋳塊を重ね合わせるため、両者の表面状態が同等となり、密着性が向上する。さらに、密着性が向上するため、クラッド熱延工程において、多パス圧延が不要となる。
【0010】
請求項2のクラッドの製造方法は、前記側材準備工程において、前記側材の少なくとも1つが、溶解、鋳造して製造された側材用鋳塊を所定厚さにスライスするスライス工程により製造されるものであることを特徴とする。
【0011】
このような手順でクラッド材を製造すれば、側材用部材としてスライスした側材を使用するため、従来のクラッド材のように熱間圧延によって側材用部材の厚さを減少させる必要がなくなり、従来に比べて熱間圧延の回数が減少し、作業工程の省略化を図ることができると共に、表面状態および平坦度を容易に制御できる。
【0012】
請求項3のクラッド材の製造方法は、前記スライス工程の前に、溶解、鋳造して製造された前記側材用鋳塊に、更に均質化熱処理を行うことを特徴とする。
このような手順でクラッド材を製造すれば、側材用鋳塊の内部応力が除去され、スライスされた側材の平坦性が向上し、芯材との密着性が向上する。
【0013】
請求項4のクラッド材の製造方法は、前記スライス工程において、前記側材用鋳塊を、水平に設置されている当該側材用鋳塊の設置面に対し平行にスライスすることを特徴とする。
このような手順でクラッド材を製造すれば、スライスの際に生じる切断塊(スライス塊)の自重、形状による変位(例えば、切断塊が倒れようとする力等)の影響が極小化され、スライスされた側材の平坦性が向上し、芯材との密着性が向上する。
【0014】
請求項5のクラッド材の製造方法は、前記芯材準備工程において、製造された芯材用鋳塊に面削処理および均質化熱処理の少なくとも1つを行うことを特徴とする。
このような手順でクラッド材を製造すれば、芯材用鋳塊の表面状態および平坦度が向上し、側材との密着性が向上する。
【0015】
請求項6のクラッド材の製造方法は、前記側材準備工程において、製造された側材に面削処理および均質化熱処理の少なくとも1つを行うことを特徴とする。
このような手順でクラッド材を製造すれば、側材の表面状態および平坦度が向上し、芯材との密着性が向上する。
【0016】
請求項7のクラッド材の製造方法は、前記側材の少なくとも1つは、長手方向1m当たりの平坦度が1mm以下であることを特徴とする。
このような手順でクラッド材を製造すれば、平坦度を所定値以下に制御することで、平坦性がより向上し、芯材との密着性がより向上する。
【0017】
請求項8のクラッド材の製造方法は、前記側材の少なくとも1つは、表面粗度が算術平均粗さ(Ra)で0.05〜1.0μmの範囲であることを特徴とする
このような手順でクラッド材を製造すれば、芯材や各側材との間に隙間が形成されにくく、密着性がさらに向上する。
【0018】
請求項9のクラッド材の製造方法は、前記芯材用鋳塊の厚さが200〜700mm、前記側材の厚さが3〜200mmであることを特徴とする。
このような手順でクラッド材を製造すれば、芯材用鋳塊および側材用圧延材の厚さを特定の範囲に規定することにより、クラッド材のクラッド率が適切に調整される。
【0019】
請求項10のクラッド材の製造方法は、前記芯材用金属および前記側材用金属が、アルミニウムまたはアルミニウム合金であることを特徴とする。
このような手順でクラッド材を製造すれば、芯材用金属および側材用金属がアルミニウムまたはアルミニウム合金であるため、各工程での加工性が向上し、芯材と側材との密着性が向上し、クラッド材のクラッド率が適切に調整される。
【0020】
請求項11のクラッド材の製造方法は、芯材と、前記芯材の片面または両面に重ね合わされた複数の側材とからなるクラッド材の製造方法において、芯材準備工程で芯材用金属を溶解、鋳造して製造した芯材用鋳塊、側材準備工程で前記芯材用金属とは成分組成の異なる側材用金属を溶解、鋳造して製造した側材用鋳塊、および、側材圧延工程で前記芯材用金属とは成分組成の異なる側材用金属を溶解、鋳造して側材用鋳塊を製造し、さらに熱間圧延して製造した側材用圧延板を準備するクラッド材準備工程と、前記芯材用鋳塊の片面または両面に、前記側材用鋳塊および前記側材用圧延板を側材として所定配置に重ね合わせて重ね合わせ材を製造する重ね合わせ工程と、前記重ね合わせ材を熱間圧延してクラッド材を製造するクラッド熱延工程と、を含むことを特徴とする。
【0021】
このような手順でクラッド材を製造すれば、複数の側材用部材(側材)の1つとして側材用鋳塊を使用するため、その側材用部材の製造の際に熱間圧延を行う必要がなくなる。これにより、複数の側材用部材の製造の際に熱間圧延を行う従来のクラッド材の製造方法に比べて、熱間圧延の回数が減少し、作業工程の省略化を図ることができると共に、表面状態および平坦度を容易に制御できる。また、芯材用鋳塊に側材用鋳塊を重ね合わせるため、両者の表面状態が同等となり、密着性が向上する。さらに、密着性が向上するため、クラッド熱延工程において、多パス圧延が不要となる。加えて、側材用部材として側材用圧延板を使用するため、従来のクラッド材に使用されていた側材および側材用製造設備を利用することができる。
【0022】
請求項12のクラッド材の製造方法は、前記側材用鋳塊および前記側材用圧延板の厚さが、3〜200mmであることを特徴とする。
このような手順でクラッド材を製造すれば、側材用圧延材の厚さを特定の範囲に規定することにより、側材のクラッド率が適切に調整される。
【発明の効果】
【0023】
本発明の請求項1に係るクラッド材の製造方法によれば、クラッド材を製造するための熱間圧延工程の回数を少なくすることができるので、生産性に優れると共に、側材用部材(側材)の表面状態および平坦度の制御が容易となり、密着不良が生じにくいクラッド材が製造できる。また、多パス圧延が不要であるので生産性に優れるクラッド材となる。
【0024】
請求項2に係るクラッド材の製造方法では、側材用鋳塊をスライスするので、生産性がより一層優れ、密着不良がより一層生じにくいクラッド材が製造できる。請求項3に係るクラッド材の製造方法では、側材用の鋳塊に均質化熱処理を行うことで、スライスされた側材の平坦性がさらに向上するため、密着不良がより一層生じにくい。請求項4に係るクラッド材の製造方法では、平坦性がより向上した側材を得ることができ、芯材との密着性がより向上するため、密着不良がより一層生じにくい。
【0025】
請求項5または請求項6に係るクラッド材の製造方法では、鋳塊等に面削処理および均質化熱処理の少なくとも1つを行うので、密着不良がより一層生じにくい。請求項7に係る側材の製造方法では、平坦度を制御することで、芯材との密着性がより向上するため、密着不良がより一層生じにくい。請求項8に係るクラッド材の製造方法では、芯材や各側材との間に隙間が形成されにくく、密着性がさらに向上する。
請求項9または請求項10に係るクラッド材の製造方法では、鋳塊等の厚さ、または、鋳塊等の材質を規定したので、適切なクラッド率を有するクラッド材が製造できる。
【0026】
請求項11に係るクラッド材の製造方法では、側材用部材(側材)の1つに側材用圧延板を使用したので、生産性が優れると共に、側材用部材の表面状態および平坦度の制御が容易となり、密着不良が生じにくいクラッド材が製造できる。また、製造コストの低いクラッド材を製造できる。請求項12に係るクラッド材の製造方法では側材用圧延板の厚さを規定したので、適切なクラッド率を有するクラッド材が製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に、図面を参照して本発明に係るクラッド材の製造方法について詳細に説明する。なお、参照する図面において、図1(a)、図1(b)、図1(c)、図2は、クラッド材の製造方法のフローを示す図、図3はクラッド材の構成を示す断面図、図4〜図7は芯材準備工程または側材準備工程の概略を示す模式図、図8(a)は重ね合せ材の構成を示す模式図、図8(b)はクラッド熱延工程の概略を示す模式図である。
【0028】
本発明に係るクラッド材の製造方法は、芯材と、芯材の片面または両面に重ね合わされた1つまたは複数の側材とからなるクラッド材であればどのようなものにも適用して、これを製造することができる。ここで、クラッド材の層数は何ら限定されることはなく、図3(a)に示すように、芯材2の片面に1つの側材3をクラッドした2層のクラッド材1a、図3(b)に示すように、芯材2の両面に側材3を1つずつクラッドした3層のクラッド材1b、図3(c)に示すように、芯材2の片面に2つの側材3、3をクラッドした3層のクラッド材1c、図3(d)に示すように、芯材2の両面に、側材3と従来の側材4(圧延から製造した側材)を1つずつクラッドした3層のクラッド材1d等に好適に適用することができる。しかしながら、図示しないが、さらに側材の層数を増やした4層以上のクラッド材にも好適に適用することが可能であることはいうまでもない。
【0029】
また、本発明におけるクラッド材では、芯材を構成する芯材用金属と、側材を構成する側材用金属とは、「成分組成の異なる金属」を使用する。「成分組成の異なる金属」には、「成分組成の異なる同種の金属」や、「成分組成の異なる異種の金属」が含まれる。
「成分組成の異なる同種の金属」とは、母材が同じ種類の金属であって、成分組成が異なるものをいう。このような金属としては、例えば、熱交換器に用いるクラッド材のように、芯材用金属としての3000系のAl−Mn系アルミニウム合金に対して、側材用金属としての4000系のAl−Si系アルミニウム合金(側材としてのろう材用)、7000系のAl−Zn−Mg系アルミニウム合金(側材としての犠牲材用)または1000系の純アルミニウム(側材として中間材用)とを含んでなる金属がこれに該当する。また、食品缶に用いるクラッド材のように、芯材用金属としての3000系のAl−Mn系アルミニウム合金または5000系のAl−Mg系アルミニウム合金に対して、側材用金属としての1000系の純アルミニウムとを含んでなる金属がこれに該当する。さらに、ポリッシュドスキンのように、芯材用金属としての2000系のAl−Cu系アルミニウム合金に対して、側材用金属としての1000系の純アルミニウムとを含んでなる金属がこれに該当する。
【0030】
また、「成分組成の異なる異種の金属」とは、母材が異なる種類の金属をいう。このような金属としては、例えば、アルミニウム合金に対して、銅合金または鉄鋼とを含んでなる金属がこれに該当する。
前記した金属の成分組成の調整は、用いるクラッド材の用途等に応じて適宜決めることができる。
【0031】
以下、本発明のクラッド材の製造方法の第1実施形態について、詳細に説明する。
[1.第1実施形態]
第1実施形態に係るクラッド材の製造方法は、芯材と、芯材の片面または両面に重ね合わされた1つまたは複数の側材とからなるクラッド材を製造する方法であって、例えば、図3(a)〜(c)に記載されたクラッド材1a、1b、1cを製造する方法である。
図1(a)、(b)、(c)に示すように、第1実施形態に係るクラッド材の製造方法は、芯材準備工程S1aおよび側材準備工程S1bからなるクラッド材準備工程と、重ね合わせ工程S2aと、クラッド熱延工程S3と、を含むものである。以下、各工程について説明する。
【0032】
[クラッド材準備工程]
クラッド材準備工程は、芯材準備工程S1aで製造した芯材用鋳塊および側材準備工程S1bで製造した側材用鋳塊を準備する工程である。このクラッド材準備工程は、芯材用鋳塊および側材用鋳塊のどちらを先に製造して準備しておいてもよく、また、芯材準備工程S1aおよび側材準備工程S1bは同時に進行して準備してもよい。
(1)芯材準備工程:S1a
芯材準備工程S1aは、芯材用金属を溶解、鋳造して芯材用鋳塊を製造する。ここで、芯材用金属は前記した成分組成の金属である。また、鋳造方法は以下に記載する半連続鋳造法によって製造することが好ましい。しかしながら、鋳造方法は半連続鋳造法に限定されず、例えば、芯材の厚さが薄いクラッド材の製造においては、後記する薄スラブ鋳造法、双ロール鋳造法、スラブスライス法を使用してもよい。また、芯材用鋳塊の幅、長さは特に限定されるものではないが、生産性を考慮すると、幅1000〜2500mm、長さは3000〜10000mmが好ましい。
【0033】
(半連続鋳造法)
半連続鋳造法は、図4に示すような鋳造装置10が用いられ、底部が開放された金属製の水冷鋳型11に、上方より金属(ここでは芯材用金属)の溶湯Mを注入し、水冷鋳型11の底部より凝固した金属を連続的に取り出し、所定厚さT1の鋳塊17(ここでは芯材用鋳塊)を得るものである。このとき、溶湯Mは、桶12から、ノズル13、フロート14およびグラススクリーン15を介して、水冷鋳型11に供給される。水冷鋳型11に供給された溶湯Mは、冷却水Wで冷却された水冷鋳型11の内壁面に接することにより凝固し凝固殻16となる。さらに、水冷鋳型11の下部から冷却水Wが、直接、凝固殻16の表面に噴射され、連続的に鋳塊17(芯材用鋳塊)が製造される。
【0034】
ここで、芯材用鋳塊の厚さT1は、200〜700mmが好ましい。厚さT1が前記範囲外であると、クラッド材のクラッド率が不適切なものとなりやすい。また、適宜必要に応じて、後記する側材用鋳塊と重ね合わせる前に、研削機によって、表面に形成された晶出物や酸化物を除去するための面削処理(図1(a)、(b)において面削と記載する)および均質化熱処理(図1(a)、(b)において均熱と記載する)の少なくとも1つを行ってもよい。
【0035】
面削処理を行うことにより、平坦性の評価において、長手方向1m当たりの平坦度を1mm以下、望ましくは0.5mm以下、表面粗度が算術平均粗さ(Ra)で0.05〜1.5μm、望ましくは、0.1〜0.7μmととする芯材を得ることができる。平坦度が前記範囲を超えると、クラッド材に密着不良が発生しやすくなる。表面粗度が前記範囲未満であると、加工が困難となりやすい。表面粗度が前記範囲を超えると、クラッド材に密着不良が発生しやすくなる。また、均質化熱処理を行うことにより、芯材用鋳塊の内部応力が除去され、芯材の平坦性がより向上する。ここで均質化熱処理の温度、時間は特に限定されるものではないが、処理温度は、350〜600℃、処理時間は1〜10時間とするのが好ましい。
【0036】
均質化熱処理の処理温度が350℃未満であると、内部応力の除去量が小さく、鋳造中に偏析した溶質元素の均質化も不十分となり、敢えて熱処理を施した効果は小さい。一方、処理温度が600℃を超えると、鋳塊表面の一部が溶解するバーニングと呼ばれる現象が生じ、クラッド材の表面欠陥の原因になりやすい。また、処理時間が1時間未満であると、内部応力の除去効果が小さく、また均質化も不十分となりやすい。なお、処理時間は、生産性を考慮すると10時間以下が好ましい。
【0037】
(2)側材準備工程:S1b
側材準備工程S1bは、前記芯材用金属と成分組成の異なる側材用金属を溶解、鋳造して1つまたは複数の側材用鋳塊を製造する。なお、ここで製造される側材用鋳塊は、このまま側材として、芯材用鋳塊の片面または両面に所定配置に重ね合わせる場合もあり、この側材用鋳塊をスライスして製造された側材用鋳塊を、側材として、芯材用鋳塊の片面または両面に所定配置に重ね合わせる場合もある。ここで、側材用金属は前記した成分組成の金属である。また、鋳造方法は、図5、図6に示す薄スラブ鋳造法または双ロール鋳造法、スライス方法は、図7(a)、(b)に示すスラブスライス法が好ましい。しかしながら、鋳造方法は薄スラブ鋳造法、双ロール鋳造法限定されず、例えば、半連続鋳造法を使用してもよい。また、側材用鋳塊の幅、長さは特に限定されるものではないが、生産性を考慮すると、幅1000〜2500mm、長さは3000〜10000mmが好ましい。以下に、薄スラブ鋳造法、双ロール鋳造法、スラブスライス法について説明する。
【0038】
(薄スラブ鋳造法)
薄スラブ鋳造法は、図5に示すような鋳造装置20が用いられ、側部が開放された金属製の水冷鋳型21に、側方より金属(ここでは側材用金属)の溶湯Mを注入し、水冷鋳型21の側部より凝固した金属を連続的に取り出し、所定厚さTの鋳塊25(ここでは側材用鋳塊)を得るものである。このとき、溶湯Mは、桶22から、耐火物23を介して接合された水冷鋳型21に供給される。水冷鋳型21に供給された溶湯Mは、冷却水Wで冷却された水冷鋳型21の内壁面に接することにより凝固し凝固殻26となる。さらに、水冷鋳型21の側部から冷却水Wが、直接、凝固殻26の表面に噴射され、連続的に鋳塊25(側材用鋳塊)が製造される。ここで、側材用鋳塊の厚さT2は、3〜200mmが好ましい。厚さT2が前記範囲外であると、クラッド材のクラッド率が不適切なものとなりやすい。なお、図5では、鋳造装置20は鋳造方向が水平である横型鋳造装置を記載したが、鋳造方向が垂直である縦型鋳造装置でもよい。
【0039】
(双ロール鋳造法)
双ロール鋳造法は、図6に示すように、回転鋳型として相対するロールを使用する鋳造方法であって、一対のロール33、33と、その一対のロール33、33の間に設けられたサイド堰31と、ロール33、33を冷却する冷却装置(図示しないが、ロール33内に設けられているのが一般的である)とを備えた鋳造装置30が用いられる。そして、金属(ここでは側材用金属)の溶湯Mをサイド堰31の側部のノズル32から回転するロール33、33の外周面間に供給し、供給直後からロール33、33を冷却装置で冷却することによって、溶湯Mが凝固して、連続的に所定厚さT3の鋳塊34(ここでは側材用鋳塊)が製造される。ここで、側材用鋳塊の厚さT3は、3〜200mmが好ましい。厚さT3が前記範囲外であると、クラッド材のクラッド率が不適切なものとなりやすい。なお、図6では、鋳造装置30は鋳造方向が水平である横型鋳造装置を記載したが、鋳造方向が垂直である縦型鋳造装置でもよい。また、回転鋳型として、ロールの代わりにベルトまたはブロックを使用した鋳造装置でもよい。
【0040】
(スラブスライス法)
スラブスライス法は、側材準備工程S1bのスライス工程において、図7(a)に示すように、前記した半連続鋳造法または薄スラブ鋳造法で製造した鋳塊17(25)を、図示しない帯鋸切断機等によってスライスすることによって、所定厚さT4の側材用鋳塊35が製造される。なお、このスライスすることにより製造された側材用鋳塊35は、側材となる。ここで、側材用鋳塊35の厚さT4は、3〜200mmが好ましい。厚さT4が前記範囲外であると、クラッド材のクラッド率が不適切なものとなりやすい。また、図7(b)に示すように、水平に設置されている鋳塊17(25)を、当該鋳塊17(25)の設置面35aに対し、平行にスライスするのが好ましい。
ここで、設置面35aとは、側材用鋳塊17(25)をスライス装置の設置台に接する面のことである。
このようにすることにより、スライスの際に生じる切断塊(スライス塊)の自重、形状による変位(例えば、切断塊が倒れようとする力等)の影響が極小化され、スライスされた側材の平坦性がより向上する。
スライスの方法としては、丸鋸切断機により切断してもよく、また、レーザーや水圧等により切断してもよい。
【0041】
また、図1(c)に示すように、前記鋳造方法で鋳造された鋳塊17(25)に、適宜必要に応じて、鋳塊17(25)をスライスする前に、内部応力の除去のための均質化熱処理(図1(c)において均熱と記載する)を行ってもよい。
均質化熱処理を行うことにより、鋳塊17(25)の内部応力が除去され、スライスされた側材の平坦性がより向上する。ここで均質化熱処理の温度、時間は特に限定されるものではないが、処理温度は、350〜600℃、処理時間は1〜10時間とするのが好ましい。
【0042】
均質化熱処理の処理温度が350℃未満であると、内部応力の除去量が小さく、鋳造中に偏析した溶質元素の均質化も不十分となり、敢えて熱処理を施した効果は小さい。一方、処理温度が600℃を超えると、鋳塊表面の一部が溶解するバーニングと呼ばれる現象が生じ、熱交換器用クラッド材の表面欠陥の原因になりやすい。また、処理時間が1時間未満であると、内部応力の除去効果が小さく、また均質化も不十分となりやすい。なお、処理時間は、生産性を考慮すると10時間以下が好ましい。
【0043】
前記製造方法で製造された側材用鋳塊は、適宜必要に応じて、前記した芯材用鋳塊と重ね合わせる前に、面削機によって、表面に形成された晶出物や酸化物を除去するための面削処理(図1(a)、(b)、(c)において面削と記載する)および均質化熱処理(図1(a)、(b)(c)において均熱と記載する)の少なくとも1つを行ってもよい。
このように、スライスや面削処理を行うことにより、平坦性の評価において、長手方向1m当たりの平坦度を1mm以下、望ましくは0.5mm以下、表面粗度が算術平均粗さ(Ra)で0.05〜1.5μm、望ましくは、0.1〜0.7μmととする側材用鋳塊を得ることができる。平坦度が前記範囲を超えると、クラッド材に密着不良が発生しやすくなる。表面粗度が前記範囲未満であると、加工が困難となりやすい。表面粗度が前記範囲を超えると、クラッド材に密着不良が発生しやすくなる。また、均質化熱処理を行うことにより、側材用鋳塊の内部応力が除去され、芯材の平坦性がより向上する。ここで均質化熱処理の温度、時間は特に限定されるものではないが、処理温度は、350〜600℃、処理時間は1〜10時間とするのが好ましい。
【0044】
均質化熱処理の処理温度が350℃未満であると、内部応力の除去量が小さく、鋳造中に偏析した溶質元素の均質化も不十分となり、敢えて熱処理を施した効果は小さい。一方、処理温度が600℃を超えると、鋳塊表面の一部が溶解するバーニングと呼ばれる現象が生じ、クラッド材の表面欠陥の原因になりやすい。また、処理時間が1時間未満であると、内部応力の除去効果が小さく、また均質化も不十分となりやすい。なお、処理時間は、生産性を考慮すると10時間以下が好ましい。
【0045】
(3)重ね合わせ工程:S2a
重ね合わせ工程S2aは、図8(a)に示すように、前工程で製造された芯材用鋳塊17(25、34、35)の片面または両面(図示せず)に1つの側材用鋳塊25、34、35(17)、または、複数の側材用鋳塊(図示せず)を所定配置に重ね合わせて重ね合わせ材40を製造する。ここで、所定配置とは、製品としてのクラッド材、例えば、図3(a)〜(c)に示すようなクラッド材1a、1b、1cにおける芯材2、側材3の配置に対応することを意味する。また、重ね合わせ方法は、従来公知の、例えば、芯材用鋳塊17(25、34、35)および側材用鋳塊25、34、35(17)の両端部をバンド掛けする方法が用いられる。バンド掛けする方法以外に溶接止めするなどの方法を用いても問題ない。
【0046】
(4)クラッド熱延工程:S3
クラッド熱延工程S3は、図8(b)に示すように、前記重ね合わせ材40のバンドを切断し、重ね合わせ材40を熱間圧延してクラッド材1aを製造する。ここで、熱間圧延方法は、従来公知の圧延法で行う。そして使用する圧延機は、図8(b)では4段式圧延機50を記載したが、図示しない、2段圧延機または4段以上の圧延機を使用してもよい。また、所定厚さのクラッド材1aが得られるまで、図8(b)では1列のロールスタンドを備えた圧延機50を記載したが、図示しない、複数列のロールスタンドを備えた圧延機を使用して、熱間圧延を繰り返し行ってもよい。
【0047】
このようにして製造されたクラッド材は、その後、必要に応じて所望の機械的特性などを付与するために、常法により冷間圧延処理、熱処理(焼鈍処理)、歪み矯正処理、時効硬化処理などを行ったり、所定の形状に加工し、または所定の大きさに裁断等したりしてもよい。一例として、冷間圧延処理を30〜99%の圧下率で行ったり、焼鈍処理として冷間圧延間に行う中間焼鈍、最終冷間圧延後に行う最終焼鈍を連続炉またはバッチ炉で200〜500℃×0〜10時間で行ったりすることを挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、これらの処理によって得られる効果(機械的特性)を奏する限りにおいて、その条件を適宜変更できることはいうまでもない。
【0048】
[2.第2実施形態]
次に、本発明のクラッド材の製造方法の第2実施形態について説明する。
第2実施形態に係るクラッド材の製造方法は、芯材と、芯材の片面または両面に重ね合わされた複数の側材とからなるクラッド材を製造する方法であって、例えば、図3(d)に示すように、芯材2の片面に側材3、他の片面に側材4が重ね合わされたクラッド材1dを製造する方法である。そして、図2に示すように、第2実施形態に係るクラッド材の製造方法は、芯材準備工程S1a、側材準備工程S1bおよび側材圧延工程S1cからなるクラッド材準備工程と、重ね合わせ工程S2bと、クラッド熱延工程S3とを含むものである。
ここで、クラッド後のクラッド材における側材3は、側材準備工程S1bで製造された側材用鋳塊から次工程(重ね合わせ工程S2bおよびクラッド熱延工程S3)を経て形成されるもので、クラッド後のクラッド材における側材4は、側材圧延工程S1cで製造された側材用圧延板から次工程を経て形成されるものである。なお、芯材準備工程S1aと、側材準備工程S1bと、クラッド熱延工程S3は前記の第1実施形態と同様であるので、説明を省略し、側材圧延工程S1c、重ね合わせ工程S2bについて以下に説明する。
【0049】
[準備工程]
準備工程は、芯材準備工程S1aで製造した芯材用鋳塊、側材準備工程S1bで製造した側材用鋳塊および側材圧延工程S1cで製造した側材用圧延板を準備する工程である。この準備工程は、芯材用鋳塊、側材用鋳塊および側材用圧延板のうちどれを先に製造して準備しておいてもよく、また、芯材準備工程S1a、側材準備工程S1bおよび側材圧延工程S1cは、これらの2つまたは3つを同時に進行して準備してもよい。
【0050】
(側材圧延工程:S1c)
側材圧延工程は、芯材用金属と成分組成が異なる側材用金属を溶解、鋳造して側材用鋳塊を製造し、さらに熱間圧延して1つまたは複数の側材用圧延板を製造する。ここで、側材用金属は前記した成分組成の金属である。また、鋳造方法は、前記した半連続鋳造法、薄スラブ鋳造法が好ましい。さらに、側材用鋳塊に面削処理および均質化熱処理の少なくとも1つを行ってもよい(図2において面削、均熱と記載する)。なお、熱間圧延方法は、前記したクラッド熱延工程と同様に、従来公知の圧延方法で行なう。使用する圧延機も同様である。そして、側材用圧延板の厚さは、3〜200mmが好ましく、厚さが前記範囲外であると、クラッド材のクラッド率が不適切なものとなりやすい。
【0051】
(重ね合わせ工程:S2b)
重ね合わせ工程S2bは、図示しないが、前工程で製造された芯材用鋳塊の片面または両面に、前工程で製造された1つまたは複数の側材用鋳塊および側材用圧延板を側材として所定配置に重ね合わせて重ね合わせ材を製造する。ここで、所定配置とは、製品としてのクラッド材、例えば、図3(d)に示すようなクラッド材1dにおける芯材2、側材3、側材4の配置に対応することを意味する。なお、芯材2の片面に、側材3および側材4を重ね合わせた配置でもよい。また、重ね合わせ方法は、従来公知の、例えば、芯材用鋳塊、側材用鋳塊および側材用圧延板の両端部をバンド掛けする方法または溶接止めする方法が用いられる。
【0052】
このようにして製造されたクラッド材は、第1実施形態と同様に、その後、必要に応じて所望の機械的特性などを付与するために、常法により冷間圧延処理、熱処理(焼鈍処理)、歪み矯正処理、時効硬化処理などを行ったり、所定の形状に加工し、または所定の大きさに裁断等したりしてもよい。
【0053】
以上、本発明に係るクラッド材の製造方法について、第1実施形態および第2実施形態を示して具体的に説明してきたが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈しなければならない。また、本発明の技術的範囲は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において広く変更、改変することができることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】(a)、(b)、(c)は本発明の第1実施形態に係るクラッド材の製造方法のフローを示す図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るクラッド材の製造方法のフローを示す図である。
【図3】(a)〜(d)は本発明に係るクラッド材の構成を示す断面図である。
【図4】芯材準備工程または側材準備工程の概略を示す模式図である。
【図5】芯材準備工程または側材準備工程の概略を示す模式図である。
【図6】芯材準備工程または側材準備工程の概略を示す模式図である。
【図7】(a)、(b)は鋳塊のスライス方法の概略を示す模式図である。
【図8】(a)は重ね合わせ材の構成を示す模式図、(b)はクラッド熱延工程の概略を示す模式図である。
【図9】従来のクラッド材の製造方法のフローを示す図である。
【符号の説明】
【0055】
S1a 芯材準備工程
S1b 側材準備工程
S1c 側材圧延工程
S2a、S2b 重ね合わせ工程
S3 クラッド熱延工程
1a、1b、1c、1d クラッド材
2 芯材
3、4 側材
17、25、34、35 鋳塊(芯材用鋳塊、側材用鋳塊)
35a 設置面
40 重ね合わせ材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯材と、前記芯材の片面または両面に重ね合わされた1つまたは複数の側材とからなるクラッド材の製造方法において、
芯材準備工程で芯材用金属を溶解、鋳造して製造した芯材用鋳塊、および、側材準備工程で前記芯材用金属とは成分組成の異なる側材用金属を溶解、鋳造して製造した側材用鋳塊をそれぞれ準備するクラッド材準備工程と、
前記芯材用鋳塊の片面または両面に前記側材用鋳塊を前記側材として所定配置に重ね合わせて重ね合わせ材を製造する重ね合わせ工程と、
前記重ね合わせ材を熱間圧延してクラッド材を製造するクラッド熱延工程と、
を含むことを特徴とするクラッド材の製造方法。
【請求項2】
前記側材準備工程において、前記側材の少なくとも1つが、溶解、鋳造して製造された側材用鋳塊を所定厚さにスライスするスライス工程により製造されるものであることを特徴とする請求項1に記載のクラッド材の製造方法。
【請求項3】
前記スライス工程の前に、溶解、鋳造して製造された前記側材用鋳塊に、更に均質化熱処理を行うことを特徴とする請求項2に記載のクラッド材の製造方法。
【請求項4】
前記スライス工程において、前記側材用鋳塊を、水平に設置されている当該側材用鋳塊の設置面に対し平行にスライスすることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の側材の製造方法。
【請求項5】
前記芯材準備工程において、製造された芯材用鋳塊に面削処理および均質化熱処理の少なくとも1つを行うことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のクラッド材の製造方法。
【請求項6】
前記側材準備工程において、製造された側材に面削処理および均質化熱処理の少なくとも1つを行うことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のクラッド材の製造方法。
【請求項7】
前記側材の少なくとも1つは、長手方向1m当たりの平坦度が1mm以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の側材の製造方法。
【請求項8】
前記側材の少なくとも1つは、表面粗度が算術平均粗さ(Ra)で0.05〜1.0μmの範囲であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の側材の製造方法。
【請求項9】
前記芯材用鋳塊の厚さが200〜700mm、前記側材の厚さが3〜200mmであることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載のクラッド材の製造方法。
【請求項10】
前記芯材用金属および前記側材用金属が、アルミニウムまたはアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載のクラッド材の製造方法。
【請求項11】
芯材と、前記芯材の片面または両面に重ね合わされた複数の側材とからなるクラッド材の製造方法において、
芯材準備工程で芯材用金属を溶解、鋳造して製造した芯材用鋳塊、側材準備工程で前記芯材用金属とは成分組成の異なる側材用金属を溶解、鋳造して製造した側材用鋳塊、および、側材圧延工程で前記芯材用金属とは成分組成の異なる側材用金属を溶解、鋳造して側材用鋳塊を製造し、さらに熱間圧延して製造した側材用圧延板を準備するクラッド材準備工程と、
前記芯材用鋳塊の片面または両面に、前記側材用鋳塊および前記側材用圧延板を側材として所定配置に重ね合わせて重ね合わせ材を製造する重ね合わせ工程と、
前記重ね合わせ材を熱間圧延してクラッド材を製造するクラッド熱延工程と、
を含むことを特徴とするクラッド材の製造方法。
【請求項12】
前記側材用鋳塊および前記側材用圧延板の厚さが、3〜200mmであることを特徴とする請求項11に記載のクラッド材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−181877(P2007−181877A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−182868(P2006−182868)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】